【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は画像データと音声データとを蓄積し、蓄積した複数の画像データから１つを選択し、表示する画像音声ファイル装置に係わり、特にファイルの一覧表を表示する機能を有する画像音声ファイル装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】画像のファイル装置の検索に当たっては、従来の文書ファイルの検索と同様にファイル名等のタイトルで検索を行うが、その性質上、ファイル名だけでは検索しにくいため画像を直接見て検索する方法も提案されている。 例えば、図３（ａ）に示すように本来の画像データから間引き（縮小）したインデックス用データを、図３（ｂ）に示すように画面に一覧表示し、カーソルを目的の画像にマークして選択するという方法が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】近年、画像データだけでなく画像データと共に音声データをも蓄積しておき、
画像データの再生に際して音声データも再生できるようなシステムが利用されている。

【０００４】しかしながら、従来のこのようなシステムにあっては、ある画像データには音声データが付加されているが、他のある画像データには音声データが付加されていないというようなことが通例であるが、音声データが付加されているか否については、一覧表示時になんら考慮されておらず、画像データ検索の際に、どの画像データが音声データと共に蓄積されているかを利用者が判別するのは困難であった。

【０００５】本発明は、以上のような実情を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画像データ検索時に音声データと共に蓄積されている画像データと音声データがない画像データとを瞬時に判別できることが可能な画像音声ファイル装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく、本発明の画像音声ファイル装置においては、画像データの一覧画面を表示する一覧画面表示手段と、一覧画面上でマークカーソルにより指示された画像データの対応する音声データを検索し、対応する音声データが存在するかどうかを判断する検索・判別手段と、マークカーソルの色データを保持するための記憶手段と、上記記憶手段に判別手段の判別結果に応じてマークカーソルの色データを設定する色制御手段と、記憶手段に保持された色データに基づきマークカーソルを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。

【０００７】また、上記の目的は、画像データと音声データとを蓄積し、蓄積した複数の画像データから１つを選択し、表示する画像音声ファイル装置であって、画像データの一覧画面を表示する一覧画面表示手段と、画像データの一覧画面を表示するときに、表示に係わる画像データに対応する音声データを検索し、対応する音声データが存在するかどうかを判断する検索・判別手段と、
音声データが存在すると判断された画像データの回りに矩形領域を描く矩形表示手段とを備えたことを特徴とする画像音声ファイル装置によっても達成される。

【０００８】

【作用】上記第１の構成によれば、一覧画面上でのマークカーソルによるファイル選択時に、音声データ付きの画像データである場合にはマークカーソルの色が変化し、これにより音声データ付きの画像データであることが瞬時に判別できる。

【０００９】また、上記第２の構成によれば、ファイルの一覧画面表示時に、音声データ付きの画像データである場合には、その画像データの周辺の色が変化し、これにより音声データ付きの画像データであることが瞬時に判別できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明にてなる画像音声ファイル装置の実施例について詳述する。

【００１１】図１は前記した第１の構成にてなる画像音声ファイル装置の一実施例を、図２は前記した第２の構成にてなる画像音声ファイル装置の一実施例を、夫々示すブロック図である。 まず、図１に示した画像音声ファイル装置について詳述する。

【００１２】図示の画像音声ファイル装置は、画像信号が入力されるＡ／Ｄ変換器１、音声信号が入力されるＡ
／Ｄ変換器２、Ａ／Ｄ変換された後の映像信号、音声信号を一次的に記憶する記憶装置３、該記憶装置３を制御する制御回路４、制御回路４により制御される蓄積装置制御回路５、蓄積装置制御回路５によりデータの書き込み、読み出しが制御される蓄積装置６を有しており、これらにより画像及び／又は音声データの蓄積装置内へのファイリングを実現している。

【００１３】入力された画像信号はアナログ信号処理後、Ａ／Ｄ変換器１によりＡ／Ｄ変換され記憶装置３に取り込まれる。 また、同様に入力された音声信号はＡ／
Ｄ変換器２によりＡ／Ｄ変換され記憶装置３に取り込まれる。 記憶装置３は制御装置４により制御される。 記憶装置３に取り込まれた画像データは制御装置４の制御のもと蓄積装置制御回路５を介して蓄積装置６に蓄積される。 またこれとは別に画像データは図示しない縮小回路により間引き処理を受け、縮小データとされて、蓄積装置６に蓄積される。 この縮小データは画像データのインデックスデータとして記憶され、データ検索時の一覧表示画面等で使用される。 一方、音声データも同様に蓄積装置制御回路５を介して蓄積装置６に蓄積される。

【００１４】取り込まれた画像データ、画像インデックスデータ及び音声データはファイルとして、制御回路４
によって固有のファイル名がつけられる。 そして蓄積装置制御回路５を通して、データ本体は蓄積装置６のデータ領域に、ファイル名はディレクトリ領域に蓄積される。 ファイル名は、例えば「ＧＡＺＯＵ．ＳＴＬ」のように主ファイル名＋ピリオド＋拡張子の形式で格納され、拡張子は、画像データ、画像インデックスデータ、
音声データごとにそれぞれ「ＳＴＬ」「ＩＤＸ」「ＶＣ
Ｅ」のように異なる拡張子が付けられデータ別に管理される。 この様子を図６に示す。

