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Friction-reducing treatment agent for seat belt and raw yarn for seat belt

阅读:814发布:2021-11-01

专利汇可以提供Friction-reducing treatment agent for seat belt and raw yarn for seat belt专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a friction-reducing treatment agent suitable for polyester raw yarns for seat belts excellent in slipperiness, wear resistance and storability, comprising a specific polyether-polyester, silicone-based compound and extreme- Pressure agent ingredient. SOLUTION: This friction-reducing treatment agent comprises >=30wt.% of a polyether-polyester 2,000-15,000 in average molecular weight as an esterified product from a polyether diol compound 600-6,000 in average molecular weight as at least one kind selected from ethylene oxide and/or propylene oxide polymer(s) and tetramethylene glycol, a dibasic acrid such as maleic acid and a monofunctional fatty acid such as octylic acid, 2-50wt.% of a silicone-based compound such as dimethylpolysiloxane and an extreme-pressure agent ingredient such as an oleic acid soap. A treatment liquid,下面是Friction-reducing treatment agent for seat belt and raw yarn for seat belt专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 平均分子量2000〜15000のポリエーテルポリエステル及びシリコーン系化合物を含有し、かつ、シリコーン系化合物の含有量が2〜50重量%であることを特徴とするシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項2】 ポリエーテルポリエステルを構成するポリエーテルが、平均分子量が600〜6000であって、かつ、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの重合体及びポリテトラメチレングリコールのうちのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項3】 前記ポリエーテルポリエステルが、ポリエーテルのジオール化合物と二塩基酸と一価脂肪酸とからのエステル化物であることを特徴とする請求項1又は2記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項4】 前記ポリエーテルポリエステルが処理剤全体の30重量%以上を占めることを特徴とする請求項1、2又は3記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項5】 前記シリコーン系化合物が処理剤全体の5〜35重量%を占めることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項6】 平均分子量2000〜15000のポリエーテルポリエステル、シリコーン系化合物、及び、
    極圧剤成分を含有し、かつ、シリコーン系化合物の含有量が2〜50重量%であることを特徴とするシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項7】 前記シリコーン系化合物が、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンよりなる群から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載のシートベルト用低摩擦化処理剤。
  • 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の低摩擦化処理剤を有効成分とする1〜20重量%濃度の水系エマルジョン液であって、25℃における表面張力が35ダイン/cm以下、かつ、25℃におけるキャンパス法浸透性が15秒以下であることを特徴とするシートベルト用低摩擦化処理液。
  • 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の低摩擦化処理剤が繊維重量に対して0.05〜5.0重量%付着していることを特徴とするシートベルト用原糸。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、特に製糸工程等においてシートベルト用原糸に付与する場合に好適な低摩擦化処理剤に関するものである。 さらに詳しくは、シートベルト格納性が良好で、且つ、摩耗後も格納性を良好に保持でき、格納耐久性に優れたシートベルトを得るために有効な低摩擦化処理剤に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来、シートベルト用原糸を製織してウェビングとし染色した後、シートベルトの引き出しと格納を円滑にするため、即ち格納性向上のために、樹脂コートを施すことが一般に行われている。 また、シートベルト用原糸には、その紡糸・延伸工程において紡糸油剤などの種々の処理剤が付与されている。

    【0003】例えば、シートベルトの耐摩耗性改善のためのコート樹脂としては、ウレタンプレポリマーブロック化合物を主成分とする樹脂が知られている(特公平4
    −66948号公報)。 この場合、ウレタンプレポリマーブロック化合物を主成分とする樹脂をシートベルトウェビングに付与し、加熱処理を施すことによって架橋を生じさせて初期の滑り性の絶対値を大きく向上させ、これによって長期間の使用によって滑り性が低下した後も所望準の滑り性を得ることを意図している。

