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ゴム組成物

阅读:514发布:2020-05-11

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少なくとも、 − ジエンエラストマーと、 − 60 phrと120 phrとの間の補強充填剤と、 − 10 phr より多く、かつ80 phr 未満の植物油を含んでなる、40 phrと100 phrとの間の可塑剤と、 − 2 phrと40 phrとの間の硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される溶性硫酸塩の微小粒子とを含んでなるゴム組成物。前記植物油が、アマニ油、ベニバナ油、ダイズ油、コーン油、綿実油、ターニップシード油、ヒマシ油、キリ油、パイン油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ココナッツ油、落花生油、グレープシード油およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1 に記載のゴム組成物。前記微小粒子が、両方ともISO規格13320−1に従ってレーザー回折法によって測定され、かつ以下の関係: − 50 μm < D50 < 150 μm ; − 0.50 < スパン< 1.50; ( 式中、D50は、体積粒径分布から得られる累積分布の50%に対応する体積による中央粒径であり; スパン=(D90−D10)/D50であり; かつ D10およびD90は、それぞれ、累積粒子分布の10体積%および90体積%に対応する粒径である)を満たす、体積による中央粒径および体積粒径分布の幅を有する、請求項1または請求項2に記載のゴム組成物。前記アルカリ金属または前記アルカリ土類金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。前記水溶性硫酸塩が、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。前記ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。前記補強充填剤が、70 phrより多い補強無機充填剤を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物。前記可塑剤が、炭化水素樹脂、前記植物油以外の液体可塑剤およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。前記植物油以外の前記液体可塑剤の含有量が20 phr未満である、請求項8 に記載のゴム組成物。請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる、空気タイヤ用トレッド。

说明书全文

本発明は、特に、湿潤時のグリップを少なくとも維持するか、またはさらには改善しながら、(スタッドレスタイヤとしても知られる)スタッドが提供されていない、氷または黒氷で覆われた地表面上を回転することができる「冬用タイヤ」用のトレッドとして使用することができるゴム組成物に関する。

より特に、典型的に、−5℃と0℃との間の温度範囲内で生じる「融氷」条件下での回転に特に適切である冬用タイヤ用のトレッドに関する。

そのような範囲内では、車両の通過の間のタイヤの圧によって、融氷上においてこれらのタイヤのグリップに有害である薄膜によって覆われる、氷の表面融解がもたらされることは特に留意すべきである。

本出願人によって出願された、国際公開第2010/0009850号パンフレットおよび国際公開第2012/052331号パンフレットは、補強の特性および履歴現象に対して不都合となることなく、融氷条件下におけるそれらを含んでなるトレッドおよびタイヤの氷上でのグリップを改善させることが可能である、特定の微小粒子によって有効な表面微少粗さを生じることが可能な特定のゴム組成物を記載している。

トレッドの表面において突出するこれらの微小粒子は、地表面自体の表面上の研磨作用の不都合がなく、かつ乾燥地表面における有意に悪化した路面挙動がない状態で、周知のかぎつめ作用(claw function)を発揮する。その後、ゴムマトリックスからの漸進的な放散後、それらは、貯蔵体積として、および氷の表面において水の膜を排出するためのチャネルとしての役割を果たす極小空洞を解放し;これらの条件下で、トレッドの表面と氷との間の接触は、もはや平滑ではなく、したがって、摩擦係数が改善される。

本質的タイヤ性能の1つである湿潤時のグリップを悪化させることなく、氷上、特に融氷上でのグリップをさらに改善することは、タイヤ製造業者の絶え間ない目標である。

研究の継続において、本発明者らは、湿潤路面上のグリップである湿潤グリップを少なくとも維持するか、またはさらには改善しながら、融氷条件下におけるそれらを含んでなるトレッドおよびタイヤの氷上でのグリップを改善することを可能にする、可塑剤と水溶性硫酸塩粒子との特定の組合せを含んでなる新規ゴム組成物を見出した。

したがって、本発明の第1の主題は、少なくとも、ジエンエラストマーと、50phrと150phrとの間の補強充填剤と、10phrより多く、かつ80phr未満の植物油を含んでなる、20phrと160phrとの間の可塑剤と、2phrと40phrとの間の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微小粒子とを含んでなるゴム組成物である。

さらに、本発明の態様は、次の通りであることが可能である。

[1]少なくとも、 − ジエンエラストマーと、 − 50phrと150phrとの間の補強充填剤と、 − 10phrより多く、かつ80phr未満の植物油を含んでなる、20phrと160phrとの間の可塑剤と、 − 2phrと40phrとの間の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微小粒子と を含んでなるゴム組成物。

[2]上記植物油の含有量が、10phrより多く、かつ70phr未満である、[1]に記載のゴム組成物。

[3]上記植物油が、アマニ油、ベニバナ油、ダイズ油、コーン油、綿実油、ターニップシード油、ヒマシ油、キリ油、パイン油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ココナッツ油、落花生油、グレープシード油およびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]または[2]に記載のゴム組成物。

[4]上記植物油がヒマワリ油である、[3]に記載のゴム組成物。

[5]上記植物油が誘導される脂肪酸が、60%以上の重量分率でオレイン酸を含んでなる、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[6]上記微小粒子が、両方ともISO規格13320−1に従ってレーザー回折法によって測定され、かつ以下の関係: − 50μm

