Production process of ground cement

申请号 JP33211199 申请日 1999-11-22 公开(公告)号 JP2001151542A 公开(公告)日 2001-06-05
申请人 Yozo Yamamoto; 洋三 山本; 发明人 YAMAMOTO YOZO; YAMAMOTO KATSUMI; SUEMATSU TADASHI; YANAGAWA YASUSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a cement grinding process, highly durable ready-mixed concrete and a ground cement production process and in particular, to provide a cement grinding technique which enables efficient grinding of cement into ground cement whose particles have roundness and minuter particle size, by using, as a raw material cement, cement conventionally available as a commercial product, mixing the raw material cement with a processing material and agitating the resulting mixture.
SOLUTION: This production process comprises mixing raw material cement with a processing material (such as clinker, limestone or crushed stone) having particle size larger than the average particle size of the raw material cement.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 原料セメントと、この原料セメントの分布平均粒径よりも大きな粒径の加工材とを混合攪拌することを特徴としたセメント摩砕方法。
  • 【請求項2】 請求項1記載のセメント摩砕方法において、加工材がクリンカであるセメント摩砕方法。
  • 【請求項3】 請求項1記載のセメント摩砕方法において、加工材が石灰石又は砕石であるセメント摩砕方法。
  • 【請求項4】 請求項1記載のセメント摩砕方法において、加工材が金属又は高強度プラスチック又はセラミックであるセメント摩砕方法。
  • 【請求項5】 原料セメントと、この原料セメントの分布平均粒径よりも大きな粒径の生コンクリート用骨材とを混合攪拌して得られた摩砕セメント又は/及び摩砕骨材を用いて製造されていることを特徴とした高耐久生コンクリート。
  • 【請求項6】 請求項5記載の高耐久生コンクリートにおいて、生コンクリート用骨材が石灰石又は砕石である高耐久生コンクリート。
  • 【請求項7】 クリンカを粉砕してセメントに加工するクリンカ破砕工程を備え、このクリンカ破砕工程に引き続きセメント摩砕工程が設けられた摩砕セメント製造方法であって、 クリンカ破砕工程では、セメントの分布平均粒径よりも大きなクリンカ粒子がセメントに混在する状態にクリンカを破砕し、このクリンカ破砕工程で破砕されたクリンカ粒子とセメントを引き続きセメント摩砕工程で混合攪拌することを特徴とした摩砕セメント製造方法。
  • 【請求項8】 請求項7記載の摩砕セメント製造方法において、セメント摩砕工程で既成のセメントを供給するようにした摩砕セメント製造方法。
  • 【請求項9】 原料石灰微粉末と、この原料石灰微粉末の分布平均粒径よりも大きな粒径の石灰石とを混合攪拌することを特徴とした石灰摩砕方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、流動性に優れた高耐久生コンクリートを製造する際に、その材料として使用される摩砕セメントを得るために用いられるセメント摩砕方法、並びにこのセメント摩砕方法によって得られた摩砕セメントや摩砕骨材を用いて製造される高耐久生コンクリート、並びに摩砕セメント製造方法、並びにコンクリート用混和材として使用する石灰の摩砕方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】流動性に優れた生コンクリートは、打ち込み作業に際し、その流動性によって型枠の隅々にまで容易かつ確実に充填できることから、打ち込み作業の簡略化、コンクリート構造物の信頼性の向上など多くの利点があり、今後の需要がますます増大すると予想される。

    【0003】セメント(ポルトランドセメント)は、通常、石灰及び粘土を適当の割合で混合し、この一部が溶融するまで焼成し、得られたクリンカに適当の石膏を加え、これをボールミル等で粉砕して製造される。 このようにして製造された製品としてのセメントは、分布平均粒径が14μという極微細な粉体であるが、電子顕微鏡等で拡大すると、表面はまさに凸凹状態であり、荒々しく、これをそのまま用いた場合、流動性に優れた生コンクリートを得ることができない。

