三環性化合物、およびそれらの使用

申请号 JP2017515564 申请日 2016-04-27 公开(公告)号 JPWO2016175223A1 公开(公告)日 2018-02-15
申请人 塩野義製薬株式会社; 发明人 山脇 健二; 草野 博喜; 青木 俊明;
摘要 グラム陰性菌および/またはグラム陽性菌を含む種々の細菌に対して、強 力 な抗菌スペクトルを示す化合物およびカルバペネム耐性菌に対して抗菌活性を有する医薬組成物を提供する。式(I):(式中、−Z−は単結合または−CR7AR7B−であり、R7AおよびR7Bはそれぞれ独立して 水 素 原子 等であり、YはNまたはCHであり、−W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり、−T−は−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり、R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子等であり、R16はカルボキシ、テトラゾリル等であり、R17は水素原子等であり、R1は置換もしくは非置換の複素環式基等であり、R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して水素原子等であるか、R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のメチリデン等を形成し、R3は水素原子等である)で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。
权利要求

式(I): (式中、 −Z−は単結合または−CR7AR7B−であり; R7AおよびR7Bはそれぞれ独立して、原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; YはNまたはCHであり; −W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−は−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; R16はカルボキシ、シアノ、テトラゾリルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり; R17は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; R1は置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のメチリデン、または置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成し; R3は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)である。 ただし、以下の化合物を除く。 で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。−Z−が単結合であり、YがCHであり、−W−が−S−CH2−または−CH2−S−である、請求項1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。−Z−が単結合であり、R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアミノ、またはヒドロキシである、請求項2記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。−Z−が−CR7AR7B−であり、YがNであり、−W−が−CH2−であり、−T−が−CR4AR4B−である、請求項1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R1が置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R1が下式: (式中、XはCH、CCl、CF、CBrまたはNである) で示される基である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R1が下式: (式中、XはCCl、CFまたはCBrである) で示される基である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン: または以下に示す置換もしくは非置換のヒドロキシイミノ: (式中、R10は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり、式中、R8およびR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基であるか、R8およびR9が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成するか、またはR8およびR9は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成していてもよく;Qは単結合、置換もしくは非置換の炭素環ジイルまたは置換もしくは非置換の複素環ジイルであり;mは0〜3の整数である) である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R2AおよびR2Bが一緒になって下式: (式中、各記号は上記と同意義である。) で示される基である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R3が水素原子または−OCH3である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R16がカルボキシである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。R17が水素原子であり、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。Tが−CR4AR4B−である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。−Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、アセチルオキシ、カルバモイルオキシ、メチル、またはアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、各定義は請求項6と同意義である) であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン: または下式: (式中、各定義は請求項8と同意義である) であり; R3が水素原子または−OCH3であり、R16がカルボキシであり、R17が水素原子である、請求項1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。−Z−が−CR7AR7B−であり; YがNであり; −W−が−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R1が下式: (式中、各定義は請求項6と同意義である) で示される基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aが、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン: または、 b−2)下式: (式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16はカルボキシ、テトラゾリルまたはカルバモイルであり;かつ、R17が水素原子またはアルキルである、請求項1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。化合物I−002, I−003, I−011, I−017, I−018, I−019, I−029, I−031, I−039, I−053, I−055, I−063, I−070, I−072, I−075, I−076, I−077, およびI−086の請求項1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。請求項1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物。抗菌作用を有する、請求項17記載の医薬組成物。請求項1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を投与することを特徴とする、菌感染に関連する疾患の治療またはその予防法。菌感染に関連する疾患を治療または予防するための、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。(A−1)請求項1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、(B−1)β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬。式(II): (式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である) で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。R11が下式: (式中、R1’は置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2’AおよびR2’Bについては、 a)R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2’AおよびR2’Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基であり; R13は水素原子であり; R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子またはメチルである、請求項22記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。R1’が下式: (式中、X’はCHまたはNである) で示される基であり、 R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して水素原子、または下式: で示される基であるか、またはR2‘AおよびR2’Bが一緒になって下式: (式中、R10’は水素原子またはアルキルであり、R8’およびR9’はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) で示される基であり、R12が水素原子またはメトキシである、請求項22または23記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。(A−2)式(II): (式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である) で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と(B−1)β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬。(A−2)のR11が下式: (式中、R1’は置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2’AおよびR2’Bについては、 a)R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2’AおよびR2’Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基であり; R13は水素原子であり; R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子またはメチルである化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物である、請求項25記載の医薬。(A−2)のR1’が下式: (式中、X’はCHまたはNである) で示される基であり、 R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して水素原子、または下式: で示される基であるか、またはR2’AおよびR2’Bが一緒になって下式: (式中、R10’は水素原子またはアルキルであり、R8’およびR9’はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) で示される基であり、R12が水素原子またはメトキシである化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物である、請求項26記載の医薬。

说明书全文

本発明は抗菌作用を有する新規な三環性化合物、そのエステル体、もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの和物、およびそれらを含有する抗菌剤に関する。さらに、抗菌作用を有する三環性化合物、そのエステル体、もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬に関する。

これまで、さまざまなβ−ラクタム薬の開発がなされており、β—ラクタム薬は臨床上非常に重要な抗菌薬となっている。しかし、β‐ラクタム薬を分解するβ−ラクタマーゼを産生することによりβ−ラクタム薬に対して耐性を獲得した菌種が増加している。 アムブラー(Ambler)の分子分類法によると、β−ラクタマーゼは大きく4つのクラスに分類される。すなわち、クラスA(TEM型、SHV型、CTX−M型、KPC型など)、クラスB(NDM型、IMP型、VIM型、L−1型など)、クラスC(AmpC型、ADC型、CMY型、DHA型など)、クラスD(OXA型など)である。これらのうち、クラスA,C,D型はセリンーβ−ラクタマーゼ、一方、クラスB型はメタロ−β−ラクタマーゼに大別され、それぞれ異なるメカニズムによってβ−ラクタム薬を加水分解することが知られている。 近年、基質域を拡張したクラスA型(ESBL)やクラスD型に加えKlebsiella pneumoniae Carbapenemase(KPC)を含むセリン‐β−ラクタマーゼや、さらにはクラスB型のメタロ‐β−ラクタマーゼの産生により、セフェムやカルバペネムを含む多くのβ−ラクタム薬に高度耐性化したグラム陰性菌の存在が臨床上問題となっている。特に、KPCやメタロ‐β−ラクタマーゼを産生する腸内細菌科細菌は、グラム陰性菌感染症治療に対し重要な位置付けであるカルバペネム系抗菌薬に高度の耐性を示すことが知られている。 メタロ‐β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌を含むグラム陰性菌に対して中程度の活性を示すセフェム化合物が公知である(例:特許文献1)が、さらに強い抗菌活性、特に各種β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対して有効なβ−ラクタム系薬の開発が切望されている。また、クラスA型、B型、C型およびD型のβ−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対して幅広く有効なβ−ラクタム系薬は少なく、開発が切望されている。 特許文献2〜4には、新規な骨格を有するβ−ラクタム系化合物が報告されているが、近年問題となっている上記カルバペネム耐性菌などに対する抗菌活性は記載されていない。また、記載された抗菌活性から、本骨格を持つ化合物群がカルバペネム耐性菌に抗菌活性を有することは到底想像できることではない。さらに、これらの特許文献には、新規な骨格を有するβ−ラクタム系化合物とその他の薬剤との組み合わせや併用効果については記載も示唆もされていない。

国際公開第2007/119511号

欧州特許出願公開0253337号

欧州特許出願公開0249909号

特開平01−226887号公報

本発明は、グラム陰性菌および/またはグラム陽性菌を含む種々の細菌に対して、強な抗菌スペクトルを示す5−オキソテトラヒドロフラン環、6−オキソテトラヒドロピラン環または2−オキソ−1,3−ジオキソラン環を含む三環性化合物を提供する。さらに、5−オキソテトラヒドロフラン環または6−オキソテトラヒドロピラン環を含む三環性化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を包含する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌活性を有する医薬組成物を提供する。好ましくは、β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示す化合物、またはその化合物を含有する医薬組成物を提供する。より好ましくは、カルバペネム耐性菌、多剤耐性菌、特にクラスB型メタロ−β−ラクタマーゼ(MBL)産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示す化合物、またはその化合物を含有する医薬組成物を提供する。さらに好ましくは、基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対しても効果的な抗菌活性を示す化合物、またはその化合物を含有する化合物を提供する。

本発明は、少なくとも以下の構造的特徴を有することにより上記課題を解決した化合物またはカルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物を提供する。 1)5−オキソテトラヒドロフラン環、6−オキソテトラヒドロピラン環または2−オキソ−1,3−ジオキソラン環を含む三環性母核を有する。 2)三環性母核内のラクタム環または環状カルボニルヒドラジドの環上にアミド置換基(置換基を有するカルボニルアミノ基)を有する。

(項目1)式(I):

(式中、 −Z−は単結合または−CR7AR7B−であり; R7AおよびR7Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; YはNまたはCHであり; −W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−は−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; R16はカルボキシ、シアノ、テトラゾリルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり; R17は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; R1は置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のメチリデン、または置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成し; R3は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)である。 ただし、以下の化合物を除く。

で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目1−1)式(I):

(式中、 −Z−は単結合または−CR7AR7B−であり; R7AおよびR7Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; YはNまたはCHであり; −W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−は−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; R16はカルボキシ、シアノ、テトラゾリルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり; R17は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; R1は置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のメチリデン、または置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成し; R3は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)である。 ただし、以下の化合物を除く。

(式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である)。

(項目2)−Z−が単結合であり、YがCHであり、−W−が−S−CH2−または−CH2−S−である、項目1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目3)−Z−が単結合であり、R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアミノ、またはヒドロキシである、項目2記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目4)−Z−が−CR7AR7B−であり、YがNであり、−W−が−CH2−であり、−T−が−CR4AR4B−である、項目1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目5)R1が置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、項目1〜4のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目6)R1が下式:

(式中、XはCH、CCl、CF、CBrまたはNである) で示される基である、項目1〜5のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目7)R1が下式:

(式中、XはCCl、CFまたはCBrである) で示される基である、項目1〜5のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目8)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または以下に示す置換もしくは非置換のヒドロキシイミノ:

(式中、R10は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり、式中、R8およびR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基であるか、R8およびR9が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成するか、またはR8およびR9は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成していてもよく;Qは単結合、置換もしくは非置換の炭素環ジイルまたは置換もしくは非置換の複素環ジイルであり;mは0〜3の整数である) である、項目1〜7のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目9)R2AおよびR2Bが一緒になって下式:

(式中、各記号は上記と同意義である。) で示される基である、項目1〜7のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目10)R3が水素原子または−OCH3である、項目1〜9のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目11)R16がカルボキシである、項目1〜10のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目12)R17が水素原子であり、項目1〜11のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目13)Tが−CR4AR4B−である、項目1〜12のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目14)−Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、アセチルオキシ、カルバモイルオキシ、メチル、またはアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式:

(式中、各定義は項目6と同意義である) であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または下式:

(式中、各定義は項目8と同意義である) であり; R3が水素原子または−OCH3であり、R16がカルボキシであり、R17が水素原子である、項目1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目15)−Z−が−CR7AR7B−であり; YがNであり; −W−が−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R1が下式:

(式中、各定義は項目6と同意義である) で示される基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aが、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16はカルボキシ、テトラゾリルまたはカルバモイルであり;かつ、R17が水素原子またはアルキルである、項目1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目16)化合物I−002, I−003, I−011, I−017, I−018, I−019, I−029, I−031, I−039, I−053, I−055, I−063, I−070, I−072, I−075, I−076, I−077, およびI−086の項目1記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目17)項目1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物。

(項目18)抗菌作用を有する、項目17記載の医薬組成物。

(項目19)項目1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を投与することを特徴とする、菌感染に関連する疾患の治療またはその予防法。

(項目20)菌感染に関連する疾患を治療または予防するための、項目1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目21)(A−1)項目1〜16のいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、(B−1)β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬。

(項目22)式(II):

(式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である) で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

(項目23)R11が下式:

(式中、R1’は置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2’AおよびR2’Bについては、 a)R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2’AおよびR2’Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基であり; R13は水素原子であり; R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子またはメチルである、項目22記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

(項目24)R1’が下式:

(式中、X’はCHまたはNである) で示される基であり、 R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して水素原子、または下式:

で示される基であるか、またはR2‘AおよびR2’Bが一緒になって下式:

(式中、R10’は水素原子またはアルキルであり、R8’およびR9’はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) で示される基であり、R12が水素原子またはメトキシである、項目22または23記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

(項目25)(A−2)式(II):

(式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である) で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と(B−1)β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬。

(項目26)(A−2)のR11が下式:

(式中、R1’は置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2’AおよびR2’Bについては、 a)R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のアミノスルホニル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2’AおよびR2’Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基であり; R13は水素原子であり; R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子またはメチルである化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物である、項目25記載の医薬。

(項目27)(A−2)のR1’が下式:

(式中、X’はCHまたはNである) で示される基であり、 R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して水素原子、または下式:

で示される基であるか、またはR2’AおよびR2’Bが一緒になって下式:

(式中、R10’は水素原子またはアルキルであり、R8’およびR9’はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) で示される基であり、R12が水素原子またはメトキシである化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物である、項目26記載の医薬。

(項目1A) 式(IA):

(式中、 −Z−は単結合または−CR7AR7B−であり; R7AおよびR7Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルホニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルスルファニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルファニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルファニル、置換若しくは非置換のアルキルスルフィニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換若しくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換若しくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; YはNまたはCHであり; −W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−は−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり; R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、スルファニル、スルホ、シアノ、ニトロ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のスルファモイル、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルホニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルスルファニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルファニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルファニル、置換若しくは非置換のアルキルスルフィニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルフィニル、置換若しくは非置換のアルキニルスルフィニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換若しくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、または置換若しくは非置換の芳香族複素環スルホニルであり; R1は置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のメチリデン、または置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成し; R3は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)である。 ただし、以下の化合物(A−1)〜(A−28)を除く。

で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目2A) YがCHであり、−W−が−S−CH2−である、項目1A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目3A) −Z−は単結合であり、R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、またはヒドロキシである、項目2A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目4A) −Z−が−CR7AR7B−であり、YがNであり、−W−が−CH2−であり、−T−が−CR4AR4B−である、項目1A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目5A) R1が置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である、項目1A〜4Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目6A) R1が下式:

(式中、XはCH、CCl、CF、CBrまたはNである) で示される基である、項目1A〜5Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目7A) R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または以下に示す置換もしくは非置換のヒドロキシイミノ:

(式中、R10は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである) である、項目1A〜6Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目8A) R2AおよびR2Bが一緒になって下式:

(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基であるか、R8およびR9が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成するか、またはR8およびR9は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成していてもよく;Qは単結合、置換もしくは非置換の炭素環ジイルまたは置換もしくは非置換の複素環ジイルであり;mは0〜3の整数である) で示される基である、項目1A〜6Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目9A) R3が水素原子または−OCH3である、項目1A〜8Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目10A) −Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子またはヒドロキシであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、各定義は項目6と同意義である) であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または下式:

(式中、各定義は項目8と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3である、項目1A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目11A) −Z−が−CR7AR7B−であり; YがNであり; −W−が−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子またはヒドロキシであり; R1が下式: (式中、各定義は項目6と同意義である) で示される基であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または下式:

(式中、各定義は項目8と同意義である) で示される基であり; R3が水素原子である、項目1A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物。

(項目12A) 項目1A〜11Aのいずれかに記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物。

(項目13A) 抗菌作用を有する、項目12A記載の医薬組成物。

(項目14A) 式(II):

(式中、 R11はアミノ、またはアシルで置換されたアミノであり; R12は水素原子、−OCH3または−NH−CH(=O)であり; R13、R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり; Uは−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である) で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を包含する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

(項目15A) R11が下式:

(式中、R1は置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のスルファモイル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2AおよびR2Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基であり; R13は水素原子であり; R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子またはメチルである、項目14A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を包含する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

(項目16A) R1が下式:

(式中、XはCH、CClまたはNである) で示される基であり、 R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して水素原子、または下式:

で示される基であるか、またはR2AおよびR2Bが一緒になって下式:

(式中、R10は水素原子またはアルキルであり、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) で示される基であり、R12が水素原子またはメトキシである、項目14Aまたは15A記載の化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を包含する、カルバペネム耐性菌に対して抗菌作用を有する医薬組成物。

本発明に係る化合物は、少なくとも以下のいずれかの特徴を有する点で医薬品として有用である。 A)グラム陰性菌および/またはグラム陽性菌を含む種々の細菌に対して、強力な抗菌スペクトルを示す。 B)β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示す。 C)多剤耐性菌、特にクラムB型のメタロ−β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示す。 D)基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対し強い抗菌活性を示す。 E)カルバペネム耐性菌に対し強い抗菌活性を示す。 F)市販薬に耐性のある腸内細菌科細菌に対し強い抗菌活性を示す。 G)Klebsiella pneumoniae Carbapenemase(KPC)やNew Delhi metallo−beta−lactamase(NDM)などのカルバペネマーゼを産生するカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)に対し強い抗菌活性を示す。 H)既存のセフェム薬および/またはカルバペネム薬と交叉耐性を示さない。 I)生体内への投与後に、発熱などの副作用を示さない。 J)化合物の安定性(例えば、各種液性における溶液安定性、光安定性等)および/または水に対する溶解性が高い。 K)血中濃度が高い、経口吸収性が高い、膜透過性が高い、効果持続時間が長い、または組織移行性が高い等の薬物動態面での優れた特徴を有する。 L)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。 M)代謝安定性が高い。 N)消化管障害(例えば、下痢、出血性腸炎、消化管潰瘍、消化管出血等)を起こさない。 O)腎毒性、肝毒性、心毒性(例えば、QTc延長等)、痙攣等を起こさない。

以下、本発明に関して、発明の実施の形態を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など、他の言語における対応する冠詞、形容詞など)は特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限りは、本明細書中で使用されるすべての専門用語および化学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。以下に、本明細書において具体的に使用される用語について具体的な定義を記載する。 「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。 「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。

本明細書における各用語は、特に断りのない限り、単独または他の用語と組み合わされて以下の通り定義される。

「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。好ましくは、フッ素原子または塩素原子である。

「アルキル」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝状の炭素水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、n−デニル等が挙げられる。 「アルキル」の好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルが挙げられる。さらに好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチルが挙げられる。

「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル等が挙げられる。 「アルケニル」の好ましい態様として、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルが挙げられる。

「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。さらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。 「アルキニル」の好ましい態様として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる。

「アルキレン」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。

「アルケニレン」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等が挙げられる。

「アルキニレン」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分枝状の2価の炭化水素基を包含する。さらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン等が挙げられる。

「芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の環状芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。 「芳香族炭素環式基」の好ましい態様として、フェニルが挙げられる。

「非芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、環状飽和炭化水素基または環状非芳香族不飽和炭化水素基を意味する。2環以上の「非芳香族炭素環式基」は、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。 さらに、「非芳香族炭素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。

単環の非芳香族炭素環式基としては、炭素数3〜16が好ましく、より好ましくは、炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数3〜8である。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。 2環以上の非芳香族炭素環式基としては、例えば、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。

「芳香族炭素環」とは、上記「芳香族炭素環式基」から導かれる環を意味する。「非芳香族炭素環」とは、上記「非芳香族炭素環式基」から導かれる環を意味する。

「シクロアルキル」とは、環状飽和炭化水素基を意味し、炭素数3〜16が好ましく、より好ましくは、炭素数3〜12、さらにこの好ましくは炭素数3〜8である。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。 「シクロアルキル」の好ましい態様としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。

「シクロアルカン」とは、上記「シクロアルキル」から導かれる環を意味する。

「炭素環式基」とは、上記「芳香族炭素環式基」および「非芳香族炭素環式基」を包含する。「炭素環」とは、上記「炭素環式基」から導かれる環を意味する。「炭素環ジイル」とは、上記「炭素環式基」から導かれる二価の基を意味する。

「芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、芳香族環式基を意味する。2環以上の芳香族複素環式基は、単環または2環以上の芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。 単環の芳香族複素環式基としては、5〜8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、5員の単環の芳香族複素環式基としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられ、6員の単環の芳香族複素環式基としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル等が挙げられる。 2環の芳香族複素環式基としては、例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。 3環以上の芳香族複素環式基としては、例えば、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等が挙げられる。

「非芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、環状非芳香族環式基を意味する。2環以上の非芳香族複素環式基は、単環または2環以上の非芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」、および/または「芳香族複素環式基」におけるそれぞれの環が縮合したものも包含する。 さらに、「非芳香族複素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。

単環の非芳香族複素環式基としては、3〜8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、チアジニル、アゼパン−1−イル等が挙げられる。 2環以上の非芳香族複素環式基としては、例えば、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、オクタヒドロ−7H−ピラノ[2,3−c]ピリジン−7−イル、ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]ピリジン−6(5H)−イル、7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−イル等が挙げられる。

「芳香族複素環」とは、上記「芳香族複素環式基」から導かれる環を意味する。「非芳香族複素環」とは、上記「非芳香族複素環式基」から導かれる環を意味する。

「複素環式基」とは、上記「芳香族複素環式基」および「非芳香族複素環式基」を包含する。「複素環」とは、上記「複素環式基」から導かれる環を意味する。「複素環ジイル」とは、上記「複素環式基」から導かれる二価の基を意味する。

「アシル」とは、ホルミルおよび置換基を有するカルボニルを意味する。 「置換基を有するカルボニル」とは、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル等が挙げられる。

「アシルで置換されたアミノ」とは、「アミノ」の窒素原子に結合している1または2つの水素原子が、上記「アシル」に置き換わった基、すなわち、モノアシルアミノまたはジアシルアミノを意味する。好ましくは、モノアシルアミノである。「ジアシルアミノ」の2つの「アシル」は、同一でも異なっていても良い。該「アシル」の好ましい態様としては、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル等であり、より好ましくは置換もしくは非置換のアルキルカルボニルである。

「アルキルカルボニル」とは、上記「アルキル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、へキシルカルボニル等が挙げられる。 「アルキルカルボニル」の好ましい態様として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニルが挙げられる。

「アルケニルカルボニル」とは、上記「アルケニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニル、プロペニルカルボニル等が挙げられる。

「アルキニルカルボニル」とは、上記「アルキニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル等が挙げられる。

「ヒドロキシアルキル」とは、1以上のヒドロキシ基が、上記「アルキル」の炭素原子に結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1,2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。 「ヒドロキシアルキル」の好ましい態様として、ヒドロキシメチルが挙げられる。

「アルキルオキシ」とは、上記「アルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。 「アルキルオキシ」の好ましい態様として、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。

「アルケニルオキシ」とは、上記「アルケニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ、2−オクテニルオキシ等が挙げられる。

「アルキニルオキシ」とは、上記「アルキニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチニルオキシ、1−プロピニルオキシ、2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、2−ペンチニルオキシ、2−ヘキシニルオキシ、2−ヘプチニルオキシ、2−オクチニルオキシ等が挙げられる。

「ハロアルキル」とは、1以上の上記「ハロゲン」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、モノフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、モノクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,2−ジブロモエチル、1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル等が挙げられる。 「ハロアルキル」の好ましい態様として、トリフルオロメチル、トリクロロメチルが挙げられる。

「ハロアルキルオキシ」とは、上記「ハロアルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリクロロエトキシ等が挙げられる。 「ハロアルキルオキシ」の好ましい態様として、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ等が挙げられる。

「アシルオキシ」とは、ホルミルオキシおよび置換基を有するカルボニルオキシを意味する。「置換基を有するカルボニルオキシ」とは、上記「置換基を有するカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ等が挙げられる。

「アルキルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ等が挙げられる。 「アルキルカルボニルオキシ」の好ましい態様としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシが挙げられる。

「アルケニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルケニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルオキシ、プロペニルカルボニルオキシ等が挙げられる。

「アルキニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニルオキシ、プロピニルカルボニルオキシ等が挙げられる。

「アルキルオキシアルキル」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル等が挙げられる。

「アルキルオキシアルキルオキシ」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキルオキシ」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ等が挙げられる。

「アルキルスルホニル」とは、上記「アルキル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル等が挙げられる。 「アルキルスルホニル」の好ましい態様として、メチルスルホニル、エチルスルホニル等が挙げられる。

「アルケニルスルホニル」とは、上記「アルケニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルホニル、プロペニルスルホニル等が挙げられる。

「アルキニルスルホニル」とは、上記「アルキニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルホニル、プロピニルスルホニル等が挙げられる。

「アルキルイミノ」とは、上記「アルキル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、n−プロピルイミノ、イソプロピルイミノ等が挙げられる。

「アルケニルイミノ」とは、上記「アルケニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルイミノ、プロペニルイミノ等が挙げられる。

