生物活性分子、そのコンジュゲート、及び治療用途

申请号 JP2016503215 申请日 2014-03-14 公开(公告)号 JP2016521256A 公开(公告)日 2016-07-21
申请人 レゲネロン ファーマシューティカルス,インコーポレーテッド; レゲネロン ファーマシューティカルス,インコーポレーテッド; 发明人 ニトリ トーマス; ニトリ トーマス;
摘要 本開示は、 生物 活性分子をリガンドと共有結合するのに有用なリンカー化合物に関する。開示された化合物は、生物活性分子とリガンドのコンジュゲートにも関し、該生物活性分子は、リンカーによりリガンドに連結している。本開示は、生物活性分子-リガンドコンジュゲートを含む組成物、異常な細胞成長を修飾する方法、及び該コンジュゲート又は組成物を利用する治療方法をさらに提供する。【選択図】図1
权利要求

式(I)の化合物 (式中: Lは、存在しないか、又はリガンドであり; さらに、式中: Lがリガンドである場合、Lは、細胞又は細胞集団に結合することが可能であり; aは、1〜10の整数であり; Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは、存在しないか、 であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。Dが細胞傷害剤である、請求項1記載の化合物。前記細胞傷害剤が式IIのメイタンシノイドである、請求項2記載の化合物: (式中、A6、A7、A8、A9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4であり、さらに式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つR4、R5、R6、R8は、請求項1に定義された通りである)。前記メイタンシノイドが以下の構造式により表される、請求項3記載の化合物: 。Lが、特異的に標的化された細胞集団に結合することが可能である、請求項1記載の化合物。Lが、タンパク質、抗体、抗体の断片、核酸、抗原結合性スキャホールド、及び炭化物からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。Lが、抗体又はその断片である、請求項6記載の化合物。Lが、腫瘍関連抗原に特異的に結合する抗体又はその断片である、請求項7記載の化合物。前記抗体又はその断片が、Z2と共有結合する硫黄基を含む、請求項7記載の化合物。Z2が、以下の構造式により表される、請求項1記載の化合物: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D-、 (式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、 であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、R8は、請求項1に定義された通りである)。前記抗体又はその断片が、Z2Aと共有結合する硫黄基を含む、請求項10記載の化合物。Z1が以下の構造式により表される、請求項1記載の化合物: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、 (式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、 であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つR4、R5、R6、R8は、請求項1に定義された通りである)。DがZ1と共有結合している、請求項1記載の化合物。Aが、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、システイン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1記載の化合物。Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドである、請求項1記載の化合物。Xが、 からなる群から選択されるアリールであり、 式中、R9、R10、R11、及びR12が、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14であり;且つ さらに式中、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが任意に置換されており; R13及びR14が、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15が任意に置換されているアルキルである、請求項1記載の化合物。式(III)の化合物: (式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり qは、0又は1〜5の整数であり; A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15は、任意に置換されているアルキルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ DMは、以下の構造により表される: )。qが4であり; R1及びR3が、それぞれ独立に、-O-、-S-、NR4、-CR5R6-であり; R17が、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18が、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルが、任意に置換されており; R4、R5、R6R9、R10、R11、R12が、それぞれ独立に、H又はアルキルであり;且つ A3がアルキルである、請求項17記載の化合物。以下の構造により表される、請求項18記載の化合物: (式中、Abは、抗体又はその断片である)。式(IV)の化合物: (式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり; qは、0又は1〜5の整数であり; R1は、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R4は、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり;且つ DMは、以下の構造により表される: )。qが4であり;且つ R1が、-O-、-S-、NR4、及び-CR5R6-からなる群から選択され;且つ さらに式中、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、H又はアルキルである、請求項20記載の化合物。以下の構造により表される、請求項21記載の化合物: (式中、Abは、抗体又はその断片である)。Aが、プロテアーゼにより切断可能なペプチドである、請求項1記載の化合物。Aが、腫瘍組織中に発現されているプロテアーゼにより切断可能なペプチドである、請求項1記載の化合物。前記プロテアーゼが、カテプシン又はプラスミンである、請求項24記載の化合物。治療上有効な量の請求項1記載の化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、医薬組成物。異常な細胞成長を低減し、妨げ、又は停止する方法であって、該異常な細胞を、該異常な細胞成長を妨げ、低減し、又は停止するのに充分な量の請求項1記載の化合物と接触させることを含み、該異常な細胞成長が妨げられ、低減され、又は停止される、前記方法。細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の請求項1記載の化合物と接触させることを含み、該細胞が殺される、前記方法。前記細胞が腫瘍細胞である、請求項28記載の方法。医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の請求項1記載の化合物を含む組成物を投与することを含む、前記方法。前記個体が哺乳動物である、請求項30記載の方法。連続的に又は引き続いて追加の療法を投与することをさらに含む、請求項30〜31のいずれか一項記載の方法。追加の療法が、放射線療法、化学療法、又は両者の組み合わせである、請求項32記載の方法。少なくとも1種の追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項30〜の31のいずれか一項記載の方法。前記医学的障害が、腫瘍、癌、感染症、神経変性疾患、骨疾患、及び心血管疾患からなる群から選択される、請求項30記載の方法。その必要のある個体の腫瘍サイズを低減し、腫瘍サイズの増加を停止し、腫瘍増殖を低減し、又は腫瘍増殖を予防する方法であって、該個体に、有効量の組成物を投与して、腫瘍サイズを低減し、腫瘍サイズの増加を停止し、腫瘍増殖を低減し、又は腫瘍増殖を予防することを含み、該組成物が請求項1記載の化合物を含む、前記方法。式(V)の化合物 (式中: Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり; Xは、存在しないか、又は置換若しくは非置換の:アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり;且つ Yは存在しないか、 であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。Z2が、式(VII)により表されており: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D- (VII) さらに、式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dが、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、 であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、R8が、請求項37に定義された通りであり; Z1が、式(VIII)により表され: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D- (VIII) 式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dが、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-、-N=C=S、-N=C=O、 であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、R8が、請求項37に定義された通りであり; Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; Xが、 からなる群から選択されるアリールであり、 式中、R9、R10、R11、及びR12が、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14であり、 さらに式中、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており; R13及びR14が、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15が、任意に置換されているアルキルであり;且つ Dが、任意に置換されている式IIのメイタンシノイドであり: 式中: A6、A7、A8、A9が、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、O-C(=O)-NR4であり、さらに式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、R8が、請求項37に定義された通りである、請求項37記載の化合物。前記メイタンシノイドが、以下の構造式により表される、請求項38記載の化合物: 。以下の構造を有する、請求項39記載の化合物: 。式(IX)の化合物: (式中: Dは生物活性分子であり; Y1は、 であり、 さらに式中、R3a及びA3aは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ Z1は、以下の構造式により表され: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、 式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、 であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、且つ、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。前記化合物のIC50が約10nMより高い、請求項41記載の化合物。前記化合物が、対応する請求項1記載の化合物より、約10分の1の細胞傷害性である、請求項41記載の化合物。式(X)の化合物: (式中: Abは、抗体又はその断片であり; aは、1〜10の整数であり; Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは、存在しないか、 であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ DMは、以下の構造により表される: )。以下の構造により表される、請求項44記載の化合物: (式中、aは、1〜10の整数である)。式(XI)の化合物: (式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり; qは、0又は1〜5の整数であり; A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15は、任意に置換されているアルキルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ DMは、以下の構造により表される: )。以下の構造により表される、請求項46記載の化合物: (式中、aは、1〜10の整数である)。

说明书全文

本開示は、リガンドがリンカー化合物により生物活性分子に接続しているリガンド-生物活性分子コンジュゲートを与える。本開示は、種々の治療用途に使用するための医薬組成物におけるコンジュゲート化合物も与える。

(発明の背景) 増殖性疾患には、異常な細胞の制御されない成長及び拡散という特徴がある。拡散が制御されないと、それは死をもたらすことがある。異常な増殖、例えば、癌は、外部因子(例えば、タバコ、化学物質、放射線、及び感染性生物)と内部因子(遺伝性突然変異、免疫系の状態、代謝から起こる突然変異)の両方により起こる。これらの原因となる因子は、共に又は順次に作用して、異常な増殖を開始し、又は促進し得る。癌は、手術、放射線、化学療法、ホルモン、及び免疫療法により治療される。しかし、より効果的な抗増殖薬が必要とされている。

理想的な抗増殖療法ならば、細胞傷害性の高い薬剤の腫瘍細胞への標的化送達を可能にし、正常な細胞に影響を与えないままにするだろう。例えば、メイタンシンによる従来の化学療法剤治療は、薬物の非癌性細胞に対する作用から生じる毒性の副作用のため限定されている。タンパク質及び細胞の合成を阻止する、腫瘍を標的とするプローブ(抗体又は成長因子など)とシュードモナス又はジフテリアの毒素などの毒素とのコンジュゲートの使用を含む、標的化薬物送達の種々の手法が試みられてきた。しかし、副作用には、コンジュゲートの非ヒト成分による免疫系の反応がある。さらに、薬物コンジュゲートの半減期は、腎臓濾過による循環からの排除、及び概略分解(schematic degradation)、細網内皮系(RES)による取り込み、並びに標的としない器官及び組織での蓄積により制限されていた。

別な手法は、ポリマー、リポソーム、及びポリマーミセルなどの受動的な薬物担体を使用して、腫瘍組織の血管内皮の高透過性を利用する。ポリマー性薬物及び高分子は、透過性・滞留性亢進機構により固形腫瘍内に蓄積する。しかし、そのような標的化送達の利用を妨げるものには、血液からの異物粒子の速い除去、並びに腫瘍細胞に結合するために必要な特異性及び選択性を有する、高度に標準化された、医薬として許容し得る薬物送達系を得る技術的な障害がある。

そのため、標的を定めた抗増殖化合物が必要である。

本開示は、以下の構造式(I)により表されるコンジュゲート化合物に関する:

(式中: Lは、存在しないか、又はリガンドであり; さらに式中: Lがリガンドである場合、Lは、細胞又は細胞集団に結合することが可能であり; aは、1〜10の整数であり; Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; さらに式中:R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ Yは、存在しないか、又はスペーサーである)。

本開示は、以下の構造式(V)により表されるリンカー-生物活性化合物も提供する:

(式中: Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; さらに式中:R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ Yは、存在しないか、又はスペーサーである)。

本開示は、以下の構造式(VI)により表されるリンカーも提供する。

一実施態様において、リンカー化合物は、式(VI)により表される:

(式中: Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは存在しないか、

であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。

一態様において、本開示は、Z2が以下の構造式により表される式(VI)の化合物を提供する: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D-、 (式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

本開示は、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物にも関する。

本開示は、異常な細胞成長を低減し、妨げ、又は停止する方法であって、該異常な細胞を、該異常な細胞成長を妨げ、低減し、又は停止するのに充分な量の式(I)の化合物と接触させることを含み、該異常な細胞成長が妨げられ、低減され、又は停止される方法も提供する。

本開示は、細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の式(I)の化合物と接触させることを含み、該細胞が殺される方法も提供する。

本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に有効量の式(I)の化合物を含む組成物を投与することを含む方法も提供する。

本開示は、その必要のある個体の腫瘍サイズを低減し、腫瘍サイズの増加を停止し、腫瘍増殖を低減し、又は腫瘍増殖を予防する方法であって、該個体に、有効量の組成物を投与して、腫瘍サイズを低減し、腫瘍サイズの増加を停止し、腫瘍増殖を低減し、又は腫瘍増殖を予防することを含み、該組成物が式(I)の化合物を含む方法も提供する。

本開示は、式(V)により表される前駆体生物活性分子-リンカー化合物にも関する。式(V)の化合物は、式(I)のコンジュゲート化合物にビルディングブロックを提供する。さらに、式(V)の化合物は、その組成物、医薬組成物、及び医薬として許容し得る塩として提供され得る。

本開示は、式(I)の化合物を含む組成物及び/又は医薬製剤のいずれかの、医学的障害の治療、予防、及び/又は改善のための医薬の製造における使用をさらに含む。

本開示は、式(I)の化合物を含む組成物及び/又は医薬製剤のいずれかの、腫瘍の治療、予防、及び/又は改善のための医薬の製造における使用をさらに含む。

図1〜8は、示される通り、種々の癌細胞株がインビトロで成長し、抗体、遊離の薬物、又は抗体-薬物コンジュゲートの段階希釈液で処理される細胞生存率アッセイの結果を表す。生存率パーセントは、実施例14に述べられる方法に従って決定された。

