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Transcription factor which regulates expression of ethylene-inducing gene cluster

阅读:323发布:2021-02-09

专利汇可以提供Transcription factor which regulates expression of ethylene-inducing gene cluster专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a new transcription factor which regulates expression of an ethylene-inducing gene cluster, has a specifically binding activity to a specific consensus sequence, and gives a plant resistance against various environmental stresses by transfecting the gene.
SOLUTION: This is a new transcription factor which regulates expression of an ethylene-inducing gene cluster which has the amino acid sequence shown by the formula, has a specifically binding activity to the consensus sequence: A(T/C)G(A/T)A(C/T)CT, and can be used, for example, for giving a plant resistance against various environmental stresses (e.g. pathogen infection and wound stress) by transfecting the gene and for screening the transcription factor. This transcription factor is obtained by screening an expression library derived from a plant cell using, as a probe, an oligonucleotide containing the above-mentioned consensus sequence which was directly radio-labelled, inserting the obtained gene to a plant expression vector, followed by expressing the obtained vector in a host plant cell.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO,下面是Transcription factor which regulates expression of ethylene-inducing gene cluster专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子であって、コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A
    (C/T)CTに対して特異的な結合活性を有する、転写因子。
  • 【請求項2】 以下の(a)または(b)である、請求項1に記載の転写因子: (a)配列表の配列番号2の82位のGluから302位のArg
    までのアミノ酸、および配列番号2の482位のValから61
    5位のTyrまでのアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
    転写因子;または (b)アミノ酸配列(a)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子。
  • 【請求項3】 以下の(c)または(d)である、請求項2に記載の転写因子: (c)配列表の配列番号2の1位のMetから615位のTyr
    までのアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する転写因子;または (d)アミノ酸配列(c)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子。
  • 【請求項4】 傷誘導性遺伝子の発現を制御する、請求項1〜3のいずれかに記載の転写因子。
  • 【請求項5】 前記エチレン誘導性遺伝子群が、塩基性
    PR遺伝子群を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の転写因子。
  • 【請求項6】 前記塩基性PR遺伝子群が、塩基性PR-2遺伝子および塩基性PR-5遺伝子を含む、請求項5に記載の転写因子。
  • 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の転写因子をコードする遺伝子。
  • 【請求項8】 以下の(i)または(ii)のDNAからなる、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をコードする遺伝子: (i)配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDN
    A;または (ii)塩基配列(i)を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をコードするDNA。
  • 【請求項9】 植物に環境ストレスに対する抵抗性を付与する方法であって、請求項7または8に記載の遺伝子を含むポリヌクレオチドで、植物細胞を形質転換する工程;および、該形質転換した植物細胞を再分化させて、
    植物を得る工程、を包含する、方法。
  • 【請求項10】 前記ポリヌクレオチドが配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAを含む、請求項9に記載の方法。
  • 【請求項11】 前記環境ストレスが病原体感染を含む、請求項9または10に記載の方法。
  • 【請求項12】 前記環境ストレスが傷ストレスを含む、請求項9または10に記載の方法。
  • 【請求項13】 エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をスクリーニングする方法であって、コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A(C/T)CTに対して特異的な結合活性を有するタンパク質を同定する工程を包含する、
    方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子に関する。 本発明はまた、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子の植物体内における発現レベルを調節することにより、
    様々な環境ストレスに対して、植物に抵抗性を付与する方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】気体の植物ホルモンであるエチレンは、
    植物生長および発育における多くのプロセスに影響する。 これらのプロセスとして、発芽、細胞伸張、毛根形成、リゾビウム感染、果実の熟成、老化および器官脱離が挙げられる(AbelesおよびSaltvel、1992)。 エチレン作用の別の局面として、Abeles(1973)は、環境および生物学的ストレスへの耐性を媒介する「ストレスエチレン」を提唱している。 機械的損傷または病原体攻撃を含むいくつかのストレスは、植物におけるエチレン発生を加速する(O'Donnellら、1996)。 増加したエチレンは、ストレス関連性遺伝子の発現を誘導して、おそらくそれにより土壌菌類およびいくつかのストレスに対する耐性を植物に付与すると考えられる(MorganおよびDre
    w、1997;Knoesterら、1998)。 これらの効果は、エチレン生合成、およびエチレン応答(すなわち、エチレンの認識によって生じる連続的なシグナル伝達の結果としての、推定の転写因子により調節されるエチレン応答性遺伝子の発現)の両方により制御される。

    【0003】近年の生化学的研究および分子学的研究により、エチレンがアミノシクロプロパンカルボン酸(AC
    C)オキシダーゼによりACCから変換されること、および
    ACCがACC合成酵素の作用によって生成されることが明らかになった(YangおよびHoffman、1984)。 従って、エチレン合成は、ACC合成酵素およびACCオキシダーゼにより調節される。

    【0004】他方、植物のエチレン応答におけるシグナル伝達機構を説明する多くの知見が、エチレン応答について欠陥を有するシロイヌナズナ(Arabidopsis)変異体を使用した遺伝学的アプローチから得られている(Ec
    ker、1995;BleeckerおよびSchaller、1996;Chang、19
    96)。 多くのシロイヌナズナのエチレン不感受性の変異体および恒常的エチレン応答性の変異体が単離されてきた。 これらの単離は、エチレンで処置した黄化芽生えの、「トリプル応答」(下胚軸の肥大、下胚軸および根の伸張の阻害、ならびに下胚軸および根の放射状の肥大)として知られる形態学的変化に基づく。 各変異に対応するいくつかの遺伝子(例えば、ETR1、CTR1、EIN1〜
    3、およびEIL1〜3)が同定されている。 以下に説明するように、これらの遺伝子解析に基づいて、シロイヌナズナにおけるエチレンシグナル伝達系のモデルが提唱されている(図1;ここで、ERSは、アラビドプシスのETR1
    ホモログである)。

    【0005】ETR1(ethylene resistant 1)の4つの変異対立遺伝子(etr-1〜etr-4)は全て、エチレン不感受性を与え、そして野生型対立遺伝子に対して優性である。 ETR1遺伝子産物は、細菌二成分制御系の応答制御因子と著しく類似性を有する配列を含む(Changら、199
    3)。 ETR1を発現するトランスジェニック酵母は、エチレンに結合することが示されており、このことは植物におけるエチレンレセプターとしてのETR1の機能を示唆する(SchallerおよびBleecler、1995)。

    【0006】etr1変異体とは対照的に、CTR1(constitu
    tive triple response 1)遺伝子座における変異は、恒常的なエチレン応答を導き、CTR-1がエチレンシグナル伝達の負の制御因子であることを示す。 CTR1遺伝子はET
    R1遺伝子に対して上位であり、そしてRafキナーゼに相同性を有するタンパク質をコードする(Kieberら、199
    3)。 最近、CTR1はETR1と直接的に相互作用することが見出されている(Clarkら、1998)。 これらの発見により、エチレン応答を誘起する活性が、基底レベルで植物中に通常存在し、ならびに活性は、CTR1を介してタンパク質をリン酸化することにより抑制され、およびETR1に対するエチレン結合により抑制が解除されるという構図が考えられた。

    【0007】Chaoら(Chaoら、1997)によってクローニングされた、第3の遺伝子であるEIN3(ethylene insen
    sitive 3)は、ETR1およびCTR1に対して遺伝学的に上位にあり、現時点で遺伝子経路の最も下流に存在する。 et
    r1と同様に、ein3変異体は、トリプル応答によって表されるエチレン応答についての機能欠失(loss-of-functi
    on)表現型を示す(Romanら、1995;Chaoら、1997)。 E
    IN3によってコードされるタンパク質のアミノ酸配列は、データーベースにおける他のアミノ酸配列に有意な相同性を有さないことが示されている。

    【0008】Chaoらはまた、EIN3関連産物(EIL1〜EIL
    3)をコードするcDNAを単離した。 EIL(EIN-like)は、
    EIN3のN末端側半分に有意な相同性を有し、そしてこれらのcDNA(すなわち、EIL1およびEIL2)の発現がEIN3と同様にein3変異を相補し得る。 従って、EILとEIN3とは、互いに機能的に類似するようである(Chaoら、199
    7)。 EIN3およびEIL1は、シロイヌナズナのプロトプラストにおいてGUSレポーターとの融合タンパク質として発現させた場合、もっぱら核に局在した。 このことは、
    これらのタンパク質が転写因子である可能性を示唆する(Chaoら、1997)が、未だその機能は明らかではない。
    これらが実際に転写因子である場合、その標的遺伝子に興味が持たれる。 エチレンシグナル伝達がどのように種々の結果に作用するのかを理解するためには、EIN3およびEILのさらなる特徴づけが必要とされる。

    【0009】上述のストレスエチレンの局面において、
    エチレンは、サリチル酸(SA)およびジャスモン酸(J
    A)と同様に、植物が病原体感染などのストレスを受けた際に合成される二次シグナル物質として知られている。 これらの二次シグナル物質が合成されると、植物内においてストレスを防御する機能を導くストレス抵抗性遺伝子の発現が誘導される。 ストレス抵抗性遺伝子の例として、感染特異的(PR)遺伝子が挙げられる。

    【0010】PR遺伝子によりコードされるタンパク質(PRタンパク質)は、種々の防御機能を有することが報告されている。 PRタンパク質は、一般に、等電点が酸性側にある酸性PRタンパク質、および等電点が塩基性側にある塩基性PRタンパク質の2つのタイプに分類される。
    酸性PRタンパク質は、サリチル酸により誘導されることが知られており、植物の病原体感染に対する全身獲得抵抗性(SAR)に関与すると考えられている。 塩基性PRタンパク質は、根および下位葉において恒常的に発現する。 植物が病原体感染および傷ストレスのようなストレス環境下にさらされる場合、塩基性PRタンパク質はまた、エチレンおよびジャスモン酸により誘導される。

    【0011】エチレン応答のシグナル伝達経路に関与する因子は、上述のように、現在までにいくつか単離されている。 しかし、これらの因子が、ストレス抵抗性遺伝子(例えば、塩基性PR遺伝子)の発現に作用するのか否かは明らかではない。

