Method of processing the calcium sulfate hemihydrate

申请号 JP2009541709 申请日 2007-12-17 公开(公告)号 JP5518483B2 公开(公告)日 2014-06-11
申请人 ザ ニュージップ コーポレイションThe Nugyp Corp.; 发明人 バイロン ブルース,ロバート; リチャード フルミアニ,マーク; イー ブロー,チャールズ;
摘要
权利要求
  • ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する方法であって、
    a)粉末ベータ硫酸カルシウム半水和物を圧力チャンバに供給する工程と、
    b)前記圧力チャンバ内で、 該チャンバを加圧することにより大気圧より高い圧力で前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を水蒸気にさらす工程と、
    c)前記圧力チャンバから処理済み生成物を取り出す工程と、
    を有してなる方法。
  • 工程b)が、
    i)前記圧力チャンバに水蒸気を供給して前記圧力に到達させる工程を有してなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • ii)少なくとも5秒の滞留時間にわたり、前記圧力チャンバ内の前記圧力を大気圧より高く維持する工程を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • iii)前記圧力を解放し、前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を60℃未満の温度に冷却する工程を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • a)前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を初期プラスター温度で前記圧力チャンバに供給し、かつ、前記水蒸気を初期水蒸気温度で前記圧力チャンバに供給し、
    b)前記初期プラスター温度が60℃〜200℃の間であり、前記初期水蒸気温度が100℃〜200℃の間であり、前記圧力がゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、前記滞留時間が5秒〜900秒の間であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • a)前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を初期プラスター温度で前記圧力チャンバに供給し、前記水蒸気を初期水蒸気温度で前記圧力チャンバに供給し、前記圧力チャンバをチャンバ温度に加熱し、かつ、前記圧力チャンバ内で前記水蒸気を前記初期温度より高い最終温度に加熱し、
    b)前記チャンバ温度が115℃〜200℃の間であり、前記初期プラスター温度が60℃〜200℃の間であり、前記初期水蒸気温度が100℃〜115℃の間であり、前記最終水蒸気温度が115℃〜200℃の間であり、前記圧力がゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、前記滞留時間が5秒〜900秒の間であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • 前記水蒸気が前記圧力で露点温度を有し、前記水蒸気が前記露点温度の±5℃以内の初期水蒸気温度で前記圧力チャンバに供給されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記水蒸気が前記圧力で露点温度を有し、前記水蒸気が前記露点温度未満の初期温度で前記圧力チャンバに供給され、前記圧力チャンバ内で前記露点温度の±5℃以内の最終水蒸気温度に加熱されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記水蒸気が100℃〜200℃の間の初期水蒸気温度で供給されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記水蒸気が前記圧力で露点温度を有し、前記ベータ硫酸カルシウム半水和物が前記露点温度の±5℃以内のプラスター温度で前記圧力チャンバに供給されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記圧力がゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記滞留時間が5秒〜900秒の間であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • 前記滞留時間が5秒〜600秒の間であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • 工程ii)の間に追加の水蒸気を前記圧力チャンバに供給することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • 工程i)〜ii)の間に前記圧力チャンバを加熱することを特徴とする請求項3に記載の方法。
  • 請求項1に記載の方法の生成物を利用する方法であって、
    前記処理済み生成物を水と混合して流し込み可能なスラリーを形成する工程を含み、前記処理済み生成物10重量部を7.5重量部未満の水と混合して流し込み可能なスラリーを形成することを特徴とする方法。
  • 前記方法が連続方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記方法がバッチ式方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 工程a)が、前記圧力チャンバ内で前記粉末ベータ硫酸カルシウム半水和物のゆるく充填された床を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記水蒸気を過熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 焼成プロセスから直接前記圧力チャンバに前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を少なくとも120℃の初期プラスター温度で前記圧力チャンバに供給することを特徴とする請求項1または21に記載の方法。
  • ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する方法であって、
    a)初期プラスター温度で圧力チャンバにベータ硫酸カルシウムの一定量を供給する工程と、
    b)初期水蒸気温度で前記圧力チャンバに水蒸気を供給して、前記圧力チャンバ内で大気圧より高い圧力に 該チャンバを加圧する工程とを含み、
    工程a)およびb)の間に前記ベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム無水物に変換され、前記ベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量が少なくとも3%減少するように、前記初期プラスター温度、前記初期水蒸気温度、および前記圧力を選択することを特徴とする方法。
  • c)前記圧力チャンバ内の前記圧力を滞留時間にわたり大気圧より高く維持する工程を更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  • d)前記圧力を解放し、前記ベータ硫酸カルシウム半水和物を60℃未満に冷却する工程を更に含み、
    工程d)の間に前記ベータ硫酸カルシウムの2%未満が硫酸カルシウム無水物に変換されるように、前記初期プラスター温度、前記初期水蒸気温度、および前記圧力を更に選択することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  • 前記圧力チャンバを加熱し、前記圧力チャンバ内で水蒸気を前記初期水蒸気温度より高い最終水蒸気温度に加熱することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  • 前記ベータ硫酸カルシウム半水和物の残留石膏含有率が前記工程の間に減少するように、前記初期プラスター温度、前記初期水蒸気温度、前記圧力および前記滞留時間が更に選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  • 前記ベータ硫酸カルシウム半水和物の可溶性無水石膏含有率が前記工程の間に減少するように、前記初期プラスター温度、前記初期水蒸気温度、前記圧力および前記滞留時間が更に選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
  • ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する方法であって、
    a)120℃〜190℃の間の温度で圧力チャンバにベータ硫酸カルシウムの一定量を供給する工程と、
    b)115℃〜195℃の間の温度で前記圧力チャンバに水蒸気を供給して、前記圧力チャンバ内で、ゲージ圧68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )の圧力に到達させる工程と、
    c)前記圧力チャンバ内の圧力を5〜900秒の間にわたりゲージ圧68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )に維持する工程とを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項1、23または29に記載の方法によって製造される生成物。
  • 請求項1、23または29に記載の方法によって製造される石膏ボード製品。
  • 請求項1、23または29に記載の方法によって製造されるプラスター。
  • 说明书全文

    本発明はベータ硫酸カルシウム半和物を処理する方法に関する。 より詳しくは、本発明は、ベータ硫酸カルシウム半水和物の水の必要量を低減する、焼成後方法に関する。

    石膏は式CaSO ・2H Oの硫酸カルシウム・二水和物[DH]である。 石膏鉱床は世界中に存在し、構造用途および装飾用途のために主として建築産業において数世紀にわたり用いられてきた。 最近では、合成石膏が、化学プロセスの副生物として、または石炭燃焼発電所の煙道ガスからの二酸化硫黄の洗浄の副生物として入手できるようになった。 石膏の使用から生じる主たる商業的価値は、加熱すると、すなわち以下で示す反応において例示される焼成と呼ばれるプロセスにおいて、石膏結晶中で組み合わされた水の4分の3を失う石膏の能に由来する。

    より高い温度で更に加熱すると、半水和物は残りの水を失い、可溶性無水石膏または無水石膏III[AIII]を生成し、それは半水和物に似た結晶構造を有し、大気からの水蒸気の吸収によって半水和物に容易に再変換される。 半水和物を高い湿度にさらすと、可溶性無水石膏を半水和物に変換するのみでなく、半水和物を石膏にゆっくり変換し、半水和物プラスターの総合的な反応性を減少させる。 これはプラスターのエージングと一般に呼ばれるプロセスである。 なお更に加熱すると、不溶性無水石膏形態の無水石膏II[AII]に変換する半水和物または可溶性無水石膏をもたらす。

    半水和物[HH]形態を水と混合して室温でスラリーを生成させると、半水和物は水に溶解し、石膏として再結晶化し、この工程において凝固する。 室温では、半水和物は石膏より水に可溶性であり、このことにより半水和物は溶解し、石膏は沈殿する。 純粋基準で[純度100%の石膏]、100gの半水和物を石膏に変換するのに18.6mlの水しか必要とされない。

    石膏の焼石膏への脱水または焼成のために幾つかの方法が実証され、これらの種々の方法によって種々の異なるタイプの半水和物が製造されてきた。 最も一般に製造される硫酸カルシウム半水和物は「ベータ」形態である。 「ベータ」形態においては、石膏は微粉砕され、その後、標準大気条件下、高温で焼成されて、速硬性の半水和物材料を生成する。 一般的な別のタイプは「アルファ」と呼ばれる。 「アルファ」においては、脱水プロセスは大気より高い圧力条件下で行われる。 半水和物のアルファ形態とベータ形態との間の主たる相違の1つは、流し込み可能なスラリーを生成するために粉末状半水和物と混合するのに要する水の量(すなわち、水必要量)である。 半水和物と水の激しい混合後、典型的なベータ半水和物プラスターは、流し込み可能なスラリーを生成するためにプラスター100g当たり75〜100mlの間の水を要する。 他方で、典型的なアルファ半水和物は、プラスター100gで流し込み可能なスラリーを生成するために水28〜45mlしか必要としない。 アルファ半水和物とベータ半水和物との間の相違、もっとはっきり言えば半水和物とCaSO 当たり水0.67モルまたは0.8モルを有する形態との間の相違に関して科学的な文献において多くの議論があった。 しかし、すべての実用的な用途のために、これらの形態のすべてが本質的に同じ結晶構造を有すると考えられる。 半水和物とより水和された形態との間の相違は、結晶C軸に平行な開水路において見られるより多くの水分子であるらしい。 アルファ半水和物およびベータ半水和物の粉末回折パターンの間に幾つかの僅かな相違があるらしいけれども、最も最近の見解は、ベータ半水和物はアルファ半水和物バサナイト構造の単なるより圧迫され、乱された形態であるということである。

