抗ウイルス治療のための1′置換カルバ−ヌクレオシドプロドラッグ

申请号 JP2017154096 申请日 2017-08-09 公开(公告)号 JP2018012706A 公开(公告)日 2018-01-25
申请人 ギリード・サイエンシズ・インコーポレーテッド; 发明人 チョウ,アエソップ; キム,チョウン・ユー; レイ,エイドリアン・エス; ジャーン,リジュン;
摘要 【課題】抗ウイルス活性を有する、新規なC型 肝炎 ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤の提供。 【解決手段】例えば、下式で示される、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イルヌクレオシドリン酸のプロドラッグであり、そのヌクレオシド糖の1′ 位置 が、CNで置換されている。提供される化合物、組成物、および方法は、C型肝炎感染の治療に有用である。 【選択図】なし
权利要求

式Iの化合物 またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルであって、 式中、 R1は、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、または(C2−C8)アルキニルであり、 R2は、OHまたは−OC(O)R3であり、 各R3は、独立して、H、OR4、NH(R4)、N(R4)2、SR4、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式環(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各Ra、R4、またはR6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 W1またはW2のうちの一方は、 であり、W1またはW2のうちの他方が、OR4または であり、各Rc、Rd、またはR5は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)ア ルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、NO、NO2、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NNHR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11)2、−C(=O)NR11R12、−C(=S)NR11R12、−C(=O)OR11、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C4−C8)炭素環式アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9またはR10は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、NO、NO2、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11)2、−C(=O)NR11R12、−C(=S)NR11R12、−C(=O)OR11、R11、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12が、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、前記複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、Rc、Rd、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される、化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。式IIによって表され、 式中、各R5は、Hである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。R1は、(C1−C8)アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。R2は、OHである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。式IIIによって表され、 式中、 R3は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニ ル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各RaまたはR6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 W1またはW2のうちの一方は、 であり、W1またはW2のうちの他方は、OR4または であり、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各R4は、(C6−C20)アリールまたはヘテロアリールであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、−S(O)n(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12が、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、前記複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、Rc、Rd、R3、R4、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。式IVによって表され、 式中、 R3は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルであり、 各Raは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキニル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各RcまたはRdは、独立してHまたはメチルであり、 R4は、(C6−C20)アリールであり、 R6は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、−S(O)n(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12が、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、前記複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、R3、R4、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、 S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。リンのキラリティーが、Rである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。リンのキラリティーが、Sである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。R3は、(C1−C8)アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。RcまたはRdのうちの一方は、Hであり、RcまたはRdのうちの他方が、(C1−C8)アルキルである、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の化合物。R6は、(C1−C8)アルキルである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。R8は、NR11R12またはOR11である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。R9は、HまたはNR11R12である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。各R11およびR12は、Hである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。R8は、NH2であり、R9は、Hである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。R4は、(C6−C20)アリールである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。以下 である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。治療有効量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシ ラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系の拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、ならびにHCVを治療するための他の薬物から成る群から選択される、少なくとも1つの追加治療薬をさらに含む、請求項18に記載の薬学的組成物。HCVポリメラーゼを阻害する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを投与することを含む、方法。C型肝炎ウイルスによって引き起こされるウイルス感染を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいは薬学的組成物を投与することを含む、方法。インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、ならびにHCVを治療するための他の薬物から成る群から選択される、少なくとも1つの追加治療薬を投与することをさらに含む、請求項21に記載の方法。C型肝炎ウイルス感染を治療するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、あるいは薬学的組成物の使用。

以下のものからなる群より選択される化合物: またはその薬学的に許容される塩。治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。

说明书全文

本発明は、概して、抗ウイルス活性を有する化合物に関し、最も具体的には、C型肝炎ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤のプロドラッグに関する。

C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界的に、慢性肝疾患の主な原因であり(Boyer,N.et al.J Hepatol.32:98−112,2000)、肝線維症、肝硬変、および肝細胞癌につながる場合がある(Cale,P.,Gastroenterology Clin.Biol.2009,33,958)。現在の抗ウイルス研究の一つの重要な焦点は、ヒトにおける慢性HCV感染の改善された治療方法の開発に向けられている(Di Besceglie,A.M.and Bacon,B.R.,Scientific American,Oct.:80−85,(1999)、Gordon,C.P.,et al.,J.Med.Chem.2005,48,1−20、Maradpour,D.;et al.,Nat.Rev.Micro.2007,5(6),453−463)。多数のHCV治療が、Dymockらによって、Antiviral Chemistry & Chemotherapy,11:2;79−95(2000)において検討されている。

現在、ヒトにおける慢性HCV感染の治療に使用されるのは、主に2つの抗ウイルス化合物、すなわちヌクレオシド類似体であるリバビリン、およびインターフェロン−α(IFN)がある。リバビリン単独では、ウイルスRNAレベルを低下させるには有効でなく、著しい毒性を有し、貧血を誘発することが知られている。IFNとリバビリンの混合は、慢性C型肝炎の管理において有効であることが報告されているが(Scott,L.J.,et al.Drugs 2002,62,507−556)、この治療を受けた患者の半数未満が、持続的な利益を示す。C型肝炎ウイルスを治療するためのヌクレオシド類似体の使用を開示する他の特許出願には、国際公開第01/32153号、国際公開第01/60315号、国際公開第02/057425号、国際公開第02/057287号、国際公開第02/032920号、国際公開第02/18404号、国際公開第04/046331号、国際公開第2008/089105号、および国際公開第2008/141079号が挙げられるが、追加のHCV感染の治療は、依然として患者に使用可能になっていない。したがって、HCV耐性の発生に対して強化された活性を有する向上した抗ウイルス特性および薬物動態特性、向上した経口バイオアベイラビリティ、より大きな薬効、より少ない副作用、ならびに延長された有効インビボ半減期を有する薬物(De Francesco,R.et al.(2003)Antiviral Research 58:1−16)が、緊急に必要とされる。

RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)は、新規のHCV治療薬の開発について、最も研究されている標的の1つである。NS5Bポリメラーゼは、早期のヒト臨床試験における、阻害剤の標的である(Sommadossi,J.、国際公開第01/90121 A2号、米国特許第2004/0006002 A1号)。これらの酵素は、選択的阻害剤を識別するためのスクリーニングアッセイを用いて、生化学的および構造的レベルで広く特徴付けられている(De Clercq,E.(2001)J.Pharmacol.Exp.Ther.297:1−10、De Clercq,E.(2001)J.Clin.Virol.22:73−89)。HCVが研究室では複製されず、細胞に基づくアッセイおよび前臨床動物系の開発が困難であるため、NS5B等の生化学的標的はHCV療法の開発に重要である。

ヌクレオシドによるウイルス複製の阻害は、RdRpを阻害するヌクレオシドを含み、広く研究されている(De Clercq,E.(2001)J.Clin.Virol.22:73−89)。一般的に、これらのヌクレオシドの抗ウイルス活性は、ヌクレオシドが、ウイルス性DNAもしくはRNA鎖の伸長への取り込み後、DNAおよびRNAポリメラーゼの阻害剤、または連鎖停止剤として機能する、それらのヌクレオシド三リン酸(NTP)へ変換することに起因する。しかしながら、多くのNTPは、宿主ポリメラーゼと比較して、ウイルス性ポリメラーゼに対する適切な特異性が欠けており、結果として、かなりの毒性をもたらす。これは、ヌクレオシドのコア構造を修飾して、より高い選択性を達成するための努につながっているが、多数の構造的修飾は、同時に、細胞内のNTP産生を減らしている(Yamanaka,Antimicrob.Agents Chemother.1999:190−193)。

ヌクレオシドのNTPへの不良な変換は、しばしば、ヌクレオシドキナーゼが、ヌクレオシドをヌクレオシド5′−一リン酸(NMP)へ変換する能力がないことに帰することができる。NMPプロドラッグは、不良のヌクレオシド活性を回避するために使用されている(Schultz,Bioorg.Med.Chem.2003,11,885)。これらのプロドラッグの中でも、NMPホスホロアミダートは、ヌクレオシド単独と比較して、NTPの細胞内濃度を増加させることが報告されている(McGuigan,J.Med.Chem.1993,36,1048−1052)。しかしながら、これらのNMPプロドラッグは、血液中および他の体内組織のエステラーゼおよびホスホジエステラーゼの基質であり、それぞれ、プロドラッグを荷電分子またはヌクレオシドに開裂することができる。そこで、荷電分子は、標的器官または細胞に不浸透性であり、ヌクレオシドは、細胞内で、十分にリン酸化されない。

高い有効性を有し、非毒性のNMPプロドラッグの開発は、血液中のNMPプロドラッグの安定性と、プロドラッグが標的器官または細胞に到着して吸収されるか、または標的細胞によって能動的に取り込まれる活性とのバランスをとること、NMPに細胞内で効果的に開裂され、次いでウイルス性ポリメラーゼの阻害に対して選択性のNTPに変換されることを必要とする、主に予測不能な試行錯誤の努力である(Perrone,J.Med.Chem.2007,50,1840−49、Gardelli,J.Med.Chem.2009,52,5394−5407)。HCV感染を治療するための、経口的に有効なRdRp阻害剤の場合については、NMPプロドラッグは、上部腸管の状態に対して化学的に安定しており、腸管から効果的に吸収され、腸細胞および血液の多数のエステラーゼによって分解されず、肝細胞によって効果的に抽出され、NMPに開裂され、続いて、肝細胞中で、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害に対して特異的なNTPに変換される必要がある。

核酸塩基ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,5−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−f][1,2,4]トリアジンのある特定のリボシドは、Carbohydrate Research 2001,331(1),77−82、Nucleosides & Nucleotides(1996),15(1−3),793−807、Tetrahedron Letters(1994),35(30),5339−42、Heterocycles(1992),34(3),569−74、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1985,3,621−30、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1984,2,229−38、国際公開第2000056734号、Organic Letters(2001),3(6),839−842、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1999,20,2929−2936、およびJ.Med.Chem.1986,29(11),2231−5において開示されている。しかしながら、これらの化合物は、H CVの治療に有用であるとして開示されていない。Babu,Y.S.の国際公開第2008/089105号および国際公開第2008/141079号は、抗ウイルス、抗HCV、および抗RdRp活性を有する、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン核酸塩基のリボシドを開示する。

Butlerらの国際公開第2009132135号は、抗HCVおよび抗RdRp活性を有するピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン核酸塩基を含む、1′置換リボシドおよびプロドラッグを開示するが、それらのリボシドの3′−O−アシル化誘導体の種またはそのような誘導体の予測特性を開示しない。

C型肝炎ウイルスを阻害する化合物が提供される。本発明はまた、細胞性核酸ポリメラーゼではなく、ウイルス性核酸ポリメラーゼ、特にHCV RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害する化合物を含む。本化合物は、動物に投与される際に、肝臓によって効果的に抽出され、細胞内でヌクレオシド三リン酸に変換される、ヌクレオシド一リン酸のプロドラッグである。本化合物は、Butlerらの国際公開第2009132135号によって開示される化合物よりも、驚くほどより効果的に肝臓に抽出され、ヌクレオシド三リン酸に変換される。強化された肝臓による抽出は、それによって、非標的組織のプロドラッグおよびヌクレオシド一リン酸への曝露を制限する。したがって、本発明の化合物は、ヒトおよび他の動物におけるHCV感染の治療に特に好適である。

一実施形態において、式Iの化合物

またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルが提供され、 式中、 R1は、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、または(C2−C8)アルキニルであり、 R2は、OHまたは−OC(O)R3であり、 各R3は、独立して、H、OR4、NH(R4)、N(R4)2、SR4、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式環(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各Ra、R4、またはR6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 W1またはW2のうちの一方が、

であり、W1またはW2のうちの他方が、OR4または

であり、各Rc、Rd、またはR5は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各R8が、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、NO、NO2、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NNHR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11)2、−C(=O)NR11R12、−C(=S)NR11R12、−C(=O)OR11、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C4−C8)炭素環式アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9またはR10は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、NO、NO2、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11)2、−C(=O)NR11R12、−C(=S)NR11R12、−C(=O)OR11、R11、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)( C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、Rc、Rd、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。

別の態様において、本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩、ならびにそれらのすべてのラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、多形、異多形、および非晶質形態を含む。

別の態様において、本発明は、感染性HCVウイルスに対する活性を有する式Iの新規の化合物を含む。理論に制約されることなく、本発明の化合物は、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し得、したがってウイルスの複製を阻害し得る。それらは、C型肝炎等のヒトウイルスに感染したヒト患者を治療するのに有用である。

別の態様において、本発明は、薬学的に許容される希釈剤または担体と併せて、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む、薬学的組成物を提供する。

別の実施形態において、本出願は、以下を含む複合医薬品を提供する。 a)本発明の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステルを含む第1の薬学的組成物、ならびに b)インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化薬、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびHCVを治療するための他の薬物から成る群から選択される、少なくとも1つの追加の治療薬を含む、第2の薬学的組成物。

別の実施形態において、本出願は、HCVポリメラーゼを阻害する方法を提供し、HCVに感染した細胞を、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルと接触させることを含む。

別の実施形態において、本出願は、HCVポリメラーゼを阻害する方法を提供し、HCVに感染した細胞を、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の治療薬と接触させることを含む。

別の実施形態において、本出願は、患者のHCVを治療する方法を提供し、治療有効量 の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを、当該患者に投与することを含む。

別の実施形態において、本出願は、患者のHCVを治療する方法を提供し、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加治療薬を当該患者に投与することを含む。

本発明の別の態様は、感染した動物においてHCV感染の症状もしく作用を治療または予防するための方法を提供し、有効量の式Iの化合物を含む薬学的複合組成物または製剤、および抗HCV特性を有する第2の化合物を当該動物に投与すること、すなわち、それによって治療することを含む。

別の態様において、本発明はまた、HCVを阻害する方法を提供し、HCVに感染した哺乳動物に、当該哺乳動物において感染した細胞内のHCVの複製を阻害するのに有効な量の式Iの化合物を投与することを含む。

別の態様において、本発明はまた、本発明の式Iの化合物を調製するために有用な、本明細書に開示される過程および新規中間体を提供する。 他の態様において、本明細書の化合物を合成、分析、分離、単離、精製、特性化、および試験するための新規方法が提供される。

ここで、本発明のある実施形態に関して詳細に説明し、それらの実施例が、付随する説明、構造、および式において例示される。本発明は、列挙される実施形態と併せて説明されるが、それらは、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図しないことを理解されたい。反対に、本発明は、本発明の範囲内に含まれ得る、すべての代替形態、修正形態、および均等物を網羅するように意図される。

別の実施形態において、式Iの化合物は、式II

またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルによって表され、 式中、 R1は、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、または(C2−C8)アルキニルであり、 R2は、OHまたは−OC(O)R3であり、 各R3は、独立して、H、OR4、NH(R4)、N(R4)2、SR4、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式環(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各Ra、R4、またはR6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 W1またはW2のうちの一方が、

であり、W1またはW2のうちの他方が、OR4または

であり、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、−S(O)n(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、Rc、Rd、R1、R2、R3、R4、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。