− 0.50<スパン<1.50; (式中、 − D50は、体積粒径分布から得られる累積分布の50%に対応する体積による中央粒径であり; − スパン=(D90−D10)/D50であり;かつ − D10およびD90は、それぞれ、累積粒子分布の10体積%および90体積%に対応する粒径である) を満たす、体積による中央粒径および体積粒径分布の幅を有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[7]上記微小粒子の含有量が、2phrと30phrとの間である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[8]上記アルカリ金属または上記アルカリ土類金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[9]上記水溶性硫酸塩が、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[10]上記水溶性硫酸塩が硫酸マグネシウムである、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[11]上記ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[10]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[12]50phrより多くの天然ゴムまたは合成ポリイソプレンを含んでなる、[11]に記載のゴム組成物。

[13]90%より高いcis−1,4結合の含有量を有するポリブタジエンを50phrより多く含んでなる、[11]に記載のゴム組成物。

[14]上記補強充填剤が、60phrより多いカーボンブラックを含んでなる、[1]〜[13]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[15]上記補強充填剤が、70phrより多い補強無機充填剤を含んでなる、[1]〜[14]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[16]全補強充填剤の含有量が、60phrと120phrとの間である、[1]〜[15]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[17]上記可塑剤の含有量が、30phrと120phrとの間である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[18]上記可塑剤が、炭化水素樹脂、上記植物油以外の液体可塑剤およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物をさらに含んでなる、[1]〜[17]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[19]上記炭化水素樹脂が20℃より高いTgを示す、[18]に記載のゴム組成物。

[20]上記炭化水素樹脂が、シクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、アルファ−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選択される、[18]または[19]に記載のゴム組成物。

[21]上記炭化水素樹脂の含有量が、3phrと60phrとの間である、[18]〜[20]のいずれか一項に記載のゴム組成物。

[22]上記植物油以外の上記液体可塑剤が、ポリオレフィン油、ナフテン油、パラフィン油、Distillate Aromatic Extracts(DAE)油、Medium Extracted Solvates(MES)油、Treated Distillate Aromatic Extracts(TDAE)油、Residual Aromatic Extracts(RAE)油、Treated Residual Aromatic Extracts(TRAE)油、Safety Residual Aromatic Extracts(SRAE)油、鉱物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、スルホネート可塑剤およびこれらの混合物からなる群から選択される、[18]に記載のゴム組成物。

[23]上記液体可塑剤の含有量が20phr未満である、[22]に記載のゴム組成物。

[24]空気タイヤ用トレッドの製造のための、[1]〜[23]のいずれか一項に記載の組成物の使用。

[25][1]〜[23]のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる、空気タイヤ用トレッド。

[26][25]に記載のトレッドを含んでなる、空気タイヤ。

別の本発明の主題は、新規タイヤ用または摩耗タイヤの再生用に意図されたタイヤ用トレッドの製造における、そのようなゴム組成物の使用である。

別の本発明の主題は、本発明によるゴム組成物を含んでなる、これらのトレッドおよびこれらのタイヤ自体である。

本発明のタイヤは、特に、4×4(四輪駆動)車両およびSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)車両を含む乗用車両、二輪車(特にオートバイ)、ならびにまた特にバンおよび重荷重車両から選択される産業用車両(すなわち、地下鉄、バスまたは重道路輸送車両(トラック、トラクター、トレーラー)、あるいは農業用車両または土工機械などのオフロード車両に装備させるように意図される。

本発明およびその利点は、以下の説明および実施例を考慮に入れて、容易に理解されるであろう。

本明細書中、他に特に示されない限り、示された全てのパーセント(%)は、重量%である。さらに、「aとbとの間」という表明によって示される値のいずれの間隔も、aより高くからb未満まで延在する値の範囲を表し(すなわち、限界aおよびbは排除される)、それに対して、「a〜b」という表現によって示される値のいずれの間隔も、aからbまで延在する値の範囲を意味する(すなわち、厳密な限界aおよびbは含まれる)。

本発明のゴム組成物は、少なくとも、ジエンエラストマー、補強充填剤、植物油を含んでなる可塑剤、およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属成分の水溶性硫酸塩の微小粒子をベースとし、これらは以下に詳細に記載される。

「ベースとする」という表現は、本出願において、成分のいくつかが、組成物の様々な製造段階の間に、特に加硫(硬化)の間に、少なくとも部分的に、一緒に反応することが可能であるか、または一緒に反応することが意図される、使用される様々な成分の混合物および/または反応生成物を含んでなる組成物を意味するものとして理解されるべきである。

ジエンエラストマー 「ジエン」エラストマー(または「ゴム」、この2つの用語は同義語であると考えられる)は、既知の様式で、少なくとも一部において、ジエンモノマー(共役型であり得るか、または共役型であり得ない2個の炭素−炭素二重結合を有するモノマー)から得られるエラストマー(1種またはそれ以上が理解される)(すなわち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものとして理解されるべきである。

これらのジエンエラストマーは、既知の様式で、2つのカテゴリー:「本質的に不飽和」および「本質的に飽和」に分類することができる。例えば、EPDM型のジエンとα−オレフィンとのコポリマーなどのブチルゴムは、低いまたは非常に低い、常に15%(モル%)未満であるジエン由来の単位含有量を有する本質的に飽和のジエンエラストマーのカテゴリーに属する。対照的に、本質的に不飽和のジエンエラストマーは、15%(モル%)よりも多いジエン由来(共役ジエン)の単位含有量を有する共役ジエンモノマーから少なくとも一部において得られるジエンエラストマーを意味するものとして理解される。「本質的に不飽和」のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、「高不飽和」ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン由来(共役ジエン)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものとして理解される。

