【技術分野】 【0001】 本発明は、ステロール骨格をベースとし、その環状系の3-位置が4〜9の等電点を有する1個以上の両性基で置換されている両性化合物、およびそのような化合物を含むリポソームに関する。 【背景技術】 【0002】 用語“脂質”は、生物学的膜により分離し得る3つの群の天然物質:リン脂質、スフィンゴ脂質、およびコレステロールを要約しており、それらの誘導体を包含する。 これらの物質は、リポソーム類の製造において技術的に興味がある。 なかんずく、そのようなリポソーム類は、薬剤製造における活性物質の収容体として使用し得る。 そのような用途においては、中身の効果的で安定な包装と内容物の制御可能な放出が望ましい。 これらの要件の双方を両立させることは容易ではない:包装を安定且つコンパクトにするほど、内包された活性物質のそれからの放出は困難である。 このため、外的刺激に応答してその諸特性を変化させるリポソーム類が開発されてきている。 感熱性でpH感受性のリポソーム類は周知である。 pH感受性リポソーム類は、このパラメーターが生理学的条件においてさえも、例えば、細胞中でのリポソームのエンドサイトーシス受容中または胃腸管の通過中にも変化を受けるので、特別に興味がある。 従来技術によれば、pH感受性リポソーム類は、とりわけ、コレステロールヘミスクシネート(CHEMS)を含んでいる。 ホスファチジルエタノールアミンと混合したコレステロールヘミスクシネートが、pH感受性リポソーム類を製造するのに使用されている(Tachibana et al. (1998); BBRC 251, 538-544、米国特許第4,891,208号)。 そのようなリポソーム類は、エンドサイトーシスによって細胞に入り、細胞膜の一体性を損なうことなく、この経路における細胞内に中身分子を輸送し得る。 CHEMSの1つの実質的な欠点は、そのアニオン特性である。 CHEMSを使用して製造したリポソーム類は、負の全体的電荷を有し、低効率でしか細胞に捕獲されない。 上述の伝達メカニズムにもかかわらず、これらのリポソーム類は、細胞中にマクロ分子を輸送するのに殆ど適していない。 【0003】 WO 00/59474号においては、その従来技術は、膜アンカーとカチオン性且つアニオン性の頭部基とを有し、そのアニオン基がジスルフィドブリッジを介して基本構造に結合している化合物を記載している。 そのスルフィドブリッジは生理学的条件下において、例えば、サイトゾルとの接触により還元し得、その後、上記アニオン頭部基を遊離させ、分子全体が正電荷を偽装し、それによって、細胞膜との融合を可能にしている。 WO 00/59474号に開示されている化合物の毒性プロフィールと保存安定性は、上記ジスルフィドブリッジの開裂により遊離のカチオン性脂質が生ずるので、不利である。 不都合なことに、これらの化合物は、細胞毒性作用を有することが知られている。 活性物質の細胞への輸送(移入)においては、当該技術は、好ましい高くて一定の表面電荷を有するカチオン性リポソーム類を使用している。 そのような粒子の全体的正電荷は、細胞への静電付着を、さらにその後、細胞中への効率的な輸送をもたらす。 これらの化合物およびこれら化合物を使用して製造したリポソーム類の使用は、そのような正荷電リポソーム類が血清成分との制御されていない凝集体の形成を生ずることから、試験管内(in vitro)または生体外(ex vivo)の応用に制限されたままである。 【0004】 【特許文献1】米国特許第4,891,208号【特許文献2】WO 00/59474号【非特許文献1】Tachibana et al. (1998); BBRC 251, 538-544 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0005】 従って、本発明の目的は、 i) 活性物質をリポソーム中に内包させ、リポソームからpH値を変化させたときに放出させ得る手段により; ii) 血清と、生理学的条件下に、凝集を起さずに混合し得る両性リポソーム類の製造の達成を助長する存在物により;そして、 iii) 内包活性物質を細胞内部に輸送し得るリポソーム類を製造し得る手段により; 新規な化合物を製造することである。 本発明のもう1つの目的は、上記化合物の容易で低コストの製造および上記化合物の高量でのリポソーム膜中への取込みを可能にする方法を見出すことである。 本発明の目的は、下記の一般式によって示す4.5〜8.5の等電点を有するステロール誘導体によって達成される: 両性物質‐Y‐スペーサー‐X‐ステロール(式中、YおよびXは、結合基を示す)。 本発明の目的は、両性基をステロール骨格の3-位置に接合させることによって達成される。 使用する両性物質次第で、特定のpH値で電荷の変化を受け、リポソーム膜内への驚くべき高量での取込みを可能にする化合物が得られる。 通常の安価なステロール類およびそれらの誘導体を出発化合物として使用することができる。 