光電素子および光電素子の製造方法

申请号 JP2017562588 申请日 2016-05-25 公开(公告)号 JP2018518054A 公开(公告)日 2018-07-05
申请人 オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; Osram Opto Semiconductors GmbH; 发明人 グードルン リントベアク;
摘要 本発明は、少なくとも1つの金属表面(1)を有する光電素子(100)に関し、この光電素子(100)は、放射線を放出するために備えられている 接触 型光電子半導体チップ(2)、少なくとも1つの金属表面(1)上に配置されている保護層(5)を含み、ここで保護層(5)は、少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)からの保護材料(3)を含み、ここで保護材料(3)と少なくとも1つの金属表面(1)との間には、共有結合(4)が形成されている。
权利要求

少なくとも1つの金属表面(1)を有する光電素子(100)であって、 −放射線を放出するために備えられている接触型光電子半導体チップ(2)、 −少なくとも1つの前記金属表面(1)上に配置されている保護層(5)、ここで前記保護層(5)は、少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)からの保護材料(3)を含み、ここで前記保護材料(3)と少なくとも1つの前記金属表面(1)との間には、共有結合(4)が形成されている、 を含む、前記光電素子(100)。前記保護層(5)が、自己組織化単分子膜として形作られており、1nm以下の層厚を有する、請求項1記載の光電素子(100)。前記保護材料(3)が、少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)であり、ここでN−複素環式カルベン(14)が、 を含む群から選択されており、 上記式中、R1、R1’、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11が、互いに独立して、素、アルキル基、アルコキシ基、アミンを有する基、アミド、エステル、カーボネート、置換または非置換の芳香族、置換または非置換の複素芳香族、ハロゲン、擬ハロゲンから選択されており、ここで−Xが、前記金属表面(1)に対する共有結合(4)である、 請求項1または2記載の光電素子(100)。前記保護材料(3)が、 (上記式中、R1およびR2は、それぞれアルキル置換フェニルである) または (上記式中、R1、R2およびR9は、それぞれフェニルである) から選択されており、 上記式中、−Xが、前記金属表面(1)に対する共有結合である、 請求項1から3までのいずれか1項記載の光電素子(100)。前記金属表面(1)が、第一の金属接続接触部、第二の金属接続接触部、リードフレーム(6)、ボンドパッド(12)およびボンドワイヤ(11)の表面を含む群から選択されており、かつここで前記金属表面(1)が、銀、アルミニウム、カドミウム、バリウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウムまたは金から選択されている少なくとも1種の金属または合金を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の光電素子(100)。前記光電素子(100)の全ての前記金属表面(1)が、前記保護層(5)で形状結合により覆われている、請求項1から5までのいずれか1項記載の光電素子(100)。前記接触型光電子半導体チップ(2)が、凹部(9)を有するケーシング(8)内に配置されており、ここで前記光電素子(100)の前記金属表面(1)が、少なくとも前記ボンドパッド(12)、前記ボンドワイヤ(11)および前記リードフレーム(6)の前記金属表面を含み、ここで前記保護層(5)が、前記凹部(9)内にある前記光電素子(2)の前記金属表面(1)を形状結合により覆っており、ここで前記凹部に、シリコーンを含む注型材(10)が流し込まれている、請求項1から6までのいずれか1項記載の光電素子(100)。前記保護層(5)が、腐食性ガスに対して気密である、請求項1から7までのいずれか1項記載の光電素子(100)。請求項1から8までのいずれか1項記載の、少なくとも1つの前記金属表面(1)を有する前記光電素子(100)の製造方法であって、以下の工程: A)前記接触型光電子半導体チップ(2)を用意する工程、 B)少なくとも1つの前記金属表面(1)を用意する工程、 C)前記保護層(5)を少なくとも1つの前記金属表面(1)上に施与する工程、ここで前記保護層(5)が、前記保護材料(3)として少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)を含み、ここで、少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)と少なくとも1つの前記金属表面(1)との間に共有結合(4)が形成され、かつ少なくとも1種のN−複素環式カルベン(14)が単分子膜として自己配向する、 を有する、前記製造方法。工程C)が気相蒸着により行われる、請求項9記載の製造方法。前記工程C)が湿式化学法により行われる、請求項9または10記載の製造方法。前記工程C)後に、さらなる工程D): D)前記接触型光電子半導体チップ(2)および前記保護層(5)で被覆された前記金属表面(1)に流し込む工程、 が行われる、請求項9から11までのいずれか1項記載の製造方法。前記工程D)が、シリコーンからの注型材(10)を用いて行われる、請求項12記載の製造方法。

