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植物病原体の生物的防除のための系および方法

阅读:326发布:2020-05-11

专利汇可以提供植物病原体の生物的防除のための系および方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明の技術は、 植物 病原体 および草食動物を防除するための新規の系、方法、および戦略に関する。本発明の技術は、阻害性RNA分子を病原体感染植物に送達するように構成された新規な組成物、系、および方法を具体的に含み得る。好ましい実施形態では、本発明は、1つ以上の阻害性RNA分子を病原体感染植物に送達するように構成された遺伝子操作内生細菌を含み得る。1つの好ましい実施形態は、ウイルスにコードされたタンパク質を標的とするヘアピンRNAの新規の 生物 界間送達を含み得、これにより、結果として、ウイルスタンパク質蓄積レベルの低下をもたらす。 【選択図】図1,下面是植物病原体の生物的防除のための系および方法专利的具体信息内容。

植物病原体の生物的防除のための系であって、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成するステップと、 −植物病原体中の少なくとも1つの標的配列に向けられた二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含む核酸構築物により、前記遺伝子改変内生細菌を形質転換するステップと、 前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入するステップと、 前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させるステップと、を含み、前記RNAiメカニズムにより、植物病原体における前記少なくとも1つの標的配列の下方制御が引き起こされる、系。前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入する前記ステップが、1回以上の浸漬、噴霧、注入、エアロゾル散布、環境エアロゾル散布、源での環境エアロゾル散布、凍結乾燥(lyophilized)、凍結乾燥(freeze−dried)、マイクロカプセル化、乾燥、水性キャリア中、溶液中、ブラッシング、ドレッシング、滴下、およびコーティングからなる群から選択されるステップを含む、請求項1に記載の方法。前記植物が、単子葉植物および/または双子葉植物である、請求項2に記載の方法。前記植物が、穀物、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギ、オーツムギ、モロコシ、キビ、ヒマワリ、ベニバナ、綿、大豆、キャノーラ、アルファルファ、シロイヌナズナ、アサ、ジャガイモ、アブラナ属、ピーナッツ、タバコ、熱帯の果物および花、バナナ、ウキクサ、グラジオラス、サトウキビ、パイナップル、デーツ、タマネギ、パイナップル、カシューナッツ、ピスタチオ、花、観葉植物、針葉樹、落葉性、ブドウ、柑橘類、バラ、りんご、モモ、イチゴ、アーモンド、コーヒー、オーク、豆、さや、スイカ、カボチャ、キャベツ、カブ、マスタード、サボテン、ペカン、亜麻、サツマイモ、大豆、ココナッツ、アボカド、ビート、カンタロープメロン、野菜からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。前記植物病原体が、植物ウイルス、植物ウイロイド、真菌有害生物、草食動物、およびカビからなる群から選択される植物病原体である、請求項4に記載の方法。前記植物ウイルスが、タバコモザイクウイルス(TMV);トマト黄化えそウイルス(TSWV);トマト黄化巻葉ウイルス(TYLCV);キュウリモザイクウイルス(CMV);ジャガイモウイルスY(PVY);カリフラワーモザイクウイルス(CaMV);アフリカキャッサバモザイクウイルス(ACMV);プラムポックスウイルス(PPV);ブロムモザイクウイルス(BMV);ジャガイモウイルスX(PVX);カンキツトリステザウイルス;オオムギ黄萎ウイルス;ジャガイモ巻葉ウイルスおよびトマトブッシースタントウイルスからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。前記標的配列が、ウイルスの重要領域の配列、ウイルス科の保存された配列、および異なるウイルス科のメンバー間の保存された配列からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。抑制される前記標的配列が、前記タバコモザイクウイルス中のレプリカーゼ遺伝子、運動タンパク質、コートタンパク質;前記トマト黄化えそウイルス中の糖タンパク質(GP)、NSmタンパク質、NSsタンパク質、ウイルスRNAゲノムセグメントL、M、S;前記トマト黄化巻葉ウイルス中のV1、V2、C1、C2、C3、C4、V1タンパク質;前記キュウリモザイクウイルス中の1a、2a2bタンパク質、3a、コートタンパク質;前記ジャガイモウイルスY中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、NIb、CP;前記カリフラワーモザイクウイルス中の運動タンパク質、2つのアブラムシ伝達因子(P2および/またはP3)、キャプシドタンパク質の前駆体(P4)、プロテイナーゼのポリタンパク質前駆体、P5、P6タンパク質;前記アフリカキャッサバモザイクウイルス中のAV1、AV2、AC1、AC2、AC3、AC4、BC1、BV1;前記プラムポックスウイルス中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、NIb、CP;前記ブロムモザイクウイルス中の1a、2a、運動タンパク質、コートタンパク質;前記ジャガイモウイルスX中のレプリカーゼ、TGB1、TGB2、TGB3、コートタンパク質からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記真菌が、イネいもち病菌;灰色かび病菌;プッチニア属;ムギ類赤カビ病;フザリウムオキシスポラム;オオムギうどんこ病菌;コムギ葉枯病菌;コレトトリカム属;トウモロコシ黒穂病菌;アマさび病菌、ダイズさび病菌およびリゾクトニア・ソラニ−からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。前記標的配列が、真菌必須遺伝子の重要領域の配列、必須遺伝子ファミリーの保存配列、および異なるウイルス科のメンバー間の保存必須遺伝子からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。前記標的配列が、RNAのノンコーディング領域、RNAのコーディング領域からなる群から選択され、前記標的配列がRNAのスプライス部位を含む、請求項1、7、または9のいずれか一項に記載の方法。前記核酸構築物がプラスミドである、請求項1に記載の方法。前記プラスミドが、pAD−WRKY−GHYl;pAD−ADH−GHY2;pOXB−WRKY−GHY3;pOXB−ADH−GHY4;pAD−WRKY−GHY5;hpRNA pAD−ADH−GHY6;およびhpRNA pAD−WRKY−GHY7からなるプラスミドの群からの前記標的配列を含むように改変されている、請求項11に記載の方法。植物病原体中の少なくとも1つの標的配列に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができるように構成された前記siRNAが、プロモーターに作動可能に連結されている、請求項1に記載の方法。前記プロモーターが、非構成的プロモーター、誘導性プロモーター、病原体誘導性プロモーター、組織優先的(tissue−preferred)プロモーター、組織特異的プロモーター、植物特異的プロモーター、または構成的プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、請求項13に記載の方法。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、アシドバクテリア、放線菌、アルファプロテオバクテリア、アルマティモナス、バクテロイデス、ベータプロテオバクテリア、デルタプロテオバクテリア、フィルミクテス、グラムプロテオバクテリア、TM7、バチルス、大腸菌からなる群から選択される、請求項1の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、M−JM109−GHY2である、請求項15に記載の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が枯草菌CCB422である、請求項15に記載の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、大腸菌HT27またはHT115である、請求項15に記載の方法。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、過胞形成活性を有する遺伝子改変植物内生細菌、JC8031であり、かつ/または他の細菌によりナノチューブ形成を増強するのに十分な1つ以上の栄養素要求株を有する遺伝子改変植物内生細菌である、請求項1または18に記載の方法。前記siRNAが前記植物において移動する、請求項1に記載の方法。前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させる前記ステップであって、前記RNAiメカニズムにより、前記植物病原体において、前記少なくとも1つの標的配列の下方制御が引き起こされるステップが、前記核酸構築物を継続的に発現させ、それにより前記植物において持続的なRNAiメカニズムを開始するステップを含み、前記持続的なRNAiメカニズムが、前記植物に、前記植物病原体感染に対して野生型よりも高い耐性を持たせる、請求項1に記載の方法。少なくとも1つのヘルパー遺伝子を共発現するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。植物病原体中の少なくとも1つの異なる標的配列に向けられる少なくとも1つの追加のsiRNA分子を共発現するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記ヘルパー遺伝子が、VrrA;SID1;SID2;AG01;AG02;AG07;YmdB;YmdB;スタウフェン;RDE−4;HlyA;Sec−およびTat−分泌シグナルペプチド;1つ以上の細胞透過性ペプチド(CPP);Tat;アンテナペディア;ACCデアミナーゼ;1つ以上の師部RNAトランスポーター;PP2−A1;PSRP1;DRB1;DRB4;HEN1およびSTV1からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。前記共発現ヘルパー遺伝子が、前記遺伝子改変植物内生細菌内で形質転換された前記核酸構築物および/または二次核酸構築物から発現する、請求項23に記載の方法。前記植物が、病原体感染植物を含む、請求項5に記載の方法。前記植物が、前記植物病原体に感染していない植物である、請求項1に記載の方法。前記真菌植物病原体の前記1つの標的配列が、前記イネいもち病菌中のMoABC1、MoMAC1およびMoPMK1、Iug6、Iug9およびIug18、MoMpg1、MoEmp1、MoMhp1、MoMsp1、MC69、ならびにSlp1;前記灰色かび病中のBcpg1およびBMP1;前記プッチニア属中のAPK、シクロフィリン、およびカルシニューリン調節サブユニット、ならびに分泌タンパク質;前記ムギ類赤カビ病中のMAP1、およびMAPキナーゼgpmk1;前記フザリウムオキシスポラム中のMAPキナーゼ、pg1、病原性関連遺伝子、分泌タンパク質;前記オオムギうどんこ病菌中のエフェクター遺伝子Avra10、病原性関連遺伝子、分泌タンパク質;前記コムギ葉枯病菌中の病原性関連遺伝子、MgSlt2、ABCトランスポーター遺伝子MgAtr1およびMgAtr2、分泌タンパク質;前記コレトトリカム属中のCMK1およびclk1、病原性関連タンパク質10;前記トウモロコシ黒穂病菌中の病原性関連遺伝子、Kpp2、ukc1、分泌タンパク質;および前記アマさび病菌中の病原性関連遺伝子、分泌タンパク質からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。前記小さい阻害性リボ核酸(siRNA)が、植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子を下方制御するように構成され、かつ1つ以上の特異的RNAモチーフを有するように構成された小さい阻害性リボ核酸(siRNA)であり、前記RNAモチーフをdsRNAに組み込んで、これにより、前記植物の師部を介した伝達を促進し得る、請求項1に記載の方法。阻害性RNA分子を植物に送達するための生物界間系であって、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成するステップと、 −植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子を下方制御するように構成された少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含む核酸構築物により、前記遺伝子改変植物内生細菌を形質転換するステップと、 −前記伝子改変植物内生細菌を植物に導入するステップと、 −前記植物において、RNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させるステップであって、前記RNAiメカニズムにより、前記植物病原体の前記少なくとも1つの必須遺伝子の下方制御が引き起こされるステップと、を含む、系。前記siRNAが、前記植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子の前記標的配列に完全にまたは部分的に相補的である1つ以上のhpRNAを含む、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記遺伝子組換え内生細菌を植物に導入する前記ステップが、1回以上の浸漬、噴霧、注入、エアロゾル散布、環境エアロゾル散布、水源での環境エアロゾル散布、凍結乾燥(lyophilized)、凍結乾燥(freeze−dried)、マイクロカプセル化、乾燥、水性キャリア中、溶液中、ブラッシング、ドレッシング、滴下、およびコーティングからなる群から選択されるステップを含む、請求項31に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記植物が、単子葉植物および/または双子葉植物である、請求項31に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記植物が、穀物、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギ、オーツムギ、モロコシ、キビ、ヒマワリ、ベニバナ、綿、大豆、キャノーラ、アルファルファ、シロイヌナズナ、アサ、ジャガイモ、アブラナ属、ピーナッツ、タバコ、熱帯の果物および花、バナナ、ウキクサ、グラジオラス、サトウキビ、パイナップル、デーツ、タマネギ、パイナップル、カシューナッツ、ピスタチオ、花、観葉植物、針葉樹、落葉性、ブドウ、柑橘類、バラ、りんご、モモ、イチゴ、アーモンド、コーヒー、オーク、豆、さや、スイカ、カボチャ、キャベツ、カブ、マスタード、サボテン、ペカン、亜麻、サツマイモ、大豆、ココナッツ、アボカド、ビート、カンタロープメロン、野菜からなる群から選択される、請求項33に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記植物病原体が、植物ウイルス、植物ウイロイド、真菌、有害生物、草食動物、およびカビからなる群から選択される植物病原体である、請求項34に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記植物ウイルスが、タバコモザイクウイルス(TMV);トマト黄化えそウイルス(TSWV);トマト黄化巻葉ウイルス(TYLCV);キュウリモザイクウイルス(CMV);ジャガイモウイルスY(PVY);カリフラワーモザイクウイルス(CaMV);アフリカキャッサバモザイクウイルス(ACMV);プラムポックスウイルス(PPV);ブロムモザイクウイルス(BMV);ジャガイモウイルスX(PVX);カンキツトリステザウイルス;オオムギ黄萎ウイルス;ジャガイモ巻葉ウイルスおよびトマトブッシースタントウイルスからなる群から選択される、請求項35に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記ウイルス植物病原体の前記少なくとも1つの必須遺伝子が、ウイルスの重要領域の配列、ウイルス科の保存された配列、および異なるウイルス科のメンバー間の保存された配列からなる群から選択される、請求項36に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。ウイルス性植物病原体の前記必須遺伝子が、前記タバコモザイクウイルス中のレプリカーゼ遺伝子、運動タンパク質、コートタンパク質;前記トマト黄化えそウイルス中の糖タンパク質(GP)、NSmタンパク質、NSsタンパク質、ウイルスRNAゲノムセグメントL、M、S;前記トマト黄化巻葉ウイルス中のV1、V2、C1、C2、C3、C4、V1タンパク質;前記キュウリモザイクウイルス中の1a、2a2bタンパク質、3aコートタンパク質;前記ジャガイモウイルスY中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、Nib、CP;前記カリフラワーモザイクウイルス中の運動タンパク質、2つのアブラムシ伝達因子(P2および/またはP3)、キャプシドタンパク質の前駆体(P4)、プロテイナーゼのポリタンパク質前駆体、P5、P6タンパク質;前記アフリカキャッサバモザイクウイルス中のAV1、AV2、AC1、AC2、AC3、AC4、BC1、BV1;前記プラムポックスウイルス中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、Nib、CP;前記ブロムモザイクウイルス中の1a、2a、運動タンパク質、コートタンパク質;前記ジャガイモウイルスX中のレプリカーゼ、TGB1、TGB2、TGB3、コートタンパク質からなる群より選択される、請求項37阻害性RNA分子を植物に送達する生物界間系。前記真菌が、イネいもち病菌;灰色かび病菌;プッチニア属;ムギ類赤カビ病;フザリウムオキシスポラム;オオムギうどんこ病菌;コムギ葉枯病菌;コレトトリカム属;トウモロコシ黒穂病菌;アマさび菌、ダイズさび病菌およびリゾクトニア・ソラニ−からなる群から選択される、請求項35に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記真菌植物病原体の前記少なくとも1つの必須遺伝子が、真菌必須遺伝子の重要領域の配列、真菌遺伝子ファミリーの保存された配列、および異なる真菌必須遺伝子ファミリーのメンバー間の保存された配列からなる群から選択される、請求項39に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記真菌植物病原体の前記少なくとも1つの必須遺伝子が、前記イネいもち病菌中のMoABC1、MoMAC1およびMoPMK1、病原性関連遺伝子、エフェクターIug6、Iug9およびlug18、MoMpg1、MoEmp1、MoMhp1、MoMsp1、MC69、およびSlp1;前記灰色かび病中のBcpg1およびBMP1;前記プッチニア属中のAPK、シクロフィリン、およびカルシニューリン調節サブユニット、ならびに分泌タンパク質;前記ムギ類赤カビ病中のMAP1、およびMAPキナーゼgpmk1;前記フザリウムオキシスポラム中のMAPキナーゼ、pg1、病原性関連遺伝子、分泌タンパク質;前記オオムギうどんこ病菌中のエフェクター遺伝子Avra10、病原性関連遺伝子、分泌タンパク質;前記コムギ葉枯病菌中の病原性関連遺伝子、MgSlt2、ABCトランスポーター遺伝子MgAtr1およびMgAtr2、分泌タンパク質;前記コレトトリカム属中のCMK1およびclk1、病原性関連タンパク質10;前記トウモロコシ黒穂病菌中の病原性関連遺伝子、Kpp2、ukc1、分泌タンパク質;および前記アマさび病菌中の病原性関連遺伝子、分泌タンパク質からなる群から選択される、請求項40に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記核酸構築物がプラスミドである、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記プラスミドが、pAD−WRKY−GHYl;pAD−ADH−GHY2;pOXB−WRKY−GHY3;pOXB−ADH−GHY4;pAD−WRKY−GHY5;hpRNA pAD−ADH−GHY6;およびhpRNA pAD−WRKY−GHY7からなるプラスミドの群からの前記標的配列を含むように改変されている、請求項42に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記核酸構築物が、植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子を下方制御するように構成された少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含み、プロモーターに連結されている、請求項42に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記プロモーターが、非構成的プロモーター、誘導性プロモーター、病原体誘導性プロモーター、組織優先的プロモーター、組織特異的プロモーター、植物特異的プロモーター、または構成的プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、請求項44に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、アシドバクテリア、放線菌、アルファプロテオバクテリア、アルマティモナス、バクテロイデス、ベータプロテオバクテリア、デルタプロテオバクテリア、フィルミクテス、グラムプロテオバクテリア、TM7、バチルス、大腸菌からなる群から選択される、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記遺伝子改変植物内生細菌がM−JM109−GHY2である、請求項46に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記遺伝子改変植物内生細菌が枯草菌CCB422である、請求項46に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記遺伝子改変植物内生細菌が、大腸菌HT27またはHT115である、請求項46に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、過胞形成活性を有する遺伝子改変植物内生細菌、JC8031であり、かつ/または他の細菌によりナノチューブ形成を増強するのに十分な1つ以上の栄養素要求株を有する遺伝子改変植物内生細菌である、請求項30または49に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記siRNAが前記植物において移動する、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系であって、前記ステップでは、前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させ、前記RNAiメカニズムが、前記植物病原体の前記少なくとも1つの必須遺伝子の下方制御を引き起こし、前記核酸構築物を継続して発現させ、それにより前記植物において持続的RNAiメカニズムを開始させるステップを含み、前記持続的RNAiメカニズムが、前記植物に、野生型よりも大きい前記植物病原体感染に対する耐性を持たせるようにする、系。少なくとも1つのヘルパー遺伝子を共発現するステップをさらに含む、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記ヘルパー遺伝子が、VrrA;SID1;SID2;AG01;AG02;AG07;YmdB;YmdB;スタウフェン;RDE−4;HlyA;Sec−およびTat−分泌シグナルペプチド;1つ以上の細胞透過性ペプチド(CPP);Tat;アンテナペディア;ACCデアミナーゼ;1つ以上の師部RNAトランスポーター;PP2−A1;PSRP1;DRB1;DRB4;HEN1およびSTV1からなる群から選択される、請求項52に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。前記小さい阻害性リボ核酸(siRNA)が、植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子を下方制御するように構成され、かつ1つ以上の特異的RNAモチーフを有するように構成された小さい阻害性リボ核酸(siRNA)であり、前記RNAモチーフをdsRNAに組み込んで、これにより、前記植物の師部を介した伝達を促進し得る、請求項30に記載の、植物へ阻害性RNA分子を送達するための生物界間系。−抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成するステップと、 −前記植物におけるRNA干渉(RNAi)メカニズムの誘導を介して植物病原体における前記少なくとも1つの標的遺伝子の発現を下方制御するように構成された少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含む核酸構築物により、前記遺伝子改変植物内生細菌を形質転換するステップと、 −前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入するステップと、を含む、 植物中の病原体を抑制する方法。癌対象に投与されているヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤療法治療の効または有効性を評価する方法であって、 −t0の時点において前記対象から得られた第1のサンプル中において測定されるバイオマーカーの発現レベルと、t1の時点において前記対象から得られた第2のサンプル中の前記バイオマーカーのレベルと、を比較することを含み、 前記マーカーは、表4で特定された群から選択されたバイオマーカーであり、 前記第1のサンプルに対する前記第2のサンプル中の前記バイオマーカーの前記レベルの変化は、前記ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤治療が前記対象における癌の治療に有効であることの指標である、方法。前記比較することが、ある時間範囲にわたって繰り返される、請求項56に記載の方法。植物におけるRNA媒介病原体抑制の有効性を評価する方法であって、 比較することを含む前記方法は、 −前記植物から得られた第1のサンプルにおいて、t0の時点において測定された植物病原体標的遺伝子の発現レベルを決定し、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成することであって、核酸構築物を有する前記遺伝子改変植物内生菌が、植物病原体の少なくとも1つの標的遺伝子に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる前記少なくとも1つの低分子阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含む、生成することと、 −前記遺伝子改変植物内生細菌をt1の時点で植物に導入することと、 −前記核酸構築物を発現させて、前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導することができるようにし、前記RNAiメカニズムにより、植物病原体における前記少なくとも1つの標的配列の前記下方制御が引き起こされることと、を含み、 −t2の時点おいて、前記植物から得られた第1のサンプルにおいて測定された前記植物病原体標的遺伝子の前記発現レベルを決定する、方法。前記比較することが、ある時間範囲にわたって繰り返される、請求項58に記載の方法。植物におけるRNA媒介病原体抑制の有効性を評価する方法であって、 比較することを含む前記方法は、 −t0の時点において、前記植物から得られた第1のサンプル中で測定された植物病原体のレベルを決定し、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成することであって、核酸構築物を有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、植物病原体の少なくとも1つの必須標的遺伝子に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる前記少なくとも1つの低分子阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているポリヌクレオチドを含む、生成することと、 −t1の時点で前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入することと、 −前記核酸構築物を発現させて、前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導することができるようにし、前記RNAiメカニズムにより、植物病原体における前記少なくとも1つの標的配列の前記下方制御が引き起こされることと、を含み、 −t2の時点において、前記植物から得られた第1のサンプル中で測定された植物病原体のレベルを決定する方法。前記比較することが、ある時間範囲にわたって繰り返される、請求項58に記載の方法。抑制されたRNaseIII活性を有する有効量の遺伝子改変植物内生細胞を導入するステップであって、前記遺伝子改変植物内生細胞が、植物病原体において、少なくとも1つの標的配列に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸をコードしているポリヌクレオチドを含む核酸構築物を有するステップを含む、病原体感染植物を治療する方法。有害生物耐性植物を生成する方法であって、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成するステップと、 −有害生物または草食動物において、少なくとも1つの必須遺伝子に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸をコードしているポリヌクレオチドを含む核酸構築物により前記遺伝子改変内生細胞が形質転換されるステップと、 −前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入するステップと、 −前記植物中においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させるステップであって、前記植物が、前記有害生物及び/又は草食動物によって消費され、前記RNAiメカニズムが、有害生物または草食動物における少なくとも1つの必須遺伝子に向けられているhpRNAのdsRNAの蓄積を引き起こし、これにより、有害生物または草食動物の少なくとも1つの必須遺伝子に向けられているhpRNAのdsRNAが、RNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するようにし、結果として、前記有害生物および/または草食動物における有害生物および/または草食動物における少なくとも1つの必須遺伝子の抑制をもたらすステップと、を含む方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、有害生物の腸にコロニー形成することができる、請求項60に記載の方法。前記siRNAが、昆虫の少なくとも1つの外骨格遺伝子の前記標的配列に完全にまたは部分的に相補的である1つ以上のhpRNAを含む、請求項60に記載の方法。前記ウイルス性有害生物または草食動物の前記少なくとも1つの必須遺伝子が、有害生物または草食動物の重要領域の配列、有害生物または草食動物ファミリーの保存された配列、異なる有害生物または草食動物ファミリーのメンバー間の保存された配列からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。抑制されたRNaseIII活性を有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、桿菌および/または大腸菌である、請求項63に記載の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、M−JM109−GHY2;枯草菌CCB422、HT27、HT115、JC8031からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。少なくとも1つのヘルパー遺伝子を共発現するステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。前記ヘルパー遺伝子が、VrrA;SID1;SID2;AG01;AG02;AG07;YmdB;YmdB;スタウフェン;RDE−4;HlyA;Sec−およびTat−分泌シグナルペプチド;1つ以上の細胞透過性ペプチド(CPP);Tat;アンテナペディア;ACCデアミナーゼ;1つ以上の師部RNAトランスポーター;PP2−A1;PSRP1;DRB1;DRB4;HEN1およびSTV1からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。

