穀粉組成物

阅读:734发布:2024-01-11

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原料穀類の粉砕物を分級回収した微粉画分に、該微粉画分中の粉体に対して油脂を配合してなり、 前記原料穀類の粉砕物は、小麦全粒粉又は小麦ふすまであり、 前記微粉画分中の粉体に対する前記油脂の配合量は、前記原料穀類の粉砕物が小麦全粒粉の場合は15〜50質量%、前記原料穀類の粉砕物が小麦ふすまの場合は35〜100質量%である穀粉組成物。前記油脂は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール、リン脂質及び植物油からなる群から選択される1種以上である請求項1に記載の穀粉組成物。アルキルレゾルシノールを含有する請求項1又は2に記載の穀粉組成物。炭素原子数15〜25の長鎖アルキル基を有するレゾルシノールの混合物を含有する請求項1〜3の何れか一項に記載の穀粉組成物。原料穀類を粉砕し、その粉砕物を、相対的に平均粒径が小さい微粉画分とそれ以外の他の画分とに分級し、該微粉画分を回収する分級工程と、 前記微粉画分中の粉体に対して油脂を配合し、撹拌する油脂配合工程とを有し、 前記原料穀類の粉砕物は、小麦全粒粉又は小麦ふすまであり、 前記油脂配合工程において、前記微粉画分中の粉体に対する前記油脂の配合量は、前記原料穀類の粉砕物が小麦全粒粉の場合は15〜50質量%、前記原料穀類の粉砕物が小麦ふすまの場合は35〜100質量%である、穀粉組成物の製造方法。前記油脂配合工程後に、前記微粉画分を室温20〜30℃の環境下で1時間以上放置する熟成工程を有する請求項5記載の穀粉組成物の製造方法。

说明书全文

本発明は、原料穀類の粉砕物を含む穀粉組成物に関し、詳細には、機能性素材として近年注目されているアルキルレゾルシノールを含有する穀粉組成物に関する。

アルキルレゾルシノールが抗肥満作用、抗酸化作用、免疫賦活作用等を有することは周知である。非特許文献1には、アルキルレゾルシノールが、天然の非イソテルぺノイド系フェノール性両親媒性化合物であるレゾルシノール脂質として広く植物に含まれることが記載されており、また、レゾルシノール脂質の給源となる植物として、小麦等のイネ科が記載されている。また、非特許文献2には、アルキルレゾルシノールが植物の中でも特に小麦やライ麦に多く含まれている旨が記載されている。

また従来、パン等のベーカリー食品においては、生地の改良、製パン性の向上等を目的として、乳化剤、油脂組成物等が使用されている。例えば特許文献1には、強小麦粉に特定組成の乳化油脂組成物を配合したものを原料として用いると、ベーカリー食品の焼成後のボリュームが向上し得ることが記載されている。また特許文献2には、グリセリンモノ脂肪酸エステル等の油脂を含む製パン練り込み用乳化油脂組成物を、小麦粉、小麦胚芽、全粒粉等の穀粉類に配合することで、ソフトでしとりがあり、口溶けが良好であり、良好な体積のパンが得られることが記載されている。また特許文献3には、パン等の小麦粉製品の食感等の改良の目的で、強力粉、全粒粉等の小麦粉に、油脂を含む油脂組成物を配合することが記載されている。

Chemical Reviews (1999) 、 Vol.99 、 No.1 、 pp.1-26、 Arkadiusz Kozubek,John H. P. Tyman

Nutrition Reviews (2004) 、 Vol.62 、 No.3 、 pp.81-95、 Alastair B. Ross et al.

