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免疫微量栄養

阅读:776发布:2024-02-14

专利汇可以提供免疫微量栄養专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、食物性の、栄養補助食品の、または医学的用途の調製物に関し、さらに詳細には、被験体の免疫調節および/または刺激、特に自然免疫防御の構築、強化、効率、維持および生殖に有用な、安全かつ自然な調製物または組成物に関する。,下面是免疫微量栄養专利的具体信息内容。

免疫調節および/または刺激のための組成物であって、100gまたは100mlあたり、 ・10μg乃至1000μgの、マグネシウムからなる陽性に荷電したミネラル、 ・10μg乃至1000μgの、亜鉛および鉄から選択される金属、 ・7μg乃至700μgの、クロスグリ小核果油(カシス種油)およびアブラヤシ油(パーム油)から選択される少なくとも1の植物油、 ・6μg乃至600μgの、タチジャコウソウ(タイム)、シサー・アリティナム(ヒヨコマメ)およびエルバム・レンズ(Ervum lens)(レンズマメ)から選択される、少なくとも2の植物抽出物、 ・6μg乃至600μgの、コンブ(ヒバマタ属)、ウンダリア・ピンナティフィダ(ワカメ)、パルマリア・パルマータ(ダルス)およびポルフィラ・ウンビリカリス(海苔)から選択される、少なくとも1の藻類、 ・7μg乃至700μgの、レンチニューラ・エドデス(シイタケ)およびグリフォラ・フロンドサ(マイタケ)から選択される、少なくとも1のキノコ、 ・8μg乃至800μgの、ビタミンA、B1、B2、B5、B6、B9、C、E、PP(B3)から選択される、少なくとも1のビタミン、 任意に適切な賦形剤との組み合わせからなる、組成物。ビタミンAがGDA(一日量ガイドライン(Guideline Daily Amounts))の15%乃至100%である、請求項1に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。ビタミンAの投与重量が、前記組成物の120乃至800μg/100gである、請求項2に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。亜鉛がGDA(一日量ガイドライン(Guideline Daily Amounts))の15%乃至100%である、請求項2または3に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。亜鉛の重量が、前記組成物において0.225乃至1mg/100gである、請求項4に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。適切な賦形剤が薬剤的に許容される賦形剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。食物調製物、栄養補助食品、栄養補給食品、または飲料に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物を含んでなる、薬剤。ウイルス感染、細菌感染、マラリアのような寄生虫感染、真菌感染、重複感染および突発性の感染を含む病原性感染に関連する症状を防止および/または緩和する方法において使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。突発性の感染が、冬季の感染、流感症候群、気管支炎、結核、ENTを含む下気道および上気道感染、尿路、腸および皮膚の感染を含む、請求項9に記載の使用のための組成物。、ENT、尿路または皮膚の感染を含む、肺の重複感染に対する抗生物質を強化する方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。慢性の病態によって起こる二次感染を減少させる方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。粘膜の免疫防御を増強させる方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。慢性閉塞性気管支肺症(COPD)または気管支拡張症の治療もしくは防止のための、請求項12または13に記載の使用のための組成物。HIV/AIDS疾患を緩和する方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。不適当な免疫応答または感染による炎症を調節する方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。ワクチン接種プロトコルの抗原タンパク質に対する免疫応答を増強する方法において用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の免疫調節および/または刺激のための組成物。

说明书全文

本発明は、食物、栄養補助食品、または医学的用途としての調製物に関し、さらに詳細には、全体的な健康状態の最適化および免疫の改善に最も有効であるように共に設計され、かつ免疫調節および/または刺激に有用である、天然の栄養補助食品から注意深く選択された組み合わせを含む、安全かつ自然な調製物または組成物に関する。特にこの組成物は、被験体の自然免疫防御を構築、強化、効率化、維持および再生し得るものであり、かつ、やや不健康な状態を副作用なしに改善するために有益なものでもある。

免疫系 免疫系は、感染ならびに疾病の原因となる生物、細菌、ウイルス、真菌および寄生虫を認識し、攻撃し、破壊する、すべてが共同して作用する細胞、膜、器官、循環系およびその他の多くの構成要素の複合体ならびに動的ネットワークである。免疫系はまた、我々の身体の異常な細胞増殖のいずれかの徴候を常にスキャンし、介入してこれらの異常を無効化する。

共に作用して全体的な免疫応答を調整する、多くの専門化した白血球が存在する。T細胞が細胞性免疫に関与する一方で、B細胞は抗原に応答して抗体を産生する。ナチュラルキラー細胞、すなわちNK細胞は、毒性化合物を放出することによって、細菌および寄生虫のようなある種の身体への侵入者を死滅させる。マクロファージは、外来性物質を貪食して破壊することができる。T細胞にはTh1およびTh2の2つの主要な型がある。Th1細胞は免疫原性応答を駆動するが、Th2細胞はB細胞による抗体産生を駆動する。

免疫系の成功は、環境を常にチェックして適切な免疫を誘発する、免疫系のすべての構成要素の時宜を得た秩序ある作用に依存している。

栄養と免疫 栄養、免疫および感染は相互に関連している(Bhaskaram P.,Nutritional Review,2002;60(5):S40−5;Iliakis D and Kressig RW.,The relationship between malnutrition and immunity,Ther.Umsch 2014 Jan;71(1):55−61)。栄養不良者は、彼らを感染させやすくさせる免疫機能障害を示す。反対に、適切な微量栄養素の補給によって免疫機能は増強され、感染を抑制することができる。

感染症において栄養障害と栄養不足とは一般的であり、これらは免疫不全の主な根本的原因である(A.Niedzwiecki,M.Rath,Malnutrition:The Leading Cause of Immune Deficiency Diseases Worldwide,DRRI Brochure,2005)。発展途上国では毎年、ほとんどは栄養不良である1300〜1400万人の子供が死亡しており、そのうちの70%は感染症による死亡である。栄養障害の結果としての免疫不全が、子供、高齢者および成人の死亡の主な原因である。

世界保健機関によれば、世界中では8500万人を超える人々が、およびサハラ以南のアフリカでは2億人の成人が栄養障害を患っている。日和見感染と不十分な栄養摂取とは、免疫不全および全体的な健康障害を引き起こす悪循環の一部であり、これによって新たな感染に対する感受性が高くなる。悪循環の中でもたらされた病気は、身体の栄養素を欠乏させ、既存の栄養不足をさらに悪化させる。補給が行われない場合には、病原体に対する脆弱性が増大し、制御が非常に困難な疾病のスパイラルが誘発される。

免疫強化 栄養素は、免疫系の機能の基礎をなす多くの生化学的機構、すなわちインターフェロンの合成および食細胞の機能のような非特異的な防御要素(先天免疫または自然免疫)、皮膚、粘膜(、腸など)、涙、唾液、腸液などによって作られる防御的な抗微生物バリア、抗体の産生および細胞介在性免疫の最適化を支持するものである。

免疫系の構成要素は、栄養素に依存することで、感染病原体に対するそれらの応答を開始し、調整する。十分に栄養を与えられた個体は、感染と戦うための準備がより良く整っている。

多くの感染症は、免疫に対して有益な効果を有する適切な栄養素の補給によって防止可能であり、それらの頻度および重症度も制御され得る。

栄養補給食品 消費者は、最初の段階で病気から保護される方法を求めている。最近の関心は、容易に利用可能な食事が、最初の段階で病気から保護する解決策となる可能性に向けられている。2013年にJournal of the American Medical Associationに発表された調査によれば、健康補助食品を用いていると報告されている成人の最も一般的な理由は、「全体的な健康を改善する」ため(45%)、「健康を維持する」ため(33%)であり、免疫を高めて風邪を防止するためと述べた者は成人の14.5%であった。American Medical Associationに発表された2012年の調査によれば、栄養補助食品を摂取している消費者の上位3つの理由のうちの1つが免疫的な健康状態であった。

栄養補助食品:至適な効果への相乗作用 身体の良好な栄養状態を維持し、適正な微量栄養素を蓄えることが、あらゆる種類の感染に対して有効な免疫応答を開始させるために重要であることは広く認められている。ビタミンC、A、B−5、B−6、B−12および葉酸のような微量栄養素、ならびに鉄、亜鉛、セレン、銅のような特定の微量元素は、白血球の生成および免疫機能を最適化するために重要である(Beisel WR,Am J.Clin Nutr1982;35:415;Watson RR,Nutrition,disease resistance,and immunity.New York,Marcel Dekker,1984)。

単一の栄養素では、最適な健康と、免疫系を支持して能を最大に発揮させるために必用な微量栄養素の完全なスペクトルとが保証されないということも、一般には認識されている。栄養素の相乗作用は、全体的な細胞代謝の最適化をもたらし得るアプローチである。標的となる栄養素の相乗作用は、特定の機能を選択的に回復させ、強化させ得る、選択された機構を標的としている。栄養素の相乗作用は、特定の生理的課題に取り組む上で、単一の栄養素、またはそれらの無作為な組み合わせよりもさらに効果的である。栄養素の相乗作用は、感染と戦う血液細胞の生成および機能を改善させると共に、感染病原体の拡散を停止することができる。2このように、栄養素の相乗作用は、身体の全体的な免疫を改善し、全体的な健康状態を支持することを通して、健康問題を効果的に解決することができる。このことは、所望の目標に対してそれぞれ活性があるが、それぞれの活性の合計が、それらの活性の合計から予想され得る結果よりも顕著な、優れた結果となる構成要素を含む組成物によって達成できる。

感染症 感染症についての、世界保健機関の2012年のグローバルレポートによれば、毎年おおよそ900万人の人々が感染症によって死亡しており、その多くは5歳未満の子供である。感染症はまた、生涯にわたる障害を通した大きな負担の原因にもなる。発展途上国において、感染症による死亡率は3分の1であり、死亡原因の43%を占める。

感染症は、細菌、ウイルス、寄生虫、または真菌のような病原微生物によって引き起こされる。病原微生物は、一人から別の人へと、直接的または間接的に拡散し得る。

6つの主な疾病ファミリーが、感染症による死亡の99%に関与している。一年に、急性呼吸器感染(肺炎およびインフルエンザを含む)によっておおよそ300万人が死亡する一方で、後天性免疫不全症候群(AIDS)および下痢性の疾病によっては、それぞれ160万人および100万人が死亡している。結核は主に貧困層に影響を及ぼし、1300万人までが死亡している。マラリアおよび麻疹によっては、それぞれが一年に約100万人が死亡している。

これらのうち、 −世界保健機関(WHO)によれば、季節性流感は、毎年50万人までの死亡に関与しており、これは毎日おおよそ1万3000人の死亡に相当する。この感染によって毎年300万人乃至500万人の人々が重大な影響を受けている。 −慢性閉塞性気管支肺症(COPD)の患者数は、全世界で6400万人を超えると推定される。2005年には全世界で300万人を超える人々がCOPDのために死亡しており、これはこの年のすべての死亡の5%にあたる。 −全世界で、9人の子供の死亡のうち1人は下痢性疾患によるものであり、下痢は、全世界での5歳未満の子供の死亡数の第2位の原因である。全世界で、毎年17億を超える下痢の症例が報告されている。毎年下痢のために76万人の子供が死亡しており、下痢は5歳未満の子供にみられる栄養障害の主な原因の1つである。 −マラリアは世界中で主要な寄生虫感染である。WHOによれば、マラリアによる死亡総数は毎年65万5000人を超えるが、Lancet誌には、2010年には120万人を超えたと報告されている。WHOは、2010年に2億1600万を超えるマラリアの症例を報告しており、そのうちの81%となる1億7400万の症例はアフリカで発生している。 −後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染に関連した免疫系の抑制からもたらされる疾病または状態の特定の群である。AIDS研究財団であるamfARによれば、現在3500万人を超える人々がHIV/AIDSを患っており、それらのうち3300万人は15歳未満である。2012年には、推定230万人が新たにHIVに感染しており、160万人がAIDSのために死亡した。流行の開始時から、7500万人を超える人々がHIVに罹患し、おおよそ3600万人の人々がHIVに関連した原因によって死亡した。

これらの感染症は、個々のヒトまたはその他の宿主における病原性(疾病を引き起こし得る)媒介生物の感染、存在および増殖からもたらされる。感染の重症度は、無症状(症状なし)から重症および致死性にわたり得る。

多数の特異的な治療、治療法、予防および防止にもかかわらず、感染症のために多数の人々が死亡していることから、このような手段は、それらが最も必要とされる時に供給されなかったり、ほとんどの個人にとって高価すぎるなどの様々な理由から、非効率であるか、または利用できないものであることが示唆される。