说明书全文

本発明は光電素子に関する。さらに、本発明は光電素子の製造方法に関する。

光電素子の金属表面は、光電素子内に侵入し、それから金属表面と接触し得る強腐食性ガスを原因として、しばしば腐食を示す。これは、不所望な部品の欠陥に繋がることがある。

本発明の課題は、安定した光電素子を提供することである。さらなる課題は、長寿命の光電素子を提供することである。

これらの課題は、独立請求項1記載の光電素子によって解決される。本発明の有利な構成および発展形は、従属請求項の対象である。さらに、これらの課題は、請求項9記載の光電素子の製造方法によって解決される。本方法の有利な構成および発展形は、従属請求項10から13の対象である。

少なくとも1つの実施形態において、光電素子は、少なくとも1つの金属表面を有する。光電素子は、接触型光電子半導体チップを含む。接触型光電子半導体チップは、放射線を放出するために備えられている。光電素子は保護層を含む。保護層は、少なくとも1つの金属表面上に配置されている。保護層は、少なくとも1種のN−複素環式カルベンからの保護材料を含む。保護材料と少なくとも1つの金属表面との間には、共有結合が形成されている。

N−複素環式カルベンを保護材料として用いる代わりに、コスト面で有利なチオール系自己組織化単分子層(SAM、self−assembly monolayers)を保護材料として用いることも考えられるだろう。ただし、チオール系SAMを使用する場合、明らかに低減した耐熱性および耐薬品性を考慮する必要がある。

少なくとも1つの実施形態によると、光電素子は発光ダイオード(略してLED)である。光電素子は、殊に接触型光電子半導体チップを有する。そして好ましくは、半導体チップは、青色光または白色光を発光するために備えられている。

この場で言及したいのは、ここで「光電素子」という用語が、完成した素子、例えば発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオードだけでなく、基板および/または半導体層でもあると理解されることであり、そのため、例えば銅層と半導体層との複合体は、すでに素子であり、例えばさらに電気的接続部が存在する上方配置された第二の素子の構成要素を形成することができる。

少なくとも1つの実施形態によると、光電素子は接触型光電子半導体チップを有する。半導体チップは一連の半導体層を含む。半導体チップの一連の半導体層は、好ましくはIII〜V族化合物半導体材料に基づく。半導体材料は、好ましくは、窒化物化合物半導体材料、例えばAlnIn1−n−mGamNであるか、またはリン化物化合物半導体材料、例えばAlnIn1−n−mGamPでもあり、ここで、それぞれ0≦n≦1、0≦m≦1およびn+m≦1である。同様に、半導体材料はAlxGa1−xAs(ただし0≦x≦1)であり得る。ここで、一連の半導体層はドープ剤およびさらなる構成要素を有することができる。しかしながら、たとえこれらを部分的に少量のさらなる物質で交換および/または補うことができたとしても、単純化のために、一連の半導体層の結晶格子の主要な構成要素、つまりAl、As、Ga、In、NまたはPだけを記載する。

一連の半導体層は、少なくとも1つのpn接合部および/または1つ以上の量子井戸構造を有する活性層を包含する。半導体チップの稼動において、活性層中で電磁放射線が発生する。放射線の波長または波長最大値は、好ましくは紫外線スペクトル範囲および/または可視スペクトル範囲にあり、殊に420nm以上〜680nm、例えば440nm以上〜480nmの波長にある。

光電子半導体チップは接触型である。ここおよび以下で、これは、光電子半導体チップが、一連の半導体層を電気的に接触させる少なくとも2つの接続箇所、殊にp接続接触部およびn接続接触部を有することを意味する。言い換えれば、光電素子は、正常に機能する半導体チップを有する。半導体チップは、放射線を放出するために備えられている。殊に、一連の半導体層の活性領域は、放射線を放出するために備えられている。

少なくとも1つの実施形態によると、光電素子は、少なくとも1つの金属表面を有する。殊に、光電素子は、複数の金属表面を有することができる。金属表面とは、保護材料と共有結合を形成することが可能である金属または少なくとも1種の合金からのあらゆる表面であると理解される。