上記両性物質とステロール骨格の間には、分子フラグメント:‐Y‐スペーサー‐X が存在する。 例えば、上記スペーサーは、0〜8個のC原子を有し2個のエチレン系不飽和結合を含む直鎖構造の低級アルキル残基である。 上記スペーサーは、分子の極性を増大させるためのヒドロキシル基を含み得る。 【0006】 本発明における概念においては、下記の略号を使用する: CHEMS コレステロールヘミスクシネート PC ホスファチジルコリン PE ホスファチジルエタノールアミン PS ホスファチジルセリン Hist-Chol ヒスチジルコレステロールヘミスクシネート生物学的二層膜も膜形成性または膜結合基のうちで、上記ステロール類は、これらの化合物が、とりわけ、低コストで入手でき、通常の化学的性質を含み、その浸透性を増大させることなく或いはその膜特性を完全に破壊することさえもなく、膜内での高量での取込みを可能にすることから、特別な興味を有する。 しかしながら、この後者の特徴を保持するためには、極性分子による置換が上記ステロールの3-位置においてであることが重要である。 上記分子全体は、“両性物質”分子部分におけるカチオン基とアニオン基の同時の存在によるそのpH依存性電荷特性を想定している。 さらに詳細には、両性物質は、その電荷成分の総計が特定のpH値において正しくゼロであることに特徴を有する。 このポイントを等電点と称する。 pIより上では上記化合物は負電荷を有し、pIよりも下では上記化合物は正カチオンとみなし、上記化合物、即ち、本発明のステロール誘導体のpIは4.5〜8.5の範囲にある。 【0007】 媒体の特定のpH値における分子の全体的電荷は、下記のようにして算出することができる: z= Σni・((qi−1) + (10 (pK-pH) /(1 + 10 (pK-pH) ))) qi:分子のそのpK未満でのイオン基の絶対電荷 (例えば、カルボキシル = 0、単一窒素塩基 = 1) ni:分子中のそのような基の数例えば、本発明に従う1つの化合物は、ヒスチジンのアミノ基をコレステロールヘミスクシネートにカップリングさせることによって調製する。 7の中性pH値では、この生成物は、生成物中に存在するカルボキシル官能基がその十分に解離した形にあり、イミダゾール官能基のみが低電荷を有するので、負電荷を有する。 約4の酸pH値においては、その状況は逆である:カルボキシル官能基は今や大いに放電しており、一方、イミダゾール基は十分にプロトン化されており、従って、上記分子の全体的電荷は正である。 本発明の好ましい実施態様においては、上記ステロール誘導体は、5〜7の等電点を有する。 本発明のもう1つの好ましい実施態様においては、上記両性物質は、4〜8のpKa値を有する1種以上のカチオンと、同時に、3〜7のpKa値を有する1種以上のカチオンを有する。 官能基のタイプおよび数に関しての有利な選択は、上述の式を参考にしてなし得る。 とりわけ、4〜9のpH範囲において解離形である官能基または分子フラグメントを電荷担体として使用するのが好都合である。 例えば、これらの官能基には、リン酸基、スルホン酸基または他の強アニオン類がある。 しかしながら、これらの官能基としては、上述したものに限らず、第1級、第2級または第3級アミノ基もある。 これらには、第4級アンモニウム、アミジニウム、ピリジニウム、およびグアニジド基がある。 【0008】 その後、これらの固定電荷は、上述の可変性電荷によって過補正し得る。 即ち、上記の可変性電荷を、例えば、過剰に使用する。 十分に解離した基を使用するときの1つの利点は、それら基の強い極性である。 この基からの好ましい構成フラグメントは、上述のスペーサーおよびカップリング基の1つによって上記分子に結合させたスルホン酸類、リン酸類、第1級、第2級または第3級アミン類、アンモニウム化合物、グアニジニウム化合物、アミジニウム化合物、またはピリジニウム化合物である。 とりわけ好ましい態様においては、上記両性物質は、完全構造の分子成分であり得る。 例えば、この態様は、o-、m-またはp-アミノ安息香酸、イミダゾールカルボン酸、イミダゾール二酢酸のみならず、ニコチン酸またはピコリン酸の場合である。 詳細には、上記両性物質は2つの電荷担体からなり、これらの担体は、共に、上述の4〜9のpH範囲においてそれらの電荷を変化させる。 アニオン電荷の喪失とカチオン電荷の獲得の同時発生は、分子全体における電荷の変化を生ずる。 【0009】 もう1つの好ましい実施態様においては、上記カチオンは、イミダゾール、ピペラジン、モルホリン、プリン、および/またはピリミジンを含む。 この特性を本質的に有する他の有利なカチオンとしては、すべての他の窒素塩基がある。 とりわけ窒素塩基が環状系の形である場合、結合用スペーサーを上記有機カチオン種々の位置に置換させた正異性体が有利に存在する。 都合の良いことに、上記有機カチオンのpKa値は、上記の正異性体化によって影響を受け得る。 関連する基本的法則は、当業者にとって周知である。 