Catalyst depolymerization using a nucleophilic reagent polymer containing electrophilic linking group (polymer)

申请号 JP2004565712 申请日 2003-12-23 公开(公告)号 JP4478581B2 公开(公告)日 2010-06-09
申请人 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Maschines Corporation; ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー; 发明人 ウェイマウス、ロバート、エム; キリッキラン、ピナー; ニース、グレゴリ、ダブリュ; ヘドリック、ジェームス、エル;
摘要 A method is provided for carrying out depolymerization of a polymer containing electrophilic linkages in the presence of a catalyst and a nucleophilic reagent, wherein production of undesirable byproducts resulting from polymer degradation is minimized. The reaction can be carried out at a temperature of 80° C. or less, and generally involves the use of an organic, nonmetallic catalyst, thereby ensuring that the depolymerization product(s) are substantially free of metal contaminants. In an exemplary depolymerization method, the catalyst is a carbene compound such as an N-heterocyclic carbene, or is a precursor to a carbene compound. The method provides an important alternative to current recycling techniques such as those used in the degradation of polyesters, polyamides, and the like.
权利要求
  • 求電子連結基を含む主鎖を有する重合体を解重合する方法であって、前記重合体を、求核試薬と、金属汚染物質を実質的に含まない解重合生成物を与える触媒とに接触させることを含 み、
    前記重合体が、ポリエステルまたはポリカーボネートであり、
    前記触媒が、N−複素環状カルベンまたはN−複素環状カルベン前駆物質である
    方法。
  • 前記求電子連結基が、エステル連結基、炭酸エステル連結基、ウレタン連結基、置換ウレタン連結基、リン酸エステル連結基、アミド連結基、置換アミド連結基、チオエステル連結基、スルホン酸エステル連結基およびこれらの組合せからなる群から独立に選択された、請求項1に記載の方法。
  • 前記求電子連結基のうちの少なくともいくつかがエステル連結基であり、そのため前記重合体がポリエステルである、請求項2に記載の方法。
  • 前記求電子連結基がすべてエステル連結基であり、そのため前記ポリエステルが単独重合体である、請求項3に記載の方法。
  • 前記求電子連結基のうちの少なくともいくつかがエステル連結基以外の連結基であり、そのため前記ポリエステルが共重合体である、請求項3に記載の方法。
  • 前記求核試薬が、ヒドロキシル基、アミノ基およびスルフヒドリル基からなる群から選択された少なくとも1つの求核部分を含む化合物である、請求項3に記載の方法。
  • 前記化合物が1つの求核部分を含み、前記求核部分がヒドロキシル基である、請求項6に記載の方法。
  • 前記化合物が2つの求核部分を含み、前記求核部分がヒドロキシル基である、請求項6に記載の方法。
  • 前記触媒が 前記N−複素環状カルベンであり、前記 N−複素環状カルベンが式(I)の構造を有し、
    上式で、
    1 およびE 2 がNであり、xおよびyが1であり、E 1 とE 2 が連結部分を介して連結されており、
    1およびR 2は、分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、置換分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、置換環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビルからなる群から独立に選択され、
    1およびL 2は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンからなる群から独立に選択され、
    mおよびnは独立に0または1である、
    請求項 に記載の方法。
  • 前記N−複素環状カルベンが式(II)の構造を有し、
    上式で、
    1およびR 2は、分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、置換分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、置換環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビルからなる群から独立に選択され、
    Lは前記連結部分であり、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンおよび置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン・リンカーからなる群から選択され
    1とL 2のうちの一方は 炭素原子1〜6個のアルキレンであり、
    mおよびnは独立に0または1である、
    請求項 に記載の方法。
  • 1およびR 2が、第二級C 3 〜C 12アルキル、第三級C 4 〜C 12アルキル、C 5 〜C 12アリール、置換C 5 〜C 12アリール、C 6 〜C 18アルカリール、置換C 6 〜C 18アルカリール、C 5 〜C 12脂環基、および置換C 5 〜C 12脂環基からなる群から独立に選択され、
    Lが、−CR 34 −CR 56 −または−CR 3 =CR 5 −であり、R 3 、R 4 、R 5およびR 6は、水素、ハロゲン、C 1 〜C 12アルキルからなる群から独立に選択され
    そのため前記N−複素環状カルベンが式(III)の構造を有し、
    上式でq は二重結合 または単結合であり、sは0または1、tは0または1であり、ただしqが存在するときsおよびtは0、qが不在のときsおよびtは1である、
    請求項 10に記載の方法。
  • 前記触媒が 前記N−複素環状カルベン前駆物質であり、前記 N−複素環状カルベン前駆物質が式(PI)の構造を有し、
    上式で、
    1 およびE 2 がNであり、xおよびyが1であり、E 1 とE 2 が連結部分を介して連結されており、
    1およびR 2は、分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、置換分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、置換環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビルからなる群から独立に選択され、
    1およびL 2は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンからなる群から独立に選択され、
    mおよびnは独立に0または1であり、
    7は、少なくとも1つの電子吸引性置換基で置換されたアルキル、ヘテロ 原子含有アルキル、アリール、ヘテロ 原子含有アリール、アラルキルまたはヘテロ 原子含有アラルキルからなる群から選択され、
    さらに、前記接触させることが塩基の存在下で実施される、
    請求項 に記載の方法。
  • 前記触媒が 前記N−複素環状カルベン前駆物質であり、前記 N−複素環状カルベン前駆物質が式(PIII)の構造を有し、
    上式で、
    1 、E 2 、E 3 およびE 4 がNであり、x、y、vおよびwは1であり、E 1 とE 2 が連結部分を介して連結されており、E 3 とE 4 が連結部分を介して連結されており、
    1 、R 2 、R 8およびR 9は、分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、置換分枝C 3 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C 4 〜C 30ヒドロカルビル、環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、置換環状C 5 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C 1 〜C 30ヒドロカルビルからなる群から独立に選択され、
    1 、L 2 、L 3およびL 4は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンからなる群から独立に選択され、
    h、k、mおよびnは独立に0または1である、
    請求項 に記載の方法。
  • 記重合体を 前記求核試薬および 前記触媒に、80℃以下の温度で接触させることを含む 、請求項1に記載の方法。
  • 前記温度が60℃以 下である、請求項 14に記載の方法。
  • 前記温度が30℃以下である、請求項 15に記載の方法。
  • 式(PIX)で表されるN−複素環状カルベン前駆物質。
    (式(PIX)中、Rはメチル基又はベンジル基であり、Xは、Rがメチル基のときはIまたはPF 6 であり、Rがベンジル基のときはBrまたはPF 6 である。)
  • 式(PV−1)または式(PV−2)で表されるN−複素環状カルベン前駆物質。
  • 说明书全文

    本発明は、米国政府の支援を得て全米科学財団(National Science Foundation)からの助成金(協契約(Cooperative Agreement)DMR−980677号)の下で実施されたものである。 したがって米国政府は本発明に対して一定の権利を有することができる。

    本発明は一般に重合体の解重合に関し、詳細には求核試薬を使用して重合体を解重合する有機触媒法に関する。 本発明は、工業化学、化学廃棄物処理、プラスチック・リサイクル、簡便な重合体分解法を必要としている製造プロセスを含む数多くの分野に応用可能である。

    あらゆる種類の技術進歩は多くの複雑な環境問題を提示し続ける。 その結果として、廃棄物管理および汚染防止は21世紀の非常に重要な2つの難題である。 圧倒的な量のプラスチック廃棄物は、多くの地域社会が直面しているごみ処分場の深刻な不足を大きく助長した。 例えば、敷物類、衣類、タイヤ・コード、炭酸飲料ボトルおよび他の容器、フィルム、自動車応用、電子機器、ディスプレイなどに対して広く使用されているエンジニアリング熱可塑性樹脂であるポリエチレン・テレフタレート(ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル−オキシカルボニル−1,4−ジフェニレンカルボニル);「PET」)は、2002年だけで、ごみ処分場に運ばれる10億ポンド(約45万トン)を超える廃棄物に寄与するだろう。 世界全体のPET生産は年10%の割合で伸びており、電子機器および自動車応用における使用の増大によって、この割合はかなり増大し、年15%に達すると予想されている。 興味深いことに、前駆物質単量体は石油化学製品の流れの約2%を表しているにすぎない。 さらに、PET他のポリエステルなどの日用品重合体をリサイクルする必要に取り組む際に使用される有機溶媒、ハロゲン化溶媒およびならびにエネルギー消費の激増は、環境に配慮したエネルギー効率のよいリサイクル・プロセスの必要性を生み出した。 ナドカーニ(Nadkarni)(1999)、国際繊維ジャーナル(International Fiber Journal)、14(3)を参照されたい。

