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溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法、電気化学的安定性の向上した電解液、およびそれを用いた水溶液系ナトリウムイオン電池、水溶液系リチウムイオン電池

阅读:6发布:2024-02-11

专利汇可以提供溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法、電気化学的安定性の向上した電解液、およびそれを用いた水溶液系ナトリウムイオン電池、水溶液系リチウムイオン電池专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法、電気化学的安定性の向上した電解液、およびそれを用いた水溶液系ナトリウムイオン電池、水溶液系リチウムイオン電池专利的具体信息内容。

下記一般式(2) (式(2)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩を、水に添加する、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法。下記一般式(3) (式(3)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のリチウム塩を、水に添加する、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法。一般式(2)〜(3)のいずれかにおけるnが2である、請求項1又は請求項2に記載の電解液の電気化学的安定性を向上させる方法。下記一般式(2) (式(2)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩を電解質塩として含む、電気化学的安定性の向上した水溶液系電解液。下記一般式(3) (式(3)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のリチウム塩を電解質塩として含む、電気化学的安定性の向上した水溶液系電解液。一般式(2)〜(3)のいずれかで表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を電解質塩として0.05モル/L以上含む、請求項4または請求項5に記載の電気化学的安定性の向上した水溶液系電解液。一般式(2)〜(3)のいずれかにおける炭化水素が炭素数1〜3である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の電気化学的安定性の向上した電解液。ナトリウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と、ナトリウムを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、水溶液系電解液とを含む水溶液系ナトリウムイオン電池であって、前記水溶液系電解液が、請求項4に記載の一般式(2)で表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を含む水溶液である、水溶液系ナトリウムイオン電池。リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、水溶液系電解液とを含む水溶液系リチウムイオン電池であって、前記水溶液系電解液が、請求項5に記載の一般式(3)で表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を含む水溶液である、水溶液系リチウムイオン電池。

说明书全文

本発明は、溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法、電気化学的安定性の向上した水溶液系電解液、およびその電解液を用いて動作する水溶液系ナトリウムイオン電池、水溶液系リチウムイオン電池に関する。

高エネルギー密度の二次電池として、非水系のリチウムイオン電池が汎用されている。非水系リチウムイオン電池は、通常、正極活物質が金属リチウム負極や炭素負極に対して+3V〜+4Vの電位でリチウムを出し入れすることから、電池電圧は、3V〜4Vの範囲で作動する。一方、リチウムよりも資源的に豊富なナトリウムを電解質として使用した非水系ナトリウムイオン電池も提案されている(例えば特許文献1参照)。

これらの電池は、エネルギー密度を高める目的で、可燃性であるが、電気分解し難い非水系の電解液が用いられている。 この様な非水系電池に対して、電解液に水溶液を用いた水溶液系ナトリウムイオン電池(例えば、特許文献2、特許文献3参照)あるいは水溶液系リチウムイオン電池が知られている(特許文献4〜6参照)。

この水溶液系電池は、電解液が水溶液であるため、不燃性で取り扱いが容易になるだけでなく、非水系の電解液よりも導電性に優れることから電池の内部抵抗が低くなるなどの利点がある。 しかしながら、水溶液系電解液を用いた電池の電圧は、原理的に水の電気分解電圧以上に上げることができず、電池のエネルギー密度を大きくするには限界があった(例えば非特許文献1参照)。

一方、非水系リチウムイオン二次電池において、高温や高電圧におけるサイクル特性を向上する目的で、電極の被膜やセパレータのフィラーとしてアルキルスルホン酸のリチウム塩を用いた非水系リチウムイオン電池が提案されている(例えば、特許文献7、特許文献8参照)。

