バナジウム含有ヒドロシリル化触媒及びこの触媒を含有する組成物

申请号 JP2014530968 申请日 2012-09-20 公开(公告)号 JP2015501287A 公开(公告)日 2015-01-15
申请人 ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation; ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation; 发明人 サージェナー アブリル; サージェナー アブリル; ブランドスタッド カート; ブランドスタッド カート; タン グエン ビン; タン グエン ビン; クック サイモン; クック サイモン; ツゥオ ミン−シン; ツゥオ ミン−シン; テイラー リチャード; テイラー リチャード;
摘要 組成物は、(A)ヒドロシリル化反応触媒と、(B)分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有する脂肪族不飽和化合物と、を含有する。この組成物は、ヒドロシリル化反応を介して反応して、シラン、ガム、ゲル、ゴム又は樹脂といった反応生成物を形成することができる。成分(A)は、金属前駆体と配位子を反応させることを含む方法により調製できる金属−配位子錯体を含有する。
权利要求
  • (1)V前駆体及び配位子を含む成分を組み合わせ、これにより反応生成物を調製する工程、を含む方法であって、
    前記V前駆体は式(i)V−A を有し、式中、各Aは独立してハロゲン原子であり、
    前記配位子は、一般式(xi)の化合物、配位子2075、配位子5177、一般式(iv)の化合物、配位子3544、一般式(xix)の化合物、又は配位子9042のうちの1つであり、
    一般式(xi)は

    であり、式中、下付き文字uは0〜3であり、各A 91は独立して一価有機基及びハロゲンから選択され、A 92は、H、ハロゲン、一価無機へテロ原子含有基、及び一価有機基から選択され、A 93はH及び一価有機基から選択され、但し、A 93がフェノール又はペンタフルオロベンゼンではないこと、A 94がH又は一価有機基であること、並びに、A 95がH又は一価有機基であること[但し、A 95がニトロではないことを条件とする]を条件とし、あるいは 一般式(iv)は

    であり、式中、Q 23はO及びSから選択され、A 24及びA 25はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 24がジイソプロピルベンゼンではないことを条件とし、下付き文字eは0〜4の整数であり、下付き文字fは0〜5の整数であり、各A 22及び各A 23は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(xix)は

    であり、式中、Q 161はS及びCから選択され、Q 162はN及びCから選択され、A 161 、A 162 、A 163はそれぞれ独立して、水素及び一価有機基から選択され、A 164及びA 165はそれぞれ独立して、水素又は一価有機基であり、あるいは

    となっている、方法。
  • (1)V前駆体及び配位子を含む成分を組み合わせ、これにより反応生成物を調製する工程、を含む方法であって、
    前記V前駆体が(i)V−A を有し、式中、各Aは独立して一価有機基であり、
    前記配位子は、一般式(x)の化合物、配位子1430、一般式(xxi)の化合物、配位子10150、一般式(xxiii)の化合物、配位子10406、一般式(xxii)の化合物、又は配位子10451のうちの1つであり、
    一般式(x)は

    であり、式中、A 81 、A 82及びA 83はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、下付き文字tは0〜4の整数であり、各A 84は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(xxi)は

    であり、式中、A 181 、A 182 、A 183及びA 184はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、A 185及びA 186はそれぞれ独立して二価有機基であり、Q 181 、Q 182及びQ 183はそれぞれ独立して、N及びPから選択され、あるいは 一般式(xxiii)は

    であり、式中、Q 185はO又はSであり、A 204 、A 205 、A 206及びA 207はそれぞれ独立して、H、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、下付き文字hhは0〜3の整数であり、下付き文字iiは0〜3の整数であり、各A 202及び各A 203は独立して、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、A 201は二価有機基であるか又は存在せず、あるいは 一般式(xxii)は

    であり、式中、A 191 、A 192 、A 193及びA 194はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 191 、A 192 、A 193及びA 194が三級ブチル、メシチル又はジイソプロピルベンゼンではないこと、並びに、A 192及びA 193が一緒に結合して環式基を形成できることを条件とし、あるいは

    となっている、方法。
  • (2)前記反応生成物をイオン活性剤(LiBArF)と組み合わせる工程を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  • (1)V前駆体及び配位子を含む成分を組み合わせ、これにより反応生成物を調製する工程、を含む方法であって、
    前記V前駆体は式(i)V−A を有し、式中、各Aは独立してハロゲン原子であり、
    前記配位子は、一般式(vii)の化合物、配位子2921、一般式(iii)の化合物、配位子3505、一般式(xviii)の化合物、配位子3749、一般式(xiii)の化合物、又は配位子6269のうちの1つであり、
    一般式(vii)は

    であり、式中、Q 51及びQ 52は独立して、O及びSから選択され、下付き文字nは0〜5の整数であり、下付き文字oは0〜5の整数であり、下付き文字pは0〜3の整数であり、各A 51 、各A 52及び各A 53は独立して、ハロゲン及び一価有機基から選択され、あるいは 一般式(iii)は

    であり、式中、Q 11は、N、O、P及びSから選択され、Q 12及びQ 13はそれぞれ独立してO及びSから選択され、A 11 、A 14及びA 15はそれぞれ独立してH及び一価有機基から選択され、下付き文字cは0〜4の整数であり、下付き文字dは0〜4の整数であり、各A 12及び各A 13は独立して、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、あるいは 一般式(xviii)は

    であり、式中、A 151及びA 154はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 151がフェニルではないことを条件とし、下付き文字eeは0〜4の整数であり、下付き文字ffは0〜5の整数であり、各A 152及び各A 153は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 152がトリフルオロメチルであることができないことを条件とし、
    一般式(xiii)は

    であり、式中、Q 111はO又はSであり、A 111は、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、各A 112及び各A 113は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、下付き文字xは0〜3の整数であり、下付き文字yは0〜3の整数であり、あるいは 一般式(xxv)は

    であり、式中、Q 200はO又はSであり、A 220 、A 221及びA 222はそれぞれ独立して、H、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、下付き文字ssは0〜4の整数であり、下付き文字rrは0〜5の整数であり、下付き文字ttは0〜5の整数であり、各A 223 、各A 224及び各A 225は独立して一価有機基であり、あるいは

    となっている、方法。
  • (1)V前駆体及び配位子を含む成分を組み合わせ、これにより反応生成物を調製する工程、を含む方法であって、
    前記V前駆体が(i)V−A を有し、式中、各Aは独立して一価有機基であり、
    前記配位子は、一般式(vi)の化合物、配位子487、一般式(v)の化合物、配位子788の化合物、配位子805の化合物、一般式(xviii)の化合物、配位子1483、配位子3746、一般式(ix)の化合物、配位子1547の化合物、配位子3191、一般式(xx)の化合物、配位子1936、配位子2956、一般式(xi)の化合物、配位子2075、配位子2272、配位子5177、一般式(ii)の化合物、配位子2927、配位子6870、一般式(xxiv)の化合物、配位子3179、一般式(xvii)の化合物、配位子3472、配位子4098、一般式(iii)の化合物、配位子3500、一般式(iv)の化合物、配位子3544、一般式(xii)の化合物、配位子6372、一般式(xiv)の化合物、配位子7471、一般式(xv)の化合物、配位子7534、一般式(xix)の化合物、配位子9042、配位子9072、一般式(xxi)の化合物、配位子10394、配位子10395、一般式(viii)の化合物、配位子10396、一般式(xxiii)の化合物、配位子10403、配位子10405、一般式(xvi)の化合物、配位子10407、一般式(xxii)の化合物、又は配位子10450のうちの1つであり、
    一般式(ii)は

    であり、式中、Q 及びQ はそれぞれ独立してO及びSから選択され、A 及びA は独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、Q 及びQ がどちらもSである場合にはA 及びA がtert−ブチル又はフェニルではないことを条件とし、下付き文字bは0〜3の整数であり、各A は独立して、ハロゲン、一価無機へテロ原子含有基、及び一価有機基から選択され、あるいは 一般式(iii)は

    であり、式中、Q 11は、N、O、P及びSから選択され、Q 12及びQ 13はそれぞれ独立してO及びSから選択され、A 11 、A 14及びA 15はそれぞれ独立してH及び一価有機基から選択され、下付き文字cは0〜4の整数であり、下付き文字dは0〜4の整数であり、各A 12及び各A 13は独立して、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、あるいは 一般式(iv)は

    であり、式中、Q 23はO及びSから選択され、A 24及びA 25はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 24がジイソプロピルベンゼンではないことを条件とし、下付き文字eは0〜4の整数であり、下付き文字fは0〜5の整数であり、各A 22及び各A 23は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(v)は

    であり、下付き文字g、h及びiはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、各A 31 、各A 33及び各A 34は独立して一価有機基であり、但し、A 33の2つ以上が縮合環構造を形成し得ることを条件とし、前記縮合環構造は複素芳香族基又は複素環基であり得、A 32及びA 35はそれぞれ独立して水素及び一価有機基から選択され、但し、A 35がMeではないことを条件とし、あるいは 一般式(vi)は

    であり、式中、A 41は一価有機基であり、A 42はH及び一価有機基から選択され、下付き文字jは0〜3の整数であり、各A 43は独立して一価有機基又はハロゲンであり、A 44は一価有機基又はハロゲンから選択され、但し、A 44がメチル又はトリフルオロメチルではないことを条件とし、下付き文字kは0〜4の整数であり、各A 45はハロゲン及び一価有機基から選択され、あるいは 一般式(viii)は

    であり、式中、A 61 、A 62 、A 63及びA 64はそれぞれ独立して、水素、一価有機基及びハロゲンから選択され、A 65は二価直鎖脂肪族有機基であり、但し、A 61とA 62が結合して環構造を形成し得ること、並びに/又は、A 63とA 64が結合して環構造を形成し得ることを条件とし、あるいは 一般式(ix)は

    であり、式中、A 71及びA 72はそれぞれ独立してH、一価有機基から選択され、但し、A 71及びA 72が一緒に結合して環式基になることができることを条件とし、A 73は、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、下付き文字qは0〜4の整数であり、下付き文字rは0〜4の整数であり、各A 74及び各A 75は独立して一価有機基及びハロゲンから選択され、A 76は、H、ハロゲン、及び一価有機基から選択され、但し、A 76がCNではないことを条件とし、
    一般式(xi)は

    であり、式中、下付き文字uは0〜3であり、各A 91は独立して一価有機基及びハロゲンから選択され、A 92は、H、ハロゲン、一価無機へテロ原子含有基、及び一価有機基から選択され、A 93はH及び一価有機基から選択され、但し、A 93がフェノール又はペンタフルオロベンゼンではないこと、A 94がH又は一価有機基であること、並びに、A 95がH又は一価有機基であること[但し、A 95がニトロではないことを条件とする]を条件とし、あるいは 一般式(xii)は

    であり、下付き文字vは0〜4の整数であり、各A 100は独立してハロゲン及び一価有機基から選択され、但し、A 100が三級ブチルではないことを条件とし、下付き文字wは0〜4の整数であり、各A 101は独立してハロゲン及び一価有機基から選択され、但し、A 101が三級ブチルではないことを条件とし、あるいは 一般式(xiv)は

    であり、式中、A 115及びA 116はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、下付き文字zは0〜5の整数であり、下付き文字aaは0〜5の整数であり、各A 117及び各A 118は独立して一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(xv)は

    であり、式中、Q 121はO及びSから選択され、A 121及びA 122は独立して、H、一価有機基又はハロゲンから選択され、下付き文字bbは0〜3の整数であり、各A 123は独立して一価有機基又はハロゲンであり、A 124はH,ハロゲン、及び一価有機基から選択され、但し、A 124がフェニルではないことを条件とし、あるいは 一般式(xvi)は

    であり、式中、A 131及びA 132はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、A 133及びA 134はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、下付き文字ccは0〜4の整数であり、各A 135は独立して一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(xvii)は

    であり、式中、A 141及びA 142は独立してH及び一価有機基から選択され、下付き文字ddは0〜7の整数であり、各A 143は独立して一価有機基又はハロゲンであり、
    一般式(xviii)は

    であり、式中、A 151及びA 154はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 151がフェニルではないことを条件とし、下付き文字eeは0〜4の整数であり、下付き文字ffは0〜5の整数であり、各A 152及び各A 153は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 152がトリフルオロメチルであることができないことを条件とし、
    一般式(xix)は

    であり、式中、Q 161はS及びCから選択され、Q 162はN及びCから選択され、A 161 、A 162 、A 163はそれぞれ独立して、水素及び一価有機基から選択され、A 164及びA 165はそれぞれ独立して、水素又は一価有機基であり、あるいは 一般式(xx)は

    であり、式中、A 171 、A 172 、A 173及びA 174はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは 一般式(xxi)は

    であり、式中、A 181 、A 182 、A 183及びA 184はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、A 185及びA 186はそれぞれ独立して二価有機基であり、Q 181 、Q 182及びQ 183はそれぞれ独立して、N及びPから選択され、あるいは 一般式(xxii)は

    であり、式中、A 191 、A 192 、A 193及びA 194はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 191 、A 192 、A 193及びA 194が三級ブチル、メシチル又はジイソプロピルベンゼンではないこと、並びに、A 192及びA 193が一緒に結合して環式基を形成できることを条件とし、あるいは 一般式(xxiii)は

    であり、式中、Q 185はO又はSであり、A 204 、A 205 、A 206及びA 207はそれぞれ独立して、H、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、下付き文字hhは0〜3の整数であり、下付き文字iiは0〜3の整数であり、各A 202及び各A 203は独立して、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択され、A 201は二価有機基であるか又は存在せず、あるいは 一般式(xxiv)は

    であり、式中、A 211及びA 212はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、あるいは




    となっている、方法。
  • (2)前記反応生成物を還元剤(NaEt3BH)と組み合わせる工程を更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
  • 前記反応生成物が、V−配位子錯体、及び、前記V前駆体と前記配位子の反応の副生成物又はその副反応の副生成物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記副生成物のすべて又は一部を除去する工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  • ヒドロシリル化触媒として前記方法により調製された生成物を使用する工程を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  • (A)請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により調製された生成物と、
    (B)分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有する脂肪族不飽和化合物と、
    (C)式R SiH [式中、下付き文字eは0、1、2又は3であり、下付き文字fは1、2、3又は4であり、但し、和(e+f)が4であることを条件とし、各R は独立して、ハロゲン原子又は一価有機基である]のシランと、を含む、組成物。
  • 前記組成物が、成分(A)、(B)及び(C)とは異なり、(D)スペーサー;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(I)安定剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)融剤;(O)老化防止添加剤;(P)顔料;(Q)酸受容体;(R)レオロジー添加剤;(S)ビヒクル;(T)界面活性剤;(U)腐食防止剤;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、1種以上の追加成分を更に含む、請求項10に記載の組成物。
  • 請求項10又は11に記載の組成物の製造方法であって、
    成分(A)、(B)及び(C)を含む成分を混合する工程、又は 成分(A)及び(B)、並びに任意選択で(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(P)、(Q)、(R)、(S)、(T)、及び(U)のうちの1種以上を含む成分を混合して、硬化剤を形成する工程と、成分(B)、及び(C)、並びに任意選択で(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(P)、(Q)、(R)、(S)、(T)、及び(U)の1種以上を含む成分を混合してベースを形成する工程と、前記硬化剤と前記ベースとを混合する工程と、
    を含む、前記組成物を製造する方法。
  • 請求項10〜12のいずれか一項に記載の組成物の反応生成物。
  • 说明书全文

    ヒドロシリル化反応を触媒するための触媒は当該技術分野において既知であり、市販されている。 このような従来のヒドロシリル化触媒は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム及びイリジウムから選択される金属であり得る。 あるいは、ヒドロシリル化触媒は、このような金属の化合物であり得、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸六和物、二塩化白金、上記化合物と低分子量オルガノポリシロキサンとの錯体、又はマトリックス若しくはコア/シェル型構造にマイクロカプセル化された白金化合物が挙げられる。 白金と低分子量オルガノポリシロキサンの錯体としては、白金を有する1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。 これらの錯体は、樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化されてもよい。 代表的なヒドロシリル化触媒は、米国特許第3,159,601号、同第3,220,972号、同第3,296,291号、同第3,419,593号、同第3,516,946号、同第3,814,730号、同第3,989,668号、同第4,784,879号、同第5,036,117号及び同第5,175,325号並びに欧州特許第0 347 895(B)号に記載されている。 マイクロカプセル化されたヒドロシリル化触媒及びこれらの調製方法は、米国特許第4,766,176号及び同第5,017,654号に例示されているように、当該技術分野において既知である。

    これらのヒドロシリル化触媒は、極度に高コストであるという欠点を有する。 これらのヒドロシリル化触媒中の金属のいくつかはまた、入手が困難でもあり得、これらのヒドロシリル化触媒のいくつかは調製が困難であり得る。 上記の従来のヒドロシリル化触媒をより安価で及び/又はより容易に入手可能な代替物と置き換える必要が産業界において存在する。