図1Aは、化合物2、化合物3にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-3」)、化合物3にコンジュゲートされた抗PSMA抗体(「PSMA-3」)、及びコンジュゲートされていない抗PSMA抗体(「PSMA」)により処理されたC4-2細胞(前立腺癌細胞株)の細胞生存率結果を示す。

図1Bは、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗PSMA抗体(「PSMA-7」)、及びコンジュゲートされていない抗PSMA抗体(「PSMA」)により処理されたC4-2細胞(前立腺癌細胞株)の細胞生存率結果を示す。

図1Cは、化合物25、化合物21にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-21」)、化合物21にコンジュゲートされた抗PSMA抗体(「PSMA-21」)、及びコンジュゲートされていない抗PSMA抗体(「PSMA」)により処理されたC4-2細胞(前立腺癌細胞株)の細胞生存率結果を示す。

図2は、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗STEAP1抗体(「STEAP1-7」)、及びコンジュゲートされていない抗STEAP1抗体(「STEAP1」)により処理されたPC3/hSTEAP1細胞(外因性のhSTEAP1を発現する前立腺癌細胞株)の細胞生存率結果を示す。

図3は、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗PRLR抗体(「PRLR-7」)、及びコンジュゲートされていない抗PRLR抗体(「PRLR」)により処理されたT47D細胞(乳癌細胞株)の細胞生存率結果を示す。

図4は、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII-7」)、及びコンジュゲートされていない抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII」)により処理されたHEK293/hEGFRvIII細胞(外因性のhEGFRvIIIを発現するHEK293細胞)の細胞生存率結果を示す。

図5は、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII-7」)、及びコンジュゲートされていない抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII」)により処理されたMMT/hEGFRvIII細胞(外因性のhEGFRvIIIを発現するMMT細胞)の細胞生存率結果を示す。

図6は、化合物6、化合物7にコンジュゲートされたアイソタイプ対照抗体(「アイソタイプ対照-7」)、化合物7にコンジュゲートされた抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII-7」)、及びコンジュゲートされていない抗EGFRvIII抗体(「EGFRvIII」)により処理されたU251/hEGFRvIII細胞(外因性のhEGFRvIIIを発現するU251細胞)の細胞生存率結果を示す。

図7、パネルA及びBは、化合物6、27、29、及び31(全てコンジュゲートされていない)により処理されたそれぞれHEK293及びU87MG細胞の細胞生存率結果を示す。

図8、パネルA〜Eは、化合物6、9、33、及び35(全てコンジュゲートされていない)により処理されたそれぞれHEK293、U251、C4-2、PC3、及びMMT細胞の細胞生存率結果を示す。

(詳細な説明) 以下の記載においてなされる特定の実施態様への言及は、本開示の原理を説明するのみのものと考えられる。さらに、多くの改良及び変更が当業者には明らかであるので、それは、本明細書に記載の通り示されるまさにその構成及びプロセスに本開示を限定するものではない。したがって、全ての好適な改良及び等価物が、本開示の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲により定義されると、再分類され得る。

本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用される言葉「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、及び「含んでいる(including)」は、述べられた特徴、整数、成分、又は工程の存在を明示するものであるが、それらは、1つ以上の追加のその特徴、整数、成分、又は工程の存在又は追加を除外しない。

本明細書での実施態様のいずれかに使用される一般用語は、以下の通り定義され得る。しかし、述べられた意味は、用語自体の範囲を限定すると解釈されるべきでない。

本明細書での用語「コンジュゲート」は、リガンド、リンカー、及び生物活性分子を有する化合物を指す。説明的な例には、式(I)、(III)、及び(IV)の化合物がある。

本明細書での用語「スペーサー」は、リガンドを生物活性分子から空間的に分離し、細胞内でリンカーの異化を可能にするために使用される、リンカーの化学的ビルディングブロックを指す。スペーサーは、Z1及びZ2により表すことができる。

本明細書での用語「マクロライド」は、マクロライド環を有する任意の生物活性分子を指す。

本明細書での用語「アルキル」は、一般式CnH2n+1を有する炭化素基を指す。アルキルの例には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチルなどがある。典型的なアルキルは、1〜10個の炭素原子、1〜9個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、1若しくは2個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有する。

本明細書での用語「アリール」は、典型的には6〜18個の炭素原子を有する、一価又は多環式の芳香族炭化水素を指す。アリールの例には、フェニル(ベンゼンなど)、置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデニル、テトラヒドロナプチル(tetrahydronapthyl)などがある。

本明細書での用語「アルケニル」は、少なくとも1個の不飽和部位を有する2個以上の炭素原子の脂肪族の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を指す。アルケニルは、R2C=CR2の一般式を有する。アルケニルの例には、エチレニル、ビニル、アリルなどがある。

本明細書での用語「アルキニル」は、三重結合を含む一価の脂肪族炭化水素基を指す。典型的なアルキニルは、2〜20個の炭素原子でできている(少なくとも1つの三重結合を含む)。アルキニルの例には、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、ヘキシニルなどがある。

本明細書での用語「シクロアルキル」は、一価飽和炭素環基を指す。典型的なシクロアルキルは、3〜7員の単環式環基である。シクロアルキルの一例は、シクロヘキシルである。

本明細書での用語「ヘテロアリール」は、5又は6員環の一価芳香族基を指す。ヘテロアリールは、窒素、硫黄、又は酸素から独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜18個までの原子を含む縮合環系(少なくとも1個が芳香族でなくてはならない)を含む。例示的なヘテロアリールは、ピリジニル、トリアゾリル、フリル、ピラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、インダゾリル、フラザニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、及びフロピリジニルである。

本明細書での用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素、リン、及び硫黄から選択されるヘテロ原子である、典型的には3〜18個の炭素原子の飽和又は部分飽和の炭素環基を指す。ヘテロシクリルは、例えば、単環又は二環であり得る。ヘテロシクリルの例は、ピロリジニル(pyrolidinyl)、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チオキサニル、2H-ピラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピペリジノなどである。

本明細書での句「医薬として許容し得る塩」は、本明細書に記載されるコンジュゲート化合物、例えば式(I)、(III)、(IV)、及び(V)の化合物の有機と無機の両方の塩を指す。該塩は、医薬として許容し得るものであり、硫酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、アスコルビン酸塩、臭化物、グルコン酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、パントテン酸塩などがある。本明細書での医薬として許容し得る塩が、その構造内に2つ以上の荷電した原子並びに1つ以上の対イオンを含み得ることに留意されたい。医薬として許容し得る塩としての本明細書でのコンジュゲート化合物の製造は、当業者に周知である。

本明細書での用語「ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリン配列から誘導された可変領域及び定常領域を有する抗体を含むものとする。本発明のヒトmAbは、ヒト免疫グロブリン配列によりコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム若しくは部位特異的な突然変異誘発により導入された突然変異又はインビボの体細胞突然変異)を、例えばCDRに、とりわけCDR3に含み得る。しかし、本明細書での用語「ヒト抗体」は、別な哺乳動物種の生殖細胞系から誘導されたCDR配列がヒトFR配列にグラフトされたmAbを含むものではない。

本明細書での用語「治療上有効な量」は、投与される目的である所望の効果を生み出す量を指す。正確な量は治療の目的に依存するだろうが、公知の技法を利用して当業者により確認可能だろう(例えば、Lloydの文献((1999)「医薬配合の技能、科学、及び技術(The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding)」を参照されたい)。

(リガンド及び結合パートナー) 本明細書に記載されるコンジュゲート化合物の実施態様の有効性は、リガンドが、そのリガンド結合パートナーと結合する選択性による。

一実施態様において、リガンドは、相互作用が治療用途をもたらし得る哺乳動物内の所与の結合パートナーにいくらかの特異性を持って結合することが可能な任意の分子である。いくつかの態様において、リガンドは、細胞又は細胞集団に結合することが可能である。

本明細書で使用するためのリガンドには、抗体、リンホカイン、ホルモン、成長因子、ウイルス受容体、インターロイキン、又は任意の他の細胞結合性若しくはペプチド結合性分子若しくは物質がある。

一実施態様において、リガンドは抗体である。本明細書で定義される通り、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab'、及びF(ab)2、ミニボディ、ダイアボディ、トリボディなど)、及び二重特異性抗体を指す。本明細書での抗体は、それぞれ引用によりその全体として組み込まれる米国特許第6,596,541号及び米国特許公開第2012/0096572号に記載の方法を利用して、ヒト化することができる。

リガンドが抗体である場合、それは、ポリペプチドであり膜貫通分子(例えば、受容体)又は成長因子であり得る抗原結合パートナーに結合する。例示的な抗原には、レニンなどの分子;ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α1-アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;vmc因子(factor vmc)、IX因子、組織因子(TF)、及びフォン・ウィルブランド因子などの凝固因子;プロテインCなどの抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;サーファクタント;ウロキナーゼ若しくはヒトの尿又は組織型のプラスミノゲンアクチベーター(t-PA)などのプラスミノゲンアクチベーター;ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子-α及び-β;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化正常T細胞における発現および分泌調節性(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted));ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MlP-I-α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管抑制因子;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;βラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNアーゼ;19E;CTLA-4などの細胞傷害性T-リンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞成長因子(VEGF);ホルモン又は成長因子の受容体;プロテインA又はD;リウマトイド因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、-4、-5、若しくは-6(NT-3、NT4、NT-5、若しくはNT-6)などの神経栄養因子又はNGF-βなどの神経成長因子;血小板由来成長因子(PDGF);aFGF及びbFGFなどの線維芽細胞増殖因子;線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、上皮成長因子(EGF); TGF-α及びTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、又はTGF-β5を含むTGF-βなどのトランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン様成長因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II);デス(I-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様成長因子結合タンパク質、EpCAM、GD3、FLT3、PSMA、PSCA、MUCI、MUCI6、STEAP、CEA、TENB2、EphA受容体、EphB受容体、葉酸受容体、FOLRI、メソテリン、クリプト、αvβ6、インテグリン、VEGF、VEGFR、EGFR、トランスフェリン受容体、lRTAI、lRTA2、lRTA3、lRTA4、lRTA5;CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CDII、CDI4、CDI9、CD20、CD21、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD36、CD37、CD38、CD40、CD44、CD52、CD55、CD56、CD59、CD70、CD79、CD80、CD81、CD103、CD105、CD134、CD137、CD138、CDI52などのCDタンパク質又は米国特許公開第2008/0171040号若しくは米国特許公開第2008/0305044号に開示され引用により全体として組み込まれる1つ以上の腫瘍関連抗原若しくは細胞表面受容体に結合する抗体;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン-α、-β、及び-γなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL-1からIL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T-細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;例えば、HIVエンベロープの一部などのウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレッシン;調節タンパク質;CDlla、CDllb、CDllc、CDI8、ICAM、VLA-4、及びVCAMなどのインテグリン;腫瘍関連抗原、例えば、AFP、ALK、B7H4、BAGEタンパク質、β-カテニン、brc-abl、BRCA1、BORIS、CA9(炭酸脱水酵素IX)、カスパーゼ-8、CD20、CD40、CD123、CDK4、CEA、CLEC12A、c-kit、cMET、CTLA4、サイクリン-B1、CYP1B1、EGFR、EGFRvIII、エンドグリン、Epcam、EphA2、ErbB2/Her2、ErbB3/Her3、ErbB4/Her4、ETV6-AML、Fra-1、FOLR1、GAGEタンパク質(例えば、GAGE-1、-2)、GD2、GD3、GloboH、グリピカン-3、GM3、gp100、Her2、HLA/B-raf、HLA/EBNA1、HLA/k-ras、HLA/MAGE-A3、hTERT、IGF1R、LGR5、LMP2、MAGEタンパク質(例えば、MAGE-1、-2、-3、-4、-6、及び-12)、MART-1、メソテリン、ML-IAP、Muc1、Muc16(CA-125)、MUM1、NA17、NGEP、NY-BR1、NY-BR62、NY-BR85、NY-ESO1、OX40、p15、p53、PAP、PAX3、PAX5、PCTA-1、PDGFR-α、PDGFR-β、PDGF-A、PDGF-B、PDGF-C、PDGF-D、PLAC1、PRLR、PRAME、PSCA、PSGR、PSMA(FOLH1)、RAGEタンパク質、Ras、RGS5、Rho、SART-1、SART-3、Steap-1、Steap-2、STn、サバイビン、TAG-72、TGF-β、TMPRSS2、Tn、TNFRSF17、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ、及びウロプラキン-3、並びに上述のいずれかのポリペプチドの断片があるがこれらに限定されない。