    【0012】エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子が同定されれば、転写因子の植物体内における発現レベルを調節して、標的遺伝子であるエチレン誘導性遺伝子の発現を制御することが可能であると考えられる。 また、標的遺伝子がストレス抵抗性遺伝子である場合、この遺伝子の発現を調節することにより、植物に環境ストレスに対する抵抗性を付与することが可能であると考えられる。 環境ストレスに対する抵抗性を有する植物を作出することは、特に、農業の分野において重要な課題である。

    【0013】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を解決するためのものであり、その目的とするところは、
    エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子を提供することにある。 本発明のさらなる目的は、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子の植物体内における発現レベルを調節することにより、環境ストレス(例えば、病害体感染および傷ストレス)に対して抵抗性が付与された植物を作出する方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をスクリーニングする方法を提供することにある。

    【0014】

    【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子であって、コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A(C/T)CTに対して特異的な結合活性を有する、転写因子に関する。

    【0015】1つの実施態様において、上記の転写因子は、以下の(a)または(b)である: (a)配列表の配列番号2の82位のGluから302位のArg
    までのアミノ酸、および配列番号2の482位のValから61
    5位のTyrまでのアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
    転写因子;または (b)アミノ酸配列(a)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子。

    【0016】1つの実施態様において、上記の転写因子は、以下の(c)または(d)である: (c)配列表の配列番号2の1位のMetから615位のTyr
    までのアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する転写因子;または (d)アミノ酸配列(c)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子。

    【0017】1つの実施態様において、上記の転写因子は、傷誘導性遺伝子の発現を制御する。

    【0018】1つの実施態様において、上記のエチレン誘導性遺伝子群は、塩基性PR遺伝子群を含む。

    【0019】1つの実施態様において、上記の塩基性PR
    遺伝子群は、塩基性PR-2遺伝子および塩基性PR-5遺伝子を含む。

    【0020】また、本発明は、上記の転写因子をコードする遺伝子に関する。

    【0021】さらに、本発明は、以下の(i)または(i
    i)のDNAからなる、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をコードする遺伝子に関する: (i)配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDN
    A;または (ii)塩基配列(i)を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をコードするDNA。

    【0022】さらに、本発明は、上記の遺伝子を含むポリヌクレオチドで、植物細胞を形質転換する工程;および、この形質転換した植物細胞を再分化させて、植物を得る工程を包含する、植物に環境ストレスに対する抵抗性を付与する方法に関する。

    【0023】1つの実施態様おいて、上記のポリヌクレオチドは配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAを含む。

    【0024】1つの実施態様において、上記の環境ストレスは病原体感染を含む。

    【0025】1つの実施態様において、上記の環境ストレスは傷ストレスを含む。

    【0026】さらに、本発明は、コンセンサス配列A(T/
    c)G(A/T)A(C/T)CTに対して特異的な結合活性を有するタンパク質を同定する工程を包含する、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をスクリーニングする方法に関する。

    【0027】

    【発明の実施の形態】以下に、本発明をより具体的に説明する。 なお、本明細書中に言及した参考文献については、後段にその詳細を一覧して示す。

    【0028】本発明者らは、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する新規な転写因子を見出した。 本発明者らは、この転写因子が、(1)植物がエチレンでの処理および傷を受けた際に誘導性であること、および(2)配列特異的なDNA結合活性を有する転写因子として機能して、エチレン誘導性遺伝子および傷誘導性遺伝子の発現を調節し得ること、を解明した。 本発明は、これらの知見に基づいて完成された。

    【0029】(1)本発明の転写因子および転写因子をコードする遺伝子 本明細書において、「エチレン誘導性遺伝子群」とは、
    植物体内でのエチレンの発生により、その発現が誘導される複数の遺伝子からなる一群をいう。 エチレン誘導性遺伝子に属する遺伝子としては、塩基性PR遺伝子などが挙げられる。

    【0030】「塩基性感染特異的(PR)遺伝子群」とは、植物が病原体感染および傷ストレスなどの環境ストレス下に曝された場合に活性化される複数の遺伝子からなる一群をいう。 塩基性PR遺伝子の例としては、抗カビ性機能を有するタンパク質をコードする塩基性PR-1遺伝子、β-1,3-グルカナーゼをコードする塩基性PR-2遺伝子(例えば、GLA、GLB、およびgn1)、クラスI、IIキチナーゼをコードする塩基性PR-3遺伝子(例えば、CHN4
    8、CHN50、CH5B、およびATHCHTB)、クラスVキチナーゼをコードする塩基性PR-4遺伝子、オスモチンをコードする塩基性PR-5遺伝子、プロテイナーゼインヒビター(P
    I)をコードする塩基性PR-6遺伝子(例えば、NTPROTINH
    およびSTP12G)などが挙げられる(例えば、Lc van Loo
    nら、1994を参照)。

    【0031】遺伝子についての「発現」とは、DNAのmRN
    Aへの転写をいう。 mRNAへの転写の程度を発現レベルとして示す。 従って、転写が抑制される場合は発現レベルが減少し、転写が促進される場合は発現レベルが増大する。

    【0032】「転写因子」とは、転写反応において、RN
    Aポリメラーゼ以外に必要とされるタンパク質性因子である。 真核細胞においては、正しい転写反応が起こるためには、RNAポリメラーゼ以外に、転写因子が必要である。 転写因子としては、DNAに直接結合することにより作用するもの、および因子間のタンパク質-タンパク質相互作用を介して機能するものが挙げられる。

    【0033】本発明において意図される転写因子は、コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A(C/T)CTに対して配列特異的なDNA結合活性を有する転写因子である。 ここで、括弧は、括弧内の斜線により区分される2つの塩基のいずれかが選択されることを意味する。 ここで、斜線により区分される2つの塩基がともに大文字で表される場合は、使用され得る適切性が等しいことを意味する。 また、片方の塩基が小文字で表される場合、コンセンサス配列において使用され得るものの、その適切性が他方の塩基に比べて低いことを意味する。

    【0034】以下は、本発明において意図される転写因子である: (a)配列表の配列番号2の82位のGluから302位のArg
    までのアミノ酸、および配列番号2の482位のValから61
    5位のTyrまでのアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、
    転写因子(このアミノ酸配列は、好ましくは、1位のMe
    tから302位のArg、または82位のGluから412位のSer、より好ましくは、1位のMetから412位のSerまでを含む); (b)アミノ酸配列(a)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子((a)の変異体); (c)配列表の配列番号2の1位のMetから615位のTyr
    までのアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する転写因子;および (d)アミノ酸配列(c)において、1またはそれ以上のアミノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有し、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子((c)の変異体)。

    【0035】本発明の転写因子は、好ましくは、(a)
    の転写因子またはその変異体であり、より好ましくは、
    (c)の転写因子またはその変異体であり、さらにより好ましくは、(c)の転写因子である。

    【0036】本明細書において、「1またはそれ以上のアミノ酸の欠失、置換、または付加」とは、部位特異的突然変異により導入できる程度の数の欠失、置換、または付加をいう。 上記のような変異は、天然に生じるか、
    または変異原物質の作用によって、もしくは人為的に部位特異的突然変異の導入を用いて生じさせ得る。 部位特異的突然変異の手法は、当該分野では周知である。 例えば、ZollerおよびSmith(1982)を参照。

    【0037】DNAに直接結合することにより作用するタイプの転写因子は、結合する標的遺伝子のプロモーター上の、特定のDNA配列に対して高い選択性を有する。 この選択性と同一の、または同程度に高い選択性が認められるとき、DNA配列への結合は「特異的」であるという。 従って、上記の転写因子と、対応する特定のDNA配列との間の結合は特異的である。 同様に、その転写因子の変異体であって結合活性を維持しているものも、同じ
    DNA配列に対して特異的に結合する。 ある転写因子がDNA
    配列に対して特異的な結合活性を有するか否かは、例えば、 32 Pで標識したDNA配列と転写因子とを適切な時間インキュベートした後、常法に従って電気泳動度シフトアッセイ(EMSA)を行うことにより確認され得る。 DNA-タンパク質複合体の形成が観察される場合、転写因子は、
    そのDNA配列に対して「特異的な結合活性を有する」という。

    【0038】コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A(C/T)CTに対して特異的な結合活性を有するタンパク質は、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子として使用され得る。 従って、コンセンサス配列を利用して、新規な転写因子をスクリーニングする方法も、本発明の範囲に含まれる。 コンセンサス配列A(T/c)G(A/T)A(C/T)CTに特異的な結合活性を有する転写因子を同定し単離する方法としては、例えば、DNA結合アフィニティーカラムにより植物細胞核分画物を精製する方法、酵母ワンハイブリッド系を用いる方法、および直接放射性標識した、コンセンサス配列を含むオリゴヌクレオチドをプローブとして用いて、ライブラリー(例えば、λgt11ライブラリーのような発現ライブラリー)をスクリーニングするサウス-ウエスタン法などが挙げられる。

    【0039】本発明の転写因子をコードする遺伝子は、
    本発明において意図される遺伝子である。 新規な転写因子が得られたとき、それをコードする天然由来の遺伝子を単離する方法としては、例えば、上述のサウス-ウエスタン法を用いる、ライブラリーのスクリーニングが挙げられる。 この方法を用いることにより、直接cDNAを単離することができる。 目的の遺伝子を単離するための遺伝子ライブラリーの作製法、プローブとのハイブリダイゼーションに使用するストリンジェントな条件、および遺伝子のクローニング法は当業者に周知である。 例えば、Maniatisら(1989)を参照。

    【0040】本発明の転写因子をコードする遺伝子としては、天然由来の遺伝子だけでなく、人工的に合成した遺伝子も用い得る。

    【0041】配列表の配列番号1で示される塩基配列を有するDNAからなる遺伝子、および配列表の配列番号1
    で示される塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をコードするDNAからなる遺伝子は、本発明において意図される遺伝子である。 当業者は、所望の本発明の転写因子をコードする遺伝子を容易に選択することができる。

    【0042】本明細書中で使用する用語「ストリンジェントな条件」とは、特異的な配列にはハイブリダイズするが、非特異的な配列にはハイブリダイズしない条件をいう。 ストリンジェントな条件の設定は、当業者に周知であり、例えば、Maniatisら(1989)に記載される。