    バナジウム前駆体(V前駆体)及び配位子を含む成分の反応生成物、及びこの反応生成物の調製方法が開示される。 ヒドロシリル化反応を介して反応生成物を生じさせることができる組成物は、反応生成物と、分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有する脂肪族不飽和化合物と、を含む。 脂肪族不飽和化合物がケイ素結合水素原子を持たない場合、この組成物は、分子あたり平均で1個以上のケイ素結合水素原子を有するSiH官能性化合物を更に含む。

    全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。 冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。 範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。 例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。 更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。 同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。 例えば、マーカッシュ群の水素原子、アルキル基、アリル基、又はアラルキル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリルのサブグループ、並びにその中に包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。

    「アルキル」は、非環式、分枝状又は非分枝状、飽和一価の炭化水素基を意味する。 アルキルは、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソ−プロピル及び/又はn−プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n−ブチル、tert−ブチル及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル、並びに、6個以上の炭素原子の分枝状飽和一価炭化水素基により、例示される。

    「アリール」は、環式完全不飽和炭化水素基を意味する。 アリールは、限定するものではないが、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル及びナフチルにより例示される。 単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。 多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。

    「アラルキル」は、側枝及び/又は末端アリール基を有するアルキル基又は側枝アルキル基を有するアリール基を意味する。 代表的なアラルキル基としては、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、及びフェニルブチルが挙げられる。

    「炭素環」及び「炭素環式」は、それぞれに炭化水素環を意味する。 炭素環は、単環式であってもよく、又は、あるいは縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。 単環式炭素環は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、及びあるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。 多環式炭素環は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、及び、あるいは9〜10個の炭素原子を有し得る。 炭素環は、飽和であっても又は部分不飽和であってもよい。

    「シクロアルキル」は、飽和炭素環を意味する。 単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルによって例示される。

    「ハロゲン化炭化水素」は、炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が形式的にハロゲン原子で置き換えられた炭化水素を意味する。 ハロゲン化炭化水素基は、ハロアルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロアルケニル基を含む。 ハロアルキル基としては、フッ化アルキル基(トリフルオロメチル(CF )、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル(nonafluorohexyl)、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどの)、並びに塩化アルキル基(塩素メチル及び3−クロロプロピルなどの)が挙げられる。 ハロゲン化炭素環式基としては、フッ化シクロアルキル基(2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどの)、並びに塩化シクロアルキル基(2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの)が挙げられる。 ハロアルケニル基としては、塩化アリルが挙げられる。

    「へテロ原子」は、炭素を除く、IUPAC元素周期表(http://www.iupac.org/fileadmin/user_upload/news/IUPAC_Periodic_Table−1Jun12.pdf)の13〜17族の元素を意味する。 「へテロ原子」としては、例えば、N、O、P、S、Br、Cl、F、及びIが挙げられる。

    「ヘテロ原子含有基」は、水素原子及び炭素原子からなり、かつ、少なくとも1つのへテロ原子も含む有機基を意味する。 ヘテロ原子含有基は、例えば、アシル、アミド、アミン、カルボキシル、シアノ、エポキシ、炭化水素オキシ、イミノ、ケトン、ケトオキシム、メルカプト、オキソ、及び/又はチオールのうちの1つ以上を含む場合がある。 例えば、ヘテロ原子含有基が1つ以上のハロゲン原子を含有するとき、ヘテロ原子含有基は、上記の定義によるハロゲン化炭化水素基であってもよい。 あるいは、へテロ原子が酸素である時、ヘテロ原子含有基は、炭化水素オキシ基(アルコキシ基又はアルキルアルコキシ基などの)であってもよい。

    「無機へテロ原子含有基」は、少なくとも1つのヘテロ原子と少なくとも1つの水素又は異なるヘテロ原子からなる基を意味する。 へテロ原子含有基は、例えば、アミン、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、スルホニル及び/又はチオールのうちの1つ以上を含む場合がある。

    「ヘテロアルキル」基は、少なくとも1つのへテロ原子をも含む非環式、分枝状又は非分枝状、飽和一価の炭化水素基を意味する。 「ヘテロアルキル」は、ハロアルキル基及び、少なくとも1つの炭素原子がN、O、P、又はSなどのへテロ原子と置き換えられたアルキル基を含み、例えば、へテロ原子がOのとき、ヘテロアルキル基は、アルコキシ基となる場合がある。

    「複素環」及び「複素環式」は、それぞれ、環状の炭素原子及び1つ以上のへテロ原子から構成される環基を意味する。 複素環のへテロ原子は、N、O、P、S、又はこれらの組み合わせであってもよい。 複素環は、単環式であってもよく、又は、あるいは縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。 単環式複素環は、3〜9個の環員原子、あるいは4〜7個の環員原子、あるいは5〜6個の環員原子を有し得る。 多環式複素環は、7〜17個の環員原子、あるいは7〜14個の環員原子、あるいは9〜10個の環員原子を有し得る。 複素環は、飽和であっても又は部分不飽和であってもよい。

    「複素芳香族」は、環状の炭素原子及び1つ以上のへテロ原子から構成される完全に不飽和な環含有基を意味する。 単環式ヘテロ芳香族基は、5〜9個の環員原子、あるいは6〜7個の環員原子、あるいは5〜6個の環員原子を有し得る。 多環式ヘテロ芳香族基は、10〜17個の環員原子、あるいは10〜14個の環員原子、あるいは12〜14個の環員原子を有し得る。 複素芳香族は、ピリジルなどのヘテロアリール基を含む。 複素芳香族は、ヘテロアラルキル、すなわち、側枝及び/又は末端ヘテロアリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するヘテロアリール基を含む。 代表的なヘテロアラルキル基は、メチルピリジルそしてジメチルピリジルを含む。

    本明細書で使用される略語は、以下のように定義される。 略語「cP」はセンチポアズを意味し、「cSt」はセンチストークスを意味する。 「DP」は、重合度を意味する。 「FTIR」は、フーリエ変換赤外分光法を意味する。 「GC」は、ガスクロマトグラフィーを意味する。 「GPC」は、ゲル透過クロマトグラフィーを意味する。 「Mn」は、数平均分子量を意味する。 Mnは、GPCを使用して測定され得る。 「Mw」は、重量平均分子量を意味する。 「NMR」は、核磁気共鳴を意味する。 「Pa・s」はパスカル秒を意味し、「ppm」は百万分率を意味する。 「COD」は、シクロオクタジエニルを意味する。 「Et」は、エチルを意味する。 「Me」は、メチルを意味する。 「Ph」は、フェニルを意味する。 「Pr」は、プロピルを意味し、iPr及びnPrなどの様々な構造を含む。 「iPr」は、イソプロピルを意味する。 「nPr」は、ノルマルプロピルを意味する。 「Bu」は、ブチルを意味し、nBu、sec−ブチル、tBu、及びiBuを含む様々な構造を含む。 「iBu」は、イソブチルを意味する。 「nBu」は、ノルマルブチルを意味する。 「tBu」は、tert−ブチルを意味する。 「AcAc」は、アセチルアセトネートを意味する。 「2−EHA」は、2−エチルヘキサノエートを意味する。 「OAc」は、アセテートを意味する。 「Hex」は、ヘキセニルを意味する。 「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。 「Vi」は、ビニルを意味する。

    「M単位」は、式R SiO 1/2を有するシロキサン単位を意味し、式中、各Rは独立して、一価の原子又は有機基を表す。 「D単位」は、式R SiO 2/2を有するシロキサン単位を意味し、式中、各Rは独立して、一価の原子又は有機基を表す。 「T単位」は、式RSiO 3/2を有するシロキサン単位を意味し、式中、各Rは独立して、一価の原子又は有機基を表す。 「Q単位」は、式SiO 4/2を有するシロキサン単位を意味する。

    「非官能性」は、成分が、ヒドロシリル化反応に関与する脂肪族不飽和置換基又はケイ素結合水素原子のいずれも有さないことを意味する。

    「〜を含まない」とは、組成物が感知不可能な量でしか含有しない、又はその成分を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例の項に記載される方法により測定されるGC測定値を変化させるのに不十分な量でしか組成物がその成分を含有しないことを意味する。 例えば、本明細書に記載の組成物は、白金触媒を含まないものであり得る。 「白金触媒を含まない」とは、組成物が、組成物中の他の成分の不飽和基とのヒドロシリル化反応を触媒できる白金触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又は白金触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例の項に記載のように測定されるGC測定値を変化させるのに不十分な量でしか組成物が白金触媒を含有しないことを意味する。 この組成物は、従来の金属触媒を含まないものであり得る。 「従来の金属触媒を含まない」とは、組成物が、Pt、Rh、Ru、Pd、Os及びIrから選択される金属、若しくは組成物中の他の成分の不飽和基とヒドロシリル化反応を触媒できるこのような金属の化合物を感知不可能な量でしか含有しない、又は従来の金属触媒を含まない同じ組成物と比較したときに、実施例の項に記載のように測定されるGC測定値を変化させるのに不十分な量でしか組成物が従来の金属触媒を含有しないことを意味する。 あるいは、本明細書に記載の組成物は、ヒドロシリル化反応触媒を含まない(すなわち、本明細書に記載の成分(A)以外に、下記の成分(B)の脂肪族不飽和基のヒドロシリル化反応を触媒できる任意の成分を含まない)ものであり得る。

    ヒドロシリル化反応(組成物)によって反応することができる少なくとも1つの成分を有する組成物は、
    (A)V含有ヒドロシリル化反応触媒と、
    (B)分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有する脂肪族不飽和化合物と、を含む。

    理論に束縛されるものではないが、V含有ヒドロシリル化反応触媒は、組成物のヒドロシリル化反応を触媒するために有効であると特徴付けることができると考えられる。 組成物のヒドロシリル化反応は、反応生成物を調製する。 この反応生成物は、シラン、ガム、ゲル、ゴム及び樹脂からなる群から選択される形態を有し得る。

    成分(B)がケイ素結合水素原子を含有しない場合、組成物は更に成分(C)を含み、成分(C)は平均で1分子あたり1個以上のケイ素結合水素原子を有するSiH官能化合物であって、成分(A)及び(B)と異なる。

    この組成物は、任意選択で、上述の成分(A)、成分(B)及び成分(C)とは異なる1つ以上の追加成分を更に含み得る。 好適な追加成分は、(D)スペーサー;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(I)安定剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)融剤;(O)老化防止添加剤;(P)顔料;(Q)酸受容体;(R)レオロジー添加剤;(S)ビヒクル;(T)界面活性剤;(U)腐食防止剤;並びにこれらの組み合わせによって例示される。

    成分(A)は、V含有ヒドロシリル化反応触媒である。 V含有ヒドロシリル化反応触媒は、V前駆体と配位子の反応生成物を含むか、又は、V前駆体と配位子の反応生成物で調製される。 理論に束縛されるものではないが、この反応生成物はV−配位子錯体を含むと考えられる。 V前駆体は、V−配位子錯体とは異なる。 V前駆体は、V前駆体と配位子の反応生成物とは異なる。

    V前駆体は、一般式(i):V−A を有する金属化合物であり得、式中、各Aは独立して置換可能な置換基である。 理論に束縛されるものではないが、Aの1つ以上の事例は、配位子によってVから置換されてV−配位子錯体を生じることができると考えられる。 理論に束縛されるものではないが、A基の1つ以上の事例は、V前駆体と配位子の間の錯化反応によって置換されてV−配位子錯体を生じると考えられる。 下付き文字xが1を超える場合には、一般式(i)におけるAの各事例は同じであっても異なっていてもよい。 Aの例としては、ハロゲン原子及び一価有機基が挙げられる。 一価有機基は、一価炭化水素基又は一価ヘテロ原子含有基であってもよい。 一価ヘテロ原子含有基は、アミノ基、ハロゲン化炭化水素基、シラザン基、カルボキシレート基、カルボキシルエステル基、カルボニル基、炭化水素オキシ基、スルホネートエステル基、スルホニルイミド基、アセテート基、及びシアノ基により例示される。

    一般式(i)中のAのハロゲン原子の例としては、Br、Cl又はIが挙げられる。 Aの一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、ハロアルキル基[例えば、フッ化アルキル基(例えば、CF 、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、並びに、塩化アルキル基(例えば、クロロメチル及び3−クロロプロピル)]、ハロゲン化炭素環基[例えば、フッ化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)、並びに、塩化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)]、並びに、ハロアルケニル基[例えば、塩化アリル]が挙げられる。

    一般式(i)中のAの一価炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、炭素環、アリール及びアラルキルが挙げられる。 アルキル基は、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシルにより例示される。 アルケニル基は、Vi、アリル、プロぺニル及びHexにより例示される。 炭素環基は、飽和炭素環基[例えば、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)]又は不飽和炭素環基[例えば、シクロアルケニル(例えば、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル又はシクロオクタジエニル)]により例示される。 アリール基は、Ph、トリル、キシリル、メシチル及びナフチルにより例示される。 アラルキル基は、ベンジル及び2−フェニルエチルにより例示される。

    一般式(i)中のAのアミノ基の例は、式−NA' を有し、式中、各A'は、独立して、水素原子又は一価炭化水素基である。 A'の代表的な一価炭化水素基としては、限定するものではないが、アルキル[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル]、アルケニル[例えば、ビニル、アリル、プロペニル及びHex]、飽和炭素環基[例えば、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)]又は不飽和炭素環基[例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル]又はアリール[例えば、Ph、トリル、キシリル、メシチル、及びナフチル]、並びにアラルキル[例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル]によって例示される炭素環基が挙げられる。 あるいは、各A'は、水素原子又は1〜4個の炭素原子のアルキル基(例えば、Me又はEt)であってもよい。

    あるいは、一般式(i)の各Aは、シラザン基であってもよい。

    代替的には、一般式(i)の各Aは、カルボキシルエステル基であってもよい。 Aに好適なカルボキシルエステル基の例としては、限定するものではないが、OAc、エチルヘキサノエート(例えば、2−EHA)、ネオデカノエート、オクタノエート、及びステアレートが挙げられる。

    一般式(i)中のAの一価炭化水素オキシ基の例は、式−O−A”を有し得、式中、A”は一価炭化水素基である。 A”の一価炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル]、アルケニル[例えば、Vi、アリル、プロペニル、及びHex]、シクロアルキル[例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル]、アリール[例えば、Ph、トリル、キシリル、及びナフチル]、アラルキル[例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル]が挙げられる。あるいは、各A”は、Me、Et、nPr、iPr、nBu、iBu、又はtBuといったアルキル基であり得る。 あるいは各A”はアルキル基であり得、あるいは各A”はEt、Pr[例えば、iPr若しくはnPr]、又はBuであり得る。

    あるいは、一般式(i)中の各Aは、Me、Et、nPr、iPr、nBu、iBu又はtBuといったアルキル基であり得る。 あるいは、各Aは、独立して、Et、ベンジル、メシチル、Ph、NEt 、NMe 、シクロオクタジエン、エトキシド、iPr、Bu、2−EHA、エトキシ、プロポキシ、メトキシ及びカルボニルからなる群から選択され得る。

    あるいは、V前駆体は、下の表1に示されているもののような市販の化合物であり得る。

    表1中、「Gelest」はGelest,Inc. (Morrisville,Pennsylvania,U.S.A.)を指し、「Strem」はStrem Chemicals Inc. (Newburyport,Massachusetts,U.S.A.)を指す。

    配位子は、Vと配位する有機化合物である。 本明細書の一般式において、一価有機基は、一価炭化水素基又は一価ヘテロ原子含有基であり得る。 一価炭化水素基の例としては、アルキル[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、又はヘキシル]、アルケニル[例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びヘキセニル]、飽和炭素環基[例えば、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)]、又は不飽和炭素環基[例えば、シクロペンタジエニル又はシクロオクタジエニル]、アリール[例えば、Ph及びナフチル]、アラルキル[例えば、ベンジル、トリル、キシリル、メシチル又は2−フェニルエチル]によって例示される炭素環基が挙げられるがこれに限定されない。

    一般式中の一価へテロ原子含有基の例としては、ハロゲン化炭化水素基又は炭化水素オキシ基が挙げられる。 一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、ハロアルキル基(フッ化アルキル基、例えば、CF 、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、及び4,4,4−トリフルオロブチルなどの);並びに塩化アルキル基(クロロメチルなどの)が挙げられる。 炭化水素オキシ基の例としては、アルコキシ及びアラルキルオキシが挙げられる。 アルコキシ基は、OMe、OEt、OPr、及びOBu、あるいはOMeによって例示される。 アラルキルオキシ基は、フェニルメトキシ及びフェニルエトキシによって例示される。 あるいは、一価のヘテロ原子含有基は、環内の炭素原子に結合する置換基を1つ以上有するアリール基又はアラルキル基(その置換基の1つ以上がヘテロ原子を含有する)であってもよく、例えば、上記のアラルキルオキシ、又は


    のような基(式中、

    は付加部位を示す)であってもよい。

    配位子は、一般式(ii):


    を有し得る。

    一般式(ii)中、Q 及びQ はそれぞれ独立して、O及びSから選択される。

    一般式(ii)中、A 及びA は独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、Q 及びQ がどちらもSである場合にはA 及びA がtert−ブチル又はフェニルではないことを条件とする。