特開2009−240240号公報

特開2012−125236号公報

特開2012−217346号公報

機能性成分であるアルキルレゾルシノール類は、脂溶性が高いこと等のため、小腸からの吸収効率が低い。そのため、アルキルレゾルシノール類の混合物を体内に取り込むためには、該混合物の含量が高い素材、例えばライ麦等の穀類やナッツ類の外皮部分を大量に摂取する必要がある。しかし、それらは一般的に呈味性に劣り主食として日常的に摂取しにくいため、十分なアルキルレゾルシノールを吸収することができなかった。そのため、アルキルレゾルシノールの吸収効率が高い食品素材の開発が望まれている。

従って本発明は、アルキルレゾルシノールを効率的に吸収し得る食品素材として有用な穀粉組成物に関する。

本発明者らは、人体に有用なアルキルレゾルシノールについて鋭意検討した結果、小麦全粒粉等の穀類又はその加工物に含まれるアルキルレゾルシノールは、脂溶性が高く、それ故に体内吸収効率に劣ることを知見し、更に検討した結果、小麦全粒粉をそのまま用いずに、小麦全粒粉から平均粒径150〜200μm未満の微粉画分を分級回収し、且つ該微粉画分に所定量の油脂を配合することにより、該微粉画分に含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収の律速因子である、該アルキルレゾルシノールの相への可溶化度が向上することを知見した。

本発明は、前記知見に基づきなされたもので、原料穀類の粉砕物を分級回収した微粉画分に、該微粉画分中の粉体に対して1〜100質量%の油脂を配合してなる穀粉組成物を提供するものである。

また本発明は、前記知見に基づきなされたもので、原料穀類を粉砕し、その粉砕物を、相対的に平均粒径が小さい微粉画分とそれ以外の他の画分とに分級し、該微粉画分を回収する分級工程と、前記微粉画分中の粉体に対して1〜100質量%の油脂を配合し、撹拌する油脂配合工程とを有する、穀粉組成物の製造方法を提供するものである。

本発明によれば、アルキルレゾルシノールを効率的に吸収し得る食品素材として有用な穀粉組成物が提供される。

本発明の穀粉組成物は、原料穀類の粉砕物を分級回収した微粉画分を主体とする。微粉画分を主体とする本発明の穀粉組成物において、該穀粉組成物の総質量に対する、該微粉画分の占める割合は、50質量%を超える。

本発明で用いる原料穀類としては、アルキルレゾルシノールを含有するものが望ましい。アルキルレゾルシノールは、天然の非イソテルぺノイド系フェノール性両親媒性化合物であるレゾルシノール脂質として、種々の植物に含まれていることが知られており、アルキルレゾルシノールの給源としては、イネ科植物の他に、例えば、ウルシ科、イチョウ科、ヤマモガシ科、ヤブコウジ科、サクラソウ科、ニクズク科、アヤメ科、サトイモ科、キク科のヨモギ、マメ科等が知られている。これらの植物の中でも、イネ科植物(イネ科植物種子)は、可食性有効成分としてのアルキルレゾルシノールの研究が進んでいること等から、原料穀類(アルキルレゾルシノールの給源)として本発明で好ましく用いられる。

アルキルレゾルシノールの給源となり得る、原料穀類として利用可能なイネ科植物としては、特に制限されないが、例えば、小麦、デュラム小麦、ライ麦、ライ小麦、大麦、オーツ麦、はと麦、トウモロコシ、ヒエ、アワ、キビ等の穀類が挙げられ、これら1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの穀類の中でも、高い活性が得られる点から、特に小麦、デュラム小麦等のコムギ属の植物が好ましく、小麦が更に好ましい。

本発明に係る微粉画分は、原料穀類の粉砕物の一部である。原料穀類の粉砕物は、穀類の種子(例えばイネ科植物種子)を、その粒のまま粉砕して粉にしたものであり、胚乳、胚芽、外皮等の、原料穀類の各部が全て含まれている。本発明においては、本発明に係る微粉画分の基となる原料穀類の粉砕物として、該粉砕物の全部を用いても良く、該粉砕物の一部のみを用いても良い。原料穀類の粉砕物の全部を用いる場合、例えば小麦粒をそのまま粉砕して粉にした、小麦全粒粉を用いることができる。即ち、本発明の穀粉組成物には、小麦全粒粉を分級回収した微粉画分に、該微粉画分中の粉体に対して1〜100質量%の油脂を配合してなる穀粉組成物が含まれる。

