11β- aryl -17,17- Supirochioran substituted steroid

申请号 JP2001512545 申请日 2000-07-20 公开(公告)号 JP2003531815A 公开(公告)日 2003-10-28
申请人 リサーチ・トライアングル・インスティチュート; 发明人 クック、シー・エドガー; ケプラー、ジョン・エー; シェッティ、ルーパ・エス; リー、デビッド・ワイ−ダブリュ;
摘要 (57)【要約】 本発明はプロゲスチン受容体への結合を示す11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物の新規クラスに向けられる。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 構造I 【化1】 {式中、 sは0ないし2の整数であり; R 1は4-(R 2 R 3 N(O)r)-であり(ここで、rは0または1であり、かつ、R 2およびR
    は各々独立にH、C 1-6アルキル、C 3-8シクロアルキル、C 2-6アルケニルまたはC 2-6アルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい);あるいは R 1は 【化2】 であり{式中、qは0もしくは1であり、かつ、Yは-(CH 2 ) m -(ここで、mは0ないし5の整数である)であるか、または Yは-(CH 2 ) n -Z-(CH 2 ) p -(ここでnは0ないし2の整数、pは0ないし2の整数であり、かつ、Zはヘテロ原子(所望により置換されていてもよい)である)であり、いずれの場合にもメチレン基は所望により置換されていてもよい};あるいは R 1は4-ハロ-、4-HO-、4-CF 3 SO 2 O-、4-CH 3 O-、4-CH 3 S-、4-CH 3 S(O)-、4-CH 3 S(O
    ) 2 -、4-CH 3 CO-、4-CH 3 CH(OH)-、4-N≡C-、4-HC≡C-、4-C 6 H 5 C≡C-、4-H 2 C=CH-、
    4-C 2 H 5 -、4-MeC(=CH 2 )-、4-C 6 H 5 、4-(N-イミダゾリル)-、4-(N-ピロリル)-、4-(
    2'-フリル)-、4-(3'-フリル)-、4-(2'-チオフェニル)-、4-(3'-チオフェニル)-
    、4-(2'-ピリジル)-、4-(3'-ピリジル)-、4-(4'-ピリジル)-、4-(2'-チアゾリル
    )-、4-(2'-N-メチルイミダゾリル)-、または4-(5'-ピリミジニル)-であり; R 14はHまたはハロであり、あるいは R 1およびR 14は結合して環 【化3】 {式中、WはCH、CH 2 、N、NH、O、またはSであり、かつ、R 4はH、CH 3またはC 2 H 5
    である}を形成し; XはOまたはNOR 5であり(ここで、R 5はHまたはC 1-6アルキル、C 3-8シクロアルキル、C 2-6アルケニル、C 2-6アルキニル、C 6-12アリール、またはヘテロアリールであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい);あるいは Xは(H,H)、(H,OH)であるか、あるいはXは(H,OSi(C 1-6アルキル) 3 )であるか、あるいはXは(H,OCOR 5 )(ここで、R 5はC 1-6アルキル、C 3-8シクロアルキル、
    C 2-6アルケニル、C 2-6アルキニル、C 6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい)
    であるか;あるいは Xは 【化4】 {式中、Yは-(CH 2 ) m -(ここで、mは0ないし3の整数である)であるか、またはYは-(CH 2 ) n -Z-(CH 2 ) p -(ここで、nは0ないし2の整数であり、pは0ないし2
    の整数であり、かつ、Zはヘテロ原子(所望により置換されていてもよい)であるか、またはZは1個または2個の低級アルキル基で置換した炭素原子である)である}であり; R はH、C 1-6アルキルまたはハロゲンであり; R 8およびR 9は独立にH、C 1-18アルキル、C 2-18アルケニル、C 2-18アルキニル、
    C 4-8シクロアルキル、C 6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく;かつ R 10はH、C 1-18アルキル、C 2-18アルケニル、C 2-18アルキニル、C 4-8シクロアルキル、C 6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく;かつ R 11およびR 12は=CH 2であるか、あるいは R 11およびR 12は各々Hである} で示されるホルモン性または抗ホルモン性ステロイド化合物およびその医薬上許容される塩。 【請求項2】 sが0ないし2の整数であり、 R 1 -Phが4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-
    モルホリノ)フェニルであり; R 14がHであるか、あるいは R 1およびR 14 -Phが1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり; XがO、NOHまたはNOCH 3であり; R 6がH、CH 3 、FまたはClであり; R 8がH、CH 3 、またはC 6 H 5であり; R 9がH、CH 3 、またはC 6 H 5であり; R 10がH、CH 3 、またはC 6 H 5であり;かつ R 11およびR 12が各々Hである、請求項1に記載の構造を有するステロイド。 【請求項3】 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-
    ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,
    2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-
    17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17
    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17
    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17
    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,
    9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オンからなる群から選択される、請求項1に記載のステロイド。 【請求項4】 治療上有効量の請求項1に記載の化合物をそれを必要とする患者に治療目的で投与することを含んでなる、プロゲステロンの活性を治療処置する方法。 【請求項5】 前記治療目的が子宮内膜症または子宮筋腫の治療である、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 前記治療目的が分娩および子の出産に向けた子宮頸部成熟準備である、請求項4に記載の方法。 【請求項7】 前記治療目的が受精率の制御または調節である、請求項4に記載の方法。 【請求項8】 前記治療目的がホルモン置換治療である、請求項4に記載の方法。 【請求項9】 前記治療目的が腫瘍または癌の治療である、請求項4に記載の方法。 【請求項10】 ステロイド化合物(V)のC 17環状スピロチオランを形成する方法であって、 i)C 17チオケトン(II)をアリル型有機金属化合物(III)と反応させ;さらに ii)フリーラジカル条件下でアリル型チオール(IV)を環化させることを含んでなる方法。 【化5】 {式中、R 8およびR 9は独立にH、C 1-18アルキル、C 2-18アルケニル、C 2-18アルキニル、C 4-8シクロアルキル、C 6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく、かつ R 10はH、C 1-18アルキル、C 2-18アルケニル、C 2-18アルキニル、C 4-8シクロアルキル、C 6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく;かつ R 11およびR 12は=CH 2であるか、あるいは R 11およびR 12は各々Hであり;かつ Mは金属陽イオンである}。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 発明の背景本発明に至る研究はNIH、NICHD契約番号N01-HD-5-3238による基金に一部支援されたものである。 従って、本発明に対して米国政府が一定の権利を有する。 【0002】 発明の分野本発明は11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物、11β-
    アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物の製法および11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物を用いるプロゲステロンの活性の治療処置に向けられる。 【0003】 背景の説明プロゲステロンは生殖に関する健康および機能において主要な役割を果たし、
    例えば、子宮、乳房、子宮頸部および視床下部下垂体単位に対するその作用は十分に証明されている。 また、脳、免疫系、血管内皮系および脂質代謝に対する作用などのあまり十分には研究されていない特別な生殖に関する活性もある。 この多様な作用を考えれば、プロゲステロンのいくつかの作用を模倣する化合物(アゴニスト)、これらの作用に拮抗する化合物(アンタゴニスト)または混合した作用を示す化合物(部分アゴニストまたは混合アゴニスト/アンタゴニスト)が種々の疾病および症状に有用であり得るということは明らかである。 【0004】 ステロイドホルモンは細胞内受容体に結合することによりある程度その作用を発揮する。 エストロゲンホルモンおよび男性ホルモンの適当な受容体に結合する化合物、すなわちアンタゴニストまたは部分アゴニストが長年知られてきたが、
    プロゲステロン受容体に結合してプロゲステロンの作用に拮抗する化合物の発見は1982年頃までは発表されなかった。 それ以来、いくつかのかかる化合物が化学および特許文献で報告されており、in vitroおよび動物およびヒトにおけるその作用が研究されている。 エストロゲンなどの化合物および特定の酵素阻害剤は内生プロゲステロンの生理学的作用を妨げることができるが、この議論において「
    抗プロゲスチン」とはプロゲスチン受容体に結合する化合物に限定される。 【0005】 今般、抗プロゲスチンがいくつかの病状において有効であろうということを示す情報が入手できる。 この情報は医学研究所からの報告書(Donaldson, Molly S.
    ; Dorflinger, L.; Brown, Sarah S.; Benet, Leslie Z., Editors, Clinical A
    pparications of Mifepristone (RU 486) and Other Antiprogestins, Committe
    e on Antiprogestins: Assessing the Science, Institute of Medicine, Natio
    nal Academy Press, 1993)に要約されている。 生殖においてプロゲステロンが果たす重要な役割を考えれば、抗プロゲスチンが避妊(長期および緊急または性交後)、月経誘導および妊娠の医学的終了をはじめとする避妊法において役割を果たし得るということは驚くべきことではないが、小規模な臨床または臨床前研究によって支持されている多数のその他の可能性ある用途がある。 これらの中には以下のものがある: 1.分娩および出産−抗プロゲスチンは出産間近または胎児死亡により分娩を誘導しなければならない場合などの分娩誘導に先立つ子宮頸部成熟に使用できる。
    それらは出産間近または過期妊娠において分娩を誘導するのを補助するために使用してもよい。 【0006】 2.子宮平滑筋腫(子宮筋腫)の治療−これらの非悪性腫瘍は30歳を超える女性の20%にまで影響を及ぼし、出産年齢の間の女性において手術の最も一般的な理由の1つである。 子宮摘出は持続性症状の一般的な治療であるが、その結果当然不妊となる。 【0007】 3.子宮内膜症の治療−この一般的で(5ないし15%の発生率、不妊の女性ではもっと高い)かつ痛みをともなうことの多い症状は現在ダナゾールもしくはゴナドトロフィン(重大な副作用を有する放出ホルモン類似体)などの薬剤で治療されるか、または手術で処置されなければならない。 【0008】 4.癌、特に乳癌−多数の乳癌におけるプロゲスチン受容体の存在が転移癌の治療における、または再発もしくは癌の初期発達の予防における抗プロゲスチンの使用を示唆している。 【0009】 5.髄膜腫などのその他の腫瘍−これらの脳膜腫瘍は非悪性であるが患者の死をもたらし、手術以外に治療はない。 【0010】 6.男性避妊−抗プロゲスチンは精子の生存度に干渉し得るが、これはかかる化合物の抗糖質コルチコイド活性とも関連し得るので、抗プロゲステロンの作用であるかどうかは議論の余地がある。 【0011】 7.抗エストロゲン作用−特定の試験では少なくともいくつかの抗プロゲスチンはエストロゲンの作用に対抗するが、従来のホルモン受容体を含まないメカニズムを介することは明らかである。 このことはこれらの医薬使用について種々の可能性を開くものである。 【0012】 8.抗糖質コルチコイド作用−これは抗プロゲスチンの一般的な副作用であり、
    クッシング症候群の治療などのいくつかの例で有用である場合があり、例えば、
    免疫疾患において役割を果たし得るであろう。 その他の例では、かかる作用を最小化することが望ましい。 【0013】 9.ホルモン置換療法−プロゲスチンの作用に拮抗する能はこの領域における使用のために価値がある。 【0014】 プロゲステロンアゴニストのこれらの作用および使用は十分に証明されている。 さらに、最近、既知の抗プロゲスチンに構造的に関連する特定の化合物が特定の生物系において強力なアゴニスト様活性を有するということが示された(例えば、エストロゲンを受けた未成熟ウサギ子宮における従来のプロゲスチン作用;
    CECookら, Life Sciences, 52, 155-162(1993)参照)。 かかる化合物はヒト細胞由来受容体系において部分アゴニストであり、プロゲスチンおよび抗プロゲスチン部位のいずれとも別個の部位に結合する(Wagnerら, Proc. Natl. Acad. Sci
    ., 93,8739-8744(1996))。 【0015】 さらに、受容体/薬剤複合体のゲノムとの相互作用は抗プロゲスチンのクラスからクラスへと異なり−転写結果をともなわずにゲノムへの結合が生じ得るか、
    抗プロゲスチンが複合体のゲノムへの結合を阻害し得るかのいずれかである。 従って、一般的なクラスの抗プロゲスチンはそれらの臨床プロフィールが異なり得る多数のサブクラスを有し得る。 【0016】 抗プロゲスチンの臨床見込みにもかかわらず、1999年3月1日の時点で米国または多数のその他の国において市販されている抗プロゲスチン薬はなかった。 1種の抗プロゲスチン薬のみが世界中のどこでも承認されており臨床使用に利用でき、その薬剤、ミフェプリストンは主に妊娠の医学的終了に用いられる。 いくつかの因子がこの状態の原因であるが、前記の症状に使用できる新規抗プロゲステロン薬の必要性が存在するのは確かである。 本発明の1つの目的はかかる薬剤を提供することである。 【0017】 一般に、抗プロゲステロン活性はステロイド核にΔ 4,9 -3-ケトン部分とともにある11β-アリール置換基の存在と関連している。 初期の抗プロゲスチンは17β-
    ヒドロキシル基および種々の17α-置換基で置換したものである(例えば、Teuts
    chら,米国特許第4,386,085号;Philibertら,米国特許第4,477,445号;Teutschら
    ,米国特許第4,447,424号;Cookら,米国特許第4,774,236号および同4,861,763号参照)。 次いで、17β-アセチル-17α-アシルオキシ基もまた抗プロゲステロン作用を生じ得るということが発見され(Cookら,米国特許第4,954,490号および同5
    ,073,548号)、これらの研究結果の種々の置換が同様になされた。 しかしながら、11β-アリール化合物の17β-アシルシリーズの17α位での16α-エチル基の導入または素置換はアゴニストまたは部分アゴニスト活性をもたらす(CECook
    ら, Life Sciences, 52, 155-162(1993))。 抗プロゲステロン化合物の領域におけるその他の報告としてはTeutschら, Human Reproduction. 1994 Jun; 9(付録1
    ):12-31およびCookら,Human Reproduction. 1994 Jun; 9(付録1):32-39が挙げられる。 ステロイドのD環このような変化は生物学的活性に予測できない作用をもたらし得る。 【0018】 17-チオ-置換ステロイドが文献に報告されている(例えば、Smithら, Journal
    Biological Chemistry. 1974; 249(18):5924-5932; Varma米国特許第4,481,144
    号;およびVarmaら,米国特許第4,529,548号)。 【0019】 既知の抗プロゲスチンの17β位は炭素または酸素原子での置換を特徴としているということがわかる。 それらのホルモンまたは抗ホルモン活性に対する11β-
    アリールステロイドの17β位における17,17-スピロチオランなどのチオ置換基の作用からなる報告はない。 本発明までこれらの合成法は存在しなかった。 17,17-
    スピロチオランステロイドは一般的な化学文献または特許のいずれにも全く認められていない。 従って、先行技術ではかかる化合物の活性に関する予測は可能でない。 本発明の1つの新規なる特徴は11β-アリールステロイドにおけるスピロ[1
    7,17'-2'-チオラン]はプロゲスチン受容体に良好に結合する化合物もたらすという発見である。 【0020】 従って、本発明の目的は新規であり、かつ、強力なプロゲスチン受容体応答モジュレーターを提供し、ヒトを含む哺乳類におけるそれらの医薬使用のための方法を提供し、それらの合成法を提供することである。 【0021】 発明の概要このように本発明の1つの実施形態は11β-アリール置換した17,17-スピロチオランステロイド化合物に向けられる。 【0022】 本発明のもう1つの実施形態は11β-アリール置換した17,17-スピロチオランステロイド化合物の合成法である。 【0023】 本発明のもう1つの実施形態は11β-アリール置換した17,17-スピロチオランステロイド化合物を投与することによりプロゲスチンの作用を調節する方法である。 【0024】 本発明のこれらおよびその他の目的は構造(I) 【化6】