    【0004】従来、流動性に優れた生コンクリートに使用されるセメントとしては、例えば、通常のセメント(ポルトランドセメント等)に単独で混和材(フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰微粉末、シリカフューム等)を混合するか、あるいは始めから混和材が混合されている二成分セメントや三成分セメントが知られている。 そして、これらの混和材によって流動性が向上すると共に、高密度、高耐久性のコンクリートが得られている。 このように、従来では、流動性に優れた生コンクリートを製造するには、混和材を混合することが不可欠であるため、価格面や混合手間等の面で不利になるという問題があった。

    【0005】尚、セメント粒子を球状に加工して、そのベアリング効果によって流動性を向上させる技術として、例えば、特開平2−311338号公報に開示された高速気流中衝撃装置「商品名・ナラ−ハイブリタイザー」(株式会社・奈良機械製作所製)が提案されている。 この高速気流中衝撃装置は、原料セメントがリング状衝突室に供給されると、回転板と、これに取り付けられたブレードの回転により、原料セメントがリング状衝突室内を回転しながら飛散し、リング状ステータの表面に設けられた多数の溝と前記ブレードとの間で衝突を繰り返すように構成されていた。 即ち、この装置は、セメント単体を装置に供給し、これを衝突させて球状化させるもので、セメントと加工材とを混合攪拌させるといった機能はない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、通常、
    製品として流通使用されているセメントを原料セメントとし、この原料セメントと加工材とを混合攪拌することにより、原料セメントと加工材との擦れによる研摩作用と、原料セメントの衝突による破砕作用を併せ行わせることができるようにして、効率よくセメント粒子に丸みを帯びさせると共に、微小化させた摩砕セメントに加工できるようにしたセメント摩砕方法を提供することを課題としている。 加えて、このセメント摩砕方法によって得られた摩砕セメントや摩砕骨材を用いることにより、
    流動性に優れた高耐久生コンクリートを提供することを課題としている。 加えて、このセメント摩砕方法を組み込んだ摩砕セメント製造方法を提供することを課題としている。 加えて、コンクリート用混和材として使用される石灰の摩砕方法を提供することを課題としている。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)のセメント摩砕方法は、原料セメントと、この原料セメントの分布平均粒径よりも大きな粒径の加工材とを混合攪拌する構成とした。

    【0008】このセメント摩砕方法において、加工材がクリンカである態様(請求項2)、加工材が石灰石又は砕石であるる態様(請求項3)、加工材が金属又は高強度プラスチック又はセラミックであるる態様(請求項4)がある。

    【0009】又、本発明(請求項5)の高耐久生コンクリートは、原料セメントと、この原料セメントの分布平均粒径よりも大きな粒径の生コンクリート用骨材(粗骨材や細骨材)とを混合攪拌して得られた摩砕セメント又は/及び摩砕骨材を用いて製造されている。 この高耐久生コンクリートにおいて、生コンクリート用骨材が石灰石又は砕石である態様(請求項6)がある。

    【0010】又、本発明(請求項7)の摩砕セメント製造方法は、クリンカを粉砕してセメントに加工するクリンカ破砕工程を備え、このクリンカ破砕工程に引き続きセメント摩砕工程が設けられた摩砕セメント製造方法であって、クリンカ破砕工程では、セメントの分布平均粒径よりも大きなクリンカ粒子がセメントに混在する状態にクリンカを破砕し、このクリンカ破砕工程で破砕されたクリンカ粒子とセメントを引き続きセメント摩砕工程で混合攪拌する構成とした。 この摩砕セメント製造方法において、セメント摩砕工程で既成のセメントを供給する態様(請求項8)がある。

    【0011】又、本発明(請求項9)の石灰摩砕方法は、原料石灰微粉末と、この原料石灰微粉末の分布平均粒径よりも大きな粒径の石灰石とを混合攪拌することを特徴とした石灰摩砕方法。

