ヘテロ環化合物およびこれを用いた有機発光素子

申请号 JP2015553666 申请日 2014-02-07 公开(公告)号 JP6058818B2 公开(公告)日 2017-01-11
申请人 エルジー・ケム・リミテッド; 发明人 テ・ユン・パク; ミンスン・チュン; ドンホン・キム; ジヨン・アン; ヒョン・ソク・キム;
摘要
权利要求

下記化学式1または2で表されるヘテロ環化合物: 化学式1および2において、 aは0〜7の整数であり、 bは0〜4の整数であり、 cは0〜8の整数であり、 dは0〜5の整数であり、 A1〜A4はCRであり、 A5およびA7はNであり且つA6およびA8はCRであるか、あるいは、A6およびA8はNであり且つA5およびA7はCRであり、 RおよびR1〜R4は互いに同一または異なり、それぞれ独立して、素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;またはN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である。Rは水素;置換もしくは非置換のアリール基;またはN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である、請求項1に記載のヘテロ環化合物。Rは水素;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基、置換もしくは非置換のアリール基、およびN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基、置換もしくは非置換のアリール基、およびN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換もしくは非置換のN、O、S原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基である、請求項1に記載のヘテロ環化合物。前記化学式1で表されるヘテロ環化合物は、下記化学式1−1〜1−36のうちのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載のヘテロ環化合物。前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、下記化学式2−1〜2−32のうちのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載のヘテロ環化合物。第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された発光層を含めた1層以上からなる有機物層とを含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上が、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、有機発光素子。前記有機物層は、正孔輸送層、正孔注入層、または正孔輸送および正孔注入を同時に行う層を含み、前記正孔輸送層、正孔注入層、または正孔輸送および正孔注入を同時に行う層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。前記有機物層は、電子注入層を含み、前記電子注入層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。前記有機物層は、電子輸送層を含み、前記電子輸送層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。前記発光層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。前記有機物層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物をホストとして含み、他の有機化合物、金属または金属化合物をドーパントとして含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。前記熱硬化性または光硬化性官能基は、ビニル基またはアクリル基である、請求項6に記載の有機発光素子。前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層、および正孔阻止層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含むものである、請求項6に記載の有機発光素子。

说明书全文

本明細書は、ヘテロ環化合物およびこれを用いた有機発光素子に関するものである。

本明細書は、2013年2月7日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0013868号の出願日の利益を主張し、その内容はすべて本明細書に組み込まれる。

有機発光現象は、特定有機分子の内部プロセスによって電流が可視光に転換される例の一つである。有機発光現象の原理は次の通りである。

陽極と陰極との間に有機物層を位置させた時、2つの電極の間に電圧をかけると、陰極と陽極からそれぞれ電子と正孔が有機物層に注入される。有機物層に注入された電子と正孔は再結合してエキシトン(exciton)を形成し、このエキシトンが再び基底状態に落ちながら光を発する。このような原理を利用する有機発光素子は、一般的に、陰極および陽極と、その間に位置した有機物層、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機物層とから構成される。

有機発光素子で使用される物質としては、純粋な有機物質、または有機物質と金属が錯体をなす錯化合物が大部分を占めており、用途によって、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などに分けられる。ここで、正孔注入物質や正孔輸送物質としては、p−タイプの性質を有する有機物質、すなわち、酸化しやすく、酸化時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に使用されている。一方、電子注入物質や電子輸送物質としては、n−タイプの性質を有する有機物質、すなわち、還元されやすく、還元時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に使用されている。発光層物質としては、p−タイプの性質とn−タイプの性質を同時に有する物質、すなわち、酸化および還元状態ですべて安定した形態を有する物質が使用可能であり、エキシトンが形成された時、これを光に転換する発光効率の高い物質が好ましい。

したがって、当技術分野では新たな有機物の開発が要求されている。

国際特許出願WO2011−076314A1

本明細書の目的は、ヘテロ環化合物およびこれを用いた有機発光素子を提供することである。

本明細書は、下記化学式1または2で表される化合物を提供する。 [化学式1]

化学式1および2において、 aは0〜7の整数であり、 bは0〜4の整数であり、 cは0〜8の整数であり、 dは0〜5の整数であり、 A1〜A8は互いに同一または異なり、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ただし、A1〜A8のうちNは2個以上であり、 RおよびR1〜R4は互いに同一または異なり、それぞれ独立して、素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;またはN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である。