    一般式(ii)中、下付き文字bは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 A は、ハロゲン、無機へテロ原子含有基、及び一価有機基から選択される。 あるいは、Q 及びQ がOである場合には、A 及びA は、アルキル[例えば、Me、Et、Pr若しくはBu]、又はBuである。 あるいは、Q 及びQ がSである場合には、A 及びA はアラルキル[例えば、トリル、キシリル若しくはメシチル]、又はキシリルである。 一般式(ii)の配位子の例としては、2927及び6870が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(iii):


    を有し得る。

    一般式(iii)中、Q 11は、N、O、P及びSから選択される。 Q 12及びQ 13はそれぞれ独立して、O及びSから選択される。

    一般式(iii)中、A 11 、A 14及びA 15はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択される。

    一般式(iii)中、下付き文字cは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 下付き文字dは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 12及び各A 13は独立して、一価有機基、無機ヘテロ原子含有基及びハロゲンから選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル(例えば、Me、Et、Pr若しくはBu)]、又はBuであり得る。 一般式(iii)の配位子の例としては、3500及び3505が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(iv):


    を有し得る。

    一般式(iv)中、Q 23は、O及びSから選択される。

    一般式(iv)中、A 24及びA 25はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 24がジイソプロピルベンゼンではないことを条件とする。 無機有機基の例としては、一価炭化水素基[例えば、アルキル(例えば、Me、Et、Pr又はBu)]が挙げられる。

    一般式(iv)中、下付き文字eは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字fは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 22及び各A 23は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。

    あるいは、Q 23はSであり得る。 あるいは、A 25はHであり得る。 あるいは、A 24はアルキルであり得る。 一般式(iv)の配位子の例としては、配位子3544が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(v):


    を有し得る。

    一般式(v)中、下付き文字g、h及びiはそれぞれ独立して、0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 31 、各A 33及び各A 35は独立して、一価有機基であり、但し、A 35がMeではないこと、A 33の2つ以上が縮合環構造(この縮合環構造は複素芳香族基又は複素環基である)を形成し得ることを条件とする。

    一般式(v)中、A 32 、A及びA 34はそれぞれ独立して、水素及び一価有機基から選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、Me、Et、Pr若しくはBu)]、又はBuであり得る。 あるいは、A 32はHであり得、A 34はアルキルであり得る。 一般式(v)の配位子の例としては、配位子788及び805が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(vi):


    を有し得る。

    一般式(vi)中、A 41は、一価有機基である。 A 42は、H及び一価有機基から選択される。 あるいは、A 42は、Hであり、下付き文字jは、0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 43は独立して、一価有機基又はハロゲンである。 A 44は一価有機基又はハロゲンから選択され、但し、A 44がメチル又はトリフルオロメチルではないことを条件とする。 あるいは、A 44はClである。 下付き文字kは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 45は、ハロゲン及び一価有機基から選択される。 一般式(vi)の配位子の例としては、配位子487が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(vii):


    を有し得る。

    一般式(vii)中、Q 51及びQ 52はそれぞれ独立して、O及びSから選択される。 下付き文字nは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字oは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字pは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 51 、A 52及びA 53はそれぞれ独立して、ハロゲン又は一価有機基である。 一般式(vii)の配位子の例としては、2921が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(viii):


    を有し得る。

    一般式(viii)中、A 61 、A 62 、A 63及びA 64はそれぞれ独立して、水素、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、A 61 、A 62 、A 63及び/又はA 64は、H又は一価有機基であり得る。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、Me、Et、Pr及びBu)]、又はBuであり得る。

    一般式(viii)中、A 65は、二価直鎖脂肪族有機基[例えば、アルキレン基(例えば、エチレン)]である。 あるいは、A 61とA 62 、及び/又は、A 63とA 64は、独立して、結合して環構造を形成し得る。 一般式(viii)の配位子の例としては、配位子10396が挙げられる。

    あるいは、配位子は一般式(ix):


    を有し得る。

    一般式(ix)中、A 71及びA 72はそれぞれ独立して、H、一価有機基から選択され、但し、A 71とA 72が一緒に結合して、複素環基のような環式基になることができることを条件とする。

    一般式(ix)中、A 73は、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。

    一般式(ix)中、下付き文字qは、0〜4の整数である。 下付き文字rは、0〜4の整数である。 各A 74及び各A 75は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。

    一般式(ix)中、A 76は、H、ハロゲン及び一価有機基から選択され、但し、A 76がCNではないことを条件とする。 一般式(ix)の配位子の例としては、1547及び3191が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(x):


    を有し得る。

    一般式(x)中、A 81 、A 82及びA 83はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。

    一般式(x)中、下付き文字tは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 84は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル(例えば、Me、Et、Pr若しくはBu)]、又はMeであり得る。 一般式(x)の配位子の例としては、配位子1430が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xi):


    を有し得る。

    一般式(xi)中、下付き文字uは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 91は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基又は一価ヘテロ原子含有基であってもよい。 一価炭化水素基はアルキル基であり得る。 一価ヘテロ原子含有基は、炭化水素オキシ[例えば、アルコキシ]であり得る。

    一般式(xi)中、A 92は、H、ハロゲン原子、一価無機ヘテロ原子含有基、及び一価有機基から選択される。 あるいは、A 92はHである。

    一般式(xi)中、A 93は、H、一価有機基であり、但し、フェノール又はペンタフルオロベンゼンではないことを条件とする。 A 93の一価有機基は、一価炭化水素基又は一価ヘテロ原子含有基であり得る。 一価炭化水素基は、アリール[例えば、Ph]、又はアラルキル[例えば、トリル、キシリル若しくはメシチル]であり得る。 一価ヘテロ原子含有基は、炭化水素オキシ[例えば、アルコキシ]であり得る。

    一般式(xi)中、A 94は、H又は一価有機基である。 一価有機基は、一価炭化水素基又は一価ヘテロ原子含有基であってもよい。 一価炭化水素基はアルキル基であり得る。 一価ヘテロ原子含有基は、炭化水素オキシ[例えば、アルコキシ]であり得る。 あるいは、A 94はHである。

    一般式(xi)中、A 95は、H、一価有機基であり、但し、ニトロではないことを条件とする。 あるいはH、あるいはメトキシ、あるいは三級ブチルである。 一般式(xi)の配位子の例としては、配位子2075、2272及び5177が挙げられる。

    あるいは、配位子は一般式(xii):


    を有し得る。

    一般式(xii)中、下付き文字vは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 100は独立して、ハロゲン及び一価有機基から選択され、但し、A100がtBuではないことを条件とする。

    一般式(xii)中、下付き文字wは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 101は独立して、ハロゲン及び一価有機基から選択され、但し、A 101が三級ブチルはないことを条件とする。 A 100及び/又はA 101の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル、アリール、及びアラルキル基]であり得る。 あるいは、A 101は、アリールであり得る。 あるいは、A 100は、アルキル又はアリールであり得る。 一般式(xii)の配位子の例としては、6372が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xiii):


    を有し得る。

    一般式(xiii)中、Q 111は、O又はSである。 A 111は、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 各A 112及び各A 113は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。 下付き文字xは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 下付き文字yは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 一般式(xiii)の配位子の例としては、6269が挙げられる。

    あるいは、配位子は一般式(xiv):


    を有し得る。

    一般式(xiv)中、A 115及びA 116はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 下付き文字zは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 下付き文字aaは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 117及び各A 118は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。

    あるいは、A 115 、A 116 、A 117及び/又はA 118の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、Me、Et、Pr若しくはBu)]、又はBuであり得る。 一般式(xiv)の配位子の例としては、配位子7471が挙げられる。

    あるいは、配位子は一般式(xv):


    を有し得る。

    一般式(xv)中、Q 121は、O及びSから選択される。 あるいは、Q 121はOである。

    121及びA 122は独立して、H、一価有機基又はハロゲンから選択される。

    下付き文字bbは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1の整数である。 各A 123は独立して、一価有機基又はハロゲンである。 A 124は、H、一価有機基又はハロゲンから選択され、但し、A 124がフェニルではないことを条件とする。 一般式(xv)の配位子の例としては、7534が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xvi):


    を有し得る。

    一般式(xvi)中、A 131及びA 132はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、A 131及び/又はA 132の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アリール基(例えば、Ph)]であり得る。

    一般式(xvi)中、A 133及びA 134はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、A 133及び/又はA 134の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、Me、Et、Pr若しくはBu)]、又はPrであり得る。

    一般式(xvi)中、下付き文字ccは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 135は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択される。 一般式(xvi)の配位子の例としては、10407が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xvii):


    を有し得る。

    一般式(xvii)中、A 141及びA 142は独立して、H及び一価有機基から選択され、あるいはA 141及び/又はA 142の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アリール基(例えば、Ph)又はアラルキル基(例えば、トリル、キシリル若しくはメシチル)]であり得る。

    一般式(xvii)中、下付き文字ddは0〜7、あるいは0〜6、あるいは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 143は独立して、一価有機基又はハロゲンである。 一般式(xvii)の配位子の例としては、3472及び4098が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xviii):


    を有し得る。

    一般式(xviii)中、A 151及びA 154はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 151がフェニルではないことを条件とする。

    一般式(xviii)中、下付き文字eeは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字ffは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 152及び各A 153は独立して、一価有機基及びハロゲンから選択され、但し、A 152がトリフルオロメチルであることができないことを条件とする。 一般式(xviii)の配位子の例としては、配位子1483及び3746が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xix):


    を有し得る。

    一般式(xix)中、Q 161は独立してS及びCから選択され、Q162は独立してN及びCから選択される。 あるいは、Q 161及びQ 162は、C又はSである。 あるいは、Q 162は、N又はCである。 あるいは、Q 161はSである。 破線は、Q 161及びQ 162について選択された原子に応じて単結合又は二重結合を表す。

    一般式(xix)中、A 161 、A 162 、A 163は独立して、水素及び一価有機基から選択される。 あるいは、A 161は、アリール又はアラルキルオキシであり得る。 あるいは、A 162は、アルキル又はアリールであり得る。 あるいは、A 163は、アルキル又は炭素環式であり得る。

    一般式(xix)中、A 164及びA 165は独立して、水素又は一価有機基である。 あるいは、A 164は、H又はアルキルであり得る。 一般式(xix)の配位子の例としては、配位子9042及び9072が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xx):


    を有し得る。

    一般式(xx)中、A 171 、A 172 、A 173及びA 174はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、A 171及びA 172は、アリール[例えば、Ph]又はアラルキル[例えば、トリル、キシリル若しくはメシチル]であり得る。 あるいは、A 173及びA 174は、アルキル[例えば、Me、Et、Pr若しくはBu]、又はMeであり得る。 一般式(xx)の配位子の例としては、1936及び2956が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xxi):


    を有し得る。

    一般式(xxi)中、A 181 、A 182 、A 183及びA 184はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、A 181 、A 182 、A 183及び/又はA 184の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、炭素環式(例えば、シクロヘキシル)又はアルキル][例えば、Me、Et、Pr若しくはBu]、あるいはBuであり得る。

    一般式(xxi)中、A 185及びA 186はそれぞれ独立して、二価有機基である。 二価有機基は、二価炭化水素基[例えば、アルキレン基]であり得る。

    一般式(xxi)中、Q 181 、Q 182及びQ 183はそれぞれ独立して、N及びPから選択される。 あるいは、Q 181及びQ 182はPであり、Q 183はNである。 あるいは、Q 181 、Q 182及びQ 183はそれぞれNである。 一般式(xxi)の配位子の例としては、配位子10150、10394及び10395が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xxii):


    を有し得る。

    一般式(xxii)中、A 191 、A 192 、A 193及びA 194はそれぞれ独立して、H及び一価有機基から選択され、但し、A 191 、A 192 、A 193及びA 194が三級ブチル、メシチル又はジイソプロピルベンゼンではないこと、並びに、A 192及びA 193が一緒に結合して環式基[例えば、五員環複素環式又は複素環式芳香族基]を形成できることを条件とする。 あるいは、A 191 、A 192 、A 193及び/又はA 194の一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、Me、Et若しくはPr]又はPrであり得るが、但し、アルキル基がtBuではないことを条件とする。

    一般式(xxii)中、AN−はアニオン、あるいはCl−、あるいはBF4−である。 一般式(xxii)の配位子の例としては、配位子10450及び10451が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xxiii):

    一般式(xxiii)中、Q 185はO又はSである。 A 204 、A 205 、A 206及びA 207はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、及び無機ヘテロ原子含有基から選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル、アリール又はアラルキル]であり得る。

    一般式(xxiii)中、下付き文字hhは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字iiは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 202及び各A 203は独立して、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択される。

    201は、二価有機基であるか又は存在せず、例えば、A 201が存在しない場合には配位子は配位子10403により例示される。 あるいは、A 201が二価有機基である場合には、二価有機基は炭化水素基[例えば、アルキレン]であり得る。 一般式(xxiii)の配位子の例としては、配位子10403、10405及び10406が挙げられる。

    あるいは、配位子は一般式(xiv):


    を有し得る。

    一般式(xxiv)中、A 211及びA 212はそれぞれ独立して、H、一価有機基及びハロゲンから選択される。 あるいは、一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル又はアラルキル]であり得る。 あるいは、A 211はHである。 あるいは、A 212はアラルキルである。

    一般式(xxiv)中、下付き文字ggは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 213は、一価有機基又はハロゲンから選択される。 一般式(xxiv)の配位子の例としては、3179が挙げられる。

    あるいは、配位子は、一般式(xxv):


    を有し得る。

    一般式(xxv)中、Q 200は、O又はSである。 A 220 、A 221及びA 222はそれぞれ独立して、H、一価有機基、ハロゲン、及び無機ヘテロ原子含有基から選択される。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル、アリール又はアラルキル]であり得る。

    一般式(xxv)中、下付き文字ssは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字rrは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 下付き文字ttは0〜5、あるいは0〜4、あるいは0〜3、あるいは0〜2、あるいは0〜1、あるいは0の整数である。 各A 223 、各A 224及び各A 225は独立して、一価有機基である。 一価有機基は、一価炭化水素基[例えば、アルキル、アリール又はアラルキル]であり得る。

    一般式(xxv)の配位子の例としては、3749が挙げられる。

    例示的な配位子の中性の形態が表2に示される。 あるいは、成分(A)を調製するのに使用される配位子は、下の表2に示されている配位子のうちの1つであり得る。

    本明細書で有用であり、上の表にある様々な配位子は、(例えば、American Custom Chemical Corporation[San Diego,California,U.S.A.]、Alfa Aesar[Ward Hill,Massachusetts,U.S.A.]、Ambinter[Paris,France]、Anthem Pharmaceutical Research LLC[Newington,Connecticut,U.S.A.]、ChemBridge Corporation[San Diego,California,U.S.A.]、Combi−Blocks[San Diego,California,U.S.A.]、Gelest,Inc.[Morrisville,Pennsylvania,U.S.A.]、Interchim,Inc.[San Pedro,California,U.S.A.]、Maybridge Chemical Co.,Ltd.[Belgium]、Princeton Biomolecular Research,Inc.[Princeton,New Jersey,U.S.A.]、Sigma−Aldrich,Inc.[St.Louis,Missouri,U.S.A.]、Strem Chemicals,Inc.[Newburyport,Massachusetts,U.S.A.]、TCI America[Portland,Oregon,U.S.A.]、及びVWR International,LLC[Radnor,Pennsylvania,U.S.A.]といった製造販売業者から)市販されており、並びに/又は、有機化学における従来の合成法を用いて調製することができる。

    成分(A)は、上述の、配位子とV前駆体を組み合わせる方法により、調製され得る。 この方法は、任意選択で、V前駆体と配位子とを組み合わせる前に、V前駆体、若しくは配位子のいずれか、又は両方を溶媒中に溶解する工程を更に含んでもよい。 好適な溶媒は、以下に成分(S)を記述したものによって例示される。 あるいは、配位子は、容器内の溶媒中に溶解されてもよく、その後、配位子の入った容器にV前駆体を加える前に溶媒が除去されてもよい。 配位子とV前駆体の量は、V前駆体に対する配位子のモル比(金属:配位子の比)が10:1〜1:10、あるいは2:1〜1:2、あるいは1:1〜1:4、及びあるいは1:1〜1:2となるように選択される。 V前駆体と配位子とを組み合わせることは、これらを容器内で一緒に混合する、又は容器を振盪するなどの任意の都合の良い手段によって実施されてもよい。

    V前駆体と配位子とを反応させることは、任意の都合の良い条件下で、例えば、上述のように調製されたV前駆体と配位子を−80℃〜200℃、あるいは25℃の室温(RT)にて一定時間にわたって反応させることによって、加熱することによって、又はこれらの組み合わせによって、行われ得る。 加熱は、例えば、25℃超〜200℃、あるいは25℃超〜75℃にて行われ得る。 加熱は、加熱マントル、加熱コイル、又は容器を炉内に置くことによるなどの任意の都合の良い手段によって行われてもよい。 錯化反応温度は、選択された具体的なV前駆体と配位子との反応性、及び金属:配位子の比といった様々な因子によるが、温度は、25℃〜200℃、あるいは25℃〜75℃の範囲であってもよい。 錯化反応時間は、選択された反応温度などの様々な因子によるが、錯化反応時間は典型的には1秒(s)〜48時間(h)、あるいは1分(min)〜30時間(h)、あるいは45min〜15hの範囲であり得る。 配位子とV前駆体は、逐次的に、組み合わされ、加熱されてもよい。 あるいは、配位子とV前駆体は、同時に、組み合わされ、加熱されてもよい。