    【0004】また、従来のシートベルト原糸用の処理剤としては、分岐アルコールと高級脂肪酸のエステルと非イオン活性剤との組成物を主成分とする処理剤(例えば特開平2−175966号公報)が知られている。 即ち、このシートベルト原糸用処理剤は、分岐アルコールと高級脂肪酸のエステルとを平滑剤として用い、プロピレンオキサイドを含有しない非イオン活性剤を用いることによって、耐光性を改善しようとするものである。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】しかるに、樹脂コートされたシートベルト、特に前者のような架橋タイプの樹脂でコートされたシートベルトの場合は、ベルト表面が硬くなるので長期間使用していると、シートベルトの出し入れ補助用ガイドであるスルー(ナイロン樹脂製)との繰り返し擦過により、表面にコートされた樹脂が徐々に削り取られて脱落していく。 さらに、ベルト表面に汚れ物が徐々に付着していく。 これらの結果、経時的に、
    ベルトの格納や引き出しがスムースにいかなくなり、格納性が経時的に著しく低下していくという大きな問題があった。

    【0006】また、後者のような従来の原糸付与処理剤の場合、樹脂コートなしのノンコートベルトとして用いると樹脂の脱落等による急激な滑り性の低下はないものの、繊維−繊維間摩擦や繊維−金属間摩擦を十分に低下させることができず、初期の滑り性が劣り、しかも耐摩耗性も劣るという大きな問題があり、実用化に至っていない。

    【0007】そこで、本発明の主な目的は、上述した従来技術における問題点を解決し、特にシートベルト原糸付与用として好適な低摩擦化処理剤であって、しかも、
    シートベルトを構成する繊維の摩擦特性が十分に低く、
    シートベルトの初期の滑り性が十分に高いとともに、その滑り性等の特性を長期間の使用後も良好に維持することができ、さらに、氷点下のような低温下においても良好な滑り性を発揮することができるシートベルト、即ち、格納性もその耐久性も耐摩耗保持率も優れさらに低温下での格納性にも優れたシートベルトを得ることが可能な低摩擦化処理剤を提供することにある。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤は、平均分子量2000〜15000のポリエーテルポリエステル及びシリコーン系化合物を含有し、かつ、シリコーン系化合物の含有量が2〜50重量%であることを特徴とする。

    【0009】前記ポリエーテルポリエステルを構成するポリオールが、平均分子量が600〜6000であって、かつ、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの重合体及びポリテトラメチレングリコールのうちのいずれか1種以上であることが好ましく、また、
    そのポリエーテルポリエステルは、ポリエーテルのジオール化合物と二塩基酸と一価脂肪酸とからのエステル化物であることが好ましい。

    【0010】前記ポリエーテルポリエステルの配合量は、処理剤全体の30重量%以上を占めることが好ましく、前記シリコーン系化合物は、処理剤全体の5〜35
    重量%を占めることが特に好ましく、さらに、極圧剤成分をも含有させることが好ましい。 また、その処理剤を有効成分とする1〜20重量%濃度の水系エマルジョン液であって、25℃における表面張が35ダイン/c
    m以下、かつ、25℃におけるキャンパス法浸透性が1
    5秒以下であるシートベルト用低摩擦化処理液として処理に用いられることが好ましい。 さらにまた、その処理剤の繊維への付着量は0.05〜5.0重量%が好ましい。

    【0011】このように本発明の処理剤では特定のポリエーテルポリエステルを配合しているので浸透性が大きく、シートベルト用原糸の内部に位置するフィラメントの表面にも均一に付着できるので、その原糸から構成されるシートベルトは、ベルト内部のフィラメントの表面にも付着剤が均一にコートされたものとなる。 従って、
    表面が樹脂コートされた従来のシートベルトのように樹脂層とベルト(繊維)層との2層構造とはならないから、長期間の使用によってベルト表面部の繊維が削り取られても、ベルト内部の繊維にも処理剤が十分に付着していて低摩擦性であるので、格納性もその耐摩耗保持率もともに高いシートベルトとすることができる。

    【0012】さらに、本発明では、低温下においても液状を保持でき滑りが良好なシリコーン系化合物が併用されているので、低温下において使用する場合でも優れた滑り性を発揮させることができる。