また、本明細書は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された1層以上の有機物層とを含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は、前記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、有機発光素子を提供する。

本明細書の一実施態様に係るヘテロ環化合物は、適切なエネルギー準位を有し、電気化学的安定性および熱的安定性に優れている。したがって、前記化合物を含む有機発光素子は、高い効率および/または高い駆動安定性を提供する。

板1、陽極2、発光層3、陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。

基板1、陽極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8、および陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。

製造例1で製造した構造式A−1のMSスペクトルを示す図である。

製造例1で製造した化学式1−3のMSスペクトルを示す図である。

以下、発明を具体的に説明する。

本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物を提供する。

本明細書の一実施態様において、前記化学式2で表される化合物を提供する。

本明細書の一実施態様に係る前記ヘテロ環化合物を含む有機発光素子は、駆動電圧の下降および/または効率上昇の効果があり得る。

前記置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。

本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。

本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が、炭素数1〜25の直鎖、分枝鎖または環鎖アルキル基、または炭素数6〜25のアリール基で置換されていてもよい。具体的には、下記構造式の化合物になってもよいが、これに限定されるものではない。

本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜25であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物になってもよいが、これに限定されるものではない。

本明細書において、アミド基は、アミド基の窒素が、水素、炭素数1〜25の直鎖、分枝鎖または環鎖アルキル基、または炭素数6〜25のアリール基で1または2置換されていてもよい。具体的には、下記構造式の化合物になってもよいが、これに限定されるものではない。

本明細書において、前記アルキル基は、直鎖または分枝鎖であってよく、炭素数は特に限定されないが、1〜50であることが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3〜60であることが好ましく、単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖または環鎖であってよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜20であることが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシなどになってもよいが、これらに限定されるものではない。

本明細書において、アリール基は、1つの水素除去によって芳香族炭化水素から誘導された有機ラジカルで、単環式であってもよく、多環式であってもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜60であることが好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ターフェニル基、スチルベン基などの単環式芳香族、およびナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、テトラセニル基、クリセニル基、フルオレニル基、アセナフタセニル基、トリフェニレン基、フルオランテン(fluoranthene)基などの多環式芳香族などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

本明細書において、フルオレニル基は、2個の環有機化合物が1個の原子を介して連結された構造であって、例としては、

などがある。

本明細書において、フルオレニル基は、開かれたフルオレニル基の構造を含み、ここで、開かれたフルオレニル基は、2個の環化合物が1個の原子を介して連結された構造において一方の環化合物が連結の切れた状態の構造であって、例としては、

などがある。

本明細書において、ヘテロ環基は、異種原子としてO、NまたはSを含むヘテロ環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜60であることが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

本明細書において、アリールオキシ基、アリールチオキシ基、アリールスルホキシ基、およびアラルキルアミン基中のアリール基は、上述したアリール基の例示の通りである。具体的には、アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−トリルオキシ、m−トリルオキシ、3,5−ジメチル−フェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、p−tert−ブチルフェノキシ、3−ビフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、4−メチル−1−ナフチルオキシ、5−メチル−2−ナフチルオキシ、1−アントリルオキシ、2−アントリルオキシ、9−アントリルオキシ、1−フェナントリルオキシ、3−フェナントリルオキシ、9−フェナントリルオキシなどがあり、アリールチオキシ基としては、フェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、4−tert−ブチルフェニルチオキシ基などがあり、アリールスルホキシ基としては、ベンゼンスルホキシ基、p−トルエンスルホキシ基などがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、アルキルチオキシ基、アルキルスルホキシ基中のアルキル基は、上述したアルキル基の例示の通りである。具体的には、アルキルチオキシ基としては、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、オクチルチオキシ基などがあり、アルキルスルホキシ基としては、メシル、エチルスルホキシ基、プロピルスルホキシ基、ブチルスルホキシ基などがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、ヘテロアリールアミン基中のヘテロアリール基は、上述したヘテロ環基の例示の中から選択可能である。