    {式中、 sは0ないし2の整数であり; R

    1は4-(R

    2 R

    3 N(O)r)-であり(ここで、rは0または1であり、かつ、R

    2およびR


    は各々独立にH、C

    1-6アルキル、C

    3-8シクロアルキル、C

    2-6アルケニルまたはC

    2-6アルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい);あるいは R

    1は【化7】 であり{式中、qは0もしくは1であり、かつ、Yは-(CH

    2 )

    m -(ここで、mは0ないし5の整数である)であるか、または Yは-(CH

    2 )

    n -Z-(CH

    2 )

    p -(ここでnは0ないし2の整数、pは0ないし2の整数であり、かつ、Zはヘテロ原子(所望により置換されていてもよい)である)であり、いずれの場合にもメチレン基は所望により置換されていてもよい};あるいは R

    1は4-ハロ-、4-HO-、4-CF

    3 SO

    2 O-、4-CH

    3 O-、4-CH

    3 S-、4-CH

    3 S(O)-、4-CH

    3 S(O


    )

    2 -、4-CH

    3 CO-、4-CH

    3 CH(OH)-、4-N≡C-、4-HC≡C-、4-C

    6 H

    5 C≡C-、4-H

    2 C=CH-、


    4-C

    2 H

    5 -、4-MeC(=CH

    2 )-、4-C

    6 H

    5 、4-(N-イミダゾリル)-、4-(N-ピロリル)-、4-(


    2'-フリル)-、4-(3'-フリル)-、4-(2'-チオフェニル)-、4-(3'-チオフェニル)-


    、4-(2'-ピリジル)-、4-(3'-ピリジル)-、4-(4'-ピリジル)-、4-(2'-チアゾリル


    )-、4-(2'-N-メチルイミダゾリル)-、または4-(5'-ピリミジニル)-であり; R

    14はHまたはハロであり、あるいは R

    1およびR

    14は結合して環【化8】 {式中、WはCH、CH

    2 、N、NH、O、またはSであり、かつ、R

    4はH、CH

    3またはC

    2 H

    5


    である}を形成し; XはOまたはNOR

    5であり(ここで、R

    5はHまたはC

    1-6アルキル、C

    3-8シクロアルキル、C

    2-6アルケニル、C

    2-6アルキニル、C

    6-12アリール、またはヘテロアリールであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい);あるいは Xは(H,H)、(H,OH)であるか、あるいはXは(H,OSi(C

    1-6アルキル)

    3 )であるか、あるいはXは(H,OCOR

    5 )(ここで、R

    5はC

    1-6アルキル、C

    3-8シクロアルキル、


    C

    2-6アルケニル、C

    2-6アルキニル、C

    6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよい)


    であるか;あるいは Xは【化9】 {式中、Yは-(CH

    2 )

    m -(ここで、mは0ないし3の整数である)であるか、またはYは-(CH

    2 )

    n -Z-(CH

    2 )

    p -(ここで、nは0ないし2の整数であり、pは0ないし2


    の整数であり、かつ、Zはヘテロ原子(所望により置換されていてもよい)であるか、またはZは1個または2個の低級アルキル基で置換した炭素原子である)である}であり; R

    はH、C

    1-6アルキルまたはハロゲンであり; R

    8およびR

    9は独立にH、C

    1-18アルキル、C

    2-18アルケニル、C

    2-18アルキニル、


    C

    4-8シクロアルキル、C

    6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく;かつ R

    10はH、C

    1-18アルキル、C

    2-18アルケニル、C

    2-18アルキニル、C

    4-8シクロアルキル、C

    6-12アリール、アラルキル、アラルケニルまたはアラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり、そのいずれも所望により置換されていてもよく;かつ R