    【0043】得られた転写因子が、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御するか否かは、この転写因子を恒常的に発現する形質転換植物を作出し、植物におけるエチレン誘導性遺伝子の発現について(例えば、ノザンブロットによる)解析を行うことにより確認し得る。 本発明において、エチレン誘導性遺伝子の発現が、非形質転換植物における発現に比べて有意に増強される場合、その転写因子はエチレン誘導性遺伝子群の「発現を制御する」
    という。

    【0044】本発明において、特に好ましい転写因子は、TEIL(Tobacco EIN3-like)である。 このタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)およびTEILをコードする遺伝子のcDNA配列(配列番号1)を図2に示す。

    【0045】(2)TEILタンパク質の構造および機能 本発明の転写因子である、TEILタンパク質のアミノ酸配列は、EIN3およびEIL1アミノ酸配列の残基80〜300にわたるアミノ末端側半分と、92%の配列同一性を共有する(実施例1)。 この領域はまた、EIN3およびEILタンパク質ファミリー(EIL1〜3)間で、60〜89%の同一性を共有しており、高度に保存されている。 このことは、N末端領域の必要不可欠な機能を示唆する。 保存された領域は、本発明におけるDNA結合ドメインの局在分析において示されるように、主にDNA結合活性を有するようである。 公知の転写因子のDNA結合ドメインは、それらのファミリー間および種間で保存されており、そして同一のまたは類似のDNA配列を認識する。 TEILとEIN3およびEIL
    1〜3との間に見られる、DNA結合活性を有すると推定される領域における高い類似性は、EIN3またはEIL1〜3により認識されるDNA配列が、TEILにより認識されるDNA配列に同一であるかまたは高度に類似することを示唆する。 この示唆は、EIN3に対してTEILよりも低い類似性を示すEIL2であっても、EIN3およびEIL1と同様にein3変異を相補できる(Chaoら、1997)ことから支持される。

    【0046】DNA結合のために必要と推定されるTEILのアミノ酸配列は、公知のDNA結合モチーフを含まない。
    このアミノ酸配列はまた、コンピューター分析により、
    α-螺旋構造に富む領域を含むことが予測される(図2)。 Chaoらによって推論されるように、この螺旋構造は、EIN3およびEIL1〜3にもまた存在し、DNA結合に関与するとともに、ホモダイマーまたはヘテロダイマー形成を含むタンパク質-タンパク質相互作用に関与し得る。
    転写因子GT-1およびGT-2は、2つの短いループによって分けられる3つのα螺旋(これは、高等植物に特有である)からなる三重螺旋DNA結合ドメインを有することが報告されている(Deheshら、1992;Gilmartinら、199
    2)。

    【0047】さらに、EIN3の塩基性ドメインIおよびII
    に対応する、保存された塩基性アミノ酸の2つのクラスターが、TEILのN末端において見出される(TEILのアミノ酸残基54〜67および90〜96)。 これらのドメインを含む領域の欠失は、DNA結合活性の完全な欠損を導くので、α螺旋および塩基性ドメインは新規なDNA結合ドメインを構成するようである。 TEILのDNA結合ドメインの別の顕著な特徴は、広範な領域がDNA結合の完全な活性のために必要とされ得ることである。 C末端からの203
    個のアミノ酸残基の除去は、一定の結合活性の減少を生じる(実施例2)。 このことは、TEIL配列の残基1〜41
    2から伸張される領域全体が、完全なDNA結合活性に必要であり得ることを示す。 あるいは、C末端領域に、N末端側の結合ドメインの作用と協調して作用する第2のDN
    A結合領域が存在するのかもしれない。

    【0048】TEILの至適化したDNA結合配列は、A(T/C)G
    (A/T)A(C/T)CTである(実施例3)。 この認識配列は、
    公知の植物転写因子が認識する配列には見出されない独特なものである。 発生調節に関与する哺乳動物転写因子である、Oct-1のコンセンサス結合配列(ATGCAAT)およびPit-1のコンセンサス結合配列(ATGNATAWWT;ここでN
    は任意の塩基を、およびWはAもしくはTのいずれかを表す)(HerrおよびCleary、1995)は、上記の認識配列に類似性を有する。 これらの哺乳動物転写因子は、POU特異的ドメインおよびPOUホメオドメインの2つの構造的に独立したセグメントからなるPOU DNA結合ドメインを含む。 POU特異的ドメインおよびPOUホメオドメインは、
    それぞれ、4個のおよび3個のα螺旋からなる。 POU DN
    A結合ドメインとTEILとの間には、アミノ酸配列についての類似性は見出されない。 しかし、DNA結合活性を有するTEILのN末端領域が、上述したようにいくつかの予測されるα螺旋を形成することは注目するべきである。

    【0049】TEILは、EIN3に機能的に類似する。 EIN3との配列同一性がわずか35%であるEIL2でさえ、EIL1と同様に、ein3変異を相補できる。 従って、EIN3に対してより高い類似性を有するTEILもまた、ein3変異を相補できると考えられる。

    【0050】EIN3またはEIL1 cDNAを過剰発現するシロイヌナズナの芽生えは、エチレン応答経路の活性化の指標となる、恒常的なトリプル応答表現型を示す(Chao
    ら、1997)。 このことは、TEILがタバコプロトプラストにおける転写因子として機能するという本発明者らの観察結果と整合する。 トランス活性化は、TEIL結合配列に対するTEILの直接的な結合を介して行われると考えられる。 酵母において、TEILをGAL4 DNA結合ドメインとの融合体として発現させた場合、レポーター遺伝子を活性化し得た。 このトランス活性化には、少なくともTEILアミノ酸配列の残基482〜615の領域が必要とされた(実施例7)。 これらは、TEILが、配列特異的なDNA結合能および転写活性能力を有する転写因子であることを示す。

    【0051】TEILの転写活性化機能は、エチレン認識からのシグナル伝達により媒介されるようである。 tebs
    (TEIL結合部位)をプロモーターの上流に連結したレポーター遺伝子は、おそらく内因的に活性化されたTEILまたはその関連タンパク質により、プロトプラストにおいて有意に活性化された(実施例6)。 使用したプロトプラストにおいて、ストレス誘導性遺伝子は、おそらくプロトプラストを調製する間に、細胞壁から放出されるか(DavisおよびHahlbrock、1987)または細胞壁消化酵素溶液中のエリシター様因子により、および/またはエチレン放出を誘起する直接的な傷形成の影響(O'Donnell
    ら、1996)により、活性化される。 さらに、エチレン処理した葉からの核抽出物は、TEILまたは関連タンパク質に由来する、増強されたtebs結合活性を示した(実施例4)。 増強された活性は、健全な組織に元来存在する潜在的な不活性TEILタンパク質のエチレン媒介性の転写後活性化に依存するようである。 Chaoら(1997)はまた、
    EIN3タンパク質のレベルは、エチレン処理により変化されないことを観察している。 これらの観察から、TEIL標的遺伝子(tebs含有遺伝子)のエチレン誘導性活性化は、エチレンにより調節されるTEILのDNA結合活性の変化に依存すると考えられる。

    【0052】(3)TEILタンパク質の標的遺伝子 ein3変異体において、トリプル応答以外に、グルタチオンSトランスフェラーゼを含むエチレン誘導性タンパク質のいくつかの遺伝子の発現の障害が観察されることが報告されている(Chaoら、1997)。 etr1変異体およびet
    r1-1変異遺伝子を有するタバコ形質転換体において、いくつかの塩基性PRタンパク質はほとんど産生されない(Lawtonら、1994;Romanら、1995)。 反対に、恒常的なエチレン応答表現型を示すctr1変異体は、恒常的に塩基性キチナーゼタンパク質(塩基性PR-3遺伝子の発現産物)を産生する(Kieberら、1993)。 これらの知見は、
    EIN3の標的遺伝子が、塩基性PR遺伝子を包含すること、
    ならびに、EIN3のホモログであるTEILの標的遺伝子もまた、塩基性遺伝子を包含することを示唆する。 従って、
    塩基性PR遺伝子群を含むエチレン誘導性遺伝子のプロモーター領域が、TEILに対する結合部位を含むことが期待された。

    【0053】本発明者らは、塩基性PR遺伝子のプロモーター領域において、TEILのコンセンサス結合配列A(T/c)
    G(A/T)A(C/T)CTと良好な一致を示す配列を見出した(8
    ヌクレオチドあたり6ヌクレオチド以上が一致した)。
    このうちのいくつかはエチレン応答性領域内に特定された(表1)。 例えば、タバコ塩基性キチナーゼをコードするCHN48遺伝子のエチレン誘導は、プロモーター領域における-503〜-358にわたる領域を必要とする(Shinsh
    iら、1995)。 この領域において、隣接して位置する3
    つの推定のtebs、およびエチレン誘導性発現に必要とされる2つのGCCボックス(AGCCGCC)が存在する。 CHN50
    遺伝子の対応する相同領域も、同一または同種の推定の
    tebs、およびGCCボックスを保存する(表1)。 タバコオスモチンプロモーターのエチレン応答性領域は、-248
    〜-108の間に位置する小領域に規定される(Raghothama
    ら、1993)。 この領域にも、1つのtebsおよび2つのGC
    Cボックスが存在する。 さらに、パセリPR2プロモーター(van de Lochtら、1990)の-168〜-108の間のエリシター応答性領域内には、3つの推定のtebsが存在する。 興味深いことに、この60bp領域はGCCボックスおよび配列
    (T)TGAC(C)を含まなかった。

    【0054】

    【表1】

    【0055】TGACエレメントは、パセリPR1遺伝子(Des
    presら、1995)、トウモロコシPRms遺伝子(Raventos
    ら、1995)、およびジャガイモPR-10a遺伝子(Rushton
    ら、1996)のエリシター応答性に必要であることが示唆されている。 一方、TGACエレメントは、ストレス応答性遺伝子として知られるPAL(phenylalanine ammonia-lya
    se)遺伝子ファミリーおよび4CL(4-coumarate:coenzym
    eA ligase)遺伝子ファミリーのプロモーターにおけるエリシター応答性領域中には存在しない。 このことは、
    これらのストレス応答性遺伝子の調節においては、異なるクラスのエリシター応答性エレメントおよび転写因子が関与していることを示唆する。 パセリPR2遺伝子のエリシター応答性は、エリシター処理により発生され得るエチレンにより媒介され得、そしてエリシター応答性領域において見出される推定のtebsにより付与され得る。
    これらの観察により、TEILについての直接的な標的遺伝子として、多くの塩基性PR遺伝子のメンバーが含まれることが考えられる。 この推定は、恒常的にTEILを産生する形質転換植物において塩基性PR-2およびPR-5遺伝子の発現が観察された(実施例9)ことにより支持された。