    【0013】

    【発明の実施の形態】本発明の処理剤で使用するポリエーテルポリエステルは、ポリエーテルのジオール化合物とカルボン酸とからのエステル化物であり、その平均分子量は、滑り性や浸透性のために2000〜15000
    であることを要する。 その平均分子量が2000未満と小さ過ぎる場合には油膜の強さが不十分となり摩耗後の滑り性が悪くなるので、所望の効果が得られない。 また、分子量が15000を越える場合には摩擦特性を十分に改善できないので、滑り性が悪くなり、所望の効果が得られない。 好ましい平均分子量は3000〜100
    00である。

    【0014】そのポリエーテルポリエステルとしては、
    二塩基酸の両末端が、後述のようなポリエーテルによってエステル化され、さらにその両末端が一価脂肪酸によってエステル化されてなる化合物のように、一価脂肪酸によるエステル化によって両末端が封鎖されてなるポリエーテルポリエステルであることが好ましい。

    【0015】そのポリエーテルポリエステルを構成するポリエーテル成分は、平均分子量が600〜6000であることが好ましく、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの重合体やポリテトラメチレングリコールが挙げられ、なかでもポリテトラメチレングリコールが好ましい。 その平均分子量が600未満と小さ過ぎる場合には油膜の強さが不十分となり滑り性が悪くなり易い。 また、平均分子量が6000を越える場合では摩擦が大きくなりすぎて滑り性が悪くなり易い。 好ましい平均分子量は800〜4000である。

    【0016】なお本発明でいう平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)等で測定される数平均分子量である。

    【0017】また、そのポリエーテルポリエステルを構成する二塩基酸成分としては、マレイン酸、アジピン酸、チオジプロピオン酸、セバチン酸などがあげられる。 好ましくはアジピン酸、チオジプロピオン酸、セバチン酸がよい。 なお、芳香環のような環状構造を持つ二塩基酸は摩擦低減の効果の点から好ましくなく、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。

    【0018】さらにまた、一価脂肪酸成分としては、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
    ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸などがあげられる。 好ましくは、ラウリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸がよい。

    【0019】さらに、ポリエーテルポリエステルは、常温(20〜25℃)において液状を保つことができる物であることが好ましい。 これは、処理剤が付与されたシートベルトが日常的に使用される常温条件下でペースト状とならずに液状を保持でき、低摩擦性という機能が使用時に十分に発揮できるからである。

    【0020】上記ポリエーテルポリエステルは、処理剤全体の30〜100重量%を占めることが好ましく、その1種のみの使用でもよいし2種以上の併用でもよい。
    その含有量が30重量%未満ではそのポリエーテルポリエステルによる所期の効果が十分に発揮され難く、シートベルトの滑り性や摩耗後の滑り性の点から好ましくない。 好ましくは40〜100重量%がよい。

    【0021】本発明の処理剤で使用するシリコーン系化合物としては、25℃における粘度が100〜1000
    0センチポイズの粘度を有するジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン、さらに、アミノ変性、ポリエーテル変性、カルボキシ変性、アルキル変性またはポリエステル変性などの変性シリコーンがあげられる。 好ましくは、25℃における粘度が200〜70
    00センチストークスのジメチルポリシロキサンやアミノ変性シリコーンである。

    【0022】上記シリコーン系化合物は処理剤全体の2
    〜50重量%を占めることが必要であり、好ましくは5
    〜35重量%である。 2重量%未満では、シリコーン化合物を配合したことによる効果が十分に発揮できないので、低温時(例えば極寒地域の冬期気温のような氷点下)における滑り特性を満足させることができない。 5
    0重量%を越えるほどに多いと、前記したポリエーテルポリエステルの効果が十分に発揮されず、油膜強度が弱くなって摩耗後の滑り性が悪化するので、所望の摩擦特性が得られ難い。

    【0023】本発明の低摩擦化処理剤は、上記ポリエーテルポリエステルやシリコーン系化合物以外の平滑剤成分(C)や極圧剤成分(D)や界面活性剤成分(E)等を含んでいてもよく、それらの含有量の合計は、多くとも68重量%とすることが好ましい。