また、これらの作用は、表編集からも評価し得る(Handbook of Chemistry and Physics, vol. 73, pp. 8-37ff)。 カップリングは、両親媒性有機カチオン、例えば、下記の群の物質から誘導された有機カチオンを有利に生ずる: o-、m-、p-アニリン類;2-、3-または4-置換アニシジン類、トルイジン類またはフェネチジン類;2-、3-、5-、6-、7-または8-置換ベンズイミダゾール類、2-、3-、4-または5-置換イミダゾール類、1-または5-置換イソキノリン類、2-、3-または4-置換モルホリン類、2-、3-または4-置換ピコリン類、1-、2-または3-置換ピペラジン類、2-、5-または6-修飾プテリン類、3-、4-、5-、6-または9-置換プリン類、2-または3-置換ピラジン類、3-または4-置換ピリダジン類、2-、3-または4-修飾ピリジン類、2-、4-、5-または6-置換ピリミジン類、1-、2-、3-、4-、5-、6-または8-置換キノリン類、2-、4-または5-置換チアゾール類、2-、4-または6-置換トリアジン類、またはチロシンの誘導体類。 とりわけ好ましいのは、上述のピペラジン類、イミダゾール類およびモルホリン類、プリン類またはピリミジン類である。 高度に好ましいのは、生物学的系において産するような分子フラグメント、例えば、4-イミダゾール類(ヒスタミン、ヒスチジン自体)、2-、6-または9-プリン類(アデニン、グアニン、アデノシン、またはグアノシン)、1-、2-または4-ピリミジン類(ウラシル、チミン、シチシン、ウリジン、チミジン、シチジン)、またはピリジン-3-カルボン酸である。 また、上述の構成フラグメントは、さらなる置換基も有し得る。 例えば、これらの置換基は、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピル残基であり、より好ましくは1個または2個のヒドロキシル基を含むヒドロキシル化形である。 また、これらの置換基は、環状系内のヒドロキシルまたはケト官能基であり得る。 【0010】 例えば、好ましいpKa値を有する窒素塩基は、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチル基のような低級アルカンヒドロキシル類による窒素原子の単一または複数置換によっても調製し得る。 この群からの適切な有機塩基類は、例えば、アミノプロパンジオール類、トリエタノールアミン類、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン類、ビス(ヒドロキシメチル)メチルアミン類、トリス(ヒドロキシエチル)メチルアミン類、ビス(ヒドロキシエチル)メチルアミン類、または相応する置換エチルアミン類である。 もう1つの有利な実施態様においては、アニオン電荷担体はカルボキシル基である。 当然のこととして、任意のカルボン酸を電荷担体として使用し得る。 とりわけ、これらのカルボン酸としては、8個までのC原子と0、1または2個のエチレン系不飽和結合を有する脂肪族直鎖または枝分れカルボン酸類がある。 化合物成分の例は、脂肪族鎖に結合させたカルボキシル基自体、酢酸、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、アセト酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸、クロトン酸またはより高級のカルボン酸類;モノエステル化もしくはアミド化または脂肪族鎖に結合させたシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、カプリル酸、ピメリン酸、スベリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、またはシクロペンタンジカルボン酸のようなジカルボン酸類;モノエステル化もしくはアミド化または脂肪族鎖に結合させたクエン酸、イソクエン酸またはエチレンジアミンテトラ酢酸のようなオリゴカルボン酸類である。 他の有益な化合物成分は、ヘテロ原子を介して側鎖に結合させたグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、またはグルタミン酸;アラニン、グリシン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、またはシスティン;または他のアミノ酸またはヒドロキシ酸である。 例えば、安息香酸、アニス酸、ジヒドロキシ安息香酸のようなo-、m-またはp-ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、ケイ皮酸、フェニル酢酸、馬尿酸、フタル酸、テレフタル酸、2-、3-または4-ピリジンカルボン酸、フランカルボン酸のような適切な特性を有するカルボン酸類も、芳香族系の置換体として見出し得る。 