    11およびR

    12は=CH

    2であるか、あるいは R

    11およびR

    12は各々Hである} で示される11β-アリール置換した17,17-スピロチオランステロイド化合物およびその医薬上許容される塩により可能となる。 【0025】 本発明のこれらおよびその他の目的は11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物はプロゲステロン受容体に対して特別な結合を示すという発見により可能となる。 【0026】

    好ましい実施形態の詳細な説明ヘテロ原子とは、酸素、窒素、硫黄、シリコンまたはホウ素を意味する。 【0027】 ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し、ハロとは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。 【0028】 アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニルとは、アリール置換基を有するC

    1-6アルキル、C

    2-6アルケニルまたはC

    2-6アルキニル基を意味する。 【0029】 低級アルキルとは、C

    1-6アルキル基を意味する。 【0030】 ヘテロアリールとは、ともに縮合または結合していてもよい1個以上の環状構造からなる5ないし12個の非水素原子の単位を意味し、これは1ないし5個とのヘテロ原子を含み、一般に当業者には芳香族の電子特性を有すると認められている。 【0031】 ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルとは、ヘテロアリール置換基を有するC

    1-6アルキル、C

    2-6アルケニルまたはC

    2-6アルキニル基を意味する。 【0032】 「所望により置換されていてもよい」とは、1個以上のヘテロ原子および/またはハロゲンおよび/または1ないし6個の炭素原子からなるアルキル基および/


    または2ないし6個の炭素原子からなるアルケニルおよび/またはアルキニル基および/または3ないし8個の炭素原子からなるシクロアルキル基および/または6


    ないし12個の炭素原子からなるアリール基および/またはヘテロアリール基での水素原子の置換により置換されていないまたは置換されているを意味し、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は1個以上のヘテロ原子および/またはハロゲンでさらに置換されていてもよい。 それらの原子価が許す場合には、ヘテロ原子は単結合または二重結合により炭素鎖内またはそれへの結合によるのいずれかで置換されていてもよい。 例えば、-CH

    2 -CH

    2 -CH=O、-CH

    2 (C=O)-CH

    3 、-CH

    2 -CH

    2 -O-CH

    3 、−CH

    2 -CH

    2 -CH

    2 OH


    、CH

    3 -CH

    2 -CH

    2 O-、CH

    2 -CH

    2 -C(=O)-NH

    2 、CH

    3 -CH

    2 -C(O)-NH-およびCF

    3 -C≡C-はすべて本定義に含まれる。 【0033】 原子価および立体についての考慮すべき事柄が許すすべての場合において、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はさらなる二重または三重結合および/または分枝鎖を含んでよい。 【0034】 式Iの構造は単一の鏡像異性体として例示されているが、当業者には本発明は両鏡像異性型に向けられると理解されよう。 当業者ならばまた、1種の鏡像異性型を濃縮することはクロマトグラフィー、結晶化、ジアステレオマー分離または光学的に濃縮した出発材料からの出発などによる当業者に公知の従来法により達成できるということも理解するであろう。 好ましい実施形態では、鏡像異性体比は5:1、好ましくは10:1、より好ましくは15:1、さらにより好ましくは20:1より高いであろう。 好ましい実施形態では、濃縮した鏡像異性体はC

    13でβ-エストラジオールのd回転鏡像異性体と同様の完全な立体化学を有する。 【0035】 すべての場合において、スルホキシド基R'R''SOは2種の純粋なエピマーのいずれかならびに2種のエピマーの混合物を含む。 【0036】 すべての場合において、R

    6は芳香環に対してアルファ(α)またはベータ(β)のいずれかであり得る。 【0037】 前記で同定される式Iの化合物は特にA環で3位で2個の水素原子で置換している化合物を含む。 これらの化合物はin vivoで対応するカルボニル化合物へと酸化を受けると考えられる。 【0038】 好ましい実施形態では、本発明は sが0ないし2の整数であり; R

    1 -Phが4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-ピペリジノ)フェニル、4-(N-ピロリジノ)フェニル、4-(N-


    モルホリノ)フェニルであり; R

    14がHであるか、または R

    1およびR

    14 -Phが1-メチルインドール-5-イルまたは1-メチル-2,3-ジヒドロインドール-5-イルであり; XがO、NOH、またはNOCH

    3であり; R

    6がH、CH

    3 、FまたはClであり; R

    8がH、CH

    3 、またはC

    6 H

    5であり; R

    9がH、CH

    3 、またはC

    6 H

    5であり; R

    10がH、CH

    3 、またはC

    6 H

    5であり;かつ R

    11およびR

    12が各々Hである式Iの17,17スピロチオラン化合物に向けられる。 【0039】 本発明はまた、以下の具体的な化合物: 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-


    チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,


    2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-


    17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17


    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17


    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-2'-オキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17


    β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-メチルアミノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,


    9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピペリジノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-ピロリジノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン; 11β-(4-(N-モルホリノ)フェニル)-2',2'-ジオキソスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オンに向けられる。 【0040】 本発明の化合物はまた塩、特に存在すればアミンで形成される塩を含んでなってもよい。 好適な医薬上許容される塩は当業者には公知であり、カルボン酸塩、


    硫酸塩、リン酸塩およびハロゲン化物を含んでなる。 【0041】 プロゲステロン、抗プロゲステロンおよび/または抗糖質コルチコイド活性を有するステロイドはヒトならびに霊長類、家庭内ペットおよび家畜などのヒトでない哺乳類において受精率の制御に、およびこれらの活性が有益である動物またはヒトにおける病状の治療に有用である。 従って、それらは、受精率および生殖の制御におけるそれらの使用に加え、子宮筋腫、クッシング症候群、緑内障、子宮内膜症などの症状、出産に先立つ子宮頸部成熟、ホルモン置換療法、月経前症候群および癌の治療に有用であり得る。 【0042】 本発明の化合物は種々の方法で投与できる。 従って、経口経路で活性である本発明の製剤は溶液、懸濁液、エマルション、舌下錠および口腔錠をはじめとする錠剤、ソフトゼラチンカプセル剤内に溶液を含むソフトゼラチンカプセル剤、水性または油性懸濁液、エマルション、丸剤、トローチ剤、トローチ、錠剤、シロップまたはエリキシルなどで投与できる。 非経口投与で活性な本発明の製剤は蓄積注射、シラスティック(登録商標)および生分解性埋込錠をはじめとする埋込錠、筋内および静脈注射により投与できる。 【0043】 組成物は医薬組成物の製造の技術分野で公知のいずれかの方法に従って製造すればよく、かかる組成物は甘味剤、香料添加剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含んでよい。 有効成分を、錠剤の製造に好適な非毒性の医薬上許容される賦形剤との混合物中に含む錠剤も許容される。 これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシデンプン、


    またはアルギン酸などの顆粒化および崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴムなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤であり得る。 錠剤はコーティングされていなくともよいし、公知の技術によって胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それにより長期にわたって持続性作用を提供するようコーティングされていてもよい。 例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延材料を単独またはワックスとともに用いてよい。 【0044】 経口使用用製剤は有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されているハードゼラチンカプセル剤として、または有効成分が水またはピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油などの油性媒質と混合されているソフトゼラチンカプセル剤として提供してもよい。 【0045】 本発明の水性懸濁液は有効材料を水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に含む。 かかる賦形剤としてはカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、


    ポリビニルピロリドン、トラガカントおよびアラビアゴムなどの沈殿防止剤、天然リン脂質(例えば、レシチン)、酸化アルキレンと脂肪酸の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、酸化エチレンと脂肪酸由来の部分エステルおよびへキシロールとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)または酸化エチレンと脂肪酸由来の部分エステルおよび無水へキシトールとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などの分散剤または湿潤剤が挙げられる。


    水性懸濁液もまたエチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートなどの1種以上の保存料、1種以上の着色剤、1種以上の香料添加剤およびスクロース、アスパルテームまたはサッカリンなどの1種以上の甘味剤を含んでもよい。 当技術分野では公知のように点眼製剤は浸透圧を調節する。 【0046】 油性懸濁液は有効成分を、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油などの植物油、または液体パラフィンなどの無機油に懸濁させることにより処方すればよい。 油性懸濁液は蜜蝋、ハードパラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含んでもよい。 口当たりのいい経口製剤を提供するために甘味剤を加えてもよい。 これらの組成物はアスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により保存してもよい。 【0047】 水の添加による水性懸濁液の製造に好適な本発明の分散性散剤および顆粒剤は分散、沈殿防止および/または湿潤剤および1種以上の保存料との混合物中の有効成分から処方すればよい。 好適な分散または湿潤剤および沈殿防止剤は前記に開示されるものにより例示されている。 また、さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香料添加剤および着色剤も存在し得る。 【0048】 本発明の医薬組成物はまた水中油エマルションの形態であってもよい。 油相はオリーブ油もしくはラッカセイ油などの植物油、液体パラフィンなどの無機油またはこれらの混合物であってよい。 好適な乳化剤としてはアラビアゴムおよびトラガカントなどの天然ゴム、大豆レシチンなどの天然リン脂質、脂肪酸由来のエステルまたは部分エステルおよびソルビタンモノオレエートなどの無水へキシトール、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのこれらの部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物が挙げられる。 エマルションもまた甘味剤および香料添加剤を含んでもよい。 【0049】 シロップおよびエリキシルはグリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤を用いて処方すればよい。 かかる製剤はまた、緩和薬、防腐剤、香料添加剤または着色剤を含んでもよい。 【0050】 本発明の医薬組成物は滅菌注射可能水性または油性懸濁液などの滅菌注射可能製剤の形態であってもよい。 この懸濁液は公知の技術に従って前記の好適な分散剤または湿潤剤および沈殿防止剤を用いて処方すればよい。 滅菌注射可能製剤はまた、1,3-ブタンジオールの溶液などの非毒性の非経口で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液であってもよい。 使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒には水およびリンガー溶液、生理食塩水がある。 さらに、