    【0024】その平滑剤成分(C)としては、鉱物油(精製スピンドル油、流動パラフィン)、動植物油(ヤシ油、ヒマシ油など)、脂肪酸エステル(イソステアリルラウレート、オレイルオレート、ジオレイルアジペートなど)、アルキルエーテルエステル(ラウリルアルコールのエチレンオキサイド2モル付加物ラウレート、トリデシルアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物ラウレートなど)及びワックスなどがあげられ、これらのうちで好ましいものは、脂肪酸エステルおよびアルキルエーテルエステルである。 その平滑剤成分(C)を配合する場合には、その割合は5〜30重量%、特に10
    〜20重量%の範囲がよい。

    【0025】極圧剤成分(D)は、処理剤の油膜強度を高める作用を有する成分であり、例えば、オレイン酸石鹸、エルシン酸石鹸などの脂肪酸石鹸、ラウリルホスフェートカリウム塩、オレイルホスフェートナトリウム塩などの有機ホスフェート塩、ラウリルスルフォネートナトリウム塩、及び、ドデシルベンゼンスルフォネートナトリウム塩などの有機スルフォネート塩などがあげられる。

    【0026】その極圧剤成分(D)を配合する場合には、その割合は0.02〜10重量%、特に1〜5重量%の範囲がよい。 0.02重量%未満では油膜強度を高めるという作用が十分に発揮され難く好ましくない。 また、10重量%を越えると粘度上昇が大きくなって滑り性が悪化してくるので好ましくない。

    【0027】また、界面活性剤(E)としては、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物(オクチルアルコールのエチレン・プロピオンオキサイド付加物、ステアリルアルコールのエチレン・プロピオンオキサイド付加物、オレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物など)、多価アルコールエステルのアルキレンオキサイド付加物(硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド25モル付加物、ソルビタントリオレートのエチレンオキサイド20モル付加物など)があげられる。

    【0028】その界面活性剤成分(E)を配合する場合には、その割合は5〜20重量%、特に10〜15重量%の範囲がよい。

    【0029】さらに、本発明の低摩擦化処理剤には、前記した各成分の他に、アルカリ金属、アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物などのPH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤およびフッ素化合物などのその他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。

    【0030】上記PH調整剤を配合する場合には、その割合は0.02〜10重量%、特に0.03〜8重量%
    の範囲がよい。 それ以外の添加剤を配合する場合には、
    それらの割合は、0.02〜10重量%、特に0.03
    〜5重量%の範囲がよい。

    【0031】本発明の低摩擦化処理剤は、1〜20重量%濃度の水系エマルジョン液にしてシートベルト用原糸の処理に用いることが好ましいが、それらへの付着性や浸透性が損われないならば、さらに高濃度の水系エマルジョン液で用いてもよいし、実質的に希釈なしの原液状態で用いてもよいし、また、有機溶媒で希釈した処理液として用いてもよい。 特に好ましくは、2〜10重量%
    濃度の水系エマルジョン液がよい。

    【0032】1〜20重量%濃度の水系エマルジョンの処理液にして用いる場合、その処理液の25℃における表面張力は35ダイン/cm以下、25℃におけるキャンパス浸透性が15秒以下であることが、原糸への付着やその内部への浸透のために好ましい。 その表面張力が35ダイン/cmを超える場合は付着性が不十分となり易い。 また、キャンパス浸透性が15秒を超える場合には、処理剤の浸透性が悪くなり易いので、格納性の耐久性を高めるために好ましくない。

    【0033】本発明の低摩擦化処理剤は、処理剤を乳化させた水系エマルジョン処理液のような処理液にして、
    シートベルト用原糸を製造する製糸工程において付与されればよい。

    【0034】例えば、紡糸された合成繊維を延伸、熱処理して巻取るという製糸工程において熱処理と巻取りとの間で低摩擦化処理液を付与すればよいが、巻取られる原糸に所望量付着させることができるならば紡糸油剤として付与することもできる。 また、シートベルト用原糸への付与は巻取った後でもよく、例えば製織の前で付与してもよいが、製糸工程における巻取り直前の付与が好ましい。 原糸への付与には、ローラー給油やガイド給油等の方法を用いればよい。