植物病原体の生物的防除のための方法であって、 −抑制されたRNaseIII活性を有する遺伝子改変植物内生細菌を生成するステップと、 −植物病原体中の少なくとも1つの標的配列に向けられた二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる少なくとも1つの小さい阻害性リボ核酸(siRNA)をコードしているプロモーターに作動可能に結合しているポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物により、前記遺伝子改変内生細菌を形質転換するステップと、 前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入するステップと、 前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させるステップと、を含み、前記RNAiメカニズムにより、植物病原体における前記少なくとも1つの標的配列の下方制御が引き起こされる、方法。前記遺伝子改変植物内生細菌を植物に導入する前記方法が、浸漬、噴霧、注入、供給、エアロゾル散布による導入、環境エアロゾル散布をによる導入、水源での環境エアロゾル散布による導入、ブラッシング、ドレッシング、滴下、およびコーティングを施した蚊と、その導入期間の間に、細菌が水性のキャリアや溶液中で凍結乾燥(lyophilized)、凍結乾燥(freeze−dried)、マイクロカプセル化、乾燥される点からなる群から選択される方法を含む、請求項1に記載の方法。前記植物が、単子葉植物および/または双子葉植物である、請求項2に記載の方法。前記植物が、穀物、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギ、オーツムギ、モロコシ、キビ、ヒマワリ、ベニバナ、綿、大豆、キャノーラ、アルファルファ、シロイヌナズナ、アサ、ジャガイモ、アブラナ属、ピーナッツ、タバコ、熱帯の果物および花、バナナ、ウキクサ、グラジオラス、サトウキビ、パイナップル、デーツ、タマネギ、パイナップル、カシューナッツ、ピスタチオ、花、観葉植物、針葉樹、落葉性、ブドウ、柑橘類、バラ、りんご、モモ、イチゴ、アーモンド、コーヒー、オーク、豆、さや、スイカ、カボチャ、キャベツ、カブ、マスタード、サボテン、ペカン、亜麻、サツマイモ、大豆、ココナッツ、アボカド、ビート、カンタロープメロン、野菜からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。前記植物病原体が、植物ウイルス、植物ウイロイド、真菌、有害生物、草食動物、およびカビからなる群から選択される植物病原体である、請求項4に記載の方法。前記植物ウイルスが、タバコモザイクウイルス(TMV);トマト黄化えそウイルス(TSWV);トマト黄化巻葉ウイルス(TYLCV);キュウリモザイクウイルス(CMV);ジャガイモウイルスY(PVY);カリフラワーモザイクウイルス(CaMV);アフリカキャッサバモザイクウイルス(ACMV);プラムポックスウイルス(PPV);ブロムモザイクウイルス(BMV);ジャガイモウイルスX(PVX);カンキツトリステザウイルス;オオムギ黄萎ウイルス;ジャガイモ巻葉ウイルスおよびトマトブッシースタントウイルスからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。前記標的配列が、ウイルスの重要領域の配列、ウイルス科の保存された配列、および異なるウイルス科のメンバー間の保存された配列からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。抑制される前記標的配列が、前記タバコモザイクウイルス中のレプリカーゼ遺伝子、運動タンパク質、コートタンパク質;前記トマト黄化えそウイルス中の糖タンパク質(GP)、NSmタンパク質、NSsタンパク質、ウイルスRNAゲノムセグメントL、M、S;前記トマト黄化巻葉ウイルス中のV1、V2、C1、C2、C3、C4、V1タンパク質;前記キュウリモザイクウイルス中の1a、2a2bタンパク質、3a、コートタンパク質;前記ジャガイモウイルスY中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、NIb、CP;前記カリフラワーモザイクウイルス中の運動タンパク質、2つのアブラムシ伝達因子(P2および/またはP3)、キャプシドタンパク質の前駆体(P4)、プロテイナーゼのポリタンパク質前駆体、P5、P6タンパク質;前記アフリカキャッサバモザイクウイルス中のAV1、AV2、AC1、AC2、AC3、AC4、BC1、BV1;前記プラムポックスウイルス中のPI、HC−Pro、P3、6kl、C1、6k2、NIa、NIb、CP;前記ブロムモザイクウイルス中の1a、2a、運動タンパク質、コートタンパク質;前記ジャガイモウイルスX中のレプリカーゼ、TGB1、TGB2、TGB3、コートタンパク質からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。前記真菌が、イネいもち病菌;灰色かび病菌;プッチニア属;ムギ類赤カビ病;フザリウムオキシスポラム;オオムギうどんこ病菌;コムギ葉枯病菌;コレトトリカム属;トウモロコシ黒穂病菌;アマさび病菌、ダイズさび病菌およびリゾクトニア・ソラニ−からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。前記標的配列が、真菌必須遺伝子の重要領域の配列、必須遺伝子ファミリーの保存配列、および異なるウイルス科のメンバー間の保存必須遺伝子からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。前記標的配列が、RNAのノンコーディング領域、RNAのコーディング領域からなる群から選択され、前記標的配列がRNAのスプライス部位を含む、請求項1に記載の方法。前記核酸構築物がプラスミドである、請求項1に記載の方法。前記プラスミドが、pAD−WRKY−GHYl;pAD−ADH−GHY2;pOXB−WRKY−GHY3;pOXB−ADH−GHY4;pAD−WRKY−GHY5;hpRNA pAD−ADH−GHY6;およびhpRNA pAD−WRKY−GHY7からなるプラスミドの群からの前記標的配列を含むように改変されている、請求項11に記載の方法。植物病原体中の少なくとも1つの標的配列に向けられる二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができるように構成された前記siRNAが、プロモーターに作動可能に連結されている、請求項1に記載の方法。前記プロモーターが、非構成的プロモーター、誘導性プロモーター、病原体誘導性プロモーター、組織優先的(tissue−preferred)プロモーター、組織特異的プロモーター、植物特異的プロモーター、または構成的プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、請求項13に記載の方法。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、アシドバクテリア、放線菌、アルファプロテオバクテリア、アルマティモナス、バクテロイデス、ベータプロテオバクテリア、デルタプロテオバクテリア、フィルミクテス、グラムプロテオバクテリア、TM7、バチルス、大腸菌からなる群から選択される、請求項1の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、M−JM109−GHY2である、請求項15に記載の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が枯草菌CCB422である、請求項15に記載の方法。前記遺伝子改変植物内生細菌が、大腸菌HT27またはHT115である、請求項15に記載の方法。抑制されたRNaseIIIを有する前記遺伝子改変植物内生細菌が、過胞形成活性を有する遺伝子改変植物内生細菌、JC8031であり、かつ/または他の細菌によりナノチューブ形成を増強するのに十分な1つ以上の栄養素要求株を有する遺伝子改変植物内生細菌である、請求項1に記載の方法。前記siRNAが前記植物において移動する、請求項1に記載の方法。前記植物においてRNA干渉(RNAi)メカニズムを誘導するのに十分な時間にわたって、前記核酸構築物を発現させる前記ステップであって、前記RNAiメカニズムにより、前記植物病原体において、前記少なくとも1つの標的配列の下方制御が引き起こされるステップが、前記核酸構築物を継続的に発現させ、それにより前記植物において持続的なRNAiメカニズムを開始するステップを含み、前記持続的なRNAiメカニズムが、前記植物に、前記植物病原体感染に対して野生型よりも高い耐性を持たせる、請求項1に記載の方法。少なくとも1つのヘルパー遺伝子をコードしているプロモーターに作動可能に連結されたヌクレオチド配列を植物において共発現するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。植物病原体中の少なくとも1つの異なる標的配列に向けられる少なくとも1つの追加のsiRNA分子を共発現するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記ヘルパー遺伝子が、VrrA;SID1;SID2;AG01;AG02;AG07;YmdB;YmdB;スタウフェン;RDE−4;HlyA;Sec−およびTat−分泌シグナルペプチド;1つ以上の細胞透過性ペプチド(CPP);Tat;アンテナペディア;ACCデアミナーゼ;1つ以上の師部RNAトランスポーター;PP2−A1;PSRP1;DRB1;DRB4;HEN1およびSTV1からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。前記小さい阻害性リボ核酸(siRNA)が、植物病原体の少なくとも1つの必須遺伝子を下方制御するように構成され、かつ1つ以上の特異的RNAモチーフを有するように構成された小さい阻害性リボ核酸(siRNA)であり、前記RNAモチーフをdsRNAに組み込んで、これにより、前記植物の師部を介した伝達を促進し得る、請求項1に記載の方法。

说明书全文

本出願は、2016年12月6日に出願された米国仮特許出願第62/430,671号の利益および優先権を主張する。上記で参照した出願の明細書および図全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。 配列表

本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

本発明の分野は、概して、植物分子生物学および植物バイオテクノロジーに関する。より具体的には、標的遺伝子の発現を抑制するため、または標的遺伝子を下方制御するための構築物および方法に関する。本発明の技術は、植物病原体有害生物および/または草食動物の生物的防除にさらに関する。具体的には、本発明は、遺伝子改変細菌を介する阻害性RNA分子の送達による、病害伝搬性植物病原体の生物的防除のための新規の技術、系、および方法に関し得る。

世界中で推定2500種以上と推定される農作物の栽培化は、収穫された産物の収量および品質を高める望ましい形質を人為的に選択することを伴う。高投入環境下における農学的標的のための育種は、世界的な作物生産性を首尾よく高めたが、比較的低い多様レベルを有する現代の作物品種を産生する傾向にあった。こうした遺伝的多様性の低下により、非最適条件下での作物の生産に適した品種の入手可能性が制限され得る。他の望ましい形質を選択した結果として、植物防御形質は、栽培植物において欠けているかまたはわずかに発現している可能性がある。農薬の使用が制限されている低投入量系では、現代の品種は、上手く機能しないことが示唆されていることから、このことは、作物生産の持続可能性を改善するための特別な課題を提起している。過去一世紀にわたって作物生産は増加してきているが、雑草、有害生物、病害による世界的な作物の合計損失は、最大40%となり得る(OerkeおよびDehne、2004年)。すべての植生系において、葉、樹液、および根の摂食草食動物により、20%を超える純植物生産性が失われる(Agrawal、2011年)。これらの損失は、過去数十年にわたって農薬の使用が増加しているにもかかわらず発生している(OerkeおよびDehne、2004年)ため、化学物質の投入にあまり依存することなく、病原体および有害生物防除のための持続可能なアプローチを開発する必要性が強調されている。

病害防除は、多くの病害に対して良好な耐性を示すように発育させた植物を使用することによって、ならびに輪作、無病原菌種子の使用、適切な植栽日および植物密度、畑地分の制御、および農薬の使用などの植物栽培アプローチによって、多くの場合達成され、かつ/または強化される。広い地域および多くの作物種において、より発達した環境では、通常、病害により、毎年10%ずつ植物収量が減少するが、あまり発達していない環境では、多くの場合20%を超えて、病害に対して、収量の損失となると推定されている。伝統的な栽培技術では、農業生産量の大幅な増加をもたらしてきたが、これらの技術では植物個体群に対するすべての脅威に対処することはできない。このような脅威は、資金および食料品作物にとって特に深刻である。

これらの傾向を念頭に置いて、深刻化する問題には、植物病原体が、世界中の生産者によって生産される食物、飼料、および繊維の品質ならびに豊富さに対する直接的な脅威であるという事実を伴う。植物病害を予防、軽減または制御するために様々なアプローチが使用され得る。生産者は、多くの場合、伝統的な農学的および園芸的慣行以外に、化学肥料および農薬に頼らざるを得ない。農業へのこれらの投入が、過去100年間にわたって作物の生産性および品質の目覚ましい向上に大きく寄与してきた。しかし、農薬の過剰な使用および誤用によって引き起こされた環境汚染、ならびに一部の農薬反対者たちによる恐怖を利用することにより、農業における農薬の使用に対する人々の態度がかなり変化した。現在では、化学農薬の使用には厳しい規制があり、市場から信頼性の高い効果的な化学物質を排除するという政治的圧が存在している。さらに、自然の生態系において植物病害が拡大することにより、こうした用途の適用を必要とし得る規模であるために、化学物質の適用の奏功を妨げる可能性もある。

農薬および除草剤の使用および/または過剰使用に対処するための1つの方法は、トランスジェニック植物の開発によるものである。トランスジェニック植物DNAは、遺伝子工学技術を用いて修飾される。その目的は、その種において自然に発生することはない新しい形質を植物に導入することである。トランスジェニック植物は、人為的に挿入された遺伝子(複数可)を含み得る。挿入された遺伝子配列は、導入遺伝子として公知であり、無関係の植物または完全に異なる種に由来し得る。こうしたトランスジェニック植物の例としては、抗ウイルスタンパク質複合体、農薬、またはベータカロチンなどの前駆体をビタミンAに変換し得る代謝経路酵素などのタンパク質をコードしている遺伝子の挿入を挙げることができる。植物に遺伝子の組み合わせを挿入する目的は、こうしたトランスジェニック植物を可能な限り有用かつ生産的にすることである。しかしながら、こうしたトランスジェニック植物系はまた、いくつかの科学的および実用的な欠点を有する。