他のアニオン基は、アスコルビン酸、N-置換アロキサン、N-置換バルビツル酸、ベロナール、フェノール中で産生するような解離性ヒドロキシル類またはチオール類、またはチオール基である。 【0011】 本発明の好ましい実施態様においては、上記両性物質は、1〜10個のアミノ酸を含むペプチド類である。 もう1つの実施態様においては、とりわけアミノ酸類のヒスチジン、アルギニン、リシン、グルタミン酸、またはアスパラギン酸をとりわけ好ましい形で使用して上記両性物質を調製し、その電荷特性を決定させる。 他の好ましいアミノ酸は、グリシン、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギンまたはシスティンであり、これらのアミノ酸は、極性の増大に寄与し、かくして、上記両性物質の溶解性を向上させる。 本発明の好ましい実施態様においては、上記ステロール類は、コレステロール、シトステロール、カンペステロール、デスモステロール、フコステロール、22-ケトステロール、20-ヒドロキシステロール、スチグマステロール、22-ヒドロキシコレステロール、25-ヒドロキシコレステロール、ラノステロール、7-デヒドロコレステロール、ジヒドロコレステロール、19-ヒドロキシコレステロール、5α-コレスト-7-エン-3β-オール、7-ヒドロキシコレステロール、エピコレステロール、エルゴステロール、および/またはデヒドロエルゴステロール、並びに他の関連化合物類である。 出発物質としての利点を有して使用するステロール類は、その3-位置に種々の基を担持し得、これらの基は、迅速且つ安定なカップリングを好都合に可能にし、或いは、場合によってはスペーサーの機能を奏する。 直接カップリングにとりわけ適するのは、本来的に存在するヒドロキシル基、ステロールクロライド類の塩素、ステロールアミン類のアミノ基、またはチオコレステロールのチオール基である。 【0012】 本発明の好ましい実施態様においては、結合基Xは、構造 -(C=O)-O-;-(C=O)-NH-;-NH-(C=O)-O-;-(C=O)-S-;-O-;-NH-;-S-;または -CH=N-を含む。 有利には、結合基Yは、その構造において、基Xに相応し得、構造 -O-(O=C)-;-S-(O=C)-;-NH-(O=C)-;-O-(O=C)-NH- ;または-N=CH-をさらに含み得る。 例えば、Y基は、上記両性物質を、例えばイミダゾール-4,5-ジカルボン酸のコレステロールによるエステル化において、ステロール骨格に直接カップリングさせ得る場合においては、省き得る。 本発明の好ましい実施態様においては、上記スペーサーは、直鎖、分枝鎖または環状構造を有する低級アルキル残基であり、0〜8個のC原子を含み、0、1または2個のエチレン系不飽和結合を含む。 上記スペーサーは、分子の極性を増大させるためのヒドロキシル基を有し得る。 とりわけ、上記スペーサーは、砂糖、有利には、20個までのモノマー単位を含み得るポリエチレングリコールであり得る。 そのようなカップリング反応を実施する方法は、当業者にとって周知であり、使用する出発物質およびカップリング成分によって変り得る。 典型的な反応は、エステル化、アミド化、二重結合へのアミン類の付加、エーテル化、または還元性アミノ化である。 とりわけ好ましい分子は、コレステロールヘミスクシネートのアミド化により、またはコレステロールクロロホルメートからのカルバモイルの形成により、さらにコレステロールによる直接エステル化によっても調製し得る。 とりわけ好ましい両性物質としては、例えば、下記の表1〜3の化合物があり、表中、R 1およびR 2は両性ステロールの親油性部分を示し、( ) nは、前記で定義したスペーサーの意味において、分子の他の部分を示す。 【0013】 【表1】
【0014】 【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
本発明は、本発明に従うステロール誘導体を含むリポソーム類にも関する。 本発明の化合物は、高量でリポソーム膜内に取込みし得、媒体のpH値が上記両性物質の等電点よりも低く低下したときのみ、粒子全体の正電荷を生ずる。 本発明の成分を含むリポソームは、ポリマー類によって、そのようなポリマー物質のリポソーム表面上への1回または複数回の塗布が可能である適切な条件下でコーティングし得る。 複数回塗布においては、必要に応じての架橋剤の存在下に、リポソームナノカプセルを、WO 00/28972号またはWO 01/64330号に記載されているようにして形成させる。 本明細書に記載する上記物質を使用するときの1つの有益な事実は、高分子電解質との静電相互作用を遮断し得るということである。 周知のように、高分子電解質とリポソーム膜の電荷担体との相互作用は、膜成分の偏析と脂質群塊の形成をもたらし得る。 多くの場合、そのような偏析は、リポソーム類の浸透化に付随する。 本発明の物質は、コーティング処理の後のこの相互作用の排除を可能にする。 pH値をこの点に上昇させたとき、上記リポソームは単に立体形でナノカプセル中に内包され、膜と高分子電解質間の相互作用はもはや存在しない。 この方法において、脂質の群塊形成および関連する膜の浸透化は、回避し得る。