    【0035】処理剤の付着量は、繊維に対する処理剤有効成分の量で、0.05〜5.0重量%であればよく、
    特に0.2〜2.0重量%が好ましい。

    【0036】このような本発明の低摩擦化処理剤は、原糸に付与することによってシートベルトに要求される所望の低摩擦特性を満足させることができるので、従来のような樹脂コートを施すことなくシートベルトとして用いることができる。

    【0037】さらに、本発明の低摩擦化処理剤は、従来の樹脂コートに比較して浸透性が格段に優れているので、シートベルト用原糸の内部へも大きく浸透でき、これから得られるシートベルトはその内部のフィラメントにも処理剤が均一にコートされたものとなる。 従って、
    ベルト表面のみが樹脂コートされた従来のシートベルトのような樹脂層とベルト(繊維)層との2層構造とはならないから、長期間の使用によってベルト表面部の繊維が削り取られても、ベルト内部の繊維にも処理剤が付着していて低摩擦性であるので、高い格納性を維持することができ、格納性の耐摩耗保持率が高いシートベルトとできるのである。

    【0038】本発明の低摩擦化処理剤はポリエステル繊維等の合成繊維から構成されるシートベルト用原糸に付与されればよい。

    【0039】本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤が付与された原糸から得られるシートベルトは、従来のシートベルトに比べ、特に長期間使用した後の滑り性において格段に優れる、即ち格納耐久性に優れるという理由は、以下の作用メカニズムによるものと考えられる。

    【0040】従来のシートベルトでは、例えばウレタンプレポリマーブロック化合物を主成分とする樹脂をベルトに塗布する(特公平4−66948号公報)ことによって滑り性を改良しているが、前記した通り、ベルト表面に被覆された樹脂層が長期間のベルトの繰り返し脱着時の摩耗によって剥離し、滑り性が著しく悪化していくという問題点を有していた。 場合によっては、摩耗して剥離した樹脂がスカム状となってかたまったり、摩耗した部分に汚れ物が付着して、滑り性の異常を生じることもあった。 そのため、より耐摩耗性の優れた樹脂の開発や、樹脂層を比較的厚く塗布する方法等の多くの試みがなされてきたが、十分満足するものは得られていなかった。

    【0041】一方、本発明ではベルトの滑り性をコート樹脂層に依存せずに、ベルトを構成する糸条の個々のフィラメントの表層に滑り性を付与し、それによって所望の滑り性を得ようとするものである。

    【0042】従来のシートベルトにコートされた樹脂層はベルトの表面を被覆しており、通常、樹脂はベルトの内部にはその一部が浸透しているに過ぎない。 即ち、ベルトの最内層部に位置するフィラメントの表面にはコート樹脂が達しておらず、これは、ベルトを分解した繊維の表面物質を分析することにより確認できる。

    【0043】ところが、本発明によると、ベルト表面だけでなくベルト最内層を構成する糸条の各々のフィラメントの表面にも処理剤が付着しているのであり、この点において、従来のシートベルトと大きく異なる。

    【0044】また、従来のシートベルト用コート樹脂は粘着性が高いので、製糸工程におけるシートベルト原糸に付与すると、チーズからの原糸の解舒が困難となり、
    さらに、ベルト製織工程でのスカムの発生が多くなる等の障害を生じ、実用化することは困難であった。

    【0045】ところが、本発明の処理剤は、従来のシートベルト用コート樹脂のような高い粘着性を有さないので、製糸工程においてシートベルト用原糸に付与して巻取っても、巻取られる原糸の表面特性に実質的な変化は生じない。 従って、チーズからの原糸の解舒は容易であり、ベルト製織工程でのスカム発生の障害も生じずに、
    ベルト製織工程をスムーズに通過させることができる。