    成分(A)の触媒活性反応生成物の調製方法は、上述のように調製された反応生成物を活性化する工程を更に含み得る。 反応生成物を活性化する工程は、上述の反応生成物を還元剤と組み合わせることによってV−配位子錯体内の金属原子の形式酸化状態を還元することにより、行うことができる。 反応生成物と組み合わせられ得る還元剤の例としては、アルカリ金属アマルガム、水素、金属水素化物[例えば、リチウムアルミニウム水素化物(LiAlH )]又はナトリウムナフタレニド、シリル水素化物(下記のシラン架橋剤のすべて又は一部に加えて、あるいは、その代わりに)、あるいは、水素化ホウ素金属[例えば、水素化トリエチルホウ素ナトリウム(NaEt BH)、水素化トリエチルホウ素リチウム(LiEt BH)、又は水素化ホウ素ナトリウム(NaBH )]が挙げられる。 好適な還元剤としては、Chem. Rev. 1996,96,877〜910に記載のものが挙げられる。

    あるいは、上述の反応生成物は、上述の反応生成物をイオン活性剤と組み合わせることを含むプロセスにより、活性化することができる。 このプロセスで使用するためのイオン活性剤の例としては、カルボラン(例えば、Li+[CB 11 Br ]−、Li+[CB Br ]−、Li+[CB 1110 Br ]−及びLi+[CB Br ]−、NH +[CB 11 Br ]−、NH +[CB Br ]−、NH +[CB 1110 Br ]−、NH +[CB Br ]−、Na+[CB 11 Br ]−、Na+[CB Br ]−、Na+[CB 1110 Br ]−及びNa+[CB Br ]−)、又は金属ホウ酸塩[例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸リチウム(LiBArF)、テトラキス(3,5−トリフルオロメチル)フェニルホウ酸リチウム、テトラキス(3,5−トリフルオロメチル)フェニルホウ酸ナトリウム]、又はこれらの混合物が挙げられる。

    あるいは、上述の還元生成物は、上述の反応生成物を中性活性剤と組み合わせることを含む方法より、活性化することができる。 この方法で使用するための中性活性剤の例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アランが挙げられる。

    成分(A)の触媒活性反応生成物を調製する方法は、反応後に溶媒を添加する工程を任意選択で更に含み得る。 好適な溶媒は、以下に成分(S)を記述したものによって例示される。 あるいは、この方法は、溶媒が存在する(例えば、錯化反応の前又は間にV前駆体及び配位子の組み合わせを促進するために使用された)場合には、反応副生成物及び/又は溶媒を除去する工程を任意選択で更に含んでもよい。 副生成物としては、例えば、H−A(式中、Aは、一般式(i)において上記で定義されている)、又は、配位子がV前駆体と反応するときにV前駆体から離れた置換可能な置換基の反応の結果生じた任意の種が包含される。 副生成物は、加熱又は真空下によるストリッピング若しくは蒸留、及び/又は濾過、結晶化、あるいはこれらの組み合わせなどの任意の都合の良い手段によって除去されてもよい。 結果として得られる、単離されたV−配位子錯体は、成分(A)の触媒活性反応生成物として使用され得る。

    あるいは、触媒活性反応生成物を成分(A)として使用する前には、反応副生成物は、除去されない。 例えば、配位子及びV前駆体を、上記のように、溶媒除去あり又はなしで、及び活性化あり又はなしで、反応させてもよく、得られる反応生成物(V−配位子錯体及び反応副生成物並びに任意選択で溶媒又は希釈剤を含む)を成分(A)として使用してもよい。 理論に束縛されるものではないが、副生成物は、ヒドロシリル化反応触媒として、又は共触媒若しくは活性剤として、V−配位子錯体に加えて、作用し得ると考えられる。 したがって、反応生成物は、ヒドロシリル化反応を触媒し得る。

    組成物は、単一種の単一触媒を含有してもよい。 あるいは、組成物は、上に成分(A)として記載された触媒を2種以上含んでもよく、その際2種以上の触媒は、配位子の選択、前駆体の選択、金属:配位子比、及び一般式(i)におけるA基の定義のような、少なくとも1つの特性において異なる。 組成物は、白金触媒を含まなくてもよい。 あるいは、組成物は、従来の金属触媒を含まなくてもよい。 あるいは、この組成物は、成分(A)以外に、成分(B)上の不飽和基のヒドロシリル化反応を触媒し得るV化合物を一切含まなくてもよい。 あるいは、この組成物は、成分(A)以外に、ヒドロシリル化反応触媒を含まなくてもよい。 あるいは、この組成物は、成分(A)以外に、成分(B)上の不飽和基のヒドロシリル化反応を触媒し得る成分を一切含まなくてもよい。

    成分(A)は、触媒的に有効な量で組成物中に存在する。 正確な量は、成分(A)の反応性、成分(B)の種類及び量、並びに存在する場合、任意の追加の成分の種類及び量を含む様々な因子によって異なる。 しかしながら、組成物中の成分(A)の量は、組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、1百万分率(ppm)から5%、あるいは0.1%〜2%、そして、あるいは1ppmから1%、の範囲であってもよい。

    成分(B)は、分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有する脂肪族不飽和化合物である。 あるいは、成分(B)は、分子あたり平均で2個以上の脂肪族不飽和有機基を有し得る。 脂肪族不飽和有機基は、ビニル、アリル、プロぺニル、ブテニル、及びヘキセニルによって例示されるがこれらに限定されないアルケニルであり得る。 不飽和有機基は、エチニル、プロピニル、及びブチニルによって例示されるがこれらに限定されないアルキニル基であり得る。

    組成物の成分(B)は、不飽和炭化水素であり得、この不飽和基はヒドロシリル化を介して反応することができる。 成分(B)は、モノマー性であり得る。 例えば、成分(B)に好適な脂肪族不飽和有機化合物としては、限定するものではないが、アルケン[例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン]、ハロゲン化アルケン[例えば、塩化アリル]、ジオレフィン[例えば、ジビニルベンゼン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1−ブテン−3−イン]、シクロオレフィン[例えば、シクロヘキセン及びシクロヘプテン]、並びに、アルキン[例えば、アセチレン、プロピン及び1−ヘキシン]が挙げられる。

    酸素含有脂肪族不飽和化合物も成分(B)に使用することができ、例えば、不飽和はエチレン性であり、例えば、ビニルシクロヘキシルエポキシド、アリルグリシジルエーテル、メチルビニルエーテル、ジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、エチレングリコールのモノアリルエーテル、アリルアルデヒド、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、アリルアクリレート、メチルメタクリレート、アリルメタクリレート、ビニル酢酸、酢酸ビニル及びリノレン酸が挙げられる。

    ジヒドロフラン及びジヒドロピランのような環内に脂肪族不飽和を含有する複素環式化合物もまた成分(B)として好適である。 アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、シアン化アルキル、ニトロエチレンのような窒素置換基を含有する不飽和化合物もまた成分(B)として好適である。

    あるいは、組成物の成分(B)は、ポリマーを含む。 成分(B)は、分子あたり平均で1個以上のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和有機基を有するベースポリマーを含み得る。 成分(B)は、少なくとも1個のヒドロシリル化反応を進行させることができる脂肪族不飽和が存在する上記の様々な化合物のポリマー(例えば、コポリマー又はターポリマー)を含み得る。 例としては、2〜20個の炭素原子を有するオレフィン性モノマーと4〜20この炭素原子を有するジエンとから誘導されるポリマー、モノオレフィン、イソモノオレフィン[例えば、2〜20個の炭素基を有するモノオレフィン、4〜20個の炭素基を有するイソモノオレフィン]及びビニル芳香族モノマー[例えば、スチレン、パラ−アルキルスチレン、パラ−メチルスチレン]のポリマーが挙げられる。 あるいは、この化合物は、ポリ(ジエン)であり得る。 ジエンから誘導されたほとんどのポリマーは通常、不飽和エチレン性単位を主鎖又は側鎖上に含有する。 代表例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブテニレン、ポリ(アルキル−ブテニレン)[アルキルは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を含む]、ポリ(フェニル−ブテニレン)、ポリペンテニレン、天然ゴム(ポリイソプレンの一形態)、及びブチルゴム(イソブチレンとイソプレンのコポリマー)が挙げられる。

    あるいは、成分(B)は、脂肪族不飽和を有するハロゲン化オレフィンポリマーを含み得る。 脂肪族不飽和を有するハロゲン化オレフィンポリマーの代表例としては、ベンジルハロゲンを導入するためのハロゲンパラ−メチルスチレンとイソモノオレフィンのコポリマーの臭素化から得られるポリマー、ハロゲン化ポリブタジエン、ハロゲン化ポリイソブチレン、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリクロロプレン(85%トランス)、ポリ(1−クロロ−1−ブテニレン)(Neoprene(登録商標))及びクロロスルホン化ポリエチレンが挙げられる。

    あるいは、成分(B)は、ビニルエーテル基、アクリレート基、メチルアクリレート(methyacrylate)基及びエポキシ官能基といった上記の他の化合物を含有するポリマーを含み得る。

    あるいは、成分(B)は、脂肪族不飽和を有するシランを含み得る。 あるいは、このシランは、一般式R 35 xx SiR 36 (4−xx)を有してもよく、式中、下付き文字xxは1〜4、あるいは1〜3、あるいは1の整数である。 R 35は脂肪族不飽和有機基であり、R 36は、H、ハロゲン原子及び一価有機基から選択される。

    あるいは、成分(B)は、脂肪族不飽和を有する直鎖、分枝状、環式又は樹脂性構造を有するケイ素含有ベースポリマーを含み得る。 あるいは、ベースポリマーは、直鎖及び/又は分枝状構造を有し得る。 あるいは、ベースポリマーは、樹脂性構造を有し得る。 ベースポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであり得る。 成分(B)は、単一種のベースポリマーであり得る。 あるいは、成分(B)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2種以上のベースポリマーを含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、シロキサン単位、及び配列。 ベースポリマーの脂肪族不飽和有機基は、末端に、側枝に、又は末端及び側枝の両方に、位置し得る。

    成分(B)のためのベースポリマー中の残りのケイ素結合有機基は、脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり得る。 一価炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル]、シクロアルキル[例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル]、アリール[例えば、Ph、トリル、キシリル、及びナフチル]、及びアラルキル[例えば、ベンジル、1−フェニルエチル及び2−フェニルエチル]が挙げられる。 一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、限定するものではないが、塩化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)が挙げられる。 他の一価有機基の例としては、限定するものではないが、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)、及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)が挙げられる。

    成分(B)は、
    式(I):R SiO(R SiO) (R SiO) SiR
    式(II):R SiO(R SiO) (R SiO) SiR
    又はこれらの組み合わせのポリジオルガノシロキサンを含み得る。

    式(I)及び(II)中、各R は独立して、水素原子、又は、脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、各R は独立して、上述のものにより例示される脂肪族不飽和有機基である。 下付き文字aは0又は正の数であり得る。 あるいは、下付き文字aは、少なくとも2の平均値を有する。 あるいは、下付き文字aは、2〜2000の範囲の値を有し得る。 下付き文字bは0又は正の数であり得る。 あるいは、下付き文字bは0〜2000の範囲の平均値を有し得る。 下付き文字cは0又は正の数であり得る。 あるいは、下付き文字cは0〜2000の範囲の平均値を有し得る。 下付き文字dは少なくとも2の平均値を有する。 あるいは、下付き文字dは2〜2000の範囲の平均値を有し得る。 R に好適な一価有機基は、成分(B)について上述した通りである。 あるいは、各R は、アルキル(例えば、Me)及びアリール(例えば、Ph)により例示される一価炭化水素基である。 各R は独立して、成分(B)について上述した脂肪族不飽和一価有機基である。 あるいは、R は、アルケニル基[例えば、ビニル、アリル、及びブテニル]、並びに、アルキニル基[例えば、エチニル及びプロピニル]が挙げられる。

    成分(B)は、以下のもののようなポリジオルガノシロキサンを含み得る:
    i)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリジメチルシロキサン、
    ii)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
    iii)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリメチルビニルシロキサン、
    iv)トリメチルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
    v)トリメチルシロキシで末端処理したポリメチルビニルシロキサン、
    vi)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
    vii)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、
    viii)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、
    ix)フェニル、メチル、ビニル−シロキシで末端処理したポリジメチルシロキサン、
    x)ジメチルヘキセニルシロキシで末端処理したポリジメチルシロキサン、
    xi)ジメチルヘキセニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
    xii)ジメチルヘキセニルシロキシで末端処理したポリメチルヘキセニルシロキサン、
    xiii)トリメチルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
    xiv)トリメチルシロキシで末端処理したポリメチルヘキセニルシロキサン、
    xv)ジメチルヘキセニル−シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
    xvi)ジメチルビニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチルヘキセニルシロキサン)、
    xvii)これらの組み合わせ。

    対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は環式ポリジオルガノシロキサンの平衡などの、成分(B)としての使用に好適なポリジオルガノシロキサン流体の調製方法は、当該技術分野において周知である。

    上述のポリジオルガノシロキサンに加えて又はその代わりに、成分(B)は、R SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とから本質的になるMQ樹脂、R SiO 3/2単位とR SiO 2/2単位とから本質的になるTD樹脂、R SiO 1/2単位とR SiO 3/2単位とから本質的になるMT樹脂、R SiO 1/2単位とR SiO 3/2単位とR SiO 2/2単位とから本質的になるMTD樹脂、又はこれらの組み合わせのような樹脂を更に含み得る。

    各R は、成分(B)について上述したものにより例示される一価有機基である。 あるいは、R で表される一価有機基は1〜20の炭素原子を有し得る。 あるいは、R についての一価有機基の例としては、限定するものではないが、一価炭化水素基及び一価ハロゲン化炭化水素基が挙げられる。

    樹脂は、平均で3〜30モルパーセント、あるいは0.1〜30モルパーセント、あるいは0.1〜5モルパーセント、あるいは3〜100モルパーセントの脂肪族不飽和有機基を含有し得る。 脂肪族不飽和有機基はアルケニル基、アルキニル基、又はこれらの組み合わせであってよい。 樹脂中の脂肪族不飽和有機基のモル%は、樹脂中のシロキサン単位の総モル数に対する樹脂中の不飽和基含有シロキサン単位のモル数の比率に100を乗じたものである。

    樹脂の調製方法は、当該技術分野において周知される。 例えば、樹脂は、少なくとも1種のアルケニル含有末端保護試薬を用いるDaudtらのシリカヒドロゾル封鎖プロセスにより製造された樹脂コポリマーを処理することにより調製され得る。 Daudtらの方法は、米国特許第2,676,182号に開示されている。

    Daudtらの方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルとトリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン又はそれらの混合物とを反応させる工程とM単位及びQ単位を有するコポリマーを回収する工程とを伴う。 得られるコポリマーは、2〜5重量%のヒドロキシル基を含有する。

    典型的に2%未満のケイ素結合ヒドロキシル基を含有する樹脂は、Daudtらの生成物と不飽和有機基含有末端保護剤及び脂肪族不飽和を有しない末端保護剤とを、最終製品中に3〜30モル%の不飽和有機基をもたらすのに十分な量で反応させることにより調製できる。 末端保護剤の例としては、シラザン、シロキサン及びシランが挙げられるがこれらに限定されない。 好適な末端保護剤は、当該技術分野において既知であり、米国特許第4,584,355号、同第4,591,622号、及び同第4,585,836号に例示されている。 単一の末端保護剤又はこのような剤の混合物を使用して、樹脂を調製することができる。

    あるいは、成分(B)は、上記のポリオルガノシロキサン以外のケイ素含有ベースポリマーを含み得る。 例えば、成分(B)に好適な他の化合物としては、シラザン及び/又は、アルキレン若しくはポリアルキレン基のようなヒドロカルビル基又はアリーレン基により一緒に結合されたケイ素原子を含有するポリマー物質が挙げられる。 成分(B)として有用なケイ素修飾された有機化合物としては、シラン又はシロキサン部分として結合したケイ素原子を少なくとも1個有する有機ポリマーが挙げられる。 ケイ素含有単位は、脂肪族不飽和を含有することができ、有機ポリマー鎖上の末端及び/若しくは側枝位置に、又はコポリマーとして、結合することができる。 成分(B)について他の代表的なケイ素修飾有機ポリマーは、限定するものではないが、ビニルシロキシ−、アリルシロキシ−、及びヘキセニルシロキシ−有機ポリマーといったアルケニルシロキシ官能性ポリマー、並びに、シロキサン−有機ブロックコポリマーにより例示される。 シラン修飾有機ポリマーの例は、オレフィン、イソモノオレフィン、ジエン、エチレン又はプロピレンオキシドから誘導されるシリル化ポリマー、イソモノオレフィンとビニル芳香族モノマーとのシラン−グラフト化コポリマーのような2〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族モノマーである。

