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Driving simulator and driving simulation method

阅读:656发布:2020-11-12

专利汇可以提供Driving simulator and driving simulation method专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To conduct an objective inspection while a driver performs the operations equivalent to driving operations by incorporating a device itself which conducts the inspection, into a driving simulator. SOLUTION: A CPU 108 calculates hourly the position of a simulated vehicle based on the data stored in a memory 109 and the data fetched into the CPU 108 through an input output controller 111. Then, the position of the simulated vehicle and the coordinate data which are required to plot the surrounding environment, are inputted to a picture generating device 112. The device 112 outputs video signals to display the surrounding environment and the position coordinates of a traveling course on a CRT display device 114. A video in accordance with the movement of the simulated vehicle is as an animation displayed on the CRT display device 114. That is, a driving simulator 101 simulates the movement of an automobile in accordance with the operation a driver 106 who is a person to be inspected. Thus, the inspection of the reaction items is conducted while the driver conducts the operations equivalent to normal driving operations.,下面是Driving simulator and driving simulation method专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲の環境を、上記運転者による運転操作の状況に応じて動画表示することによって、
    上記模擬車両の走行を運転者に体感させる運転シミュレータ装置において、 運転コースを表示する表示手段と;模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算手段と;上記演算手段によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化手段と;特定の態様を具備する特定図形を、上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示させる表示制御手段と;上記特定図形を1回表示させてから、次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出手段と;を有することを特徴とする運転シミュレータ装置。
  • 【請求項2】 請求項1において、 上記運転コースの中心と演算された模擬車両の位置とのずれ量を検出するずれ量検出手段、または模擬ハンドルの操作量を検出する操作量検出手段を有することを特徴とする運転シミュレータ装置。
  • 【請求項3】 請求項1において、 上記運転コースは、連続する左右のカーブを有する波状コースであることを特徴とする運転シミュレータ装置。
  • 【請求項4】 請求項1において、 上記特定図形は、色、形状のうちの少なくとも1つが異なる複数の図形であり、上記複数の特定図形が、所定の順序で表示されることを特徴とする運転シミュレータ装置。
  • 【請求項5】 請求項2において、 所定の文章を予め複数設定する文章設定手段と;上記ずれ量検出手段が検出した上記ずれ量、または上記操作量検出手段が検出した上記模擬ハンドルの操作量と、上記操作状況検出手段が検出した上記模擬車両の模擬操作手段の操作状況とに基づいて、上記文章設定手段によって設定されている上記複数の文章から少なくとも1つを選択する文章選択手段と;上記文章選択手段によって選択された上記文章を、上記模擬車両の運転者に提示する文章提示手段と;を有することを特徴とする運転シミュレータ装置。
  • 【請求項6】 所定の運転コースの画像と、静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲環境の画像とを表示する表示段階と;模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算段階と;上記演算段階によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化段階と;特定の態様を具備する特定図形を、
    上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示する表示制御段階と;上記特定図形を1回表示させてから、次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出段階と;を有することを特徴とする運転シミュレート方法。
  • 【請求項7】 所定の運転コースの画像と、静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲環境の画像とを表示する表示手順と;模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算手順と;上記演算手順によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化手順と;特定の態様を具備する特定図形を、
    上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示する表示制御手順と;上記特定図形を1回表示させてから、次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出手順と;をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  • 【請求項8】 請求項7において、 上記運転コースの中心と演算された模擬車両の位置とのずれ量を検出するずれ量検出手順、または模擬ハンドルの操作量を検出する操作量検出手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  • 【請求項9】 請求項7において、 上記運転コースは、連続する左右のカーブを有する波状コースであることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  • 【請求項10】 請求項8において、 所定の文章を予め複数設定する文章設定手順と;上記ずれ量検出手順で検出した上記ずれ量、または上記操作量検出手順で検出した上記模擬ハンドルの操作量と、上記操作状況検出手順で検出した上記模擬車両の模擬操作手段の操作状況とに基づいて、上記文章設定手順によって設定されている上記複数の文章から少なくとも1つを選択する文章選択手順と;上記文章選択手順によって選択された上記文章を、上記模擬車両の運転者に提示する文章提示手順と;をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、運転操作による車両の走行状況を動画表示によって模擬する運転シミュレータ装置に係り、特に、2つ以上の異なる種類の課題を同時に操作者に課すことによって、操作者の車両運転に関る認知、作業能の特性を評価、診断する診断用運転シミュレータ装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】自動車等の車両を運転する際には、刻々と変化する外界の状況に応じて、極めて複雑な情報の処理と運転操作とを運転者が実行する。 これらの能力には個人差があり、また加齢とともにその能力が変化することが知られている。 このような情報の処理と運転操作とについて、次のようにモデル化して段階的に考えることができる。 つまり、 ・段階(1):視覚的に情報が受容される。 ・段階(2):受容された情報がパターン記憶と照合され、運転に必要な情報が抽出される。 ・段階(3):抽出された情報に意味づけが行われる(情報が認知される)。 ・段階(4):認知された情報が、交通規則や定型的な処理のパターン記憶と照合され、所定の運転操作のパターンが惹起される。 ・段階(5):操作のパターンが個別の運転操作行動として実行される。 のようにモデル化して段階的に考えることができる。

    【0003】ところで、職業適性の診断や、雇用者による職業運転者に対する安全教育や、交通違反者に対する安全運転教育等を行う場合、運転者の運転能力をこのような個別の側面ごとに客観的に評価する手段が求められることが多い。 さらに、最近では高齢運転者による交通事故が社会問題化し、高齢運転者の運転能力を正しく評価し、適切な助言等を行う必要性が高まっており、そのための手段としても、客観的に評価する手段の実現が望まれている。

    【0004】上記段階(1)を評価する手段としては、
    静止視力、動体視力、夜間視力を個別に測定する視力測定装置が知られている。 また、遠近感を測定する深視力計、視野の広さを測定する視野計等が知られている。
    色覚検査チャートによる色覚検査も、上記段階(1)に対応する検査手段である。