国際公開第2010/109889号

特開2011−086402号公報

特開2012−054208号公報

特開2015−095431号公報

特開2009−259473号公報

特開2009−094034号公報

特開2009−187940号公報

特開2014−114764号公報

佐藤登、吉野彰監修、「リチウムイオン電池の高安全技術と材料」、株式会社シーエムシ—出版、2009年2月13日第1刷発行、105〜115頁

吉田隆、「高性能蓄電池—設計基礎研究から開発・評価まで—」、株式外社エヌ・ティー・エス、2009年9月11日発行、337〜343頁

水の分解電圧(即ち電位窓)は、下記に示すNernstの式から、1.23−0.059pH>E(平衡電位)>−0.059pHと表され、「1.23−0.059pH」はO2+4H++4e-=2H2Oに、「−0.059pH」は2H++2e-=H2に基づく。これを超える電位では、水が電気分解するという課題があった。

(式中、E0:は標準電極電位、Rは気体定数、Tは絶対温度(K)、zは移動電子数、aは活量(還元側(aRed)および酸化側(aOx))、Fはファラデー定数=96485 C(クーロン)/molを表す) 吉田隆、「高性能蓄電池—設計基礎研究から開発・評価まで—」、株式外社エヌ・ティー・エス、2009年9月11日発行、337〜343頁(非特許文献2)には、水溶液系リチウムイオン二次電池を安定に作動させるためには、水溶液系電解液が電気分解し、酸素、水素を正・負の両極でそれぞれ発生しないよう、Nernst式に囲まれた水が安定に存在し得る1.23V(ボルト)幅の電位窓の範囲内に、正・負極の充放電電位が収まらなくてはならない旨記載されている。

特開2012−054208号公報(特許文献3)には、電極の腐食等を抑制する目的で、pH変化に対する緩衝作用を発現する緩衝物質を含む電解液が提案されている。当該文献には、6mol/LのNaNO3水溶液が用いられているが、上限電圧は1.5V、下限電圧は0.9Vと、水溶液の電位窓の範囲内でのみ充放電が行われており、これを超える電圧範囲での充放電については、一切記載されていない。

このように、従来の水溶液系電解液では、水の電気分解電圧以上の高い起電を生み出すことは困難であり、この電位窓の範囲内に収まる電極の組合せも限られることから、水溶液系電解液の電気化学的安定性(電位窓)の向上が求められていた。 本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、水溶液系電解液の電気化学的安定性(電位窓)を向上させる方法、および電気化学的安定性の向上した水溶液系電解液、さらにはこれを含む高エネルギー密度の水溶液系電池を提供することにある。

本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定構造のアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を電解質塩に用いることで、水の電気分解を抑制し、広い電圧範囲で安定化することを見出し、本発明を完成させたものである。即ち本発明は、下記の要旨に係わるものである。

1.本発明の水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法は、下記一般式(1) 下記一般式(1)

(式(1)中、MはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群から選ばれる1または2以上の元素であり、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を、水に添加する、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法である。

2.本発明の電解液の電気化学的安定性を向上させる方法は、好ましくは、下記一般式(2)

(式(2)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩を、水に添加することを特徴とする、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法である。

3.本発明の水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法は、好ましくは、下記一般式(3)

(式(3)中、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素であって、5〜8員環の環状構造をなしていてもよく、nは1〜3の整数を示す)で表されるアルキルスルホン酸化合物のリチウム塩を、水に添加することを特徴とする、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法である。 これまでにも、非水系電池の電極やセパレータのフィラー等に特定のアルキルスルホン酸リチウム塩を添加する技術が提案されている(特開2009−187940号公報(特許文献7)、特開2014−114764号公報(特許文献8))。これらの特許文献には、本発明に記されたスルホン酸リチウム塩が活物質の被膜やセパレータのフィラーとして高温や高電圧でのサイクル特性を向上できることが記されているが、これら先行技術は全て非水系二次電池へ適用した技術であり、本発明の様に水溶液系電解液の電位窓を拡大する効果があること、さらには水溶液系電解液二次電池に利用できることなどは一切触れられていない。

