ピリジン化合物およびその用途

申请号 JP2014184671 申请日 2014-09-10 公开(公告)号 JP2017206440A 公开(公告)日 2017-11-24
申请人 日本曹達株式会社; 发明人 岩田 淳; 清田 隆太郎; 幸堀 伸哉; 宗井 陽平; 小林 朝巳; 藤井 聡; 佐藤 元亮; 深川 尊子; 井上 博生;
摘要 【課題】新規農園芸用殺菌剤、 有害 生物 防除剤、および殺虫または殺ダニ剤の提供。 【解決手段】式(I−1)で表される化合物、又はその互変異性体若しくは塩。前記化合物等から選ばれる少なくとも1つを有効成分に含有する農園芸用殺菌剤、 有害生物 防除剤、及び殺虫又は殺ダニ剤。 (R 4 はH、C1〜6アルキル基等;Ar 1 は等C6〜10アリール基、C3〜6員ヘテロシクリル基等;AはC1〜6アルキレン基、C2〜6アルケニレン基等;R a はH、C1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、アセチル基等;Ar 1 とR a は相互に繋がって、Ar 1 とR a が結合する炭素 原子 とともに5〜6員環を形成してもよい) 【選択図】なし
权利要求

式(I)で表される化合物、またはその互変異性体若しくは塩。 〔式(I)中、 R1は、原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。 R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、ホルミルオキシ基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、(無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシイミノ)−C1〜6アルキル基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。 ここで、R1とR2は、相互に繋がって、R1およびR2のそれぞれが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 R4は、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、ホルミル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルスルホニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換された(C1〜6アルキルチオ)カルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノ(チオカルボニル)基、または式(IX)で表される有機基を示す。 [式(IX)中、 Gaは、それぞれ独立に、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基を示す。 Gbは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換のもしくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 Tは、酸素原子、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、硫黄原子、(チオ)カルボニル基、カルボニル(チオ)基、(チオ)カルボニルオキシ基、オキシカルボニル(チオ)基、または−O−C(=O)−N(Gb)−で表される二価の基を示す。 *は式(IX)で表される基の結合位置を示す。] Qは、式(II)〜式(VIII)で表される有機基のいずれかを示す。 [式(II)〜式(VIII)中、 Ar1は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 Ar2は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルチオ基を示す。 Raは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、またはアミノ基を示す。ここで、Ar1とRaは、相互に繋がって、Ar1とRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 Xは、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、または式:NRcで表される二価の基を示す。Rcは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、または無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。 Aは、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレンオキシ基、無置換のもしくはG3で置換されたオキシC1〜C6アルキレン基、またはカルボニル基を示す。 Baは、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレンオキシC1〜6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC3〜C6シクロアルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC4〜C6シクロアルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換された3〜6員ヘテロシクリレン基、またはNRdで表される二価の基を示す。Rdは、水素原子、C1〜6アルキル基、またはC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。また、BaとRaは、相互に繋がって、BaとRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 Bbは、無置換のもしくはG4で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC3〜C6シクロアルキレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC4〜C6シクロアルケニレン基、無置換のもしくはG4で置換された3〜6員ヘテロシクリレン基、またはカルボニル基を示す。 T1は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−メチル基、1−(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−エチル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基を示す。 T2は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−ホルミル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−C1〜6アルキルカルボニル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル基、または(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 T3は、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールアミノカルボニル−C1〜6アルキル基を示す。 *は、式(II)〜式(VIII)で表される有機基の結合位置を示す。] G1は、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。R1、R2、R3、R4またはRaのうちの2つ以上がG1で置換された前記の基である場合、係るG1は、相互に同じであっても異なってもよい。 G2は、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシC1〜6ハロアルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、C1〜6アルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C1〜6ハロアルキルチオ基、C1〜6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜6ハロアルキルスルホニル基、ペンタフルオロスルファニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールチオ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルフィニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、またはC1〜6ハロアルキレンジオキシ基を示す。R1、R2、R3、R4、Ra、G4、Ar1またはAr2のうちの2つ以上がG2で置換された前記の基である場合、係るG2は、相互に同じであっても異なってもよい。 G21は、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。G2またはG4のうちの2つ以上がG21で置換された前記の基である場合、係るG21は、相互に同じであっても異なってもよい。 G3は、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、またはオキソ基を示す。 G4は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニルオキシC1〜6アルキル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、オキソ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキルオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルキリデン基、C1〜6アルコキシイミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ基、またはC1〜6アルキルヒドラジノ基を示す。〕式(I)中のR4が、水素原子またはアリル基である、請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体若しくは塩。請求項1または2に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。請求項1または2に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。請求項1または2に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫または殺ダニ剤。請求項1または2に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。

说明书全文

本発明は、ピリジン化合物、並びに農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫または殺ダニ剤などの用途に関する。

農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が提案されている。提案されている防除薬剤のほとんどは、その防除効が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、若しくは人畜魚類に対する毒性や環境への影響が大きかったりなどで、十分に満足できるものでない。そのため、かかる欠点の少ない安全に使用できる防除薬剤の出現が強く要望されている。

ところで、特許文献1には、式(A)若しくは式(B)で表されるピリジン化合物が開示されている。特許文献1によれば、このピリジン化合物は電子伝達系の複合体II阻害剤として有用であるらしい。

WO 2003/103667 A

本発明の課題は、新規なピリジン化合物、ならびに農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫または殺ダニ剤を提供することである。

上記課題を解決するために検討した結果、以下の態様を包含する本発明を完成するに至った。

〔1〕式(I)で表される化合物、またはその互変異性体若しくは塩。

式(I)中、 R1は、原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。 R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、ホルミルオキシ基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、(無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシイミノ)−C1〜6アルキル基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。 ここで、R1とR2は、相互に繋がって、R1およびR2のそれぞれが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 R4は、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、ホルミル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルスルホニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換された(C1〜6アルキルチオ)カルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノ(チオカルボニル)基、または式(IX)で表される有機基を示す。

式(IX)中、Gaは、それぞれ独立に、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基を示す。

式(IX)中、Gbは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換のもしくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。

式(IX)中、Tは、酸素原子、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、硫黄原子、(チオ)カルボニル基、カルボニル(チオ)基、(チオ)カルボニルオキシ基、オキシカルボニル(チオ)基、または−O−C(=O)−N(Gb)−で表される二価の基を示す。 *は式(IX)で表される基の結合位置を示す。

Qは、式(II)〜式(VIII)で表される有機基のいずれかを示す。

式(II)〜式(VIII)中、 Ar1は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 Ar2は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルチオ基を示す。 Raは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、またはアミノ基を示す。ここで、Ar1とRaは、相互に繋がって、Ar1とRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 Xは、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、またはNRcで表される二価の基を示す。Rcは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、または無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。 Aは、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレンオキシ基、無置換のもしくはG3で置換されたオキシC1〜C6アルキレン基、またはカルボニル基を示す。 Baは、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレンオキシC1〜6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC3〜C6シクロアルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC4〜C6シクロアルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換された3〜6員ヘテロシクリレン基、またはNRdで表される二価の基を示す。Rdは、水素原子、C1〜6アルキル基、またはC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。また、BaとRaは、相互に繋がって、BaとRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。 Bbは、無置換のもしくはG4で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC3〜C6シクロアルキレン基、無置換のもしくはG4で置換されたC4〜C6シクロアルケニレン基、無置換のもしくはG4で置換された3〜6員ヘテロシクリレン基、またはカルボニル基を示す。 T1は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−メチル基、1−(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−エチル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基を示す。 T2は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−ホルミル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−C1〜6アルキルカルボニル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル基、または(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 T3は、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールアミノカルボニル−C1〜6アルキル基を示す。 *は、式(II)〜式(VIII)で表される有機基の結合位置を示す。

