Pattern forming sheet

申请号 JP15271592 申请日 1992-05-19 公开(公告)号 JP3321471B2 公开(公告)日 2002-09-03
申请人 日東電工株式会社; 发明人 孝志 富永; 広隆 松浦; 孝文 櫻本;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セラミック粉末を樹脂バインダで保形してなるセラミックシートの片面に耐熱性インクからなるパターンを有し、他面に親水性粘着層を有してなり、焼成処理により焼成パターンを形成することを特徴とするパターン形成用シート。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、湿潤な被着体への識別ラベル等の焼成パターンの付与などに好適なパターン形成用シートに関する。

    【0002】

    【従来の技術】多品種少量生産へと生産体制が変遷するなか、金属やガラスないし焼成セラミックなどからなる製品や半製品ないし部品等の管理に用いる、耐久性、耐熱性等に優れるラベルの提供が重要な課題となっている。

    【0003】従来、焼成により焼成パターンを形成するようにしたパターン形成用シートとしては、ガラス粉末を樹脂バインダで保形したシートにガラス粉末含有インクでパターンを付与したものが知られていた。 これによれば、柔軟性、臨機なラベル形成性を有して焼成処理下に焼成パターンを被着体に固着でき、形成パターンは耐擦過性、耐熱性、耐薬品性に優れる。

    【0004】従って、かかるタイプのパターン形成用シートによれば、それまでの焼成セラミックや金属、琺瑯体などからなる基板タイプのラベルが有していた、ビス止め等の固着手間による簡便固着性欠如の問題、現場等でのパターン付与の困難性によるラベルの臨機形成性欠如の問題や多品種少量生産体制下での個々の部品の管理等に必要な多種多様なラベルの形成性欠如の問題、剛性による曲面固着性欠如の問題などを克服することができる。

    【0005】しかしながら、例えば未焼成の陶磁器などのように湿潤状態にある被着体に対する密着性に劣り、
    焼成中にパターン焼成体が被着体より剥離したり、脱落したりし、また浮きが発生するなどして焼成固着に劣る問題点があった。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿潤な被着体に対しても良好に焼成固着でき、耐熱性、耐久性等に優れる焼成パターンを形成できるパターン形成用シートの開発を課題とする。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック粉末を樹脂バインダで保形してなるセラミックシートの片面に耐熱性インクからなるパターンを有し、他面に親性粘着層を有してなり、焼成処理により焼成パターンを形成することを特徴とするパターン形成用シートを提供するものである。

    【0008】

    【作用】上記構成のパターン形成用シートは、柔軟で良好な曲面密着性を有し、熱転写プリンタやスクリーン印刷等による適宜な印刷方式などでパターンを臨機に付与することができる。 また親水性粘着層を介して湿潤面に対しても充分な接着力で容易に仮着することができる。
    さらに焼成処理により、付与パターンを温存しつつ焼成体化し、湿潤であった被着体に対しても強固に固着する。

    【0009】

    【実施例】本発明のパターン形成用シートを図1に例示した。 1がパターン層、2がセラミックシート、3が親水性粘着層である。 なお4は被着体である。

    【0010】セラミックシートは、1種又は2種以上のセラミック粉末を樹脂バインダで保形したものからなる。 セラミック粉末としては、被着体の溶融温度又は分解温度以下で軟化、ないし溶融などして被着体と接着するものが用いられる。 一般にはガラス粉末が用いられ、
    特に鉛ガラス系、ホウ珪酸鉛ガラス系、ソーダガラス系の如き400〜1000℃で軟化、ないし溶融するものが好ましく用いられる。

    【0011】セラミックシートには、セラミック粉末以外の焼成体形成成分を配合してもよい。 かかる焼成体形成成分は、セラミックシートの焼成時に軟化、ないし溶融したセラミック粉末に取り込まれて焼成体を構成する。 セラミック粉末以外の焼成体形成成分としては例えば、焼成温度以上の融点を有する異種セラミック、金属ないし合金、その酸化物等からなる無機物の粉末や繊維などが一般に用いられる。 粒径が0.1〜20μmの粉末、同径で長さが100μm以下の繊維の使用が適当であるが、これに限定されない。