「アルキニルイミノ」とは、上記「アルキニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルイミノ、プロピニルイミノ等が挙げられる。

「アルキルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えばメチルカルボニルイミノ、エチルカルボニルイミノ、n−プロピルカルボニルイミノ、イソプロピルカルボニルイミノ等が挙げられる。

「アルケニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルケニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子を置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルイミノ、プロペニルカルボニルイミノ等が挙げられる。

「アルキニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルカルボニルイミノ、プロピニルカルボニルイミノ等が挙げられる。

「アルキルオキシイミノ」とは、上記「アルキルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ、n−プロピルオキシイミノ、イソプロピルオキシイミノ等が挙げられる。

「アルケニルオキシイミノ」とは、上記「アルケニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルオキシイミノ、プロペニルオキシイミノ等が挙げられる。

「アルキニルオキシイミノ」とは、上記「アルキニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルオキシイミノ、プロピニルオキシイミノ等が挙げられる。

「アルキルオキシカルボニル」とは、上記「アルキルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。 「アルキルオキシカルボニル」の好ましい態様としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニルが挙げられる。

「アルケニルオキシカルボニル」とは、上記「アルケニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル等が挙げられる。

「アルキニルオキシカルボニル」とは、上記「アルキニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル等が挙げられる。

「アルキルスルファニル」とは、上記「アルキル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n−プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル等が挙げられる。「アルキルスルファニル」の好ましい態様として、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n−プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ヘキシルスルファニル等が挙げられる。

「アルケニルスルファニル」とは、上記「アルケニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルスルファニル、プロペニルスルファニル等が挙げられる。

「アルキニルスルファニル」とは、上記「アルキニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルスルファニル、プロピニルスルファニル等が挙げられる。

「ハロアルキルスルファニル」とは、上記「ハロアルキル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、モノフルオロメチルスルファニル、モノフルオロエチルスルファニル、トリフルオロメチルスルファニル、トリクロロメチルスルファニル、トリフルオロエチルスルファニル、トリクロロエチルスルファニル等が挙げられる。 「ハロアルキルスルファニル」の好ましい態様として、トリフルオロメチルスルファニル、トリクロロメチルスルファニル等が挙げられる。

「アルキルスルフィニル」とは、上記「アルキル」がスルフィニル気に結合した基を意味する。例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等が挙げられる。

「アルケニルスルフィニル」とは、上記「アルケニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルフィニル、プロペニルスルフィニル等が挙げられる。

「アルキニルスルフィニル」とは、上記「アルキニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルフィニル、プロピニルスルフィニル等が挙げられる。

「トリアルキルシリル」とは、上記「アルキル」3個がケイ素原子に結合している基を意味する。3個のアルキル基は同一でも異なっていてもよい。例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等が挙げられる。

「炭素環アルキル」、「芳香族炭素環アルキル」、「非芳香族炭素環アルキル」、「複素環アルキル」、「芳香族複素環アルキル」、「非芳香族複素環アルキル」、「炭素環アルキルオキシ」、「芳香族炭素環アルキルオキシ」、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」、「複素環アルキルオキシ」、「芳香族複素環アルキルオキシ」、「非芳香族複素環アルキルオキシ」、「炭素環アルキルオキシカルボニル」、「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「複素環アルキルオキシカルボニル」、「芳香族複素環オキシカルボニル」、「非芳香族複素環オキシカルボニル」、「炭素環アルキルオキシアルキル」、「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「複素環アルキルオキシアルキル」、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、「炭素環アルキルアミノ」、「芳香族炭素環アルキルアミノ」、「非芳香族炭素環アルキルアミノ」、「複素環アルキルアミノ」、「芳香族複素環アルキルアミノ」、および「非芳香族複素環アルキルアミノ」のアルキル部分も、上記「アルキル」と同様である。

「芳香族炭素環アルキル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、以下に示される基:

等が挙げられる。 「芳香族炭素環アルキル」の好ましい態様としては、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、以下に示される基:

等が挙げられる。

「炭素環アルキル」とは、「芳香族炭素環アルキル」および「非芳香族炭素環アルキル」を包含する。「炭素環アルキル」の好ましい態様としては、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、以下に示される基:

等が挙げられる。

「芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチル、フラニルメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチオフェニルメチル、オキサゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、イソピラゾリルメチル、ピロリジニルメチル、ベンズオキサゾリルメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「非芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチル、モルホリニルエチル、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「複素環アルキル」とは、「芳香族複素環アルキル」および「非芳香族複素環アルキル」を包含する。「複素環アルキル」の好ましい態様としては、ピリジルメチル、フラニルメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチオフェニルメチル、オキサゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、イソピラゾリルメチル、ピロリジニルメチル、ベンズオキサゾリルメチル、テトラヒドロピラニルメチル、モルホリニルエチル、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、以下に示される基:

等が挙げられる。

「芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ベンズヒドリルオキシ、トリチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、以下に示される基:

等が挙げられる。

「非芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、以下に示される基:

等が挙げられる。

「芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシ、不らニルメチルオキシ、イミダゾリルメチルオキシ、インドリルメチルオキシ、ベンゾチオフェニルメチルオキシ、イソチアゾリルメチルオキシ、ピラゾリルメチルオキシ、イソピラゾリルメチルオキシ、ピロリジニルメチルオキシ、ベンズオキサゾリルメチルオキシ、以下に示される基:

等が挙げられる。

「非芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基:

等が挙げられる。

「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、フェニルプロピルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、トリチルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル、以下に示される基:

等が挙げられる。

「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル、以下に示される基:

等が挙げられる。

「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシカルボニル、フラニルメチルオキシカルボニル、イミダゾリルメチルオキシカルボニル、インドリルメチルオキシカルボニル、ベンゾチオフェニルメチルオキシカルボニル、オキサゾリルメチルオキシカルボニル、イソキサゾリルメチルオキシカルボニル、チアゾリルメチルオキシカルボニル、イソチアゾリルメチルオキシカルボニル、ピラゾリルメチルオキシカルボニル、イソピラゾリルメチルオキシカルボニル、ピロリジニルメチルオキシカルボニル、ベンズオキサゾリルメチルオキシカルボニル、以下に示される基

等が挙げられる。

「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基

等が挙げられる。

「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。例えば、ベンジルオキシメチル、フェネチルオキシメチル、フェニルプロピルオキシメチル、ベンズヒドリルオキシメチル、トリチルオキシメチル、ナフチルメチルオキシメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」は、非芳香族炭素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシメチル、シクロブチルメチルオキシメチル、シクロペンチルメチルオキシメチル、シクロへキシルメチルオキシメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」は、芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシメチル、フラニルメチルオキシメチル、イミダゾリルメチルオキシメチル、インドリルメチルオキシメチル、ベンゾチオフェニルメチルオキシメチル、オキサゾリルメチルオキシメチル、イソキサゾリルメチルオキシメチル、チアゾリルメチルオキシメチル、イソチアゾリルメチルオキシメチル、ピラゾリルメチルオキシメチル、イソピラゾリルメチルオキシメチル、ピロリジニルメチルオキシメチル、ベンズオキサゾリルメチルオキシメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」は、非芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシメチル、モルホリニルエチルオキシメチル、ピペリジニルメチルオキシメチル、ピペラジニルメチルオキシメチル、以下に示される基

等が挙げられる。

「芳香族炭素環オキシ」「芳香族炭素環カルボニル」、「芳香族炭素環オキシカルボニル」、「芳香族炭素環スルファニル」、「芳香族炭素環スルフィニル」および「芳香族炭素環スルホニル」の「芳香族炭素環」部分も、上記「芳香族炭素環式基」と同様である。

「芳香族炭素環オキシ」とは、上記「芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。

「芳香族炭素環カルボニル」とは、上記「芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ベンゾイル、ナフチルカルボニル等が挙げられる。

「芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、「芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等が挙げられる。

「芳香族炭素環スルファニル」とは、「芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、フェニルスルファニル、ナフチルスルファニル等が挙げられる。

「芳香族炭素環スルフィニル」とは、「芳香族炭素環」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等が挙げられる。

「芳香族炭素環スルホニル」とは、「芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環オキシ」、「非芳香族炭素環カルボニル」、「非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「非芳香族炭素環スルファニル」、「非芳香族炭素環スルフィニル」、および「非芳香族炭素環スルホニル」の「非芳香族炭素環」部分も、上記「非芳香族炭素環式基」と同様である。

「非芳香族炭素環オキシ」とは、上記「非芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロプロペニルオキシ、シクロブテニルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロヘプテニルオキシ、シクロヘキサジエニルオキシ、インダニルオキシ、テトラヒドロナフチルオキシ、フルオレニルオキシ、アダマンチルオキシ等が挙げられる。

「非芳香族炭素環カルボニル」とは、上記「非芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロプロペニルカルボニル、インダニルカルボニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、「非芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキセニルカルボニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキセニルオキシカルボニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環スルファニル」とは、上記「非芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニル、シクロペンチルスルファニル、シクロヘキシルスルファニル、シクロヘプチルスルファニル、シクロオクチルスルファニル、シクロプロペニルスルファニル、シクロブテニルスルファニル、シクロペンテニルスルファニル、シクロヘキセニルスルファニル、シクロヘプテニルスルファニル、シクロヘキサジエニルスルファニル、インダニルスルファニル、テトラヒドロナフチルスルファニル、フルオレニルスルファニル、アダマンチルスルファニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環スルフィニル」とは、上記「非芳香族炭素環」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、シクロヘプチルスルフィニル、シクロヘキセニルスルフィニル、テトラヒドロナフチルスルフィニル、アダマンチルスルフィニル等が挙げられる。

「非芳香族炭素環スルホニル」とは、上記「非芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘキセニルスルホニル等が挙げられる。

「芳香族複素環オキシ」、「芳香族複素環カルボニル」、「芳香族複素環オキシカルボニル」、「芳香族複素環スルファニル」、「芳香族複素環スルフィニル」、および「芳香族複素環スルホニル」の「芳香族複素環」部分も、上記「芳香族複素環式基」と同様である。

「芳香族複素環オキシ」とは、上記「芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシ、オキサゾリルオキシ等が挙げられる。

「芳香族複素環カルボニル」とは、上記「芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピロリルカルボニル、ピラゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、インドリルカルボニル等が挙げられる。

「芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシカルボニル、オキサゾリルオキシカルボニル等が挙げられる。

「芳香族複素環スルファニル」とは、上記「芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルスルファニル、オキサゾリルスルファニル等が挙げられる。

「芳香族複素環スルフィニル」とは、上記「芳香族複素環」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルスルフィニル、オキサゾリルスルフィニル等が挙げられる。

「芳香族複素環スルホニル」とは、上記「芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルスルホニル、オキサゾリルスルホニル等が挙げられる。

「非芳香族複素環オキシ」、「非芳香族複素環カルボニル」、「非芳香族複素環オキシカルボニル」、「非芳香族複素環スルファニル」、「非芳香族複素環スルフィニル」、および「非芳香族複素環スルホニル」の「非芳香族複素環」部分も、上記「非芳香族複素環式基」と同様である。

「非芳香族複素環オキシ」とは、上記「非芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ジオキサニルオキシ、チイラニルオキシ、オキシラニルオキシ、オキセタニルオキシ、オキサチオラニルオキシ、アゼチジニルオキシ、チアニルオキシ、チアゾリジニルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピロリニルオキシ、イミダゾリジニルオキシ、イミダゾリニルオキシ、ピラゾリジニルオキシ、ピラゾリニルオキシ、ピペリジルオキシ、ピペラジニルオキシ、モルホリニルオキシ、インドリニルオキシ、クロマニルオキシ等が挙げられる。

「非芳香族複素環カルボニル」とは、上記「非芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ジオキサニルカルボニル、オキセタニルカルボニル、ピラゾリニルカルボニル、モルホリノカルボニル、モルホリニルカルボニル、インドリニルカルボニル等が挙げられる。

「非芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルオキシカルボニル、テトラヒドロフリルオキシカルボニル等が挙げられる。

「非芳香族複素環スルファニル」とは、上記「非芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ジオキサニルスルファニル、チイラニルスルファニル、オキシラニルスルファニル、オキセタニルスルファニル、オキサチオラニルスルファニル、アゼチジニルスルファニル、チアニルスルファニル、チアゾリジニルスルファニル、ピロリジニルスルファニル、ピロリニルスルファニル、イミダゾリジニルスルファニル、イミダゾリニルスルファニル、ピラゾリジニルスルファニル、ピラゾリニルスルファニル、ピペリジルスルファニル、ピペラジニルスルファニル、モルホリニルスルファニル、インドリニルスルファニル、クロマニルスルファニル等が挙げられる。

「非芳香族複素環スルフィニル」とは、上記「非芳香族複素環」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルスルフィニル、テトラヒドロフリルスルフィニル等が挙げられる。

「非芳香族複素環スルホニル」とは、上記「非芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルスルホニル、テトラヒドロフリルスルホニル等が挙げられる。

「カルバモイルオキシ」とは、カルバモイルに酸素原子が結合した基を意味する。

「置換若しくは非置換のアルキル」、「置換若しくは非置換のアルケニル」、「置換若しくは非置換のアルキニル」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルアミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルスルホニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルホニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルホニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルカルボニルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルカルボニルアミノ」、「置換若しくは非置換のモノアルキルスルホニルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルスルホニルアミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルキルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルカルバモイル」、「置換若しくは非置換のジアルキルカルバモイル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルスルファモイル」、「置換若しくは非置換のジアルキルスルファモイル」、「置換もしくは非置換のアルキレン」、「置換もしくは非置換のアルケニレン」および「置換もしくは非置換のアルキニレン」の置換基としては、次の置換基群Aが挙げられる。任意の位置の炭素原子が次の置換基群Aから選択される1以上の基と結合していてもよい。 置換基群A:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、および非芳香族複素環スルホニル。

「置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環式基」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基」、「置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、「置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルフィニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環スルフィニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル」、 「置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルホニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環スルホニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環」、「置換もしくは非置換の炭素環式基」、「置換もしくは非置換の複素環式基」、「置換もしくは非置換の炭素環ジイル」および「置換もしくは非置換の複素環ジイル」の「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」、「芳香族複素環」、「非芳香族複素環」、「炭素環」および「複素環」の環上の置換基としては、次の置換基群Bが挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基群Bから選択される1以上の基と結合していてもよい。 置換基群B:オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、シアノアルキル、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、ヒドロキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルキルオキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、シアノアルキル、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、ハロアルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルオキシアルキルオキシイミノ、メチリデン、アルキルメチリデン、アルキルオキシカルボニルメチリデン、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルオキシカルボニルアルキルオキシ、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、芳香族炭素環式基、ハロゲンもしくはシアノもしくはアルキルもしくはハロアルキルもしくはヒドロキシで置換された芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、ハロゲンもしくはシアノで置換された非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、アルキルで置換された芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、ハロアルキルで置換された芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキル、ハロゲンもしくはアルキルもしくはハロアルキルもしくはヒドロキシで置換された芳香族炭素環アルキル、非芳香族炭素環アルキル、アルキルで置換された非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル、非芳香族複素環アルキル、芳香族炭素環アルケニル、非芳香族炭素環アルケニル、芳香族炭素環アルキルオキシ、ハロゲンもしくはアルキルもしくはハロアルキルもしくはアルキルオキシもしくはヒドロキシで置換された芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシアルキルオキシ、芳香族炭素環オキシアルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環オキシアルキル、ハロゲンもしくはシアノもしくはヒドロキシで置換された芳香族炭素環オキシアルキル、非芳香族炭素環オキシアルキル、芳香族複素環オキシアルキル、非芳香族複素環オキシアルキル、芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、芳香族複素環アルキルオキシアルキル、非芳香族複素環アルキルオキシアルキル、芳香族炭素環オキシイミノ、非芳香族炭素環オキシイミノ、アルキルオキシ芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族炭素環スルファモイル、非芳香族炭素環スルファモイル、芳香族複素環スルファモイル、非芳香族複素環スルファモイル、芳香族炭素環アルキルスルファモイル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、および非芳香族複素環スルホニル。

「置換もしくは非置換の炭素環アルキル」および「置換もしくは非置換の複素環アルキル」の「炭素環」および「複素環」の環上の置換基としても、置換基群Bが挙げられる。環上の任意の位置の原子が置換基群Bから選択される1以上の基と結合していてもよい。該置換基が2つ以上存在する場合は同一でも異なっていても良い。また、「置換もしくは非置換の炭素環アルキル」および「置換もしくは非置換の複素環アルキル」の「アルキル」部分の置換基としても、置換基群Aが挙げられる。任意の位置の水素原子が置換基群Aから選択される1以上の基と置換していてもよい。該置換基が2つ以上存在する場合は同一でも異なっていても良い。

「置換もしくは非置換のアミノ」、「置換もしくは非置換のカルバモイル」、「置換もしくは非置換のスルファモイル」および「置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ」の置換基としては、次の置換基群Cが挙げられる。該置換基が2つ存在する場合は同一でも異なっていてもよい。 置換基群C:ヒドロキシ、アミノ、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキル、非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル、非芳香族複素環アルキル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、芳香族複素環アルキルオキシアルキル、非芳香族複素環アルキルオキシアルキル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、および非芳香族複素環スルホニル。

また、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基」および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基」は「オキソ」で置換されていてもよい。この場合、以下のように炭素原子上の2個の水素原子がオキソで置換されている基を意味する。

上記、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環アルキル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルオキシ」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルフィニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルフィニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、および「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」の非芳香族炭素環、および非芳香族複素環部分も上記と同様に「オキソ」で置換されていてもよい。

「置換もしくは非置換のメチリデン」および「置換もしくは非置換のヒドロキシイミノ」の置換基としては、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の炭素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基等が挙げられる。複数の置換基で置換される場合は、置換基は同一でも異なっていても良い。

「脱離基」としては、たとえば、ハロゲン、C1−6アルキルスルホニルオキシ、ハロC1−6アルキルスルホニルオキシまたは置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ等が挙げられる。

式(I),(IA)または(II)で示される化合物における、R1,R2A,R2B,R3,Z,Y,W,T,R7A,R7B,R4A,R4B,R5A,R5B,R6A,X,R8,R9,Q,m,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R1’,R2’A,R2’B,X’,R8’,R9’, R10’およびUの例または好ましい態様を示すが、本発明の範囲は下記に記載されるものに限定されない。 下記の可能な組み合わせの化合物が好ましい。

R1およびR1’の「置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基」の該環の好ましい態様は5〜6員環であり、より好ましい態様としては、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基である。炭素環式基の好ましい例としては、フェニル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニル、置換基としてハロゲンを有するフェニル、置換基としてハロゲンおよびヒドロキシを有するフェニルなどが挙げられる。複素環式基の好ましい例としては、アミノチアゾール、置換基としてハロゲンを有するアミノチアゾール、アミノチアジアゾール、チオフェン、フラン、ベンゾチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、アミノピリジンなどが挙げられる。炭素環式基のより好ましい例としては、フェニル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニル、クロロジヒドロキシフェニルなどが挙げられる。複素環式基のより好ましい例としては、アミノチアゾール、置換基としてハロゲンを有するアミノチアゾールまたはアミノチアジアゾールなどである。複素環式基のさらに好ましい例としては、アミノチアゾール、アミノクロロチアゾール、アミノフルオロチアゾール、アミノブロモチアゾールまたはアミノチアジアゾールである。 炭素環式基の特に好ましい例としては、以下に示される基が挙げられる。

複素環式基の特に好ましい例としては、以下に示される基が挙げられる。

複素環式基の別の好ましい例としては、以下に示される基が挙げられる。

複素環式基のより好ましい例としては、以下に示される基が挙げられる。

R2AおよびR2B、ならびにR2’AおよびR2’Bについて、a)R2AおよびR2B、またはR2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、置換もしくは非置換のスルファモイル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシである場合、例えば下式:

の好ましい例としては、下式:

以下に示す置換アミノ:

以下に示す、置換スルファモイル:

(式中、環Cは置換もしくは非置換の複素環式基を表す); 以下に示す、置換カルバモイル:

(式中、環Bは置換もしくは非置換の複素環式基を表す);または 以下に示す、置換カルボニルオキシ:

(式中、環Cは置換もしくは非置換の複素環式基を表す)などが挙げられる。

あるいは、R2AおよびR2B、またはR2’AおよびR2’Bは、一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成する場合、好ましくは式:

(R21は置換もしくは非置換のアルキルである。) で示される基である。ここで、二重結合を形成する炭素原子とR21の間の波線は、シス結合、トランス結合またはその混合であることを意味する。 好ましくは、

(式中、二重結合を形成する炭素原子とカルボキシ基またはアルキル基との間の波線は、シス結合、トランス結合またはその混合であることを意味する) である。 より好ましくは、

である。

あるいは、R2AおよびR2Bは一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成していてもよく、好ましくは、式:

(式中R10は水素原子または置換基群Dから選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、カルバモイルアルキルである。ここで置換基群Dはハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、アルキルオキシカルボニルアミノおよびフェニルからなる群である。)で示される基であるか、または 式:

(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基であるか、R8およびR9が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成するか、またはR8およびR9は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基を形成していてもよく;Qは単結合、置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり;mは0〜3の整数である)である。 より好ましくは、

(式中、各定義は上記と同意義である)である。

「R8およびR9がそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基である」場合の例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、カルボキシメチル、ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、アリルオキシカルボニルアミノメチル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−メトキシベンジル、4−カルボキシベンジル、3,4−ジヒドロキシフェニル、ナフチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリル、およびチエニル等が挙げられる。R8およびR9の好ましい組み合わせとしては、(R8、R9)が(水素原子、水素原子)、(水素原子、フッ素原子)、(フッ素原子、水素原子)、(水素原子、メチル)、(メチル、水素原子)、)、(水素原子、エチル)、(エチル、水素原子)(水素原子、イソプロピル)、(イソプロピル、水素原子)、(水素原子、フェニル)、(フェニル、水素原子)、(水素原子、カルボキシメチル)、(カルボキシメチル、水素原子)、(水素原子、ヒドロキシメチル)、(ヒドロキシメチル、水素原子)、(水素原子、アミノメチル)、(アミノメチル、水素原子)、(メチル、メチル)等が挙げられる。

あるいは、R2’AおよびR2’Bは一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成していてもよく、好ましくは、式:

(式中R10’は水素原子またはアルキルである)で示される基であるか、または、式:

(式中、R8’およびR9’はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基であるか、R8’およびR9’が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成するか、またはR8’およびR9’は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基を形成していてもよく;Q’は単結合、置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり;m’は0〜3の整数である)である。 好ましくは、

(式中、各定義は上記と同意義である)である。

「R8’およびR9’がそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の炭素環式基、もしくは置換もしくは非置換の複素環式基である」場合の例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、カルボキシメチル、ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−メトキシベンジル、4−カルボキシベンジル、3,4−ジヒドロキシフェニル、ナフチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリル、およびチエニル等が挙げられる。 「R8’およびR9’がそれぞれ独立して、水素原子またはアルキルである」場合の例としては、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル等が挙げられる。R8’およびR9’の好ましい組み合わせとしては、(R8’、R9’)が(水素原子、水素原子)、(水素原子、メチル)、(メチル、水素原子)、または(メチル、メチル)が挙げられる。

「R8およびR9、またはR8’およびR9’が一緒になって置換もしくは非置換のメチリデンを形成する」場合の例としては、下式

(式中、R22およびR23はそれぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである。)が挙げられる。R22およびR23の好ましい例としては、それぞれ独立して水素原子、メチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、エチル等であり、より好ましくは同時に水素原子である。

「R8およびR9、またはR8’およびR9’は隣接原子と一緒になって置換もしくは非置換の非芳香族炭素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成する」場合、好ましくは3〜6員の単環であり、より好ましくは3または4員環である。好ましい例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、アジリジン、オキシラン、チイラン、アジリン、チイレン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等が挙げられる。より好ましい例としては、シクロプロパンである。

R3は水素原子、OCH3またはNH−CH(=O)であり、好ましくは水素原子である。

R16はカルボキシ、テトラゾリルまたは置換もしくは非置換のカルバモイルであり、好ましくはカルボキシ、カルバモイル、または下式:

である。より好ましくは、カルボキシである。R16の別の好ましい態様としては、テトラゾリルである。

R17は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり、好ましくは水素原子またはアルキルである。より好ましくは、水素原子である。

−Z−は単結合または−CR7AR7B−である。R7AおよびR7Bの好ましい例としては、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、スルファモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、アルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシが挙げられる。より好ましくは、R7Aが水素原子またはメチルであり、かつR7Bが水素原子、メチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシまたはメトキシである。−Z−の好ましい態様としては、単結合、−CH2−、−C(CH3)H−または−(CH3)2−であり、より好ましい態様としては、単結合または−CH2−である。