    【0005】上記段階(2)〜(4)に対応する評価手段としては、たとえば危険予知チャートとして知られる交通場面を描写した絵や、写真を用いる方法が知られている。 この方法は、潜在的な危険要因が含まれる映像を被検者に提示し、その要因ととるべき行動とを指摘させることによって、危険場面を認知する能力を評価する検査手段である。

    【0006】また、もっと抽象化された視覚刺激に対する反応課題の遂行能力を調べることによって、認知・判断から行動までの能力を評価する検査手段も種々知られている。 これらの代表的なものとして、たとえば、 ・「警察庁方式CRT運転適性検査」(実開平2−51
    510号公報 参考文献[1]:大塚ら、「警察庁方式CRT運転適性検査の開発」科学警察研究所報告交通編 VOL. 31 NO. 1 p57−65 199
    0)、 ・「KM式運転適性安全運転助言検査」(特開平4−2
    46337) ・「周辺刺激とハンドル追従作業との多重課題による反応」(参考文献[2]:「高齢ドライバの運転基礎特性」 自動車研究 VOL.16 NO.3 p116
    −119 1994 参考文献[3]:「複合作業下における高齢ドライバの基礎特性」 自動車技術会学術講演会前刷集 NO. 941 p13−161994) 等の検査方法も提案されている。

    【0007】なお、上記「警察庁方式CRT運転適性検査」、「KM式運転適性安全運転助言検査」は、それぞれ市販され、実際に交通安全教育に利用されている。
    「周辺刺激とハンドル追従作業との多重課題による反応」は、研究目的段階のものである。

    【0008】上記「実開平2−51510号公報」には、視覚刺激パターンを提示するCRTディスプレイ装置、反応操作を行う模擬ハンドル、模擬アクセル、模擬ブレーキ、スイッチ、処理部によって構成され、目的に応じていくつかの課題を組み合わせ、評価を実施する点が開示されている。

    【0009】これらの課題のうちで、たとえば「連続緊急反応検査」は、画面中央に赤い丸が表示されたら、踏んでいた模擬アクセルペダルを速やかに離すという課題によって、反応時間やそのばらつきが評価される。

    【0010】また、上記「側方警戒検査」は、画面中央に順に1づつ増加して表示される数字が、重複したり抜けたりしたら、一定の操作で反応し、さらに、同時にランダムな出現順番、出現位置で画面周辺部に表示される×●▲■の図形の内から×のみに、先の反応とは別の方法で反応することを求めるものであり、画面中央の課題と画面周辺部の課題との誤り反応数や反応時間が評価される。

    【0011】さらに、上記「ハンドル操作検査」は、被験者のハンドル操作で自由に画面上を左右に移動できるカーソルを、視野内のランダムな位置に出現する一対の拍子木状のパターンの間に、速やかに挿入することを求めるものであり、操作の速さ、正確さが評価される。

    【0012】上記「特開平4−246337号公報」には、視覚刺激パターンを提示するCRTディスプレイ装置、反応操作を行う模擬アクセル、模擬ブレーキ、スイッチ、処理部によって構成される技術が開示されている。 そして、CRTディスプレイ装置に赤、黄、緑の図形がランダムな時間間隔をおいて表示され、「黄」に対しては、模擬アクセルを離す操作が要求され、「赤」に対しては、模擬ブレーキを踏む操作が要求され、それぞれの反応時間を記録し、その平均値、変動量、最大値等を演算し、その結果に基づく助言を印刷出力するものである。

    【0013】上記「参考文献[2]」に用いられる装置は、CRTディスプレイ装置、模擬ブレーキ、模擬ステアリングホイル、その中央の模擬ホーンスイッチ、運転席周りにほぼ被験者の視点の高さに左右に等間隔に設置された多数の赤色、緑色のLED、処理部等で構成されている。

    【0014】図10は、上記従来例において、ハンドル追従作業時に被験者に提示される画面表示の例を示す図である。

    【0015】被験者は、CRTディスプレイ装置の画面上方から下方に向かってスクロール表示される波形の目標信号1001の下端に、模擬ステアリングホイルによって左右に制御可能な追従表示1002を合わせることが求められる。 また、周辺刺激反応作業としては、CR
    Tディスプレイ装置の周辺に、赤色LED、緑色LED
    が設けられ、上記赤色LEDが点灯したら、すばやく模擬ブレーキペダルを踏み、上記緑色LEDが点灯したら、模擬ホーンスイッチをすばやく押すことが求められる。

    【0016】ハンドル追従作業については、目標信号と追従表示との位置ずれが評価され、周辺刺激反応作業については、見落とし、誤反応、反応時間が評価される。
    また、65歳以上の高齢被験者群について、追従成績の劣化、周辺刺激反応における見落とし、誤り反応、反応時間の増加が認められることが報告されている。

    【0017】

    【発明が解決しようとする課題】「実開平2−5151
    0」、「特開平4−246337」に記載されている装置は、ともに、抽象化された視覚刺激に対する反応課題の遂行能力を調べることによって認知・判断から行動までの能力を評価する検査手段であるが、運転操作に相当する作業を欠いた状態で検査が行われるので、被験者は反応課題のみに注意を集中することができる。 このような検査条件は、運転操作の遂行と周辺への注意とに注意力を配分しなければならない実際の運転状況に比べて、
    注意能力が低下している状態を検出しにくい検査条件であるという問題がある。

    【0018】また、これらの検査は、運転操作そのものの能力を検査する機能を欠いており、反応課題の遂行に伴う基本的な運転操作の能力の一時的な低下等を検出することも不可能であるという問題がある。

    【0019】実際の道路環境下での運転行動は、極めて複雑な複合課題の遂行であり、高齢者が関連した実際の事故の分析結果から、ハンドル等の運転操作不適と前方不注意運転との割合が高いことが次のように指摘されている。

    【0020】つまり、「死亡事故の発生場所をみると、
    高齢運転者は他の年齢層に比べて信号機のない交差点、
    単路部のカーブ区間での発生割合が高くなっている。 また、事故類型でみると、他の年齢層に比べて正面衝突、
    出合い頭事故の割合が高く、対人事故の割合が低くなっている。 」 「高齢運転者が死亡事故をおこした法令違反行為をみると、他の年齢層に比べて最高速度違反の割合が非常に低い反面、ハンドル等の運転操作不適、前方不注意運転の割合が高くなっている。」 (参考文献[4]:「イタルダ・インフォメーション
    1995 No. 6 財団法人交通事故総合分析センター」6ページ)が指摘されている。