これらの感染症と戦うことは、感染した生物の健康におけるこのような疾病の発生および影響を減少させることを目的とした防止手段によって達成され得る。防止は、3つの主な柱、すなわち感染を避けること、免疫による防御を強化することおよび病原体に曝露される危険性がある場合の防止(予防手段)に頼っている。

免疫系を刺激し、すべての個体、特に免疫系が低下しているかもしくは損なわれている者、または感染もしくは疾病への高い感受性を示す者の全体的な健康状態を改善することが可能であったなら、感染および感染症の頻度、重症度および持続期間は減少され得る。

CD4 T細胞の再生を刺激することが可能であったなら、HIV感染患者のCD4/CD8比を正常化し、HIVによって引き起こされたCD4細胞の減少を逆転して、臨床状態の改善が達成され得る。

本発明者らは、容易に入手可能で、対費用効果が高い、天然の安全な栄養補助食品の使用が、個体の免疫系を刺激し、身体の免疫系が感染および免疫不全と戦う能力を援助し得ること、個体の疾病に対する抵抗力を強化し得ることおよび万人に適するものであると信じている。

これらの目的に向けて、本発明者らは、本明細書に記載する天然の安全な成分を含む栄養補給食品組成物が、免疫系を有効に強化して、広範囲の疾病を防止し、かつそれらの頻度、重症度、または持続期間を減少させるために用いられてよいことを見出した。

本発明の目的の1つは、被験体の免疫系ならびに自然免疫防御の、健康的なバランス、調節および/または刺激のための組成物を提供することであって、該組成物は、 ・10μg乃至1000μg(100g/100mlあたり)の、マグネシウムからなる陽性に荷電したミネラル、 ・10μg乃至1000μg(100g/100mlあたり)の、亜鉛および鉄から選択される金属、 ・7μg乃至700μg(100g/100mlあたり)の、クロスグリ小核果油(oleum acini)(カシス種油)およびアブラヤシ油(パーム油)から選択される少なくとも1の植物油、 ・6μg乃至600μg(100g/100mlあたり)の、タチジャコウソウ(タイム)、シサー・アリティナム(ヒヨコマメ)およびエルバム・レンズ(Ervum lens)(レンズマメ)から選択される、少なくとも2の植物抽出物、 ・6μg乃至600μg(100g/100mlあたり)の、コンブ(ヒバマタ属)、ウンダリア・ピンナティフィダ(ワカメ)、パルマリア・パルマータ(ダルス)およびポルフィラ・ウンビリカリス(海苔)から選択される、少なくとも1の藻類、 ・7μg乃至700μg(100g/100mlあたり)の、レンチニューラ・エドデス(シイタケ)およびグリフォラ・フロンドサ(マイタケ)から選択される、少なくとも1のキノコ、 ・8μg乃至800μg(100g/100mlあたり)の、ビタミンA、B1、B2、B5、B6、B9、C、E、PP(B3)から選択される、少なくとも1のビタミン、 任意に適切な賦形剤とを組み合わせて含んでなる。

本組成物は特に、被験体の自然免疫防御の構築、強化、効率、維持および再生に有用である。本発明は、自然免疫系および獲得性すなわち後天性免疫系両方の、調節および/または刺激に有効である。

本発明は、 −病原性感染に関連する症状の防止および/または緩和に有用であって、該病原性感染は、 −マラリアのような寄生虫感染、 −突発性の感染、例えば 冬季の感染、流感症候群、気管支炎、結核、ならびにENTを含むその他の下気道および上気道感染、 尿路、腸および皮膚の感染 を含む。

本発明の組成物は、 肺、ENT、尿路または皮膚の感染のような、肺の重複感染に対する抗生物質の強化、 慢性の病態によって起こる二次感染の減少、および 慢性閉塞性気管支肺症(COPD)および気管支拡張症を含む粘膜免疫防御の増大 にもまた有用である。

本発明の別の目的は、HIV感染およびAIDS疾患を緩和する方法において、自然防御および免疫系の再生を刺激する組成物を提供することである。

本発明のさらなる目的は、病原体または不適切な免疫応答によって起こる炎症の調節に有用な組成物を提供することである。

本発明の別の目的は、ワクチン接種または免疫付与のプロトコルに用いる抗原性タンパク質に対する免疫応答を増強可能な組成物を提供することである。

本発明は、添加物もしくは食品もしくは栄養補助剤として、ならびに/または栄養補給食品および/もしくは治療補助剤として使用可能な、免疫の調節および/または刺激に特に有利な特性を示す組成物の実現に関する。本発明の組成物は、ヒトまたは動物の栄養分野で使用可能であり、これには予防ケアも含まれる。

本発明のその他の目的および利点は、以下の例示的な図面および添付の請求項を参照しながら進められる、後に続く詳細な説明を見ることで、当業者に明らかとなるであろう。

治療および最初のウイルス量に準じた、12か月間にわたるCD4細胞の数を示した図である。

最初のCD4細胞の数値に従って組成物を用いた治療による、12か月間にわたるCD4の平均的増加の変化を示した図である。

過去2年間における、冬季のENT気管支炎による感染の1年あたりの発症数を、調査した集団のパーセンテージとして示した図である。

免疫微量栄養を摂取した年の、冬季のENT気管支炎による感染発症数の減少を、調査した集団のパーセンテージとして示した図である。

本発明の組成物による治療を行った年の、子供のマラリアの症例数の減少を示した図である。

本発明の組成物による治療を行った年の、子供の流感の症例数の減少を示した図である。

本発明の組成物による治療を行った年の、子供の気管支炎の症例数の減少を示した図である。

本発明の組成物による治療を行った年の、子供の腸疾患の症例数の減少を示した図である。

図9Aは、インフルエンザAウイルスに感染させたマウスの、感染後3日目の気管支肺胞洗浄液中の全細胞、好中球、マクロファージおよびリンパ球の定量化を示した図である。

図9Bは、インフルエンザAウイルスに感染させたマウスの、感染後3日目の気管支肺胞洗浄液中のマクロファージおよびリンパ球の定量化を示した図である。

インフルエンザAウイルスに感染させたマウスの、感染後3日目の肺におけるインフルエンザウイルスRNAのコピー数の、定量的ポリメラーゼ連鎖反応による定量化を示した図である。

P27Aを用いて3か月間免疫付与を行ったマウスの、血中のP27Aマラリア抗原タンパク質に対する抗体力価の定量化を示した図である。

本明細書に記載する方法および材料と同一であるかまたは同等なものが、本発明を実施または試験するために用いられてよいが、適切な方法および材料について以下に記載する。本明細書で言及するすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、それらの全体が参照することによって本明細書の開示の一部とされる。本明細書で考察する刊行物および出願は、単に本出願の出願日に先立ったそれらの開示について示すために提供される。本明細書のいずれの記載も、本発明が、以前の発明に基づいたこのような刊行物に先行するものではないとの承認として解釈されてはならない。加えて、材料、方法および実施例は、例示目的のみのものであり、限定を意図したものではない。

対立する場合には、定義を含む本明細書が優先する。他に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的な用語は、本明細書の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味をもつ。本明細書で用いられる以下の定義は、本発明の理解を容易にするために提供される。

用語「含む」は、一般に包含、すなわち1以上の特色または構成要素の存在を許可する意味で用いられる。

本明細書および請求項で用いられる単数形、「a」、「an」および「the」は、文脈に明らかな指示がない限り、複数も包含する。

本明細書で用いられる用語「抽出物」は、植物、果実、または野菜から抽出法を用いて得られるいずれの調製物も包含する。

用語「食品調製物」は、一般に、生物の身体の成長、修復、生命過程を維持し、エネルギーを供給するために用いられる炭化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどのような必須の栄養素を含む、植物または動物由来の、または合成源の材料を指す。

「健康補助食品または栄養補助食品」は、ビタミン、ミネラル、食品、植物、アミノ酸のような物質を含む製品を指し、これらの物質の通常の摂取を補足することが意図されたものである。栄養補助食品は、丸剤、錠剤、カプセル、散剤または液剤として見出され、経口摂取することが意図される。

用語「栄養補給食品」は、食品または食品の一部であって、疾病の防止および治療を含む医学上または健康上の利点を提供するいずれかの物質を指す。このような製品は、分離された栄養素、栄養補助食品および特定の規定食から、遺伝的に改変されたデザイナー食品、ハーブ製品、ならびにシリアル、スープおよび飲料のような加工食品まで及び得る。栄養補給食品はまた、食品から分離されるかまたは精製された後、通常は食品とは関係のない医薬品の形態として広く販売され、生理的な利点を有するか、または例えば慢性疾患のような疾病に対する防御を提供することが示される製品も指す。

用語「飲料」は、水、フレーバー・ウォーター、清涼飲料水、アルコール飲料、健康飲料、または乳製品(乳)もしくは果汁を基にした濃縮飲料であってよい、飲用の液体を意味する。

「薬剤的に許容される賦形剤または担体」は、単数または複数の有効成分の薬理活性に干渉しないか、またはそれが投与されてよい被験体の身体機能を低下させないが、剤形の製造または組成物の投与を容易にする、いずれかの材料である。薬剤的に許容される賦形剤の例としては、マルトデキストリン、リン酸カルシウムおよび融解石英が挙げられるが、これらに限定されない。薬剤的に許容される賦形剤としては、香味料、ならびにその他のビタミンおよびミネラルのような様々な添加物、すべての溶媒、分散媒、コーティング、等張の吸収遅延剤(isotonic and absorption delaying agents)、甘味料など、湿潤剤または乳化剤のような無毒性の助剤、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミンのようなpH緩衝剤など、タルクおよびステアリン酸マグネシウムのような不活性成分も挙げられ、これらは錠剤、カプセルおよびその他の剤形の製造における標準的な賦形剤である。

本明細書で用いられる用語「被験体」または「患者」または「受益者」は、当該技術分野において十分に認識されており、本明細書では、イヌ、ネコ、ラット、マウス、サル、雌ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、および最も好ましくはヒトを含む哺乳類を指すものとして互換的に用いられる。幾つかの実施形態によれば、被験体は、治療を必要とする被験体、または疾病もしくは疾患を有する被験体である。しかしながらその他の実施形態では、被験体は正常な被験体であってもよい。この用語は特定の年齢および性別を意味するものではない。したがって、若い、成体の、生まれたばかりの被験体を、雄性または雌性にかかわらず網羅することが意図される。

用語「有効量」は、生理的効果を得るために必要な量を指す。生理的効果は、用量の1回の適用によって、または反復した適用によって達成され得る。もちろん投与量は、特定の組成物の生理的特性、被験体の年齢、健康および体重、症状の性質および程度、併用治療の種類、治療の頻度、ならびに所望の効果のような既知の因子に依存して変動するものであり、当業者によって効果的に調整可能である。

用語「免疫調節および/または刺激」は、微生物感染または免疫不全に対する免疫防御の時宜を得た効果的な増強をもたらし、感染した被験体または動物が、 −侵入した病原体または免疫不全と効果的に戦うこと、 −このような病原体に感染すること、またはこのような疾患を患うことを防ぐことによって、このような病気に対する被験体の感受性を減少させ、このような病気の頻度、重症度、または持続期間を減少させること、 −改良された免疫の改善をもたらす全体的に良好な健康状態を取得、回復、または維持すること を可能にする生物学的過程の誘導または増強を指す。

本発明の別の実施形態によれば、用語「免疫調節および/または刺激」は、抗原を用いてワクチン接種または免疫付与を行った後の、その抗原に対する免疫応答の増強を指す。

本発明の別の実施形態によれば、用語「免疫調節および/または刺激」は、過剰な免疫応答と組織の損傷とを防止するための、炎症の調節を指す。

出願者らは、革新的、効果的で、かつ安全な逐次微量栄養有効成分を開発した。これらの栄養有効成分はマイクロドーズである。この、いわゆるコンビナトリアル微量栄養は、スイス、フランスおよび欧州の規則に従って製造された食品から構成される、低量の的確な成分(微量元素、さまざまな油類、ビタミン類)の逐次集合体に基づいている。

実施例に示す結果は、受益者の免疫の状態を強化する、本発明の組成物の著しい能力を示している。この強化は、疾病の防止において、治療法との併用において、および弱くなった自然免疫防御の強化において、非常に重要なものである。

