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申请号 JP22244895 申请日 1995-07-28 公开(公告)号 JP2775239B2 公开(公告)日 1998-07-16
申请人 エフ エム シー コーポレーション; 发明人 ROBAATO CHAARUZU MORISON; RANDEI UINFURETSUDO HOORU; BOBU TOROI DOOBAA; KONRADO UIRIAMU KAMINSUKII; JON FURANSHISU ENJERU;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 式RLi(式中、Rは炭素数1−20のアルキル基である)のアルキルリチウム化合物とクロロシランとを反応させることによってクロロシランをアルキル化する接触反応方法であって、該反応を炭化水素溶媒中 にて、アルコール、モノ−又はビス−ヒドロカルビ
    ルアミン、モノ−又はビス−ヒドロカルビルホスフィ
    ン、金属アルコキシド、金属アルキルアミド、金属アル
    キルイミド、金属アルキルホスフィド及び金属アルキル
    スルフィドからなる群から選ばれた触媒化合物の存在下
    に行うことを特徴とする接触アルキル化方法。
  • 【請求項2】 クロロシランが式R x SiCl y
    z (式中、Rは炭素数1−20のアルキル基であり、x
    及びzは0−3の値を独立に有し、yは0−4の値を有する)の化合物から選ばれる請求項1の方法。
  • 【請求項3】 式R x SiCl yzの化合物が式Si
    Cl 4 、SiHCl 3 、SiH 2 Cl 2 、RSiC
    3 、RSiHCl 2 、R 2 SiCl 2及びR 3 SiC
    lの化合物から選ばれる請求項2の方法。
  • 【請求項4】 アルコールがメタノール、エタノール、
    イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、
    sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ
    ール、2−メチルペンタノール、2−エチルヘキサノー
    ル、シクロヘキサノール、エチレングリコール及びジエ
    チレングリコール及びそれらのモノエステル、グリセロ
    ール、ベンジルアルコール、フェノール及びチオフェノ
    ールよりなる群から選ばれる請求項1の方法。
  • 【請求項5】 モノ−又はビス−ヒドロカルビルアミン
    がメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、se
    c−ブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ
    エチルアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン及
    びイソプロピルシクロヘキシルアミンよりなる群から選
    ばれる請求項1の方法。
  • 【請求項6】 金属アルコキシドがリチウムエトキシ
    ド、リチウムイソプロポキシド、リチウム2−メチルペ
    ンチロキシド、リチウムn−オクチロキシド、リチウム
    シクロヘキシロキシド、リチウムn−ヘキシロキシド及
    びリチウムベンジロキシドよりなる群から選ばれる請求
    項1の方法。
  • 【請求項7】 金属アルコキシドが式RLi(式中、R
    は炭素数1−20の アルキル基である)のアルキルリチ
    ウムとアルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸、カ
    ルボン酸無水物及びエーテルよりなる群から選ばれた炭
    素数1−20の有機化合物との反応によってその場に生
    成する請求項6の方法。
  • 【請求項8】 有機化合物がアセトアルデヒド、ベンズ
    アルデヒド、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
    ン、酢酸エチル、安息香酸エチル、酢酸及び安息香酸よ
    りなる群から選ばれる請求項7の方法。
  • 【請求項9】 金属モノ−又はビス−ヒドロカルビルア
    ミドがリチウムn−ヘキシルアミド、リチウムジイソプ
    ロピルアミド、リチウム2−エチルヘキシルアミド、リ
    チウムビス−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジイ
    ソブチルアミド及びリチウムヘキサメチルジシラザンよ
    りなる群から選ばれる請求項1の方法。
  • 【請求項10】 触媒化合物がアルキルリチウムの量に
    基づいて0.01−10モル%に亘る量で存在する請求
    項1の方法。
  • 【請求項11】 触媒化合物がアルキルリチウムの量に
    基づいて0.1−3モル%に亘る量で存在する請求項1
    の方法。
  • 【請求項12】 反応を−76及び50℃の間の温度に
    維持して行う請求項1の方法。
  • 【請求項13】 反応を20及び40℃の間の温度に維
    持して行う請求項1の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は半金属基質の接触アルキル化によってアルキル化した有機半金属化合物、特に有機シランを高収率で生産する方法に関する。 アルキル化したクロロシラン類は有機合成反応において種々の用途を有する。 抗生物質、カルバペネム類、プロスタグラジン類等の薬物の製造におけるt−ブチルジメチルクロロシランの保護剤、特にOH−プロテクターとしての使用は周知である。