少なくとも1種の高不飽和型のジエンエラストマー、特にポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選択されるジエンエラストマーを使用することが好ましい。そのようなコポリマーは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)およびこれらコポリマーの混合物からなる群から選択されることがさらに好ましい。

好適なエラストマーは、ポリブタジエン、特に、4%と80%との間の1,2−単位含有量を有するもの、または80%よりも多いcis−1,4−単位含有量を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5重量%と50重量%との間、より特に20重量%と40重量%との間のスチレン含有量、4%と65%との間のブタジエン成分の1,2−結合含有量および20%と80%との間のtrans−1,4−結合含有量を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5重量%と90重量%との間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移点温度(「Tg」、ASTM D 3418(1999)に従って測定)を有するもの、あるいはイソプレン/スチレンコポリマー、特に5重量%と50重量%との間のスチレン含有量および−25℃と−50℃との間のTgを有するものである。

ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合は、5重量%と50重量%との間、より特に10重量%と40重量%との間のスチレン含有量、15重量%と60重量%との間、より特に20重量%と50重量%との間のイソプレン含有量、5重量%と50重量%との間、より特に20重量%と40重量%との間のブタジエン含有量、4%と85%との間のブタジエン成分の1,2−単位含有量、6%と80%との間のブタジエン成分のtrans−1,4−単位含有量、5%と70%との間のイソプレン成分の1,2−および3,4−単位含有量、ならびに10%と50%との間のイソプレン成分のtrans−1,4−単位含有量を有するもの、より一般的には、−20℃と−70℃との間のTgを有するいずれかのブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適切である。

本発明の特に好ましい実施形態によれば、ジエンエラストマーは、天然ゴム、合成ポリイソプレン、90%より高いcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン、ブタジエン/スチレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。

より特に、かつ好ましい実施形態によれば、使用されたジエンエラストマーは、主に、すなわち、50phrより多くが天然ゴム(NR)または合成ポリイソプレン(IR)である(「phr」が、エラストマー100部あたりの重量部を意味することに留意すべきである)。より好ましくは、上記天然ゴムまたは合成ポリイソプレンは、次いで、好ましくは90%より高いcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン(BR)とのブレンドとして使用される。

別の特に、かつ好ましい実施形態によれば、使用されたジエンエラストマーは、主に、すなわち、50phrより多くが、90%より高いcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン(BR)である。より好ましくは、上記ポリブタジエンは、次いで、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンとのブレンドとして使用される。

別の特に、かつ好ましい実施形態によれば、使用されたジエンエラストマーは、NR(またはIR)およびBRの2成分ブレンド(混合物)、あるいはNR(またはIR)、BRおよびSBRの3成分ブレンドである。好ましくは、そのようなブレンドの場合、組成物は、25phrと75phrとの間のNR(またはIR)および75phrと25phrとの間のBRを含んでなり、30phr未満、特に20phr未満の第3のエラストマー(3成分ブレンド)が関連していても、または関連していなくてもよい。この第3のエラストマーは、好ましくは、SBRエラストマー、特に溶液SBR(「SSBR」)である。なおより好ましくは、そのようなブレンドの場合、組成物は、35〜65phrのNR(またはIR)および65〜35phrのBRを含んでなる。使用されたBRは、好ましくは、90%より高い、より好ましくは95%より高いcis−1,4結合含有量を有するBRである。

ジエンエラストマー以外の合成エラストマー、実際に、エラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーは、少量で、本発明の組成物のジエンエラストマーと組み合わせられてもよい。

補強充填剤 タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について既知のいずれかの種類の補強充填剤、例えば、カーボンブラックなどの有機充填剤、シリカなどの補強無機充填剤が、既知の様式でカップリング剤と組み合わせて使用されてもよい。

そのような補強充填剤は、典型的にナノ粒子からなり、その平均径(重量による)は、500nm未満、一般に20nmと200nmとの間、特に好ましくは20nmと150nmとの間である。

タイヤ用トレッドにおいて通常使用される全てのカーボンブラック、特に、HAF、ISAFまたはSAF型のブラック(「タイヤグレード」ブラック)が、カーボンブラックとして適切である。特に、後者の中で、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラックなどの100、200または300シリーズ(ASTMグレード)の補強カーボンブラックが挙げられてよい。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態で、イソプレンエラストマー中にすでに組み込まれていてもよい(例えば、国際公開第97/36724号パンフレットまたは国際公開第99/16600号パンフレットを参照のこと)。

カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、国際公開第2006/069792号パンフレット、国際公開第2006/069793号パンフレット、国際公開第2008/003434号パンフレットおよび国際公開第2008/003435号パンフレットに記載されているような官能化ポリビニル有機充填剤を挙げてもよい。

「補強無機充填剤」という用語は、本明細書において、その色およびその由来(天然または合成)にかかわらず、カーボンブラックに対比して「白色充填剤」または「透明充填剤」としても知られるいずれかの無機または鉱物充填剤を意味するものとして理解されるべきである。これは、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造が意図されたゴム組成物を補強することが可能であり、言い換えると、通常のタイヤグレードカーボンブラックとその補強役割において置換わり可能である。そのような充填剤は、一般に、既知の様式で、その表面でのヒドロキシル(−OH)基の存在によって特徴づけられる。