    通常、滅菌不揮発性油も溶媒または懸濁媒質として使用できる。 この目的のためには、合成モノまたはジグリセリドをはじめとするいずれの無刺激性不揮発性油を用いてもよい。 さらに、オレイン酸などの脂肪酸も同様に注射可能製剤に使用できる。 滅菌は無菌濾過、放射線照射または最終滅菌(例えば、高圧蒸気殺菌法)などの当業者に公知の従来法により実施すればよい。 【0051】 水性製剤(すなわち、水中油エマルション、シロップ、エリキシルおよび注射可能製剤)は最適安定性のpHを達成するよう処方すればよい。 最適pHの決定は当業者に公知の従来法により実施すればよい。 また、好適なバッファーを使用して製剤のpHを維持してもよい。 【0052】 本発明の化合物はまた薬剤の直腸投与のための坐剤の形態で投与できる。 これらの組成物は薬剤を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、従って、


    直腸で溶けて薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することで製造できる。 かかる材料の限定するものではない例としてはココアバターおよびポリエチレングリコールがある。 【0053】 坐剤、吸入、散剤およびエアゾール製剤をはじめとするそれらは鼻腔内、眼内、膣内、および直腸内経路により投与してもよい。 【0054】 好ましくは局所経路により投与される本発明の製剤はアプリケーター・スティック、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、散剤およびエアゾールとして投与してもよい。 【0055】 抗糖質コルチコイド活性を有する製剤はクッシング症候群、多毛などの過剰な内生糖質コルチコイドを特徴とする病状、および特に副腎性器症候群と合併した場合、緑内障などの糖質コルチコイド過剰に関連する眼の症状、過剰な糖質コルチコイド分泌に関連するストレス症状などにおいて特に価値がある。 【0056】 プロゲステロン活性を有する製剤はプロゲステロン剤、排卵抑制剤、月経調節剤、避妊剤、における妊娠可能期間の同期化のための薬剤などとして特に価値がある。 避妊目的で使用する場合には、便宜には、それらを、例えば、エチニルエストラジオールまたはエストラジオールエステルなどのエストロゲン剤と混合してもよい。 【0057】 抗プロゲステロン活性を有する製剤はプロゲステロンの作用に拮抗することを特徴とする。 従って、それらは分娩および出産の補助において、子宮筋腫および子宮内膜症の治療において、およびホルモン置換療法において価値がある。 【0058】 本発明の化合物は全生殖周期の間の受精率の制御のために使用してもよい。 それらは子宮を着床するのに不和なものにするために性交後避妊薬として、また「


    月に一度の」避妊薬として特に価値がある。 それらはプロスタグランジン、分娩促進薬、エストロゲンなどと併用してもよい。 【0059】 本発明の製剤のさらに重要な有用性はホルモン依存性癌の増殖を鈍化するその能力にある。 かかる癌としては腎臓癌、乳癌、子宮内膜癌螺旋、卵巣癌、およびプロゲステロン受容体を有することを特徴とし、本発明の製剤に応答すると期待できる前立腺癌が挙げられる。 抗プロゲステロン剤のその他の有用性としては乳房線維嚢胞病の治療が挙げられる。 特定の癌および特に黒色腫はコルチコイド/


    抗コルチコイド治療に都合よく応答し得る。 【0060】 本発明の化合物はヒト、家庭内ペット、および家畜などのいずれの温血動物に投与してもよい。 家庭内ペットとしてはイヌ、ネコなどが挙げられる。 家畜としては、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどが挙げられる。 【0061】 単回投与形を製造するのに担体材料と混合できる有効性分量は治療される疾病、哺乳類種、および特定の投与形式により異なる。 治療上有効な量は慣例の実験により、および同様の病状を類似ステロイド化合物で治療するために用いる量からの類推により決定すればよい。 例えば、ステロイドの単位用量は好ましくは0.


    1ミリグラムから1グラムの間の有効成分を含み得る。 より好ましい単位用量は0.


    001から0.5グラムの間である。 子宮内膜症または子宮筋腫の特定の治療には、0.


    01ないし10mg/kg体重の量、好ましくは0.1ないし3mg/kgを投与すればよい。 これらの化合物のその他の治療目的には同様の用量を用いればよい。 通常、化合物は


    1日当たり1ないし4回、好ましくは1日当たり1ないし2回毎日投与してよいが、例えばホルモン置換療法などにおける使用には、シクロフェース型の(cyclophasic


    )投与計画で投与すればよい。 いずれの場合においても、用量の頻度およびタイミングは体内での特定の化合物の半減期、用量製剤および投与経路などの因子により異なる。 しかしながら、当業者には十分に理解されるように、いずれかの特定の患者のための特定の用量レベルは用いる特定の化合物の活性;年齢、体重、


    身体全体の健康、性別および治療されている個人の食事療法;投与時間および経路;排泄速度;これまでに投与されているその他の薬剤;および治療を受ける特定の疾病の重篤度をはじめとする種々の因子により異なるということが理解されよう。 【0062】 かかる化合物は子宮内膜症、子宮平滑筋腫(子宮筋腫)および特定の癌および腫瘍の治療に、ホルモン置換療法に、ならびに避妊などの生殖および受精率の種々の段階の制御に有用である。 かかる化合物の可能性ある使用についてのより詳細な説明はDonaldson, Molly S.; Dorflinger, L.; Brown, Sarah S.; Benet, L


    eslie Z., Editors, Clinical Applications of Mifepristone(RU486) and Othe


    r Antiprogestins, Committee on Antiprogestins: Assessing the Science, In


    stitute of Medicine, National Academy Press, 1993に示されている。 それらはまたその他のステロイドの合成のための中間体としても有用である。 【0063】 本発明はまたC

    17チオケトンをアリル型グリニャールまたはアリル型銅塩などのアリル型有機金属化合物と反応させ、次いでAIBNなどのラジカル開始剤により誘導されるようなラジカル環状化を含んでなるステロイド化合物のC

    17環状スピロチオランを形成する工程に向けられる。 対応するC

    17ケトンからのC

    17チオケトンの形成はケトンをローソン試薬で処理するなどの当業者に公知の従来法により達成できる。 環状スルフィドの対応する環状スルホキシドまたは環状スルホンへの酸化は過度の実験をしなくともH

    2 O

    2で処理するなどの当業者に公知の従来法により達成できる。 工程の添加および環化部分を以下に例示する: 【化10】 {式中、R

    8 -R

    12は前記の定義に同じであり、かつ、Mは金属陽イオンである}。 【0064】 この開示に幾分か基づいて、本発明の化合物は過度の実験をしなくとも当業者に公知の従来法により製造できる。 【0065】 一般法 本発明の化合物は実施例により例示されるチャート1および2に概説される手順に従って製造できる。 チオン3を得るためには、エストロン(1)を標準的な手順によりその3-メチルエーテル2に変換する。 2のローソン試薬[2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド]との反応により回収率20-25%の出発材料とともに収率50-60%で17-チオン3が得られた。 チオン3


    の臭化アリルマグネシウムでの処理により高収率の17α-アリル-17β-メルカプト化合物4が得られる。 反応をヨウ化第一銅の存在下で実施しジチオスレイトールで後処理するJ. Von Christjohannesら[Radical Cyclizations of Alkenyl-Su


    bstituted 4,5-Dihydro-1,3-thiazole-5-thiols. Helv. Chim. Acta, 72: 838-8


    46(1989)]の手順により80%の収率の4が得られる。 しかしながら、反応はまたヨウ化第一銅の不在下でも良好に進行し、この場合には後処理手順でのジチオスレイトールの使用は不必要である。 チオールをラジカル環状化条件[還流ヘキサン中のアゾ-ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)]に付すと環状スピロチオラン5への9


    0%を超える変換が得られる。 反応はラジカル鎖工程により起きるので、低モル比のラジカル開始剤をかかる反応に用いることが多い。 しかしながら、用いるAIBN


    の比を変動することにより実施した実験によりチオールに対しておよそ等モル比のAIBNにより最良の収率および変換が得られるということが示された。 さらに、


    変換を完了するのに必要な反応時間が短くなる。 【0066】 バーチ条件下の5の芳香環の還元によりエノールエーテル6が良好な収率で得られる。 このようにして得たエノールエーテルをシュウ酸加水分解に付すとβ,γ-


    不飽和ケトン7が形成される。 大スケールでは生成物7と同時に7のスルホキシド誘導体が生じるということが認められたが、これはおそらくジオキサン中の過酸化物不純物による酸化のためであろう。 この副生成物は化合物7ないし10の変換について以下に記載されるようにエポキシドスルホキシド化合物10(チャート2


    )に容易に変換できる。 従って、この加水分解反応における全体的な収率は91%


    の有効生成物である。 ケトン7のピリジン中の三臭化ピリジニウムでの処理により4,9-ジエン-3-ケトン8が得られる。 このケトンを酸の存在下でエチレングリコールで処理し、次いで、H

    2 O

    2を用いるエポキシ化条件に付すことにより(チャート2参照)5(10),9(11)-ジエン-3-ケタール9に変換する。 エポキシ化は硫黄原子のスルホキシドおよび/またはスルホンへの酸化をともなう。 硫黄酸化度はH