    【0012】本発明のセメント摩砕方法(請求項1)では、原料セメントと加工材とが混在して、セメント粒子が加工材間に挟まれた状態で攪拌される。 従って、原料セメントと加工材との衝突及び原料セメントと攪拌装置との間の衝突による破砕作用と、原料セメントと加工材との間の擦れ及び原料セメント同士の擦れ及び原料セメントと攪拌装置との間の擦れによって研磨作用が生じる。 このように、原料セメントの擦れによる研摩作用と、原料セメントの衝突による破砕作用を併せ行わせることができるため、効率よくセメント粒子に丸みを帯びさせると共に、超微粒子を作り出すことによって高密度の摩砕セメントに加工することができる。

    【0013】このようにして得られた摩砕セメントは、
    研磨作用によって、セメント粒子のが取れると共に丸みを帯びることになるし、セメント粒子の角が取れることによって微小化される。 従って、セメント粒子が丸みを帯びているため、ベアリング効果により流動性の向上を図ることができる。 又、超微粒子が作り出されるため、粒子間空隙が小さくなり、実積率が向上する。 そして、この摩砕セメントを用いて生コンクリートを製造すると(請求項5)、単位量を減少することができ、ワーカビリティーが向上すると共に、高密度できめが細かい高耐久生コンクリートを得ることができる。

    【0014】本発明のセメント摩砕方法において、原料セメントとしては、ポルトランドセメント及び高炉セメント系等を使用することができる。

    【0015】加工材としては、セメントとして粉砕する前のクリンカ、石灰石、砕石、この他、金属、高強度プラスチック、セラミック等を使用することができるし、
    その形状についても、球状、角状、凹凸形状等、特に制限はない。 加工材の粒径は、原料セメントの分布平均粒径よりも大きいものであればよく、原料セメントの分布平均粒径が14μであることから考慮すれば、加工材の粒径は、38μ以上が好ましい。 尚、加工材の取り扱い性を容易にすると共に、原料セメントと加工材との間の破砕及び擦れを十分生じさせる上で、加工材の粒径は、
    概ね45mm以下が好ましい。 例えば、40mm、20
    mm、10mm、5mm、2.5mm、1mm、0.5
    mm、0.1mm、0.01mm等の粒径の加工材を単独で用いることができるし、粒径や材質の異なる加工材を混在させて用いることができる。 原料セメントと加工材の配合割合についても特に制限はなく、原料セメントの処理量と加工効率等を勘案して決定する。

    【0016】また、混合攪拌に用いる装置についても、
    縦型あるいは横型の容器内に回転羽根を設けただけのものでもよい。 また、横型回転ドラム内にロータを設けて、横型回転ドラムとロータとを逆回転させながら、横型回転ドラムの内周面に形成した突条とロータの外周面に形成した突起とで原料セメントと加工材を混合攪拌するようにしてもよい。 このようにすると、原料セメントと加工材との衝突により原料セメントが擦りつぶされて破砕されると共に、原料セメントがもみ擦りされ、原料セメントに対する破砕作用と研摩作用とを効率よく併せ行わせることができる。 この場合、原料セメントの供給、処理後の摩砕セメントの取り出しは、バッチ方式で一定量づつ処理してもよいし、原料セメントを連続供給しながら摩砕セメントを連続して取り出す連続処理方式でもよい。 尚、処理後の摩砕セメントの取り出しは、バッチ方式では、摩砕セメントと加工材を混合状態のまま取り出し、ふるい選別等により摩砕セメントを回収する。 また、連続処理方式では、装置内に空気吸引装置を設け、混合攪拌しながら浮遊粒子を回収するようにしてもよい。