本明細書において、アラルキルアミン基中のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−エチルベンジル基、m−エチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、1−ナフチルベンジル基、2−ナフチルベンジル基、p−フルオロベンジル基、3,5−ジフルオロベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、p−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α−ベンジル基オキシベンジル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルイソプロピル基、ピロリルメチル基、ピロリルエチル基、アミノベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基などがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であってよく、炭素数は特に限定されないが、2〜40であることが好ましい。具体例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、シリル基は、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されない。

本明細書において、アミン基の炭素数は特に限定されないが、1〜30であることが好ましい。アミン基の具体例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9−メチル−アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、トリフェニルアミン基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

本明細書において、アリールアミン基の例としては、置換もしくは非置換のモノアリールアミン基、置換もしくは非置換のジアリールアミン基、または置換もしくは非置換のトリアリールアミン基がある。前記アリールアミン基中のアリール基は、単環式アリール基であってもよく、多環式アリール基であってもよい。前記アリール基が2以上を含むアリールアミン基は、単環式アリール基、多環式アリール基、または単環式アリール基と多環式アリール基を同時に含むことができる。

アリールアミン基の具体例としては、フェニルアミン、ナフチルアミン、ビフェニルアミン、アントラセニルアミン、3−メチル−フェニルアミン、4−メチル−ナフチルアミン、2−メチル−ビフェニルアミン、9−メチル−アントラセニルアミン、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、カルバゾール、およびトリフェニルアミン基などがあるが、これらに限定されるものではない。

本明細書において、アリールホスフィン基の例としては、置換もしくは非置換のモノアリールホスフィン基、置換もしくは非置換のジアリールホスフィン基、または置換もしくは非置換のトリアリールホスフィン基がある。前記アリールホスフィン基中のアリール基は、単環式アリール基であってもよく、多環式アリール基であってもよい。前記アリール基が2以上を含むアリールホスフィン基は、単環式アリール基、多環式アリール基、または単環式アリール基と多環式アリール基を同時に含むことができる。

また、本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;シリル基;アリールアルケニル基;アリール基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;ホウ素基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;アリールアミン基;ヘテロアリール基;カルバゾール基;アリールアミン基;アリール基;フルオレニル基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基、およびN、O、S原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換されているか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味し、前記置換基は追加的に置換もしくは非置換であってもよい。

前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は互いに同一または異なっていてもよい。

本明細書の一実施態様において、前記A1〜A8のうちの少なくとも2個はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A1〜A4のうちの少なくとも1個はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A1〜A4のうちの少なくとも2個はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A5〜A8のうちの少なくとも1個はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A5〜A8のうちの少なくとも2個はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A5はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A6はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A7はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A8はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A5およびA7はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A6およびA8はNである。

本明細書の一実施態様において、前記A5はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A6はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A7はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A8はCRである。

本明細書の一実施態様において、A5およびA7はNであり、A6およびA8はCRであるか、A6およびA8はNであり、A5およびA7はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A5およびA7はNであり、前記A6はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A5およびA7はNであり、前記A6はCRであり、前記A8はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A6およびA8はNであり、前記A7はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記A6およびA8はNであり、前記A7はCRであり、前記A5はCHである。

本明細書の一実施態様において、前記A6およびA8はNであり、前記A7はCRであり、前記A5はCRである。

本明細書の一実施態様において、前記Rは水素;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である。

もう一つの実施態様において、前記Rは水素;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基、置換もしくは非置換のアリール基、およびN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基、置換もしくは非置換のアリール基、およびN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換もしくは非置換のN、O、S原子のうちの1個以上を含むヘテロ環基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは水素;フェニル基、フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基、トリアジン基、およびピリミジン基からなる群より選択される置換基で置換もしくは非置換のフェニル基;フェニル基、フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基、トリアジン基、およびピリミジン基からなる群より選択される置換基で置換もしくは非置換のナフチル基;フェニル基、フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基、トリアジン基、およびピリミジン基からなる群より選択される置換基で置換もしくは非置換のビフェニル基;またはフェニル基、フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基、トリアジン基、およびピリミジン基からなる群より選択される置換基で置換もしくは非置換のピリジン基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは水素;フェニル基、フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基、トリアジン基、およびピリミジン基からなる群より選択される置換基で置換もしくは非置換のフェニル基;ナフチル基;フェニル基で置換されたホスフィンオキシド基で置換もしくは非置換のビフェニル基;またはピリジン基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは水素である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のアリール基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rはフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のアリール基で置換されたフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rはフェニル基で置換もしくは非置換のフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基で置換されたフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはアリール基で置換されたホスフィンオキシド基で置換されたフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rはフェニル基で置換されたホスフィンオキシド基で置換されたフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記RはN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基で置換されたフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記RはNを含む置換もしくは非置換のヘテロ環基で置換されたフェニル基である。