リガンドは、アンキリンリピートタンパク質、インターフェロン、IL-2又はIL-3などのリンホカイン、インスリン及びグルココルチコイドなどのホルモン、EGFなどの成長因子、トランスフェリン、フィブロネクチンタイプIIIなども含み得る。

本明細書での実施態様は、治療用途のために標的特異性である。一実施態様において、リガンドは、腫瘍抗原と定義される抗原と相互作用を持ち、且つ結合するように製造されるが、ある種類の腫瘍に特異性のある抗原又は特定の種類の腫瘍に共有され、過剰発現し、若しくは修飾されている抗原を含む。例には、肺癌のα-アクチニン-4、メラノーマのARTC1、慢性骨髄性白血病のBCR-ABL融合タンパク質、メラノーマのB-RAF、CLPP、又はCdc27、扁平上皮癌のCASP-8、及び腎細胞癌のhsp70-2、並びに以下の共有される腫瘍特異性抗原、例えば:BAGE-1、GAGE、GnTV、KK-LC-1、MAGE-A2、NA88-A、TRP2-INT2がある。

(生物活性分子) 本明細書の生物活性分子は、哺乳動物における治療用途を有するあらゆる分子を含む。典型的な実施態様において、該分子は、哺乳動物内の標的に有益に送達され、とりわけ、血管又はリンパ系に放出される分子に比べて、細胞に、次いで細胞内に(例えば、エンドサイトーシス)有益に送達される。

一態様において、生物活性分子は、細胞成長の阻害、妨害、低減、及び/又は予防をもたらす化合物である。生物活性分子は、壊死又はアポトーシスによる細胞死ももたらし得る。本明細書に記載されるコンジュゲート化合物に使用するための例示的な生物活性分子には、メイタンシノイド(例えば、DM1、DM4など)、アウリスタチン(例えば、MMAE、MMAD、MMAFなど)、デュオカルマイシン(例えば、MGBA)、ドラスタチン、トキソイド、及び他の化学療法的に有効な薬物がある。

本発明の状況で使用できる生物活性分子の他の具体例には、例えば、1-デヒドロテストステロン、2-ピロリノドキソルビシン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アクチノマイシンD、アントラサイクリン、アントラマイシン(AMC)、ブレオマイシン、ブスルファン、カリケアミシン、カルムスチンシスプラチン、コルヒチン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、サイトカラシンB、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デカルバジン(decarbazine)、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシアントラシン(anthracin)ジオン、ドキソルビシン、エメチン、エピルビシン、臭化エチジウム、エトポシド、グラミシジンD、グルココルチコイド、リドカイン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、メトトレキサート、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、モルホリノ-ドキソルビシン、プロカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、ピロロベンゾジアザピン(pyrrolobenzodiazapines)、シビロマイシン、ストレプトゾトシン、タキソール、テノポシド(tenoposide)、テトラカイン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、トリコテセン、チューブリシン、ビンクリスチン、及び前記のいずれかの立体異性体、同配体、アナログ、又は誘導体がある。

一実施態様において、該生物活性分子は、メイタンシノイド又はメイタンシノイドアナログである。本明細書での使用のための例示的なメイタンシノイドは、全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれているWiddisonらの文献(J.Med.Chem.,2006,49,4392-4408)に記載されている。

(リンカー物質) 本開示は、間隔の空いた2つの化学部分を共有結合することが化学的に可能であるリンカー化合物を含む。リンカーは、2つの部分の間隔を空け、連結し、例えば、リンカーは、リガンドと生物活性分子を連結することができる。一態様において、リンカーは自壊性であり、2つ以上の異なる化学部分を接続し、前記化学部分の少なくとも1つを酵素の存在下で放出する。別な態様において、リンカーは、分析剤、生体分子、標的剤、検出可能なラベル、診断薬などがあるがこれらに限定されない他の化学部分に結合し得る。一実施態様において、リンカーは、生物活性分子及びリガンドに結合する。別な実施態様において、リンカーは、生物活性マクロライド及びリガンドに結合する。さらに別な実施態様において、リンカーは、生物活性マクロライド及び抗体又はその断片に結合する。

一態様において、リンカーは、リガンドを、治療剤及びマーカーと共有結合的に連結するのに有用である。別な態様において、リンカーは、結合された部分の化学的及び/又は全身的な安定性を向上させる。別な態様において、リンカーは、結合された部分のインビボ毒性を低減する。別な態様において、リンカーは、結合された部分の薬物動態、薬学、及び/又はバイオアベイラビリティを向上させる。一態様において、リンカーは、標的細胞又は細胞集団中又はその近くの部位で、薬理学的に効果的な形態で、生物活性分子を切断し、放出する。一態様において、該切断は、酵素により実施される。一態様において、酵素的切断のためのリンカー上の切断可能な基には、ペプチド結合、エステル結合、及びジスルフィド結合があるが、これらに限定されない。別な態様において、リンカーは、pH変化により切断される。

一実施態様において、リンカー化合物は、式(VI)により表される:

(式中: Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは、存在しないか、

であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。

一態様において、本開示は、Z2が下記の構造式により表される式(VI)の化合物を提供する: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D-、 (式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

一態様において、本開示は、Z1が以下の構造式により表される式(VI)の化合物を提供する: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、 (式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

一態様において、本開示は、Aが、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、システイン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸である、式(VI)の化合物を与える。

別な一態様において、本開示は、Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドである、式(VI)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Xが、

からなる群から選択されるアリールである、式(VI)の化合物を提供する (式中、R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14であり;且つ さらに式中、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15は任意に置換されているアルキルである)。

特定の実施態様によると、本開示のリンカー、生物活性分子、及び他の化合物は、抗体又は抗原結合分子内の特定のアミノ酸での結合部(attachment)により、該抗体又は抗原結合分子に接続され得る。本開示の状況で使用できる例示的なアミノ酸結合部には、例えば、リシン(例えば、US 5,208,020;US 2010/0129314;Hollanderらの文献(Bioconjugate Chem.,2008,19:358-361);WO 2005/089808;US 5,714,586;US 2013/0101546;及びUS 2012/0585592参照)、システイン(例えば、US 2007/0258987;WO 2013/055993;WO 2013/055990;WO 2013/053873;WO 2013/053872;WO 2011/130598;US 2013/0101546;及びUS 7,750,116参照)、セレノシステイン(例えば、WO 2008/122039;及びHoferらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 2008, 105: 12451-12456)参照)、ホルミルグリシン(例えば、Carricoらの文献(Nat. Chem. Biol., 2007, 3: 321-322);Agarwalらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 2013, 110:46-51)、及びRabukaらの文献(Nat. Protocols, 2012, 10: 1052-1067)参照)、非天然アミノ酸(例えば、WO 2013/068874、及びWO 2012/166559参照)、及び酸性アミノ酸(例えば、WO 2012/05982参照)がある。リンカーは、炭水化物への結合部(例えば、US 2008/0305497、及びRyanらの文献(Food & Agriculture Immunol., 2001, 13: 127-130)参照)及びジスルフィドリンカー(例えば、WO 2013/085925、WO 2010/010324、WO 2011/018611、及びShaunakらの文献(Nat. Chem. Biol., 2006, 2: 312-313)参照)により、抗原結合タンパク質にコンジュゲートすることもできる。

特定の他の実施態様によると、リンカー、薬物などの生物活性分子は、抗体又は抗原結合分子に、該抗体又は抗原結合分子内の特定のアミノ酸での結合部により接続されて、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を形成し得る。

(化合物) 一態様において、本開示は、以下の構造式(I)により表される生物活性分子とリガンドのコンジュゲートを提供する:

(式中: Lは、存在しないか、又はリガンドであり; さらに式中: Lがリガンドである場合、Lは、細胞又は細胞集団に結合することが可能であり; aは、1〜10の整数であり; Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは、存在しないか、

であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。

別な態様において、本開示は、生物活性分子が、細胞傷害性生物活性マクロライドである化合物に関する。

さらに別な態様において、本開示は、式(II)により表されるメイタンシノイドを、生物活性マクロライドとして提供する:

(式中、A6、A7、A8、A9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-NH-、-C(=S)-S-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4であり、さらに式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

別な実施態様において、メイタンシノイドは、以下の構造式(II)(a)により表される:

一態様において、本開示は、リガンド(L)が、特異的に標的化された細胞集団に結合することが可能である、式(I)の化合物を提供する。

別な態様において、本開示は、リガンド(L)が、タンパク質、抗体、抗体の断片、核酸、抗原結合性スキャホールド、及び炭水化物からなる群から選択される、式(I)の化合物を提供する。

一実施態様において、本開示は、リガンド(L)が、抗体又はその断片である、式(I)の化合物を提供する。

一実施態様において、本開示は、リガンド(L)が、腫瘍関連抗原に特異的に結合する抗体又はその断片である、式(I)の化合物を提供する。

一実施態様において、本開示は、抗体又はその断片が、Z2と共有結合する硫黄基を含む、式(I)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Z2が以下の構造式により表される式(I)の化合物を提供する: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D-、 (式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

一実施態様において、本開示は、抗体又はその断片が、Z2Aと共有結合する硫黄基を含む、式(I)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Z1が以下の構造式により表される式(I)の化合物を提供する: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、 (式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

一実施態様において、本開示は、生物活性分子(D)がZ1と共有結合している式(I)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Aが、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、システイン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸である、式(I)の化合物を提供する。

別な態様において、本開示は、Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドである、式(I)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Xが、

からなる群から選択されるアリールである、式(I)の化合物を提供する (式中、R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14であり;且つ さらに式中、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つR15は任意に置換されているアルキルである)。

別な一態様において、本開示は、式(III)の化合物を提供する:

(式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり; qは、0又は1〜5の整数であり; A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つR15は、任意に置換されているアルキルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ、DMは、以下の構造により表される(例えば、式(II)(a)の化合物):

)。

一実施態様において、本開示は、 qが4であり; R1及びR3が、それぞれ独立に、-O-、-S-、NR4、-CR5R6-であり; R17がO、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18が、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルが、任意に置換されており; R4、R5、R6、R9、R10、R11、R12が、それぞれ独立に、H又はアルキルであり;且つ A3がアルキルである、式(III)の化合物を与える。

一実施態様において、本開示は、以下の構造(III)(a)及び(III)(b)により表される式(III)の化合物を提供する:

(式中、Abは、抗体又はその断片である)。

一態様において、本開示は、式(IV)の化合物を提供する:

(式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり; qは、0又は1〜5の整数であり; R1は、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R4は、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり;且つ DMは、以下の構造により表される:

)。

一実施態様において、本開示は、 qが4であり;且つ R1が、-O-、-S-、NR4、及び-CR5R6-からなる群から選択され;且つ さらに式中、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、H又はアルキルである、式(IV)の化合物を提供する

一実施態様において、本開示は、以下の構造(IV)(a)により表される式(IV)の化合物を提供する:

(式中、Abは、抗体又はその断片である)。

一態様において、本開示は、式(V)の化合物を提供する

(式中: Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Dは、生物活性分子であり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、又は-NR4-であり; Xは、存在しないか、又は置換若しくは非置換の:アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり; Yは、存在しないか、

であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり;且つ xは、0、1、又は2である)。

一実施態様において、本開示は、 Z2が式(VII)により表され: -Z2A-Z2B-Z2C-Z2D- (VII)、 さらに式中: Z2A、Z2B、Z2C、及びZ2Dが、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8が、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり; Z1が、式(VIII)により表され: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D- (VIII)、 式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dが、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、R4、R5、R6、R8が、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであり; Aが、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり;且つ Xが、

からなる群から選択されるアリールであり、 式中、R9、R10、R11、及びR12が、それぞれ独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14であり、 さらに式中、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており; R13及びR14が、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15が任意に置換されているアルキルである、式(V)の化合物を提供する。

生物活性分子(D)は、任意に、式IIの置換されたメイタンシノイドであり得る:

(式中: A6、A7、A8、A9は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、O-C(=O)-NR4であり、さらに式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルである)。

別な実施態様において、本開示は、生物活性分子が、以下の構造式により表される任意に置換されているメイタンシノイドである、式(V)の化合物を提供する:

(式中: A6、A7、A8、A9が、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、O-C(=O)-NR4であり、さらに式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルが、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8が、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルである)。