    2 O

    2の相対量および用いる条件により異なる。 およそ2.6:1モル比の過酸化物とジエンケタール9となるような量で予混したエポキシ化試薬、ヘキサフルオロアセトン三水和物および過酸化水素により72%の収率のスルホキシドエポキシド10と22%


    の収率のスルホンエポキシド11が得られる。 H

    2 O

    2の量を増せばより多量のスルホンが得られる。 スルホキシドおよびスルホンはクロマトグラフィーにより容易に分離される。 【0067】 臭化アリールマグネシウム試薬のスルホンエポキシド11との反応は15:5:1の比のグリニャール試薬とCuClとステロイドを用いる場合に良好な収率で短時間内に進行する。 さらなる生成物18の酸加水分解および脱水によりジエノン24が得られる。 同様の手順により化合物25および26などのその他のスルホン類似体が得られる。 【0068】 スルホキシドエポキシド10をCuClの存在下でpN,N-ジメチルアミノフェニルグリニャール試薬と反応させると76%の11β付加物15が得られる。 この付加物15のトリフルオロ酢酸/水/CH

    2 Cl

    2を用いる酸加水分解によりスルホキシドジエノン


    21がスルホキシドのエピマーの混合物として70%の収率で得られる。 2種のエピマーは逆相HPLCで分離される。 【0069】 同様の反応条件を用いて22および23などのその他のスルホキシドジエノンを製造でき、スルホキシドの2種の異性体はC-18逆相カラムでの分取HPLCにより分離できる。 10を製造するための最初の酸化により硫黄原子に新規の不斉中心が生じ、これによりエピマースルホキシドの混合物が得られる。 これらは一連の反応を通じて保持され、最終生成物段階で分離されて主要な異性体と副次的な異性体となる。 【0070】 スルホキシド15のリチウムアルミニウヒドリド(LAH)およびTiCl

    4による還元[D


    rabowiczら, Synthesis, 527-528 (1976)の手順を参照]により容易にスルフィドが得られる。 粗生成物の酸加水分解および脱水によりジエノンスルフィド12が全体で50%の収率で得られる。 同様の手順を用いて13および14などの類似化合物を製造できる。 【0071】 当業者には明らかであるが、種々のその他の手順を用いて本発明の化合物を製造できる。 例えば、不斉試薬を用いることにより、または酸化試薬の構造の大きさによりスルホキシドエピマーの比を制御することができる。 【0072】 本発明は一般的に記載されているが、特に断りのない限り限定しようとするものではなく例示目的のためだけに本明細書に提供されるある特定の実施例を参照することによりさらなる理解が得られる。 【0073】 基本手順 特に断りのない限り、試薬用化学物質は市販の供給源から入手してさらに精製することなく使用した。 エーテルおよびテトラヒドロフラン(THF)はベンゾフェノンナトリウムケチル対から窒素下で新たに蒸留した。 すべての湿度および空気に感受性のある反応および試薬移動は乾燥窒素またはアルゴン下で実施した。 薄層クロマトグラフィー(TLC)はEM Scienceプレコートシリカゲル60F-254プレートで実施した。 化合物は通常UV光(254nm)またはパラアニスアルデヒドスプレーにより可視化した。 分取カラムクロマトグラフィーにはEM Scienceシリカゲル,6


    0Å(230-400メッシュ)を用いた。 溶液は周囲温度にて水流吸引器圧下で回転エバポレーターを用いて濃縮した。 融点はMel-TempIIでとり、補正していない。 特に断りのない限り、

    1 H-NMRスペクトルは溶媒としてのCDCl

    3中で内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いてBruker AC250スペクトロメーターで250MHzで得た。 化学シフトはTMSからの下領域にppmの単位で報告されている。 マススペクトルは通常ヒューレットパッカード5989A装置で70eVでの電子衝撃により得た。 元素分析はAtlantic Microlab Inc., Atlanta, GAにより実施した。 【0074】 3-メトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17-オン(2) MeOH(1.5L)にエストロン(1,100.0g,370mmol)を溶解させ、次いで、K

    2 CO

    3 (300.


    0g,2.17mol)を加えた。 MeI(310mL,4.98mol)を加えて混合物を室温で70時間攪拌した。 反応混合物を真空濃縮していくらかのMeOHを除去し、次いで氷水中に注ぎ入れて沈殿を形成させた。 固体を回収してCH

    2 Cl

    2中に分配することにより乾燥させた。 有機層をMgSO

    4上で乾燥させて溶媒を真空除去すると定量的な収率で白色の結晶として化合物2(105.0g)が得られた。

    1 H NMR (250 MHz, CDCl

    3 ); δ 0.91


    (s, 3, C-18 H)、3.78 (s, 3, MeO)、6.65 (s, 1, C-4 H)、6.72 (d, 1, J = 8.


    57 Hz, C-2 H)、7.21 (d, 1, J = 8.57 Hz, C-1 H)。 【0075】 3-メトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17-チオン(3) 500mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)にエストロンメチルエーテル(2,17.64g,


    62.2mmol)を溶解させ、第1部のローソン試薬(13g,32mmol)を加えた。 懸濁した固体を含む反応混合物を還流まで18時間加熱したところ、すべての固体が溶解し、


    溶液がサーモンレッドになった。 第2部のローソン試薬(13g,32mmol)を加えて還流温度でさらに18時間加熱を続けた。 同様に第3部のローソン試薬(13g,32mmol)


    を加え、18時間加熱した後、反応混合物を冷却してTHFを蒸発させると濃いスラリーが得られた。 このスラリーを最小量のCH

    2 Cl

    2に溶解させシリカゲルのパッドに通してローソン試薬の極性副生成物を除去した。 溶出液を濃縮すると鮮橙色の固体が得られ、これを溶出剤としてEtOAc-ヘキサン(1:3)を用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによりさらに精製すると第1の画分として56%の収率で鮮橙色の固体生成物(10.5g,35mmol)、次いで23%の回収率で出発材料(4g,14.0m


    mol)が得られた。 カラム精製後には続く反応のために十分に純粋であるが、粗チオン3は沸騰EtOAcからの結晶化によってさらに精製できる。

    1 H NMR (250 MHz, C


    DCl

    3 ) δ 0.94 (s, 3, C-18 CH

    3 )、3.78 (s, 3, -OCH

    3 )、6.64-6.75 (m, 2, ArH


    )、7.22 (d, J = 10 Hz, 1 ArH);

    13 C NMR (250 MHz, CDCl

    3 ) δ 273.3 (C = S)


    。 【0076】 17α-アリル-3-メトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-チオール(4) 方法A 100μLのテトラヒドロフラン(THF)にCuI(58.4mg,0.31mmol)を懸濁して0℃まで冷却した。 臭化アリルマグネシウム溶液(600μL、0.59mmol)を滴下して反応混合物を30分間激しく攪拌した。 0℃にて反応混合物に5mLのTHF中のチオン3(100mg,0


    .33mmol)を滴下し、次いで、3時間攪拌した。 固体ジチオスレイトール(61.7mg,0


    .40mmol)を加えて混合物を30分間攪拌した。 反応混合物をセライトおよびシリカゲルのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮すると94%の収率で粗3(106mg,0.31mmo


    l)が得られた。 粗生成物を次の工程に用いた。

    1 H NMR δ 7.21 (d, 1 J = 8.6 H


    z, C-1 H)、6.63 (s, 1, C-4 H)、6.14-5.98 (m, 1, アリル-CH)、5.20-5.10 (


    m, 2, アリル-CH

    2 )、3.78 (s, 3, OMe)、1.00 (s, 3, C-18 H)。 【0077】 方法B 窒素雰囲気下、周囲温度にて、65mLの1Mの臭化アリルマグネシウム溶液に150m


    LのTHFに溶解させた15g(50mmol)のチオン3溶液を滴下した。 添加後、混合物を10


    分間攪拌した。 反応を飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチして混合物をEtOAcで抽出した。


    抽出液を水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 シリカゲルの小パッドを通して濾過した後、濾液を濃縮してさらに精製することなく残渣(1


    6g)を用いた。

    1 H-NMRは前記のものと等しい。 【0078】 3-メトキシ-スピロ[エストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β,2'-チオラン](5) 窒素雰囲気下、800mLのヘキサン中の17g(49.7mmol)のチオール3混合物に8.2g(


    49.2mmol)のAIBNを加えた。 反応混合物を8時間還流し、次いで、シリカゲルを通して濾過し、これをエーテルですすいだ。 次いで、溶液を濃縮して粗生成物をさらに精製することなく用いた。 スピロ化合物5は以下の特性を有していた:

    1 H NM


    R (250 MHz, CDCl

    3 )、δ 7.15 (d, 1, ArH)、6.55-6.66 (m, 2, ArH)、3.70 (s,


    3, OMe)、0.85 (s, 3, C-18 CH

    3 )。 MS m/z 342 (M+)、314, 267, 227, 186, 17


    4, 147, 113, 79。 【0079】 3-メトキシ-スピロ[エストラ-2,5(10)-ジエン-17β,2'-チオラン](6) 窒素雰囲気下、-78℃で維持した500mLの縮合アンモニアに1750mLのTHFおよび7


    5mLのt-ブタノール中のスピロ化合物5(13.2g,38.6mmol)を加えた。 これに0.8-1.