    【0056】多くの塩基性PR遺伝子のプロモーター領域は、エチレン誘導性発現に必要とされるGCCボックスを含む(Ohme-TagakiおよびShinshi、1990;Eyalら、199
    3;Hartら、1993)。 GCCボックスに結合するタンパク質である、エチレン応答性エレメント結合タンパク質(ER
    EBP)は、エチレン誘導性塩基性PR遺伝子の潜在的な調節因子であることが提唱されている(Ohme-TagakiおよびShinshi、1995)。 表1において示すように、GCCボックスを含むほとんどの塩基性PRプロモーターにおいて、
    GCCボックスの近くに本発明におけるtebs配列が存在する。 特定の理論に束縛されるものではないが、TEILは、
    EREBPと協調して、塩基性PR遺伝子の発現を調節し得ると考えられる。 従って、塩基性PR遺伝子におけるTEIL結合部位を破壊すると、GCCボックスの機能欠失(loss-of
    −function)実験における観察(Sessaら、1995)と同様に、エチレン応答性のいくつかの欠損を導き得る。 TE
    ILがEREBPと直接相互作用して、協調性のトランス活性化機能を達成する可能性もある。

    【0057】エチレンまたは傷形成によって効果的に誘導される塩基性PR遺伝子とは対照的に、サリチル酸により活性化される酸性PR遺伝子は、TEILの標的ではないかもしれない。 しかし、本発明者らは、以下の理由から、
    TEILが酸性PR遺伝子発現のエチレン媒介性活性化に影響し得るという可能性を、PR-1aプロモーターにおけるps1
    の機能欠失分析により確認するまでは排除し得ない:
    (1)TEILはタバコ酸性PR-1aプロモーターのps1部位に結合するタンパク質として最初に単離されたこと;
    (2)酸性PR遺伝子は、サリチル酸で誘導されるが、エチレンおよびサリチル酸、またはエチレンおよびジャスモン酸での処理により、協調的に誘導されるという報告があること;および(3)TEILのps1に対する結合親和性は、至適な結合配列の結合親和性に比べて実質的に低いが、多くの遺伝子において規定されたシス作用性エレメントは、それらの同起源の結合因子に対して必ずしも強力な結合部位ではないこと。

    【0058】本発明のTEILが、エチレン誘導性転写の活性化を媒介する配列特異的DNA結合タンパク質として機能し得るという知見は、そのホモログであるEIN3および
    EIL1〜3もまた、TEILと同様にエチレン誘導性転写活性化を媒介する配列特異的DNA結合タンパク質として機能し得ることを示す。 各メンバーは、EREBPを含む他のタンパク質との直接的または間接的な相互作用を介して、
    重複して異なる遺伝子を標的し得る。 エチレンは多様な生理学的現象に関与する遺伝子の活性化および抑制を媒介する。 しかし、ein3変異体が全てのエチレン媒介性効果において障害されないという観察(Romanら、1995)
    により示唆されるように、いくつかのエチレン応答性遺伝子は、まだ同定されていない転写因子(おそらく、EI
    N5、EIN6、およびEIN7を含む)により調節されているのかもしれない。

    【0059】(4)形質転換植物の作成 本発明の転写因子をコードする遺伝子は、それを含むポリヌクレオチドとして植物に導入され得る。 ポリヌクレオチドは、通常、遺伝子が作動可能に組み込まれた適切な植物発現ベクターの形態である。 導入された遺伝子の植物内での発現により、外因的に本発明の転写因子が産生され得る。

    【0060】以下に詳細に述べるように、植物に遺伝子を導入して形質転換植物を作製する方法は、当該分野における常法に従って実施され得る。

    【0061】本願発明の方法が適用される「植物」は、
    単子葉植物および双子葉植物のいずれも含む。 特に好ましい植物としては、タバコ、ピーマン、ナス、メロン、
    トマト、サツマイモ、キャベツ、ネギ、ブロッコリー、
    ニンジン、キウリ、柑橘類、白菜、レタス、モモ、イネ、ジャガイモ、オオムギ、コムギおよびリンゴが挙げられる。 また、特に他で示さない限り、植物は、植物体、植物器官、植物組織、植物細胞、および種子のいずれをも意味する。 植物器官の例としては、根、葉、茎、
    および花などが挙げられる。 植物細胞の例としては、カルスおよび懸濁培養細胞が挙げられる。

    【0062】本発明の方法において、転写因子をコードする遺伝子が、対象となる植物と同一種または近縁の種(例えば、同一の属、または同一の科に分類される種)
    に由来することは、好ましい態様であり得るが、必ずしも必要ではない。

    【0063】本発明の方法に用いられる「ポリヌクレオチド」は、本発明の転写因子をコードする遺伝子、および所望の形質転換を達成するために必要な任意の付加的配列を有する。 上述のように、このポリヌクレオチドは、代表的には植物発現ベクターである。

    【0064】「植物発現ベクター」とは、目的の遺伝子の発現レベルを調節するプロモーターなどの種々の調節エレメントが、宿主植物細胞中で作動し得る状態で連結されている核酸配列の組換え構築物をいう。 好適には、
    植物プロモーター、ターミネーター、薬剤耐性遺伝子などのマーカー遺伝子、およびエンハンサーを含み得る。
    より好適には、複製起点を含み得る。 植物発現ベクターのタイプおよび使用される調節エレメントの好適な種類が、宿主細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。 当業者は、本発明の実施にあたって、プロモーター、エンハンサーなどの調節エレメントを適宜選択することにより、導入される遺伝子の発現の程度を調節し得る。

    【0065】本発明に用いる植物発現ベクターはさらにT−DNA領域を有し得る。 T−DNA領域は、特にアグロバクテリウムを用いて植物を形質転換する場合に遺伝子の導入の効率を高める。

    【0066】「植物プロモーター」とは、植物細胞において機能し得るプロモーターをいう。 例えば、タバコの感染特異的タンパク質PR-1のプロモーター(以下、タバコPR-1プロモーターという)、熱ショックにより誘導されるプロモーターなどの、ある種のストレスにより発現が誘導されるプロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、ノパリン合成酵素のプロモーター(Pnos)のような恒常的なプロモーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。

    【0067】「ターミネーター」は、遺伝子のタンパク質をコードする領域の下流に位置し、DNAがmRNAに転写される際の転写の終結、ポリA配列の付加に関与する配列である。 ターミネーターは、mRNAの安定性に関与して遺伝子の発現レベルに影響を及ぼすことが知られている。 ターミネーターの例としては、CaMV35Sターミネーター、ノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター(Tno
    s)、タバコPR-1遺伝子のターミネーターが挙げられるが、これに限定されない。

    【0068】「薬剤耐性遺伝子」は、形質転換植物の選抜を容易にする遺伝子であることが望ましい。 カナマイシン耐性を付与するためのネオマイシンフォスフォトランスフェレースII(NPTII)遺伝子、およびハイグロマイシン耐性を付与するためのハイグロマイシンフォスフォトランスフェレース遺伝子などが好適に用いられ得る。
    薬剤耐性遺伝子を発現させるプロモーターの例としては、上記植物プロモーター、例えば、タバコPR-1プロモーター、CaMV35Sプロモーター、ノパリン合成酵素プロモーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。

    【0069】「エンハンサー」は、目的遺伝子の発現効率を高めるために用いられ得る。 エンハンサーとしては、CaMV35Sプロモーター内の上流側の配列を含むエンハンサー領域が好適である。 エンハンサーは、1つの目的遺伝子について複数個用いられ得る。

    【0070】植物発現ベクターの構築に用いるベクターとしては、pBI系のベクター、pUC系のベクターあるいは
    pTRA系のベクターが好適に用いられ得る。 pBI系およびp
    TRA系のベクターは、アグロバクテリウムを介して植物に目的の遺伝子を導入し得る。 pBI系のバイナリーベクターまたは中間ベクター系が好適に用いられ得る。 例えば、pBI121、pBI101、pBI101.2、pBI101.3などが挙げられる。 これらのベクターは、植物に導入され得る領域(T
    -DNA領域)の遺伝子と、マーカー遺伝子として植物プロモーターの支配下で発現されるNPTII遺伝子(カナマイシン耐性を付与する)とを含む。 pUC系のベクターは、
    植物に遺伝子を直接導入し得る。 例えば、pUC18、pUC1
    9、pUC9などが挙げられる。

    【0071】本発明の植物発現ベクターは、当業者に周知の遺伝子組換え技術を用いて作製され得る。 好適には、上記ベクターのプロモーター下流に本発明の転写因子をコードする遺伝子が組み込まれる。

    【0072】植物細胞への植物発現ベクターの導入には、当業者に周知の方法、例えば、アグロバクテリウムを介する方法および直接細胞に導入する方法が用いられ得る。 アグロバクテリウムを介する方法としては、例えば、Nagelら(1990)の方法が用いられ得る。 この方法では、まず、例えば植物発現ベクターでエレクトロポレーションによってアグロバクテリウムを形質転換し、次いで、形質転換されたアグロバクテリウムを植物細胞に導入する。 植物発現ベクターを直接細胞に導入する方法としては、エレクトロポレーション法、遺伝子銃法の他、リン酸カルシウム法およびポリエチレングリコール(PEG)法などがある。 これらの方法は、当該分野において周知であり、形質転換する植物に適した方法が、当業者により適宜選択され得る。

    【0073】植物発現ベクターを導入することにより形質転換した細胞は、まずカナマイシン耐性などの薬剤耐性、または他の適切な表現型を指標として選択される。
    次いで、常法により、植物組織、植物器官および/または植物体に再分化され得る。 さらに、再生された植物体から種子が取得され得る。 このようにして、本発明の転写因子をコードする遺伝子を細胞内に有する形質転換植物が得られる。