シリカ質型の鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質型の鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)は、補強無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知のいずれかの補強シリカ、特に、450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/g、特に60m2/gと300m2/gとの間にあるBET表面積とCTAB比表面積を示すいずれかの沈降または焼成シリカであることが可能である。高分散性(「HD沈降シリカ」)としては、例えば、EvonikからのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ;RhodiaからのZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ;PPGからのHi−Sil EZ150Gシリカ;HuberからのZeopol 8715、8745または8755シリカが挙げられてよい。補強アルミナ類の例としては、Baikowskiからの「Baikalox A125」または「Baikalox CR125」アルミナ、Condeaからの「APA−100RDX」アルミナ、Degussaからの「Aluminoxid C」アルミナまたはSumitomo Chemicalsからの「AKP−G015」アルミナが挙げられてよい。

好ましくは、全補強充填剤(カーボンブラックおよび/または補強無機充填剤)の含有量は、60phrと120phrとの間、特に70phrと100phrとの間である。

特定の実施形態によると、補強充填剤は、主にカーボンブラックを含んでなり;そのような場合、カーボンブラックは、少量のシリカなどの補強無機充填剤との組合せで、または組み合わせずに、好ましくは60phrより高い含有量で存在する。

別の特定の実施形態によると、補強充填剤は、主に無機充填剤、特にシリカを含んでなり;そのような場合、無機充填剤、特にシリカは、少量のカーボンブラックとの組合せで、または組み合わせずに、好ましくは70phrより高い含有量で存在し;カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは、20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.1phrと10phrとの間)で使用される。

本発明の第1の態様、すなわち、融氷上の最適化グリップの探求から独立して、シリカなどの補強無機充填剤の主な使用は、湿潤またはに覆われた地表面におけるグリップの観点からも有利である。

本発明の別の可能な実施形態によると、補強充填剤は、カーボンブラックと、少量のシリカなどの補強無機充填剤とのブレンドを含んでなり、そのような場合、無機充填剤、特にシリカの含有量およびカーボンブラックの含有量は、好ましくは、それぞれ、25phrと75phrとの間、より特に、それぞれ、30phrと50phrとの間である。

補強無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、周知の様式で、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマーとの間に化学的および/または物理的性質の満足できる結合を付与することが意図される少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)を使用する。特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサンを使用する。

特に、例えば、国際公開第03/002648号パンフレット(または米国特許出願公開第2005/016651号明細書)および国際公開第03/002649号パンフレット(または米国特許出願公開第2005/016650号明細書)に記載されているような、その特定の構造次第で、「対称形」または「非対称形」と称されるシランポリスルフィドを使用する。下記の一般式(I)に相応する「対称形」シランポリスルフィド: (I)Z−A−Sx−A−Z [式(I)中、 xは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり; Aは、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、より特にC1〜C10、特にC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり; Zは、下記の化学式:

(式中、 R1基は、置換されていないかまたは置換されており、かつ互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、より特にメチルおよび/またはエチル)を示し; R2基は、置換されていないかまたは置換されており、かつ互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1〜C8アルコキシルおよびC5〜C8シクロアルコキシル基から選択された基、より好ましくはC1〜C4アルコキシル基、特にメトキシルおよびエトキシルから選択された基)を示す)の1つに相応する]は、以下の定義に限定されることなく、特に適している。さらに詳細には、シランポリスルフィドの例としては、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドなどのビス((C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)が挙げられる。特に、これらの化合物の中でも、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のTESPTと略称されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2HSO)3Si(CH2)3S]2のTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、国際出願第02/083782号パンフレット(または米国特許出願公開第7217751号明細書)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特に、ジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。

アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤としては、特に、国際公開第02/30939号パンフレット(または米国特許第6774255号明細書)および国際公開第02/31041号パンフレット(または米国特許出願公開第2004/051210号明細書)に記載されているような、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)またはヒドロキシシランポリスルフィド(上記式(I)において、R2=OH)、あるいは例えば、国際公開第2006/125532号パンフレット、国際公開第2006/125533号パンフレットおよび国際公開第2006/125534号パンフレットに記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOSが挙げられる。

本発明のゴム組成物においては、カップリング剤の含有量は、好ましくは2phrと12phrとの間、より好ましくは3phrと8phrとの間である。

当業者であれば、他の性質、特に有機性を有する補強充填剤を、この補強充填剤がシリカなどの無機層によって被覆されているか、またはその表面に、官能部位、特にヒドロキシルを含み、充填剤とエラストマーとの間の結合を形成させるためのカップリング剤の使用を必要とすることを条件として、この項で説明する補強無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解するであろう。

可塑剤 本発明のゴム組成物は、10phrより多く、かつ80phr未満の植物油を含んでなる、20phrと160phrとの間の可塑剤を含んでなるという他の本質的特徴を有する。植物油は、定義上、20℃において液体である。

植物油を含んでなる本質的な可塑剤の含有量は、好ましくは、30phrと120phrとの間、より好ましくは、40phrと100phrとの間、なおより好ましくは、50phrと80phrとの間、特に55〜70phrである。本質的な可塑剤が、他の本質的な可塑剤との混合物中で使用される場合、含有量は、2種以上の可塑剤の全含有量を意味するものとして理解されるべきである。

示された最小未満の植物油の含有量に関して、目標の技術的硬化は不十分である。示された最大では、植物油の費用および加工性の悪化のリスクの課題がある。これらの理由のため、植物油の含有量は、好ましくは、10phrと70phrとの間、より好ましくは15phrと60phrとの間、なおより好ましくは20〜55phrである。