4.本発明の方法において、一般式(1)〜一般式(3)のいずれかにおけるnが2となるアルキルジスルホン酸化合物において、特異的に電気化学的安定性が向上する。

5.本発明の水溶液系電解液は、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩やリチウム塩等のアルカリ金属塩を電解質塩として含む、水に溶解した水溶液系電解液である。特に電解液として、良好なイオン伝導性を得るためには、一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を0.05モル/L(リットル)以上の濃度で溶解することが好ましい。また、一般式(1)〜(3)のいずれかにおける炭化水素が炭素数1〜3であることが好ましい。

6.本発明の水溶液系電解液において、一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩が、メタンジスルホン酸ジナトリウム、エタンジスルホン酸ジナトリウム、プロパンジスルホン酸ジナトリウム、メタンジスルホン酸ジリチウム、エタンジスルホン酸ジリチウム、プロパンジスルホン酸ジリチウムであることが好ましい。

7.本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池は、ナトリウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と、ナトリウムを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、上記の水溶液系電解液とを含む、水溶液系ナトリウムイオン電池である。

8.本発明の水溶液系リチウムイオン電池は、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質を含む負極と、上記の水溶液系電解液とを含む、水溶液系リチウムイオン電池である。

本発明によれば、特定のアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を水溶液に溶解することで、電気化学的安定性を高め、これまで使用できなかった、広い電圧範囲で充放電可能な電極を使用することができ、水溶液系電解液の課題であった、エネルギー密度の高い電池を構築することができる。 このように、特定のアルキルスルホン酸塩を溶解した水溶液が、水の電気分解を抑制することによって、広い電圧範囲で安定化され、電位窓(電気化学的安定性)を向上させる効果は、従来の電解質塩を溶解した水溶液では、全く知られていない驚くべき効果である。

実施例1〜12、比較例1〜3で使用した三極式セルの断面図である。

本発明の実施形態の1例を示し、水溶液系電解液を含む水溶液ナトリウム電池または水溶液系リチウムイオン電池の構造を模式的に示すコインセル型電池の断面図である。

本発明の水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上させる方法では、一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を水に添加する。この際、所定の水にアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を添加しても良いし、水中に溶解したアルキルスルホン酸化合物と、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化リチウムや炭酸リチウム等の塩基をそれぞれ添加しても良い。あるいは両処方を併用することもできる。

ここでいう所定の水とは、蒸留水やイオン交換水などを指し、溶存イオン濃度が一定量以下に制限された水を示す。また、溶解する水の温度については、アルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩が溶解する温度であれば、特に制限する必要はない。 電気化学的な安定性が向上する機構については、明らかではないが、アルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を高濃度にするほど、安定性が向上することから、例えば、溶媒和した水分子の安定性が向上する等の機構により、電気化学的な安定性を向上していると考えられる。

本発明に用いられるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩は、アルキルジスルホン酸ジナトリウム塩等のアルキルジスルホン酸ジアルカリ金属塩、またはアルキルトリスルホン酸トリナトリウム塩等のアルキルトリスルホン酸トリアルカリ金属塩を用いた場合に電解液の電気化学的安定性がより向上することから好ましい。この機構も明らかではないが、アルキルジスルホン酸ジアルカリ金属塩やアルキルトリスルホン酸トリアルカリ金属塩は、アルキルモノスルホン酸ナトリウム塩等のアルキルモノスルホン酸アルカリ金属塩に比べて、イオン強度が増加し、水と溶媒和することで電気分解を抑制する機構等により、水の分解を抑制しているのではないかと考えられる。

この様に特定の電解質が共存することによって、水溶液系電解液の電気化学的安定性が向上する効果は、これまで見出されておらず、驚くべき効果である。

本発明の水溶液系電解液は、前記一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩を水に溶解した水溶液である。アルカリ金属塩に特に制限はないが、アルカリ金属塩の中でもナトリウム塩、リチウム塩は飽和溶解度が高いことから特に好ましい。

本発明の水溶液系電解液において、アルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩の濃度は、0.05モル/L以上、飽和濃度以下であることが好ましく、0.5モル/L以上、飽和濃度以下である事がより好ましい。アルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩の濃度が0.05モル/L未満の場合、電気化学的安定化の効果が十分でないことがある。アルキルスルホン酸化合物のアルカリ金属塩の濃度に応じて、水の電気化学的安定性が向上することから、最も好ましい形態は、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩が飽和濃度で溶解した水溶液である。