一つの実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のトリアジン基で置換されたフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはフェニル基で置換されたトリアジン基で置換されたフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のピリミジン基で置換されたフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはフェニル基で置換もしくは非置換のピリミジン基で置換されたフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記ピリミジン基は

であり、追加の置換基で置換もしくは非置換であってもよい。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のナフチル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはナフチル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のビフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはビフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基で置換されたビフェニル基である。

もう一つの実施態様において、前記Rはアリール基で置換されたホスフィンオキシド基で置換されたビフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記Rはフェニル基で置換されたホスフィンオキシド基で置換されたビフェニル基である。

本明細書の一実施態様において、前記RはN、O、S原子のうちの1個以上を含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である。

もう一つの実施態様において、前記RはN原子を1個以上含む置換もしくは非置換のヘテロ環基である。

もう一つの実施態様において、前記Rは置換もしくは非置換のピリジン基である。

本明細書の一実施態様において、前記ピリジン基は

である。

本明細書の一実施態様において、R1は水素である。

もう一つの実施態様において、R2は水素である。

一つの実施態様において、R3は水素である。

もう一つの実施態様において、R4は水素である。

本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物は、下記化学式1−1〜1−36のうちのいずれか1つで表される。

本明細書の一実施態様において、前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、下記化学式2−1〜2−32のうちのいずれか1つで表される。

前記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物は、後述する製造例に基づいて製造できる。

本明細書の一実施態様において、Rで置換されたインデノピリミジ−5−オンに9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)を反応させ、閉環反応を進行させて、化学式1−1〜1−36だけでなく、化学式1で表されるヘテロ環化合物を製造することができる。

本明細書の一実施態様において、Rで置換されたインデノピリミジ−5−オンに2−ブロモ−ジフェニルアニリンを反応させ、閉環反応を進行させて、化学式2−1〜2−32だけでなく、化学式2で表されるヘテロ環化合物を製造することができる。

本明細書の一実施態様において、前記化学式1または化学式2の化合物は、炭素を中心に2個の3環の環が縮合されるか、3環の環と5環の環が縮合されたヘテロ環基がスピロ構造で結合されたコア構造を含む。

本明細書の一実施態様において、前記化学式1の化合物は、置換もしくは非置換のインデノピリミジン基と置換もしくは非置換のアクリジン基がスピロ構造で結合されたコア構造を含む。

前記化学式1または化学式2の化合物は、前記化学式1または化学式2に表された前記コア構造に多様な置換体を導入することにより、有機発光素子で使用される有機物層への使用に適した特性を有する。

本明細書の一実施態様において、前記化学式1または化学式2の化合物のコアは、スピロ結合をする炭素を中心に2個の3環の環が縮合されるか、3環の環と5環の環が縮合されたヘテロ環基の間のコンジュゲーションを制限する。

化合物のコンジュゲーション長さとエネルギーバンドギャップは密接な関係にある。具体的には、化合物のコンジュゲーション長さが長いほど、エネルギーバンドギャップが小くなる。上述したように、前記化学式1または化学式2の化合物のコアは制限されたコンジュゲーションを含んでいるので、これはエネルギーバンドギャップが大きい性質を有する。

本明細書では、このようにエネルギーバンドギャップが大きいコア構造のR、R1〜R4の位置に多様な置換基を導入することにより、多様なエネルギーバンドギャップを有する化合物を合成することができる。本明細書の一実施態様に係る前記化学式1または化学式2の化合物は、エネルギーバンドギャップが大きく、置換基を導入してエネルギーバンドギャップの調整が容易である。

また、本明細書では、このような構造のコア構造のR、R1〜R4の位置に多様な置換基を導入することにより、化合物のHOMOおよびLUMOエネルギー準位も調整することができる。