G1は、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。R1、R2、R3、R4またはRaのうちの2つ以上がG1で置換された前記の基である場合、係るG1は、相互に同じであっても異なってもよい。

G2は、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシC1〜6ハロアルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、C1〜6アルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C1〜6ハロアルキルチオ基、C1〜6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜6ハロアルキルスルホニル基、ペンタフルオロスルファニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールチオ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルフィニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、またはC1〜6ハロアルキレンジオキシ基を示す。R1、R2、R3、R4、Ra、G4、Ar1またはAr2のうちの2つ以上がG2で置換された前記の基である場合、係るG2は、相互に同じであっても異なってもよい。

G21は、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。G2またはG4のうちの2つ以上がG21で置換された前記の基である場合、係るG21は、相互に同じであっても異なってもよい。

G3は、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、またはオキソ基を示す。

G4は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニルオキシC1〜6アルキル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、オキソ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキルオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルキリデン基、C1〜6アルコキシイミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ基、またはC1〜6アルキルヒドラジノ基を示す。

〔2〕 式(I)中のR4が、水素原子またはアリル基である、前記〔1〕に記載の化合物、またはその互変異性体若しくは塩。

〔3〕前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。 〔4〕前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。 〔5〕前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫または殺ダニ剤。 〔6〕前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物、並びにその互変異性体および塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。

本発明に係るピリジン化合物は、有害生物防除、殺菌、殺ダニ、殺虫などの効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない新規化合物である。特に、ムギ病害に対して優れた防除効果を示す。本発明に係るピリジン化合物は、農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫または殺ダニ剤の有効成分として有用である。

本発明に係るピリジン化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)、化合物(I)の互変異性体、および化合物(I)の塩である。

〔R1〕 R1は、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。

C1〜6アルキル基は、直鎖であってもよいし、炭素数が3以上であれば分岐鎖であってもよい。C1〜6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基などを挙げることができる。 C1〜6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。 ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基を挙げることができる。

置換基G1は、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。なお、R1、R2、R3、R4またはRaのうちの2つ以上がG1で置換された基である場合、係るG1は、相互に同じであっても異なってもよい。

C1〜6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。 C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などを挙げることができる。 C1〜6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。 C1〜6アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基などを挙げることができる。 C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などを挙げることができる。 置換基G1における、ハロゲノ基は既に述べたとおりのものである。

〔R2およびR3〕 R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシ基、ホルミルオキシ基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニルオキシ基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、(無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシイミノ)−C1〜6アルキル基、シアノ基、またはハロゲノ基を示す。

R2およびR3における、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ハロゲノ基、および置換基G1は、すでに述べたとおりのものである。 C3〜8シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−アダマンチル基などを挙げることができる。 C1〜6アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基などを挙げることができる。 C6〜10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基などを挙げることができる。 (C1〜6アルコキシイミノ)−C1〜6アルキル基としては、(C1〜6アルコキシイミノ)−C1〜6アルキル基としては、メトキシイミノ−メチル基、1−(エトキシイミノ)−エチル基などを挙げることができる。

置換基G2は、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシC1〜6ハロアルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、C1〜6アルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、C1〜6ハロアルキルチオ基、C1〜6ハロアルキルスルフィニル基、C1〜6ハロアルキルスルホニル基、ペンタフルオロスルファニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールチオ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルフィニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールスルホニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、またはC1〜6ハロアルキレンジオキシ基を示す。 R1、R2、R3、R4、Ra、G4、Ar1またはAr2のうちの2つ以上がG2で置換された基である場合、係るG2は、相互に同じであっても異なってもよい。

置換基G2における、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基、C6〜10アリール基、およびハロゲノ基は既に述べたとおりのものである。

C2〜6アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などを挙げることができる。 C2〜6アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などを挙げることができる。

C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基は、既に述べたC1〜6アルキル基に、上述のC1〜6アルコキシ基が置換したものである。C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基などを挙げることできる。 C3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基は、既に述べたC1〜6アルコキシ基に、上述のC3〜8シクロアルキル基が置換したものである。C3〜8シクロアルキルC1〜6アルコキシ基としては、シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、2−(シクロプロピル)−エトキシ基などを挙げることができる。

C1〜6アルキルカルボニル基は、カルボニル基に、上述のC1〜6アルキル基が結合したものである。C1〜6アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、i−ブチリル基、ピバロイル基などを挙げることができる。

C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基は、アミノ基に、既に述べたC1〜6アルコキシカルボニル基が置換したものである。C1〜6アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基などを挙げることができる。 C6〜10アリールC1〜6アルキル基は、既に述べたC1〜6アルキル基に、上述のC6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールC1〜6アルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。

C6〜10アリールオキシ基は、水酸基に、既に述べたC6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などを挙げることができる。

3〜6員ヘテロシクリル基は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロシクリルであれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。3〜6員ヘテロシクリル基としては、3〜6員飽和へテロシクリル基、5〜6員ヘテロアリール基、5〜6員部分不飽和へテロシクリル基などを挙げることができる。

3〜6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、オキシラニル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。

5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。 6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。

3〜6員ヘテロシクリルオキシ基は、水酸基に、3〜6員ヘテロシクリル基が置換したものである。3〜6員ヘテロシクリルオキシ基としては、ピラゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などを挙げることができる。3〜6員ヘテロシクリルオキシ基は、5〜6員ヘテロシクリルオキシ基が好ましい。

C1〜6アルキルチオ基は、SH基に、C1〜6アルキル基が置換したものである。C1〜6アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、i−プロピルチオ基、i−ブチルチオ基などを挙げることができる。 C1〜6アルキルスルフィニル基は、スルフィニル基に、C1〜6アルキル基が結合したものである。C1〜6アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などを挙げることができる。 C1〜6アルキルスルホニル基は、スルホニル基に、C1〜6アルキル基が結合したものである。C1〜6アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などを挙げることができる。 C6〜10アリールチオ基は、SH基に、C6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールチオ基としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基などを挙げることができる。 C6〜10アリールスルフィニル基は、スルフィニル基に、C6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基などを挙げることができる。 C6〜10アリールスルホニル基は、スルホニル基に、C6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基などを挙げることができる。

C1〜6アルキレン基としては、C1〜6アルカン中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。C1〜6アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基(ジメチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基(すなわち、プロピレン基)などを挙げることができる。 C1〜6アルキレンジオキシ基は、C1〜6アルカン中の水素原子2個がオキシ基で置換されてなる2価の基である。C1〜6アルキレンジオキシ基としては、メチレンジオキシ基(-OCH2O-)、エチレンジオキシ基(-OCH2CH2O-)、トリメチレンジオキシ基などを挙げることができる。G2であるC1〜6アルキレンジオキシ基で置換されたC6〜10アリール基としては、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル基、ベンゾ[1,3]ジオキソリル基などを挙げることができる。