式IIの一実施形態において、R1はHである。式IIの別の実施形態において、R1は(C1−C8)アルキルである。式IIの別の実施形態において、R1はメチルである。式IIの別の実施形態において、R1は(C2−C8)アルケニルである。式IIの別の実施形態において、R1はエテニルである。式IIの別の実施形態において、R1は(C2−C8)アルキニルである。式IIの別の実施形態において、R1はエチニルである。

式IIの一実施形態において、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C2−C8)アルケニルである。本実施形態の別の態様において、R1はエテニルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C2−C8)アルキニルである。本実施形態の別の態様において、R1はエチニルである。

式IIの一実施形態において、R2は−OC(O)R3である。本実施形態の別の態様において、R1はHである。 式IIの一実施形態において、各R3は、独立して、H、OR4、NH(R4)、N(R4)2、またはSR4である。

式IIの一実施形態において、各R3は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4− C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各R3は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R3は、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該(C1−C8)アルキルは、NH2で任意に置換される。本実施形態の別の態様において、各R3およびR1は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R3は、独立して、(C1−C8)アルキルであり、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルであり、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、各R3は、独立して、(C1−C8)アルキルであり、R1はHであり、R2は−OC(O)R3である。

式IIの一実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

である。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各Rcは、Hであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合される炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの別の実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

であり、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合される炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

であり、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方は、OR4であり、W1また

はW2のうちの他方は、である。本実施形態の別の態様において、R4は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、R4は、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、R4は(C6−C20)アリールである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1また はW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1または W2のうちの他方は

であり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキ ラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、R6は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル 、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R1はメチルであり、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R8はSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はSHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R9はSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はSHである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの別の実施形態において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、また はSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R8はSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はSHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R9はSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はSHである。

式IIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R1はHである。本実施形態の別の態様において、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C2−C8)アルケニルである。本実施形態の別の態様において、R1は(C2−C8)アルキニルである。本実施形態の別の態様において、R2はOHである。本実施形態の別の態様において、R2は OHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、各当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、各当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。

式IIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHであり、R1は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、各W1およびW2は、独立して、

である。本実施形態の別の態様において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

である。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHであり、W1またはW2の うちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

である。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHであり、R1は(C1−C8)アルキルであり、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの 他方は

である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R2はOHであり、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はNH2である。 式IIの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はNH2である。

式IIの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はOHである。 別の実施形態において、式Iの化合物は、式III

またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルによって表され、 式中、 R3は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、アリール、複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各RaまたはR6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 W1またはW2のうちの一方は、

であり、W1またはW2のうちの他方は、OR4または

であり、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8) アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各R4は、(C6−C20)アリールまたはヘテロアリールであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、−S(O)n(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、Rc、Rd、R3、R4、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。

式IIIの一実施形態において、R3は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、または(C3−C8)炭素環式環である。式IIIの別の実施形態において、R3は(C1−C8)アルキルである。式IIIの実施形態において、R3は(C1−C8)アルキルであり、当該(C1−C8)アルキルは、NH2で任意に置換される。

式IIIの一実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

である。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各Rcは、Hであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2− C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各Rcは、Hであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各Rcは、Hであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの別の実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

であり、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各Rcは、Hであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロ アリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合される炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdは、独立して、(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、各W1およびW2は、独立して、

であり、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

である。本実施形態の別の態様において、R4は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、R4は、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、R4は(C6−C20)アリールである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcまたはRdは、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり 、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、R6は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は(C1−C8)アルキ ルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方は(C1−C8)アルキルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O) 2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの一実施形態において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

であり、R4は非置換フェニルであり、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R8はSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はSHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R9はSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はSHである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの別の実施形態において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はハロゲンである。本実施形 態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R8はSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はSHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。本実施形態の別の態様において、R9はSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はSHである。

式IIIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、各当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、各RcはHであり、各Rdはメチルであり、各当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、各R6は、独立して、第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、各W1およびW2は、独立して、

である。本実施形態の別の態様において、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

である。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHであり、W1またはW2のうちの一方はOR4であり、W1またはW2のうちの他方は

である。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、当該RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcまたはRdのうちの一方はHであり、RcまたはRdのうちの他方はメチルであり、RcおよびRdが結合する炭素のキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、各

は、窒素結合の天然α−アミノ酸エステルを含む。 式IIIの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はNH2である。 式IIIの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はNH2である。

式IIIの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はOHである。 別の実施形態において、式Iの化合物は、式IV

またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルによって表され、 式中、 R3は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルであり、 各Raは、独立して、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキニル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、またはヘテロアリールであり、 各RcまたはRdは、独立してHまたはメチルであり、 R4は、(C6−C20)アリールであり、 R6は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、または(C4−C8)炭素環式アルキルであり、 各R8は、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、−S(O)n(C1−C8)アルキル、OR11、またはSR11であり、 各nは、独立して、0、1、または2であり、 各R9は、独立して、H、ハロゲン、NR11R12、N(R11)OR11、NR11NR11R12、N3、OR11、またはSR11であり、 各R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキルであるか、あるいはR11およびR12は、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環のうちのいずれか1個の炭素原子は、−O−、−S(O)n−、または−NRa−で任意に置換することができ、 式中、R3、R4、R6、R8、R11、またはR12の各(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C3−C8)炭素環式環、(C4−C8)炭素環式アルキル、アリール(C1−C8)アルキル、複素環式(C1−C8)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)複素環式環、ヘテロアリールは、独立して、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O )ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。

式IVの一実施形態において、R6は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。

式IVの一実施形態において、R6は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3は2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R8は、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R8はNH2である。本実施形態の別の態様において、R8はOR11である。本実施形態の別の態様において、R8はOHである。本実施形態の別の態様において、R9は、H、ハロゲン、NR11R12、OR11、またはSR11である。本実施形態の別の態様において、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R9はハロゲンである。本実施形態の別の態様において、R9はNR11R12である。本実施形態の別の態様 において、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R9はOR11である。本実施形態の別の態様において、R9はOHである。

式IVの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はHである。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は、2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーはSである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはSである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはRである。

式IVの別の実施形態において、R8はNH2であり、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は、2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH 2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーはSである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはSである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはRである。

式IVの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はNH2である。本実施形態の別の態様において、R3は(C1−C8)アルキルである。本実施形態の別の態様において、R6は第二級アルキルである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は、2−プロピルである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、RcはHであり、Rdはメチルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R4はフェニルであり、当該フェニルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、CN、N3、N(Ra)2、NH(Ra)、NH2、C(O)N(Ra)2、C(O)NH(Ra)、C(O)NH2、OC(O)N(Ra)2、OC(O)NH(Ra)、OC(O)NH2、C(O)ORa、OC(O)ORa、C(O)Ra、OC(O)Ra、S(O)nRa、S(O)2N(Ra)2、S(O)2NH(Ra)、S(O)2NH2、ORa、またはRaで任意に置換される。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Sである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、R4は非置換フェニルであり、リンにおけるキラリティーは、Rである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはSである。本実施形態の別の態様において、R3およびR6は2−プロピルであり、Rcはメチルであり、RdはHであり、リンにおけるキラリティーはRである。

式IVの別の実施形態において、R8はOHであり、R9はOHである。 式I〜IVの一実施形態において、R11またはR12は、独立して、H、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C4−C8)炭素環式アルキル、任意で置換アリール、任意で置換へテロアリール、−C(=O)(C1−C8)アルキル、−S(O)n(C1−C8)アルキル、またはアリール(C1−C8)アルキルである。別の実施形態において、R11およびR12は、それらがともに結合する窒素と一緒になって、3〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環のいずれか1 つの炭素原子は、−O−、−S−、または−NRa−で任意に置換することができる。したがって、例示であり限定するものではないが、部分−NR11R12は、複素環

等によって表すことができる。 別の実施形態において、式I〜IVは、以下

から成る群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである。 別の実施形態において、以下

、またはその塩もしくはエステルから成る群から選択される、式Iの化合物の合成に有用な化合物が提供される。 定義 特に指定のない限り、本明細書で使用される以下の用語および語句は、以下の意味を有することが意図される。 本明細書において商標が使用される場合、出願人は、商標製品および商標製品の活性薬学的成分(1つまたは複数)を独立して含むことを意図する。

本明細書で使用する、「本発明の化合物」または「式Iの化合物」は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を意味する。同様に、単離可能な中間体に関して、「式(数字)の化合物」という語句は、その式の化合物およびその薬学的に許容される塩を意味する。

「治療すること」という用語およびその文法的な同等の句は、疾患の治療に関連して使用される際、疾患の進行を遅延するか、もしくは停止すること、または少なくとも1つの疾患症状を改善すること、より好ましくは、疾患の1つより多い症状を改善することを意味する。例えば、C型肝炎ウイルス感染の治療は、HCVに感染したヒトにおけるHCVウイルス量を減少させること、および/またはHCVに感染したヒトに現れる黄疸の重症度を減少させることを含む。

「アルキル」は、ノルマル、第二級、第三級、または環状炭素原子を含有する、炭化素である。例えば、アルキル基は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C1−C20アルキル)、1〜8個の炭素原子(すなわち、C1−C8アルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C1−C6アルキル)を有することができる。好ましいアルキル基の例には、限定されないが、メチル(Me、−CH3)、エチル(Et、−CH2CH3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH3)2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH2CH(CH3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH3)3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル(−CH(CH2CH3)2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH2CH3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH3)CH(CH3)2)、3−メチル−1−ブチル(−CH2CH2CH(CH3)2)、2−メチル−1−ブチル(−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル(−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3−ヘキシル(−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH3)2CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH3)(CH2CH3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH3)C(CH3)3、およびオクチル(−(CH2)7CH3)が挙げられる。

「アルコキシ」は、式−O−アルキルを有する基を意味し、上に定義されるアルキル基が、酸素原子を介して親分子に結合される。アルコキシ基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C1−C20アルコキシ)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C1−C12アルコキシ)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C1−C6アルコキシ)を有することができる。好適なアルコキシ基の例には、限定されないが、メトキシ(−O−CH3または−OMe)、エトキシ(−OCH2CH3または−OEt)、t−ブトキシ(−O−C(CH3)3または−OtBu)等が挙げられる。

「ハロアルキル」は、アルキル基の1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子で置換される、上に定義されるようなアルキル基である。ハロアルキル基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C1−C20ハロアルキル)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C1−C12ハロアルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C1−C6アルキル)を有することができる。好適なハロアルキル基の例には、限定されないが、−CF3、−CHF2、−CFH2、−CH2CF3等が挙げられる。

「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素−炭素、sp2二重結合を有する、ノルマル、第二級、第三級、または環状炭素原子を含有する、炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C2−C20アルケニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C2−C8アルケニル)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C2−C6アルケニル)を有することができる。好適なアルケニル基の例には、限定されないが、エチレンまたはビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH 2CH=CH2)、シクロペンテニル(−C5H7)、および5−ヘキセニル(−CH2 CH2CH2CH2CH=CH2)が挙げられる。

「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素−炭素、sp三重結合を有する、ノルマル、第二級、第三級、または管状炭素原子を含有する、炭化水素である。例えば、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C2−C20アルキニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C2−C8アルキン)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C2−C6アルキニル)を有することができる。好適なアルキニル基には、限定されないが、

等が挙げられる。 「アルキレン」は、2つの水素原子を親アルカンの同一または2つの異なる炭素原子から除去することに由来する、2つの一価ラジカル中心を有する、飽和、分岐、直鎖、または環状炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルキレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキレンラジカルには、限定されないが、メチレン(−CH2−)、1,1−エチル(−CH(CH3)−)、1,2−エチル(−CH2CH2−)、1,1−プロピル(−CH(CH2CH3)−)、1,2−プロピル(−CH2CH(CH3)−)、1,3−プロピル(−CH2CH2CH2−)、1,4−ブチル(−CH2CH2CH2CH2−)等が挙げられる。

「アルケニレン」は、2つの水素原子を親アルケンの同一または2つの異なる炭素原子から除去することに由来する、2つの一価ラジカル中心を有する、飽和、分岐、直鎖、または環状炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルケニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルケニレンラジカルには、限定されないが、1,2−エチレン(−CH=CH−)が挙げられる。

「アルキニレン」は、2つの水素原子を親アルキンの同一または2つの異なる炭素原子から除去することに由来する、2つの一価ラジカル中心を有する、飽和、分岐、直鎖、または環状炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルキニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキニレンラジカルには、限定されないが、

が挙げられる。 「アミノ」は、概して、式−N(X)2を有する、アンモニアの誘導体であると見なされ得る、窒素ラジカルを指し、各「X」は、独立して、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換炭素環式環、置換または非置換複素環式環等である。窒素のハイブリダイゼーションは、おおよそsp3である。アミノの限定されない種類には、−NH2、−N(アルキル)2、−NH(アルキル)、−N(炭素環式環)2、−NH(炭素環式環)、−N(複素環式環)2、−NH(複素環式環)、−N(アリール)2、−NH(アリール)、−N(アルキル)(アリール)、−N(アルキル)(複素環式環)、−N(炭素環式環)(複素環式環)、−N(アリール)(ヘテロアリール)、−N(アルキル)(ヘテロアリール)等が挙げられる。用語「アルキルアミノ」は、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアミノ基を指す。アミノ基の非限定的な例には、−NH2、−NH(CH3 )、−N(CH3)2、−NH(CH2CH3)、−N(CH2CH3)2、−NH(フェニル)、−N(フェニル)2、−NH(ベンジル)、−N(ベンジル)2等が挙げられる。置換アルキルアミノは、概して、本明細書に定義される少なくとも1つの置換アルキルが、アミノ窒素原子に結合する、上で定義されるアルキルアミノ基を指す。置換アルキルアミノの非限定例には、−NH(アルキレン−C(O)−OH)、−NH(アルキレン−C(O)−O−アルキル)、−N(アルキレン−C(O)−OH)2、−N(アルキレン−C(O)−O−アルキル)2等が挙げられる。

「アリール」は、1つの水素原子を親芳香族環系の単一炭素原子から除去することにより誘導される、芳香族炭化水素ラジカルを意味する。例えば、アリール基は、6〜20個の炭素原子、6〜14個の炭素原子、または6〜10個の炭素原子を有することができる。典型的なアリール基には、限定されないが、ベンゼン(例えば、フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル等に由来するラジカルが挙げられる。

「アリールアルキル」は、炭素原子に結合する水素原子のうちの1つ、通常、末端またはsp3の炭素原子が、アリールラジカルで置換される、非環状アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基には、限定されないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が挙げられる。アリールアルキル基は、7〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。

「アリールアルケニル」は、炭素原子、通常、末端またはsp3炭素原子であるが、sp2炭素原子にもまたは結合する水素原子のうちの1つが、アリールラジカルで置換される、非環状アルケニルラジカルを指す。アリールアルケニルのアリール部分は、例えば、本明細書に開示されるアリール基のいずれかを含むことができ、アリールアルケニルのアルケニル部分は、例えば、本明細書に開示されるアルケニル基のいずれかを含むことができる。アリールアルケニル基は、8〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキル部分は、2〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。