少なくとも1つの実施形態によると、金属表面は、第一の金属接続接触部、第二の金属接続接触部、リードフレーム、ボンドパッド(Bondpad)およびボンドワイヤ(Bonddraht)の表面を含む群から選択されている。殊に、金属表面は、銀、アルミニウム、カドミウム、バリウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、金またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の金属または合金を有する。殊に、金属表面は、合金を有するか、または合金から成ることができ、例えばAg:Mg、Ag:Ca、Mg:Alから成ることができる。

少なくとも1つの実施形態によると、光電素子は保護層を有する。保護層は、少なくとも、1つの金属表面上または複数の金属表面上に配置されている。その際、ここおよび以下で、層または要素が別の層または別の要素の「上」または「上方」に配置または施与されていることは、1つの層または1つの要素が、何も介さずに、別の層または別の要素上で機械的および/または電気的に直接接触して配置されていることを意味する。また、これはさらに、1つの層または1つの要素が、間接的に、別の層または別の要素の上または上方に配置されていることを意味し得る。そして、その際、さらなる層および/または要素が、1つの層と別の層の間、または1つの要素と別の要素との間に配置されていてよい。

少なくとも1つの実施形態によると、保護層は金属表面を形状結合により覆う。ここで「形状結合」とは、保護層が金属表面の輪郭または形態に適合していることを意味する。その際、殊に、金属表面と保護層との間に、直接的な機械的接触が存在する。例えば金属表面がボンドワイヤである場合、保護層はワイヤを全ての側から包む。これにより、腐食性ガスがボンドワイヤに達して、これを腐食するのを防止することができる。これにより、素子の寿命を延ばすことができる。

少なくとも1つの実施形態によると、保護層は、少なくとも1種のN−複素環式カルベンからの保護材料を有する。殊に、保護層は、少なくとも1種のN−複素環式カルベンからの保護材料から成る。あるいは、N−複素環式カルベンの代わりに、複数のN−複素環式カルベンの混合物が、保護材料として光電素子の保護層中に存在することができる。

少なくとも1つの実施形態によると、保護材料はN−複素環式カルベンから成る。殊に、N−複素環式カルベンは、

を含む群から選択されており、 上記式中、R1、R1’、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11は、互いに独立して、素、アルキル基、アルコキシ基、アミンを有する基、アミド、エステル、カーボネート、置換または非置換の芳香族、置換または非置換の複素芳香族、ハロゲン、擬ハロゲンおよびこれらの組み合わせから選択されている。ここで、各式中に示されている−Xは、それぞれ少なくとも1つの金属表面Xに対する共有結合を示す。

少なくとも1つの実施形態によると、保護材料は、

(上記式中、R1およびR2は、それぞれアルキル置換フェニルである) または

(上記式中、R1、R2およびR9は、それぞれフェニルである) から選択されており、 上記式中、−Xは、金属表面(1)に対する共有結合である。

少なくとも1つの実施形態によると、保護材料は、

であり、 上記式中、R1およびR2は、それぞれ2,4,6−トリメチルフェニルまたは1,3−ビスイソプロピルフェニルである。

殊に、保護層は、N−複素環式カルベンから成るか、またはこれを有する:1,3−ビスイソプロピル−2H−ベンゾイミダゾール−2−イリデン。

少なくとも1つの実施形態によると、保護層は、自己組織化単分子膜または単分子層(self−assembly monolayers、略してSAM)として形作られている。殊に、単分子膜は、10nm以下、殊に5nm以下、殊に1nm以下、例えば0.4nmの層厚を有する。ここで、単分子膜または単分子層は、金属表面上の原子または分子の層を表し、ここで層厚は、1つの原子だけ、または1つの分子だけである。

少なくとも1つの実施形態によると、保護材料は硫黄不含である。これは、N−複素環式カルベンが硫黄原子を有しないことを意味する。これにより、金属表面へのN−複素環式カルベンの共有結合は、硫黄原子を介しては行われない。