    上記のケイ素修飾有機ポリマーの例としては、ビニルシロキシで末端処理した又はヘキセニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/ヒドロカルビル)コポリマー、ビニルシロキシで末端処理した若しくはヘキセニルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/ポリオキシアルキレン)ブロックコポリマー、アルケニルオキシジメチルシロキシで末端処理したポリイソブチレン及びアルケニルオキシジメチルシロキシで末端処理したポリジメチルシロキサン/ポリイソブチレンブロックコポリマーが挙げられる。 成分(B)に好適な化合物の例は、例えば、国際公開第2003/093369号に見出すことができる。

    組成物中の成分(B)の量は、組成物の反応生成物の所望される形態、成分(B)の脂肪族不飽和基の量及びヒドロシリル化反応性、成分(A)の種類及び量、並びに、成分(B)及び/又は成分(C)のケイ素結合水素原子の量といった様々な因子によって異なる。 しかしながら、成分(B)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0.1重量%〜99.9重量%の範囲であり得る。

    組成物中の成分(C)は、SiH官能性化合物、すなわち、分子あたり平均で1個以上のケイ素結合水素原子を有する。 成分(C)は、シラン及び/又は有機水素ケイ素化合物を含み得る。 あるいは、成分(C)は、分子あたり平均で少なくとも2個のケイ素結合水素原子を有し得る。 組成物中の成分(C)の量は成分(C)のSiH含有量、成分(B)の不飽和基含有量、及び所望の組成物の反応生成物といった様々な因子によって異なるが、成分(C)の量は、成分(C)中のSiH基の、成分(B)中の脂肪族不飽和有機基に対するモル比(SiH:Viの比と一般的に称される)を、0.3:1〜5:1、あるいは0.1:10〜10:1の範囲で提供するのに十分であり得る。 成分(C)は、モノマー又はポリマー構造を有し得る。 成分(C)がポリマー構造を有する場合、このポリマー構造は、直鎖、分枝状、環式又は樹脂状構造であり得る。 成分(C)がポリマーである場合、成分(C)はホモポリマー又はコポリマーであり得る。 成分(C)中のケイ素結合水素原子は、末端に、側枝に、又は末端及び側枝位置の両方に、配置され得る。 成分(C)は、1種のSiH官能性化合物であり得る。 あるいは、成分(C)は、2種以上のSiH官能性化合物の組み合わせを含み得る。 成分(C)は、以下の特性:構造、平均分子量、粘度、シロキサン単位、及び配列、のうちの少なくとも1つが異なる2種以上の有機水素ポリシロキサンであり得る。

    成分(C)は、式R SiH のシランを含んでもよく、式中、下付き文字eは0、1、2又は3であり、下付き文字fは1、2、3又は4であり、但し、和(e+f)が4であることを条件とする。 各R は独立して、ハロゲン原子又は一価有機基である。 R に好適なハロゲン原子は、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素、あるいは塩素により例示される。 R に好適な一価有機基の例としては、一価炭化水素基及び一価ハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。 一価炭化水素基としては、限定するものではないが、アルキル[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、及びオクタデシル]、シクロアルキル[例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル]、アリール[例えば、Ph、トリル、キシリル、及びナフチル]、及びアラルキル[例えば、ベンジル、1−フェニルエチル及び2−フェニルエチル]が挙げられる。 一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、限定するものではないが、塩化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)が挙げられる。 他の一価の有機基の例としては、限定するものではないが、酸素原子で置換された炭化水素基[例えば、グリシドキシアルキル、及びアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ)]、及び窒素原子で置換された炭化水素基[例えば、アミノアルキル]、及びシアノ官能基[例えば、シアノエチル及びシアノプロピル]が挙げられる。 成分(C)に好適なシランの例は、トリクロロシラン(HSiCl )、Me HSiCl又はMeHSi(OMe) により例示される。

    あるいは、成分(C)の有機水素ケイ素化合物は、限定するものではないがHR SiO 1/2 、R SiO 1/2 、HR SiO 2/2 、R SiO 2/2 、R SiO 3/2 、HSiO 3/2及びSiO 4/2単位が挙げられるシロキサン単位を含むポリ有機水素シロキサンを含み得る。 上記式中、各R は独立して、上記の脂肪族不飽和を含まない一価有機基から選択される。

    成分(C)は、
    式(III):R SiO(R SiO) (R HSiO) SiR
    式(IV):R HSiO(R SiO) (R HSiO) SiR H、又は これらの組み合わせのポリ有機水素シロキサンを含み得る。

    上記式(III)及び式(IV)中、下付き文字gは0〜2000の平均値を有し、下付き文字hは2〜2000の平均値を有し、下付き文字iは0〜2000の平均値を有し得、下付き文字jは0〜2000の平均値を有する。 各R は独立して、上記の一価有機基である。

    成分(C)のポリ有機水素シロキサンは、以下により例示される:
    a)ジメチル水素シロキシで末端処理したポリジメチルシロキサン、
    b)ジメチル水素シロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)、
    c)ジメチル水素シロキシで末端処理したポリメチル水素シロキサン、
    d)トリメチルシロキシで末端処理したポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)、
    e)トリメチルシロキシで末端処理したポリメチル水素シロキサン、
    f)H(CH SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とから本質的になる樹脂、及び g)これらの組み合わせ。

    オルガノハロシランの加水分解及び縮合のような、成分(C)として用いるのに好適な直鎖、分枝状、及び環式有機水素ポリシロキサンの調製方法は、当該技術分野において周知である。 成分(C)として用いるのに好適なオルガノ水素ポリシロキサン樹脂の調製方法もまた、米国特許第5,310,843号、同第4,370,358号、及び同第4,707,531号に例示されるように周知である。

    あるいは、成分(C)の有機水素ケイ素化合物は、式(V)の化合物を含み得る:


    式中、各R

    29は独立して、水素原子及び、1〜20個の構成原子を含む一価有機基から選択され、下付き文字kは0〜18の範囲の値を有する整数であり、下付き文字mは02〜19の範囲の値を有する整数であり、k+mは3〜20、あるいは3〜40の範囲の値を有する整数である。 各R

    30は独立して、上述の部分に記載の一価有機基、ハロゲン基又はシロキサン単位から選択される。 あるいは、各R

    30は独立して、ハロゲン原子、エーテル基、アルコキシ基、アルコキシエーテル基、アシル基、エポキシ基、アミノ基、シリル基又は−Z−R

    31基から選択され、式中、各Zは独立して、酸素原子、及び2〜20個の炭素原子を含む二価炭化水素基から選択され、各R

    31基は独立して、−BR

    29

    32

    2−u 、−SiR

    29

    32

    3−v又は式(VI)により表される基から選択される:


    (R

    32

    3−n

    29

    SiO

    1/2

    (R

    32

    2−o

    29

    SiO

    2/2

    (R

    32

    1−p

    29

    SiO

    3/2

    (SiO

    4/2

    (CR

    29

    32

    1−q

    aa (CR

    29

    32

    2−r

    bb (O(CR

    29

    32

    2−s

    cc (CR

    29

    32

    3−t

    dd


    式中、Bはホウ素を指し、各R

    29は上記の通りであり、和w+x+y+z+aa+bb+cc+ddは少なくとも2であり、下付き文字nは0〜3の範囲の値を有する整数であり、下付き文字oは0〜2の値の範囲の値を有する整数であり、下付き文字pは0〜1の範囲の値を有する整数であり、下付き文字qは0〜1の範囲の値を有する整数であり、下付き文字rは0〜2の範囲の値を有する整数であり、下付き文字sは0〜2の範囲の値を有する整数であり、下付き文字tは0〜3の範囲の値を有する整数であり、下付き文字uは0〜2の範囲の値を有する整数であり、下付き文字vは0〜3の範囲の値を有する整数であり、各R

    32は、独立してハロゲン原子、エーテル基、アルコキシ基、アルコキシエーテル基、アシル基、エポキシ基、アミノ基、シリル基、又はZ−G基から選択される官能性基であり、式中、Zは上記の通りであり、各Gは式(VII)により表されるシクロシロキサンである:



    式中、R

    29及びR

    30は上記の通りであり、下付き文字eeは1であり、下付き文字ffは0〜18の範囲の値を有する整数であり、下付き文字ggは0〜18の範囲の値を有する整数であり、ff+ggは、2〜20の範囲の値を有する整数であり、但し、式(VII)において、R

    32のうちの1つが、R

    31基を式(VII)のシクロシロキサンに結合するZ基により置換され、更にaa+bb+cc+dd>0である場合にはw+x+y+z>0であることを条件とする。

    このような有機水素ケイ素化合物は、市販されており、例としてはSYL−OFF(登録商標)SL2架橋剤及びSYL−OFF(登録商標)SL12架橋剤が挙げられ、これらはどちらもDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている。 上記の有機水素ケイ素化合物及びそれらの調製方法は、国際公開第2003/093349号及び同第2003/093369号に例示されている。 代表的な有機水素ケイ素化合物は、次の一般式を有し得る:


    式中、


    各R

    33は独立して、水素原子及び一価有機基から選択され、各R

    34は独立して、水素原子、一価有機基及び式



    の基から選択され、下付き文字hhは少なくとも1の値を有する整数であり、下付き文字jjは少なくとも1の値を有する整数であり、下付き文字iiは最小値0を有する整数である。 この一般式中、R

    33の少なくとも1つは、水素原子である。 R

    33及び/又はR

    34に好適な一価有機基は、R

    29について上述した基により例示される。

    組成物中の成分(C)の正確な量は、成分(A)の反応性、成分(B)の種類及び量、成分(B)がケイ素結合水素原子を含有しているかどうか、並びに、(成分(C)以外の)任意の追加成分が存在する場合にはその種類及び量といった、様々な因子によって異なる。 しかしながら、組成物中の成分(C)の量は、組成物中の全ての成分の総重量に基づいて、0%〜25%、あるいは0.1%〜15%、あるいは1%〜5%の範囲であり得る。

    成分(D)はスペーサーである。 スペーサーは、有機粒子、無機粒子、又はこれらの組み合わせを含み得る。 スペーサーは、熱伝導性、導電性、又は両方であり得る。 スペーサーは、所望の粒径を有することができ、例えば、粒径は25マイクロメートル(μm)〜125μmの範囲であり得る。 スペーサーは、ガラス又はポリマー(例えば、ポリスチレン)ビーズなどの単分散ビーズを含み得る。 スペーサーは、アルミナ、窒化アルミニウム、噴霧金属粉、窒化ホウ素、銅、及び銀などの熱伝導性充填剤を含み得る。 成分(D)の量は、粒径分布、組成物若しくはそれから調製される硬化生成物の使用中に適用される圧、使用中の温度、並びに、組成物若しくはそれから調製される硬化生成物の所望の厚さといった、様々な因子によって異なる。 しかしながら、組成物は0.05〜2%、あるいは0.1%〜1%の範囲の量の成分(D)を含有し得る。

    成分(E)は、増量剤及び/又は可塑剤である。 非官能性ポリオルガノシロキサンを含む増量剤を、組成物に使用することができる。 例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R SiO 2/2の二官能性単位及び式R SiR 28 −の末端単位を含み得、式中、各R 及び各R は独立して、一価有機基[例えば、一価炭化水素基(例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリル及びヘキセニル)、アリール(例えば、Ph、トリル、キシリル及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、フェニルエチル)]であり、R 28は、酸素原子、又は末端単位のケイ素原子と別のケイ素原子とを連結している二価基である。R 28の二価連結基は、二価有機基、シリコーン有機基、又は二価炭化水素基と二価シロキサン基の組み合わせであり得る。あるいは、各R 28は独立して、酸素原子及び二価の炭化水素基から選択され得る。あるいは各R 28は、酸素原子であり得る。あるいは各R 28は、アルキレン基[例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレン]、アリーレン基[例えば、フェニレン]、又はアルキルアリーレン基[例えば、


    ]であり得る。 あるいは、R

    28の例は酸素原子であり得、一方、R

    28の異なる例は二価の炭化水素基である。 非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。 好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサンにより例示される。 このようなポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200流体が挙げられ、5E−5m

    /s〜0.1m

    /s(50cSt〜100,000cSt)、あるいは5E−5m

    /s〜0.05m

    /s(50cSt〜50,000cSt)、あるいは0.0125m

    /s〜0.06m

    /s(12,500〜60,000cSt)の範囲の粘度を有し得る。

    有機可塑剤は、上記の非官能性ポリオルガノシロキサン増量剤に加えて、又はその代わりに、使用され得る。 有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。 有機可塑剤は、フタル酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、アジピン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。 有機可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、分枝状及び直鎖の1,2シクロヘキサンジカルボン酸,ジノニルエステル、ビス(2−プロピルへプチル)フタレート、ジイソノニルアジペート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。

    有機可塑剤は、式


    の基を分子あたり平均で少なくとも1個有し得る。 式中、R

    は、水素原子又は一価有機基を表す。 あるいは、R

    は、分枝状又は直鎖の一価炭化水素基を表し得る。 一価の有機基は、4〜15個の炭素原子、あるいは9個〜12個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価炭化水素基であり得る。 好適な可塑剤は、アジピン酸塩、カルボン酸塩、フタル酸塩及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。

    あるいは、有機可塑剤は、環式炭化水素中の炭素原子に結合した上記の式の基を、分子あたり平均で少なくとも2個有し得る。 有機可塑剤は、次の一般式を有し得る:


    式中、Z基は、3個以上の炭素原子、あるいは3〜15個の炭素原子を有する環式炭化水素基を表す。 下付き文字kは、1〜12の範囲の値を有し得る。 Z基は、飽和又は芳香族であり得る。 各R

    10は独立して水素原子、又は分枝状若しくは直鎖の一価の有機基である。 R

    の一価有機基は、Me、Et又はBuといった、アルキル基であり得る。 あるいは、R

    10の一価有機基は、エステル官能基であり得る。 各R

    は独立して、4〜15個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価炭化水素基である。

    好適な有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。 可塑剤は、フタレート(ジブチルフタレート(Eastman(商標)DBP Plasticizer)、フタル酸ジヘプチル、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、又はフタル酸ジイソデシル(DIDP)などのフタル酸ジアルキル、ビス(2−プロピルヘプチル)フタレート(BASF Palatinol(登録商標)DPHP)、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(Eastman(商標)DOP Plasticizer)、フタル酸ジメチル(Eastman(商標)DMP Plasticizer);フタル酸ジエチル(Eastman(商標)DMP Plasticizer);フタル酸ブチルベンジル、及びビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート(Eastman(商標)425 Plasticizer)などの);ジカルボン酸塩(ベンジル、C7〜C9直鎖及び分枝状アルキルエステル、1,2,ベンゼンジカルボン酸(Ferro SANTICIZER(登録商標)261A)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(BASF Palatinol(登録商標)TOTM−I)、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸塩(Eastman(商標)168Plasticizer)などの);2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸塩;1,2シクロヘキサンジカルボン酸、ジノニルエステル、分枝状及び直鎖(BASF Hexamoll DINCH);ジイソノニルアジパート;トリメリタート(トリオクチルトリメリテート(Eastman(商標)TOTM Plasticizer)などの);トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)(Eastman(商標)TEG−EH Plasticizer);トリアセチン(Eastman(商標)Triacetin);非芳香族二塩基酸エステル(ジオクチルアジパート、ビス(2−エチルヘキシル)アジパート(Eastman(商標)DOA Plasticizer及びEastman(商標)DOA Plasticizer、Kosher)、ジ−2−エチルヘキシルアジパート(BASF Plastomoll(登録商標)DOA)、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、及びコハク酸ジイソデシルなどの);脂肪族エステル(オレイン酸ブチル及びリシノール酸メチルアセチルなどの);リン酸塩(リン酸トリクレシル及びリン酸トリブチルなどの);塩化パラフィン;炭化水素油(アルキルジフェニル及び部分的に水素添加したテルフェニルなどの);プロセス油;エポキシ可塑剤(エポキシ化した大豆油及びベンジルエポキシステアレートなどの);トリス(2−エチルヘキシル)エステル;脂肪酸エステル;並びにこれらの組み合わせを含んでもよい。 他の適切な可塑剤の例及びその商業的入手源としては、BASF Palamoll(登録商標)652及びEastman 168 Xtreme(商標)Plasticizerが挙げられる。

    あるいは、ポリマー可塑剤を使用することもできる。 ポリマー可塑剤の例としては、様々な方法によりビニル若しくはアリルモノマーを重合することによって得られるアルケニルポリマー;ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、及びペンタエリスリトールエステル);二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸及びフタル酸)と二価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール)から得られるポリエステル可塑剤;それぞれ500以上の分子量を有するポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール)とポリスチレン(例えば、ポリスチレン及びポリ−α−メチルスチレン)とを含むポリエーテル;並びに、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリル及びポリクロロプレンが挙げられる。