    理論によって限定されはしないが、アルファ半水和物とベータ半水和物との間の水必要量のこの相違が、半水和物を製造するために用いられる焼成プロセスから生じる物理的作用と化学的作用の組み合わせによって引き起こされるということが考えられる。 ベータ半水和物の焼成により、圧迫され、乱された半水和物粒子がもたらされ、この粒子は水中で混合すると微細粒子へと砕かれる。 これらの微細粒子の内面はしばしば高度に帯電されており、水中で混合されたとき、これらの粒子を取り巻く構造化二重イオン層をもたらす。 しかし、アルファ半水和物粒子は、微粉砕されたときでさえ、これらの微粒子へと崩壊せず、一般に表面エネルギーがより低く、この結果、高い剪断力にかけられた後でさえ、流し込み可能な混合物を作るのにより少ない水しか必要としない。 水性半水和物混合物の流動学的特性は、水中での混合後の半水和物粒子の表面化学および粒度ならびに形状に応じて異なる。

    ベータプラスターは、軽量速硬性生成物を必要とする用途において用いられるのに対して、アルファ生成物は、硬化性プラスターの鋳込みにおいて高い強度および/または優れた細部を有することがより重要である場合に用いられる。

    アルファ半水和物またはベータ半水和物を用いるかどうかを問わず、水和のために化学的に必要とされるよりも多くの水を粉末に添加して、流し込み可能なスラリーを達成する。 殆どの場合、この余分の水は、非常にエネルギー集約的で費用がかかる乾燥プロセスによって除去されなければならない。 結果として、乾燥コストを節約するために、これらの場合、少ない水必要量のプラスターを用いることが有益である。 ベータ半水和物プラスターを用いるとき、これは特に当てはまる。 その理由は半水和物を石膏に水和するために必要とされるよりも遙かに多い水がプラスターと混合されるからである。 速硬性ベータプラスターで製造された典型的な厚さ1/2インチ(12.5mm)の石膏ボードは、例えば、ボードの各平方メートルから約3.6〜4kgの水を乾燥する必要があるのに対して、ボードをアルファ半水和物で製造できたならば、この水量の約半分だけが乾燥される必要があるだろう。 しかし、少ない水必要量のアルファプラスターは、こうしたアルファプラスターを幾つかの用途に対して使用不能にする異なる硬化特性を有する。 アルファ半水和物のこれらの硬化特性はあまりにも遅過ぎて、現代の石膏ボードのラインとしては商業的に実現できない。

    分散剤[ナフタレンスルホネート[NS]、リグニンスルホネート、メラミン樹脂など]などの化学薬品を用いることにより、これらの乾燥の蒸発負荷を減らそうと努力がなされて、懸濁液中の半水和物粒子の表面特性を改質し、よって流し込み可能な混合物を作るために必要な水の量を減少させてきた。 これらの化学薬品は非常に高価であり、殆どの場合、水必要量を15%以下に実用的に削減できるように化学品の有効性が限定されている。 これらの化合物は、石膏産業およびセメント産業において、しばしば水削減剤または超可塑剤と呼ばれている。

    少ない水必要量のアルファプラスターを製造するために一般的な2つの商業的方法がある。 塊の石膏岩を密閉容器内の生蒸気による高温および高圧で焼成する「乾式」法と石膏を水中でスラリー化し、スラリー中で高温および高圧で焼成して、使用前に濾過および乾燥される必要がある半水和物を生成する「湿式」法である。 湿式法と乾式法の両方のための出発材料が、前者の場合、塊形態を取った石膏であり、後者の場合、オートクレーブ内で水に懸濁された微細石膏粉末であることに留意されたい。

    ベータプラスターを製造するために幾つかの異なる技術もある。 例は、炉内の単純な開放トレー、ロータリーキルン、図2において例示されたバッチ形式または連続形式のいずれかで運転する一般に用いられたケトルプロセス、または石膏を短時間にわたり高温ガスにさらして、石膏中で組み合わされた結晶水を除去するフラッシュ焼成技術である。 これらの種々のプロセスから生じるプラスター特性は、用いられる焼成装置の結果としてのみでなく、焼成中に実行されるプロセスパラメータの結果としても互いに全く異なることが可能である。 しかし、一般に、すべての条件下でのこれらのプロセスのすべては、アルファ半水和物プロセスに関して見られる水必要量より多い水必要量の半水和物プラスターをもたらす。

    アルファプラスターまたはベータプラスターのいずれかを製造する理想的な焼成は、石膏から半水和物への完全な変換をもたらす。 しかし、実際には、他の化学種、すなわち、残留非焼成石膏、可溶性無水石膏、不溶性無水石膏または恐らく酸化カルシウムさえも生成する。

    多少の不溶性無水石膏を製造するようにプラスターを過焼成する場合、得られたプラスターの流し込み可能な水必要量が減り得ることが当該産業において周知されている。 これは、石膏の一部が不活性無水石膏の形態に変換され、硬化のためにもう利用できないことと、混合すると半水和物の崩壊を防ぐ半水和物への表面処理として挙動するからである。 この実施は、得られたスラリーの硬化特性を制限し、硬化性スラリーの強度発現特性を減少させる欠点を有する。

    同様に、処理をベータプラスターに応用して、前に記載された自然エージングプロセスに似た方式で水必要量を減少させる種々のプロセスが記載されてきた。 Floodによる特許文献1には、可溶性塩を連続焼成に添加して水必要量を減らす乾燥化(aridization)プロセスが記載されている。 Kinkadeによる特許文献2には、石膏を半水和物に焼成し、その後、ケトル内でもう一度再湿潤化し、加熱して少ない水必要量のプラスターを生成する2工程プロセスが記載されている。 Zaskalickyによる特許文献3には、ケトルに添加されたとき、石膏が湿っている結果としてより少ない水必要量のベータプラスターを生成するために湿式合成石膏または化学副生物石膏の連続焼成が記載されている。 Stoneによる特許文献4およびO'Nellによる特許文献5の両方は、プラスターを少量の液体水で処理し粉砕して、減少した水必要量のプラスターを生成し、但し、硬化すると強度を発現するこれらのプラスターの能力に多少有意な悪化があったプロセスを記載している。 更に、これらのプロセスからのプラスターを直ちに用いないなら、予測不能な硬化特性を有するプラスターを回避するために、こうしたプラスターを乾燥させる必要がある。 Bouniniによる特許文献6には、粉砕しつつ可溶化剤の水溶液によりプラスターを噴霧して、少ない水必要量のプラスターを生成するプロセスも記載されている。 より最近、Boldによる特許文献7には、水および/または75〜99℃の水蒸気でベータプラスターを処理し、その後、硬化し乾燥させることを含む多工程プロセスが記載されている。 一般に、水噴霧/硬化/乾燥プロセスは、処理されたプラスターが3〜7%の二水和物を含有するように残留石膏含有率の増加をもたらす。

    これらのプロセスによりほぼ15〜30%に水必要量を減らすことが可能であるが、これらの強制エージングプロセスのすべては1形態または別の形態で実行するのに高価である。 乾燥化(aridization)の場合、プラスターに可溶性塩を添加することが必要であり、よって石膏ボード用途におけるプラスターの使用を制限し、プラスター用途において装置に関わる腐食問題をもたらす。 加湿、硬化および乾燥の基本的に異なる方法である幾つかの処理がある。 一般に、これらのプロセスは製造速度を制限し、かなりの設備投資を必要とする。 更に、Boldによって最近記載されたように、主要な2つの懸念は故意でない再水和であり、それは二水和物を作り、装置の付着またはスケーリングのみでなくプラスタースラリー中で結晶シードとして作用する。 二水和物の生成は、硬化性混合物の早期剛化をもたらすことが可能であり、けれども、エージングされたプラスターは溶解するのがゆっくりであり、よって長引いた長い最終硬化をもたらす。 総合的に、スラリーのこのタイプの硬化特性は、急速製造プロセスにおいて用いるのを非常に難しくする。 これらの問題の結果として、ベータプラスターの焼成後処理は、特に石膏ボードの製造において限定的な用途を有していた。 乾燥化(aridization)は工業用プラスターのために一般に用いられるが、可溶性塩の添加なしで少ない水必要量のプラスターを生成するプロセスは、当該産業によって歓迎されるであろう。

    アルファプラスターがこれらのベータプラスター用途の多くのためにより理想的であろうと思われるが、アルファ半水和物の製造は遙かにより高価であり、実行するのが難しい。 更に、アルファプラスターの特性は、半水和物スラリーが非常に急速に硬化して石膏ボードなどの低密度軽量製品を提供しなければならないプロセスに非常に容易には役立たない。

    用途が典型的なアルファプラスターとベータプラスターとの間の半水和物プラスター中間体を必要とする場合、この生成物を提供する従来の方式は、これらの2つの材料タイプの間のプラスター中間体の製造を可能にするための混合用プラントに加えて、2つの製造設備、すなわち、1つはアルファ用、1つはベータ用の設備を建設することである。 Coxによる特許文献8には、石膏をブリケット化し(briquetted)、その後、オートクレーブ内で焼成して性能において中間である材料を生成する方法が記載されている。

    半水和物プラスターの硬化特性を測定するために石膏産業が用いる方法の1つは、半水和物の石膏への発熱水和から生じる温度上昇曲線を測定することである。 会社に応じて、この特性を監視するために異なる手順/技術を有する。 硬化プロセスがゆっくり始まって、紙面ライナーがスラリーによって湿ることを可能にするが、ボードが乾燥機に入る前に水和プロセスが可能な限り完全であるように迅速に終わることが石膏ボードの製造において一般に望まれる。 一般的に用いられた1つの技術は、水和曲線(℃/分)の最大傾斜を決定することであり、好ましい挙動は混合直後の非常に低い傾斜であり、最大傾斜は、全体的な水和プロセスにおいて非常に遅く現れる。 この場合、半水和物ボードスタッコは、水和時間の殆ど終わりまで非常に急速に硬化している。 これは、最終スラリーの改善された強度特性に一般に関連している。 ベータプラスターはこの処置によって非常にうまく機能し、図1によって例示された硬化曲線を与えている。 しかし、典型的なアルファプラスターは、より少ない水必要量およびより低い混合物熱容量のゆえにより高い総合的温度上昇を有するが、水和の終わり付近の総合的硬化プロセスは非常に緩慢であり、終わるのに長時間を要する。