    【0017】又、本発明のセメント摩砕方法において、
    加工材としてクリンカや石灰石や砕石を用いた場合、原料セメントに対する摩砕が行われると同時に、加工材としてのクリンカ、石灰石、砕石についても同様の摩砕が行われることになる。 特に、加工材としてクリンカを用いた場合(請求項2)、摩砕に伴ってクリンカから分離した微粒分は、即ちセメントであることから、セメントの成分的な品質を維持した摩砕セメントを効率よく製造することができる。

    【0018】また、常法によるセメント製造工程では、
    クリンカをボールミル等で微細に破砕することによりセメントを製造するものである。 このクリンカ破砕工程において、ボールミル等による破砕をある程度、たとえば、5mmアンダー(好ましくは0.5mmアンダー)
    で止め、セメントの分布平均粒径よりも大きなクリンカ粒子がセメントに混在する状態まで破砕する。 そして、
    その破砕によって生じたセメントをそのまま原料セメントとし、クリンカ粒子をそのまま加工材として、本セメント摩砕方法によるセメント摩砕工程に送り、ここで摩砕セメントに加工することができる(請求項7)。 この場合、セメント摩砕工程で、既成のセメントを原料セメントとして加えてもよい(請求項8)。 このように、クリンカ破砕工程に引き続きセメント摩砕工程を設けると、常法による一連のセメント製造工程の中に本摩砕方法によるセメント摩砕工程を組み込むことができ、摩砕セメントの連続製造ができる。

    【0019】また、加工材として石灰石や砕石を用いると(請求項3)、摩砕の過程で石灰石等から微粒分が分離し、摩砕セメントに石灰分等が混った混合セメントが得られる。

    【0020】また、加工材として石灰石や砕石を用いた場合には、原料セメントと石灰石や砕石が相互に加工材として作用するため、原料セメントが摩砕されると同時に、石灰石や砕石も摩砕によって丸みを帯びた摩砕骨材ことになる。 従って、この摩砕骨材を生コンクリート用の骨材として使用すれば(請求項5)、ベアリング作用によって流動性を向上させることができ、高耐久生コンクリートの製造が可能になる。 この時、摩砕骨材と摩砕セメントを共に用いて生コンクリートを製造すると(請求項5)、より一層の効果を得ることができる。

    【0021】又、生コンクリートの流動性を高めるために、石灰微粉末を混和材としてセメントに混合することが行われる。 そこで、原料石灰微粉末と、この原料石灰微粉末の分布平均粒径よりも大きな粒径の石灰石とを混合攪拌すると(請求項9)、石灰石が加工材となり、前記した摩砕セメントと同様の摩砕作用によって、石灰粒子の角が取れると共に丸みを帯び、石灰粒子の角が取れることによって微小化された摩砕石灰微粉末を得ることができる。 従って、この摩砕石灰微粉末を混和材として用いることができる。 尚、原料石灰微粉末が摩砕されると同時に、石灰石も摩砕によって丸みを帯びた摩砕石灰石になる。 従って、この摩砕石灰石を生コンクリート用の骨材(粗骨材、石灰砕砂)として使用すれば、ベアリング作用によって流動性を向上させることができ、高耐久生コンクリートの製造が可能になる。

    【0022】尚、本発明のセメント摩砕方法での混合攪拌、高耐久生コンクリートでの混合攪拌、摩砕セメント製造方法におけるセメント摩砕工程での混合攪拌、石灰摩砕方法での混合攪拌は、乾式で行うものである。

    【0023】

    【発明の実施の形態】図1は本発明のセメント摩砕方法に使用するセメント摩砕装置の一例を示す概略断面図である。 このセメント摩砕装置は、横型回転ドラム1内にロータ2が偏心して設けられ、横型回転ドラム1の内周面に軸方向に延長して多数の山形突条11が形成され、
    また、ロータ2の外周面に多数の突起21が形成され、
    横型回転ドラム1とロータ2とが逆回転するようになっている。 尚、図示してないが、横型回転ドラム1の一端には原料セメントの供給口が形成され、横型回転ドラム1の他端には処理後の摩砕セメントを取り出すための空気吸引装置が連設されている。