    成分(E)について上述したポリオルガノシロキサン増量剤及び有機可塑剤は、それぞれ単独で、又は、これらを2つ以上組み合わせて、のいずれかで使用され得る。 低分子量有機可塑剤と高分子量ポリマー可塑剤を組み合わせて使用してもよい。 組成物中で使用される成分(E)の正確な量は、組成物及びその硬化生成物の所望される最終用途といった様々な因子によって異なる。 しかしながら、成分(E)の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲であり得る。

    成分(F)は、充填剤である。 充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、伝導性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。 例えば、組成物は、場合により、成分(f1)補強充填剤を更に含み得、これは、存在する場合には、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%の範囲の量で添加され得る。 成分(f1)の正確な量は、組成物の反応生成物の形態(例えば、ゲル又はゴム)、及び、他の充填剤が添加されるかどうか、といった様々な因子によって異なる。 好適な補強充填剤の例としては、細断繊維[例えば、細断されたKEVLAR(登録商標)]及び/又はシリカ充填剤[例えば、ヒュームシリカ、シリカエアロゲル及び沈殿シリカ]が挙げられる。 ヒュームドシリカは、当該技術分野において既知であり、市販されている:例えば、Cabot Corporation(Massachusetts,U.S.A.)から名称CAB−O−SILで販売されているヒュームドシリカ。

    組成物は、場合により、成分(f2)増量充填剤を、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%、あるいは1〜20重量%の範囲の量で更に含み得る。 増量充填剤の例としては、破砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム(例えば、軽質炭酸カルシウム)、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト、又はこれらの組み合わせが挙げられる。 増量充填剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、U. S. Silica(Berkeley Springs,WV)により名称MIN−U−SILで販売されている破砕シリカといったように、市販されている。 好適な軽質炭酸カルシウムとしては、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、並びに、SMIからのUltrapflex(登録商標)及びUltrapflex(登録商標)100が挙げられる。

    組成物は、場合により、成分(f3)伝導性充填剤を更に含む。 成分(F)は、熱伝導性及び導電性の両方であってよい。 あるいは、成分(F)は、熱伝導性及び電気絶縁性であり得る。 成分(F)は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム三水和物、チタン酸バリウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、黒鉛、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、金属微粒子、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。 成分(F)は、金属充填剤、無機充填剤、溶融性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。 金属充填剤は、金属の粒子及び粒子の表面上に層を有する金属の粒子を含む。 これらの層は、例えば、粒子の表面上の金属窒化物層又は金属酸化物層であってよい。 好適な金属充填剤としては、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される金属、又はアルミニウムの粒子が挙げられる。 好適な金属充填剤としては、更に、表面上に窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化銀、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される層を有する上記金属の粒子が挙げられる。 例えば、金属充填剤は、表面上に酸化アルミニウム層を有するアルミニウム粒子を含み得る。

    無機導電性充填剤としては、オニキス;アルミニウム三水和物;酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛などの金属酸化物;窒化アルミニウム及び窒化ホウ素などの窒化物;炭化ケイ素及び炭化タングステンなどの炭化物;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。 あるいは、無機導電性充填剤としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 溶融性充填剤は、Bi、Ga、In、Sn、又はこれらの合金を含み得る。 溶融性充填剤は、任意にAg、Au、Cd、Cu、Pb、Sb、Zn、又はこれらの組み合わせを更に含み得る。 好適な溶融性充填剤の例としては、Ga、In−Bi−Sn合金、Sn−In−Zn合金、Sn−In−Ag合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Bi−Cu−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Zn合金、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 溶融性充填剤は、50℃〜250℃、あるいは150℃〜225℃の範囲の融点を有し得る。 溶融性充填剤は、共晶合金、非共晶合金、又は純金属であってよい。 溶融性充填剤は市販されている。

    例えば溶融性充填剤はIndium Corporation of America(Utica,N.Y.,U.S.A.)、Arconium(Providence,R.I.,U.S.A.)、及びAIM Solder(Cranston,R.I.,U.S.A)から入手可能である。 アルミニウム充填剤は、例えばToyal America,Inc. (Naperville,Illinois,U.S.A.)、及びValimet Inc. (Stockton,California,U.S.A.)から市販されている。 銀充填剤はMetalor Technologies U. S. A. Corp. (Attleboro,Massachusetts,U.S.A.)から市販されている。

    熱伝導性充填剤は、当該技術分野において既知であり、また市販されている。 例えば、CB−A20S及びAl−43−Meは、昭和電工株式会社から市販されている様々な粒径の酸化アルミニウムであり、AA−04、AA−2及びAA18は、住友化学株式会社から市販されている酸化アルミニウムである。 商標KADOX(登録商標)及びXX(登録商標)を有する酸化亜鉛のような酸化亜鉛は、Zinc Corporation of America(Monaca,Pennsylvania,U.S.A.)から市販されている。

    充填剤粒子の形状は特に制限されていないが、丸みを帯びた又は球状の粒子は、組成物中に充填剤を高装填した際に粘度が望ましくない程度にまで増加することを防止し得る。

    成分(F)は、単一の充填剤、又は充填剤の粒子形状、平均粒径、粒径分布、及び種類などの少なくとも1つの特性が異なる2種以上の充填剤の組み合わせとなり得る。 例えば、より大きな平均粒径を有する第一の充填剤とより小さな平均粒径を有する第二の充填剤などの、充填剤同士の組み合わせを用いることが望ましい場合がある。 より大きな平均粒径を有する第一の充填剤と第一の充填剤よりも小さな平均粒径を有する第二の充填剤を使用すると、充填効率が改善し得る、並びに/あるいは、このような充填剤の組み合わせを持たない組成物と比較して組成物の粘度を低減し得る。

    充填剤の平均粒径は、成分(F)に選択される充填剤の種類、組成物に添加される正確な量、並びに、組成物の反応生成物についての最終用途といった、様々な因子によって異なる。 しかしながら、充填剤は、0.1〜80μm、あるいは0.1〜50μm、あるいは0.1〜10μmの範囲の平均粒径を有し得る。

    組成物中の成分(F)の量は、組成物及び組成物の反応生成物について選択される最終用途、成分(B)の種類及び量、並びに、成分(F)に選択される充填剤の種類及び量といった、様々な因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(F)の量は、組成物の容積の、0容積%〜80容積%、あるいは50容積%〜75容積%、あるいは30容積%〜80容積%の範囲であり得る。 理論に束縛されるものではないが、充填剤の量が80容積%を超える場合には、組成物は、反応して、一部の用途について不十分な寸法一体性を有する反応生成物を形成し得ると考えられる。

    組成物は、場合により、成分(G)処理剤を更に含み得る。 成分(G)の量は、選択される処理剤の種類、処理される(成分(F)及び/又は(D)といった)粒子の種類及び量、粒子が組成物の添加前に処理されるのかどうか、又は、粒子がその場で処理されるのかどうか、といった因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(G)は、組成物の全成分の0.01〜20重量%、あるいは0.1〜15重量%、あるいは0.5〜5重量%の範囲の量で使用され得る。 粒子、例えば、充填剤、物理的乾燥剤、特定の難燃剤、特定の顔料は、存在する場合には、任意選択で、成分(G)で表面処理され得る。 粒子は、組成物に添加される前に、又は、その場にて、成分(G)で処理され得る。 成分(G)は、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環式ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン、又はメチルフェニルシロキサン、又は脂肪酸を含み得る。 脂肪酸の例としては、ステアリン酸カルシウムといったステアリン酸塩が挙げられる。

    成分(G)として使用できる一部の代表的な有機ケイ素充填剤処理剤としては、シリカ充填剤を処理するのに通常使用される組成物、例えば、オルガノクロロシラン、オルガノシロキサン、オルガノジシラザン[例えば、ヘキサアルキルジシラザン]、及びオルガノアルコキシシラン[例えば、C 13 Si(OCH 、C 17 Si(OC 、C 1021 Si(OCH 、C 1225 Si(OCH 、C 1429 Si(OC 、及びC CH CH Si(OCH ]が挙げられる。 使用できる他の処理剤としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタン酸塩、チタン酸塩カップリング剤、ジルコン酸塩カップリング剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

    あるいは、成分(G)は、式:R 11 Si(OR 12(4−m)を有するアルコキシシランを含み得、式中、下付き文字mは1〜3の範囲の値を有し得、あるいは下付き文字mは3である。 各R 11は独立して、1〜50個の炭素原子、あるいは8〜30個の炭素原子、あるいは8〜18個の炭素原子の一価炭化水素基といった、一価有機基である。 R 11としては、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシルなどのアルキル基、並びにベンジル及びフェニルエチルなどの芳香族基が挙げられる。 R 11は、飽和又は不飽和、並びに、分枝状又は非分枝状であり得る。 あるいは、R 11は、飽和及び非分枝状であり得る。

    各R 12は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。 成分(G)としての使用に好適なアルコキシシランは、へキシトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン及びこれらの組み合わせにより例示される。

    アルコキシ官能性オリゴシロキサンはまた、処理剤としても使用され得る。 例えば、好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンとしては、式(V):(R 13 O) Si(OSiR 14 15(4−n)のものが挙げられる。 この式中、下付き文字nは1、2、又は3であり、あるいは下付き文字nは3である。 各R 13は、アルキル基であり得る。 各R 14は、1〜10個の炭素原子の不飽和一価炭化水素基であり得る。 各R 15は、少なくとも10個の炭素原子を有する不飽和一価炭化水素基であり得る。

    金属充填剤などの特定の粒子は、アルキルチオール(例えば、オクタデシルメルカプタン)、脂肪酸(例えば、オレイン酸及びステアリン酸)、及びこれらの組み合わせで処理され得る。

    アルミナ又は不動態化窒化アルミニウムのための処理剤としては、アルコキシシリル官能性アルキルメチルポリシロキサン(例えば、R 16 17 Si(OR 18(4−o−p)の部分加水分解縮合体又は共加水分解縮合体又は混合物)、あるいは、加水分解可能な基がシラザン、アシルオキシ、又はオキシモを含み得る類似の物質を挙げることができる。 これらのすべてにおいて、上式中のR 16などのSiに連結された基は、長鎖不飽和一価炭化水素又は一価芳香族官能性炭化水素である。 各R 17は独立して一価炭化水素基であり、各R 18は独立して炭素原子数1〜4個の一価炭化水素基である。 上記式中、下付き文字oは1、2、又は3であり、下付き文字pは0、1、又は2であるが、但し、和(o+p)が1、2、又は3であることを条件とする。

    他の処理剤としては、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。 好適なアルケニル官能性ポリオルガノシロキサンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:


    式中、下付き文字qは、最大1,500の値を有する。 他の処理剤としては、モノ末端封鎖アルコキシ官能性ポリジオルガノシロキサン、すなわち、アルコキシ基を一方の末端に有するポリジオルガノシロキサンが挙げられる。 このような処理剤は、式:R

    25

    26

    SiO(R

    26

    SiO)

    Si(OR

    27

    により例示され、式中、下付き文字uは0〜100、あるいは1〜50、あるいは1〜10、あるいは3〜6の値を有する。 各R

    25は独立して、アルキル基[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ヘキシル及びオクチル]及びアルケニル基[例えば、Vi、アリル、ブテニル及びHex]から選択される。 各R

    26は独立して、アルキル基[例えば、Me、Et、Pr、Bu、ヘキシル及びオクチル]である。 各R

    27は独立して、アルキル基[例えば、Me、Et、Pr及びBu]である。 あるいは、各R

    25 、各R

    26 、及び各R

    27は、Meである。 あるいは、各R

    25は、Viである。 あるいは、各R

    26 、及び各R

    27は、Meである。

    あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンが、処理剤として有用である。 充填剤の表面を処理するためのこの方法は、相溶性の部分を充填剤表面に繋ぎ止める手段として、集積している又は分散している又はその両方のいずれかの多数の水素結合を利用する。 水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合可能なケイ素結合基を分子あたり平均で少なくとも1個有する。 この基は、多数のヒドロキシル官能基を有する有機基、又は、少なくとも1個のアミノ官能基を有する有機基から選択され得る。 水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合が、充填剤に対するポリオルガノシロキサンにとっての主な取り付け様式であることを意味する。 ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成できなくてもよい。 水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。 あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマーであり得る。

    成分(H)は、殺生物剤である。 成分(H)の量は、選択される殺生物剤のタイプ及び所望される効果といった因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(H)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0重量%超〜5重量%の範囲であり得る。 成分(H)は、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、(h4)抗菌剤、又はこれらの組み合わせにより、例示される。

    成分(h1)は、殺真菌剤であり、例えば、これらとしては、N−置換ベンゾイミダゾールカルバメート、ベンゾイミダゾリルカルバメート(例えば、メチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、エチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[2−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{1−(N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[N−メチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−クロロベンゾイミダゾリル]}カルバメート、及びメチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−ニトロベンゾイミダゾリル]}カルバメート)、10,10'−オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene,OBPA)、ジ−ヨードメチル−パラ−トリルスルホン、ベンゾチオフェン−2−シクロヘキシルカルボキサミド−S,S−ジオキシド、N−(フルオロジクロリド(fluordichloride)メチルチオ)フタルイミド(商品名:Fluor−Folper及びPreventol A3)、メチル−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート(商品名:Carbendazim及びPreventol BCM)、亜鉛−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)(亜鉛ピリチオン)2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−フェニル−ヨードプロパルギルカルバメート、N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロリド−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、及び/又は、トリアゾリル化合物(例えば、銀を含有するゼオライトと組み合わせたテブコナゾール)が挙げられる。