    他の石膏プラスター用途では、種々の硬化特性が必要とされる。 壁プラスターでは、ボードプラスターに関して典型的に見られるよりも大きい強度を必要とするが、ベータプラスターでは示されるがアルファプラスターでは示されない「量感(body)」も必要とする。 成形用プラスターでは、うまく制御された膨張/収縮特性に加えて、細部の正確な複製および良好な強度特性を提供する能力が必要とされる。 硬化制御調節剤および晶癖調節剤は、石膏プラスターの特性を調節して必要とされる性能を微調整するために用いることが可能であるが、一般に、出発点は、アルファプラスター、ベータプラスターまたは2つの混合物であった。

    半水和物硬化プロセスを制御するために最も一般に用いられた添加剤は、溶解したカルシウムおよび硫酸イオンが結晶化するために石膏のより大きな表面積を提供する種結晶として有効に機能するための粉砕石膏促進剤である。 粉砕石膏促進剤は、石膏結晶表面の活性を最大化または安定化させるために幾つかの方法によって多くの形態を取って製造される。 促進剤の別のタイプも存在し、一般に化学促進剤と呼ばれ、それは半水和物を溶解させ、カルシウムイオンおよび硫酸イオンを成長する石膏結晶に移送して、より急速に行われる化学プロセスを引き起こす。 典型的な化学促進剤は、硫酸カリウムおよび硫酸アルミニウムまたは他の可溶性硫酸塩もしくは硫酸である。 イオン強度を増加させるか、または石膏の溶解度より半水和物の溶解度を増加させる化学薬品も化学促進剤である。

    水和プロセスの速度を遅らせることができる幾つかの化学薬品もある。 これらの材料は、典型的には、カルシウムイオンの化学活性を妨げることができる典型的にはキレート化剤、または半水和物の溶解を妨げる化学薬品もしくは石膏結晶の表面が可溶性のカルシウムイオンおよび硫酸イオンを受理するのを妨げる化学薬品である。 典型的な商用遅延剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、クエン酸、酒石酸および加水分解ケラチン蛋白質である。 しかし、石膏結晶の表面上に吸着する多くの化学化合物は半水和物の硬化プロセスを遅らせる。 例えば、リグニンスルホネート、ポリアクリル酸およびポリホスフェート中に見られる糖は、すべて有効な遅延剤である。 但し、それらを、分散剤などの別の理由で硬化性半水和物スラリーに添加してもよい。

    米国特許第3,898,316号明細書

    米国特許第3,415,910号明細書

    米国特許第4,533,528号明細書

    米国特許第4,238,445号明細書

    米国特許第4,201,595号明細書

    米国特許第4,360,368号明細書

    米国特許出願公開第2005/0152827号明細書

    米国特許第6,964,704号明細書

    1つの広範な態様では、ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する方法が提供される。 本方法は大気圧より高い圧力でベータ硫酸カルシウム半水和物を水蒸気にさらす工程を含む。

    この広範な態様の利点は、処理がベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量を減少させることである。 この広範な態様により処理されたベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量を最大40%もしくはそれ以上減少させ得ることが見出された。 更に、水必要量の減少を高い水蒸気温度および圧力により高めることが可能であることが見出された。 更に、この広範な態様によるベータ硫酸カルシウム半水和物の処理が大気圧(すなわち、psi )より高い689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi〜210psi)の範囲の水蒸気圧力で処理されたプラスターの水必要量を減少させることが見出された。 更に、この広範な態様による焼成されたばかりのベータ硫酸カルシウム半水和物の処理が、100℃〜200℃の範囲の水蒸気温度で処理されたプラスターの水必要量を減少させることが見出された。

    別の利点は、この広範な態様により処理されたベータ硫酸カルシウム半水和物が高いレベルの化学促進剤も遅延剤も化学分散剤も用いずに有益な硬化特性を示し得ることである。 すなわち、この広範な態様により処理されたベータ硫酸カルシウム半水和物により作られたスラリーの硬化特性は、高い水必要量の未処理ベータ硫酸カルシウム半水和物により作られたスラリーに似た硬化特性を有し得る。

    更に、減少した水必要量は天然石膏と合成石膏の両方に関して生じることが見出された。 更に、処理されているベータ硫酸カルシウム半水和物が高いレベルの可溶性無水石膏を含有する場合、水必要量の減少がなお生じ得ることが見出された。

    この広範な態様の別の利点は、未処理ベータ硫酸カルシウム半水和物が残留硫酸カルシウム・二水和物を含有する場合、この二水和物の一部を本方法において半水和物に変換し得ることである。 同様に、未処理ベータプラスターが可溶性の硫酸カルシウム無水物(無水石膏)を含有する場合、この可溶性無水石膏の一部を本処理方法で半水和物に変換し得る。 従って、この広範な態様により処理されたベータ硫酸カルシウム半水和物は、未処理ベータ硫酸カルシウム半水和物よりも100%半水和物の化学分析に近い場合がある。

    この広範な態様の別の利点は、未処理プラスターにより作られた類似の密度および硬化時間の石膏立方体に比べて、処理されたベータ硫酸カルシウム半水和物により作られた立方体の圧縮強度の減少を本方法がもたらし得ないことである。

    幾つかの実施形態において、本方法は、ベータ硫酸カルシウム半水和物を圧力チャンバに供給する工程と、圧力チャンバに水蒸気を供給して所望の圧力に到達させる工程とを含む。 更なる実施形態において、本方法は、少なくとも5秒の滞留時間にわたり圧力チャンバ内の圧力を大気圧より上に維持する工程を含む。 こうした実施形態は、ベータ硫酸カルシウム半水和物が比較的短い処理時間後に減少した水必要量を示すので有益である。 この実施形態による処理は、減少した水必要量をほんの数秒後に達成し得る。

    幾つかの実施形態において、ベータ硫酸カルシウム半水和物を初期プラスター温度で圧力チャンバに供給し、水蒸気を初期水蒸気温度で圧力チャンバに供給し、そして本方法は更に、本工程の間にベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム無水物に変換され、ベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量が少なくとも3%減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間を選択する工程を含む。

    幾つかの実施形態において、本方法は、圧力を解放し、ベータ硫酸カルシウム半水和物を60℃未満の温度に冷却する工程を更に含む。 こうした幾つかの実施形態において、冷却工程の間にベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム・二水和物に変換されるように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間が選択される。

    幾つかの実施形態において、初期プラスター温度は60℃〜200℃の間であり、初期水蒸気温度は100℃〜200℃の間であり、圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、滞留時間は5秒〜900秒の間である。 有利には、175℃で圧力チャンバに供給され、3分にわたりゲージ圧で448200Pa(65psi )の圧力で水蒸気にさらされたベータ硫酸カルシウム半水和物が55ml/100gの水必要量を示すのに対して、類似の未処理硫酸カルシウム半水和物が91ml/100gの水必要量を示すことが見出された。

    幾つかの実施形態において、圧力チャンバをチャンバ温度に加熱し、水蒸気を初期温度より高い最終温度に圧力チャンバ内で加熱し、本方法は、工程の間にベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム無水物に変換され、ベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量が少なくとも3%減少するようにチャンバ温度を選択する工程を更に含む。

    幾つかの実施形態において、チャンバ温度は115℃〜200℃の間であり、初期プラスター温度は60℃〜200℃の間であり、初期水蒸気温度は100℃〜115℃の間であり、最終水蒸気温度は115℃〜200℃の間であり、圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、滞留時間は5秒〜900秒の間である。

    幾つかの実施形態において、水蒸気は圧力で露点温度を有し、水蒸気は露点温度の±5℃以内の初期水蒸気温度で圧力チャンバに供給される。

    幾つかの実施形態において、水蒸気は圧力で露点温度を有し、水蒸気は露点温度未満の初期温度で圧力チャンバに供給され、露点温度の±5℃以内の最終水蒸気温度に圧力チャンバ内で加熱される。

    幾つかの実施形態において、水蒸気は100℃〜200℃の間の初期水蒸気温度で供給される。

    幾つかの実施形態において、水蒸気は圧力で露点温度を有し、ベータ硫酸カルシウム半水和物は露点温度の±5℃以内のプラスター温度で圧力チャンバに供給される。

    幾つかの実施形態において、所望の圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間である。 更なる実施形態において、所望の圧力はゲージ圧で68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )の間である。

    幾つかの実施形態において、滞留時間は5秒〜900秒の間である。 更なる実施形態において、滞留時間は5秒〜600秒の間である。

    幾つかの実施形態において、ベータ硫酸カルシウム半水和物の残留石膏含有率が工程の間に減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間は更に選択される。 更なる実施形態において、ベータ硫酸カルシウム半水和物の可溶性無水石膏含有率が工程の間に減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間は更に選択される。

    幾つかの実施形態において、滞留時間中に追加の水蒸気は圧力チャンバに供給される。 幾つかの実施形態において、滞留時間の前および滞留時間中に圧力チャンバは加熱される。

    幾つかの実施形態において、本方法は、工程の間にベータ硫酸カルシウム半水和物の硬化時間の増加が15%以下になるように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間を選択する工程を更に含む。

    更に広範な態様において、処理方法の生成物を利用するための利用方法が提供される。 本利用方法は、硫酸カルシウム半水和物を水と混合して流し込み可能なスラリーを生成させる工程を含む。

    幾つかの実施形態において、硫酸カルシウム半水和物10部を7.5重量部未満の水と混合して流し込み可能なスラリーを生成させる。

    別の広範な態様において、ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する方法が提供される。 本方法は、初期プラスター温度で圧力チャンバにベータ硫酸カルシウムの一定量を供給する工程と、初期水蒸気温度で圧力チャンバに水蒸気を供給して、圧力チャンバ内で大気圧より高い圧力に到達させる工程とを含む。 ベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム無水物に変換され、ベータ硫酸カルシウム半水和物の水必要量が少なくとも3%減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力は選択される。

    幾つかの実施形態において、本方法は、圧力チャンバ内の圧力を滞留時間にわたり大気圧より上に維持する工程を更に含む。 更なる実施形態において、本方法は、圧力を解放し、ベータ硫酸カルシウム半水和物を60℃未満に冷却する工程を含む。 幾つかのこうした実施形態において、冷却中にベータ硫酸カルシウム半水和物の2%未満が硫酸カルシウム・二水和物に変換されるように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力は更に選択される。