さらに別な実施態様において、本開示は、生物活性分子が、以下の構造式により表されるメイタンシノイドである、式(V)の化合物を提供する:

一実施態様において、本開示は、以下の構造:(V)(a)、(V)(b)、(V)(c)、(V)(d)、及び(V)(e)により表される、式(V)の化合物を提供する:

一態様において、本開示は、式(IX)の化合物を提供する:

(式中: Dは、生物活性分子であり; Y1は、

であり、 式中、R3a及びA3aは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており;且つ Z1は、以下の構造式により表され: -Z1A-Z1B-Z1C-Z1D-、 式中: Z1A、Z1B、Z1C、及びZ1Dは、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1、-C(=O)-O-(CHx)p1、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-N(R4)、-O-C(=S)-N(R4)-、-C(=S)-N(R4)-、-N=C=S、-N=C=O、

であり、 式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており、R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルである)。

別な態様において、本開示は、生物活性分子が、細胞傷害性生物活性マクロライドである、式(IX)の化合物を提供する。さらに別な態様において、本開示は、生物活性マクロライドがメイタンシノイドである、式(IX)の化合物を提供する。さらなる態様において、本開示は、メイタンシノイドが式(II)により表される、式(IX)の化合物を提供する。別な態様において、本開示は、メイタンシノイドが式(II)(a)により表される、式(IX)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、IC50が約10nMより大きい、式(IX)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、対応する式(I)の化合物に比べて細胞傷害性が約1/10である、式(IX)の化合物を提供する。

別な一態様において、本開示は、式(X)の化合物を提供する:

(式中: Abは、抗体又はその断片であり; aは、1〜10の整数であり; Z2及びZ1は、それぞれ独立に、存在しないか、又はスペーサーであり; Aは、天然若しくは非天然のアミノ酸又は2〜20のアミノ酸を含むペプチドであり; Wは、存在しないか、-O-、-S-、-CR5R6-、-NR4-であり; Xは、存在しないか、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、式中、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; Yは、存在しないか、

であり、 式中、A1、A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; A4及びA5は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-NR18-、-CR5R6-であり; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R18は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルからなる群から選択され、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びアシルは、任意に置換されており; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ DMは、以下の構造により表される:

)。

一実施態様において、本開示は、以下の構造(X)(a)により表される、式(X)の化合物を提供する:

(式中、aは、1〜10の整数である)。

別な態様において、本開示は、式(XI)の化合物を提供する:

(式中: Abは、抗体又はその断片であり; AA1-AA2は、バリン-シトルリン、シトルリン-バリン、リシン-フェニルアラニン、フェニルアラニン-リシン、バリン-アスパラギン、アスパラギン-バリン、トレオニン-アスパラギン、セリン-アスパラギン、アスパラギン-セリン、フェニルアラニン-アスパラギン、アスパラギン-フェニルアラニン、ロイシン-アスパラギン、アスパラギン-ロイシン、イソロイシン-アスパラギン、アスパラギン-イソロイシン、グリシン-アスパラギン、アスパラギン-グリシン、グルタミン酸-アスパラギン、アスパラギン-グルタミン酸、シトルリン-アスパラギン、アスパラギン-シトルリン、アラニン-アスパラギン、アスパラギン-アラニンからなる群から選択されるペプチドであり; aは、1〜10の整数であり; qは、0又は1〜5の整数であり; A3、R1、及びR3は、それぞれ独立に、存在しないか、アミノ酸、2〜20のアミノ酸を有するペプチド、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-CR5R6-、-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-(CHx)p1-、-C(=O)-O-(CHx)p1-、-(CHx)p1-C(=O)-、-(CHx)p1-C(=O)-O-、-(O-(CH2)p2-)p3-、-((CH2)p2-O-)p3-、-C(=S)-、-C(=S)-S-、-C(=S)-NH-、-S-C(=S)-、-S-C(=S)-S-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-N(R4)-C(=O)-N(R8)-、-N(R4)-C(=O)O-、-N(R4)-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=O)-N(R4)-C(=O)-、-O-C(=O)-NR4-であり、式中、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、任意に置換されており; R17は、O、S、NR18、CR5R6からなる群から選択され; R4、R5、R6、及びR8は、それぞれ独立に、H、又は置換若しくは非置換の:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R9、R10、R11、及びR12は、それぞれ独立に、H、ハロゲン、NR13R14、ニトロ、シアノ、-OH、-O-C(=O)-R15、-C(=O)-R15、-C(=O)-O-R15、-C(=O)-NR13R14、置換又は非置換の:アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルであり; R13及びR14は、それぞれ独立に、H又は任意に置換されているアルキルであり;且つ、R15は、任意に置換されているアルキルであり; p1、p2、及びp3は、それぞれ独立に、0、又は1〜100の整数であり; xは、0、1、又は2であり;且つ DMは、以下の構造により表される:

)。

一実施態様において、本開示は、以下の構造(XI)(a)により表される、式(XI)の化合物を提供する:

(式中、aは、1〜10の整数である)。

一態様において、本開示は、Aが、プロテアーゼにより切断可能なペプチドである、式(I)、(III)、(IV)、(V)、及び(X)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、該ペプチドがプロテアーゼにより切断可能である、式(XI)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、Aが、腫瘍組織に発現されたプロテアーゼにより切断可能なペプチドである、式(I)、(III)、(IV)、(V)、及び(X)の化合物を提供する。

一態様において、本開示は、該ペプチドが、腫瘍組織に発現されたプロテアーゼにより切断可能である、式(XI)の化合物を提供する。

一実施態様において、本開示は、Aがプロテアーゼにより切断可能なペプチドであり、さらに該プロテアーゼがカテプシン又はプラスミンである、式(I)、(III)、(IV)(V)、(X)の化合物を提供する。

一実施態様において、本開示は、ペプチドがプロテアーゼにより切断可能であり、さらに、該プロテアーゼがカテプシン又はプラスミンである、式(XI)の化合物を提供する。

(組成物) 本明細書の実施態様は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(X)、又は(XI)のコンジュゲート化合物、並びにこれらの混合物を含む組成物を含む。いくつかの態様において、該化合物は、式(III)(a)、(III)(b)、(IV)(a)、(V)(a)、(V)(b)、(V)(c)、(V)(d)(V)(e)、(X)(a)、又は(XI)(a)の化合物によりさらに表される。

本明細書の実施態様は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、又は(XI)の化合物、並びにこれらの混合物を含む組成物を含む。

組成物は、1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、及び/又は賦形剤をさらに含む医薬組成物であり得る。いくつかの態様において、該医薬組成物は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、若しくは(XI)の化合物、又はこれらの混合物の医薬として許容し得る塩である。いくつかの他の態様において、医薬組成物は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、若しくは(XI)の化合物、又はこれらの混合物の医薬として許容し得る塩である。

医薬として許容し得る好適な担体、希釈剤、及び賦形剤は、当技術分野に周知であり、臨床的状況が保証する通りに当業者により決定され得る。好適な担体、希釈剤、及び賦形剤の例には、適切な組成物pHの維持のための緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤など)、担体タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、食塩水、ポリオール(例えば、トレハロース、スクロース、キシリトール、ソルビトールなど)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキソレート(polyoxolate)など)、抗菌剤、及び酸化防止剤がある。

所望の場合、本明細書の医薬組成物は、第二の、又はより多い治療剤(例えば、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)のコンジュゲート化合物のアジュバント、抗腫瘍剤、抗生物質、抗炎症剤など)を含み得る。第二の治療剤は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の化合物と同じ組成物に含まれてよく、或いは、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の化合物とは別に(時間、又は投与の種類及び位置の点で)投与することができる。

生物活性分子の当業者は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の化合物のそれぞれが、生じた化合物が、出発化合物に類似な特異性及び/又は活性を依然として維持するような方法で修飾できることを理解するだろう。この観点で、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の化合物の生物活性分子(D)は、ありとあらゆる生物活性分子のアナログ及び誘導体を含むことができる。一実施態様において、該生物活性分子はマクロライドであり、さらには、Widdisonらの文献(J. Med. Chem., 2006, 49(14), 4392-4408)に記載のメイタンシン又はメイタンシンのアナログである。

一態様において、本開示は、治療上有効な量の、(III)(a)、(III)(b)(IV)(a)、(X)(a)、及び(XI)(a)を含む式(I)、(III)、(IV)、(X)、(XI)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。

一態様において、本開示は、治療上有効な量の、(III)(a)、(III)(b)(IV)(a)、(V)(a)、(V)(b)、(V)(c)、(V)(d)、及び(V)(e)、(X)(a)、及び(XI)(a)を含む式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、(XI)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。

別な態様において、本開示は、治療上有効な量の、(V)(a)、(V)(b)、(V)(c)、(V)(d)、及び(V)(e)を含む式(V)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。

別な態様において、本開示は、治療上有効な量の式(IX)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、及び1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。

別な態様において、本開示は、治療上有効な量の、(V)(a)、(V)(b)、(V)(c)、(V)(d)、及び(V)(e)を含む式(V)及び(IX)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、並びに1種以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。

(使用方法) 上述のとおり、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び(XI)のコンジュゲート化合物は、リガンド(L)のリンカーへの結合と、それによる生物活性分子への結合が、共有結合のコンジュゲートを形成するように、種々の官能基と共に製造され得る。リガンドは、コンジュゲート化合物を、リガンド結合パートナーに、典型的にはポリペプチド又は他の同様な抗原に特異的に標的化する。典型的な実施態様において、コンジュゲートは、異常な細胞成長を起こしている細胞又は増殖性疾患に関与している細胞上に存在する結合パートナーを有するリガンドを含むように設計される。驚くべきことに、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び(XI)のコンジュゲート化合物は、各化合物のリンカーが、コンジュゲートにより結合された細胞内部で異化されるように設計された。したがって、本明細書のコンジュゲート実施態様による生物活性分子の送達は、通常毒性が高すぎて従来投与ができなかっただろう生物活性分子の送達を可能にする。本明細書の実施態様は、これらの分子の、異常な細胞成長を起こしている細胞又は増殖性疾患に関与している細胞へのより高選択性で特異的な送達を可能にする(細胞外部での異化により、生物活性化合物を、例えば血液又はリンパ系中に放出するのと比較して)。

当業者には想像できるとおり、本明細書に記載される共有結合のコンジュゲート化合物は、あらゆる種類の有用な生物活性分子を送達するのに使用でき、あらゆる種類の細胞集団に選択的に標的化することができ、例えば、選択されたリガンドが、適切な細胞結合パートナーを認識する限り、コンジュゲートを使用して、異常な成長を起こしている細胞に抗増殖薬を送達し、又はウイルスに感染している細胞に抗ウイルス薬を送達できる。

この観点で、使用方法が、本明細書に記載されるコンジュゲート化合物実施態様に与えられる。

本明細書に記載される医薬組成物は、異常な細胞成長を阻害し、妨げ、及び/若しくは予防するのに、又は哺乳動物の種々の増殖性疾患若しくは病態の治療において有用である。典型的な実施態様において、該哺乳動物はヒトである(本明細書の実施態様は、ヒトに関して記載されるだろう)。他の哺乳動物には、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ラクダなどを含む、検出可能な増殖性疾患を患い得るあらゆる哺乳動物が含まれる。さらに、医薬組成物のコンジュゲート化合物が、異常な細胞成長を起こしている細胞の選択的な標的化のために、又は本明細書に記載される種々の増殖性疾患若しくは病態の治療のために設計されていることが理解される。

したがって、本明細書の実施態様は、異常な細胞成長を阻害する方法又はヒトの増殖性疾患の治療の方法であって、該ヒトに、治療上有効な量の本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む方法を含む。

治療上有効な量の本明細書に記載される医薬組成物の投与は、様々な方法、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、皮内、鼻腔内、又は気管支内投与によって実施することができる。本明細書の医薬組成物は、例えば、バイオリスティック(biolistic)送達(例えば、本明細書の医薬組成物の肺又は脳腫瘍へのバイオリステッィク送達)により、異常な細胞成長部位に直接投与することもできる(直接又は間接に異常な細胞成長に接触する)。本明細書の医薬組成物の投与のための投与レジメント(regiments)は、担当する医療従事者又は他の当業者により、並びに特定の臨床状況に基づいて決定されるだろう。医薬分野で周知であるとおり、あるヒト、すなわち患者に対する用量は、患者の大きさ、患者の体表面積、患者の年齢及び全般的な健康状態、患者の性別、投与の時間及び経路、並びに第二の治療剤の存在を含むいくつかの因子により決まる。いくつかの場合において、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)のコンジュゲート化合物は、1投与あたり1μgと100mg/kg体重の間の量で存在し得る(連続注入が投与経路として考えられる場合、1分あたり1pg/kg体重ほどが考えられ得ることに留意されたい)。医薬組成物は、1日あたり1回以上、数日、数週間、数か月、又は数年の期間にわたって投与できる。