出願者らは、驚くべきことに、本発明の安全な天然組成物が免疫調節および/または刺激において興味深い可能性を示すことを発見した。

「免疫系」は、我々を取り巻く環境において、多数の病原微生物および毒素から身体を防御する細胞、組織および分子の集合である。微生物に対するこの防御は、自然免疫の反応と、後天性免疫としても知られる獲得性免疫の反応の2つのおおまかな反応型に分類されている。

−自然免疫系は、有害な外来性物質および病原微生物に対する防御の第一線を構成する。自然免疫系は、常に存在し、感染部位に移動して微生物と戦う準備ができている細胞およびタンパク質から構成される、即時型の非特異的な防御である。自然免疫系の主な構成要素は、物理的な上皮バリア、食作用性の白血球、樹状細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞と呼ばれる特殊な型のリンパ球および循環血漿タンパク質である。

−獲得性免疫系は、抗原特異的応答および免疫記憶に関連する。獲得性免疫系は、自然免疫による防御を逃れたか、または克服することのできた病原体に対する作用であると考えられる。獲得性免疫系は、潜在的に有害であるか、または外来性であるいずれかの物質の特異的な断片を処理する。抗原と呼ばれるこれらの断片は、抗原受容体と呼ばれるT細胞の特殊な構造によって特異的に認識される。獲得性免疫系の構成要素は通常沈黙状態である。しかしながら、獲得性免疫系が活性化されると、侵入したこれらの断片に抗原受容体が適応して、特異的な防御機構を引き起こす。さらに、抗原が再び身体に侵入した際、その抗原を迅速に中和し得るように、抗原性の記憶が保持される。獲得性免疫応答には、Bリンパ球によって産生される抗体を介した液性免疫、およびTリンパ球を介した細胞介在性免疫の2つの型がある。

本発明の組成物は被験体の自然免疫防御を強化するように作用することから、その範囲は、ある感染症に限定されるとみなされるものではなく、グラム陰性菌およびグラム陽性菌両方の細菌、ウイルス、真菌、原虫および寄生虫のような病原体によって引き起こされるすべての感染症を包含することを、当業者は理解するであろう。これらの病原媒介物のあるものは、動物からヒトへ、またはヒトからヒトへの伝染が可能であり、これらの媒介物のあるものは2以上の方法での伝染が可能である。これらの媒介物は、被験体の肺、鼻咽喉(ENT)部位、腸および腸管、肝臓、腎臓、皮膚、尿路尿路、血流、リンパ器官および粘膜表面を侵し、前記被験体の血流に到達した後、一般的な集団、および特に弱っているかまたは免疫不全の被験体に感染症を引き起こし得る。

本発明の一態様によれば、自然免疫防御の構築、強化、効率、維持および再生を含む免疫調節および/または刺激のための組成物が提供され、前記組成物は、 ・10μg乃至1000μg(100g/100mlあたり)の、マグネシウムからなる陽性に荷電したミネラル、 ・10μg乃至1000μg(100g/100mlあたり)の、亜鉛および鉄から選択される金属、 ・7μg乃至700μg(100g/100mlあたり)の、クロスグリ小核果油(カシス種油)およびアブラヤシ油(パーム油)から選択される少なくとも1の植物油、 ・6μg乃至600μg(100g/100mlあたり)の、タチジャコウソウ(タイム)、シサー・アリティナム(ヒヨコマメ)およびエルバム・レンズ(Ervum lens)(レンズマメ)から選択される、少なくとも2の植物抽出物、 ・6μg乃至600μg(100g/100mlあたり)の、コンブ(ヒバマタ属)、ウンダリア・ピンナティフィダ(ワカメ)、パルマリア・パルマータ(ダルス)およびポルフィラ・ウンビリカリス(海苔)から選択される、少なくとも1の藻類、 ・7μg乃至700μg(100g/100mlあたり)の、レンチニューラ・エドデス(シイタケ)およびグリフォラ・フロンドサ(マイタケ)から選択される、少なくとも1のキノコ、 ・8μg乃至800μg(100g/100mlあたり)の、ビタミンA、B1、B2、B5、B6、B9、C、E、PP(B3)から選択される、少なくとも1のビタミン、 任意に適切な賦形剤とを組み合わせて含んでなる。

好ましくは、賦形剤は薬剤的および/または食事的(栄養的)に許容される賦形剤である。前記賦形剤は、本発明の組成物が100mlまたは100g得られるような量を、有利に補充する。

さらに好ましくは、免疫調節および/または刺激のための組成物は、100gまたは100mlあたり、 ・10μg乃至1000μgのマグネシウム、 ・10μg乃至1000μgの、亜鉛および鉄から選択される金属、 ・7μg乃至700μgの、クロスグリ小核果油およびアブラヤシ油から選択される少なくとも1の植物油、 ・6μg乃至600μgの、タチジャコウソウ、シサー・アリティナムおよびエルバム・レンズ(Ervum lens)から選択される、少なくとも2の植物抽出物、 ・6μg乃至600μgの、コンブ、ウンダリア・ピンナティフィダ、パルマリア・パルマータおよびポルフィラ・ウンビリカリスからなる群より選択される、少なくとも1の藻類、 ・7μg乃至700μgの、レンチニューラ・エドデスおよびグリフォラ・フロンドサからなる群より選択される、少なくとも1の菌糸体または菌糸体抽出物、 ・8μg乃至800μgの、ビタミンA、B1、B2、B5、B6、B9、C、E、PP(B3)からなる群より選択される、少なくとも1のビタミン、 薬剤的および/または栄養的に許容される賦形剤とを組み合わせて含んでなる。

好ましくは、免疫調節または防止のための組成物は、GDA(一日量ガイドライン(Guideline Daily Amounts))の15%乃至100%を構成する投与重量のビタミンAを含む。特に、ビタミンAの重量は前記組成物の120乃至800μg/100gであり、好ましくは前記組成物の120乃至800μg/100gである。800μg/日のビタミンAがGDA(一日量ガイドライン(Guideline Daily Amounts))である。

好ましい実施形態によれば、免疫調節および/または刺激のための組成物はさらに、GDA(一日量ガイドライン(Guideline Daily Amounts))の15%乃至100%の亜鉛を含む。特に、亜鉛の重量は前記組成物の0.225乃至1.5mg/100gである。1.5mg/日の亜鉛がGDAである。

別の態様によれば、本発明は、本発明の調製物を含む健康補助食品または栄養補助食品、食物調製物、飲料および薬剤を提供する。

本発明の目的は、マラリアのような寄生虫感染および突発性の感染を含む病原性感染に関連する症状を防止および/または緩和する、免疫調節および/または刺激のための組成物を提供することである。

寄生虫は、生存するために、他の生物、すなわち宿主に寄生する微生物である。幾つかの寄生虫は宿主に影響を及ぼさないが、その他の寄生虫は成長し、繁殖し、または宿主を病気にする毒素を放出して寄生虫感染を起こす。

寄生虫感染は、大きな健康問題を提示する。寄生虫感染は、熱帯および亜熱帯地域である、アフリカ、アジアおよびラテンアメリカの田舎もしくは開発途上地域では一般的であり、先進国ではまれである。本発明の組成物は、マラリア、またはトリコモナス、ランブル鞭毛虫症、クリプトスポリジウム症およびトキソプラズマのようなその他の寄生虫の感染による症状の治療、防止および/または緩和に特に効果的である。

ヒトに感染する寄生虫としては、1つの細胞のみからなる原虫(例えばアメーバ)と、より大きく、多細胞からなり、内部器官を有する虫(鉤虫および条虫のような蠕虫類)とが挙げられる。細胞分裂によって再生する原虫は、ヒトの体内で繁殖し得る。対照的に蠕虫は、ヒトへ感染可能になる前の環境において発達する卵または幼虫を生む。

マラリアは、寄生虫により引き起こされる最も致死的な疾病の1つである。マラリアの原因となる媒介物である熱帯熱マラリア原虫は、主にサハラ以南のアフリカの国々における主要な公衆衛生上の問題である。最も一般的なプラスモジウム種としては、最も致死的な種である熱帯熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫、三日熱マラリア原虫および四日熱マラリア原虫が挙げられる。

プラスモジウムは、寄生虫の媒介生物であるハマダラカに刺された後にヒトへ伝染する。熱帯熱マラリア原虫は、幾つかのステージを経て発達する。蚊によって注入された寄生虫の感染形であるスポロゾイトは体内へ入った後、血流に乗って最初に肝臓へ侵入し、そこで集中的にメロゾイトを産生する。次にメロゾイトが赤血球に侵入して増殖し、生殖母細胞を産生する(生殖ステージ)。生殖母細胞は蚊に刺されることによって取り込まれ、寄生虫の生活環が完了する。これらのステージのすべてにおいて、熱帯熱マラリアは独特な形、構造、およびタンパク質相補体を有する。これらの異なったステージの間に表面タンパク質および代謝経路が変化し続けるために、寄生虫が免疫により排除されることが回避される一方で、このことは薬物およびワクチンの開発に対する問題にもなっている。

マラリアの症状としては、発熱(38℃を超える)、振戦、頭痛、疲労、発汗、筋肉痛、悪心、下痢および嘔吐が挙げられる。ほとんど熱帯熱マラリア原虫が原因である重症のマラリアは、貧血、脳の損傷および死を導き得る。

安全で効果的なマラリアワクチンの開発はなお、未だに対処されていない医学上の緊急の需要である。効果的なワクチンは、熱帯熱マラリア原虫スポロゾイト感染の危険性を減少させるだけではなく、特に、特異的抗体の産生を開始させることによって、熱帯熱マラリア原虫の血液ステージの寄生虫に対する免疫を誘導し、疾病の病的状態および死を防御することも期待される。WHOによれば、ワクチンおよび治療戦略を用いる際の目標となる75%の防御レベルは、2030年までには達成されないようである。

反復性の、または「突発性の感染」は、数が非常に多いか、非常に重症であるか、または非常に長引く感染である。反復性の感染は、1年あたり2以上の重篤な感染、1年あたり3以上の呼吸器感染症(例えば副鼻腔炎、耳炎、気管支炎)、または2か月/年の抗生物質の必要性として定義される。重症/重篤の感染としては、持続性の発熱または1週間以上の安静の必要性、抗生物質の経口摂取に対する無応答および/または抗生物質の静注または入院の必要性、普通ではない病原体の感染、または稀な合併症(例えば乳様突起炎、胸水貯留、膿瘍)を伴う感染が挙げられる。

好ましくは、突発性の感染は、冬季の感染、流感症候群、気管支炎、結核、ENTを含む下気道および上気道感染、尿路、腸、粘膜および皮膚の感染を含む。

インフルエンザウイルスA、BおよびC型によって引き起こされるインフルエンザ(流感)は、特に免疫不全の、または弱っている被験体に劇的な結果をもたらし得る呼吸器疾患である。流感は高度に伝染性の疾病である。流感ウイルスは、空中の感染飛沫の吸入(感染者の咳またはくしゃみによる拡散)または感染者の分泌物との直接の接触(キス、接触、スプーンやフォークのような物の共有)を通して拡散する。流感の大流行は、定められた地理的領域で発生することを意味する流行病として、または世界的に発生することを意味する世界的流行として分類される。CDCによれば、冬季の流感による流行病は、米国において1年あたり人口の10%乃至20%に引き起こされ、このために3,000乃至49,000人が死亡し、200,000人を超える人々が入院している。

流感の防止には、手を洗うこと、くしゃみを通した飛沫の拡散を避けること、およびワクチン接種も含まれる。防御は、抗体産生の誘導によって仲介される。ワクチン接種は特に、肺炎のような流感合併症にかかりやすい、危険性の高い個体に勧められる。しかしながら、与えられた防御は通常100%には到達せず、ワクチン投与された者は、感染の症状が軽度ではあるが、流感にかかり得る。

気管支炎は、気管支上皮の炎症である。気管支炎は急性または慢性であってよい。急性気管支炎は、しばしば風邪またはその他の呼吸器感染症から発生し、非常に一般的である。さらに重篤な状態である慢性気管支炎は、多くの場合喫煙による気管支上皮の一定の刺激または炎症である。急性気管支炎は、通常、持続する影響なく、数日のうちに改善する。しかしながら、反復する気管支炎の発作は、医学的な注意が必要とされる慢性気管支炎を示唆する。慢性気管支炎は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に包含される1つの状態である。気管支炎の治療は、症状の軽減と呼吸を楽にすることに焦点が当てられる。