    【0012】配合成分の種類や組合せは適宜に決定してよい。 着色化の点よりは、顔料ないし充填剤からなる無機系着色剤の使用が適当である。 その例としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、亜鉛華、ジルコニア、酸化カルシウム、アルミナ、焼成温度以下で酸化されてかかる酸化物となる炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩の如き金属化合物などの白色物があげられる。

    【0013】また、鉄、銅、金、クロム、セレン等の金属イオンを含む、例えば酸化マンガン・アルミナ、酸化クロム・酸化錫、酸化鉄、硫化カドミウム・硫化セレン等の赤色物、マンガン、コバルト、銅、鉄等の金属イオンを含む、例えば酸化コバルト、ジルコニア・酸化バナジウム、酸化クロム・五酸化二バナジウム等の青色物、
    鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト等の金属イオンを含む、例えば酸化クロム・酸化コバルト・酸化鉄・酸化マンガンやクロム酸塩、過マンガン酸塩等の黒色物などもあげられる。

    【0014】さらに、バナジウム、錫、ジルコニウム、
    クロム、チタン、アンチモン等の金属イオンを含む、例えばジルコニウム・珪素・プラセオジム、バナジウム・
    錫、クロム・チタン・アンチモン等の黄色物、クロム、
    アルミニウム、コバルト、カルシウム等の金属イオンを含む、例えば酸化クロム、コバルト・クロム、アルミナ・クロム等の緑色物、鉄、珪素、ジルコニウム、アルミニウム、マンガン等の金属イオンを含む、例えばアルミニウム・マンガン、鉄・珪素・ジルコニウム等の桃色物などもあげられる。

    【0015】セラミック粉末以外の焼成体形成成分の使用量は、形成される焼成層の耐擦過性、耐久性、耐薬品性、被着体との密着性などの点より、セラミック粉末1
    00重量部あたり、150重量部以下、就中2〜45重量部が適当である。

    【0016】樹脂バインダとしては、焼成時に熱分解するなどして消失するものが用いられる。 その例としては、炭化水素系樹脂、ビニル系ないしスチレン系樹脂、
    アセタール系樹脂、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、繊維素系樹脂などがあげられる。 焼成時における焼失性の良好なものが好ましく用いられ、この点よりは炭化水素系樹脂、
    アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂、就中アクリル系樹脂が好ましい。

    【0017】樹脂バインダの使用量は、併用するセラミック粉末などの比重や粒度等により適宜に決定してよい。 一般には、セラミック粉末100重量部あたり5〜
    100重量部、就中15〜50重量部が用いられる。 樹脂バインダの使用量が過少では保形性に乏しいシートとなり、過多では焼成時に割れや発泡を誘発しやすいシートとなる。

    【0018】セラミックシートの形成は例えば、1種又は2種以上の焼成体形成成分と樹脂バインダを有機溶剤等を用いてボールミル等で混合し、その混合液を適宜な方式で必要に応じセパレータ等の支持基材上に展開して乾燥させる方法などにより行うことができる。 展開方式は、ドクターブレード法等の層厚制御性に優れる方式が好ましい。 消泡剤を併用するなどして展開層中に気泡が残らないよう充分に脱泡処理することが好ましい。

    【0019】なお、セラミックシートには必要に応じて、可塑剤、分散剤等の適宜な添加剤を配合してよい。
    形成するセラミックシートの厚さは、使用目的に応じて適宜に決定してよく、一般には10〜500μm、就中30〜100μmとされる。 薄すぎると取扱いが困難であるし、厚すぎると焼成層に発泡が生じるなど焼成不良を生じやすい。

    【0020】本発明においてセラミックシートは、そのまま又はパターン形成用シートとして被着体に親水性粘着層を介して仮着される。 パターン形成用シートは、セラミックシートの片面に耐熱性インクからなるパターンを設けたものである。