一例では、トランスジェニック植物は、Btベースの毒素の発現を介して特定の昆虫/有害生物を防除するために開発された。感受性昆虫における腸上皮細胞膜の透過処理を助けるBt殺虫タンパク質の発現は、当初、有効であることが判明している。しかしながら、このアプローチは、一部の特定の作物において、いくつかの特定の有害生物を管理することに制限されており、また、一部の昆虫がBtに対する耐性を発現し得るという脅威もある。トランスジェニック植物系に対するさらなる制限としては、それらを選択し、かつ生成するのが困難であり、かつ時間を要するという事実が挙げられ得る。例えば、トランスジェニック株の開発は、種子をうまく繁殖させる能力、または任意の所与の環境におけるトランスジェニック植物種の自然の成長および拡散を可能にする能力によって制限され得る。さらに、トランスジェニック植物の使用に反対して、著しい社会的圧力が生じている。西欧諸国および欧州諸国における動きは、食料品におけるトランスジェニック植物の使用を妨げることを目指していた。さらに、有機産物および非トランスジェニック産物の新しい市場が、過去10年間で同時に生じており、これにより非トランスジェニック植物を市場プレミアムで販売することが可能になっている。最後に、多くのトランスジェニック植物は、一例として、トランスジェニック植物のために、種子の供給を制限し、それによって、多くの第三世界の国々でのそれらの広範な使用を阻害する大きな農業コングロマリットによって制御されている。

いくつかの制限に対処するために、内生菌など、植物ベースの微生物は、有益な遺伝子の送達ベクターとして、ならびに植物病を引き起こすものなど、望ましくない遺伝子の遺伝子阻害として利用することができる。植物は、根、葉、および茎組織など、それらの表面上と同様に細胞内に複数の有益な細菌を保有し得る。植物と関連して生息する内生細菌および外生細菌としては、とりわけ、以下の亜門:アシドバクテリア、放線菌、アルファプロテオバクテリア、アルマティモナス、バクテロイデス、ベータプロテオバクテリア、デルタプロテオバクテリア、フィルミクテス、グラムプロテオバクテリア、TM7、バチルス、大腸菌に含まれるものが挙げられる。

これらの細菌の多くはインビトロで迅速に培養することができ、遺伝子組換えによって外来のRNA分子を発現させることができ、これにより、現在のところ特徴が十分に明らかでない生物界間(trans−kingdom)送達系によって植物に利用可能にされ得る(Baulcombe、2015年;Kimら、2014年;Arguelら、2012年)。例えば、トマト病原性真菌がsRNAを植物に送達できること、および維管束組織を通って真菌sRNAを植物全体に動員させ得ることが論証されている(Baulcombe、2015年;WeibergおよびJin、2015年)。トランスジェニック植物からのsiRNAの生物界間送達もまた、首尾よく論証されており、siRNAを摂取する線虫を防除するために使用されている(Bakhetiら、2005年;Knipら、2014年)。

さらに、微細藻類の細胞質および葉緑体でそれぞれ産生されるsiRNAおよびdsRNAの生物界間送達は、蚊のトリプトファン代謝に関与する必須遺伝子である3−ヒドロキシキヌレニントランスアミナーゼ(HKT)を不活性化することを目的とするものであり、3−HKTの発現を抑制すること、および蚊の死亡率の上昇をもたらすことが示されている(Kumarら、2015年)。しかし、真核生物とは対照的に、細菌は、dsRNA前駆体からsiRNAを生成できるダイサー/RISC複合体を有さない。しかしながら、上述したように、こうした系は未だ十分に理解されておらず、その用途および商業的実行可能性の両方において非効率的である。そのため、植物を餌とする病原体、有害生物および草食動物を防除するための阻害性RNA分子の植物への細菌送達が効率よく論証されていないことについては驚くことではない。例えば、遺伝子の発現を制御するために植物に直接dsRNAまたはsRNAを適用する試みをいくつか行ったが、RNAの産生に多大な費用がかかり、分解が原因で、RNAの寿命が制限された(例えば、非特許文献1を参照されたい)。反対に、本明細書に記載の新規の系では、阻害性RNAが、遺伝子改変細菌によって作られるため、明白な費用なく、dsRNAまたはsRNAが連続産生される。

阻害性RNA分子の効果的な細菌送達を介する植物および/または草食動物個体群に特有の病害の生物的防除に関する前述の問題は、それに対する効果的かつ経済的な解決策に対する長年の必要性を示し得るものである。実装要素が利用可能であり得る間、この必要性を満たす実際の試みは、ある程度欠けていた可能性がある。これは、当業者が問題の本質および関与する課題を十分に認識していなかったまたは理解していなかっためであり得る。

こうした理解の欠如の結果として、これらの長年にわたる必要性を満たすための試みは、本明細書において特定されている問題または課題のうちの1つ以上の効果的な解決とはならなかった可能性がある。これらの試みは、本発明の技術によって取られる技術的な方向から遠ざかってさえいる可能性があり、また、一部の当業者が行ったアプローチの予期せぬ結果をある程度考慮して、本発明の技術が達成したという結果にさえなり得る。以下により詳細に論じるように、本発明の技術は、真に有効なベクター生物的防除戦略の目的を達成しながら、伝統的な植物病原体防除系の限界を克服する。

国際公開第93/10251号

国際公開第94/17194号

国際公開第92/21757号

米国特許出願公開第2003/0175965号明細書

米国特許出願公開第2003/0180945号明細書

Nature Plants 3、Article number:16207(2017)doi:10.1038/nplants.2016.207

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一般に、本発明の技術は、植物病原体、植物ウイルス、真菌病原体、害虫などの植物病原体および有害生物の防除のための新規戦略に関する。具体的には、本発明は、選択された植物病原体および草食動物の生物的防除のための新規の技術、系、および方法を含み得る。

いくつかの実施形態では、本発明は、ウイルスゲノムと相同である阻害性RNAの新規の生物界間送達に関し、ウイルスの複製およびウイルスタンパク質の翻訳を効率的に下方制御するか、または排除する。

1つの好ましい実施形態は、分解するために、病原体をコードしているRNAを標的とするヘアピンRNA/dsRNA分子の新規の生物界間送達を含み得、その結果、コードされたタンパク質の蓄積レベルの低下をもたらす。こうした新規生物界間送達は、病原体コード配列と相同である調節dsRNAまたは調節RNA配列をコードしているヌクレオチド構築物を保有する、遺伝子改変植物内生細菌による植物の感染を介して達成され得る。

別の好ましい実施形態は、ウイルス性病原体にコードされたタンパク質を標的とし、ヘアピンRNAの新規の生物界間送達を含み得、結果的に、ウイルスタンパク質の蓄積レベルの低下をもたらす。こうした新規の生物界間送達は、標的病原体タンパク質と相同であるヘアピンRNAをコードしているヌクレオチド構築物を保有する、遺伝子改変植物内生細菌による植物の感染を介して達成され得る。

別の好ましい実施形態は、真菌病原体にコードされたタンパク質を標的とするヘアピンRNAの新規の生物界間送達を含み得、結果的に、真菌タンパク質の蓄積レベルの低下をもたらす。こうした新規の生物界間送達は、標的病原体タンパク質と相同であるヘアピンRNAをコードしているヌクレオチド構築物を保有する、遺伝子改変植物内生細菌による植物の感染を介して達成され得る。

1つの好ましい実施形態は、有害生物にコードされたタンパク質を標的とするヘアピンRNAの新規の生物界間送達を含み得、これにより、結果として、ウイルスタンパク質の蓄積レベルの低下をもたらす。こうした新規の生物界間送達は、標的病原体タンパク質と相同であるか、または標的病原体タンパク質に向けられたヘアピンRNAをコードしているヌクレオチド構築物を保有する、遺伝子改変植物内生細菌による植物の感染を介して達成され得る。

好ましい一実施形態では、本発明は、遺伝子操作された微生物を導入することによって、植物病原体の複製を無力化し、潜在的に死滅させ、かつ/または妨げるための、新規の生物界をまたぐ(cross−kingdom)メカニズムを使用して、新規の植物由来の病因物質を防除するための革新的な系および戦略を含み得る。これらは、hpRNA、dsRNA、shRNA、siRNA、またはmicroRNAなどの阻害性RNA分子を用いた生殖、病原性、および/または一般的な代謝に関与する病原体において、固有の標的遺伝子の不活性化を標的とし得る(これらの発現により、目的遺伝子に対する標的mRNAの代謝回転がもたらされ得る)。目的の固有の標的遺伝子の例としては、ウイルスコートタンパク質、真菌細胞壁遺伝子、昆虫外骨格成分遺伝子、ならびに真菌および昆虫における代謝遺伝子については、種特異的な固有のmRNA標的が挙げられる。

追加的実施形態では、植物の根、茎、葉および生殖器官内で見いだされ得る組換え操作された内生細菌における、hpRNA、dsRNA、shRNA、siRNAおよびmicroRNAなどの阻害性RNA分子の発現を含む。この実施形態では、本発明の技術は、必須のまたは他の標的植物病原体および/または草食動物遺伝子をノックダウンするための生物界をまたぐ様々なメカニズムを含み得る。ある実施形態では、これは、病原性または生殖などに必要であるか、または必須である標的植物、病原体および/または草食動物の遺伝子を下方制御し得る特異的阻害性RNA分子を発現する植物へ、組換え操作された微生物を導入することによって達成され得る。本発明の技術の追加的実施形態は、様々なプロモーターおよび他の遺伝要素を有するプラスミドなどの遺伝子構築物を包含し、これにより、内生細菌、植物および/または草食動物系において、特異的阻害性RNA分子および他のタンパク質を発現する標的レベルが可能になる。

一態様によれば、本発明は、植物細胞における配列相同性ターゲッティングによる病原体遺伝子(複数可)の下方制御方法、およびこの方法で使用するための核酸構築物、ならびに核酸構築物において使用するためのhpRNAまたはアニールされたdsRNAなどの阻害性RNAポリヌクレオチドを提供する。この方法は、阻害性RNAを産生することができる核酸構築物を細胞に導入すること、およびsiRNA(低分子干渉RNA)またはmicroRNA(miRNA)を産生するのに十分な時間にわたって、核酸構築物を発現させることを含み、siRNA/miRNAが、標的病原体遺伝子または配列の発現を阻害する。miRNA構築物は、二本鎖RNA(dsRNA)またはヘアピン(hpRNA)を形成することができる修飾RNA前駆体をコードしているポリヌクレオチドを含み、修飾RNA前駆体は、修飾miRNAおよび修飾miRNAに相補的な配列を含み、修飾miRNAは、標的配列に対して(i)完全にまたは部分的に相補的であるように修飾されたmiRNAである。当技術分野において周知であるように、プレmiRNAは、ある場合には、二本鎖領域が非常に短い場合もある(例えば21〜25bp長を超えない)ヘアピンを形成する。核酸構築物は、ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含み得る。

いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、細胞は、これらに限定されないが、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギ、オーツムギ、モロコシ、キビ、ヒマワリ、ベニバナ、ワタ、大豆、キャノーラ、アルファルファ、シロイヌナズナなどの植物細胞(単子葉植物または双子葉植物)であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の植物であり得、リンゴ、ブドウ、柑橘類、ナシ、モモ、プラム、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、ザクロ、オリーブ、ピーナッツ、タバコなど、特定の双子葉植物作物でもあり得る。また、植物は、バラ、マリーゴールド、サクラソウ、ハナミズキ、パンジー、ゼラニウムなどの園芸植物であり得る。他の実施形態では、植物はN.ベンサミアナ、N.タバカムなどのタバコである。追加的例は、以下に提供する。プロモーターは、病原体誘導性プロモーターまたは他の誘導性プロモーターであり得る。修飾miRNAが標的RNAに結合することで、標的RNAが切断される。標的RNAの標的配列は、遺伝子のノンコーディング非翻訳領域、コーディング配列、イントロンまたはスプライス部位であり得る。

別の態様によれば、本発明は、修飾された植物miRNAまたはsiRNA前駆体をコードしている単離ポリヌクレオチドを提供し、この修飾前駆体はdsRNAまたはヘアピンを形成することができ、かつ修飾miRNAおよび修飾miRNAに相補的な配列を含み、修飾miRNAは、(i)標的配列と完全にまたは部分的に相補的であるように修飾されたmiRNAである。ポリヌクレオチドの発現は、標的配列の発現を阻害する成熟miRNAをもたらすために宿主細胞中でプロセシングされるmiRNA前駆体を産生する。阻害性RNAポリヌクレオチド(複数可)は、内生細菌などの遺伝子改変微生物または中和病原菌を介して植物に送達し得るプラスミドなどの核酸構築物から形成し得る。核酸構築物は、ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含み得る。プロモーターは、病原体誘導性プロモーターまたは他の誘導性プロモーターであり得る。修飾miRNAが標的RNAに結合することで、標的RNAが切断される。標的RNAの標的配列は、遺伝子のノンコーディング非翻訳領域、コーディング配列、ノンコーディング配列またはスプライス部位であり得る。

別の態様によれば、本発明は、複数の標的配列を抑制するための阻害性RNA核酸構築物を提供する。核酸構築物は、少なくとも2つ、最大で45個またはそれ以上のポリヌクレオチドを含み、それらの各々は、dsRNAまたはヘアピンを形成することができるmiRNA前駆体をコードしている。各miRNAは、本明細書に記載のように、標的と実質的に相補的であるか、または標的と相補的であるように修飾されている。いくつかの実施形態では、構築物中の前駆体miRNAをコードしているポリヌクレオチドの各々が、1つのプロモーターの制御下に個別に置かれる。いくつかの実施形態では、前駆体miRNAをコードしている複数のポリヌクレオチドは、それらが1つのプロモーターの制御下に置かれ得るように互いに作動可能に連結される。プロモーターは、複数のmiRNAの構築物に作動可能に連結されてもよく、または1つのプロモーターに作動可能に連結されてもよい。プロモーターは、病原体誘導性プロモーターまたは他の誘導性プロモーターであり得る。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドは互いに連結されており、このため、発現したときには、単一の転写物を形成するようになる。核酸構築物中にポリヌクレオチドが発現することにより、複数のmiRNA前駆体が産生される。これらの前駆体は、宿主細胞内でプロセシングされて、複数の成熟型miRNAとなり、その各々が、標的配列の発現を阻害する。一実施形態では、成熟miRNAの各々が、標的RNAの各々に結合することで、標的RNAの各々が切断される。標的RNAの標的配列は、遺伝子のノンコーディング非翻訳領域、コーディング配列、遺伝子のノンコーディング非翻訳領域、ノンコーディング配列またはスプライス部位であり得る。阻害性RNAポリヌクレオチド(複数可)は、内生細菌などの遺伝子改変微生物または中和病原菌を介して植物に送達し得るプラスミドなどの核酸構築物から形成され得る。

別の態様によれば、本発明は、遺伝子改変細菌を介して阻害性RNA分子を植物細胞に送達するために有用な方法および組成物を提供する。そのような遺伝子改変細菌は、dsRNAおよびhpRNAなどの阻害性RNA分子を効率的かつ安定的に産生するための遺伝子改変を含み得る。いくつかの実施形態では、そのような遺伝子改変細菌は、RNAaseIII活性を減少させるか、または全く有さないように改変されていてもよく、これにより、細菌中に存在するdsRNAを分解し得る。いくつかの実施形態では、そのような遺伝子改変細菌は、RNAaseIIIのノックアウトを含むように、または酵素活性が低下しているか、もしくは全く有さない突然変異型RNAaseIIIを発現するように改変されていてもよい。

ある実施形態では、組成物は、標的配列の領域に対して実質的な相補性を有する阻害性RNAをコードすることによって、標的遺伝子の発現を選択的に抑制する。miRNA/siRNAは、RNAに転写されるときに、細胞によってプロセシングされる成熟siRNA/miRNAを生成するヘアピン構造を形成することが予測される核酸構築物中にもたらされ、次に、以下に概説する標的遺伝子または配列の発現を抑制する。

追加的実施形態では、核酸構築物は、任意の特定の標的病原体遺伝子の阻害性RNAをコードするためにもたらされる。これは、例えば、植物細胞内またはその周囲にコロニー形成すること、阻害性RNAを発現させて、miRNAプロセシングのために植物細胞に伝達すること、その結果、本明細書に概説されている標的病原体遺伝子を抑制することが可能である遺伝子改変細菌によって発現され得るプラスミドにコードされ得る。任意の阻害性RNAは、コードされた阻害性RNAが標的病原体遺伝子を選択的に標的とし、かつ抑制するように構築物に挿入することができる。

追加的実施形態では、標的配列を抑制するための方法が提供される。この方法は、阻害性RNA分子が、標的配列の領域に対して設計され、かつ細菌プラスミドなどの構築物に挿入されている上記の構築物を使用する。例えば、内生細菌を介して細胞に導入されるときに、細菌内で産生されたmiRNAが産生されて、植物細胞に伝達され、本明細書に概説されるように標的配列の発現を抑制する。いくつかの実施形態では、遺伝子改変細菌は、選択か、または遺伝子操作による過胞形成のいずれかを介してでも呈し得る。ある実施形態では、こうした過胞形成は、細菌性プラスミドによって産生された阻害性RNA分子の周囲の細胞、または細胞表面、または他の植物細胞構造への効率的な輸送を助け得る。

ある実施形態では、標的遺伝子または配列は、内因性植物遺伝子、または異種遺伝子であり得る。また、標的遺伝子は、病原性細菌もしくはウイルス、線虫、草食動物、昆虫、またはカビもしくは真菌などの植物病原体由来の遺伝子であり得る。構築物および/またはmiRNAを含む植物、細胞および種子が提供される。典型的には、細胞は、植物由来の細胞であるが、これらに限定されることなく、酵母、昆虫、線虫、または動物細胞など、他の真核細胞もまた企図される。植物細胞としては、単子葉植物および双子葉植物由来の細胞が挙げられる。本発明はまた、構築物および/またはmiRNAを含む植物および種子を提供する。構築物を含むウイルスおよび原核細胞もまた提供される。

いくつかの実施形態では、標的遺伝子または配列(これらの用語は一般に同義である)は、植物病原体から選択される。標的遺伝子に向けられているか、または病原体の阻害性RNA分子を含む植物または細胞は、病原体に対する感受性の低下および/または耐性の増大を有すると予想される。いくつかの実施形態では、阻害性RNA分子は、内生細菌中でさらに発現させ、かつ作動可能に連結されたプロモーターを含む細菌プラスミドなどの核酸構築物によってコードされる。いくつかの実施形態では、プロモーターは、病原体誘導性プロモーターである。

本発明の1つの目的には、植物における標的化された遺伝子の発現およびウイルス複製を阻止するための細菌dsRNA安定化および送達系を開発することを含む。理解されるように、dsRNAの産生および植物への送達は、dsRNA生合成、輸送、安定化、宿主への輸送および病原体複製の不活性化の調節を含む多成分プロセスである。

本発明の1つの目的には、細菌から植物宿主細胞へのdsRNAの移入を増大するための系および方法を含む。ある実施形態では、これには、dsRNA産生、安定化、輸送および/または送達を増強する細菌株およびヘルパー遺伝子を使用することを含み得る。例えば、あるクラスの細菌では、毒素およびタンパク質などの様々な分子が宿主生物に接近できるように、様々な分子分泌系を発生させている。6つの異なる細菌分泌系を以下に記載する。これらの6つの分泌系は、共通の、ならびに独自の作用機序を有する。II型およびV型分泌系は、タンパク質が最初に細菌の内膜(IM)を通り、次いで外膜(OM)を通って輸送される二段階プロセスである。I型、III型、およびIV型の分泌系を介して分泌するために、材料は細胞外環境に、または宿主細胞に直接移入される。III型系は、病原性細菌による因子の輸送に特異的であり、宿主細胞へ直接注入することを伴う。独特のVI型分泌系では、細菌が、細菌の外膜から形成された細胞外小胞において、タンパク質および脂質の大きい複雑な群を細胞外環境に分泌できるようにする。次いで、これらの小胞が、宿主細胞と融合してそれらのカーゴを送達する。