結核(TB)は、結核菌によって引き起こされる感染である。通常TBは肺に発症するが、身体のいずれの部分にも発症し得る。誰でも活動性のTBを発症し得るが、既に健康状態がよくないか、または免疫系が貧弱な者が発症する可能性が高い。ほとんどの症例は、治療によって治癒する。治療しない場合、TBは致死的となり得る。

TB菌は、活動性のTB病にかかった者の咳またはくしゃみによって空中に放出される。細菌を含む小さな水の飛沫を吸い込むことを介して、伝染が起こる。感染は3通りに進行する可能性がある。すなわち、軽症の感染では、宿主の免疫系によって細菌が排除されることで、多くの場合無症状であり、発展途上国の栄養不良の子供にみられるように、主に免疫応答が弱い場合には、TB菌を吸入した20人のうち約1人は、感染が活動性のTB病に進行する可能性があり、再活性化(二次)感染では、以前の感染ですべてのTB菌が死滅していないという事実によって活動性の疾病が引き起こされ得る。休止状態のTB菌は、身体の免疫系が人生の後半に衰え始めた場合に、増殖を開始して活動性のTBを引き起こし得る。このことは、高齢、虚弱、糖尿病、AIDS、または栄養不良の被験体に選択的に起こる。

下気道感染は、主に気管支炎、細気管支炎および肺炎からなる。原因となる媒介物はウイルス性または細菌性である。気管支炎および細気管支炎のほとんどの症例の原因はウイルスである。市中感染の肺炎における最も一般的な細菌性媒介物は肺炎球菌である。非定型肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエ、クラミジア種、レジオネラ、コクシエラ・ブルネッティおよびウイルスのような媒介物によって引き起こされる。感染性のウイルスまたは細菌は、吸入または血行性の播種によって末梢気道に入る。病原体は上皮内または上皮上で増殖して炎症を引き起こし、粘液分泌を増大させ、粘膜毛様体の機能を損ない、その他の肺の機能も影響され得る。重症の細気管支炎では、上皮の炎症および壊死によって末梢気道が遮断され、気道閉塞を引き起こす可能性がある。

症状としては、咳、発熱、胸痛、多呼吸および痰の生成が挙げられる。肺炎患者はまた、錯乱、頭痛、筋肉痛、腹痛、悪心、嘔吐および下痢のような非呼吸器の症状も呈し得る。

ほとんどのウイルス感染には対症療法が用いられる。細菌性肺炎は抗菌薬によって治療される。危険性の高い個体には、肺炎球菌の23の血清型に対する多糖体ワクチンが推奨される。

上気道感染は、上気道、すなわち鼻、洞、咽頭または喉頭に関わる急性感染によって引き起こされる病気である。上気道感染には、一般に鼻炎、扁桃炎、(鼻)咽頭炎、喉頭炎、(鼻)副鼻腔炎、中耳炎、喉頭蓋炎、喉頭気管炎、気管炎および感冒が含まれる。上気道感染は、咳、咽頭炎、鼻水、鼻づまり、頭痛、微熱、顔面圧迫感およびくしゃみのような症状を伴う。

上部の呼吸器感染症のほとんどは、ウイルスが原因で起こる。上気道感染の患者からは、200を超える様々なウイルスが分離されてきた。最も一般的なウイルスはライノウイルスファミリーである。その他のウイルスとしては、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルスが挙げられる。

喉頭蓋炎および喉頭気管炎は、例外的にウイルスが原因ではなく、重症の症例はインフルエンザ菌b型によって引き起こされると考えられる。急性咽頭炎の症例の15%までは、細菌によって、最も一般的には、連鎖球菌性咽頭炎におけるA群連鎖球菌の1つである化膿性連鎖球菌によって引き起こされ得る。原因となるその他の細菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ジフテリア菌、百日咳菌および炭疽菌である。

感染性のウイルスまたは細菌は、飛沫の吸入によって気道に入り、粘膜に侵入する。上皮の破壊により、発赤と共に、浮腫、出血、および時には滲出液が観察され得る。

腸管感染は消化管に影響を及ぼし、しばしば下痢を引き起こす。

胃および腸の炎症である胃腸炎は、しばしばこのような感染を伴う。細菌、ウイルスおよび寄生虫が、腸管感染の原因となり得る。

感染性の細菌としては以下のものが挙げられる。 −サルモネラファミリー。チフス菌は、高熱、頭痛、非常な倦怠感または脱力感、胃痛、食欲減退、および時々平坦な赤い発疹のような重症な症状を伴う腸チフスを引き起こす。サルモネラもまた、悪心、嘔吐、下痢、発熱および胃けいれんを含む症状を伴うサルモネラ症を引き起こす。シゲラ −シゲラファミリーは細菌性赤痢を引き起こし、小腸上皮に炎症を起こす。

細菌性赤痢の症状としては、下痢(時々血液または粘液を伴う)、発熱、嘔吐、悪心および腹部けいれんが挙げられる。 −大腸菌:数百の大腸菌の型のうち、5つの型のみがヒトに病気を起こすものとして知られている。米国では、大腸菌感染の症例は疾病管理センター(CDC)によって毎年73,000と推定されており、約60人が死亡している。大腸菌感染は、腹部けいれんおよび血液の混じった下痢の原因となる可能性があり、これらは約5日間持続する。ほとんどの者は治療を必要としないが、免疫系が弱まっている者、子供および高齢者は、重篤な感染を発症した場合に入院が必要となる。 −カンピロバクターは、米国では最も一般的な型の下痢であるカンピロバクター症の原因となる。これらの症例の約99パーセントは、カンピロバクター・ジェジュニによって引き起こされる。CDCは、毎年200万人を超える人々、すなわち米国の人口の約1パーセントがこれに感染していると推定している。 −クロストリジウム・ディフィシル菌は、しばしば乳幼児および年少の子供の腸管に疾病を起こすことなく常在している。しかしながら成人、特に高齢者では、C.ディフィシルは発熱、水様性の下痢、腹痛および食欲減退を起こし得る。 −ウェルシュ菌食中毒はウェルシュ菌によって引き起こされる、一般的な食中毒である。幾らかのウェルシュ菌は調理後の食品にも残存している可能性があり、食品をゆっくりと調理した後、室温に置いた際に増殖する。 −リステリア症は、土壌ならびに動物およびヒトの腸管に見出されるリステリア・モノサイトゲネス菌によって引き起こされる。病気の症状には発熱、頭痛、悪心および下痢が含まれる。この細菌はまた、血流または神経系に拡散して髄膜炎も引き起こし得る。 −ブドウ球菌:黄色ブドウ球菌の特定の株によって産生される毒素は、食中毒を引き起こし得る。症状には、重症の悪心および嘔吐、時々は下痢も含まれる。

腸管感染の原因となる主なウイルスとしては以下のものが挙げられる。 −ロタウイルスはすべての年代の者に感染し得るが、乳幼児および年少の子供に最もしばしば感染する。米国では、毎年約100万人の子供がロタウイルスに冒されている。これらのうち、55,000乃至70,000人は入院が必要となる。WHOによれば、世界中で毎年600,000人を超える子供がロタウイルス感染によって死亡している。ロタウイルスは、感染したヒトの糞便にヒトが接触した際に拡散する。症状には発熱、嘔吐、腹痛および下痢が含まれ、これらは8日間まで長引く。 −エンテロウイルスは、腸管を攻撃して、腸管感染を含む広範囲の病気を引き起こし得るウイルス群である。感染者は軽度の下痢、嘔吐、発熱および腹痛を経験し得る。 −A型肝炎ウイルスは、汚水が混入した水、汚染水から獲れた甲殻類、ならびに汚染した土壌で育った果実および野菜に見出される。このウイルスは、汚染された食品または水をヒトが飲んだり食べたりした場合に、または性交を介してヒトからヒトへと拡散し得る。A型肝炎に感染したヒトのうちのある者は病気の徴候を示さないが、ある者は発熱、非常な倦怠感、食欲減退、悪心および嘔吐を経験し得る。患者の肝臓は腫大し、皮膚は、黄疸として知られる黄色がかった状態となり得る。この疾病は、まれではあるが永久的な肝障害を引き起こし得る。症状は感染後2乃至4週間目に表れ、数週間から数か月間持続し得る。

寄生虫による腸管感染としては、赤痢アメーバによって引き起こされるアメーバ症、ランブル鞭毛虫によって引き起こされるランブル鞭毛虫症、およびシクロスポラ・カイエタネンシスの感染が挙げられる。これらの寄生虫感染によって、けいれんおよび下痢のような腸管の症状が誘導される。

腸管感染は、特に世界の発展途上地域において非常に一般的である。世界保健機関(WHO)は、世界中で毎年約2百万人の子供が下痢を引き起こす疾病によって死亡していると推定する。子供、高齢者および免疫系が弱まっている者が腸管感染を起こす可能性は最も高い。

尿路感染(UTI)は、尿路尿路の1以上の部分(腎臓、尿管、膀胱、または尿道)が病原体(最も頻繁には細菌)に感染した際に起こる。UTIは女性に最も一般的に起こり、すべての女性の約50%が生涯に尿路感染を経験している。膀胱感染が最も一般的な型である。UTIが腎臓に達した場合、特に病原体が血流に入ると、重篤な病気および死でさえも起こる可能性がある。

本発明の目的は、眼の感染に関連する症状の防止および/または緩和における、免疫調節および/または刺激のための組成物を提供することである。

眼の感染は、典型的には細菌、真菌、またはウイルスによって引き起こされる。眼の感染は、眼の様々な部分に起こる可能性があり、片方の眼のみか、または両方の眼に起こる可能性がある。眼の感染の症状には、発赤、そう痒感、腫脹、分泌、疼痛、または視覚の問題が含まれ得る。治療は感染の原因に依存し、目薬、クリーム、または抗生物質が含まれ得る。

2つの一般的な眼の感染は、結膜炎および麦粒腫である。 −麦粒腫は、皮膚からの細菌がまつげの毛包に入った際に起こる、眼瞼の隆起である。 −伝染性結膜炎としても知られる結膜炎は、しばしば感染によって起こる。結膜炎は非常に伝染性である。

結膜炎は多くの原因からもたらされ得る。これらの原因としては、ウイルス、細菌、アレルゲン、コンタクトレンズの使用(特に長時間装着型)、化学物質、真菌および特定の疾病が挙げられる。

ウイルス性結膜炎は、アデノウイルス、風疹ウイルス、エンテロウイルス70およびコクサッキーウイルスA24のようなピコルナウイルス、麻疹(はしか)ウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスおよびエプスタイン・バーウイルスを含むヘルペスウイルスのようなウイルスによって引き起こされ得る。

ウイルス性結膜炎は高度に伝染性である。結膜炎を引き起こすほとんどのウイルスは、手による手から眼への接触または感染性ウイルスによって汚染された物品を通して拡散する。手は、感染性の涙、眼の分泌物、糞便、または呼吸器の分泌物に接触することによって汚染され得る。

−細菌性結膜炎は、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌、またはカタル球菌によって引き起こされ得る。

細菌性結膜炎は高度に伝染性である。結膜炎を引き起こすほとんどの細菌は、汚染された手から眼への直接の接触を通して拡散する。

世界的に、防止可能な失明の主な原因である感染源は、クラミジア・トラコマチス(トラコーマ)菌である。トラコーマは、共有物を通してヒトからヒトへ、またはハエによって伝染する慢性濾胞性結膜炎である。通常、化膿性の滲出液によって識別される細菌性結膜炎には、局所抗菌療法が適用される。

感染性結膜炎(ウイルス性または細菌性)は、大きな気道の飛沫によっても拡散し得る。細菌性結膜炎は、5歳を越えた子供にはまれである。

−アレルギー性結膜炎は、枯草熱、喘息および湿疹のようなアレルギー性疾患のその他の徴候を有するヒトには一般的である。アレルギー性結膜炎は、それらに対してアレルギー性である、樹木由来の花粉、植物、草および雑草、イエダニ、動物の鱗屑、カビ、コンタクトレンズおよびレンズ液または化粧品のような特定の物質に対する身体反応によって引き起こされる。

皮膚感染には、細菌性、真菌性およびウイルス性の皮膚感染が含まれる。

−細菌性皮膚感染には、主に3つの型がある。膿痂疹は、高度に伝染性で、主に黄色ブドウ球菌、ときおり化膿性連鎖球菌によって引き起こされる。膿痂疹は子供の主要な皮膚感染である。