−W−は−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−である。好ましくは、−S−CH2−、−CH2−S−または−S−である。より好ましくは、−S−CH2−である。

−T−は−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−である。R4A、R4B、R5A、R5B、R6AおよびR6Bの好ましい例としては、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、カルボキシ、スルファモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、アルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシ、アシル、アシルオキシ、シアノ、アミジノ、グアニジノ、カルバモイルオキシ、アルキルカルボニルオキシ等が挙げられる。R4AおよびR4Bの好ましい態様としては、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、カルバモイルオキシ、アセチルオキシ等であり、さらに好ましくは、R4Aが水素原子またはメチルであり、R4Bが水素原子、メチル、ヒドロキシ、カルバモイルオキシまたはアセチルオキシである。より好ましくは、R4Aが水素原子またはメチルであり、R4Bが水素原子またはメチルである。R5A、R5B、R6AおよびR6Bの好ましい態様としては、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノである。より好ましい態様としては、R5AおよびR6Aが水素原子であり、かつR5BおよびR6Bがそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシである。さらに好ましくは、R5A、R5B、R6AおよびR6Bが水素原子である。好ましくは、−T−は−CR4AR4B−であり、より好ましくは、−CH2−、−C(CH3)H−、−C(CH3)2−または−C(OH)H−である。

式(I)において、−Z−、Y,−W−および−T−の好ましい組み合わせを以下に示す。 i)−Z−が単結合の時、YがCHであり、−W−が−S−CH2−であり、かつ−T−が−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−である。 ii)−Z−が−CR7AR7B−の時、YがNであり、−W−が−CH2−であり、かつ−T−が−CR4AR4B−である。

式(II)において、−U−は−S−、−S−CH2−または−CH2−S−である。好ましくは、−S−CH2−である。

R11はアミノまたはアシルで置換されたアミノである。好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルアミノである。R11の好ましい態様としては、下式:

(式中、R1’は置換もしくは非置換の炭素環式基または置換もしくは非置換の複素環式基であり; R2’AおよびR2’Bについては、 a)R2’AおよびR2’Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、SO3H、置換もしくは非置換のスルファモイル、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、または、 b)R2’AおよびR2’Bが一緒になって、置換もしくは非置換のヒドロキシイミノを形成してもよい) で示される基である。より好ましい態様としては、下式:

(式中、R1’は置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基または置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、R10’は水素原子またはアルキルであり、R8’およびR9’はそれぞれ独立して水素原子またはアルキルである) である。

R12は水素原子、OCH3またはNH−CH(=O)であり、好ましくは水素原子である。

R13は好ましくは水素原子である。

R14およびR15はそれぞれ独立して水素原子または置換もしくは非置換のアルキルである。好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはメチルである。より好ましくは、同時に水素原子または同時にメチルである。

本発明化合物の好ましい実施形態を以下に例示する。以下の実施形態で示される化合物としては、これらの具体例の全ての組み合わせが例示される。 (実施形態1) 式(I)において、 −Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−または−CR5AR5B−CR6AR6B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、アセチルオキシ、カルバモイルオキシ、メチル、またはアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である) であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16がカルボキシであり;かつ、R17が水素原子である、ただし、以下の化合物を除く。

(実施形態2) 式(I)において、 −Z−が−CR7AR7B−であり; YがNであり; −W−が−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である) で示される基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子であり;R3が水素原子またはOCH3であり;R16はカルボキシ、テトラゾリルまたはカルバモイルでありであり;かつ、R17が水素原子またはアルキルである。

(実施形態2−1) 式(I)が下式:

(式中、−Z−が−CR7AR7B−であり; YがNであり; −W−が−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である) で示される基であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2AおよびR2Bがそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであるか、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子であり;R3が水素原子またはOCH3であり;R16はカルボキシ、テトラゾリルまたはカルバモイルでありであり;かつ、R17が水素原子またはアルキルである。)である。

(実施形態3) 式(I)が下式:

(式中、−Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−、−S−CH2−または−CH2−S−であり; −T−が−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、アセチルオキシ、カルバモイルオキシ、メチル、またはアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である) であり; R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16がカルボキシであり;かつ、R17が水素原子である。) である、ただし、以下の化合物を除く。

(実施形態4) 式(I)において、 −Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、XはCCl、CFまたはCBrである)であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aがそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16はカルボキシ、テトラゾリルまたはカルバモイルでありであり;かつ、R17が水素原子またはアルキルである。

(実施形態5) 式(I)において、 −Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−でありであり; −T−が−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である) であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aがそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり;R3が水素原子またはOCH3であり;R16がカルボキシであり;かつ、R17が水素原子である。

(実施形態6) 式(I)において、 −Z−が単結合であり; YがCHであり; −W−が−S−、−S−CH2−、−CH2−S−または−CH2−であり; −T−が−CR4AR4B−、−CR5AR5B−CR6AR6B−または−O−であり; R4AおよびR4Bがそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のカルバモイルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアミノであり; R5A、R5B、CR6AおよびR6Bが水素原子であり; R1が下式: (式中、各定義は上記と同意義である)であり; R2AおよびR2Bについては、 a)R2Aがそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のアミノ、スルホ、カルボキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、ヒドロキシ、もしくは置換基を有しているカルボニルオキシであり、およびR2Bが水素原子であり、 b−1)R2AおよびR2Bが一緒になって、以下に示す置換基を有するメチリデン:

または、 b−2)下式:

(式中、各定義は上記と同意義である) であり; R3が水素原子またはOCH3であり;R16はテトラゾリルまたはカルバモイルでありであり;かつ、R17が水素原子である。

本発明化合物(I)および(IA)は、特定の異性体に限定するものではなく、すべての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体、幾何異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。

式(II)は、立体表記を特定している箇所を除き、すべての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体、幾何異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。

例えば、式(I)における

は、

等を包含する。 好ましくは、

である。より好ましくは、

である。

例えば、式(II)における

等を包含する。 好ましくは、

である。

式(I)および式(II)の骨格上の置換位置の命名は、以下のとおりとする。本明細書中におけるα位側鎖およびβ位側鎖とは、下記母核のα位およびβ位に結合している基を示す。

式(I)、(IA)または(II)のエステル体とは、好ましくはα位のカルボキシおよび/またはβ位側鎖上におけるカルボキシのエステル体を包含する。β位側鎖上のカルボキシにおけるエステル体は、式:

(式中、各記号は前記と同意義である。) で示されるR1またはR2AもしくはR2Bの末端において、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のスルファモイル、カルボキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換基を有しているカルボニルオキシ等におけるカルボキシがエステル構造を有しているもの(例えば、カルボキシ(−COOH)の場合、カルボキシ保護基等のエステル残基を示すRP1とともに示される−COORP1という構造で示される。)などを挙げることができ、体内で容易に代謝されてカルボキシの状態になるエステルを包含する。

上記のカルボキシ等の保護基としては、Protective Groups in Organic Synthesis、T.W.Greene著、John Wiley & Sons Inc.(1991年)等に記載の方法で保護および/または脱保護できる基であればよく、例えば、低級アルキル(例:メチル、エチル、t−ブチル)、低級アルキルカルボニルオキシメチル(例:ピバロイル)、置換されていてもよいアリールアルキル(例:ベンジル、ベンズヒドリル、フェネチル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル)、シリル基(例:t−ブチルジメチルシリル、ジフェニルt−ブチルシリル)等が挙げられる。

アミノ基の保護基としては、Protective Groups in Organic Synthesis、T.W.Greene著、John Wiley & Sons Inc.(1991年)等に記載の方法で保護および/または脱保護できる基であればよく、例えば、低級アルキルオキシカルボニル(例:t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル)、置換されていてもよいアラルカノイル(例:ベンゾイル、p−ニトロベンゾイル)、アシル(例:ホルミル、クロロアセチル)等が挙げられる。該アミノ基の保護基は、体内で容易に代謝されてアミノになる基も包含する。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)、(IA)または(II)で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)、(IA)または(II)で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)、(IA)または(II)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物の塩とは、α位のカルボキシ基および/またはβ位のカルボキシ基および/またはβ位側鎖アミノ基が無機酸や有機酸と塩を形成しているものを包含する。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)または(IA)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解などを受けて式(I)、(IA)または(II)で示される化合物に変換される化合物、胃酸などにより加水分解されて式(I)、(IA)または(II)で示される化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。

式(I)、(IA)または(II)で示される化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシ基を有する場合は、例えばヒドロキシ基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライド及びミックスドアンハイドライドとを反応させることによりあるいは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えばCH3COO−、C2H5COO−、t−BuCOO−、C15H31COO−、PhCOO−、(m−NaOOCPh)COO−、NaOOCCH2CH2COO−、CH3CH(NH2)COO−、CH2N(CH3)2COO−、CH3SO3−、CH3CH2SO3−、CF3SO3−、CH2FSO3−、CF3CH2SO3−、p−CH3−O−PhSO3−、PhSO3−、p−CH3PhSO3−が挙げられる。

本発明は、(A)式(I)、(IA)または(II)で示される化合物、そのエステル体もしくはそれらの製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、(B)β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物を組み合わせることを特徴とする医薬を提供する。β—ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物としては、メタロβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物やセリンβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物等が挙げられ、好ましくはセリンβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物である。より好ましくは、クラスCのβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物である。β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物の具体例としては、クラブラン酸、スルバクタム、タゾバクタム、ジピコリン酸(DPA)、3−アミノフェニルボロン酸(APB)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、アビバクタム(AVI)等が挙げられ、その他にもExpert Opinion Therapeutic Patents (2013), 23(11),1469−1481に記載されているβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物が挙げられる。好ましくは、アビバクタム、3−アミノフェニルボロン酸等である。

下記の一般的合成法および実施例に記載するように、式(I)および(IA)で示される本発明の化合物は、下記中間体の骨格のα位およびβ位にそれぞれ側鎖部位を結合することにより得られる。上記保護基Pとしては、以下の一般的合成において記載する保護基が挙げられるが、好ましい例としては、ベンズヒドリル基、パラメトキシベンジル基、トリチル基、2,6−ジメトキシベンジル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基または2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基などが挙げられる。また、脱離基としては、ハロゲン(Cl、Br、I、F)、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が例示される。

(製法A)

(式中、Z,W、Y、TおよびR3は前記と同意義であり、−W1は−H,−SHまたは−CH2−SHであり、Aは脱離基(たとえば、ハロゲン(Cl、Br、I、F)、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等)を示し、P1はアミノ基の保護基を示し、P2およびP3はそれぞれ独立してカルボキシの保護基を示す。) 工程1 化合物(III)と化合物(IV)を付加反応及び分子内環化反応に付すことにより化合物(V)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。 好ましくはアセトンとHMPAである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約10〜30℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程2 化合物(V)の保護基P3を酸性条件下脱保護反応に付し、続いて縮合剤存在下で分子内環化反応に付すことにより化合物(VI)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。脱保護反応に用いる酸としては、有機酸または無機酸が挙げられる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。好ましくはトリフルオロ酢酸である。縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約0〜20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程3 化合物(VI)のアシル基を含むカルボキシ保護基P1を塩基存在下の加アルコール分解反応または酸性条件下での脱保護反応を行うことにより化合物(VII)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。加アルコール分解反応としては、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、チオニルクロライド等によって活性化することができる。好ましくは、五塩化リンである。塩基としては有機塩基等が挙げられる。例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。好ましくはピリジンである。その後アルコールを加える。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。好ましくは、エタノールである。酸性条件下での脱保護反応の際に用いる酸としては、有機酸または無機酸が挙げられる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。反応温度は通常、加アルコール分解反応としては約−100〜100℃、好ましくは約−70〜20℃であり、より好ましくは約−70〜−30℃である。酸性条件下での脱保護反応としては、通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。

(式中、Z,Y、W,T、R1、R2A、R2BおよびR3は前記と同意義であり、P2はカルボキシの保護基を示す。) 工程4 化合物(VII)を、化合物(VIII)と塩基存在下で縮合反応に付すことにより、化合物(IX)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、オキシ塩化リン、メタンスルホニルクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、フェニルリン酸ジクロライド等が挙げられる。用いる塩基としては、有機塩基等が挙げられる。例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。好ましくは、ピリジンである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程5 化合物(IX)の全ての保護基を酸性条件下脱保護反応に付し、化合物(I)を得る。反応溶媒としては、例えば、反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。酸としては、有機酸または無機酸を用いることができる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、塩化アルミニウム、塩化チタニウム等が挙げられる。好ましくは、トリフルオロ酢酸または塩化アルミニウムである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。

(製法B)

(R16aおよびR16bはそれぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり、R16Aはシアノまたは保護基を有していてもよいテトラゾリルであり、その他の記号は前記と同意義である) 工程1 化合物(VI)のP2は、保護基によって接触還元または酸性条件下によって脱保護できる。接触還元は、常圧水素存在下、触媒としてパラジウム-炭素を用い、反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはエタノールまたはテトラヒドロフランである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。酸性条件下による脱保護は、酸としては、有機酸または無機酸を用いることができる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、塩化アルミニウム、塩化チタニウム等が挙げられる。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程2 化合物(VII)のカルボン酸は、アミドに変換できる。カルボン酸の活性化試薬として、塩化チオニル、オキザリルクロリド、クロロ炭酸エチル、二炭酸ジ-tert-ブチル、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが挙げられる。好ましくは二炭酸ジ-tert-ブチルである。アミド化剤として、アンモニア、塩化アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。好ましくは炭酸アンモニウムである。塩基として、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。好ましくはピリジンである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程3 化合物(VII)のアミド基は、シアノ基またはシアノ基を経由して保護基を有していてもよいテトラゾリルに変換可能である。シアノ基への変換は、脱水試薬を用いて行うことができる。脱水試薬としては、塩化チオニル、オギザリルクロリド、トリフルオロ酢酸無水物、酢酸無水物、五塩化リン、五酸化二リンなどが挙げられる。好ましくはトリフルオロ酢酸無水物である。反応には塩基を共存させても良い。塩基としては、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミン、ルチジン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。好ましくは、ピリジンである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。続いてテトラゾリルに変換する場合、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウム、アジ化水素酸、ジフェニルリン酸アジドを用いて変換できる。好ましくはトリメチルシリルアジドである。触媒としてジブチルスズオキシドを共存させることができる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジオキサンである。反応温度は通常、約−50〜150℃、好ましくは約20〜120℃、より好ましくは約60〜100℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。該テトラゾリル基は必要に応じて保護することができる。該保護基としては、カルボキシ基の保護基と同様の保護基を用いることができる。好ましい保護基としては、ベンズヒドリル、p−メトキシベンジルなどが挙げられる。 工程4 化合物(IX)のアシル基を含むカルボキシ保護基P1を塩基存在下の加アルコール分解反応または酸性条件下での脱保護反応を行うことにより化合物(VII)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。加アルコール分解反応としては、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、チオニルクロライド等によって活性化することができる。好ましくは、五塩化リンである。塩基としては有機塩基等が挙げられる。例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。好ましくはピリジンである。その後アルコールを加える。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。好ましくは、エタノールである。酸性条件下での脱保護反応の際に用いる酸としては、有機酸または無機酸が挙げられる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。反応温度は通常、加アルコール分解反応としては約−100〜100℃、好ましくは約−70〜20℃であり、より好ましくは約−70〜−30℃である。酸性条件下での脱保護反応としては、通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。

(製法C)

(P1‘は置換もしくは非置換のアルキル等であり、脱離基(たとえば、ハロゲン(Cl、Br、I、F)、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等)であり、、その他の記号は前記と同意義である) 工程1 化合物(XI)を酸化することによって化合物(XII)に導くことができる。酸化剤としては、二酸化セレン、オクソンなどが挙げられる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応温度は通常、約−50〜150℃、好ましくは約20〜120℃、より好ましくは約60〜100℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程2 化合物(XII)と化合物(XIII)のアルキル化反応及び続く環化反応によって化合物(XIV)に導くことができる。塩基としてトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、モルホリン、ルチジンが挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはアセトンとHMPAである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約10〜30℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程3 化合物(XIV)にα—ハロ酢酸ハライドを反応させることにより、化合物(XV)へ導くことができる。用いる塩基として、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、モルホリン、ルチジンが挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約0〜20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程4 化合物(XV)のハライドをホスホニウム塩に変換し、続いて塩基存在下起こる分子内環化によって化合物(XV)に導くことができる。ホスホニウム塩形成には、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィンなどが挙げられ、好ましくはトリフェニルホスフィンである。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム-tert-ブトキシドが挙げられる。好ましくは炭酸水素ナトリウムである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジメチルホルムアミドである。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約10〜30℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程5 化合物(XVI)の二重結合を還元することによって、化合物(XVII)に導くことができる。還元は接触水素化または還元剤を用いて行い、還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素が挙げられる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジメチルホルムアミドである。反応温度は通常、約−100〜50℃、好ましくは約−60〜0℃、より好ましくは約−50〜−20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程6 化合物(IX)のカルボニル基を含むアミノ保護基P1を塩基存在下の加アルコール分解反応または酸性条件下での脱保護反応を行うことにより化合物(VII)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。加アルコール分解反応としては、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、チオニルクロライド等によって活性化することができる。好ましくは、五塩化リンである。塩基としては有機塩基等が挙げられる。例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。好ましくはピリジンである。その後アルコールを加える。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。好ましくは、エタノールである。酸性条件下での脱保護反応の際に用いる酸としては、有機酸または無機酸が挙げられる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。反応温度は通常、加アルコール分解反応としては約−100〜100℃、好ましくは約−70〜20℃であり、より好ましくは約−70〜−30℃である。酸性条件下での脱保護反応としては、通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約−20〜20℃である。

(製法D)

(式中、R18は置換もしくは非置換のアルキルであり、R17は水素原子または置換もしくは非置換のアルキルであり、その他の記号は前記と同意義である。) 工程1−1 化合物(XIX)または化合物(XX)の環状アミド窒素原子を塩基存在下でアシル化することによって化合物(XXI)または化合物(XXII)に導くことができる。アシル化剤としてはtert−ブチル 2−クロロ−2−オキソアセテートなどが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジンなどが挙げられる。好ましくは、ジイソプロピルエチルアミンである。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程1−2 化合物(XXII)の二重結合をオゾン分解することにより、化合物(XXIII)に導くことができる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。反応温度は通常、約−100〜0℃、好ましくは約−70〜−40℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程2 化合物(XXI)や化合物(XXIII)に代表される化合物(XXIV)を還元剤によって環化させ化合物(XXV)に導くことができる。還元剤としては、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはテトラヒドロフランである。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。反応温度は通常、約−100〜0℃、好ましくは約−70〜−40℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程3 化合物(XXV)のジヒドロキシ基は、アシル化剤によって環状カーボネート構造に導くことができる。アシル化剤としては、カルボニルジイミダゾール、トリホスゲンなどが挙げられる。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−40〜0℃である。反応時間は、溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜48時間である。 工程4 化合物(XXVI)のカルボニル基を含むアミノ保護基P1を塩基存在下の加アルコール分解反応または酸性条件下での脱保護反応を行うことにより化合物(VII)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。好ましくはジクロロメタンである。加アルコール分解反応としては、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、チオニルクロライド等によって活性化することができる。好ましくは、五塩化リンである。塩基としては有機塩基等が挙げられる。例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。好ましくはピリジンである。その後アルコールを加える。該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。好ましくは、エタノールである。酸性条件下での脱保護反応の際に用いる酸としては、有機酸または無機酸が挙げられる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。反応温度は通常、加アルコール分解反応としては約−100〜100℃、好ましくは約−70〜20℃であり、より好ましくは約−70〜−30℃である。酸性条件下での脱保護反応としては、通常、約−100〜100℃、好ましくは約−20〜40℃、より好ましくは約−20〜20℃である。

(製法E)

(式中、各記号は前記と同意義である) 工程1 アミン体を、化合物(VII)と塩基存在下で縮合反応に付すことにより、化合物(XXVIII)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。縮合剤としては、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、オキシ塩化リン、メタンスルホニルクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、フェニルリン酸ジクロライド等が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチルモルホリン等が挙げられる。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程2 化合物(XXVIII)を酸化することにより、化合物(XXIX)を得る。反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。酸化剤としては、過酢酸、m−クロロ過安息香酸、過酸化水素、タングステン酸ナトリウム等が挙げられる。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。 工程3 化合物(XXIX)の全ての保護基を酸性条件下脱保護反応に付し、化合物(I)を得る。酸としては、有機酸または無機酸を用いることができる。例えば、トリフルオロ酢酸、トシル酸、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、塩化アルミニウム、塩化チタニウム等が挙げられる。反応温度は通常、約−100〜100℃、好ましくは約−80〜20℃、より好ましくは約−20〜20℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒や反応温度により異なるが、通常0.5〜24時間である。

なお、得られた化合物(I)または(IA)をさらに化学修飾してエステル体、またはそれらの製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を合成することもできる。

本発明化合物は、スペクトルの広い抗菌活性を有し、ヒトを含む各種哺乳動物における病原性細菌により生ずる種々の疾病、例えば気道感染症、尿路感染症、呼吸器感染症、敗血症、腎炎、胆嚢炎、口腔内感染症、心内膜炎、炎、骨髄膜炎、中炎、腸炎、蓄膿、創傷感染、日和見感染等の予防または治療のために使用され得る。

本発明化合物は、特にグラム陰性菌、好ましくは、腸内細菌科のグラム陰性菌(大腸菌、クレブシエラ、セラチア、エンテロバクター、シトロバクター、モルガネラ、プロビデンシア、プロテウス等)、呼吸器に定着するグラム陰性菌(ヘモフィルス、モラキセラ等)およびブドウ糖非発酵のグラム陰性菌(緑膿菌以外のシュードモナス、ステノトロフォモナス、バークホルデリア、アシネトバクター等)に対して高い抗菌活性を示す。本発明化合物は、これらのグラム陰性菌が産生するクラスA,B,CおよびDに属するβ−ラクタマーゼに対して安定である。特にクラスA、BおよびDに属するβ−ラクタマーゼに対して高い安定性を示す。それにより、TEM型、SHV型、KPC型などに代表されるESBL産生菌などの各種β−ラクタム薬耐性グラム陰性菌に高い抗菌活性を有する。特にNDM型、IMP型、VIM型、L−1型などを含むクラスBに属するメタロ−β−ラクタマーゼに対しても極めて安定であるので、セフェムやカルバペネムを含む各種β−ラクタム薬耐性グラム陰性菌に対しても有効である。さらに、式(I)、(IA)または(II)で示される本発明化合物はβ−ラクタマーゼ阻害剤を組み合わせることにより、クラスCに属するβ−ラクタマーゼに対する安定性が向上するため、クラスA,B,Cおよび/またはDに属するβ−ラクタマーゼを産生する各種β−ラクタム薬耐性グラム陰性菌に対して幅広く有効である。また本発明化合物は、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎ブドウ球菌(PRSP)等を含むグラム陽性菌に対しても抗菌活性を有している。さらに好ましい化合物は、体内動態として、血中濃度が高い、効果の持続時間が長い、および/または組織移行性が顕著である等の特徴も有している。また好ましい化合物は発熱を示さない、腎毒性を示さないなど副作用の点で安全である。また好ましい化合物は、水溶性が高く、体内動態が良好であり、注射薬および経口薬として好適である。

本発明化合物は、経口的又は非経口的に投与することができる。経口投与による場合、本発明化合物は通常の製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤、水剤、油性懸濁剤、又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合、本発明化合物は、水性又は油性懸濁注射剤、点鼻液として用いることができる。その調製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等を任意に用いることができる。本発明の製剤は、治療有効量の本発明化合物を製薬上許容される担体又は希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)ことによって製造される。

本発明化合物は、注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤として非経口または経口的に投与できるが、好ましくは注射剤として投与される。投与量は、通常、患者または動物の体重1kg当たり、約0.1〜100mg/日、好ましくは約0.5〜50mg/日を、所望により1日2〜4回に分割して投与すればよい。注射剤として用いられる場合の担体は、たとえば蒸留水、生理食塩水などであり、またpH調節のための塩基等を使用してもよい。カプセル剤、顆粒剤、錠剤として用いられる場合の担体は、公知の賦形剤(例:デンプ ン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例:デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、結晶セルロ−スなど)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)等である。

以下に、実施例、参考例、試験例および製剤例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

また、本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。 Boc:tert−ブトキシカルボニル Bt:1−ベンゾトリアゾリル BH:ベンゾヒドリル DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル DMF:N,N−ジメチルホルムアミド DMA:N,N−ジメチルアセトアミド DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 HMPA:ヘキサメチルリン酸トリアミド HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール mCPBA:m−クロロ過安息香酸 Me:メチル ODS:オクタデシルシリル t−Bu:tert−ブチル Ph:フェニル PMB:パラメトキシベンジル TBAF:フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム TBS:tert−ブチルジメチルシリル TFA:トリフルオロ酢酸 THF:テトラヒドロフラン Trt:トリチル