    成分(h2)は除草剤であり、例えば、好適な除草剤としては、アミド系除草剤(例えば、アリドクロルN,N−ジアリル−2−クロロアセトアミド、CDEA 2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド、エトニプロミド(RS)−2−[5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロフェノキシ]−N−エチルプロピオンアミド)、アニリド系除草剤(例えば、シサニリドシス−2,5−ジメチルピロリジン−1−カルボキシアニリド、フルフェナセット4'−フルオロ−N−イソプロピル−2−[5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ]アセトアニリド、ナプロアニリド(RS)−α−2−ナフトキシプロピオンアニリド)、アリルアラニン系除草剤(例えば、ベンゾイルプロップN−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−DL−アラニン、フラムプロップ−M N−ベンゾイル−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−D−アラニン)、クロロアセトアニリド系除草剤(例えば、ブタクロールN−ブトキシメチル−2−クロロ−2',6'−ジエチルアセトアニリド、メタザクロル2−クロロ−N−(ピラゾール−1−イルメチル)アセト−2',6'−キシリジド、プリナクロル(RS)−2−クロロ−N−(1−メチルプロパ−2−イニル)アセトアニリド)、スルホンアニリド系除草剤(例えば、クロランスラム3−クロロ−2−(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イルスルホンアミド)安息香酸、メトスラム2',6'−ジクロロ−5,7−ジメトキシ−3'−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、抗生物質系除草剤(例えば、ビラナホス4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン)、安息香酸系除草剤(例えば、クロランベン3−アミノ−2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,6−TBA 2,3,6−トリクロロ安息香酸)、ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤(例えば、ビスピリバック2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安息香酸)、ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤(例えば、ピリチオバック2−クロロ−6−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)安息香酸)、フタル酸系除草剤(例えば、クロルタールテトラクロロテレフタル酸)、ピコリン酸系除草剤(例えば、アミノピラリド4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸)、キノリンカルボン酸系除草剤(例えば、キンクロラック3,7−ジクロロキノリン−8−カルボン酸)、ヒ素系除草剤(例えば、CMAカルシウムビス(水素メチルアルソネート)、MAMAアンモニウム水素メチルアルソネート、亜ヒ酸ナトリウム)、ベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤(例えば、メソトリオン2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン)、ベンゾフラニルアルキルスルホネート系除草剤(例えば、ベンフレセート2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イルエタンスルホネート)、カルバミン酸塩系除草剤(例えば、カルボキサゾールメチル5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イルカルバメート、フェナスラム(fenasulam)メチル4−[2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート)、カルバニル酸塩系除草剤(例えば、BCPC(RS)−sec−ブチル3−クロロカルバニレート、デスメジファムエチル3−フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバニレート、スウェップメチル3,4−ジクロロカルバニレート)、シクロヘキセンオキシム系除草剤(例えば、ブトロキシジム(RS)−(EZ)−5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エン−1−オン、テプラロキシジム(RS)−(EZ)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロヘキサ−2−エン−1−オン)、シクロプロピルイソオキサゾール系除草剤(例えば、イソキサクロルトール4−クロロ−2−メシルフェニル5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イルケトン)、ジカルボキシミド系除草剤(例えば、フルメジン2−メチル−4−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)−1,2,4−オキサジアジナン−3,5−ジオン)、ジニトロアニリン系除草剤(例えば、エタルフルラリンN−エチル−α,α,α−トリフルオロ−N−(2−メチルアリル)−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、プロジアミン5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−o−トルイジン)、ジニトロフェノール系除草剤(例えば、ジノプロップ4,6−ジニトロ−o−シメン−3−オール、エチノフェンα−エトキシ−4,6−ジニトロ−o−クレゾール)、ジフェニルエーテル系除草剤(例えば、エトキシフェンO−[2−クロロ−5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)ベンゾイル]−L乳酸)、ニトロフェニルエーテル系除草剤(例えば、アクロニフェン2−クロロ−6−ニトロ−3−フェノキシアニリン、ニトロフェン2,4−ジクロロフェニル4−ニトロフェニルエーテル)、ジチオカルバメート系除草剤(例えば、ダゾメット3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオン)、ハロゲン化脂肪族系除草剤(例えば、ダラポン2,2−ジクロロプロピオン酸)、クロロ酢酸)、イミダゾリノン系除草剤(例えば、イマザピル(RS)−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)ニコチン酸)、無機除草剤(例えば、四ホウ酸二ナトリウム十水和物、アジ化ナトリウム)、ニトリル系除草剤(例えば、クロロキシニル3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、イオキシニル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ヨードベンゾニトリル)、有機リン系除草剤(例えば、アニロホスS−4−クロロ−N−イソプロピルカルバニロイルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオネート、グルホシネート4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン)、フェノキシ系除草剤(例えば、クロメプロップ(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド、フェンテラコール2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)エタノール)、フェノキシ酢酸系除草剤(例えば、MCPA(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸)、フェノキシ酪酸系除草剤(例えば、MCPB 4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸)、フェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、フェノプロップ(RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸)、アリルオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、イソキサピリホップ(RS)−2−[2−[4−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジン)、フェニレンジアミン系除草剤(例えば、ジニトラミンN ,N −ジエチル−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−m−フェニレンジアミン)、ピラゾリルオキシアセトフェノン系除草剤(例えば、ピラゾキシフェン2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン)、ピラゾリルフェニル系除草剤(例えば、ピラフルフェン2−クロロ−5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル)−4−フルオロフェノキシ酢酸)、ピリダジン系除草剤(例えば、ピリダフォル6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−オール)、ピリダジノン系除草剤(例えば、クロリダゾン5−アミノ−4−クロロ−2−フェニルピリダジン−3(2H)−オン、オキサピラゾン5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−フェニルピリダジン−4−イルオキサム酸)、ピリジン系除草剤(例えば、フルロキシピル4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジルオキシ酢酸、チアゾピルメチル2−ジフルオロメチル−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルニコチネート)、ピリミジンジアミン除草剤(例えば、イプリダム6−クロロ−N −イソプロピルピリミジン−2,4−ジアミン)、四級アンモニウム系除草剤(例えば、ジエタムクアット1,1'−ビス(ジエチルカルバモイルメチル)−4,4'−ビピリジニウム、パラクアット1,1'−ジメチル−4,4'−ビピリジニウム)、チオカルバメート系除草剤(例えば、シクロエートS−エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメート、チオカルバジルS−ベンジルジ−sec−ブチルチオカルバメート)、チオカルボネート除草剤(例えば、EXD O,O−ジエチルジチオビス(チオホルメート))、チオ尿素系除草剤(例えば、メチウロン1,1−ジメチル−3−m−トリル−2−チオ尿素)、トリアジン系除草剤(例えば、トリアジフラム(RS)−N−[2−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチルエチル]−6−(1−フルオロ−1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、クロロトリアジン系除草剤(例えば、シプラジン6−クロロ−N −シクロプロピル−N −イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、プロパジン6−クロロ−N ,N −ジ−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メトキシトリアジン系除草剤(例えば、プロメトンN ,N −ジ−イソプロピル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メチルチオトリアジン系除草剤(例えば、シアナトリン2−(4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオニトリル)、トリアジノン系除草剤(例えば、ヘキサジノン3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン)、トリアゾール系除草剤(例えば、エプロナズN−エチル−N−プロピル−3−プロピルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド)、トリアゾロン系除草剤(例えば、カルフェントラゾン(RS)−2−クロロ−3−{2−クロロ−5−[4−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−4−フルオロフェニル}プロピオン酸)、トリアゾールピリミジン系除草剤(例えば、フロラスラム2',6',8−トリフルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、ウラシル系除草剤(例えば、フルプロパシルイソプロピル2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチルピリミジン−1−イル)ベンゾエート)、尿素系除草剤(例えば、シクルロン3−シクロ−オクチル−1,1−ジメチル尿素、モニソウロン(monisouron)1−(5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−3−メチル尿素)、フェニル尿素系除草剤(例えば、クロロクスロン3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1,1−ジメチル尿素、シデュロン1−(2−メチルシクロヘキシル)−3−フェニル尿素)、ピリミジニルスルホニル尿素系除草剤(例えば、フラザスルフロン1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素、ピラゾスルフロン5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸)、トリアジニルスルホニル尿素除草剤(例えば、チフェンスルフロン3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン−2−カルボン酸)、
    チアジアゾリル尿素除草剤(例えば、テブチウロン1−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,3−ジメチル尿素)、並びに/又は、未分類の除草剤(例えば、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(tritac)(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オール、2,4−D、クロリムロン、及びフェノキサプロップ)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。

    成分(h3)は、殺虫剤である。 好適な殺虫剤は、アトラジン、ダイアジノン、及びクロロピリホスにより、例示される。 議論を進めるため、殺虫剤は、昆虫忌避剤(例えば、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド)及びプレスロイド(例えば、ピレトリン)を包含するものとする。

    成分(h4)は、抗菌剤である。 好適な抗菌剤は市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)5700及びDOW CORNING(登録商標)5772が挙げられ、これらはDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からのものである。

    あるいは、成分(H)は、例えば、ホウ素無水物、ホウ砂又は八ホウ酸二ナトリウム四水和物といったホウ素含有物質を含んでよく、これは殺虫剤、殺真菌剤、及び/又は難燃剤として機能し得る。

    成分(I)は、同じ成分を含有するが安定剤を含まない組成物と比較して、組成物の反応速度を変えるために使用され得る安定剤である。 ヒドロシリル化硬化性組成物用の安定剤は、アセチレンアルコール[例えば、メチルブチノール、エチニルシクロヘキサノール、ジメチルヘキシノール(hexynol)及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−ブチン−3−オ−ル、1−プロピン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、3,5−ジエムチル(diemthyl)−1−ヘキシン−3−オール及び1−エチニル−1−シクロヘキサノール及びこれらの組み合わせ]、シクロアルケニルシロキサン[例えば、メチルビニルシクロシロキサン(例えば、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン及びこれらの組み合わせ)]、エン−イン化合物[例えば、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン]、トリアゾール[例えば、ベンゾトリアゾール]、ホスフィン、メルカプタン、ヒドラジン、アミン[例えば、テトラメチルエチレンジアミン]、ジアルキルフマレート、ジアルケニルフマレート、ジアルコキシアルキルフマレート、マレエート[例えば、ジアリルマレエート]、ニトリル、エーテル、一酸化炭素、アルケン[例えば、シクロ−オクタジエン]、ジビニルテトラメチルジシロキサン、アルコール[例えば、ベンジルアルコール]及びこれらの組み合わせにより例示される。

    あるいは、組成物中の成分(I)は、シリル化アセチレン化合物であり得る。 理論に束縛されるものではないが、シリル化アセチレン化合物を添加すると、シリル化アセチレン化合物を含有しない又は上記のもののような有機アセチレンアルコール安定剤を含有する組成物のヒドロシリル化からの反応生成物と比較して、組成物のヒドロシリル化反応から調製される反応生成物の黄変が低減すると考えられている。

    シリル化アセチレン化合物は、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)トリメチルシラン、((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シランメチルビニルシラン、ビス((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)ジメチルシラン、メチル(トリス(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ))シラン、メチル(トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ))シラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)トリエチルシラン、ビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)メチルトリフルオロプロピルシラン、(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オキシ)トリメチルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジフェニルメチルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルフェニルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルビニルシラン、(3−フェニル−1−ブチン−3−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジメチルヘキセニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジメチルビニルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)ジフェニルメチルシラン、(シクロヘキシル−1−エチン−1−オキシ)トリメチルシラン及びこれらの組み合わせにより例示される。 あるいは、成分(I)は、メチル(トリス(1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシ))シラン、((1,1−ジメチル−2−プロピニル)オキシ)トリメチルシラン、又はこれらの組み合わせにより例示される。 成分(I)として有用なシリル化アセチレン化合物は、酸受容体の存在下でクロロシランと反応させることにより上記アセチレンアルコールをシリル化するといった当該技術分野において既知の方法により調製され得る。

    組成物に添加された安定剤の量は、組成物の所望の可使時間、組成物が単一部構成組成物又は多部構成組成物であるかどうか、使用される具体的な安定剤、及び、成分(C)が存在する場合にはその選択及び量といった、様々な因子によって異なる。 しかしながら、安定剤が存在する場合、その量は、組成物の全成分の0重量%〜1重量%、あるいは0重量%〜5重量%、あるいは0.001重量%〜1重量%、あるいは0.01重量%〜0.5重量%、あるいは0.0025重量%〜0.025重量%の範囲であり得る。

    成分(J)は、難燃剤である。 好適な難燃剤としては、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム水和物、及びケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)、白金及び白金化合物を挙げることができる。 あるいは、難燃剤は、ハロゲン系難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリールエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVCから選択され得る。 あるいは、難燃剤は、リン系難燃剤(例えば、(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、リン、環式リン酸塩、トリアリルホスフェート、ビス−メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート)、リン酸エステル(例えば、トリクレイル(tricreyl)、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル)、様々なアミンのリン酸塩(例えば、リン酸アンモニウム、トリオクチル、トリブチル又はトリス−ブトキシエチルホスフェートエステル)から選択され得る。 他の難燃剤としては、テトラアルキル鉛化合物(例えば、テトラエチル鉛)、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、メラミン及び誘導体(例えば、メラミン塩)、グアニジン、ジシアンジアミド、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ三水和物、及び水酸化マグネシウムとアルミナ三水和物を挙げることができる。

    難燃剤の量は、選択される難燃剤、及び溶媒が存在するかどうかといった因子に応じて異なる。 しかしながら、組成物中の難燃剤の量は、組成物の全成分の0重量%超〜10重量%の範囲であり得る。

    成分(K)は、表面改質剤である。 好適な表面改質剤は、(k1)接着促進剤及び(k2)離型剤により、例示される。 成分(k1)に好適な接着促進剤は、遷移金属キレート、ハイドロカーボンオキシシラン、例えば、アルコキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ、アミノ官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含み得る。 接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R 19 20 Si(OR 214−(r+s)を有するシランを含み得、式中、各R 19は独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価有機基であり、R 20は、接着促進基[例えば、アミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基]を有するSiC結合置換基を少なくとも1個含有し、下付き文字rは0〜2の範囲の値を有し、下付き文字sは1又は2のいずれかであり、和(r+s)は3以下である。 あるいは、接着促進剤は、上記シランの部分縮合体を含み得る。 あるいは、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含み得る。

    あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含み得る。 あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含み得る。 例えば、官能性アルコキシシランは、式R 22 Si(OR 23(4−t)を有することができ、式中、下付き文字tは1、2又は3であり、あるいは、下付き文字tは1である。 各R 22は、独立して一価の有機基であるが、但し、少なくとも1つのR 22が不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基であることを条件とする。 R 22のエポキシ官能性有機基は、3−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルにより例示される。 R 22の不飽和有機基は、3−メタクリロイルオキシプロピル、3−アクリロイルオキシプロピル、並びに、ビニル、アリル、ヘキセニル、ウンデシレノイル(undecylenyl)などの不飽和一価の炭化水素基により例示される。 各R 23は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。 R 23は、Me、Et、Pr及びBuにより例示される。

    好適なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。 好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレノイル(undecylenyl)トリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。

    あるいは、接着促進剤は、上記のようなヒドロキシで末端処理したポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの反応生成物、又は、ヒドロキシで末端処理したポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの物理的ブレンドなどのエポキシ官能性シロキサンを含み得る。 接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンの組み合わせを含み得る。 例えば、接着促進剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシで末端処理したメチルビニルシロキサンと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物と、の混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシで末端処理したメチルビニルシロキサンの混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシで末端処理したメチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーの混合物により、例示される。

    代替的には、接着促進剤は、H N(CH Si(OCH 、H N(CH Si(OCH CH 、H N(CH Si(OCH 、H N(CH Si(OCH CH 、CH NH(CH Si(OCH 、CH NH(CH Si(OCH CH 、CH NH(CH Si(OCH 、CH NH(CH Si(OCH CH 、H N(CH NH(CH Si(OCH 、H N(CH NH(CH Si(OCH CH 、CH NH(CH NH(CH Si(OCH 、CH NH(CH NH(CH Si(OCH CH 、C NH(CH NH(CH Si(OCH 、C NH(CH NH(CH Si(OCH CH 、H N(CH SiCH (OCH 、H N(CH SiCH (OCH CH 、H N(CH SiCH (OCH 、H N(CH SiCH (OCH CH 、CH NH(CH SiCH (OCH 、CH NH(CH SiCH (OCH CH 、CH NH(CH SiCH (OCH 、CH NH(CH SiCH (OCH CH 、H N(CH NH(CH SiCH (OCH 、H N(CH NH(CH SiCH (OCH CH 、CH NH(CH NH(CH SiCH (OCH 、CH NH(CH NH(CH SiCH (OCH CH 、C NH(CH NH(CH SiCH (OCH 、C NH(CH NH(CH SiCH (OCH CH 、及びその組み合わせによって例示されるアミノ官能性アルコキシシランなどのアミノ官能性シランを含んでもよい。

    あるいは、接着促進剤は、遷移金属キレートを含み得る。 好適な遷移金属キレートとしては、チタン酸塩、アセチルアセトナトジルコニウムなどのジルコン酸塩、アセチルアセトナトアルミニウムなどのアルミニウムキレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 あるいは、接着促進剤は、グリコシドキシプロピルトリメトキシシランとアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートの組み合わせといった、遷移金属キレートとアルコキシシランの組み合わせを含み得る。

    成分(k2)は、離型剤である。 好適な離型剤は、フッ化化合物(例えば、フルオロ官能性シリコーン又はフルオロ官能性有機化合物)により、例示される。

    あるいは、成分(K)にの表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の外観を変化させるために使用することができる。 例えば、表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の光沢を増加させるために使用することができる。 このような表面改質剤は、アルキル及びアリル基を有するポリジオルガノシロキサンを含み得る。 例えば、DOW CORNING(登録商標)550流体は、1.25E−4m /s(125cSt)の粘度を有するトリメチルシロキシで末端処理したポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンであり、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている。

    あるいは、成分(K)は、亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、オイチシカ油又は菜種油といった、植物又は動物資源から得られる天然油であり得る。

    成分(K)の正確な量は、成分(K)として選択される表面改質剤のタイプ、並びに、組成物及びその反応生成物の最終用途といった、様々な因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(K)は、存在する場合、組成物の重量に基づいて0.01〜50重量部、あるいは0.01〜10重量部、あるいは0.01〜5重量部の範囲の量で組成物に添加され得る。 成分(K)は、単一種の接着促進剤であってもよい。 あるいは、成分(K)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2種以上の異なる表面改質剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。

    鎖延長剤は、二官能性シラン及び二官能性シロキサンを含んでよく、これらは、架橋が生じる前にポリオルガノシロキサン鎖の長さを延長する。 鎖延長剤は、硬化生成物の引張弾性率を減少させるために使用することができる。 鎖延長剤は、組成物の他の成分[例えば、存在する場合には成分(B)及び/又は成分(C)]中の脂肪族不飽和基及び/又はケイ素結合水素原子との反応において競合する。 比較的低い重合度(例えば、3〜50の範囲のDP)を有するジメチル水素シロキシで末端処理したポリジメチルシロキサンは、成分(L)として使用され得る。 成分(L)は、1つの鎖延長剤でもよい。 あるいは、成分(L)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる鎖延長剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。

    成分(M)は、M単位、すなわち、式R 24 SiO 1/2を含む末端封鎖剤であり、式中、各R 24は独立して、脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基のような、一価非官能性有機基を表す。 成分(M)は、トリオルガノシリル基[例えば、(CH SiO−]により一方の末端において末端封鎖され、ケイ素結合水素原子及び/又は脂肪族不飽和有機基によりもう一方の末端において末端封鎖されたポリオルガノシロキサンを含み得る。 成分(M)は、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)であり得る。 ケイ素結合水素末端とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリオルガノシロキサンは、末端基の合計の50%超、あるいは75%超をケイ素結合水素原子として有し得る。 ポリジメチルシロキサン中のトリオルガノシリル基の量は、組成物を硬化させることにより調製される硬化生成物の弾性率を制御するために使用することができる。 理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、硬化生成物の弾性率が低くなり得ると考えられている。 成分(M)は、単一種の末端封鎖剤であってもよい。 あるいは、成分(M)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2種以上の異なる末端封鎖剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。

    成分(N)は融剤である。 組成物は、組成物中の全成分の0重量%〜2重量%の融剤を含み得る。 カルボン酸及びアミンなどの化学活性官能基を含有する分子を融剤として用いることができる。 このような融剤は、コハク酸、アビエチン酸、オレイン酸、及びアジピン酸などの脂肪酸;安息香酸などの芳香族酸;トリエタノールアミン、アミンの塩酸塩、及びアミンの臭化水素酸塩などの脂肪族アミン及びその誘導体を含み得る。 融剤は当該技術分野において既知であり、市販されている。