    PETのリサイクル戦略の研究にはかなりの労力が注入され、これらは商業的な3つの選択肢、すなわち機械的、化学的およびエネルギー的リサイクルを生み出した。 エネルギー・リサイクルはプラスチックを単純に燃やしてその熱量を利用する。 機械的リサイクルは、最も普及した方法であり、重合体を粉砕し、次いでこの粉末を「バージン(virgin)」PETと混合することを含む。 マンチーニ(Mancini)他(1999)、材料研究(Materials Research)、2(1):33〜38を参照されたい。 多くの化学会社がこのプロセスを使用して、1プラントあたり約50,000トン/年の割合でPETをリサイクルしている。 2002年現在、ヨーロッパでは、すべての新しい包装材料はリサイクルされた材料を15%含んでいなければならない。 しかし、継続的なリサイクル・ステップはかなりの重合体分解を引き起こし、その結果、望ましい機械特性が失われることが示されている。 化学分解を使用したリサイクルは、出発材料までまたは少なくとも相対的に短いオリゴマー成分に重合体を解重合するプロセスを含む。 このプロセスが最も望ましいことは明らかだが、高温、高圧、ならびに強塩基または有機チタン酸塩などの有機金属錯体からなる触媒が必要となるので、このプロセスは制御が最も難しい。 サコ(Sako)他(1997)、第4回国際超臨界流体シンポジウム会議録(Proc.of the 4 th Int'l Symposium on Supercritical Fluids)、107〜110ページを参照されたい。 このような触媒の使用は、かなりの量の望ましくない副生物を生じ、したがってこれらの方法によって処理された材料は一般に、医用材料または食品包装で使用することには適さず、そのためそれらの実用性は限定される。 さらに、解重合を達成するために必要となるエネルギーは、本質的に持続可能性の議論の対象とならない。
    ナドカーニ(Nadkarni)(1999)、国際繊維ジャーナル(InternationalFiber Journal)、14(3) マンチーニ(Mancini)他(1999)、材料研究(MaterialsResearch)、2(1):33〜38 サコ(Sako)他(1997)、第4回国際超臨界流体シンポジウム会議録(Proc.of the 4th Int'l Symposium on Supercritical Fluids)、107〜110ページ ブリソー(Bourissou)他(2000)、Chem. Rev.100:39〜91 アーデンゴ他(1991)、J. Am. Chem. Soc.113:361 アーデンゴ他(1991)、J. Am. Chem. Soc.114:5530 アーデンゴ(Arduengo)他(1999)、Acc. Chem.Res. 32:913 ブロード(Brode)(1995)、Angew. Chem. Int.Ed. Eng. 34:1021 アーデンゴ(Arduengo)他(1999)、四面体(Tetrahedron)55:14523 ワンズリック(Wanzlick)他(1961)、Angew.Chem. 73:493 ワンズリック(Wanzlick)他(1962)、Angew.Chem. 74:128 ワンズリック(Wanzlick)他(1963)、Chem. Ber.96:3024

    したがって、当技術分野では改良された解重合方法が求められている。 理想的には、該方法は、極端な反応条件、金属触媒の使用、または潜在的に問題がある副生物をかなりの量生じるプロセスを含まない。

    本発明は、当技術分野における前述の必要性を対象とし、そのようなものとして、重合体の分解に起因する望ましくない副生物の生成が最小限に抑えられる、穏やかな条件を使用した効率的な触媒解重合反応を提供する。 反応は、高くても80℃の温度で実施することができ、また、好ましい非金属触媒が使用されるので、好ましい一実施形態では解重合生成物が金属汚染物質を実質的に含まない。 本明細書に開示されるカルベン触媒の多くを用いると、高くても60℃の温度、または30℃以下の温度、すなわち室温で解重合反応を実施することができる。

    より具体的には本発明の一態様では、求電子連結基を含む主鎖を有する重合体を解重合する方法であって、重合体を求核試薬および触媒に80℃未満の温度で接触させることを含む方法が提供される。 この方法の重要な応用は、単独重合体ポリエステル(すべての求電子連結基がエステル連結基である)およびポリエステル共重合体(一部の求電子連結基がエステル連結基であり、残りの求電子連結基がエステル連結基以外の連結基である)を含むポリエステルの解重合における応用である。

    本発明の関連態様では、求電子連結基を含む主鎖を有する重合体を解重合する方法であって、この重合体を、求核試薬と、金属汚染物質を実質的に含まない解重合生成物を与える触媒とに接触させることを含む方法が提供される。 この重合体は例えば、先に指摘したとおり単独重合体または共重合体の形態のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタンまたは関連重合体である。 この実施形態では、金属および含金属化合物によって実質的に汚染されていない反応生成物を提供するため、使用される触媒が純粋に有機質の非金属触媒である。 本明細書における好ましい触媒は、後に論じるように、求核性触媒の働きをするカルベン化合物およびカルベン化合物の前駆物質である。 当技術分野ではよく理解されていているとおり、カルベンは、その原子価殻の中に電子を6つしか持たない二価の炭素原子を含んだ電子的に中性の化合物である。 カルベンには例えば、環状ジアミノカルベン、イミダゾール−2−イリデン(例えば1,3−ジメシチル−イミダゾール−2−イリデンおよび1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)、1,2,4−トリアゾル−3−イリデン、および1,3−チアゾル−2−イリデンが含まれる。 ブリソー(Bourissou)他(2000)、Chem. Rev. 100:39〜91を参照されたい。

    アーデンゴ(Arduengo)による安定カルベンの合成、単離および特性評価の最初の記述(アーデンゴ他(1991)、J.Am. Chem. Soc. 113:361、アーデンゴ他(1991)、J. Am. Chem. Soc. 114:5530)以来、カルベンの化学反応性の調査は主要な研究領域となっている。 例えば、アーデンゴ(Arduengo)他(1999)、Acc.Chem. Res. 32:913、ブリソー(Bourissou)他(2000)(前掲)、およびブロード(Brode)(1995)、Angew. Chem.Int. Ed. Eng. 34:1021を参照されたい。 カルベンは今や広範囲に調べられ、実際、合成上重要な多くの反応においてカルベンが有用であることは定着しているが、カルベンを求核解重合反応の触媒として使用する開示または提案、すなわち求電子連結基を含む重合体をカルベン触媒の存在下で求核試薬によって解重合する反応の開示または提案はこれまでなかった。

    したがって、本明細書で使用される適当な触媒にはヘテロ原子安定化(heteroatom-stabilized)カルベンまたはこのようなカルベンの前駆物質が含まれる。 このヘテロ原子安定化カルベンは式(I)の構造を有し、

    上式で、


    およびE

    は、N、NR

    、O、P、PR

    およびSの中から独立に選択され、R

    は水素、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、xおよびyは独立に0、1または2であり、それぞれE

    およびE

    の原子価状態と符合するように選択され、E

    およびE

    がOまたはS以外のときには、E

    およびE

    がヘテロ原子として組み込まれた複素環を提供する連結部分を介して、E

    とE

    が連結されていてもよく、


    およびR

    は、分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有(heteroatom-containing)分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C

    〜C

    30ヒドロカルビルの中から独立に選択され、


    およびL

    は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンの中から独立に選択され、


    mおよびnは独立に0または1であり、そのためL

    およびL

    は任意選択である。

    式(I)のある種のカルベン触媒は新規の化合物であり、本明細書にはそのようなものとして請求されている。 これらの新規のカルベンは、E またはE あるいはその両方にヘテロ原子が直接に結合したカルベンであり、これには例えば、E がNR であり、R が、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、アラルコキシ(aralkoxy)、アラルキル(aralkyl)チオ部分などのヘテロアルキルまたはヘテロアリール基である式(I)のカルベンが含まれる。

    本明細書の触媒として適当なカルベン前駆物質には、式(PI)の構造を有する三置換メタン、式(PII)の構造を有する金属付加物、および構造(PIII)を有する四置換オレフィンが含まれる。

    式(PI)および(PII)で、


    およびE

    はN、NR

    、O、P、PR

    およびSの中から独立に選択され、R

    は水素、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、xおよびyは独立に0、1または2であり、それぞれE

    およびE

    の原子価状態と符合するように選択され、E

    およびE

    がOまたはS以外のときには、E

    およびE

    がヘテロ原子として組み込まれた複素環を提供する連結部分を介して、E

    とE

    が連結されていてもよく、


    およびR

    は、分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C

    〜C

    30ヒドロカルビル、環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、置換環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C

    〜C

    30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C

    〜C

    30ヒドロカルビルの中から独立に選択され、


    およびL

    は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンの中から独立に選択され、


    mおよびnは独立に0または1であり、


    は、少なくとも1つの電子吸引性置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルの中から選択され、


    Mは金属であり、


    Lnは配位子であり、


    jはMに結合した配位子の数である。

    式(PIII)の化合物では置換基が以下の通りである:
    およびE はE およびE に対して定義したとおりに定義され、
    vおよびwはxおよびyに対して定義したとおりに定義され、
    およびR はR およびR に対して定義したとおりに定義され、
    およびL はL およびL に対して定義したとおりに定義され、
    hおよびkはmおよびnに対して定義したとおりに定義される。