    【0021】このように、特に高齢運転者の問題を考慮した場合、ハンドル等の運転操作の問題が認知反応とともに重要な要素となるので、基本的な運転操作の能力を評価できない従来技術では、運転能力の総合的な評価が行えず、問題を指摘すべき被験者に対して問題なし、と判定してしまう場合が生ずる可能性が高い。

    【0022】「参考文献[2]」に用いられている手法によれば、模擬ハンドルによる運転操作類似の課題の実行が求められるので、上記「実開平2−51510」、
    「特開平4−246337」記載の発明の場合よりも、
    運転能力を含めた評価を行うことができる。

    【0023】しかし、これは、実際の交通安全教育等に実践的に広く利用するためには次のような点で実用性に欠ける。

    【0024】まず、第1に、周辺刺激として運転席周りに設置されたLEDを利用しているが、このような装置の配置は、研究用途に限定された運転シミュレータでは容易であっても、実践的に使用する検査・教育機器としては装置が大がかりになり過ぎて実用的ではないという問題がある。

    【0025】第2に、この手法においては、測定結果に基づいた被験者に対する助言機能等を持たないので、交通安全教育等に実践的に用いるためには実用的でないという問題がある。

    【0026】第3に、ハンドル追従作業でCRTディスプレイ画面に表示される目標信号1002が、抽象的な2次元図形であるので、求められる課題は、被験者が慣れ親しんだ運転行動における視覚情報処理とはかなり異なる新たな課題であり、ある意味で難易度が高すぎるという問題がある。

    【0027】この種の検査装置にあっては、なるべく少ない検査手続で、お互いに独立性の高い評価尺度を実現することが望ましい。 周辺刺激課題のうちで、特に緑色に点灯したLEDに対する反応課題は、全く通常の運転とは関連のない、その場限りの課題であるので、他の尺度(すなわちハンドル追従作業では逆に通常の運転における技量がそのまま反映される課題)によって実現されることが望ましい。

    【0028】これは、認知心理学の領域で言う「手続記憶」すなわち、「やり方の記憶」または「技量」を問うことが、ハンドル追従作業としてはより適切であることを意味する。

    【0029】通常、「新たな課題に対する反応能力」よりも「通常の運転に近い課題に対する反応能力」が、加齢によって損なわれ難いと考えられている。 したがって、「通常の運転に近い課題に対する反応能力」が損なわれていると判明した場合には、「より重篤な問題がある」と判定することができるわけである。 たとえば、
    「参考文献[3]」で用いられている抽象的な目標信号追従課題よりも、もっとリアルな3次元シミュレーションによるコース映像を用いたコース追従課題等を用いた方が、「通常の運転に近い課題に対する反応能力」を判定することが容易である。

    【0030】したがって、上記参考文献[3]に開示されているハンドル追従作業における課題は、実践的に使用する検査・教育機器としては改良の余地がある。

    【0031】本発明は、運転操作に相当する作業を運転者に行わせながら、目的とする検査を行うことができる運転シミュレータ装置および方法を提供することを目的とするものである。

    【0032】

    【課題を解決するための手段】本発明は、検査を行う装置そのものを運転シミュレータ装置に組み込んだものであり、これによって、運転操作に相当する作業を運転者に行わせながら、目的とする検査を行うことができるようにしたものである。

    【0033】

    【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明の第1の実施例である運転シミュレータ装置101の構成を示すブロック図である。

    【0034】運転シミュレータ装置101は、静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲の環境を、上記運転者による運転操作の状況に応じて動画表示することによって、上記模擬車両の走行を運転者に体感させる運転シミュレータ装置である。 つまり、運転シミュレータ装置101は、自動車のシミュレーションを対象とした装置であり、被験者である運転者106の操作に応じて、自動車の挙動の模擬を行う装置である。

    【0035】また、シミュレータ装置101は、運用者インタフェース部102を有し、この運用者インタフェース部102を構成する外部制御装置105を用いて運用者107が、運転操作以外の装置の起動や設定等の操作を行うものである。

    【0036】シミュレータ装置101には、実際の車両に対応してハンドル(模擬ハンドル)134、アクセルペダル(模擬アクセルペダル)135、ブレーキペダル(模擬ブレーキペダル)136、シフトノブ(模擬シフトノブ)137、ホーンボタン(模擬ホーンボタン)1
    38、コンビネーションスイッチ(模擬コンビネーションスイッチ)202が設けられている。 これらの機器1
    34〜138、202は、運転者106によって操作され、各機器の操作状況がセンサ(検出手段)124〜1
    27とスイッチ128〜129とによって検出され、これら検出信号が、入出力制御装置111を介して、CP
    U108に取り込まれる。

    【0037】CPU108は、予めハードディスク装置110から読み出され、メモリ109に記憶されている種々のデータと、入力された上記各検出信号とを用い、
    後述する処理によって、模擬車両の挙動を演算し、運転者106を視点とする外部環境の映像データ、模擬車両の車両速度やエンジン回転数等の走行データ、模擬車両のエンジン回転数や負荷に応じたエンジン音データ等を算出する。 メモリ109には、後述する処理プログラム、音声データ、周辺環境、コースの映像描画用の座標データ等が記憶されている。

    【0038】メモリ109に記憶されたデータと、各種運転操作装置から入出力制御装置111を介してCPU
    108に取り込まれたデータとに基づいて、後述する方法によってCPU108が、模擬車両の位置を刻々と演算し、この演算された模擬車両の位置と、周辺環境の描画用の座標データとが、画像生成装置112に入力される。

    【0039】画像生成装置112は、慣性座標で3次元的に表わされている周辺環境や走行コースの位置座標を、「スクリーン投影演算」として知られている方法によって、描画用の2次元データに変換し、表示装置の表示可能範囲を越える部分を削除する「クリッピング処理」や物体の前後関係に基づいて見える面と見えない面とを描き分ける「陰面処理」等の処理を行い、CRTディスプレイ装置114に表示するための映像信号を出力する。 CRTディスプレイ装置114には、模擬車両の挙動に応じた映像が動画表示される。