実施例で得られたNMR分析は400MHzで行い、DMSO−d6、CDCl3等を用いて測定した。

実施例で得られたLCMS分析は、以下の条件下で測定した。 測定条件1: カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters) 流速:0.8 mL/分 PDA検出波長:254nm 移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液 グラジェント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。 測定条件2: カラム:Shim−pack XR−ODS (2.2μm、i.d.50x3.0mm) 流速:1.6 mL/分 PDA検出波長:254nm 移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液 3分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。

化合物I−003の合成

工程1 化合物3bの合成 特許EP253337A2に記載の方法で合成した化合物3a(7.16g、14mmol)の酢酸エチル(143mL)溶液に、0.1mol/Lリン酸緩衝液(143mL)、10%パラジウム/炭素(50%含水)(5.96g、2.8mmol)を加えた。水素1気圧下、室温で2時間攪拌した後、不溶物をセライトろ過により除いた。水層を分取し、有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せ、塩酸水をpH=3まで加えた。次いで、HP20−SS樹脂を加え減圧濃縮した。得られた混合液をHP20−SSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物3b(4.79g、収率91%)を淡黄色粉末として得た。 1H-NMR (D2O)δ: 2.64-3.12 (5H, m), 3.72 (2H, d, J = 7.5 Hz), 5.15 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.38 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.35-7.44 (5H, m). MS (m+1) = 377.07

工程2 化合物3cの合成 化合物3b(4.79g、12.7mmol)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液に、ジフェニルジアゾメタン(2.60g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液を20分間かけて滴下した。室温で2時間攪拌した後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製することにより、化合物3c(3.37g、収率49%)を白色固体として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 2.52 (2H, d, J = 5.6 Hz), 2.61 (1H, dd, J = 14.5, 9.6 Hz), 2.90 (1H, dd, J = 14.5, 4.5 Hz), 3.08-3.15 (1H, m), 3.63 (2H, dd, J = 22.1, 16.1 Hz), 4.99 (1H, d, J = 4.7 Hz), 5.54 (1H, dd, J = 8.7, 4.7 Hz), 6.11 (1H, d, J = 8.7 Hz), 6.94 (1H, s), 7.25-7.38 (15H, m). MS (m+1) = 543.21

工程3 化合物3fの合成 五塩化リン(1.04g、5.0mmol)のジクロロメタン(6.8mL)懸濁液を−78℃まで冷却した後、ピリジン(0.444mL、5.5mmol)を加え、次いで化合物3c(1.36g、2.5mmol)のジクロロメタン(6.8mL)溶液を滴下した。−10℃で1時間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、メタノール(6.8mL)を加えた。−30℃で2時間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、無機物をろ過により除去した。ろ液に酢酸エチルを加え、ジクロロメタン及びメタノールを減圧留去することにより化合物3dの酢酸エチル溶液を得た。 化合物3e(315mg、0.60mmol)のジメチルアセトアミド(1.1mL)溶液を−20℃まで冷却した後、トリエチルアミン(0.104mL、0.75mmol)メタンスルホニルクロリド(0.055mL、0.70mmol)を加えた。−20℃で30分間攪拌することで、溶液Bを得た。 化合物3d(212mg、0.50mmol)を含む酢酸エチル溶液に、氷冷下でピリジン(0.048mL、0.6mmol)、溶液Bを加えた。氷冷下で30分間攪拌した後、希塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物3f(367mg、収率79%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.53 (9H, s), 1.64 (3H, d, J = 7.3 Hz), 2.29 (1H, dd, J = 14.7, 7.2 Hz), 2.52-2.70 (2H, m), 2.83 (1H, dd, J = 14.7, 4.0 Hz), 3.14-3.18 (1H, m), 5.01 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.15 (1H, q, J = 7.3 Hz), 5.62 (1H, dd, J = 8.7, 4.8 Hz), 6.87 (1H, s), 6.92 (1H, s), 7.29-7.36 (21H, m), 8.08 (1H, s), 8.25 (1H, d, J = 8.7 Hz). MS (m+1) = 932.14

工程4 化合物I−003の合成 化合物3f(367mg、0.39mmol)のジクロロメタン(3.7mL)溶液を−40℃まで冷却した後、アニソール(0.344mL、3.15mmol)と2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(1.58mL、3.15mmol)を順に加え、氷冷下で30分間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷、アセトニトリルを順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−003(120mg、収率61%)を白色粉末として得た。 1H-NMR (DMSO-D6)δ: 1.05 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.36 (3H, s), 1.38 (3H, s), 3.78 (1H, q, J = 7.1 Hz), 4.91 (2H, s), 5.17 (1H, d, J = 5.1 Hz), 5.60 (1H, dd, J = 8.0, 5.1 Hz), 6.60-6.68 (3H, m), 6.82-6.84 (1H, m), 6.92 (1H, d, J = 7.1 Hz), 7.18 (2H, s), 8.25-8.29 (2H, m), 8.44 (1H, d, J = 7.1 Hz), 8.77 (1H, s), 9.43 (1H, s). MS (m+1) = 499.98 (0.67min) 元素分析:C17H17N5O9S2(H2O)3.1 計算値:C,36.77; H,4.21; N,12.61; S,11.55 (%) 実測値:C,36.65; H,4.09; N,12.88; S,11.40 (%)

化合物I−004の合成

工程1 化合物4aの合成 化合物3d(212mg、0.50mmol)を含む酢酸エチル溶液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン(2.1mL)に溶解させた後、化合物1i(E体/Z体混合物)(301mg、0.70mmol)を加えた。次いで、氷冷下でEDC塩酸塩(134mg、0.70mmol)を加えた。室温で1時間半攪拌した後、減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物4a(E体/Z体混合物)(295mg、収率71%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.70 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.49-2.64 (3H, m), 2.88-3.02 (1H, m), 3.12-3.19 (1H, m), 3.32-3.64 (2H, m), 4.61 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.06 (1H, dd, J = 7.3, 4.5 Hz), 5.27-5.34 (3H, m), 5.53-5.59 (1H, m), 6.66-7.20 (3H, m), 7.29-7.38 (15H, m), 8.27-8.42 (1H, m). MS (m+1) = 837.17

工程2 化合物I−004の合成 化合物4a(295mg、0.35mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液を−20℃まで冷却した後、アニソール(0.385mL、3.5mmol)と2mol/L塩化チタン/ジクロロメタン溶液(1.23mL、2.47mmol)を順に加え、氷冷下で40分間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷、アセトニトリルを順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−004(E体/Z体混合物、E:Z=3:2)(45mg、収率27%)を淡黄色粉末として得た。 1H-NMR (D2O)δ: 2.67-2.93 (3H, m), 3.05-3.19 (2H, m), 3.33-3.36 (1H, m), 3.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 5.23-5.26 (1H, m), 5.49-5.51 (1H, m), 6.50-7.14 (2H, m). MS (m+1) = 468.94 (0.50min) 元素分析:C17H16N4O8S2(H2O)2.4 計算値:C,39.90; H,4.10; N,10.95; S,12.53 (%) 実測値:C,39.86; H,4.08; N,11.36; S,12.56 (%)

化合物I−007および化合物I−008の合成

工程1 化合物3の合成 化合物1(8.76g、43.5mmol)をメタノール(100mL)に溶解し、酢酸(2.49mL、43.5mmol)と化合物2(20.0g、43.5mmol)を加え室温で撹拌した。反応終了後、反応液を精製水で希釈し、酢酸エチルで目的物を抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物3(18.0g、1.27.3mmol)を分離不能な混合物として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 8.24-8.14 (m, 2H), 7.58-7.43 (m, 2H), 7.37-7.27 (m, 10H), 6.87-6.75 (m, 1H), 5.37-4.58 (m, 5H), 4.16-4.06 (m, 1H), 3.82-3.38 (m, 2H), 3.06-2.35 (m, 4H), 1.44 (s, 9H).

工程2 化合4の合成 化合物3(18.0g、27.2mmol)をジクロロメタン(180mL)に溶解し、氷点下50度に冷却し、アニソール(11.9mL、109mmol)と2mol/L塩化アルミニウム‐ニトロメタン溶液(47.7mL、95.0mmol)を滴下し、同温度で20分間撹拌した。反応液に精製水を加え、ジクロロメタンで目的物を抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去し、化合物4を得た。得られた全量を精製せずそのまま次の反応に用いた。

工程3 化合物5の合成 全反応で得られた残渣をジクロロメタン(130mL)に溶解し、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(5.21g、27.2mmol)を加え室温で1時間30分間撹拌した。この溶液に再度1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.61g、13.6mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応液に精製水を加え、ジクロロメタンで目的物を抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し化合物5(2.8g、5.88mmol)を分離不能な混合物として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 8.25 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.62-7.52 (m, 2H), 5.49-5.30 (m, 2H), 5.22-5.04 (br m, 1H), 4.80-4.61 (br m, 1H), 3.81-3.47 (m, 2H), 2.99-2.58 (m, 3H), 1.45 (s, 9H).

工程4 化合物6の合成 化合物6(2.80g、5.88mmol)をジクロロメタン(30.0mL)に懸濁させ、4mol/L塩酸‐酢酸エチル(22.0mL,88.0mmol)を加え室温で40分間撹拌した。生じた個体をろ取し酢酸エチルで洗浄し、化合物8を分離不能な混合物として得た。(2.67g) 1H-NMR (D2O)δ: 8.28 (d, J = 8.6 Hz, 2.0H), 7.70-7.60 (m, 2.0H), 5.48 (s, 1.7H), 4.71-4.61 (m, 0.8H), 4.20-2.65 (m, 7.0H).

工程5 化合物8の合成 化合物8(202mg)をジクロロメタンに懸濁させ、0度に冷却し、化合物9(189mg、0.538mmol)とN−メチルモルホリン(0.118mL、1.08mmol)を加え終夜で撹拌した。反応液に5%重層水とテトラヒドロフランを加え、水層から目的物をジクロロメタンで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し化合物8(283mg、0.505mmol)を分離不能な混合物として得た。 1H-NMR (DMSO-D6)δ: 9.19 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.7, 2.0 Hz, 2H), 7.22 (s, 2H), 6.94-6.84 (m, 1H), 5.47-5.31 (m, 2H), 5.08-4.91 (m, 1H), 3.89-3.81 (m, 5H), 3.58-3.42 (m, 1H), 3.10-2.89 (m, 2H), 2.81-2.65 (m, 2H).

工程6 化合物I−007および化合物I−008の合成 化合物8(275mg、0.492mmol)をテトラヒドロフラン(6.00mL)に溶解させ、0.1mol/L pH6リン酸緩衝液(6.00mL)と5%パラジウム‐活性炭素(418mg、0.197mmol)を加え、水素雰囲気化、0度で2時間撹拌した。反応液に、再度5%パラジウム‐活性炭素(209mg、0.098mmol)を加え、水素雰囲気化、0度で1時間撹拌した。反応液に、再度5%パラジウム‐活性炭素(209mg、0.098mmol)を加え、水素雰囲気化、0度で30分間撹拌した。懸濁液をセライト濾過し、テトラヒドロフランを減圧下留去した。得られた水溶液をHP20SSとODSを連結したカラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリルで溶離し、目的物を含む分画を集め、減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥することによって化合物I−007(26.3mg、0.059mmol), 化合物I−008(22.0mg、0.049mmol)を得た。 化合物I−007: 1H-NMR (D2O)δ: 7.01 (br s, 1H), 5.21-5.12 (br m, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.79-2.75 (m, 7H). MS (m+1) = 425.11 0.41min 化合物I−008: 1H-NMR (D2O)δ: 7.08 (s, 1H), 5.32 (dd, J = 12.4, 8.5 Hz, 1H), 4.12 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.74-3.68 (m, 1H), 3.58-3.44 (br m, 1H), 3.16 (dd, J = 19.3, 11.1 Hz, 1H), 3.07-2.98 (br m, 2H), 2.80 (dd, J = 19.3, 5.9 Hz, 1H). MS (m+1) = 425.11 0.53min

化合物I−009の合成

工程1 化合物1bの合成 化合物1a(20.1g、126mmol、合成法はThe Journal of Biological Chemistry VOLUME 283・NUMBER 43・2008・28888〜28896に記載。)を化合物I−016の合成実施例の工程1と同様に処理し、化合物1b(13.87g、収率28.0%)を黄色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.73 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 1.92-2.00 (m, 2H), 2.50 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.71 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.37-5.39 (m, 1H), 6.88 (s, 1H), 7.27-7.37 (m, 10H).

工程2 化合物1cの合成 化合物1b(13.87g、35.2mmol)を化合物I−031の合成実施例の工程2と同様に処理し、化合物1c(9.64g、収率67.4%)を無色透明オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.74 (s, 3H), 1.78 (s, 3H), 2.62-2.67 (m, 4H), 4.78 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 5.39-5.41 (m, 1H), 6.07 (s, 2H), 6.88 (s, 1H), 7.30-7.35 (m, 10H).

工程3 化合物1eの合成 化合物1c(8.64g、21.26mmol)のアセトン(50.2mL)懸濁溶液に、化合物1d(5.02g、21.26mmol)およびヘキサメチルリン酸トリアミド(12.95mL)を加え、室温で24時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、白色フォーム状の化合物1e(11.35g、収率83.1%)を3種の異性体の混合物(異性体A,異性体B、異性体C)として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.63-1.75 (m, 6H), 2.14-2.97 (m, 6H), 3.57-3.67 (m, 2H), 3.80 (s, 0.48H), 4.35 (s, 0.13H), 4.59 (s, 0.30H), 4.63-4.74 (m, 1.33H), 4.84-4.87 (m, 0.66H), 4.97 (d, J = 4.4 Hz, 0.32H), 5.10 (d, J = 4.5 Hz, 0.67H), 5.28-5.34 (m, 1H), 5.44-5.48 (m, 1H), 6.08 (d, J = 9.5 Hz, 0.56H), 6.22 (d, J = 9.3 Hz, 0.13H), 6.26 (d, J = 9.4 Hz, 0.31H), 6.86-6.87 (m, 1H), 7.30-7.35 (m, 15H).

工程4 化合物1fの合成 化合物1e(11.35g、17.66mmol)を化合物I−031の合成実施例の工程6と同様に処理し、化合物1fを3種の異性体として得て、異性体A(336.6mg、収率4.16%)、異性体Bと異性体Cの混合物(B:C=2:1、3.38g、収率41.7%)をそれぞれ白色フォームとして得た。 異性体A 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.45-1.51 (m, 1H), 1.71 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 1.88-1.94 (m, 1H), 2.34-2.37 (m, 1H), 2.63-2.82 (m, 3H), 2.90-2.93 (m, 1H), 3.62-3.67 (m, 2H), 4.73-4.82 (m, 2H), 5.27 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.32 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 5.60 (dd, J = 9.3, 4.5 Hz, 1H), 6.25 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.29-7.36 (m, 5H). 異性体Bと異性体Cの混合物 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.62-1.69 (m, 1H), 1.69-1.78 (m, 6H), 2.10-2.18 (m, 1H), 2.38-2.41 (m, 1H), 2.47-2.52 (m, 0.66H), 2.59-2.63 (m, 1.35H), 2.74-2.80 (m, 1.30H), 2.97-3.01 (m, 0.64H), 3.61-3.66 (m, 2H), 4.75-4.82 (m, 2H), 5.11 (d, J = 4.8 Hz, 0.65H), 5.25 (d, J = 4.5 Hz, 0.32H), 5.34-5.36 (m, 1H), 5.57 (dd, J = 9.2, 4.8 Hz, 0.65H), 5.66 (dd, J = 9.0, 4.6 Hz, 0.35H), 6.10 (d, J = 8.8 Hz, 0.67H), 6.24 (d, J = 8.8 Hz, 0.33H), 7.26-7.39 (m, 5H).

工程5 化合物1hの合成 化合物1f—異性体Bと化合物1f−異性体Cの混合物(500mg、1.09mmol)と化合物1g(525mg、1.31mmol)を化合物I−031の合成の工程7と同様に処理し、白色フォーム状の化合物1h—異性体C(96.7mg、収率12.3%)を単一の異性体として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.52 (s, 9H), 1.57 (s, 9H), 1.74 (s, 3H), 1.80 (s, 3H), 2.64-2.68 (m, 3H), 2.78-2.83 (m, 2H), 3.22-3.25 (m, 1H), 3.65-3.67 (m, 1H), 4.73-4.78 (m, 4H), 5.37-5.38 (m, 2H), 5.80-5.82 (m, 1H), 7.37 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H).

工程6 化合物I−009の合成 化合物1h—異性体C(90.2mg、0.125mmol)を化合物I−031の合成の工程7と同様に処理し、化合物I−009(14.2mg、収率21.0%)を褐色固体として得た。 1H-NMR (D2O)δ: 1.87-1.90 (m, 1H), 2.40-2.51 (m, 1H), 2.71-2.73 (m, 1H), 2.78-2.80 (m, 2H), 2.96-3.00 (m, 1H), 3.30-3.33 (m, 1H), 4.58 (s, 2H), 5.52 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.59 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H). [M+H]=499.90

化合物I−018の合成

工程1 化合物2(442mg、1.10mmol)をジメチルアセトアミド(5.00mL)に溶解し、氷点下10度に冷却した。この溶液に塩化メタンスルホニル(0.086mL、1.10mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(0.152mL。1.10mmol)を滴下し、氷点下10度で15分間撹拌した。この反応液に化合物1(413mg、1.00mmol)とN−メチルモルホリン(0.220mL、2.00mmol)を加え0度で80分間撹拌した。この反応液に精製水を加え、水層から目的物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物3(358mg、0.472mmol)を分離不能な混合物として得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 8.45 (d, J = 7.3 Hz, 0.8H), 8.26 (d, J = 7.8 Hz, 2.2H), 8.04 (s, 0.9H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 2.1H), 7.39 (s, 1.0H), 5.44 (d, J = 12.9 Hz, 1.0H), 5.38-5.31 (m, 1.0H), 5.17 (dd, J = 16.4, 8.3 Hz, 0.9H), 4.74 (dd, J = 25.5, 16.9 Hz, 2.0H), 3.66-3.53 (m, 2.1H), 2.97-2.86 (m, 1.0H), 2.77-2.64 (m, 0.8H), 1.54 (s, 9.0H), 1.46 (s, 9.3H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 1.9H).

工程2 化合物3(1.053g、1.386mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解させ、0.1mol/L pH6リン酸緩衝液(10.0mL)と5%パラジウム‐活性炭素(1.18mg、0.554mmol)を加え、水素雰囲気化、室温で80分間撹拌した。懸濁液をセライト濾過し、2mol/L塩酸を用いpHを1.35とし飽和食塩水を加え、水層から酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去し化合物4(590mg、0.944mmol)を得た。これ以上の精製は行わず次の反応に使用した。

工程3 化合物4(590mg)をジクロロメタン(6.0mL)に溶解し氷点下20度に冷却し、アニソール(1.03mL、9.45mmol)と、2mol/L塩化アルミニウム‐ニトロメタン溶液(4.72mL、9.45mmol)を加え、−20度で30分間撹拌した。反応液に精製水とジイソプロピルエーテルを加えた。反応液にアセトニトリルを加え水層を分離した。有機層を水/アセトニトリル/希塩酸混液で抽出し、2mol/L塩酸を用いpHを1.3に合わせた。この水層にHP20SSを加えて濃縮した。濃縮した懸濁液をHP20SSとODSを連結したカラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリルで溶離し、目的物を含む分画を集めた。この水溶液を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いpHを9.0に合わせ、ドライアイスを一片加えpHを5.2とした。この水溶液を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥することによって化合物I−018を粉末として得た。(収量205mg, 収率42%) 1H-NMR (D2O)δ: 7.04 (s, 1H), 5.23-5.12 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.68-2.75 (m, 7H). MS (m+1) = 468.94 0.57min

化合物I−029の合成

工程1 化合物29bの合成 化合物29a(15g、112mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、無水トリフルオロ酢酸(33.1mL、235mmol)を内温が40℃になるように滴下した。室温で2時間攪拌した後、パラメトキシベンジルアルコール(46.4g、336mmol)を加えた。さらに室温で終夜攪拌した後、氷冷下で10%炭酸ナトリウム水溶液をpH=9になるまで滴下した。次いで、酢酸エチルを加え、水層を分取した後、さらに水層を酢酸エチルで洗浄した。得られた水層に2mol/L塩酸水をpH=2になるまで加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮することにより、化合物29b(27.87g、収率98%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (DMSO-D6)δ: 2.46 (1H, d, J = 7.6 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 15.9, 5.1 Hz), 3.75 (3H, s), 4.36 (1H, t, J = 6.2 Hz), 5.05 (2H, s), 6.93 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.31 (2H, d, J = 8.3 Hz).

工程2 化合物29cの合成 化合物29b(27.87g、110mmol)のジメチルホルムアミド(139mL)溶液に、氷冷下でイミダゾール(22.39g、329mmol)、TBSクロライド(41.3g、274mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、氷冷下で2mol/L塩酸水をpH=5.5になるまで加えた。さらに氷冷下で40分間攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29c(32.69g、収率81%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.04 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.85 (9H, s), 2.74 (1H, dd, J = 15.8, 7.7 Hz), 2.84 (1H, dd, J = 15.8, 4.6 Hz), 3.81 (3H, s), 4.62 (1H, dd, J = 7.7, 4.6 Hz), 5.11 (2H, dd, J = 22.3, 11.9 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.5 Hz).

工程3 化合物29dの合成 化合物29c(32.69g、89mmol)のジクロロメタン(654mL)溶液に、トリフェニルホスホラニリデンアセトニトリル(26.7g、89mmol)、DMAP(1.08g、8.9mmol)、EDC塩酸塩(18.71g、98mmol)を順に加えた。室温で2時間攪拌した後、減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29d(47.01g、収率81%)を黄色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: -0.03 (3H, s), 0.01 (3H, s), 0.85 (9H, s), 3.12 (1H, dd, J = 15.5, 6.4 Hz), 3.23 (1H, dd, J = 15.5, 5.3 Hz), 3.80 (3H, s), 4.72 (1H, t, J = 5.9 Hz), 5.06 (2H, dd, J = 13.4, 12.4 Hz), 6.84 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.27 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.47-7.62 (15H, m).

工程4 化合物29fの合成 化合物29d(22.81g、35mmol)のジクロロメタン(456mL)溶液を、−78℃でオゾンガスをバブリングしながら2時間半攪拌した。系内を窒素ガスで置換した後、ジメチルスルフィド(7.77mL、105mmol)を加え、−78℃で5分間攪拌した。次いで、プレニルアルコール(5.33mL、53mmol)を加え、−78℃で1時間半攪拌した。反応混合物を0℃程度まで昇温した後、5%炭酸ナトリウム水溶液を加え、室温で5分間攪拌した。ジクロロメタンを減圧留去した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29f(6.67g、収率41%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.03 (3H, s), 0.04 (3H, s), 0.83 (9H, s), 1.73 (3H, s), 1.76 (3H, s), 3.24 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.81 (3H, s), 4.73 (3H, d, J = 7.6 Hz), 5.09 (2H, dd, J = 16.3, 12.0 Hz), 5.38 (1H, t, J = 6.8 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.8 Hz).

工程5 化合物29gの合成 化合物29f(6.67g、14.4mmol)のジクロロメタン(33mL)溶液に、氷冷下でN,N,N’N’−テトラメチルメタンジアミン(7.82mL、57.4mmol)を加えた後、無水酢酸(6.78mL、71.8mmol)、酢酸(5.75mL、100mmol)を順にゆっくりと加えた。室温で3時間攪拌した後、反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29g(3.64g、収率53%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.05 (3H, s), 0.07 (3H, s), 0.88 (9H, s), 1.74 (3H, s), 1.78 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.77 (2H, d, J = 7.6 Hz), 5.07 (2H, s), 5.22 (1H, s), 5.39 (1H, t, J = 6.7 Hz), 6.41 (1H, s), 6.48 (1H, s), 6.86 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.25 (2H, d, J = 9.1 Hz).

工程6 化合物29iの合成 化合物29g(3.64g、7.6mmol)のアセトン(36mL)溶液に、化合物29h(1.99g、8.4mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(4.65mL、26.7mmol)を加えた。室温で3時間半攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29i(780mg、収率14%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: -0.05 (3H, s), -0.01 (3H, s), 0.83 (9H, s), 1.69 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.68-2.76 (2H, m), 3.09 (1H, t, J = 12.5 Hz), 3.61 (2H, dd, J = 24.1, 16.0 Hz), 3.82 (3H, s), 4.11 (1H, d, J = 6.6 Hz), 4.19 (1H, s), 4.70 (1H, dd, J = 12.1, 7.6 Hz), 4.85 (1H, dd, J = 12.1, 7.3 Hz), 5.05-5.07 (3H, m), 5.37 (1H, t, J = 6.8 Hz), 5.45 (1H, dd, J = 9.1, 4.5 Hz), 6.09 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.26-7.39 (7H, m).