    【0046】この結果、シートベルトの製造工程における樹脂コート工程を省略しても、格納耐久性等の特性に優れたシートベルトを得ることができる。

    【0047】このように、本発明の低摩擦化処理剤はシートベルト用原糸に付与することによって優れた格納耐久性等の望ましいシートベルト特性を発揮させることができる。

    【0048】

    【実施例】以下に実施例をあげて本発明についてさらに詳述する。 以下の実施例及び比較例における評価は、次の方法で行い、表示したものである。

    【0049】繊維−繊維間の摩擦: 処理剤が付与されたシートベルト用原糸について、レーダ式摩擦測定器を用いて繊維同士間の摩擦係数を測定する。 この摩擦の値が小さいほど、繊維同士の擦過が小さくて柔軟性が高いので、滑り性に優れている。

    【0050】繊維−金属間の摩擦: 上記と同様、処理剤が付与されたシートベルト用原糸について、東レ(株)式高荷重ミクロン装置を用いて繊維と金属との間の摩擦係数を測定する。 その測定時の繊維と金属との間の滑り速度は0.5m/分又は300m/分とする。 滑り速度が0.5m/分の場合の摩擦は、油膜強度の水準を表し、その値が小さいほど油膜強度が強いことを意味する。 また、滑り速度が300m/分の場合の摩擦は平滑性の水準を表し、その値が小さいほど滑りが優れていることを意味する。

    【0051】処理液の表面張力(ダイン/cm): 2
    5℃の条件下で処理液の表面張力を協和界面科学(株)
    製のCBVP−A3型自動表面張力計を用いて測定する。 処理液のキャンパス浸透性(秒): 100ccビーカーに処理液を入れ、25℃の恒温槽で15分間温度調整した後に、液表面に2cm×2cmの大きさで3mmの厚みのウールフェルトを静かに浮かべ、液中に沈降するまでの時間(秒)を測定する。 5回の測定を行ない平均値を算出する。

    【0052】スルーとの滑り摩擦(%): シートベルトの一方の端に500gの荷重をセットし、その中間部をスルーに挿通し、他方の端に度20°で10kgロードセルをセットする。 そのロードセルで荷重を引上げる際の強力(F1)及び荷重を基に戻す際の強力(F
    2)を測定し、(F2/F1)の平方根×100 の値を滑り摩擦(%)とする。 その滑り摩擦の値が高い程、
    摩擦特性が小さく格納性に優れる。

    【0053】摩耗後の滑り摩擦(%): シートベルトを、サンドペーパー(No.500)を摩擦体にして4
    00gの荷重をかけて往復500回摩擦させてベルト表面を摩耗させる。 摩耗後にスルーとの滑り摩擦を上記と同様の方法で測定し、摩耗後の滑り摩擦(%)とする。

    【0054】六角棒摩耗保持率(%): 耐摩耗性試験(JIS−4604法)に準じて、5000回摩耗後のシートベルトの強力を測定し、摩耗前の強力から強力保持率を算出する。

    【0055】[実施例1〜5及び比較例1〜4]ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、紡糸速度500m
    /分で引取り、巻取ることなく引続いて、245℃のホットローラーを用いる2段延伸により、全延伸倍率5倍に熱延伸し、次いで、巻取り直前に、表1の組成からなる処理剤の20重量%水エマルジョン液をオイリングロ−ラを用いて有効成分量で1.0重量%付与し、300
    0m/分で巻き取り、1500デニール144フィラメントのポリエステルフィラメント糸のシートベルト原糸を製造した。

    【0056】表1における処理剤成分の各記号は下記に示す化合物を表わすものである。 A1〜A3は本発明で特定したポリエーテルポリエステル、B1〜B3は本発明で必要なシリコーン系化合物であり、C1〜C2はそれ以外の平滑剤成分(C)であり、D1〜D3は極圧剤成分(D)であり、E1〜E4は界面活性剤成分(E)
    であり、また、F1〜E2は、その他の添加剤である。
    また、R1〜R2は、従来の樹脂コートにおいて用いられている樹脂成分である。

    【0057】A1・・エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・コポリマ−(1700)とアジピン酸とオレイン酸とのエステル(分子量4000) A2・・ポリテトラメチレングリコ−ル(2200)とチオジプロピオン酸とイソステアリン酸とのエステル(分子量5000) A3・・エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド・
    コポリマ−とセバチン酸(1400)とイソステアリン酸とのエステル(分子量3500) B1・・ジメチルポリシロキサン(粘度350センチストークス) B2・・ジメチルポリシロキサン(粘度1000センチストークス) B3・・アミノ変性シリコン C1・・オレイルオレート C2・・イソステアリルオレ−ト