    【0021】親水性粘着層は、焼成時に消失するように形成される。 その形成には、常態では非粘着性で吸湿等による湿潤状態において粘着性を発揮する水賦活型あるいは親水性ポリマーを主成分とする感圧接着型のもののいずれも用いることができ、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテルの如き水溶性高分子や親水性高分子、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルの如き粘着付与剤、架橋剤、充填剤などの適宜な成分を配合したものなどがあげられる。

    【0022】セラミックシートへの親水性粘着層の付設は、適宜な塗工機を用いて粘着剤を塗工する方式や、セパレータ上に設けた親水性粘着層を移着する方式など、
    粘着テープ等の形成方法に準じた適宜な方式で行ってよい。 親水性粘着層の厚さは通例、5〜50μm、就中8
    〜20μmとされる。 薄すぎると充分な接着力が発現せず、厚すぎると焼成時に脱落したり、焼成不良が生じやすくなる。

    【0023】パターンを形成する耐熱性インクは、焼成処理を介しその焼成体がセラミックシートの焼成体に固着するよう調製したものである。 かかる耐熱性インクは通例、1種又は2種以上の無機系着色剤を溶媒を用いて、必要に応じセラミック粉末、バインダ、可塑剤、分散剤等の適宜な添加剤の併用下、ボールミル等で混合してペースト状等の流動物としたものである。 従来技術におけるスクリーン印刷方式等による直接塗布方式や、転写紙上に形成した塗布パターンの転写方式などに使用されていた、例えばガラス粉末と無機顔料等の任意成分、
    又は有色ガラス系顔料を単独でバインダと共に混合してなるペースト状のインクなどは耐熱性インクの代表例である。

    【0024】耐熱性インクの組成は、セラミックシートの焼成体とのコントラストや固着性などにより適宜に決定してよい。 焼成により残留して焼成パターンを形成する成分の組成は通例、無機系着色剤1〜100重量%、
    セラミック粉末、就中ガラス粉末99〜0重量%とされる。 耐熱性インクの調製に用いうる無機系着色剤やセラミック粉末としては、上記したセラミックシートの場合と同様のものがあげられる。

    【0025】耐熱性インクの調製に必要に応じて用いられるバインダとしては、ワックスや樹脂など、焼成温度以下で熱分解するなどして消失するものがあげられる。
    バインダの使用量は、焼成パターンを形成する成分の5
    〜80重量%が適当である。

    【0026】好ましく用いうるワックスとしては、パラフィン系ワックス類、天然系ワックス類、エステル系ワックス類、高級アルコール系ワックス類、高級アミド系ワックス類などがあげられる。 樹脂としては、上記セラミックシートの形成素材として例示した樹脂バインダなどがあげられる。 耐熱性インクのバインダとセラミックシートの樹脂バインダとの熱分解温度等の特性が著しく相違すると焼成体に発泡や変形等の外観不良を生じやすい。 かかる点より、耐熱性インクのバインダとセラミックシートの樹脂バインダは同種の樹脂からなることが好ましい。

    【0027】耐熱性インクによるセラミックシートへのパターンの形成方式は任意である。 手書き方式、パターン形成マスクを介しての塗布方式、転写紙に設けたパターンの転写方式、インクジェット型等のプリンタによる形成方式など、適宜なパターン形成方式を採用してよい。

    【0028】形成するパターンも任意である。 印字パターン、絵柄パターン、バーコードパターン、回路パターンなどの任意なパターンを付与してよい。 プリンタ、例えばXYプロッタ、ワイヤドット型や熱転写型ないしインパクト型等によりパターンを形成する場合に必要な、
    印字リボンの如きインクシートは例えば、塗布方式、含浸方式等により耐熱性インクをフィルムや布等からなる支持基材に保持させることにより形成することができる。

    【0029】支持基材としては、ポリエステル、ポリイミド、フッ素樹脂等のプラスチックフィルム、ポリアミドやポリエステル等の繊維からなる布など、通例のものを用いてよい。 プリンタによるパターン形成方式は、適宜なパターンを精度よく、効率的に形成できる利点がある。