    成分(O)は、老化防止添加剤である。 老化防止添加剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。 好適な酸化防止剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。 好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、及び、フェノール系酸化防止剤と安定剤の組み合わせが挙げられる。 フェノール系酸化防止剤としては、完全立体障害フェノール及び部分立体障害フェノール、並びに、立体障害アミン[例えば、テトラメチル−ピペリジン誘導体]が挙げられる。 適切なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE及びCiba Specialty Chemicals(米国)からのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。 IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。 紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖の、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。 紫外線安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル/セバケート、及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。 これら及び他のTINUVIN(登録商標)添加剤[例えば、TINUVIN(登録商標)765]は、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY,U.S.A.)から市販されている。 他の紫外線及び光安定剤も市販されており、ChemturaからのLowLite、PolyOneからのOnCap、E. I. du Pont de Nemours and Company(Delaware,U.S.A.)からのLight Stabilizer 210により例示される。 オリゴマー(高分子量)安定剤は、代替的に、例えば、組成物又はその硬化生成物から安定剤が移動する可能性を最小化するために、使用することができる。 オリゴマーの酸化防止剤安定剤(特に障害アミン光安定剤(HALS))は、Ciba TINUVIN(登録商標)622であり、これは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルである。 熱安定剤は、酸化鉄及びカーボンブラック、カルボン酸鉄、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウム及びオクタン酸ジルコニウム、並びにポルフィリンを含み得る。

    成分(O)の量は、選択される特定の老化防止添加剤及び所望される老化防止効果といった様々な因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(O)の量は、組成物全成分の重量に基づいて0〜5重量%、あるいは0.1〜4重量%、あるいは0.5〜3重量%の範囲であり得る。 成分(O)は、単一種の老化防止添加剤であってもよい。 あるいは、成分(O)は、2種以上の異なる老化防止添加剤であってもよい。

    成分(P)は、顔料である。 議論を進めるため、用語「顔料」は、本明細書に記載の組成物の反応生成物に色を付与するのに使用される任意の成分を包含するものとする。 顔料の量は、選択される顔料のタイプ及び生成物の所望される色合いといった様々な因子に応じて異なる。 例えば、組成物は、組成物中の全成分の量に基づいて、0〜20重量%、あるいは0.001〜5重量%の顔料を含み得る。

    好適な顔料の例としては、インディゴ、二酸化チタンStan−Tone 50SP01 Green(PolyOneから市販されている)及びカーボンブラックが挙げられる。 カーボンブラックの代表的な非限定例としては、Shawiniganアセチレンブラック(Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されている)、SUPERJET(登録商標)カーボンブラック(LB−1011)(Elementis Pigments Inc.(Fairview Heights,IL U.S.A.)により供給されている)、SR 511(Sid Richardson Carbon Co,(Akron,OH U.S.A.)により供給されている)、並びに、N330、N550、N762、N990(Degussa Engineered Carbons(Parsippany,NJ,U.S.A.))が挙げられる。

    成分(Q)は酸受容体である。 好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 組成物は、組成物の0重量%〜2重量%の成分(Q)を含み得る。

    組成物は、場合により、組成物のレオロジーを改質するために、組成物の重量に基づいて最大で5重量%、あるいは1〜2重量%の成分(R)レオロジー添加剤を更に含み得る。 レオロジー添加剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。 例としては、ポリアミド、Evonikから市販されているPolyvest、King Industriesから市販されているDisparlon、Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp、Nanocorから市販されているRheospan、及びLubrizolから市販されているIrcogelが挙げられる。 他の好適なレオロジー添加剤としては、ポリアミド蝋、硬化ヒマシ油誘導体、及び金属石鹸(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸バリウム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

    あるいは、成分(R)は、25℃にて固体(蝋)である微結晶性ワックスを含み得る。 融点は、所望される温度の適用範囲の下端にて蝋が融点を有するように、選択することができる。 理論に束縛されるものではないが、成分(R)は、組成物の流れ特性を改善する加工助剤として作用する。 理論に束縛されるものではないが、蝋の組み込みは、充填剤の組み込み、(組成物の製造中の)混練及び脱気、及び混合(多部構成組成物の複数の構成部分の適用中の静的又は動的混合)を促進し得ると考えられる。 蝋は、溶融すると加工助剤として働き、混練中の組成物において充填剤の組み込み、混練プロセスそれ自体、並びに、使用される場合には脱気工程を容易にすると考えられる。 蝋は、100℃以下の溶融温度では、単純な静的ミキサーでも、適用前の多部分組成物の複数の部分の混合を促進し得る。

    成分(R)としての使用に好適な蝋は、無極性炭化水素であり得る。 蝋は、分枝状構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを有し得る。 例えば、石油微結晶性ワックスは、Strahl & Pitsch,Inc. (West Babylon,NY,U.S.A.)から入手可能であり、例としては、SP 96(62℃〜69℃の範囲の融点)、SP 18(73℃〜80℃の範囲の融点)、SP 19(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 26(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 60(79℃〜85℃の範囲の融点)、SP 617(88℃〜93℃の範囲の融点)、SP 89(90℃〜95℃の範囲の融点)、及びSP 624(90℃〜95℃の範囲の融点)が挙げられる。 他の石油微結晶性ワックスとしては、Crompton Corporation(Petrolia,Pennsylvania,U.S.A.)によってMultiwax(登録商標)の商品名で販売されているワックスが挙げられる。 これらのワックスとしては、飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、79℃〜87℃の範囲の融点を有する180−W;飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、76℃〜83℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−445、;並びに飽和分枝状かつ環式無極性の炭化水素を含み、73℃〜80℃の範囲の融点を有するMultiwax(登録商標)W−835が挙げられる。

    成分(R)の量は、選択される特定のレオロジー添加剤及び組成物の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。 しかしながら、成分(R)の量は、組成物の全成分の0重量部〜20重量部、あるいは1重量部〜15重量部、あるいは1重量部〜5重量部の範囲であり得る。 成分(R)は、単一種のレオロジー添加剤であってもよい。 あるいは、成分(R)は、2種以上の異なるレオロジー添加剤を含んでもよい。

    ビヒクルを組成物に使用してもよい。 ビヒクルは、組成物の流動及びシリコーン樹脂のような特定の成分の導入を容易にする場合がある。 本明細書で使用されるビヒクルは、組成物の成分の流動化を補佐するがこれらの成分のいずれとも本質的に反応しないものである。 ビヒクルは、組成物中の成分の溶解性及び揮発性に基づいて選択されてもよい。 「溶解性」は、ビヒクルが組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分であることを指す。 「揮発性」は、ビヒクルの蒸気圧を指す。 ビヒクルの揮発性が高すぎる(高すぎる蒸気圧を有する)場合、ヒドロシリル化反応中に組成物中に気泡が生じる場合があり、この気泡が亀裂を引き起こす、又は他の方法により反応組成物の特性を弱める、又は負の影響を与えるおそれがある。 しかしながら、ビヒクルが十分に揮発性ではない(蒸気圧が低すぎる)場合、ビヒクルは、組成物の反応生成物中で可塑剤として残り得る。

    好適なビヒクルとしては、好適な蒸気圧を有するポリオルガノシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン及び他の低分子量ポリオルガノシロキサン、例えば、0.5〜1.5cStのDow Corning(登録商標)200流体及びDow Corning(登録商標)OS流体(これらは、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている)が挙げられる。

    あるいは、ビヒクルは有機溶媒を含んでもよい。 有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン)、グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又は塩化メチレン)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット、ミネラルスピリット、ナフサ、n−メチルピロリドン、又はこれらの組み合わせであり得る。

    ビヒクルの量は、選択されるビヒクルの種類並びに組成物のために選択される他の成分の量及び種類といった様々な因子に応じて異なる。 しかしながら、ビヒクルの量は、組成物中の全成分の1重量%〜99重量%、あるいは2重量%〜50重量%の範囲であり得る。 成分(S)は、例えば、混合及び送達を補助するために、組成物の調製中に添加することができる。 成分(S)のすべて又は一部は、組成物を調製した後に任意に除去してもよい。

    成分(T)は界面活性剤である。 好適な界面活性剤としては、シリコーンポリエーテル、エチレンオキシドポリマー、プロピレンオキシドポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、その他の非イオン性界面活性剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。 組成物は、組成物中の全成分の0重量%〜0.05重量%の界面活性剤を含み得る。

    成分(U)は、腐食防止剤である。 好適な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリアゾール、メルカプタベンゾトリアゾール(mercaptabenzotriazole)及び市販の腐食防止剤、例えば、R. T. Vanderbilt(Norwalk,Connecticut,U.S.A.)からの2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体(CUVAN(登録商標)826)及びアルキルチアジアゾール(CUVAN(登録商標)484)が挙げられる。 存在する場合には、成分(U)の量は、組成物の0.05重量%〜0.5重量%の範囲であり得る。

    本明細書に記載の特定の成分は1つを超える機能を有する場合があるため、上述の組成物の成分を選択する際、成分の種類に重複がある場合がある。 例えば、特定のアルコキシシランは、充填剤処理剤及び接着促進剤として有用であり得、脂肪酸エステルなどの特定の可塑剤も、充填剤処理剤として有用であり得る。 特定の粒子は、充填剤として、及び顔料として、更には難燃剤として有用であり得る[例えば、カーボンブラック]。 組成物に追加成分を添加する場合、追加成分は互いに異なる。

    組成物は、周囲温度又は高温での混合などの任意の便利な手段によりすべての成分を合わせることを含む方法により、製造することができる。 成分(I)は、存在する場合、例えば、組成物が高温にて調製される及び/又は組成物が単一部構成組成物として調製される際といったように、成分(A)の前に添加され得る。

    成分(G)が存在する場合、組成物は任意選択で、微粒子成分(例えば、充填剤及び/又はスペーサー、但し、存在するならば)を成分(G)で表面処理し、その後、その生成物を組成物の他の成分と混合することにより調製され得る。

    あるいは、例えば、成分(I)が存在しないとき、又は組成物を使用前に長期間保存するとき、組成物は、多部構成組成物として調製され得る。 多部構成組成物中、成分(A)は、ケイ素結合水素原子を有する任意の成分[例えば、成分(C)]とは別の構成部に収容され、これらの構成部は組成物の使用直前に組み合わされる。 例えば、二部構成組成物は、混合のような任意の便利な手段により(B)、(A)、(F)を含む成分及び任意選択で1種以上の他の上記追加成分を組み合わせてベースを形成することによって、調製され得る。 硬化剤は、混合のような任意の便利な手段により(B)、(C)を含む成分及び任意選択で1種以上の他の上記追加成分を組み合わせることによって、調製され得る。 これらの成分は、周囲温度又は高温にて組み合わされ得る。 二部構成組成物を用いるとき、ベースと硬化剤の量の重量比は、1:1〜10:1の範囲とすることができる。 組成物は、ヒドロシリル化反応を介して反応して反応生成物を形成する。 反応生成物は、シラン、ガム、ゲル、ゴム又は樹脂のような様々な形態を有し得る。

    これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。 実施例では、以下の成分を使用した。

    脂肪族不飽和化合物は、スチレン(B1)、1−オクテン(B2)、又は1−ヘキセン(B3)であることができ、これらのすべてはまた、Sigma−Aldrichから入手可能である。 あるいは、脂肪族不飽和化合物は、2.6meqのケイ素結合ビニル基を含有し、9400のMw及び0.0002m /s(200cSt)の粘度を有するビニル末端ポリジメチルシロキサン(B4)であることができ、これは、Gelest,Inc. (Morrisville,Pennsylvania,U.S.A.)からDMS−V22として市販されている。 SiH官能性化合物は、1,800〜2,100の範囲のMw及び2.6meqのSiH含量を有するトリメチルシロキシで末端処理したポリ(メチル水素)シロキサン(「MD M」)(C1)であることができ、これもまた、Gelest,Inc. からHMS−992として市販されている。 あるいは、SiH官能性化合物は、フェニルシラン(「H SiPh」)(C2)であることができ、これはSigma−Aldrichから市販されている。

    対照触媒はDOW CORNING(登録商標)2−0707 INTであったが、これはPtとポリオルガノシロキサンの錯体である。 DOW CORNING(登録商標)2−0707 INTは、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている。

    以下のモデル反応のうちの1つ以上を使用して、成分(A)のために上記のように調製された反応生成物の触媒活性を試験することができる。 PhSiH (C 13(3−z)を含む反応生成物[I]を作製しようとして、成分(B3)及び(C2)を[PhSi]反応において使用した。 (H C) Si−O−Si(CH )(C 13 )−O−Si(CH 含む反応生成物[II]を作製しようとして、成分(B3)及び(C1)を[HMTS]反応において使用した。

    実施例1−金属−配位子錯体の形成 表1で上述したV前駆体を0.025モル(M)濃度でTHFと混合して、あるいは、前駆体がTHFに不溶性だった場合には好適な溶媒と混合して、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン及びヘキサンから選択される配位子を溶解させることにより、前駆体溶液を調製した。 これらの実施例では、V−1前駆体は臭化バナジウム(III)であり、V−2前駆体は塩化バナジウム(III)(テトラヒドロフラン付加物)であった。 上記の表2に示されている各配位子の溶液もまた、配位子を0.025Mの濃度でTHFと混合することによって調製した。 上で調製した各配位子溶液をバイアル瓶あたり85マイクロリットル(μL)にて2ミリリットル(mL)バイアル瓶の中に分注した。 成分(A)として評価するためのサンプルを調製するために、配位子を含有するバイアル瓶に上記金属前駆体溶液のうちの1つを加え、追加の85マイクロリットル(μL)のTHFを加え、バイアル内容物を25℃の室温で300RPMにて2時間にわたって混合した。 金属:配位子の比が1:1又は1:2のいずれかになるように、十分な量の金属前駆体溶液を加えた。 バイアル瓶内の得られた混合物を−17℃の温度に冷却した。 活性剤を加え、バイアル瓶を室温に戻るまで放置した。 活性剤は、0.05Mの濃度のLiBArFのTHF溶液又はNaEt BHのトルエン溶液95μLであった。 バイアル瓶の内容物を2時間にわたって混合した。 得られたバイアル瓶の内容物を、ヒドロシリル化の触媒への使用に関して評価した。

    実施例2−[PhSi]反応 [PhSi]反応を実施するために、実施例1に従って調製されたバイアル瓶にPhSiH (C2)のドデカン及び1−ヘキセン(B3)溶液を添加した。 バイアル瓶に添加したPhSiH (C2)の量は、(H又はSiHとして)6.25MのPhSiH (C2)のドデカン溶液170μL、又は、ドデカン37.6μLに132.4μLのPhSiH (C2)のいずれかであった。 1−ヘキセン(B3)の量は145μLであった。 各バイアル瓶を50℃にて一晩(16時間にわたって)混合した。 各バイアル瓶で得られた内容物を、下記の方法に従ってGCで分析した。

    実施例3−[HMTS]反応 [HMTS]反応を実施するため、1−ヘキセン(B3)及び1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン(C1)を、実施例1に従って調製したバイアル瓶に添加した。 添加した1−ヘキセンの量は145μLであった。 ヘプタメチルトリシロキサン(C1)の量は、(H又はSiHとして)3.4Mの濃度のヘプタメチルトリシロキサン(C1)のドデカン溶液を312μL、又は22μLのドデカンに290μLのヘプタメチルトリシロキサン(C1)のいずれかであった。 各バイアル瓶を50℃にて一晩(16時間にわたって)混合した。 各バイアル瓶で得られた内容物を、下記の方法に従ってGCで分析した。

    実施例4−GC測定 上記実施例において調製されたサンプルについてガスクロマトグラフィー(GC)分析を行った。 水素炎イオン化検出器(FID)と共にHewlett−Packard 7890Aガスクロマトグラフで、GC分析を行った。 Leap Combi−Palロボットを用いて、自動で注入を行った。 このシステムは、表3に詳細に記されているように、設定された。

    GC温度プログラムの詳細は表4の通りであり、オーブンは300℃の一定温度である。

    クロマトグラフィー分析を重力測定的に定量化するための内標準としてドデカンを使用した。 内標準は、反応前に、ドデカン及びフェニルシランの溶液から5%(w/w)で導入した。 検体の理論的な応答係数を計算してChemStationに入力すると、校正表を自動的に計算し、内標準存在時の検体の濃度が定量的に計算された(式1)。
    RF analyte =([analyte]/Area analyte )×(Area IS /[IS])×RF IS (1)
    式1の用語は次のように定義される:RF analyte =検体の応答係数、[analyte]=検体の濃度、Area analyte =検体のピーク面積、Area IS =内標準のピーク面積、[IS]=内標準の温度、RF IS =内標準の応答係数。

    実験誤差及び装置誤差を包含すると、この測定の相対標準偏差は、検体の濃度、及びそれに対応する収率に応じて0.3%〜10%の範囲であった。 結果を表5に示す。

    表5において、V−1前駆体は臭化バナジウム(III)であり、V−2前駆体は塩化バナジウム(III)(テトラヒドロフラン付加物)であった。

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