植物油の例としては、アマニ油、ベニバナ油、ダイズ油、コーン油、綿実油、ターニップシード油、ヒマシ油、キリ油、パイン油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ココナッツ油、落花生油、グレープシード油およびこれらの油の混合物からなる群から選択される油が挙げられてよい。ヒマワリ油が好ましい。

植物油は、主に不飽和C18脂肪酸、すなわち、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらの酸の混合物からなる群から選択される不飽和脂肪酸から構成されてよい。

植物油は、好ましくは、オレイン酸が豊富であり、すなわち、それから植物油が誘導される脂肪酸(または数種が存在する場合、全ての脂肪酸)が、少なくとも60%に等しい、より好ましくは少なくとも70%に等しい、なおより好ましくは少なくとも80%に等しい、そして特に少なくとも90%に等しい重量分率でオレイン酸を含んでなる。

植物油としては、それから植物油が誘導される脂肪酸の全てが、60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上の重量分率で、そして本発明の1つの特に有利な実施形態によると、90%以上の重量分率でオレイン酸を含んでなるヒマワリ油が都合よく使用される。

植物油のTgは、定義上、−20℃未満、好ましくは−40℃未満であってよい。

好ましくは、可塑剤は、植物油以外の液体可塑剤、炭化水素樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物をさらに含んでなる。

植物油以外の液体可塑剤は、定義上、20℃において液体であり、それらの役割は、エラストマーおよび補強充填剤を希釈することによってマトリックスを軟化することである。それらのTgは、定義上、−20℃未満、好ましくは−40℃未満である。

芳香族または非芳香族の性質にかかわらず、いずれかの伸展油、ジエンエラストマーに対する可塑化特性について知られている、いずれかの液体可塑剤を使用することができる。周囲温度(20℃)においては、これらの可塑剤またはこれらの油は、多かれ少なかれ粘性であり、特に周囲温度において本来固体である炭化水素系樹脂の可塑化とは対照的に、液体(すなわち、最終的にはその容器の形状となる能力を有する物質)である。

ポリオレフィン油、ナフテン油(低または高粘度、特に水素化型またはその他)、パラフィン油、DAE(Distillate Aromatic Extracts)油、MES(Medium Extracted Solvates)油、TDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)油、RAE(Residual Aromatic Extracts)油、TRAE(Treated Residual Aromatic Extracts)油、SRAE(Safety Residual Aromatic Extracts)油、鉱物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、スルホネート可塑剤およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される植物油以外の液体可塑剤が特に適切である。

ホスフェート可塑剤としては、例えば、12個と30個との間の炭素原子を含有するもの、例えば、トリオクチルホスフェートを挙げてもよい。

エステル可塑剤としては、特に、トリメリテート、ピロメリテート、フタレート、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、アジペート、アゼレート、セバケートおよびこれらの混合物からなる群から選択される化合物を挙げてもよい。

植物油以外の液体可塑剤の含有量は、好ましくは、0phrまたは20phr未満、より好ましくは15phr未満、なおより好ましくは10phr未満、特に多くても5phrである。

(20℃において)固体可塑剤である炭化水素樹脂は、例えば、国際公開第2005/087859号パンフレット、国際公開第2006/061064号パンフレットおよび国際公開第2007/017060号パンフレットに記載されているような、+20℃よりも高い、好ましくは+30℃よりも高いTgを示す。

炭化水素系樹脂は、当業者にとって周知のポリマーであり、本質的に炭素と水素をベースとし、したがって、それらが追加的に「可塑化」される場合、ジエンエラストマー組成物中で本来混和性である。それらは、例えば、R.Mildenberg、M.ZanderおよびG.Collin(New York,VCH,1997,ISBN 3−527−28617−9)による「Hydrocarbon Resins」と題された著作物に記載されており、その第5章(5.5.「Rubber Tires and Mechanical Goods」)には、特にゴム分野におけるそれらの用途が記載されている。それらは、脂肪族または芳香族、あるいは脂肪族/芳香族型であることも可能であり、すなわち、脂肪族および/または芳香族モノマーをベースとすることが可能である。それらは、天然または合成であることが可能であり、石油ベースであっても、または石油ベースでなくてもよい(その場合、石油樹脂の名称でも知られている)。それらは、好ましくは、排他的に炭化水素であり、すなわち、それらは、炭素および水素原子のみを含んでなる。

好ましくは、「可塑化」される炭化水素樹脂は、以下の特徴: ・20℃よりも高い(より好ましくは40℃と100℃との間の)Tg; ・400g/モルと2000g/モルとの間(より好ましくは500g/モルと1500g/モルとの間)の数平均分子量(Mn); ・3よりも低い、より好ましくは2よりも低い多分散性指数(PI)(注:PI=Mw/Mn;Mwは重量平均分子量を表す) の少なくとも1つ、より好ましくは全てを示す。

Tgは、規格ASTM D3418(1999)に従って、DSC(示差走査熱量測定)による既知の様式で測定する。炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、MnおよびPI)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される:溶媒 テトラヒドロフラン;温度 35℃;濃度 1g/l;流量 1ml/分;注入前に0.45μmの有孔度を有するフィルターを通してろ過した溶液;ポリスチレン標準によるMoore較正;直列3本の「Waters」カラムセット(「Styragel」HR4E、HR1およびHR0.5);示差屈折計(「Waters 2410」)およびその関連操作ソフトウェア(「Waters Empower」)による検出。

特に好ましい実施態様によれば、「可塑化」された炭化水素樹脂は、シクロペンタジエン(CPDと略記する)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略記する)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、アルファ−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましくは、上記のコポリマー樹脂の中でも、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C9留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるコポリマー樹脂を使用する。