また、本発明に係る微粉画分の基となる原料穀類の粉砕物として、該粉砕物の一部のみを用いる場合、例えば小麦ふすまを用いることができる。即ち、本発明の穀粉組成物には、小麦ふすまを分級回収した微粉画分に、該微粉画分中の粉体に対して1〜100質量%の油脂を配合してなる穀粉組成物(ふすま組成物)が含まれる。本発明で用いる小麦ふすまは、小麦粒の外皮部を主体とするものである。小麦ふすまとしては、一般的な小麦粉の製造過程で生じる、小麦粒から胚乳を除去した残部、あるいはこの残部からさらに胚芽を除去したもの等を用いることができ、組成や製造過程を問わない。また、小麦ふすまの原料となる小麦の種類は特に制限されない。

原料穀類の粉砕物の製造において、原料穀類の粉砕方法は特に制限されず、公知の粉砕方法を適宜用いることができ、例えば、ロール式粉砕、衝撃式粉砕、気流式粉砕等が挙げられる。本発明ではこれらの1つを単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。例えば、ロール式粉砕と衝撃式粉砕とを組み合わせ、両者をこの順で実施することができる。また、ロール式粉砕等による原料穀類の粉砕は、1回でも良く、多段階で複数回行っても良い。また、衝撃式粉砕に用いる粉砕機としては、衝撃板と回転ローター間で機械的衝撃により粉砕を行うものであれば特に限定されるものではなく、例えばターボミル、ブレードミル等を用いることができる。また、原料穀類の粉砕物の製造において、原料穀類を粉砕する前に、原料穀類に加水して調質しても良く、あるいは加水・調質せずに原料穀類を粉砕しても良い。また、原料穀類の粉砕物から微粉画分を分級回収する方法は特に制限されず、篩分け等の公知の分級方法を用いることができる。

本発明に係る微粉画分の平均粒径は、それに含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収効率の向上の観点から、好ましくは150〜200μm未満、更に好ましくは150〜180μm以下、特に好ましくは150μm未満である。本明細書において「平均粒径」は、特に断らない限り、日機装株式会社製「マイクロトラック粒度分布測定装置9200FRA」を用いて乾式で測定した平均粒径を意味する。

本発明に係る微粉画分は、例えば次のようにして製造することができる。先ず、原料穀類を粉砕し、その粉砕物の一部(例えば小麦ふすま)又は全部(例えば小麦全粒粉)を、相対的に平均粒径が小さい微粉画分(平均粒径が好ましくは150〜200μm未満の微粉画分。以下、第1の微粉画分ともいう。)と、それ以外の他の画分(以下、粗分画分ともいう)とに分級し、該微粉画分を回収する(第1の分級工程)。第1の分級工程は、常法に従って実施することができる。

次に、前記粗分画分を粉砕し、その粉砕物を、相対的に平均粒径が小さい微粉画分(平均粒径が好ましくは150〜200μm未満の微粉画分。以下、第2の微粉画分ともいう。)と、それ以外の他の画分とに分級し、該第2の微粒子画分を回収する(第2の分級工程)。

前記第2の分級工程において粗分画分を粉砕する前に、該粗分画分を加熱処理することが好ましい。斯かる粗分画分の加熱処理により、次工程で粗分画分が粉砕されやすくなる。粗分画分の加熱処理は、乾熱処理でも良く、湿熱処理でも良いが、特に湿熱処理が好ましい。乾熱加熱は、容器中に原料(粗分画分)を入れ、水分を加えずに、該容器の外から加熱する熱処理である。湿熱加熱は、原料(粗分画分)中の水分を維持しながら、又は水分を加えながら行う熱処理であり、より具体的には、水蒸気又は水の存在下で原料を加熱する方法が挙げられ、その際、水蒸気又は水自体で原料を加熱しても良い。