    幾つかの実施形態において、初期プラスター温度は60℃〜200℃の間であり、初期水蒸気温度は100℃〜200℃の間であり、前記圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、滞留時間は5秒〜900秒の間である。

    幾つかの実施形態において、圧力チャンバを加熱し、水蒸気を初期水蒸気温度より高い最終水蒸気温度に圧力チャンバ内で加熱する。

    幾つかの実施形態において、初期プラスター温度は100℃〜200℃の間であり、初期水蒸気温度は100℃〜115℃の間であり、最終水蒸気温度は115℃〜200℃の間であり、圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間であり、滞留時間は5秒〜900秒の間である。

    幾つかの実施形態において、ベータ硫酸カルシウム半水和物の残留石膏含有率が工程の間に減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間は更に選択される。 更なる実施形態において、ベータ硫酸カルシウム半水和物の可溶性無水石膏含有率が工程の間に減少するように初期プラスター温度、初期水蒸気温度、圧力および滞留時間は更に選択される。

    別の広範な態様において、ベータ硫酸カルシウム半水和物を処理する別の方法が提供される。 本方法は、120℃〜195℃の間の温度で圧力チャンバにベータ硫酸カルシウムの一定量を供給する工程と、115℃〜190℃の間の温度で圧力チャンバに水蒸気を供給して、圧力チャンバ内でゲージ圧で68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )の間の圧力に到達させる工程と、前記圧力チャンバ内の圧力を5〜900秒の間にわたりゲージ圧で68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )の間で維持する工程とを含む。

    本発明のこれらの利点および他の利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明に関連してより完全に、そして詳しく理解されるであろう。

    既知のベータ硫酸カルシウム半水和物によって示された硬化曲線の例である。

    石膏の焼成において用いられる既知の方法の例である。

    本発明による方法の実施形態の流れ図である。

    本発明の方法において用いるために適する圧力チャンバの実施形態の正面図である。

    試験方法の説明石膏相分析 二水和物、半水和物、無水物(III)、遊離水および他の材料の%組成は、重力石膏相分析手順を通して以下の通り決定した。 空の容器を0.0001gの天秤精度で秤量した。 サンプル4〜6gを容器に添加し(必要に応じて乳鉢と乳棒で前もって微粉砕)、秤量し、60〜80%相対湿度で空気中に一晩放置した。 その後、サンプルをYamato社(米国カリフォルニア州サンタクララ所在)製のDKN600によるデジタル制御定温炉内で45℃で2時間にわたり乾燥させ、後で秤量した。 次に、蒸留水20mlをサンプルに添加し、サンプルを覆い、その後、放置して室温で2時間にわたり再水和させた。 その後、サンプルを45℃で一晩再び乾燥させ、後で秤量した。 その後、Orton社(米国オハイオ州ウェスタービル所在)製のSentry Xpress2.0klin内でサンプルを300℃で2時間にわたり加熱した。 その後、サンプルを変換し、短時間冷却し、可能な限り速やかに秤量した。 最後に、重量%遊離水、%可溶性無水石膏(III)、%二水和物、%半水和物および%他材料を秤量結果から計算した。

    水分収支分析 Ohaus社(米国ニュージャージー州パインブルック所在)製のMB45水分分析計内で加熱中のサンプルの重量損失によって含水率を決定した。 サンプル皿を秤量し、サンプル約2gをサンプル皿に加えた。 重量損失が安定化するまで、皿およびサンプルを200℃までの最高速度熱傾斜に供し、%水分を記録した。

    連続ケトル焼成 ケトルへのおよびケトルからの安定供給を維持することにより、連続焼成は稼働する。 用いた実験室規模の連続ケトル装置は、一旦ケトルが特定の体積まで満たされるとケトルの底からプラスターが生成されるように設計された、機械的攪拌機(メカニカルスターラー)を備えた注文製造された20リットル容器であった(図4参照)。 2つの熱源の使用によってケトルを加熱した。 2つの熱源の1つはケトルの側面周りのジャケットであり、もう1つはケトルの底面上にあり、各々はStaco Energy Products社(米国オハイオ州デートン所在)製の10アンペア、1.4KVA Variacによって可変に制御される。 Eriez社(米国ペンシルベニア州エリー所在)製のN12−G30HZ−115/230バイブレータフィーダにより可変基準で石膏を連続的に供給することによりケトル中の所望の温度を維持することにより連続焼成プロセスを行った。 材料をケトルに供給し、ケトルの体積が特定の容量に達したとき、材料をケトルの側面上の堰管を通して底から押し出した。 堰管は、材料が放出口に向けて堰管に上がって来たときに材料を流動化させたままにするエアランスを有していた。 機械的攪拌機が層を攪拌したことにより、ケトルの中は均一な温度分布であった。 ヒータ、ダスト排出機、機械的攪拌機、エアランスおよび温度記録装置を起動することによりケトルの運転を開始した。 一旦ケトルが約130℃に達すると、石膏の供給を開始した。 制御温度に達するまで材料を中に供給するにつれてケトルはだんだん熱くなり続けた。 その後、石膏をケトルに供給して、温度を一定レベルに保った。 ケトルは満たすのに約45分を要し、一旦ケトルが焼成された材料を作り出すと、ケトルを別の(およそ)45分にわたり放置して、運転が落ち着くようになるとともに均一な産出量を有することを見込んだ。 タイプK熱電対によって堰管の底でおよび層の上部付近で温度を監視した。 適切なコンピュータロッギングソフトウェアを備えたSper Scientific社(米国アリゾナ州スコッツデール所在)製の800024温度計によって温度データを読んだ。

    バッチ式焼成 140℃と160℃との間にケトルを予熱することによりバッチ式焼成の運転を行い、その後、供給を開始した。 バッチ式焼成は約9kgのプラスターを焼成した。 バッチ式焼成における供給速度を150グラム/分で一定に保って、45〜90分の間のケトル充填時間を達成した。 供給を開始すると、ケトル温度は低下した。 その後、温度を110℃〜120℃に維持するよう、側面ヒータのオン−オフを手動で繰り返した。 ケトルへの供給を止め、プラスターの温度が徐々に上昇するように、底ヒータをオンのみにして、ケトルを運転した。 排出される水の量が減少し、排出するには少なすぎる量しか存在しなかったことから、プラスターの温度が上昇した。 温度が145℃〜155℃の間に達した際に、ケトルの底ゲートを開けてプラスターを取り出した。 乾燥化(aridized)バッチ式焼成を行う際に、焼成工程の間に石膏に塩化カルシウムを添加した。 9kgのバッチに0.1重量%の塩化カルシウムが添加された、または、フルバッチ焼成に9グラムが添加された。 塩化カルシウムを添加しなかったこと以外は、バッチ式焼成の運転は、乾燥化(aridized)バッチと同じ方式で行った。

    粒度分析−Malvern
    Malvern社(英国ウースターシャー所在)製のMastersizer2000を用いて粒度分布を測定した。 1800RPMで運転する湿式分散装置内でイソプロピルアルコールの溶液にサンプルを分散させることにより試験を行った。 「石膏(平均)」の材料密度設定を仮定し、バックグラウンド除去後10オブスキュレーション〜20オブスキュレーションの間で測定を行った。

    マシン混合水必要量 マシン混合水必要量の測定をブレンダー(Cuisinart社(米国ニュージャージー州イースト・ウィンザー所在)製のSmartPower)内でクエン酸ナトリウム1.0gを含有する室温平衡水の反復調査された量に、30秒にわたりプラスター400グラムを添加し、その後、最高速度で7秒にわたり混合することにより決定した。 その後、混合したスラリーを清浄なガラス板上の直径5.08cm(2インチ)、高さ10.16cm(4インチ)の円筒に注いだ。 チューブが満たされると、素早い垂直の動きでチューブを持ち上げ、スラリーが測定直径のパテ型(スランプとして知られている)に広がることを可能にした。 プラスターの記載された水必要量でのプラスターの目標直径は19.05cm(7.5インチ)であった。

    圧縮強度 硬化石膏立方体の圧縮強度は、2インチ立方体の形態を取ったプラスターを硬化させることにより試験し、Test Mark Industries社(米国ペンシルベニア州ビーバーフォールズ所在)製の油圧式圧縮試験機によって機械的に試験した。 600グラムのプラスターを記載された水必要量に30秒間にわたり混練し、その後、7秒にわたり混合した。 その後、スパチュラを用いて、スラリーをコーナーパドルと共に、5.08cm(2インチ)の立方体の型に過剰に注ぎ、同伴気泡を除去した。 その後、過剰のスラリーを除いて、完全な水和の前にパテナイフで平らにし、完全な水和後に立方体を鋳型から取り出した。 Humboldt MFG CO. (米国イリノイ州ノリッジ所在)製のビカー試験計器を用いてビカー硬化時間を測定した。 立方体を湿りで秤量し、45℃で一晩乾燥させた。 一定質量への乾燥が完了した後、立方体を再び乾燥させた。 その後、重力による沈降に起因するあらゆる作用を回避するために立方体の上面を側面に向けさせて、立方体を油圧試験機内で試験した。 立方体を27.2〜72.6kg/秒(60〜160lb/秒)の荷重速度で試験した。 ピーク強度を記録し、立方体の表面積で除し、圧縮強度として報告した。

    温度上昇硬化曲線 プラスターサンプルの硬化曲線は、Extech Instruments社(米国マサチューセッツ州ウォルサム所在)製の421508温度計およびタイプK熱電対を用いる断熱熱量計において時間の関数としてプラスタースラリーの発熱温度上昇を測定することにより決定した。 400グラムのプラスターを30秒にわたり記載された量の水に添加し、7秒にわたり混合した。 その後、混合物を熱量計内のスタイロフォームカップに注ぎ、密封した一方で、温度を1秒刻みで0.1℃の精度で記録した。 得られた温度対時間データ曲線を分析して、温度上昇、98%硬化時間および最大傾斜の時間と温度を決定した。 ボールミル粉砕された促進剤を添加した幾つかの例において、この促進剤は、Lortone社(米国ワシントン州シアトル所在)製のQT12/QT66回転タンブラー内で240分にわたり750gの生石膏および15グラムの界面活性剤Nansa HS90/AF(Albright & Wilson Americas(米国バージニア州グレンアレン所在)をボールミル粉砕することにより製造された。回転タンブラーは、直径2.54cm(1インチ)のスチールボール40個および直径2.54cm(1インチ)、長さ2.54cm(1インチ)のスチール円筒20個を装填していた。