本発明の目的、利点、新規な特徴、およびさらなる適用範囲は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明において一部説明され、また一部は、部分的に以下の検討時に当業者に明らかになるか、または本発明の実施によって習得され得る。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘された手段および組み合わせによって、実現され達成され得る。

hpRNAベクターpAD−WRKY−GHY1のマッピングを示す図である。

hpRNAベクターpAD−ADH−GHY2のマッピングを示す図である。

hpRNAベクターpOXB−WRKY−GHY3のマッピングを示す図である。

hpRNA pOXB−ADH−GHY4のマッピングを示す図である。

hpRNA pAD−WRKY−GHY5のマッピングを示す図である。

hpRNA pAD−ADH−GHY6のマッピングを示す図である。

hpRNA pAD−WRKY−GHY7のマッピングを示す図である。

RNaseIII突然変異体の構築が成功したことを検証するためのPCR分析を示す図である。

B.セレウス菌53522株の同定を示す図である。レーンM:1kb DNAラダー。レーン1:PminiT−16s rRNAをXhoIで消化したもの。レーン2:PminiT−23s rRNAをXhoIで消化したもの。レーン3:PminiT−motBをXhoIで消化したもの。レーン4:PminiT−エンドグルカナーゼをXhoIで消化したもの。レーン5:PminiT−rncAをXhoIで消化したもの。

7dpi後のN.タバカムの浸潤の症状を示した図である。(アグロバクテリウムツメファシエンス;TMV:pJL−TRBO−G;MJM109:M−JM109−GHY2(RNaseIII突然変異体、抗生物質なし);GHY5:pAD−WRKY−GHY5;GHY6:pAD−ADH−GHY6;GHY3:pOXB−WRKY−GHY3;GHY4:pOXB−ADH−GHY4)。

N.タバカムの健康な葉および浸潤葉のUV照射下で検出された症状およびGFPシグナルを示す図である。

7dpiでのUV照射下でのN.タバカムのTMV−GFPシグナルを示す図である。

7dpiでのUV照射下でM−JM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY1により処置されたN.タバカムのTMV−GFPシグナルを示す図である。

タバコ植物におけるTMVコードGFPシグナルの拡散を阻害するhpRNAの効率を論証する経時的画像を示す図である。

N.タバカムにおける枯草菌CCB422/pAD−WRKY−GHY5によるタバコ浸潤を示す図である。

N.ベンサミアナの全葉浸潤におけるAt/TMVシグナルの拡散の阻害におけるhpRNAを有する過胞形成大腸菌株HT27を示す図である。

モデル植物生物におけるhpRNA媒介GFPシグナル抑制の効率の経時的論証を示す図である。

siRNA移動の症状により、7dpiでの葉の構造を介するTMV−GFPの拡散が制限されたことを示す図である。

MJM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY5由来siRNAは、タバコ植物モデルにおいてTMV−GFPシグナルの拡散が制限されたことを示す図である。

A)siRNAがモデルタバコ植物においてTMV−GFPシグナルの拡散が制限されたことを示す図である。B)siRNAがモデルタバコ植物においてTMV−GFPシグナルの拡散が制限されたことを示す図である。

自然光により、およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)への曝露により観察された、4倍の倍率下でのBc53522/pAD43−25およびBc53522/pAD−WRKY−GHY5のコロニーを示す図である。A)自然光下において、4倍の倍率で見たBc53522/pAD43−25のコロニーを示す。B)緑色のシグナルを示す、4倍の倍率でのFITCへの曝露によるBc53522/pAD43−25のコロニーを示す。C)自然光下において、4倍の倍率で見たBc53522/pAD−WRKY−GHY5のコロニーを示す。D)シグナルを示さない、4倍の倍率でのFITCへの曝露によるBc53522/pAD−WRKY−GHY5のコロニーを示す。

図20は例示的タバコ植物におけるB.セレウス53522のコロニー形成を示す図である。A)タバコに接種したB.セレウスは、植物に有害な症状を示さなかった。B)UV下でのGFPシグナル。C)蛍光立体顕微鏡下での植物の異なる領域のGFPシグナル。

ウイルスにコードされたGFPを標的とするヘアピンRNAの生物界間送達が、ウイルスタンパク質の蓄積レベルの低下をもたらす。A)hpRNAの枯草菌CCB422媒介生物界間送達により、宿主のRNAi応答が首尾よく誘発され、N.タバカム植物におけるウイルスGFPの蓄積を有意に減少させる。B)TMV−GFP感染サンプルおよびTMV−GFP+pAD−WRKY−GHY5(CCB422)浸潤サンプル中のGFPタンパク質レベルの定量化。RBCLに対してGFPシグナルを正規化した。参照として用いたTMV−GFP複製#1、C)ウイルスGFPタンパク質は、hpRNAトリガーをコードするHT27を共浸潤させたTMVサンプルにおいて検出不可能である。免疫検出からのGFP3cシグナル。添加対照としてのRBCL(ポンソー染色)。

HT27/pAD−WRKY−GHY5によるTMV−GFP mRNAの抑制をモニターするためのqPCRを示す図である。対照に対して、hpRNAを発現する細菌に感染した植物におけるGFP mRNA抑制に関するqPCRデータ(TMV−GFP単独、TMV−GFP+hpRNAを含まない細菌)。表および配列表もまた本明細書中に提供され、本明細書の一部である。

本発明は様々な態様を含み、それらは異なる方法で組み合わせ得る。以下の説明は、要素を列挙し、本発明の実施形態のいくつかを説明するために提供される。これらの要素は、最初の実施形態と共に列挙されているが、任意の様式で、かつ任意の数で組み合わせて、追加的実施形態を作り出し得ることを理解されたい。様々に記載された例および好ましい実施形態は、本発明を明示的に記載している系、技術、および用途のみに限定すると解釈されるべきではない。さらに、この説明は、任意の数の開示された要素、各要素のみ、および任意のおよびすべての様々な順列およびこのまたは任意のその後の用途のすべての要素の組み合わせを含むすべてのさまざまな実施形態、系、技法、方法、デバイス、および用途の説明および特許請求の範囲をサポートし、かつ包含すると理解されるべきである。

本明細書に開示されているのは、植物病原体、有害生物の侵入、および草食動物の遺伝的防除のための方法および組成物であり、これらはすべて一般的に植物病原体(複数可)としてまとめて記載されている。siRNA媒介干渉を増強するための標的遺伝子として使用するための植物病原体、有害生物および/または草食動物のライフサイクルに必須の1つ以上の遺伝子を同定するための方法もまた提供される。阻害性RNA分子をコードしているDNAプラスミドベクターは、植物病原体の成長、生存、発生、および/または繁殖に必須の1つ以上の標的遺伝子を抑制するように設計され得る。このような阻害性RNA分子を効率的に感染させ、産生し、送達するように操作され得る遺伝子改変内生細菌、または他の微生物もまた本発明に記載されている。

いくつかの実施形態では、本発明は、植物病原体中の標的遺伝子のコーディング配列またはノンコーディング配列に相補的な核酸分子を介する、転写後の発現を抑制するため、または標的遺伝子を阻害するための方法を提供する。これらのおよびさらなる実施形態では、有害生物または草食動物は、標的遺伝子のコーディング配列またはノンコーディング配列に相補的な核酸分子のすべてまたは一部から転写された1つ以上のdsRNA、siRNA、miRNA、および/またはhpRNA分子を摂取し得る。これにより、植物保護効果がもたらされる。

本発明の技術の一実施形態は、遺伝子操作された微生物による感染を介して、阻害性RNA分子を標的植物細胞に導入するための系および方法を含み得る。一実施形態では、本発明は、植物細胞内で1つ以上の阻害性RNA分子を発現し得る、細菌、真菌、さらにはウイルスなどの遺伝子操作された微生物を提供し得る。ある実施形態では、こうした阻害性RNA分子は、生物学的プロセスを開始し得、そのプロセスにおいては、阻害性RNA分子は、典型的には細胞内の特定の標的mRNA分子の破壊を引き起こすことによって、遺伝子の発現を阻害するか、またはノックダウンする。追加的実施形態では、植物の病因に必要な遺伝子を阻害する阻害性RNA分子を植物系に導入し得る。こうした実施形態には、ウイルスコートタンパク質、真菌細胞壁遺伝子、DNAおよびRNAの複製および産生に関与する遺伝子の抑制を標的とする固有の種特異的遺伝子配列、昆虫外骨格成分遺伝子、種特異的代謝遺伝子、ならびに草食動物を標的とし得る植物系への阻害性RNA分子の導入を含み得る。

さらなる好ましい実施形態には、例えば、安定化タンパク質などの安定化因子の使用による、阻害性RNA分子のための改善された送達系を含み得る。本発明の技術の別の好ましい実施形態には、smRNAもしくはdsRNA前駆体安定化タンパク質またはhpRNA/dsRNA細胞内輸送タンパク質のいずれかの共送達のいずれかによる植物細胞内での阻害性RNA分子の伝達を促進するための改善された系を含み得る。一実施形態では、特定のRNAモチーフをdsRNAに組み込んでもよく、これにより、例えば、植物師部を介した伝達、または特定のエフェクター複合体への直接的なsmRNAの添加が促進され得る。なおさらなる実施形態には、プロセシング酵素活性を有する特定のタンパク質をさらに共発現させ得る遺伝子構築物を含み得る遺伝子改変微生物を含み得る。

他の類似の実施形態には、阻害性RNA分子の動員を増強し得るかつ/または病原経路を標的とし得る二次下流宿主遺伝子を活性化し得る様々な遺伝子を発現し得るまたは過剰発現さえし得る植物系への微生物の導入を含み得る。

本発明の好ましい一実施形態は、dsRNA、shRNA、hpRNA(いくつかの実施形態では、dsRNAのヘアピンループに位置する標的生物由来のイントロンを含み得る)、siRNA、およびmicroRNAなど、阻害性RNA分子を発現するようにさらに遺伝子操作され得る、葉および根の内生細菌および外生細菌を提供するものであり得る。阻害性RNA分子は、病原体ゲノムと相同であり、また成長、生殖、代謝または病原性に関与する重要かつ必須の遺伝子を標的とする。これらの阻害性RNA分子は、宿主のダイサー/RISC複合体によって媒介される約21〜22ヌクレオチドのsiRNAの生成を介して、植物ウイルス、真菌、および昆虫の病原体および有害生物におけるこれらの必須標的遺伝子の発現を不活性化し得、かつ/またはノックダウンし得る。このプロセスは、一般に、RNA干渉またはRNAiと称され得る。

本明細書で使用される場合、RNA干渉(RNAi)は、特定の遺伝子の発現を妨げるために、例えばhpRNAによってもたらされる二本鎖RNA(dsRNA)分子によって誘発される転写後遺伝子サイレンシング(PTGS)をもたらす生物学的メカニズムである。例えば、好ましい一実施形態では、短いhpRNA分子を細胞質に直接インポートし、一緒にアニールしてdsRNAを形成し、次いでダイサー酵素によって短い断片に切断することができるので、RNA干渉を達成することができる。この酵素ダイサーによるdsRNAのプロセシングが行われ、3’末端に2個のヌクレオチドオーバーハングを有する約21〜22ヌクレオチド断片、低分子干渉RNA(siRNA)となり得る。siRNAのアンチセンス鎖は、エンドヌクレアーゼ−タンパク質複合体、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)に特異的となり、その後、相同RNAを標的とし、特定の部位で相同RNAを分解し、結果として、タンパク質発現のノックダウンをもたらす。

hpRNA、dsRNA、shRNA、siRNAおよびmicroRNA種を植物に伝達し得る植物内生細菌としては、以下の亜門:アシドバクテリア、放線菌、アルファプロテオバクテリア、アルマティモナス、バクテロイデス、ベータプロテオバクテリア、デルタプロテオバクテリア、フィルミクテス、グラムプロテオバクテリア、TM7、バチルス、大腸菌などに含まれるものが挙げられる。好ましい一実施形態では、植物に感染するか、またはそうでなければ植物がコロニー形成し得るか、そうでなければ植物の表面の葉、茎または根に生息する、内生細菌、内部細菌(entophytic)、または任意の細菌を、阻害性RNA分子を生成し得るプラスミドなどの人工的に作製した遺伝子構築物により形質転換し得る。こうしたプラスミドは、ある場合には広範囲の環境接種、ならびに一例として植物の子孫と植物物質を摂取する任意の有害生物または草食動物との間の垂直感染を可能にし得る抱合を介して、他の細菌に移入可能であるように構築され得る。

この実施形態では、こうした構築物は、プロモーター、ターミネーター、コアクチベーターおよびコリプレッサーなどの転写調節部分、ならびに原核生物系および真核生物系において調節され得る類似の制御エレメントを含み得る。そのような系では、系内で発現する阻害性RNA分子の種類、タイミング、および量の制御が可能になり得る。追加的実施形態は、植物病原体に応答して生成されたストレス関連タンパク質、または植物病原体などによって生成されたタンパク質および他の前駆体化合物さえも含めて、植物細胞内における特定のタンパク質または化合物の存在など、外部要因によって誘導され得る遺伝子構築物を含み得る。

別の好ましい実施形態では、本発明の技術は、1つ以上の阻害性RNA分子を生成する、遺伝的に形質転換された葉および根の内生細菌および外生細菌が、標的植物の系統および/または種に送達され得る系および方法を含み得、この系および方法では、阻害性RNA分子が、標的ウイルス、真菌ならびに昆虫病原体および草食動物の発現を不活性化し、かつ/またはノックダウンし得る。ある実施形態では、1つの系統または特定の種にさえも特異的であることが知られている細菌などの微生物の選択も利用し得る。別の実施形態では、阻害性RNA分子の転写活性化および促進は、1つの系統、または特定の植物もしくは草食動物種にさえも特異的であり得る特定の因子の存在に依存し得る。追加的実施形態は、表面タンパク質の発現または阻害、ならびに特定の植物系統またはさらに特定の植物種についてのインポート因子などの毒性因子の増加、ならびに、例えば、宿主植物細胞に免疫型防御を備えさせ得る細胞内宿主受容体によって認識され得る表面タンパク質または他の副産物タンパク質などの細菌因子の可能な阻害を含み得る。

別の好ましい実施形態では、本発明の技術は、病原体、ならびに1つ以上のタンパク質またはタンパク質複合体によってさらに安定化され得る種特異的阻害性RNA分子の生物界間送達のための系および方法を含み得る。ある実施形態では、そのような安定化タンパク質としては、植物のRNAサイレンシング応答を抑制する一助となり得る、植物RNAウイルス、トンブスウイルスから選択されるP19タンパク質が挙げられ得る。ある実施形態では、例えば、P19タンパク質は、典型的には二量体として、siRNAを認識し、かつ結合し得る。この様式では、P19タンパク質は、外因性であるか、または内因性であるかにかかわらず、siRNAを隔離し得、その結果として、Argonauteタンパク質への添加、およびRISC(RNA誘導サイレンシング複合体)の形成を妨げる。

別の好ましい実施形態では、本発明の技術は、植物師部を通る細菌性合成RNAの伝達を促進するために、dsRNAなどの阻害性RNA分子にRNA動員モチーフを組み込むことを含み得、病原体および草食動物必須遺伝子の不活性化を標的とするRNA種とともに細菌中で共発現され得る。例えば、原形質連絡および師部は、直接的な細胞間コミュニケーションおよび植物全体への輸送を媒介する単純化したネットワークを形成する。選択された内因性RNA、ウイルスRNAは、このネットワークを介して特定の細胞または器官間の輸送を回避する。上記のように、好ましい一実施形態では、細胞境界における輸送を促進するために細胞因子と相互作用する配列/構造モチーフを含むように、阻害性RNA分子を生成することができる。

特定の実施形態では、異なる配列/構造モチーフを発現する複数の阻害性RNA分子を同時に発現させ得る。この実施形態では、異なる配列/構造モチーフにより、特定のモチーフの認識が可能になり得、これにより、複数の特定の細胞境界および/または細胞型において、阻害性RNA分子の多方向輸送が可能になる。こうしたモチーフは、特定の系統および/または種内で特異的な活性または不活性を呈するようにさらに構成され得る。

本発明の技術のさらに別の実施形態は、活性抑制と一般に呼ばれる、RNaseIII発現の低下、または不活性化されたRNaseIII機能もしくは活性を有する新規細菌株を開発することを含み得る。RNAaseIIIの発現および/または活性におけるこうした低下または不活性化は、dsRNA種のより小さいRNA種へのRNaseIII媒介プロセシングを阻害し得るか、または減少させ得る。

追加的実施形態は、より小さいRNA種へのdsRNA種のプロセシングが増強されるように、RNaseIIIを過剰発現する新規細菌株を含み得る。本発明の技術はまた、ウイルスおよび真菌の不活化を標的とする二次siRNAの二次宿主(植物)RNA依存性RNAポリメラーゼ依存性発現を誘発するために、ウイルスsiRNAをコードしているdsRNAを細菌的に発現させる系および方法を開発することを含み得る。前述の系の各々は、プロモーター、ターミネーター、コアクチベーターおよびコリプレッサーなどの転写調節エレメント、ならびに原核生物系および真核生物系において調節され得る他の制御エレメントを含み得る遺伝子構築物において具体化され得る。こうした系は、系内で発現する、例えばRNAaseIIIまたは他のタンパク質の種類、タイミングおよび量の制御を可能にし得る。追加的実施形態は、植物病原体に応答して生成されたストレス関連タンパク質、または植物病原体などによって生成されたタンパク質および他の前駆体化合物さえも含めて、植物細胞内における特定のタンパク質または化合物の存在など、外部要因によって誘導され得る遺伝子構築物を含み得る。

本発明の技術の別の実施形態は、siRNA動員を増強することが知られている遺伝子を有する植物宿主、外因性または遺伝的に改変された細菌株の過剰発現を促進するための系および方法を含み得る。例えば、表5〜8、および以下に示すように、以下のカラム1で同定された特定のタンパク質の過剰発現により、対象植物または他の系全体において、siRNA動員が増強され得る。

好ましい一実施形態では、本発明の技術の追加的実施形態は、病原体のゲノム/遺伝子と相同であるhpRNAの生物界間送達および発現の新規系を含み得、かつ病原体の成長、代謝、または病原性などに必要な必須タンパク質のウイルス複製および翻訳を効率的に下方制御するか、または排除し得る。

本発明の技術の追加的実施形態は、植物の根、茎、葉および生殖器官に見出され得る組換え操作された内生細菌におけるdsRNA、shRNA、siRNAおよびmicroRNAなどの阻害性RNA分子の生物界間送達および発現の新規系を含み得る。この実施形態では、本発明の技術は、ほんの数例を挙げると、例えば、寒冷、熱、塩、干ばつ、および非生物的ストレスの耐性の増強、ならびに昆虫/害虫/病原体の耐性など様々な植物種における新規形質の統合、ならびに栄養生産量の増加などを可能にし得る、標的遺伝子をノックダウンするための生物界をまたぐ様々なメカニズムを備え得る。