前記第2の分級工程において、粗分画分の湿熱処理は、粗分画分に含まれるアミラーゼやプロテアーゼ等の各種酵素の活性を失活又は低減させるように行うことが好ましい。粗分画分における酵素の活性を失活又は低減させておくと、粗分画分の二次加工性が向上すると共に、これを用いた二次加工品の風味、食感が向上する。好ましい粗分画分の湿熱処理の一例として、粗分画分が収容された密閉容器内に飽和水蒸気を導入し、加熱温度(粗分画分の品温)80〜110℃、加熱時間(粗分画分の容器内滞留時間)1〜60秒間で、粗分画分を湿熱処理する方法が挙げられる。斯かる湿熱処理方法において、加熱温度は好ましくは85〜98℃、更に好ましくは90〜95℃であり、加熱時間は好ましくは5〜30秒間である。斯かる粗分画分の湿熱処理方法は、特許第2784505号公報に記載の粉粒体加熱装置を用いて実施することができる。

前記第2の分級工程において、粗分画分の粉砕方法としては、公知の粉砕方法を用いることができるが、衝撃式粉砕が好ましい。粗分画分の粉砕の程度は、次工程の分級において、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分の割合が80〜100質量%、特に90〜100質量%となるように行うことが好ましい。

前記第2の分級工程において、粗分画分の粉砕物から第2の微粉画分を分級回収する方法は特に制限されず、篩分け等の公知の分級方法を用いることができる。第2の分級工程で分級される、第2の微粉画分以外の他の画分は、基本的に不要であり、廃棄しても良いが、第2の分級工程に戻して再度粉砕しても良い。

前記第1の分級工程で回収された第1の微粉画分と、前記第2の分級工程で回収された第2の微粉画分とを混合し、目的とする本発明に係る微粉画分を得る。

本発明の穀粉組成物は、以上のようにして得られる、原料穀類の粉砕物の微粉画分に、該微粉画分中の粉体(例えば小麦全粒粉又は小麦ふすまの微粉)に対して1〜100質量%の油脂を配合してなる。微粉画分中の粉体に対する油脂の配合量が1質量%未満では、該微粉画分(穀粉組成物)に含まれるアルキルレゾルシノールの可溶化率の向上効果に乏しい。一方、微粉画分中の粉体に対する油脂の配合量が100質量%を超えても、アルキルレゾルシノールの可溶化率の向上の程度は頭打ちであってこれを多く配合する意義に乏しく、また、油脂が多く配合されることよって、穀粉組成物の、健康を推進する食品素材としての価値が低下するおそれがある。微粉画分中の粉体に対する油脂の配合量は、微粉画分の基となる原料穀類の粉砕物が小麦全粒粉の場合は、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜35質量%であり、また、微粉画分の基となる原料穀類の粉砕物が小麦ふすまの場合は、好ましくは35〜100質量%、さらに好ましくは50〜100質量%である。

油脂としては、飽和脂肪酸(例えばオクタン酸、ラウリン酸等)、不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸等)、モノアシルグリセロール(例えば1−モノオレイン等)、ジアシルグリセロール(例えば1,2−ジオレイン等)、トリアシルグリセロール(例えばトリオレイン等)、リン脂質(例えばレシチン等)及び動植物油(例えば大豆油、菜種油、ラード等)が挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの油脂の中でも特に、大豆油、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール及びレシチン(リン脂質)は、特に効果が高く、本発明で好ましく用いられる。

本発明に係る微粉画分の基となる原料穀類の粉砕物として小麦ふすまを用いた場合、 小麦ふすまを分級回収した微粉画分に配合する油脂としては、常温(室温25℃)で流動性を有する液状油脂でも良く、常温で流動性を有しない固形油脂でも良いが、前者を用いることがより好ましい。その理由は、液状油脂の方が固形油脂に比して、後述するアルキルレゾルシノール可溶化率がより高くなるためアルキルレゾルシノールの体内吸収効率が向上することが期待できるためである。尤も、後述する実施例19で用いたトリラウリンのように、固形油脂であっても液状油脂と同等以上のアルキルレゾルシノールの可溶化率を示すものは存在する。本発明で使用可能な常温で流動性を有する液状油脂としては、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸等)、モノアシルグリセロール(例えば1−モノオレイン等)、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール(例えばトリオレイン等)、リン脂質及び動植物油(例えば大豆油、菜種油等)が挙げられる。