    【0058】D1・・ラウリル(EO)2ホスフェ−トK塩 D2・・イソステアリルアルコ−ル(EO)3ホスフェ−トNa塩 D3・・オレイン酸石鹸 E1・・ラウリルアルコ−ルPO・EO付加物(分子量1500) E2・・オクチルアルコ−ルPO・EO付加物(分子量1500) E3・・オレイルアルコ−ルEO付加物(分子量90
    0) E4・・硬化ヒマシ油(EO)10モル付加物 F1・・“IRGANOX”245(チバガイギー(株) 社製) F2・・ステアリルアミン(EO)10モル付加物 R1・・ヒドロキシ含有シリコン、ウレタンプレポリマ−ブロック化物が主成分の樹脂 R2・・メチロ−ルメラミン樹脂

    【0059】

    【表1】

    注) 表中の数字は重量%を示す。

    【0060】処理剤が付着されたシートベルト用原糸について摩擦特性を評価した結果は、表2に示すとおりであった。 さらに、得られたシートベルト用原糸を用いて通常の方法で製織してシートベルトウエビングを製造し、通常の方法で黒色に染色し、樹脂コートせずにシートベルトとした。 得られたシートベルトについてその特性を評価した結果は表2に示すとおりであった。

    【0061】

    【表2】

    【0062】表2から明らかなように、本発明による実施例1〜5の場合は、シートベルト原糸の摩擦特性が低く、シートベルトとスルーとの滑り性も良好であり、しかも、摩耗させた後でもシートベルトとスルーとの滑り性は殆ど低下せず、格納性及びその耐久性に優れていた。 さらに六角棒摩耗による耐久性にも優れていた。

    【0063】これに対し、本発明で特定した化合物を配合しなかった比較例1の場合、及び、従来のコート樹脂を付与した比較例3、4の場合は、スルーとの滑り性が良好なものほど摩耗による滑りの悪化が大きく、いずれも、摩耗後の滑り性は不満足なものであった。 さらに、
    六角棒摩耗による耐久性も劣っていた。

    【0064】また、低摩擦化処理剤の低温特性を調べるため、処理剤を−20℃の低温条件下に24時間放置した後の処理剤の性状を、次の基準で評価し、結果を表2
    に併記した。 ○:処理剤中に液状物が存在している。 △:液状物が殆ど存在しない。 ×:全て固形分である。

    【0065】さらに、実施例2と比較例2とについて、
    処理剤が付着したシートベルト用原糸の繊維−金属間摩擦(300m/分)を−20℃の低温条件下で測定したところ、実施例2の場合は摩擦が低く滑り良好であったが、比較例2の場合は、摩擦が高く滑りが悪かった。

    【0066】このように、シリコーン系化合物を2〜5
    0重量%併用した実施例の処理剤では低温下においても液状物が存在し、低温下においても良好な低摩擦特性を発揮させ得たが、シリコーン系化合物の含有量がなし又は少な過ぎた比較例の場合は、低温下において液状物が実質的に存在せず、低温下において低摩擦特性を発揮できなかった。

    【0067】

    【発明の効果】本発明のシートベルト用低摩擦化処理剤によるとシートベルト用原糸への付与によって望ましい特性のシートベルトを得ることが可能となる。

    【0068】しかも、その処理剤が付与されて得られるシートベルトは、それを構成する原糸の摩擦特性が十分に低く、シートベルトの初期の滑り性が十分に高いとともに、その滑り性等の特性を長期間の使用後も良好に維持することができ、さらに、氷点下のような低温下においても良好な滑り性を発揮できるので、格納性もその耐久性も耐摩耗保持率も優れさらに低温下での格納性にも優れたシートベルトとすることができる。

    【0069】特にポリエステル繊維からなるシートベルトの場合に効果的であり、滑り性、耐摩耗性、格納性がともに優れたポリエステル繊維製シートベルトを得ることができる。

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