    本発明の実施形態は、改善された特性をベータ硫酸カルシウム半水和物に与える、ベータ硫酸カルシウム半水和物の焼成後処理のための方法を提供する。 本方法は、大気圧より高い圧力で硫酸カルシウム半水和物(以後、プラスターと呼ぶ)を水蒸気にさらす工程を含む。 本方法は、以下に記載される条件下で行われるとき、プラスターの水必要量を所望のレベルに減少させる。 幾つかの実施形態において、プラスターの水必要量は少なくとも3%、および最大で40%もしくはそれ以上減少する。 幾つかの実施形態において、本方法は、一方でプラスターの不溶性の硫酸カルシウム無水物への変換を促進せず、プラスターの硫酸カルシウム・二水和物(石膏)への変換を促進せずに、プラスターの水必要量を所望のレベルに減少させる条件下で行われる。 条件について説明する。

    本発明によれば、ある時間(以後、滞留時間と呼ぶ)にわたり圧力チャンバ内で大気圧より高い圧力でプラスターを水蒸気にさらすことにより、プラスターの水必要量を所望のレベルに減少させ得る。 水必要量の減少が水蒸気温度および圧力の広い範囲にわたって起きることが見出された。 意外にも、水蒸気が過熱蒸気として、または飽和蒸気として、もしくは凝縮環境において提供されるかどうかを問わず、処理が有効であり得ることが見出された。 意外にも、水必要量の減少を達成するために必要な滞留時間が圧力チャンバ内の圧力が増加するにつれて、そして水蒸気の温度が上昇するにつれて減少することも見出された。 処理プロセスが特定の条件下で事実上意外にも急速であることも見出された。 更に、水必要量の減少を滞留時間に応じて変えることが可能であるが見出された。 従って、使用者は、プラスターの所望の特性に基づいて滞留時間を選択してもよい。 処理条件が非常に有効であり得る一方で、処理後に非常に低いレベルの吸着水を有するプラスターを同時にもたらし、結果として、処理されたプラスターを冷却するとプラスターの石膏への変換を減少させ得ることも見出された。

    本工程の間にプラスターの石膏への変換を減少させるために、石膏への変換が起きる温度より高い温度でプラスターを供給してもよく、プラスターによって吸着されるべく利用できる水の量は減少させてもよい。 概して、プラスターは60℃未満の温度で水の存在下で石膏に変換する。 従って、プラスターを60℃より上で本プロセスに供給してもよい。 更に、プラスターによって吸着されるべく利用できる水の量は処理工程の間に凝縮する水蒸気の量を減らすことにより減少させてもよい。 これは、なお更に高い温度で、すなわち、60℃より十分上でプラスターを本プロセスに供給することにより有益に影響を受け得る。 そのように行う際に、本方法の完了後60℃未満にプラスターが冷えるとき、プラスターを石膏に変換するためにより少ない水しかない。 幾つかの実施形態において、プラスターを水蒸気の露点に近い温度で供給してもよい。 更なる実施形態において、水蒸気の露点でまたは水蒸気の露点より上でプラスターは供給される。 すなわち、本方法をゲージ圧で275800Pa(40psi )の圧力で行い、水蒸気を少なくとも143℃(ゲージ圧で275800Pa(40psi )での露点である)で供給するか、または少なくとも143℃に加熱する実施形態において、プラスターを143℃でまたは143℃より高い温度で供給して、水蒸気のプラスター上での凝縮を抑制してもよい。 更なる実施形態において、プラスターを水蒸気の露点未満の温度で供給し、よってプラスターに凝縮する水蒸気をもたらし、プラスター温度は、利用された水蒸気の温度に向けて上昇し、最後には利用された水蒸気の温度に上昇する。 意外にも、本処理プロセスは、60℃未満にプラスターを冷却後に処理されたプラスター中に過剰の石膏レベルをもたらさずにプラスターの水必要量を減少させる際になお有効である。

    幾つかの実施形態において、プラスターの不溶性無水石膏への変換を減らすために、プラスターからの不溶性無水石膏の生成を妨げるのに十分低い温度で水蒸気を供給する。 約200℃未満のこうした温度がこうした生成を抑制することが見出された。

    当業者に知られている通り、プラスターを製造するための石膏の焼成は、一般に約120℃〜約190℃の温度で行われる。 プラスターが焼成プロセスから取られ、中間貯蔵段階なしで本発明処理プロセスに供給される場合、プラスターの温度が、処理プロセスにおいてプラスターの水必要量を減少させるために適することが見出された。 水必要量の減少が本工程の間に石膏生成または不溶性無水石膏生成を引き起こさずに起こり得ることも発見された。 幾つかの実施形態において、本処理プロセスは石膏含有率の減少をもたらした。 他の実施形態において、本処理プロセスは可溶性無水石膏含有率を減少させた。 従って、幾つかの実施形態において、短縮された時間の量においてプラスターの水必要量を所望のレベルに減少させるために、そして冷却後にプラスターの石膏への変換を回避するために、本方法は、プラスター温度が120℃〜190℃の間である間に焼成プロセスから直接圧力チャンバにプラスターを供給し、圧力チャンバ内の圧力が水蒸気の露点にあるか、または露点付近であるまで100℃〜200℃の間の温度で水蒸気を供給し、所定の滞留時間にわたりその圧力を維持することを含む。 あるいは、本方法は、もっと後の時間に再加熱された貯蔵された室温プラスターの水必要量を減少させる際に有効であることも示された。

    図3を参照すると、ベータ硫酸カルシウム半水和物(プラスター)の焼成後処理のための例示的な方法300を示している。 記載された方法はバッチ式方法である。 しかし、本方法が連続方法または半連続方法であってもよいことは考慮されている。 ステップ302で、プラスターを圧力チャンバに供給する。 圧力チャンバは当該技術分野において知られている適するいかなる圧力チャンバであってもよい。 適する圧力チャンバ400の実施形態を図4に示している。 図示した実施形態において、圧力チャンバ400は、チャンバ本体402、プラスター入口404、プラスター出口406および水蒸気入口408を含む。 本体402は、例えば、直径3インチのステンレススチールパイプから製作してもよい。 幾つかの実施形態において、本体402は円筒状であってもよい。 プラスター入口404およびプラスター出口406は、例えばボールバルブを含んでもよい。 より詳しくは、幾つかの実施形態において、プラスター入口404および/またはプラスター出口406は、Spheri Valveという商品名でClyde Materials Handling社(英国ドンカスター所在)から市販されているバルブを含んでもよい。 図示した実施形態において、水蒸気入口408は、圧力チャンバの側壁で提供され、チャンバの高さに沿って中央に配置される。 他の実施形態において、水蒸気入口は、圧力チャンバの底壁または圧力チャンバの上壁において提供してもよい。 導管410は、水蒸気源412から水蒸気入口408に水蒸気を供給するために水蒸気入口408に連結されている。 水蒸気源412は、例えばボイラーであってもよい。 導管410は、例えば、約0.635cm(約1/4インチ)の内径を有する銅管であってもよい。 ベントバルブ414は、圧力チャンバ内の圧力を解放するために水蒸気導管410に連結されている。 圧力指示器416は、入ってくる水蒸気の圧力を測定するために水蒸気導管410に連結されている。 幾つかの実施形態において、圧力チャンバの壁を加熱するために圧力チャンバ本体402に加熱部材(図示していない)を与えてもよい。 更に、水蒸気導管410に加熱部材を与えてもよい。 加熱部材は、例えば、圧力チャンバ本体402および/または水蒸気導管の周りに巻き付けられる加熱テープを含んでもよい。 幾つかの特定の実施形態では、加熱テープは、2.54cm(1インチ)の幅を有する120V加熱テープであってもよい。 他の実施形態において、圧力チャンバは加熱しなくてもよい。 例えば、チャンバに外部加熱を提供する必要なしにチャンバの壁上での凝縮を回避するために水蒸気およびプラスターから十分な熱があるように圧力チャンバを断熱してもよい。 幾つかの実施形態(図示していない)では、熱電対または温度計などの温度センサーを圧力チャンバ本体402内部に提供してもよい。 特定の幾つかの実施形態において、熱電対を圧力チャンバの壁上に提供してもよく、圧力チャンバの高さに沿って中央に配置してもよい。

    再び図3を参照すると、プラスターを高温(以後、初期プラスター温度と呼ぶ)で圧力チャンバに供給してもよい。 幾つかの実施形態において、プラスターは、60℃〜120℃の間の初期プラスター温度で供給される。 より詳しくは、幾つかの実施形態において、プラスターを約120℃〜190℃の間の初期プラスター温度で供給してもよい。 幾つかの実施形態において、プラスターを焼成プロセスから直接圧力チャンバに供給してもよい。 こうした実施形態において、プラスターを焼成プロセスにおいて初期プラスター温度に加熱してもよく、プラスターの追加の加熱を必要としない場合がある。 他の実施形態において、プラスターをどこかほかから、例えば、貯蔵タンクから供給してもよい。 こうした実施形態において、ステップ304で、圧力チャンバに供給する前にプラスターを予熱してもよい。 他の実施形態において、プラスターを貯蔵タンクから直接圧力チャンバに供給してもよく、水蒸気処理の前に圧力チャンバ内で予熱してもよい。

    プラスターを様々な形態で圧力チャンバに供給してもよい。 更に、プラスターは純粋の硫酸カルシウム半水和物でなくてもよく、残留石膏分、可溶性の硫酸カルシウム無水物分、不溶性の無水物分および他の残留化合物の1つ以上を含んでもよい。 幾つかの実施形態において、プラスターは粉末として供給され、そして圧力チャンバに沈着して、ゆるく充填された層を形成する。 幾つかの実施形態において、圧力チャンバは約0.0015立方メートル〜約10立方メートルの間の体積を有し、ゆるく充填された層が体積の約50%〜約95%の間を構成するとともに、ゆるく充填された層が約40%〜80%の間の空所を有するようにプラスターで充填される。 しかし、別の実施形態において、別の体積、プラスターの量および空所を用いてもよい。