したがって、本明細書の一実施態様に係る前記化学式1または化学式2の化合物を含む有機発光素子は、高効率長寿命の有機発光素子を提供することができる。

また、このような構造のコア構造に多様な置換基を導入することにより、導入された置換基の固有の特性を有する化合物を合成することができる。例えば、有機発光素子の製造時に使用される正孔注入層物質、正孔輸送層物質、発光層物質、および電子輸送層物質に主に使用される置換基を前記コア構造に導入することにより、各有機物層で要求する条件を満たす物質を合成することができる。

本明細書の一実施態様に係る前記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物は、適切な正孔または電子移動度を有する。したがって、前記ヘテロ環化合物を有機発光素子に適用する場合、発光層で正孔と電子の密度が均衡を取るようにして、エキシトンの形成を極大化することができる。

本明細書の一実施態様に係る前記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物は、隣接した層との界面特性に優れ、素子の安定性が高いという利点がある。

本明細書の一実施態様に係る前記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物は、ガラス転移温度(Tg)が高く、熱的安定性に優れている。このような熱的安定性の増加は、素子に駆動安定性を提供する重要な要因になる。

本明細書はまた、前記化学式1または化学式2の化合物を用いる有機発光素子を提供する。

第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された発光層を含めた1層以上からなる有機物層とを含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むものである、有機発光素子を提供する。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、正孔輸送層、正孔注入層、または正孔輸送および正孔注入を同時に行う層を含み、前記正孔輸送層、正孔注入層、または正孔輸送および正孔注入を同時に行う層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

本明細書の一実施態様において、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物をホストとして含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物をホストとして含み、他の有機化合物、金属または金属化合物をドーパントとして含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層のホストとして、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

もう一つの実施態様において、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を発光層のホストとして含み、有機化合物、金属または金属化合物をドーパントとして含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、電子輸送層を含み、前記電子輸送層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、電子注入層を含み、前記電子注入層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、電子注入および電子輸送を同時に行う層を含み、前記電子注入および電子輸送を同時に行う層は、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む。

本明細書の一実施態様において、前記ヘテロ環化合物は、発光層および/または電子輸送層に含まれる。

本明細書の有機発光素子では、前記化学式1または化学式2の化合物の代わりに、前記化学式1または化学式2の化合物に熱硬化性または光硬化性官能基を導入した化合物を使用してもよい。このような化合物は、上述した化学式1または化学式2の化合物の基本物性を維持すると同時に、素子の作製時、溶液塗布法によって薄膜に形成した後、硬化させる方法によって有機物層として形成可能である。

本明細書の一実施態様において、前記熱硬化性または光硬化性官能基は、ビニル基またはアクリル基である。

本明細書の一実施態様において、前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層、および正孔阻止層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含む。

本明細書の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。例えば、本明細書の有機発光素子は、有機物層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有することができる。しかし、有機発光素子の構造はこれに限定されず、より少ない数の有機物層を含むことができる。

もう一つの実施態様において、有機発光素子は、基板上に、陽極、1層以上の有機物層、および陰極が順次に積層された構造(normal type)の有機発光素子であってよい。

もう一つの実施態様において、有機発光素子は、基板上に、陰極、1層以上の有機物層、および陽極が順次に積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であってよい。

本明細書の一実施態様において、前記第1電極は陰極であり、前記第2電極は陽極である。もう一つの実施態様において、前記第1電極は陽極であり、前記第2電極は陰極である。

本明細書の有機発光素子の構造を図1および図2に例示したが、これらの構造にのみ限定されるものではない。

図1は、基板1、陽極2、発光層3、陰極4が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化合物は、前記発光層3に含まれる。

図2は、基板1、陽極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8、および陰極4が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化合物は、前記正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、および電子輸送層8のうちの1層以上に含まれる。

本明細書の有機発光素子は、有機物層のうちの1層以上が、本明細書の化合物、すなわち、前記ヘテロ環化合物、または前記ヘテロ環化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含むことを除いては、当技術分野で知られている材料と方法で製造できる。

例えば、本明細書の有機発光素子は、基板上に、第1電極、有機物層、および第2電極を順次に積層させることにより製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e−beam evaporation)のようなPVD(Physical Vapor Deposition)方法を利用して、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極として使用可能な物質を蒸着させることにより製造できる。このような方法のほか、基板上に、陰極物質から、有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ってもよい。