    【0074】得られた植物において、本発明の転写因子が産生されることにより、エチレン誘導性遺伝子群および/または傷誘導性遺伝子群の発現が促進され得、その結果、環境ストレスに対する抵抗性が付与され得る。

    【0075】本明細書において、「環境ストレス」とは、自然界で植物が受け得る、その生育を妨げる任意のストレスをいう。 環境ストレスの例としては、病原体感染、傷ストレス、強光、低温、凍結、乾燥、高温、高塩濃度、UV照射、オゾン、虫害および除草剤などが挙げられる。 「病原体感染」とは、植物の病原因子による感染をいい、ウイルス、ウイロイド、糸状菌および細菌による感染を含む。 「傷ストレス」とは、植物が外的に受ける機械的損傷をいう。

    【0076】環境ストレスに対しての「抵抗性の付与」
    とは、植物に新たな抵抗性を付与すること、または既に抵抗性を有する植物のその抵抗性を増強することをいう。 環境ストレスに対して植物に抵抗性を付与する遺伝子を「ストレス抵抗性遺伝子」という。 その例としては、エチレン誘導性遺伝子、酸性PR遺伝子を含むサリチル酸誘導性遺伝子、および傷誘導性遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。

    【0077】「傷誘導性遺伝子」とは、植物が傷ストレス下に曝露された際に、その発現が誘導される遺伝子である。 傷誘導性遺伝子の例としては、プロテイナーゼインヒビター(PI)群、タンパク質分解酵素群(例えば、
    ポリフェノールオキシダーゼおよびリポキシゲナーゼなど)、傷誘導性MAPキナーゼ、および塩基性PRタンパク質(例えば、PR-1〜PR-5)などをコードする種々の遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。

    【0078】環境ストレスに対する抵抗性の有無は、植物がある環境ストレス下におかれた場合の、形質転換植物とコントロール植物との間に観察され得る差異を評価することにより、確認できる。

    【0079】例えば、病原体感染に対する形質転換植物の病害抵抗性は、病原体感染における、形質転換植物とコントロール植物との間の形態学的変化の差異として評価される。 例えば、病原体感染後の形質転換植物において観察され得る病斑の程度が、コントロール植物に比べて有意に抑制されている場合は、その形質転換植物には抵抗性が付与されている。

    【0080】植物は、傷をつけられると、傷害抵抗性応答機構(例えば、虫害耐性および病害抵抗性)が活性化されることが知られている(Ryanら、1992)。 従って、
    例えば、傷ストレスに対する形質転換植物の抵抗性は、
    植物が傷害を受けた後の形質転換植物における病害抵抗性を、上述のように調べることにより確認される。 形質転換植物の病斑の程度が、コントロール植物に比べて有意に抑制されている場合は、その形質転換植物には傷ストレスに対する抵抗性が付与されている。 本発明において、「傷ストレス抵抗性」とは、植物が傷害を受けた後、虫害耐性および病原体抵抗性の少なくとも1つに対して示される抵抗性をいう。

    【0081】以下の実施例は、本発明の例示のみを目的として記載されるものであり、本発明をいかなる点からも制限することを意図しない。

    【0082】

    【実施例】実施例において使用した制限酵素、プラスミドなどの材料は、いずれも商業的な供給源から入手可能である。

    【0083】(実施例1:TEILはEIN3のホモログである)本発明者らのグループは、以前にタバコPR1aプロモーターにおける隣接部位(ps1部位)は、Nicotiana tab
    acum cv Samsun NNの健全な葉に存在する核因子により結合されるが、酸性PR1タンパク質を恒常的に産生する、Nicotiana glutinosaとNicotiana debneyiとの雑種ハイブリッドにおいては、ps1部位はこのような核因子により結合されないことを見出した(Hagiwaraら、199
    3)。

    【0084】本発明者らは、酵母ワンハイブリッド系を用いて、ps1配列に配列特異的な結合を示すNicotiana t
    abacum cv Samsun NN由来のcDNAを、pGAD424ベクター中で単離した(pGAD-TEILと命名)。 簡潔には、ps1部位を上流に有するHIS3レポーター遺伝子((ps1) 4 -CYC-HIS
    3)を活性化したが、ps1を有さないレポーター遺伝子(CYC1-HIS3)を活性化しない、(pGAD424ベクター中の)cDNAクローン(pGAD-TEIL)を単離した。

    【0085】配列解析により、pGAD424におけるcDNAのO
    RFは、GAL4活性化ドメインとインフレームであり、そして534アミノ酸残基をコードすることが示された。 PCRベースのクローニング戦略により単離されたN末端伸張領域は、81アミノ酸残基をコードした。 従って、完全長の
    cDNAは615アミノ酸残基をコードすることが示された(図2)。 推定のアミノ酸配列において、bZIP( b asic-
    leucine- zip per)、ジンクフィンガーおよびbHLH( b asi
    c- h erix- l oop- h erix)のような、DNA結合タンパク質に特徴的なモチーフは存在しなかった。 しかし、このアミノ酸配列をSWISS-PROTデーターベースについての照会配列として使用したところ、EIN3(ethyleneinsensitive
    3)のアミノ酸配列と有意な相同性を有することが見出された。 本発明者らは、このアミノ酸配列からなるタンパク質を、TEIL(tobocco EIN-like)と命名した。

    【0086】EIN3は、シロイヌナズナ遺伝子によりコードされ、そしてエチレンシグナル伝達経路においてETR1
    (ethylene resistant 1)、CTR1(constitutive tripl
    e response 1)、およびEIN2(ethylene insensitive
    2)の下流で作用する(Chaoら、1997)。 EIN3の変異により、エチレン不感受性変異体(ein3)が生じる。 TEIL
    のアミノ酸配列は、EIN3のアミノ酸配列と、全体で60%
    の配列同一性を共有する。 両者のアミノ酸配列の80〜30
    0位にわたるN末端側半分においては、92%の配列同一性が認められる(図3)。 TEILのアミノ酸配列はまた、EI
    N3に関連するタンパク質として単離された、シロイヌナズナ由来のEIL1〜3のアミノ酸配列に対しても高い相同性(58%〜35%の配列同一性)を示す。 TEILに対する関連性は、EIL1が最も密接であり、EIL2およびEIL3については、より低かった。 全体の類似性の程度、およびEIL2以外のこれらのタンパク質に特徴的な塩基性ドメインIV
    (TEILにおけるアミノ酸267〜276位に相当するドメイン)の存在を考慮すると、TEILは、シロイヌナズナEIN3
    ファミリー中で、EIN3およびEIL1に最も近いようである。

    【0087】(実施例2:DNA結合ドメインは、N末端領域に局在する)TEILのDNA結合活性を有するドメインを決定するために、TEILのいくつかの欠失変異を作製して、それらのDNA結合能力について試験した。 完全長のT
    EIL、またはN末端欠失変異体もしくはC末端欠失変異体とTrx(チオレドキシン)との組換え融合体を作製した。 次いでアフィニティーカラムを用いて、これらの融合体を精製した(図4A)。 精製物を、obs1を用いて電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)に供した(図4
    B)。 obs1は、以下に示すようにTEIL結合について高い親和性を有するプローブDNAである(obs1の配列については、図6Aを参照)。 なお、EMSAにおいて用いたプローブは、全て相補鎖と結合させた二本鎖オリゴヌクレオチドである。 いくつかの組換えタンパク質、特に、N末端領域を含む組換えタンパク質は、E.coliにおいて十分多量に発現させることが困難であったので、部分的に精製した状態で使用した。 サンプル中の目的のタンパク質を、Sタンパク質を用いるウエスタンブロット分析により定量した(データ示さず)。

    【0088】Trx-ΔN1は、TEILアミノ酸配列の残基1〜
    81にわたるN末端領域が欠失した変異体である。 Trx-
    ΔN1は、プローブDNAに結合する能力を保持したが、親和性は、完全長のTEIL(WT)の場合に比べて約30%減少した(図4B;レーン1と比較したレーン2)。 残基9
    3、132、および160までのN末端領域のさらなる欠失(それぞれ、ΔN2、ΔN3およびΔN4に対応する)は、DN
    A結合能力における完全な欠損をもたらした(図4B;
    レーン3〜5)。 また、残基413〜615および残基303〜6
    15にわたるC末端領域をそれぞれ欠失した、ΔC1およびΔC2は、完全長のTEIL(WT)に比べて、10〜15%のDNA結合活性を有した(図4B;レーン1と比較したレーン6
    および7)。 アミノ酸配列の、残基226〜615にわたるさらなる欠失(ΔC3に対応する)は、結合活性における完全な欠損をもたらした(図4B;レーン8)。 C末端欠失変異体をまた、(ps1) 4 -CYC1-HIS3レポーターを用いる酵母ワンハイブリッドアッセイを使用したインビボ実験により試験した。 pGBT9(Clontech)にクローン化したΔC3構築物は、レポーター遺伝子を活性化しなかった。
    一方、同様にクローン化したΔC2構築物は、完全長のTE
    IL(WT)に比べて活性化の能力は弱かったものの、レポーター遺伝子を活性化した(データ示さず)。 これらの結果は、TEILのDNA結合活性には少なくともアミノ酸配列の残基82〜302にわたる領域が必要であること、およびより高いDNA結合活性のためには、N末端およびC末端に向かってさらに伸張する領域(例えば、アミノ酸配列の残基82〜412にわたる領域)が必要であることを示す。

    【0089】(実施例3:TEILの至適な結合配列は8bp
    を含む)TEILは、タバコPR1aプロモーターにおけるps1
    に結合するが、TEILとの結合についてps1よりも好ましい配列が存在すると考えられる。 TEILについての至適な結合配列を決定するために、本発明者らは、精製組換え
    Trx(チオレドキシン)-TEIL融合タンパク質を用いるランダム結合部位選択分析を行った。 PCRプライマーのためのアニーリング部位が両端に結合したランダムな18マーからなる、二本鎖オリゴヌクレオチドとともに、融合タンパク質をインキュベートした。 DNAタンパク質複合体をポリアクリルアミド電気泳動により分離した後、Tr
    x-TEILが結合したオリゴヌクレオチドのバンドをPCR増幅した。 4サイクルの選択後、選択されたオリゴヌクレオチドをプラスミド(PGEM-3Zf(+)、Promega Corporati
    on)中にクローン化した。 個々のクローンから、全部で
    87個のオリゴヌクレオチドを配列決定した(図5A)。
    これらの配列の比較から、TEILについてのコンセンサス配列は、A(T/c)G(A/T)A(C/T)CT(図5B)であることが示された。 このコンセンサス配列は、ps1(ATGAATAA)
    の配列と6bp一致する。