本発明の穀粉組成物は、原料穀類の粉砕物の微粉画分に前記特定量の油脂を添加し、その混合物を撹拌することで得られる。この混合物の撹拌により、微粉画分中の粉体と油脂とが均一に混ざり合う。本発明では、斯かる油脂配合工程後に、微粉画分を室温20〜30℃の環境下で1時間以上放置する熟成工程を実施しても良い。この熟成工程では、加熱、加圧等の処理(対象物の変質を伴う処理)は一切行わないが、撹拌、振盪、転倒混和は行っても構わない。このような熟成工程を実施することにより、微粉画分中の粉体と油脂との一体化が一層促進されるため、該粉体に含まれるアルキルレゾルシノールの可溶化率の一層の向上が図られる。

本発明の穀粉組成物は、原料穀類として、アルキルレゾルシノールの給源となり得るイネ科植物等を用いることにより、アルキルレゾルシノールを含有する。本発明の穀粉組成物のアルキルレゾルシノール含有率は、原料穀類の種類等によって異なるが、例えば、原料穀類の粉砕物として小麦全粒粉を用いた場合、通常0.04〜0.05質量%以上である。尤も、本発明の穀粉組成物におけるアルキルレゾルシノール含有率は、小麦全粒粉のそれと基本的に略同じであり、本発明の穀粉組成物は、小麦全粒粉等に比してアルキルレゾルシノールを必ずしも高含有しているわけではない。本発明の穀粉組成物の主たる特徴の1つは、前述したように、それに含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収の律速因子である、該アルキルレゾルシノールの水相への可溶化度が、小麦全粒粉等に含まれるアルキルレゾルシノールのそれに比して向上している点にある。尚、ここでいう「アルキルレゾルシノール含有率」は、穀粉組成物が複数種のアルキルレゾルシノールを含んでいる場合は、それら複数種それぞれの含有率の合計値を意味する。

本発明の穀粉組成物は、好ましくは、下記一般式(I)で表されるアルキルレゾルシノールを1種以上含有する。即ち、本発明の穀粉組成物は、好ましくは、炭素原子数15〜25の長鎖アルキル基を有するレゾルシノールの混合物を含有する。下記一般式(I)で表されるアルキルレゾルシノールは、特に、原料穀類の粉砕物として小麦全粒粉又は小麦ふすまを用いた場合に得られやすい。

前記一般式(I)におけるR1に関し、炭素原子数15〜25の飽和アルキル基としては、代表例として、n−ペンタデシル、n−ヘプタデシル、n−ノナデシル、n−ヘンイコシル、n−トリコシル、n−ペンタコシル、n−ヘプタコシル等の直鎖状のものが挙げられ、これらの他に、分岐状又は環状のものでも良い。これらの中でも、炭素原子数15〜23の飽和アルキル基が好ましい。

また、前記一般式(I)におけるR1に関し、炭素原子数15〜25の不飽和アルキル基としては、上記の炭素原子数15〜25の飽和アルキル基に対応するものが挙げられる。不飽和アルキル基に含まれる不飽和結合の数及び位置に特に制限はない。

また、前記一般式(I)におけるR2は水素原子であることが好ましく、また、R1はR2に対してパラ位に結合していることが好ましい。

本発明の穀粉組成物に含まれ得るアルキルレゾルシノールの具体例としては、以下のものが挙げられる。下記のアルキルレゾルシノールは、特に、原料穀類の粉砕物として小麦全粒粉又は小麦ふすまを用いた場合に得られやすい。 1,3−ジヒドロキシ−5−n−ペンタデシルベンゼン(C15:0) 1,3−ジヒドロキシ−5−n−ヘプタデシルベンゼン(C17:0) 1,3−ジヒドロキシ−5−n−ノナデシルベンゼン(C19:0) 1,3−ジヒドロキシ−5−n−ヘンイコシルベンゼン(C21:0) 1,3−ジヒドロキシ−5−n−トリコシルベンゼン(C23:0) 1,3−ジヒドロキシ−5−n−ペンタコシルベンゼン(C25:0)