丹毒は、表皮の深部の、急性の連鎖球菌感染であり、蜂巣炎は、皮膚の真皮層および皮下層の重症の炎症を伴う、結合組織の広範性の炎症である。

ハンセン病は、らい菌によって引き起こされる重要な皮膚感染である。

−ウイルス性皮膚感染としては、伝染性軟属腫、帯状疱疹(Shingles)(帯状疱疹(herpes zoster))、および強いかゆみのある赤い発疹によって特徴付けられ、子供の最も一般的な感染症の1つである水痘(水疱瘡)が挙げられる。

−真菌性皮膚感染としては、足白癬、いんきんたむし、白癬(皮膚糸状菌によって引き起こされる)、酵母感染(カンジダ症、スポロトリクム症)および真菌症が挙げられる。

真菌症はヒトを含む動物に一般的な真菌感染である。真菌胞子の吸入または皮膚の局在型のコロニー形成が持続性の感染を開始し得るため、真菌症はしばしば肺または皮膚から始まる。免疫系が弱っている個体は、真菌感染を発生する危険性がある。これは、HIV/AIDS患者、ステロイド治療を受けている者、化学療法を受けている者、糖尿病患者、および非常に若いかまたは非常に高齢の者に当てはまる。

本発明の目的は、単純ヘルペス感染に関連する症状を防止および/または緩和する、免疫調節および/または刺激のための組成物を提供することである。

単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)および2型(HSV−2)両方のヘルペスウイルス科によって引き起こされるウイルス性疾患である。ヘルペスウイルスの感染は、感染部位に基づいて、幾つかの異なる疾患に分類される。口腔ヘルペスは、目に見える症状が口語的には口唇ヘルペスまたは単純ヘルペスと呼ばれる、顔または口の感染である。口腔ヘルペスは、感染の最も一般的な形である。単にヘルペスとして知られている性器ヘルペスは、2番目に一般的なヘルペスの形である。ヘルペス性ひょう疽、剣状ヘルペス、眼ヘルペス、脳ヘルペス感染脳炎、モラレ髄膜炎、新生児ヘルペスのようなその他の疾患は、すべて単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる。

単純ヘルペスは、感染した個体の病変部または体液との直接の接触によって、最も容易に伝染する。伝染は、無症状の放出期間に、皮膚から皮膚への接触を通しても起こり得る。

バリア防御法はヘルペスの伝染を防止するために最も信頼性のある方法であるが、危険性を排除するというよりも、単に減少させるものである。

ヘルペスの治癒方法はまだ開発されていない。いったん感染すると、ウイルスは生涯にわたって体内にとどまる。特にHIVおよび癌に関連した免疫抑制状態のような免疫障害時に、時々反復性の感染(大流行)が起こり得る。抗ウイルス剤を用いた治療によって、ウイルスの放出を減少させ、発症する症候の重症度を軽減することができる。

本発明の別の目的は、肺、耳鼻咽喉(ENT)、尿路または皮膚感染を含む肺の重複感染における抗生物質の作用を増強するために、前記免疫調節および/または刺激のための前記組成物を使用することである。

重複感染は、ウイルス性呼吸器疾患における細菌の重複感染のような、既存の感染を有する患者に起こる新規感染を指す。

気道のウイルス感染は、細菌との重複感染を起こしやすい。呼吸器粘膜上皮の構造的および機能的な破壊が、重複感染の相乗効果に主に寄与していると考えられる。すなわち、肺におけるウイルスのコロニー形成後の、細菌感染に対する感受性の増大は、ウイルス感染によって、細菌に対する肺の防御が全体的に障害されたことを示唆する。

現在の研究は、流感によって細菌に二次感染しやすくなり得ることで、流感が世界的に流行する間に、死亡率が有意に高くなることを示唆している。細菌による重複感染は、疾病の罹患率および死亡率を著しく増大させる。流感の世界的流行に従って見出される最も一般的な細菌性媒介物は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、A群連鎖球菌および黄色ブドウ球菌である。

重複感染の最も高い危険性は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫および喫煙習慣のような呼吸器系の問題を有する者、ならびに糖尿病、妊婦、透析患者および肥満者のような、免疫系が易感染性である者にみられる。

本発明のさらなる目的は、慢性の病態によって起こる二次感染を減少させるための方法において、前記免疫調節および/または刺激のための組成物を使用することである。

慢性の疾病または病態は、制御可能であるが治癒はしない持続性の状態である。慢性病は世界中の人口に影響を与えており、被験体を日和見感染または反復性の感染に対してさらに感受性を高める。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、呼吸を困難にする慢性肺疾患である。COPDは、通常は喫煙による、長年にわたる肺への損傷によって引き起こされる。COPDはしばしば2つの疾病、すなわち気管支の炎症および粘液の分泌を伴う慢性気管支炎と、気道の障害および息切れを伴う肺気腫との混合である。

COPDは長期にわたって悪化する。肺への損傷は非可逆的である。

COPDは、ほとんどいつも喫煙によって引き起こされる。長期にわたって煙草の煙を吸うことで、気道が刺激され、肺の伸縮性線維が破壊される。

主な症状は、持続性(慢性)の咳および粘液の分泌、ならびに息切れである。COPDの悪化は軽度から重篤までの幅をとり得る。

COPDでは、粘膜毛様体およびバリア機能が易感染性であるため、ウイルスの結合が増大して、気道上皮細胞へウイルスが侵入する可能性があり、呼吸器ウイルスに関連した悪化がCOPDの被験体をより重症にする。

本発明の組成物はまた、粘膜の免疫防御を増強させるための方法においても有用である。本発明の組成物は特に、呼吸器感染症、特に慢性閉塞性気管支肺症(COPD)もしくは気管支拡張症、および尿路もしくは腸管の感染の治療または防止に用いられてよい。

「粘膜免疫系」は、生物の様々な粘膜を潜在的な病原微生物の浸潤に対して防御する、免疫系の一部である。粘膜免疫系は、粘膜を感染に対して防御すること、抗原、微生物およびその他の外来物質の取り込みを防ぐこと、およびその物質に対する生物の免疫応答を加減すること、の3つの主な機能を提供する。

本発明は、被験体または動物がウイルス性、細菌性、真菌性または寄生虫性の病原体に接触した際に、感染に対して防御して治療するための組成物について記載する。本発明の特定の態様によれば、該組成物は、有効となるために獲得性または後天性の免疫応答を必要としないことから、免疫不全の被験体において、広範囲の病原性または潜在的に病原性である生物に対して使用できる。

それに加えて、本発明の組成物は、HIV感染およびAIDS疾患を緩和するために提供される。

HIVに感染したヒトは、CD4 Tリンパ球またはCD4 T細胞と呼ばれる、免疫応答に中心的な役割を果たす免疫細胞と共に、免疫機能を次第に失うことから、感染者を、肺炎、真菌感染のような日和見感染、およびその他の一般的な病気に対して脆弱にする。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物の別の実施形態は、不適当な免疫応答または感染による炎症を調節するための方法における、その使用を含む。

「炎症」は、病原体、損傷した細胞、または刺激物のような有害な刺激に対する、血管組織の複雑な生物学的応答の一部である。炎症性応答によって、被験体は、損傷した組織内の感染または毒性物質を、それが身体の他の部位に拡散する前に迅速に検出して破壊することができる。炎症は、身体組織が刺激を受けた際に、免疫系の正常な防御応答を発現する。組織が刺激を受けた際に、免疫系がその部位への血流を増大させるため、局在性の腫脹、温感および発赤が引き起こされる。炎症は身体のどこにでも起こる可能性があり、身体部分の酷使または軽度の傷害によって起こる可能性がある。

炎症は、有害な刺激を除去して治癒過程を開始する、生物による防御の試みである。炎症が感染によって引き起こされる場合でも、炎症は感染の同義語ではない。

感染は微生物によって引き起こされるが、炎症は、病原体に対する生物の応答の1つである。しかしながら炎症は、それぞれの病原体に特異的な獲得性免疫に比較して、自然免疫機構であるとみなすことができる。

炎症は急性または慢性に分類できる。 −急性炎症は、有害な刺激に対する身体の最初の応答であり、血液から損傷した組織への血漿および白血球(特に顆粒球)の移動の増大によって達成される。生化学現象のカスケードが伝達され、局所の脈管系、免疫系、および損傷した組織内の様々な細胞を巻き込んだ炎症性応答が完成される。急性炎症の古典的な徴候は、疼痛、熱、発赤、腫脹および機能の喪失である。

急性炎症は、急性感染の結果としても起こり得る。In vivoでのインフルエンザウイルス感染に対する炎症性応答は、致死的な感染に伴う不利な免疫病理の主な構成要素である(JK Taubenberger and DM Morens.The Pathology of Influenza Virus Infections.Annual Review of Pathology.2008,Vol.3:499−522)。

−慢性炎症として知られる長期にわたる炎症は、炎症部位に存在する細胞の型の進行性の変化を誘導し、炎症過程において組織の破壊と治癒とが同時に起こることによって特徴付けられる。組織の進行性の破壊は、生物の生存を危険にさらす。慢性炎症は、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、心臓病、アルツハイマー病および癌(例えば胆嚢癌)のような疾病を誘導し得ることが明らかになりつつある。この理由から、通常、炎症は身体によって厳密に制御されている。

慢性炎症は、自然免疫系と後天性免疫系との間の不均衡から生じる。炎症誘発性細胞は、血管内で(アテローム性動脈硬化症)、膵臓で(糖尿病)、関節で(関節炎)、およびその他の部位での自己免疫応答として、増殖して健康な細胞を損傷し得る。過剰な炎症の症状としては、身体のうずきおよび疼痛、うっ血、頻繁な感染、下痢、ドライアイ、消化不良、息切れ、皮膚裂傷(skin outbreaks)、腫脹、硬直、または体重増加/肥満が挙げられる。軽度の慢性炎症は、疾病、早期老化および病気の主な原因の1つであると考えられる。

免疫疾患は、免疫応答が不適当であるか、過剰であるか、または不足している際に起こる。非効率的な免疫応答によって疾病が発症する。多すぎるか、少なすぎるか、または時期もしくは強さの両方が不適切な免疫応答は、免疫疾患を引き起こす。過剰に活性化された免疫応答は「自己免疫疾患」の発生を誘導する可能性があり、この疾患では身体の自己組織に対して抗体が形成されて、自己組織の破壊または機能不全が誘導される。

変化した免疫応答に由来する合併症としては、以下のものが挙げられる。 ・アレルギーまたは過敏症 ・アナフィラキシー ・自己免疫疾患 ・移植片対宿主病 ・免疫疾患および免疫不全疾患

実施例3に関して、炎症は、サイトカインと呼ばれる免疫調節性分子の炎症促進性と抗炎症性との間のバランスが失われることによって仲介される。これらのうち、インターフェロンガンマ(IFN−γ)および腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)は炎症誘発性サイトカインである。TNF−αは、多くの免疫介在性炎症性疾患において重要な役割を果たす(T Cantaert,D Baeten,PP Tak and LGM van Baarsen,Type I IFN and TNFα cross−regulation in immune−mediated inflammatory disease:basic concepts and clinical relevance.Arthritis Research & Therapy 2010,12:219;Cytokines and their relationship to the symptoms and outcome of cancer.B Seruga,H Zhang,L Bernstein & IF Tannock,Nature Reviews Cancer 2008,8,887)。

実施例4に関しては、病原性インフルエンザウイルスの感染によって、すべてが病的状態および死亡の一因となる、強いサイトカインの産生、過剰な炎症性浸潤物、およびウイルスにより誘導される組織破壊が誘導され得る(JR Teijaroa,KB Walsha,S Ricea,H Rosen and MBA Oldstone,Proc Natl Acad Sci USA.2014 Mar 11;111(10):3799−804)。

実施例2に関して、肺機能の低下は、安定した慢性閉塞性肺疾患の被験体の病態生理および治療に重要な意味をもつ可能性のある、全身性の炎症マーカーのレベル上昇に関連している(M Miravita,M Calleb,JJ Soler−Catalunac.Clinical Phenotypes of COPD:Identification,Definition and Implications for Guidelines.Arch Broncopneumol.2012;48,3:86−98)。

さらなる態様によれば、免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、ワクチン接種プロトコルの抗原タンパク質に対する免疫応答を増強する方法における、その使用のために提供される。

本発明の組成物は、ワクチンに対する免疫応答を強化するために用いてよく、ワクチンを介した、疾病のより良い防止に寄与することも示される。

「ワクチン接種」(免疫付与)は、免疫応答を誘発する方法である。死滅しているかまたは弱っている生ウイルスのような低用量の抗原を投与して、免疫「記憶」を活性化させる(活性化B細胞および感作T細胞)。記憶によって、身体が将来ワクチン接種プロトコルにおいて用いた抗原を有する病原体へ曝露された際に、迅速かつ効果的な反応が可能になる。