驚くべきことに、本発明の物質を膜内に含むリポソームが、本発明物質の等電点よりも低い点で、他の膜、とりわけ、細胞膜との融合を容易に生ずることを見出した。 一般に、このステップは、膜中での大量のPEの存在を必要とする。 このPEは、六方晶系相を形成させるその性向の結果として、ヘルパー脂質の機能を擬態する。 しかしながら、そのような幕の劣った安定性は不利であり、内包させた活性物質の漸次的放出が頻繁に観察されている。
有利なことに、本発明に従う物質を使用して調製したリポソームは、ヘルパー脂質の不存在下において、有効な融合を生ずる。 即ち、本発明の物質を使用する場合、活性物質を安定にカプセル化するが、低pH値条件下において細胞膜との融合を生じて、そこで活性物質を放出させるリポソームを製造することが可能である。
【0017】
2つの特性のこの組合せは、内包分子の細胞中への取込みのための重要な前提条件である。 リポソーム類の細胞エンベロープまたは成分との融合においては、水性容積の両パートナーが、膜構造体の媒体への開放が生ずることなく、結合する。 結果として、他の物質の制御されていない流入または流出は回避される。
本発明の好ましい実施態様においては、ステロール誘導体の量は、最大で50モル%である。 最大で50モル%であるが少なくとも2モル%のステロール誘導体を含む組成物は、とりわけ有利である。 少なくとも10モル%、最大で40モル%のステロール誘導体を含む組成物も好ましい。 本発明の物質を含むリポソーム類の製造は、当業者にとって周知の方法に従って進める。
本発明のもう1つの好ましい実施態様においては、上記リポソームは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシルグリセリン、テトラエーテル脂質および/またはPEG脂質を含む。 コレステロール自体は、リポソームを形成することができず、従って、さらなる脂質の添加が有利である。 この脂質は、任意のリン脂質であり得る。 また、明らかに、この脂質は、セラミドまたはスフィンゴ脂質であり得る。 好都合なのは、脂質をその極性部分においてポリエチレングリコールによって変性することである。
本発明の好ましい実施態様においては、上記リポソームは、50〜1000 nm、好ましくは50〜300 nm、より好ましくは60〜130 nmの平均粒度を有する。
【0018】
好都合に、活性物質は上記リポソーム中に囲い込まれ、それらの活性物質は、例えば、癌治療において、さらに、重篤な感染症の治療において使用できる。 この目的のために、リポソーム分散液を注射し、輸注しまたは埋込むことができる。 その後、リポソーム分散液は、血中またはリンパ液中に分布され、或いはその活性物質を制御された形で蓄積物として放出する。 後者は、ゲルの形の高濃縮分散液によって達成され得る。 また、上記リポソームは、皮膚上での局所用途においても使用し得る。 とりわけ、リポソーム分散液は、各種活性物質の皮膚中への改良された浸透に、或いは皮膚を通っての体内への通過にさえも寄与し得る。 さらにまた、上記リポソームは、遺伝子伝達においても使用し得る。 遺伝子物質は、その大きさと電荷故に、助剤なしでは、細胞に入ることは通常できない。 この目的においては、DNAと一緒に、それぞれの細胞によって効率的で良好に指向された形で捕獲されるべきリポソームまたは脂質複合体のような適切な担体を必要とする。 このために、エンドサイトーシスのような細胞固有の輸送メカニズムを使用している。 明らかに、本発明のリポソームは、モデル膜としても使用し得る。 その主構造において、リポソーム類は、細胞膜と高度に類似している。 従って、リポソーム類は、活性物質の膜への透過率または活性物質の膜結合性を定量するための膜モデルとして使用し得る。 さらに有利には、上記活性物質は、たんぱく質、ペプチド、DNA、RNA、アンチセンスヌクレオチドおよび/またはおとりヌクレオチドである。
本発明のもう1つの好ましい実施態様においては、少なくとも80%の活性物質が上記リポソーム中に内包される。 必要ならば、外側に付着している非取込み物分子は、pH値を単純に上昇させることによって除去し得る。 このステップは、非取込み物分子がリポソームの凝集を生ずるであろうすべての場合において必要である。 本発明の成分を使用するときの1つの有利な事実は、内包された活性物質が、脂質層との相互作用を許容する条件下において、実際の封入期間中のみ維持されなければならないと言うことである。 一旦脂質層がそれ自体中に閉じこまれると、他の条件に変化させることは可能である。 それによって、活性物質、とりわけたんぱく質の潜在的不活性化は、最小限にし得る。
【0019】
また、本発明は、カプセル化のための結合用pH値と未結合活性物質除去のための第2のpH値を使用してのリポソームに活性物質を取込ませる方法に関する。