C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜6ハロアルコキシ基、およびC1〜6ハロアルキレンジオキシ基は、すでに述べた、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6アルコキシ基、およびC1〜6アルキレンジオキシ基に、ハロゲノ基が置換したものである。 C1〜6ハロアルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、パーフロロヘキシル基、パークロロヘキシル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基などを挙げることができる。

C2〜6ハロアルケニル基としては、2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などを挙げることができる。 C2〜6ハロアルキニル基としては、4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルコキシ基としては、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−ブトキシ基、1−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルキレンジオキシ基としては、ジフルオロメチレンジオキシ基(-OCF2O-)、テトラフルオロエチレンジオキシ基(-OCF2CF2O-)などを挙げることができる。G2であるC1〜6ハロアルキレンジオキシ基で置換されたC6〜10アリール基としては、2,2,3,3−テトラフルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル基、2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル基などを挙げることができる。

C1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基、C1〜6ハロアルコキシC1〜6ハロアルコキシ基、C1〜6ハロアルキルチオ基、C1〜6ハロアルキルスルフィニル基、およびC1〜6ハロアルキルスルホニル基は、すでに述べた、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルキルチオ基、C1〜6アルキルスルフィニル基、およびC1〜6アルキルスルホニル基に、ハロゲノ基が置換したものである。 C1〜6アルコキシC1〜6ハロアルキル基としては、ジフルオロ(メトキシ)メチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシプロパン−2−イル基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルコキシC1〜6ハロアルコキシ基としては、ジフルオロ(メトキシ)メトキシ基、1,2,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エトキシ基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルキルチオ基としては、トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルキルスルフィニル基としては、トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基などを挙げることができる。 C1〜6ハロアルキルスルホニル基としては、トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基などを挙げることができる。

置換基G21は、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、またはハロゲノ基を示す。これらは既に述べたとおりのものである。G2またはG4のうちの2つ以上がG21で置換された前記の基である場合、係るG21は、相互に同じであっても異なってもよい。

R1とR2は、相互に繋がって、R1およびR2のそれぞれが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。係る5〜6員環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環などを挙げることができる。

〔R4〕 R4は、水素原子、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、ホルミル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC2〜6アルケニルオキシカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルスルホニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノカルボニル基、無置換の若しくはG1で置換された(C1〜6アルキルチオ)カルボニル基、無置換の若しくはG1で置換されたC1〜6アルキルアミノ(チオカルボニル)基、または式(IX)で表される有機基を示す。

R4における、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6アルキルカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルスルホニル基、置換基G1および置換基G2は既に述べたとおりのものである。

C6〜10アリールC1〜6アルキル基は、C1〜6アルキル基に、C6〜10アリール基が置換したものである。C6〜10アリールC1〜6アルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。 3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基は、C1〜6アルキル基に、3〜6員ヘテロシクリル基が置換したものである。3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基としては、好ましくは、テトラヒドロフラニルメチル基、テトラヒドロピラニルメチル基、ジオキソラニルメチル基、ジオキサニルメチル基などの5〜6員飽和ヘテロシクリルC1〜6アルキル基;ピラゾリルメチル基、ピリジルメチル基などの5〜6員ヘテロアリールC1〜6アルキル基を挙げることができる。 C6〜10アリールカルボニル基としては、カルボニル基に、C6〜10アリール基が結合したものである。C6〜10アリールカルボニル基としては、ベンゾイル基などを挙げることができる。

C2〜6アルケニルオキシカルボニル基としては、ビニルオキシカルボニル基、1−プロペニルオキシカルボニル基、2−プロペニルオキシカルボニル基(アリルオキシカルボニル基)などを挙げることができる。 C1〜6アルキルアミノカルボニル基としては、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基などを挙げることができる。 (C1〜6アルキルチオ)カルボニル基としては、(メチルチオ)カルボニル基、(エチルチオ)カルボニル基などを挙げることができる。 C1〜6アルキルアミノ(チオカルボニル)基としては、メチルアミノ(チオカルボニル)基、ジメチルアミノ(チオカルボニル)基などを挙げることができる。

式(IX)中、Gaは、それぞれ独立に、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基を示す。 式(IX)中、Gbは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルキニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC3〜8シクロアルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換のもしくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 式(IX)中、Tは、酸素原子、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニルオキシ基、硫黄原子、(チオ)カルボニル基、カルボニル(チオ)基、(チオ)カルボニルオキシ基、オキシカルボニル(チオ)基、または−O−C(=O)−N(Gb)−で表される二価の基を示す。 *は式(IX)で表される基の結合位置を示す。

式(IX)で表される基の例として、次に示すものが挙げられる。

〔Q〕 Qは、式(II)〜式(VIII)で表される有機基のいずれかを示す。なお、*は、式(II)〜式(VIII)で表される有機基の結合位置を示す。

〈Ra〉 Raは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリール基、またはアミノ基を示す。 RaにおけるC1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、置換基G1および置換基G2はすでに述べたとおりのものである。 Raとしては、水素原子が好ましい。 Ar1とRaは、相互に繋がって、Ar1とRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。Ar1とRaによって成形される5〜6員環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環などを挙げることができる。

〈X〉 Xは、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、または式:NRcで表される二価の基を示す。 ここで、Rcは、水素原子、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキル基、無置換のもしくはG1で置換されたC2〜6アルケニル基、無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルキルカルボニル基、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールカルボニル基、または無置換のもしくはG1で置換されたC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。 RcにおけるC1〜6アルキル基、C6〜10アリール基、C1〜6アルキルカルボニル基、C6〜10アリールカルボニル基、C1〜6アルコキシカルボニル基、置換基G1および置換基G2はすでに述べたとおりのものである。

〈A〉 Aは、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換のもしくはG3で置換されたC1〜C6アルキレンオキシ基、無置換のもしくはG3で置換されたオキシC1〜C6アルキレン基、またはカルボニル基を示す。AにおけるC1〜C6アルキレン基はすでに述べたとおりのものである。

C2〜C6アルケニレン基は、C2〜C6アルケン中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。C2〜C6アルケニレン基としては、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などを挙げることができる。 C2〜C6アルキニレン基は、C2〜C6アルキン中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。C2〜C6アルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基などを挙げることができる。 C1〜C6アルキレンオキシ基としては、メチレンオキシ基(-CH2O-)、エチレンオキシ基(-CH2CH2O-)などが挙げられる。 オキシC1〜C6アルキレン基としては、オキシメチレン基(-OCH2-)、オキシエチレン基(-OCH2CH2-)などが挙げられる。

G3は、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ホルミル基、C1〜6アルキルカルボニル基、ホルミルオキシ基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、またはオキソ基を示す。G3における、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルキルカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲノ基、およびC1〜6アルキレン基はすでに述べたとおりのものである。

〈Ar1〉 Ar1は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基を示す。Ar1におけるC6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、および置換基G2はすでに述べたとおりのものである。