免疫学では、アジュバントは抗原に対する免疫応答を強化するために用いられる構成要素である。免疫アジュバントは、特異的なワクチン抗原と組み合わせて用いた際に、抗原特異的免疫応答を促進、延長、または増強する、いずれかの物質として定義される。免疫学では、有機および無機アジュバントが使用される。2つの一般的な塩であるリン酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウム(ミョウバン)が、ヒトワクチンの最も一般的なアジュバントである。ミョウバンの正確な作用機構はなお不明であるが、ミョウバンは免疫細胞を誘発して抗体産生を促進させる。

実施例5に関して、P27Aは、ローザンヌ大学のGiampietro Corradin教授によって同定および開発された、熱帯熱マラリア原虫のマラリアタンパク質PFF0165cの、本質的に構造化されていない、104アミノ酸長の親水性断片である。この血液ステージの抗原は、抗体依存性細胞阻害アッセイ(ADCI)において寄生虫の増殖を阻害するヒト抗体の標的となることが見出された。自然な曝露によって獲得した抗体もまた、風土病地域での臨床的防御に関連する。ワクチンの候補は、水酸化アルミニウム(ミョウバン)と共に処方される。

比較対照試験によって、免疫系の制御が低下している証拠を示している患者の免疫系を強化するための、本発明の組成物の有意な適性が示された。

さらに、本発明の組成物は、日常的に複数の病原体に曝露されている栄養不良の子供の寄生虫感染、呼吸器感染および腸管感染の発症の低下において優れた防御作用を示す。

加えて、本発明の組成物はまた、例えば以前の年に反復性の感染を有していた試験患者の80%にみられた冬季の感染症または流感症候群に対しても優れた防御作用を示す。

本発明の組成物を治療補助に用いた場合、重度の呼吸器疾患(重症の慢性閉塞性気管支肺症または気管支拡張症)患者の60%を超える者が、感染の頻度および持続期間、ならびに入院数および入院期間の、50%の減少を示した。

加えて、本発明の組成物は、CD4免疫マーカーの増加によって、および抗レトロウイルス(ARV)治療を受けたかまたは受けていないHIV感染集団の体重増加によって、予想外に自然防御を強化することが証拠付けられた。

ARV治療の効率は最大レベルまで増大したことが観察された。

驚くべきことに、本発明の調製品を投与することで、HIV感染患者の生活、ならびに全体的な健康および免疫状態が向上することが見出された。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物の相乗作用は、その他のいずれかの薬理学的作用とは分かれているようである(実施例を参照)。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物には、通常、担体もしくは薬剤的に許容される担体または適切な賦形剤を加えることは必要でない。しかしながら、適切な賦形剤を任意に加えてもよい。

本発明の適切な賦形剤の例としては、限定はされないが、抗接着剤、結合剤(例えば結晶セルロース、トラガカント・ゴム、またはゼラチン)、コーティング、崩壊剤、注入剤、希釈剤、軟化剤、乳化剤、香味料、着色料、補助剤、潤滑剤、機能的薬剤(例えば栄養素)、粘性調整剤、増量剤、流動促進剤(例えばコロイド状二酸化ケイ素)、表面活性剤、浸透剤、希釈剤、もしくはその他のいずれかの非有効成分、またはそれらの組み合わせが挙げられる。

例えば、免疫調節または防止のための本発明の組成物には、炭酸カルシウム、着色料、漂白剤、保存料および香味料からなる群より選択される賦形剤、トリアセチン、ステアリン酸マグネシウム、ステローツ(sterotes)、天然または人工の香味料、精油、植物抽出物、果実エキス、ゼラチン、またはそれらの組み合わせが含まれてよい。

本発明の調製物には、その他の人工または天然の甘味料、原末甘味料、またはそれらの組み合わせが任意に含まれてよい。原末甘味料には、カロリーのあるものと無いものの両方が含まれる。原末甘味料の例としては、ショ糖、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、左旋糖、ガラクトース、固形コーンシロップ、タガトース、ポリオール類(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、エリスリトールおよびマルチトール)、水素化デンプン加水分解物、イソマルト、トレハロース、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物の有効物質は、広範囲に変更可能である。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、カプセルまたは錠剤のような固形製剤の形であってよいか、または液体もしくは油性溶液の形であってもよい。本発明に記載される組成物の製剤は、健康食品または薬理学分野における公知の方法のいずれかによって調製することができる。

すなわち、本発明の組成物が投与可能となるように、カプセルおよび錠剤のような固形製剤、または経口用液剤もしくは油性溶液のような液体またはスプレー製剤へ、適切な担体系を含むかまたは含まずに製造するために、当業者に知られているいずれの方法も採用できる。本発明の組成物は、3年以上にわたって安定であることが示された。

薬剤の場合には、適切な賦形剤または担体系は、薬剤的に許容される賦形剤でもある。

適切な担体系は、圧縮率を増大させ、固着を防止できる、微細粉末シリコンゲルおよびコーンスターチのような流動助剤を含む。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、様々なデンプン誘導体、二酸化シリコン、および崩壊促進作用をもつ、タイローズ、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、様々なデンプン誘導体のようなその他のいずれかの崩壊剤が挙げられる。

加えて、適切な担体系は、湿気防止能の増強に有用な、ベヘン酸グリセリルのような白化防止剤を含んでもよい。

さらに、適切な担体系は、潤滑機能をもつ、ステアリン酸マグネシウム、フレンチホワイトなどの潤滑剤も含んでよい。

好ましくは、適切な担体系は、ヒドロキシプロピル、セルロース、メチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、様々なデンプン誘導体、二酸化シリコン、ステアリン酸マグネシウム、フレンチホワイト、ベヘン酸グリセリルおよび白化防止剤から選択される。

本発明はさらに、本発明の調製物を含む食物調製物、健康補助食品または栄養補助食品、栄養補給食品、飲料および薬剤のために提供される。上で述べたように、薬剤は、薬剤的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。

好ましくは、本発明の薬剤、栄養補給食品または栄養補助食品は、1日あたり0.1ng/kg乃至1日あたり1mg/kg、好ましくは1日あたり0.5pg/kg乃至1日あたり100ng/kgの投与量で投与される。

特定の実施形態によれば、本発明は、動物またはヒトの栄養のための、治療用ではない組成物の使用を提供する。

免疫調節および/または刺激のための組成物または薬剤は、経口的、非経口的、または局所的に投与される。

経口投与が意図される場合には、本発明の組成物は、例えば錠剤、カプレット、丸剤、硬カプセルまたは軟カプセル、舐剤、カシェ剤、分配可能な散剤、顆粒、懸濁液、エリキシル剤、分散剤、液体の形、またはこのような投与方法に合理的に適応可能なその他のいずれかの形であってよい。非経口投与が意図される場合には、本発明の組成物は、例えば、静脈内注射、筋肉内注射または皮下注射のための溶液の形であってよい。

本発明の組成物は、被験体に発症し得る感染症を防止し、重症度および数を減少させるために効果的である。

本発明の目的の1つは、特定の態様によれば空中に浮遊する病原体または生物または微生物である、病原体または生物または微生物に曝露された個体に対して、より良い防御および/または治療を提供することである。該組成物は、被験体が、単数もしくは複数の潜在的な病原生物に曝露される危険性または高度の危険性にあった後、またはその前に投与される。

目的の1つは、流感症候群の感染発症の治療または防止における、免疫調節および/または刺激のための組成物の使用である。肺および耳鼻咽喉(ENT)部位に影響を及ぼす特定の感染発症は、一般に冬季の月に起こる。

本発明はまた、重症の慢性閉塞性気管支肺症(COPD)または気管支拡張症(気管支の慢性の拡張)の治療または防止にも、特に効果的である。

本発明はまた、気管支炎の症例の数および重症度を減少させるためにも効率的である。

本発明の別の使用では、飲用水の質が良くない地域であっても、下痢に関連した腸の感染の数および重症度は減少する。

本発明はまた、マラリアが風土病である地域においても、この疾病の数および重症度を減少させるために効率的である。

免疫調節および/または刺激のための組成物は、肺、ENT、尿路または皮膚の感染を含む、肺の重複感染に対する抗生物質を強化するための方法における使用にも適応される。

それに加えて、免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、慢性の病態によって起こる二次感染を減少させるための方法における使用にも適応される。

さらなる実施形態によれば、免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、粘膜の免疫防御を増強させるための方法における使用にも適応される。

本発明はまた、慢性閉塞性気管支肺症(COPD)または気管支拡張症(気管支の慢性の拡張)の治療もしくは防止にも特に効果的である。

免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物の別の態様は、HIV感染/AIDS疾患を緩和するための方法におけるその使用に関する。本発明は、HIV感染/AIDS疾患を緩和するための方法において、自然免疫防御および免疫系再生を刺激するために用いられる。

別の実施形態によれば、免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、不適当な免疫応答または感染による炎症を調節するための方法において使用される。

さらなる実施形態によれば、免疫調節および/または刺激のための本発明の組成物は、ワクチン接種プロトコルの抗原タンパク質に対する免疫応答を増強する方法において使用される。

当業者は、本明細書に記載される発明が、特定の記載以外の変動および改変を許容することを理解するであろう。本発明は、その精神または本質的な特性から離れることなく、このような変動および改変のすべてを包含することを理解されたい。本発明はまた、本明細書で参照または指摘された工程、特色、組成物および化合物のすべてを、個別にまたは集合的に包含し、かつ前記工程または特色のあらゆる組み合わせもしくは2以上を包含する。したがって本開示は、例示された、限定的ではないすべての態様、添付の請求項によって示される本発明の範囲、ならびに等価な意味および範囲にあるすべての変更を包含することが意図されたものであるとみなされる。

本明細書の全体には様々な参考文献が引用されており、これらはそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に取り込まれる。

前述の説明は、以下の実施例への参照によって、さらに完全に理解されるであろう。しかしながらこのような実施例は、本発明を実施するための代表的な方法であり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。

実施例1:HIV感染患者における自然防御の強化 免疫系の制御が低下しているか、または同定されていない原因によって感染に対する感受性が高い証拠を示している患者の免疫系を強化するための、本発明の組成物の有効性を評価するため、比較対照試験を行った。 1.HIV感染患者の自然防御の強化−試験トーゴI 臨床試験は、ベニン大学(ロメ、トーゴ)のMireille David教授と提携して、NGO エスポワール ヴィ トーゴによって行われた。 試験の目的 抗レトロウイルス療法(ARV)に適さないか、または適する患者の、本発明の組成物による治療後6か月目の、CD4細胞集団の変化の評価。 試験の特性 無作為化された2群の(ARV有りまたは無し)、6か月間のオープン試験。 対象患者 集団:2群に分けた、100人の血清反応陽性者(PVHIV)。 第1群:ARVを必要としなかった(免疫系が良好であったため)PVHIV。 第2群:免疫および/または臨床状態がARVを必要とするものであったPVHIV。 試験期間に、23人の患者は服薬尊守が十分ではなかった。 薬量学 本発明の組成物の2カプセルを1日2回。 持続期間 9か月 患者のモニタリング −体重 −血中のCD4数の測定によるCD4リンパ球の評価。

結果 組成物によって治療した患者の体重およびCD4細胞の増加によって、組成物の効果が証明された。

結論 本発明の組成物は、両群で免疫不全患者の体重およびCD4細胞数を増加させた(ARV有/無)。本発明の組成物は、免疫状態の変化に非常に良い効果を有するため、弱っている患者の免疫系を強化することができる。

2.HIV感染患者の自然防御の強化−試験トーゴII 第2の臨床試験は、ベニン大学(ロメ、トーゴ)のMireille David教授と提携して行った。この無作為化された二重盲検臨床試験は、パスツール研究所からの共同研究者と共にトーゴにおいて行われ、試験トーゴIで観察されたCD4細胞の増加における本発明の組成物の有意な有効性が確認された。 試験の目的 本発明の組成物が、どのように、長期間にわたってCD4細胞の減少を防ぐことによってAIDS患者を保護するかについてさらに評価を行う。ARVに適さず、かつCD4数が1μlあたり250乃至400細胞である被験体のCD4細胞数の変化を、12か月間の本発明の組成物による治療対プラセボによって評価する。 試験の特性 ARVに適さず、Tリンパ球CD4数が1μlあたり250乃至400である被験体の、無作為化二重盲検試験。 対象患者 132人の患者を採用し、以下に従った。 −第1群:本発明の組成物、62患者。 −第2群:プラセボ、70患者。