    0g(133-147当量)のLiを加え、混合物を-78℃にて3時間攪拌した。 反応混合物を-


    78℃にてメタノールでクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。 抽出液を飽和塩化アンモニウム溶液、次いでブラインで洗浄した。 有機層を無水硫化ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮した。 粗生成物をさらに精製することなく用いた。

    1 H NMR (250 MHz CDCl

    3 )、δ 0.93 (s, 3, C-18 CH

    3 )、3.55 (s, 3, OMe)、


    4.64 (s, 1, C-2 H)。 【0080】 スピロ[エストラ-5(10)-エン-17β,2'-チオラン]-3-オン(7) 450mLのジオキサンに溶解させた前記のエノールエーテル6に225mLの水および8


    .53gのシュウ酸を加えた。 反応混合物を室温にて一晩攪拌し、次いで飽和NaHCO

    3溶液でクエンチした。 次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出した。 有機層を水、次いでブラインで洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 有機層を濾過し、濃縮し、溶出剤として2:1ヘキサン-EtOAcを用いるシリカゲルでのクロマログラフィーに付したところ10.9g(86%の収率)の7が得られた。

    1 H NMR δ 2.78 (ABq, 2, J


    = 20 Hz, C-4 H)、1.14 (s, 3, C-18 H)。 【0081】 スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン(8) エノン7(9.2g,27.9mmol)を100mLの無水ピリジンに溶解させた。 この溶液を-20


    ℃まで冷却して不活性雰囲気下で維持した。 7の溶液に25mLのピリジンに溶解させた10.7g(33.5mmol)の三臭化ピリジニウムの溶液を滴下した。 反応混合物を室温までゆっくりと加温して一晩攪拌した。 水を加えて混合物を酢酸エチルで抽出した。 有機層を希釈HCl溶液および水、次いでブラインで洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 有機層を濾過し、濃縮し、粗生成物を溶出剤として1:1.5のヘキサン-EtOAcを用いるシリカゲルでのクロマログラフィーに付したところ9.14g(73%


    の収率)の8が得られた。

    1 H NMR δ 5.68 (s, 1, C-4 H)、1.06 (s, 3, C-18 H)


    。 【0082】 3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-スピロ[エストラ-5(10),9(11)-ジエン-17β


    ,2'-チオラン](9) 10mLのベンゼンに溶解させた108mg(0.33mmol)のジエンケトン8に0.37mLのエチレングリコールおよび触媒量のp-TsOHを加えた。 反応物を還流で2時間加熱し、


    次いで飽和NaHCO

    3溶液でクエンチした。 反応混合物を酢酸エチルで抽出した。 有機層を水、次いでブラインで洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 次いで、混合物を濾過し、濃縮し、溶出剤として10:1のヘキサン-EtOAcを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ113mg(93%の収率)の9が得られた。

    1 H NMR


    δ 5.61 (br s, 1, C-11 H)、3.99 (s, 4, (CH

    2 O)

    2 )、0.89 (s, 3, C-18 H)。 【0083】 3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-1'-オキソ-5,10α-オキシド-スピロ[エストラ-9(11)-エン-17β,2'-チオラン](10) -5℃にて26.5mLのCH

    2 Cl

    2中のヘキサフルオロアセトン三水和物(3.72mL,26.7mm


    ol)の溶液に1.98mL(34.5mmol)の50%過酸化水素を加えた。 この混合物を-5℃で1


    時間維持した。 0℃にて14.3mLのCH

    2 Cl

    2および940mgのNa

    2 HPO

    4中のジエン9(4.95g


    ,13.3mmol)の溶液にヘキサフルオロアセトン-過酸化水素の溶液を加えた。 反応混合物を室温までゆっくりと放温させ、さらに7時間攪拌した。 反応物を5%のNa

    2 SO

    3溶液でクエンチし、CH

    2 Cl

    2で抽出し、有機抽出物を水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を無水MgSO

    4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーに付した。 3:6:1のヘキサン-EtOAc-MeOHで溶出したところ3.72g(72


    %の収率)の10が得られた:

    1 H NMR δ 6.04 (d, 1, J = 2.4 Hz, C-11 H)、3.96-


    3.87 (m, 4, (CH

    2 O)

    2 )、2.99 (t, 2, J = 7.4 Hz, J = 8.5 Hz, C-5' H)、1.12


    (s, 3, C-18 H)。 【0084】 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-1


    '-オキソ-5α-ヒドロキシ-スピロ[エストラ-9-エン-17β,2'-チオラン](15) 3.88mLのTHF中の774mg(3.87mmol)のpN,N-ジメチルアミノフェニルブロミドおよび45mg(3.89mmol)のMgからグリニャール試薬の溶液を調製した。 不活性雰囲気下でグリニャール試薬を-10℃まで冷却した。 グリニャール試薬の冷却溶液に76.


    5mg(0.77mmol)のCuCl、次いで1mLのTHF中の100mg(0.26mmol)のエポキシド10を加えた。 -10℃にて反応物を30分間攪拌し、次いで、飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチした。 反応混合物をEtOAcで抽出し、飽和NH

    4 Cl溶液で2回洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 EtOAc層を濾過し、濃縮し、溶出剤として2:1のEtOAc-ヘキサンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ99mg(76%の収率)の15が得られた:

    1 H NMR δ 7.07 (d, 2, J = 8.6 Hz, ArH)、6.64 (d, 2, J = 8.8 Hz,


    ArH)、4.40 (s, 1, C-5 OH)、4.24 (d, 1, J = 6.0 Hz, C-11 H)、4.00-3.93 (m


    , 4, (CH

    2 O)

    2 )、2.90 (m, 1, C-5 H)、2.89 (s, 6, N (CH

    3 )

    2 )、0.85 (s, 3, C-


    18 H, 副次的異性体)、0.68 (s, 3, C-18 H, 主要異性体)。 【0085】 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン(21) 0℃にて10mLのCH

    2 Cl

    2中の588mg(1.15mmol)の15に1.5mLのトリフルオロ酢酸(TH


    A)および0.5mLのH

    2 Oを加えた。 0℃にて反応混合物を30分間攪拌し、次いで飽和N


    aHCO

    3でクエンチした。 反応混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出した。 抽出液を水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで、溶出剤として6:3:1のEtOAc-ヘキサン-MeOHを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ異性体の混合物として375mg(70%の収率)の21が得られた。 2種の異性体を溶出剤として65%メタノール-水を用いてC-18逆相カラム(YMC250


    ×20mmI.D)での分取HPLCで分離し、ところ180mgの主要異性体および130mgの副次的異性体が得られた:

    1 H NMR (major) δ 6.99 (d, 2, J = 8.3 Hz, ArH)、6.65


    (d, 2, J = 8.5 Hz, ArH)、5.76 (s, 1, C-4 H)、4.35 (d, 1, J = 6.2 Hz, C-


    11 H)、3.05 (m, 2, J = 7.1Hz, J = 9.1Hz, C-5' H)、2.90 (s, 6, N(CH

    3 )

    2 )


    、0.75 (s, 3, C-18 H);

    1 H NMR (minor) δ 7.03 (d, 2, J = 8.3 Hz, ArH)、6


    .65 (d, 2, J = 8.5 Hz, ArH)、5.76 (s, 1, C-4 H)、4.32 (d, 1, J = 6.2 Hz,


    C-11 H)、2.90 (s, 6, N(CH

    3 )

    2 )、2.75 (t, 2, J = 6.2 Hz)、0.96 (s, 3, C-1


    8 H). C

    29 H

    39 NSO

    2・0.25 H

    2 Oについての分析:計算値:C, 73.69; H, 8.10; N,


    2.96; S, 6.78. 実測値:C, 73.64; H, 8.00; N, 2.88; S, 6.58。 【0086】 11β-{4-{1,1-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]エチル}フェニル}-3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-1'-オキソ-スピロ[エストラ-9-エン-17β


    ,2'-チオラン](16) 7.16mLのTHF中の1.74g(7.12mmol)の4-{1,1-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]}フェニルブロミドおよび180mg(7.47mmol)のMgから調製したグリニャール試薬の溶液に、-20℃にて350mg(3.56mmol)のCuClを加えた。 これに2mLのTHFに溶解させた


    700mg(1.78mmol)のスルホキシド-エポキシド10を直ちに加えた。 -20℃にて反応混合物を30分間攪拌し、次いで、飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチした。 反応混合物をE


    tOAcで抽出し、EtOAc層を300mLの飽和NH

    4 Cl溶液とともに3-4時間攪拌し、これに


    3mLの14.9NのNH

    4 OH水溶液を加えた。 有機層を水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 EtOAc溶液を濾過し、濃縮して残渣を溶出剤として6:3


    :1のEtOAc-ヘキサン-MeOHを用いるシリカゲルでのクロマログラフィーに付したところ1.06g(66%の収率)の16が得られた;

    1 H NMR δ 7.40-7.32 (m, 2, ArH)、7


    .20-7.11 (m, 2, ArH)、4.41 (s, 1, C-5 OH)、4.32 (d, 1, J = 6.8 Hz, C-11


    H)、3.93-4.02 (m, 4, (OCH

    2 )

    2 )、3.71-3.76 (m, 4, (OCH

    2 )

    2 )、0.69 (s, 3, C-


    18 H, minor)、0.61(s, 3, C-18 H, major)。 【0087】 11β-(4-アセチルフェニル)-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-


    チオラン]-3-オン(22) ケタール16を20mLのCH

    2 Cl

    2に溶解させて0℃まで冷却した。 これに0.5mLの水および2mLのTFAを滴下した。 反応混合物が黄色に変化した。 0℃にて1時間攪拌した後、反応物を飽和NaHCO

    3溶液を加えてクエンチした。 反応混合物を300mLのCH

    2 Cl

    2で抽出し、抽出液を水、次いでブラインで洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。


    CH

    2 Cl

    2層を濾過し、濃縮して粗生成物を溶出剤として6:3:1.5のEtOAc-ヘキサン-


    MeOHを用いるシリカゲルでのクロマログラフィーに付したところ80%の収率の所望の生成物が得られた。 2種の異性体を溶出剤として65%メタノール-水を用いるY


    MC C-18逆相分取HPLCカラムで分離したところ200mgの純粋な主要異性体22aが得られ、これは以下の特徴を有していた;融点148-154℃;