「アリールアルキニル」は、炭素原子、通常、末端またはsp3炭素原子であるが、sp炭素原子にもまた結合する水素原子のうちの1つが、アリールラジカルで置換される、非環状アルキニルラジカルを指す。アリールアルキニルのアリール部分は、例えば、本明細書に開示されるアリール基のいずれかを含むことができ、アリールアルキニルのアルキニル部分は、例えば、本明細書に開示されるアルキニル基のいずれかを含むことができる。アリールアルキニル基は、8〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。

アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、複素環式環、ヘテロアリール、炭素環式環等に関する、例えば、「置換アルキル」、「置換アルキレン」、「置換アリール」、「置換アリールアルキル」、「置換複素環式環」、および「置換炭素環式環」の、「置換」という用語は、特に指定のない限り、1つ以上の水素原子が、それぞれ独立して、非水素置換基で置換される、アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、複素環式環、炭素環式環をそれぞれ意味する。典型的な置換基には、限定されないが、−X、−Rb、−O、=O、−ORb、−SRb、−S、−NRb2、−N+Rb3、=NRb、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、−NHC(=O)Rb、−OC(=O)Rb、−NHC(=O)NRb2、−S(=O)2−、−S(=O)2OH、−S(=O)2Rb、−OS(=O)2ORb、−S(=O)2NRb2、−S(=O)Rb、−OP(=O )(ORb)2、−P(=O)(ORb)2、−P(=O)(O)2、−P(=O)(OH)2、−P(O)(ORb)(O)、−C(=O)Rb、−C(=O)X、−C(S)Rb、−C(O)ORb、−C(O)O、−C(S)ORb、−C(O)SRb、−C(S)SRb、−C(O)NRb2、−C(S)NRb2、−C(=NRb)NRb2が挙げられ、各Xは、独立して、ハロゲン、すなわちF、Cl、Br、またはIであり、各Rbは、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である。アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン基もまた、同様に置換されてもよい。特に指定のない限り、「置換」という用語が、2つ以上の置換可能な部分を有する、アリールアルキル等の基と共に用いられる場合、置換基は、アリール部分、アルキル部分、または両方に結合することができる。

本明細書で使用する、「プロドラッグ」という用語は、生物系に投与されると、自然の化学反応、酵素触媒化化学反応、光分解、および/または代謝化学反応の結果として、製剤物質、すなわち、活性成分を生成する、任意の化合物を指す。したがって、プロドラッグは、治療活性化合物の共有結合的に修飾された類似体または潜在形態である。

当業者であれば、許容可能に安定した薬学的組成物に製剤され得る、薬学的に有用な化合物を提供するのに十分に安定している化合物を提供するために、式I〜IVの化合物の置換基および他の部分を選択する必要があることを認識するであろう。このような安定性を有する式I〜IVの化合物は、本発明の範囲内に含まれることが企図される。

式I〜IVの化合物はまた、特定の分子内に指定される原子の同位体を組み込む分子を含む。これらの同位体の非限定的な例には、D、T、14C、13C、および15Nが挙げられる。これらの分子のすべてのこのような同位体変形は、本発明の範囲内に含まれる。

「ヘテロアルキル」とは、1つ以上の炭素原子が、O、N、またはS等のヘテロ原子で置換されているアルキル基を指す。例えば、親分子に結合するアルキル基の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換される場合、結果として得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、−OCH3等)、アミン(−NHCH3、−N(CH3)2等)、またはチオアルキル基(例えば、−SCH3)である。親分子に結合しないアルキル基の非末端炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換される場合、結果として得られるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、−CH2CH2−O−CH3等)、アルキルアミン(例えば、−CH2NHCH3、−CH2N(CH3)2等)、またはチオアルキルエーテル(例えば、−CH2−S−CH3)である。アルキル基の末端炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換される場合、結果として得られるヘテロアルキル基は、それぞれヒドロキシアルキル基(例えば、−CH2CH2−OH)、アミノアルキル基(例えば、−CH2NH2)、またはアルキルチオール基(例えば、−CH2CH2−SH)である。ヘテロアルキル基は、例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。C1−C6ヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキル基を意味する。

本明細書で使用する、「複素環」または「複素環式環」は、例示であり限定するものではないが、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968)、特に第1、3、4、6、7、および9章、The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs(John Wiley & Sons,New York,1950〜現在)、特に第13、14、16、19、および28巻、ならびにJ.A m.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載される複素環を含む。本発明の1つの特定の実施形態において、「複素環」は、本明細書で定義される「炭素環」を含み、1つ以上(例えば、1、2、3、または4個)の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換されている。「複素環」または「複素環式環」という用語は、飽和環、特に不飽和環、および芳香族環(すなわち、ヘテロ芳香族環)を含む。置換複素環式環には、例えば、カルボニル基を含む、本明細書に開示される置換基のいずれかで置換される複素環式環が挙げられる。カルボニル置換複素環式環の非限定例は、

である。 複素環の例には、例示であり限定するものではないが、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキシアチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、プラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニル、

が挙げられる。 例示であり限定するものではないが、炭素結合した複素環は、ピリジンの2、3、4、5、もしくは6位、ピリダジンの3、4、5、もしくは6位、ピリミジンの2、4、5、もしくは6位、ピラジンの2、3、5、もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2、3、4、もしくは5位、オキサゾール、イミダゾール、またはチアゾールの2、4、もしくは5位、イソキサ ゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3、4、もしくは5位、アジリジンの2もしくは3位、アゼチジンの2、3、もしくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7もしくは8位、あるいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、もしくは8位で結合する。なおもさらに典型的に、炭素結合した複素環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが挙げられる。

例示であり限定するものではないが、窒素結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはβ−カロリンの9位で結合する。なおもさらに典型的には、窒素結合した複素環には、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが挙げられる。

「複素環式アルキル」は、炭素原子に結合する水素原子のうちの1つ、通常、末端またはsp3炭素原子が、複素環式ラジカル(すなわち、複素環式−アルキレン部分)で置換される、非環式アルキルラジカルを指す。典型的な複素環式アルキル基には、これらに限定されないが、複素環式−CH2−、2−(複素環式)エタン−1−イル等が挙げられ、「複素環式」部分は、Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されるものを含む、上述の複素環式基のうちのいずれかを含む。当業者であれば、結果として得られる基が化学的に安定しているという条件で、複素環式基が、炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によって、複素環式アルキルのアルキル部分に結合し得ることも理解するであろう。複素環式アルキル基は、3〜20個の炭素原子を含み、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、複素環式部分は、2〜14個の炭素原子である。複素環式アルキルの例には、例示であり限定するものではないが、チアゾリメチル、2−チアゾリルエタン−1−イル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、チアジアゾリルメチル等の、硫黄、酸素、および/または窒素を含有する5員の複素環、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、モルホリニルメチル、ピリジニルメチル、ピリジジルメチル、ピリミジルメチル、ピラジニルメチル等の、硫黄、酸素、および/または窒素を含有する6員の複素環が挙げられる。

「複素環式アルケニル」は、炭素原子、通常、末端またはsp3炭素原子であるが、sp2炭素原子にもまた結合する水素原子のうちの1つが、複素環式ラジカル(すなわち、複素環式−アルケニレン部分)で置換される、非環状アルケニルラジカルを指す。複素環式アルケニル基の複素環式部分は、Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されるものを含む、本明細書に記載される複素環式基のうちのいずれをも含み、複素環式アルケニル基のアルケニル部分は、本明細書に開示されるアルケニル基のうちのいずれをも含む。当業者であれば、得られる基が化学的に安定しているという条件で、複素環式基が、炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によって、複素環式アルケニルのアルケニル部分に結合し得ることも理解するであろう。複素環式アルキニル基は、4〜20個の炭素原子を含み、例えば、複素環式アルキニル基のアルキニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、複素環式部分は、2〜14個の炭素原子である。

「複素環式アルキニル」は、炭素原子、通常、末端またはsp3炭素原子であるが、s p炭素原子にもまた結合する水素原子のうちの1つが、複素環式ラジカル(すなわち、複素環式−アルキニレン部分)で置換される、非環状アルキニルラジカルを指す。複素環式アルキニル基の複素環式部分は、Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されるものを含む、本明細書に記載される複素環式基のうちのいずれをも含み、複素環式アルキニル基のアルキニル部分は、本明細書に開示されるアルキニル基のうちのいずれをも含む。当業者であれば、得られる基が化学的に安定しているという条件で、複素環式基が、炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によって、複素環式アルキニルのアルキニル部分に結合し得ることも理解するであろう。複素環式アルキニル基は、4〜20個の炭素原子を含み、例えば、複素環式アルキニル基のアルキニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、複素環式部分は、2〜14個の炭素原子である。

「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのヘテロ原子を環に有する、芳香族複素環式環を指す。芳香族環に含まれ得る好適なヘテロ原子の非限定例には、酸素、硫黄、および窒素が挙げられる。ヘテロアリール環の非限定例には、「複素環式」の定義において列挙される芳香族環のすべてが挙げられ、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、フラニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル等を含む。

「炭素環」または「炭素環式環」は、単環として3〜7個の炭素原子、二環として7〜12個の炭素原子、多環として最大約20個の炭素原子を有する、飽和(すなわち、シクロアルキル)、部分不飽和(例えば、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル等)、または芳香族の環を指す。単環式炭素環は、3〜7個の環原子、さらにより典型的に5または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系として配列される、7〜12個の環原子、またはビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置される9もしくは10個の環原子、またはスピロ縮合環を有する。単環式炭素環の非限定例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシ−1−エニル、1−シクロヘキシ−2−エニル、1−シクロヘキシ−3−エニル、およびフェニルが挙げられる。二環式炭素環の非限定例には、ナフチル、テトラヒドロナフタレン、およびデカリンが挙げられる。

「炭素環式アルキル」は、炭素原子に結合する水素原子のうちの1つが、本明細書に記載される炭素環式ラジカルで置換される、非環式アキルラジカルを指す。典型的であるが、限定されない炭素環式アルキル基の例には、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、およびシクロヘキシルメチルが挙げられる。

「アリールヘテロアルキル」は、水素原子(炭素原子またはヘテロ原子のいずれかに結合され得る)が、本明細書に定義されるアリール基で置換された、本明細書に定義されるヘテロアルキルを指す。アリール基は、結果として得られるアリールヘテロアルキル基が化学的に安定した部分を提供するという条件で、ヘテロアルキル基の炭素原子、またはヘテロアルキル基のヘテロ原子に結合されてもよい。例えば、アリールヘテロアルキル基は、−アルキレン−O−アリール、−アルキレン−O−アルキレン−アリール、−アルキレン−NH−アリール、−アルキレン−NH−アルキレン−アリール、−アルキレン−S−アリール、−アルキレン−S−アルキレン−アリール等の一般式を有し得る。さらに、上記一般式中のアルキレン部分のいずれも、本明細書に定義または例示される置換基のいずれかでさらに置換することができる。

「ヘテロアリールアルキル」は、水素原子が本明細書に定義されるヘテロアリール基で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキルの非限定例には、−CH2−ピリジニル、−CH2−ピロリル、−CH2−オキサゾリル、−CH2−インドリル、−CH2−イソインドリル、−CH2−プリニル、−CH2−フラニル、−CH2−チエニル、−CH2−ベンゾフラニル、−CH2−ベンゾチオフェニル、−CH2−カルバゾリル、−CH2−イミダゾリル、−CH2−チアゾリル、−CH2−イソキサゾリル、−CH2−ピラゾリル、−CH2−イソチアゾリル、−CH2−キノリル、−CH2−イソキノリル、−CH2−ピリダジル、−CH2−ピリミジル、−CH2−ピラジル、−CH(CH3)−ピリジニル、−CH(CH3)−ピロリル、−CH(CH3)−オキサゾリル、−CH(CH3)−インドリル、−CH(CH3)−イソインドリル、−CH(CH3)−プリニル、−CH(CH3)−フラニル、−CH(CH3)−チエニル、−CH(CH3)−ベンゾフラニル、−CH(CH3)−ベンゾチオフェニル、−CH(CH3)−カルバゾリル、−CH(CH3)−イミダゾリル、−CH(CH3)−チアゾリル、−CH(CH3)−イソキサゾリル、−CH(CH3)−ピラゾリル、−CH(CH3)−イソチアゾリル、−CH(CH3)−キノリル、−CH(CH3)−イソキノリル、−CH(CH3)−ピリダジル、−CH(CH3)−ピリミジル、−CH(CH3)−ピラジル等が挙げられる。

式I〜IVの特定の部分に関する「任意に置換された」という用語(例えば、任意に置換されたアリール基)は、すべての置換基が水素であるか、または部分の1つ以上の水素が「置換された」という定義の下で列挙されるもの等の置換基で置換されてもよい部分を指す。

式I〜IVの化合物の特定部分に関する「任意に置換された」という用語(例えば、当該(C1−C8)アルキルの炭素原子が、−O−、−S−、または−NRa−で任意に置換されてもよい)は、(C1−C8)アルキルのメチレン基の1以上が、指定された基(例えば、−O−、−S−、または−NRa−)のうちの0、1、2個以上で置換されてもよいことを意味する。

アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン部分に関する「非末端炭素原子」という用語は、部分の第1の炭素原子と部分の最後の炭素原子との間に介在する部分における炭素原子を指す。したがって、例示であり限定するものではないが、アルキル部分−CH2(C*)H2(C*)H2CH3またはアルキレン部分−CH2(C*)H2(C*)H2CH2−において、C*原子は、非末端炭素原子であるとみなされる。

「リンカー」または「リンク」は、原子の共有結合または鎖を含む化学的部分を意味する。リンカーは、アルキルオキシ(例えば、ポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)およびアルキルアミノ(例えば、ポリエチレンアミノ、Jeffamine(商標))の反復単位、ならびにコハク酸、スクシンアミド、ジグリコール酸塩、マロン酸塩、およびカプロアミドを含む、二酸エステルおよびアミドを含む。

「酸素結合」、「窒素結合」、「炭素結合」、「硫黄結合」、または「リン酸結合」等の用語は、2つの部分間の結合が、部分における複数種の原子を使用して形成され得る場合、次に、部分間に形成される結合が、指定された原子を介することを意味する。例えば、窒素結合アミノ酸は、アミノ酸の酸素または炭素原子を通してではなく、アミノ酸の窒素原子を通して結合される。

式I〜IVの化合物のいくつかの実施形態は、部分

を含み、それは、窒素結合した天然のα−アミノ酸エステルのラジカルを含んでもよい。天然のアミノ酸の例には、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セレノシステイン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、およびタウリンが挙げられる。こられのアミノ酸のエステルは、置換基R6に対して記載されるもののいずれか、特に、R6が、任意で置換(C1−C8)アルキルであるものを含む。 他に指定されない限り、式I〜IVの化合物の炭素原子は、4価を有することが意図される。炭素原子が4価を生成するように結合する十分な数の変数を有しない、いくつかの化学構造図において、4価を提供するために必要とされる残りの炭素置換基は、水素であると想定されるはずである。例えば、