本発明の穀粉組成物は、通常の穀粉と同様に食品素材として用いることができる。この食品素材には、人用の飲食品のみならず、動物用飼料も含まれる。本発明の穀粉組成物が適用可能な飲食品としては、例えば、パン類、麺類、タブレット、キャンディー等の菓子類、清涼飲料、ジュース、栄養ドリンク等の飲料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。尚、実施例12、22及び25は参考例である。

<微粉画分の調製1> 原料穀類としての硬質小麦を精選して、加水・調質せずにロール機にて粉砕した後、その粉砕物を、衝撃式粉砕機(ターボミル、東京製粉機製作所製)を用いて粉砕し、小麦全粒粉を得た。この小麦全粒粉を、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する粒径150μm未満の第1の微粉画分と、篩上に残留する粒径150μm以上の粗粉画分とに分離した。ここで得られた第1の微粉画分の平均粒径は53μm、粗粉画分の平均粒径は321μmであった。この粗粉画分を特許第2784505号公報記載の粉粒体加熱装置内に収容して密閉し、該装置内に飽和水蒸気を導入して、加熱温度(粗分画分の品温)90℃、加熱時間(粗分画分の装置内滞留時間)約5秒間の条件で、該粗粉画分の湿熱処理を行った。次いで、湿熱処理した粗分画分を、衝撃式微粉砕機(ACMパルベライザー、ホソカワミクロン製)を用いて微粉砕し、その粉砕物を、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する粒径150μm未満の第2の微粉画分を回収した。そして、この第2の微粉画分を、先に回収した第1の微粉画分と混合し、目的とする微粉画分を得た。こうして得られた小麦全粒粉の微粉画分の平均粒径は約50μmであった。また、平均粒径150μm以上の粗粉画分は、小麦全粒粉全量に対して3質量%未満であった。

〔実施例1〕 前記<微粉画分の調製1>によって得られた小麦全粒粉の微粉画分に、該微粉画分中の粉体(小麦全粒粉)100質量部に対して15質量部の油脂(大豆油)を添加し、これらが均一になるように攪拌、混合した後(油脂配合工程後)、その混合物を室温20℃で1時間放置した(熟成工程)。こうして、原料穀類の粉砕物(小麦全粒粉)を分級回収した微粉画分に油脂を配合してなる、穀粉組成物を得た。

〔実施例2〜11〕 油脂の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして穀粉組成物を得た。尚、表2に示す油脂のうち、大豆油及び菜種油以外は全て、東京化成工業社製のものを用いた。

〔実施例12〜14〕 油脂の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして穀粉組成物を得た。

〔比較例1〕 前記<微粉画分の調製1>によって得られた小麦全粒粉の微粉画分をそのまま比較例1とした。

〔比較例2〕 一般的な小麦全粒粉(グラハム粉)をそのまま比較例2とした。

〔比較例3〕 微粉画分に代えて比較例2の一般的な小麦全粒粉を用いた以外は、実施例1と同様にして穀粉組成物を得た。

<懸濁液の調製> 各実施例及び比較例を用い、1)その100mgを純水に懸濁させてなる懸濁液、及び2)該懸濁液をその液温が80℃となる状態で30分間振盪した後、室温(約20℃)まで冷却してなる加熱懸濁液をそれぞれ調製した。加熱懸濁液においては、その調製過程での加熱により、それに含まれている澱粉がα化されている。前記懸濁液は、各実施例及び比較例を食品素材として用いた場合において、食品素材を加熱せずにそのまま喫食する等して体内に摂取する場合を想定したものであり、前記加熱懸濁液は、食品素材を加熱して体内に摂取する場合(例えばパン類、麺類等に用いた場合)を想定したものである。