    【0002】t−ブチルマグネシウムクロライドとジクロロメチルシランとの反応はM. タカミザワらによって米国特許第4593112号明細書に開示され、70%
    の収率でt−ブチルクロロシランを得ている。 後者の生成物をメチルマグネシウムクロライドで処理してt−ブチルジメチルシラン(98%)とし、これを塩素化して85%の収率でt−ブチルジメチルクロロシランを得る。 この多段工程反応の総括収率は低い(58%)。

    【0003】THF中シアン化銅(I)の存在下にt−
    ブチルマグネシウムクロライドとジメチルジクロロシランとを反応させて74%の収率でt−ブチルジメチルクロロシランを得ることがA. シラハタ、Tetrahe
    dron Letters,30(46),6393−
    6394(1989)に開示されている。 この収率は低く、高価な溶媒が用いられている。

    【0004】イソプロピルマグネシウムクロライドとトリメチルクロロシランとの反応によってイソプロピルトリメチルシランを与える反応(収率は記載されていない)がA. シラハタによって米国特許第4818474
    号明細書に開示されている。 このイソプロピルトリメチルシランの塩素化はα−クロロ−α,α−ジメチルトリメチルシランへの転位を引き起こす(収率は与えられていない)。 後者の化合物を塩化アルミニウムで処理することによって目的とするt−ブチルジメチルクロロシランが得られた。 この場合も低い総括収率での多段工程反応であることが明らかである(高価な溶媒)。

    【0005】本発明は炭化素溶媒中での一定の触媒もしくはプロト触媒(protocatalysts)の存在下に、炭化水素溶媒中で半金属基質をアルキル化することによってアルキル化した半金属化合物を高収率で生産する方法を提供する。 これらの方法はイソプロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル基等の嵩高いか高度に封鎖された(hindered)アルキル基が関与するアルキル化に特に有用である。

    【0006】アルキルリチウム化合物を用いるアルキル−ハロゲン交換によってアルキル化される半金属基質はクロロシラン類である。 これらの反応は次の反応経路によって例示することができる。

    【化1】

    ここでRはアルキル基であり、R

    、R

    及びR

    は水素、ハロゲン及び種々の炭素含有化合物から独立に選ばれる。

    【0007】本発明の1つの面はアルキルリチウム化合物とクロロシランもしくはアルキル置換したクロロシランとを、反応体または反応混合物それ自体に加えた少量の一定の有機物質の存在下で反応させて、アルキル化したクロロシランを生産するための改良された方法を提供する。 これらの有機物質は反応を大巾に促進し、2分〜
    7時間の時間内に約95%の程度でより完結した反応をもたらす。 この反応は炭化水素溶媒中で行われる。 これらの有機物質は触媒、またはプロト触媒、すなわち本発明の反応体のいずれかと反応して触媒に変わる物質と呼ぶことができる。 これらがどう呼ばれようと、これらの有機物質はより短い時間内でのより完全な反応をもたらし、また驚くべきほどに減少した副反応による不純物しかもたらさない。

    【0008】本発明で触媒化合物はアルコール、モノ−
    又はビス−ヒドロカルビルアミン、モノ−又はビス−ヒ
    ドロカルビルホスフィン、金属アルコキシド、金属アル
    キルアミド、金属アルキルイミド、金属アルキルホスフ
    ィド及び金属アルキルスルフィドから選ばれる。

    【0009】 アルコールは炭素数1−10の1価、2価もしくは多価の1級及び2級アルコールであることができ、限定される訳ではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−、イソ及びsec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−メチルペンタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール及びジエチレングリコール及びそれらのモノエステル、グリセロール、ベンジルアルコール、フェノール、チオフェノール等を包含する。 3級アルコール、例えばt−ブタノール、2,3−
    ジメチル−2−ブタノールはより小さな触媒活性しか有さないようである。 これらのアルコール中、C 1 〜C 8
    の非3級アルカノール、例えばイソプロパノール、イソ及びsec−ブタノール、2−メチルペンタノール、2
    −エチルヘキサノール及びシクロヘキサノールが好ましい。

    【0010】 モノ−及びビス−ヒドロカルビルアミン類
    としては炭素数1−8のものがあり、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、sec−ブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジエチルアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン及びイソプロピルシクロヘキシルアミンが挙げられる。