    【0090】本発明者らはさらに、これらの87個の配列からランダムに選択した39個のフラグメントの相対的な親和性を、この39個のフラグメントをTEILに対するプローブDNAとして使用するEMSAにより決定した(データ示さず)。 これらの配列のTEILに対する親和性は、かなり広い範囲にわたり、親和性の最大値は最小値の20倍であった。 TEILに対して相対的に高い親和性を示すほとんどの配列は、コンセンサス配列と相関した。 コンセンサス配列A (T/c) G (A/T) A (C/T)C Tにおいて、下線を付したヌクレオチドは、選択された配列において特に高い保存性を有していた。

    【0091】コンセンサス配列の重要性を確認するために、本発明者らは、さらに、下線を付したヌクレオチドを変異したオリゴヌクレオチドプローブ(図6A)を用いて、TEILとの結合について、EMSA分析を行った。 至適な結合配列を有するプローブとして、コンセンサス配列
    ATGTACCTを含む配列37(図5A)を使用した(obs1と命名する、図6Aを参照)。

    【0092】まず、TEIL結合に対する、obs1におけるコンセンサス配列に隣接する配列の影響を試験するために、隣接配列の11ヌクレオチドを、タバコPR-1aプロモーター中のps1部位の隣接配列に交換してobs2を作製した(図6A)。 obs2配列は、TEIL結合についてobs1とほとんど同じ活性を有した(図6B;レーン2)。 この結果は、結合に対するobs1における隣接配列の影響はほとんどないことを示す。

    【0093】コンセンサス配列の1番目のオリゴヌクレオチドをAからCへ変換した変異体(obsm1)は、obs2
    に比べて約半分の結合親和性を有した(図6B;レーン3)。 3番目または5番目のヌクレオチドの変異体(ob
    sm2またはobsm3)は、TEIL結合の相当な減少を生じた(図6B;レーン4または5に対応)。 このことは、3
    番目および5番目のヌクレオチドは結合に絶対的に必要であり得ることを示す。 一方、8番目のヌクレオチドをTからGへ変換した変異体(obsm4)は、結合親和性に影響しなかった。 9番目のオリゴヌクレオチドのGからT
    への変異(obsm5)もまた、結合選択において影響しなかった(図6B;レーン7)。 これらの結果は、コンセンサス配列における1番目のAおよび8番目のTの、TE
    IL結合への寄与は、それぞれ、中程度およびわずかであることを示唆する。 なお、obs1配列は、ps1よりもTEIL
    について非常に高い親和性を有した(図6B、レーン8)。

    【0094】(実施例4:エチレン処理した葉からの核抽出物は、TEIL結合部位(tebs)に対する増強された結合活性を有する)組換えTEILタンパク質は、 TEIL結合部位(tebs)の高親和性配列であるobs1に対して強力な結合を示した。 タバコ核抽出物におけるtebs結合活性を有するタンパク質の存在を確認するために、本発明者らは、4コピーのobs1を含む標識DNAプローブを用いて、
    電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を行った。 未処理のタバコ葉からの核抽出物は、プローブに対する結合活性をほとんど含まなかった(図7;レーン1)。 これに対して、エチレン処理した葉については、十分な活性が示されて明らかにバンドがシフトした(図7;レーン2)。 この標識DNA-タンパク質複合体形成は、過剰なob
    s1拮抗オリゴヌクレオチドとして添加することにより、
    阻害された(図7;レーン3および4)。 一方、非常に弱いTEIL結合活性しか有さなかったobsm2またはobsm3オリゴヌクレオチドの過剰量を拮抗オリゴヌクレオチドとして使用した場合は、DNAプローブへの結合に対してほとんど影響はなかった(図7;レーン5〜8)。 このことは、エチレン処理したタバコ葉からの核抽出物に、te
    bsに対して配列特異的なDNA結合活性を有するタンパク質が存在したことを示す。 エチレン処理により刺激されるこのtebsのDNA結合活性は、配列優先性が類似するので、TEILまたはTEIL関連タンパク質に由来するようである。

    【0095】(実施例5:TEIL遺伝子転写産物は組織特異的蓄積および傷誘導性蓄積を示す)TEIL遺伝子転写産物について、その蓄積の組織特異性およびストレス応答性を試験するために、ノザンブロット分析を行った。 転写産物を検出するためのDNAプローブとして、TEILのC
    末端領域に相当するcDNAを用いた。 エチジウムブロミド(EtBr)でゲルを染色することにより、RNAが等量ずつゲルにロードされていることを確認した。 転写産物は、
    タバコの茎、根、および一部老化した下位葉において豊富に見出され、そして健全な成熟葉および未成熟の葉、
    花芽、ならびに懸濁培養したBY2細胞においてはほとんど見出されなかった(図8A)。 成熟タバコ葉を小片に切断してインキュベートした場合、0時間に存在する低レベルの転写産物は、傷処理の30分後は検出不可能になり、そして2時間後、再び増加して24時間まで増加を継続した(図8B)。 切り出した葉をサリチル酸またはジャスモン酸を含むとともにインキュベートした場合、
    転写産物の誘導のタイミングおよびレベルは、水単独の場合と同じであった(データは示さず)。 さらに、無傷の芽生えにエチレンまたはジャスモン酸を適用した場合、実質的な変化は観察されなかった(データは示さず)。 これらの観結果察は、TEIL転写産物が、組織特異的様式で茎および根に豊富に蓄積し、そしてサリチル酸、ジャスモン酸、およびエチレンとは独立して、傷を生じた際に誘導性であることを示す。

    【0096】(実施例6:タバコプロトプラストにおいてobs1レポーター遺伝子は内因的に活性化され、さらに
    TEILによりトランス活性化される)次いで、本発明者らはタバコ葉肉プロトプラストにおいて、転写調節エレメントとしてのtebs配列の活性をobs1レポーター遺伝子を使用して試験した。 obs1レポーター構築物(obs1-GUS)
    は、obs1の4つの反復配列を上流に有するCaMV 35S(-5
    4)プロモーター(CaMV minimal promoter)と細菌性β-
    グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子との融合物である。 コントロールレポーター構築物(obsm2-Gus)においては、obs1-GUSにおけるobs-1の4つの反復配列を、obsm2
    の4つの反復配列で置換した。 これらの構築物を、それぞれ、タバコ葉肉プロトプラストにトランスフェクトした。 obs1-GUSでは、obsm2-GUSに比べて、7〜10倍高いG
    US活性が観察された(データは示さず)。 この観察結果は、TEILまたは関連タンパク質の活性な形態がタバコ葉肉プロトプラストに内因的に存在し、そしてobs1配列への配列特異的な結合を介してレポーター遺伝子を活性化したことを示唆する。

    【0097】さらに、obs1-GUSと、エフェクタープラスミド(35S-TEIL)またはコントロールエフェクタープラスミド(35S-NPTII)とを、タバコ葉肉プロトプラストに同時トランスフェクトした。 35S-TEILおよび35S-NPTI
    Iは、それぞれ、CaMV 35S RNAプロモーターに作動可能に連結されたTEIL cDNAおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む構築物である。 obs1-GUSと
    35S-TEILとの組み合わせにおいて、35S-NPTIIとの組み合せに比べて、さらに約2〜3倍、レポーター遺伝子の発現によるGUS活性の増強が観察された(図9の右半分)。 対照的に、obsm2-GUSと35S-TEILとの同時トランスフェクションは、obsm-2GUS単独でのトランスフェクションに比べてレポーター遺伝子のわずかなレベルの活性化を生じただけであった(図9の左半分)。 これらの結果により、TEILが転写活性化機能を有し、そしてtebs
    に対する配列特異的な結合を介して標的遺伝子に作用することが示される。

    【0098】(実施例7:転写活性化ドメインは、C末端領域に局在する)タバコプロトプラストにおいて、TE
    ILの過剰発現が、レポーター遺伝子の転写を活性化したので、TEILタンパク質はそれ自身に転写活性化ドメインを含む可能性がある。 この転写活性化ドメインを同定するために、本発明者らは酵母ワンハイブリッド系を利用した。 酵母系は、レポーター遺伝子のより低い基底発現が可能であり、そして植物系に比べて再現性が高いという点で有利だからである。 この系において、TEILとの融合のためのGAL4 DNA結合ドメイン(GAL4bd)と、レポーター遺伝子としてGAL1-LacZまたはGAL1-HIS3とを利用する(Clontech)。 従って、TEILとGAL4bdとの融合物は、
    GAL4に由来する(GAL1への)DNA結合活性とTEILに由来する転写活性とを有することにより、これらのレポーター遺伝子を活性化すると考えられる。 表2に示すように、pGBT-TEIL(GAL4dbとTEILタンパク質との融合物を産生するプラスミド)は、酵母においてレポーター遺伝子(lacZまたはHIS3)を活性化した。 活性化のレベルは、コントロールとして使用したpCL1(完全長のGAL4タンパク質を産生するプラスミド)の場合ほど高くはなかった。 なお、表2において、pGBT9は、GAL4 DNA結合ドメインのみを有するコントロール構築物を示す。

    【0099】

    【表2】

    【0100】DNA結合領域がN末端領域に存在することを考慮して、GAL4bdとの融合パートナーとして、TEILの一連のC末端欠失変異体を作製した。 pGBTーC556(アミノ酸配列の残基557〜615にわたる領域を欠損するTEIL変異体を産生するプラスミド)は、野生型TEILの約半分の活性を保持した。 一方、pGBT-C481およびpGBT-C412(それぞれ、残基482〜523および残基413〜523にわたる領域を欠損するTEIL変異体を産生する)は、完全に活性を欠損した。 このことは、TEILの転写活性化領域が、アミノ酸配列の残基482〜615にわたる領域(特に、残基482〜5
    56にわたる領域)に位置することを示す。 しかし、残基
    482〜615にわたる領域において、公知の転写活性化ドメイン(グルタミンリッチ配列、プロリンリッチ配列、または酸アミノ酸リッチ配列)は見出されなかった。