は、

と同一の意味を有する。 「保護基」は、官能基の特性または化合物全体の特性をマスクするか、または変更する化合物の部分を指す。保護基の化学構造は、広範に異なる。保護基の1つの機能は、親製剤物質の合成において、中間体として機能することである。化学保護基および保護/脱保護のための戦略は、当該技術分野において周知である。“Protective Groups in Organic Chemistry”,Theodora W.Greene(John Wiley & Sons,Inc.,New York,1991)を参照されたい。保護基は、ある官能基の反応性をマスクし、所望の化学反応の効率を支援するようにしばしば利用され、例えば、化学結合を規則的かつ計画的に作製および切断する。化合物の官能基の保護は、極性、脂溶性(疎水性)等の保護官能基の反応性以外の物理特性、および一般的な分析ツールで測定される他の特性を変更する。化学的に保護された中間体は、それ自体が生物学的に活性であるか、または不活性であってもよい。

保護された化合物は、変更された特性、場合によっては最適化された特性、例えば、細胞膜の透過および酵素分解または隔離に対する耐性もインビトロおよびインビボで呈し得る。この役割において、意図される治療効果を有する保護された化合物は、プロドラッグと称され得る。保護基の別の機能は、親薬物をプロドラッグに変換することであり、それによって親薬物は、インビボでのプロドラッグの変換時に放出される。活性プロドラッグは、親薬物よりも効率的に吸収され得るため、プロドラッグは、親薬物よりもインビボで優れた能力を有し得る。保護基は、化学中間体の事例においてインビトロで、またはプロドラッグの場合においてインビボでのいずれかで除去される。化学中間体を用いる場合、脱保護後に得られる生成物、例えば、アルコールが、生理学的に許容されることは特に重要ではないが、一般に、生成物が薬理学的に無害であることがより望ましい。

「プロドラッグ部分」は、代謝中、全身的に、細胞内で、加水分解、酵素開裂、または何らかの他の過程によって活性阻害化合物から分離する、不安定な官能基を意味する(Bundgaard,Hans,“Design and Application of Prodrugs”in Textbook of Drug Design and Development(1991),P.Krogsgaard−Larsen and H.Bundgaard,Eds.Harwood Academic Publishers,pp.113−191)。本発明のホスホン酸塩プロドラッグ化合物によ る酵素活性機序が可能な酵素には、限定されないが、アミダーゼ、エステラーゼ、微生物酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼ、およびホスファーゼが挙げられる。プロドラッグ部分は、薬物送達、バイオアベイラビリティ、および有用性を最適化するように、溶解性、吸収、および脂溶性を強化する機能を果たすことができる。 プロドラッグ部分は、活性代謝物または薬物自体を含んでもよい。

リン酸基は、リン酸プロドラッグ部分であり得る。プロドラッグ部分は、加水分解に敏感であり得る。あるいは、プロドラッグ部分は、乳酸エステルまたはホスホンアミダート−エステル基等の酵素強化開裂に敏感であり得る。

式I〜IVの範囲内にある化合物およびその薬学的に許容される塩の、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、ならびにラセミ混合物、互変異性体、多形体、偽多形体が、本発明に包含されることに留意されたい。そのようなエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべての混合物は、本発明の範囲内である。

式I〜IVの化合物およびその薬学的に許容される塩は、異なる多形体または偽多形体として存在してもよい。本明細書で使用する、結晶性多形性は、結晶性化合物が異なる結晶構造で存在する能力を意味する。結晶性多形性は、結晶充填(充填多形性)の差異または同一分子の異なる配座異性体間の充填(立体配座多形性)の差異に起因し得る。本明細書で使用する、結晶性偽多形性は、化合物の水和物または溶媒和物が、異なる結晶構造に存在する能力を意味する。本発明の偽多形は、結晶充填(充填偽多形性)の差異または同一分子の異なる配座異性体間の充填(立体配座偽多形性)の差異に起因して存在し得る。本発明は、式I〜IVの化合物、およびその薬学的に許容される塩のすべての多形および偽多形を含む。

また、式I〜IVの化合物およびその薬学的に許容される塩は、非晶質固形物として存在してもよい。本明細書で使用する、非晶質固形物は、固形物中の原子の配位の長距離秩序が存在しない固形物である。この定義は、結晶寸法が2ナノメートル以下である場合も同様に適用する。溶媒和物を含む添加剤が、本発明の非晶質形態を形成するのに使用されてもよい。本発明は、式I〜IVの化合物およびその薬学的に許容される塩のすべての非晶質形態を含む。

式I〜IVの化合物を成す選択された置換基は、再帰的程度で存在する。本文脈において、「再帰的置換基」は、置換基がそれ自体の別の例を列挙し得ることを意味する。そのような置換基の再帰的性質に起因して、理論上、多数の化合物が、あらゆる指定の実施形態に存在し得る。薬品化学分野の当業者であれば、そのような置換基の総数は、意図される化合物の所望の特性によって合理的に制限されることを理解するであろう。そのような特性には、例示であり限定するものではないが、分子重量、溶解性、またはログP等の物理特性、意図される標的に対する活性等の適用特性、および合成の容易さ等の実践上の特性が挙げられる。再帰的置換基は、本発明の意図する態様である。医薬品化学の当業者は、そのような置換基の多様性を理解する。再帰的置換基が本発明の実施形態に存在する程度で、それらが、それら自体の別の例を、0、1、2、3、または4回列挙し得る。

量と併せて使用される修飾詞「約」は、指定される値を含み、文脈によって決定される意味を有する(例えば、特定量の測定値に随伴する誤差の程度を含む)。 本明細書に記載される発明の化合物に関するあらゆる参照は、その生理学的に許容される塩に関する参照も含む。本発明の化合物の生理学的に許容される塩の例には、適切な塩基、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類(例えば、Na+、Li+、K+、Ca+2、およびMg+2)、アンモニウム、およびNRa4+(Raは、本明細書において定義される)に由来する塩が挙げられる。窒素原子またはアミノ基の生理学的に許容される 塩には、(a)例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸で形成される酸付加塩、(b)例えば、酢酸、オキサル酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギニン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸、マロン酸、スルホサリシル酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、パモ酸、サリシル酸、ステアリン酸、フタル酸、マンデル酸、乳酸、エタンスルホン酸、リシン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシン、ロイシン等の有機酸で形成される塩、および(c)例えば、塩素、臭素、およびヨウ素等の元素アニオンから形成される塩が挙げられる。ヒドロキシ基の化合物の生理学的に許容される塩は、Na+およびNRa4+等の適切なカチオンと組み合わせた、当該化合物のアニオンを含む。

治療用途の場合、本発明の化合物の活性成分の塩は、生理学的に許容される、すなわち、それらは、生理学的に許容される酸または塩基に由来する塩である。しかしながら、生理学的に許容されない酸または塩基の塩も、例えば、生理学的に許容される化合物の調製または精製における利用が見出され得る。すべての塩は、生理学的に許容される酸または塩基に由来するか否かに関わらず、本発明の範囲内である。

最後に、本明細書における組成物は、非イオン化ならびに双性イオン形態の本発明の化合物、および加水分解に見られるような化学量論量の水との組み合わせを含むことを理解されたい。

式I〜IVに例示される本発明の化合物は、キラル中心、例えば、キラル炭素またはリン原子を有する。例えば、式I〜IVのリン原子は、それらが4個の異なる置換基を有するため、キラルであり得る。本発明の化合物は、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロピソマーを含む、すべての立体異性体のラセミ混合物を含む。さらに、本発明の化合物は、非対称キラル原子のいずれか、またはすべてにおいて、強化または解像光学異性体を含む。つまり、図から明らかなキラル中心は、キラル異性体またはラセミ混合物として提供される。ラセミ混合物およびジアステレオマー混合物の両方、ならびに単離または合成され、実質的にそれらのエナンチオマーまたはジアステレオマーのパートナーを含まない個別の光学異性体は、すべて本発明の範囲内である。ラセミ混合物は、周知の技法、例えば、光学的に活性な付加物、例えば、光学的に活性な物質に変換した後の酸または塩基で形成されるジアステレオマー塩の分離等によって、それらの個別の実質的に光学的に純粋な異性体に分離される。大部分の事例において、望ましい光学異性体は、望ましい開始物質の適切な立体異性体で開始する、立体特異的反応によって合成される。

「キラル」という用語は、鏡像パートナーが重畳できないという特性を有する分子を指すが、「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーに対して重畳可能である分子を指す。

「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を指す。 「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラリティー中心を有する立体異性体を指し、それらの分子は、相互に鏡像ではない。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、反応性、および生物特性を有する。例えば、式I〜IVの化合物は、リン酸が4つの異なる置換基を有する場合に、キラルリン原子を有してもよく、例えば、式IVでは、キラリティーはRまたはSである。式IVのホスホロアミダートのアミノ酸のRcおよびRdが異なる場合、分子には2つのキラリティー中心が存在し、 化合物の可能性のあるジアステレオマー混合物、例えば、R,S、S,R、S,S、および R,R異性体をもたらす。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動、結晶化、および/ま たはクロマトグラフィー等の高解像度分析手順下において、分離し得る。ジアステレオマーは、限定されないが、溶解性、化学的安定性、および結晶化度等の異なる物理属性を有し、これらに限定されないが、酵素安定性、吸収、および代謝安定性等の異なる生物特性もまた有し得る。

「エナンチオマー」は、相互に重畳できない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。 本明細書で使用する立体化学定義および慣例は、概して、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York、およびEliel,E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは、平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物を説明する際に、接頭辞DおよびLまたはRおよびSを使用して、そのキラル中心(1つまたは複数)の周りの分子の絶対構成を説明する。接頭辞dおよびl、DおよびL、または(+)および(−)を用いて、化合物による平面偏光の回転の記号を指定し、S、(−)、またはlは、化合物が左旋性であるが、前置詞R(+)またはdのついた化合物は、右旋性であることを意味する。指定の化学構造の場合、これらの立体異性体は、それらが相互の鏡像であることを除いて同一である。また、特定の立体異性体は、エナンチオマーと称されてもよく、そのような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と呼ばれる場合が多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ化合物と称され、化学反応または過程において立体選択または立体特異性がなかった場合に起こり得る。「ラセミ混合物」および「ラセミ化合物」という用語は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指し、光学活性を欠いている。

本明細書に記載される化合物が、複数の同一指定基、例えば、「Ra」または「R1」で置換される場合はいつも、基が同一または異なり得ること、すなわち、各基が独立して選択されることを理解されたい。波線〜〜〜は、結合副構造、基、部分、または原子に対する共有結合付着部位を示す。

本発明の化合物は、ある事例において、互変異性体として存在することもできる。1つのみの非局在化共鳴構造が描写され得るが、そのような形態のすべてが、本発明の範囲内であると見なされる。例えば、ene−アミン互変異性体は、プリン、ピリミジン、イミダゾール、グアニジン、アミジン、およびテトラゾール系に対して存在し、それらの可能な互変異性体のすべてが、本発明の範囲内である。

当業者であれば、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジンヌクレオシドが、互変異性体に存在し得ることを認識するであろう。例えば、限定としてではないが、構造(a)および(b)は、以下に示されるものに相当する互変異性体を有することができる。

本明細書に開示される実施形態のすべてにおいて、複素環のすべての可能な互変異性体が、本発明の範囲内である 式I〜IVの化合物はまた、特定の分子内に指定される原子の同位体を組み込む分子を含む。これらの同位体の非限定的な例には、D、T、14C、13C、および15Nが挙げられる。これらの分子のすべてのこのような同位体変形が、本発明によって提供される。 HCVポリメラーゼの阻害方法 本発明の別の態様は、本発明の組成物とともにHCVを含有すると疑われる試料を処理するステップを含む、HCVポリメラーゼの活性を阻害する方法に関する。

本発明の組成物は、HCVポリメラーゼの阻害剤として、そのような阻害剤の中間体として作用し得るか、または以下に記載されるような他の実用性を有し得る。阻害剤は、HCVポリメラーゼに固有の形状を有するHCVポリメラーゼの表面上または空洞内の位置に結合する。HCVポリメラーゼと結合する組成物は、様々な程度の可逆性で結合し得る。実質的に不可逆的に結合する化合物が、本発明の方法において使用するための理想的な候補である。一旦標識されると、実質的に不可逆的な結合組成物は、HCVポリメラーゼの検出のためのプローブとして有用である。したがって、本発明は、HCVポリメラーゼを含有すると疑われる試料中のHCVポリメラーゼを検出する方法に関し、HCVポリメラーゼを含有すると疑われる試料を、標識に結合した本発明の化合物を含む組成物で処理するステップと、標識の活性に対する試料の作用を観察するステップと、を含む。好適な標識は、診断の分野において周知であり、安定した遊離基、フルオロフォア、放射性同位体、酵素、化学発光基、およびクロモゲンを含む。本明細書に記載の化合物は、ヒドロキシル、カルボキシル、スルフヒドリル、またはアミノ等の官能基を使用する従来の様式で標識される。

本発明の文脈内で、HCVポリメラーゼを含有すると疑われる試料は、例えば、有機体、組織または細胞培養、生物物質試料等の生物試料(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、 痰、唾液、組織試料等)、研究室試料、食物、水、または空気試料、生物学的生成物、例えば、細胞の抽出物、特に所望の糖タンパク質を合成する組み換え細胞等の天然または人工物質を含む。通常、試料は、HCVポリメラーゼを生成する有機体、多くの場合、HCV等の病原体を含有すると疑われる。試料は、水および有機溶媒/水混合液を含む、あらゆる媒体中に含有され得る。試料は、ヒト等の有機体、および細胞培養物等の人工物質を含む。

本発明の処理ステップは、本発明の組成物を試料に添加することを含むか、または組成物の前駆体を試料に添加することを含む。追加のステップは、上述されるようなあらゆる投与方法を含む。

必要に応じて、組成物を適用した後のHCVポリメラーゼの活性を、HCVポリメラーゼ活性を検出する直接的および間接的方法を含む、あらゆる方法によって観察することができる。HCVポリメラーゼ活性を決定する定量、定質、および半定量方法は、すべて企図される。通常、上述のスクリーニング方法のうちの1つが適用されるが、有機体の生理学的特性の観察等の任意の他の方法も適用可能である。

HCVポリメラーゼを含有する有機体は、HCVウイルスを含む。本発明の化合物は、動物またはヒトにおけるHCV感染の治療または予防において有用である。 しかしながら、ヒト免疫不全ウイルスを阻害することができる化合物のスクリーニングにおいて、酵素分析の結果は、細胞培養分析と相関しない場合があることに留意すべきである。したがって、細胞ベースの分析は、一次スクリーニングツールであるべきである。HCVポリメラーゼ阻害剤のスクリーニング 本発明の組成物は、酵素活性を評価するための従来技法のいずれかによって、HCVポリメラーゼに対する阻害活性についてスクリーニングする。本発明の文脈内で、通常、組成物は、HCVポリメラーゼの阻害についてインビトロでスクリーニングされ、次に阻害活性を示す組成物が、インビボで活性についてスクリーニングされる。インビトロで約5×10−6M未満、通常、約1×10−7M未満、および好ましくは約5×10−8M未満のKi(阻害定数)を有する組成物が、インビボ使用に好ましい。