別の好ましい実施形態では、病原体タンパク質の抑制を標的とするヘアピンdsRNAをコードしているプラスミドを保有する内生細菌のRNaseIII突然変異体は、病原体ゲノムにコードされた病原体遺伝子を発現する病原体に感染した植物において、タンパク質を抑制する。

好ましい一実施形態は、dsRNAの内生細菌送達、植物におけるsiRNAへのプロセシング、および1つ以上の病原体にコードされた遺伝子の抑制を含む。別の好ましい実施形態では、dsRNAの内生細菌送達は、ヘアピンdsRNAをコードしているプラスミドを保有し、病原体に感染した植物において、タンパク質を抑制し得る病原タンパク質の抑制を標的とするRNaseIIIを有さないか、またはRNase IIIが抑制されている細菌のRNaseIII突然変異体を含み得る。

本発明の一実施形態は、標的植物において自然にコロニー形成し得る1つ以上の遺伝子改変細菌を導入すること、本明細書に記載のRNA分子をコードまたは干渉することによってウイルス性および真菌性疾患などの植物病原体に対する植物の耐性を増強する方法を提供し、これにより、異種DNAを含む植物がhpRNAなどの干渉RNA分子を産生するようになり、かつ、干渉RNA分子が標的植物病原体を死滅させるか、または標的植物の1つ以上の病原性もしくは重要遺伝子の発現を抑制するようになる。

別の実施形態は、ウイルス性疾患に対する植物の耐性を増強するための方法であって、標的ウイルス性疾患に対する植物の耐性が、標的ウイルス性疾患に対する野生型植物の耐性よりも大きい方法を提供する。別の実施形態は、有害生物に対する植物の耐性を増強する方法であって、標的有害生物に対する植物の耐性が、標的有害生物に対する野生型植物の耐性よりも大きい方法を提供する。別の実施形態は、草食動物に対する植物の耐性を増強する方法であって、標的草食動物に対する植物の耐性が、標的草食動物に対する野生型植物の耐性よりも大きい方法を提供する。

本発明者らが論証した別の実施形態は、病原体耐性植物の生成を含み得る。この好ましい実施形態では、宿主のRNAi機構が病原体の必須RNA転写物を標的とすることにより、結果として必須病原体のRNAを分解することから、病原体の必須mRNAをタンパク質に翻訳することができない。この実施形態では、病原体にコードされたタンパク質と相同であるヘアピンRNAなどの阻害性RNA分子の新規生物界間送達により、植物宿主のRNAi防御を高めることで、植物宿主においてsmRNAの生合成が誘発され、これにより、病原体にコードされたタンパク質の蓄積の喪失または減少がもたらされ、最終的には病原体感染に対する耐性が付与され得る。

本発明者らによって論証された別の実施形態は、ウイルス病原体耐性植物の生成を含み得る。この好ましい実施形態では、植物は、ウイルスにコードされた必須タンパク質と相同であるhpRNAを産生する内生細菌に感染され得る。これらのhpRNA転写物は、宿主のRNAi機構によってプロセシングされ得、結果として、必須ウイルスRNAが分解されるために、ウイルス病原体の必須mRNAがタンパク質に翻訳されない。この実施形態では、ウイルスにコードされたタンパク質と相同であるヘアピンRNAなどの阻害性RNA分子の新規生物界間送達により、植物宿主のRNAi防御を高めることで、植物宿主において、smRNAの生合成が誘発され、これにより、ウイルスにコードされた蓄積の喪失または減少がもたらされ、最終的には病原体感染に対する耐性が付与され得る。

一実施形態では、本発明は、植物細胞中で発現する病原体タンパク質の抑制を標的とするhpRNAをコードしているプラスミドを発現する内生細菌としてのバチルスセレウス菌の使用を含み得る。一実施形態では、このバチルスセレウス株は、RNaseIII欠失であるように遺伝子改変され得る。欠失とは、RNaseIII発現の減少、またはRNaseIII機能の不活化を意味し得る。好ましい実施形態では、この株は本明細書に記載の株53522を含み得る。

一実施形態では、本発明は、植物細胞中で発現する病原体タンパク質の抑制を標的とするhpRNAをコードしているプラスミドを発現する内生細菌としての枯草菌の使用を含み得る。一実施形態では、この枯草菌株は、RNaseIII欠失であるように遺伝子改変され得る。欠失は、RNaseIII発現の減少、またはRNaseIII機能の不活性化を意味し得る。好ましい実施形態では、この株は、本明細書に記載の株CCB422を含み得る。

一実施形態では、本発明は、植物細胞中で発現する病原体タンパク質の抑制を標的とするhpRNAをコードしているプラスミドを発現する内生細菌としての大腸菌の使用を含み得る。一実施形態では、この株は、RNase欠失であるように遺伝子改変され得る。一実施形態では、この株は、天然であり得るか、または過胞形成遺伝子型/表現型を発現するように遺伝子改変され得る。好ましい実施形態では、この株は本明細書に記載の株HT27を含み得る。

一実施形態では、本発明は、植物細胞中で発現する病原体タンパク質の抑制を標的とするhpRNAをコードしているプラスミドを発現する内生細菌としてのBascillisの使用を含み得る。一実施形態では、この株は、RNase欠失であるように遺伝子改変され得る。一実施形態では、この株は、天然であり得るか、または過胞形成遺伝子型/表現型を発現するように遺伝子改変され得る。好ましい実施形態では、この株は本明細書に記載の株HT27を含み得る。

他のある実施形態では、これらの内生細菌株のうちの1つ以上によって生成されたhpRNAは、最初の感染部位または導入部位から植物、葉、根または茎の至る所に移動し得る。他のある実施形態では、これらの内生細菌株のうちの1つ以上によって生成されたhpRNAは、元の感染部位または導入部位から植物、葉、根または茎の至る所に移動し得、ならびに植物病原体移動/シグナルの移動を妨げ得る。

なおさらに別の実施形態は、標的植物においてコロニーを形成し、1つ以上の阻害性RNA分子を送達して、1つ以上の植物病原体必須遺伝子を阻害し、かつ病原体耐性を高めるように構成された遺伝子改変細菌を含む組成物を含む。こうした方法は、感染の危険性がある植物または標的病原体に既に感染している植物の局所的処置として、本明細書に開示されるとおりである。

ある実施形態では、これには、dsRNA産生、安定化、輸送および/または植物細胞へ、もしくは植物病原体が位置する場所への送達を増強する細菌株およびヘルパー遺伝子を使用することを含み得る。上記のように、細菌は、以下の複数の分泌系を発生させている:

I型分泌系(TISS)は、大腸菌における溶血素分泌系によって例示され、グラム陰性菌の細胞エンベロープでの様々なサイズのタンパク質の通過を促進する単純な三者間系である。この系は、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターまたはプロトンアンチポーター、内膜(IM)と外膜(OM)とを橋渡しするアダプタータンパク質、および外膜孔から構成されている。また、安定したペリプラズム中間体なく、単一のステップで基質を分泌する。TISSは、RTX(Repeats−in−toxin)タンパク質ファミリー、細胞表層タンパク質、プロテアーゼ、リパーゼ、バクテリオシン、およびヘム獲得タンパク質に属する細胞毒素の分泌に関与している。

II型分泌系(T2SS)は、転座のために二段階のメカニズムを使用する多成分装置である。第1のステップの間に、前駆体エフェクタータンパク質は、SecトランスロコンまたはTat経路によって内膜を通って位置を変える。一旦ペリプラズムに入ると、エフェクタータンパク質はT2SSによって外膜を通って位置を変える。T2SSトランスロコンは、細菌膜である細胞質およびペリプラズムの両方に見出される12〜16個のタンパク質成分から構成されている。T2SSは、IV型線毛アセンブリ装置との進化的関係を示している。

インジェクチソームとも呼ばれるIII型分泌系(T3SS)は、単一ステップの分泌メカニズムを媒介するものであり、サルモネラ菌、シゲラ菌、エルシニア菌、腸管病原性大腸菌および腸管出血性大腸菌、ならびに緑膿菌など、多くの動植物病原体によって使用されている。T3SSは、サルモネラエンテリカ亜種である、侵入型(Inv)およびPrgタンパク質を使用するenterica serovarチフス系により例示される(下図参照)。T3SSは、Sec非依存様式で、エフェクタータンパク質を真核宿主細胞の細胞質に送達する。T3SSは、遺伝的、構造的および機能的に細菌の鞭毛に関連している。それらは、細菌細胞エンベロープにおいて大きい超分子構造を形成する、20を超える異なるタンパク質から構成される。

IV型分泌系は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌内に見られる多用途系であり、単一のタンパク質からタンパク質−タンパク質およびタンパク質−DNA複合体まで、幅広い範囲の基質を分泌する。これらの系は、アグロバクテリウムツメファシエンスVirB/D系により例示される。

V型分泌系(T5SS)には、自己輸送体およびツーパートナー分泌系が含まれる。T5SSでは、2ステップで基質の位置を変える。髄膜炎菌由来のNalPなどの自己輸送体タンパク質は、Sec依存的プロセスにおいて、内膜で前駆体タンパク質として分泌されるマルチドメインタンパク質である。その後、タンパク質のトランスロケータードメインが外膜に挿入され、パッセンジャードメインの表面局在化を促進する。TPSでは、別個のトランスロケータータンパク質(TpsB)が、外膜を通るエフェクタータンパク質(TpsA)の分泌を媒介する。自己凝集、接着、浸潤、細胞傷害性、血清耐性、細胞間拡散およびタンパク質分解などの機能を有する700以上のタンパク質が、単純な2ステッププロセスの間、これら2つの分泌系を使って内膜および外膜の両方を通過する。

VI型分泌系(T6SS)は、近年発見された分泌系であり、緑膿菌、腸管凝集性大腸菌、S.サルモネラ菌、コレラ菌、ペスト菌など、複数の病原体内に見られる。T6SSは、12〜25のサブユニットから構成され得る多成分系である。

本発明の一実施形態は、植物宿主へのdsRNAの送達を増強するために、細菌分泌系を活用することを含み得る。好ましい一実施形態では、本発明は、dsRNAを植物細胞に送達するために、細菌性IV型分泌系を増強するための系を含み得る。例えば、植物病原体アグロバクテリウムツメファシエンスは、IV型分泌系を用いて、VirD2一本鎖DNA複合体ならびにビルレンスタンパク質VirD5、VirE2、VirE3、およびVirFを宿主細胞に送達する。一実施形態は、dsRNA結合タンパク質とVirタンパク質との融合を含み得、昆虫細胞へのdsRNAの送達を促進し得る。

一実施形態では、本発明は、細胞に対してdsRNAを送達するための細菌性VI型分泌系を増強するための系を含み得る。この好ましい実施形態では、細菌遺伝子yfgLが過剰発現することで、ホスファチジルグリセロール(膜脂質)の合成および小胞生成および出芽を増強し得る。別の実施形態では、hns遺伝子(多くのビルレンス因子を調節する包括的な調節因子)の突然変異は、大腸菌小胞の産生の増加を引き起こし得る。別の実施形態では、LPSのO抗原側鎖を有さないサルモネラ菌および緑膿菌突然変異体もまた、小胞形成の増加を示す。

一実施形態では、本発明は、dsRNAの安定化および植物細胞への動員を増強するための系を含み得る。いくつかの実施形態は、これらに限定されないが、以下を含み得る: −ヌクレオチジルトランスフェラーゼ(MUT2)の共発現または過剰発現は、細胞間のRNAの動員に必須である。 −SUMO化されたhnRNPA2B Iによって結合されているモチーフを有するdsRNA由来のmicroRNAは、T細胞から分泌される小胞に豊富に含まれていることが見出された。 −RNAが、miR−1289結合部位および配列モチーフ(ステムループ構造で提示されるCUGCC)を有する。 −microRNAは、非鋳型3’ウリジル化を有する。 −細胞内の内因性RNAが、miRNAの細胞外小胞への選別を調節することができる。 −Ago2タンパク質が共発現または過剰発現する。 −細胞へのRNAのインポートにおいて比較的十分に特徴が示された役割を有する4つの線虫タンパク質が同定された(Winstonら、2002年)。−同じ遺伝子の追加的対立遺伝子が、他の2つのスクリーニング−摂食(摂食RNAi欠失)スクリーニング(Timmonsら、2003年)およびrsd(RNAi拡散欠失)スクリーニングで同定された。 −shRNAの安定化および細胞への送達を促進するために、ブロモウイルスP19タンパク質が共発現している。 −分泌エフェクタータンパク質とdsRNA結合タンパク質、例えばdsRNAプロセシングに関与するArgonaut(Ago)タンパク質との間の融合タンパク質の発現により、shRNAの安定化および宿主細胞への送達が促進される。 −以下の表5〜8において同定された任意の遺伝子が共発現、または過剰発現している。 −本明細書に記載の発明の一部として、下記表7に特定された株のいずれかを使用した。

なおさらに別の実施形態は、標的植物においてコロニーを形成し、1つ以上の阻害性RNA分子を送達して、1つ以上の植物病原体必須遺伝子を阻害し、かつ病原体耐性を高めるように構成された遺伝子改変細菌を含む組成物を含む。こうした方法は、感染の危険性がある植物または標的病原体に既に感染している植物の空中処置として、本明細書に開示されるとおりである。好ましい実施形態では、この空中処置は、エアロゾル、液体または乾燥細菌または胞子の塗布を含み得る。

一実施形態では、植物は単子葉植物、または単子葉植物の細胞である。例えば、単子葉植物は、イネ科および穀類の群に属する。非限定的な例示的な単子葉植物種としては、穀物、熱帯果実および花、バナナ、トウモロコシ、イネ、オオムギ、ウキクサ、グラジオラス、サトウキビ、パイナップル、ナツメヤシ、オニオン、イネ、モロコシ、芝草およびコムギが挙げられる。

別の実施形態では、植物は、双子葉植物または単子葉植物の細胞である。例えば、双子葉植物は、ウルシ科(例えば、カシューナッツ、ピスタチオ)、キク科(例えば、アスターおよび他のすべての複合花)、アブラナ科(例えば、キャベツ、カブ、および他のマスタード)、サボテン科(例えば、サボテン)、ウリ科(例えば、スイカ、クワッシュ)、トウダイグサ科(例えば、キャッサバ(カサバ))、マメ科(例えば、豆および他のすべてのマメ科植物)、ブナ科(例えば、オーク)、ゲラニアール(例えば、ゼラニウム)、クルミ科(例えば、ペカン)、アマ科(例えば、亜麻)、アオイ科(例えば、綿)、モクセイ科(例えば、オリーブ、灰、ライラック)、バラ科(例えば、バラ、リンゴ、モモ、イチゴ、アーモンド)、アカネ科(例えば、コーヒー)、ミカン科(例えば、オレンジおよび他の柑橘類の果実)、ナス科(例えば、ジャガイモ、トマト、タバコ)、ツバキ科(例えば、茶)、およびブドウ科(例えば、ブドウ)からなる群から選択される。

用語「植物」または「標的植物」は、病原体に対して持続可能な任意の植物を含む。これには、植物全体、植物器官、植物全体または植物器官の子孫、胚、体細胞胚、胚様構造物、プロトコーム、プロトコーム様体(PLB)、および植物細胞の懸濁液をさらに含む。植物器官は、例えば、苗条栄養器官/構造体(例えば、葉、茎および塊茎)、根、花および花器官/構造体(例えば、包葉、がく片、花弁、雄しべ、心皮、葯および胚珠)、種子(胚、胚乳、および種皮)、ならびに果実(成熟子房)、植物組織(例えば、維管束組織、基本組織など)、ならびに細胞(例えば、孔辺細胞、卵細胞、毛状突起など)である。本発明の方法で使用することができる植物のクラスは、一般に、本明細書に記載の分子生物学および植物育種技術に適した高等植物および低等植物、特に被子植物(単子葉(単子葉植物)および双子葉(双子葉植物))のクラスと同じくらい広い。このクラスの植物には、異数体、倍数体、二倍体、一倍体および半接合体など、様々な倍数性レベルの植物を含む。本明細書に記載の遺伝子改変植物は、モロコシ、トウモロコシ、コムギ、イネ、オオムギ、オーツムギ、ライムギ、キビ、およびライコムギなどの単子葉作物であり得る。本発明はまた、アサ科および他のアサ株、例えば一般にC.サティバを含み得る。

対象の追加の植物種の例としては、これらに限定されないが、トウモロコシ(トウモロコシ油)、アブラナ属(例えば、B、napus、B.rapa、B.juncea)、特に種子油の供給源として有用なアブラナ属の種、アルファルファ(Medicago sativa)、イネ(Oryza sativa)、ライ麦(Secale cereale)、ソルガム[Sorghum bicolor、モロコシ属vulgare)、キビ(例えば、パールミレット(Pennisetum glaucum)、proso millet(Panicum miliaceum)、アワ(Setaria italica)、シコクビエ(Eleusine coracana)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、コムギ(Triticum aestivum)、大豆(Glycine max)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ジャガイモ(Solarium tuberosum)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、ワタ(Gossypium barbadense、Gossypium hirsutum)、サツマイモ(Ipomoea batatus)、カサバ(Manihot esculenta)、コーヒー(コーヒー属)、ココナツ(Cocos nucifera)、パイナップル(Ananas comosus)、citrus trees(柑橘類)、カカオ(Theobroma cacao)、茶(Camellia sinensis)、バナナ(Musa spp.)、アボカド(Persea americana)、イチジク(Ficus casica)、グアバ(Psidium guajava)、マンゴ(Mangifera indica)、オリーブ(Olea europaea)、パパイヤ(Carica papaya)、カシュー(Anacardium occidentale)、マカダミア(Macadamia integrifolid)、アーモンド(Prunus amygdalus)、テンサイ(Beta vulgaris)、サトウキビ(Saccharum spp.)、オーツムギ、オオムギ;野菜、観賞植物、および針葉樹が挙げられる。野菜としては、トマト(Lycopersicon esculentum)、レタス(例えば、 Lactuca sativa)、サヤマメ(Phaseolus vulgaris)、ライマメ(Phaseolus limensis)、エンドウ豆(Lathyrus spp.)、およびgenusキュウリ属のメンバー(キュウリ(C.sativus)、カンタロープ(C.cantalupensis)、およびマスクメロン(C.melo)など)が挙げられる。観葉植物としては、アザレア(ツツジ属)、アジサイ(Macrophyllahydrangea)、ハイビスカス(ブッソウゲ)、バラ(バラ科)、チューリップ(チューリップ属)、スイセン(スイセン属)、ペチュニア(Petuniahybrida)、カーネーション(Dianthuscaryophyllus)、ポインセチア(Euphorbiapulcherrima)、キクが挙げられる。例えば、テーダマツ(Pinus taeda)、スラッシュマツ(Pinus elliottii)、ポンデロサパイン(Pinus ponderosa)、ロッジポールパイン(Finns contorta)、およびラジアータパイン(Monterey pine、Pinus radiata)などのマツ、ダグラスファー(ベイマツ(Pseudotsuga menziesii))、ウェスタンヘムロック(Tsuga canadensis)、シトカスプルース(Picea glauca)、レッドウッド(Sequoia sempervirens)、シルバーファー(Abies amabilis)、およびバルサムファー(Abies balsamea)などのtrue fir、ならびにウエスタンレッドシダー(Thuja plicata)およびアラスカイエローシダー(Chamaecyparis nootkatensis)などのシダーが挙げられる。特定の実施形態では、本発明の植物は、作物植物(例えば、上記のように、トウモロコシ、アルファルファ、ヒマワリ、アブラナ、ダイズ、ワタ、ベニバナ、ピーナッツ、モロコシ、コムギ、キビ、タバコなど)である。