    【0040】音声データは、音声合成装置113によって音声信号に変換され、スピーカ115から音声が出力され、パネル表示装置131には、ランプ121、速度計132等の装置によって模擬車両の状態が表示される。

    【0041】臨場感のある運転感覚を得るためには、ハンドルに反力を与える機構が欠かせない。 上記実施例においては、模擬車両の運動状態に応じて、反力を制御することができるようにするために、反力モータ133とセンサ124とを用いたサーボ機構を、ハンドルに反力を与える機構として採用している。 もちろん、ハンドルに反力を与える機構として、簡単なスプリング等によって構成するようにしてもよい。

    【0042】運転者106は、CRTディスプレイ装置114、スピーカ115、パネル表示装置131の各出力を、視覚、聴覚で認識し、また、ハンドル134を通して得られる操反力によって、模擬車両の挙動を把握することができる。

    【0043】図2は、上記実施例であるシミュレータ装置101を示す斜視図である。

    【0044】図2に示すように、シミュレータ装置10
    1は、基台205上にシート(模擬シート)201が設けられ、このシート201の周囲に各種操作機器が搭載され、実際の車両の運転席と同等な構成を有するものである。 シート201の周囲には、ハンドル134、アクセルペダル135、ブレーキペダル136、シフトノブ137、ホーンボタン138、コンビネーションスイッチ202、サイドブレーキ操作ノブ203等の主要な操作機器が、実際と同等の位置に、同等の形状で設けられ、シート201正面のフロントウィンドウに相当する位置には、CRTディスプレイ装置114が配置されている。

    【0045】また、上記実施例において、ディスプレイ114は、運転コースを表示する表示手段の例である。
    CPU108は、模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算手段の例である。 CPU108と画像生成装置112とは、上記演算手段によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化手段の例であり、
    特定の態様を具備する特定図形を、上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示させる表示制御手段の例である。

    【0046】また、センサ124〜127と、スイッチ128、129は、上記特定図形を1回表示させてから、次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出手段の例である。 さらに、CPU108は、運転コースの中心と演算された模擬車両の位置とのずれ量を検出するずれ量検出手段の例であり、模擬ハンドルの操作量を検出する操作量検出手段の例である。

    【0047】図4は、運転シミュレータ装置101の画面表示例を示す図である。

    【0048】CRTディスプレイ装置114に表示される動画は、模擬車両の挙動に応じて、運転者106の視点に表示され、図4に示されるように、遠くの物体が小さく表示され、近くの物体が大きく表示されている。 これは、慣性座標で3次元的に表わされた周辺環境や走行コースの位置座標がメモリ109に予め記憶され、これら慣性座標で3次元的に表わされた周辺環境や走行コースの位置座標を、上記「スクリーン投影演算」や「クリッピング処理」、「陰面処理」等の処理を行い、運転者106の視点から見た映像に変換しているためである。

    【0049】また、図4に示される動画は、所定の微小時間間隔で更新されることによって動画表示され、模擬車両の走行に伴って遠くの物体が近づき、近くの物体が通り過ぎるように映し出され、立体的に実際の状況を模擬している。

    【0050】次に、本発明の特徴である反応課題の提示と、それに対する運転者の対応の検査とに関する実現手段について説明する。

    【0051】図3は、上記第1の実施例において、1回の検査を実施した場合におけるCPU108の処理手順を示すメインフローチャートである。

    【0052】検査開始とともに、CPU108は、リアルタイムシミュレーション処理S321を開始する。 つまり、運転者106によるシフトノブ137、アクセルペダル135等全ての操縦装置の操作は、センサ124
    〜127とスイッチ128〜129とを介して入出力制御装置111に入力され、CPU108に取り込まれる(S301)。 次に、後述の反応計測ルーチンが起動している場合、所定の反応についてその内容やタイミングが計測され、記憶される(S302)。

    【0053】次に、車両の運動モデルに基づいて、運転者106による操縦操作の内容に従って車両運動の演算が行われる(S303)。 これについては後述する。 新たに得られた自車位置は、後述のステップS310における評価演算のために記憶され、また、後述のステップS308における周辺環境描画のために保持される(S
    304)。

    【0054】次に、周辺環境に重畳して描画される特定の態様を持った特定図形の表示について説明する。

    【0055】ここで、特定の態様を持った特定図形として、たとえば赤く塗り潰された丸い図形を表示画面の四隅のいずれかに短時間(たとえば1秒間)表示する。

    【0056】図5は、上記第1の実施例において、周辺環境に重畳されて描かれた特定図形の例を示す図である。

    【0057】図5において、周辺環境に重畳されて描かれた特定図形として特定図形501が示され、特定図形501は、〇であり、ディスプレイ114の画面の4ヶ所に同時に表示されているが、実際には、一度の表示では、これら4ヶ所の位置のいずれか1ヶ所のみに表示され、所定時間(たとえば2.5秒間)ごとに、その表示位置が変化するものである。 これに対応する対処(ディスプレイ114の画面に特定図形501が表示された場合の対処)は、「すばやくブレーキを踏んで、再びアクセルを踏むことである」と、運転者106に予め指示しておく。 なお、ここで、特定図形501の表示の間隔は、一定時間間隔ではなく、その度に、異なる時間間隔であるとしてもよい。

    【0058】上記の機能を実現するために、自車のシミュレーション上の速度が所定の速度に達したか否かの判定と描画タイミングが到来しているか否かの判定とを行い(S305)、所定の速度に達し、かつ描画開始すべきタイミングである場合には(S305)、特定図形の描画位置を決定し、描画を行い(S306)、それまで特定図形の描画が行われていなければ、反応計測ルーチンの初期化を行い(S307)、上記ステップS302
    における反応内容の記憶に備える。