少なくとも1つの実施形態によると、保護材料は、硫黄を含む1つの側鎖または複数の側鎖を有する。金属表面へのN−複素環式カルベンの共有結合は、カルベンの炭素原子を介して行われる。言い換えれば、金属表面へのN−複素環式カルベンの共有結合は、1つの側鎖または複数の側鎖の硫黄原子を介しては行われない。殊に、金属表面へのN−複素環式カルベンの共有結合は、炭素を介して、殊に炭素原子を介して行われる。言い換えれば、共有結合は、金属表面の金属とN−複素環式カルベンの炭素との間で形成される。殊に、共有結合は、五員環において、隣接する窒素原子の間に配置されているカルベン炭素原子を介して行われる。殊に、共有結合は、2つの隣接する窒素原子の間ですぐ近くに存在する結合数が2のカルベン炭素原子の非共有電子対を介して行われる。反応性カルベンは、供与体置換基として機能する隣接窒素原子によって安定化されていてよい(イリド形態)。

カルベンは、N−複素環式カルベンに比べて非常に反応性の高く、不安定な、電子六隅子を有する二価炭素の化合物である。特に、別のカルベンに比べて向上したN−複素環式カルベンの安定性は、隣接する電気的に陰性の置換基の−I−効果、ならびに、自由電子対によるカルベン炭素の空位のp軌道へのその供与機能によって達成される。N−複素環式カルベンは、殊にアルジュンゴ型のものである。窒素だけでなく、硫黄または酸素またはリンも、カルベンを安定化させることができる。さらに、イミダゾール骨格を有するN−複素環式カルベンは、メソメリー効果により形成されるπ系によって安定化される。これにより殊に、安定であり、それに加えて、あり得る環境的影響、例えば腐食から光電素子を保護する保護層をもたらすことができる。

少なくとも1つの実施形態によると、保護層は、腐食性ガスに対して気密(diffusionsdicht)である。ここおよび以下で、「気密」とは、気体、殊に腐食作用を及ぼす気体、例えば硫化水素に関する拡散係数が僅かであることを意味する。保護層の拡散係数が低いため、例えば、硫黄で加硫されたゴム材料を有する、素子内に存在する注型材(Verguss)から硫化水素が流出するものの、しかしながら、この硫化水素は、保護層を通しては拡散せず、よって光電素子の金属表面の腐食をもたらすことはない。よって、光電素子の長寿命性および安定性を向上させ、不所望な部品の欠陥を回避することができる。

少なくとも1つの実施形態によると、光電素子の全ての金属表面は、保護層で形状結合により覆われている。ここで「形状結合により覆われている」とは、保護層が金属表面を取り囲むか、または金属表面上に後配置されていることを意味するが、その機能が損なわれることはない。これは、例えば、保護層が存在していても、光電素子が放射線を発光することができ、かつ電流を流すことができることを意味する。ここで「全ての金属表面」とは、殊に、接続箇所の金属表面、リードフレーム、ボンドワイヤおよび/またはボンドパッドの金属表面を意味する。

少なくとも1つの実施形態によると、接触型光電子半導体チップはケーシング内に配置されている。ケーシングは、内部に接触型光電子半導体チップが配置されている凹部を有する。光電素子は金属表面を有し、金属表面は、殊に、少なくともボンドパッド、ボンドワイヤおよび/またはリードフレームの金属表面であるか、またはこれらを含む。そして、保護層は、ボンドパッド、ボンドワイヤおよび/またはリードフレームの金属表面上に施与されている。殊に、保護層は、凹部内にある光電素子の金属表面を形状結合により覆う。代替的にまたはさらに、凹部に注型材が流し込まれていてよい。注型材としては、シリコーン、殊にシリコーン系材料、例えばメチル置換シリコーン、フェニル置換シリコーンまたはメチルフェニル置換シリコーンが適している。

注型材としてのシリコーン材料は、熱的に安定であり、かつ高い光透過性を有するという利点を示す。しかしながら、シリコーン材料は、エポキシド材料に比べ、気体、殊に腐食作用を及ぼす気体に対して一定の透過性を有する。これは、高い系温度において、別の場所に存在する材料から攻撃的物質が排気される場合、特に光電子部品の稼動において重要である。

発明者は、保護層を光電素子の金属表面上で使用することによって、シリコーン封止材を通じた腐食性ガスの拡散による影響、殊に腐食を防止することができると分かった。殊に少なくとも1種のN−複素環式カルベン、殊にN−複素環式カルベンからのSAMを有する保護層を用いることで、金属表面の腐食を防止することができ、これにより、部品老化の加速を積極的に予防することができる。これにより、素子の長期安定性がもたらされる。