「植物病原体」または「病原体」は、植物または植物成分に感染する生物(細菌、ウイルス、原生生物、藻類または真菌)を指す。例としては、植物または植物成分(例えば、果物、野菜、穀物、茎、根)に感染させるために、典型的には胞子を使用するカビ、真菌および腐敗が挙げられる。「植物病原体」はまた、植物における病原性もしくは病原性効果に必要なすべての遺伝子を含み、またはこれらの遺伝子が抑制されるか、もしくは排除されることによって、そのような効果が減少もしくは排除されることも含む。

好ましい一実施形態では、本発明は、一般に遺伝子標的と呼ばれる病原体遺伝子標的または必須遺伝子など、以下の非限定的な植物ウイルス群のうちの1つ以上に適用され得る。これらは、過度の実験をすることなく、当業者に認識され利用可能となるであろう。

追加の植物病原体としては、カンキツトリステザウイルス、オオムギ黄萎ウイルス、ジャガイモ巻葉ウイルスおよびトマトブッシースタントウイルスが挙げられ得る。

好ましい一実施形態では、本発明は、一般に遺伝子標的と呼ばれる病原体遺伝子標的または必須遺伝子など、以下の非限定的な植物真菌病原体の群のうちの1つ以上に適用され得る。これらは、過度の実験をすることなく、当業者に認識され利用可能となるであろう:

細胞(好ましくは植物細胞)において発現している任意の遺伝子を標的とすることができる。細胞内に発現する遺伝子は、転写されてRNA(例えば、miRNA)および任意によりタンパク質を生じる遺伝子である。標的遺伝子は、内因性遺伝子または外因性もしくは外来遺伝子(すなわち、導入遺伝子または病原体遺伝子)であり得る。例えば、ウイルス送達構築物をゲノムへ組み込んだ結果、細胞のゲノム中に存在している導入遺伝子は、本発明による阻害性RNAを用いて調節することができる。外来遺伝子は、宿主ゲノム(好ましくは染色体DNA)に組み込むことができるか、またはプラスミドもしくはコスミドなどの染色体外遺伝子構築物上に存在させ得る。例えば、標的遺伝子は、本明細書に記載の新規の生物界間法を介して干渉RNAが導入される細胞のゲノム中に存在し得るか、または、そのような生物または細胞に感染可能なウイルス、細菌、真菌または原生動物などの病原体のゲノム中に同様に存在し得る。

好ましくは、標的遺伝子は、細胞の内因性遺伝子、または病原体遺伝子など、細胞のゲノムに対して異種の遺伝子である。好ましくは、病原体の遺伝子は、真核生物に感染できる病原体に由来する。最も好ましくは、病原体は、上記のようにウイルス、細菌、真菌および線虫の群から選択される。本発明の阻害性RNAを植物に発現させることによって、植物遺伝子のみでなく、植物に感染するかまたは植物を食べる(食物または飼料として)生物の遺伝子も、遺伝子サイレンシングの標的遺伝子として機能し得る。したがって、標的遺伝子は、動物または植物病原体の遺伝子でもあり得る。標的遺伝子は、好ましくは、植物内の遺伝子または植物感染性病原体の遺伝子からなる群から選択される。好ましくは、標的遺伝子の発現(発現したRNAまたはタンパク質により測定)は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%または40%、好ましくは少なくとも50%または60%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%または95%または100%減少、抑制または弱毒化される。

転写物またはタンパク質などの標的産物のレベルは、植物、有害生物または草食動物などの全生物において減少し得るか、または標的産物のこうした減少が、生物の1つ以上の特定の器官または組織に局在し得る。例えば、産物のレベルは、これらに限定するものではないが、根、塊茎、茎、葉、柄、果実、液果、殻果、樹皮、鞘、種子および花などの植物の組織および器官のうちの1つ以上において減少し得る。好ましい器官は、植物の種子である。植物中の遺伝子のほか、病原体、動物、またはさらにはヒトに感染するか、もしくは摂食する遺伝子もしくは植物など、本発明の方法を使用することによって、多種多様な標的遺伝子を調節することができる。好ましくは、標的遺伝子は、植物の内因性遺伝子、導入遺伝子、または植物感染性病原体由来の遺伝子からなる群から選択される。より好ましくは、植物感染性病原体は、ウイルス、真菌、細菌、昆虫、および線虫からなる群から選択される。

病原体の場合、標的遺伝子または必須遺伝子は、例えば、病原体の生存能力または増殖に必須であるハウスキーピング遺伝子または他の遺伝子であり得る。標的遺伝子の弱毒化またはサイレンシングは、様々な効果をもたらし得る(標的遺伝子の性質にもよる)。好ましくは、標的遺伝子をサイレンシングまたは弱毒化することは、病原体の有害な影響(すなわち病原性)の喪失または減少、または農業形質となる。農業形質は、好ましくは、病害耐性、除草剤耐性、生物的または非生物的ストレスに対する耐性、および改善された栄養価からなる群から選択され得る。これに関連して、標的遺伝子は、好ましくは、例えば、タンパク質、ペプチド、脂肪酸、脂質、ワックス、油、デンプン、糖、炭水化物、フレーバー、臭気、毒素、カロチノイド、ホルモン、ポリマー、フラビノイド、貯蔵タンパク質、フェノール酸、アルカロイド、リグニン、タンニン、セルロース、糖タンパク質、および糖脂質の合成および/または分解に関与する遺伝子からなる群から選択され得る。これらの配列はすべて当業者にはよく知られており、当業者であれば、DNAデータベース(例えば、GenBank)から容易に入手できる。

ある実施形態では、阻害性RNA分子の新規の生物界間送達、すなわち本発明の方法および手段は、真核細胞または生物、特に植物細胞、および植物において病原体(例えばウイルスまたは線虫)耐性を得るのに特に好適であり得る。宿主生物(例えば、植物)中での転写によって産生された阻害性RNA分子(またはそれらに由来するdsRNA分子)は、全生物において全身に広がり得ることが予想される。従って、本発明の遺伝子を含むトランスジェニック株に移植された植物の非トランスジェニック移植片の細胞における核酸の表現型発現を減少させること(またはその逆)が可能であり、園芸、ブドウ栽培、または果物の生産において重要であり得る方法である。クモ類、真菌、昆虫、線虫、原生動物、ウイルス、細菌および病害などの植物病原体に対する耐性は、成長、生存、特定の発達段階(例えば蛹化)、または特定の病原体の増殖に必須である遺伝子の遺伝子発現を減少させることによって得られる。好適な減少は、上記のステップの完全な阻害となり得るが、1つ以上のステップの遅延ともなり得る。これは、例えば病原体が侵入できるようにする植物遺伝子を含み得るが、病原体相同遺伝子でもあり得る。好ましくは、阻害性RNA(例えば、hpRNAまたはそれに由来するdsRNA)は、病原体の遺伝子に対するものである。例えば、植物は、上記の剤の好適な配合物で処置すること、例えば噴霧または散粉することができるが、植物自体はまた、トランスジェニック生物の形態の剤を含み得、それらを病原体に、例えば胃の毒の形態で受け継いでもよい。様々な病原体の種々の必須遺伝子が当業者に公知である(例えば、線虫耐性については、特許文献1、特許文献2)。

本明細書に記載の阻害性RNA分子の新規生物界間送達の方法の別の態様は、抑制のための標的遺伝子が、植物病原体(例えば、昆虫または線虫)中のタンパク質をコードする方法を提供する。この態様では、方法は、少なくとも1つのdsRNA分子を形成する、hpRNAなどの阻害性RNAに転写されるプラスミドなどのDNAを含む核酸構築物を、病原体標的植物のゲノムに導入することを含み、これは、病原体(例えば、昆虫または線虫)が植物由来の細胞を摂取するかまたは感染させるとき、病原体内の標的遺伝子の発現を減少させるのに有効である。好ましい実施形態では、遺伝子抑制は病原体にとって致命的である。まだ他に記載されていない範囲において、病原体として最も好ましいのは、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、Fusarium nivale、ムギ類赤カビ病、Fusarium culmorum、フザリウムオキシスポラム、オオムギうどんこ病菌、イネいもち病菌(Magnaporthe grisea)、菌核硬化症、敗血症、コムギ葉枯病、アブラナ科黒斑病菌(Alternaria brassicae)、根朽病(Phoma lingam)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ジャガイモシロシストセンチュウ(G.pallida)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、コムギツブセンチュウ(Anguma tritici)、およびキタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)などの線虫の真菌病原体である。

病原性ウイルスに対する耐性は、例えば、ウイルスコートタンパク質、ウイルスレプリカーゼ、ウイルスプロテアーゼ、構造タンパク質、毒素などの発現を減少させることによって得ることができる。多数の植物ウイルス、および好適な標的遺伝子が当業者に知られている。本発明の方法および組成物は、線虫耐性植物を得るのに特に有用である(標的遺伝子については、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照されたい)。

また、本発明により提供されるのは、病原体耐性生物、特に植物を得るための方法であって、本方法は、本発明の阻害性RNA分子を生物の細胞に提供するステップを含み、阻害性RNA分子は、真核細胞中に、少なくとも部分的に二本鎖のRNA分子を提供することができる。阻害性RNA分子は、a)病原体の少なくとも1つの遺伝子の標的ヌクレオチド配列の少なくとも一部と実質的に同一である、少なくとも1つの第1のリボヌクレオチド配列、b)第1のヌクレオチド配列に実質的に相補的であり、かつ第1のヌクレオチド配列にハイブリダイズして、二本鎖RNA構造を形成することができる、少なくとも1つの第2のリボヌクレオチド配列、およびc)少なくとも1つの除去可能なRNAエレメントを含む、第1のリボヌクレオチド配列と第2のリボヌクレオチド配列との間に位置する、少なくとも1つの第3のリボヌクレオチド配列を含み、これらは、真核細胞のRNAプロセシングメカニズムによって、それぞれ、第1および第2のリボヌクレオチド配列を含む得られた配列を、その後共有結合させることなく除去され得る。好ましくは、第1のリボヌクレオチド配列は、病原体のゲノムのヌクレオチド配列の少なくとも一部分と、65〜100%の配列同一性、好ましくは75〜100%の配列同一性、さらに好ましくは85〜100%の配列同一性、最も好ましくは95〜100%の配列同一性を有する。より好ましくは、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、および線虫の群から選択される。

本発明は、遺伝子改変細菌を産生することを伴い、かつ組換えDNA技術を伴うため、本発明の説明を助けるために以下の定義を提供する。本明細書で使用される「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」という用語は、その天然状態で材料に通常付随しているか、または材料が製造されるときに、成分を実質的にまたは本質的に含まない材料を指す。例示的な実施形態では、純度および均一性は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を用いて決定される。調製物中に存在する優勢な種である核酸または特定の細菌は、実質的に精製されている。例示的な実施形態では、「精製された」という用語は、電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドが生じる核酸またはタンパク質を指す。典型的には、単離された核酸またはタンパク質は、範囲として表される純度レベルを有する。成分の純度範囲の下限は、約60%、約70%、または約80%であり、純度範囲の上限は、約70%、約80%、約90%、または約90%以上である。

用語(植物との)「接触」:本明細書で使用されるとき、核酸分子に関して、生物(例えば、植物または有害生物または草食動物)との「接触」または生物による「摂取」という用語は、核酸分子の生物への内在化を含み、例えば、これらに限定されないが、生物による分子の摂取(例えば、摂食による)、核酸分子を含む組成物と生物を接触させること、核酸分子を含む溶液に生物を浸漬させること、核酸分子を含む組成物を生物に注射すること、および核酸分子を含むエアロゾル組成物を生物に噴霧することが挙げられる。

本明細書で使用される用語「発現」、または「コーディング配列の発現」(例えば、遺伝子または導入遺伝子)は、核酸転写単位(例えば、ゲノムDNAまたはcDNAなど)のコードされた情報が、細胞の機能的、非機能的または構造的部分に変換されるプロセス(多くの場合、タンパク質の合成など)を指す。遺伝子発現は、例えば、遺伝子発現を増減させる剤に対する細胞、組織、または生物の曝露のための外部シグナルの影響を受けることができる。遺伝子の発現はまた、DNAからRNA、そしてタンパク質への経路のいずれにおいても調節することができる。遺伝子発現の調節は、例えば、転写、翻訳、RNA輸送およびプロセシング、mRNAなどの中間分子の分解に作用する制御を介して、あるいはそれらが作製された後か、またはそれらの組み合わせによる、特定のタンパク質分子の活性化、不活性化、区画化、または分解を介して生じる。遺伝子発現は、これらに限定されないが、ノーザンブロット、RT−PCR、ウエスタンブロット、またはインビトロ、インサイチュ、もしくはインビボタンパク質活性アッセイなど、当技術分野において公知の任意の方法によってRNAレベルまたはタンパク質レベルにおいて測定することができる。

用語「核酸」または「核酸分子」としては、一本鎖および二本鎖形態のDNA、一本鎖形態のRNA、および二本鎖形態のRNA(dsRNA)が挙げられる。用語「ヌクレオチド配列」または「核酸配列」は、個々の一本鎖または二本鎖のいずれかとしての核酸のセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方を指す。用語「リボ核酸」(RNA)は、lRNA(阻害性RNA)、dsRNA(二本鎖RNA)、siRNA(低分子干渉RNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、miRNA(マイクロRNA)、hpRNA(ヘアピンRNA)、tRNA(トランスファーRNA)対応するアシル化アミノ酸で帯電しているか否かにかかわらず)、およびcRNA(相補的RNA)を含む。用語「デオキシリボ核酸」(DNA)は、cDNA、ゲノムDNA、およびDNA−RNAハイブリッドを含む。用語「核酸セグメント」および「ヌクレオチド配列セグメント」、またはより一般的には「セグメント」は、ゲノム配列、リボソームRNA配列、トランスファーRNA配列、メッセンジャーRNA配列、オペロン配列、ならびにペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質をコードしているか、またはコードするように適合され得る、より小さい遺伝子操作されたヌクレオチド配列を双方とも含む機能的用語として当業者によって理解されるだろう。

本明細書で使用される「ヘアピンRNA」(hpRNA)は、任意の自己アニーリング二本鎖RNA分子を指す。最も単純な表現では、ヘアピンRNAは、一本鎖RNAループによって連結された、アニーリングRNA鎖によって構成されている二本鎖ステムからなり、「パンハンドルRNA」とも呼ばれる。しかし、「ヘアピンRNA」という用語はまた、自己アニーリング二本鎖RNA配列、ならびに内部バルジおよびループも含む、より複雑な二次RNA構造を包含することを意図している。適合する特定の二次構造は、RNA分子の自由エネルギーによって決定され、またFOLDRNAなどの適切なソフトウェアを使用して様々な状況について、予測され得る(非特許文献76、非特許文献77)。

本発明のさらなる他の実施形態では、RNAiによる1つ以上の植物病原体遺伝子産物の発現の阻害は、ヘアピンRNA(hpRNA)干渉またはイントロン含有ヘアピンRNA(ihpRNA)干渉によって得られ得る。hpRNA干渉のために、発現カセットが、それ自体とハイブリダイズして、一本鎖ループ領域および塩基対ステムを含むヘアピン構造を形成するRNA分子を発現させるように設計されている。塩基対ステム領域は、発現が阻害される遺伝子産物をコードしている内因性メッセンジャーRNAの全部または一部に対応するセンス配列、この場合、本明細書に記載のシトクロムP450ポリペプチド、およびセンス配列とすべてがまたは部分的に相補的であるアンチセンス配列を含む。あるいは、塩基対形成ステム領域は、阻害される標的ポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を制御するプロモーター配列の一部に対応し得る。したがって、分子の塩基対ステム領域により、一般に、RNA干渉の特異性が決定する。hpRNA分子は、内因性遺伝子の発現の阻害時に非常に効率的であり、これらの分子によって誘発されるRNA干渉は、その後の世代の植物によって受け継がれる。例えば、非特許文献78、非特許文献79、および非特許文献80を参照されたい。hpRNA干渉を用いて遺伝子の発現を阻害またはサイレンシングするための方法は、例えば、非特許文献78、非特許文献79、非特許文献80、非特許文献81、および特許文献4に記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。インビボにおける遺伝子発現のサイレンシングのためのhpRNA構築物の効率についての一過性アッセイは、非特許文献82に記載されており、本明細書において、参考として援用される。

ihpRNAについては、干渉分子は、hpRNAと同じ一般構造を有するが、RNA分子は、ihpRNAが発現する細胞内でスプライスされ得るイントロンを追加として含む。イントロンを使用することで、スプライシング後のヘアピンRNA分子中のループのサイズが最小になり、これにより、干渉の効率が上昇する。例えば、非特許文献18を参照されたい。実際には、Smithらは、ihpRNA媒介干渉を用いることで、内因性遺伝子の発現が100%抑制されることを示している。内因性植物遺伝子の発現を阻害するためにihpRNA干渉を使用するための方法は、例えば、非特許文献18、非特許文献80、非特許文献83、非特許文献84、非特許文献85、および特許文献5に記載され、それぞれ、参照により本明細書に組み入れられる。

本明細書で使用されるとき、オンオリゴヌクレオチドは短い核酸ポリマーである。オリゴヌクレオチドは、より長い核酸セグメントの切断によって、または個々のヌクレオチド前駆体を重合することによって形成され得る。自動合成装置により、長さが数百塩基対までのオリゴヌクレオチドの合成が可能になる。オリゴヌクレオチドは、相補的ヌクレオチド配列に結合し得るので、DNAまたはRNAを検出するためのプローブとして使用され得る。DNA(オリゴデオキシリボヌクレオチド)から構成されるオリゴヌクレオチドは、PCR(DNA配列およびRNA(cDNAに逆転写される)配列を増幅するための技術)において使用され得る。PCRにおいて、オリゴヌクレオチドは、典型的には「プライマー」と呼ばれ、DNAポリメラーゼによりオリゴヌクレオチドが伸長し、相補鎖を複製できるようになる。

「遺伝子」または「配列」という用語は、何らかの様式で遺伝子産物(例えば、ポリペプチドまたは機能的RNA)の発現を調節できる適切な調節配列に作動可能に連結されたコーディング領域を指す。遺伝子は、コーディング領域(オープンリーディングフレーム、ORF)の前(上流)および後(下流)に、DNAの非翻訳調節領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサーなど)、ならびに、該当する場合、個々のコーディング領域(すなわちエキソン)間の介在配列(すなわちイントロン)を含む。本明細書で使用される「構造遺伝子」という用語は、mRNAに転写され、次いで、特定のポリペプチドを特徴とするアミノ酸の配列に翻訳されるDNA配列を意味することを意図している。