「テルペン」は、本明細書中、既知の様式で、α−ピネンモノマー、β−ピネンモノマーおよびリモネンモノマーを組み合わせ;好ましくは、リモネンモノマーを使用する。この化合物は、既知の様式で、3種の可能性のある異性体の形態で存在する:L−リモネン(左旋性鏡像異性体)、D−リモネン(右旋性鏡像異性体)またはジペンテン、右旋性鏡像異性体および左旋性鏡像異性体のラセミ体。スチレン;α−メチルスチレン;オルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン;ビニルトルエン;パラ−(tert−ブチル)スチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ヒドロキシルスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼン;ビニルナフタレン;またはC9留分(もしくは、より一般的にはC8〜C10留分)に由来するいずれかのビニル芳香族モノマーは、例えば、ビニル芳香族モノマーとして適切である。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、スチレンまたはC9留分(もしくは、より一般的にはC8〜C10留分)に由来するビニル芳香族モノマーである。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、考察されるコポリマー中のモル分率として表される微小モノマーである。

炭化水素樹脂の含有量は、好ましくは、3phrと60phrとの間、より好ましくは5phrと50phrとの間、なおより好ましくは10phrと40phrとの間、特に15phrと35phrとの間である。

水溶性硫酸塩微小粒子 本発明のゴム組成物は、2phrと40phrとの間のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微小粒子を含んでなるという他の本質的特徴を有する。

水溶性または水中での溶解度(所与の一温度および一圧力における水中で溶解した物質の最大重量であることは留意すべきである)は、有機または無機化合物の基本的に周知であり、かつ一定の物理学の1つである(特に「Handbooks of Chemistry and Physic」において入手可能)。

水溶性硫酸塩の微小粒子が少なくとも部分的に水中で溶解可能であることは、当業者に理解される。好ましくは、1気圧に等しい圧力下、0℃の水中での微小粒子の溶解度は、1g/100mlより高く、より好ましくは2g/100mlより高く、なおより好ましくは4g/100mlより高い。

好ましい実施形態によれば、アルカリ金属またはアルカリ性金属は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)およびそれらの混合物からなる群から選択される。

より好ましい実施形態によれば、水溶性硫酸塩は、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、水溶性硫酸塩は硫酸マグネシウムである。

好ましい実施形態によれば、微小粒子は、両方ともISO規格13320−1に従ってレーザー粒径法によって測定され、かつ以下の関係: − 50μm

− 0.50<スパン<1.50; を満たす、体積による特定の中央粒径(D50)および体積粒径分布の特定の幅(スパン)を有する。

D50は、体積粒径分布から得られる累積分布の50(体積)%に対応する体積による中央粒径(直径)、すなわち、体積による粒径であり、微小粒径の50%がD50より小さい直径を有し、そして微小粒径の別の50%がD50より大きい直径を有する。D50が、所望の表面荒さと、ゴム組成物と氷との間の適切な接触との間に最適に妥協をもたらすため、75μmと125μmとの間であることが好ましい。

体積粒径分布の幅であるスパンは、既知の様式で測定され、かつ以下の等式によって定義される。 − スパン=(D90−D10)/D50 好ましくは、スパンは、0.75と1.25との間である。 ここで、D10およびD90は、それぞれ、累積粒子分布の10(体積)%および90(体積)%に対応する微小粒子の直径(粒径)である。

別の好ましい実施形態によれば、D10は、30μmより大きく、より好ましくは40μmより大きく、特に50μmより大きい。

上記実施形態と組み合わせられたか、または組み合わせられない別の好ましい実施形態によれば、D90は、180μm未満、より好ましくは160μm未満、特に150μm未満である。

さらに、目標をとする技術的効果(適切な微小粗さの生成)、融氷上のグリップ性能およびコストの間での最適な妥協を得るため、本発明によるゴム組成物中の微小粒子の含有量は、好ましくは2phrと30phrとの間、より好ましくは5phrと20phrとの間である。

体積による粒径分布(すなわち、体積粒子分布)は、他に明白に示されない限り、既知の様式で、ISO規格13320−1(1999)に従ってレーザー粒径分析器によって特徴づけられる。

HORIBA Co.によって提供される、そのデータ処理ソフトウェア(P2000074001H バージョン4.11)を備えた「Partica LA−950V2」であるレーザー回折粒径分析器を使用する。測定のプログラミングパラメーターは次の通りである:フラウンホーファーモデルの使用;超音波による初期試料処理はなし;タンクの循環速度:6(約1400回転/分に対応);セルの攪拌速度:6(すなわち、約2300回転/分);赤色レーザー(650nm);対象からの焦点距離:450mm;レーザーの初期整合コントロールおよびバックグラウンドノイズの測定(エタノールを含むタンク)。

試験される試料の懸濁液を最初に調製する:この目的で、約500mgの試料を空のビーカー(体積約100ml)に入れ、次いで、95°で滴下された数滴のエタノールを使用して、試料に湿性を与え、そして練り歯磨きの粘稠度を有するペーストを形成する;最後に、40mlのエタノールをこの調製物に添加し、次いで、これを、約15秒間、バーマグネットおよびマグネチックスターラー(マグネチックスターラーIKA(登録商標)「RET BASIC」、グラデュエーション750)を用いて攪拌する。