有用なインビトロスクリーニングについては、詳細に説明されているため、ここでは詳述しない。しかしながら、実施例では、適切なインビトロアッセイについて説明する。 薬学的製剤 本発明の化合物は、通常の実践に従って選択される、従来の担体および賦形剤と共に製剤される。錠剤は、賦形剤、流動促進剤、充填剤、結合剤等を含有する。水性製剤は、滅菌形態で調製され、経口投与以外の送達が意図される場合は、概して等張性である。すべての製剤は、“Handbook of Pharmaceutical Excipients”(1986)に記載されるもの等の賦形剤を任意に含有する。賦形剤には、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、EDTA等のキレート剤、デキストラン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸等の炭水化物が挙げられる。製剤のpHは、約3〜約11の範囲であるが、通常は約7〜10である。

活性成分は、単独で投与することが可能であるが、それらを薬学的製剤として提示することが好ましい場合がある。動物およびヒトの両方に使用するための本発明の製剤は、1つ以上の許容されるその担体、および任意に他の治療成分とともに、上に定義した少なくとも1つの活性成分を含む。担体は、製剤の他の成分と適合し、その受容体に対して生理学的に無害であるという意味において「許容される」必要がある。

製剤は、前述の投与経路に適したものを含む。製剤は、便宜的に単位用量で提示してもよく、薬学の当該技術分野において周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。技 法および製剤は、一般にRemington′s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)において見出される。そのような方法は、活性成分を、1つ以上の副成分から成る担体と随伴させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉化した固形担体、またはそれら両方と均一かつ緊密に随伴させ、必要に応じて次に生成物を成形することによって調製される。

経口投与に好適な本発明の製剤は、それぞれ既定量の活性成分を含有するカプセル、カシェまたは錠剤、粉末または顆粒、水液体もしくは非水液体中の溶液あるいは懸濁液、または水中油乳濁液もしくは油中水乳濁液等の個別の単位として提示され得る。また、活性成分は、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与されてもよい。

錠剤は、任意に1つ以上の副成分とともに、圧縮または成形によって作製される。圧縮錠剤は、適切な機械において、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、表面活性剤または分散剤と任意に混合される、粉末または顆粒等の易流動性形態の活性成分を圧縮することによって調製されてもよい。成形錠剤は、適切な機械において、不活性希釈液で加湿した粉末活性成分の混合物を成形することによって作製されてもよい。錠剤は、任意にコーティングまたは切れ目をつけてもよく、また、そこからの活性成分の持続放出または制御放出を提供するように任意に製剤される。

眼または他の外部組織、例えば、口および皮膚の感染の場合、製剤は、好ましくは、例えば、0.075〜20%w/w(0.1%〜20%の範囲で、0.1%w/w、例えば、0.6%w/w、0.7%w/wの増分で活性成分を含む)、好ましくは0.2〜15%w/w、最も好ましくは0.5〜10%w/wの量の活性成分を含有する局所軟膏またはクリームとして適用される。軟膏に製剤される場合、活性成分は、パラフィンまたは水混和性軟膏基剤のいずれかとともに用いられてもよい。あるいは、活性成分は、水中油クリーム基剤とともに、クリームに製剤されてもよい。

必要に応じて、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30%w/wの多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、およびポリエチレングリコール(PEG400を含む)等の2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールおよびその混合物を含んでもよい。局所製剤は、望ましくは、皮膚または他の罹患領域を通しての活性成分の吸収または浸透を強化する化合物を含んでもよい。そのような皮膚浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。

本発明の乳剤の油相は、既知の成分から既知の方法で構成され得る。相は、単に乳化剤(あるいはエマルジェントとして既知)を含んでもよいが、望ましくは、少なくとも1つの乳化剤と、脂質もしくは油、または脂質および油の両方との混合物を含む。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として作用する脂溶性乳化剤と一緒に含まれる。油および脂質の両方を含むことも好ましい。一緒に、安定剤と共に、またはそれを伴わずに、乳化剤は、いわゆる乳化ろうを構成し、ろうは、油および脂質と一緒になって、クリーム製剤の油分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。

本発明の製剤における使用に適したエマルジェントおよび乳剤安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。

製剤に適した油または脂質の選択は、所望の見た目の特性を達成することに基づく。ク リームは、好ましくは、チューブまたは他の容器からの漏出を防ぐために適した粘稠度を有する、べたつかない非染色性の水性製品である必要がある。直鎖または分岐鎖の一塩基または二塩基アルキルエステル、例えば、ジイソアジピン酸塩、ステアリン酸イソセチル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリステアリン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、2−パルミチン酸エチルヘキシル、またはクロダモールCAPとして知られる分岐鎖エステルの混合物を使用してもよく、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に応じて、単独または複合で使用されてもよい。あるいは、白色軟性パラフィンおよび/もしくは液体パラフィン、または他の鉱物油等の融点の高い脂質が使用される。

本発明による薬学的製剤は、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤、および任意に他の治療薬と一緒に、本発明による併用を含む。活性成分を含有する薬学的製剤は、意図される投与方法に適したあらゆる形態であり得る。経口用途に使用される場合、例えば、錠剤、トローチ、ドロップ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル、シロップ、またはエリキシル剤が調製されてもよい。経口用途に意図される組成物は、薬学的組成物の製造に関する技術分野において既知のあらゆる方法に従って調製されてもよく、そのような組成物は、口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤を含む1つ以上の薬剤を含有してもよい。錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に、活性成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギニン酸等の造粒剤および崩壊剤、デンプン、ゼラチン、またはアカシアゴム等の結合剤、ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等の滑沢剤であり得る。錠剤は、コーティングされなくてもよいか、または消化管内の崩壊および吸着を遅延させ、それによって長期間にわたって持続的な作用を提供するマイクロカプセル化を含む、既知の技法によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料を、単独で、またはろうと一緒に用いてもよい。

また、経口用途のための製剤は、活性成分は、不活性固形希釈剤、例えば、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される、硬質ゼラチンカプセルとして提示され得るか、あるいは活性成分が水または油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合される、軟質ゼラチンカプセルとして提示されてもよい。

本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性材料を含有する。そのような賦形剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴム等の懸濁化剤、および天然のリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカンエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸塩)等の分散剤または湿潤剤が挙げられる。また、水性懸濁液は、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ−安息香酸等の1つ以上の保存剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、およびスクロースまたはサッカリン等の1つ以上の甘味剤を含有してもよい。

油性懸濁液は、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナツ油等の植物油、または液体パラフィン等の鉱物油に活性成分を懸濁することによって製剤されてもよい。経口懸濁液は、蜜ろう、硬質パラフィン、またはセチルアルコール等の増粘剤を含有して もよい。上記のもの等の甘味剤、および香味剤を添加して、口当たりの良い経口製剤を提供してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤の添加によって保存されてもよい。

水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な本発明の分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1つ以上の保存剤との混合剤における活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤は、上に開示されるものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤が存在してもよい。

また、本発明の薬学的組成物は、水中油乳剤の形態であってもよい。油性相は、オリーブ油またはラッカセイ油等の植物油、液体パラフィン等の鉱物油、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤には、例えば、アカシアゴムおよびトラガカントゴム等の天然のゴム、大豆レチシン等の天然のホスファチド、ソルビタンモノオレイン酸塩等の脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸塩等のこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。また、乳剤は、甘味剤および香味剤を含有してもよい。シロップおよびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトール、またはスクロース等の甘味剤で製剤されてもよい。そのような製剤は、粘滑剤、保存剤、香味剤、または着色剤を含有してもよい。

本発明の薬学的組成物は、滅菌注射液または油性懸濁液等の滅菌注射製剤の形態であってもよい。この懸濁液は、既知の技術分野に従って、上述されたそれらの好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して製剤されてもよい。また、滅菌注射製剤は、1,3−ブタン−ジオール溶液等の非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒和物中の滅菌注射溶液もしくは懸濁液であり得るか、あるいは凍結乾燥した粉末として調製されてもよい。用いられてもよい許容される媒体および溶媒和物には、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌固定油が、溶媒和物または懸濁媒体として、従来どおり用いられてもよい。この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が用いられてもよい。さらに、オレイン酸等の脂肪酸も同様に、注射剤の調製に使用されてもよい。

単一投与形態を生成するために担体材料と合されてもよい活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与モードに応じて異なる。例えば、ヒトへの経口投与が意図される持続放出製剤は、総組成物の約5〜約95%(重量:重量)の間で変動し得る、適切かつ便宜的な量の担体材料と合された約1〜1000mgの活性材料を含有してもよい。薬学的組成物は、投与のための容易に測定可能な量を提供するように調製することができる。例えば、静脈内注射を意図した水溶液は、好適な量の注入が約30mL/hrの速度で起こり得るように、溶液1mL当たり約3〜500μgの活性成分を含有してもよい。

また、眼への局所投与に適した製剤は、活性成分が好適な担体、特に活性成分の水性溶媒に溶解または懸濁される、点眼薬も含む。活性成分は、好ましくは、そのような製剤中0.5〜20%、有利に0.5〜10%、および特に約1.5%w/wの濃度で存在する。

口内の局所投与に好適な製剤には、香味した基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むトローチ、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア等の不活性基剤に活性成分を含むトローチ、ならびに好適な液体担体に活性成分を含むマウスウォッシュが挙げられる。

肛門投与のための製剤は、例えば、ココアバターまたはサリチル酸塩を含む好適な基剤 を伴う坐薬として提示されてもよい。 内または経鼻投与に好適な製剤は、例えば、0.1〜500ミクロンの範囲、例えば、0.5、1、30、35等の粒径を有し、肺胞嚢に到達するように、鼻腔からの急速な吸入、または口からの吸入によって投与される。好適な製剤は、活性成分の水性または油性溶液を含む。エアロゾルまたは乾燥粉末投与に好適な製剤は、従来の方法に従って調製されてもよく、以下に記載されるように、HCV感染の治療または予防に使用される従来の化合物等の他の治療薬とともに送達されてもよい。

膣投与に適した製剤は、活性成分に加えて、当該技術分野において適切であることが知られる担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、または噴霧製剤として提示されてもよい。

非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を意図される受容体の血液と等張にする溶質を含有し得る、水性および非水性滅菌注射液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る、水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。

製剤は、単位用量または多用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提示されてもよく、使用する直前に、滅菌液担体、例えば注射用の水を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存され得る。即時注射溶液および懸濁液は、前述の種の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製される。好適な単位用量製剤は、本明細書において上述されるように、日用量または単位日副用量の活性成分、またはその適切な部分を含有するものである。

特に上述される成分に加えて、本発明の製剤は、関心の製剤の種類に関して当該技術分野において従来の他の薬剤を含んでもよく、例えば、経口投与に適したものは、香味剤を含んでもよいことを理解されたい。

本発明は、上に定義される少なくとも1つの活性成分を、その動物用担体と一緒に含む、動物用組成物をさらに提供する。 動物用担体は、組成物を投与する目的で有用な材料であり、それ以外では不活性であるか、または獣医学の分野において許容され、活性成分と適合する、固形、液体、または気体材料であってもよい。これらの動物用組成物は、経口、非経口、またはあらゆる他の所望の経路によって投与されてもよい。

本発明の化合物を使用して、活性成分として本発明の1つ以上の化合物を含有する制御放出薬学的製剤(「制御放出製剤」)を提供し、活性成分の放出が制御および規制され、投与頻度の減少または指定の活性成分の薬物動態または毒性プロファイルの改善を可能にする。

活性成分の有効用量は、少なくとも処置される状態の性質、毒性、化合物が予防的に(低用量で)使用されるのか、または活発なウイルス感染に対して使用されるのか、送達方法、および薬学的製剤に依存し、従来の用量増加研究を使用して、医師によって決定される。1日に体重1kg当たり約0.0001〜約100mg、典型的に1日に体重1kg当たり約0.01〜約10mg、さらに典型的に1日に体重1kg当たり約0.01〜約5mg、最も典型的に1日に体重1kg当たり約0.05〜約0.5mgであることが予想され得る。例えば、体重約70kgの成人に対して候補となる日用量は、1mg〜1000mgの範囲、好ましくは5mg〜500mgとなり、単回または複数回投与の形態を取ってもよい。 投与の経路 本発明の1つ以上の複数の化合物(本明細書では活性成分と称される)は、処置される 状態に適切な任意の経路によって投与される。適切な経路には、経口、肛門、鼻腔、局所(口腔および舌下を含む)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内、および硬膜外を含む)等が挙げられる。当然のことながら、好適な経路は、例えば、受容者の状態によって異なり得る。本発明の化合物の利点は、それらが経口的にバイオアベイラブルであり、経口投与できることである。 併用療法 また、本発明の組成物は、他の活性成分と併せて使用される。好ましくは、他の活性治療成分または薬剤は、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護薬、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化薬、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、またはHCVを治療するための他の薬物である。

式I〜IVの化合物の併用は、通常、治療される病状、成分の交差反応、および併用の薬理学的特性に基づいて選択される。例えば、感染(例えば、HCV)を治療する場合、本発明の組成物は、1つ以上の他の活性治療薬(限定されないが、本明細書に記載のもの等)と併用される。

式I〜IVの化合物と併用することができる、好適な活性治療薬または成分には、インターフェロン、例えば、ペグrIFN−α2b、ペグrIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2b XL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インフェルゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEGインフェルゲン、ペグIFN−β、経口インターフェロンα、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インフェルゲン+アクティミューン、DUROSを伴うIFN−Ω、およびアルブフェロン;リバビリン類似体、例えば、レベトール、コペグス、VX−497、およびビラミジン(タリバビリン);NS5a阻害剤、例えば、A−831、A−689、およびBMS−790052;NS5bポリメラーゼ阻害剤、例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、IDX184、PSI−7851、HCV−796、BILB1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125;NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065;α−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、MX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B;肝臓保護剤、例えば、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451;薬物動態エンハンサー、例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン;TLR−7作動薬、例えば、イミキモド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975、AZD−8848(DSP−3025)、PF−04878691、およびSM−360320;メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼ阻害剤(例えば、ヒメグルシン)、スクアレン合成阻害剤(例えば、ザラゴジン酸);アンジオテンシンII受容体拮抗薬、例えば、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン;アンジオテンシン−変換酵素阻害剤、例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、ホシノプリル;他の抗線維化剤、例えば、アミロリド;ならびに、エンドセリン拮抗薬、例えば、ボセンタンおよびアンブリセンタン;HCVの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体;ならびに、HCVを治療するための他の薬物、例えば、ザダキシン、ニタ ゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、ABT−450、AVI 4065、バビツキシマブ、BMS650032、VX−813、GS−9256、ABT−072、BMS791325、MK−3281、VCH−222、AZD7295、SCY−635、BMS−824393、MK−1220、MK−5172、BI201335、MK−7009、SCH 900518、TMC435、ABT−333、ANA−598、BI207127、GS−9190、PF−00868554、BMS790052、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−773、ANA−975、PF−04878691、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811が挙げられる。1つの好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびリバビリンを含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびテラプレビルを含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびにボセプレビルを含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびINX−08189を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびPSI−7851またはPSI−7977を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびRG7128を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびR7227を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびロクテロン、アルブフェロン、Peg−Intron、Pegasys、またはCopegusを含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびDEBIO−025を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびGS−9190を含む。別の好ましい併用は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびRG7348を含む。

さらに別の実施形態において、本出願は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを、少なくとも1つの追加治療薬、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤と併せて含む、薬学的組成物を開示する。