増殖性疾患又は疾病、例えば腫瘍の治療は、腫瘍サイズを低減し、腫瘍中に壊死若しくはアポトーシスを起こし、腫瘍を殺し、腫瘍がその大きさを増加するのを停止し、且つ/又は腫瘍の浸潤若しくは転移を予防する方法を含む。

異常な細胞成長を阻害する、又は増殖性疾患を治療する方法に従って治療できる医学的状態の例には:あらゆる種類の悪性腫瘍、例えば、肺、結腸、前立腺、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣、皮膚の癌、リンパ腫、白血病など;自己免疫疾患、例えば、全身性狼瘡、関節リウマチ、多発性硬化症;ウイルス感染、例えば、CMV感染、HIV感染、AIDS、肝炎、HPV感染;疼痛;精神障害;及び炎症性疾患がある。

先に述べられたとおり、本明細書に記載される医薬組成物は、哺乳動物のウイルス感染、疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患などの予防又は治療にも有用である。

一態様において、本開示は、異常な細胞成長を低減し、妨げ、又は停止する方法であって、該異常な細胞を、該異常な細胞成長を妨げ、低減し、又は停止するのに充分な量の式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物と接触させることを含み、該異常な細胞成長が妨げられ、低減され、又は停止される方法を提供する。

一態様において、本開示は、細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物と接触させることを含み、該細胞が殺される方法を提供する。

一実施態様において、本開示は、細胞を殺す方法であって、該細胞を、該細胞を殺すのに充分な量の式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物と接触させることを含み、該細胞が殺され、さらに該細胞が腫瘍細胞である方法を提供する。

一態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。

他の一態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の化合物を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。

一実施態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物を含む組成物を投与することを含み、追加の療法を連続的又は引き続いて投与することをさらに含む方法を提供する。

一実施態様において、本開示は、追加の療法が、放射線療法、化学療法、又は両者の組み合わせである方法を提供する。

一実施態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物を含む組成物を投与することを含み、追加の療法を連続的又は引き続いて投与すること及び少なくとも1種の追加の治療剤を投与することをさらに含む方法を提供する。

一実施態様において、本開示は、医学的障害を患っている個体の該医学的障害の治療の方法であって、該個体に、有効量の、式(I)、(III)、(IV)、(X)、及び/又は(XI)の化合物を含む組成物を投与することを含み、追加の療法を連続的若しくは引き続いて投与すること又は少なくとも1種の追加の治療剤を投与することをさらに含む方法を提供する。

一態様において、治療される医学的障害は、腫瘍、癌、感染症、神経変性疾患、骨疾患、及び心血管疾患から選択される。

本明細書の実施態様は、式(V)の前駆体又はビルディングブロック化合物から式(I)の化合物を製造する方法も提供する。いくつかの態様において、式(V)の化合物は、式(V)の化合物が医薬組成物である治療用途にも使用できる。いくつかの態様において、式(V)の化合物は、化合物(I)、(III)、(IV)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)の組成物又は医薬組成物のいずれにも含められ得る。

最後に、本明細書の実施態様は、式(I)、(III)、(IV)、(V)、(IX)、(X)、及び/又は(XI)により表される化合物の混合物を含み得る。

(コンジュゲートの製造) リガンド-生物活性分子コンジュゲート化合物は、当業者に公知である任意の技法により発生させることができる。リガンド-生物活性分子コンジュゲート化合物は、リガンドユニット、生物活性分子、及び、任意に、生物活性分子とリガンドを合わせるリンカーを含む。生物活性分子及び/又はリンカーのリガンドへの共有結合は、リシンのアミン基を含む、リガンド、例えば抗体のアミノ酸残基、グルタミン酸及びアスパラギン酸の遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基、並びに芳香族アミノ酸の種々の部分を利用する種々の反応を利用して達成できる。

さらに、本明細書に記載される種々の実施態様によるコンジュゲートは、当技術分野における任意の公知の方法により製造できる。コンジュゲートを製造するための説明的なプロトコルは、以下の実施例に与えられる。しかし、プロトコルを使用して本明細書に記載される化合物が製造される限り、例えば、WO 2009/134977、米国特許第7,811,572号及び米国特許第6,441,163号に記載されるプロトコルを含む他の公知の方法を利用できる。これらの引用文献は、それらの意図される目的のために引用により組み込まれる。

一実施態様において、コンジュゲートは、i)リガンドをリンカーと反応させて、修飾されたリガンド-リンカー化合物を形成すること;ii)任意にリガンド-リンカー化合物を精製すること;iii)生物活性分子、例えば、マクロライドを、リガンド-リンカーにコンジュゲートして、式(I)、(III)、(IV)、(X)、又は(XI)のコンジュゲートを形成すること;及びiv)コンジュゲートを精製することにより製造できる。

代りの実施態様において、コンジュゲートは、生物活性分子を、リンカーの第一成分(Z1)と反応させ、それに続いて、Y、X、W、A、及びZ2、又はこれらの任意の組み合わせの付加を含む連続的な反応によりリンカーを建て増しすることにより製造できる。

代りの実施態様において、コンジュゲートは、リガンド、リンカー、及び生物活性マクロライドを、1つの反応で反応させることにより製造される。本発明によるコンジュゲートが製造されると、それらを精製することができる。

(コンジュゲート化合物の細胞傷害性の特定) 一実施態様において、本明細書に記載されるコンジュゲート化合物は、インビトロで種々の癌細胞株の増殖を抑制する能力に関して評価できる。インビトロ細胞傷害性アッセイは、当技術分野に公知であり(Widdisonらの文献(J. Med. Chem., 2006, 49(14), 4392-408))本明細書の実施例7に説明される方法を利用して実施できる。例えば、コンジュゲート化合物は、インビトロで蒔かれた癌細胞に所定の日数の間適用されて、生存した細胞が、公知の方法によりアッセイで測定され得る。適正な対照を利用して、IC50値と同様に結果の妥当性を確実にできる。本明細書のコンジュゲート化合物のインビトロ効力の例は、図1及び2に見ることができる。追加のインビボ効能を利用して、提案されたコンジュゲート化合物効力を、例えば、ヌードマウスモデルを利用して、確認できる。

上記の記載、例、及びデータは、本発明の組成物の製造及び使用を完全に記載する。本発明の多くの実施態様を本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに作ることができるので、本発明は、この後に添付される特許請求の範囲内にある。

本明細書及びこの後の実施例に引用された引用文献は、引用により明白にその全体として組み込まれる。

記載及び以下に表される実施例は、主題発明を説明するために与えられる。当業者は、これらの実施例が説明のためのみに与えられ、本発明を限定する目的には含められていないことを認識するだろう。

(実験の詳細) プロトンNMRスペクトル(UVにより検出できなかった化合物の場合)は、Varian Inova 300MHz装置で取得し、質量スペクトルは、エレクトロスプレーイオン化源及びトリプル四重極イオントラップ分析器を備えたAgilent 1100シリーズLC/MSD で収集した。Bruker ultraFleXtreme MALDI-TOF-TOF質量分析計を利用して、適切なコンジュゲートを分析した。出発物質及び溶媒は全て、市販品を購入し、特記されない限り精製せずに使用した。

(実施例1) 工程1:メイタンシン-3-N-メチル-L-アラニン(2)

標記化合物は、米国特許出願第2007/0037972A1号に記載の方法を利用して、メイタンシノール(1)から金色の固体として製造した。MS(ESI、ポジティブ):C32H44ClN3O9の計算値649.3;実測値650.6 (M+H)。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-[4-(アミノ-シトルリン-バリン-ヘキサンアミド-6-マレイミジル)ベンジル]カルバマート(3):

上記工程の生成物(2、0.020g、0.031mmol)及びp-NO2-Ph-カルボナト-Bn-Cit-Val-マレイミド(MA-VC-PAB-PNP、0.027g、0.037mmol;Concortis Biosystems社製)を、コニカルバイアル中でN,N-ジメチルホルムアミド(DMF、約0.25mL)に溶かし、Brockmann I 塩基性アルミナ(0.10g)で処理し、バイアルをアルゴンでパージし、反応物を周囲温度で4日間撹拌した。次いで、該混合物を濾過し、固体をアセトニトリル/水で洗浄し、濾液を、5μ、30×150mm Phenomenex Gemini C18カラムで、HPLC(25分かけて水中30-90%のアセトニトリル、0.1%TFAは両者に含まれる、15mL/分)により直接精製した。最も純粋なフラクションを一晩凍結乾燥すると、標記化合物を薄黄色固体として与えた(0.021g、55%)。MS(ESI、ポジティブ):C61H82ClN9O17の計算値、1247.6;実測値1248.8 (M+H), 1270.7 (M+Na), 1231.5 (M-H2O+H)。

(実施例2) 工程1:N-tert-ブトキシカルボニル-ベータ-アラニンスクシナートエステル(4)

標記化合物は、市販のBoc-β-アラニンから、当技術分野に周知である方法により製造した(Widdisonらの文献(J. Med. Chem., 2006, 49 (14), 4401))参照)。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-Boc-β-Ala(5)

上記工程の生成物(4、0.45g、1.51mmol)及びメイタンシン-3-N-メチル-L-アラニン(2、0.30g、0.23mmol)を、3:1のアセトニトリル:水(8mL)に溶かし、1MのNaHCO3水溶液(0.5mL)で処理し、周囲温度で18時間撹拌した。TLCにより反応が完了すると、次いでそれをブラインと共に10分間撹拌し、酢酸エチル(EtOAc)で3回抽出した。次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、真空中で乾燥させて金色のシロップにし、それを、20gシリカゲルカートリッジでフラッシュカラムクロマトグラフィー(15分かけてEtOAc中0-10%のMeOH)により精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.084g、43%)。MS(ESI、ポジティブ):C41H59ClN4O12の計算値、834.4;実測値 835.2 (M+H), 857.2 (M+Na), 817.4 (M-H2O+H)。

工程3:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-β-Ala(6)

上記工程の生成物(5、0.080g、0.095mmol)を、アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸の3:1:1混合物(4mL)に溶かし、周囲温度で26時間撹拌した。粗製の反応混合物を、40g C18シリカゲルカラムに直接注入し、ISCO CombiFlash(18分かけて水中10-90%のアセトニトリル、各溶媒中に0.1%TFA、40mL/分)により溶離させ、合わせた純粋なフラクションを凍結乾燥すると、標記化合物を薄黄色固体として与えた(0.025g、31%)。MS(ESI、ポジティブ):C36H51ClN4O10の計算値、734.3;実測値735.5 (M+H)。

工程4:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-N-メチル-N-[4-(アミノ-シトルリン-バリン-ヘキサンアミド-6-マレイミジル)ベンジル]カルバマート(7)

上記工程の生成物(6、0.014g、0.019mmol)及びMA-VC-PAB-PNP(0.020g、0.027mmol;Concortis Biosystems社製)を、4:1のアセトニトリル/水(2.5mL)に溶かし、0.1MのNaHCO3水溶液(0.5mL)で処理し、周囲温度で18時間撹拌した。反応物を、C18シリカの逆相クロマトグラフィー(0.1%TFA含有アセトニトリル/水勾配を使用)により直接精製した。最終カラムフラクションを凍結乾燥すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.002g、8%)。MS(ESI、ポジティブ):C65H89ClN10O18の計算値、1332.6;実測値1333.9 (M+H), 1316.5 (M-H2O+H), 1355.9 (M+Na)。

(実施例3) 工程1:3-メチルジチオ-プロピオン酸スクシナートエステル(8)

標記化合物を、3-メルカプトプロピオン酸から、Widdisonらの文献(J. Med. Chem., 2006, 49 (14), 4392-4408)の方法を利用して白色の固体として製造した。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-メチルジスルフィド(9)