〈Ar2〉 Ar2は、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG2で置換されたC6〜10アリールオキシ基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、または無置換の若しくはG2で置換された3〜6員ヘテロシクリルチオ基を示す。 Ar2における、C6〜10アリール基、C6〜10アリールオキシ基、3〜6員ヘテロシクリル基、3〜6員ヘテロシクリルオキシ基、および置換基G2はすでに述べたとおりのものである。

3〜6員ヘテロシクリルチオ基は、SH基に3〜6員ヘテロシクリル基が置換したものである。3〜6員ヘテロシクリルチオ基としては、好ましくは、ピラゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの「5〜6員ヘテロアリールチオ基」を挙げることができる。

Ar2における「3〜6員ヘテロシクリルオキシ基」としては、好ましくは、ピラゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピラジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基などの「5〜6員ヘテロアリールオキシ基」を挙げることができる。 Ar2における「3〜6員ヘテロシクリルチオ基」としては、好ましくは、ピラゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの「5〜6員ヘテロアリールチオ基」を挙げることができる。

〈Ba〉 Baは、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC2〜C6アルキニレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC1〜C6アルキレンオキシC1〜6アルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC3〜C6シクロアルキレン基、無置換の若しくはG4で置換されたC4〜C6シクロアルケニレン基、無置換の若しくはG4で置換された3〜6員ヘテロシクリレン基、またはNRdで表される二価の基を示す。Rdは、水素原子、C1〜6アルキル基、またはC1〜6アルコキシカルボニル基を示す。 Baにおける、C1〜C6アルキレン基、C2〜C6アルケニレン基、およびC2〜C6アルキニレン基は既に述べたとおりのものである。 Rdにおける、C1〜C6アルキル基、およびC1〜C6アルコキシカルボニル基は既に述べたとおりのものである。 C1〜C6アルキレンオキシC1〜6アルキレン基は、2つのC1〜6アルキレン基が、酸素原子を介して結合してなる基である。C1〜C6アルキレンオキシC1〜6アルキレン基としては、メチレンオキシメチレン基、メチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレン基などを挙げることができる。

C3〜C6シクロアルキレン基は、C3〜C6シクロアルカン中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。C3〜C6シクロアルキレン基としては、シクロプロピレン基(1,2−シクロプロピレン基)、シクロブチレン基(1,2−シクロブチレン基、または1,3−シクロペンチレン基)、シクロペンチレン基(1,2−シクロペンチレン基、または1,3−シクロペンチレン基)、シクロヘキシレン基(1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、または1,4−シクロヘキシレン基)などを挙げることができる。

C4〜C6シクロアルケニレン基は、C3〜C6シクロアルケン中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。C4〜C6シクロアルケニレン基としては、シクロブテニレン基(1,2−シクロブテニレン基、1,3−シクロブテニレン基、1,3−シクロブテニレン基、または3,4-シクロブテニレン基)、シクロペンテニレン基(1,2−シクロペンテニレン基、1,3−シクロペンテニレン基、1,4−シクロペンテニレン基、または1,5-シクロペンテニレン基)、シクロヘキセニレン基(1,2−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロヘキセニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、)などを挙げることができる。 3〜6員ヘテロシクリレン基は、ヘテロ脂環式化合物中の水素原子2個が外れてなる2価の基である。ヘテロ脂環式化合物は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を環の構成原子として含む非芳香族化合物である。

3〜6員ヘテロシクリレン基としては、3〜6員飽和へテロシクリレン基または5〜6員部分不飽和へテロシクリレン基などを挙げることができる。 3〜6員ヘテロシクリレン基としては、ジヒドロフリレン基、テトラヒドロフリレン基、ピロリニレン基、ピロリジニレン基、ピラゾリニレン基、ピラゾリジニレン基、イミダゾリニレン基、イミダゾリジニレン基、オキサゾリニレン基、オキサゾリジニレン基、チアゾリニレン基、チアゾリジニレン基、イソオキサゾリジニレン基、イソチアゾリジニレン基、ジヒドロピラニレン基、テトラヒドロピラニレン基、ピペリジニレン基、ピペラジニレン基、モルホリニレン基などを挙げることができる。なお、特定の実施態様においては、3〜6員ヘテロシクリレン基はC1〜6アルキレン基で、架橋されていてよい。

G4は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニルオキシC1〜6アルキル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニルオキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリール基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリル基、シアノ基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、C1〜6アルキレンジオキシ基、オキソ基、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキルオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールオキシC1〜6アルキル基、無置換の若しくはG21で置換された3〜6員ヘテロシクリルオキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルキリデン基、C1〜6アルコキシイミノ基、無置換の若しくはG21で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ基、またはC1〜6アルキルヒドラジノ基を示す。

G4における、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシC1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキレンジオキシ基、C6〜10アリール基、3〜6員ヘテロシクリル基、ハロゲノ基、C1〜6アルキレン基、および置換基G21は既に述べたとおりのものである。

C2〜6アルケニルオキシ基は、水酸基に、C2〜6アルケニル基が置換したものである。C2〜6アルケニルオキシ基としては、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)などを挙げることができる。 C2〜6アルケニルオキシC1〜6アルキル基は、C1〜6アルキル基に、C2〜6アルケニルオキシ基が置換したものである。C2〜6アルケニルオキシC1〜6アルキル基としては、ビニルオキシメチル基、アリルオキシメチル基などを挙げることができる。 C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基としては、シクロプロピルメチル基、シクロペンチルメチル基などを挙げることができる。 C6〜10アリールC1〜6アルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。

3〜6員ヘテロシクリルC1〜6アルキル基としては、好ましくは、テトラヒドロフラニルメチル基、テトラヒドロピラニルメチル基、ジオキソラニルメチル基、ジオキサニルメチル基などの5〜6員飽和ヘテロシクリルC1〜6アルキル基;ピラゾリルメチル基、ピリジルメチル基などの5〜6員ヘテロアリールC1〜6アルキル基を挙げることができる。 C3〜8シクロアルキルオキシC1〜6アルキル基としては、シクロプロピルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基などを挙げることができる。

C6〜10アリールオキシC1〜6アルキル基としては、フェノキシメチル基、ナフチルオキシメチル基などを挙げることができる。

3〜6員ヘテロシクリルオキシC1〜6アルキル基としては、好ましくは、ピラゾリルオキシメチル基、ピリジルオキシメチル基などの5〜6員ヘテロアリールメチル基を挙げることができる。 C1〜6アルキリデン基としては、メチリデン基、プロパン−2−イリデン基などを挙げることができる。 C1〜6アルコキシイミノ基としては、メトキシイミノ基(MeO-N=)、エトキシイミノ基(EtO-N=)などを挙げることができる。 C6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ基としては、ベンジルオキシイミノ基(BnO-N=)などを挙げることができる。 C1〜6アルキルヒドラジノ基としては、メチルヒドラジノ基(MeNH-N=)、エチルヒドラジノ基(EtNH-N=)などを挙げることができる。

また、BaとRaは、相互に繋がって、BaとRaが結合する炭素原子とともに5〜6員環を形成してもよい。BaとRaによって形成される5〜6員環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環などを挙げることができる。