【００１５】また、画像音声ファイル装置は、制御回路４の制御のもと蓄積装置制御回路５を介して蓄積装置から読み出された画像及び／又は音声データを一次的に記憶する記憶装置７、該記憶装置７に記憶されている音声データをＤ／Ａ変換するためのＤ／Ａ変換器８、同じく画像データをＤ／Ａ変換するためのＤ／Ａ変換器９、図示しないスピーカ等の音声再生装置、及び同じく図示しない表示装置を備え、これらにより蓄積装置に蓄積された画像及び／又は音声データを再生する。

【００１６】画像データは蓄積装置６から蓄積装置制御回路５を介して読み出され、記憶装置７の一部である画像メモリの指定したアドレスに書き込まれる。 インデックスデータは検索時の一覧表示画面として使用されるため、検索内容により１つ以上読み込まれて、一覧表示用の画面が構成される。 記憶装置７からはＤ／Ａ変換器８
を通しアナログデータに変換されて、表示装置に表示される。 音声データも同様に蓄積装置６から蓄積装置制御回路５を介して記憶装置７に読み込まれ、Ｄ／Ａ変換器９によりアナログデータに変換された後、スピーカ等から音声が出力される。

【００１７】また、画像音声ファイル装置は、画像データの検索に供される一覧画面を表示するための一覧画面表示装置１０を備えている。 画像データの検索時に、あらかじめ蓄積装置６に記録されている画像インデックスデータが読み出され、一覧画面表示装置１０によって画像メモリへ送られる。 一覧画面表示装置１０は、別の記憶装置上に記憶してある画像インデックスデータの位置から表示すべき画像メモリのアドレス計算をおこなう。
例えば図３（ｂ）のように、最初に読み出したものならば左上隅１の位置に、２番目に読み出したものであればその右隣２の位置に表示させる。 このように、蓄積装置６から画像インデックスデータを読み出し所定の位置に表示させることによって、一覧表示画面を作成する。

【００１８】画像データの選択は、カーソルマークと呼ばれるマークを、図示しない入力装置を操作することによっておこなわれる。 入力装置は少なくともカーソルマークを移動させるための方向ボタンを備える。 カーソル制御回路１４は入力装置からの信号によって、カーソルの位置を算出する。

【００１９】本実施例においては、画像音声ファイル装置は、一覧表示画面において音声データが付随した画像データの識別を可能にするため更に、検索回路１１、判別回路１２、色制御回路１３、カーソル制御回路１４、
カーソル表示回路１５、及び記憶装置１６を備える。

【００２０】検索回路１１はカーソル制御回路１４からのカーソル位置情報を受け、カーソル位置の画像インデックスデータのファイル名をもとに、対応する音声データの検索をおこなう。 例えば、カーソルマーク位置の画像インデックスデータのファイル名が「ＧＡＺＯＵ．Ｉ
ＤＸ」でならば、検索回路１１は蓄積装置６のディレクトリ領域にて、「ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥ」というファイル名を検索する。

【００２１】判別回路１２は、検索回路１１からの検索結果を受け、「ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥ」という名前のファイルが存在するかどうかを判別し、その結果を表す信号を出力する。 色制御回路１３は判別回路１２からの信号によって、カーソルマークの色データを格納しておくための記憶装置１６にカーソルの色を設定する。 つまり、
検索回路１１によって音声データの検索をおこない、画像データに対応する音声データ（ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥファイル）が存在すると判別した場合、記憶装置１６には例えば「赤」の色を示すデータを設定する。 逆に、画像データに対応する音声データ（ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥファイル）が存在しないと判別した場合、記憶装置１６には、例えば「青」の色を示すデータを設定する。

【００２２】カーソル表示装置１５は、記憶装置１６に格納された色データにより、カーソルの色を決定し、画像メモリの所定のアドレスにカーソルデータの転送をおこなう。 これらの動作は一覧表示画面上にてカーソルが新たなインデックス画像をマークする毎に行われる。

【００２３】従って、カーソルがマークしたインデックス画像が音声データを伴っている場合には、カーソルが赤となり、また音声データを伴っていない場合には、青となる。 この様子を図４に示す。 ここでは、１の位置に表示されているインデックス画像に係わる画像データは音声データを有していず、４の位置に表示されているインデックス画像に係わる画像データは音声データを有しているものである。 従って、カーソルマークが１の位置（左上隅）にあるときはカーソルマークの色は青色であり、４の位置（１の位置の真下）にあるときはカーソルマークの色は赤となる。