    【0024】このセメント摩砕装置を用いたセメント摩砕方法は、横型回転ドラム1内に加工材を収容すると共に、横型回転ドラム1内に原料セメントを供給し、横型回転ドラム1とロータ2とを逆回転させながら、山形突条11と突起21とで原料セメントと加工材を混合攪拌する。 従って、この混合攪拌により、原料セメントと加工材との衝突により原料セメントが擦りつぶされて破砕されると共に、原料セメントがもみ擦りされ、原料セメントに対する破砕作用と研摩作用とを効率よく併せ行わせることができる。 尚、原料セメントは連続して供給され、処理後の摩砕セメントは混合攪拌によって浮遊する浮遊粒子を連続的に回収することによって行われる。 これにより、摩砕セメントを能率的に製造することができる。

    【0025】次に、本出願人において、このセメント摩砕方法によって処理した摩砕セメント、摩砕骨材を用いて生コンクリートを製造したときの試験結果の一例を以下に示す。

    【0026】(試験1)原料セメントとして普通ポルトランドセメントを用い、加工材として石灰砕砂による細骨材(1.5mmアンダー)を用い、これを前記した摩砕装置で処理し、得られた摩砕混合セメントと摩砕細骨材(石灰砕砂)を篩い分けし、その摩砕混合セメントを用いて生コンクリートを製造した(骨材は既存の砕石粗骨材及び砕石砂)。 この摩砕混合セメントを用いた高耐久生コンクリートAと、未処理のセメント(普通ポルトランドセメント)及び未処理の骨材を用いて製造した生コンクリートZのスランプ値を測定したところ、生コンクリートZが15.5cmであるのに対し、高耐久生コンクリートAは21cmであった。

    【0027】(試験2)原料セメントとして普通ポルトランドセメントを用い、加工材として石灰石(20mm
    アンダー)を用い、これを前記した摩砕装置で処理し、
    得られた摩砕混合セメントと摩砕骨材(石灰粗骨材及び石灰砕砂)を篩い分けし、その摩砕骨材を用いて生コンクリートを製造した(セメントは既存の普通ポルトランドセメント)。 この摩砕骨材を用いた高耐久生コンクリートBと、未処理のセメント(普通ポルトランドセメント)及び未処理の骨材を用いて製造した生コンクリートZのスランプ値を測定したところ、生コンクリートZが15.5cmであるのに対し、高耐久生コンクリートB
    は18cmであった。

    【0028】(試験3)原料セメントとして普通ポルトランドセメントを用い、加工材として石灰石(20mm
    アンダー)を用い、これを前記した摩砕装置で処理し、
    得られた摩砕セメントと摩砕骨材(摩砕粗骨材及び摩砕砂)を篩い分けし、この摩砕セメント及び摩砕骨材を共に用いて生コンクリートを製造した。 この摩砕セメント及び摩砕骨材を用いた高耐久生コンクリートCと、未処理のセメント(普通ポルトランドセメント)及び未処理の骨材を用いて製造した生コンクリートZのスランプ値を測定したところ、生コンクリートZが15.5cmであるのに対し、高耐久生コンクリートCは24.5cm
    であった。

    【0029】この試験結果で明らかなように、本摩砕方法によって処理した摩砕セメント、摩砕骨材を用いて生コンクリートを製造すると、流動性を向上することができ、言い替えれば、単位水量を減少することができ、ワーカビリティーを向上させながら高品質の高耐久生コンクリートを得ることができる。

    【0030】

    【発明の効果】以上のように、本発明にあっては、これで処理した摩砕セメント及び摩砕骨材を建築産業におけるコンクリート建築物、土木産業におけるコンクリート構造物、その他コンクリート製品用の生コンクリート原料として使用できる。 特に、このセメント摩砕方法によって処理した摩砕セメント及び摩砕骨材を用いると、流動性が高く、コンクリートのワーカビリティーが向上すると共に、高密度できめが細かく、高耐久性の生コンクリートが得られることから、施工が簡単で、仕上がりが良い高品質のコンクリートを製造でき、各種のコンクリート産業に有用に使用することができる。