    【0011】 金属アルコキシド、金属アルキルアミド及びイミド、金属アルキルホスフィド及び金属アルキルスルフィドも好ましく用いられる。

    【0012】 金属アルコキシド触媒はアルキルリチウム化合物と種々の酸素含有有機化合物、例えばアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸及びその無水物、等との反応によって生成させることができる。

    【0013】有用な金属アルコキシドは、限定される訳ではないが、リチウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムベンジロキシド、リチウムn−オクチロキシド、リチウムシクロヘキシロキシド、リチウムn
    −ヘキシロキシド、リチウム2−メチルペンチロキシド、ナトリウムイソプロポキシド、マグネシウム2−メチルペンチロキシド、亜鉛イソプロポキシド、カリウムt−アミロキシド、リチウムトリメチルシラノラート等、及びアルキルリチウム化合物と酸素との反応によって形成される金属アルコキシドを包含する。 有機リチウム試薬と相互作用する金属アルコキシド、例えばマグネシウム、亜鉛及びカルシウムアルコキシドも有用である。 もっとも好ましいのはリチウムアルコキシドである。

    【0014】有機リチウム化合物と種々の窒素含有有機化合物、例えばモノ及びジアルキルアミン、ニトリル、
    カルバナート、イミン、シラザン等との反応によって生成する式(II)の金属モノ及びビスヒドロカルビルアミド及びイミド化合物も包含される。 金属アミドの例はリチウムn−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2−エチルヘキシルアミド、リチウムビス−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジイソブチルアミド及びリチウムヘキサメチルジシラザンよりなる群から選ばれる金属アミドである。

    【0015】 金属モノ及びビスヒドロメルビルホスフィド触媒は有機リチウム化合物とモノ及びジアルキルホスフィンをはじめとする種々のリン含有有機化合物との反応によって生成する。 金属ヒドロカルビルスルフィド触媒は有機リチウム化合物とモノ及びジスルフィド及びチオールをはじめとする種々のイオウ含有有機化合物との反応によって生成する。 触媒混合物を用いて良好な成果を挙げることができる。

    【0016】 t−ブチルジメチルクロロシランの製造において触媒としてリチウムイソプロポキシドを利用する実施において、t−ブチルジメチルイソプロポキシシランが生成することが見出された。 この後者の化合物もt
    −ブチルジメチルクロロシランの生成を促進する触媒として機能することが見出された(表1参照)。

    【0017】アルキルリチウムに対しエーテルの化学量論量もしくはそれより大なる量の使用がクロロシラン類をはじめとするいくつかの異なる基質に対するアルキルリチウムの反応性を実質上高めることが知られているが、触媒量の、すなわちアルキルリチウムの1モルあたり0.05モルより少ない程度の使用は知られていない。 これらのエーテルの存在が反応に与える速度の向上は全く予期せざることである。 アルキルリチウムに対しTHF、n−オクチルエーテル等のエーテルの1モル%
    という少量の使用で200倍という高い向上率が得られた(表1参照)。 他方、かかる反応におけるこれらのエーテルの化学量論量もしくはそれより大なる量の使用が目的とする生成物の収率を劇的に減少させることが見い出された(表2参照)。 従ってエーテルのかかる量はさけるべきである。

    【0018】c. 例えば環状及び非環状3級アミン等のトリスヒドロキシカルビルアミン類、具体的にはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N,
    N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、N
    −メチルアニリン等。 同様な3級ホスフィンも有用である。

    【0019】 本発明を実施するのに有用な化合物はアルキルリチウムと反応して金属アルコキシドを生成できる有機化合物であり、かかる化合物としてアルコール;アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド;アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン;
    酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル;及び酢酸、
    安息香酸等のカルボン酸が挙げられる。 これらの中で好ましいのはC 1 〜C 8アルキルのアルデヒド、ケトン、
    エステル及びカルボン酸である。 ベンゾニトリル、アセトニトリル、ヘキサンニトリル、N−メチルアセタミド等の有機化合物も有用である。

    【0020】本発明の触媒化合物(触媒前駆体を含む)
    はアルキルリチウム化合物と無機化合物との反応によっても生成される。 例えば、水は、水和した形態でも、反応して触媒を生成する。 二酸化炭素、酸素等の空気成分も反応して触媒または触媒前駆体として機能する化合物を生成する。 これらの触媒またはプロト触媒は上述したタイプの有機化合物のいくつかより活性が小さい(表1
    参照)。