    カルベン前駆物質は塩の形態とすることができ、その場合には、前駆物質は正に帯電し、ハロゲン化物イオン(I、Br、Cl)、ヘキサフルオロリン酸塩アニオンなどのアニオン性対イオンと結びついている。

    本明細書の新規のカルベン前駆物質には、式(PI)の化合物、E またはE あるいはその両方にヘテロ原子が結合した式(PII)の化合物、ならびにE 、E 、E およびE のうちの少なくとも1つにヘテロ原子が直接に結合し、先の述べたような塩の形態でもよい式(PIII)の化合物が含まれる。

    理想的には、この解重合反応とともに使用されるカルベン触媒が式(II)の構造を有するN−複素環状(heterocyclic)カルベンであり、

    上式で、


    、R

    、L

    、L

    、mおよびnは先に定義したとおりであり、


    Lは、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンまたは置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン・リンカーであり、Lの中の隣接する原子上の2つ以上の置換基が連結されて追加の環状基が形成されていてもよい。

    先に言及したとおり、本発明の重要な1つの応用は、例えばPET、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)、ポリ(アジピン酸アルキレン)およびそれらの共重合体、ならびにポリ(ε−カプロラクトン)を含むポリエステルをリサイクルすることである。 ただしポリエステルはこれらに限定されるわけではない。 本発明の方法は、極端な反応条件または金属触媒を必要とせずに、このような重合体を、その成分単量体または比較的に短いオリゴマー断片あるいはその両方に分解する効率的な手段を提供する。

    特に指摘しない限り、本発明は特定の重合体、カルベン触媒、求核試薬または解重合条件に限定されない。 本明細書で使用される用語は具体的な実施形態を記述するためだけに使用され、限定を意図するものではない。

    本明細書および添付された請求項で使用されるとき、文脈から明らかな別段の指示がない限り、単数形で書かれた物は複数の指示物を含む。 したがって例えば、「1つの重合体」は、単一の重合体だけではなしに異なる重合体の組合せまたは混合物を包含し、「1つの触媒」は、単一の触媒と、組合せで使用される2種類以上の触媒などとの両方を包含する。

    本明細書および先行する請求項ではいくつかの用語が使用されるが、それらは、以下の意味を有するものと定義される。

    本明細書で使用されるとき、句「式を有する」または「構造を有する」は限定を意図したものではなく、用語「含む」が一般的に使用される方法と同じ方法で使用される。

    本明細書で使用される用語「アルキル」は、必ずというわけではないが炭素原子を一般に1個から約20個、好ましくは1個から約12個含む、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど、ならびにシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなどの線状、分枝または環状飽和炭化水素基を指す。 やはり必ずというわけではないが一般に本明細書のアルキル基は炭素原子を1個から約12個含む。 用語「低級アルキル」は炭素原子1〜6個のアルキル基を指し、用語「シクロアルキル」は、炭素原子を一般に4〜8個、好ましくは5〜7個有する環状アルキル基を指す。 用語「置換アルキル」は、1つまたは複数の置換基で置換されたアルキルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルキルを指す。 特に指摘しない限り、用語「アルキル」および「低級アルキル」はそれぞれ、線状、分枝、環状、非置換、置換またはヘテロ原子含有アルキルおよび低級アルキル、あるいはこれらの性質を任意の組合せで有するアルキルおよび低級アルキルを含む。

    本明細書で使用される用語「アルキレン」は、二官能性の線状、分枝または環状アルキル基を指し、「アルキル」は先に定義したとおりである。

    本明細書で使用される用語「アルケニル」は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニルなど、少なくとも1つの二重結合を含む炭素原子2個から約20個の線状、分枝または環状炭化水素基を指す。 本明細書の好ましいアルケニル基は炭素原子を2個から約12個を含む。 用語「低級アルケニル」は炭素原子2〜6個のアルケニル基を指し、用語「シクロアルケニル」は環状アルケニル基、好ましくは炭素原子を5〜8個有する環状アルケニル基を指す。 用語「置換アルケニル」は、1つまたは複数の置換基で置換されたアルケニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルケニルを指す。 特に指摘しない限り、用語「アルケニル」および「低級アルケニル」はそれぞれ、線状、分枝、環状、非置換、置換またはヘテロ原子含有アルケニルおよび低級アルケニル、あるいはこれらの性質を任意の組合せで有するアルケニルおよび低級アルケニルを含む。

    本明細書で使用される用語「アルケニレン」は、二官能性の線状、分枝または環状アルケニル基を指し、「アルケニル」は先に定義したとおりである。

    本明細書で使用される用語「アルコキシ」は−O−アルキル基を指し、「アルキル」は先に定義したとおりであり、本明細書で使用される用語「アルキルチオ」は−S−アルキル基を指し、「アルキル」は先に定義したとおりである。

    本明細書で使用される用語「アリール」は、特に指定しない限り、単一の芳香環、あるいは一緒に縮合され、直接に連結され、または間接的に連結された(メチレンまたはエチレン部分などの共通の基に異なる芳香環が結合した)複数の芳香環を含む、芳香環置換基を指す。 好ましいアリール基は5〜20個の炭素原子を含み、1個の芳香環、あるいは2〜4個の縮合または連結芳香環、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニルなどを含み、より好ましいアリール基は1〜3個の芳香環を含み、特に好ましいアリール基は、1個または2個の芳香環および5〜14個の炭素原子を含む。 「置換アリール」は、1つまたは複数の置換基で置換されたアリール部分を指し、用語「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアリールを指す。 特に指摘しない限り、用語「芳香環」、「アリール」および「アリーレン」は、複素芳香環、置換芳香環および置換複素芳香環種を含む。

    用語「アリールオキシ」は−O−アリール基を指し、「アリール」は先に定義したとおりである。

    用語「アルカリール(alkaryl)」は、少なくとも1個、一般に1〜6個、好ましくは1〜3個のアルキル置換基を有するアリール基を指し、用語「アラルキル(aralkyl)」はアリール置換基を有するアルキル基を指す。 「アリール」および「アルキル」は先に定義したとおりである。 アルカリール基には例えば、p−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルなどが含まれる。 用語「アラルキル」はアリール部分で置換されたアルキル基を指し、「アルキル」および「アリール」は先に定義したとおりである。

    用語「アルカリールオキシ」は−O−R基を指し、Rはアルカリールであり、用語「アルカリールチオ」は−S−R基を指し、Rはアルカリールであり、用語アラルコキシ(aralkoxy)は−O−R基を指し、Rはアラルキルであり、用語「アラルキルチオ」は−S−R基を指し、Rはアラルキルである。

    用語「ハロ」、「ハロゲン化物」および「ハロゲン」は、従来の意味で、クロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード置換基を指すために使用される。 用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルキニル」(または「ハロゲン化アルキル」、「ハロゲン化アルケニル」および「ハロゲン化アルキニル」)はそれぞれ、その基の中の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子によって置き換えられたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を指す。

    「ヒドロカルビル」は、炭素原子を1個から約30個、好ましくは1個から約20個、より好ましくは1個から約12個含む一価のヒドロカルビル基を指し、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基などの線状、分枝、環状、飽和および不飽和種が含まれる。 用語「低級ヒドロカルビル」は炭素原子1〜6個のヒドロカルビル基を指し、用語「ヒドロカルビレン」は、炭素原子を1個から約30個、好ましくは1個から約20個、最も好ましくは1個から約12個含む二価のヒドロカルビル部分を指し、線状、分枝、環状、飽和および不飽和種が含まれる。 用語「低級ヒドロカルビレン」は炭素原子1〜6個のヒドロカルビレン基を指す。 特に指摘しない限り、用語「ヒドロカルビル」および「ヒドロカルビレン」はそれぞれ、置換またはヘテロ原子含有ヒドロカルビルおよびヒドロカルビレン部分、あるいはその両方を含むと解釈しなければならない。

    「ヘテロ原子含有アルキル基」(「ヘテロアルキル」基とも言う)または「ヘテロ原子含有アリール基」(「ヘテロアリール」基とも言う)などにおける用語「ヘテロ原子含有」は、1つまたは複数の炭素原子が炭素以外の原子、例えば窒素、酸素、イオウ、リンまたはケイ素、一般には窒素、酸素またはイオウで置き換えられた分子、結合または置換基を指す。 同様に、用語「ヘテロアルキル」はヘテロ原子含有アルキル置換基を指し、用語「複素環」はヘテロ原子含有環状置換基を指し、用語「ヘテロアリール」および「複素芳香環」はそれぞれヘテロ原子含有「アリール」および「芳香環」置換基を指す。 ヘテロアルキル基の例には、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、n−アルキル化アミノアルキルなどが含まれる。 ヘテロアリール置換基の例には、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリルなどが含まれ、ヘテロ原子含有脂環(alicyclic)基の例はピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノなどである。 「複素環」基または化合物は芳香環基または化合物であっても、またはそうでなくでもよく、「複素環」は、用語「アリール」に関して先に述べたように単環、二環または多環であることができることに留意されたい。