    【0031】又、クリンカ破砕工程に引き続きセメント摩砕工程を設けた摩砕セメント製造方法では、常法による一連のセメント製造工程の中に本摩砕方法によるセメント摩砕工程を組み込むことができ、摩砕セメントの連続製造ができる。

    【0032】又、石灰摩砕方法によって得られる摩砕石灰微粉末を、混和材として使用できるし、同時に摩砕石灰石が得られるため、これを摩砕骨材として使用することができ、これにより、流動性に優れた高耐久生コンクリーを製造することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明のセメント摩砕方法に使用するセメント摩砕装置の一例を示す概略断面図である。

    【符号の説明】

    1 横型回転ドラム 2 ロータ 11 山形突条 21 突起

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成11年11月24日(1999.11.
    24)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】0022

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【0022】尚、本発明のセメント摩砕方法での混合攪拌、 及び本発明の高耐久生コンクリートにおける摩砕セ
    メントと摩砕骨材を得る際の混合攪拌、 及び本発明の摩砕セメント製造方法におけるセメント摩砕工程での混合攪拌、 及び本発明の石灰摩砕方法での混合攪拌は、乾式で行うものである。

    【手続補正書】

    【提出日】平成12年6月26日(2000.6.2
    6)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 研磨セメントの製造方法

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、流動性に優れた高耐久生コンクリートを製造する際に、その材料として使用される研磨セメントを製造するための製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】流動性に優れた生コンクリートは、打ち込み作業に際し、その流動性によって型枠の隅々にまで容易かつ確実に充填できることから、打ち込み作業の簡略化、コンクリート構造物の信頼性の向上など多くの利点があり、今後の需要がますます増大すると予想される。

    【0003】セメント(ポルトランドセメント)は、通常、石灰及び粘土を適当の割合で混合し、この一部が溶融するまで焼成し、得られたクリンカをボールミル等で粉砕して製造される。 このようにして製造された製品としてのセメントは、分布平均粒径が14μという極微細な粉体であるが、電子顕微鏡等で拡大すると、表面はまさに凸凹状態であり、荒々しく、これをそのまま用いた場合、流動性に優れた生コンクリートを得ることができない。

    【0004】従来、流動性に優れた生コンクリートに使用されるセメントとしては、例えば、通常のセメント(ポルトランドセメント等)に単独で混和材(フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰微粉末、シリカフューム等)を混合するか、あるいは始めから混和材が混合されている二成分セメントや三成分セメントが知られている。 そして、これらの混和材によって流動性が向上すると共に、高密度、高耐久性のコンクリートが得られている。 このように、従来では、流動性に優れた生コンクリートを製造するには、混和材を混合することが不可欠であるため、価格面や混合手間等の面で不利になるという問題があった。

    【0005】尚、セメント粒子を球状に加工して、そのベアリング効果によって流動性を向上させる技術として、例えば、特開平2−311338号公報に開示された高速気流中衝撃装置「商品名・ナラ−ハイブリタイザー」(株式会社・奈良機械製作所製)が提案されている。 この高速気流中衝撃装置は、原料セメントがリング状衝突室に供給されると、回転板と、これに取り付けられたブレードの回転により、原料セメントがリング状衝突室内を回転しながら飛散し、リング状ステータの表面に設けられた多数の溝と前記ブレードとの間で衝突を繰り返すように構成されていた。 即ち、この装置は、セメント単体を装置に供給し、これを衝突させて球状化させるもので、セメントと加工材とを混合攪拌させるといった機能はない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、セメント粒子に丸みを帯びさせた研磨セメントを、セメントの成分的な品質を維持しながら効率よく製造できるようにした研磨セメントの製造方法を提供することを課題としている。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の研磨セメントの製造方法は、クリンカを破砕加工するクリンカ破砕工程と、このクリンカ破砕工程に引き続き設けたセメント研磨工程を備えている研磨セメントの製造方法であって、クリンカ破砕工程では、セメントの分布平均粒径よりも大きなクリンカ粒子がセメントに混在する状態までクリンカを破砕加工し、セメント研磨工程では、前記破砕工程で得られたセメントをそのまま原料セメントとし、クリンカ粒子をそのまま加工材とし、この原料セメントとクリンカ粒子を混合攪拌してセメント粒子に丸みを帯びさせるように加工する構成とした。 この研磨セメント製造方法において、セメント研磨工程で既成のセメントを供給するようにした態様(請求項2)がある。