    【0021】有機半金属化合物を生産するのに用いられる触媒及び/または触媒前駆体は種々の方法で用いることができる。 例えば、アルコール、金属アルコキシド、
    エーテル、シリルエーテル等の触媒または触媒前駆体は以下のように加えることができる: (a)反応混合物に直接、(b)アルキルリチウム試薬に、または(c)クロロシラン試薬に。 アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、カルボン酸及びカルボン酸無水物、及び他の有機化合物をアルキルリチウム化合物と反応させて式IIの金属アルコキシドを生成させ、
    得られる金属アルコキシドを反応系に加えてもよいし、
    これらの有機化合物をその場でアルキルリチウムと反応させてもよい。

    【0022】本発明の方法に有用な溶媒としては炭素数4−8の飽和脂肪族炭化水素、炭素数6−9の飽和脂環式炭化水素、炭素数6−9の芳香族炭化水素等の液状炭化水素が好ましく、具体的には、限定されないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クメン、
    トリエン等が挙げられる。

    【0023】すべての反応は不活性雰囲気下で行わなければならない。 望まれる場合にはより高いかより低い圧を用いることも可能であるが、反応は大気圧下で行うのが好都合であり、好ましい。 もっともより高い圧力下では溶媒としてプロパンやブタンを使用できる。 反応温度は0−50℃に亘ることができ、好ましくは20−4
    0℃の範囲である。 この好ましい温度範囲は反応中に生じる不純物の量を制御するのに役立つ。 本発明の触媒及びプロト触媒を用いる場合には、反応は十分に発熱的なので、触媒不使用の反応では通常必要とされる熱の供給は不要である。

    【0024】炭化水素溶媒反応媒体中で用いる触媒のモルパーセントは、用いるもしくは生成するアルキルリチウムに基づいて、一般に0.01−10モル%、好ましくは0.02−3.0モル%の範囲であり、約1モル%
    がもっとも好ましい。 この低いパーセンテージの使用においては、触媒の金属誘導体とクロロシランとの反応によって生じる副生物が目的とする最終生産物中に殆どもしくは全く見られないので、最終生産物の回収及び精製上有利である。

    【0025】表1に示される如く、半金属基質のアルキル化に触媒作用を及ぼすのに好ましい触媒または触媒前駆体は脂肪族1級及び2級アルコール、それらの金属アルコキシド、及び脂肪族エーテルである(式I、I
    I)。 しかしながら、目的とする反応速度、目的産物に関連した沸点範囲、またはいくつかの他の因子に基づいて、表からある物質を選択することができる。 例えば、
    t−ブチルジメチルクロロシランの製造に際して好ましい物質は2−メチル−1−ペンタノール(2−MPO
    H)であり、このものは20−40℃で適度に速い反応速度を与える。 さらに、この2−MPOHは、析出したt−ブチル−ジメチルクロロシランからの蒸留によって精製に干渉しない副生物シリルエーテルを生成する。

    【0026】反応体の相互比率は化学量論量にかなり近くすることができ、一般的には必要とされるアルキルリチウムに対しクロロシランの約3モル%以下の過剰とすればよい。 これは触媒を使用しない反応において必要とされる5モル%と比較し得る。 反応生産物の総括濃度は望まれるほど高くできるが、一般的には約1−2モル濃度の程度である。

    【0027】本発明の触媒または触媒前駆体のいくつかは、半金属基質との反応速度を、該プロセスがバッチ反応器のみならず連続反応器によっても行える程度にまで、促進する(表1参照)。 本発明の好ましい触媒を用いて得られる生産物の収率は一般に少なくとも90%以上であり、嵩高いアルキルリチウム化合物とクロロシランとを反応させる場合には90−100%である。 さらに、後者の場合の反応の生産物の蒸留による回収率もより高い(90−100%)。 これは生成する不純物(副生物)がより少なく、必要とされるクロロシラン反応体がより少ないからである。 蒸留された生産物の純度は9
    9%以上(99+%)である。