なお、本発明の方法では、電解液の電導度を向上する目的で、ナトリウム以外の周期表第1族の金属イオン、例えば、カリウムは、ナトリウムよりもイオンサイズが大きく、表面電荷密度が下がることにより、イオン伝導性の向上やより高速な充放電が期待できる。また、リチウムは、ナトリウムよりも軽い元素であることから、重量当たりのエネルギー密度を向上できる可能性がある。さらに、アルカリ金属以外の周期表第2族の金属イオンを共存させることもできる。例えば、マグネシウムやカルシウムは、2価のイオンに解離できることから、より多くの電荷を移動することができ、エネルギー密度の向上が期待できる。

本発明の水溶液系電解液に用いられる一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩等のアルカリ金属塩において、Xは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素基を表し、5〜8員環の環状構造をなしていてもよい。炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチル基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシル基、ヘプタメチレン基、シクロヘプチル基、オクタメチレン基、シクロオクチル基、ノナメチレン基、デカメチレン基、2‐メチルエチレン基、2‐メチルトリメチレン基、3‐メチルトリメチレン基、2‐メチルテトラメチレン基、3‐メチルテトラメチレン基、2‐メチルペンタメチレン基、3‐メチルペンタメチレン基、4−メチルペンタメチレン基、2‐エチルトリメチレン基、3‐エチルトリメチレン基、2‐エチルテトラメチレン基、3‐エチルテトラメチレン基、等を挙げることができる。

この様なアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩として、例えば、メタンスルホン酸ナトリウム、エタンスルホン酸ナトリウム、1−プロパンスルホン酸ナトリウム、2−プロパンスルホン酸ナトリウム、1−ブタンスルホン酸ナトリウム、2−ブタンスルホン酸ナトリウム、1−ペンタンスルホン酸ナトリウム、2−ペンタンスルホン酸ナトリウム、3−ペンタンスルホン酸ナトリウム、1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、2−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、3−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、2−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、3−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、4−ヘプタンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、2−オクタンスルホン酸ナトリウム、3−オクタンスルホン酸ナトリウム、4−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−ノナンスルホン酸ナトリウム、2−ノナンスルホン酸ナトリウム、3−ノナンスルホン酸ナトリウム、4−ノナンスルホン酸ナトリウム、5−ノナンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウム、2−デカンスルホン酸ナトリウム、3−デカンスルホン酸ナトリウム、4−デカンスルホン酸ナトリウム、5−デカンスルホン酸ナトリウム等を挙げることができる。

また、この様なアルキルスルホン酸化合物のリチウム塩として、例えば、メタンスルホン酸リチウム、エタンスルホン酸リチウム、1−プロパンスルホン酸リチウム、2−プロパンスルホン酸リチウム、1−ブタンスルホン酸リチウム、2−ブタンスルホン酸リチウム、1−ペンタンスルホン酸リチウム、2−ペンタンスルホン酸リチウム、3−ペンタンスルホン酸リチウム、1−ヘキサンスルホン酸リチウム、2−ヘキサンスルホン酸リチウム、3−ヘキサンスルホン酸リチウム、1−ヘプタンスルホン酸リチウム、2−ヘプタンスルホン酸リチウム、3−ヘプタンスルホン酸リチウム、4−ヘプタンスルホン酸リチウム、1−オクタンスルホン酸リチウム、2−オクタンスルホン酸リチウム、3−オクタンスルホン酸リチウム、4−オクタンスルホン酸リチウム、1−ノナンスルホン酸リチウム、2−ノナンスルホン酸リチウム、3−ノナンスルホン酸リチウム、4−ノナンスルホン酸リチウム、5−ノナンスルホン酸リチウム、1−デカンスルホン酸リチウム、2−デカンスルホン酸リチウム、3−デカンスルホン酸リチウム、4−デカンスルホン酸リチウム、5−デカンスルホン酸リチウム等を挙げることができる。