【００２４】次いで前記した第２の構成にてなる画像音声ファイル装置について詳述する。 本実施例にてなる画像音声ファイル装置においても、図１に示した画像音声ファイル装置と同様、画像信号が入力されるＡ／Ｄ変換器１、音声信号が入力されるＡ／Ｄ変換器２、Ａ／Ｄ変換された後の映像信号、音声信号を一次的に記憶する記憶装置３、記憶装置３を制御する制御回路４、制御回路４により制御される蓄積装置制御回路５、蓄積装置制御回路５により制御される蓄積装置６、読み出された画像及び／又は音声データを一次的に記憶する記憶装置７、
記憶装置７に記憶されている音声データをＤ／Ａ変換するためのＤ／Ａ変換器８、同じく画像データをＤ／Ａ変換するためのＤ／Ａ変換器９、図示しないスピーカ等の音声再生装置、及び同じく図示しない表示装置を備えており、その動作も実質的に異なるところがないので、詳細な説明は省略する。 また、画像音声ファイル装置は、
画像データの検索に供される一覧画面を表示するための一覧画面表示装置１７を備えている。 画像データの検索時に、蓄積装置６に記録されている画像インデックスデータが読み出され、一覧画面表示装置１７によって画像メモリへ送られる。 一覧画面表示装置１７は、その画像インデックスデータの位置から画像メモリのアドレス計算をおこなう。 例えば図３のように、最初に読み出したものならば左上隅１の位置に、２番目に読み出したものであればその右隣２の位置に表示させる。 このように、
蓄積装置６から画像インデックスデータを読み出し所定の位置に表示させることによって、一覧表示画面を作成する。

【００２５】本実施例における一覧画面表示装置１７は画像インデックスデータを表示する度ごとに、後述の検索回路１８に検索制御信号を出力するように構成されている。

【００２６】画像データの選択は、カーソルマークと呼ばれるマークを、図示しない入力装置を操作することによっておこなわれる。 入力装置は少なくともカーソルマークを移動させるための方向ボタンを備える。

【００２７】本実施例の画像音声ファイル装置は、一覧表示画面において音声データが付随した画像データの識別を可能にするため更に、検索回路１８、判別回路１９
及び矩形表示装置２０を備えている。

【００２８】検索回路１１は前述した一覧画面表示装置１７からの検索制御信号を受けるごとに、表示しようとしている画像インデックスデータのファイル名からその画像データに対応する音声データの検索をおこなう。 例えば、一覧表示するインデックスデータが「ＧＡＺＯ
Ｕ． ＩＤＸ」というファイルであるとする時、検索回路１８は蓄積装置６のディレクトリ領域にて、「ＧＡＺＯ
Ｕ． ＶＣＥ」というファイル名を検索する。

【００２９】判別回路１９は、検索回路１８からの検索結果を受け、「ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥ」という名前のファイルが存在するかどうかを判別し、その結果を表す信号を出力する。

【００３０】矩形表示回路２０は判別回路１９からの信号によって、対応する音声データ（ＧＡＺＯＵ．ＶＣＥ
ファイル）が存在すると判別した場合、背景色及びカーソルマークと異なる色を用いインデックス画像の回りを取り囲むように矩形のわくを表示する。

【００３１】このように、画像インデックスデータの表示、音声データがある場合には矩形わくの表示を繰り返すことによって、一覧表示画面を作成する。 このようにして作成された一覧表示画面の一例を図５に示す。 この例では、カーソルマークは青色で表示され、音声データを有する画像のインデックス画像（３の位置）の回りには赤い枠が表示されている。

【００３２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第１の構成によれば、一覧画面上でマークカーソルにより指示された画像データの対応する音声データを検索し、対応する音声データが存在するかどうかを判断する検索・判別手段と、マークカーソルの色データを保持するための記憶手段と、上記記憶手段に判別手段の判別結果に応じてマークカーソルの色データを設定する色制御手段と、記憶手段に保持された色データに基づきマークカーソルを表示する表示手段とを備えているので、また、本発明の第２の構成によれば、画像データの一覧画面を表示するときに、表示に係わる画像データの対応する音声データを検索し、対応する音声データが存在するかどうかを判断する検索・判別手段と、音声データが存在すると判断された画像データの回りに矩形領域を描く矩形表示手段とを備えているので、画像データ検索一覧画面において、音声データ付きの画像の場合にはカーソルマークの色を変化させる、あるいは、インデックス用子画面の周囲にあらかじめ音声データがあることを意味するわくを表示させることができ、これによって、音声データと共に蓄積されている画像データと音声データのない画像データとを瞬時に判別することができる、という格別の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にてなる画像音声ファイル装置の一実施例のブロック図である。

【図２】本発明にてなる画像音声ファイル装置の他の実施例のブロック図である。

【図３】一覧表示画面の表示例を示す説明図である。

【図４】図１に示した画像音声ファイル装置における一覧表示画面を示す説明図である。

【図５】図２に示した画像音声ファイル装置における一覧表示画面を示す説明図である。

【図６】データの格納方法を示すメモリ構成図である。

【符号の説明】 １、２ Ａ／Ｄ変換器 ３ 記憶装置 ４ 制御回路 ５ 蓄積装置制御回路 ６ 蓄積回路 ７ 記憶装置 ８、９ Ｄ／Ａ変換器 １０、１７ 一覧表示装置 １１、１８ 検索回路 １２、１９ 判別回路 １３ 色制御回路 １４ カーソル制御回路 １５ カーソル表示回路 １６ 記憶回路 ２０ 矩形表示装置