〈T1〜T3〉 T1は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−メチル基、1−(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−エチル基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基を示す。 T2は、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−ホルミル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−C1〜6アルキルカルボニル−アミノ基、(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル基、または(無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルキル)−3〜6員ヘテロシクリル基を示す。 T3は、無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールC1〜6アルコキシ基、または無置換のもしくはG2で置換されたC6〜10アリールアミノカルボニル−C1〜6アルキル基を示す。

T1における「(C6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−メチル基」としては、ベンジルオキシイミノ−メチル基などを挙げることができる。 T1における「1−(C6〜10アリールC1〜6アルコキシイミノ)−エチル基」としては、1−(ベンジルオキシイミノ)−エチル基などを挙げることができる。 T1における「C6〜10アリールC1〜6アルコキシ基」としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、2−フェニル−1−メチルプロポキシ基などを挙げることができる。

T2における「(C6〜10アリールC1〜6アルキル)−アミノ基」としては、ベンジルアミノ基などを挙げることができる。 T2における「(C6〜10アリールC1〜6アルキル)−ホルミル−アミノ基」としては、ベンジル−ホルミルアミノ基などを挙げることができる。 T2における「(C6〜10アリールC1〜6アルキル)−C1〜6アルキルカルボニル−アミノ基」としては、ベンジル−アセチルアミノ基などを挙げることができる。 T2における「(C6〜10アリールC1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル基」としては、ベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシ−1−メチルプロピル基などを挙げることができる。 T2における「(C6〜10アリールC1〜6アルキル)−3〜6員ヘテロシクリル基」としては、1−ベンジル−ピロリジン−3−イル基などを挙げることができる。

T3における「C6〜10アリールC1〜6アルコキシ基」としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、2−フェニル−1−メチルプロポキシ基などを挙げることができる。 T3における「C6〜10アリールアミノカルボニル−C1〜6アルキル基」としては、1−フェニルカルバモイル−2−メチルプロピル基などを挙げることができる。

本発明に係るピリジン化合物には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形なども含まれる。さらに、本発明に係るピリジン化合物は、不斉炭素原子、二重結合などに基づく立体異性体およびそれらの混合物、互変異性体を包含する。

〔互変異性体〕 本発明に係るピリジン化合物は、R4が水素原子である場合、以下に示す互変異性体 ピリジン−4−オン化合物を生じる。なお、式中のR1、R2、R3、およびQは、式(I)中の規定と同様の意味を示す。本発明は、当該互変異性体 ピリジン−4−オン化合物を包含する。

〔立体異性体〕 本発明は、同一の構造式で表される化合物であるが、構造中の原子または置換基の空間的配置が異なる化合物、例えば、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体などの全ての立体異性体を包含する。立体異性体は、単一物であっても混合物であってもよい。

〔塩〕 本発明に係る化合物(I)の塩としては、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩;酢酸、乳酸などの有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩などを挙げることができる。化合物(I)の塩は、化合物(I)から公知の手法によって得ることができる。

〔製造中間体〕 式(I)中のR4が、水素原子またはアリル基である化合物は、本発明においては、製造中間体として有用である。

逆合成の概念を示す上記の式中、R4aは、上記のR4のうちで、水素原子およびアリル基以外の有機基を示す。R1〜R3、およびQは、上記の規定と同様の意味を示す。 式(A)で表される化合物は、化合物(I)のうちで、R4が、水素原子およびアリル基以外の有機基である化合物を示す(以下、化合物(A)と言うことがある。)。 式(B)で表される化合物は、化合物(I)のうちで、R4が、水素原子である化合物を示し(以下、化合物(A)と言うことがある。)、化合物(B)は、化合物(A)を製造する際の製造中間体となりうる。 化合物(A)は、式:R4a−Lで表される試薬、式:(R4a)2Oで表される試薬などを用いることで、化合物(B)から製造できる。ここで、Lは、ハロゲノ基などの脱離基を示す。 式(C)で表される化合物は、化合物(I)のうちで、R4が、アリル基である化合物を示し(以下、化合物(C)と言うことがある。)、化合物(C)は、化合物(B)を製造する際の製造中間体となりうる。 化合物(B)は、通常のアリル基の脱保護法、例えば、接触還元法、パラジウム触媒(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムやジベンジリデンアセトンパラジウムを用いる方法により、化合物(C)から製造できる。

〔農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤〕 本発明の農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤は、化合物(I)化合物(I)の互変異性体若しくは化合物(I)の塩(以下、これらを「本発明化合物」ということがある。)から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有するものである。

本発明の農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤は、剤型によって特に限定されない。たとえば、水和剤、乳剤、水溶剤、顆粒水和剤、粉剤、錠剤などの剤型を挙げることができる。製剤への調製方法は、特に制限されず、剤形に応じて公知の調製方法を採用することができる。

本発明の農園芸用殺菌剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対し優れた殺菌力を有する。

本発明の殺虫若しくは殺ダニ剤は、植物の生育に影響する各種の農業害虫およびダニ類などの有害生物の防除効果に優れている。本発明の殺虫若しくは殺ダニ剤は、感受性系統のみならず、従来の薬剤、たとえば、有機リン剤やカーバメート剤に対する抵抗性が発達した系統の害虫にも有効である。抵抗性系統の害虫の代表例としては、コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシなどを挙げることができる。

本発明の有害生物防除剤は、農業害虫、ダニ類以外の有害生物の防除に効果を示す。有害生物として、たとえば、外部寄生虫、衛生害虫などを挙げることができる。

本発明の農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤が、対象とし得る植物としては、穀物類、野菜類、根菜類、イモ類、樹木類、牧草類、芝類などを挙げることができる。 本発明の農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤は、植物類の各部位、たとえば、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などに施用することができる。また、これら植物類の改良品種・変種、栽培品種、さらには突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)を対象とすることもできる。

本発明の農園芸用殺菌剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物に発生する種々の病害の防除をするために行われる種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。

〔外部寄生虫防除剤〕 本発明化合物は、人獣に害を及ぼす外部寄生虫の防除効果に優れている。また、薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い化合物である。そのため、外部寄生虫防除剤の有効成分として有用である。 外部寄生虫としては、ダニ類、シラミ類、ノミ類などが挙げられる。 本発明の外部寄生虫防除剤の処理の対象となる宿主動物としては、イヌ、ネコなどの愛玩動物;愛玩鳥;ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの家畜;家禽; などの温血動物が挙げられる。その他にも、ミツバチが挙げられる。 外部寄生虫は、宿主動物、特には温血動物の中および上に寄生する。詳しくは、宿主動物の背、脇下、下腹部、内股部などに寄生して動物から血液やフケなどの栄養源を得て生息する。 本発明の外部寄生虫防除剤は、公知の獣医学的な手法(局所、経口、非経口または皮下投与)で施用することができる。その方法として、錠剤、カプセル、飼料混入などにより動物に経口的に投与する方法; 浸漬液、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)などにより動物に投与する方法; 油性または水性液剤を噴霧、ポアオン、スポットオンなどにより局所的に投与する方法; 樹脂に外部寄生虫防除剤を練り込み、前記混練物を首輪、札などの適当な形状に成形し、それを動物に装着し局所的に投与する方法; などが挙げられる。