アルキルジスルホン酸化合物のジナトリウム塩の具体例として、例えば、メタンジスルホン酸ジナトリウム、1,2−エタンジスルホン酸ジナトリウム、1,1−エタンジスルホン酸ジナトリウム、1,1−プロパンジスルホン酸ジナトリウム、1,2−プロパンジスルホン酸ジナトリウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジナトリウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジナトリウム、ペンタンジスルホン酸ジナトリウム、ヘキサンジスルホン酸ジナトリウム、2‐メチルエタンジスルホン酸ジナトリウム、2-メチルプロパンジスルホン酸ジナトリウム、3-メチルプロパンジスルホン酸ジナトリウム、2‐メチルブタンジスルホン酸ジナトリウム、3-メチルブタンジスルホン酸ジナトリウム、2‐メチルペンタンジスルホン酸ジナトリウム、3‐メチルペンタンジスルホン酸ジナトリウム、4−メチルペンタンジスルホン酸ジナトリウム、2‐エチルプロパンジスルホン酸ジナトリウム、3−エチルプロパンジスルホン酸ジナトリウム等を挙げることができる。

さらに、アルキルトリスルホン酸化合物のトリナトリウム塩の具体例として、例えば、1,2,3−プロパントリスルホン酸トリナトリウム、1,3,5−ペンタントリスルホン酸トリナトリウム等を挙げることができる。

また、アルキルジスルホン酸化合物のジリチウム塩の具体例として、例えば、メタンジスルホン酸ジリチウム、1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,1−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,1−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,2−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウム、1,4−ブタンジスルホン酸ジリチウム、ペンタンジスルホン酸ジリチウム、ヘキサンジスルホン酸ジリチウム、2‐メチルエタンジスルホン酸ジリチウム、2-メチルプロパンジスルホン酸ジリチウム、3-メチルプロパンジスルホン酸ジリチウム、2‐メチルブタンジスルホン酸ジリチウム、3-メチルブタンジスルホン酸ジリチウム、2‐メチルペンタンジスルホン酸ジリチウム、3‐メチルペンタンジスルホン酸ジリチウム、4−メチルペンタンジスルホン酸ジリチウム、2‐エチルプロパンジスルホン酸ジリチウム、3−エチルプロパンジスルホン酸ジリチウム等を挙げることができる。

さらに、アルキルトリスルホン酸化合物のトリリチウム塩の具体例として、例えば、1,2,3−プロパントリスルホン酸トリリチウム、1,3,5−ペンタントリスルホン酸トリリチウム等を挙げることができる。

これらアルキルスルホン酸化合物のナトリウム等のアルカリ金属塩のうち、アルキルジスルホン酸ジナトリウム、アルキルスルホン酸ジリチウムが好ましく、その中でも、メタンジスルホン酸ジナトリウム、メタンジスルホン酸ジリチウム、1,2−エタンジスルホン酸ジナトリウム、1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、2‐メチル−1,2−エタンジスルホン酸ジナトリウム、2‐メチル−1,2−エタンジスルホン酸ジリチウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジナトリウム、1,3−プロパンジスルホン酸ジリチウムが電気化学的安定性をより向上できる点で特に好ましい。

本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池は、ナトリウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と負極、セパレータに前記一般式(1)のアルキルスルホン酸化合物のナトリウム塩を水に0.05モル/L以上の濃度で溶解した水溶液から成る。

本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池の正極としては、例えば、ナトリウムを吸蔵放出可能な正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極材とし、集電体の表面に圧着しても良いし、この正極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成しても良い。本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池において、正極活物質は、水溶液中でナトリウムを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されずに用いることができる。この様な正極活物質として、例えば、NaMnO2等のマンガン酸化物、NaFePO4やNaFenMn1-nPO4などのオリビン型複合酸化物、Na3V2(PO4)3などのNASICON(Na Super Ionic Conductor)型構造を有する複合酸化物、NaCoO2などの層状酸化物、NaMn2O4などのスピネル系酸化物等を挙げることができる。