    ステップ306で、水蒸気は圧力チャンバに供給される。 圧力チャンバ内で所望の圧力に到達するまで水蒸気を供給してもよい。 幾つかの実施形態において、所望の圧力はゲージ圧で689.5Pa〜1.45MPa(0.1psi 〜210psi )の間である。 より詳しくは、幾つかの実施形態において、所望の圧力はゲージ圧で68950Pa〜1.38MPa(10psi 〜200psi )の間である。 特定の幾つかの実施形態において、その圧力で、水蒸気の露点温度がプラスターの温度であるか、またはプラスターの温度付近(すなわち、プラスターの温度の±5℃以内)であるように圧力は選択される。 例えば、初期プラスター温度が143℃である場合、水蒸気の露点が143℃である圧力であるゲージ圧で約275800Pa(約40psi )であるべく圧力を選択してもよい。 他の実施形態において、圧力はプラスター温度で水蒸気の露点圧力より上または下であってもよい。

    水蒸気を広い温度範囲で供給してもよい。 幾つかの実施形態において、水蒸気は初期温度で供給してもよく、本プロセスの持続期間にわたって本質的に初期温度(例えば、初期温度の±5℃以内)のままであってもよい。 他の実施形態において、水蒸気を初期温度で供給してもよく、圧力チャンバ内で初期温度より高い最終温度に加熱してもよい。 いずれの場合も、初期温度で水蒸気を維持するため、または最終温度に水蒸気を加熱するためのいずれかのために、圧力チャンバに加熱壁を与えてもよい。

    水蒸気を初期温度で供給し、本プロセスの持続期間にわたって本質的に初期温度で維持する実施形態において、初期温度は約100℃〜約200℃の間であってもよい。 より詳しくは、幾つかの実施形態において、初期温度は約115℃〜約195℃の間であってもよい。 幾つかの実施形態において、所望の圧力に到達したとき、水蒸気が過熱されているように水蒸気を供給してもよい。 例えば、圧力チャンバ内でゲージ圧約151700Pa(約22psi )の圧力に到達するまで水蒸気を約143℃の温度で供給してもよい。 他の実施形態において、所望の圧力に到達したとき、水蒸気が飽和されているように水蒸気を供給してもよい。 例えば、圧力チャンバ内でゲージ圧約275800Pa(約40psi )の圧力に到達するまで水蒸気を約143℃の温度で供給してもよい。 なお他の実施形態において、圧力チャンバ内で所望の圧力に到達したとき、水蒸気が凝縮状態にあるように水蒸気を供給してもよい。 例えば、圧力チャンバ内でゲージ圧約413700Pa(約60psi )の圧力に到達するまで水蒸気を約153℃の温度で供給してもよい。

    他の実施形態において、前述したように、水蒸気を初期温度で供給してもよく、圧力チャンバ内で最終温度に加熱してもよい。 幾つかの実施形態において、水蒸気を約100℃〜約115℃の間の初期温度で供給してもよく、圧力チャンバ内で約115℃〜約200℃の間の最終温度に加熱してもよい。 より詳しくは、幾つかの実施形態において、水蒸気を約100℃の初期温度で供給してもよく、圧力チャンバ内で約115℃〜約195℃の間の最終温度に加熱してもよい。 例えば、水蒸気を100℃で供給してもよく、圧力チャンバの壁を143℃に加熱してもよい。 従って、水蒸気を添加するにつれて、水蒸気の温度は143℃の最終温度に向けて上昇する。

    上述した実施形態のいずれかにおいて、プラスターの初期温度、水蒸気の初期温度および最終温度ならびにチャンバ壁の温度は様々な関係を有してもよい。 幾つかの実施形態において、初期プラスター温度およびチャンバ温度は、水蒸気の初期温度より高くてもよい。 従って、水蒸気は圧力チャンバ内で最終温度に加熱される。 他の実施形態において、初期プラスター温度、初期水蒸気温度および最終水蒸気温度ならびにチャンバ温度は似ていてもよいか、または本質的に同じであってもよい。 こうした実施形態において、水蒸気温度は圧力チャンバ内で一定のままであってもよい。 他の実施形態において、初期水蒸気温度およびチャンバ温度は、初期プラスター温度より熱くてもよい。 こうした実施形態において、水蒸気が圧力チャンバに添加されるにつれて多少の水蒸気はプラスター上に凝縮してもよい。

    所望の圧力に到達した際に、圧力チャンバへの水蒸気の流れを停止してもよく、圧力チャンバ内で滞留時間にわたって圧力を維持してもよい(ステップ308)。 滞留時間中に、例えば、圧力チャンバの壁を加熱することにより、追加の熱を圧力チャンバに供給してもよい。 更に、滞留時間中に追加の水蒸気を圧力チャンバに供給してもよい。 プラスターの所望の特性に基づいて滞留時間を選択してもよい。 プラスターの水必要量の減少を5秒ほどに短い滞留時間にわたって達成できることが見出された。 しかし、滞留時間が増加するにつれて、水必要量の減少が高まる。 従って、幾つかの実施形態において、滞留時間は5秒〜900秒の間である。 更なる実施形態において、滞留時間は5秒〜600秒の間である。 特定の一実施形態において、滞留時間は300秒である。 別の実施形態において、滞留時間は900秒より長くてもよい。 例えば、ウォールボードの製造において、プラスターの水必要量を約15%減らすことが望まれる場合がある。 従って、滞留時間は他のプロセス変数に応じて30〜約120秒の間であってもよい。 別の例において、セラミック産業のためまたはフロアスクリードバインダーのための鋳型の製造において、プラスターの水必要量を約35%減らすことが望まれる場合がある。 従って、滞留時間は他のプロセス変数に応じて約300秒以上であってもよい。

    ステップ310で、圧力チャンバ内の圧力を解放する。 プラスターを圧力チャンバから直ちに取り出すか、または放置して圧力チャンバ内で冷却してもよい。 滞留時間の過程にわたって、水蒸気、プラスターおよびチャンバ壁の温度に応じて、前述したように多少の水蒸気は凝縮してもよく、プラスターに吸着されてもよい。 圧力が解放されたとき、凝縮水蒸気の一部は蒸発する。 従って、プラスターが60℃未満に冷えたとき、減少した水量はプラスターを石膏に変換するために利用できる。

    プラスターが冷却されたとき、プラスターを貯蔵してもよいか、および/またはファイバーボード、ウォールボードおよびフローリング組成物などの石膏ボード製品または天井ボード、フロアボード、外部堰ボード、石膏ブロック、天井タイル、高強度壁プラスター、ガラス強化石膏パネル、セラミック鋳型、彫像、模型用プラスター、パターン作製用プラスター、建築成形物、鋳込み用プラスター、エンジニアリングプラスター、吸収性粒体、鉱山陥没セメントおよびグナイトなどの他の製品を製造するために用いてもよい。 石膏ボード製品を製造するために、処理されたプラスターを水と組み合わせて水性スラリーを生成させてもよい。 本方法300により処理されたプラスターが未処理プラスターと比べて減少した水必要量(すなわち、流し込み可能なスラリーを生成するためにより少ない水しか必要としない)を示すことが見出された。 従って、幾つかの実施形態において、処理されたプラスターを未処理プラスターのために必要であるより約3%〜約40%の間少ない水と組み合わせてもよい。 例えば、未処理プラスターがスラリーを生成するためにプラスター100g当たり水約78mlを必要としたなら、処理されたプラスターは、スラリーを生成するためにプラスター100g当たり水75ml未満と組み合わせてもよい。

    水および種々の添加剤と混合した後、スラリーを鋳型に注いでも、紙シートの間で成形しても、壁表面に被着させてもよく、またはフロア上に注いでもよく、表面上にまたは鋳型にポンプで送るとともに噴霧し、放置して硬化させてもよい。 本方法300により処理されたプラスターにより製造されたスラリーが、より多い水必要量を有するプラスターに関連して、有益な特性を通常示すことが見出された。 すなわち、本方法300により処理されたプラスターにより製造されたスラリーは流動性であり、乾燥コストを減らし、分散剤コストを減らし、硬化したときに強く、鋳込みにおいて良好な細部を提供し、低い可溶性塩レベルを有し、そして長い鋳型寿命を有する。 水和曲線において早期に剛化せず、遅れて最終硬化せずに短い硬化時間を与えるために促進剤への良好な応答を示すことにより、スラリーは効率的な製造プロセスも可能にする。

    実施例1 天然石膏半水和物プラスターの処理 USG社(米国シカゴ所在)製のLP2と呼ばれるより低い純度のサンプル、石膏ボードの製造において用いられるHP1と呼ばれる高純度石膏サンプルおよびこれもUSG社(米国シカゴ所在)によって販売されているTerra Alba(TA)と呼ばれる高純度極微細石膏の3つの天然石膏サンプルを用いて実験室規模の連続ケトル焼成を行った。 3つの石膏サンプルに関する焼成温度は、処理プロセスにおける初期プラスター温度に対応するそれぞれ160℃、160℃および165℃であった。 このケトルが世界中で現在用いられている製造ケトルの正確なモデルであることは、過去の研究で示されている。 このプラスターの石膏相分析は、世界中で共通に用いられている典型的なものと考えられるであろう範囲にわたる純度レベルを示した。 実験室ケトル装置の流れ図を図2に示し、以下で説明する。

    図4に示した加圧容器を用いて処理プロセスを行った。 この圧力容器は、水蒸気エントリーを可能にする入口を備えた内径3インチの垂直管、内部圧力を監視する圧力ゲージおよび処理後に圧力を解放するベント口からなっていた。 処理チャンバを通して材料の流れを可能にするために、底バルブを閉じることができ、上部開放バルブを通して新鮮なプラスターを注ぐことができ、その後、チャンバを加圧することを可能にするために上部バルブを閉じることができるにように、処理チャンバの上部と底の両方に大きなバルブを取り付けた。 処理が完了した後、チャンバをベントし、底バルブを開放して試験用のプラスターを放出した。