本発明の農園芸用殺菌剤、有害生物防除剤、および殺虫若しくは殺ダニ剤は、殺菌、殺虫・殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫などの効果を有する他の農園芸用薬剤; 植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などと混用または併用してもよい。

次に、製剤実施例を若干示す。なお、以下に示す製剤処方は単なる例示であり、本発明の主旨に反しない範囲で修正することができ、本発明は以下の製剤実施例によって何ら制限されるものではない。「部」は特段の断りが無い限り「質量部」を意味する。

(製剤1:水和剤) 本発明化合物 40部 珪藻土 53部 高級アルコール硫酸エステル 4部 アルキルナフタレンスルホン酸塩 3部 以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得た。

(製剤2:乳剤) 本発明化合物 30部 キシレン 33部 ジメチルホルムアミド 30部 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 7部 以上を混合溶解して、有効成分30%の乳剤を得た。

(製剤3:粒剤) 本発明化合物 5部 タルク 40部 クレー 38部 ベントナイト 10部 アルキル硫酸ソーダ 7部 以上を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5〜1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。

(製剤4:粒剤) 本発明化合物 5部 クレー 73部 ベントナイト 20部 ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部 リン酸カリウム 1部 以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。

(製剤5:懸濁剤) 本発明化合物 10部 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部 ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部 グリセリン 10部 キサンタンガム 0.2部 水 73.8部 以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。 以下に外部寄生虫防除剤の製剤処方を示す。

(製剤6:顆粒) 本発明化合物 5部 カオリン 94部 ホワイトカーボン 1部 本発明化合物を有機溶媒中で溶解させ、担体上へ噴霧した後、溶媒を減圧下蒸発させる。この種の顆粒は動物の餌と混合できる。

(製剤7:注入剤) 本発明化合物 0.1〜1部 ラッカセイ油 バランス 調製後は、滅菌フィルターによりろ過滅菌する。

(製剤8:ポアオン剤) 本発明化合物 5部 ミリスチン酸エステル 10部 i−プロパノール バランス

(製剤9:スポットオン剤) 本発明化合物 10〜15部 パルミチン酸エステル 10部 i−プロパノール バランス

(製剤10:スプレーオン剤) 本発明化合物 1部 プロピレングリコール 10部 i−プロパノール バランス

次に、化合物実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の化合物実施例によって何ら制限されるものではない。

〔実施例1〕 メチル[2,3,6−トリメチル−5−[[4−(4−トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]−4−ピリジル]カーボネートの製造 (工程1) 4−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルニコチン酸エチルの合成

3−アミノクロトン酸エチル45gおよび2−メチルアセト酢酸エチル50gをキシレン100mlに溶解させた。この溶液を一晩加熱還流した。次いで、反応液を室温まで冷却して、析出した結晶をろ過、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、目的化合物24.2g(収率33%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.21(3H,t),2.14(3H,s),2.46(3H,s),2.71(3H,s),4.45(2H,q),12.14(3H,s)

(工程2) 4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチルニコチン酸エチルの合成 4−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルニコチン酸エチル12.2gをアセトニトリル120mlに溶解させた。この溶液に、炭酸カリウム16.1gを加え、次いで臭化アリル14.1gを加え、8時間加熱還流した。次いで、反応液を室温まで冷却し、水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して、目的化合物10.0g(収率77%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.36(3H,t),2.15(3H,s),2.46(6H,s),4.35-4.40(5H,m),5.25-5.39(2H,m),5.92-6.11(1H,m)

(工程3) (4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−メタノールの合成 水素化リチウムアルミニウム2.8gをテトラヒドロフラン300mlに加えた。この液に、氷冷下、4−メトキシ−2,5,6−トリメチルニコチン酸エチル10.0gを滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。その後、反応液を氷冷し、未反応の水素化リチウムナトリウムが分解されるまで水を加えた。次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去して、目的化合物7.9g(収率97%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.18(3H,s),2.45(3H,s),2.56(3H,s),4.38(2H,d),4.70(2H,s),5.25-5.39(2H,m),5.92-6.11(1H,m)

(工程4) 4−アリルオキシ−3−(クロロメチル)−2,5,6−トリメチルピリジンの合成 (4−メトキシ−2,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−メタノール7.9gをジクロロメタン100mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、塩化チオニル9.0gを滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。その後、反応液を飽和重曹水に注加し、次いでジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して、目的化合物7.7g(収率90%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.16(3H,s),2.46(3H,s),2.57(3H,s),4.42(2H,d),4.67(2H,s),5.32-5.49(2H,m),6.06-6.14(1H,m)

(工程5) 4−アリルオキシ−2,3,6−トリメチル−5−[[4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]ピリジンの合成

4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキサノール5.24gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解させた。この溶液に氷冷下で55%水素化ナトリウム2.2gを加えた。次いで、室温で1時間攪拌した。得られた反応液に、氷冷下で、4−アリルオキシ−3−(クロロメチル)−2,5,6−トリメチルピリジン6.82gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10ml)を滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌、次いで50℃で一晩攪拌した。得られた反応液を氷水に注加し、次いでジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物7.39g(収率82%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.38-1.51(4H,m),1.88-2.26(7H,m),2.44-2.55(7H,m),3.37-3.48(1H,m),4.39(2H,d),4.55(2H,s),5.29-5.46(2H,m),6.04-6.14(1H,m),7.10-7.21(4H,m)

(工程6) 2,3,6−トリメチル−5−[[4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]メチル]ピリジン−4−オールの合成 4−アリルオキシ−2,3,6−トリメチル−5−[[4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]ピリジン0.5gをメタノール10mlに溶解させた。この溶液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03g、および炭酸カリウム0.31gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、次いでクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的化合物0.4g(収率88%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.31-1.49(2H,m),1.84-2.55(14H,m),3.33-3.42(1H,m),4.59(2H,s),7.08-7.17(4H,m)

(工程7) メチル[2,3,6−トリメチル−5−[[4−(4−トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]−4−ピリジル]カーボネートの合成

2,3,6−トリメチル−5−[[4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]シクロヘキソキシ]メチル]ピリジン−4−オール0.4gをクロロホルム10mlに溶解させた。この溶液にトリエチルアミン0.12gを加えた。その後、氷冷下、クロロギ酸メチル0.11gを加えた。室温で一晩撹拌した。得られた反応液を飽和重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物0.41g(収率90%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.31-1.51(2H,m),1.89-2.58(14H,m),3.29-3.37(1H,m),3.91(3H,s),4.52(2H,s),7.10-7.20(4H,m)

〔実施例2〕 3−[[2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−メチルプロピリデン]アミノ]オキシメチル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]アセテートの製造 (工程1) 2−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メトキシ]イソインドリン−1,3−ジオンの合成

N−ヒドロキシフタルイミド3.73gと4−アリルオキシ−3−(クロロメチル)−2,5,6−トリメチルピリジン4.29gをN,N−ジメチルホルムアミド100mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下で、トリエチルアミン4.22gを加えた。室温で一晩攪拌した。得られた反応液を氷水に注加した。析出した結晶をろ過、乾燥させて、目的化合物4.54g(収率68%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.17(3H,s),2.48(3H,s),2.75(3H,s),4.63(2H,d),5.29(2H,s),5.31-5.54(2H,m),6.13-6.25(1H,m),7.74-7.83(4H,m)