本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池の負極としては、例えば、ナトリウムを吸蔵放出可能な負極活物質と導電剤と結着剤とを混合して負極材とし、集電体の表面に圧着しても良いし、この負極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成しても良い。本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池において、負極活物質は、水溶液中でナトリウムを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されずに用いることができる。この様な負極活物質としては、鉄、チタン、マンガン、バナジウム等の遷移金属を含有する酸化物や水酸化物、さらにこれらの金属とナトリウムとの複合酸化物が挙げられ、例えば、FeOOH、TiP2O7、NaTi2(PO4)3等を挙げることができる。

セパレータとしては、ナトリウムイオン電池の電圧範囲に耐えうる素材であれば特に限定されないが、水溶液系電解液が浸透しやすいように、親水処理を施した微多孔性膜等を用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂の微多孔膜や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系不織布等の高分子不織布を挙げることができる。

本発明の水溶液系ナトリウムイオン電池の形状、形態としては、特に限定されないが、例えば、円筒型、積層型、型、コイン型、カード型およびラミネート型などが挙げられる。

本発明の水溶液系リチウムイオン電池は、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極と負極、セパレータに前記一般式(1)のアルキルスルホン酸化合物のリチウム塩を水に0.05モル/L以上の濃度で溶解した水溶液から成る。

本発明の水溶液系リチウムイオン電池の正極としては、例えば、リチウムを吸蔵放出可能な正極活物質と導電剤と結着剤とを混合して正極材とし、集電体の表面に圧着しても良いし、この正極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成しても良い。本発明の水溶液系リチウムイオン電池において、正極活物質は、水溶液中でリチウムを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されずに用いることができる。この様な正極活物質として、例えば、LiMn2O4等のマンガン酸化物、LiFePO4やLiFenMn1-nPO4などのオリビン型複合酸化物、Li3V2(PO4)3などのLISICON(Li Super Ionic Conductor)型構造を有する複合酸化物、LiCoO2などの層状酸化物を挙げることができる。

本発明の水溶液系リチウムイオン電池の負極としては、例えば、リチウムを吸蔵放出可能な負極活物質と導電剤と結着剤とを混合して負極材とし、集電体の表面に圧着しても良いし、この負極材に適当な溶剤を加えてペースト状としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成しても良い。本発明の水溶液系リチウムイオン電池において、負極活物質は、水溶液中でリチウムを吸蔵放出可能なものであれば特に限定されずに用いることができる。この様な負極活物質としては、鉄、チタン、マンガン、バナジウム等の遷移金属を含有する酸化物や水酸化物、さらにこれらの金属とリチウムとの複合酸化物が挙げられ、例えば、FeOOH、TiP2O7、LiTi2(PO4)3等を挙げることができる。

セパレータとしては、リチウムイオン電池の電圧範囲に耐えうる素材であれば特に限定されないが、水溶液系電解液が浸透しやすいように、親水処理を施した微多孔性膜等を用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂の微多孔膜や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系不織布等の高分子不織布を挙げることができる。

本発明の水溶液系リチウムイオン電池の形状、形態としては、特に限定されないが、例えば、円筒型、積層型、角型、コイン型、カード型およびラミネート型などが挙げられる。

図2はこの発明の実施形態の1例を示し,水溶液系ナトリウムイオン電池または水溶液系リチウムイオン電池の構造を模式的に示したコインセル型電池の断面図である。この電池は、セパレータ13を挟んで正極物質6を集電体7上に固定した正極と、負極物質9を集電体10上に固定した負極を対向配置し、負極ステンレス製キャップ9にステンレス製板バネ12を設置し、負極、セパレータおよび正極からなる積層体をコイン型セル内に収納した。この積層体に本発明の電解液を注入した後、ガスケット14を配置後、正極ステンレス製キャップ8をかぶせ、コイン型セルケースを加締めることで作成することができる。