〔アルキルレゾルシノール可溶化率の測定〕 前記<懸濁液の調製>によって得られた懸濁液に、3mLの0.5質量%ペプシン溶液(シグマ アルドリッチ ジャパン社製)を添加し、1Nの塩酸(和光純薬工業社製)を用いてpH2.0に調整し、37℃で1時間振盪した。次いで、1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて懸濁液のpHを5.0に調整した後、3mLの0.4質量%パンクレアチン(シグマ アルドリッチ ジャパン社製)+2.5質量%Bile Extract溶液(シグマ アルドリッチ ジャパン社製)を添加し、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて懸濁液のpHを7.5に調整し、37℃で2時間振盪した後、4℃で4000×G、15分間遠心分離を行い、上澄み液を全量回収し、その回収量を記録した。回収した上澄み液を、孔径0.22μmのフィルターを通してろ過を行い、そのろ液からエタノール・酢酸エチル・ヘキサン混合溶媒を抽出溶媒として用いて、アルキルレゾルシノールを抽出し、その抽出物からエバポレーターを用いて溶媒を除去して乾固抽出物を得、該乾固抽出物に200μLのメタノールを添加したものを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の試料として、HPLCにてアルキルレゾルシノールの定量分析を実施した。HPLCの条件は下記の通り。HPLC分析開始後5〜20分に出現するピーク成分は、消化酵素処理済みの可溶性アルキルレゾルシノールであり、該ピーク成分を、該消化酵素溶液に溶解可能な「可溶化アルキルレゾルシノール」として定量した。また別途、試料中のアルキルレゾルシノール量を測定するため、各実施例及び比較例のエタノール抽出物をHPLCの試料として、HPLCにて前記と同様に該エタノール抽出物中のアルキルレゾルシノールの定量分析を実施し、HPLC分析開始後5〜20分に出現するピーク成分をアルキルレゾルシノールとして定量した。このエタノール抽出物由来のアルキルレゾルシノールの総質量と、前記可溶化アルキルレゾルシノールの総質量とを用いて、目的とするアルキルレゾルシノール可溶化率(%)〔=(可溶化アルキルレゾルシノールの総質量/エタノール抽出物由来のアルキルレゾルシノールの総質量)×100〕を算出した。 (HPLCの条件) ・カラム:ODS−80A、5μm、4.6×250mm、ジーエルサイエンス株式会社製) ・ガードカラム:ODS−80A、5μm、4.6×50mm、 ・カラム温度:30℃ ・移動相:メタノール100% 流速1mL/分 ・検出波長:275nm

前記アルキルレゾルシノール可溶化率の値が大きいことからは、アルキルレゾルシノールの体内吸収効率が良いことが示唆される。表1から明らかなように、実施例1の穀粉組成物は、各比較例に比してアルキルレゾルシノール可溶化率が高い。特に、加熱懸濁液において良好なアルキルレゾルシノールの可溶化率を示したことから、実施例1の穀粉組成物は、加熱加工食品に適した食品素材であると言える。このことから、小麦に含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収の律速因子である、該アルキルレゾルシノールの水相への可溶化度を高めるためには、実施例1のように、小麦全粒粉の微粉画分に所定量(対粉体15質量%)の油脂を配合することが、比較例1の如き、単に、小麦全粒粉の微粉画分を用いる方法、あるいは比較例2及び3の如き、一般的な小麦全粒粉を分級せずにそのまま用いる方法に比して、有効であることがわかる。

表2は、前記アルキルレゾルシノール可溶化率に対する油脂の種類の影響をまとめたものである。表2から明らかなように、大豆油(実施例1)、菜種油(実施例2)、1−モノオレイン(実施例8)、1,2−ジオレイン(実施例9)、トリオレイン(実施例10)及びレシチン(実施例11)は、油脂無配合の比較例1のみならず他の実施例に比しても、アルキルレゾルシノール可溶化率が高い。このことから、小麦に含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収の律速因子である、該アルキルレゾルシノールの水相への可溶化度を高めるためには、油脂として、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール、リン脂質又は植物油を用いることが有効であることがわかる。