    【0028】本発明の方法において有用なシランは単純なクロロシランSiCl 4−x (式中、xは1−4
    の整数である)、例えばSiCl 、SiClH 、S
    iCl 等、アルキルクロロシランR SiCl
    及び混合タイプR SiCl (式中、Rは炭素数1−4の低級アルキル基であるが好ましくはメチル及びエチルであり、xは1−3の値を有し、y及びzは各々1もしくは2の値を有し、y+zは2もしくは3に等しく、x+y+zはケイ素の原子価に等しい)、例えばR
    SiCl 、R SiCl 、R SiCl、R Si
    ClHであることができる。

    【0029】有機半金属基質との反応において有用な有機リチウム化合物は式RLi(式中、Rは炭素数3−1
    2のアルキル基である)を有し、具体的には、限定されないが、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ネオペンチルリチウム、2−エチルヘキシルリチウム、n−ヘキシルリチウム、n−オクチルリチウム、イソプロピルリチウム等を包含する。 好ましくは、アルキルリチウム化合物は炭素数3−6を有し、もっとも好ましくはイソプロピルリチウム、tert−ブチルリチウム、イソブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムから選ばれる。

    【0030】本発明方法によって生産される最終生成物は、限定されないが、式R SiCl 、(R
    i(Cl) 、RR SiCl 、R SiCl、
    Si、R SiH 、RR SiClH、(R
    SiClH等(式中、Rは炭素数1−4を有し、
    は炭素数3−12を有する)によって表わされる化合物を包含する。 本発明によって製造し得る化合物は、
    限定されないが、t−ブチルジメチルクロロシラン、メチルトリ−n−オクチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、メチル−tert
    −ブチルクロロシラン等の化合物を包含する。 圧力や攪拌の特別の条件は本発明方法を実施するのに必要とされない。 すべての反応は不活性雰囲気下で行うべきである。

    【0031】以下の実施例は本発明をさらに説明する。
    他に注記がない場合には、温度はセ氏度であり、反応は、清潔で注意深く乾燥した器具を用いて、大気圧下及びアルゴン雰囲気下で行った。 転換の反応速度は単純ガスクロマトグラフ分析(sinply gas chr
    omatographic analysis)と称せられるガス−液体クロマトグラフィー(GLC)分析によって少量の反応混合物試料を分析することによって監視した。

    【0032】実施例1 触媒としてイソプロパノールを用いるt−ブチルジメチルクロロシランの合成 還流冷却器、反応器に液体物質を添加するための添加漏斗、温度指示器、及び反応体(reaction ma
    ss)を攪拌するための手段を装備した反応器にペンタン中16wt%としてのt−ブチルリチウム0.815
    モルをアルゴン雰囲気下で入れた。 添加漏斗にイソプロピルアルコール0.52g(0.0086モル)を入れ、これをペンタン25mlでさらに希釈した。 添加漏斗中の混合物を反応器中のt−ブチルリチウム溶液に滴下した。 温度は21℃から24.2℃に上昇した。 次いで、ジメチルジクロロシラン(DMDCS)107.8
    g(0.815モル)を添加漏斗に入れ、ペンタン11
    0mlで希釈した。 反応混合物(reaction m
    ass)の温度を34℃に上げ、添加漏斗中の混合物を反応混合物に徐々に加えた(滴下)。

    【0033】反応混合物を再び加熱して反応温度35.
    2℃としたが、この加熱以後外部からの加熱は不必要であった。 シランの徐々の添加は合計経過時間1時間55
    分後に終了したが、この時点で反応温度は36.6℃であった。 攪拌しながら反応を続け、時折り試料を取り出してガスクロマトグラフ(GC)分析に付した。 DMD
    CS添加開始から3時間25分後に温度は最高の37.
    8℃になった。 次の3時間に亘って温度は徐々に低下して30.9℃になった。 反応混合物(thereact
    ion)を緩やかにした攪拌下に一夜放置したところ温度は23℃であり、試料を取ってGC分析に付した。 温度23℃でさらに4時間50分攪拌を続け、ついで試料を取ってGC分析に付した。

    【0034】反応混合物をガラスフィルター漏斗に移し、濾過して澄明な溶液を得た。 固体の濾過残渣をペンタン30mlずつで3回洗浄した。 洗液を主濾液と合して合計重量460.1gの溶液を得た。 この最終生産物溶液の分別蒸留によって合計で114.6g(0.76
    モル)のt−ブチルジメチルクロロシランを得た。 回収収率は用いたt−ブチルリチウムに基づいて94.3%
    であり、生産物の純度は99.65%であった。 ガスクロマトグラフ分析によるとジメチルジクロロシランのt
    −ブチルジメチルクロロシラン(TBDMCS)への変換率は4時間後で90%であり、6時間後で100%であった。