    【0059】上記特定図形の描画を行った場合も行わない場合も、周辺環境の描画を行う(S308)。 実際には、CPU108と画像生成装置112とは同時に作動するので、CPU108は、描画に必要なデータと自車の運転者の視点の位置と視線の方向のデータとを画像生成装置112に転送し、描画処理を画像生成装置112
    に委ね、次の処理に移る。 なお、通常は陰面処理を行うために、より遠くの物からより近くの物へという順序で描画を行うが、画像生成装置112においては、リアルタイム処理を優先するので、もし描画データが多すぎる等の理由によって全ての描画対象の描画を完了することができない場合でも、より遠くのものの描画を省略し、
    画面の乱れを最小限に押さえる工夫がされ、このために、最も手前に描かれる特定図形の描画を一番始めに実行する。

    【0060】そして、1回の計測が終了したか否かを判定し(S309)、終了していない場合には、S301
    の操作情報の取り込みに戻り、リアルタイムシミュレーションのループ(S321)を繰り返す(S309)。
    なお、このループ(S321)の実行を、表示装置11
    4の画面更新周期に合わせて行うことによって、スムーズな動画を得ることができる。 たとえば、CRTディスプレイ装置114の画面更新周期(1/30秒間)に同期して、リアルタイムシミュレーション(S321)のループを実行する。 このような演算を微小時間間隔でくり返すことによって、あたかも実際の車両を運転しているかのように、滑らかな画面の動きを得ることができ、
    実際の運転に類似した運転感覚を得ることが可能になる。

    【0061】所定の時間または距離の測定が終了したら、処理はループから抜け(S309)、シミュレーション終了後の処理(S322)に移る。 シミュレーション終了後の処理(S322)では、検査結果が次のように評価される(S310)。

    【0062】ステップS304において記憶された自車位置は、各観測点毎に、走行コースの中心位置と比較され、たとえばその横方向の誤差(位置ずれ)の絶対値の平均を算出し、1つの評価指標を得る。 さらに、ステップS302で記憶された特定図形に対する反応内容が、
    予め与えられた正しい反応と比較して評価され、反応忘れや誤反応の割合、正しい反応の反応時間等を算出し、
    もう1つの評価指標を得る。 これらの評価結果を印刷出力する(S311)ことによって、運用者107と運転者106とに理解しやすい形で、運転者106の運転状況の検査結果が得られる。 運用者107は、これを参考にし、運転者106に対して教育的な指導を行ってもよく、印刷出力自体の中に指導的な内容を含めることによって、実質的に運用者107なしでも効果的な運用を行うことができる。 シミュレーション終了後の処理(S3
    22)を、検査終了後直ちに実行してもよく、ある程度検査データが貯えられた時点で一括して実行してもよい。

    【0063】なお、ここでは、運転コースの中心と演算された模擬車両との位置ずれを利用した評価について述べたが、上記位置ずれを利用した評価を行わず、特定図形に対する反応の評価のみを行った場合でも、十分に実用的な評価指標となり得る。

    【0064】つまり、上記実施例は、所定の運転コースの画像と、静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲環境の画像とを表示する表示段階と、模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算段階と、上記演算段階によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化段階と、特定の態様を具備する特定図形を、上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示する表示制御段階と、上記特定図形を1回表示させてから、次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出段階とを有する運転シミュレータ方法である。

    【0065】次に、上記実施例における運転モデルの演算(S303)の概要について説明する。

    【0066】運転シミュレータ装置101における運転シミュレータは、時間的に変化する運転操作の状況をリアルタイムで取り込み、自動車運動の力学的モデルを逐次数値的に解きながら、得られた解によって自車の運動状態を表し、これに基づいて、自車周辺の映像を生成する、いわゆる「リアルタイムシミュレータ」である。 したがって、運動状態は、微分方程式の数値解として得られる。

    【0067】運動モデルは、いわゆる「2輪モデル」を採用している。 この2輪モデルは、操舵される前輪と操舵されない後輪とを、それぞれ1つのタイヤに置き換え、全体で2つのタイヤに発生する力の合力と重心まわりのモーメントとが、それぞれ車両重心の運動と、車両の重心の周りの回転運動とを決定するという簡略化されたモデルであり、ドライビングシミュレータでは、既に公知の技術である。

    【0068】上記第1の実施例においては、被験者が慣れ親しんだ通常の運転操作に相当する作業を運転者に行わせながら、反応課題の検査を行うことが可能になり、
    通常の運転における技量・特性が検査結果によって一層反映されやすく、検査・教育機器としての実用性も備えた装置を実現することができる。

    【0069】次に、本発明における第2の実施例について説明する。 この第2の実施例は、上記第1の実施例における運転コースの中心と演算された模擬車両との位置ずれを利用した評価指標の代わりに、模擬ハンドルの操作量を用い、運転操作の評価指標を得る実施例である。
    なお、特定図形に対する反応の評価については、上記第1の実施例と同様であるので、その説明を省略する。

    【0070】この第2の実施例は、上記第1の実施例において記憶している自車の位置の代わりに、ハンドルの操作量を記憶するものである。 一般に、滑らかなハンドル操作では、ハンドル操作量の時系列的な観測値において、高い周波数成分が少ない。 そこで、記憶されたハンドル操作量のデータに対して、高速フーリエ変換として知られる演算を行い、周波数分析を行い、与えられたコース形状に相当する基本周期よりも高い周波数成分の値を合計すると、運転操作に関する新たな評価指標を得ることができる。

    【0071】上記第2の実施例によれば、ハンドル操作量を検出するので、反応課題の検査とともに、運転操作そのものを評価することも可能になる。 また、ハンドル操作量を検出する代わりに、位置ずれを検出した場合も、反応課題の検査とともに、運転操作そのものを評価することも可能になる。

    【0072】次に、本発明の第3の実施例について説明する。 第3の実施例は、上記第1、第2の実施例における走行コースとして、連続した左右のカーブである波状コースを設定した場合の実施例である。

    【0073】たとえば、運転コースを、振幅4メートル、周期64メートルの正弦波状のコースとする。 運転コースをこのように設定すると、第2の実施例のように、ハンドル操作の周波数成分分析等を行う際に、基本成分が明瞭なピークを形成するので、高次の成分を分離して評価しやすいという利点がある。

    【0074】第3の実施例においては、助走区間を経た後に、周期64メートルの波状コースを連続的に4周期分計測することによって、良好な検査結果を得ている。
    つまり、第3の実施例においては、波状コースを使用するので、難易度の調整が容易で反応課題の遂行を重複して要求するのに適した運転操作課題を実現でき、運転操作そのものを評価する指標として、ハンドル操作の滑らかさ、目標コースに対する自車走行軌跡の位相差等の指標も得られる。