さらにまた、本発明は、リポソームを特定のpH値で浸透性とし、その後、密封することからなるリポソームに活性物質を取込ませる方法にも関する。 とりわけ、透過性の変化は、リポソームに取り込ませるのに、良好に指向された形で好ましく使用し得る。 このため、封入すべき活性物質は、高透過性の条件下に媒体に添加して、その後、低透過性条件に調整し得る。 この方法において、活性物質は、リポソーム内に残存する。 その後、内包されていない活性物質は、必要に応じて、除去し得る。 そのような透過性の変化は、リポソーム上またはリポソームナノカプセル上で誘発させ得る。
また、本発明は、診断および放出系における上記リポソームの使用にも関する。 明らかに、上記リポソームは、検出系において使用し得る。 とりわけ、上記リポソームには、蛍光発光がキレート形成によって増強される金属イオン、即ち、例えば、テルビウムまたはユウロピウムイオンを取り込ませ得る。 そのような使用におけるリポソームは、勿論、特異性、即ち、抗体類、レクチン類、セレクチン類、レセプター類、またはホルモン類、或いはRNAアプタマー(aptamer)類を測定する成分を含み得る。 本発明に従う使用のとりわけ好ましい実施態様においては、これら金属イオンの存在は、上記リポソームの容積内に限定して、外側に付着している金属イオンの緩慢な放出からの非特異信号を回避するようにする。 また、上記リポソームをナノカプセルの製造において使用することも好都合である。 上記リポソームは、診断における放出系の製造において有利に使用し得る。 活性物質の輸送および/または放出における使用も、好都合である。 有利には、上記リポソームは、蓄積物(depot)調製物としておよび/または循環性蓄積物として使用し得る。 細胞を生体内、試験管内および/または生体外において移入させるためのベクターとしての上記リポソームの使用も、有益である。 例えば、上記リポソームは、静脈内または腹腔内用途において使用し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明に従うステロール誘導体およびリポソームは、幾つかの利点を有する。 驚くべきことに、本発明のリポソームの透過性は、pH値、即ち、上記ステロール誘導体の荷電状態に依存していることが測定された。 例えば、Hist-Cholを使用する場合、ホスファチジルエタノールアミンを含む上記リポソームは、内包させた活性物質またはマーカーが数分〜数時間内で拡散するような形で、5〜6のpH値において透過性とする。 しかしながら、他のpH範囲においては、これらの膜は、それ自体安定であり、低い初期透過性を示す。 従って、本発明に従う構造体を使用するリポソームは、活性物質の放出が媒体のpH値に依存して進行すべき放出系を構築するのにとりわけ適している。 また、驚くべきことに、平均並みよりも高いたんぱく質またはDNA量を、膜内にステロール誘導体を含むリポソーム中に内包させ得ることも見出した。 そのような取込みの効率性は、使用する溶液のpH値に依存している。 従って、リポソーム中へのたんぱく質またはDNAの効率的なカプセル化過程は、内包分子の脂質層への良好な結合をもたらすpH値を最初に調節することによって実施する。 多価アニオンとしてのDNAにおいては、約4〜5の低pH値を使用する。 たんぱく質においては、有用なpH値は、本発明に従う物質の等電点よりも低くなければならないそのたんぱく質の等電点に依存するであろう。 カプセル化は、媒体のpH値をたんぱく質の等電点と上記ステロール誘導体の等電点の間の範囲にあるように選定したときに、とりわけ効果的である。 そのとき、たんぱく質は負電荷を有し、脂質層は正電荷を有する。
また、驚くべきことに、膜内に、例えばHist-Cholを含むリポソームが金属イオンをキレート化させ得ることも見出した。 この特性は、上記リポソームの正電荷の増大をもたらす。 この効果は、上記化合物固有の電荷がこの場合低いことから、中性pH値においてとりわけ強いことが観察されている。 そのようなリポソームは、そのキレート化特性故に、生化学診断において、さらに、薬物治療において使用可能である。
【0021】
試験または治療目的においてリポソーム類を使用する1つの本質的な前提条件は、それらリポソームの細胞または組織との適合性である。 細胞内にDNAまたはたんぱく質を取り込むのに使用する多くの周知の化合物(例えば、カチオン性脂質のDOTAP)は、細胞毒性である。 驚くべきことに、本発明の化合物の幾つかは、減少した細胞毒性を示すことを見出した。 とりわけ、このことは、上記両性物質がアミノ酸またはペプチドである群の化合物に当てはまる。 従って、これらの化合物は、移入系の前提条件の1つを満す。