    1 H NMR δ 7.90 (d, 2,


    J = 8.1Hz, ArH)、7.28 (d, 2, J = 8.2 Hz, ArH)、5.81 (s, 1, C-4 H)、4.47


    (d, 1, J = 6.5 Hz, C-11 H)、2.69 (s, 3, COCH

    3 )、0.69 (s, 3, C-18 H); 質量スペクトル, m/z (相対強度) 462 (6)、446 (56)、371 (25)、331 (24)、280


    (66)、235 (25)、165 (100)、119 (50); C

    29 H

    34 SO

    3についての分析:計算値:C,


    75.29; H, 7.41, S; 6.93. 実測値:C, 75.06; H, 7.66; S, 6.73。 【0088】 3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-1'-オキソ-スピロ[エストラ-9-エン-17β,2'-チオラン](17) 16.0mLのTHF中の1.552g(7.64mmol)の4-メチルチオフェニルブロミドおよび193


    mg(8.02mmol)のMgから調製したグリニャール試薬の溶液に-20℃にて379mg(3.83m


    mol)のCuClを加えた。 これに4mLのTHFに溶解させた750mg(1.91mmol)のスルホキシドエポキシド10を直ちに加えた。 反応混合物を-20℃にて30分間攪拌し、次いで、飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチした。 反応混合物をEtOAcで抽出してEtOAc層を300


    mLの飽和NH

    4 Cl溶液とともに3-4時間攪拌し、これに3mLの14.9NのNH

    4 OH溶液を加えた。 次いで、有機層を水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 EtOAc溶液を濾過し、濃縮して残渣を溶出剤として6:3:1のEtOAc-ヘキサン-M


    eOHを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ650mg(66%の収率


    )の17が得られた;

    1 H NMR δ 7.26-7.07 (m, 4, ArH)、4.40 (s, 1, C-5 OH)、4


    .24 (d, 1, J = 6.8 Hz, C-11 H)、3.93-4.02 (m, 4, (OCH

    2 )

    2 )、2.46 (s, 3, S


    CH

    3 )、0.86 (s, 3, C-18 H, minor)、0.66 (s, 3, C-18 H, major)。 【0089】 11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-1'-オキソ-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,


    2'-チオラン]-3-オン(23) ケタール17(650mg,1.26mmol)を25mLのCH

    2 Cl

    2に溶解させて0℃まで冷却した。


    この溶液に0.5mLの水および2mLのTFAを滴下した。 反応混合物は黄色に変化した。 0℃にて1時間攪拌した後、反応物を飽和NaHCO

    3溶液を加えてクエンチした。 反応混合物を300mLのCH

    2 Cl

    2で抽出して抽出液を水、次いでブラインで洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 CH

    2 Cl

    2層を濾過し、濃縮し、粗生成物を溶出剤として6


    :3:1.5のEtOAc-ヘキサン-MeOHを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ85%の収率の所望の生成物が得られた。 2種の異性体を70%メタノール-


    水を用いるYMC逆相分取HPLCカラムで分離したところ250mgの純粋な主要異性体23


    aが得られ、これは以下のデータを有していた:融点60-163℃;

    1 H NMR δ 7.18


    (d, 2, J = 8.5 Hz, ArH)、7.08 (d, 2, J = 8.4 Hz, ArH)、5.79 (s, 1, C-4 H


    )、4.39 (d, 1, J = 6.4 Hz, C-11 H)、2.46 (s, 3, SCH

    3 )、0.73 (s, 3, C-18


    H); 質量スペクトル, m/z (相対強度) 466 (53)、448 (96)、375 (36)、283 (10


    0)、235 (36)、191 (23)、137 (98)、91 (48); C

    28 H

    34 S

    2 O

    2についての分析:計算値:C, 72.06; H, 7.34, S; 13.74. 実測値:C, 71.93; H, 7.36; S, 13.73。 【0090】 1'-,1'-ジオキソ-3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-5,10α-オキシド-スピロ[


    エストラ-9(11)-エン-17β,2'-チオラン](11) 0.5mLのCH

    2 Cl

    2中の120mg(0.32mmol)のジエンケタール9の溶液に37mgのリン酸水素二ナトリウムを加えた。 この混合物を0℃まで冷却し、次いで、20μL(0.14m


    mol)のヘキサフルオロアセトン三水和物、次いで88μL(1.53mmol)の過酸化水素を加えた。 反応混合物を室温までゆっくりと加温して2日間攪拌した。 反応物を5


    %のNa

    2 SO

    3溶液でクエンチし、CH

    2 Cl

    2で抽出し、水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を無水MgSO

    4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物をクロマログラフィーに付した。 5:1のヘキサン-EtOAcを用いて溶出したところ70mg(52%の収率)


    の11が得られた。

    1 H NMR δ 6.04 (d, 1, J = 2.4 Hz, C-11 H)、3.94-3.88 (m,


    4, (CH

    2 O)

    2 )、3.02 (t, 2, J = 7.4 Hz, J = 8.5 Hz, C-5 H)、1.14 (s, 3, C-


    18 H)。 【0091】 1'-,1'-ジオキソ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-スピロ[エストラ-9-エン-17β,2'-チオラン](


    18) 2mLのTHF中の360mg(1.8mmol)のp-ブロモ-N,N-ジメチルアニリンおよび45mg(1.


    87mmol)のMgからグリニャール試薬の溶液を調製した。 不活性雰囲気下でグリニャール溶液を-10℃まで冷却した。 グリニャール溶液に35.5mg(0.36mmol)のCuCl


    、次いで1mLのTHF中の50mg(0.12mmol)のエポキシド11を加えた。 -10℃にて反応物を30分間攪拌し、次いで、飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチした。 反応混合物をEtOAc


    で抽出し、飽和NH

    4 Cl溶液で2回洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 EtOAc層を濾過し、濃縮し、溶出剤として2:1のEtOAc-ヘキサンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ42mg(66%の収率)の18が得られた。

    1 H NMR δ 6


    .99 (d, 2, J = 8.6 Hz, ArH)、6.57 (d, 2, J = 8.7 Hz, ArH)、4.35 (s, 1, C


    -5 OH)、4.18 (d, 1, J = 6.0 Hz, C-11 H)、3.95-3.86 (m, 4, (CH

    2 O)

    2 )、2.91


    (t, 2, J = 7.0 Hz, J = 9.0 Hz, C-5 H)、2.88 (s, 6, N(CH

    3 )

    2 )、0.71 (s, 3


    , C-18 H)。 【0092】 1'-,1'-ジオキソ-11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-スピロ[エストラ-4,


    9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン(24) 0℃にて5mLのCH

    2 Cl

    2中の350mg(0.65mmol)の18に1.5mLのTFAおよび0.5mLのH

    2 O


    を加えた。 0℃にて反応混合物を30分間攪拌し、次いで、飽和NaHCO

    3溶液でクエンチした。 反応混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出し、水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで、溶出剤として2:1のEtO


    Ac-ヘキサンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ250mg(8


    0%の収率)の24が得られた:

    1 H NMR δ 7.02 (d, 2, J = 8.5 Hz, ArH)、6.65 (d


    , 2, J = 8.9 Hz, ArH)、5.57 (s, 1, C-4 H)、4.36 (d, 1, J = 6.2 Hz, C-11


    H)、3.02 (t, 2, J = 7.1Hz, J = 9.1 Hz, C-5 H)、2.90 (s, 6, N(CH

    3 )

    2 )、0.8


    6 (s, 3, C-18 H); 質量スペクトル, m/z (相対強度)、479 (M+, 28)、415 (3)


    、251 (3)、235 (2),121 (100)、91 (6)。 【0093】 1',1'-ジオキソ-3,3-[1,2-エタンジルビス(オキシ)]-5α-ヒドロキシ-11β-[4-(


    メチルチオ)フェニル]-スピロ[エストラ-9-エン-17β,2'-チオラン](20) 7.2mLのTHF中の1.446g(7.13mmol)のアリールハリドおよび180mg(7.47mmol)のM


    gから調製したグリニャール試薬の溶液に、0℃にて352mg(3.56mmol)のCuClを加えた。 これに8mLのTHFに溶解させた750mg(1.78mmol)のスルホンエポキシド11を直ちに加えた。 0℃にて反応混合物を30分間攪拌し、次いで、飽和NH

    4 Cl溶液でクエンチした。 反応混合物をEtOAcで抽出し、このEtOAcを300mLの飽和NH4Cl溶液とともに3-4時間攪拌し、これに3mLの14.9NのNH

    4 OH溶液を加えた。 次いで、有機層を水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 EtOAc溶液を濾過し、濃縮して残渣を溶出剤として2:1のEtOAc-ヘキサンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ650mg(67%の収率)の20が得られた;

    1 H NMR


    δ 7.14 (s, 4, ArH)、4.41 (s, 1, C-5 OH)、4.28 (d, 1, J = 6.5 Hz, C-11 H


    )、3.90-4.02 (m, 4, (OCH

    2 )

    2 )、2.45 (s, 3, SCH

    3 )、0.76 (s, 3, C-18 H)。 【0094】 1',1'-ジオキソ-11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-


    17β,2'-チオラン]-3-オン(26) ケタール20(650mg,1.26mmol)を25mLのCH

    2 Cl

    2に溶解させて0℃まで冷却した。


    これに0.5mLの水および2mLのTFAを滴下した。 反応混合物が黄色に変化した。 0℃


    にて1時間攪拌した後、反応物を飽和NaHCO

    3溶液を加えてクエンチした。 反応混合物を300mLのCH

    2 Cl

    2で抽出し、抽出液を水、次いでブラインで洗浄し、無水MgS


    O

    4上で乾燥させた。 CHCl

    2溶液を濾過し、濃縮して粗生成物を溶出剤として6:3:1


    .5のEtOAc-ヘキサン-MeOHを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ85%の収率の所望の生成物が得られた:融点242-248℃;

    1 H NMR δ 7.17 (


    d, 2, J = 8.6 Hz, ArH)、7.10 (d, 2, J = 8.6 Hz, ArH)、5.77 (s, 1, C-4 H)


    、4.39 (d, 1, J = 6.7 Hz, C-11 H)、2.47 (s, 3, SCH

    3 )、0.82 (s, 3, C-18 H


    ); 質量スペクトル, m/z (相対強度) 482 (100)、435 (20)、375 (11)、283 (23


    )、235 (19)、165 (37)、137 (78)、91 (50); Anal. Calcd for C

    28 H

    34 S

    2 O

    3・0.