    【0008】常法によるセメント製造工程では、クリンカをボールミル等で微細に破砕することによりセメントを製造するものであるが、本発明の研磨セメントの製造方法では、クリンカ破砕工程において、ボールミル等によるクリンカの破砕を、ある程度たとえば5mmアンダーの粒子が残る程度で止めることで、セメントの分布平均粒径よりも大きなクリンカ粒子がセメントに混在する状態まで破砕する。 そして、その破砕によって得られたセメントをそのまま原料セメントとし、クリンカ粒子をそのまま加工材としてセメント研磨工程に送り、ここでクリンカ粒子と原料セメントを混合攪拌してセメント粒子に丸みが帯びるように研磨加工するものである。 尚、
    クリンカ粒子と原料セメントの混合攪拌は乾式で行うものである。

    【0009】本発明の研磨セメントの製造方法では、セメント研磨工程において、原料セメントと加工材となるクリンカ粒子とが混在し、セメント粒子がクリンカ粒子間に挟まれた状態で攪拌される。 従って、原料セメントとクリンカ粒子との間の擦れによってセメント粒子の角を取ることができると共に丸みを帯びさせることができるし、セメント粒子の角を擦り取ることによって微小化することができる。

    【0010】このようにして得られた研磨セメントは、
    セメント粒子が丸みを帯びているため、ベアリング効果により流動性の向上を図ることができる。 又、セメント粒子の角が擦り取られることにより超微粒子が作り出されるため、粒子間空隙が小さくなり、実積率が向上する。 従って、この研磨セメントを用いて生コンクリートを製造すると、単位水量を減少することができ、ワーカビリティーが向上すると共に、高密度できめが細かい高耐久生コンクリートを得ることができる。

    【0011】尚、本発明の研磨セメントの製造方法において、原料セメントとしては、ポルトランドセメント及び高炉セメント系等を使用することができる。

    【0012】又、加工材となるクリンカ粒子の粒径は、
    原料セメントの分布平均粒径よりも大きいものであればよく、原料セメントの分布平均粒径が14μであることから考慮すれば38μ以上が好ましい。 尚、クリンカ粒子の取り扱い性を容易にすると共に、原料セメントとクリンカ粒子との間の擦れを十分生じさせる上で、クリンカ粒子の粒径は、5mm以下が好ましく、2.5mm、
    1mm、0.5mm、0.1mm、0.01mm程度の粒径に破砕したものを単独で用いることができるし、粒径の異なるクリンカ粒子を混在させて用いることができる。

    【0013】また、セメント研磨工程において混合攪拌に用いる装置については、横型回転ドラム内にロータを設けて、横型回転ドラムとロータとを逆回転させながら、横型回転ドラムの内周面に形成した突条とロータの外周面に形成した突起とで原料セメントとクリンカ粒子を混合攪拌するようにしてもよい。 このようにすると、
    原料セメントとクリンカ粒子との間で原料セメントがもみ擦りされ、原料セメントに対する研摩作用を効率よく行わせることができる。 又、原料セメント及びクリンカ粒子の供給、処理後の研磨セメント及びクリンカ粒子の取り出しは、バッチ方式で一定量づつ処理してもよいし、原料セメントとクリンカ粒子を連続供給しながら連続して取り出す連続処理方式でもよい。 尚、バッチ方式では、研磨セメントとクリンカ粒子を混合状態のまま取り出し、ふるい選別等により研磨セメントを回収する。
    また、連続処理方式では、装置内に空気吸引装置を設け、混合攪拌しながら研磨セメントの浮遊粒子を回収するようにしてもよい。