細胞中への遺伝子またはたんぱく質輸送において使用するベクターの構築におけるもう1つの前提条件は、それらベクターの血清または血液との適合性である。 現在公知のベクター類は、その強いカチオン性電荷故に、制御し得ない大凝集物を形成し、生物体内で血栓の形成をもたらす。 従って、生体内でのそれらの使用は、実際には不可能であり、試験管内または生体外での用途に制約される。 驚くべきことに、本発明の成分を使用して構築したリポソームは、血清または血液中で凝集物を何ら形成しないことを見出した。 とりわけ、これらは、7.5未満の等電点を有するリポソームである。
たんぱく質または遺伝子伝達において使用するベクターの構築におけるもう1つの前提条件は、生理学的条件下におけるそれらベクターの安定性である。 血液循環中への適用時において、リポソーム類は、補体系の成分によって攻撃され、急速な分解を蒙る。 この反応は数分内で進行する。 結果として、孔が膜内に形成され、たんぱく質のような幾分大きい分子をその孔から拡散せしめる。 現在のところ、このメカニズムに関してのリポソーム類の安定化は、脂質層中にコレステロールを取込みさせることによってのみ可能である。 そのようなリポソーム類は、高度に安定ではあるものの、細胞と相互作用させ或いはそれらの活性物質を容易に放出させるのは最早不可能である。 驚くべきことに、本発明の化合物を使用して構築したリポソームは、血清または血液中で数時間の間安定であり得ることを見出した。 そのような条件においてさえも、活性物質の放出は低い。 活性物質の輸送用のリポソームベクターは、少なくとも3つの前提条件を満たさなければならない:そのようなベクターは、低毒性を有し、活性物質を堅固且つ安定に内包し、さらに、血清または血液と適合性でなければならない。
【0022】
有利なことに、これら3つの前提条件は、本発明に従う選択された物質を使用して製造したリポソームによって満たされている。 従って、これらのリポソームは、治療用途に良好に適している。 そのような使用を支持する他の特性は、活性物質の良好な取込み性およびpH値を変化させることによる或いは膜の透過性化によるこれら物質の良好に指向された放出である。 本発明の物質を使用して製造したリポソームは、細胞表面に対して低い非特異結合を示す。 この低い非特異結合性は、ターゲット細胞に対する特異性結合を達成するための本質的前提条件である。 上記ベヒクル類のターゲット制御は、上述のリポソームを追加のリガンド類と一緒に調製したときに得られる。 結果として、活性物質は、病理学的症状を示すそのような細胞または組織内に特異的に集積させ得る。
従って、本発明に従う物質のもう1つの重要な使用は、生活している生物体内での活性物質の伝達用のベクターの構築においてである。 これらのベクターは、たんぱく質またはDNA(これら自体は、細胞膜を透過し得ないか、或いは血液流内で急速な分解を蒙る)のような治療用マクロ分子の輸送にとりわけ適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
限定するつもりはないが、本発明を、以下の実施例に関連して、さらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
コレステロール -L- ヒスチジルスクシネート (Hist-Chol) の合成 工程 I、コレステロールヘミスクシネートの活性化:ジシクロヘキシルカルボジイミド(11.3ミリモル;2.3 g)と40 mlのTHFを100 mlのフラスコに入れ、−10℃に冷却する。 コレステロールヘミスクシネート(10.3ミリモル;5 g)とN-ヒドロキシスクシンイミド(11.3ミリモル;1.3 g)を添加する。 混合物をRTに解凍し、5時間攪拌する。 その後、生成した(尿素)を含む沈降物を除去し、濾液を濃縮し、残留物を酢酸エチルから再結晶させる。 無色針状物、mp:145〜146℃、93%。
工程 II、コレステロール-L-ヒスチジルスクシネート:上記活性化エステル(5.1ミリモル;3 g;工程 I)を40 mlのDMFに入れる。 炭酸水素ナトリウム(7.6ミリモル;0.6 g)とヒスチジン(7.6ミリモル;1.2 g)を10 mlの水中に溶解する。 この溶液を、上記DMF懸濁液にゆっくり滴下により添加する。 これを20時間攪拌し、次いで、2N HClを使用して、pH 4〜5に調整する。 その後、反応混合物を濃縮乾固させ、生成物を熱エタノールで抽出する。 エタノールを除去した後、生成物を純粋形で得る。 無色固形物、78%。
【実施例2】
【0025】
両性リポソームの調製 5 mgのHist-Cholと9.8 mgのPOPCを4 mlのクロロホルム/メタノール(1:1容積/容積)中に溶解し、回転蒸発器内で完全に乾燥させる。 脂質膜を、4.3 mlの相応する緩衝液(10 mMのKac、10 mMのHEPES、150 mMのNaCl、pH 7.5)により、5分間の超音波処理を使用して5 mMの脂質濃度で水和させる。 最後に、懸濁液を凍結させ、解氷後、複数の抽出に供する(アベスチン リポソファスト(Avestine LiposoFast)、ポリカーボネートフィルター、孔幅 200 nm)。 種々のpH値におけるmVでのゼータ電位プロフィールを下記の表4に示す。