    【0030】セラミックシートに耐熱性インクのパターンを形成する段階は、セラミックシートを親水性粘着層を介して被着体に仮着する前であってもよいし、後であってもよい。 プリンタによりパターンを形成する場合には、予めセラミックシートにパターンを付与し、パターン形成用シートとして被着体と仮着する方式が通例である。 なお予めセラミックシートにパターンを形成する場合、その形成面は焼成処理に供するまでの間、必要に応じてセパレータを接着するなどして保護してもよい。 転写方式の場合には、その転写紙をそのまま接着しておいてセパレータに代えることもできる。

    【0031】パターンを形成したセラミックシートと被着体との親水性粘着層を介した仮着体の焼成処理は、セラミックシートあるいは被着体の焼成温度などに応じて適宜な加熱条件で行うことができる。 焼成処理により、
    樹脂バインダや粘着層等の有機成分は消失し、セラミックシートがパターンと一体化しつつ焼成体化し、被着体と固着する。

    【0032】本発明のパターン形成用シートは、例えば識別ラベル等の表示体の形成や装飾の付与など、種々の目的に用いることができる。 焼成パターンの付与対象である被着体については特に限定はなく、セラミックシートの焼成温度に耐えるものが用いられる。 また未焼成のセラミック成形体、特に未焼成陶磁器等の湿潤体なども被着体とすることができ、その場合、セラミック成形体の焼成処理とパターン形成用シートの焼成処理とを兼ねさせることもできる。 なお被着体の形態は、平板形態や容器形態など任意である。

    【0033】実施例1 ホウ珪酸鉛ガラス系粉末100部(重量部、以下同じ)、酸化ジルコニウム20部、ポリイソブチルメタクリレート20部、及びジブチルフタレート3部をトルエン60部を用いてボールミルで均一に混合してなるスラリーをドクターブレード法で展開し、乾燥させて得た厚さ60μmのセラミックシートの片面に、ポリビニルアルコール系粘着剤を塗工乾燥して厚さ10μmの親水性粘着層を形成し、他面に耐熱性インクからなるバーコードパターンを印刷して、パターン形成用シートを得た。
    用いた耐熱性インクは、酸化クロム、酸化鉄、酸化コバルト系黒色顔料20部と、ポリイソブチルメタクリレート10部をトルエン20部を用いて混合したものである。

    【0034】実施例2 ポリビニルアルコール系粘着剤に代えて、セルロース系粘着剤を用いて親水性粘着層を形成したほかは実施例1
    に準じてパターン形成用シートを得た。

    【0035】比較例 ポリビニルアルコール系粘着剤に代えて、アルキル基の平均炭素数が8個のアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系粘着剤を用いて疎水性の粘着層を形成したほかは実施例1に準じてパターン形成用シートを得た。

    【0036】評価試験 実施例、比較例で得たパターン形成用シートをその粘着層を介し含水率が5重量%の未焼成陶製板に仮着し、1
    5時間を掛けて1300℃に昇温したのちその温度で1
    時間焼成(空気中)した。 前記で得られた焼成体を冷却後、加熱炉より取出して焼成パターンにおけるバーコードパターンの外観、及び焼成された陶製板に対する焼成パターンの固着状態を調べた。

    【0037】前記の結果を表1に示した。

    【表1】

    【0038】

    【発明の効果】本発明のパターン形成用シートによれば、湿潤状態にある被着体に対して仮着下に焼成処理でき、かつ付与パターンを良好に維持した状態で、かつ剥離や浮き等の発生なく被着体に焼成パターンを焼成固着でき、被着体との密着力及び固着状態に優れて耐熱性や耐久性等に優れる焼成パターンを形成することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施例の断面図

    【符号の説明】

    1:パターン層 2:セラミックシート 3:親水性粘着層 4:被着体

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−50191(JP,A) 特開 平3−125182(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) G09F 3/02 G09F 3/10

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