工程7 化合物29kの合成 化合物29i(700mg、0.98mmol)のジクロロメタン(3.5mL)溶液に、−10℃でトリフルオロ酢酸(3.5mL)のジクロロメタン(3.5mL)溶液を10分間かけて滴下した。−10℃で30分間攪拌した後、反応混合物に氷水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で4回洗浄した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮することにより化合物29jを白色フォームとして得た。得られた29jは精製せずにそのまま次の反応に用いた。 得られた29j全量をジクロロメタン(5.8mL)溶液に溶解させた後、氷冷下でEDC塩酸塩(377mg、1.96mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物29k(223mg、収率40%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.11 (3H, s), 0.17 (3H, s), 0.90 (9H, s), 1.71 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.60-2.69 (2H, m), 2.96 (1H, dd, J = 15.3, 3.7 Hz), 3.09-3.15 (1H, m), 3.64 (2H, dd, J = 26.7, 16.3 Hz), 4.46 (1H, d, J = 6.3 Hz), 4.72-4.84 (1H, m), 4.97 (1H, d, J = 3.8 Hz), 5.36 (1H, s), 5.65 (1H, dd, J = 8.6, 4.3 Hz), 6.00 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.31-7.38 (5H, m).

工程8 化合物29nの合成 化合物29k(212mg、0.37mmol)と化合物29m(178mg、0.44mmol)から実施例1の工程3と同様にして化合物29n(255mg、収率82%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 0.12 (3H, s), 0.19 (3H, s), 0.91 (9H, s), 1.53 (9H, s), 1.56 (9H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.67-2.74 (1H, m), 3.02 (1H, dd, J = 15.2, 4.3 Hz), 3.10-3.14 (1H, m), 3.77 (2H, s), 4.49 (1H, d, J = 7.1 Hz), 4.76 (2H, d, J = 8.1 Hz), 5.09 (1H, d, J = 5.1 Hz), 5.38 (1H, s), 5.74 (1H, dd, J = 8.3, 5.1 Hz), 7.37 (1H, s), 8.03 (1H, s), 8.65 (1H, d, J = 8.6 Hz).

工程9 化合物I−029の合成 化合物29n(255mg、0.30mmol)から実施例1の工程4と同様にして化合物I−029(22mg、収率14%)を淡黄色粉末として得た。 1H-NMR (D2O)δ: 2.72-3.26 (4H, m), 4.58 (2H, s), 5.28 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.67 (1H, d, J = 4.3 Hz), 7.06 (1H, s). MS (m+1) = 501.96 (0.71min)

化合物I−031の合成

工程1 化合物1bの合成 化合物1a(43.8g、300mmol)のDMF(307mL)溶液を60℃に昇温した。これに、ジシクロヘキシルアミン(59.6mL、300mmol)および、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(38.1mL、300mmol)を加えた。60℃下で1時間攪拌した後、析出した固体をろ過除去した。濾液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣のテトラヒドロフラン(321mL)溶液に、氷冷下、ジフェニルジアゾメタン(64.1g、330mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。室温で2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物1b(104g、収率91%)を得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.73 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.79 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.18 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.74 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.38 (1H, t, J = 7.3 Hz), 6.86 (1H, s), 7.26-7.36 (10H, m). 工程2 化合物1cの合成 化合物1b(104g、273mmol)のジクロロメタン(520mL)溶液に、N,N,N‘,N’−テトラメチルジアミノメタン(149mL、1093mmol)を加えた。氷冷下で、無水酢酸(129mL、1367mL)、酢酸(109mL、1914mmol)を加え、室温化、1時間撹拌後、溶媒を減圧留去した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物1c(79g、74%)を得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.74 (3H, s), 1.77 (3H, s), 3.48 (2H, s), 4.78 (2H, d, J = 7.4 Hz), 5.39 (1H, t, J = 7.4 Hz), 6.25 (1H, s), 6.36 (1H, s), 6.86 (1H, s), 7.26-7.35 (10H, m).

工程3 化合物1eの合成 化合物1c(10.0g、25.5mmol)のアセトン(100mL)溶液に、化合物1d(6.02g、25.5mmol)およびヘキサメチルリン酸トリアミド(15.5mL、89mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物1e(2.1g、収率13.1%)で得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.65 (3H, s), 1.69 (3H, s), 2.34 (2H, t, J = 4.5 Hz), 2.69 (1H, dd, J = 13.6, 2.8 Hz), 2.81 (1H, br s), 2.91-2.98 (1H, m), 3.59 (1H, d, J = 16.1 Hz), 3.65 (1H, d, J = 16.1 Hz), 3.77 (1H, s), 4.67 (1H, dd, J = 12.0, 7.5 Hz), 4.88 (1H, dd, J = 12.0, 7.5 Hz), 5.08 (1H, d, J = 4.7 Hz), 5.33 (1H, t, J = 7.5 Hz), 5.51 (1H, dd, J = 9.5, 4.7 Hz), 6.09 (1H, d, J = 9.5 Hz), 6.86 (1H, s), 7.26-7.40 (17H, m).

工程4 化合物1fの合成 窒素雰囲気下、化合物1e(6.80g、10.8mmol)のジクロロメタン(34mL)溶液を−10℃に冷却した。これに、TFA(34mL、441mmol)のジクロロメタン(34mL)溶液を滴下し、−10℃で30分間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣のジクロロメタン(50mL)溶液を0℃に冷却した。これに、EDC塩酸塩(4.15g、21.6mmol)を加え、室温下1時間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を希塩酸および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物1f(4.0g、83%)を得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 1.71 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.60-2.67 (2H, m), 2.75 (1H, dd, J = 18.1, 9.0 Hz), 2.94 (1H, dd, J = 14.4, 4.3 Hz), 3.19-3.25 (1H, m), 4.73-4.83 (2H, m), 4.96-4.98 (1H, m), 5.36 (1H, t, J = 6.8 Hz), 5.53 (1H, dd, J = 8.7, 4.7 Hz), 6.16 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.26-7.39 (6H, m).

工程5 化合物1iの合成 化合物1g(5.0g、33.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液に、トリフェニルホスフィン(8.80g、33.5mmol)を加え、0℃に冷却した。これにDIAD(6.52mL,33.5mmol)およびヒドロキシ酢酸ベンズヒドリルを加え、0℃で1時間撹拌した。反応混合物をヘキサン−酢酸エチル混合液に注ぎ、生じた不溶物を濾過した。濾液を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物1hを含む粗生成物10gを得た。この化合物1hのDMA(60mL)溶液にチオ尿素(15.3g、201mmol)を加え、30℃で24時間撹拌した。不溶物を濾過し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物1i(1.5g、9.5%)を得た。 1H-NMR (CDCl3)δ: 4.78 (2H, d, J = 5.8 Hz), 4.94 (4H, br s), 5.26 (1H, dd, J = 10.4, 1.0 Hz), 5.36 (1H, dd, J = 17.2, 1.3 Hz), 5.90-6.00 (1H, m), 6.96 (1H, s), 7.26-7.33 (10H, m).

工程6 化合物1jの合成 窒素雰囲気化、化合物1i(850mg、1.81mmol)のテトラヒドロフラン(13mL)溶液にモルホリン(789mg、9.05mmol)および、Pd(PPh3)4(105mg、0.091mmol)を加え、室温下、1時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することで化合物1jを得た。 MS (m-1) =428.01

工程7 化合物I−031の合成 五塩化リン(0.754g、3.62mmol)のジクロロメタン(10mL)懸濁液を−40℃まで冷却した後、ピリジン(0.584mL、7.24mmol)を加え、次いで化合物1f(0.805g、1.81mmol)を加えた。氷冷下で1時間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、メタノール(8.1mL)を加えた。−30℃で2時間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、無機物をろ過により除去した。ろ液に酢酸エチルを加え、ジクロロメタン及びメタノールを減圧留去し、酢酸エチル溶液(溶液A)を得た。化合物1j(777mg、1.81mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、HOBt(0.367g、2.72mmol)を加え、反応溶液を0℃に冷却した。これに、EDC塩酸塩(0.416g、2.17mmol)を加え、氷冷下、1時間撹拌した。生じた不溶物を濾過し、濾液を、氷冷下、溶液Aに加え、1時間撹拌した。これに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物1kの粗生成物(1g)を得た。これをジクロロメタン(10mL)に溶解させ、アニソール(1.48mL、13.6mmol)を加え、−30℃に冷却した。これに、2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(1.48mL、13.6mmol)を加え−30℃下、1時間撹拌した。反応液に氷、ジイソプロピルエーテル、アセトニトリルを順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィー(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−031(270mg)を白色粉末として得た。 1H-NMR (D2O)δ: 2.62 (1H, d, J = 18.2 Hz), 2.94-2.78 (2H, m), 3.15-3.06 (2H, m), 4.67 (2H, s), 5.26 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.61 (1H, d, J = 4.5 Hz). 元素分析:C16H14FN5O9S2(H2O)4.2 計算値:C,33.19; H,3.90; F, 3.28; N,12.09; S 11.07 (%) 実測値:C,33.14; H,3.60; F, 3.25; N,12.11; S,11.05 (%)

化合物I−33の合成

化合物33a(D−リンゴ酸)から実施例6の工程1〜9と同様にして化合物I−33を合成した。 1H-NMR (D2O) δ: 2.96 (1H, dd, J = 14.1, 5.3 Hz), 3.08-3.13 (1H, m), 3.41 (1H, dd, J = 14.1, 2.8 Hz), 5.16 (1H, d, J = 8.6 Hz), 5.20 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.43 (1H, d, J = 4.0 Hz), 7.32 (1H, s). MS (m+1) = 501.92、保持時間:0.65 分、測定条件1) 元素分析:C16H15N5O10S2(H2O)3.1 計算値:C,34.48; H,3.83; N,12.57; S,11.51 (%) 実測値:C,34.37; H,3.68; N,12.71; S,11.81 (%)

化合物I−34の合成

工程1 化合物34bの合成 D−リンゴ酸から実施例6の工程1〜8と同様にして合成した化合物34a(743mg、0.88mmol)のテトラヒドロフラン(7.4mL)溶液に、酢酸(304μL、5.3mmol)、1mol/L TBAF/テトラヒドロフラン溶液(2.65mL、2.65mmol)を順に加えた。室温で30分間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物34b(434mg、収率68%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.47 (9H, s), 1.53 (9H, s), 1.72 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.81 (1H, dd, J = 14.1, 5.1 Hz), 3.26 (2H, br s), 3.34 (1H, d, J = 14.1 Hz), 3.77 (1H, d, J = 6.3 Hz), 4.76 (2H, s), 4.84 (1H, dd, J = 17.3, 9.5 Hz), 4.97 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.08 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.39 (1H, t, J = 6.7 Hz), 5.53 (1H, dd, J = 7.8, 4.3 Hz), 7.42 (1H, s), 8.17 (1H, s), 8.80 (1H, d, J = 8.1 Hz). 工程2 化合物34cの合成 化合物34b(200mg、0.28mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液に、イソシアン酸クロロスルホニル(43μL、0.50mmol)を−30℃で加えた。そのまま−30℃で1時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウム(116mg、1.38mmol)、水(200μL)を加えた。さらに室温で30分間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物34c(154mg、収率73%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.46 (9H, s), 1.53 (9H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.84 (1H, dd, J = 14.5, 5.6 Hz), 3.27 (1H, dd, J = 14.5, 2.9 Hz), 3.52 (1H, s), 3.77 (1H, s), 4.76-4.87 (4H, m), 5.00 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.40 (1H, s), 5.55 (1H, dd, J = 8.2, 4.5 Hz), 5.80 (1H, d, J = 6.3 Hz), 7.42 (1H, s), 8.12 (1H, s), 8.81 (1H, d, J = 8.2 Hz). 工程3 化合物I−34の合成 化合物34c(154mg、0.20mmol)のジクロロメタン(1.5mL)溶液を−40℃まで冷却した後、アニソール(0.22mL、2.0mmol)、2mol/L 塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(1.0mL、2.0mmol)を順に加え、−30℃で30分間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷水、アセトニトリルを加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去し、2mol/L 塩酸(1.0mL)を加えた。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することによりI−34(28mg、収率26%)を淡黄色粉末として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 2.93 (1H, dd, J = 14.3, 6.2 Hz), 3.32 (1H, dd, J = 14.3, 3.0 Hz), 3.39-3.43 (1H, m), 5.23 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.45 (1H, d, J = 4.0 Hz), 5.82 (1H, d, J = 6.6 Hz), 7.30 (1H, s). MS (m+1) = 544.94、保持時間:0.74分、測定条件1 元素分析:C17H16N6O11S2(H2O)3.0 計算値:C,34.12; H,3.71; N,14.04; S,10.71 (%) 実測値:C,34.16; H,3.74; N,14.00; S,10.60 (%)

化合物I−35の合成

工程1 化合物35aの合成 化合物34b(170mg、0.23mmol)のジクロロメタン(1.7mL)溶液に、塩化アセチル(25μL、0.35mmol)、ピリジン(34μL、0.42mmol)を氷冷下で加えた。室温で1時間攪拌した後、希塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物35a(161mg、収率87%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.46 (9H, s), 1.54 (9H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.78 (1H, dd, J = 14.8, 4.9 Hz), 3.26 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.78 (1H, d, J = 4.8 Hz), 4.77-4.87 (4H, m), 5.01 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.40 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.56 (1H, dd, J = 8.3, 4.7 Hz), 5.82 (1H, d, J = 6.1 Hz), 7.41 (1H, s), 8.12 (1H, s), 8.81 (1H, d, J = 8.3 Hz). 工程2 化合物I−35の合成 化合物35a(161mg、0.21mmol)から実施例2の工程3と同様にして化合物I−35(37mg、収率33%)を白色粉末として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 2.17 (3H, s), 2.91 (1H, dd, J = 14.4, 6.1 Hz), 3.32 (1H, dd, J = 14.4, 3.3 Hz), 3.38-3.42 (1H, m), 5.24 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.46 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.92 (1H, d, J = 6.3 Hz), 7.30 (1H, s). MS (m+1) = 543.97、保持時間:0.71分、測定条件1 元素分析:C18H17N5O11S2(H2O)2.8 計算値:C,36.40; H,3.84; N,11.79; S,10.80 (%) 実測値:C,36.25; H,3.79; N,12.04; S,10.89 (%)

化合物I−36及びI−37の合成

工程1 化合物36cの合成 化合物36a及び化合物36bを原料として、US4891427A公報に記載の方法と同様の方法により化合物36cを合成した。 工程2 化合物36eの合成 化合物36c(0.30g、0.63mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液を−78℃まで冷却した後、N,N’−ジメチルアニリン(0.40mL、3.16mmol)と五塩化リン(0.33g、1.58mmol)を加えた。−60℃で2時間攪拌した後、メタノール(0.6mL)を加えた。−20℃で4時間攪拌した後、反応混合物に水を加え炭酸ナトリウム水溶液でpH6に調整した後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。無機物をろ過により除去した後、減圧下約5mlまで濃縮しジクロロメタン溶液(溶液A)を得た。化合物36d(0.51g、1.26mmol)をジクロロメタン(5mL)に懸濁させ、1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミン(0.18mL、1.39mmol)を加えた。室温で3時間攪拌することで溶液Bを得た。 溶液A(約5ml、0.63mmol相当)に氷冷下でピリジン(0.15mL、1.90mmol)、溶液Bを加えた。氷冷下で1時間攪拌した後、希塩酸水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、水、飽和重曹水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチルで溶離させた。所望の化合物を含むフラクションを減圧下濃縮し、化合物36eを含む混合物(0.43g)を得た。 [M+H]=740、保持時間:2.62分、測定条件1 工程3 化合物I−36及びI−37の合成 化合物36e(0.43g、0.58mmol換算)をジクロロメタン(10ml)に溶解させ、−40℃まで冷却した後、アニソール(0.76ml、6.97mmol)と2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(3.49ml、6.97mmol)を順次加え、−30℃で30分間攪拌した。反応液を水、2mol/L塩酸、アセトニトリルに溶解させた後、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。水層にHP20‐SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィに付し水/アセトニトリルで溶離させた。所望の化合物を含むフラクションを減圧下濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−36及びI−37を白色粉末として得た。 収量:化合物I−36:30.3mg、(収率10%) 化合物I−37:14.4mg、(収率4.8%) 化合物I−36 1H-NMR (D2O) δ: 6.98 (1H, s), 5.33 (1H, s), 4.59 (2H, s), 3.63 (3H, s), 3.19-3.11 (2H, m), 2.96-2.68 (3H, m). [M+H]=516、保持時間:0.61分、測定条件1 化合物I−37 1H-NMR (D2O) δ: 7.23 (1H, s), 5.41 (1H, s), 4.66 (2H, s), 3.61 (3H, s), 3.41 (1H, dd, J = 14.6, 2.4 Hz), 3.19-2.99 (3H, m), 2.76 (1H, dd, J = 17.2, 7.7 Hz). [M+H]=516、保持時間:0.47分、測定条件1

化合物I−38の合成

工程1 化合物38bの合成 エタノールアミン38a(1.19mL、19.7mmol)のジクロロメタン(12mL)溶液に二炭酸ジメチル(2.63g、19.7mmol)を加えた。室温で1.5時間撹拌した後、反応混合液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF(20mL)に溶解し、氷冷した後、N−ヒドロキシフタルイミド(3.85g、23.6mmol)とトリフェニルホスフィン(6.18g、23.6mmol)を加え、次いでジイソプロピルアゾジカルボキシレート(4.58mL、23.6mmol)を加えた。室温で23時間撹拌した後、反応混合液を減圧下濃縮した。残渣をメタノールに溶解してから再度減圧下で濃縮すると白色固体が得られ、これを濾取して38b(1.34g、26%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 3.50 (2H, m), 3.72 (3H, s), 4.27 (2H, t, J = 4.8 Hz), 5.91 (1H, brs), 7.78 (2H, m), 7.86 (2H, m). [M+H]=264.85、保持時間:1.24分、測定条件2 工程2 化合物38dの合成 38b(1.34g、5.07mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を氷冷し、メチルヒドラジン(0.282mL、5.32mmol)を加えた。0℃で50分間撹拌した後、不溶物をろ過により除去し、ジクロロメタンが10mL程度になるまで減圧留去して、ヒドロキシアミンのジクロロメタン溶液を得た。別途調製した2c(1.38g、5.07mmol)のメタノール(20mL)溶液を氷冷し、このヒドロキシアミンのジクロロメタン溶液を滴下した。0℃で1時間撹拌した後、ジクロロメタンを減圧留去した。酢酸エチルと水、次いで2mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮して化合物38d(1.80g、91%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.47 (9H, s), 3.25 (2H, m), 3.53 (3H, s), 4.08 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.15 (1H, m), 7.42 (1H, s), 11.81 (1H, s), 13.93 (1H, brs). [M+H]=389.10、保持時間:1.35分、測定条件2 工程3 化合物38fの合成 五塩化リン(937mg、4.50mmol)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に氷冷下ピリジン(0.400mL、4.95mmol)を加えた。反応混合物を−78℃まで冷却した後、化合物38e(1.0g、2.25mmol)を加えた。氷冷下40分間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、エタノール(10mL)を加えた。−30℃で35分間攪拌した後、水(2.25mL)を加えた。−30℃で35分間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液をジクロロメタンが10mL程度になるまで減圧留去して、ジクロロメタン溶液(溶液A)を得た。化合物38d(961mg、2.48mmol)のDMA(3.7mL)溶液を−20℃に冷却し、トリエチルアミン(0.437mL、3.15mmol)およびメタンスルホニルクロリド(0.228mL、2.93mmol)を加え、−20℃で40分間撹拌し、懸濁液(懸濁液B)を得た。溶液Aに氷冷下ピリジン(0.218mL、2.70mmol)を加え、次いで懸濁液Bを滴下した。0℃で35分間攪拌した後、水を加え、ジクロロメタンを減圧留去した。酢酸エチルと2mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物38f(1.14g、72%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (9H, s), 1.72 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.63-2.75 (2H, m), 2.80 (1H, dd, J = 18.1, 8.3 Hz), 3.13 (1H, dd, J = 14.6, 4.3 Hz), 3.31 (1H, m), 3.52 (2H, m), 3.56 (3H, s), 4.35 (2H, m), 4.81 (2H, m), 5.11 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.33 (1H, m), 5.38 (1H, m), 5.70 (1H, dd, J = 8.7, 4.6 Hz), 7.29 (1H, s), 7.81 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.25 (1H, brs). [M+H]=697.25、保持時間:2.00分、測定条件2 工程4 化合物I−38の合成 化合物38f(536mg、0.769mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にアニソール(0.672mL、6.15mmol)および2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(3.08mL、6.15mmol)を加え−30℃から−19℃で45分間撹拌した。反応混合物を氷水、2mol/L塩酸、アセトニトリルに溶解させた後、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。水層にHP20‐SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィー(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを混合し、pHメーターを用い0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.2mL)を氷冷下ゆっくり滴下し、pH4.76になった時点でドライアイスの小片を加えると、pHは4.52となった。この混合液を減圧下濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−38(286mg、68%)を得た。 1H-NMR (D2O) δ: 2.68 (1H, dd, J = 18.3, 2.5 Hz), 2.85 (1H, m), 2.92 (1H, dd, J = 18.3, 7.8 Hz), 3.06-3.19 (2H, m), 3.48 (2H, m), 3.64 (3H, s), 4.29 (2H, m), 5.28 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.58 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.07 (1H, s). [M+H]=529.10、保持時間:0.71分、測定条件2 C18H19N6O9S2Na1(H2O)3.6 計算値C : 35.13%, H : 4.29%, N : 13.66%, S : 10.42%, Na : 3.74%. 実測値C : 35.04 %, H : 4.33%, N : 13.80%, S : 10.37%, Na : 3.81%.