以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [実施例1] 純水に、1,3-プロパンジスルホン酸ジナトリウム(以下、PDSSと略す)63gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、5モル/Lであった。 PDSS水溶液のサイクリックボルタンメトリー(CV)は、作用極に白金プレート電極、参照極にAg/AgCl電極、対極に白金メッシュ電極を用いた三極式セルで行った。

このPDSSの水溶液を用いたCV測定の結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.75Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.77Vを示し、PDSS水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.75V−(−0.77V)=2.52Vと算出された。

[実施例2] 純水に、1,2-エタンジスルホン酸ジナトリウム(以下、EDSSと略す)59gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液のナトリウムイオン濃度は、5モル/Lであった。

このEDSSの水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.70Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.75Vを示し、EDSS水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.70V−(−0.75V)=2.45Vと算出された。

[実施例3] 純水に、メタンジスルホン酸ジナトリウム(以下、MDSSと略す)33gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液のナトリウムイオン濃度は、3モル/Lであった。 このMDSSの水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.66Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.74Vを示し、MDSS水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.66V−(−0.74V)=2.40Vと算出された。

[比較例1] 48重量%の水酸化ナトリウム水溶液100gを用いた以外は、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で0.24Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.99Vを示し、水酸化ナトリウムの水溶液の電位窓は、0.24V−(−0.99V)=1.23Vであった。

[実施例4] 純水に、PDSS、12.4gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 このPDSSの水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.57Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.73Vを示し、PDSS水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.57V−(−0.73V)=2.30Vと算出された。

[実施例5] 純水に、PDSS、1.24gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、0.1モル/Lであった。 このPDSSの水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、0.91Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.70Vを示し、PDSS水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、0.91V−(−0.70V)=1.61Vと算出された。

[実施例6] 純水に、メタンスルホン酸ナトリウム、11.2gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 このメタンスルホン酸ナトリウム水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.46Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.77Vを示し、メタンスルホン酸ナトリウム水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.46V−(−0.77V)=2.23Vと算出された。

[実施例7] 純水に、エタンスルホン酸ナトリウム、13.2gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 このメタンスルホン酸ナトリウム水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.48Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.78Vを示し、エタンスルホン酸ナトリウム水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.48V−(−0.78V)=2.26Vと算出された。

[実施例8] 純水に、シクロヘキシルスルホン酸ナトリウム、18.6gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 このシクロヘキシルスルホン酸ナトリウム水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.39Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.80Vを示し、シクロヘキシルスルホン酸ナトリウム水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.39V−(−0.80V)=2.19Vと算出された。

[実施例9] 純水に、1,2,3-プロパントリスルホン酸トリナトリウム、11.7gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 この1,2,3-プロパントリスルホン酸トリナトリウム水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.45Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.81Vを示し、1,2,3-プロパントリスルホン酸トリナトリウム水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.45V−(−0.81V)=2.26Vと算出された。

[実施例10] 純水に、1,3,5-ペンタントリスルホン酸トリナトリウム、11.7gを溶解させ、100mlの水溶液とした。この水溶液中のナトリウムイオン濃度は、1モル/Lであった。 この1,3,5-ペンタントリスルホン酸トリナトリウム水溶液を用いて、実施例1と同様の方法でCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.60Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.75Vを示し、1,3,5-ペンタントリスルホン酸トリナトリウム水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.60V−(−0.75V)=2.35Vと算出された。

(実験結果) 表1に実施例1、2、3、比較例1の組成例および結果を示す。本発明のアルキルスルホン酸ナトリウム塩である、PDSS、EDSS、MDSSの水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液と比較して、2倍に近い電位窓を確認した。この安定化機構については明らかでないが、例えば、水分子はナトリウムイオンに水和しただけでは、電気化学的に不安定であるが、その周囲をアルキルスルホン酸イオンが防御することで、電気化学安定性が向上した。 もしくは、アルキルスルホン酸イオンが高濃度で溶解したことにより、電極表面に安定な防御被膜を形成し、水の電気分解を抑制したと考えられる。 実施例1と実施例4、5の結果から、PDSSが高濃度になるほど、酸化分解電圧が向上していることから、このアルキルスルホン酸イオンは、高濃度になるほど、酸化分解を抑制する効果に優れていることが考察される。