本発明に従って、本発明化合物を含む薬学的組成物と併用される治療薬は、本発明の化合物と併用される場合に治療効果を有する、任意の薬剤であり得る。例えば、本発明の化合物と併用される治療薬は、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護薬、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系の拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害薬、薬物動態エンハンサー、およびHCVを治療するための他の薬物であり得る。

別の実施形態において、本出願は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを、ペグrIFN−α2b、ペグrIFN−α2a、rIFN−α2b、IFN α−2b XL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インフェルゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インフェルゲン、ペグIFN−β、経口インターフェロンα、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インフェルゲン+アクティミューン、DUROSを伴うIFN−Ω、アルブフェロン、レベトール、コペグス、VX−497、ビラミジン(タリバビリン)、A−831、A−689、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM− 107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、XTL−2125、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065、MX−3253(セルゴシビル)、UT−231B、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン、イミキモド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975、AZD−8848(DSP−3025)、PF−04878691、およびSM−360320、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、ABT−450、AVI 4065、バビツキシマブ、BMS650032、VX−813、GS−9256、ABT−072、BMS791325、MK−3281、VCH−222、AZD7295、SCY−635、BMS−824393、MK−1220、MK−5172、BI201335、MK−7009、SCH 900518、TMC435、ABT−333、ANA−598、BI207127、GS−9190、PF−00868554、BMS790052、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−773、ANA−975、PF−04878691、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、スタチン、ヒメグルシン、ザラゴジン酸、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、アンジオテンシン−変換酵素阻害剤、アミロリド、エンドセリン拮抗薬、およびNIM811から成る群から選択される、少なくとも1つの追加治療薬、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤と併せて含む、薬学的組成物を提供する。1つの好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびリバビリンを含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびテラプレビルを含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびボセプレビルを含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびINX−08189を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびPSI−7851またはPSI−7977を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびRG7128を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびR7227を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびにロクテロン、アルブフェロン、Peg−Intron、Pegasys、またはCopegusを含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびDEBIO−025を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびGS−9190を含む。別の好ましい薬学的組成物は、式I〜IVの化合物またはその薬学的に許容される塩、およびRG7348を含む。

さらに別の実施形態において、本出願は、以下を含む複合医薬品を提供する。 a)本発明の化合物を含む第1の薬学的組成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはエステル、ならびに b)HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5B ポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメ ラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフェロン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびHCVを治療するための他の薬物、ならびにその組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの追加治療薬を含む、第2の薬学的組成物。

式I〜IVの化合物と追加の活性治療薬との組み合わせは、HCVおよびHIV感染等の他の状態に感染した患者を治療するために選択されてもよい。従って、式I〜IVの化合物は、HIVの治療に有用な、1つ以上の化合物、例えば、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5B ポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフェロン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、ならびにHCVを治療するための他の薬物と併用されてもよい。

より詳細には、本発明の1つ以上の化合物は、1)HIVプロテアーゼ阻害剤、例えば、アンプレナビル、アタザナビル、ホサンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ロピナビル+リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、AG1859、DG35、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100、2)逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、例えば、カプラビリン、エミビリン、デラビリジン、エファビレンズ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、およびTMC−120、TMC−278(リルピビリン)、エファビレンズ、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453,061、RDEA806、3)逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、例えば、ジドブジン、エントリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アンドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)、D−d4FC、エントリシタビン、ホスファジド、ホジブジンチドキシル、ホサルブジンチドキシル、アプリシチビン(AVX754)、アンドキソビル、KP−1461、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、ジドブジン+ラミブジン、4)逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、例えば、テノホビル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エントリシタビン、テノホビルジソプロキシルフマル酸+エントリシタビン+エファビレンズ、およびアデホビル、5)HIVインテグラーゼ阻害剤、例えば、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキニン酸、3,5−ジカフェオイルキニン酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、カフェイン酸フェネチルエステル、カフェイン酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン、チルホスチンの誘導体、クエルセチン、クエルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、およびL−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、BMS−707035、MK−2048、BA−011、BMS−538158、GSK364735C、6)gp41阻害剤、例えば、エンフビルチド、シフビルチド、FB006M、TRI−1144、SPC3、DES6、Locus gp41、CovX、およびREP9、7)CXCR4阻害剤、例えば、AMD−070、8)侵入阻害剤、例えば、SP01A、TNX−355、9)gp120阻害剤、例えば、BMS−488043、およびBlock Aide/CR、10)G6PDおよびNADH−オキシダーゼ阻害剤、例えば、イムニチン、10)CCR5阻害剤、例えば、アプラビロク、ビクリビロク、INCB9471、PRO−140、INCB15050、PF−232798、CCR5mAb004、およびマラビロク、11)インターフェロン、例えば、ペグrIFN−α2b、ペグrIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2b XL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インフェルゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEGインフェルゲン、ペグIFN−β、経口インターフェロンα、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インフェルゲン+アクティミューン、DUROSを伴うIFN−Ω、およびアルブフェロン、12)リバビリン類似体、例えば、レベトール、コペグス、VX−497、およびビラミジン(タリバビリン)、13)NS5a阻害剤、例えば、A−831、A−689、およびBMS−790052、14)NS5bポリメラーゼ阻害剤、例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125、15)NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065、16)α−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、MX−3253(セルゴシビル)、およびUT−231B、17)肝保護薬、例えば、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451、18)メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼ阻害剤(ヒメグルシン)、スクアレン合成阻害剤(例えば、ザラゴジン酸)、19)アンジオテンシンII受容体拮抗薬、例えば、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、20)アンジオテンシン−変換酵素阻害剤、例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、ホシノプリル、21)他の抗線維化薬、例えば、アミロリド、ならびにエンドセリン拮抗薬、例えば、ボセンタンおよびアンブリセンタン、22)HCVの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体、23)HCVを治療するための他の薬物、例えば、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811、24)薬物動態エンハンサー、例えば、BAS−100、cobicistat、およびSPI−452、25)RNAse H阻害剤、例えば、ODN−93およびODN−112、24)他の抗HIV剤、例えば、VGV−1、PA−457(ビベリマト)、アンプリゲン、HRG214、シトリン、ポリムン、VGX−410、KD247、AMZ 0026、CYT 99007、A−221 HIV、BAY 50−4798、MDX010(イプリムマブ)、PBS119、ALG889、およびPA−1050040から成る群から選択される、1つ以上の化合物と合わされてもよい。

本発明の任意の化合物を、1つ以上の他の活性治療薬と、患者に同時または連続投与するための単位用量形態で複合することも可能である。複合療法は、同時または連続レジメンとして投与されてもよい。連続的に投与される場合、複合薬は、2回以上の投与で投与されてもよい。

本発明の化合物を1つ以上の他の活性治療薬と共投与することは、概して、本発明の化合物の同時または連続投与、および1つ以上の他の活性治療薬を指し、治療有効量の本発明の化合物および1つ以上の他の活性治療薬の両方が、患者の体内に存在するようにする。

共投与は、単位用量の1つ以上の他の活性治療薬の投与前または後に、本発明の化合物の単位用量を投与すること、例えば、1つ以上の他の活性治療薬の投与の数秒、数分、または数時間以内に、本発明の化合物を投与することを含む。例えば、単位用量の本発明の化合物を最初に投与し、数秒または数分以内に、単位用量の1つ以上の他の活性治療薬を投与することができる。あるいは、単位用量の1つ以上の他の治療薬を最初に投与し、数秒または数分以内に、単位用量の本発明の化合物を投与することができる。いくつかの例において、単位用量の本発明の化合物を最初に投与し、数時間の期間(例えば、1〜12時間)の後、単位用量の1つ以上の他の活性治療薬を投与することが望ましい場合がある。他の例において、単位用量の1つ以上他の活性治療薬を最初に投与し、数時間の期間(例えば、1〜12時間)の後、単位用量の本発明の化合物を投与することが望ましい場合がある。

複合療法は、「相乗効果」および「相乗性」を提供する場合があり、すなわち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される作用は、化合物を個別に使用することに起因する作用の合計よりも優れている。相乗効果は、活性成分が(1)複合製剤において同時に共製剤および投与または送達される場合、(2)交代によって、または個別の製剤と平行して送達される場合、または(3)いくつかの他のレジメンによって得られてもよい。交代療法において送達される場合、相乗効果は、化合物が、例えば、個別の錠剤、ピル、もしくはカプセルにおいて、または個別のシリンジ中の異なる注射によって、連続的に投与または送達される場合に得られ得る。一般に、交代療法中、有効用量の各活性成分は、連続的に、すなわち逐次投与されるが、複合療法では、有効用量の2つ以上の活性成分が一緒に投与される。相乗的な抗ウイルス作用は、複合薬の個別の化合物の予測される純粋に付加的な効果よりも優れた抗ウイルス作用を示す。

なおもさらに別の実施形態において、本出願は、細胞中のHCVポリメラーゼを阻害する方法を提供し、HCVに感染した細胞を有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/またはエステルと接触させることを含み、それによってHCVポリメラーゼが阻害される。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

なおもさらに別の実施形態において、本出願は、細胞中のHCVポリメラーゼを阻害する方法を提供し、HCVに感染した細胞を、有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬と接触させることを含み、それによって、HCVポリメラーゼが阻害される。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

さらに別の実施形態において、本出願は、細胞中のHCVポリメラーゼを阻害する方法を提供し、それは、HCVに感染した細胞を、有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフェロン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびHCVを治療するための他の薬物から 成る群から選択される少なくとも1つの追加活性治療薬と接触させることを含む。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

さらに別の実施形態において、本出願は、患者のHCVを治療するための方法を提供し、治療有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを、患者に投与することを含む。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも、70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

さらに別の実施形態において、本出願は、患者のHCVを治療するための方法を提供し、治療有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬を、患者に投与することを含み、それによってHCVポリメラーゼが阻害される。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも、70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

さらに別の実施形態において、本出願は、患者のHCVを治療するための方法を提供し、それは、治療有効量の式I〜IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに、インターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼ拮抗薬、レニン−アンジオテンシン系拮抗薬、他の抗線維化剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7作動薬、シクロフェロン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサー、およびHCVを治療するための他の薬物から成る群から選択される少なくとも1つの追加の活性治療薬を、患者に投与することを含む。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも、70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

なおもさらに別の実施形態において、本出願は、患者のHCV感染を治療するための薬物を調製するための、式I〜IVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルの使用を提供する。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも、70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。

なおもさらに別の実施形態において、本出願は、HCV感染を治療するための、式I〜IVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはエステルの使用を提供する。本実施形態の好ましい態様において、式I〜IVの化合物は、少なくとも、70%単一のジアステレオマー、80%単一のジアステレオマー、90%単一のジアステレオマー、または最も好ましくは、95%単一のジアステレオマーである。 本発明の化合物の代謝物 本明細書に記載される化合物のインビボ代謝生成物もまた、そのような生成物が新規であり、先行技術において非自明である範囲で、本発明の範囲に含まれる。そのような生成物は、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化等から 、主に酵素過程に起因して生じ得る。したがって、本発明は、本発明の化合物を、その代謝生成物を産出するのに十分な期間、哺乳動物と接触させることを含む過程によって生成される、新規および非自明の化合物を含む。そのような生成物は、通常、本発明の放射標識された(例えば、14Cまたは3H)化合物を調製すること、それを検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgより大)で、非経口的にラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトに投与すること、代謝が起こるように十分な時間(通常、約30秒〜30時間)放置すること、およびその変換生成物を尿、血液、または他の生物学的試料から単離することによって識別される。これらの生成物は、標識されているため、容易に単離される(他は、代謝物中で生存するエピトープを結合できる抗体の使用によって単離される)。代謝物の構造は、従来の方法、例えば、MSまたはNMR分析によって決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝研究と同様の方法で行われる。変換生成物は、それらがインビボで見出されない限り、それら自体のHCVポリメラーゼ阻害活性を有しない場合でさえも、本発明の化合物の治療投与に関する診断分析において有用である。

模擬消化管分泌液中の化合物の安定性を決定するための処方および方法が知られている。化合物は、本明細書において、胃腸管内で安定している定義され、保護基の約50モル%未満が、37℃で1時間培養する時に、疑似腸液または胃液中で脱保護される。単に化合物が胃腸管に対して安定しているというだけでは、それらがインビボで加水分解できないということを意味するものではない。本発明のプロドラッグは、通常、消化系において安定するが、消化管腔、肝臓もしくは他の代謝臓器、または一般に細胞内で、実質的に親薬物に加水分解され得る。 実施例 ある省略形および頭文字が、実験の詳細を説明する際に使用される。これらの大部分は、当業者に理解されるが、表1は、これらの省略形および頭文字の多くの一覧を含む。

化合物の調製 化合物1a〜1f

メタノール(300mL)中の1a(22.0g、54.9mmol、J.O.C.,2004,6257に記載の手順に従って調製)の溶液に、塩化アセチル(22mL)を、滴下漏斗を使用して、30分間にわたり、0℃で滴下添加し、次いで、室温で16時間攪拌した。混合液を濃縮し、酢酸エチル(400mL)に再溶解し、氷冷の2N NaOHで洗浄し、濃縮乾燥し、粗製メチルエーテル1bを油として得た。MS=437.2(M+Na+)。

メタノール(300mL)中の1b(前述のステップから得られた)の溶液に、メタノール中の0.5Mのナトリウムメトキシド溶液(20mL、10mmol)を添加し、室温で16時間攪拌した。反応を、ジオキサン中の4.0N HCl溶液(2.5mL、10mmol)でクエンチした。次いで、混合液を濃縮し、粗製1cを得た。MS=201.0(M+Na+)。

トルエン(500mL)中の、1c(前のステップから得られた)、Tritron X−405(水中70%、6.0g)、および50%KOH(水中、85g)の混合液を、備え付けのディーンスタークトラップを取り付けて、加熱、還流させた。約25mLの水を1時間収集した後、塩化ベンジル(33g、260mmol)を添加し、16時間攪拌しながら還流を続けた。混合液を冷却し、酢酸エチル(400mL)と水(300mL)とに分割した。有機層を水(300mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(約20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、油としてメチルエーテル1dを得た(22.0g、3ステップで89%)。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.3(m、15H)、4.5〜4.9(m、7H)、4.37(m、1H)、3.87(d、1H)、3.56(m、2H)、3.52(s、3H)、1.40(s、3H)。

酢酸(110mL)中の1d(22.0g、49.0mmol)の溶液に、約3Mの硫酸(4.8gの濃縮硫酸を24mLの水と混合することにより調製)を添加し、70℃で8時間攪拌した。混合液を、約20mLの体積まで濃縮し、酢酸エチルと氷冷の2N NaOHとに分割した。酢酸エチル層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(約35%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、油として1eを得た(17.0g、80%)。MS=457.2(M+NA+)。

DMSO(135mL)中の1e(45g、104mmol)の溶液に、無水酢酸(90mL、815mmol)を、室温で、アルゴン下において滴下添加した。混合液を室温で16時間攪拌し、次いで、攪拌しながら氷水(1L)に注いだ。氷が完全に溶けた後(約30分)、酢酸エチル(約500mL)を添加した。有機層を分離した。この抽出過程を、3回反復した(3×500mL)。有機抽出液を、合わせ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(約20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、油として1fを得た(39g、88%)。1H NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 7.3(m、15H)、4.4−4.8(m、7H)、4.08(d、J=7.5Hz、1H)、3.75(dd、J=2,4、11.4Hz、1H)、3.64(dd、J=5.4、11.4Hz、1H)、1.51(s、3H)。 化合物2