    25 H

    2 O: C, 69.03; H, 7.16, S; 13.16. 実測値:C, 69.09; H, 7.10; S, 12.92


    。 【0095】 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'


    -チオラン]-3-オン(12) 250mg(0.475mmol)のスルホキシド15の溶液を2mLの無水THF中に調製した。 この溶液を0℃まで冷却して窒素下で維持した。 これに0.95mLのエーテル中のLAHの1


    M溶液を滴下した。 LAHを完全に加えた後、1.05mLのトルエン中のTiCl

    4の1M溶液を滴下した。 TiCl

    4を加えると、溶液は黒色に変化し、厚い沈殿が形成し、これは攪拌することが困難であった。 さらにTHF(1mL)を加え、反応混合物を0℃にて4


    5分間、次いで、室温で20分間攪拌した。 反応物を飽和NH

    4 Cl溶液を加えてクエンチした。 反応混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出し、この抽出液を水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を濃縮して粗生成物を25mLのCH

    2 Cl

    2に溶解させた。 これに0.5mLの水を加えて混合物を0℃まで冷却した。 0℃にてこの溶液に1mLのTFAを滴下した。


    反応物を1時間攪拌して飽和NaHCO

    3溶液でクエンチした。 反応混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出して抽出液を水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 CH

    2 Cl

    2層を濾過し、濃縮して粗残渣を溶出剤として2:1のヘキサン-EtOAcを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーに付したところ107.5mg(50.5%の収率)の純粋な12が得られた:融点112-120℃;

    1 H NMR δ 7.03 (d, 2, J = 8.6 Hz, ArH)、6


    .66 (d, 2, J = 8.8 Hz, ArH)、5.75 (s, 1, C-4 H)、4.38 (d, 1, J = 6.4 Hz,


    C-11 H)、2.91 (s, 6, N(CH

    3 )

    2 )、0.61 (s, 3, C-18 H); 質量スペクトル, m/z


    (相対強度) 447 (89)、280 (16)、134 (16)、121 (100); C

    29 H

    37 NSOについての分析:計算値:C, 77.81; H, 8.33, N, 3.31, S, 7.16.実測値:C, 77.74; H, 8


    .34; N, 3.31; S, 7.12。 【0096】 11β-[4-(メチルチオ)フェニル]-スピロ[エストラ-4,9-ジエン-17β,2'-チオラン]-3-オン(14) 590mg(1.12mmol)のスルホキシド17の溶液を28mLの無水THF中に調製した。 0℃


    まで溶液を冷却して窒素下で維持した。 これに2.2mLのエーテル中のLAHの1M溶液を滴下した。 LAHを完全に加えた後、2.45mLのトルエン中のTiCl

    4の1M溶液を滴下した。 TiCl

    4を加えると溶液が黒色に変化した。 反応混合物を0℃にて45分間、次いで室温にて20分間攪拌した。 反応物を飽和NH

    4 Cl溶液を加えてクエンチした。


    この混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出し、水、次いでブラインで洗浄した。 有機層を濃縮し、粗生成物を25mLのCH

    2 Cl

    2に溶解させた。 これに0.5mLの水を加え、この溶液に0


    ℃で2mLのTFAを滴下した。 反応混合物を1時間攪拌し、次いで飽和NaHCO

    3溶液でクエンチした。 この混合物をCH

    2 Cl

    2で抽出し、水、次いでブラインで洗浄し、無水Na

    2 SO

    4上で乾燥させた。 CH

    2 Cl

    2層を濾過し、濃縮して粗生成物を溶出剤として


    2:1のヘキサン-EtOAcを用いるシリカゲルでのクロマログラフィーに付したところ330mg(65%の収率)の14が得られた。 融点108-110℃;

    1 H NMR δ 7.18 (d, 2, J


    = 8.6 Hz, ArH)、7.10 (d, 2, J = 10.6 Hz, ArH)、5.78 (s, 1, C-4 H)、4.40


    (d, 1, J = 6.4 Hz, C-11 H)、2.46 (s, 3, ArSCH

    3 )、0.57 (s, 3, C-18 H);


    質量スペクトル, m/z (相対強度) 450 (100)、375 (9)、350 (27)、335 (33)、2


    35 (34)、211 (46)、137 (50)、100 (48)、91 (29)、79 (19); C

    28 H

    34 S

    2 Oについての分析:計算値:C, 74.62; H, 7.60; S, 14.23. 実測値:C, 74.55; H, 7.73


    ; S, 14.25。 【0097】 生物学的情報 本発明の化合物の生物学的活性は全細胞受容体結合研究により調べた。 【0098】 受容体結合. 化合物のホルモン受容体に対する親和性は、特に、Wagnerら, Pr


    oc. Natl. Acad. Sci., 93, 8739-8744 (1996)によりCOS-1細胞について記載されたものと同様の標準的な手順により調べた。 ヒト乳癌(T-47D)細胞系統を用いてプロゲスチン受容体のRBAを評価した。 用いた細胞系統はATCC(American Type


    Culture Collection)から入手し、アッセイを実施する1週間前まで-135℃で凍結保存した。 細胞を解凍して培養し所望の細胞数を達成した(平均で5ないし7日)。 それらをそれらが90-100%のコンフルエントとなるまで増殖培地で37℃で維持し、その時点でそれらを増殖フラスコから回収してウェルあたり1mLの培地中に4×10

    5細胞の数で12ウェル組織培養プレートの個々のウェルに分散させた。 24


    時間後細胞は12ウェルプレートの底部に付着した。 この時点で、3H-R5020(プロメゲストン)とともに試験または標準化合物を加えることにより受容体結合アッセイ手順を開始した。 一晩インキュベートした後、培地を除去し、細胞を洗浄して可溶化し、液体シンチレーションスペクトロメトリーにより放射活性を測定した。 非特異的結合は過剰の標識していないR5020とともにインキュベートすることにより測定し、総結合から差し引いて特異的結合を算定した。 プロゲステロン結合アッセイは数種の濃度の参照標準(プロメゲストン、R-5020)および内部標準(プロゲステロン)を用いて実施した。 これらのホルモンはトリチウム化競合物(3H-プロメゲストン、3H-R5020)と競合させて相対的結合を推定することが可能であった。 試験ステロイドは0.01ないし1000nMの間の3種以上の濃度で調べた。 未知のものによって受容体からの3H-R5020の50%置換が達成されなかった場合には、必要に応じてより高いまたはより低い濃度を調べて目標を得た。 すべての化合物を少なくとも2種のアッセイについて二連で調べた。 調べた各濃度について特異的に結合した3H-R5020のパーセンテージを算出し、特異的に結合した3H


    -R5020のパーセンテージ対競合物の濃度をプロットすることにより結合曲線を作製した。 参照標準(R5020)ならびに内部標準と比較した試験化合物の相対的結合活性(RBA)は、未知のものおよび標準各々の50%置換を引き起こす濃度の比からを測定し、パーセンテージ値として表した。 これらの濃度はプロットをグラフに書き込むことにより得た。 これを実施し、表1に示される結果が得られた。 【0099】 【表1】 Smithら Journal Biological Chemistry, 1974; 249 (18):5924-5932は17-チオメチルアンドロスト-4-エン-3-オンはプロゲステロンの親和性の25%でヒトプロゲスチン受容体と結合すると報告している。 本発明の化合物はそれよりもかなり強力な結合を有する(前記表1参照)。 【0100】 前記の技術に鑑みて本発明の多数の改変および変法が可能であるということは明らかである。 従って、添付の請求の範囲の範囲内において、本発明は本明細書に具体的に記載されるもの以外にも実施され得ると理解すべきである。 【図面の簡単な説明】 上述の詳細な説明を参照し、添付の図面に関連して考えれば、容易に本発明がより十分理解でき、それに伴う多くの利点がわかるであろう。 【図1】 本発明に従って11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物を製造するための反応スキーム。 【図2】 本発明に従って11β-アリール-17,17-スピロチオラン置換ステロイド化合物を製造するための反応スキーム。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07J 43/00 C07J 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 シェッティ、ルーパ・エス アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 19380 ウエスト・チェスター、ゴーシェ ン・ロード 812、アパートメント・ディ ー−31 (72)発明者 ケプラー、ジョン・エー アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州 27607 ラレイ、マイロン・ドライブ 1915 (72)発明者 リー、デビッド・ワイ−ダブリュ アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 02138 ケンブリッジ、コンコルド・アベ ニュー 655、スウィート 302 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 DA12 NA14 ZA81 ZB26 ZC03 4C091 AA01 BB06 CC01 DD01 EE04 FF01 GG01 HH01 JJ03 KK05 KK09 LL01 MM03 NN01 PA13 PB10 QQ09 QQ18 RR10

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