    【0035】実施例2 触媒イソプロパノール逆添加(inverse add
    ition)を採用するt−ブチルジメチルクロロシランの合成 実施例1の反応器よりやや大きいが、同様に装備した反応器に(アルゴン下に)DMDCS 101.6g
    (0.788モル)を入れ、ペンタン110mlで希釈した。 予め調製したペンタン中リチウムイソプロポキシド(75m当量)の溶液をペンタン中のt−ブチルリチウム290.8g(0.741モル)(16.3wt
    %)に加えた。 ついでt−ブチルリチウム−リチウムイソプロポキシド混合物を添加漏斗に入れた。 反応器の内容物を34℃に加熱し、添加漏斗の内容物の徐々の滴下を開始した。 反応中反応混合物を連続攪拌した。 38分後に反応混合物温度は41.8℃に達し、外部加熱を終了した。 t−ブチルリチウム−リチウムイソプロポキシド混合物の添加は合計で3時間10分続けた。 攪拌下に反応をさらに24時間5分続けたが、その間に反応混合物温度は室温(23.4℃)に低下した。 時折り試料を取ってGC分析に付すことによって反応を監視した。

    【0036】反応混合物をガラスフィルター漏斗に移して濾過した。 固体濾過残渣をペンタン60mlずつで3
    回洗浄し、主濾液に合した。 15分で合計509.6g
    の澄明な溶液が得られた。 濾液の分別蒸留によって合計106.2g(0.705モル)のt−ブチルジメチルクロロシランを得た。 回収収率は用いたt−ブチルリチウムに基づいて95.1%であり、蒸留した生産物の純度は99.1%であった。 ガスクロマトグラフ分析によるとジメチルジクロロシランのt−ブチルジメチルクロロシランへの変換率は3時間後で90%であり、5時間後で100%であった。

    【0037】実施例3 触媒スクリーニング手順 この触媒スクリーニングまたは評価手順は触媒を用いないt−ブチルジメチルクロロシラン合成を行うことを含んでいた。 ジクロロジメチルシランからt−ブチルジメチルクロロシランへの変換速度をGLC分析により求めるために反応混合物から試料を同期的に採取した。 分析後、各試料に少量の(通常t−ブチルリチウムに基づき1−3モル%の)可能性のある触媒または触媒前駆体を加えた。 触媒不使用反応に対する相対変換速度を求めるため、これらの試料もGLCによって周期的に分析した。 このようにして、通常4つまたは5つの候補触媒化合物を1日に評価できた。

    【0038】実施例1の反応器に比べわずかに小さいが同様に装備した反応器にペンタン中の12.7wt%
    t−ブチルリチウム50ml(0.066モル)及びジクロロジメチルシラン9.6g(0.074モル)を入れた。 反応中反応体を連続攪拌したが加熱はしなかった。 25分後、反応混合物2mlを、予め乾燥し、アルゴンパージした、ゴム隔膜でふたをした5ml血清びんに、注射器によって、移した。 GLC分析のためびんから1μlの溶液を取り出し、ついでびんの内容物にマイクロリッター注射器によって潜在的触媒(0.07ミリモル水)を加えた。 血清びんの内容物をGLCによって時々分析して変換速度に対する添加物の影響を求めた。
    種々の炭化水素溶媒反応媒体及び候補触媒もしくはプロト触媒を用いてこの操作を何度も繰り返した。 各反応をGLCによって監視し、触媒を使用しない反応と比較した。

    【0039】触媒スクリーニングの結果は非触媒反応に対する相対変換速度として計算した。 これらのデータ及び評価した化合物を表1に示す。

    【0040】比較例 A. 触媒を用いないt−ブチルジメチルクロロシラン合成 触媒を用いない比較実験も行った。 実施例1の反応器と同様に装備した反応器に(アルゴン下)DMDCS 5
    4.9g(0.425モル)及びペンタン75mlを入れた。 ついで、ペンタン中t−ブチルリチウムの20.
    7wt%溶液124.8g(0.403モル)を添加漏斗に入れた。 反応器の内容物を36℃に予め加熱し、t
    −ブチルリチウムの徐々の添加を開始した。 反応温度を38と41℃の間に維持するため加熱をさらに7時間続けた。 反応中は反応混合物を連続的に攪拌した。 t−ブチルリチウムの添加は2時間23分で終了した。 さらに141時間攪拌下加熱することなく反応を続けた。 時々試料を取ってGC分析に付すことにより反応を監視した。