上記工程の生成物(8、2.96g、11.9mmol)及びメイタンシン-3-N-メチル-L-アラニン(2、1.54g、2.37mmol)は、4:1のアセトニトリル/水(25mL)に溶かし、飽和NaHCO3水溶液(2mL)で処理し、周囲温度で24時間撹拌した。反応混合物を、ブラインで処理し、EtOAcで3回抽出し、水層をNaClで飽和させ、再びEtOAcで抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を、真空中で濃縮して金色のシロップにし(約4.5g)、それを、80gシリカゲルカートリッジでフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると(30分かけてヘキサン中0-100%EtOAc)、標記化合物を白色の固体として与えた(1.14g、61%)。MS(ESI、ポジティブ):C36H50ClN3O10S2の計算値、783.3;実測値784.3 (M+H), 766.6 (M-H2O+H)。

工程3:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミド-3-チオール(10)

標記化合物を、Whitesidesらの文献(J. Org. Chem., 1991, 56, 2648-2650)に記載された方法の変形版を利用して製造した。上記工程の生成物(9、2.42g、3.09mmol)を、アセトニトリル(30mL)に溶かし、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(8.23g、28.7mmol)の水(30mL)溶液で処理し、飽和NaHCO3水溶液(5mL)の添加によりpHを3に上げ、フラスコをArでパージし、反応物を、周囲温度でゴム製セプタムをして(泡立ちのために通気口を作った)撹拌した。2時間後、反応物をブライン(約100mL)で処理し、Arで5分間バブリングし(遊離メチルメルカプタンを除去するため)、相を分離した。水相をEtOAcで2回抽出し、NaClで飽和させ、さらに2回EtOAcで抽出した。次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、真空中で乾燥させると、標記化合物を白色の固体として与えた(2.24g、98%)。MS(ESI、ポジティブ):C35H48ClN3O10Sの計算値、737.3;実測値738.3 (M+H), 720.3 (M-H2O+H)。

工程4:4-アミノ-(N-ベンジルオキシカルボニル)ベンジルアミン(14)

4-アミノベンジルアミン(1.00g、8.18mmol)及びトリエチルアミン(1.20mL、8.61mmol)を、N2下で無水テトラヒドロフラン(THF、10mL)に溶かし、ブライン/氷浴中で撹拌しながら冷却し、20分かけて、ベンジルクロロホルマート(1.20mL、8.41mmol)の無水THF(10mL)溶液を滴下して処理した。添加が終了すると、氷浴を外し、反応物を周囲温度で20時間撹拌し、次いで、焼結ガラス漏斗で濾過して、不溶物を除いた。固体をEtOAcで洗浄し、濾液を真空中で蒸発させ、残渣を、40gシリカゲルカラムでフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(20分かけてヘキサン中0-100%のEtOAc、40mL/分)。純粋な中間に出てきた(mid-running)フラクションを真空中で蒸発させると、標記化合物を薄黄色の固体として与えた(1.47g、70%)。MS(ESI、ポジティブ):C15H16N2O2の計算値、256.1;実測値256.9 (M+H), 278.9 (M+Na)。

工程5:6-マレイミジルヘキサン酸スクシナートエステル(20)

標記化合物を、市販の6-アミノカプロン酸から、Marnettらの文献(J. Med. Chem., 1996, 39, 1692-1703)に類似の方法により無色のガムとして製造した。

工程6:Boc-バリン-スクシナート(11)

標記化合物を、Boc-Val-OHから、当技術分野に周知である方法により(Widdisonらの文献(J. Med. Chem., 2006, 49 (14), 4401)参照)白色の固体として製造した。

工程7:Boc-バリン-シトルリン(12)

上記工程の生成物(11、4.23g、13.5mmol)を、アセトニトリル(70mL)に溶かし、L-シトルリン(3.20g、18.3mmol)の水(30mL)溶液及びNaHCO3の飽和溶液(18mL)で処理し、フラスコをN2でパージし、反応物を周囲温度で24時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮してアセトニトリルを除去し、EtOAcで1回洗浄して非極性不純物を除去し、水層をNaClで飽和させ、10%HClでpH3に酸性化した。生じた濁った混合物を、EtOAc中10%イソプロパノールで4回抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮し乾燥させると、標記化合物を白色の固体として与えた(4.53g、90%)。MS(ESI、ネガティブ):C16H30N4O6の計算値、374.2;実測値373.0 (M-H)。

工程8:Boc-バリン-シトルリン-アミノ-4-ベンジルアミノ-N-ベンジルオキシカルバマート(15)

上記工程の生成物(12、3.08g、8.23mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、30mL、モレキュラーシーブで乾燥)に溶かし、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、2.31g、11.2mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、1.51g、11.2mmol)で処理し、フラスコをN2でパージし、周囲温度で1時間撹拌した。次いで、4-アミノ-(N-ベンジルオキシカルボニル)ベンジルアミン(14、2.30g、8.97mmol)のDMF(15mL)溶液を加え、反応物をさらに3日間撹拌し、焼結ガラス漏斗で濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄した。濾液を、1:1の水/飽和NaHCO3(100mL)で洗浄し、水層を10%イソプロパノール/EtOAcで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾過の間に、不溶性のゲルが形成し、それをメタノール/EtOAcに溶かした。濾液を真空中で濃縮すると、ゴム状の金色のゲルを与え、それをジエチルエーテル(50mL)で処理し、超音波処理し、濾過し、吸引乾燥により薄黄色固体にした。これを、330gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0-10%メタノール、100mL/分)により精製すると、標記化合物を薄黄色固体として与えた(4.07g、81%)。MS(ESI、ポジティブ):C31H44N6O7の計算値、612.3;実測値613.4 (M+H)。

工程9:Boc-バリン-シトルリン-アミノ-4-ベンジルアミン(16)

上記工程の生成物(15、3.04g、4.96mmol)及び活性炭上の10%パラジウム(0)(0.286g、0.269mmol)を、N2流下でメタノール(50mL)及び氷酢酸(0.57mL、9.95mmol)で処理し、該反応物を、N2で、次いで水素でそれぞれ2、3分間バブリングし、水素バルーンを付けた状態で周囲温度及び圧力で1時間激しく撹拌した。反応がTLCにより完了するとバルーンを外し、懸濁液を、N2で数分バブリングし、Celite 521で濾過した。Celiteをメタノールで洗浄し、濾液を真空中で蒸発乾固させ、残渣を、ジエチルエーテル中で1回トリチュレートし、高真空下で乾燥させると、標記化合物を白色の固体として与えた(2.95g、99%)。MS(ESI、ポジティブ):C23H38N6O5の計算値、478.3;実測値479.2 (M+H)。

工程10:Boc-バリン-シトルリン-アミノ-4-ベンジルイソチオシアナート(17)

上記工程の生成物(16、0.586g、0.979mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)及び乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)にN2下で溶かし、トリエチルアミン(0.40mL、2.87mmol)で処理し、氷浴中で冷却し、二硫化炭素(0.10mL、1.66mmol)を5分かけて滴下して処理した。該反応物を周囲温度に温め、2時間撹拌し、氷中で再び冷却し、p-トルエンスルホニルクロリド(0.281g、1.47mmol)で処理した。周囲温度に温め18時間撹拌した後、該反応物を1:1の水/ブラインで洗浄し、酢酸エチルで2回抽出し、水層をNaClで飽和させ、EtOAcでさらに2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。蒸発させた濾液を、20gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0-100%アセトニトリル、35mL/分)により精製すると、ジクロロメタンと共沸させ高真空下で乾燥させた後に標記化合物を金色の固体として与えた(0.391g、77%)。MS(ESI、ポジティブ):C24H36N6O5Sの計算値、520.3;実測値521.1 (M+H)。

工程11:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-N-[4-(アミノ-シトルリン-Boc-バリン)-ベンジル]-ジチオカルバメート(18)

上記工程の生成物(17、0.068g、0.131mmol)及びメイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミド-3-チオール(10、0.048g、0.065mmol)をAr下で乾燥THF(3mL)に溶かし、シリンジを経てトリエチルアミン(0.050mL、0.359mmol)で処理し、ゴム製セプタムの下で周囲温度で18時間撹拌した。該反応物を真空中で濃縮し、10%イソプロパノール/酢酸エチルに溶かし、0.5N HCl水溶液で洗浄した。水層を10% IPA/EtOAcで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。蒸発させた濾液を、12gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc中0-20%メタノール、30mL/分)により精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.042g、51%)。MS(ESI、ポジティブ):C59H84ClN9O15S2の計算値、1257.5;実測値1258.8 (M+H), 1241.5 (M-H2O+H), 1280.6 (M+Na)。

工程12:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-N-[4-(アミノ-シトルリン-バリン)-ベンジル]-ジチオカルバメート(19)

標記化合物を、上記工程の生成物(18、0.014g、0.011mmol)から、実施例2、工程3(化合物6)の方法により、金色の固体として製造した(0.016g、100%)。化合物を、さらに精製せずに使用した。MS(ESI、ポジティブ):C54H76ClN9O13S2の計算値、1157.5;実測値1159.4 (M+H)。

工程13:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-N-[4-(アミノ-シトルリン-バリン-ヘキサンアミド-6-マレイミジル)ベンジル]-ジチオカルバメート(21)

上記工程の生成物(19、0.055g、0.032mmol)を、1:1のアセトニトリル/水(4mL)に溶かし、1NのNaHCO3水溶液(0.5mL)及び6-マレイミジルヘキサン酸スクシナートエステル(20、0.070g、2.27mmol)のアセトニトリル(6mL)溶液で処理し、フラスコを、ゴム製セプタムの下でArでパージした。反応物を周囲温度で5時間撹拌した後、それを-20℃で3日間保存し、その後再び周囲温度に温め、ブラインで希釈した。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。蒸発させた濾液を、12gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(18分かけてEtOAc中0-20%メタノール、25mL/分)により精製すると、標記化合物を薄黄色固体として与えた(0.011g、26%)。MS(ESI、ポジティブ):C64H87ClN10O16S2の計算値、1350.5;実測値1352.0 (M+H), 1334.5 (M-H2O+H), 1373.5 (M+Na)。

(実施例4) 工程1:N-(4-アミノメチル-フェニル)-アセトアミド塩酸塩(23)

標記化合物を、4-アミノベンジルアミンから、Kingらの文献(J. Am. Chem. Soc., 1992, 114(8), 3033)の方法により、薄黄色の固体として製造した。

工程2:N-(4-イソチオシアナトメチル-フェニル)-アセトアミド(24)

上記工程の生成物(23、0.277g、1.38mmol)を、THF(4.5mL)及びDMF(2.0mL)に溶かし、N2下で氷中で冷却し、トリエチルアミン(0.66mL、4.73mmol)で処理し、次いで二硫化炭素(0.125mL、2.07mmol)を滴下して処理した。該反応物を周囲温度に温め、3時間撹拌し、次いで氷中で再び冷却した。p-トルエンスルホニルクロリド(0.274g、1.45mmol)で処理した後、該反応物を、18時間撹拌しながら、ゆっくりと周囲温度に温めた。該混合物を水で希釈し、10% HCl水溶液でpH2に酸性化し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。蒸発させた濾液を、20gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20分かけてEtOAc中0-50%のアセトニトリル、30mL/分)により精製すると、標記化合物を、クリーム色の固体として与えた(0.157g、55%)。

工程3:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-プロパンアミジル-3-N-[4-(アセトアミジル)ベンジル]-ジチオ-カルバマート(25)

上記工程の生成物(24、0.093g、0.45mmol)及び実施例3、工程3の生成物(10、0.070g、0.095mmol)をアセトニトリル(MeCN、2mL)及び乾燥DMF(1mL)に溶かし、塩基性アルミナ(活性化、Brockmann I、0.357g)で処理した。フラスコをアルゴンでパージした後、該反応物を周囲温度で2日間撹拌し、濾過し、固体をメタノール/アセトニトリルで洗浄した。蒸発させた濾液を、12gシリカゲルカラムのフラッシュカラムクロマトグラフィー(15分かけてEtOAc中の0-50%アセトニトリル、25mL/分)により精製し、遅く出てきた生成物フラクションを真空中で濃縮すると、純粋でない薄黄色ガムを与えた。これを、RP-HPLC(Phenomenex Gemini C18、30×150mmカラム、水中30-90%アセトニトリル、両者に0.1%TFAが含まれる)により精製し、純粋なフラクションを凍結乾燥すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.016g、18%)。MS(ESI、ポジティブ):C45H58ClN5O11S2の計算値、943.3;実測値944.7 (M+H), 927.1 (M-H2O+H), 966.6 (M+Na)。

(実施例5) メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-β-アラニン(27)