殊に、保護層は長期的に素子内に残る層である。よって、金属表面上に形成される保護層、殊にSAMが安定した系であることが重要である。この安定した系は、保護層と金属表面の間に共有結合が形成されることによって作製され得る。

N−複素環式カルベンからの保護層を使用することによって、部品の安定性を全体的に向上させることができる。さらに、これにより、光電素子を、例えば湿気の伴う領域で使用することができる。光電素子の寿命を上げることができる。例えば層厚を減らすために、もはや高価な貴金属、例えば金を使用する必要はない。これによりコストが削減される。保護層が気密であることによって、封止材もしくは注型材の拡散係数またはそれらの組み合わせにもはや左右されず、そのため、あらゆる封止材または任意のあらゆる注型材を、その拡散係数とは無関係に使用することができる。さらに、保護層を使用することによって、腐食性材料による光電素子の欠陥を回避することができる。他方で、金属表面が被覆されていない場合は腐食を原因として使用することができないであろう気体透過性注型材材料を使用することもできる。よって、例えばエポキシドを注型材として使用することができる。

さらに、本発明は光電素子の製造方法に関する。好適には、この方法によって光電素子が製造される。その際、光電素子と同じ定義および説明が、光電素子の製造方法にも当てはまり、その逆もまた然りである。

少なくとも1つの実施形態によると、この方法は、以下の方法工程を含む: A)接触型光電子半導体チップを用意する工程、 B)少なくとも1つの金属表面を用意する工程、 C)保護層を少なくとも1つの金属表面上に施与する工程、ここで保護層は、保護材料として少なくとも1種の複素環式カルベンを含むか、またはこれから成り、ここで、少なくとも1種のN−複素環式カルベンと少なくとも1つの金属表面との間に共有結合が形成され、かつここで、少なくとも1種のN−複素環式カルベンが単分子膜として自己配向する。言い換えれば、N−複素環式カルベンが金属表面に結合することによって、N−複素環式カルベンは保護層内で配向する。殊に、N−複素環式カルベンは単分子膜として配向する。

少なくとも1つの実施形態によると、工程C)は、気相蒸着、殊に物理気相蒸着(PVD)および/または化学気相蒸着(CVD)により行われる。

少なくとも1つの実施形態によると、工程C)は湿式化学法により行われる。殊に、N−複素環式カルベンを溶液から塗布するのに適したあらゆる方法が適している。殊に、工程C)は、スピンコーティング、印刷、ディップコーティングまたはスプレーコーティングにより行われ得る。

少なくとも1つの実施形態によると、工程C)後に、さらなる工程D): D)接触型光電子半導体チップおよび保護層で被覆された金属表面に流し込む工程、 が行われる。それにより、保護層は、光電素子の構成要素になり、光電素子内に残る。

少なくとも1つの実施形態によると、工程D)は、シリコーンからの注型材を用いて行われる。

さらなる利点、有利な実施形態および発展形は、以下で図面との関連で記載される実施例から明らかとなる。

実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。

実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。

実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。

実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。

実施形態による光電素子100の側面図の概略的な部分図を示す。

実施形態による光電素子100の側面図の概略的な部分図を示す。

実施形態による光電素子100の側面図の概略的な部分図を示す。

実施例および図面において、同じ、同類の、または同じ作用を及ぼす要素には、それぞれ同じ符号が付けられていてよい。図示される要素およびその互いのサイズ比は、縮尺通りとは見なされないものとする。むしろ、個別の要素、例えば層、部品、素子および領域は、より見やすくするため、かつ/またはより理解しやすくするために、誇張して大きく図示されることがあり得る。

図1Aは、実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。光電素子100は支持体7を有する。支持体7は、例えばプリント回路板(PCB)、セラミック基板、リード板またはアルミニウム板であってよい。支持体7には、ケーシング8が後配置されている。ケーシング8はリードフレーム6を有する。リードフレーム6は電気的な接続箇所を有しており、これにより、接触型半導体チップ2は電気的に繋がっている。ケーシング8は凹部9を有しており、この凹部9内に接触型半導体チップ2が配置されている。接触型半導体チップ2は、リードフレーム6の領域上に配置されている。半導体チップ2は、ボンドパッド12およびボンドワイヤ11を有しており、これにより、電気的な接続がリードフレーム6を介して行われる。光電素子100は金属表面1を有する。ここで金属表面1は、殊に凹部9内に存在する、リードフレーム6およびボンドワイヤ11およびボンドパッド12の金属表面である。素子100は保護層5を有することができる(ここでは図示せず、図1B参照)。