また、前記ヘテロ環化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法によって有機物層として形成可能である。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。

前記基板は、必要に応じて、光学的性質および物理的性質を考慮して選択可能である。例えば、前記基板は、透明であることが好ましい。前記基板は、硬い材料が使用されてもよいが、プラスチックのような柔軟な材料からなってもよい。

前記基板の材料としては、ガラスおよび石英板のほか、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PP(polypropylene)、PI(polyimide)、PC(polycarbonate)、PS(polystyrene)、POM(polyoxymethylene)、AS樹脂(acrylonitrile styrene copolymer)、ABS樹脂(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)、TAC(triacetyl cellulose)、およびPAR(polyarylate)などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記陰極物質としては、通常、有機物層に電子注入が容易となるように仕事関数の小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属、またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO2/Alのような多層構造の物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記陽極物質としては、通常、有機物層に正孔注入が円滑となるように仕事関数の大きい物質が好ましい。本明細書で使用可能な陽極物質の具体例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO2:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層で、正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔が輸送されて発光層に移すことができる物質で、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、および共役部分と非共役部分がともにあるブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層で、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能を有し、陽極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質は、HOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、フタロシアニン誘導体、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノン、およびポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子がそれぞれ輸送されて結合させることにより、可視光線領域の光を発することができる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq3);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾキサゾール、ベンズチアゾール、およびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的には、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これらに限定されない。

ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換もしくは非置換となる。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。

前記電子注入層は、電極から電子を注入する層で、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物、および含窒素5員環誘導体などがあるが、これらに限定されない。

前記金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(2−ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。

前記電子輸送層は、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層で、電子輸送物質としては、陰極から電子がきちんと注入されて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alq3を含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。

前記正孔阻止層は、正孔の陰極到達を阻止する層で、一般的に、正孔注入層と同一の条件で形成可能である。具体的には、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、BCP、アルミニウム錯体(aluminum complex)などがあるが、これらに限定されない。

本明細書の一実施態様において、前記有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であってよい。

前記化学式1または化学式2で代表される有機化合物の合成方法とこれを用いた有機発光素子の製造は、以下の実施例および比較例によってより具体的に説明される。しかし、これらの実施例は本明細書を例示するためのものであり、本明細書の範囲がこれらにのみ限定されるものではない。

<製造例1>

1)構造式A−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(20.9g、62.1mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(24.8ml、62.1mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。2,4−ジフェニル−インデノ[1,2−d]ピリミジン−5−オン(2,4−diphenyl−indeno[1,2−d]pyrimidine−5−one)(18.9g、56.4mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式A−1(15g、26mmol)を得た。

図3は、構造式A−1のMSスペクトルを示す図である。

2)化学式1−3の製造 前記反応で得られた構造式A−1(15g、26mmol)を酢酸(200ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−3(6.5g、収率45%)を得た。 MS:[M+H]+=560

図4は、化学式1−3の化合物のMSスペクトルを示す図である。

<製造例2>

1)構造式B−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(20.9g、62.1mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(24.8ml、62.1mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式B(18.9g、56.4mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式B−1(17.3g、収率52%)を得た。

2)化学式1−4の製造 前記反応で得られた構造式B−1(17.3g、29.9mmol)を酢酸(200ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−4(5.5g、収率33%)を得た。 MS:[M+H]+=560

<製造例3>

1)構造式C−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(10g、31.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(12.4ml、31.0mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式C(7.3g、28.2mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式C−1(5.8g、収率41%)を得た。

2)化学式1−1の製造 前記反応で得られた構造式C−1(5.8g、11.6mmol)を酢酸(100ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−1(2.9g、収率52%)を得た。 MS:[M+H]+=483

<製造例4>

1)構造式D−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(10g、31.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(12.4ml、31.0mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式D(7.3g、28.2mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式D−1(6.1g、収率43%)を得た。

2)化学式1−2の製造 前記反応で得られた構造式D−1(5.8g、12.2mmol)を酢酸(100ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−2(2.5g、収率45%)を得た。 MS:[M+H]+=483

<製造例5>

1)構造式E−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(15g、46.5mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(18.6ml、46.5mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式E(14.9g、38.8mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式E−1(11.7g、収率48%)を得た。