標記化合物を、2,5-ジオキソピロリジン-1-イル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノアート(26)から、実施例2、工程1〜3の方法により、薄黄色固体として製造した。MS(ESI、ポジティブ):C35H49ClN4O10の計算値、720.3;実測値721.4 (M+H)。

(実施例6) メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-γ-アミノブチルアミド(29)

標記化合物を、N-Boc-GABA-OH(28)から、実施例2、工程1〜3の方法により、薄黄色固体として製造した。MS(ESI、ポジティブ):C36H51ClN4O10の計算値、734.3;実測値735.5 (M+H)。

(実施例7) メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-Me-γ-アミノブチルアミド(31)

標記化合物を、N-Boc-N-MeGABA-OH(30)から、実施例2、工程1〜3の方法により、薄黄色固体として製造した。MS(ESI、ポジティブ):C37H53ClN4O10の計算値、748.4;実測値749.5 (M+H)。

(実施例8) 工程1:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-カルボキシ-6-[3,4-ジヒドロ-2-(tert-ブトキシカルボニル)-1H-イソキノリン]

メイタン(Maytan)-3-N-メチル-L-(S)-アラニン(2、0.034g、0.052mmol)、市販のN-Boc-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-カルボン酸(32、0.019g、0.069mmol)、及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、0.024g、0.125mmol)を、撹拌子を入れた丸底フラスコに量り入れ、ジクロロメタン(3mL)に溶かし、フラスコをArでパージし、ゴム製セプタムで密封し、反応物を周囲温度で撹拌した。2日後、反応物をEtOAcで希釈し、希薄NaHCO3水溶液で洗浄し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。次いで、蒸発させた濾液を、ISCOシステムにより12g RediSep Goldシリカゲルカラムで精製し(12分かけてEtOAc-5:5:1 EtOAc/DCM/MeOH、30mL/分)、合わせたTLC的に純粋なフラクションを蒸発させ、真空中で乾燥させると、標記化合物を青白い固体として与えた(0.026g、55%)。MS(ESI、ポジティブ):C47H61ClN4O12の計算値、908.4;実測値909.2 (M+H), 891.2 (M-H2O+H)。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-カルボキシ-6-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン)(33)

標記化合物を、上記工程の生成物(0.025g、0.027mmol)から、実施例2、工程3(化合物6)の方法により、白色の固体として製造した(0.013g、52%)。MS(ESI、ポジティブ):C42H53ClN4O10の計算値、808.3;実測値809.2 (M+H)。

(実施例9) 工程1:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-カルボキシ-4-[1-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペリジン]

標記化合物を、メイタン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン(2、0.045g、0.069mmol)及び市販の1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸(34、0.024g、0.105mmol)から、実施例8、工程1の方法により、白色の固体として製造した(0.027g、46%)。MS(ESI、ポジティブ):C43H61ClN4O12の計算値、860.4;実測値861.2 (M+H), 843.2 (M-H2O+H)。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-カルボキシ-4-ピペリジン(35)

標記化合物を、上記工程の生成物(0.025g、0.029mmol)から、実施例2、工程3(化合物6)の方法により、白色の固体として製造した(0.012g、50%)。化合物を、C18カラムで、異なる勾配及びモディファイアを使用して精製した(水中20-80%のMeCN、両者に0.05%酢酸が含まれる)。純粋なフラクションを凍結乾燥すると、標記化合物(0.008g、35%)を与えた。MS(ESI、ポジティブ):C38H53ClN4O10の計算値、760.3;実測値761.2 (M+H)。

(実施例10) 工程1:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-メチル-ベータ-アラニン-N-[4-(tert-ブトキシカルボニル-バリン-シトルリン-アミノ)ベンジルオキシ]-カルバマート

WO 2005112919に従って製造したBoc-バリン-シトルリン-p-アミノベンジルオキシ-(p-ニトロフェニルオキシ)-カーボナート(36)(0.092g、0.143mmol)、実施例2、工程3の生成物(6、0.110g、0.130mmol)、及び1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAT、0.037g、0.272mmol)をDMF(7mL)に溶かし、トリエチルアミン(0.100mL、0.717mmol)で処理し、栓をしたフラスコ中で、周囲温度で撹拌した。18時間後、該反応混合物を、真空中で濃縮して油にし、ジクロロメタンに溶かし、ISCO Combiflashにより24g RediSep Goldカラムで精製した(酢酸エチル中0-20%メタノール)。生成物フラクションを真空中で蒸発させると、次いで、標記化合物を薄黄色固体として与えた(0.129g、80%)。MS(ESI、ポジティブ):C60H86ClN9O17の計算値、1239.6;実測値1240.8 (M+H)。

工程2:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-メチル-ベータ-アラニン-N-[4-(バリン-シトルリン-アミノ)ベンジルオキシ]-カルバマート(37)

標記化合物を、上記工程の生成物(0.128g、0.103mmol)から、実施例2、工程3(化合物6)の方法により、白色の固体として製造した(0.074g、63%)。MS(ESI、ポジティブ):C55H78ClN9O15の計算値、1139.5;実測値1141.4 (M+H)。

工程3:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-メチル-ベータ-アラニン-N-[4-(4-{イソチオシアナト-フェニル}-チオウレイド-バリン-シトルリン-アミノ)ベンジルオキシ]-カルバマート(39)

上記工程の生成物(37、0.037g、0.029mmol)を、バイアル中でテトラヒドロフラン(THF、5mL)に溶かし、トリエチルアミン(0.020mL、0.143mmol)で処理し、生じた溶液を、THF(10mL)中の1,4-フェニレンジイソチオシアナート(38、0.055g、0.286mmol)の撹拌されている溶液を含むフラスコに15分かけて滴加した。バイアルをTHF(2mL)ですすぎ、該溶液を反応フラスコに加え、それをゴム製セプタムで密封した。周囲温度で24時間撹拌した後、該反応物を真空中で濃縮乾固し、粗生成物をアセトニトリルに溶かし、0.45μmPTFE膜で濾過した。次いで、濾液を、ISCOにより30 g C18 RediSep Goldカラムで精製し(水中20-80%のMeCN、両溶媒に0.05%HOAcが含まれる)、(LCにより)最も純粋なフラクションを合わせ、-78℃で凍結し、凍結乾燥すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.023g、59%)。MS(ESI、ポジティブ):C63H82ClN11O15S2の計算値、1331.5;実測値1332.0 (M+H)。

(実施例11) 工程1:1-(4-アミノ-ブチル)-マレイミド

市販のBoc-1-アミノブチル-4-マレイミド(0.304g、1.13mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を、トリフルオロ酢酸(1.00mL、13.1mmol)で処理し、フラスコをArでパージし、ゴム製セプタム及びバブラーベント(bubbler vent)で密封し、周囲温度で撹拌した。該反応は、TLCによると18時間後に完了したので、真空中で濃縮し、ジエチルエーテル中で2回トリチュレートし、真空中で乾燥させてガムにした。これをエーテル中でさらに2回トリチュレートし(スパチュラでかき取りながら)、デカンテーションし、再び真空中で乾燥させると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.321g、100%)。MS(ESI、ポジティブ):C8H12N2O2の計算値、168.1;実測値169.0 (M+H)。

工程2:1-(4-イソチオシアナト-ブチル)-マレイミド(41)

上記工程の生成物をアセトニトリル(MeCN、3×40mL)に溶かし、ロータリーエバポレーターにより真空中60℃で濃縮した。乾燥させた生成物(0.650g、2.45mmol)を、フラスコ中でMeCN(75mL)及びクロロホルム(30mL)に溶かし、トリエチルアミン(1.0mL、7.35mmol)で処理し、生じた溶液を、クロロホルム(25mL)中に1,1'-チオカルボニルジ-2,2'-ピリドン(0.68g、2.94mmol)を含むフラスコに、窒素下で10分かけて滴加した。該反応物を、周囲温度で18時間撹拌し、該反応物を真空中で濃縮乾固して、粗生成物をジクロロメタン(DCM)に溶かし、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより120gシリカゲルRediSep Goldカラムで精製した(DCM中0-10%のMeOH)。最も純粋なフラクション(LCによる)を合わせ、濃縮乾固すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.26g、50%)。MS(ESI、ポジティブ):C9H10N2O2Sの計算値、210.0;実測値211.2 (M+H)。

工程3:メイタンシン-3-N-メチル-L-(S)-アラニン-N-メチル-ベータ-アラニン-N-[4-(4-{マレイミジルブチル}-チオウレイド-バリン-シトルリン-アミノ)ベンジルオキシ]-カルバマート(42)

実施例10、工程2の生成物(37、0.029g、0.023mmol)を、乾燥DMF(2mL)に溶かし、乾燥したシリンジによりジイソプロピルエチルアミン(0.020mL、0.115mmol)で処理し、次いで上記工程の生成物(41、0.026g、0.124mmol)の乾燥DMF(2mL)溶液で処理した。反応フラスコをArでパージし、ゴム製セプタムで密封し、反応物を周囲温度で撹拌した。18時間後、反応がLCMSにより80%完了であるようだったので、真空中で蒸発させて油にし、MeCN/水に溶かして、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより30g C18 RediSep Goldカラム(水中20-80%のMeCN、両溶媒に0.05% HOAcが含まれる)により精製した。LCMSにより最も純粋なフラクションを合わせ、短時間ロータリーエバポレーターにかけ、ドライアイスで冷凍し、一晩凍結乾燥すると、標記化合物を白色の固体として与えた(0.020g、65%)。MS(ESI、ポジティブ):C64H88N11O17SClの計算値、1349.6;実測値1351.1 (M+H), 1372.9 (M+Na), 1333.6 (M-H2O+H)。

(実施例12) コンジュゲート製造及び特性化

最初の実験の組では、4つの抗体を、以下の手順を利用して、本開示の種々のリンカー-薬物化合物にコンジュゲートした。これらの実験に使用した4つの抗体は:(1)WO 2007002222A2に記載のクローンAB-PG1-XG1-006の重鎖及び軽鎖可変ドメインを有するPSMA抗体(2)WO 2008052187A2に記載のhIgG1として発現されるクローンmu120の重鎖及び軽鎖可変ドメインを有するSTEAP1抗体、(3)WO 2013075048A1に記載のクローン131の重鎖及び軽鎖可変ドメインを有するEGFRvIII抗体、及び(4)2013年8月21日に出願された米国特許出願第61/868,185号(その開示は、引用により全体として本明細書に組み込まれる)に記載のクローンH1H6953Nの重鎖及び軽鎖可変ドメインを有するPRLRである。全モノクローナル抗体をCHO細胞中に発現させ、プロテインAにより精製した。腫瘍学に全く関係しない免疫学的抗原から誘導した非結合対照も使用した。

化合物3、7、21、及び42のコンジュゲーション方法

50mM HEPES、150mM NaCl、pH7.5中の抗体(10mg/ml)を、1mMジチオスレイトールで、37℃で30分間処理した。ゲル濾過(G-25、pH4.5酢酸ナトリウム)の後、DMSO中のマレイミドリンカーペイロード誘導体(1.2当量/SH基)(10mg/ml)を、還元された抗体に加え、該混合物を、1M HEPES(pH7.4)でpH7.0に調整した。1時間後、該反応物を、過剰のN-エチルマレイミドでクエンチした。該コンジュゲートを、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製し、滅菌濾過した。タンパク質及びリンカーペイロード濃度は、UVスペクトル分析により決定した。サイズ排除HPLCは、使用した全コンジュゲートが、95%超モノマー性であることを証明し、RP-HPLCは、0.5%未満のコンジュゲートされていないリンカーペイロードがあることを証明した。収率は、タンパク質に基づき、表1に報告する。全てのコンジュゲートされた抗体を、UVにより、Hamblettらの文献(Cancer Res., 2004 10 7063)に従ってリンカーペイロードロード値(loading value)に関して分析した。結果を表1にまとめる。

化合物39のコンジュゲーション方法

50mM炭酸塩、150mM NaCl、pH9.0中の抗体(2〜5mg/ml)に、15体積%のジメチルアセトアミドを加えた。DMSO中のリンカーペイロード誘導体39(10mg/ml)(5〜10当量)を抗体に加え、該混合物を37℃で4〜12時間インキュベートした。コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィーにより精製して、滅菌濾過した。タンパク質及びリンカーペイロード濃度を、UVスペクトル分析により決定した。サイズ排除HPLCは、使用した全コンジュゲートが、95%超モノマー性であることを証明し、RP-HPLCは、0.5%未満のコンジュゲートされていないリンカーペイロードがあることを証明した。これらのコンジュゲートでは、ペイロードと抗体の比を、MALDI-TOFにより決定した(表1)。 表1