    【0014】又、本発明の研磨セメントの製造方法では、加工材としてクリンカ粒子を用いているため、原料セメントに対する研磨が行われると同時に、加工材としてのクリンカ粒子についても同様の研磨が行われることになる。 このとき、加工材としてクリンカ粒子を用いているため、研磨に伴ってクリンカ粒子から分離した微粒分は、即ちセメントであることから、セメントの成分的な品質を維持した研磨セメントを効率よく製造することができる。 又、クリンカ粒子を加工材として用いるため、常法による一連のセメント製造工程の中に本発明のセメント研磨工程を組み込むことができ、研磨セメントの連続製造ができる。

    【0015】

    【発明の実施の形態】図1は本発明の研磨セメントの製造方法において、セメント研磨工程で使用するセメント研磨装置の一例を示す概略断面図である。 このセメント研磨装置は、横型回転ドラム1内にロータ2が偏心して設けられ、横型回転ドラム1の内周面に軸方向に延長して多数の山形突条11が形成され、また、ロータ2の外周面に多数の突起21が形成され、横型回転ドラム1とロータ2とが逆回転するようになっている。

    【0016】このセメント研磨装置を用いたセメント研磨工程では、ボールミル等のセメント破砕装置によって得たクリンカ粒子とセメントを横型回転ドラム1内に収容し、横型回転ドラム1とロータ2とを逆回転させながら、山形突条11と突起21とでクリンカ粒子とセメントを混合攪拌する。 従って、この混合攪拌により、原料セメントがクリンカ粒子の間に挟み込まれる状態でもみ擦りされ、原料セメントに対する研摩作用を効率よく行わせることができる。

    【0017】

    【発明の効果】以上のように、本発明の研磨セメントの製造方法によって得られた研磨セメントは、原料セメントとクリンカ粒子との間の擦れによってセメント粒子の角が取られると共に丸みを帯び、又、セメント粒子の角が取られることによって微小化される。 従って、流動性が高く、コンクリートのワーカビリティーが向上すると共に、高密度できめが細かく、高耐久性の生コンクリートが得られることから、施工が簡単で、仕上がりが良い高品質のコンクリートを製造でき、各種のコンクリート産業に有用に使用することができる。 又、クリンカ破砕工程に引き続きセメント研磨工程を設けて、クリンカ粒子とセメントを混合攪拌することによる研磨(擦り)作用によってセメント粒子に丸みを帯びさせる方法であるため、短時間で効率よく研磨セメントを得ることができるし、セメント粒子の角から擦り取られた超微粒子によって粒子間空隙を小さくして、実積率を向上させることができる。

    【0018】特に、クリンカ粒子を加工材として用いているため、研磨に伴ってクリンカ粒子から分離した微粒分は、即ちセメントであることから、セメントの成分的な品質を維持した研磨セメントを効率よく製造することができる。

    【0019】又、クリンカ粒子を加工材としたセメント研磨工程をクリンカ破砕工程に引き続き設けているため、常法による一連のセメント製造工程の中にセメント研磨工程を組み込むことができ、研磨セメントの連続製造ができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の研磨セメントの製造方法において、セメント研磨工程で使用するセメント研磨装置の一例を示す概略断面図である。

    【符号の説明】 1 横型回転ドラム 2 ロータ 11 山形突条 21 突起

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳川 泰 福岡県福岡市西区横浜1丁目15−26 Fターム(参考) 4G035 AB48 AD14

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