    ケトルから来るプラスターが処理装置のための上部バルブより上にある貯蔵エリアに直接落下して、プラスターの高温を維持できるように処理チャンバを設置した。 更に、ステンレススチール処理チャンバおよび初期貯蔵エリアの周りに巻きつけた加熱テープの使用を通して、全体的な処理装置を高温で保持した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で275800Pa(40psi )水蒸気圧力およびゲージ圧137900Pa(20psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    サンプルを0分(すなわち、チャンバを圧力に至るまでもっていき、その後直ちに圧力を解放)、30分までの滞留時間後に取った。

    プラスターサンプルの相組成を分析し、結果は以下に示した通りであった。

    化学分析は相分析に対して僅かのみの変化を示した。 プラスター中に見られた残留石膏の少量が水蒸気処理により半水和物に変換された。 また、半水和物サンプルが可溶性無水石膏を含有していたとき、処理は、この一部を半水和物に変換したが、必ずしも可溶性無水石膏のすべてを変換しなかった。 可溶性無水石膏が水蒸気を捕まえる高い親和性にもかかわらず、処理後に多少の可溶性無水石膏を有するサンプルは、水必要量の大幅な減少をなお示した。

    すべての場合、増加した処理時間は、残留石膏含有率の対応する増加なしに水必要量を減少させた。

    実施例2 種々の石膏タイプ 現在北米で用いられている石膏の多くは、煙道ガス脱硫石膏または脱硫石膏と一般に呼ばれる、石炭燃焼発電所の二酸化硫黄を含有する煙道ガスの洗浄によって製造される合成石膏である。 煙道ガス脱硫石膏(LDSG)のサンプルを商用石膏ボード工場から得た。 その石膏は、カナダ国オンタリオ州サーニア所在のOPG Lambton発電所で製造されている。 実施例1に関しては、再び初期プラスター温度に対応する160℃の焼成温度で実験室連続ケトルによって製造された焼成されたばかりのプラスターに関して処理プロセスが実施された。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で275800Pa(40psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。 これらの試験の結果を以下に示している。

    新規処理プロセスは、処理時間が増加するにつれて水必要量を減少させることにより合成石膏でうまく機能している。 本方法が可溶性無水石膏含有率と残留石膏含有率の両方の減少をもたらし、両方を半水和物に変えたことについて、再度注目されたい。

    実施例3 処理圧力および処理時間 前の実施例は、処理時間が増加するにつれて、マシン混合水必要量の減少に、対応する増加があったことを示した。 水蒸気処理の全体的な圧力が水必要量の減少の速度および程度に影響を及ぼすかどうかを決定するために試験を様々な圧力でも実施した。 連続的に製造された実験室規模ケトルプラスターを様々な時間および圧力での処理に供した。 結果を以下に示している。 MBは水分収支測定を意味し、200℃に至るまでサンプルを加熱すると起こる総合的な重量損失を%として表現した。

    初期プラスター温度にも対応する180℃および146℃の焼成温度で実験室連続ケトルによって製造された焼成されたばかりのプラスターに関して処理プロセスが実施された。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧275800Pa(40psi )水蒸気圧力およびゲージ圧413700Pa(60psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 180℃で製造されたプラスターがこの水蒸気温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。 146℃で製造されたプラスターに関しては、ゲージ圧324100Pa(47psi )より上で加えられた水蒸気は凝縮状態を示し、水蒸気は約150℃のボイラー温度にプラスターを加熱しているプラスター上に凝縮する。

    焼成の種々のタイプおよび種々の石膏サンプルに関して試験したあらゆる場合に、より高い圧力がより少ない水必要量をもたらし、より長い処理時間がより少ない水必要量をもたらしたことが見出された。

    記載された殆どの事例において、プラスターへの凝縮を促進しないように、プラスターの温度より低いと考えられる露点温度に対応する(焼成温度によって決定された)圧力で水蒸気圧力を優先的に供給したことに留意されたい。 例えば、ゲージ圧551600Pa(80psi )では、水蒸気は153℃で凝縮する。 従って、180℃のプラスター温度では、凝縮が起きることが予想されない条件が支配するであろう。 あるいは、HP1の最後の3つの実施例(146℃のプラスター温度、5、10および20分間の処理)では、水蒸気凝縮温度はプラスターの温度より高かった。 これが、プラスターが60℃未満に冷却された場合に、石膏に戻る半水和物の望ましくない変換を促進しうる、水蒸気のプラスター床への凝縮条件を生じさせることが予想されるであろう。 しかしながら、相分析測定では、非凝縮状況に似ており、水必要量は他の実施例のように同様に減少した。 遊離水分の少しの増加が観察された。

    実施例4 種々の焼成プロセス このプロセスが他の焼成プロセスと共に機能することを実証するために、USG社製の No1成形プラスターのサンプルを実施例1〜3と同じ方式で処理した。 大規模連続ケトルによって恐らく製造された典型的なベータプラスターとして、このサンプルは市場で販売されている。 このプラスターは、100g当たり約70〜75mlの標準マシン混合水必要量を有する。 直径5.08cm(2インチ)、高さ10.16cm(4インチ)の寸法のパイプにスラリーを注ぎ、その後、パイプをテーブルから上げることによりスラリーをパイプから流れるようにする(共通的に用いられたボードプラントスランプ試験)ことにより流動特性を測定した。 この場合、スプレッドをプラスター100g当たり75mlでマシン混合スラリーサンプルのために測定した。 水蒸気処理でプラスターに凝縮する水蒸気を回避しようとする試みにおいて水蒸気処理の前にプラスターを150℃に加熱した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で275800Pa(40psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 150℃に加熱されたプラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    これらの試験の結果を以下で示している。 処理された商用No1成形プラスターが処理後に遙かにより大きいスプレッドを有していたことに留意されたい。

    別の焼成方法も調査した。 これは、実施例1において呼ばれた石膏HP1で行われたトレー焼成である。 トレー焼成において、1kgの石膏粉末を17インチ×11インチベーキングトレー上で薄い層に広げ、140℃で6時間にわたり炉に入れた。 トレー焼成済み高温未処理材料を処理チャンバに直ちに添加し、報告された時間および圧力にわたり処理することにより、処理されたサンプルを製造した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧248200Pa(36psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    かなりの可溶性無水石膏が存在したとき、可溶性無水石膏からの半水和物への発熱変換の結果としてプラスター温度が上昇するであろうことが注目された。 この温度上昇が起きていた間にチャンバが閉じられていたなら、チャンバ温度およびプラスター温度は多少上昇するが、この化学変換から予測される通りにすぎない。

    同様に、120℃の温度を維持しつつ高純度HP1石膏を予熱されたケトルに50分にわたり添加することにより、バッチ式焼成を実験室規模ケトル装置内で行った。 焼成を放置して1時間10分の更なる時間にわたり続けた。 合計で2時間後、ケトル内の温度は特徴的に急速に上昇し始め、よって焼成サイクルの終わりを示唆した。 その後、ケトルを155℃で排出した。 約9kgのプラスターをバッチにおいて製造した。 再び、焼成済み未処理バッチ材料を焼成プロセスからまだ熱い処理チャンバに添加し、記載されたように処理した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ155℃であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力をゲージ圧365500Pa(53psi )の水蒸気圧力で5分にわたり維持した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 150℃に加熱されたプラスターがこの水蒸気温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    このプロセスは、ベータ半水和物プラスターを製造するために共通的に用いられた他の焼成プロセスによって製造されたプラスターと共に有利に機能することが予想される。

    実施例5 種々のプラスターの分析 種々の焼成プロセスは種々の量の可溶性無水石膏を産出し、可溶性無水石膏が室温で空気からの水蒸気の吸収によって変換されて半水和物に戻ることは周知されている。

    この実施例において、3つの脱硫石膏(LDSG)の焼成を異なる3つの焼成温度(160℃、180℃および190℃)で行って、未処理プラスター中に見られる可溶性無水石膏のレベルを上げた。 これらの3つのプラスターをこの新規プロセスにより処理して、水必要量に及ぼす総合的な影響を決定した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で約275800、399900、および448200Pa(約40、58および65psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったため、水蒸気はプラスター温度に過熱されていた。

    天然石膏HP1を用いて焼成を繰り返した。 この実施例において、2つの焼成を異なる2つの焼成温度(155℃および170℃)で行って、未処理プラスター中に見られる可溶性無水石膏のレベルを上げた。 これらの2つのプラスターをこの新規プロセスにより処理して、水必要量に及ぼす総合的な影響を決定した。 プラスターの添加の前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧399900Pa(58psi )水蒸気圧力での実験のための処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったため、水蒸気はプラスター温度に過熱されていた。

    これらの検討の結果を以下で示している。

    実施例6 促進剤への応答および硬化特性 ベータ半水和物の使用において重要である1つの特性は、スラリーを急速に硬化させることができることである。 硬化時間の促進は、微粉砕石膏を添加して、種結晶として機能させて半水和物を溶解させることにより最も一般に行われる。 硫酸カリウムなどの化学促進剤も用いられるが、化学促進剤の高い溶解度および乾燥中に表面に移行する能力の結果として使用において他の問題をしばしばもたらす。

    LDSGおよびHP1を用いて、焼成された石膏の2つのサンプルを上述した実験室連続ケトル装置内で製造した。 LDSGを175℃で焼成し、HP1を155℃で焼成した。 プラスターの添加前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で約275800〜310300Paおよび413700Pa(約40〜45psi および60psi )水蒸気圧力での実験について処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    処理なし、および様々な処理レベルでプラスターをサンプリングした。 粉砕石膏が硬化時間を促進する際にいかに効果的であるかを決定するために、粉砕石膏促進剤添加の様々なレベルで硬化時間を測定した。 スラリーが硬化するにつれての水和曲線における温度上昇の98%を達成するのに要した時間で、報告された硬化時間測定を行なった。 すべての測定は、示された混合水必要量で行なった。