次いで、得られた懸濁液を、少しずつ、ピペットを用いて、95°エタノール(低レベル、すなわち、約180ml)で最初に装填された粒径分析器の調製物のタンク中で、(最適濃度に対応する)15%と20%との間の装置上に示される測定セルのオブスキュレーションレベルまで注入する。

測定は、オブスキュレーションレベルの安定化直後に実行され、再現性制御のために、同一調製物において連続3回の測定を行う。この第1の測定を実証するために、新しい調製物(懸濁液)が作成され、そして同一プロトコルに従って分析される:2つの測定は同一でなければならない(標準物質の推奨規格に従う再現性)。それぞれ調製および測定後、レーザー粒径分析器における調製のためのセルおよびタンクは、脱イオン水で2回すすがれる。

記録されたデータは、最終的に、体積粒径分布曲線および体積分布の所望の特徴(D10、D50、D90およびスパン)をもたらすソフトウェアによって使用される。

種々の添加剤 本発明のゴム組成物は、例えば、保護剤、例えば、抗オゾンワックス、化学オゾン割れ防止剤、酸化防止剤、強化樹脂、メチレン受容体(例えば、フェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M)、イオウおよび/またはイオウの供与体および/またはペルオキシドおよび/またはビスマレイミドをベースとする架橋系、加硫促進剤、あるいは加硫活性剤などの、タイヤ、特に冬用タイヤ用のトレッドの製造用に意図されるエラストマー組成物において一般に使用される有用な添加剤の全て、または一部も含んでなる。

これらの組成物は、カップリング剤が使用される場合、カップリング活性剤、無機充填剤を変換する薬剤、またはより一般に、周知の様式で、ゴムマトリックス中の充填剤の分散の改善、組成物の粘度低下、原料状態の加工特性の改善によって可能である架橋助剤も含んでなることができる。これらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン、ポリオール、ポリエーテル、アミンあるいはヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサンなどの加水分解性シランである。

ゴム組成物およびトレッドの製造 本発明のゴム組成物は、適切な混合機中で、当業者に周知の一般手順に従う二連続製造段階:130℃と200℃との間、好ましくは145℃と185℃との間の最高温度までの高温での熱機械加工または混練の第1段階(「非生産」段階と記載される時もある)、それに続いての典型的に120℃未満、例えば、60℃と100℃との間の低温での第2の機械加工段階(「生産」段階と記載される)を使用して製造され、その仕上げ段階において架橋系または加硫系を組み込む。

そのような組成物の製造のために使用することができるプロセスは、例えば、好ましくは、以下のステップを含む: 第1段階(「非生産」段階)の間に、混合機中で、ジエンエラストマー中に、補強充填剤、植物油を含んでなる可塑剤、微小粒子を組み込むステップであって、全てを、1回またはそれ以上、130℃と200℃との間の最高温度に達するまで熱機械的に混錬するステップ; 混合物を100℃未満の温度まで冷却するステップ; その後、第2段階(「生産」段階)の間に、架橋系を組み込むステップ; 全てを120℃未満の最高温度まで混錬するステップ; そのようにして得られたゴム組成物を、特にタイヤトレッドの形態で押出またはカレンダリングするステップ。

一例を挙げれば、第1(非生産)段階は、1回の熱機械的ステップにおいて実施され、そのステップの間に、全ての必須成分、任意の追加被覆剤または加工助剤および架橋系を除く様々な他の添加剤を、標準密閉混合機などの適切な混合機中に導入する。第1の非生産段階の間に、そのようにして得られた混合物を冷却した後、架橋系を、一般的には開放ミルなどの外部混合機中に低温で導入する。次いで、全てを数分間、例えば5分と15分との間混合する(第2(生産)段階)。

適切な架橋系は、好ましくは、イオウおよび一次加硫促進剤、特にスルフェンアミド型の促進剤をベースとする。この加硫系に、様々な既知の二次促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)などを添加し、上記第1非生産段階の間および/または上記生産段階の間に混入する。イオウ含有量は、好ましくは0.5phrと3.0phrとの間であり、また、一次促進剤の含有量は、0.5phrと5.0phrとの間である。

促進剤(一次または二次)としては、イオウの存在下でジエンエラストマーの加硫促進剤として作用することが可能であるいずれかの化合物、特に、チアゾール型およびその誘導体の促進剤、チウラム型の促進剤、またはジチオカルバミン酸亜鉛を使用してよい。これらの促進剤は、より好ましくは、2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略される)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「CBS」と略される)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(「ZBEC」)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される。

その後、そのようにして得られた最終組成物を、例えば、特に実験室特徴決定用のシート状またはプラーク状にカレンダリングするか、あるいは、例えば、冬用タイヤトレッドとして直接使用することができるゴム形状要素の形態に押出加工する。

加硫(または硬化)は、既知の様式で、一般的には130℃と200℃との間の温度で、特に硬化温度、使用する加硫系および考察される組成物の加硫速度次第で、例えば、5分と90分との間で変動可能である十分な時間で実施される。

本発明によるゴム組成物は、種々の配合物のいくつかのゴム組成物から形成された複合型のトレッドの場合、本発明によるトレッドの全て、または一部のみを構成することができる。