乾燥し、アルゴンでパージした丸底フラスコ(100mL)に、7−ブロモ−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン(234mg、1.10mmol)(国際公開第2007056170号に従って調製)、および無水THF(1.5mL)を添加した。次いで、TMSCl(276μL、2.2mmol)を添加し、反応混合液を2時間攪拌した。フラスコをドライアイス/アセトン浴(約−78℃)に置き、BuLi(2.5mL、4.0mmol、ヘキサン中1.6M)を滴下添加した。1時間後、THF中の1f(432.5mg、1.0mmol)溶液を、0℃まで冷却し、次いで、反応フラスコに滴下添加した。−78℃で1時間の攪拌後、フラスコを0℃に温め、飽和NH4Cl(5mL)を添加して、反応をクエンチした。有機物をEtOAc(3×10mL)を使用して抽出し、MgSO4を使用して混合有機層を乾燥させた。溶媒和物を減圧下で除去し、粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)を使用して精製した。2つのアノマーの混合物として、560mg(90%)の2aを単離した。LC/MS=567.2(M+H+)。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.85(m、1H)、7.27(m、15H)、7.01(m、1H)、6.51(m、1H)、4.66(m、8H)、4.40(m、2H)、3.79(m、3H )、1.62(s、一方のアノマーからの2′−CH3)、1.18(s、他方のアノマーからの2′−CH3)。 2aの代替手順 乾燥アルゴンパージした丸底フラスコに、7−ブロモ−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン(9.6g、45mmol)および無水THF(60mL)を添加した。次いで、TMSCl(12.4mL、99mmol)を添加し、反応混合液を2時間攪拌した。フラスコをドライアイス/アセトン浴(約−78℃)に設置し、BuLi(98mL、158.0mmol、ヘキサン中1.6M)を滴下添加した。1時間後、この反応混合液を、THF中の1f(13.0g、30mmol)の溶液に、−78℃でカニューレを介して添加した。−78℃で2時間の攪拌後、フラスコを0℃まで温めた。飽和NH4Cl(150mL)を添加して、反応をクエンチした。EtOAc(3×100mL)を使用して有機物を抽出し、MgSO4を使用して混合有機層を乾燥させた。溶媒和物を減圧下で除去し、粗製物質をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)を使用して精製した。7.5g(44%)の所望の物質2aを単離した。LC/MS=567.2(M+H+)。 化合物5

0℃において、CH2Cl2(20mL)中の化合物2a(1g、1.77mmol)の溶液に、TMSCN(1.4mL、10.5mmol)およびBF3−Et2O(1mL、8.1mmol)を添加した。反応混合液を0℃で0.5時間、次いで、室温でさらに0.5時間、攪拌した。反応を0℃においてNaHCO3でクエンチし、CH3CO2Etで希釈した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製し、CH3CO2Et−ヘキサン(1:1〜2:1)で溶出して、所望の化合物5a(620mg、61%)を異性体混合物として得た。MS=576.1(M+H+)。

−78℃においてCH2Cl2(4mL)中の化合物5a(150mg、0.26mm ol)に、BCl3(2mL、CH2Cl2中1M)を添加した。反応混合液を−78℃で1時間攪拌した。反応を、TEA(2mL)およびMeOH(5mL)の滴下添加によって、−78℃でクエンチした。混合液を、室温に温め、蒸発させ、MeOHで数回同時蒸発させた。残渣をNaHCO3(10mLのH2O中1g)で処理し、濃縮し、HPLCで精製して、所望の生成物化合物5(48mg、60%)を得た。1H NMR(300MHz、D2O):δ 7.74(s 1H)、6.76(d、J=5Hz、1H)、6.73(d、J=5Hz、1H)、4.1(m、1H)、3.9(m、1H)、3.8(m、2H)、0.84(s、3H)。MS=305.9(M+H+)。他のαアノマーもまた得た(9mg、11%):1H NMR(300MHz、D2O):δ 7.70(s 1H)、6.8(d、J=5Hz、1H)、6.7(d、J=5Hz、1H)、4.25(d、J=9Hz、1H)、4.07(m、1H)、3.85(m、1H)、3.7(m、1H)、1.6(s、3H)。MS=306.1(M+H+)。 ヌクレオシド三リン酸を調製するための基本手順 ナシフラスコ(5〜15mL)に、ヌクレオシド(約20mg)を入れる。リン酸トリメチル(0.5〜1.0mL)を添加する。溶液を氷水浴で冷却する。POCl3(40〜45mg)を添加し、反応が完了するまで0℃で攪拌する(1〜4時間、反応の進行を、イオン交換HPLCによって監視し、分析試料は、約3μLの反応混合液を取り、それを1.0MのEt3NH2CO3(30〜50μL)で希釈することによって調製する)。アセトニトリルまたはDMF(1〜1.5mL)中のピロリン酸塩−Bu3N(250mg)およびBu3N(90〜105mg)の溶液を次に添加する。混合液を0℃で0.3〜2.5時間攪拌し、次いで反応を1.0MのEt3NH2CO3(約5mL)でクエンチする。得られた混合液を室温に温めながら、さらに0.5〜1時間攪拌する。混合液を濃縮乾燥し、水(4mL)に再溶解して、イオン交換HPLCによって精製する。所望の生成物を含有する留分を濃縮乾燥し、水(約5mL)に溶解して、濃縮乾燥し、再び水(約5mL)に溶解する。NaHCO3(30〜50mg)を添加し、濃縮乾燥する。残渣を水に溶解し、再度濃縮乾燥する。この過程を2〜5回反復する。次に残渣をC−18 HPLC精製に供し、所望の生成物をナトリウム塩として得る。 化合物7

化合物7を、開始物質として化合物5を使用して、基本方法によって調製した。1H NMR(300MHz、D2O):δ 7.76(s、1H)、6.95(d、J=4.5Hz、1H)、6.8(d、J=4.5Hz、1H)、4.25(m、3H)、4.0 (d、J=6Hz、1H)、0.92(s、3H)。31P NMR(300MHz、D2O):δ−5.6、−10.7、−21.4。MS=545.8(M+H+)、544.0(M−H)。 化合物17

17 約0.05mmolの化合物5および約0.5mLのリン酸トリメチルの混合液を、約1〜約48時間、容器内に密封する。混合液を、約−10〜約10℃まで冷却し、約0.075mmolのオキシ塩化リンを添加する。約1〜24時間後、反応を、約0.5mLの1Mのテトラエチルアンモニウム重炭酸塩でクエンチし、所望の留分をアニオン交換クロマトグラフィーによって単離する。適切な留分を、次いで、逆相クロマトグラフィーによって脱塩し、化合物17を得る。 モノホスホロアミダートプロドラッグ 本発明を含むモノホスホロアミダートプロドラッグの非限定例は、基本スキーム1に従って調製することができる。 スキーム1

基本手順は、ホスホロアミダート19cを得るための、約2〜10当量の好適な塩基の存在下でのアミノ酸エステル塩19b、例えば、HCl塩とジクロロリン酸アリール19aとの反応を含む。好適な塩基には、限定されないが、イミダゾール類、ルチジンおよびDMAP等のピリジン、トリエチルアミンおよびDABCO等の第3級アミン、ならびにDBNおよびDBU等の置換アミジンが挙げられる。第3級アミンが、特に好ましい。好ましくは、各ステップの生成物は、再結晶化またはクロマトグラフィーを行わずに、次のステップで直接使用される。19a、19b、および19cの特定であるが非限定的な例は、国際公開第2006/121820号において見出すことができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ヌクレオシド塩基19dは、好適な塩基の存在下において、ホスホルアミダート19cと反応する。好適な塩基には、これらに限定されないが、イミダゾール類、ルチジンおよびDMAP等のピリジン、トリエチルアミンおよびDABCO等の第3級アミン、ならびにDBNおよびDBU等の置換アミジンが挙げられる。生成物19eは、再結晶化および/またはクロマトグラフィーによって単離されてもよい。 ホスホルアミジル塩化物の調製

化合物A(市販、4.99g、23.8mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中に溶解し、アラニンイソプロピルエステル塩酸塩(3.98g、23.8mmol)を添加した。得られた透明の溶液を、−78℃で30分間冷却した。トリエチルアミン(6 .63mL、47.5mmol)を15分間滴下添加した。次いで、混合液を室温に温めた。16時間後、溶媒和物をアルゴン流で除去した。残渣を、MTBE(25mL)中に再溶解し、不溶性物質を、アルゴン下でのろ過により除去した。ろ液を、次いで、アルゴン流によって凝縮し、粗製生成物Bを、さらなる精製なしに次の反応に使用した。1H NMR(300MHz、CDCl3):7.1−7.4(m、5H)、5.1(m、1H)、4.35(m、1H)、4.15(m、1H)、1.5(d、3H)、1.2(m、6H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 7.8および8.4(2s)。 化合物6の調製

リン酸トリメチル(2.0mL)およびTHF(20mL)中の化合物5(1.03g、3.37mmol)の溶液に、N−メチルイミダゾール(1.5g、18.3mmol)を0℃で添加した。THF(3mL)中の化合物B(2.5g、8.18mmol)の溶液を、滴下添加した。得られた混合液を、1.5時間にわたり、室温に温めた。混合液を、酢酸エチルと水とに分割した。酢酸エチル層を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル〜10%エタノール/酢酸エチル)によって精製し、リンにおける1:1ジアステレオマー混合物として、1.15g(59%)の化合物6を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.02(s、1H)、7.1−7.4(m、5H)、6.8(2d、1H)、6.7(2d、1H)、6.08(brs、2H)、5.03(m、1H)、4.6(m、1H)、4.4(m、2H)、3.9−4.1(m、3H)、1.31(d、3H)、1.2(m、6H)、0.83(s、3H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 2.78(s)。MS=575.1(M+H+)。

化合物6の調製のために記載した基本手順を使用して、化合物20〜29を調製した。

化合物20 化合物20:31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 3.76、3.80。MS=547.0(M+H+)。

化合物21 化合物21:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 2.64、2.68。MS=547.1(M+H+)。

化合物22 化合物22:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 3.81、3.94。MS=561.1(M+H+)。

化合物23 化合物23:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 2.72、2.72。MS=617.2(M+H+)。

化合物24 化合物24:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 2.92。MS=601.2(M+H+)。

化合物25 化合物25:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 2.82。MS=665.4(M+H+)。

化合物26 化合物26:31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 3.04。MS=611.1(M+H+)。

化合物27 化合物27:31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 2.75、2.83。MS=579.0(M+H+)。

化合物28 化合物28:31P NMR(162.1MHz、CD3OD):δ 3.83。MS=579.0(M+H+)。

化合物29 化合物29:31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 3.71、2.75。MS=633.3 (M−H+). 化合物8の調製

アセトニトリル(2mL)中の化合物6(175mg、0.305mmol)の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(41μL、0.34mmol、1.1当量)を添加し、室温で1時間攪拌した。反応は完了した(LCMSにより確認)。混合液を、次いで、濃縮乾燥した。残渣に、DCC(250mg、1.21mmol、4当量)、アセトニトリル(5mL)、およびイソ酪酸(55mg、58μL、2当量)を添加した。混合液を室温で48時間攪拌した。水(0.2mL)およびトリフルオロ酢酸(0.1mL)を0℃で添加し、室温で64時間攪拌した。重炭酸ナトリウム(500mg)を0℃で添加した。混合液を室温で0.5時間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタン)によって精製し、リンにおける1:1ジアステレオマー混合物として、144mg(73%)の化合物8を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.00(s、1H)、7.1−7.4(m、5H)、6.83(d、1H)、6.71(2d、1H)、5.97(brs、2H)、5.94(d、1H)、5.07(2d、1H)、5.01(m、1H)、4.68(m、1H)、4.4(m、2H)、4.0(m、2H)、2.74(m、1H)、1.4(2d、3H)、1.2−1.3(12H)、0.98および0.99(2s、3H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 2.56および2.65(2s)。MS=645.1(M+H+)。 化合物8の2つのジアステレオ異性体のキラルカラム分離

化合物8を、ヘプタンおよびイソプロパノール(70%:30%、4.5mLの混合溶媒中230mg)に溶解し、以下の条件下でキラルカラム分離に供し、化合物8Aおよび8Bを得た。 カラム:Chiralcel OD−H、2×25cm 溶媒システム:70%ヘプタンおよび30%イソプロパノール 流速:6mL/分 1回当たりの実行体積:2.5mL 化合物8A:保持時間20分。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.00(s、1H)、7.1−7.3(m、5H)、6.83(d、1H)、6.71(d、1H)、6.09(brs、2H)、5.95(s、1H)、5.04(m、2H)、4.67(q、1H)、4.35−4.52(m、2H)、4.00(m、2H)、2.74(m、1H)、1.40(d、3H)、1.2−1.3(12H)、0.98(s、3H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 2.72(s)。化合物8Aを、続いて、X線品質の結晶のために、MTBEから再結晶化させた。 化合物8B:保持時間50分。1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.98(s、1H)、7.1−7.3(m、5H)、6.83(d、1H)、6.73(d、1H)、6.02(brs、2H)、5.95(s、1H)、5.08(d、1H)、5.00(m、1H)、4.68(q、1H)、4.38−4.56(m、2H)、3.98(m、2H)、2.74(m、1H)、1.40(d、3H)、1.2−1.3(12H)、0.99(s、3H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 2.61(s)。 化合物40

THF中の、約1部の39および約4部のトリメチルシリルクロリドの溶液を、約20〜約60℃で、約30分〜約6時間、攪拌する。溶液を約−70〜約−100℃に冷却し、ヘキサン中の約5部のブチルリチウムを添加する。約30分〜約3時間後、約3時間にわたり反応液を約0℃に温める。反応を飽和NaHCO3でクエンチし、混合液をエーテルで抽出する。エーテル抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ、溶媒和物を蒸発させて、40aを得、それをクロマトグラフィーによってさらに精製してもよい。

ジクロロメタン中の1部の40aの溶液を約−100〜約−70℃に冷却する。ジクロロメタン(約10〜20部)中のBCl3の1.0M溶液を添加し、反応液を約30分〜約3時間攪拌する。次いで、ピリジンおよびメタノール(約1:2)の混合液を添加し、 反応をクエンチする。結果として得られた混合液を、ゆっくりと室温まで温め、濃縮する。残渣を約27%の水酸化アンモニウムに懸濁し、濃縮する。この過程を2回反復する。残渣を、メタノールに再溶解し、濃縮する。この過程を1回繰り返す。残渣を、RP−HPLCによって精製し、40を得る。 化合物41

化合物41は、化合物2aから化合物5を調製したのと同一の方法で、化合物40aから調製することができる。 化合物42

無水DMF中の約1部の化合物42a(Patil,et al.;Journal of Heterocyclic Chemistry 1994,31(4),781−6)の溶液を、約−20℃まで冷却し、約0.5部の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを少しずつ添加する。約1〜約24時間後、飽和の水性亜硫酸水素ナトリウム溶液を添加し、ろ過によって固形物を収集する。固形物を、酢酸エチルと希釈炭酸ナトリウム水溶液とに分割する。有機相を、希釈炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、乾燥させ、濃縮して、化合物42bを得る。