化合物I−39の合成

工程1 化合物39bの合成 化合物39a(653mg、1.00mmol)を1,4−ジオキサン(7.00mL)に懸濁し、二炭酸ジブチル(284mg、1.30mmol)、炭酸アンモニウム(120mg、1.25mmol)、ついでピリジン(39.6mg、0.500mmol)を加え終夜撹拌した。この反応液に、二炭酸ジブチル(218mg、1.00mmol)、炭酸アンモニウム(96.0mg、1.005mmol)、ついでピリジン(39.6mg、0.500mmol)を加え再度終夜撹拌した。この反応液に精製水を加え、水層から目的物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物39b(137mg、0.21mmol)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 9.38 (br s, 1H), 8.00 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.44 (br s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 5.21 (dd, J = 14.1, 3.7 Hz, 1H), 3.78-2.85 (br m, 5H), 2.64 (d, J = 18.2 Hz, 1H), 1.58 (s, 3H), 1.54 (s, 3H), 1.52 (s, 9H), 1.44 (d, J = 6.8 Hz, 9H). 工程2 化合物39cの合成 化合物39b(135mg、0.207mmol)をジクロロメタン(1.50mL)に溶解し、氷点下30度に冷却した。この溶液にピリジン(0.050mL、0.621mmol)、次いで無水トリフルオロ酢酸(0.044mL。0.311mmol)を加え、氷点下30度で45分間撹拌した。この反応液にピリジン(0.033mL、0.414mmol)と無水トリフルオロ酢酸(0.029mL。0.207mmol)を加え、0度で2時間30分間撹拌した。この反応液にピリジン(0.050mL、0.621mmol)と無水トリフルオロ酢酸(0.044mL。0.311mmol)を加え、0度で1時間45分間撹拌した。この反応液に精製水を加え、水層から目的物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物39c(121mg、0.191mmol)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 8.48-8.25 (br m, 2H), 7.33 (s, 1H), 5.15 (dd, J = 15.2, 8.3 Hz, 1H), 3.98-3.89 (m, 1H), 3.74-3.01 (m, 4H), 2.76 (dd, J = 18.4, 5.2 Hz, 1H), 1.60 (s, 3H), 1.58 (s, 3H), 1.53 (s, 9H), 1.43 (s, 9H). 工程3 化合物39dの合成 化合物39c(120mg、0.189mmol)を1,4−ジオキサン(1.20mL)に溶解し、トリメチルシリルアジド(0.050mL、0.379mmol)とジブチルすずオキシド(4.71mg、0.0189mmol)を加え、70度で撹拌した。反応終了後、この反応液に精製水を加え、水層から目的物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去し、化合物39dを得た。この化合物は精製せずに次の反応に用いた。 工程4 化合物39d(128mg、0.189mmol)をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し氷点下30度に冷却し、アニソール(0.124mL、1.13mmol)と、2mol/L塩化アルミニウム‐ニトロメタン溶液(0.567mL、1.13mmol)を加え、0度で45分間撹拌した。反応液に精製水とジイソプロピルエーテルを加えた。反応液にアセトニトリル、2mol/L塩酸を加え、析出物を溶解させた後、水層を分離した。有機層を水/アセトニトリル/希塩酸混液で抽出し、合わせた水層にHP20SSを加えて濃縮した。濃縮した懸濁液をHP20SSとODSを連結したカラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリルで溶離し、目的物を含む分画を集め、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いpHを6.5とし、ドライアイスを一片加えた。この溶液を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥することによって化合物I−39を、粉末として得た。(収量22.0mg, 収率21%) 1H-NMR (D2O) δ: 6.96 (s, 1H), 5.22 (s, 1H), 3.85-2.92 (m, 7H), 1.47 (s, 3H), 1.47 (s, 3H). MS (m+1) = 521.22、保持時間:0.67分、測定条件1

化合物I−40の合成

工程1 化合物40bの合成 五塩化リン(0.937g、4.50mmol)のジクロロメタン(5mL)懸濁液を−78℃まで冷却した後、ピリジン(0.400mL、4.95mmol)を加え、次いで化合物40a(1.0g、2.25mmol)を加えた。氷冷下で40分間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、エタノール(5.0mL)を加えた。−40から−20℃で1時間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、無機物をろ過により除去した。ろ液をジクロロメタンが10mL程度になるまで減圧留去した。この溶液を0℃まで冷却した後、ピリジン(0.272mL、3.37mmol)および、クロロギ酸アリル(0.240mL、2.25mmol)を加え室温下、1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物40b(400mg、43%)を得た。MS(M+1) = 411.20. 工程2 化合物40cの合成 化合物40b(3.8g、 9.26mmol)のジクロロメタン(19mL)溶液にを−30℃に冷却した。これにアニソール(4.05mL、37mmol)および2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(18.5mL、37.0mmol)を加え−30℃下、1時間撹拌した。反応液に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出し、希塩酸を加えpHを2とし、再度酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に1,4−ジオキサン(32mL)、炭酸アンモニウム(1.11g、11.6mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(2.79mL,12.0mmol)、ピリジン(0.374mL、4.63mmol)を加え、室温下終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去し、化合物40cの粗生成物(3.1g)を得た。MS(M+1) = 342.15. 工程3 化合物I−40の合成 化合物40cの組成生物(500mg)のDMF溶液にジメドン(616mg、4.39mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(169mg、0.146mmol)を加え、室温下、30分間撹拌した。これに、化合物40d(770mg、2.20mmol)を加え、室温下1時間撹拌した。反応液中の不溶物をセライトろ過により取り除いた。ろ液にジイソプロピルエーテル、アセトニトリル、希塩酸を順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィー(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−40(160mg)を白色粉末として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 2.91 (1H, dd, J = 14.1, 8.5 Hz), 2.98-3.01 (2H, m), 3.33-3.23 (2H, m), 4.00 (3H, s), 5.31 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.51 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.12 (1H, s). MS(M+1) = 441.11、保持時間:0.67分、測定条件1 C15H16N6O6S2(H2O)1.8(C4H8O2)0.1計算値C : 38.40%, H : 4.27%, N : 17.45%, S : 13.31%, 実測値 C :38.34%, H :4.24%, N : 17.65%, S : 13.12%.

化合物I−41の合成

工程1 化合物41fの合成 化合物41cの組成生物(1.6g)のTHF(16mL)溶液にピリジン(1.14mL、14.1mmol)を加えた。反応液を−30℃に冷却後、トリフルオロ酢酸無水物(0.99mL、7.0mmol)を加え、−30℃下、1時間撹拌した。反応混合物に水をを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物41f(520mg、34%)を得た。MS(M+1) = 411.20. 工程2 化合物41gの合成 化合物41fの組成生物(350mg)の1,4−ジオキサン(3.5mL)溶液にトリメチルシリルアジド(0.287mL、2.17mmol)、ジブチルすずオキシドを加えた。反応液を90℃に昇温後、1.5時間撹拌した。反応混合物にジイソプロピルエーテルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出した。水層に希塩酸を加えpHを2に調節した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、化合物41gの組成生物を得た。MS(M+1) = 367.13. 工程4 化合物I−41の合成 化合物41g組成生物(600mg)のDMF溶液にジメドン(689mg、4.91mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(379mg、0.328mmol)を加え、室温下、1時間撹拌した。これに、化合物1d(861mg、2.46mmol)を加え、室温下1時間撹拌した。反応液中の不溶物をセライトろ過により取り除いた。ろ液にジイソプロピルエーテル、アセトニトリル、希塩酸を順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィー(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−41(190mg)を白色粉末として得た。 C15H15N9O5S2(H2O)2.2 計算値C : 35.67%, H : 3.87%, N : 24.96%, S : 12.69%, 実測値 C :35.49%, H :3.85%, N : 25.14%, S : 12.77% 1H-NMR (D2O) δ: 2.81-2.83 (2H, m), 3.04 (1H, dd, J = 14.6, 9.9 Hz), 3.28 (1H, dd, J = 14.6, 4.6 Hz), 3.44-3.49 (1H, m), 3.98 (3H, s), 5.42 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.57 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.06 (1H, s). [M+1]= 466.13、保持時間:0.67分、測定条件1

化合物I−42の合成

工程1 化合42b及び42cの合成 EP253337A公報に記載の方法により得られた粗生成物42a(1.40mmol相当)をテトラヒドロフラン(10ml)、ジクロロメタン(10ml)に溶解し、氷冷下EDC(0.54g,2.80mmol)を加えた。 室温で1時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルと塩酸水で希釈した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチルで溶離させた。所望の化合物を含むフラクションを減圧下濃縮し、化合物42b(0.26g,32%)化合物42c(0.21g,26%)を得た。 化合物42b 1H-NMR (CDCl3) δ: 8.23 (4H, d, J = 7.5 Hz), 7.58 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.50 (2H, d, J = 8.7 Hz), 5.47-5.41 (2H, m), 5.36 (1H, d, J = 12.9 Hz), 5.22 (2H, dd, J = 16.1, 13.4 Hz), 4.96 (1H, dd, J = 7.0, 5.0 Hz), 4.14-4.20 (1H, m), 2.94-2.86 (2H, m), 2.65 (1H, dd, J = 13.4, 3.3 Hz), 2.45 (1H, d, J = 18.1 Hz). 化合物42c 1H-NMR (CDCl3) δ: 8.24 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.20 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.49 (2H, d, J = 8.7 Hz), 6.08 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.43 (1H, d, J = 13.1 Hz), 5.36 (1H, d, J = 13.1 Hz), 5.22 (1H, d, J = 13.4 Hz), 5.18 (1H, d, J = 13.4 Hz), 4.94 (1H, dd, J = 7.2, 4.9 Hz), 4.19-4.14 (1H, m), 3.70 (1H, dd, J = 11.4, 8.5 Hz), 3.09 (1H, dd, J = 17.9, 11.5 Hz), 2.98-2.87 (2H, m), 2.50 (1H, dd, J = 13.9, 3.8 Hz). 工程2 化合物I−42の合成 化合物42b(100mg,0.18mmol)と化合物42d(184mg,0.52mmol)を用いEP253337A公報に記載の方法により化合物I−42を合成し、ODSカラムクロマトグラフィにより精製することにより化合物I−42(15mg,19%)を得た。 1H-NMR (D2O) δ: 6.98 (1H, s), 5.34 (1H, d, J = 4.8 Hz), 4.33-4.28 (1H, m), 4.12 (1H, d, J = 6.7 Hz), 3.99 (3H, s), 3.13-2.97 (2H, m), 2.73 (1H, dd, J = 13.4, 3.5 Hz), 2.51 (1H, d, J = 18.3 Hz). [M+H]=442、保持時間:0.73分、測定条件1

化合物I−43の合成

工程1 化合物43b 化合物43a(7.43g、51.2mmol、合成法はWO2006127961A1に記載。)のテトラヒドロフラン(342mL)および水(34.2mL)溶液に、0℃でアリル(2,5−ジオキシピロリジンー1−イル)カーボネート(12.24g、61.4mmol)を加え、トリフェニルホスフィン(17.46g、66.6mmol)を加えた後、室温で3日間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、得られた無色透明のオイルに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物にトリフェニルホスフィンの種晶を加え、ジイソプロピルエーテル(45mL)を加え、得られた白色サスペンジョンを濾過した。得られた母液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物43b(6.44g、収率61.9%)を無色透明オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 3.31 (1H, s), 3.53-3.60 (2H, m), 3.80 (3H, s), 4.29-4.30 (1H, m), 4.56 (2H, d, J = 4.8 Hz), 5.22 (2H, d, J = 10.4 Hz), 5.30 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.88-5.93 (1H, m). 工程2 化合物43c イミダゾール(3.44g、50.6mmol)のジクロロメタン(192mL)溶液に、0℃で化合物43b(6.85g、33.7mmol)およびt−ブチルジメチルシリルクロリド(7.62g、50.6mmol)を加え、室温で終夜静置した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物43c(10.81g、収率100%)を無色透明オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 0.00 (3H, s), 0.03 (3H, s), 0.83 (9H, s), 3.38-3.43 (2H, m), 3.66 (3H, s), 4.24 (1H, t, J = 4.8 Hz), 4.49 (2H, br s), 4.97 (1H, br s), 5.13 (1H, d, J = 10.4 Hz), 5.22 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.80-5.86 (1H, m). 工程3 化合物43e 化合物43c(11.32g、35.7mmol)のテトラヒドロフラン(192mL)溶液に、0℃で8N水酸化ナトリウム水溶液(8.91mL、71.3mmol)を加え、室温で終夜静置した。0℃で1N塩酸水溶液(78mL、78mmol)を加え、減圧濃縮し、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮し、化合物43d(9.08g、収率83.9%)を粗生成物として得た。 化合物43d(9.08g、29.9mmol)のテトラヒドロフラン(54.5mL)溶液に、室温でジフェニルジアゾメタン(5.81g、29.9mmol)のテトラヒドロフラン(36.3mL)溶液を20分間かけて加え、室温で終夜静置した。得られた溶液に、室温でジフェニルジアゾメタン(1.74g、8.98mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を20分間かけて加え、室温で再び終夜静置した。得られた溶液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物43e(5.0g、収率35.6%)を薄黄色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: -0.07 (3H, s), -0.06 (3H, s), 0.74-0.80 (9H, m), 3.34-3.41 (1H, m), 3.45-3.51 (1H, m), 4.31 (1H, t, J = 5.5 Hz), 4.43 (2H, ddd, J = 22.4, 13.3, 5.6 Hz), 4.91 (1H, br s), 5.10 (1H, dd, J = 10.4, 1.4 Hz), 5.19 (1H, dd, J = 17.3, 1.5 Hz), 5.76-5.82 (1H, m), 6.81 (1H, s), 7.18-7.30 (10H, m). 工程4 化合物43f 化合物43e(5.0g、10.65mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、0℃で酢酸(0.913mL、15.97mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1Mテトラヒドロフラン溶液、15.97mL、15.97mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物43f(3.2g、収率84.6%)を無色透明オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 3.24 (1H, d, J = 4.1 Hz), 3.50-3.56 (1H, m), 3.69-3.73 (1H, m), 4.39-4.40 (1H, m), 4.53 (2H, d, J = 5.4 Hz), 5.04 (1H, br s), 5.20 (1H, dd, J = 10.4, 1.1 Hz), 5.28 (1H, dq, J = 17.2, 1.5 Hz), 5.85-5.91 (1H, m), 6.93 (1H, s), 7.27-7.37 (10H, m). 工程5 化合物43g 化合物43f(3.2g、9.0mmol)のテトラヒドロフラン(32mL)溶液に、室温で2−ヒドロキシインドリン−1,3−ジオン(1.763g、10.81mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.83g、10.81mmol)を加え、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(2.10mL、10.81mmol)を滴下しながら加え、室温で1.5時間撹拌した。得られた溶液に、室温で2−ヒドロキシインドリン−1,3−ジオン(1.763g、10.81mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.83g、10.81mmol)を加え、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(6.3mL、32.43mmol)を滴下しながら加え、室温で3日間静置した。得られた溶液を、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、減圧乾燥した後、メタノール(50mL)を加え、得られた白色スラリーを濾過して、白色固体X1(3.87g)と母液M1を得た。母液M1を濃縮後、メタノール(50mL)を加え、得られた白色スラリーを濾過して、白色固体X2(224.2mg)と母液M2を得た。白色固体X1(3.87g)とX2(224.2mg)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、メタノール(10mL)を加え、250Torr、35℃の条件で、ジクロロメタンのみを減圧濃縮し、得られた白色スラリーにメタノールを加え、濾過することで、化合物43g(2.96g、収率65.7%)を白色固体として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 3.78 (2H, t, J = 5.7 Hz), 4.49-4.59 (2H, m), 4.91 (1H, t, J = 5.3 Hz), 5.20 (1H, d, J = 10.5 Hz), 5.30 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.86-5.95 (2H, m), 6.94 (1H, s), 7.24-7.37 (10H, m), 7.74-7.78 (2H, m), 7.80-7.82 (2H, m). 工程6 化合物43k 化合物43g(2.96g、5.91mmol)のジクロロメタン(20.7mL)溶液に、0℃でメチルヒドラジン(0.351mL、6.50mmol)を一度に加え、0℃で1時間撹拌した。得られた溶液を濾過してジクロロメタン(8.9mL)で洗浄し、得られたジクロロメタン溶液に、メタノール(14.8mL)を加え、0℃で化合物43h(1.545g、5.67mmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。1N塩酸水溶液(60mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮し、化合物43i(3.77g、収率100%)を粗生成物として得た。 化合物43i(3.11g、4.98mmol)のジメチルアセトアミド(6.8mL)溶液を−20℃まで冷却した後、トリエチルアミン(0.863mL、6.23mmol)メタンスルホニルクロリド(0.453mL、5.81mmol)を加えた。−20℃で30分間攪拌することで、溶液Cを得た。 実施例12の工程3に記載された方法で合成した化合物43j(1.354g、4.15mmol)の酢酸エチル(13.5mL)溶液に、氷冷下でピリジン(0.402mL、4.98mmol)、溶液Cを加えた。氷冷下で90分間攪拌した後、希塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物43k(1.526g、収率39.4%)を黄色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (9H, s), 1.70 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.57-2.64 (1H, m), 2.70-2.86 (3H, m), 3.18-3.27 (1H, m), 3.79-3.87 (2H, m), 4.51-4.59 (2H, m), 4.77 (4H, dd, J = 14.3, 8.7 Hz), 4.97 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.14-5.17 (2H, m), 5.28 (1H, dd, J = 17.2, 1.5 Hz), 5.35-5.37 (1H, m), 5.49-5.55 (1H, m), 5.67-5.71 (1H, m), 5.85-5.90 (1H, m), 6.84 (1H, s), 7.29-7.39 (10H, m), 8.12 (1H, s), 8.19 (1H, d, J = 8.9 Hz). 工程7 化合物I−43 実施例1の工程4と同様の方法で、化合物43kを用いて、化合物I−43(252.5mg、29.6%)を白色固体として得た。 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.63-2.67 (1H, m), 2.74 (1H, dd, J = 14.0, 9.0 Hz), 2.85 (2H, dd, J = 18.1, 8.5 Hz), 3.04-3.09 (1H, m), 3.15 (1H, dd, J = 14.1, 4.4 Hz), 3.54-3.60 (1H, m), 4.48 (2H, d, J = 5.3 Hz), 4.61 (1H, dd, J = 8.0, 5.0 Hz), 5.16-5.18 (2H, m), 5.28 (1H, dd, J = 17.1, 1.6 Hz), 5.56 (1H, dd, J = 8.5, 4.6 Hz), 5.90 (1H, ddd, J = 22.6, 10.5, 5.4 Hz), 6.81 (1H, s), 7.25-7.27 (3H, m), 9.64 (1H, d, J = 8.5 Hz). MS(M+1)=599、保持時間:0.80分、測定条件1 元素分析:C21H22N6O11S2(H2O)1.8 . 計算値C: 39.97%, H: 4.09%, N: 13.32%, S: 10.16%. 実測値C: 40.06%, H: 4.11%, N: 13.22%, S: 10.18%.

化合物I−44の合成

工程1 化合物I−43(204.9mg、0.342mmol)のテトラヒドロフラン(4.1mL)溶液に、室温でジメドン(144mg、1.027mmol)を加え、溶液を脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(39.6mg、0.034mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。溶液を脱気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(39.6mg、0.034mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷、アセトニトリルを順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液に2N塩酸を加え、ODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−44(71.9mg、44.5%収率)を白色粉末として得た。 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.41 (1H, d, J = 17.7 Hz), 2.65-2.71 (2H, m), 2.91-2.94 (2H, m), 3.03-3.07 (1H, m), 3.23 (1H, d, J = 10.3 Hz), 4.85 (1H, d, J = 9.7 Hz), 5.11 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.43 (1H, dd, J = 7.7, 4.6 Hz), 6.84 (1H, s), 7.29 (2H, s), 8.19 (2H, br s), 10.30 (1H, s). MS(M+1)=515、保持時間:0.38分、測定条件1 元素分析:C17H18N6O9S2(H2O)3.5. 計算値C: 35.55%, H: 4.36%, N: 14.55%, S: 11.10%. 実測値C: 35.34%, H: 4.31%, N: 14.60%, S: 11.21%.

化合物I−45の合成

工程1 化合物45bの合成 化合物45a(10g、58mmol)のジメチルホルムアミド(70mL)溶液に、ジシクロヘキシルアミン(11.5mL、58mmol)、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(7.3mL、64mmol)を順に50℃で加えた。60℃で1時間攪拌した後、酢酸エチルをを加え、不溶物をろ過により除いた。ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45b(8.07g、収率58%)を橙色オイルとして得た。 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.19 (6H, s), 1.69 (3H, s), 1.73 (3H, s), 4.66 (2H, d, J = 7.1 Hz), 5.33 (1H, t, J = 6.4 Hz), 8.17 (1H, s). 工程2 化合物45cの合成 化合物45b(8.07g、33mmol)のテトラヒドロフラン(32mL)溶液に、ジフェニルジアゾメタン(7.12g、37mmol)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液を滴下した。室温で5日間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45c(4.80g、収率35%)を白色固体として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (6H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 3.15 (2H, s), 4.70 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.35-5.38 (1H, m), 6.82 (1H, s), 7.26-7.34 (10H, m). 工程3 化合物45dの合成 化合物45c(4.8g、11.7mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、氷冷下でN,N,N’N’−テトラメチルメタンジアミン(6.40mL、47mmol)を加えた後、無水酢酸(5.55mL、59mmol)、酢酸(4.70mL、82mmol)を順に滴下した。50℃で6時間攪拌した後、反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45d(4.83g、収率92%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.41 (6H, s), 1.75 (3H, s), 1.79 (3H, s), 4.77 (2H, d, J = 7.4 Hz), 5.37-5.42 (1H, m), 6.24 (1H, d, J = 1.0 Hz), 6.31 (1H, d, J = 1.0 Hz), 6.81 (1H, s), 7.23-7.32 (10H, m). 工程4 化合物45f及び45gの合成 化合物45d(4.83g、10.7mmol)のアセトン(48mL)溶液に、化合物45e(2.79g、11.8mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(6.54mL、37.6mmol)を加えた。室温で終夜攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45f(677mg、収率10%)を白色フォームとして、化合物45g(722mg、収率10%)を白色フォームとして得た。 化合物45f 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.22 (3H, s), 1.27 (3H, s), 1.68 (3H, s), 1.73 (3H, s), 2.41 (1H, d, J = 14.1 Hz), 2.96 (1H, d, J = 11.9 Hz), 3.11 (1H, t, J = 13.0 Hz), 3.62 (2H, dd, J = 24.8, 15.9 Hz), 4.19 (1H, s), 4.66-4.75 (1H, m), 4.91 (1H, dd, J = 11.9, 7.6 Hz), 5.02 (1H, d, J = 4.0 Hz), 5.37-5.45 (2H, m), 6.06 (1H, d, J = 9.3 Hz), 6.81 (1H, s), 7.26-7.39 (15H, m). 化合物45g 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.24 (3H, s), 1.26 (3H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 2.42 (1H, dd, J = 13.7, 2.9 Hz), 2.74 (1H, t, J = 13.1 Hz), 3.61 (2H, d, J = 4.9 Hz), 4.18 (1H, dd, J = 12.4, 2.9 Hz), 4.57 (1H, d, J = 4.6 Hz), 4.73 (2H, t, J = 8.0 Hz), 5.28-5.40 (2H, m), 5.90 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.52 (1H, s), 6.83 (1H, s), 7.24-7.38 (15H, m). 工程5 化合物45iの合成 化合物45f(677mg、1.03mmol)のジクロロメタン(4.7mL)溶液に、−20℃でトリフルオロ酢酸(2.4mL、30.9mmol)を10分間かけて滴下した。−20℃で1時間攪拌した後、反応混合物を氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンの混合液に加えた。続いて、希塩酸をpH=2になるまで加えた後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮することにより化合物45hを得た。得られた45hは精製せずにそのまま次の反応に用いた。 得られた45h全量をジクロロメタン(6.8mL)溶液に溶解させた後、氷冷下でEDC塩酸塩(217mg、1.13mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45i(354mg、収率73%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.20 (3H, s), 1.27 (3H, s), 1.71 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.59 (1H, dd, J = 14.2, 10.7 Hz), 2.84-2.94 (2H, m), 3.64 (2H, dd, J = 24.2, 16.1 Hz), 4.73-4.84 (2H, m), 4.96 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.36-5.40 (1H, m), 5.55 (1H, dd, J = 8.8, 4.8 Hz), 6.04 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.28-7.39 (5H, m). 工程6 化合物45lの合成 化合物45k(361mg、0.90mmol)のジメチルアセトアミド(1.8mL)溶液を−20℃まで冷却した後、トリエチルアミン(0.156mL、1.12mmol)メタンスルホニルクロリド(0.082mL、1.05mmol)を加えた。−20℃で30分間攪拌することで、溶液Aを得た。 五塩化リン(312mg、1.5mmol)のジクロロメタン(1.8mL)懸濁液を−78℃まで冷却した後、ピリジン(0.133mL、1.65mmol)を加え、次いで化合物45i(354mg、0.75mmol)のジクロロメタン(1.8mL)溶液を滴下した。−10℃で1時間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、冷却したメタノール(1.8mL)を加えた。−30℃で2時間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、無機物をろ過により除去した。ろ液に酢酸エチルを加え、ジクロロメタン及びメタノールを減圧留去することにより化合物45jの酢酸エチル溶液を得た。得られた化合物4jの酢酸エチル溶液に、氷冷下でピリジン(0.073mL、0.90mmol)、及び上記で得られた溶液Aを加えた。氷冷下で30分間攪拌した後、希塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物45l(407mg、収率74%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.23 (3H, s), 1.31 (3H, s), 1.48 (9H, s), 1.54 (9H, s), 1.72 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.62 (1H, dd, J = 15.9, 11.2 Hz), 2.97-3.02 (2H, m), 4.73-4.88 (4H, m), 5.08 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.37-5.42 (1H, m), 5.67 (1H, dd, J = 8.4, 4.6 Hz), 7.37 (1H, s), 8.06 (1H, s), 8.66 (1H, d, J = 8.4 Hz). 工程7 化合物I−45の合成 化合物45l(407mg、0.55mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を−40℃まで冷却した後、アニソール(0.48mL、4.4mmol)、2mol/L 塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(2.2mL、4.4mmol)を順に加え、−30℃で30分間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷水、アセトニトリルを加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去し、2mol/L塩酸(1.0mL)を加えた。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液pH=5.5まで加えた後、少量のドライアイスを加えた。得られた溶液を減圧濃縮した後、凍結乾燥することによりI−45(180mg、収率59%)を白色粉末として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 1.26 (3H, s), 1.29 (3H, s), 2.84-2.97 (2H, m), 3.13 (1H, dd, J = 13.3, 4.1 Hz), 4.58 (2H, s), 5.24 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.62 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.06 (1H, s). MS (m+1) = 514.05、保持時間:0.71分、測定条件1 元素分析:C18H17N5Na2O9S2(H2O)3.0 計算値:C,35.36; H,3.79; N,11.45; Na,7.52; S,10.49 (%) 実測値:C,35.34; H,3.83; N,11.62; Na,7.38; S,10.48 (%)

化合物I−46の合成

化合物46aを用いて、実施例19の工程5〜7と同様にして化合物I−46を合成した。 1H-NMR (D2O) δ: 1.33 (3H, s), 1.34 (3H, s), 2.88 (1H, dd, J = 7.4, 4.5 Hz), 3.00 (1H, dd, J = 14.7, 7.4 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 14.7, 4.5 Hz), 4.57 (2H, s), 5.38 (1H, d, J = 4.1 Hz), 5.47 (1H, d, J = 4.1 Hz), 7.14 (1H, s). MS (m+1) = 514.02、保持時間:0.58分、測定条件1 元素分析:C18H17N5Na2O9S2(H2O)2.5(NaHCO3)0.1 計算値:C,35.59; H,3.65; N,11.46; Na,7.90; S,10.50 (%) 実測値:C,35.53; H,3.70; N,11.55; Na,7.88; S,10.53 (%)