本発明は、原料状態(すなわち、硬化前)および硬化状態(すなわち、架橋または加硫後)の両方の上記ゴム組成物およびトレッドに関する。

本発明は、以下の非限定的な実施例によって、さらに説明される。

ゴム組成物およびトレッドの調製 以下の試験を、以下の様式で実行した:補強充填剤(例えば、シリカなどの補強無機充填剤およびその関連カップリング剤)、可塑剤、微小粒子、ジエンエラストマー(またはジエンエラストマーのブレンド)および加硫系を除く種々の他の成分を、約60℃の初期容器温度を有する密閉混合機中に連続的に導入し;したがって、混合機は、約70%満たされた(体積%)。次いで、熱機械加工(非生産段階)を、165℃の最大「落下」温度に達するまで、合計約3〜4分間継続する1段階で実行した。そのようにして得られた混合物を再生し、冷却して、次いで、イオウおよびスルフェンアミド型の促進剤を30℃において外部混合機(ホモフィニッシャー)において混入し、全てを適切な時間(例えば、5分と12分との間)混合した(生産段階)。

そのようにして得られた組成物を、その後、それらの物理的または機械的特性の測定のために、ゴムのシート(2〜3mmの厚さ)または微細シートの形態で、あるいは所望の寸法への切断および/または組立の後、例えば、タイヤ半仕上げ製品として、特にタイヤトレッドとして、直接使用することができる形状要素の形態のいずれかにカレンダリングした。

摩擦試験 これらの試験において、ジエンエラストマー(95%より高いcis−1,4結合の含有量を含んでなるBRおよびNRブレンド)をベースとする5種の組成物(C−1、C−2、C−3、C−4およびC−5と識別される)が比較される。この5種の組成物は、シリカおよびカーボンブラックのブレンドによって補強され、かつ一部(10phr)の硫酸マグネシウム粒子(アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微小粒子として)と組み合わせてか、またはそれと組み合わせずに55phrまたは20phrのオレイン系ヒマワリ油(植物油として)を含む/を含まない可塑剤を含んでなる。上記微小粒子は、国際公開第2012/052331A号パンフレットに示される適切なろ過によって得られ、かつ(HORIBA Co.,Ltd.によって提供される、そのデータ処理ソフトウェア(P2000074001Hバージョン4.11)を備えた「Partica LA−950V2」による)レーザー回折法によって測定されるD50、スパン(またD10およびD90)によって定義される特定の体積分布を有する。 組成物C−1:植物油を含まず、微小粒子を含まない組成物(参照); 組成物C−2:植物油を含まないが、微小粒子を含む組成物(比較例); 組成物C−3:植物油を含まないが、微小粒子を含む組成物(比較例); 組成物C−4:55phrの植物油を含み、かつ微小粒子を含む、本発明による組成物; 組成物C−5:20phrの植物油を含み、かつ微小粒子を含む、本発明による組成物;

5種の組成物の配合(表1−phrで表される種々の製品の含有量)およびそれらの氷摩擦結果を表1および表2に示す。加硫化系は、イオウおよびスルフェンアミドから構成される。

これらの5種の組成物に、氷上でのそれらの摩擦係数を測定することからなる実験室試験を実行した。原理は、(例えば3kg/cm2に等しい)加えられた負荷によって、アイストラック上で(例えば、5km/時間に等しい)所与の速度で滑るゴム組成物のブロックに基づく。ブロックの走行方向で生じた力(Fx)および走行方向に対して垂直方向で生じた力(Fz)を測定する。Fx/Fz比は、氷上での試験片の摩擦係数を決定する。測定の間の温度は−2℃に設定される。氷上で接触する本発明によるゴム組成物のブロックの表面は、表面において微小粒子を露出させるために、摩擦試験の前に約0.5mm、ゴムの細い断片が切断されていた。

当業者にその原理が周知であるこの試験(例えば、欧州特許出願第1052270号明細書および同第1505112号明細書を参照のこと)は、トレッドが同各ゴム組成物から構成されるタイヤを装着した車両における走行試験後に得られるであろう0℃と−5℃との間の温度範囲内における氷上でのグリップを典型的な条件下において評価することを可能にする。

この結果を表2に示す。任意に100に設定された参照(組成物C−1)の値より高い値は、改善された結果、すなわち、より短い制動距離に対する誘発適合性を示し、すなわち、高い値である程、氷グリップも良好である。本発明によるC−4およびC−5は、参照組成物C−1ならびに比較例C−2およびC−3と比較して、−2℃において摩擦係数の顕著な、または特定の増加を有することが表2で観察される。

動的特性 上記5種の組成物のそれぞれを、規格ASTM D5992−96に従って、粘度(Metravib VA4000)におけるそれらの動的特性を測定するために試験した。0.7MPaの一定応力の下、温度スウィープの間、10Hzの周波数において、単純な交互シヌソイド剪断応力を受けた加硫組成物(4mmの厚さおよび400m2の断面を有する円筒状試験片)の試料の応答を記録した。0℃において観察されたtan(δ)値を記録した。当業者に周知の様式で、任意に100に設定された参照に対する実施例(または比較例)のtan(δ)0℃の比率は、湿潤路面のグリップ潜在性を表し、比率が高いほど、参照よりも良好な湿潤グリップが得られることを覚えておくべきである。

比率の結果を表2に示す。本発明による組成物C−2は、参照組成物C−1ならびに比較例C−2およびC−3よりも有意に高い値を示すことが見出された。別の実施例組成物C−4は、湿潤グリップの観点において、参照C−1、比較例C−2およびC−3と同等の値を有する。

結論として、上記試験の結果は、植物油およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微小粒子を含んでなる可塑剤を有する本発明によるゴム組成物は、タイヤの湿潤グリップ性能を維持またはさらには改善しながら、タイヤおよびそれらのトレッドに、良好な氷グリップ性能、特に、融氷グリップ性能を与える。

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