2)化学式1−13の製造 前記反応で得られた構造式E−1(11.7g、18.6mmol)を酢酸(100ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−13(4.1g、収率36%)を得た。 MS:[M+H]+=609

<製造例6>

1)構造式F−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(10g、31.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(12.4ml、31.0mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式F(12.5g、25.8mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式F−1(11.1g、収率59%)を得た。

2)化学式1−11の製造 前記反応で得られた構造式F−1(11.1g、15.2mmol)を酢酸(100ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式1−11(5.7g、収率53%)を得た。 MS:[M+H]+=711

<製造例7>

1)構造式G−1の製造 9−(2−ブロモフェニル)−カルバゾール(9−(2−bromophenyl)−carbazole)(10g、31.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(12.4ml、31.0mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。構造式G(13.8g、25.8mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式G−1(5.2g、収率26%)を得た。

2)化学式1−19の製造 前記反応で得られた構造式G−1(5.2g、6.7mmol)を酢酸(50ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)0.1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(200ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をエチルアセテートとヘキサンを用いて再結晶して、化学式1−19(2.8g、収率56%)を得た。 MS:[M+H]+=759

<製造例8>

1)構造式H−1の製造 構造式H(15g、46.3mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶かした後、−78℃に冷却した。2.5Mのn−ブチルリチウム(n−Bu−Li)(18.5ml、46.3mmol)を30分間添加した後、2時間、−78℃で撹拌した。2,4−ジフェニル−インデノ[1,2−d]ピリミジン−5−オン(2,4−diphenyl−indeno[1,2−d]pyrimidine−5−one)(12.9g、38.6mmol)を−78℃で添加した後、常温に昇温し、塩化アンモニウム水溶液(aq.NH4Cl)で反応をケンチング(quenching)した。有機層を分離した後、濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、構造式H−1(14.1g、収率63%)を得た。

2)化学式2−3の製造 前記反応で得られた構造式H−1(14.1g、24.3mmol)を酢酸(150ml)に溶かした後、濃硫酸(H2SO4)1gを添加した。24時間還流した後、常温に冷却した。水(H2O)(500ml)を添加して固体を生成した。濾過後、固体をクロマトグラフィーで精製して、化学式2−3(6.4g、収率47%)を得た。 MS:[M+H]+=561

<実施例1>発光層 ITO(indium tin oxide)が500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸留水としてはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行させた。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をして乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。 このように用意されたITO透明電極上に、下記化学式のヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene;HAT)を500Åの厚さに熱真空蒸着して、正孔注入層を形成した。

前記正孔注入層上に、前記化学式の4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(250Å)、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(HAT)(50Å)、および4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(400Å)を順次に真空蒸着して、正孔輸送層を形成した。

次に、前記正孔輸送層上に、膜厚300Åに前記製造した化学式1−3の化合物と下記のようなドーパント化合物GDを10:1の重量比で真空蒸着して、発光層を形成した。

前記発光層上に、電子輸送層物質として、前記化学式ET−Aの化合物と前記化学式LiQ(Lithium Quinalate)を1:1の重量比で真空蒸着して、300Åの厚さに電子注入および輸送層を形成した。

前記電子注入および輸送層上に、順次に、15Åの厚さにリチウムフルオライド(LiF)と、1,000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して、陰極を形成した。

前記過程で、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のリチウムフルオライドは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持して、有機発光素子を作製した。

<実施例2>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−4の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例3>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−1の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例4>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−2の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例5>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−13の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例6>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−11の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例7>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式1−19の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<実施例8>発光層 前記実施例1の化学式1−3の化合物の代わりに、前記製造した化学式2−3の化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

<比較例1> 前記実施例1の化学式1−9の化合物の代わりに、下記化学式GH−Aの化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。

前記実施例および比較例1により作製された有機発光素子に電流(10mA/cm2)を印加した時、下記表1の結果を得た。

前記表1の結果から、本発明に係る新規な化合物は、有機発光素子を含めた有機電子素子の発光層の材料として使用可能であり、これを用いた有機発光素子を含めた有機電子素子は、効率、駆動電圧、安定性などにおいて優れた特性を示すことが分かる。特に、駆動電圧を下降させ、効率の上昇を誘導して消費電力を改善させることができる。

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