(工程2) O−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メチル]ヒドロキシルアミンの合成

2−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メトキシ]イソインドリン−1,3−ジオン2.00gをジクロロメタン40mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下で、メチルヒドラジン0.53gを加え、0℃で2時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、濾液を減圧濃縮して目的化合物1.43g(収率100%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.16(3H,s),2.46(3H,s),2.57(3H,s),4.38(2H,d),4.75(2H,s),5.29-5.45(2H,m),6.04-6.14(1H,m)

(工程3) N−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メトキシ]−3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブタン−2−イミンの合成

なお、化学式中のオキシム部の炭素−窒素二重結合を表わす交差した二本線は、E配向および/またはZ配向が存在することを示している。

3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブタン−2−オン1.11gをジクロロメタン10mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下で、O−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メチル]ヒドロキシルアミン0.54gおよびトリフルオロ酢酸数滴を加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応液から溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物0.97g(収率76%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.39-1.57(3H,m),1.73(3H,m),2.10-2.47(9H,m),4.32-4.41(2H,m),4.96-5.58(5H,m),5.97-6.13(1H,m),7.19-7.46(3H,m)

(工程4) 3−[[2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−メチルプロピリデン]アミノ]オキシメチル]−2,5,6−トリメチル−ピリジン−4−オールの合成 N−[(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)メトキシ]−3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブタン−2−イミン0.97gをメタノール20mlに溶解させた。この溶液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.022gおよび炭酸カリウム0.78gを加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的化合物0.82g(収率92%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.39-1.53(3H,m),1.67-1.73(3H,m),2.00-2.28(9H,m),4.91-5.58(3H,m),7.18-7.40(3H,m)

(工程5) [3−[[2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−メチルプロピリデン]アミノ]オキシメチル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]アセテートの合成

3−[[2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]−1−メチルプロピリデン]アミノ]オキシメチル]−2,5,6−トリメチル−ピリジン−4−オール0.82gをクロロホルム10mlに溶解させた。この溶液にトリエチルアミン0.21gを加えた。次いで、氷冷下、塩化アセチル0.17gを加えた。室温で一晩撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、目的化合物0.65g(収率72%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.39-1.53(3H,m),1.67-1.73(3H,m),2.03-2.50(12H,m),4.91-5.52(3H,m),7.21-7.44(3H,m)

(実施例3) [3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]メチルカーボネートの製造 (工程1) 4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチルピリジン−3−カルバルデヒドの合成

(4−メトキシ−2,5,6−トリメチルピリジン−3−イル)−メタノール7.9gをベンゼン90mlに溶解させた。この溶液に、二酸化マンガン15.2gを加え、一晩加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、セライトろ過した。ろ液を減圧濃縮して、目的化合物5.98g(収率77%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.20(3H,s),2.51(3H,s),2.73(3H,s),4.42(2H,d),5.25-5.39(2H,m),5.92-6.11(1H,m),10.48(1H,s)

(工程2) エチル(E)−3−(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)プロプ−2−エノエートの合成

ジエチルホスホノ酢酸エチル8.2gをテトラヒドロフラン80mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、60%水素化ナトリウム1.4gを加えた。0℃で30分間攪拌した。その後、4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチルピリジン−3−カルバルデヒド5.0gを滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。得られた反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物4.21g(収率64%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.33(3H,t),2.17(3H,s),2.46(3H,s),2.57(3H,s),4.23-4.28(4H,m),5.28-5.40(2H,m),5.96-6.05(1H,m),6.54(1H,d),7.80(1H,d)

(工程3) (E)−3−(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)プロプ−2−エン−1−オールの合成 エチル(E)−3−(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)プロプ−2−エノエート4.21gをジクロロメタン100mlに溶解させた。この溶液に、寒剤冷却下、1N水素化ジイソブチルアルミニウムトルエン溶液30mlを滴下した。滴下終了後、0℃で2時間攪拌した。その後、反応液を水酸化ナトリウム水溶液に注加した。ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して、目的化合物3.3g(収率96%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.16(3H,s),2.44(3H,s),2.48(3H,s),4.24-4.33(4H,m),5.22-5.40(2H,m),5.97-6.06(1H,m),6.28-6.37(1H,m),6.58(1H,d)

(工程4) 4−アリルオキシ−3−[(E)−3−ブロモプロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジンの合成 (E)−3−(4−アリルオキシ−2,5,6−トリメチル−3−ピリジル)プロプ−2−エン−1−オール3.58gをジクロロメタン70mlに溶解させた。この溶液に、氷冷下、四臭化炭素5.34gおよびトリフェニルホスフィン4.22gを加え、室温で一晩攪拌した。得られた反応液から溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物3.5g(収率79%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.15(3H,s),2.44(3H,s),2.50(3H,s),4.15(3H,d),4.26(2H,d),5.24-5.41(2H,m),5.99-6.08(1H,m),6.39-6.47(1H,m),6.24(1H,d)

(工程5) 4−アリルオキシ−3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジンの合成

2,4−ビストリフルオロメチルベンジルアルコール0.73gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlおよびテトラヒドロフラン5mlからなる混合溶媒に溶解させた。この溶液に、氷冷下、60%水素化ナトリウム0.13gを加えた。室温で30分間攪拌した。得られた反応液に、氷冷下で、4−アリルオキシ−3−[(E)−3−ブロモプロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジン0.6gを滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、目的化合物0.6g(収率65%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.16(3H,s),2.44(3H,s),2.50(3H,s),4.26-4.29(4H,m),4.81(2H,s),5.18-5.38(2H,m),5.95-6.05(1H,m),6.24-6.68(2H,m),7.81-7.95(3H,m)

(工程6) 3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジン−4−オールの合成 4−アリルオキシ−3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジン0.52gをメタノール10mlに溶解させた。この溶液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.01gおよび炭酸カリウム0.31gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。分液して、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄して、目的化合物0.35g(収率82%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.00(3H,s),2.27(3H,s),2.36(3H,s),4.24(2H,d),4.77(2H,s),6.57-7.03(2H,m),7.79-7.95(3H,m)

(工程7) [3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]メチルカーボネートの合成

3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジン−4−オール0.15gをクロロホルム10mlに溶解させた。この溶液にトリエチルアミン0.07gを加えた。次いで、氷冷下で、クロロギ酸メチル0.07gを加えた。得られた液を室温で一晩撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物0.14g(収率81%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 2.11(3H,s),2.49(3H,s),2.50(3H,s),3.83(3H,s),4.25(2H,d),4.80(2H,s),6.08-6.54(2H,m),7.82-7.95(3H,m)

(実施例4) [3−[3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロピル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]メチルカーボネートの製造 (工程1) 3−[3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロピル]−2,5,6−トリメチルピリジン−4−オール

3−[(E)−3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロプ−1−エニル]−2,5,6−トリメチルピリジン−4−オール0.2gをメタノール20mlに溶解させた。この溶液に10%パラジウム炭素0.02gを加え、水素雰囲気下、室温で一晩攪拌した。反応液をセライト濾過した。濾液を減圧濃縮して、目的化合物0.2g(収率100%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.82-1.92(2H,m),2.00(3H,s),2.24(3H,s),2.27(3H,s),2.59-2.64(2H,m),3.57-3.60(2H,m),4.71(2H,s),7.78-7.95(3H,m)