    【0101】(実施例8:TEIL高発現ベクターによる形質転換植物は、恒常的にTEIL遺伝子を発現する)市販の
    pBI121(Clontech)を、出発物質として用いて、TEILを高発現するベクターを構築した。 pBI121は、NOSプロモーター(Pnos)およびターミネーター(Tnos)で制御されるNPTII遺伝子、マルチクローニング部位、および35S
    CaMVプロモーターの制御下にあり、Tnosを有する大腸菌由来のβ-GUS遺伝子を含むプラスミドである。

    【0102】pBI121をまず、XbaIおよびBamHIで切断し、大きな断片を回収した。 この断片に、プラスミド(p
    BSK-TEIL)を制限酵素(SpeIおよびBglII)で消化して切り出したTEIL cDNAの断片を連結した後、大腸菌JM109
    に導入した。 カナマイシン耐性株を回収して、目的とする高発現ベクター(pBI-35S-TEIL)を得た。 制限酵素解析により、正しい方向にTEIL遺伝子が導入されたことを確認した。

    【0103】得られた発現構築物を、Agrobacterium tu
    mefaciens LBA4404(Oomsら、1981))に、エレクトロポレーション(Wen-JunおよびForde、1989)により導入した。 Nicotiana tabacum cv. Samsun NNの形質転換を、
    葉片共存培養法(Horschら、1985)により行った。 葉片を、細菌溶液中に浸し、次いで、これを、インキュベーション培地(3%スクロースおよびB5ビタミンを有するM
    urashige-Skoog(MS)基本培地)に移した。 2日間、25
    ℃、白色蛍光灯の連続的な照射下、120μE/m 2 /sの強度でおいて、共存培養した。 次いで、この葉片を、80μg/
    mlのカナマイシンを含む培地に移して、上記細菌を除去した。 3週間ごとに選択培地で継代し、カナマイシンを含有する培地中で形成されたシュートを、ホルモンを減少させた選択培地に移した。 根形成後、植物を土の入ったポットに移した。 14個体の独立した形質転換タバコ個体(35S-TEIL-1〜14)を得た。

    【0104】得られた形質転換体におけるTEIL遺伝子の発現を、以下のように確認した。 得られた形質転換体のうち3個体(35S-TEIL-2、35S-TEIL-10および35S-TEIL-
    14系統)の葉から、常法によって、 mRNAを抽出した後、TEIL cDNAをプローブとして、ノザンブロット解析を行った。 コントロールとして、非形質転換植物(Nico
    tiana tabacum cv. Samsun NN)の無傷の葉(SNN)および傷をつけた1日後の葉(SNN-wound)を使用した。 結果を、図10に示す。

    【0105】無傷のコントロール植物の葉(SNN)において、TEIL遺伝子の発現は認められなかった(レーン1)。 傷をつけた1日後のコントロール植物の葉(SNN-
    wound)においては、低レベルのTEIL遺伝子の発現が認められた(レーン5)。 一方、形質転換植物においては、恒常的にTEILが高発現していることが確認された(レーン2〜4)。

    【0106】(実施例9:TEIL高発現形質転換タバコは、塩基性PR遺伝子をも恒常的に発現する)恒常的にTE
    ILを産生する形質転換植物(35S-TEIL-2、35S-TEIL-10
    および35S-TEIL-14系統)における、塩基性PR遺伝子の発現を調べた。 塩基性PR-5(オスモチン)遺伝子または塩基性PR-2(β-1,3-グルカナーゼ)遺伝子のcDNAをプローブとして用いて、実施例8に記載の方法と同様にしてノザンブロット解析を行った。 結果を図10に示す。

    【0107】形質転換植物の葉においては、傷をつけなくても(つまり、ストレスの不在下であっても)、これらの塩基性PR遺伝子が恒常的に発現されていることが確認された。

    【0108】

    【発明の効果】本発明により、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子が提供される。 また、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子の植物体内における発現レベルを調節することにより、環境ストレス(例えば、病害体感染および傷ストレス)に対して抵抗性が付与された植物を作出する方法が提供される。 さらに、本発明により、エチレン誘導性遺伝子群の発現を制御する転写因子をスクリーニングする方法が提供される。

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    【0110】

    【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> National Institute of Agrobiological Resources, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries Japan Science and Technology Corporation <120> Transcriptional factor controlling expression of a group of ethylene inducible genes <130> J1-98412316 <140> JP <141> 1998-08-11 <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 2479 <212> DNA <213> Nicotiana tabacum cv Samsun NN <220> <221> CDS <222> (244)..(2091) <400> 1 tttttctccc ttctctttct gtctctctct ctctctctct ctctctcttt tcccttgtgt 60 agtctgaagg gtcaattatt tctcatagag aagaagtgtt gaacgacttt ttgaaccaaa 120 aaaagaaaag gaaaaaaaac tcttttgagg agggaagtca tcaatttgag gattagctgt 180 ttaatcccat ttggtttctt gaaaggttgt tactttttta accgttaatt cgggcctgcc 240 aag atg atg atg ttt gaa gaa atg ggg ttc tgt ggc gat ctt gat ttc 288 Met Met Met Phe Glu Glu Met Gly Phe Cys Gly Asp Leu Asp Phe 1 5 10 15 ttc cct gct ccg cta aag gaa gtg gaa aca gct gct tcg cag att gag 336 Phe Pro Ala Pro Leu Lys Glu Val Glu Thr Ala Ala Ser Gln Ile Glu 20 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Glu Arg Leu Pro Met Gln Gln 355 360 365 caa tct ctt cca atc aag gat gaa att atg att gcc aac tta gat ttc 1392 Gln Ser Leu Pro Ile Lys Asp Glu Ile Met Ile Ala Asn Leu Asp Phe 370 375 380 act cgg aag agg aag cca gcg gat gag ctg act ttc ttg atg gat cag 1440 Thr Arg Lys Arg Lys Pro Ala Asp Glu Leu Thr Phe Leu Met Asp Gln 385 390 395 aag ata tat act tgt gag tgt ctt caa tgt ccg cac agc gag ctc cgc 1488 Lys Ile Tyr Thr Cys Glu Cys Leu Gln Cys Pro His Ser Glu Leu Arg 400 405 410 415 aat ggt ttt cag gac aga tcc tcc aga gac aat cat caa tta act tgt 1536 Asn Gly Phe Gln Asp Arg Ser Ser Arg Asp Asn His Gln Leu Thr Cys 420 425 430 cct ttc aga aac tct ccg caa ttt gga gtt tca aat ttt cat gtt gat 1584 Pro Phe Arg Asn Ser Pro Gln Phe Gly Val Ser Asn Phe His Val Asp 435 440 445 gaa gtc aag ccg gtt gtc ttt cct caa caa tat gtc cag cca aag cca 1632 Glu Val Lys Pro Val Val Phe Pro Gln Gln Tyr Val Gln Pro Lys Pro 450 455 460 gct tct ctg ccg att aac caa gct ccg cct tcc ttt gat ctg tca gga 1680 Ala Ser Leu Pro 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tcc 2016 Asn Asp Asn Phe His Phe Met Phe Gly Ser Pro Phe Asn Leu Gln Ser 580 585 590 act gat tac act gaa gct ctt tct ggg att aca cag gat aac atg ccg 2064 Thr Asp Tyr Thr Glu Ala Leu Ser Gly Ile Thr Gln Asp Asn Met Pro 595 600 605 aag caa gat gtt ccg gtt tgg tat tag caaaggatgt gtgctcaaat 2111 Lys Gln Asp Val Pro Val Trp Tyr 610 615 gtatatcaag taccacgact ttgtgcacat ggatatcact tgtttccaag agggaagatc 2171 tacacattat cgagtggatt tgaatcgcct acagttctct cggtttggtg tttctgttac 2231 tacgtagttg tagaggttgg aggattctgc atggtgtaat gaaaaaggtg taagagacgt 2291 cctcggatat tcgccatgct ggttagaaag aacttataga tgtttttaaa taaggtagtc 2351 gtcgttttgt ttttacataa ttctgtatag gttagcttta tttgagattt caatctgttt 2411 aagtttctta aataactgta cttcgtcgat gattcgtgga attgtgaact cttttgtgcc 2471 aaaaaaaa 2479 <210> 2 <211> 615 <212> PRT <213> Nicotiana tabacum cv Samsun NN <400> 2 Met Met Met Phe Glu Glu Met Gly Phe Cys Gly Asp Leu Asp Phe Phe 1 5 10 15 Pro Ala Pro Leu Lys Glu Val Glu Thr Ala Ala Ser Gln Ile Glu Gln 20 25 30 Glu Ser Glu Pro Val Met Asp Asp Asp Tyr Ser Asp Glu Glu Ile Asp 35 40 45 Val Asp Glu Leu Glu Arg Arg Met Trp Arg Asp Lys Met Lys Leu Lys 50 55 60 Arg Leu Lys Glu Met Thr Lys Gly Gly Lys Glu Gly Val Asp Ala Val 65 70 75 80 Lys Gln Arg Gln Ser Gln Glu Gln Ala Arg Arg Lys Lys Met Ser Arg 85 90 95 Ala Gln Asp Gly Ile Leu Lys Tyr Met Leu Lys Met Met Glu Val Cys 100 105 110 Lys Ala Gln Gly Phe Val Tyr Gly Ile Ile Pro Glu Lys Gly Lys Pro 115 120 125 Val Thr Gly Ala Ser Asp Asn Leu Arg Glu Trp Trp Lys Asp Lys Val 130 135 140 Arg Phe Asp Arg Asn Gly Pro Ala Ala Ile Ala Lys Tyr Gln Ala Asp 145 150 155 160 Asn Ala Ile Pro Gly Lys Asn Glu Gly Ser Asn Pro Ile Gly Pro Thr 165 170 175 Pro His Thr Leu Gln Glu Leu Gln Asp Thr Thr Leu Gly Ser Leu Leu 180 185 190 Ser Ala Leu Met Gln His Cys Asp Pro Pro Gln Arg Arg Phe Pro Leu 195 200 205 Glu Lys Gly Val Pro Pro Pro Trp Trp Pro Thr Gly Gln Glu Asp Trp 210 215 220 Trp Pro Gln Leu Gly Leu Ser Lys Asp Gln Gly Pro Pro Pro Tyr Lys 225 230 235 240 Lys Pro His Asp Leu Lys Lys Ala Trp Lys Val Gly Val Leu Thr Ala 245 250 255 Val Ile Lys His Met Ser Pro Asp Ile Ala Lys Ile Arg Lys Leu Val 260 265 270 Arg Gln Ser Lys Cys Leu Gln Asp Lys Met Thr Ala Lys Glu Ser Ala 275 280 285 Thr Trp Leu Ala Ile Ile Asn Gln Glu Glu Val Leu Ala Arg Glu Leu 290 295 300 Tyr Pro Asp Arg Cys Pro Pro Leu Ser Ser Ala Gly Gly Ser Gly Thr 305 310 315 320 Phe Thr Met Asn Tyr Ser Ser Glu Tyr Asp Val Asp Gly Val Val Asp 325 330 335 Glu Pro Asn Phe Asp Val Gln Glu Gln Lys Pro Asn His Leu Gly Leu 340 345 350 Leu Met Tyr Val Asp Arg Phe Lys Glu Arg Leu Pro Met Gln Gln Gln 355 360 365 Ser Leu Pro Ile Lys Asp Glu Ile Met Ile Ala Asn Leu Asp Phe Thr 370 375 380 Arg Lys Arg Lys Pro Ala Asp Glu Leu Thr Phe Leu Met Asp Gln Lys 385 390 395 400 Ile Tyr Thr Cys Glu Cys Leu Gln Cys Pro His Ser Glu Leu Arg Asn 405 410 415 Gly Phe Gln Asp Arg Ser Ser Arg Asp Asn His Gln Leu Thr Cys Pro 420 425 430 Phe Arg Asn Ser Pro Gln Phe Gly Val Ser Asn Phe His Val Asp Glu 435 440 445 Val Lys Pro Val Val Phe Pro Gln Gln Tyr Val Gln Pro Lys Pro Ala 450 455 460 Ser Leu Pro Ile Asn Gln Ala Pro Pro Ser Phe Asp Leu Ser Gly Ile 465 470 475 480 Gly Val Pro Glu Asp Gly Gln Arg Met Ile Asn Glu Leu Met Ser Phe 485 490 495 Tyr Asp Asn Asn Ile Gln Gly Asn Lys Ser Ser Met Ala Ala Asn Val 500 505 510 Val Met Ser Lys Glu Gln Pro Arg Gln Gln Pro Ser Ile Gln Gln Asn 515 520 525 Asn Tyr Leu His Asn Gln Gly Ile Ile Leu Asp Gly Asn Ile Phe Gly 530 535 540 Asp Thr Asn Ile Ser Ala Asn His Ser Met Phe Pro Gln Gly Asp Arg 545 550 555 560 Phe Asp Gln Ser Lys Val Leu Thr Ser Pro Phe Asn Ala Gly Ser Asn 565 570 575 Asp Asn Phe His Phe Met Phe Gly Ser Pro Phe Asn Leu Gln Ser Thr 580 585 590 Asp Tyr Thr Glu Ala Leu Ser Gly Ile Thr Gln Asp Asn Met Pro Lys 595 600 605 Gln Asp Val Pro Val Trp Tyr 610 615