薬量学 本発明の組成物またはプラセボの2カプセルを1日2回。 持続期間 12か月 患者のモニタリング 血中のCD4数の測定によるTリンパ球レベルの評価。

結果 治療による変化および最初のウイルス量(ウイルス/μl)。図1を参照されたい。 この図は、CD4数の変化を最初のウイルス量の関数として示す。この図は、ウイルス量の減少における、本発明の組成物の抗ウイルス効果を明らかに示している。高ウイルス量はCD4の減少を促進する因子であるため、AIDS病へと進行する。 治療による変化および最初のCD4数(CD4細胞/μl)。図2を参照されたい。 この図は、長期間にわたるCD4数の変化を示している。各点は、本発明の組成物対プラセボによるCD4細胞の減少における差の平均に対応する。 −最初のCD4数が380を超える患者では、本発明の組成物によって得られた増加は3か月目(M3)に有意となり、これは時間と共に増大した。 −対照的に、最初のCD4数が280〜379を超える患者では、本発明の組成物によって得られた増加はM9の後にみられた。 −最初のCD4が280未満の患者では、本発明の組成物群とプラセボ群との間の統計学的な有意差はなかった。

結論 トーゴで行われたこの二重盲検試験は、本発明の組成物が、長期間にわたってCD4の減少を防ぐことによってAIDS患者を保護することを示している。 本試験は、本発明の組成物が、長期間にわたってCD4細胞の減少を防ぐことによってAIDS患者を保護することを示している。図1および2を参照されたい。 トーゴで行われたこの最初の臨床試験は、本発明の組成物が、長期間にわたってCD4細胞の減少を防ぐことによって、HIV感染患者を保護することも示した。 −この効果は、最初の血中のCD4数が280/μlを超えている場合により顕著である。 −本発明の組成物は、12か月後にARV療法の必要性を22.6%減少させる。

実施例2:肺および耳鼻咽喉(ENT)部位における感染発症の防止 1.感染発症の防止 試験の目的 冬季の月に、肺およびENT(耳、鼻および咽喉)部位に発症し、医師の介入が必要とされる感染発症(流感症候群を含む)における本発明の組成物の有効性の評価。 試験の特性 子供および成人を対象とした3か月間のオープン試験。試験はフランスで行われた。 対象患者 以前の2年間に公平な手法によって指数化された、反復性の冬季感染(ENT−反復性の気管支炎)および/または流感発症によって顕在化される、自然免疫が弱っていることを示す60人の子供(年齢:6〜15歳)および60人の成人(年齢:15〜70歳)。 薬量学 本発明の組成物を1日あたり2カプセル。 持続期間 冬季の3か月:10月−11月−12月。 患者のモニタリング −冬季の気管支−ENT感染数 −流感発症数

結果 冬季の気管支−ENT感染および流感発症における本発明の組成物の効果(図3および4)。 本発明の組成物により、すべての冬において子供で78%、成人で86%の範囲で感染発症の消失がみられたことから、自然免疫が強化されたと考えられる(図4)。このことは、これらの患者が以前の2年間に感染発症したことと比較すると、劇的な改善である(図3)。 これらの図は、流感ウイルスワクチンによって観察されるものと同様の(よくても70%)、自然免疫の増強を示している。

結論 予防設定での本発明の組成物の摂取によって、症例の大多数が、冬季期間内の感染発症を免れる。本発明の組成物を摂取することで、以前の年に反復性の肺およびENT感染を示した試験集団の82.5%に、このような発症がみられなかった。

2.肺の慢性病態の二次感染:防止および通常の治療への付随物: 試験1−慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する補助療法 試験の目的 重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の反復感染の頻度における本発明の組成物の有効性の評価。 試験の特性 3か月間のオープン試験。感染発症の頻度を以前の年と比較した。試験はフランスで行われた。 対象患者 以前の2年間に病院において指数化され、追跡された、冬季感染(反復性の気管支炎)を示す60人の成人(49乃至76歳、平均年齢:66.3)。 −以前に(60)および/または現在も(42)ニコチン中毒である、52人の男性および8人の女性。 −努力呼気肺活量の1秒量(FEV1)が1250乃至1500ml −ティフノー(FEV1/努力肺活量の比)<55% −心臓への影響も、動脈ガス定量への影響もみられない。 −医学的治療:気管支拡張剤−ドレナージ理学療法−ワクチン接種(流感、肺炎球菌)、抗生物質療法±コルチコイドによる短期治療。 薬量学 以前の年の秋から冬の期間にBiostimを受けており、なお流感および肺炎球菌に対する予防処置を受けていた患者が、同じ期間の3か月間に本発明の組成物を1日あたり3カプセル摂取した。 患者のモニタリング −喀痰の量および化膿 −感染の頻度および持続期間 −抗生物質の有無による回復 −入院の頻度および入院期間

結果 −感染の頻度

COPD患者の67%(39患者のうちの26)に、平均感染数の減少が観察された。

−感染の頻度(結核の病歴)

結核の重症病歴をもつCOPD患者の50%(21患者のうちの10)に、平均感染数の減少が観察された。

−入院の平均数

68%の症例(53患者のうちの41)に、平均入院数(2から1)および平均入院日数(10から6)の減少が観察された。

−喀痰量の減少

本発明の組成物を摂取してから72時間後に、40%の症例(45患者のうちの18)に平均喀痰量の有意な減少が観察され、60%の症例(45患者のうちの27)にある程度の喀痰量の排出(<5ml)が観察された。

−抗生物質療法 以前の2年間と比較すると、64%の症例(39患者のうちの25)に対して系統的な抗生物質療法は行わなかった。

結論 COPD患者による、予防のための本発明の組成物の摂取によって、 −喀痰の量および化膿 −感染の頻度 −抗生物質療法の系統的な使用 −入院数および入院期間 を減少させることができる。 COPD患者の大多数に対して、本発明の組成物は、通常の治療の補助剤として、COPDの徴候を緩和するかまたは防止するために効果的である。

試験2−気管支拡張症(気管支の慢性的な拡張)に対する補助療法 試験の目的 気管支拡張症(気管支の慢性的な拡張)患者の反復感染の頻度の変化における本発明の組成物の有効性の評価。試験はフランスで行われた。 試験の特性 3か月間のオープン試験。以前の年との発症頻度の比較。 対象患者 以前の2年間に病院において指数化され、追跡された、反復性の冬季感染を示す27人の成人(48乃至58歳、平均年齢:53.6歳)。 −女性が優勢。 −ニコチン中毒の病歴なし。 −努力呼気肺活量の1秒量(FEV1)が1250乃至1700ml −ティフノー(FEV1/努力肺活量の比)<60% −肺活量(VC)/総肺活量(VCt)>80% −心臓への影響も、動脈ガス定量への影響もみられない。 −医学的治療:1日に2回のドレナージ理学療法−ワクチン接種(流感、肺炎球菌)、抗生物質療法±気管支拡張剤±コルチコイドによる短期治療。 薬量学 1日あたり本発明の組成物の3カプセル。 患者のモニタリング −喀痰の量および化膿 −感染の頻度および持続期間 −抗生物質の有無による回復 −入院の頻度および持続期間

結果 −感染の頻度

10月から3月の期間に、74%の症例(27患者のうちの20)に、平均感染数の減少が観察された。

−平均入院数

66%の症例(27患者のうちの18)に、平均入院数(2から1)および平均入院日数(15から8)の減少が記録された。

−抗生物質療法 以前の2年間と比較すると、52%の症例(27患者のうちの14)は、系統的な抗生物質療法を必要としなかった。 −喀痰量 平均喀痰量に変化は観察されなかった。 −無力症 64%の症例に無力症の減少がみられた。

結論 気管支拡張症患者による、予防のための本発明の組成物の摂取によって、 −感染の頻度 −抗生物質療法の系統的な使用 −入院数および入院期間 −無力症の発生 を減少させることができる。 COPD患者の大多数に対して、本発明の組成物は、通常の治療の補助剤として効果的である。

3.複数の感染を発症している、中程度の栄養障害を有する子供のコホートにおける感染発症数の減少 試験の目的 中程度の栄養障害を有するために複数の感染を発症しやすい子供のコホートにおける、感染流行に対する組成物の有効性を示す。試験はルワンダで行われた。 試験の特性 無作為化された2群の、12か月間の二重盲検試験。 対象患者 ・試験の前年に中程度の栄養障害および反復感染を有した、1乃至5歳の、220人の子供を対象とした。 ・1処置群は110人の子供 ・1処置群は110人の子供 薬量学 本発明の組成物を1日あたり2カプセル。 持続期間 12か月 患者のモニタリング 子供達は、ルワンダのブゲセラ地区にある3つの医療センターで、医師および看護師によって各月にモニタリングされた。 主な目的 主な目的は、12乃至60か月の子供の小児科集団における感染発症を、12か月の期間にわたり、本発明の組成物またはプラセボの投与に依存して比較することであった。

結果 −感染発症数 プラセボによって治療した子供と、組成物によって治療した子供とを感染数に従って分類することにより、本発明の組成物の多面的な予防効果が証明された。

中央値は、データサンプル、集団、または確率分布の高い方の半分を、低い方の半分から分離する数値である。中央値は、記載された数の「中間の」値である。本発明の組成物によって治療された子供の群の中央値は2であったが、プラセボ群の平均値は5であった。このことから、組成物によって、感染発症の順位が低い方の数へとシフトしたことが示される。

本発明の組成物の予防効果は、プラセボ治療群および組成物治療群における感染発症の総数を記録することによって証明した。

本発明の組成物によって、マラリアの発症数が有意に減少する。 1乃至12か月では−21.4%(p<0.001)、および6乃至12か月では−30%まで(図5)。 本発明の組成物によって、流感の発症数が有意に減少する。 1乃至12か月で−21.2%(p=0.004、図6)。 本発明の組成物によって、36か月未満の子供の気管支炎の発症数が有意に減少する。 1乃至12か月では−22%、および6乃至12か月では−52%まで(p=0.003、図7)。 本発明の組成物によって、下痢によって証明される腸管感染の発症数が有意に減少する。 1乃至12か月では−14.3%、および4乃至12か月では−21%(p=0.039、図8)。

本発明の組成物の予防効果は、粘膜感染および皮膚感染の数を記録することによっても証明された。

本発明の組成物は、粘膜感染および皮膚感染の数を有意に減少させた。

本発明の組成物は、重症疾患の数を有意に減少させた。 −本発明の組成物の予防効果は、貧血、痙攣または胃腸炎に関連する、マラリアの重症例の数を記録することによっても証明された。

−本発明の組成物の予防効果は、発熱を伴うか、または1日あたり8回を超える、下痢の重症例の数を記録することによっても証明された。

−本発明の組成物の予防効果は、気管支肺炎を伴う気管支炎の重症例の数を記録することによっても証明された。

結論: 本発明の組成物の摂取によって、感染発症数が有意に減少する。 本発明の組成物の摂取は、最も一般的な感染である流感、気管支炎、腸管感染の防止に効果的である。 本発明の組成物の摂取は、マラリアの発症の防止に効果的である。 本発明の組成物の摂取は、重症の病気の防止に効果的である。

実施例1および2に対する、本発明の組成物の効果についての全般的結論 本発明の組成物によって自然免疫防御を強化することができる。 −抗レトロウイルス療法(ARV)を受けたかまたは受けていないHIV感染患者およびAIDS患者におけるCD4免疫マーカーの増加および体重増加。 −ARV治療の有効性が最大レベルまで増大。 −日和見感染の危険性に関連したARV療法の必要性を12か月後に22.6%減少。このことは、本発明の組成物による1000人の患者の治療が、最初のCD4数を250/μlよりも多く維持するための、12か月にわたるARV治療の必要性を226人に回避させたことを意味する。

防止設定: 本発明の組成物は、試験を行ったすべての疾病の発生および重症度を減少させる: −試験を行った健康な子供および成人集団の事例の80%に、冬季の感染発症または流感症候群が消失。 −中程度の栄養障害の子供集団における流感症候群の、プラセボと比較した21%の防止。 −36か月未満の中程度の栄養障害の子供集団における気管支炎発症の、プラセボに比較した52%の防止。 −中程度の栄養障害の子供集団における腸管感染発症の、プラセボに比較した21%の防止。 −気管支−肺疾患の集団における感染頻度の減少。 −皮膚感染および粘膜感染の防止。