化合物I−47の合成

工程1 化合物47cの合成 化合物47a(7.38g、34mmol)に、無水酢酸(24.1mL、255mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応混合物を減圧濃縮することにより化合物47bを得た。得られた47bは精製せずにそのまま次の反応に用いた。 得られた47b全量にp−メトキシベンジルアルコール(23.5g、170mmol)を加え、50℃で4時間半攪拌した。反応混合物を氷冷した後、冷却した10%炭酸ナトリウム水溶液をpH=9まで滴下した。氷冷下でしばらく攪拌した後、酢酸エチルを加え、水層を分取した。分取した水層に2mol/L塩酸をpH=2まで加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮することにより化合物47c(9.42g、収率82%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.55-2.85 (2H, m), 3.75 (3H, s), 4.34-4.47 (3H, m), 5.03 (2H, d, J = 7.6 Hz), 5.16 (1H, d, J = 10.1 Hz), 5.27 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.84-5.93 (1H, m), 6.92 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.3 Hz). 工程2 化合物47dの合成 化合物47c(20.4g、60.6mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液にトリフェニルホスホラニリデンアセトニトリル(16.4g、54.5mmol)、DMAP(0.74g、6.1mmol)、EDC塩酸塩(12.8g、66.7mmol)を順に加えた。室温で1時間攪拌した後、減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物47d(19.95g、収率53%)を橙色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 3.07 (1H, dd, J = 16.7, 3.5 Hz), 3.59 (1H, dd, J = 16.5, 4.2 Hz), 3.78 (3H, s), 4.56 (2H, br s), 4.64 (1H, t, J = 4.3 Hz), 5.05 (2H, dd, J = 21.3, 12.0 Hz), 5.17 (1H, d, J = 10.1 Hz), 5.27 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.84-5.92 (1H, m), 5.99 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.82 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.25 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.50-7.65 (15H, m). 工程3 化合物47eの合成 化合物47d(20.8g、33.5mmol)のテトラヒドロフラン(208mL)溶液を減圧脱気した後、モルホリン(6.42mL、73.7mmol)、Pd(PPh3)4(1.94g、1.68mmol)を順に加えた。室温で1時間攪拌した後、Boc2O(21.8mL、94mmol)を加えた。さらに室温で1時間半攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物47e(20.12g、収率94%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.41 (9H, s), 3.03 (1H, d, J = 16.7 Hz), 3.58 (1H, d, J = 16.4 Hz), 3.78 (3H, s), 4.59 (1H, s), 5.04 (2H, s), 5.78 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.82 (2H, d, J = 7.8 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.51-7.65 (15H, m). 工程4 化合物47gの合成 化合物47e(18g、28.3mmol)のジクロロメタン(360mL)溶液を、−78℃でオゾンガスをバブリングしながら2時間半攪拌した。系内を窒素ガスで置換した後、ジメチルスルフィド(6.27mL、85mmol)を加え、−78℃で5分間攪拌した。次いで、3−メチル−2−ブテン−1−オール(4.31mL、42.4mmol)を加え、−78℃で1時間半攪拌した。反応混合物を0℃程度まで昇温した後、5%炭酸ナトリウム水溶液を加え、室温で5分間攪拌した。ジクロロメタンを減圧留去した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物47g(4.27g、収率34%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.41 (9H, s), 1.73 (3H, s), 1.77 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.11-4.15 (3H, m), 4.66 (1H, s), 4.73 (2H, d, J = 7.3 Hz), 5.36-5.43 (3H, m), 6.87 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.25 (2H, d, J = 8.1 Hz). 工程5 化合物I−47の合成 化合物47gから実施例19の工程3〜7と同様にして合成し、ジアステレオマー混合物として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 2.62 (1H, d, J = 12.9 Hz), 2.98 (1H, dd, J = 14.8, 3.2 Hz), 3.13-3.26 (2H, m), 3.47 (1H, d, J = 14.4 Hz), 3.56 (1H, d, J = 9.9 Hz), 3.75 (1H, s), 4.69 (4H, d, J = 3.0 Hz), 5.19 (1H, d, J = 3.5 Hz), 5.28 (1H, d, J = 9.9 Hz), 5.38 (2H, br s), 5.50 (1H, d, J = 4.0 Hz), 7.13 (1H, s), 7.27 (1H, s). MS (m+1) = 501.06、保持時間:0.45分、測定条件1

化合物I−48の合成

工程1 化合物48bの合成 tert−ブチル 2−クロロ−2−オキソアセテート(30.4g、185mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に、氷冷下で塩化カルシウム(41.0g、369mmol)を加え、化合物48a(30.0g、103mmol、合成法はDE2138320A1に記載。)とジイソプロピルエチルアミン(32.3mL、185mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液を加えた。−5℃で30分間攪拌した後、濾過をし、得られた濾液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物48b(14.13g、収率32.7%)を黄色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.55 (9H, s), 2.24 (3H, s), 3.60 (1H, d, J = 16.7 Hz), 3.68 (2H, s), 3.78 (1H, d, J = 16.6 Hz), 5.40 (1H, d, J = 6.4 Hz), 5.46 (1H, dd, J = 8.3, 6.5 Hz), 6.55 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.29-7.38 (5H, m). 工程2 化合物48dおよび48eの合成 化合物48b(7g、16.65mmol)のテトラヒドロフラン(350mL)溶液に対して減圧脱気を3回繰り返し行った後、−78℃で0.1mol/Lヨウ化サマリウム(テトラヒドロフラン溶液、350mL,350mmol)を40分間かけて滴下する。−78℃で5分間撹拌した後、酢酸エチル(800mL)、氷冷した8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)を加え、セライト濾過をし、得られた濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物48c(4.07g、収率57.9%)を黄色フォームとして得た。 化合物48c(4.07g、9.63mmol)のジクロロメタン(151mL)溶液に、−20℃でピリジン(5.44mL、67.4mmol)を加え、トリホスゲン(2.86g、9.63mmol)をゆっくり投入した。−20℃で1時間撹拌した後、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、1mol/L塩酸、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物48d(658.2mg、収率15.2%)を黄色フォームとして得、化合物48e(1.13g、収率26.2%)を黄色フォームとして得た。 化合物48d 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.55 (9H, s), 1.58 (3H, s), 2.90 (1H, d, J = 14.6 Hz), 3.18 (1H, d, J = 14.4 Hz), 3.68 (2H, s), 4.98 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.21 (1H, dd, J = 8.2, 4.5 Hz), 6.03 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.31-7.38 (5H, m). 化合物48e 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (3H, s), 1.54 (9H, s), 3.07 (2H, dd, J = 17.9, 15.2 Hz), 3.65 (2H, dd, J = 21.3, 15.8 Hz), 5.09 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.57 (1H, dd, J = 8.4, 4.6 Hz), 6.24 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.27-7.40 (5H, m). 工程3 化合物48gの合成 五塩化リン(611mg、2.94mmol)のジクロロメタン(3.3mL)懸濁液を−78℃まで冷却した後、ピリジン(0.261mL、3.2mmol)を加え、次いで化合物48d(658.2mg、1.47mmol)のジクロロメタン(3.3mL)溶液を滴下した。−10℃で2時間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、エタノール(3.3mL)を加えた。−30℃で1.5時間攪拌した後、反応混合物に氷冷した8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、無機物をろ過により除いた。ろ液に酢酸エチルを加え、ジクロロメタン及びエタノールを減圧留去することにより酢酸エチル溶液Aを得た。 化合物48f(707mg、1.76mmol)のジメチルアセトアミド(2.4mL)溶液を−20℃まで冷却した後、トリエチルアミン(0.305mL、2.2mmol)メタンスルホニルクロリド(0.16mL、2.06mmol)を加えた。−20℃で30分間攪拌することで、溶液Bを得た。 酢酸エチル溶液Aに、氷冷下でピリジン(0.142mL、1.76mmol)、溶液Bを加えた。氷冷下で40分間攪拌した後、希塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物48g(453.7mg、収率43.4%)を黄色オイルとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.47 (9H, s), 1.54 (9H, s), 1.58 (9H, s), 1.63 (3H, s), 2.91 (1H, d, J = 14.4 Hz), 3.34 (1H, d, J = 14.6 Hz), 4.78 (2H, s), 5.11 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.37 (1H, dd, J = 7.8, 4.5 Hz), 7.43 (1H, s), 8.11 (1H, s), 8.71 (1H, d, J = 7.8 Hz). 工程4 化合物I−48の合成 化合物48g(453.7mg、0.64mmol)のジクロロメタン(6.8mL)溶液を−30℃まで冷却した後、アニソール(0.833mL、7.63mmol)と2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(3.81mL、7.63mmol)を順に加え、−30℃で20分間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテル、氷、アセトニトリルを順に加えて攪拌し、不溶物を完全に溶解させた後、水層を分取した。有機層を再度水で抽出した後、すべての水層を合せHP20−SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液に1N塩酸を加え、ODSカラムクロマトグラフィ(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含む分画を集め、氷冷下で0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHが6.0のところでドライアイスをひとかけら加え、減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−48(215.8mg、62.2%収率)を白色粉末として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 1.65 (3H, s), 3.19 (1H, d, J = 14.7 Hz), 3.36 (1H, d, J = 14.7 Hz), 4.58 (2H, s), 5.32 (1H, d, J = 4.4 Hz), 5.45 (1H, d, J = 4.3 Hz), 7.19 (1H, s). MS(M+1)=502、保持時間:0.59分、測定条件1 元素分析:C16H13N5Na2O10S2(H2O)4.5. 計算値C: 30.68%, H: 3.54%, N: 11.18%, S: 10.24%, Na: 7.34%. 実測値C: 30.72%, H: 3.45%, N: 11.36%, S: 9.94%, Na: 7.41%.

化合物I−49の合成

工程1 化合物I−49の合成 実施例22の工程2で得た化合物48eを用いて、実施例22の工程3、4と同様にして、化合物I−49(178.3mg、18.2%収率(2工程))を黄色固体として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 1.57 (3H, s), 3.41 (2H, s), 4.58 (2H, s), 5.42 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.46 (1H, d, J = 4.4 Hz), 7.08 (1H, s). MS(M+1)=502、保持時間0.47分、測定条件1 元素分析:C16H13N5Na2O10S2(H2O)3.8. 計算値C: 31.31%, H: 3.38%, N: 11.41%, S: 10.45%, Na: 7.49%. 実測値C: 31.29%, H: 3.29%, N: 11.56%, S: 10.25%, Na: 7.61%.

化合物I−50の合成

工程1 化合物50jの合成 Jounal of Chemical Society, Perkin Transactions 1: Organic and Bio−Organic Chemistry (1972−1999) (1995), (5), 432−438.に記載されている方法を用いて合成した化合物50iを用いて、実施例22の工程1と同様にして、化合物50j(21.54g、40.0%収率)を白色固体として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.56 (9H, s), 3.26 (1H, dd, J = 13.7, 5.9 Hz), 3.56 (1H, dd, J = 13.7, 8.5 Hz), 3.68 (2H, d, J = 5.7 Hz), 5.17 (1H, d, J = 9.8 Hz), 5.24 (1H, dd, J = 16.9, 1.1 Hz), 5.36 (1H, d, J = 6.4 Hz), 5.62 (1H, dd, J = 9.0, 6.5 Hz), 5.66-5.75 (1H, m), 6.01 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.27-7.41 (5H, m). 工程2 化合物50mおよび50nの合成 化合物50j(21.0g、51.9mmol)のジクロロメタン(420mL)溶液に、−78℃でオゾンガスを吹き込みながら、40分間撹拌する。得られた青色溶液に窒素を5分間吹き込み、ジメチルスルフィド(11.5mL,156mmol)を加え、−78℃で15分間撹拌し、0℃で1時間撹拌し、氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮し、化合物50k(22.98g)を粗生成物として得た。 化合物50k(22.98g)を用いて、実施例22の工程2と同様にして、化合物50m(1.02g、4.7%収率)を黄色フォームとして、化合物50n(765.6mg、3.5%収率)を黄色フォームとして得た。 化合物50m 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.54 (9H, s), 2.84 (1H, dd, J = 15.2, 5.6 Hz), 2.99 (1H, dd, J = 15.2, 3.0 Hz), 3.68 (2H, s), 4.98 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.25 (1H, dd, J = 5.3, 3.0 Hz), 5.34 (1H, dd, J = 7.8, 4.5 Hz), 6.03 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.28-7.39 (5H, m). 化合物50n 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.56 (9H, s), 3.01-3.08 (2H, m), 3.66 (2H, dd, J = 21.5, 16.2 Hz), 4.77 (1H, dd, J = 5.4, 3.9 Hz), 4.98 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.28-5.32 (1H, m), 5.58 (1H, dd, J = 8.2, 4.7 Hz), 6.18 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.29-7.38 (5H, m). 工程3 化合物I−50の合成 実施例22の工程3〜4と同様にして、化合物50mを用いて、化合物I−50(169.9mg、27.3%収率(2工程))を黄色固体として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 3.15 (1H, dd, J = 15.2, 5.6 Hz), 3.32 (1H, dd, J = 14.9, 2.8 Hz), 4.58 (2H, s), 5.31 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.40 (1H, dd, J = 5.7, 2.9 Hz), 5.49 (1H, d, J = 4.3 Hz), 7.17 (1H, s). MS(M+1)=488、保持時間:0.57分、測定条件1 元素分析:C15H11N5Na2O10S2(H2O)4.1 . 計算値C: 29.77%, H: 3.20%, N: 11.57%, S: 10.59%, Na: 7.60%. 実測値C: 29.76%, H: 3.16%, N: 11.56%, S: 10.37%, Na: 7.67%.

化合物I−51の合成

工程1 化合物I−51の合成 実施例22の工程3〜4と同様にして、実施例24の工程2で得られた化合物50nを用いて、化合物I−51(40.0mg、8.5%収率(2工程))を黄色固体として得た。 1H-NMR (D2O) δ: 3.42-3.47 (2H, m), 4.58 (2H, s), 5.09 (1H, dd, J = 3.2, 1.6 Hz), 5.34 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.52 (1H, d, J = 4.3 Hz), 7.08 (1H, s). MS(M+1)=488、保持時間:0.44分、測定条件1 元素分析:C15H11N5Na2O10S2(H2O)4.3(NaHCO3)0.2 . 計算値C: 29.18%, H: 3.19%, N: 11.19%, S: 10.25%, Na: 8.08%. 実測値C: 29.43%, H: 3.24%, N: 11.27%, S: 9.96%, Na: 8.19%.

化合物I−52の合成

工程1 化合物52bの合成 メルドラム酸52a(30.0g、208mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液を氷冷した後、ピリジン(33.6mL、416mmol)を加え、次いで2−ブロモプロピオニルブロミド(24.0mL、229mmol)を加えた。氷冷下で30分間攪拌した後、1mol/L塩酸を加えジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた茶色のオイルをt−ブチルアルコール(225mL)に溶解し、80℃で45分間撹拌したのち溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52b(41.5g、80%)を得た。52bはケト体:エノール体=4.5:1の混合物として得られた。 ケト体: 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.47 (9H, s), 1.77 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.54 (1H, d, J = 15.9 Hz), 3.77 (1H, d, J = 15.9 Hz), 4.62 (1H, q, J = 6.8 Hz). エノール体: 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 1.83 (3H, d, J = 6.8 Hz), 4.43 (1H, q, J = 6.8 Hz), 5.16 (1H, s), 12.23 (1H, s). 工程2 化合物52cの合成 化合物52b(41.5g、165mmol)のジオキサン(215mL)溶液に酸化セレン(IV)(40.4g、364mmol)を加え、80℃で1、5時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、不溶物をセライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52c(21.3g、46%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.52 (9H, s), 1.82 (3H, d, J = 6.8 Hz), 4.77 (1H, s), 4.86 (1H, q, J = 6.8 Hz), 4.99 (1H, s). 工程3 化合物52e、52fの合成 化合物52d (3.19g、13.5mmol)と化合物52c (3.82g、13.5mmol)をアセトン(38mL)に溶解し、HMPA(15.7mL、90.0mmol)を加えて室温で15分間撹拌した。反応液を氷冷した後、トリエチルアミン(2.06mL、14.8mmol)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52e(2.18g、38%)、52f(483mg、8.5%)を得た。 52e:1H-NMR (CDCl3) δ: 1.26 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.49 (9H, s), 3.74 (2H, s), 4.15 (1H, q, J = 6.3 Hz), 4.42 (1H, s), 4.99-5.08 (2H, m), 5.99 (1H, d, J = 7.1 Hz), 7.31-7.43 (5H, m). 52f:1H-NMR (CDCl3) δ: 1.36 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.47 (9H, s), 3.64 (1H, d, J = 16.2 Hz), 3.68 (1H, d, J = 16.2 Hz), 4.04 (1H, q, J = 6.8 Hz), 4.70 (1H, s), 5.48 (1H, dd, J = 8.6, 4.5 Hz), 5.52 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.88 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.24-7.41 (5H, m). 工程4 化合物52gの合成 化合物52e(5.54g、13.2mmol)のジクロロメタン(55mL)溶液を氷冷した後、ブロモアセチルブロミド(2.06mL、23.7mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(3.29mL、23.7mmol)を加えた。氷冷下で2時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52g(4.21g、59%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.48 (9H, s), 3.73 (2H, s), 4.01 (1H, d, J = 13.6 Hz), 4.02 (1H, d, J = 13.6 Hz), 4.26 (1H, q, J = 6.7 Hz), 5.07-5.13 (2H, m), 6.03 (1H, m), 7.29-7.43 (5H, m). 工程5 化合物52hの合成 化合物52g(4.21g、7.78mmol)のDMF(42mL)溶液にトリフェニルホスフィン(2.45g、9.33mmol)を加えた。室温下1、5時間撹拌した後、8.4%炭酸水素ナトリウム水溶液(20.0mL、20.0mmol)を加えた。室温下20分間撹拌した後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52h(1.76g、51%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.44 (9H, s), 1.65 (3H, d, J = 6.6 Hz), 3.65 (1H, d, J = 16.7 Hz), 3.66 (1H, d, J = 16.7 Hz), 4.13 (1H, m), 5.04 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.60 (1H, dd, J = 9.1, 4.3 Hz), 6.10 (1H, m), 6.19 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.24-7.42 (5H, m). [M+Na]=467.00 工程6 化合物52iの合成 化合物52h(360mg、0.810mmol)のメタノール(10.5mL)溶液を−50℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(92.0mg、2.43mmol)を加えた。−50℃で4.5時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52i(216mg、60%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.12 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.53 (9H, s), 2.60 (1H, dd, J = 18.6, 10.2 Hz), 3.12 (1H, dd, J = 18.6, 8.5 Hz), 3.21 (1H, qd, J = 6.9, 2.6 Hz), 3.34 (1H, ddd, J = 10.2, 8.5, 2.6 Hz), 3.69 (2H, s), 4.84 (1H, d, J = 4.4 Hz), 5.35 (1H, dd, J = 8.4, 4.4 Hz), 6.11 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.28-7.41 (5H, m). [M+Na]=469.10 工程7 化合物52jの合成 五塩化リン(218mg、1.05mmol)のジクロロメタン(2.5mL)懸濁液に氷冷下ピリジン(0.093mL、1.15mmol)を加えた。反応混合物を−78℃まで冷却した後、化合物52i(234mg、0.524mmol)のジクロロメタン(2.5mL)を溶液を加えた。氷冷下30分間攪拌した後、反応混合物を−78℃まで冷却し、エタノール(2.5mL)を加えた。−30℃で45分間攪拌した後、水(0.944mL)を加えた。−30℃で25分間攪拌した後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液をジクロロメタンが10mL程度になるまで減圧留去して、52jのジクロロメタン溶液を得た。 工程8 化合物52lの合成 化合物52k(210mg、0.524mmol)のDMA(1.5mL)溶液を−20℃に冷却し、トリエチルアミン(0.102mL、0.734mmol)およびメタンスルホニルクロリド(0.053mL、0.681mmol)を加え、−20℃で30分間撹拌し、反応混合物Aを得た。工程7で得た52jのジクロロメタン溶液に氷冷下ピリジン(0.051mL、0.629mmol)を加え、次いで反応混合物Aを滴下した。0℃で40分間攪拌した後、水を加え、ジクロロメタンを減圧留去した。酢酸エチルと2mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物52l(334mg、90%)を得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.19 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.46 (9H, s), 1.54 (9H, s), 1.55 (9H, s), 2.64 (1H, dd, J = 18.4, 10.1 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 18.4, 8.3 Hz), 3.38 (1H, m), 3.56 (1H, m), 4.76 (1H, d, J = 16.9 Hz), 4.78 (1H, d, J = 16.9 Hz), 4.97 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.52 (1H, dd, J = 8.1, 4.3 Hz), 7.44 (1H, s), 8.07 (1H, s), 8.69 (1H, d, J = 8.1 Hz). [M+H]=712.15 工程9 化合物I−52の合成 化合物52l(334mg、0.469mmol)のジクロロメタン(7mL)溶液にアニソール(0.410mL、3.75mmol)および2mol/L塩化アルミニウム/ニトロメタン溶液(1.88mL、3.75mmol)を加え−30℃から−23℃で30分間撹拌した。反応混合物を氷水、2mol/L塩酸、アセトニトリルに溶解させた後、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。水層にHP20‐SS樹脂を加えアセトニトリルを減圧留去した。得られた混合液をODSカラムクロマトグラフィー(水−アセトニトリル)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを混合し、pHメーターを用い0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.2mL)を氷冷下ゆっくり滴下し、pH5.03になった時点でドライアイスの小片を加えると、pHは4.86となった。この混合液を減圧下濃縮した後、凍結乾燥することにより化合物I−52(165mg、65%)を得た。 1H-NMR (D2O) δ: 1.21 (3H, d, J = 6.9 Hz), 2.82 (1H, dd, J = 21.6, 12.8 Hz), 3.28-3.37 (2H, m), 3.70 (1H, qd, J = 6.9, 2.4 Hz), 4.59 (2H, s), 5.22 (1H, d, J = 4.1 Hz), 5.42 (1H, d, J = 4.1 Hz), 7.21 (1H, s). [M+H]=500、保持時間:0.92分、測定条件2 C17H15.2N5O9S2Na1.8(H2O)3.6 計算値C : 33.81%, H : 3.74%, N : 11.60%, S : 10.62%, Na : 6.85%. 実測値C : 33.97%, H : 3.78%, N : 11.78%, S : 10.34%, Na : 6.99%.