THF中の、約1部の42bおよび約4部のトリメチルシリルクロリドの溶液を、約20〜約60℃で、約30分〜約6時間、攪拌する。溶液を約−70〜約−100℃に冷却し、ヘキサン中の約5部のブチルリチウムを添加する。約30分〜約3時間後、約3時間にわたり反応液を約0℃に温める。反応を飽和NaHCO3でクエンチし、混合液をエーテルで抽出する。エーテル抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ、溶媒和物を蒸発させて、42cを得、それをクロマトグラフィーによってさらに精製してもよい。

化合物42は、化合物2aから化合物5を調製したのと同一の方法で、化合物42aから調製することができる。 化合物43の調製

化合物43は、化合物8と同一の方法で、化合物6ではなく化合物41で開始して、調製することができる。 化合物44の調製

化合物44は、化合物8と同一の方法で、化合物6ではなく化合物42で開始して、調製することができる。 化合物6からの化合物8の調製と同一の手順を使用して、化合物50〜59を、それぞれ、化合物20〜29から調製することができる。

化合物50

化合物51

化合物52

化合物53

化合物54

化合物55

化合物56

化合物57

化合物58

化合物59 ビスアミダートプロドラッグの調製のための基本手順

トリメトキシリン酸(1mL)中の化合物5(0.5mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(1.0mmol)を0℃で添加し、混合液を1時間攪拌する。混合液を、次いで、0℃でTHF(約5mL)中の新たに中和したアラニンエステル(5〜10mmol)を添加し、1時間で室温に温める。反応を水でクエンチする。混合液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル抽出液を濃縮する。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーまたは逆相HPLCのいずれかによって精製し、ビスアミダート60を得る。

ビスアミダートプロドラッグ60の合成の基本手順を使用して、化合物61〜63を調製した。

化合物61 化合物61:1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.03(s、1H)、6.84(d、J=4.0Hz、1H)、6.72(d、J=4.0Hz、1H)、6.1(brs、2H)、5.02(m、2H)、4.57(q、1H)、4.29(dd、2H)、3.95(d、1H)、3.92(m、2H)、3.48(m、2H)、1.49(d、6H)、1.25(t、12H)、0.95(s、3H)。31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 12.59。MS=610.1(M−H+)。

化合物62 化合物62:1H NMR(400MHz、CD3OD):δ 7.88(s、1H)、6.92(s、2H)、4.35(q、1H)、4.29(m、2H)、4.13(m、4H)、3.96(d、1H)、3.94(m、2H)、1.36(m、6H)、1.25(m、6H)、1.01(s、3H)。31P NMR(162.1MHz、CD3OD):δ 13.93。MS=584.0(M+H+)、581.9(M−H+)。

化合物63 化合物63:1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.02(s、1H)、6.83(d、J=4.5Hz、1H)、6.72(d、J=4.5Hz、1H)、6.2(brs、2H)、4.57(q、1H)、4.30(dd、2H)、3.9−4.2(m、7H)、3.59(q、2H)、1.52(m、2H)、1.2−1.5(m、 14H)、0.95(s、3H)、0.89(t、12H)。31P NMR(121.4MHz、CDCl3):δ 12.62。MS=696.2(M+H+)、694.1(M−H+)。

化合物64を、化合物6から化合物8の調製のために記載された手順に従って、化合物61から作製した。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.00(s、1H)、6.87(d、J=4.4Hz、1H)、6.73(d、J=4.4Hz、1H)、5.98(brs、2H)、5.03(m、1H+2H)、4.66(q、1H)、4.33(m、2H)、4.29(m、1H)、3.92(m、2H)、3.44(m、2H)、2.74(m、1H)、1.39(d、6H)、1.2−1.3(t、18H)、1.04(s、3H)。31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 12.41。MS=682.4(M+H+)。

化合物65を、酢酸の代わりにイソ酪酸を用いたことを除き、化合物6から化合物8の調製のために記載した手順に従って、化合物61から調製した。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.99(s、1H)、6.93(s、2H)、5.55(brs、2H)、5.03(m、1H+2H)、4.64(q、1H)、4.33(m、2H)、4.16(m、1H)、3.92(m、2H)、3.42(m、2H)、2.23(s、3H)、1.39(2d、6H)、1.2−1.3(t、12H)、1.05(s、3H)。31P NMR(162.1MHz、CDCl3):δ 12.5。MS=654.3(M+H+)。

化合物6から化合物8を調製したのと同一の手順を使用して、化合物66および67を、それぞれ化合物62および63から調製することができる。

化合物66

化合物67 抗ウイルス活性 本発明の別の態様は、ウイルス感染を阻害する方法に関し、そのような阻害を必要とすると疑われる試料または対照を本発明の組成物で処置するステップを含む。

本発明の文脈内で、ウイルスを含有すると疑われる試料は、有機体、組織または細胞培養物、生物学的材料試料等の生物学的試料(血液、血漿、尿、骨髄液、涙液、痰、唾液、組織試料等)、研究室試料、食物、水、または空気試料、細胞の抽出物等の生物学的生成物試料、特に、所望の糖タンパク質を合成する組換え細胞等の天然または人工物質を含む。通常、試料は、ウイルス感染、多くの場合、腫瘍ウイルス等の病原体を誘発する有機体を含有すると疑われる。試料は、水および有機溶媒/水混合液を含む、あらゆる媒体中に含有され得る。試料は、ヒト等の有機体、および細胞培養物等の人工物質を含む。

必要に応じて、組成物を適用した後の本発明の化合物の抗ウイルス活性は、そのような活性を検出する直接的および間接的方法を含む、あらゆる方法で観察することができる。そのような活性を決定する定量的、定質的、および半定量的方法が、すべて企図される。通常、上述のスクリーニング方法のうちの1つが適用されるが、有機体の生理学的特性の観察等のあらゆる他の方法も適用可能である。

本発明の化合物の抗ウイルス活性は、既知の標準スクリーニングプロトコルを使用して測定することができる。例えば、化合物の抗ウイルス活性は、以下の一般的なプロトコルを使用して測定することができる。 HCV IC50の決定 アッセイプロトコル:28μLのポリメラーゼ混合液(最終濃度:50mMのTris−HCl、pH7.5、10mMのKCL、5mMのMgCl2、1mMのDTT、10mMのEDTA、4ng/μLのRNAテンプレート、および75nMのHCV Δ21 NS5bポリメラーゼ)に続いて、4μLの化合物希釈液をアッセイプレートに添加することによって、NS5bポリメラーゼアッセイ(40μL)を構築した。ポリメラーゼおよび化合物を35℃で10分間、事前インキュベートした後、8μLのヌクレオチド基質混合物を添加した(KMで33P−α標識された競合ヌクレオチド、および0.5mMの残り3つのヌクレオチド)。アッセイプレートを被覆し、35℃で90分間インキュベートした。次いで、反応液を、96−ウェル DEAE−81フィルタープレートを通して、真空でろ過した。次に、フィルタープレートを真空下で、複数体積の0.125MのNaHPO4、水、およびエタノールで洗浄し、組み込まれていない標識を除去した。次に、プレートをTopCount上でカウントし、背景対照上の生成物合成のレベルを評価した。IC50値は、プリズム適合プログラムを使用して決定する。

好ましくは、本明細書に記載の化合物は、1000μM未満、より好ましくは100μM未満、および最も好ましくは10μM未満のIC50で、NS5bポリメラーゼを阻害した。例えば、化合物7は、1μM未満のIC50を有する。 HCV EC50の決定 レプリコン細胞を、96ウェルプレートに、100μLの培養培地中、Geneticinを除いて、ウェル当たり8x103細胞の密度で播種した。化合物を100% DMSO中で連続的に希釈した後、細胞に1:200希釈で添加し、最終濃度0.5% DMSOおよび総量200μLを達成した。プレートを37℃で3日間インキュベートし、その後培養培地を除去し、Promegaのルシフェラーゼアッセイシステムによって提供される溶解緩衝液に溶解した。製造者の指示に従って、100μLのルシフェラーゼ基質を溶解細胞に添加し、TopCount照度計においてルシフェラーゼ活性を測定した。好ましくは、本明細書に記載の化合物は、100μM未満、より好ましくは10μM未満、および最も好ましくは1μM未満のEC50を有する。

式I〜IVの化合物の活性の代表的な例を、以下の表に示す。

観察される特定の活性は、試験される具体的なレプリコン、選択される活性化合物、または薬学的担体の存在、ならびに採用される製剤の種類および投与形態に応じて、およびそれらによって変化する可能性があり、そのような予測される変動または結果の差は、本発明の実施に従って考慮される。

本発明の化合物の細胞毒性は、以下の標準プロトコルを使用して決定することができる。 細胞毒性細胞培養アッセイ(CC50の決定): アッセイは、代謝性基剤を使用する、試験化合物の細胞毒性作用の評価に基づく。 CC50を決定するためのアッセイプロトコル: 1.MT−2細胞を、5%ウシ胎仔血清および抗生物質を補充したRPMI−1640培地に維持する。 2.細胞を96ウェルプレートに分配し(ウェル当たり100μL中20,000細胞)、様々な濃度の試験化合物を3重で添加する(100μL/ウェル)。未処理の対照を含める。 3.細胞を、5日間37℃でインキュベートする。 4.XTT溶液(アッセイプレート当たり6mL)を暗所で、リン酸緩衝生理食塩水pH7.4中、2mg/mLの濃度で調製する。溶液を、水浴中で5分間55℃で加熱する。6mLのXTT溶液当たり50μLのN−メチルフェナゾニウムメタサルフェート(5μ g/mL)を添加する。 5.100μLの培地をアッセイプレート上の各ウェルから除去し、ウェル当たり100μLのXTT基質溶液を添加する。CO2インキュベーター内で45〜60分間、37℃でインキュベートする。 6.ウェル当たり20μLの2% Triton X−100を添加し、XTTの代謝変換を止める。 7.450nmにおける吸収を読み取り、650nmにおける背景を減じる。 8.未処理の対照に対する吸収パーセンテージをプロットし、CC50値を細胞成長の50%阻害を生じる薬物濃度として推定する。吸収は、細胞成長に直接比例するとみなす。雄のゴールデンシリアンハムスターの肝臓および血漿中のヌクレオシド一、二、および三リン酸濃度の決定 実験計画 生物内活性を、以下に示す実験計画を使用して行った。 実験計画

製剤 化合物を、静脈投与用に50/50(PEG400/水、HClによりpH4)に製剤化した。経口投与には以下の溶液製剤を使用した。

試料の収集

動物を、投与前に一晩絶食させた。血液試料は、投与後、常に頸部スティックを介して、ヘパリンを含有するVacutainer(商標)管(BD Biosciences)中に収集した。血液試料を4℃で遠心分離し、血漿を分離した。血漿試料を凍結し、ドライアイスに載せて発送した。受領後、試料を−80℃の冷凍庫で保管した。

各最終収集において、動物をイソフルランで麻酔し、肝臓を摘出した。収集した肝臓を、除去の直後にアルミホイルで包み、液体窒素で瞬間冷凍した。肝臓をドライアイスに載せて発送し、処理するまで−80℃で保管した。 試料の処理 血漿を、内部標準液(300nMの5−ヨードツベルシジン)の存在下において、最終濃度70%までアセトニトリルを添加することによるタンパク質沈殿によって調製した。試料をおおよそ20分間で完全に乾燥させ、水中0.2%ギ酸で再構成した。

肝臓を、剃刀の刃で小さい断片に切り分け、ドライアイス上に保たれた事前計量済みの15mLの円錐管に収集することによって、調製した。4分量の氷冷抽出緩衝液(0.5μMのCl−ATP含有の、70%MeOH中の0.1%KOHおよび67mMのEDTA)を添加し、使い捨ての硬組織均質化プローブを有するOmni−Tip TH(商標)(Omni International)を使用して、試料を迅速に均質化した。ホモジネートのアリコートを、次いで遠心分離し(20,000×g、4℃で10分間)、上澄みのアリコートを透明管に移し、加熱遠心蒸発器内で蒸発乾燥させ、LC−MS/MS分析用に等体積のpH7、1mMのリン酸アンモニウムで再構成した。アデノシン、AMP、ADP、およびATP分析のために、上澄みを、リン酸アンモニウム緩衝液中で、さらに1,000倍希釈した。 血漿の分析 HPLC条件 カラム:Phenomenex Synergi Max−RP、150×2×4μ 移動相:水中0.2%ギ酸を含有する移動相A、および95%アセトニトリル中0.2%ギ酸を含有する移動相B HPLCポンプおよびオートサンプラー:溶出および分離にShimadzu LC−10AD三元ポンプシステム、ならびにLEAP TechnologiesからのHTC Palオートサンプラーを使用した。 HPLC溶出プログラム:

質量分析 質量分析計:API 4000三連四重極質量分析計(Applied Biosystems/MDS Sciex) 操作モード:多重反応モニタリング(MRM) 質量分析パラメータ

MRMチャネル

アッセイ性能 較正曲線パラメータ

肝臓の分析 HPLC条件 カラム:Phenomenex Luna C18 HST 2.5μmの2.0×50mmカラム(品番00B−4446−B0) 移動相:水中10mMのジメチルヘキシルアミン(DMH)と共に3mMのギ酸アンモニウム(pH5)を含有する移動相A、および50%アセトニトリル中10mMのDMHをと共に3mMのギ酸アンモニウム(pH5)を含有する移動相B HPLCポンプおよびオートサンプラー:溶出および分離にShimadzu LC−10AD三元ポンプシステム、ならびにLEAP TechnologiesからのHTC Palオートサンプラーを使用した。 HPLC溶出プログラム:

質量分析 質量分析計:API 4000三連四重極質量分析計(Applied Biosystems/MDS Sciex) 操作モード:多重反応モニタリング(MRM) 質量分析パラメータ

表12のデータを使用して、5mg当量/kgの化合物6、化合物8、化合物8B、および化合物8Aをそれぞれ経口投与した後の、ハムスター肝臓の曝露に対する化合物7の濃度の曲線下面積を、表13に示す。

これらのデータは、化合物6等の、1′−シアノ−ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジンヌクレオシドの5′−プロドラッグの3′−ヒドロキシル基のアシル化が、それぞれのプロドラッグの経口投与後に、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジンヌクレオシド(化合物7)の三リン酸塩に対して、約6〜26倍大きな予想外の肝臓の曝露をもたらしたことを示す。これらの3′−O−アシルプロドラッグの経口投与は、HCVに感染した哺乳動物/ヒトのHCV感染肝臓細胞内で、非3′−O−アシル化のプロドラッグの経口投与よりも、より高濃度のヌクレオシドの三リン酸塩を生成する利点を有する。これらのより高濃度の三リン酸塩は、HCV RdRpポリメラーゼを選択的に阻害することによって、より効果的にHCV感染を治療する。

本明細書において上で引用される、すべての刊行物、特許、および特許文献は、参照することにより個別に組み込まれるかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。

本発明を、種々の特定かつ好適な実施形態を参照して説明した。しかしながら、当業者であれば、本発明の趣旨および範囲内に留まりながら、多くの変更および修正を行うことができることを理解するであろう。

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