表 4 【実施例3】
【0026】
透過性 DMPE/Hist-Chol 60:40モル%の組成を有する脂質膜を実施例2におけるのと同様な形で調製し、100 mMの6-カルボキシフルオレスセイン(CF)、50 mMのNaCl、HEPES 10 mM、pH 8を使用して水和させて、25 mMの脂質濃度となるようにした。 内包されていないCFをゲル濾過により除去した。 pH-および時間-依存性透過性の測定においては、上記リポソームを各々のpHの緩衝液中で0.25 mMに希釈し、その蛍光発光を、それぞれ、30分および60分後に測定した。 その後、温度を37℃に上昇させ、測定を同じ時間間隔(30分、60分)で行った。 引き続き、温度を60℃に上昇させ、再び、測定を30分および60分後に行った。 CFの放出%を下記の表5に要約する。 透過性化は、pH 6.5、即ち、Hist-Cholの等電点に極めて近い値において明白に見られる。 上記膜は、このpH値よりも上および下で驚くほどに安定である。
表5 【実施例4】
【0027】
DNA の両性リポソームへの結合 DNA結合においては、実施例に従い、Kac
10 HEP 10 NaCl 100 、pH 8中で調製したPOPC/Hist-Chol 60:40 (モル%)を含むリポソームを、上記緩衝液で0.2 mMに希釈して、試験した。 DNA(ヘリングDNA、水中 1 mg/ml標準溶液)を適切な量で供給した。 その後、0.2 mMのリポソーム(1 ml)を添加した。 混合物を急速混合し、15分後、粒度とゼータ電位を、動的光散乱法により測定した。 適切に選定した量のDNAにおいては、粒度は、殆ど変化しないままである。 POPC/Hist-Chol 60:40リポソームが負電荷を有する7および8のpH値においては、粒度またはゼータ電位の変化は観察され得ず、従って、DNAの結合は排除される。 pH 4と5においては、上記リポソームは強い正電荷を有し、DNA結合は粒子の電荷交換をもたらしている。 pH 6では、上記リポソームは、弱い電荷のみを有し、DNAの添加時に強い負電荷を有している。 電荷交換を得るためには、著しく高量のDNAを添加しなければならない。 ゼータ電位および吸着DNAの関連量を下記の表6に要約する:
表 6 結合特性からも推測し得るように、外側に付着している内包されていないDNAの除去は、pHを上昇させることによって達成し得る。
【実施例5】
【0028】
ヒト血清中の安定性 組成 POPC/Hist-Chol 60:40のリポソームを、実施例2同様にして、5 mM懸濁液として調製した。 血清試験は、希釈群として実施した。 変化量のリポソーム(50〜250μl)を、等量のヒト血清(250μl)と一緒に37℃で5分間インキュベートした(各場合において、総容量を、150 mMのNaClの添加により500μlに調整した)。 その後、動的光拡散法により粒度を測定するために、混合物を緩衝液(KAc10 Hep10 NaCl100;pH 8)で1:9に希釈した。 データを下記の表に要約する。 測定粒度は、血清濃度を増大させることによって血清値に近づいている。 大凝集物(> 1μm)の形成は、観察されなかった(表7)。
表 7 【実施例6】
【0029】
血中薬物動力学 POPC/CholおよびPOPC/Hist-Cholを含む各500μlのリポソームを、雄ウィスターラットに、尻尾静脈に注射することによって投与した。
50 mMのリポソーム懸濁液を、上記それぞれの配合物(0.03モル%の
14 C-DPPCを添加)の脂質膜をHEPES 10 mM、NaCl 150 mM、pH 8中1 mgの 3 H-イヌリン溶液の2 mlで水和させることによって調製した。 3回の凍結/解氷サイクルの後、各懸濁液を、400 nm膜(LiposoFast、Avestin社)から数時間押出した。 内包されなかった 3 H-イヌリンの除去は、G-75 Sephadexカラム上でのゲル濾過およびその後のCENTRIPREP(Millipore社)遠心装置上での濃縮によって行った。 0.5 mlのリポソーム懸濁液を、配合物毎に、4匹の試験動物に投与し、各血液検体を、5分、15分、60分、3時間、12時間、24時間後に採取した。 約50〜100 mgの血液検体を、1 mlのSOLVABLE組織溶解剤(PACKARD社)中に50℃で1〜3時間溶解させ、次いで、0.1〜0.5 mlの30%過酸化水素溶液で脱色させた。 その後、10 mlのシンチレーターを添加し、 3 Hおよび 14 Cの活性を測定した。 各化合物の直接の有毒作用は、検出できなかった。 血液からの消去半減期:
POPC/Chol > 120分
POPC/Hist-Chol > 90分
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