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 シロイヌナズナにおけるエチレン応答経路を模式的に示す図である。

    【図2】 TEILのヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列を示す図である。 推定されるアミノ酸配列を、TE
    IL cDNAのヌクレオチド配列の下に示す。 三は、酵母ワンハイブリッドスクリーニングにより単離された元のクローンの5'末端の位置を示す。 予測されるα-螺旋構造に下線を付す。

    【図3】 TEIL、EIN3、およびEIL1ポリペプチドの間のアミノ酸配列の比較を示す図である。 黒のボックスで囲った白字部分は、TEIL、EIN3、およびEIL1の全てにおいてアミノ酸が同一であることを示す。

    【図4】 TEILのDNA結合領域の解析を示す図および写真である。 図4Aは、TEILタンパク質の欠失変異体を模式的に示す。 一連のN末端欠失変異タンパク質(ΔN1〜
    ΔN4)、またはC末端欠失変異タンパク質(ΔC1〜ΔC
    3)および完全長のTEIL(WT)をTrx(チオレドキシン)
    との融合体として作製した。 図4Bは、TEIL欠失変異体を用いた電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)の結果を示す。 約50ngのTrxとTEIL欠失変異体との融合タンパク質を、 32 P標識したobs1プローブとともにインキュベートした。

    【図5】 TEILタンパク質の結合配列の至適化を示す図である。 TEILのコンセンサス結合配列を、random bindi
    ng site selection法により決定した。 Trx-TEILタンパク質を、ランダムな18マーの配列を含む二本鎖オリゴヌクレオチドとともにインキュベートした。 DNA/タンパク質複合体をアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、
    そして回収したDNAを、次の回の選択のためにPCRにより増幅した。 4回の選択後、増幅したDNAをプラスミド中にクローン化し、そして配列決定した。 図5Aは配列決定され、至適化された結合配列を与えるようにアラインされた87個のTEIL結合部位を示す。 ランダムに選択した
    39個の配列のTEIL結合親和性を、はじめの39個の配列の右側に相対値で示した。 最も高い値を100として示し、
    親和性の強度の順に並べた。 図5Bは、TEILのコンセンサス配列の推定の結果を示す。

    【図6】 至適化されたTEIL結合配列の変異解析を示す図および写真である。 図6Aは、最も高い結合親和性を有するobs1の配列、ならびにその変異配列であるobs2およびobsm1〜5の配列を示す。 太字は、TEILのコンセンサス配列を示す。 下線は、変異されたヌクレオチドを示す。 小文字は隣接領域を示す。 図6Bは、変異オリゴヌクレオチドプローブを用いる電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)の結果を示す。 図6Aにおいて示される配列を有するオリゴヌクレオチドを、 32 Pで標識し、そして組換えTrx-TEILタンパク質とともにインキュベートした。 ps1は、タバコPR1aのプロモーターにおける結合配列である。

    【図7】 エチレン処理したタバコの葉における増加したtebs結合活性を示す、電気泳動写真である。 エチレン処理したタバコの葉(レーン2〜8)または、未処理のタバコの葉(レーン1)から調製した核抽出物(3μ
    g)を、 32 P標識した4コピーのobs1配列を含むDNAプローブとともに混合した。 続いて、25倍モル過剰および12
    5倍モル過剰の、obs1の二本鎖オリゴヌクレオチド(レーン3および4)、obsm2の二本鎖オリゴヌクレオチド(レーン5および6)、およびobsm3の二本鎖オリゴヌクレオチド(レーン7および8)を、TEIL-プローブDNA
    結合反応に対する拮抗DNAとして添加した。

    【図8】 TEIL遺伝子の転写産物の組織特異的蓄積および傷誘導性蓄積を示すノザンブロット解析の結果を示す、電気泳動写真である。 図8Aは、上欄に示す組織または細胞から単離したRNAについての結果を示す。 図8
    Bは、小片に切断して、示した期間、水とともにインキュベートした成熟葉から単離したRNAについての結果を示す。 全RNA(20μg)をロードし、TEILのC末端領域に相当するcDNA断片(pGAD-TEILクローンをDraIおよびBam
    HIで切断して得られる断片)をプローブとして転写産物を検出した。 各レーンのRNAが等量ずつゲルにロードされていることを、エチジウムブロミド(EtBr)により確認した。

    【図9】 tebs-レポーター遺伝子のタバコプロトプラストにおける活性化およびTEIL過剰発現によるトランス活性化を示すグラフである。 一過性発現アッセイを、タバコ葉肉細胞プロトプラストを用いて行った。 レポータープラスミドは、CaMV 35S RNA minimalプロモーターと
    GUS遺伝子との融合遺伝子からなり、4コピーのobs1(o
    bs1-GUS)または4コピーのobsm2(obsm2-GUS)を含んだ。 エフェクタープラスミド(35S-TEIL)は、CaMV35S
    プロモーターの制御下にTEILcDNAを含んだ。 コントロールエフェクター(35S-NPTII)は、TEIL cDNAの代わりに
    NPTIIコード配列を含んだ。 5μgずつのレポータープラスミドとコントロールエフェクタープラスミド(35S-NP
    TII)とを(白いカラム)、またはレポータープラスミドとエフェクタープラスミド(35S-TEIL)(黒いカラム)
    とを、エレクトロポレーションによりトランスフェクトした。 48時間培養した後、GUS活性を測定した。 グラフは、それぞれ、6回測定した平均値およびその標準偏差を示す。

    【図10】 TEILを過剰生産する3個体の形質転換タバコ植物(35S-TEIL-2、35S-TEIL-10および35S-TEIL-14系統)において、TEIL遺伝子(teil)の発現および塩基性
    PR遺伝子(PR-5およびPR-2)の発現が活性化されていることを示す、ノザンブロット解析の結果を示す電気泳動写真である。 コントロールとして用いた、非形質転換タバコの無傷の葉(SNN)および傷をつけた1日後の葉(S
    NN-wound)についての結果も併せて示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 祐子 茨城県つくば市観音台2丁目1−2 農林 水産省 農業生物資源研究所内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD04 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 CD21 4B024 AA08 AA20 BA80 CA04 CA09 CA12 CA20 DA01 DA05 DA06 EA04 FA20 GA11 GA14 GA17 GA21 HA13 HA14 4B064 AG01 CA11 CA19 CC01 CC24 DA11 4B065 AA11X AA26X AA88X AA88Y AB01 AC14 AC16 BA01 BA03 BA10 BA30 BB01 BC01 BC31 BD50 CA24 CA53 4H045 AA10 CA30 EA50 EA60 FA74 GA25

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