    【0075】次に、本発明の第4の実施例について説明する。 第4の実施例は、上記各実施例において、周囲の環境の表示に重畳して表示される特定の態様を持った特定図形が、色、形状の少なくとも一方が異なる2つ以上の図形を所定の順序で(不定の順番に)表示する実施例である。

    【0076】ここでは、一例として、形状は同じように内部が塗り潰された円形の特定図形を用い、色のみが赤、黄、緑の3色を不定の順番に表示する(提示する)
    ように構成されている。

    【0077】反応課題としては、これらそれぞれの色に応じて異なる反応を求める。 たとえば、赤に対してはブレーキを踏むことを要求し、黄に対しては何もせず、緑色に対してはアクセルを踏んだままでホーンボタン13
    8を押すことを求め、それらの色ごとの誤り反応の割合や、誤りの内容を記憶して、評価指標とする。

    【0078】ここでは、4回の検査を続けて行い、そのうちの1回目と2回目とは、特定図形の表示(提示)を伴わない測定であり、3回目と4回目とは、特定図形の表示(提示)を伴った測定である。 走行すべき運転コースは、全て第3の実施例に示した波状コースであり、3
    回目と4回目とに用いた特定図形は、上記に示した赤、
    黄、緑の丸型図形であり、運転者に求めた反応課題も上記のとおりである。 なお、この結果の例においては、後述する第7の実施例による定速走行を行っており、その速度は30km/hである。

    【0079】図7は、上記実施例において、検査結果を示す図であり、比較的成績の良い場合の例を示す図である。 図8は、上記実施例において、検査結果を示す図であり、比較的成績の悪い場合の例を示す図である。

    【0080】図7において、走行結果の評価表701
    は、各評価指標をまとめた表である。 「試行」欄数字1
    〜4は、上記測定回数を表わし、「2−1」は、それぞれの結果の値の2回目の値から1回目の値を引いた差を示す。 「4−3」、「4−2」は、同様に4回目の値から3回目の値を引いた差と4回目の値から2回目の値を引いた差とを示す。 「2−1」、「4−3」で表される数値は、同様の測定に対する1回目と2回目との測定結果の差であるので、この間の学習効果を表わしていると考えられる。 また、「4−2」は、反応課題がある場合と無い場合との測定結果の差であるので、この課題の遂行による運転操作が乱れた結果であると考えられる。

    【0081】図7において、「トラッキングエラー」欄の数値は、運転コースの中心と、模擬車両のシミュレーション演算結果から得られる中心位置との位置ずれを評価して得られた値である。 「無補正」欄の数値は、与えられた運転コースの中心と、模擬車両のシミュレーション演算結果から得られる中心位置との位置ずれの絶対値の観測区間内での平均を表わす。 「Offset」欄の数値は、この区間でのコースの中心と、模擬車両のシミュレーション演算結果から得られる中心位置との位置ずれの符号を伴った値の平均値(すなわち全体としてのコースずれ)を表わしている。 「補正値」欄の数値は、上記位置ずれを算出する際に、予め算出しておいた「Of
    fset」の値を各観測値毎に差し引いた上で、絶対値を取って観測区間内で平均した値である。

    【0082】「ハンドル高次項」の値は、ハンドル操作の粗さを、次のように評価した指標である。 記憶されたハンドル操作量のデータに対して、高速フーリエ変換として知られる演算をし、周波数分析を行う。 ここでは、
    正弦波状のコースの4周期分の観測を行っているので、
    基本周波数成分は、ハンドル操作の周波数成分を表わすグラフ705中、横軸「4」で表わされる成分となり、
    当然大きいピークを成す。 あまり高い周波数成分を論じても意味がないので、ここでは、観測区間の全長に相当する周波数を「1」とした場合、「5」〜「32」に相当する成分の大きさの総和を、「4」の基本周波数の成分の大きさで除した値によって、「ハンドル高次項」の評価指標としている。

    【0083】次に、コース追従操作の遅れ、進みの評価指標である「位相 δt」欄の数値について説明する。

    【0084】この「位相 δt」欄の数値は、模擬車両の中心位置の観測結果を、上記ハンドル操作と同様に、
    周波数分析した結果から得ている。 ここでは、高次項を評価する代わりに、基本周波数成分(すなわち観測区間の全長に相当する基本周期)に相当する周波数に対して4倍の周波数を持つ、コース形状の基本周期に相当する成分の位相項を、時間換算して得られた値であり、単位は[秒]である。 負の値は、コース形状に対して自車の走行軌跡が遅れていたことを表わし、正の値は、コース形状に対して自車の走行軌跡が進んでいたことを表わす。

    【0085】赤反応、黄反応、緑反応の各欄のうちで、
    「正」で示される欄の数値は、それぞれの反応課題に対して正しく反応した数を表わす。 ここでは、各5回づつ、合計15回の提示が行われているので、その全てが「5」であった場合には、全ての反応課題に正しく対処したことになる。 また、赤反応、緑反応の各欄の内、
    「<t>」で示される欄の数値は、それぞれの反応課題が提示されてから反応が観測されるまでの時間遅れの平均値を表わす。 正しい反応が1回も得られなかった場合、「0」が記されている。 「合計正答率」は、15回の反応課題全てに対する正しい反応の割合を%で表わしている。

    【0086】また、図7と図8とにおいて、グラフ70
    2は、走行目標コースと実際に走行したコースとを示すグラフであり、グラフ703は、走行目標コースと実際に走行した位置のずれを示すグラフであり、グラフ70
    4は、ハンドル操作の様子を表わすグラフであり、グラフ705は、ハンドル操作の周波数成分を表わすグラフである。

    【0087】このように、図7に示す「比較的成績の良い場合の例」と、図8に示す「比較的成績の悪い場合の例」とを比較すると、前者では、後者に比べて特に「トラッキングエラー」の「4−2」の値が小さく、コースずれの評価結果が反応課題の遂行によって悪くなっていないことが特徴的である。 また、「合計正答率」は、前者が後者よりも良く、「ハンドル高次項」は、前者が後者に比べて小さい。