(実施例13) インビトロ抗体-薬物コンジュゲート(ADC)無細胞酵素アッセイ

(カテプシンBインキュベーション)

インビトロ無細胞酵素アッセイ手順を、Dubowchikらの文献(Bioconjugate Chem. 2002 13 855)から採用した。DAR補正されたPRLR-7及びアイソタイプ対照-7濃度を、25mM酢酸ナトリウム緩衝液、1mM EDTA、pH 5.0中で7.00μMに設定し、37℃でプレインキュベートした。カテプシンB(Sigma C8571番)を、2当量のカテプシンBストックに対して1当量の30mM DTT、15mM EDTAにより室温で15分間活性化した。活性化されたカテプシンB溶液を、ADC溶液に、1:750モル比で加えた。試料を37℃で24時間にわたりインキュベートし、HPLC(HISEP)-UV検出かLC-MS検出のいずれかのために取り分けた(以下参照)。

(LC-MS検出)

指定された時点で、少量のアリコートを除き、体積で2当量の冷メタノールと合わせた。上清を回収し、液体クロマトグラフィー-質量分析法(LCMS)により、Merck Chromolith FastGradient RP-18e、2×50mmカラム、H2O中5分かけて10から90%のMeCN(両溶媒に0.05%HOAcが含まれる)及び流量1mLを利用して、化合物6を生じるカテプシンBリンカーペイロード切断に関して分析した。溶出プロファイルを254nmでモニターした。37℃でカテプシンBと共にインキュベートしたアリコートは全て、5.1分で溶出し735M+H(C36H51ClN4O10の計算値、734.3)の質量を有する化合物6を含んでいたが、カテプシンBなしのアリコートはいずれも6を全く含んでいなかった。これは、実施例2、工程3からの純粋な化合物6の注入によっても確認した。

(HPLC(HISEP)-UV検出)

溶液を、指定された時点で「そのまま」注入した。以下の勾配法を利用した:緩衝液A 100% 100 mM NH4OAc、pH 7.0、及び緩衝液B 100%アセトニトリル、流量0.4 mL/分、5から70%の緩衝剤B、Supelco LC-HISEP;150mm×4.6mmカラム使用。溶出プロファイルを280nm及び252nmでモニターした。カテプシンBとインキュベートされたADCのアリコートは全て、19.4分で溶出する種を含んでいた。純粋な化合物6は、同じ勾配条件下で同一の保持時間で溶出する。19.4分の種は、カテプシンBのないアリコートには存在しなかった。

この実施例の結果は、6のカテプシンBタンパク質分解が、酵素が存在する細胞へのADCの内部移行の後にのみ起こるはずであるので、幾分重要である。抗体が細胞傷害性ペイロードを標的細胞に直接送達するので、オフターゲット効果は低減されるはずである。

(実施例14) インビトロ細胞傷害性アッセイ

この実施例では、種々の抗体-薬物コンジュゲートが、抗原を発現している腫瘍細胞をインビトロで殺す能力を評価した。

細胞を、PDLコートしてある96ウェルプレートに、ウェルあたり375(MMT/hEGFRvIII)、1500(U251/hEGFRvIII)、2000(HEK293/hEGFRvIII)、又は3000(C4-2、PC3/hSTEAP1、T47D、及びU87-MG)細胞で、完全増殖培地に播種し、一晩成長させた。細胞生存率曲線のために、連続希釈したコンジュゲート又は遊離の代表的なペイロードを、500nM〜1pMの最終濃度で細胞に加え、3日間インキュベートした。MMT/hEGFRvIII、U251/hEGFRvIII、HEK293/hEGFRvIII、C4-2、PC3/hSTEAP1、及びU87-MGでの生存可能性を測定するために、細胞をCCK8(Dojindo社製)と共に、最後の1〜3時間インキュベートし、450nmでの吸光度(OD450)を、Flexstation3(Molecular Devices社製)で測定した。T47Dでの生存可能性を測定するために、細胞を、4%ホルムアルデヒ(formaldehye)+3μg/ml Hoechst中で、氷上で30分間インキュベートした。Hoechst染色された核の画像を、ImageXpress Micro XL(Molecular Devices社製)で得て、核の数を、Columbus分析ソフトウェア(PerkinElmer社製)で決定した。バックグラウンドのOD450レベル(CCK8)又はジギトニン(40nM)処理された細胞からの核の数を、全てのウェルから差し引き、生存可能性を、未処理の対照のパーセンテージとして表す。IC50値を、10点反応曲線上で、4パラメータロジスティック方程式から決定した(GraphPad Prism)。曲線及びIC50値は全て、ペイロード当量に対して補正する。

アイソタイプ対照結合よりも天然に271倍PSMAを発現するC4-2細胞(前立腺癌株)において、メイタンシノイドコンジュゲートPSMA-3、PSMA-7、及びPSMA-21は、それぞれ、3.8、0.5、及び8.3nMのIC50値を有する(図1)。裸のPSMA抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

アイソタイプ対照結合よりも352倍hSTEAP1を発現するPC3/hSTEAP1細胞(前立腺癌株)において、メイタンシノイドコンジュゲートSTEAP1-7は、4nMのIC50値を有する(図2)。裸のSTEAP1抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

アイソタイプ対照結合よりも天然に14倍PRLRを発現するT47D細胞(乳癌株)において、メイタンシノイドコンジュゲートPRLR-7は、1.0nMのIC50値を有する(図3)。裸のT47D抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

アイソタイプ対照結合よりも360倍hEGFRvIIIを発現するHEK293/hEGFRvIII細胞において、メイタンシノイドコンジュゲートEGFRvIII-7は、0.4nMのIC50値を有する(図4)。裸のEGFRvIII抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

アイソタイプ対照結合よりも280倍hEGFRvIIIを発現するMMT/hEGFRvIII細胞において、メイタンシノイドコンジュゲートEGFRvIII-7は、0.3nMのIC50値を有する(図5)。裸のEGFRvIII抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

アイソタイプ対照結合よりも165倍hEGFRvIIIを発現するU251/hEGFRvIII細胞(膠芽腫癌株)において、メイタンシノイドコンジュゲートEGFRvIII-7は、0.3nMのIC50値を有する(図6)。裸のEGFRvIII抗体には、抗増殖活性が全くなかった。

提案された放出されたペイロード(「遊離の薬物」)のインビトロ細胞傷害性も、上述の種々の細胞株で試験し、比較のためにコンジュゲートされた抗体の傍らにプロットした(図1〜6の黒四(■)参照)。リンカー-ペイロード3及び7では、それぞれ、提案され放出されたペイロード2及び6は安定であるので、細胞アッセイに直接使用できる。しかし、リンカー-ペイロード21では、放出されたペイロードは、スルフヒドリル化合物10であると提案される。10は、非常に活性の高い化合物になり得るため信頼性のない結果をもたらすだろうという理由で、化合物25を、これらのアッセイにおいて放出されたペイロードを代表するように選択した。

別な組の実験において、化合物6を、アミノアナログ27、29、及び31と共に、HEK293及びU87MGにおいて、抗増殖活性に関して試験した(図7)。これらの化合物は全て30nMを超えるIC50値を有し、それらが、適切なリンカーにより抗体に結合している場合にのみ、非常に細胞傷害性であることを示す(これらの実験では、ジギトニンによるバックグラウンド補正は実施しなかった)。

さらに別な組の実験では、化合物6、9、33、及び35を、HEK293、U251、C4-2、PC3、及びMMT中で、抗増殖活性について試験した(図8)。アミノ化合物6、33、及び35は、表2に列記する通り様々なIC50を有した。効力の傾向は、9>33>35>6であり、試験した5つの細胞株で一貫している。 表2

どのような理論によっても拘束されないが、これらの実験の結果は、本開示の化合物の「放出された」又は「遊離の薬物」版(すなわち、抗体にコンジュゲートされていない化合物)が、ほとんどの場合、標的化抗体にコンジュゲートされている場合より、実質的に細胞傷害性が低いことを示している。本開示のこの特徴は、殺細胞性が特異的に標的抗原の部位に集中するので、本発明の化合物を含む抗体-薬物コンジュゲートが起こす副作用及び望まれない毒性が少ないだろうことを示唆する。

(実施例15) 抗-EGFRvIII抗体薬物コンジュゲートは、インビボのEGFRvIII陽性乳癌同種異系移植片モデルにおいて腫瘍成長の強力な阻害剤である。

この実施例において、例示的な抗-EGFRvIII抗体H1H1863N2の2つの異なる抗体-薬物コンジュゲートを、インビボで腫瘍成長を阻害するそれらの能力に関して試験した(H1H1863N2のアミノ酸配列及び種々の性質は、引用によりその全体として本明細書に組み込まれている2014年3月11日に出願のUS61/950,963に述べられている)。H1H1863N2は、配列番号:1を含む重鎖可変領域(HCVR);配列番号:5を含む軽鎖可変領域(LCVR);それぞれ配列番号:2、3、及び4を含む重鎖相補性決定領域(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3);並びに、それぞれ配列番号:6、7、及び8を含む軽鎖相補性決定領域(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を含む。

第一のADCを、H1H1863N2を、非切断性のMCCリンカー(例えば、米国特許第5,208,020号及び米国特許出願第20100129314号を参照されたい)を介してメイタンシノイドDM1にコンジュゲートして、「H1H1863N2-MCC-DM1」を製造することにより製造した。第二のADCは、H1H1863N2を7にコンジュゲートして、「H1H1863N2-7」を生じることにより製造した。実施例14に記載のアッセイフォーマットを利用して、インビトロでMMT/EGFRvIII細胞に対する細胞傷害性に関して試験すると、H1H1863N2-MCC-DM1は12nMのIC50を示したが、H1H1863N2-7は、わずか0.8nMのIC50を示した。そのため、インビトロでは、抗-EGFRvIII ADC H1H1863N2-7は、MCCリンカーを介してDM1にコンジュゲートされた対応する抗体よりも、はるかに強力な腫瘍細胞殺傷能力を示した。

MCC-DM1及び7にコンジュゲートされた抗-EGFRvIII抗体のインビボの効能を比較するために、EGFRvIII陽性乳癌同種異系移植片を有する免疫不全マウスで試験を実施した。簡単に述べると、腫瘍同種異系移植片を、0.5×106MMT/EGFRvIII細胞の、雌のCB17 SCIDマウス(Taconic社製、Hudson、NY)の左脇腹への皮下移植により確立した。腫瘍が平均体積140mm3に到達すると(〜第8日)、マウスを、7匹の群に無作為に分け、MCC-DM1か7のいずれかのリンカー-薬物フォーマットを利用して抗-EGFRvIII ADCを投薬した。MCC-DM1か7のいずれかのリンカー-薬物フォーマットを使用した非結合性ADCを含む対照試薬及びPBSビヒクルも評価した。ADCを、1週間にわたり1及び5mg/kgで3回投薬し、その後、ビヒクルのみを投与した群でおよそ2000mm3の平均腫瘍サイズに達するまでモニターした。この時点で、腫瘍成長阻害を計算した。

ビヒクル処置群に対する平均腫瘍サイズを、以下の通り計算した:ビヒクル群の平均サイズが1000mm3に達するまで、腫瘍を、週に2回カリパスで測定した;腫瘍サイズを式(長さ×幅2)/2を利用して計算した。腫瘍成長の阻害は、以下の式により計算した:(1-((T最終-T初期)/(C最終-C初期)))×100、式中、T(処置群)及びC(対照群)は、ビヒクル群が1000mm3に達した日の平均腫瘍体積を意味する。結果を表3にまとめる。 表3:反復投与で投与された抗-EGFRvIII抗体-薬物コンジュゲート及び対照の投与後の腫瘍サイズ及び腫瘍成長阻害

この実施例に示される通り、最大の腫瘍の阻害は、5mg/kgのH1H1863N2-7を投薬されたマウスで観察され、初期の腫瘍の退縮が観察された。5mg/kg H1H1863N2-7による処置から生じた102%の腫瘍成長の阻害は、5mg/kgのH1H1862N2-MCC-DM1による腫瘍の処置の後に観察された阻害(83%)よりも有意に高かった。H1H1863N2-MCC-DM1に比べて、H1H1863N2-7により誘発された腫瘍成長の阻害の優越は、1mg/kgの投与量でも維持された。MCC-DM1又は7を使用する対照ADCに処置された群では、抗腫瘍効果は全く観察されなかった。

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