化合物I−53の合成

工程1 化合物53cの合成 化合物53a(13.8g、104mmol)に無水トリフルオロ酢酸(17.7mL、125mmol)を氷冷下で加えた。氷冷下で3時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、再び減圧濃縮することにより、化合物53bを得た。得られた53bは精製せずにそのまま次の反応に用いた。 得られた53b全量のテトラヒドロフラン(64mL)溶液にp−メトキシベンジルアルコール(23.2g、168mmol)、DMAP(1.37g、11.2mmol)を加え、6時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、水層を分取した。分取した水層に2mol/L塩酸をpH=2まで加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮することにより化合物53cと53c−iiの混合物(21g、収率74%)を無色オイルとして得た。 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.09-1.12 (6H, m), 2.31-2.46 (2H, m), 2.53-2.63 (2H, m), 2.67-2.80 (2H, m), 3.75 (6H, s), 5.01 (4H, s), 6.92 (4H, d, J = 8.6 Hz), 7.29 (4H, d, J = 8.3 Hz). 工程2 化合物53dの合成 化合物53cと53c−iiの混合物(21g、83mmol)から実施例6の工程2と同様にして化合物53dと53d−iiの混合物(25.88g、収率58%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.20 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.25 (3H, d, J = 7.1 Hz), 2.30 (1H, dd, J = 16.5, 4.7 Hz), 2.77-2.85 (2H, m), 3.02 (1H, dd, J = 13.9, 7.1 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 16.0, 7.7 Hz), 3.63-3.68 (1H, m), 3.78 (6H, s), 4.98-5.06 (4H, m), 6.84 (4H, d, J = 8.1 Hz), 7.27 (4H, d, J = 14.9 Hz), 7.49-7.61 (30H, m). 工程3 化合物53eの合成 化合物53dと53d−iiの混合物(25.9g、48mmol)から実施例6の工程4と同様にして化合物53eと53e−iiの混合物(6.11g、収率36%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.19 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.23 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.74 (6H, s), 1.77 (6H, s), 2.49 (1H, dd, J = 16.9, 5.3 Hz), 2.82-2.91 (2H, m), 3.02 (1H, dd, J = 13.4, 7.1 Hz), 3.31 (1H, dd, J = 18.6, 7.7 Hz), 3.63-3.70 (1H, m), 3.81 (6H, s), 4.73-4.76 (4H, m), 5.04 (4H, d, J = 8.8 Hz), 5.39 (2H, s), 6.88 (4H, d, J = 8.1 Hz), 7.26 (4H, br s). 工程4 化合物53gの合成 化合物53eと53e−iiの混合物(6.11g、17.5mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、氷冷下でN,N,N’N’−テトラメチルメタンジアミン(7.17mL、52.6mmol)を加えた後、無水酢酸(6.30mL、66.6mmol)、酢酸(5.32mL、93mmol)を順に滴下した。室温で終夜攪拌した後、反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除くことにより化合物53fと53e−iiの混合物の酢酸エチル溶液を得た。 得られた化合物53fと53e−iiの混合物の酢酸エチル溶液に、化合物4e(2.49g、10.5mmol)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(9.16mL、52.6mmol)を加えた。室温で終夜攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。無機物をろ過により除き、減圧濃縮した。得られた粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物53g(2.64g、収率42%)を白色フォームとして得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 1.13 (3H, d, J = 6.1 Hz), 1.70 (3H, s), 1.76 (3H, s), 2.50-2.54 (2H, m), 2.68 (1H, d, J = 14.7 Hz), 3.12 (1H, dd, J = 14.0, 11.5 Hz), 3.61 (2H, dd, J = 25.0, 15.9 Hz), 3.81 (3H, s), 4.04 (1H, s), 4.69 (1H, dd, J = 11.9, 7.6 Hz), 4.89 (1H, dd, J = 11.9, 7.6 Hz), 5.02 (2H, s), 5.07 (1H, d, J = 4.3 Hz), 5.37 (1H, t, J = 6.8 Hz), 5.46 (1H, dd, J = 9.1, 4.5 Hz), 6.09 (1H, d, J = 9.3 Hz), 6.88 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.24-7.39 (7H, m). 工程5 化合物I−53の合成 化合物53gから実施例19の工程5〜7と同様にして合成し、化合物I−53を得た。 1H-NMR (D2O) δ: 1.19 (3H, d, J = 5.8 Hz), 2.77 (1H, t, J = 14.0 Hz), 3.03-3.09 (3H, m), 4.58 (2H, s), 5.26 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.65 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.05 (1H, s). MS (m+1) = 499.94、保持時間:0.69分、測定条件1 元素分析:C17H15N5Na2O9S2(H2O)2.3(NaHCO3)0.2 計算値:C,34.34; H,3.32; N,11.64; Na,8.41; S,10.66 (%) 実測値:C,34.38; H,3.68; N,11.96; Na,8.43; S,10.67 (%)

化合物I−54の合成

(式中、波線はシス体およびトランス体の混合体を意味する。) 工程1 化合物54cの合成 化合物54a(5.00g、28.7mmol)をメタノール(50ml)に溶解し、氷冷下化合物54b(4.61g、30.1mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を加えた。氷冷下で1時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。減圧下濃縮し粗生成物として化合物54cを得た。化合物54cは精製することなく次の反応に用いた。 工程2 化合物54dの合成 得られた化合物54c(28.7mmol相当)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶解し、酢酸(4.92ml、86mmol)と1mol/LのTBAFテトラヒドロフラン溶液(86ml、86mmol)を加えた。3時間撹拌した後水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和重曹水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを除去した後、減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチルで溶離させた。所望の化合物を含むフラクションを減圧下濃縮し、化合物54d(4.36g、78%)を約2:1の混合物として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 7.55 (1H, t, J = 4.0 Hz), 7.29 (3H, t, J = 7.8 Hz), 6.89 (4H, d, J = 8.1 Hz), 5.04 (1H, s), 5.02 (2H, s), 4.41 (1H, d, J = 3.5 Hz), 4.26 (2H, d, J = 4.0 Hz), 3.81 (5H, s). 工程3 化合物54eの合成 化合物54d(4.36g、22.33mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(4.37g、26.8mmol)、トリフェニルホスフィン(7.03g、26.8mmol)をテトラヒドロフラン(45ml)に溶解し、氷冷下アゾジカルボン酸ビス(2-メトキシエチル)(6.28g、26.8mmol)を加えた。氷冷下1時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣にメタノールを加え固体を析出させ、析出した固体をろ取することで化合物54e(5.06g、67%)を約2:1の混合物として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ: 7.85-7.81 (3.0H, m), 7.77-7.75 (3.0H, m), 7.68 (1.0H, t, J = 6.2 Hz), 7.23-7.17 (3.0H, m), 6.84 (1.0H, d, J = 7.8 Hz), 6.76 (2.0H, d, J = 8.3 Hz), 5.03-5.01 (1.0H, m), 5.00 (1.0H, br s), 4.94 (2.0H, br s), 4.75 (2.0H, d, J = 6.3 Hz), 3.79 (1.5H, s), 3.77 (3.0H, s). 工程4 化合物54fの合成 化合物54e(1.00g、2.94mmol)を用いて実施例12の工程2と同様にして化合物54f(1.20g、88%)の粗生成物約2:1の混合物として得た。 [M+H]=465、保持時間:1.98分、測定条件1

工程5 化合物54hの合成 化合物54f(1.04g、2.25mmol)と化合物54g(1.00g、2.25mmol)を用いて実施例12の工程3と同様にして化合物54h(1.60g、92%)の粗生成物約1.2:1の混合物として得た。 [M+H]=773、保持時間:2.67分、測定条件2 工程6 化合物I−54の合成 化合物54h(708mg、0.916mmol)を用いて実施例12の工程4と同様にして化合物I−54(75.6mg、16%)を1.8:1のオキシムの異性体混合物として得た。 major: 1H-NMR (D2O) δ: 2.68 (1H, dd, J = 18.4, 2.4 Hz), 2.85 (1H, dd, J = 13.1, 9.2 Hz), 2.92 (1H, dd, J = 18.4, 7.8 Hz), 3.07-3.20 (2H, m), 4.79-4.85 (2H, m), 5.28 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.59 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.11 (1H, s), 7.70 (1H, t, J = 5.6 Hz). minor: 1H-NMR (D2O) δ: 2.68 (1H, dd, J = 18.4, 2.4 Hz), 2.85 (1H, dd, J = 13.1, 9.2 Hz), 2.92 (1H, dd, J = 18.4, 7.8 Hz), 3.07-3.20 (2H, m), 5.07 (2H, d, J = 3.9 Hz), 5.30 (1H, d, J = 4.6 Hz), 5.60 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.13 (1H, s), 7.14 (1H, t, J = 3.9 Hz). [M+H]=485、保持時間:0.83分、測定条件2 C16H15N6O8S2Na1(H2O)2.6(NaHCO3)0.1 計算値C : 34.43%, H : 3.64%, N : 14.96%, S : 11.42%, Na : 4.50%. 実測値C : 34.44%, H : 3.81%, N : 15.09%, S : 11.25%, Na : 4.40%.

化合物I−55の合成

工程1 化合物55bの合成 N-Boc-L-アスパラギン酸(65.0g、153mmol)をジクロロメタン(650mL)に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(32.3g、169mmol)を加え室温で終夜撹拌した。この反応液を0.1mol/L塩酸水を加え、目的物をジクロロメタンで抽出した。この有機層を精製水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過材をろ過により除去し、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣にジイソプロピルエーテル、酢酸イソプロピルを加え結晶化させた。析出した結晶をろ過により集め減圧下乾燥し化合物55bを得た。(収量19.1g、収率58%) 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 7.74 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.65-4.55 (m, 1H), 3.22 (dd, J = 9.0, 18.4 Hz, 1H), 2.84 (dd, J = 18.4, 6.2 Hz, 1H), 1.38 (s, 9H). 工程2 化合物55cの合成 化合物55b(19.1g、89.0mmol)をテトラヒドロフラン(38mL)に懸濁させ、4−メトキシフェニルメタノール(36.8g、267mmol)を加え50度で10時間撹拌した。反応終了後、この反応液に精製水を加え、水層から目的物をジクロロメタンで抽出した。集めた有機層を精製水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥材を濾過により除去し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物55cを得た。(収量12.0g、収率38%) 1H-NMR (DMSO-D6) δ: 12.42 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 9.8 Hz, 2H), 5.03 (s, 2H), 4.39-4.29 (m, 1H), 3.75 (s, 2H), 2.70 (dd, J = 16.6, 5.6 Hz, 1H), 2.60-2.52 (m, 1H), 1.36 (s, 9H). 工程3 化合物55dの合成 化合物55c(12.0g、34.0mmol)を用い実施例6の工程2と同様の方法で化合物55dを合成した。(収量20.2g、収率94%) 1H-NMR (CDCl3) δ: 7.67-7.46 (m, 20H), 7.25 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.78 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 5.04 (dd, J = 15.8, 12.0 Hz, 2H), 4.62-4.53 (m, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.58 (dd, J = 16.3, 4.4 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 8.2, 4.1 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H). 工程4 化合物55eの合成 化合物55d(20.2g、31.7mmol)を用い実施例6の工程3と同様の方法で化合物55eを合成した。(収量5.01g、収率35%) 1H-NMR (CDCl3) δ: 7.25 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 6.91-6.86 (m, 2H), 5.37 (ddd, J = 9.6, 5.3, 2.1 Hz, 2H), 5.10 (dt, J = 23.8, 8.6 Hz, 2H), 4.74 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 4.69-4.61 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.44-3.39 (m, 2H), 1.77 (s, 3H), 1.73 (s, 3H), 1.41 (s, 9H). 工程5 化合物I−55の合成 化合物55eを用いて実施例6の工程5と同様の方法で化合物I−55を合成した。 1H-NMR (D2O) δ: 7.09 (s, 1H), 5.70 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 3.46-3.40 (m, 1H), 3.22-3.09 (m, 1H), 2.97-2.82 (m, 2H). MS (m+1) = 500.95、保持時間:0.32分、測定条件1

同様の方法により、以下の化合物を合成した。なお、化合物I−001〜I−032のLCMS分析は測定条件1で分析を行った。

(試験例1) 本発明化合物のIn Vitro抗菌活性を確認した。 (試験方法) 最小発育阻止濃度 (MIC) の測定は、CLSI (Clinical and Laboratory Standards Institute) が推奨する方法に準じ、接種菌量は1×105 CFU/mL、試験培地はカチオン調整ミューラーヒントンブロスを用いて、微量液体希釈法により実施した。 使用した菌株は以下の表のとおりである。

(結果) 試験結果を表20および21に示す。表中、阻害活性の数値の単位はμg/mLである。

以上の結果から、式(I)、(IA)または(II)で示される化合物が広範な抗菌スペクトルを有し、特にグラム陰性菌に対して強力な抗菌スペクトルを示し、および/または多剤耐性菌、特にクラムB型のメタロ−β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示し、および/または基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対し強い抗菌活性を示す。また、カルバペネマーゼ耐性を含む多剤耐性菌に対しても有効であり、β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対しても高い安定性を有していることが示される。

(試験例1−2) 本発明化合物とβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物との併用効果を確認するため、In Vitro抗菌活性を確認した。 (試験方法) 最小発育阻止濃度 (MIC: ug/mL)の測定は、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)法に準じ、接種菌量は10000 cfu/spot、試験培地はミューラーヒントン寒天培地を用いて、微量液体希釈法により実施した。なお、β−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物の使用量は、3−アミノフェニルボロン酸:400 ug/ml、アビバクタム:4 ug/mlであった。 使用した菌株は以下の表のとおりである。

試験結果を表24に示す。表中、阻害活性の数値の単位はug/mlであり、APBは3−アミノフェニルボロン酸、AVIはアビバクタムを意味する。

以上の結果から、式(I)、(IA)または(II)で示される本発明化合物とβ−ラクタマーゼ阻害作用を有する化合物とを組み合わせて使用することにより、さらに広範な抗菌スペクトルを有し、クラスA,B,CおよびD型全てのβ−ラクタマーゼを産生する菌株に対して強い抗菌活性を示す。すなわち、クラムB型のメタロ−β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示し、および/または基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対し強い抗菌活性を示す。また、カルバペネマーゼ耐性を含む多剤耐性菌に対しても有効であり、各種のβ−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対しても高い安定性を有していることが示される。

試験例2:CYP阻害試験 市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7−エトキシレゾルフィンのO−脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル−水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’−水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が本発明化合物によって阻害される程度を評価した。

反応条件は以下のとおり:基質、0.5μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50μmol/L S−メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム0.2mg タンパク質/mL;本発明化合物濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。

96穴プレートに反応溶液として、50mmol/L Hepes緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、本発明化合物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始した。37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(V/V)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタで定量し、トルブタミド水酸化体(CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。

本発明化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、溶媒に加えた本発明化合物の各濃度における残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。

試験例3:BA試験 経口吸収性の検討実験材料と方法 (1)使用動物:マウスあるいはSDラットを使用した。 (2)飼育条件:マウスあるいはSDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させた。 (3)投与量、群分けの設定:経口投与、静脈内投与を所定の投与量により投与した。以下のように群を設定した。(化合物ごとで投与量は変更有) 経口投与 1〜30mg/kg(n=2〜3) 静脈内投与 0.5〜10mg/kg(n=2〜3) (4)投与液の調製:経口投与は溶液または懸濁液として投与した。静脈内投与は可溶化して投与した。 (5)投与方法:経口投与は、経口ゾンデにより強制的に胃内に投与した。静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与した。 (6)評価項目:経時的に採血し、血漿中本発明化合物濃度をLC/MS/MSを用いて測定した。 (7)統計解析:血漿中本発明化合物濃度推移について、非線形最小二乗法プログラムWinNonlin(登録商標)を用いて血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明化合物のバイオアベイラビリティ(BA)を算出した。 その結果、化合物I−12はBA=57%、I−31はBA=38%、I−11はBA=21%、I−17はBA=18%であった。

試験例3−1:静脈内投与試験 静脈内投与試験の検討実験材料と方法 (1)使用動物:SDラットを使用した。 (2)飼育条件:SDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させた。 (3)投与量、群分けの設定:所定の投与量により静脈内に投与した。以下のように群を設定した。(化合物ごとで投与量は変更有) 静脈内投与 0.5〜1mg/kg(n=2〜3) (4)投与液の調製:静脈内投与は可溶化して投与した。 (5)投与方法:静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与した。 (6)評価項目:経時的に採血し、血漿中本発明化合物濃度をLC/MS/MSを用いて測定した。 (7)統計解析:血漿中本発明化合物濃度推移について、非線形最小二乗法プログラムWinNonlin(登録商標)を用いて全身クリアランス(CLtot)及び消失半減期(t1/2,z)を算出した。

試験例4:代謝安定性試験 市販のプールドヒト肝ミクロソームと本発明化合物を一定時間反応させ、反応サンプルと未反応サンプルの比較により残存率を算出し、本発明化合物が肝で代謝される程度を評価した。

ヒト肝ミクロソーム0.5mgタンパク質/mLを含む0.2mLの緩衝液(50mmol/L Tris−HCl pH7.4、150mmol/L 塩化カリウム、10mmol/L 塩化マグネシウム)中で、1mmol/L NADPH存在下で37℃、0分あるいは30分間反応させた(酸化的反応)。反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液の100μLに反応液50μLを添加、混合し、3000rpmで15分間遠心した。その遠心上清中の本発明化合物をLC/MS/MSにて定量し、反応後の本発明化合物の残存量を0分反応時の化合物量を100%として計算した。なお、加水分解反応はNADPH非存在下で、グルクロン酸抱合反応はNADPHに換えて5mmol/L UDP−グルクロン酸の存在下で反応を行い、以後同じ操作を実施することができる。

試験例5:CYP3A4蛍光MBI試験 CYP3A4蛍光MBI試験は、代謝反応による本発明化合物のCYP3A4阻害の増強を調べる試験である。CYP3A4酵素(大腸菌発現酵素)により7−ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(7−BFC)が脱ベンジル化されて、蛍光を発する代謝物7−ハイドロキシトリフルオロメチルクマリン(7−HFC)が生じる。7−HFC生成反応を指標としてCYP3A4阻害を評価した。

反応条件は以下のとおり:基質、5.6μmol/L 7−BFC;プレ反応時間、0または30分;反応時間、15分;反応温度、25℃(室温);CYP3A4含量(大腸菌発現酵素)、プレ反応時62.5pmol/mL、反応時6.25pmol/mL(10倍希釈時);本発明化合物濃度、0.625、1.25、2.5、5、10、20μmol/L(6点)。

96穴プレートにプレ反応液としてK−Pi緩衝液(pH7.4)中に酵素、本発明化合物溶液を上記のプレ反応の組成で加え、別の96穴プレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるようにその一部を移行し、補酵素であるNADPHを添加して指標とする反応を開始し(プレ反応無)、所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(V/V)を加えることによって反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加しプレ反応を開始し(プレ反応有)、所定時間プレ反応後、別のプレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるように一部を移行し指標とする反応を開始した。所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(V/V)を加えることによって反応を停止した。それぞれの指標反応を行ったプレートを蛍光プレートリーダーで代謝物である7−HFCの蛍光値を測定した。(Ex=420nm、Em=535nm)

本発明化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、本発明化合物をそれぞれの濃度添加したときの残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。IC50値の差が5μmol/L以上の場合を(+)とし、3μmol/L以下の場合を(−)とした。

試験例6:Fluctuation Ames Test 本発明化合物の変異原性を評価した。 凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、TA100株)20μLを10mL液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し37℃にて10時間、振盪前培養した。TA98株は9mLの菌液を遠心(2000×g、10分間)して培養液を除去した。9mLのMicro F緩衝液(K2HPO4:3.5g/L、KH2PO4:1g/L、(NH4)2SO4:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO4・7H20:0.1g/L)に菌を懸濁し、110mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicroF緩衝液)に添加した。TA100株は3.16mL菌液に対しExposure培地120mLに添加し試験菌液を調製した。本発明化合物DMSO溶液(最高用量50mg/mLから2〜3倍公比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、陽性対照として非代謝活性化条件ではTA98株に対しては50μg/mLの4−ニトロキノリン−1−オキシドDMSO溶液、TA100株に対しては0.25μg/mLの2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドDMSO溶液、代謝活性化条件ではTA98株に対して40μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液、TA100株に対しては20μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9 mix 90μLの混合液)を混和し、37℃にて90分間、振盪培養した。本発明化合物を暴露した菌液460μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicroF緩衝液)2300μLに混和し50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養した。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色するため、1用量あたり48ウェル中の黄色に変色した菌増殖ウェルを計数し、陰性対照群と比較して評価した。変異原性が陰性のものを(−)、陽性のものを(+)として示す。

試験例7:hERG試験 本発明化合物の心電図QT間隔延長リスク評価を目的として、human ether−a−go−go related gene (hERG)チャンネルを発現させたHEK293細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K+電流(IKr)への本発明化合物の作用を検討した。 全自動パッチクランプシステム(PatchXpress 7000A、AxonInstruments Inc.)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を−80mVの膜電位に保持した後、+40mVの脱分極刺激を2秒間、さらに−50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録した。発生する電流が安定した後、本発明化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:135 mmol/L、KCl:5.4 mmol/L、NaH2PO4:0.3mmol/L、CaCl2・2H2O:1.8mmol/L、MgCl2・6H2O:1mmol/L、グルコース:10mmol/L、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、pH=7.4)を室温で、10分間細胞に適用させた。得られたIKrから、解析ソフト(DataXpress ver.1、Molecular Devices Corporation)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を計測した。さらに、本発明化合物適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、媒体適用群(0.1%ジメチルスルホキシド溶液)と比較して、本発明化合物のIKrへの影響を評価した。

試験例8:溶解性試験 本発明化合物の溶解度は、1%DMSO添加条件下で決定した。DMSOにて10mmol/L化合物溶液を調製し、本発明化合物溶液6 μLをpH6.8人工腸液(0.2mol/L リン酸二水素カリウム試液 250mLに0.2mol/L NaOH試液118mL、水を加えて1000mLとした)594μLに添加した。25℃で16時間静置させた後、混液を吸引濾過した。濾液をメタノール/水=1/1(V/V)にて2倍希釈し、絶対検量線法によりHPLCまたはLC/MS/MSを用いて濾液中濃度を測定した。

試験例9:粉末溶解度試験 適当な容器に本発明化合物を適量入れ、各容器にJP−1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとする)、JP−2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加える)、20mmol/L タウロコール酸ナトリウム(TCA)/JP−2液(TCA1.08gにJP−2液を加え100mLとする)を200μLずつ添加する。試験液添加後に全量溶解した場合には、適宜、本発明化合物を追加する。密閉して37℃で1時間振とう後に濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行う。希釈倍率は、必要に応じて変更する。気泡および析出物がないことを確認し、密閉して振とうする。絶対検量線法によりHPLCを用いて本発明化合物を定量する。

試験例10:目視溶解性試験 化合物約5mgを微量試験管3本に秤量し、各媒体(注射用水、生食注、0.5%ブドウ糖液)を化合物濃度20%になるように添加する。ボルテックスにて撹拌後、目視にて溶解の有無を確認する。溶解していればその媒体での溶解度を>20%とする。それら試験液に各媒体(注射用水、生食注、ブドウ糖液)を更に加えて化合物濃度10%の試験液を調製し、ボルテックスにて撹拌後、目視にて溶解の有無を確認する。溶解していればその媒体での溶解度を20%〜10%とする。同様に5%濃度、2.5%濃度、1%濃度まで試験をし、1%濃度で溶解しない場合はその媒体での溶解度を<1%とする。1%濃度の試験液でのpHを測定し、記録する。

試験例11:pKa測定(キャピラリー電気泳動法 (capillary electrophoresis法,CE法)の測定方法) キャピラリーゾーン電気泳動技術を用いた手法で,電解質を含む緩衝液中での各試料成分の自由泳動を利用した分離方法である。 pH2.5〜11.5に調製した緩衝液が充填されたフューズドシリカキャピラリーに、化合物溶液を注入した後、キャピラリーに高電圧 (Inlet側+,Outlet側−) をかけると、化合物は緩衝液pHにおけるイオン化状態を反映した速度 (+チャージした化合物は速く、−チャージした化合物は遅く) で移動する。この化合物の移動時間と中性分子 (DMSO) の移動時間との差をpHに対してプロットし、フィッティングをかけてpKaを算出した。測定条件を以下に示す。 使用装置:Beckman P/ACEシステムMDQ PDA 泳動液:pH2.5〜11.5 Buffer (10vol% MeOH含有) サンプル溶液: Blank DMSO 10μL+注用水90μL混合 Sample 10mM DMSO stock solution 4μL + DMSO 6μL + 注用水 90μL (メソッド) キャピラリー :Fused silica capillary (BECKMAN COULTER,内径50 μm,全長30.2 cm,有効長20.0 cm) 印加電圧 :10kV (331 V/cm) 印加空気圧 :0.7 psi キャピラリー温度 :25°C 電気浸透流マーカー :DMSO 検出 :紫外部多波長吸光検出 (測定波長;215 nm,238 nm) 試料注入 :加圧法 (0.5 psi,5 sec)

製剤例 以下に示す製剤例は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。 製剤例1: 錠剤 本発明化合物、乳糖およびステアリン酸カルシウムを混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とする。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とする。

製剤例2: カプセル剤 本発明化合物、乳糖およびステアリン酸カルシウムを均一に混合して粉末または細粒状として散剤をつくる。それをカプセル容器に充填してカプセル剤とする。

製剤例3: 顆粒剤 本発明化合物、乳糖およびステアリン酸カルシウムを均一に混合し、圧縮成型した後、粉砕、整粒し、篩別して適当な大きさの顆粒剤とする。

製剤例4: 口腔内崩壊錠 本発明化合物および結晶セルロースを混合し、造粒後打錠して口腔内崩壊錠とする。

製剤例5: ドライシロップ 本発明化合物および乳糖を混合し、粉砕、整粒、篩別して適当な大きさのドライシロップとする。

製剤例6: 注射剤 本発明化合物およびリン酸緩衝液を混合し、注射剤とする。

製剤例7: 点滴剤 本発明化合物およびリン酸緩衝液を混合し、点滴剤とする。

製剤例8: 吸入剤 本発明化合物および乳糖を混合し細かく粉砕することにより、吸入剤とする。

製剤例9: 軟膏剤 本発明化合物およびワセリンを混合し、軟膏剤とする。

製剤例10: 貼付剤 本発明化合物および粘着プラスターなどの基剤を混合し、貼付剤とする。

本発明に係る化合物は、特にグラム陰性菌に対する広範な抗菌スペクトルを有し、β−ラクタマーゼ産生グラム陰性菌に対して高い安定性を有している抗菌薬として有効である。また、体内動態もよく、水溶性も高いため、特に注射薬または経口薬として有効である。

QQ群二维码
意见反馈