    【0088】上記第4の実施例によれば、複数の特定図形を表示するので、一種類のみの図形に対する反応課題に比べて相対的に難易度を上げることができ、運転における技量・特性のより軽微な低下も検出することができるようになる。 また、全く種類の異なる新たな反応課題を導入することなしに、難易度が微妙に異なる複数の反応課題が実現できるので、運転者の課題遂行能力をより詳細に検査することができる。

    【0089】次に、本発明の第5の実施例について説明する。 第5の実施例は、上記各実施例に示した各機能に加え、これらによって得られる評価指標に基づいて、予め定められた複数の文章等から特定の文章等を選択し、
    運用者または運転者に提示する例である。

    【0090】図6は、上記実施例において、運転者に教育上効果的な診断結果を与える動作を示すフローチャートである。

    【0091】図9は、上記実施例において、助言機能を実現する印刷出力の例を示す図である。

    【0092】ここでも、測定は4回行われ、そのうちの1回目と2回目とは、特定図形の表示(提示)を伴わない測定であり、3回目と4回目とは、特定図形を伴った測定である。 図6に示すように、まず、特定図形の表示を伴わない走行が行われ(S601)、この回は、練習扱いとしてこのデータは評価には用いない。 次に、特定図形の表示を伴わない測定が行われ(S602)、このデータは後の評価に用いられる。 次に、特定図形の表示を伴う走行が行われ(S603)、この回は、ステップS601と同様に、練習扱いとしてこのデータは評価には用いない。 最後に、特定図形の表示を伴う走行が行われ(S604)、この回のデータは、後の評価に用いる。 4回の走行が終了したら、各評価指標を演算し(S
    605)、その評価結果と、それに基づく助言の印刷出力が行われる(S606)。

    【0093】ここでは、走行コースは、全て上記第3の実施例に示した波状コースであり、3回目と4回目とに用いた特定図形は、上記第4の実施例に示した赤、黄、
    緑の丸型図形であり、運転者に求めた反応課題も、上記第4の実施例に示した内容と同じである。

    【0094】図9に示す走行結果のまとめの表901には、各測定の内容と、それぞれの測定におけるずれの平均、誤反応率とが示されている。 「ずれの平均」は、上記第4の実施例について説明した図7、図8に示した走行結果の評価表701における「トラッキングエラー
    補正値」に相当する値である。 誤反応率は、反応課題に対する反応を正しく行うことができなかった割合を表わす。

    【0095】図9中、評価結果を表わすグラフ902
    は、コース追従に関する評価指標と、反応課題の成績とを2次元的に表わしたものである。 プロット903は、
    被験者の走行結果から得られた評価値のプロットである。

    【0096】横軸は、上記「ずれの平均」の4回目の測定値から2回目の測定値のを差し引いた値である。 この値が大きい程、反応課題の遂行によってコース追従の成績が悪化していることを表わす。 この値が小さい方を横軸の正の方向とし、プロット点の横軸の値を得る。 これは、運転中、突発的なできごとによって基本操作が影響を受け易い場合、成績が低下するものと考えられるから、「ゆとり」の尺度と名付けている。

    【0097】縦軸は、反応課題の正答率を表わしている。 これは、「注意力」の尺度と名付けている。 これらを2次元的にプロットすることによって、被験者の傾向を容易に理解することができ、教育的な効果が大きい。

    【0098】図9中、助言の文章904は、上記「ゆとり」の尺度と「注意力」の尺度との評価結果をもとに、
    予め用意された次のような文章から1つが選ばれ、印刷出力される。 この内容を参考にすることによって、結果の説明に費やす運用者の負荷を軽減することができる。
    ここでは、代表的な文例のみをあげる。

    【0099】第1の文例(ゆとり、注意力ともに良好な被験者に対する助言の文章の例)「今回のあなたの運転では、マークに対して正しい反応をしていました。また、マークがある場合と無い場合とのコース外れもあまり差がありません。このテストに関しては、全体的に余裕があり、正確な運転をしていたといえます。しかし、
    運転の特性は、年齢や体調の変化によって変わりやすいものです。 自信過剰にならないように、いつも慎重な運転を心掛けましょう。 」第2の文例(ゆとり、注意力ともに良くない被験者に対する助言の文章の例)「今回のあなたの運転は、マークの見逃しや対処の誤りがかなりあり、マークがある場合には、コース外れも目立ちました。慣れない事態にあわててしまい、運転操作もおろそかになってしまったようです。運転をする場合には、運転に専念するようにし、周囲の人や車、駐車中の車のかげや見通しの悪い交差点等に、今まで以上に気をつけ、
    スピードを控え目に慎重な運転を心掛けましょう。 」なお、メモリ109、HDD110は、所定の文章を予め複数設定する文章設定手段の例である。 CPU108
    は、ずれ量検出手段が検出したずれ量、または操作量検出手段が検出した模擬ハンドルの操作量と、操作状況検出手段が検出した模擬車両の模擬操作手段の操作状況とに基づいて、文章設定手段によって設定されている上記複数の文章から少なくとも1つを選択する文章選択手段の例である。 また、ディスプレイ114は、上記文章選択手段によって選択された上記文章を、上記模擬車両の運転者に提示する文章提示手段の例である。 なお、印刷出力装置116も、上記文章提示手段の例である。

    【0100】第5の実施例によれば、助言機能を付加したので、反応課題の検査結果と、運転操作そのものの評価結果に基づいて、被験者に対してより的確な助言を行うことが可能になり、交通安全教育等に用いるための実用性が高まる。

    【0101】次に、本発明の第6の実施例について説明する。 第6の実施例は、上記各実施例において、所定の速度、たとえば30km/hに達したら、速度一定の自動制御とする例である。

    【0102】所定の速度に達したことを検出したら、運転者によるアクセルペダル135の操作に基づく運動モデル演算によって自車の速度を得る代わりに、アクセルペダル135の操作と運動モデルとの関係を切り離し、
    ハンドル操作や走行抵抗等による制動力に起因する速度低下に対して、所定の速度(ここでは30km/h)を目標値として、現在速度と目標値との差に基づいてアクセルペダル操作量を決定することによって、速度偏差を運動モデル演算にフィードバックして、走行速度を自動制御する構成を採用してもよい。