図1Bは、保護層5が光電素子100の金属表面1上に施与されているという点で図1Aとは区別される。殊に、ボンドワイヤ11は、形状結合により保護層5で取り囲まれている。さらに、ボンドパッド12は、形状結合により保護層5で取り囲まれている。保護層は、殊にボンドワイヤ11およびボンドパッド12の施与後に作製される。殊に、保護層5は、気相蒸着または湿式化学法により作製される。

それにより、全てが保護層5で覆われた金属表面1を殊に凹部9内に有する光電素子100を提供することができる。殊に、保護層5は、気体、殊に腐食性ガス、例えば硫化水素に対して気密である。これにより、光電素子100の腐食を防止することができ、それにより、光電素子100の長期安定性を向上させることができる。

図2は、実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。光電素子100は支持体7を有する。支持体7には、接続箇所13が後配置されている。さらに、支持体7には、接触型半導体チップ2が後配置されている。接触型半導体チップ2は、支持体7とは反対側にあるその放射線出射面上に、2つのボンドパッド12を有する。ボンドパッド12はそれぞれ、ボンドワイヤ11によって接続箇所13と繋がっている。光電素子100の金属表面1は、保護層5で覆われているか、またはこれに取り囲まれている。図2の光電素子100は、接触が、接触型半導体チップ2の放射線出射面より上で、つまり上方で行われるという点で図1Bの光電素子100とは区別される。

さらに、光電素子100は注型材10(ここでは図示せず)を有することができる。

図3は、実施形態による光電素子100の概略的な側面図を示す。光電素子100は支持体7を有する。支持体7は接続箇所13を有する。接続箇所13を介して、半導体チップ2が接触している。接続箇所13は金属である。金属接続箇所13は、保護層5によって少なくとも一部の領域で覆われる。光電素子100に注型材10が流し込まれていてよい。

図4A〜4Cは、それぞれ実施形態による光電素子100の概略的な側面図の部分図を示す。図4Aは金属表面1を示し、これは、例えば、ボンドパッド12の金属表面、ボンドワイヤ11の金属表面またはリードフレーム6の接続箇所の金属表面であり得る。金属表面1は、原子、例えば金属原子Xを有する。これらの金属原子Xを介して、N−複素環式カルベンを含む保護材料3は、直接の共有結合で繋げられる。

図4Bは、金属表面1への3つのN−複素環式カルベンの共有結合を示す。

保護層5は、自己組織化単分子層または単分子膜として形作られる。殊に、自己組織化単分子層は1nm以下の層厚を有する。

図4Cは、実施形態による光電素子100の部分図の概略的な側面図を示す。図4Cは、共有結合による金属表面1へのN−複素環式カルベン14の結合を示す。図4Cにより、分子、つまりN−複素環式カルベン分子が自己組織化単分子膜を形成することが明らかとなるべきであり、ここで分子は、金属表面1に向かって傾いた長軸を有する。

さらなる実施例によると、図面との関連で記載される実施例およびその特徴を互いに組み合わせることもでき、たとえそのような組み合わせが図面中で明示的に示されていなかったとしても、そのように組み合わせることができる。さらに、図面との関連で記載される実施例は、概論部にある説明に従ったさらなるまたは代替的な特徴を有することができる。

本発明は、これらの実施例を用いた説明によって、これらの実施例に制限されることはない。むしろ、本発明は、新たなそれぞれの特徴、および特徴のそれぞれ組み合わせを含み、これは殊に、たとえこの特徴またはこの組み合わせが特許請求項または実施例中に明示的に記載されていないとしても、特許請求項にある特徴のあらゆる組み合わせを包含するものとする。

この特許出願は、独国特許出願公開第102015108736.7号明細書(deutschen Patentanmeldung 10 2015 108 736.7)の優先権を主張しており、これを以て、その開示内容を参照により組み込む。

100 光電素子、 1 金属表面、 2 接触型半導体チップ、 4 共有結合、 5 保護層、 14 N−複素環式カルベン、 3 保護材料、 6 リードフレーム、 8 ケーシング、 9 凹部、 10 注型材、 11 ボンドワイヤ、 12 ボンドパッド、 13 接続箇所

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