核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド結合および/または天然に存在しないヌクレオチド結合によって一緒に連結された天然に存在するヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドのいずれかまたは両方を含み得る。当業者には容易に理解されるように、核酸分子は化学的または生化学的に修飾され得るか、または非天然もしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含み得る。こうした修飾としては、例えば、標識、メチル化、類似体による天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の置換、ヌクレオチド間修飾(例えば、非荷電結合:例えば、メチルホスホネート、リン酸トリエステル、ホスホルアミダート、カルバマートなど)、荷電結合:例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど、ペンダント部分:例えばペプチド、インターカレーター:例えば、アクリジン、ソラレンなど、キレート剤、アルキル化剤、および修飾結合:例えば、アルファアノマー核酸など)が挙げられる。用語「核酸分子」はまた、一本鎖、二本鎖、部分的二本鎖、三本鎖、ヘアピン型、円形、および錠型(padlocked)立体配座など、任意のトポロジー的立体配座を含む。

本明細書でDNAに関して使用される場合、用語「コーディング配列」、「構造ヌクレオチド配列」、または「構造核酸分子」は、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、転写およびmRNAを介してポリペプチドに最終的に翻訳されるヌクレオチド配列を指す。RNAに関して、用語「コーディング配列」は、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質に翻訳されるヌクレオチド配列を指す。コーディング配列の境界は、5’末端での翻訳開始コドンおよび3’末端での翻訳終止コドンによって決定される。コーディング配列としては、これらに限定されないが、ゲノムDNA、cDNA、EST、および組換えヌクレオチド配列が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、用語「ゲノム」とは、細胞の核内に見出される染色体DNAを指し、また細胞の細胞成分内に見出されるオルガネラDNAを指す。細菌に適用される場合の「ゲノム」という用語は、細菌細胞内の染色体およびプラスミドの両方を指す。本発明のいくつかの実施形態では、DNA分子が細菌のゲノムに組み込まれるように、DNA分子が細菌に導入され得る。これらのおよびさらなる実施形態では、DNA分子は、染色体に組み込まれているか、または安定なプラスミドとしてもしくはその中に位置し得る。

2つの核酸またはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される「配列同一性」または「同一性」という用語は、指定された比較ウィンドウにおいて最大対応するように整列されたときに同一である、2つの配列中の残基を指す。

本明細書で使用される場合、用語「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにおいて2つの最適に整列させた配列(例えば、核酸配列)を比較することによって決定される値を指し得る。比較ウィンドウの配列の一部分は、2つの配列の最適アラインメントのための参照配列(付加または欠失を含まない)と比較したときの付加または欠失(すなわちギャップ)を含み得る。パーセンテージは、一致している位置の数を得るために、両方の配列において同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が生じる位置の数を決定し、その一致している位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を掛けることによって計算し、配列同一性のパーセンテージを求める。参照配列と比較して、あらゆる位置で同一である配列は、参照配列と100%同一であると言われ、その逆もまた同様である。

比較のために配列を整列させるための方法は、当技術分野において周知である。様々なプログラムおよびアラインメントアルゴリズムは、例えば、非特許文献86、非特許文献87、非特許文献88、非特許文献89、非特許文献90、非特許文献91、非特許文献92、非特許文献93、非特許文献94に記載されている。配列アラインメント方法および相同性計算に関する詳細な考察は、例えば、非特許文献95に見出すことができる。国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)基本局所アラインメント検索ツール(BLAST;Altschulら(1990年))は、いくつかの配列分析プログラムに関連して使用するために、国立バイオテクノロジー情報センター(Bethesda、Md.)など、いくつかの情報源から、およびインターネットにより入手可能である。このプログラムを使用する配列同一性の決定方法に関する説明は、インターネット上において、BLAST(登録商標)の「ヘルプ」セクションにおいて利用可能である。核酸配列の比較のために、BLAST(登録商標)(Blastn)プログラムの「Blast2配列」機能は、デフォルトパラメータに設定されたデフォルトBLOSUM62マトリックスを用いて、使用され得る。参照配列に対してさらに高い類似性を有する核酸配列は、この方法により評価したときに、高い同一性パーセンテージを示す。

本明細書で使用される場合、用語「ハイブリダイズ可能」および「相補的」は、安定かつ特異的な結合が核酸分子と標的核酸分子との間で生じるように、十分な程度の相補性を示す用語である。2つの核酸分子間のハイブリダイゼーションは、2つの核酸分子の核酸配列間における逆平行アラインメントの形成を伴う。次いで、2つの分子は、反対鎖上の対応する塩基と水素結合を形成して二本鎖分子を形成することができ、それが十分に安定である場合、当技術分野において周知の方法を用いて検出可能である。核酸分子は、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的配列に対して100%相補的である必要はない。しかし、ハイブリダイゼーションが特異的であるように存在する必要のある配列相補性の量は、使用されるハイブリダイゼーション条件に対応しており、かつ50%〜100%の間であり得る。

本明細書で使用される場合、近接核酸配列に関して用語「相同である」とは、適切な条件下で参照核酸配列とハイブリダイズする近接ヌクレオチド配列を指す。例えば、相同配列は、約70%〜100、またはより一般的には80%〜100%の配列同一性、例えば、約81%;約82%;約83%;約84%;約85%;約86%;約87%;約88%;約89%;約90%;約91%;約92%;約93%;約94%約95%;約96%;約97%;約98%;約98.5%;約99%;約99.5%;および約100%の配列同一性を有し得る。実質的な相同性の性質は、特異的ハイブリダイゼーションと密接に関連している。例えば、核酸分子は、特異的結合が所望される条件下、例えばストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、非標的配列への核酸の非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性がある場合に、特異的にハイブリダイズ可能である。

「作動可能に連結された」という用語は、調節配列およびコーディング配列に関して使用される場合、その調節配列が、連結されたコーディング配列の発現に影響を与えることを意味する。「調節配列」または「制御エレメント」は、転写のタイミングおよびレベル/量、RNAプロセシングもしくは安定性、または関連するコーディング配列の翻訳に影響を与えるヌクレオチド配列を指す。調節配列としては、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、エンハンサー、ステムループ構造、リプレッサー結合配列、終止配列、ポリアデニル化認識配列などが挙げられ得る。特定の調節配列は、それに作動可能に連結されているコーディング配列の上流および/または下流に位置し得る。また、コーディング配列に作動可能に連結された特定の調節配列は、二本鎖核酸分子の関連相補鎖に位置し得る。

本明細書で使用される場合、用語「プロモーター」とは、転写の開始から上流にあり得、かつ転写を開始するためのRNAポリメラーゼおよび他のタンパク質の認識および結合に関与し得る、DNAの領域を指す。プロモーターは、細胞内での発現のためのコーディング配列に作動可能に連結され得るか、またはプロモーターは、細胞内での発現のためのコーディング配列に作動可能に連結され得るシグナル配列をコードしているヌクレオチド配列に作動可能に連結され得る。「植物プロモーター」は、植物細胞内で転写を開始することができるプロモーターであり得る。発生制御下のプロモーターの例としては、葉、根、種子、繊維、木部血管、仮導管、または厚膜組織などの特定の組織において、優先的に転写を開始するプロモーターが挙げられる。こうしたプロモーターは、「組織優先的(tissue−preferred)」と称される。特定の組織においてのみ転写を開始するプロモーターは、「組織特異的」と称される。「細胞型特異的」プロモーターは、1つ以上の器官、例えば根または葉内の血管細胞における特定の細胞型における発現を主に行う。「誘導性」プロモーターは、環境制御下にあり得るプロモーターであり得る。誘導性プロモーターが転写を開始し得る環境条件の例としては、嫌気性条件および光が存在することが挙げられる。組織特異的プロモーター、組織優先的プロモーター、細胞型特異的プロモーター、および誘導性プロモーターは、「非構成的」プロモーターのクラスを構成する。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境条件下で、またはほとんどの細胞型もしくは組織型において活性であり得るプロモーターである。

本発明のいくつかの実施形態では、任意の誘導性プロモーターを使用することができる。非特許文献96を参照されたい。誘導性プロモーターを用いると、誘導剤に応答して転写速度が増す。例示的な誘導性プロモーターとしては、これらに限定されないが、銅に応答するACEI系由来のプロモーター;ベンゼンスルホンアミド系除草剤解毒剤に応答するトウモロコシ由来のIn2遺伝子;Tn10由来のTetリプレッサー;およびステロイドホルモン遺伝子由来の誘導性プロモーターが挙げられ、グルココルチコステロイドホルモンにより誘導され得る転写活性は、一般的な例である(非特許文献97)。

本明細書で使用されるとき、用語「形質転換」または「遺伝子改変」とは、1つ以上の核酸分子の細胞への移入を指す。核酸分子が細菌によって安定に複製されるようになると、微生物は、細菌に導入された核酸分子によって「形質転換」されるか、または「遺伝子改変」される。本明細書で使用される場合、用語「形質転換」または「遺伝子改変」とは、核酸分子を細菌などに導入し得るすべての技術を包含する。

「ベクター」という用語は、それによってDNA、RNA、タンパク質、またはポリペプチドを宿主に導入することができるいくつかの手段を指す。宿主に導入されるポリヌクレオチド、タンパク質、およびポリペプチドは、本質的に治療用または予防用であり得、抗原をコードしているか、または抗原であり得、本質的に調節性であり得る。ウイルス、プラスミド、バクテリオファージ、コスミド、および細菌など、様々な種類のベクターが存在する。

「発現ベクター」は、選択された宿主細胞または生物において複製できる核酸である。発現ベクターは、自律構造体として複製することができ、あるいは全体的または部分的に宿主細胞の染色体または細胞小器官の核酸に組み込むことができ、あるいは外来DNAを細胞に送達するためのシャトルとして使用され、このため、宿主細胞ゲノムと共に複製する。したがって、発現ベクターは、選択された宿主細胞、オルガネラ、または生物体(例えばプラスミド、ウイルス、人工染色体、核酸断片、および発現ベクター上の特定の遺伝子(目的遺伝子を含む)が、細胞、細胞器官または生物内のポリペプチドまたはタンパク質に転写され、翻訳されるもの)、または「発現カセット」を含む、当技術分野において公知の任意の好適な構築物を複製可能なポリヌクレオチドである。対照的に、本明細書の実施例に記載されるように、「カセット」は、本発明の発現ベクターの一部位を含むポリヌクレオチドである。カセットの使用は、発現ベクターの集合を助ける。発現ベクターは、プラスミド、ファージ、ウイルス、キメラウイルス、またはコスミドなどのレプリコンであり、発現制御配列(複数可)に作動可能に連結された所望のポリヌクレオチド配列を含む。

ポリヌクレオチド配列は、発現制御配列がそのポリヌクレオチド配列の転写および/または翻訳を制御し、かつ調節するときに、発現制御配列(複数可)(例えば、プロモーターおよび任意によりエンハンサー)に作動可能に連結される。

他に示されていない限り、特定の核酸配列はまた、その保存的に改変された多様体(例えば、縮重コドン置換)、相補性(または相補的)配列、および逆相補的配列、ならびに明示的に示される配列を暗示的に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(またはすべての)コドンの3位が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって達成され得る(例えば、非特許文献98、非特許文献99、および非特許文献100を参照されたい)。核酸コドンの縮重のために、様々な異なるポリヌクレオチドを使用して、同一のポリペプチドをコードできる。下記の表3は、核酸コドンがコードするアミノ酸に関する情報を含む。

表1a

市販されていないオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、例えば非特許文献101によって最初に記載された固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って、または非特許文献102に記載の自動合成装置を用いて、化学合成することができる。オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを合成するための他の方法は、当技術分野において公知である。オリゴヌクレオチドの精製は、天然アクリルアミドゲル電気泳動または陰イオン交換HPLCのいずれかによる(非特許文献103に記載されている)。

例えば、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合の用語「組換え」は、細胞、生物、核酸、タンパク質、もしくはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入、または天然の核酸もしくはタンパク質の改変によって修飾されていること、または細胞がそのように修飾された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、その細胞の天然(非組換え型または野生型)形態内には見られない遺伝子を発現するか、そうでなければ異常に発現するか、過剰発現するか、過小発現するか、またはまったく発現しない天然発現遺伝子を発現し得る。

用語「約(approximately)」および「約(about)」は、参照数量、レベル、値または量に対して、最大で30%、または別の実施形態では最大で20%、第3の実施形態では最大で10%変動する数量、レベル、値または量を指す。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「細菌」という用語は、単一の細菌および複数の細菌の両方を含む。

本明細書で使用される場合、「抑制」または「サイレンシング」または「阻害」は、野生型生物におけるその通常の発現レベルに対する、標的配列の産物の発現の下方制御を示すために同義的に使用される。抑制は、野生型発現レベルに対して、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%減少する発現を含む。「有効量」は、結果として、植物病原体の抑制または阻害となるのに十分な阻害性RNAの量である。

本明細書で使用される場合、核酸に関して「異種」は、外来種に由来するか、または合成的に設計されている核酸であるか、または同じ種に由来する場合、ヒトの慎重な介入による組成物および/またはゲノム遺伝子座において、その天然型から実質的に改変されている核酸である。異種タンパク質は、外来種に由来し得るか、または同じ種に由来する場合には、ヒトの慎重な介入によってその元の形態から実質的に改変されている。「宿主細胞」とは、導入された核酸構築物を含み、その構築物の複製および/または発現を支持する細胞を意味する。宿主細胞は、大腸菌などの原核細胞、または真菌、酵母、昆虫、両生類、線虫、または哺乳動物細胞などの真核細胞であり得る。あるいは、宿主細胞は、単子葉植物細胞または双子葉植物細胞である。単子葉植物宿主細胞の例は、トウモロコシ宿主細胞である。

ポリヌクレオチド配列は、標的遺伝子の選択された領域に対して実質的な同一性、実質的な相同性、または実質的な相補性を有し得る。本明細書で使用される「実質的同一性」および「実質的相同性」は、互いに配列同一性または相同性を有する配列を示す。一般に、実質的に同一であるか、または実質的に相同である配列は、約75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有し、パーセント配列同一性は、全配列に基づいており、既存のデフォルトパラメータ(GCG、GAPバージョン10、Accelrys、San Diego、CA)を使用して、GAPアラインメントによって決定される。GAPでは、非特許文献87)のアルゴリズムを使用して、一致数が最大であり、かつ配列ギャップ数が最小である2つの完全な配列のアラインメントを見つける。100%の同一性を有する配列は、同一である。「実質的相補性」とは、互いに相補的であり、かつ互いと塩基対合することができる配列を指す。相補的配列を記載する際に、第1の配列中のすべてのヌクレオチドが第2の配列に対して塩基対合する場合、これらの配列は完全に相補的である。

実施例1:緑色蛍光タンパク質(GFP)を標的とするフォールドバックRNAをコードしているヘアピン(hp)RNA構築物をコードしている細菌プラスミドの構築を論証する。

本発明者らによって論証したように、hpRNAコードプラスミドベクターは、New England BioLabs Inc.製のNEBuilder(登録商標)HiFi DNAアセンブリクローニングキットを用いて構築した。ここでは、例示的な実施形態として、pJL−TRBO−Gから発現するmRNAをコードしている緑色蛍光タンパク質(GFP)を標的とするように、7つのhpRNAベクターを構築した(Lindbo 2007年)。

これらのプラスミドのマップを以下の図7までに示す:pAD−WRKY−GHY1(図1)、pAD−ADH−GHY2(図2)、pOXB−WRKY−GHY3(図3)、pOXB−ADH−GHY4(図4)、pAD−WRKY−GHY5(図5)、pAD−ADH−GHY6(図6)。TMV移動タンパク質を用いて設計された1つのhpRNA:pAD−WRKY−GHY7(図7)は、PJL−TRBO−G由来の運動タンパク質およびGFPの両方を標的とするように構築した。太字の塩基は、重複配列である。イタリック体の塩基は、挿入配列である。

上記7つのhpRNAのうち、5つのシャトルベクターpAD−WRKY−GHY1、pAD−ADH−GHY2、pAD−WRKY−GHY5、pAD−ADH−GHY6、およびpAD−WRKY−GHY7は、本発明者らにより、XbaI+Nsilで消化させた骨格プラスミドpAD43−25(DunnおよびHandelsman 1999年)に対して、GFPセンス断片、介在イントロン、およびGFPアンチセンス断片をライゲートすることによって構築された。XbaIで消化させたpSF−OXB19(Oxford Genetics Biology Engineered)の骨格プラスミドを用いて、2つのベクターpOXB−WRKY−GHY3およびpOXB−ADH−GHY4を構築した。

プラスミド中にhpRNA挿入物を構築するためおよびDNAシーケンシングのために使用される例示的なプライマーは、以下の表1に示す。hpRNAのすべてのマップは、SnapGene(登録商標)ソフトウェアを用いて作成した。

実施例2:GFP遺伝子標的のセンス鎖とアンチセンス鎖との間に介在するイントロンをコードしている細菌プラスミドの構築を論証する。

1つのイントロンは、長さ287bpのシロイヌナズナの推定WRKY型DNA結合タンパク質からのものであり、プラスミドpJawohB−RNAiからクローニング(アクセッション番号No.AF404854)(表9:配列番号26)したものである。

別のイントロンは、本発明者らが、長さが566bpのトウモロコシ種アルコールデヒドロゲナーゼイントロンAdhlから生成し、プラスミドpMCG161(アクセッション番号AY572837(表9:配列番号27〜29)からクローニングしたものである。

実施例3:例示的なhpRNAの構築および配列表を論証する。

この実施形態では、以下の表10に示す配列番号30〜36を含む例示的なhpRNAが構築された。

実施例4:dsRNA構築物の安定発現のためのRNase1H突然変異細菌株の構築を論証する。

この実施形態では、本発明者らは、RNaseIII突然変異体を構築するために、例示的な大腸菌株JM109(DE3)を使用した(遺伝子型:endAl、recAl、gyrA96t thi、hsdBAl(rK−、mk+)、relA\、supEAA、X−、Δ(lac−proAB)[F‘、trdD36、proAB、/adqZ ΔM15]、1DE3.Promega、USA)。プラスミドpSIJ8から発現するRed媒介相同組換え系を使用することによって、2つの大腸菌RNase1H突然変異体を作製した(Jensenら、2015年)。