    「置換ヒドロカルビル」、「置換アルキル」、「置換アリール」などにおける用語「置換」は、これまでの定義の中で言及したように、ヒドロカルビル、アルキルまたはアリール部分あるいは他の部分において、炭素(または他の)原子に結合した少なくとも1つの水素原子が非水素置換基によって置き換えられていることを意味する。 このような置換基の例には、ハロゲン化物、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C 〜C 20アルコキシ、C 〜C 20アリールオキシ、(C 〜C 20アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC 〜C 20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)C 〜C 20アシル、アシルオキシ(−O−アシル)、C 〜C 20アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C 〜C 20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル(−CO)−X、ここでXはハロ、C 〜C 20アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C 〜C 20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO )、カルバモイル(−(CO)−NH )、一(C 〜C 20アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−NH(C 〜C 20アルキル))、二(C 〜C 20アルキル)置換カルバモイル(−(CO)−N(C 〜C 20アルキル) )、一置換アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH )、カルバミド(−NH−(CO)−NH )、シアノ(−C≡N)、シアナト(−O−C≡N)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH )、一および二(C 〜C 20アルキル)置換アミノ、一および二(C 〜C 20アリール)置換アミノ、C 〜C 20アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C 〜C 20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH、ただしR=水素、C 〜C 20アルキル、C 〜C 20アリール、C 〜C 24アルカリール、C 〜C 24アラルキルなど)、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)。ただしR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)。ただしR=水素、アルキル、アリール、アルカリールなど)、ニトロ(−NO )、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO −OH)、スルホナト(−SO -O )、C 〜C 20アルキルスルファニル(−S−アルキル;「アルキルチオ」とも言う)、アリールスルファニル(−S−アリール;「アリールチオ」とも呼ばれる)、C 〜C 20アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C 〜C 20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C 〜C 20アルキルスルホニル(−SO −アルキル)、C 〜C 20アリールスルホニル(−SO −アリール)、チオカルボニル(=S)などの官能基、ならびにヒドロカルビル部分C 〜C 20アルキル(好ましくはC 〜C 18アルキル、より好ましくはC 〜C 12アルキル、最も好ましくはC 〜C アルキル)、C 〜C 20アルケニル(好ましくはC 〜C 18アルケニル、より好ましくはC 〜C 12アルケニル、最も好ましくはC 〜C アルケニル)、C 〜C 20アルキニル(好ましくはC 〜C 18アルキニル、より好ましくはC 〜C 12アルキニル、最も好ましくはC 〜C アルキニル)、C 〜C 20アリール(好ましくはC 〜C 14アリール)、C 〜C 24アルカリール(好ましくはC 〜C 18アルカリール)、およびC 〜C 24アラルキル(好ましくはC 〜C 18アラルキル)が含まれる。 ただしこれらに限定されるわけではない。

    さらに、その基が許す場合には、上記の官能基がさらに、上に具体的に挙げたものなどの1つまたは複数の追加の官能基あるいは1つまたは複数のヒドロカルビル部分で置換されていてもよい。 同様に、上記のヒドロカルビル部分がさらに、上に具体的に挙げたものなどの1つまたは複数の官能基あるいは追加のヒドロカルビル部分で置換されていてもよい。

    特定のタイプの化合物を「実質的に含まない」とは、組成物または生成物が、その化合物を10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満しか含まないことを意味する。 例えば、本明細書の解重合生成物は、金属そのもの、金属塩、金属錯体、金属合金および有機金属化合物を含む金属汚染物質を「実質的に含まない」。

    「任意選択の」または「任意選択で」は、その後に記述される状況が起こってもまたは起こらなくてもよいことを意味し、そのためこの記述は、その状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含む。 例えば、句「任意選択で置換された」は、非水素置換基が所与の原子上に存在してもまたは存在しなくてもよいことを意味し、したがってこの記述は、非水素置換基が存在する構造および非水素置換基が存在しない構造を含む。

    したがって、本発明は、求電子連結基を含む主鎖を有する重合体を解重合する方法を特徴とする。 求電子連結基は例えば、エステル連結基(−(CO)−O)、炭酸エステル連結基(−O−(CO)−O−)、ウレタン連結基(−O−(CO)−NH)、置換ウレタン連結基(−O−(CO)−NR−、Rはアルキル、アリール、アルカリールなどの非水素置換基)、アミド連結基(−(CO)−NH)、置換アミド連結基(−(CO)−NR−、Rは前記定義のとおり)、チオエステル連結基(−(CO)−S)、スルホン酸エステル連結基(−S(O) −O−)などである。 求核試薬を使用して切断することができる他の求電子連結基は、有機化学および高分子科学の分野の技術者には周知であり、または関連する教科書および文献を参照することによって容易に見つけることができ、あるいはその両方である。 解重合を受ける重合体は線状重合体でもまたは分枝重合体でもよく、単独重合体でも共重合体でもよい。 共重合体には、ランダム、ブロック、マルチブロック(multiblock)および交互共重合体、三元重合体などが含まれる。 本発明の方法を使用して解重合することができる重合体の例には以下のものが含まれる:
    ポリ(テレフタル酸アルキレン)、例えば繊維等級のPET(モノエチレングリコールおよびテレフタル酸から作られた単独重合体)、ボトル等級のPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、およびイソフタル酸、シクロヘキセンジメタノールなどの他のコモノマーを基にして作られた共重合体)、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレン・テレフタレート;
    ポリ(アジピン酸アルキレン)、例えばポリ(アジピン酸エチレン)、ポリ(アジピン酸1,4−ブチレン)、ポリ(アジピン酸ヘキサメチレン);
    ポリ(スベリン酸アルキレン)、例えばポリ(スベリン酸エチレン);
    ポリ(セバシン酸アルキレン)、例えばポリ(セバシン酸エチレン);
    ポリ(ε−カプロラクトン)およびポリ(β−プロピオラクトン);
    ポリ(イソフタル酸アルキレン)、例えばポリ(イソフタル酸エチレン);
    ポリ(2,6−ナフタレン−ジカルボン酸アルキレン)、例えばポリ(2,6−ナフタレン−ジカルボン酸エチレン);
    ポリ(スルホニル−4,4'−二安息香酸アルキレン)、例えばポリ(スルホニル−4,4'−二安息香酸エチレン);
    ポリ(ジカルボン酸p−フェニレンアルキレン)、例えばポリ(ジカルボン酸p−フェニレンエチレン);
    ポリ(ジカルボン酸trans−1,4−シクロヘキサンジイルアルキレン)、例えばポリ(ジカルボン酸trans−1,4−シクロヘキサンジイルエチレン);
    ポリ(ジカルボン酸1,4−シクロヘキサンジメチレンアルキレン)、例えばポリ(ジカルボン酸1,4−シクロヘキサンジメチレンエチレン);
    ポリ(ジカルボン酸[2.2.2]−ビシクロオクタン−1,4−ジメチレンアルキレン)、例えばポリ(ジカルボン酸[2.2.2]−ビシクロオクタン−1,4−ジメチレンエチレン);
    乳酸重合体および共重合体、例えば(S)−ポリラクチド、(R,S)−ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコシド);
    ビスフェノールA、3,3'−ジメチルビスフェノールA、3,3',5,5'−テトラクロロビスフェノールA、3,3',5,5'−テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート;
    ポリアミド、例えばポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(Kevlar(R));
    ポリ(炭酸アルキレン)、例えばポリ(炭酸プロピレン);
    ポリウレタン、例えばバイエル社(Bayer Corporation)からBaytec(R)およびBayfil(R)の商品名で入手可能なポリウレタン;および ポリウレタン/ポリエステル共重合体、例えばバイエル社(BayerCorporation)からBaydar(R)の商品名で入手可能なポリウレタン/ポリエステル共重合体。 ただしこれらに限定されるわけではない。

    重合体の解重合は、先に指摘したように、求核試薬および触媒の存在下で実施される。 当業者には理解されるとおり、求核試薬には、一価アルコール、ジオール、ポリオール、チオール、第一級アミンなどが含まれ、求核試薬は、単一の求核部分または2つ以上の求核部分、例えばヒドロキシル、スルフヒドリルまたはアミノ基、あるいはこれらの任意の組合せを含むことができる。 求電子連結基への求核攻撃によって結合が切断されるよう、求核試薬は、重合体主鎖の中の特定の求電子連結基に対応するように選択される。 例えばポリエステルは、アルコール、好ましくは第一級アルコール、最も好ましくはエタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコールなどC 〜C の一価アルコールを使用して、重合体主鎖のエステル連結基のところで切断することができる。 後に示すように、このような反応は、エステル交換反応によってエステル連結基を切断することを理解されたい。