治療補助: 本発明の組成物によって治療を行った場合、重症の呼吸器疾患(重症の慢性閉塞性気管支肺症または気管支拡張症)患者の60%を超える者が、感染の頻度および持続期間、ならびに入院数および入院期間の減少を示し、生活の質を向上させた。

本発明の組成物は、 −身体の耳鼻咽喉部位の、肺の、腸および腸管の、膀胱の、ならびに皮膚およびその他の粘膜領域の、グラム+またはグラム−細菌に関連する細菌感染、 −身体の耳鼻咽喉部位の、肺の、腸および腸管の、膀胱の、ならびに皮膚およびその他の粘膜領域の、ウイルス感染、 −真菌感染 −マラリア感染を含む寄生虫感染 を含む、最も一般的な疾病の防止および/または治療に有効である。

免疫系の強化およびより良い調節によって、病原体または疾病による外部からのすべての侵襲に対してこれらの免疫系がさらに効果的になることで、これらの疾病の防止および治療における本発明の組成物の効果が発揮されることから、当業者は、本発明の組成物の効果が、これらの試験において検討された疾病に限定されるものではないことを理解するであろう。

本発明の組成物の摂取によって、これらの試験において検討された広範囲の疾病の頻度および重症度が減少したことから、様々な経路、例えば −飛沫との接触−別のヒトの咳またはくしゃみ、 −直接的な物理的接触−性的な接触を含む、感染者との接触、 −間接的な物理的接触−通常、汚染された土壌または汚染された表面との接触、 −空気感染−肺および消化管の粘膜への接触に関する、 −糞口感染−通常、汚染された食品または水源に由来する、 −間接的な感染、例えば媒介生物(例えば蚊)または中間体宿主のいずれかである、別の生物による感染、 を通して被験体に感染するかまたは被験体を発症させる、病原体または免疫不全に対する防御に該組成物が有効であることを、当業者は理解するであろう。

実施例3:本発明の組成物の抗炎症効果 In vitro試験を行って、T細胞への抗原提示を模倣する抗CD3および抗CD28抗体(CD3+CD28)の会合によって刺激されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)における組成物の抗炎症効果を評価した。

1.末梢血単核細胞(PBMC)のT細胞活性化モデルにおけるインターフェロンγ(IFN−γ)および腫瘍壊死因子α(TNF−α)サイトカイン放出の測定 In vitro試験を行って、末梢血単核細胞(PBMC)における組成物の抗炎症効果を評価した。

活性化PBMCによるIFN−γおよびTNF−αサイトカインの放出における、組成物の効果を評価した。抗原によって誘発されるT細胞の活性化を模倣する刺激方法である、抗CD3および抗CD28抗体の会合によってPBMCを刺激した。3人の異なるドナーについて、3つの独立した実験を平行して行った。

末梢血単核細胞(PBMC)は、感染と戦い、侵入物に合わせて変化する免疫系の重要な構成要素の血液細胞である。末梢血単核細胞(PBMC)は、リンパ球、単球およびマクロファージである。ヒトリンパ球集団は、T細胞(CD4およびCD8陽性、〜75%)、B細胞およびNK細胞(合わせて〜25%)からなる。

インターフェロンガンマ(IFN−γ)は、活性化T細胞によって産生される炎症誘発性サイトカインである。腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)は、マクロファージ、活性化T細胞、ナチュラルキラー細胞および肥満細胞のような様々な細胞によって産生される、非常に重要な炎症誘発性サイトカインである。IFN−γおよびTNF−αの両方は、細胞介在性免疫に関与している。

試験1: 血液の層を分離する親水性の多糖であって、血液を、血漿の上層と、その下のPBMC、ならびに多形核球(例えば好中球および好酸球)および赤血球の下層画分に分離するフィコールを用いて、PBMCをヒト全血から抽出した。赤血球を溶解することによって多形核球をさらに分離した。 抗CD3および抗CD28抗体の組み合わせ(CD3:10μg/ml、CD28:3μg/ml)を用いて、PBMCをin vitroで2日間活性化させた。 4つの異なる濃度、すなわち0.04、0.6、8.8および133ng/mlの、本発明の組成物の存在下または非存在下でPBMCをインキュベートした。 濃度が1μMのシクロスポリンAを陽性対照として用いた。 ELISA(Diaclone)を製造者の指示に従って用いることで、細胞培養上清中のIFN−γおよびTNF−αを定量化した。

結果

該組成物は、活性化PBMCによるIFN−γの放出に対する有意な阻害効果を誘導し、その効果は133ng/mlにおいて78%の阻害(ドナー1)に達した。 該組成物は、活性化PBMCによるTNF−αの放出に対する有意な抑制効果を誘導し、その効果は0.6ng/mlにおいて40%の阻害(ドナー3)、および133ng/mlにおいて72%の阻害(ドナー3)に達した。 1μMにおいて試験した参照のシクロスポリンAは、活性化PBMCによるIFN−γおよびTNF−αの放出を有意に阻害した。これらの結果は予想されたものであり、本アッセイを立証したものである。

結論 本アッセイの実験条件下で、該組成物は、活性化PBMCによるIFN−γおよびTNF−αサイトカインの放出の有意な阻害を誘導した。生物材料の使用に特有である実験の変動を考慮した上で、該組成物はT細胞の抗原刺激モデルにおいて有意な抗炎症活性を示し、この効果は0.6という低濃度でも観察された。

試験2 1人のドナー由来のPBMCを抽出した後、試験1のように、抗CD3および抗CD28抗体の組み合わせ(CD3:10μg/ml、CD28:3μg/ml)を用いて、in vitroで2日間活性化させた。 2つの異なる濃度、すなわち0.6および8.8ng/mlの、本発明の組成物の存在下または非存在下でPBMCをインキュベートした。 濃度が1μMのシクロスポリンAを陽性対照として用いた。 ELISA(Diaclone)を製造者の指示に従って用いることで、細胞培養上清中のIFN−γおよびTNF−αを定量化した。

結果

該組成物は、活性化PBMCによるIFN−γの放出に対する有意な抑制効果を誘導し、その効果は0.6ng/mlにおいて最大62%の阻害に達した。 該組成物は、活性化PBMCによるTNF−αの放出に対する有意な抑制効果を誘導し、その効果は0.6ng/mlにおいて最大44%の阻害に達した。 1μMにおいて試験した参照のシクロスポリンAは、活性化PBMCによるIFN−γおよびTNF−αの放出を有意に阻害した。これらの結果は予想されたものであり、本アッセイを検証したものである。

試験3 本発明の組成物の細胞傷害性効果を除外するため、Jurkat細胞を、様々な濃度の本発明の組成物と共に2日間培養して、細胞生存率をMTT還元アッセイによって定量化した。 MTTアッセイは、細胞生存率を評価するための比色アッセイである。NAD(P)H依存性の細胞酸化還元酵素は、規定の条件下で、存在する生細胞の数を反映し得る。これらの酵素は、テトラゾリウム色素であるMTT、すなわち3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドを、その不溶性で紫色のホルマザンに還元することができる。テトラゾリウム色素アッセイは、細胞傷害性(生細胞の減少)または細胞増殖抑制活性(増殖から休止状態へのシフト)を測定するために用いることができる。

結果

結論 試験を行ったすべての濃度において、細胞生存率に対する影響がみられないことから証明されるように、本発明の組成物は、アッセイ条件下でin vitroにおける細胞傷害性を示さなかった。

実施例4:インフルエンザA感染のマウスモデルにおける、本発明の組成物の経口投与の有効性についての試験 本実験では、感受性マウスのインフルエンザウイルス感染に対する組成物の効果を試験した。 実験プロトコル: 8週齢のC57BL/6雌マウス(8マウス/群)を、本発明の組成物を10、100、または800ng/日/マウス含む固形飼料によって、3週間飼育した。300PFU(プラーク形成単位)のインフルエンザAウイルス(H3N2スコットランド/20/74)と、ケタミン−キシラジン(マウスあたり、それぞれ1および0.2mg)麻酔薬とを混合して含む生理食塩水溶液の40μlを用いて、マウスの鼻腔内に感染させた。 処置に用いた記号は以下のとおりである。 ビヒクル=IMT−A 10ng組成物/日/マウス=IMT−BまたはIMT10 100ng組成物/日/マウス=IMT−CまたはIMT100 800ng組成物/日/マウス=IMT−DまたはIMT800 感染後3日目に、肺および気管支肺胞洗浄液(BALF)のサンプルを得て、分析を行った。 細胞、特に好中球、マクロファージおよびリンパ球の存在について、BALFを分析した。 肺組織を均質化し、RNAを抽出した後、ポリメラーゼ連鎖反応技術を用いてウイルス量を定量化した。この発現は、ウイルスDNAのコピー数、すなわちウイルス量を表す。 マウス群は以下のとおりである。

+の記号は、表の左欄に示すマウスの群番号が、最上欄に示す処置を受けたことを指す。

結果 図9Aおよび図9B:インフルエンザウイルスAを感染させたマウス気管支肺胞洗浄液(BALF)中の免疫細胞の補充に対する組成物の効果。 マウスの気管支肺胞洗浄液を、浸潤細胞の存在について細胞学的に分析した。全細胞および好中球(図9A)ならびにマクロファージおよびリンパ球(図9B)を定量化した。 10、100および800ng/日の組成物を用いた治療は、インフルエンザ感染マウスの気管支肺胞洗浄液中の全細胞、好中球、マクロファージおよびリンパ球の数を有意に減少させた。 図10:インフルエンザウイルスAを感染させたマウスの肺のインフルエンザウイルス量に対する組成物の効果。 マウスの肺を均質化し、RNAを抽出した後、定量的ポリメラーゼ連鎖反応プロトコルを用いてウイルスのコピー数を定量化した。 100および800ng/日の組成物を用いた治療は、インフルエンザ感染マウスの肺におけるインフルエンザウイルスの量を有意に減少させた。

結論 本試験の実験条件下で、試験に用いたすべての濃度(10、100および800ng/マウス/日)の組成物が、有意な抗炎症活性を示した。実際にこれらの条件下で、該組成物は、感染マウスの肺における、好中球、マクロファージおよびリンパ球を含む浸潤細胞の数を有意に減少させた。 本試験の実験条件下で、試験に用いたすべての濃度(10、100および800ng/マウス/日)の組成物が、インフルエンザ感染からのマウスの有意な保護を示した。実際にこれらの条件下で、該組成物は、感染マウスの肺におけるウイルス量を有意に減少させた。

実施例5:マラリア抗原タンパク質を用いたワクチン接種プロトコルのマウスモデルにおける、本発明の組成物の経口投与の有効性についての試験 目的: マウスにおけるワクチン接種プロトコルの抗原タンパク質に対する免疫応答を増強させる、本発明の組成物の能力について試験する。 実験プロトコル: マウス(1群あたり5マウス)を、対照固形飼料または本発明の組成物(1日の摂取量が800ng/マウスに相当する)を含む固形飼料を用いて21日間飼育した。次にマウスを、20μgの熱帯熱マラリア原虫のP27Aタンパク質と、アジュバントとしてのミョウバンを用いて免疫し、次に21日間の間隔で、20μgの熱帯熱マラリア原虫のP27Aタンパク質と、アジュバントとしてのミョウバンを用いて2回免疫した。最後の免疫後11日目に血液を採取し、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)によってP27Aタンパク質に特異的な抗体力価を定量化した。

結果: 本発明の組成物によって治療したマウス血液中のP27Aタンパク質に対する抗体力価は、2倍を超えて増大した(図11)。

結論: 本発明の組成物は、ワクチン接種プロトコルの抗原に対する免疫応答を増強させるために効果的である。 アルミニウムアジュバントは、2型免疫応答の誘導を介して抗体を誘導することによって防御を行うワクチンのためのアジュバントである。本発明の組成物は、P27A抗原に特異的な抗体の産生を刺激して、抗体の数を増加させることによって、このアジュバントの効果を増強する。この効果は、それら両方が抗体産生を増大させる機構である、ミョウバンのアジュバント効果を増強することによって、または抗原それ自体の免疫原性を増強することによって、仲介され得る。 ミョウバンは、ヒトのワクチン接種において最も一般に使用されるアジュバントである。ミョウバンの使用は、ジフテリア−破傷風−百日咳、ヒトパピローマウイルスおよび肝炎ワクチンを含む多数のワクチンに見出される。したがって本発明の組成物は、多数のワクチンに対する免疫応答を増強させるために用いられてよく、このことによって、ワクチンを介した複数の疾病の防止がより良いものとなる。

実施例6:

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