RNase1H変異体の設計は、大腸菌str.K−12substr.MG1655のrnc遺伝子のDNA配列を用いて行った(NCBI参照配列:NC_000913.3)。プライマーRNaseIII50−5およびRNaseIII50−3は、rnc遺伝子と50bpの相同配列を有するカナマイシン耐性遺伝子を増幅するために使用された。KanRを有する標的PCR断片は、Q5(登録商標)High−Fidelity DNA Polymeraseを用いて増幅した。鋳型として、プラスミドpKD4を使用した(Yinら、2009年)。KanRを有する標的PCR断片は、Pmini T2.0ベクターにライゲートしてPmini4Tプラスミドを得、次いでPmini−4Tを鋳型として用いて、ホスホロチオエート化プライマーEc_phos_50−5およびEcjthos50−3を用いて標的断片を増幅した。突然変異体は、Jensenら(Jensenら、2015年)により生成した。カナマイシン耐性マーカーを含有する突然変異体をM−JM109−GHY1と標識した。カナマイシン耐性を消失させる突然変異体は、M−JM109−GHY2と標識し、植物にhpRNAを送達するために使用し得る。プライマーを表2に列挙した。突然変異体を検証するためのPCR増幅分析は、図1に示す。

実施例5:hpRNA構築物の安定発現のためのRNase1H突然変異細菌株の構築を確認するためのPCR分析を論証する。

図8A〜Cに示すように、本発明者らは、大腸菌RNaseIII突然変異体の構築の成功を検証するためにPCR分析を行った。また、図8Aに示されるように、突然変異体M−JM109−GITY1を検証するためにPCR分析を行った。レーン1〜16:プライマーJD−5およびJD−3を有するM−JM109−GHY1により実施されたコロニーPCRでは、予想断片サイズは1,936bpであり、野生型は879bpであった。可能性のある正しい突然変異体4、13、14、15、および16を取り出し、LB(カナマイシン、50μg/ml)培地に接種させ、さらなる同定のために一晩培養した。突然変異体13および15は、十分に成長した。これら2つの変異体は、本発明者らによるさらなる同定のために使用された。

図8Bに示すように、精製された突然変異体13および15のさらなる同定を行った。2つのコロニーを分析した。レーン1〜3:第1のコロニー変異体をそれぞれプライマーJD−5とJD−3、JD−5とCat−3、およびCat−5とTD−3で分析した。レーン4〜6:第2のコロニー変異体をそれぞれプライマーJD−5とJD−3、JD−5とCat−3、およびCat−5とJD−3で分析した。レーン7:野生型JM109(DE3)をJD−5およびJD−3で増幅した。正しい変異体サイズのPCR産物は、1936bp(プライマーJD−5およびJD−3で増幅)、1664bp(プライマーJD−5およびCat−3で増幅)、および1787bp(プライマーCat−5およびJD−3で増幅)であった。すべてのDNAシーケンシング結果は正しいものであった。カナマイシン耐性マーカーを含む正しい突然変異体はM−JM109−GHY1として標識した。

図Cに示すように、カナマイシン耐性遺伝子を除去した突然変異体は、プライマーJD−5およびJD−3を用いてPCRを実施し、予想された断片サイズは543bpであった。レーン1〜8:プライマーJD−5およびJD−3で増幅した8個の個々の突然変異体。カナマイシン耐性マーカーを含まない正しい変異体をM−JM109−GHY2と標識した(参照レーン=M1:100bp DNAラダー;レーンM2:1Kb DNAラダー)。すべてのPCR産物をシーケンシングのために送り、すべてのシーケンシング結果を確認し、以下の表11において再現した(配列番号37〜39)。

実施例6:ウイルスにコードされた遺伝子の細菌性dsRNA媒介サイレンシングの実施例として、植物の葉に浸潤し、dsRNAまたはhpRNAを発現して植物に送達し、プロセシングを行ってsiRNAとし、TMVコードGFPを不活性化するhpRNA分子をコードしているプラスミドを含む遺伝子改変大腸菌RNaseIII変異体の使用を論証する。

ここで、本発明者らは、示されたプラスミドを含む2つの大腸菌RNaseIII突然変異体(1つの枯草菌CCB422 RNaseIII突然変異体)を用いて、葉に浸透させ、dsRNAまたはhpRNAを発現させて、植物に送達し、プロセシングを行ってsiRNAとし、タバコモザイクウイルス(TMV)コードGFPを不活性化し、これによりウイルスにコードされた遺伝子の細菌dsRNA媒介サイレンシングを論証した。

本発明者らは、Lindbo(Lindbo 2007年)に従って、GFP遺伝子の抑制を標的とするhpRNAをコードしているプラスミドを含有する細菌を用いて、タバコ浸潤アッセイを実施した。症状が観察され、浸潤後5日、7日、または9日後にGFPシグナルがUV照射下(dpi)で検出された。2つのタバコ種:この実施形態では、ニコチアナタバカムおよびニコチアナベンサミアナを使用した。例えば、例示的な実施形態として、図11Aには、N.タバカムの健康な葉および浸潤葉のUV照射下で検出された浸潤症状およびGFPシグナルが示されている。

本発明者らは、TMVコードGFPがベクターpJL−TRBO−Gから発現することをさらに論証した(Lindbo 2007年)。このベクターをアグロバクテリウムツメファシエンス(At)に形質転換し、異なるhpRNAを含有する細菌のRNaseIII突然変異体を共浸潤させた。細菌濃度は、分光計を用いて測定し、すべての細菌濃度を0.9950〜1.0050の間のOD600に調整した。本発明者らは、hpRNAが、TMV−GFPシグナルを阻害し、かつベクターpJL−TRBO−Gを含有するアグロバクテリウムGV3101を有するhpRNAを含有する細菌の共浸潤によって確認されたことをさらに論証する。

図10〜図11Bに示すとおり、本発明者らは、各々が異なるhpRNAを発現するMJM109およびHT27の両方を論証し、その結果、TMVコードGFPシグナルの拡散に対する阻害を示すことを論証した。シャトルhpRNAベクターにより、GFP発現のより良好な阻害が生じることが本発明者らによって示された。この例示的実施形態では、MJM109は、HT27と比較して、より良好な結果を示した。

さらに図11Cに示すとおり、本発明者らは、異なるhpRNAを有するMJM109およびHT27の両方が、TMVコードGFPシグナルの拡散に対して異なる阻害を示すことを示した。本発明者らは、シャトルhpRNAベクターにより、GFP発現のより良好な阻害が生じることを論証した。例えば、MXM109は、HT27と比較して、TMV−GFPシグナルの阻害の増加を示す。本発明者らは、すべてのhpRNAが、植物においてRNAi効果を生じさせ得るdsRNA構造を生じさせることができることを論証した。これは図11Bおよび他の箇所に示される病徴と一致する。 凡例10: −At:アグロバクテリウムツメファシエンス;TMV:pJL−TRBO−G;MJM109:M−JM109−GHY2(RNaseIII突然変異体、抗生物質なし);GHY5:pAD−WRKY−GHY5;GHY6:pAD−ADH−GHY6;GHY3:pOXB−WRKY−GHY3;およびGHY4:pOXB−ADH−GHY4。 凡例11: −At:アグロバクテリウムツメファシエンス;TMV、GFP発現TMV:pJL−TRBO−G(TMV緑色蛍光シグナル);MJM109:M−JM109−GHY2(RNaseIII変異体、抗生物質なし);HT27、RNaseIII突然変異体、テトラサイクリン耐性;GHY5:pAD−WRKY−GHY5;GHY6:pAD−ADH−GHY6;GHY3:pOXB−WRKY−GHY3;GHY4:pOXB−ADH−GHY4。 −AおよびG:At/TMV; −B:At/TMV+MJM109; −H:At/TMV+HT27; −C:At/TMV+MJM109/GHY5; −D:At/TMV+MJM109/GHY6; −E:At/TMV+MJM109/GHY3; −F:At/TMV+MJM109/GHY4; −I:At/TMV+HT27/GHY5; −J:At/TM.V+HT27/GHY6; −K:At/TMV+HT27/GHY3;および −L:At/TMV+HT27/GHY4。

実施例7:hpRNAが、モデルタバコ植物におけるTMVコードGFPシグナルの拡散を阻害することを論証する。

図12に示すように、本発明者らは、At/TMV感染後、6日間にわたってタバコ植物にhpRNAを接種したことを論証した。本発明者らは、3日以内に、hpRNAの発現がTMVコードGFPシグナルの拡散を阻害し得ることを論証した。 凡例12: −A:1日後に接種したhpRNA; −B:2日後に接種したhpRNA; −C:3日後に接種したhpRNA; −D:4日後に接種したhpRNA; −E:5日後に接種したhpRNA;および −F:6日後に接種したhpRNA。

実施例8:N.タバカムにおける枯草菌CCB422/pAD−WRKY−GHY5によるタバコ植物の浸潤を論証する。

図13に示すように、本発明者らは、hpRNAを発現している遺伝子改変枯草菌が、N.タバカム中のAt/TMVシグナルを上手く浸潤させ、その拡散を阻害できることを論証した。この実施形態では、本発明者らは、hpRNAを有するCCB422が、At/TMVシグナルの拡散を有意に阻害し得ることを論証した。 凡例13: −At:アグロバクテリウムツメファシエンス;TMV:pJL−TRBO−G(TMV緑色蛍光シグナル);CCB422(枯草菌RNaseIII突然変異体、スペクチノマイシンおよびカナマイシン耐性);GHY5:pAD−WRKY−GHY5、および各処置を3回繰り返した。赤い矢印は、浸潤領域を示している。 −A:ブランク陰性対照 −B:At/TMV(GFP発現TMV) −C:CCB422(プラスミドを含まない細菌のみ) −D:CCB422/GHY5(プラスミドを有するがTMVを有さない細菌) −E:TMV+CCB422/GHY5(TMVおよびhpRNA)

実施例9:過胞形成細菌株は、N.ベンサミアナにおいてAt/TMVシグナルの拡散を阻害する能力の増大を示す。

図14に示すように、本発明者らは、hpRNAを発現している遺伝子改変枯草菌がN.ベンサミアナ中のAt/TMVシグナルを上手く浸潤させ、その拡散を阻害できることを論証した。この実施形態では、本発明者らは、hpRNAを有する過胞形成大腸菌株HT27が、At/TMVシグナルの拡散を有意に阻害し得ることを論証した。この実施形態では、本発明者らは、過胞形成株が、hpRNAなどの干渉RNAの能力を増強し、標的病原体遺伝子の発現を阻害し得ることを論証した。 凡例14: 右パネル:上部、At/TMV処置を3回繰り返した。下部、TMV+HT27/GHY5を3回繰り返した。 −At:アグロバクテリウムツメファシエンス;TMV:pJL−TRBOG(TMV緑色蛍光シグナル);HT27、RNaseIII突然変異体、テトラサイクリン耐性;GHY5:pAD−WRKY−GHY5、および各処置を3回繰り返した。 −A:ブランク陰性対照 −B:At/TMV −C:HT27 −D:HT27/GHY5 −E:TMV+HT27/GHY5

実施例10:モデル植物生物におけるhpRNA媒介GFPシグナル抑制の効率の経時的論証。

本発明者らは、規定の時間経過にわたるタバコ植物におけるhpRNA媒介GFPシグナルの抑制を論証した。本発明者らは、タバコ植物にhpRNA:MJM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY5を接種させ、次いで、異なる日にAt/TMVを接種させた。図15に一般的に示すように、hpRNA接種後、モデルタバコ植物は、少なくとも6dpiまで改変TMVウイルス感染から保護された。本発明者らは、図16〜17において、hpRNAが7dpiの葉内の浸潤領域の異なる部分に移動したことをさらに論証した。例えば、図16〜17では、TMV−GFPは、7dpiでhpRNAに囲まれていることが示された。これは、標的ウイルス遺伝子の接種および抑制の長期的かつ継続的な性質を論証している。 凡例15: −A:1日後にAt/TMVを接種 −B:2日後にAt/TMVを接種 −C:3日後にAt/TMVを接種 −D:4日後にAt/TMVを接種 −E:5日後にAt/TMVを接種 −F:6日後にAt/TMVを接種

実施例11:hpRNAは、タバコ中でsiRNAを効率よく産生し、N.タバカム中のAt/TMVシグナルの拡散を制限できる。

本発明者らは、hpRNAが、植物中でsiRNAを効率よく産生し、At/TMVシグナルの拡散および発現を制限できることを論証した。この実施形態では、hpRNAは、MJM109−GHY2/pAD−WRK Y−GHY5浸潤N.タバカム由来のものであり、一般に上記のとおり、プロセシングを行ってsiRNAとした。図18に示すように、MJM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY5由来siRNAは、TMV−GFPシグナルの拡散を制限した。 凡例17: −濃い矢印は、At/TMV浸潤処置を示す。 −白い矢印は、hpRNA(MJM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY5)浸潤処置を示す。 At:アグロバクテリウムツメファシエンス; −TMV:pJL−TRBO−G(TMV緑色蛍光シグナル

実施例12:siRNAは、N.タバカムにおけるTMV−GFPシグナルの拡散を効率よく制限することができる。

本発明者らは、hpRNAが植物中でsiRNAを効率よく産生し、TMV−GFPシグナルの拡散および発現を制限できることを論証した。この実施形態では、M−JM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY7由来siRNAが、TMV−GFPシグナルの拡散を制限した(図18A)。さらに、本発明者らは、CCB422/pAD−WRKY−GHY5由来siRNAもまた、TMV−GFPシグナルの拡散を制限することを論証した(図18B)。この実施形態では、本発明者らは、N.タバカム中において、hpRNAが、用量依存的様式で、RNAiのためのより多くのsiRNA産生を誘導し、TMV−GFPシグナルの拡散を制限し得ることを論証した。 凡例18A〜B: −濃い矢印は、At/TMV浸潤処置を示す。 −白い矢印は、hpRNA(MJM109−GHY2/pAD−WRKY−GHY5)浸潤処置を示す。 −図18A:At:アグロバクテリウムツメファシエンス; −図18B:TMV:p JL−TRBO−G(TMV緑色蛍光シグナル)

実施例13:バチルスセレウス菌の同定およびコロニー形成を論証する。

例示的な実施形態として、本発明者らは、緑色蛍光タンパク質をコードしているシャトルベクターpAD43−25を発現させる内生細菌バチルスセレウス菌により、タバコの葉にコロニーが形成され得ることを論証する。

この例示的な実施形態では、B.セレウス菌53522をATCCから入手し、同定に使用したプライマーを表4に列挙した。正しいPCR断片をPminiT 2,0ベクターのベクターにライゲートし、次いでXhoIで消化して正しいサイズを調べ、次いでDNA配列分析により正しいクローンを同定して、Bセレウス菌株の同一性を確認した(図9)。B.セレウス53522(UW85)シーケンシングの結果を表12に提供する:16S rRNA:1514bp;23S rRNA:855bp;motB:574bp;エンド−b−l,4−グルカナーゼ遺伝子:659bp、rnc遺伝子:738bp;SCAP:PCRバンドなし。

実施例14:バチルスセレウス菌におけるhpRNAの形質転換および発現、ならびにモデル植物生物体への接種およびコロニー形成。

本発明者らは、シャトルベクターpAD43−25およびpAD−WRKY−GHY5のhpRNAベクターをバチルスセレウス53522株に形質転換した後、例示的タバコ植物に接種して、構成的プロモーターPupp下で、GFPシグナルの発現を確認した。このシグナルは、本発明者らによって図19において論証されており、モデルタバコ植物における形質転換されたB.セレウスのコロニー形成は、図20においてさらに論証されている。

実施例15:ヘアピンRNA内生植物送達により媒介される、ウイルスにコードされたGFPタンパク質の蓄積の減少/感染重症度の低下。

上記のように、宿主のRNAi機構によりTMV−GFP RNA転写物を標的化することで、ウイルスRNAの分解がもたらされ、そのため、ウイルスmRNAをタンパク質に翻訳できないことが予想される。したがって、ウイルスにコードされたGFPと相同であるヘアピンRNAの生物界間送達により、宿主のRNAi防御を高めることで、N.タバカム宿主においてsiRNAの生合成が誘発され、これにより、ウイルスにコードされたGFPの蓄積の喪失または減少がもたらされ、最終的にはウイルス感染に対する耐性が付与されると予測される。

この仮説を評価するために、TMV−GFPに感染させたか、またはTMV−GFPと、pAD−WRKY−GHY5構築物(ウイルスGFP相同ヘアピンRNAをコードしている)を保有する細菌株とを共浸潤させたN.タバカム植物の浸潤領域(5dpi)から、2x0.4mmの葉片、ならびに実験対照を集めた(図21参照)。全タンパク質抽出は、BaumbergerおよびBaulcombe(2005年)に従って、100μlのタンパク質抽出緩衝液および15分間、16,000g、4℃でペレット化した不溶性物質を用いて実施した。サンプルをPAGEにより分離し、セミドライトランスファーによりニトロセルロース膜にブロットした。ウエスタンブロッティングの前に膜をポンソーSで染色して、Rubisco最大サブユニット(RBCL)の定量化を可能にした。ウイルスGFPは、抗GFP抗体(Millipore 3F8.2;1:10,000)とインキュベートし、続いてヤギ抗マウスHRP二次抗体(Agrisera、1:20,000)とインキュベートすることによって検出した。シグナルの検出、取得は、それぞれ、製造者の指示書(GE)およびChemiDoc MPイメージングシステム(BioRad)に従って、ECLウエスタン検出キットを用いて行った。GFPシグナルの定量化は、Image Labソフトウェア(BioRad)を用いて行った。 図21において本発明者らによって論証されているように、TMV−GFPウイルスとGFP−hpRNAをコードしている内生菌枯草菌CCB422(Durandら、2012年)(図21a、b)との共浸潤は、TMV−GFP単独の浸潤と比較した場合、結果として感染植物において、GFPの蓄積が減少した。重要なことに、生物界間送達用のビヒクルとして大腸菌HT27を用いた繰り返し実験(図21c)では、共浸潤を実施したとき、いかなるウイルスコードGFPの蓄積も検出できず、単独の(unchallenged)TMV感染症において観察されたGFP蓄積と大きく対照的であった。本発明者らの結果は、ウイルスゲノムと相同であるhpRNAの生物界間送達が、ウイルスの複製およびウイルスタンパク質の翻訳を効率的に下方制御するか、または排除することを示している。

実施例16:HT27/pAD−WRKY−GFTY5によるTMV−GFP mRNA抑制をモニターするためのqPCR。

TMV−GFP、TMV−GFP、TMV−GFP+細菌単独、およびTMV+hpRNA−GFPを発現する細菌により感染させた異なる生物学的処置において相対RNAレベルを分析するために、定量的PCR実験(qPCR)において、L25リボソームタンパク質遺伝子のmRNAレベルをN.タバカム参照遺伝子として使用し、TMV−GFP RNAの増幅を標的とするプライマーを使用した。iwVVana(登録商標)miRNA Isolation kitを使用して、処理した様々なタバコの葉から全RNAを抽出した。cDNAは、EcoDryTM Premixキットを用いて合成した。QRT−PCRは、iTaq(登録商標)Universal S YBR(登録商標)Green Supermixを用いて行った。結果は、図22および表6にまとめて示す。

本発明者らは、細菌が存在することにより、TMV−GFPが減少すること(約43%)を論証した。本発明者らは、hpDNA−GFP発現細菌が、TMV−GFP RNAレベルにおいて、siRNA媒介干渉の増強と一致して、GFP RNAレベルにおいてほぼ90%の減少を有することを論証した。

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