    この解重合反応のための好ましい触媒はカルベンおよびカルベン前駆物質である。 カルベンには例えば、ジアリールカルベン、環状ジアミノカルベン、イミダゾール−2−イリデン、1,2,4−トリアゾル−3−イリデン、1,3−チアゾル−2−イリデン、非環状ジアミノカルベン、非環状アミノオキシカルベン、非環状アミノチオカルベン、環状ジボリルカルベン、非環状ジボリルカルベン、ホスフィノシリルカルベン、ホスフィノホスホニオカルベン、スルフェニルトリフルオロメチルカルベン、およびスルフェニルペンタフルオロチオカルベンが含まれる。 先に挙げたブリソー(Bourissou)他(2000)を参照されたい。 好ましいカルベンはヘテロ原子安定化(heteroatom-stabilized)カルベンであり、好ましいカルベン前駆物質はヘテロ原子安定化カルベンの前駆物質である。 窒素を含むカルベン、N−複素環状カルベンが最も好ましい。

    一実施形態において、本明細書の解重合触媒として適したヘテロ原子安定化カルベンは式(I)の構造を有し、

    上式で各種置換基は以下のとおりであり、


    およびE

    は、N、NR

    、O、P、PR

    およびSの中から独立に選択され、R

    は水素、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、xおよびyは独立に0、1または2であり、それぞれE

    およびE

    の原子価状態と符合するように選択される。 E

    およびE

    がOまたはS以外のときには、E

    およびE

    がヘテロ原子として組み込まれた複素環を提供する連結部分を介して、E

    とE

    が連結されていてもよい。 後者の場合、複素環は脂環でもまたは芳香環でもよく、置換基またはヘテロ原子あるいはその両方を含んでいてもよい。 一般に、このような環状基は環原子を5つまたは6つ含む。

    例えば式(I)の代表的な化合物では、
    (1)E がOまたはS、xが1であり、あるいは (2)E がN、xが1で、E がE に連結されており、あるいは (3)E がN、xが2で、E とE が連結されておらず、あるいは (4)E がNR 、xが1で、E とE は連結されておらず、あるいは (5)E がNR 、xが0で、E がE に連結されている。

    およびR は、分枝C 〜C 30ヒドロカルビル、置換分枝C 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有分枝C 〜C 30ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有分枝C 〜C 30ヒドロカルビル、環状C 〜C 30ヒドロカルビル、置換環状C 〜C 30ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有環状C 〜C 30ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有環状C 〜C 30ヒドロカルビルの中から独立に選択される。 好ましくはR とR のうちの少なくとも一方、より好ましくはR とR の両方が、比較的に嵩高い基、具体的には分枝アルキル(置換またはヘテロ原子含有アルキルあるいはその両方を含む)、アリール(置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールを含む)、アルカリール(置換アラルキル、ヘテロ原子含有アラルキルまたはヘテロ原子含有置換アラルキルを含む)および脂環基である。 このような立体的に嵩高い基を使用して反応性の高いカルベン中心を保護すると、本明細書における好ましい反応触媒である一重項カルベンは速度論的に(kinetically)安定化することが分かっている。 R およびR として適当な立体的に嵩高い具体的な基は、任意選択で、置換またはヘテロ原子含有あるいは置換ヘテロ原子含有C 〜C 12アルキル、第三級C 〜C 12アルキル、C 〜C 12アリール、C 〜C 18アルカリールおよびC 〜C 12脂環基であり、C 〜C 12アリールおよびC 〜C 12アルカリールが特に好ましい。 後者の置換基は、任意選択で低級アルキル、低級アルコキシおよびハロゲンから選択された1つから3つの置換基で置換されたフェニルによって例示され、したがってこれには例えばp−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニルおよび2,4,6−トリメチルフェニル(メシチル)が含まれる。

    およびL は、スペーサー原子を1〜6個含むリンカーであり、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンの中から独立に選択され、mおよびnは独立に0または1であり、これはL およびL がそれぞれ任意選択であることを意味する。 好ましいL およびL 部分には例えば、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、アラルキレンが含まれ、これらはいずれもヘテロ原子含有または置換あるいはヘテロ原子含有置換部分であってもよく、あるいはL またはL あるいはその両方が、O、Sなどのヘテロ原子、またはNH、NR(Rはアルキル、アリール、他のヒドロカルビルなどである)、PRなどの置換ヘテロ原子であってもよい。

    好ましい一実施形態では、E およびE が独立にNまたはNR であり、E とE は結合されておらず、そのためこのカルベンがN−複素非環状(heteroacyclic)カルベンである。 好ましい他の実施形態では、E およびE がN、xおよびyが1であり、E とE が連結部分を介して連結されており、そのためこのカルベンがN−複素環状カルベンである。 本明細書において適当なN−複素環状カルベンには、式(II)の構造を有する化合物が含まれる。 ただしそれらに限定されるわけではない。

    上式で、R

    、R

    、L

    、L

    、mおよびnは、式(I)のカルベンに対して先に定義したとおりである。 構造式(II)のカルベンでは、Lが、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレンまたは置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン・リンカーであり、Lの中の隣接する原子上の2つ以上の置換基が連結されて追加の環状基が形成されていてもよい。 例えばLは−CR

    −CR

    −または−CR

    =CR

    −であり、R

    、R

    、R

    およびR

    は、水素、ハロゲン、C

    〜C

    12アルキルの中から独立に選択され、またはR

    、R

    、R

    およびR

    のうちの任意の2つが互いに連結されて、置換または非置換の飽和または不飽和環が形成されていてもよい。

    したがって、Lが−CR −CR −または−CR =CR −のとき、カルベンは式(III)の構造を有し、

    上式で、qは任意選択の二重結合、sは0または1、tは0または1であり、ただしqが存在するときsおよびtは0、qが不在のときsおよびtは1である。

    ある種のカルベンは新しい化合物であり、本明細書にはそのようなものとして請求されている。 これらは、E またはE あるいはその両方にヘテロ原子が直接に結合し、例えばE 、E またはE とE の両方にヘテロ原子が直接に結合し、カルベンが(正に帯電し、負に帯電した対イオンに結びついた)塩の形態をとることができる式(I)の構造を有する化合物である。 これらの新規のカルベンは、E またはE あるいはその両方にヘテロ原子が直接に結合したカルベンであり、これには例えば、E またはE あるいはその両方がNR であり、R が、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、アラルコキシ、アラルキルチオ部分などのヘテロアルキルまたはヘテロアリール基である式(I)のカルベンが含まれる。 他のこのようなカルベンは、xまたはyあるいはその両方が少なくとも1、L またはL あるいはその両方がヘテロアルキル、ヘテロアリールなどであり、L またはL あるいはその両方のヘテロ原子がそれぞれ、E またはE あるいはその両方に直接に結合したカルベンである。

    このような新規のカルベンとしては、E がNR 、R がアルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アラルコキシまたは置換アラルコキシである式(I)の化合物がある。 このようなカルベンの好ましいサブセットは、E がN、xが0、yが1であり、E とE が、置換または非置換の低級アルキレンまたは低級アルケニレン連結基を介して連結されたカルベンである。 このようなカルベンのより好ましいサブセットは、R が低級アルコキシまたは単環アリール置換低級アルコキシであり、E とE が、−CR −CR −または−CR =CR −部分を介して連結されており、R 、R 、R およびR が水素、ハロゲン、C 〜C 12アルキルの中から独立に選択され、nが1、L が低級アルキレン、R が単環アリールまたは置換単環アリールであるカルベンである。 実施例8〜11ではこのグループの中の代表的な化合物の合成を説明する。

    先に指摘したとおり、カルベンの前駆物質、好ましくはN−複素環状およびN−複素非環状カルベンの前駆物質もこの解重合反応に適した触媒である。 一実施形態では、この前駆物質が式(PI)の構造を有する三置換メタン化合物であり、

    上式で、E

    、E

    、x、y、R

    、R

    、L

    、L

    、mおよびnは、構造式(I)のカルベンに対して先に定義したとおりであり、R

    は、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルの中から選択され、フルオロ、フルオロアルキル(ペルフルオロアルキルを含む)、クロロ、ニトロ、アシチルなどの少なくとも1つの電子吸引性置換基で置換されている。 上記のリストはすべてを網羅したものではなく、この触媒と解重合混合物の他の成分との間に不必要な相互作用を引き起こさず、または解重合反応になんらかの方法で不利な影響を与えない限りにおいて、任意の電子求引性基が置換基としての役目を果たすことができることを理解されたい。 したがってR