    以下の結果は、処理されたサンプルの硬化時間が、ナフタレンスルホネート分散剤0.3%(プラスターの重量基準)を添加された等価の未処理サンプルと比べて僅かに遅くなる場合があるが、粉砕された石膏促進剤をごく少量余分に添加することにより、これを容易に調整することが可能であることを示している。 前の実施例は、処理プロセスが残留石膏含有率を減少させ、従って、等価硬化時間を達成するために石膏の多少の添加が必要な場合があることが意外ではないことを示した。

    典型的なアルファ半水和物、USG社(米国シカゴ所在)製のHydorocalとの比較も行った。 以下の表の結果によって分かるように、促進剤をかなり添加してもアルファ半水和物を用いて1000秒未満の硬化時間を達成しなかった。 促進剤を2倍にすることにより硬化時間を1664秒に減少させたが、さらに多く促進剤を添加しても、硬化時間が更に短縮することはなかった。

    アルファ半水和物を細かい粒度に粉砕することが硬化時間を減少させるのを助けることが知られているが、以下の結果から分かるように、3時間にわたるHydorocalのボールミル粉砕によってさえも、硬化時間を1400秒に減少させたのみであった。

    新規処理プロセスの利点を更に実証するために、処理されたプラスターの同じ純度および水必要量でアルファ半水和物とベータ半水和物のブレンドの硬化特性の比較を行った。 処理されたサンプルに相当するであろう有効混合水必要量を達成するためにLDSGとHP1の両方によるブレンドの種々の比で、この比較を行った。

    1つの実施例において、325gの未処理HP1ベータプラスター(水必要量:100g当たり81ml)を75gのUSG社製の Hydrocal(水必要量:100g当たり40ml)とブレンドし、100g当たり73mlの水必要量を測定した81%ベータ、19%アルファのブレンドをもたらした。 これらの結果を100g当たり73mlの等価処理サンプル(140秒、ゲージ圧310300Pa(45psi ))と比較すると、ブレンドがより緩慢に硬化する傾向があり、最大上昇速度での%水和もより緩慢であることを示している。 焼成されたHP1サンプルに関して、処理されたプラスター98%水和時間対未処理98%水和時間の比が112.5%以下であったのに対して、等価の水必要量および促進剤使用量のアルファ/ベータブレンドは未処理サンプルの120.6%と同じ程度であるブレンドの98%水和時間を示すことに留意されたい。

    別の例において、160gの未処理LDSGベータプラスター(水必要量:100g当たり88ml)をGeorgia−Pacific社(米国ジョージア州アトランタ所在)製の228gのDenscal石膏B5アルファプラスター(水必要量:100g当たり40ml)およびAll Treat Farms Ltd. 社(カナダ国オンタリオ州アーサー所在)製の12gの「Glow Lime」炭酸カルシウムとブレンドし、100g当たり57mlの水必要量を測定した40%ベータ、60%アルファのブレンドをもたらした。 炭酸カルシウムを添加して、等価総合混合物石膏純度を達成して、処理されブレンドされた混合物が等価温度上昇を有することを確実にした。 処理されたLDSGプラスターに関しては、促進剤4g入りのアルファ/ベータブレンドとして約1200秒の等価98%水和時間を達成するために1gのみの促進剤しか必要としなかった。 必要な最終硬化時間を達成するために、アルファ/ベータブレンドは硬化プロセスを早期に開始しなければならない。 アルファ/ベータブレンドが水和の終わり付近で遙かにより遅い硬化を有するからである。 硬化プロセス中の水和の速度は、温度上昇水和曲線の傾斜を取ることにより測定することが可能である。 最大傾斜での%水和は処理されたプラスターに関して63.8%であったのに対して、アルファ/ベータブレンドに関して49.6%のみであった。

    実施例7 圧縮強度特性 半水和物を水で噴霧することは、プラスターの水必要量を減少させることが可能であることは知られているが、これは半水和物中で石膏の生成をもたらす。 半水和物を焼成中に十分に熱く加熱する場合、石膏の一部が、これもプラスターの水必要量を減少させる不溶性無水石膏に変換されることも知られている。 水必要量の減少は有益である一方で、これらのプロセスによって生成された石膏および無水石膏が、残っている半水和物と同じ程度に硬化されたプラスターの全体的強度に寄与できないことは認められている。 焼成後プラスター処理に関連した先行特許は、この問題を論じてきており、発現した強度に及ぼすこれらの処理の悪影響を減少させる方法を提供してきた。 水必要量を減少させる最も一般的な方法は、凝縮ナフタレンスルホネートなどの分散剤を用いて、混合物をより流動性にすることである。 これらの材料が、乾燥させた硬化石膏の強度に及ぼす影響はごくわずかであることが知られている。

    圧縮強度に及ぼすこの処理の影響を試験するために、市販のナフタレンスルホネート分散剤、Diloflo GS20(GEO Specialty Chemicals Inc.(米国インディアナ州ラフィーエット所在)製)の40%固体溶液を用いて調節された水:プラスター比により製造された未処理TAプラスター(水必要量:100g当たり80ml)から作られた2インチ立方体で測定を行い、本発明による本来の水必要量が100g当たり66mlである類似TA3分ゲージ圧約413700Pa(約60psi )処理プラスターと比べた。 両方の立方体のセットのために用いられた混合水必要量は100g当たり68mlであった。 乾燥立方体重量および圧縮強度を以下の表で示している。

    プラスター温度も表している165℃の焼成温度で実験室連続ケトル内で焼成された天然石膏TAから製造された焼成されたばかりのプラスターに関して処理プロセスが実施された。 プラスターの添加前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧413700Pa(60psi )水蒸気圧力での実験について処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 165℃で製造されたプラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    別の実施例は、高純度石膏HP1から製造されたプラスターを用いた。 プラスター温度も表している155℃の焼成温度で、実験室連続ケトル内で焼成された天然石膏HP1から製造された焼成されたばかりのプラスターに関して処理プロセスが実施された。 プラスターの添加前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 約150℃で運転しているボイラーによって水蒸気を供給した。 チャンバ内部の圧力を監視し、目標圧力を達成するまで水蒸気を添加し、圧力を維持するために必要に応じて水蒸気を追加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧413700Pa(60psi )水蒸気圧力での実験について処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 155℃で製造されたプラスターがこの温度より高かったので、水蒸気はプラスター温度に過熱していた。

    このHP1プラスターは、100g当たり、未処理の場合の水必要量83mlを有していたが、市販のナフタレンスルホネート分散剤Disal GPS(Handy Chemicals Ltd.(カナダ国ケベック州カンジア所在)製)の固体粉末を用いて調節された水:プラスター比を有する立方体混合物中で再び用いられた。 処理されたHP1と呼ばれる比較のためのサンプルは、水必要量83mlの未処理サンプル38%と水必要量100g当たり63mlの3分ゲージ圧413700Pa(60psi )処理済みサンプル62%のブレンドであった。 両方の立方体の水必要量は同様に100g当たり68mlであった。

    両方の比較において、処理された場合、より多くの促進剤を含めるべく促進剤の量を僅かに修正して、強度に対する硬化時間の影響を正規化した。

    これらの結果から分かるように、この処理プロセスの使用を通して立方体の強度に及ぼす影響はない。

    実施例8 パイロット装置によるプラント実験 直径4.572m(15フィート)の全規模連続製造ケトルを用いてプラント実験を行って、未処理プラスターを生成した。

    ケトルから製造されたプラスターの代表的なストリームを直径15.24cm(6インチ)の断熱された30RPM回転スクリュー搬送システムを用いる正規の製造プロセスから分流させて、実験規模20kg容量の処理チャンバに送り込んだ。 処理チャンバに入る前のプラスターの測定された温度は139℃〜144℃であり、最少の冷却が行われたことを示した。 2つの半分の半球体、膨張可能なシール、ボールバルブ、円筒チャンバの上部および底を備え、インプット未処理プラスターサンプルは上部からチャンバに入る一方で、上部バルブは開放し、底バルブは閉じている実験規模処理チャンバを、記載した実験室規模装置と同様に設計した。 処理サイクル中に、両方のバルブを閉じ、測定される処理滞留時間にわたってゲージ圧448200Pa(65psi )の最大水蒸気圧力を有する工業用ボイラーからチャンバに水蒸気を添加した。 このシステムにおいて、圧力調節器をボイラーと処理チャンバに投入される供給水蒸気との間に追加して、加えられる水蒸気圧力を精密に制御した。 チャンバは、チャンバ内のプラスターの全装填量を示すために用いられる充填レベル表示器も装備して、1回の処理から次の処理までプラスターの再生産可能な容量を維持した。 実験の結果を以下に含める。

    用いられた石膏素材は実施例1においてHP1として記載された天然石膏と等価であった。 ケトル焼成温度は147℃であり、30トン/時間の典型的な連続プラスター製造速度で運転していた。 プラスターを上の焼成温度に極めて近い温度で、焼成したばかりの状態で用いた。 プラスターの添加前のチャンバの全体的な温度は、プラスターが圧力チャンバによって冷却されないことを確実にするために、およそ焼成温度であった。 圧力調節器により約160℃で運転している40HPボイラーによって水蒸気を供給して、所望の水蒸気圧力を生じさせた。 チャンバ内部の圧力を監視し、調節器を通してボイラーから利用できる水蒸気を添加した。 この圧力を様々な時間にわたり維持して、ゲージ圧で193100Pa、約275800Paおよび約413700Pa(28psi 、約40psi および約60psi )水蒸気圧力での実験について処理時間の影響を決定した。 これらの圧力は飽和水蒸気条件を仮定してチャンバ内の最低水蒸気温度を確立した。 プラスターは147℃で製造され、その後、水蒸気温度より高いプラスター温度をもたらしたゲージ圧で193100Paおよび275800Pa(28psi および40psi )で処理が行われたので、水蒸気はプラスター温度に過熱した。 しかし、約413700Pa(約60psi )で行われた処理は、プラスターへの多少の凝縮が起きて、プラスターが水蒸気によって約153℃に加熱される結果になった。

    使用した処理プロセス(圧力または処理時間のいずれか)の程度が拡大するにつれて、実施例1および3の実験室結果と同様に、初期未処理プラスターの水必要量は減少した。 減少した可溶性無水石膏および減少した石膏含有率の傾向が殆どの場合に観察された。

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