表3は、前記アルキルレゾルシノール可溶化率に対する油脂の配合量の影響をまとめたものである。表3から明らかなように、大豆油の配合量を5質量%(実施例12)、15質量%(実施例1)、25質量%(実施例13)又は35質量%(実施例14)とした穀粉組成物は、油脂無配合の穀粉組成物(比較例1)に比して、アルキルレゾルシノール可溶化率が高い。このことから、小麦に含まれるアルキルレゾルシノールの体内吸収の律速因子である、該アルキルレゾルシノールの水相への可溶化度を高めるためには、大豆油を微粉画分中の粉体に対して5〜35質量%用いることが有効であることがわかる。

<微粉画分の調製2> 原料穀類としての硬質小麦を精選して、加水・調質せずにロール機にて粉砕した後、小麦ふすまを採り分けした。この小麦ふすまを特許第2784505号公報記載の粉粒体加熱装置内に収容して密閉し、該装置内に飽和水蒸気を導入して、加熱温度(小麦ふすまの品温)90℃、加熱時間(小麦ふすまの装置内滞留時間)約5秒間の条件で、該小麦ふすまの湿熱処理を行った。次いで、湿熱処理した小麦ふすまを、衝撃式微粉砕機(ACMパルベライザー、ホソカワミクロン製)を用いて微粉砕し、その粉砕物を、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する粒径150μm未満の第1の微ふすま画分と、篩上に残留する粒径150μm以上の粗ふすま画分とに分離し、篩を通過した第1の微ふすま画分を分取した。また、ここで得られた粗ふすま画分を再度、ACMパルベライザーを用いて微粉砕した後、前記と同様に分級して粒径150μm未満の第2の微ふすま画分を分取し、この第2の微ふすま画分を、先に分取した第1の微ふすま画分と混合し、目的とする微粉画分を得た。こうして得られた微粉画分の平均粒径は約90μmであった。

〔実施例15〕 前記<微粉画分の調製2>によって得られた小麦ふすまの微粉画分に、該微粉画分中の粉体(小麦ふすま)100質量部に対して、常温(室温25℃)で液状の油脂である大豆油を35質量部添加し、これらが均一になるように攪拌、混合した後(油脂配合工程後)、その混合物を室温20℃で1時間放置した(熟成工程)。こうして、原料穀類の粉砕物(小麦ふすま)を分級回収した微粉画分に油脂を配合してなる、穀粉組成物(ふすま組成物)を得た。

〔比較例4〕 前記<微粉画分の調製2>によって得られた小麦ふすまの微粉画分をそのまま比較例4とした。

〔比較例5〕 前記<微粉画分の調製2>において出発物質として使用した未粉砕の小麦ふすまをそのまま比較例5とした。

〔比較例6〕 微粉画分に代えて、前記<微粉画分の調製2>において出発物質として使用した未粉砕の小麦ふすまを用いた以外は、実施例15と同様にして穀粉組成物(ふすま組成物)を得た。

〔実施例16〜21〕 油脂の種類を変更した以外は、実施例15と同様にして穀粉組成物(ふすま組成物)を得た。

〔実施例22〜25〕 油脂の配合量を変更した以外は、実施例15と同様にして穀粉組成物(ふすま組成物)を得た。

実施例15〜25及び比較例4〜6を用い、前記<懸濁液の調製>に従って加熱懸濁液を調製した。そして、前記〔アルキルレゾルシノール可溶化率の測定〕に従ってアルキルレゾルシノール可溶化率を算出した。その結果を下記表4〜6に示す。

表4〜表6は、小麦ふすまを出発物質とした例を掲載したものである。表4は、前記アルキルレゾルシノール可溶化率に対する油脂の有無及び原料穀類の粉砕物の粉砕程度それぞれの影響をまとめたものであり、表5は、前記アルキルレゾルシノール可溶化率に対する油脂の種類の影響をまとめたものであり、表6は、前記アルキルレゾルシノール可溶化率に対する油脂の配合量の影響をまとめたものである。表4〜表6から明らかな通り、小麦ふすまを用いた場合でも、小麦全粒粉を用いた場合とアルキルレゾルシノール可溶化率の傾向は同じであった。

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