    基の例には、p−ニトロフェニル、2,4−ジニトロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロフェニルなどが含まれる。

    式(PI)の触媒は新しい化学物質である。 このような化合物の代表的合成については本明細書の実施例13および14において記載される。 これらの実施例から導かれるとおり、E およびE がNである式(PI)の化合物は、対応するジアミンおよび適当に置換されたアルデヒドから合成することができる。

    この解重合反応の触媒として有用な他のカルベン前駆物質は式(PII)の構造を有し、

    上式で、E

    、E

    、x、y、R

    、R

    、L

    、L

    、mおよびnは、構造式(I)のカルベンに対して先に定義したとおりであり、Mは金属、例えば金、銀、他の主族(main group)金属または遷移金属であり、Ag、Cu、Ni、CoおよびFeが一般に好ましく、Lnは配位子、一般にアニオン性または中性の配位子であり、−E

    −[(L

    −R

    または−E

    −[(L

    −R

    と同じでもまたは同じでなくともよい。 一般に、式(PII)のカルベン前駆物質は、カルベン塩および金属酸化物から合成することができる。 例えば実施例12に詳述した合成を参照されたい。

    本明細書の解重合触媒として適当な他のカルベン前駆物質は、式(PIII)の構造を有する四置換オレフィンであり、

    上式で、E

    、E

    、x、y、R

    、R

    、L

    、L

    、mおよびnは、構造式(I)のカルベンに対して先に定義したとおりに定義され、E

    およびE

    はE

    およびE

    に対して定義したとおりに定義され、vおよびwはxおよびyに対して定義したとおりに定義され、R

    およびR

    はR

    およびR

    に対して定義したとおりに定義され、L

    およびL

    はL

    およびL

    に対して定義したとおりに定義され、hおよびkはmおよびnに対して定義したとおりに定義される。 これらのオレフィンは、N,N−ジアリール−およびN,N−ジアルキル−N−複素環状カルベン塩、ならびに強塩基、一般に金属アルコキシドなどの無機塩基から容易に形成される。

    カルベン自体と同様に、「E」部分、すなわちE 、E 、E またはE あるいはこれらの任意の組合せにヘテロ原子が直接に結合した式(PII)または(PIII)の構造を有する触媒前駆物質も新しい化学物質である。 好ましい該前駆物質は、「E」部分がNR または結合したN原子であり、R の中の直接に結合したヘテロ原子が酸素またはイオウである前駆物質である。

    この解重合反応は、不活性雰囲気中で、触媒として有効な量の選択された触媒を溶媒に溶解し、重合体と触媒溶液を一緒にし、次いで求核試薬を加えることによって実施することができる。 しかし、特に好ましい一実施形態では、重合体、求核試薬および触媒(例えばカルベンまたはカルベン前駆物質)が一緒にされ、適当な溶媒に溶解され、したがって解重合が1ステップ反応として起こる。

    この反応混合物は攪拌する(例えばかき混ぜる)ことが好ましく、反応の進行は標準的な手法によって監視することができるが、一般に、すべての分解生成物が溶解する程度まで十分に重合体が分解されたことが透明な反応混合物によって指示される限り、目視検査で十分である。 この解重合反応で使用できる溶媒の例には、解重合条件下で不活性な、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、脂肪族炭化水素、これらの混合物などの有機、プロトン性または水性溶媒が含まれる。 好ましい溶媒には、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、Isopar、ガソリンおよびこれらの混合物が含まれる。 超臨界流体を溶媒として使用することもでき、二酸化炭素はそのような溶媒の1つである。 反応温度は、約0℃から約100℃、一般に高くても80℃、好ましくは60℃以下、最も好ましくは30℃以下であり、反応時間は一般に12から24時間である。 圧力は、大気圧から超臨界流体に関して一般に使用される圧力までであり、好ましい圧力は大気圧である。

    本発明をその好ましい特定の実施形態に関して説明したが、以上の説明および以下の実施例は本発明を例示することを意図したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。 本発明が属する技術分野の技術者には、本発明の範囲に含まれる他の態様、利点および変更が明白であろう。

    実験:
    「一般手順」Bruke−Avance上で Hおよび13 C NMRスペクトルを記録した( Hは400MHz、 13 Cは100MHz)。 NMRスペクトルはすべてCDCl 中で記録した。
    「材料」溶媒は、シグマ−オールドリッチ(Sigma-Aldrich)社から入手し、蒸留によって精製した。 他の試薬は市販品を購入し、または以下のように合成した:ポリ(炭酸プロピレン)、ポリ(炭酸ビスフェノールA)、ポリ(アジピン酸1、4−ブチレン)、塩化1−エチル−3−メチル−1−H−イミダゾリウム、エチレングリコール、ブタン−2,3−ジオンモノオキシム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ペンタフルオロベンズアルデヒド、およびメシチルジアミンはシグマ−オールドリッチ社から入手し、1,3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデンはアーデンゴ(Arduengo)他(1999)、四面体(Tetrahedron)55:14523の方法に従って合成し、N,N−ジフェニルイミダゾリン塩化物塩は、ワンズリック(Wanzlick)他(1961)、Angew.Chem. 73:493、ワンズリック他(1962)、Angew. Chem. 74:128、およびワンズリック他(1963)、Chem. Ber.96:3024の方法に従って合成し、1,3,5−トリベンジル−[1,3,5]トリアジナンは、前掲のアーデンゴ(Arduengo)他(1992)、J. Am.Chem. Soc. 114:5530の方法に従って合成した。

    単離カルベンを用いたポリ(炭酸プロピレン)(Mw=50,000)の解重合:トルエン(0.6ml)に溶解した1,3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン7mg(0.02mmol)を、トルエン(10ml)にポリ(炭酸プロピレン)0.5gを混合した攪拌混合物に、N 雰囲気で加えた。 室温で5分間攪拌した後、この反応混合物にメタノール2mlを加え、温度を80℃にした。 攪拌を3時間継続し、続いて溶媒を真空中で蒸発させた。 Hおよび13 C NMRスペクトルは、単一の単量体4−メチル−[1,3]−ジオキソラン−2−オンの存在を示した。 しかしGC−MSでは4つのピークが見られた。
    GC-MS:
    a) m/z (5%) 5.099分 = 106 (42)、103 (5)、91(100)、77 (8)、65 (8)、51 (8)
    b) m/z (5%) 5.219分 = 106 (60)、105 (30)、103(8)、91 (100)、77 (8)、65 (5)、51 (5)
    c) m/z (85%) 6.750分 = 102 (15)、87 (40)、58(20)、57 (100)。 主生成物。
    d) m/z (5%) 9.030分 = 136 (10)、135 (100)、134(70)、120 (85)、117 (8)、103 (5)、91 (14)、77 (10)、65 (5)。
    1 H NMR:1.4 (d, 3H)、3.9 (t, 1H)、4.5 (t, 1H)、4.8 (m, 1H)。
    13 CNMR: 18.96、70.42、73.43、154.88

    単離カルベンを用いたポリ(炭酸ビスフェノールA)(Mw=65,000)の解重合:トルエン(1ml)に溶解した1,3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン7mg(0.02mmol)を、トルエン(10ml)にポリ(炭酸ビスフェノールA)0.5gを混合した攪拌混合物に、N 雰囲気で加えた。 室温で5分間攪拌した後、この反応混合物にメタノール2mlを加えた。 温度を80℃にし、攪拌を18時間継続し、続いて溶媒を真空中で蒸発させた。 Hおよび13 C NMRスペクトルは、ビスフェノールAおよび炭酸4−[1−ヒドロキシフェニル−1−メチル−エチル]−フェニルエステル4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]フェニルエステルと同定された2つの化合物の存在を示した。 しかしGC−MSは4つのピークを指示した。
    GC-MS:
    a) m/z (5%) 5.107分 = 106 (40)、103 (5)、91(100)、77 (8)、65 (8)、51 (8)
    b) m/z (5%) 5.210分 = 106 (60)、105 (30)、103(8)、91 (100)、77 (8)、65 (5)、51 (5)
    c) m/z (60%) 14.301分 = 228 (30)、213 (100)、119(15)、91 (10)。 主生成物
    d) m/z (30%) 16.016分 = 495 (30)、333 (10)、319(20)、299 (5)、281 (5)、259 (25)、239 (38)、197 (40)、181 (12)、151 (12)、135 (100)、119(10)、91 (10)。
    1 H NMR:1.6〜1.8 (m)、2, 4 (s)、3.96 (s)、6.7〜6.8 (t)、7.0〜7.3 (m)。