    【0103】この構成によると、測定速度に関して被験者の操作に依存せずに、正確な速度における走行が可能になり、測定条件の統一が図れる。 また、本実施例においては、走行速度が所定の速度となって測定区間にさしかかったら、ブレーキペダル136の操作も運動モデルとは切り離した構成とした。 これによって、反応課題の一部に、ブレーキペダル136の操作を含む課題を構成した場合でも、制動による速度の低下から、再び所定の速度に加速するのを待つことなく、連続的に計測を実行することができ、測定時間の短縮に役立つ。

    【0104】また、上記実施例を、記録媒体の発明として把握することができる。 つまり、上記実施例は、所定の運転コースの画像と、静止している模擬車両の運転者の視点から見える上記模擬車両の周囲環境の画像とを表示する表示手順と、模擬ハンドルを介して上記模擬車両の操舵を行った場合における上記模擬車両の走行状態を演算する演算手順と、上記演算手順によって演算された模擬車両の位置と姿勢とに基づいて、上記模擬車両の周囲環境の画像を変化させる周囲環境画像変化手順と、特定の態様を具備する特定図形を、上記模擬車両の周囲環境の画像に重畳して、上記表示手段に間欠的に表示する表示制御手順と、上記特定図形を1回表示させてから、
    次に表示させるまでの間において、上記模擬車両の模擬操作手段を操作した状況を検出する操作状況検出手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

    【0105】また、上記実施例は、上記運転コースの中心と演算された模擬車両の位置とのずれ量を検出するずれ量検出手順、または模擬ハンドルの操作量を検出する操作量検出手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。 さらに、上記運転コースは、連続する左右のカーブを有する波状コースであることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

    【0106】また、上記実施例は、所定の文章を予め複数設定する文章設定手順と、上記ずれ量検出手順で検出した上記ずれ量、または上記操作量検出手順で検出した上記模擬ハンドルの操作量と、上記操作状況検出手順で検出した上記模擬車両の模擬操作手段の操作状況とに基づいて、上記文章設定手順によって設定されている上記複数の文章から少なくとも1つを選択する文章選択手順と、上記文章選択手順によって選択された上記文章を、
    上記模擬車両の運転者に提示する文章提示手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

    【0107】なお、上記コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記実施例では、メモリ109であるが、これ以外にも、HDD、FD、CD、DVD、半導体メモリ、磁気テープ等が考えられる。

    【0108】すなわち、本発明による運転シミュレータ装置を用いることによって、実際の運転に近い操作を被験者に行わせながら運転能力のうちでも最も基本的な要素である認知反応課題の遂行能力を検査することができるようになり、能力低下に対して検出感度の高い検査方法を実現することができる。 また、これと同じように、
    運転の基本的な要素であるステアリング操作の遂行能力もこれと同時に検査することが可能である。 上記実施例装置を用いて運転者の基本的能力を検査することによって、実用性が高くきめ細かな助言を、運転者やその管理者・指導者に対して提供することができるようになり、
    基本的な運転能力の低下に気付かないうちに、それが要因となった事故を起こしてしまうというような事態を未然に防ぐことができる。 また、安全運転の実現と交通事故の防止とによって、事故の発生による社会の生産性の低下を防ぐことを通して、広く産業の発達と公共の福祉の増進に寄与するものである。

    【0109】

    【発明の効果】本発明によれば、被験者が慣れ親しんだ通常の運転操作に相当する作業を運転者に行わせながら、反応課題の検査を行うことが可能になり、通常の運転における技量・特性が検査結果によって一層反映されやすく、検査・教育機器としての実用性も備えた装置を実現することができるという効果を奏する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1の実施例である運転シミュレータ装置101の構成を示すブロック図である。

    【図2】上記実施例であるシミュレータ装置101を示す斜視図である。

    【図3】上記第1の実施例において、1回の検査を実施した場合におけるCPU108の処理手順を示すメインフローチャートである。

    【図4】運転シミュレータ装置101の画面表示例を示す図である。

    【図5】上記実施例において、周辺環境に重畳されて描かれた特定図形の例を示す図である。

    【図6】上記実施例において、運転者に教育上効果的な診断結果を与える動作を示すフローチャートである。

    【図7】上記実施例において、検査結果を示す図であり、比較的成績の良い場合の例を示す図である。

    【図8】上記実施例において、検査結果を示す図であり、比較的成績の悪い場合の例を示す図である。

    【図9】上記実施例において、助言機能を実現する印刷出力の例を示す図である。

    【図10】上記従来例において、ハンドル追従作業時に被験者に提示される画面表示の例を示す図である。

    【符号の説明】

    101…運転シミュレータ装置 102…運用者インタフェース部 103…コンピュータ装置 104…運転者インタフェース部 105…外部制御装置 106…運転者 107…運用者 108…CPU 109…メモリ 110…ハードディスク装置 111…入出力制御装置 112…画像生成装置 113…音声合成装置 114…CRTディスプレイ装置 115…スピーカ 116…印刷出力装置 121…ランプ 122…メータ 123…モータ駆動装置 124〜127…センサ 128…ホーンスイッチ 129…スイッチ 131…パネル表示装置 132…速度計 133…操舵反力発生用モータ 134…ハンドル 135…アクセルペダル 136…ブレーキペダル 137…シフトノブ 138…ホーンボタン 139…各種操作装置 201…シート 202…コンビネーションスイッチ 203…サイドブレーキ操作ノブ 205…基台 401…コース表示 402…遠景表示 403…後方表示 404…自車のパネル表示 501…特定の態様を持った図形 701…走行結果の評価表 702…走行目標コースと実際に走行したコースのグラフ 703…走行目標コースと実際に走行した位置のずれのグラフ 704…ハンドル操作の様子を表わすグラフ 705…ハンドル操作の周波数成分を表わすグラフ 901…走行結果のまとめの表 902…評価結果を表わすグラフ 903…被験者の走行結果から得られた評価値のプロット 904…助言の文章 1001…目標信号 1002…追従表示。

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