実施例6〜10はモノスルホン酸ナトリウム、トリスルホン酸トリナトリウムを用いた例である。これらのアルキルスルホン酸のナトリウム塩を共存させた場合でも、電気化学的に安定性が向上することが確認された。これらのことから、本発明の方法を用いれば、従来では考えられなかった、水溶液系電解液の電気化学的安定性を向上することができる。

[実施例11] 純水に、1,3-プロパンジスルホン酸ジリチウム(以下、PDSLと略す)を25℃の条件下、飽和になるまで溶解させ、飽和水溶液を得た。この水溶液中のLi濃度は、5.8モル/Lであった。 この飽和PDSL水溶液を、実施例1と同様の方法を用いてCVを測定した。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.70Vを示した。一方、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.89Vを示し、PDSL水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.70V−(−0.89V)=2.59Vと算出された。

[比較例2] 25℃の条件下、純水に水酸化リチウム・1水和物を飽和になるまで溶解し、水酸化リチウムの飽和溶液を調製した。この飽和溶液を定量したところ、水酸化リチウム換算で12.4wt%(5.3モル/L)の水酸化リチウムが溶解していた。この溶液を実施例1と同様の方法を用いてCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.01Vを示し、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.67Vを示した。PDSL水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、1.01V−(−0.67V)=1.67Vと算出された。

[実施例12] 25℃の条件下、PDSL2.2gを純水に溶解し、20mlの水溶液を得た。この水溶液中のLi濃度は、1モル/Lであった。 この1モル/LのPDSL水溶液を、実施例1と同様の方法を用いてCVを測定した。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、1.39Vを示し、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.75Vを示した。この1モル/LのPDSL水溶液の酸化-還元の電位窓は、1.39V−(−0.75V)=2.21Vと算出された。

[比較例3] 25℃の条件下、純水に0.84gの水酸化リチウム・1水和物を溶解し、20mlの水溶液を得た。この水溶液中のLi濃度は、1モル/Lであった。 この溶液を実施例1と同様の方法を用いてCV測定を行った。その結果、酸化側の分解電圧は、水素電極基準で、0.96Vを示し、還元側で水素が発生する分解電圧は、水素電極基準で、-0.75Vを示した。PDSL水溶液の酸化-還元の電気化学的安定性、即ち、電位窓は、0.96V−(−0.75V)=1.71Vと算出された。

(実験結果) 表2に実施例11、12、比較例2、3の実験結果を示す。実施例1に記載したナトリウム塩をリチウム塩に代えた水溶液でも電位窓(電気化学的安定性)が向上していることを確認した。この安定化効果は、比較例2、3の結果と較べて、アルキルスルホン酸イオンが電位窓向上に関与していることが明らかとなった。この安定化の機構についても明らかではないが、水分子はリチウムイオンを溶解させただけでは、電気化学的に不安定であるが、それにアルキルスルホン酸イオンが関与することで、電気化学安定性が向上したか、もしくは、アルキルスルホン酸イオンが高濃度で溶解したことにより、電極表面に水分子が近づき難くなり、結果として水の電気分解を抑制したと考えられる。

本発明によれば、これまで、水溶液の電気化学的安定性に制限があり充放電が困難だった高い電圧でも充放電が可能であることから、安全で高エネルギー密度のナトリウムイオン電池あるいはリチウムイオン電池を構築することができる。

1 作用極(白金プレート電極) 2 対極(白金メッシュ電極) 3 参照極(Ag/AgCl電極) 4 バイトン製オーリング 5 電解液水溶液 6 正極物質 7 正極集電体 8 正極ステンレス製キャップ 9 負極ステンレス製キャップ 10 負極物質 11 負極集電体 12 ステンレス製板バネ 13 無機フィラー含有ポリオレフィン多孔質セパレータ 14 ガスケット

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