    単離カルベンを用いたポリ(アジピン酸1,4−ブチレン)(Mw=12,000)の解重合:トルエン(1ml)に溶解した1,3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン0.006g(0.02mmol)を、トルエン(10ml)にポリ(アジピン酸1,4−ブチレン)1.0gを混合した攪拌混合物に、N 雰囲気で加えた。 室温で5分間攪拌した後、この反応混合物にメタノール2mlを加えた。 温度を80℃にし、攪拌を6時間継続し、続いて溶媒を真空中で蒸発させた。 Hおよび13 C NMRスペクトルは単一の生成物の存在を示し、GC−MSは2つの生成物を示した。
    GC-MS:
    a) m/z (95%) 5.099分 = 143 (80)、142 (20)、115(20)、114 (100)、111 (70)、101 (65)、87 (12)、83 (25)、82 (12)、74 (36)、73 (26)、69(10)、59 (72)、55 (60)。 主生成物。
    b) m/z (5%) 12.199分 = 201 (4)、161 (6)、143(100)、129 (32)、116 (12)、115 (25)、111 (70)、101 (12)、87 (10)、83 (15)、73 (34)、71(12)、59 (14)、55 (42)。
    1 H NMR:1.67 (m)、2.32 (s)、4.08 (s)。
    13 CNMR: 24.26、25.18、33.74、63.75、173.23

    in−situカルベンを用いたポリ(炭酸プロピレン)(Mw=50,000)の解重合:塩化1−エチル−3−メチル−1−H−イミダゾリウム7mg(0.047mmol)をテトラヒドロフラン(THF)に混合した混合物に、カリウムt−ブトキシド(t−BOK)4mg(0.038mmol)を、N 雰囲気で加えた。 30分間攪拌した後、反応混合物0.1mlを、ポリ(炭酸プロピレン)0.5gおよびTHF10mlの入ったフラスコに移した。 この反応混合物を室温で10分間攪拌し、続いてメタノール2mlを加えた。 室温での攪拌を3時間継続した。 溶媒を除去すると、 Hおよび13 C NMRスペクトルは、単一の生成物4−メチル−[1,3]−ジオキソラン−2−オンの存在を示した。 しかし溶媒を除去する前の未精製の反応混合物のGC−MSは6つの異なる化合物を示した。
    GC-MS:
    a) m/z (15%) 6.268分 = 119 (4)、90 (100)、75(4)、59 (25)。
    b) m/z (5%) 6.451分 = 104 (40)、103 (30)、90(5)、77 (5)、59 (100)、58 (10)、57 (10)。
    c) m/z (70%) 6.879分 = 102 (10)、87 (25)、58(14)、57 (100)。 主生成物。
    d) m/z (1%) 7.565分 = 103 (40)、89 (5)、59(100)、58 (5)、57 (8)。
    e) m/z (4%) 8.502分 = 207 (14)、133 (10)、103(35)、90 (10)、89 (10)、59 (100)、58 (12)、57 (14)。
    f) m/z (5%) 8.936分 = 148 (8)、118 (8)、117(15)、103 (20)、77 (60)、72 (8)、59 (100)、58 (5)、57 (5)。
    1 H NMR:1.4 (d, 3H)、3.9 (t, 1H)、4.5 (t, 1H)、4.8 (m, 1H)。
    13 CNMR: 18.96、70.42、73.43、154.88

    in−situカルベンを用いたポリ(炭酸ビスフェノールA)(Mw=65,000)の解重合:塩化1−エチル−3−メチル−1−H−イミダゾリウム7mg(0.047mmol)をTHF(1ml)に混合した混合物に、t−BOK4mg(0.038mmol)を、N 雰囲気で加えた。 30分間攪拌した後、反応混合物0.1mlを、ポリ(炭酸ビスフェノールA)0.5gおよびTHF10mlの入ったフラスコに移した。 この反応混合物を室温で10分間攪拌し、続いてメタノール2mlを加えた。 室温での攪拌を3時間継続した。 溶媒を真空中で除去すると、 Hおよび13 C NMRならびにGC−MSスペクトルは、単量体とオリゴマーの混合物を示し、主生成物はビスフェノールAであった。
    GC-MS:
    a) m/z (10%) 12.754分 = 212 (30)、198 (20)、197(100)、182 (10)、181 (10)、179 (10)、178 (10)、165 (8)、152 (8)、135 (10)、119 (12)、103(15)、91 (12)、77 (10)、65 (5)。
    b) m/z (5%) 13.674分 = 282 (5)、281 (10)、255(8)、229 (10)、228 (40)、214 (20)、213 (100)、208 (30)、197 (30)、191 (5)、181 (5)、179(5)、165 (10)、152 (8)、135 (25)、134 (25)、133 (5)、120 (5)、119 (50)、115 (10)、103(10)、99 (5)、97 (5)、96 (5)、91 (30)、79 (5)、77 (10)、65 (8)。
    c) m/z (35%) 14.286分 = 228 (34)、214 (20)、213(100)、197 (5)、165 (5)、135 (5)、119 (20)、107 (5)、91 (10)、77 (5)、65 (5)。 主生成物。
    d) m/z (35%) 15.189分 = 286 (20)、272 (15)、271(100)、227 (5)、212 (5)、197 (3)、183 (2)、169 (3)、133 (3)、119 (5)。
    e) m/z (10%) 15.983分 = 344 (20)、330 (20)、329(100)、285 (5)、269 (3)、226 (3)、211 (2)、183 (3)、165 (3)、153 (2)、133 (6)、121 (2)、91(2)、77 (1)、59 (3)。

    上記図式に基づくPETの解重合:t−BOK20mgおよびN,N−ジフェニル・イミダゾリン塩化物塩45mgをTHF2mlの入ったバイアル瓶に入れ、15分間攪拌した。 エチレングリコール(2.3g)およびPET(0.25g)(オールドリッチ(Aldrich)社から入手したペレットをCHCl およびトリフルオロ酢酸に溶解し、メタノールで沈殿させて白色の粉体にしたもの)を一緒にしてPETスラリーを形成した。 追加のTHF約5mlを用いて触媒をスラリーに加えた。 2時間後、溶液は透明度を増し、解重合混合物の諸成分の溶解が指示された。 この混合物を一晩攪拌し、翌日に完全に透明な溶液を得た。 THFを除去し、白色の固体225mgを得た。 H NMR、 13 C NMRおよびGC−MSはすべて、テレフタル酸ビス(ヒドロキシエチレン)と考えて矛盾はなかった。

    上記図式に基づくPETの解重合:1,3−ジメチルイミダゾールヨウ化物塩25mgおよびt−BOK11mgをTHF2mlの入ったバイアル瓶に入れ、15分間攪拌した。 メタノール(3.11g)およびPET(308mg。実施例6と同じもの)をTHF5mlと一緒にして、不溶性混合物を形成した。 触媒混合物をろ過してPET/メタノール混合物に加えた。 1時間後、透明度は顕著に増大した。 14時間後、この溶液は完全に均一かつ透明であった。 ロータリー・エバポレーションによって溶媒を除去して、白色の結晶性生成物(250mg)を得た。 H NMRはテレフタル酸ジメチルへ完全な転化を指示した。

    実施例6および7は、PETを調製するために使用される合成経路およびPETから得られる可能な解重合生成物を参照することによってより理解することができる。 それぞれの実施例で得たPETは、金属アルカノアートまたはカルシウム、亜鉛、マンガン、チタンなどの酢酸塩の存在下でのテレフタル酸ジメチル(DMT)および過剰のエチレングリコール(EG)の2ステップ・エステル交換プロセスに基づく合成によって調製されたものである。 最初のステップでは、テレフタル酸ビス(ヒドロキシエチレン)(BHET)を生成し、メタノールおよび過剰のEGを排除する。 このBHETを一般にエステル交換反応触媒の存在下で加熱して、高重合体を生成する。 このプロセスは一般に、ベント付き押出成形機(vented extruder)の中で実施されて、重縮合物(EG)が除去され、低粘度前駆物質から所望の熱成形された物体が生成される。 この反応は下の図式に従って起こる。

    化学的リサイクルの別の選択肢は、ベース単量体(DMTおよびEG)の再生、PETのグリコール分解によるBHETの再生、プロピレングリコールを用いてPETを分解し、その分解生成物を無水マレイン酸と反応させて繊維強化複合材向けの「不飽和ポリエステル」を形成すること、およびグリコールを用いて分解し、続いてジカルボン酸と反応させてウレタン・フォームおよびエラストマー向けのポリオールを生成することである。

    実施例7では、PET粉末をTHF/メタノール溶媒混合物に混合してスラリーとした。 in situで生成したN−複素環状カルベン(3〜5mol%)を加えると、約3時間以内にPETは溶解した。 分解生成物の分析は、PETの量的な消費およびエステル交換によるEGおよびDMTへの解重合を指示した。 DMTは再結晶化によって容易に回収され、EGは蒸留によって回収することができる(図1)。 あるいは、実施例6で確立されたように、EGをTHFスラリーのアルコール(〜50から200mol%過剰)として使用した場合、解重合生成物は、最も望ましく従来の方法によってPETに直接にリサイクルできるBHETである(図2)。 置換基の性質が、触媒安定性および様々な基質への活性度に対する顕著な効果を有するので、このN−複素環状カルベン触媒プラットホームは極めて強力である。