(工程2) [3−[3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロピル]−2,5,6−トリメチル−4−ピリジル]メチルカーボネートの合成

3−[3−[[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]プロピル]−2,5,6−トリメチルピリジン−4−オール0.23gをクロロホルム10mlに溶解させた。この溶液にトリエチルアミン0.11gを加えた。次いで、氷冷下で、クロロギ酸メチル0.1gを加えた。得られた液を室温で一晩撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して、目的化合物0.16g(収率60%)を得た。 1H-NMR(CDCl3,δppm) 1.81-1.89(2H,m),2.06(3H,s),2.47(3H,s),2.51(3H,s),2.64-2.69(2H,m),3.56-3.60(2H,m),3.84(3H,s),4.73(2H,s),7.80-7.92(3H,m)

上記の実施例と同様の方法で製造した化合物を表1〜表13に示す。併せて、化合物の物性データを「物性」の欄に記載した。物性データとしては、融点〔mp(℃)〕またはその性状を記載した。

表1は、式(I-1)で表される化合物における置換基を示す。 なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。化合物中のイミンの二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」、および両配置が混合している場合を「EZ」と示す。

表1中のA-12とA-13は立体異性体である。表1中の、A-17とA-18、A-21とA-22、A-23とA-24は、立体異性体である。

表2は、式(I-2)で表される化合物における置換基を示す。 なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。A中の二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」と表記する。

表3は、式(I-3)で表される化合物における置換基を示す。なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。A中の二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」と表記する。

表4は、式(I-4)で表される化合物における置換基を示す。なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。化合物中のイミンの二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」、および両配置が混合している場合を「EZ」と表記する。

表5は、式(I-5)で表される化合物における置換基を示す。なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。Bbが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はXと結合する炭素を示し、**の付された炭素はAr2と結合する炭素を示す。A中の二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」と表記する。 化合物E-5〜E-51、E-58、E-59、E-110〜E-114、E-116、E-159、またはE-160において、Bb中の1,4−シクロへキシレンの立体配置が、トランス配置である場合を「trans」、シス配置である場合を「cis」と表記する。 化合物E-63、E-66、E-119、E-122、またはE-162におぴて、Bb中の架橋部分と、*または**を付した炭素上の置換基の立体配置が、シス配置である場合を「cis」と表記する。

表6は、式(I-6)で表される化合物における置換基を示す。 化合物中のイミンの二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」、および両配置が混合している場合を「EZ」と示す。

表7は、式(I-7)で表される化合物における置換基を示す。なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。

表8は、式(I-8)で表される化合物における置換基を示す。化合物中のイミンの二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」、および両配置が混合している場合を「EZ」と表記する。

表9は、式(I-9)で表される化合物における置換基を示す。なお、Aが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はピリジンと結合する炭素を示す。Bbが非対称な部分構造の場合、構造式中の*の付された炭素はXと結合する炭素を示す。 化合物I-2〜I-8、I-36〜I-38、またはI-40においてBb中の1,4−シクロへキシレンの立体配置が、トランス配置である場合を「trans」、シス配置である場合を「cis」と表記する。

表10は、式(I-10)で表される化合物における置換基を示す。化合物中のイミンの二重結合が、E配置である場合を「E」、Z配置である場合を「Z」、および両配置が混合している場合を「EZ」と表記する。

表11は、式(I-11)で表される化合物における置換基を示す。 なお、T2における構造式中の*の付された炭素は酸素と結合する炭素を示す。

表12は、式(I-11)で表される化合物における置換基を示す。

上記の表1〜表13に記載した化合物のいくつかについて、1H−NMRデータを、表14に示す。

〔生物試験〕 本発明化合物が、殺虫剤または殺ダニ剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。

(試験例1)ハスモンヨトウに対する効力確認試験 本発明化合物5質量部、ジメチルホルムアミド93.6質量部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.4質量部を混合溶解して、有効成分5%の乳剤を調製した。 該乳剤を水で希釈して化合物濃度125ppmの薬剤を得た。その薬液にキャベツ葉を30秒間浸漬し、次いで風乾した。その後、ろ紙を敷いたシャーレにキャベツ葉を入れ、ハスモンヨトウ2齢幼虫5頭を接種した。ガラス蓋をして、温度25℃、湿度65%の恒温恒湿室内に置き、5日間放置した。その後、ハスモンヨトウの生死を調べ、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。 表15に示す化合物についてハスモンヨトウに対する効力確認試験を行った。いずれの化合物も殺虫率が100%であった。

(試験例2)ワタアブラムシに対する効力確認試験 試験例1と同じ方法で調製した乳剤を水で希釈して化合物濃度125ppmの薬液を得た。3寸鉢にキュウリを播種した。発芽から10日間経過したキュウリの第一本葉上に、ワタアブラムシ雌成虫を接種した。接種から1日間経過した日に雌成虫を除去し、産下された若虫が寄生するキュウリに、前記薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温恒湿室内に5日間置いた。その後、ワタアブラムシの生死を調べ、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。 表16に示す化合物についてワタアブラムシに対する効力確認試験を行った。いずれの化合物も殺虫率が100%であった。

(試験例3)ナミハダニに対する効力確認試験 試験例1と同じ方法で調製した乳剤を水で希釈して化合物濃度125ppmの薬液を得た。3寸鉢にインゲンを播種した。発芽から10日間が経過したインゲンの第一本葉上に、ナミハダニ雌成虫10頭接種した。接種から1日間経過した日に前記薬液を散布した。温度25℃、湿度65%の恒温恒湿室内に置き、散布から3日間経過した日にナミハダニの生死を調べ、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。 表17に示す化合物についてナミハダニに対する効力確認試験を行った。いずれの化合物も殺虫率が100%であった。

本発明化合物が、農園芸用殺菌剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。

(試験例4)コムギうどんこ病防除試験 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート1.5%を含有するジメチルホルムアミド溶液95質量部に本発明化合物5質量部を溶解させて有効成分5%の乳剤を調製した。 前記の乳剤をポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.02%を含有する水溶液で希釈して、化合物濃度100ppmの薬液を得た。続いて、該薬液を、素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「チホク」、1.0〜1.2葉期)に散布した。葉を風乾させた。その後、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis f.sp.tritici)の分生胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で7日間保持した。葉上の病斑出現状態を調査した。無処理区との比較で防除価を算出した。 表18に示す化合物についてコムギうどんこ病防除試験を行った。いずれの化合物も防除価が75%以上であった。

(試験例5)コムギ赤さび病防除試験 試験例4と同じ方法で乳剤を調製した。該乳剤をポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.02%を含有する水溶液で希釈して、化合物濃度100ppmの薬液を得た。該薬液を、素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1.0〜1.2葉期)に散布した。葉を風乾させた。その後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で10日間保持した。葉上の病斑出現状態を調査した。無処理区との比較から防除価を算出した。 表19に示す化合物についてコムギ赤さび病防除試験を行った、いずれの化合物も防除価が75%以上であった。

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