    【0041】反応混合物をガラス濾過漏斗に移し、濾過した。 固体濾過残渣をペンタン100mlずつで2回洗浄した。 GLC分析はt−ブチルジメチルクロロシランの95.6%収率を示した。 ガスクロマトグラフ分析によるとジメチルジクロロシランのt−ブチルジメチルクロロシランへの変換率は70時間で90%であり、14
    8時間で100%であった。

    【0042】B−D. 大量のエーテルを用いるt−ブチルジメチルクロロシラン合成 大量(エーテル/t−ブチルリチウム モル比範囲=1
    −3.6)のエーテルを用いることを除き、実施例5を数回繰り返した。 用いた試薬及び結果を表2に示す。 各実験における濾過残渣は収率低下の原因となるケイ素ポリマーを含有していた。 かくの如く、化学量論量以上のエーテルの使用はTBSCLの収率を大巾に低下させ、
    他方、触媒量のエーテルの使用は予期せざることにより高い収率をもたらし、また反応を大巾に促進した。

    【0043】E. 触媒を用いないt−ブチルトリクロロシラン合成 触媒を用いないt−ブチルトリクロロシランの比較合成を行った。 実施例1の反応器と同様に装備した反応器に(アルゴン下)四塩化ケイ素181.98g(1.07
    モル)及びヘキサン200mlを入れた。 ついで、添加漏斗にペンタン中t−ブチルリチウムの20.3wt%
    溶液328g(1.04モル)を入れた。 反応器の攪拌した内容物にt−ブチルリチウム75mlを加えることにより反応を開始した。 2時間での温度のほんのわずかな上昇(24.0℃から25.7℃)及び塩化リチウムが殆どもしくは全く出現しないことによって示される如く、反応は非常に遅かった。 ついで反応器内容物を還流(57.3℃)に加熱したところ、反応混合物は塩化リチウムにより徐々に濁り始めた。 このことは少なくともある程度反応が起こったことを示す。 残余のt−ブチルリチウム溶液を3時間2分かけて添加し、その間定常的な還流下に反応温度を保つべく加熱した。 反応混合物をさらに数時間加熱(還流)し、ついで週末に亘って攪拌放置した。 反応混合物の活性炭素リチウム分析はこの時点でt−ブチルリチウムが残存していないことを示した。

    【0044】反応混合物をガラスフィルター漏斗に移し、濾過して固体塩化リチウムを除去した。 濾過によって合計638.3gの澄明な淡黄色溶液を得た。 濾液を分別蒸留してt−ブチルトリクロロシラン124.3g
    (0.649モル)を得た。 回収収率は用いたt−ブチルリチウムの量に基づいて62.4%であった。 主カットの純度は98.9%であった。

    【0045】本発明を実施するのに有用な炭化水素は液状の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素である。 これらは、限定されないが、イソペンタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、2−エチルヘキサン、
    オクタン及びこれらの混合物を包含する。

    【0046】

    【発明の効果】アルキルリチウム化合物とクロロシラン類との反応によってクロロシラン類をアルキル化する方法において、本文中に示すエーテル類をはじめとする種々の触媒またはプロト触媒の触媒量での存在下に、該反応を行うことにより、収率を向上させ、かつ反応時間を大巾に短縮することができる。

    【0047】

    【表1】

    【0048】

    【表2】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI C07F 7/12 C07F 7/12 H // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ボブ トロイ ドーバー アメリカ合衆国ノース カロライナ州 28086 キングス マウンティン ロン グ ブランチ ロード 214 (72)発明者 コンラド ウィリアム カミンスキー アメリカ合衆国ノース カロライナ州 28054 ガストニア イーストウッド ドライブ 516 (72)発明者 ジョン フランシス エンジェル アメリカ合衆国ノース カロライナ州 28012 ベルモント ピンクニィー ド ライブ 5024 (56)参考文献 特開 昭57−139085(JP,A) 米国特許2413582(US,A) 米国特許2386452(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) C07F 7/08 B01J 31/02 B01J 31/02 102 B01J 31/02 103 B01J 31/12 C07F 7/12 C07B 61/00 300 CA(STN) REGISTRY(STN)

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