    実施例6および7のPET解重合反応を以下に概略的に示す。

    以下の実施例8〜11では、下の図式に示す新しいカルベン前駆物質の合成を説明する。

    ヨウ化3−ベンジル−1−メトキシ−4,5−ジメチルイミダゾリウム(2):CHCl 約20mlに溶解したイミダゾール−N−オキシド1(1.0g、4.9mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(0.5ml、7.8mmol)を注射器で加えた(化合物1は、1,3,5−トリベンジル−[1,3,5]トリアジナンおよびブタン−2,3−ジオンモノオキシムから前掲のアーデンゴ(Arduengo)他(1992)の手順を使用して調製したものである)。 得られた混合物を室温で一晩攪拌した。 揮発性物質を真空で除去すると適当な純度の濃い黄色の油が得られた。 収量は未決定である。
    1 H-NMR(δ, CDCl 3 ): 10.32 (s, 1H, N-CH-N); 7.39 (m, 5H, C 6 H 5 );5.56 (s, 2H, NCH 2 ); 4.38 (s, 3H, OCH 3 ); 2.27 (s, 3H, CH 3 );2.20 (s, 3H, CH 3 )。

    ヘキサフルオロリン酸3−ベンジル−1−メトキシ−4,5−ジメチルイミダゾリウム(3):未精製のヨウ化物2を脱イオン(DI)水にとり、それによって少量の暗色の不溶性残留物から生成物を分離した。 この水溶液を第2のフラスコにデカントし、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(950mg、約5.8mmol)をDI水10mlに溶解した溶液を数回に分けて加えた。 この添加の間に油が分離し、上澄液をデカントして除去した。 この油を低温(0℃)中で砕き、続いてメタノール中で再結晶させた。
    収率: 1.3g (1から73%)。 1 H-NMR (δ,CDCl 3 ): 8.67 (s, 1H, N-CH-N); 7.39 (m, 3H, C 6 H 5 );7.29 (d, 2H, C 6 H 5 ); 5.24 (s, 2H, NCH 2 ); 4.21(s, 3H, OCH 3 ); 2.27 (s, 3H, CH 3 ); 2.17 (s, 3H, CH 3 )。

    臭化1−ベンジルオキシ−3−ベンジル−4,5−ジメチルイミダゾリウム(4):乾燥ベンゼンに懸濁させた1(1.0g、5.0mmol)の還流懸濁液に、臭化ベンジル(1.2ml、約10mmol)を注射器で加えた。 6時間還流し室温に冷却すると、暗オレンジ色の油が分離した。 上澄みをデカントして除き、残った油を真空下で一晩乾燥させた。 これによって生成物は固化した。 この固体塊をペンタンの中で砕き、ろ過し、真空乾燥した。 収率: 1.34g (63%)。 1 H-NMR (δ, CDCl 3 ): 11.04 (s, 1H,N-CH-N); 7.6〜7.2 (ov.m, 10H, 2×C 6 H 5 ); 5.59、5.58 (s+s,N-CH 2 , O-CH 2 ); 2.09、1.94 (s, 3H, CH 3 , CH 3 )。 13 C-NMR(δ, CDCl 3 ): 132.8 (OCH 2 - i C 6 H 5 );132.5 (NCN); 131.5 (NCH 2 - i C 6 H 5 );130.6、130.3、129.2、129.0、129.0、128.9、128.0 ( omp C 6 H 5 );124.8; 124.1 (NCCN); 83.9 (OCH 2 ); 51.2 (NCH 2 ); 8.89 (CH 3 );7.11 (CH 3 )。

    ヘキサフルオロリン酸3−ベンジル−1−ベンジルオキシ−4,5−ジメチルイミダゾリウム(5):未精製の(まだ真空乾燥前の油である)臭化物4のバッチをDI水に溶解し、ヘキサンで抽出した。 水性層を分離し、絶えず攪拌しながら、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(約1.3当量)溶液を1滴ずつ加えた。 フラスコの壁に付着した黄色の油を温メタノールに溶解し、ヘキサンを数滴加えた。 室温まで冷却すると、純粋な5のオフホワイト結晶が得られた。 これをペンタンで洗浄し、真空乾燥した。 収率: (1から82%)。 1 H-NMR (δ, CDCl 3 ): 8.42 (s, 1H,N-CH-N); 7.45〜7.35、7.18 (ov.m, C 6 H 5 ); 5.31、5.20 (s+s,N-CH 2 , O-CH 2 ); 2.13 (s, 3H, CH 3 ); 2.05 (s, 3H,CH 3 )。

    ビス(1−ベンジルオキシ−3−ベンジル−4,5−ジメチルイミダゾリデン)銀(I)ジブロモ銀塩(6):カルベン前駆物質6を以下のように調製した:酸化銀(128mg、0.55mmol)と臭化イミダゾリウム4(396mg、1.06mmol)の混合物を乾燥CH Cl にとり、室温で90分間攪拌した。 この暗オレンジ色の懸濁液をセライトのパッドでろ過し、蒸発乾固させてオレンジ色の粉末を得た。 THFからの結晶化によって白色の粉末を得た(2クロップ)。 収率: 291mg (57%)。 1 H-NMR (δ, CD 2 Cl 2 ):7.47〜7.32 (ov.m, 10H, 2×C 6 H 5 ); 5.23、5.22 (s+s, NCH 2 ,OCH 2 ); 2.01、1.95 (s, 3H+3H, CH 3 , CH 3 )。 13 C-NMR(δ, CD 2 Cl 2 ): 136.2 (NCN); 133.3 (OCH 2 - i C 6 H 5 );130.8 (NCH 2 - i C 6 H 5 ); 130.7、130.0;129.3、129.3、128.5、127.1、123.9 ( omp C 6 H 5 +NCCN);82.6 (OCH 2 ); 54.0 (NCH 2 ); 9.4 (CH 3 ); 7.8 (CH 3 )。 元素分析:実測値: C, 47.56; H, 4.26; N, 5.79%。 C 38 H 40 Ag 2 Br 2 N 4 O 2の計算値:C, 47.53; H, 4.20; N, 5.83%。

    実施例13および14では、以下の図式に示すN,N−ジアリール置換ジアミンからの追加のカルベン前駆物質の調製を説明する。

    カルベン前駆物質7(2−ペンタフルオロフェニル−1,3−ジフェニル−イミダゾリジン)の合成:N,N'−ジフェニル−エタン−1,2−ジアミン200mg(0.94mmol、FW=212.12)をバイアル瓶に入れ、CH Cl 5mlに溶解した。 触媒量のp−トルエンスルホン酸およびNa SO 50mgを加え、続いてペンタフルオロベンズアルデヒド230mg(0.94mmol、FW=196.07)を加えた。 この混合物を8時間攪拌した。 Na SO をろ別し、減圧下で溶媒を除去して、明褐色の粉末395mg(FW=436.2)、収率96%を得た。 1 H NMR: (400MHz, CDCl 3 , 25℃)δ = 3.7〜3.9 (m, 2H)、3.9〜4.1 (m, 2H)、6.5 (s, 1H)、6.7〜6.8 (m, 2H)、6.8〜6.9 (m, 1H)、7.2〜7.5(m, 2H)。 19 F NMR: δ = -143.2 (s br, 2F)、-153.7〜-153.8 (m, 1F)、161.7〜-161.8(m, 2F)。

    カルベン前駆物質8(2−ペンタフルオロフェニル−1,3−ビス−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−イミダゾリジン)の合成:メシチルジアミン(512mg、1.7mmol)を、ペンタフルオロベンズアルデヒド(340mg、1.7mmol)の入った攪拌棒付きのバイアル瓶に入れた。 氷酢酸(5ml)を加え、反応物を室温で24時間攪拌した。 酢酸を減圧除去し、生成物を冷メタノールで数回洗浄して、生成物を白色の結晶性固体(543mg、65%)として得た。 1 H NMR: (400MHz, CDCl 3 , 25℃)δ: 2.2 (s, 12H)、2.3 (s, 6H)、3.5〜3.6 (m, 2H)、3.9〜3.4 (m, 2H)、6.4 (s, 1H)、6.9 (s,4H)。 19 F NMR: -136.3〜-136.4 (m, 1F)、-148.6〜-148.7 (m, 1F)、-155.8〜-155.9(m, 1F)、-163.0〜-163.3 (m, 2F)。

    実施例7で検討した、N−複素環状カルベン触媒を使用した過剰なメタノールの存在下でのPETの有機触媒解重合を示す図である。

    実施例6で検討した、N−複素環状カルベン触媒を使用したエチレングリコールの存在下でのPETの有機触媒解重合を示す図である。

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