コーティングされた銀ナノ粒子コンポジット、およびその製造方法

申请号 JP2015208622 申请日 2015-10-23 公开(公告)号 JP2016089163A 公开(公告)日 2016-05-23
申请人 ゼロックス コーポレイション; XEROX CORPORATION; 发明人 ヴァレリー・エム・ファルジア; アラーナ・デソウザ; サンドラ・ジェイ・ガードナー;
摘要 【課題】マトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子とコア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含むコンポジットの提供。 【解決手段】有機物を含まない溶媒中、スルホン 酸化 ポリエステル樹脂を加熱し、この加熱した樹脂に、 水 中で銀(I)イオン溶液を加えて混合物を作成し、スルホン酸化ポリエステルマトリックス、及びスルホン酸化ポリエステルマトリックス内に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子のエマルションを作成し、コンポジット粒子のエマルションにスチレンモノマー及び開始剤を加え、コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、これによって、コンポジット構造を作成する銀ナノ粒子を含むコア粒子とシェルポリマーとを含むコンポジット構造の製造方法。 【選択図】なし
权利要求

スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と; コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む、コンポジット構造。スルホン酸化ポリエステルマトリックスが分枝鎖ポリマーである、請求項1に記載のコンポジット構造。スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、ポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−terフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレンジエチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−ジエチレン−テレフタレートフタレート)、コポリ(エチレン−ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(エチレン−ネオペンチレン−テレフタレートフタレート)およびコポリ(プロポキシル化ビスフェノールA)−コポリ−(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホイソフタレート)からなる群から選択されるポリマーのリチウム塩、カリウム塩またはナトリウム塩である、請求項1に記載のコンポジット構造。スルホン酸化ポリエステルマトリックスが、トリメチロールプロパン、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリオールモノマー単位を含む、請求項1に記載のコンポジット構造。スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、テレフタル酸、スルホン酸化イソフタル酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される二酸モノマー単位を含む、請求項1に記載のコンポジット構造。有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと; この加熱した樹脂に、中で銀(I)イオン溶液を加えて混合物を作成することと; スルホン酸化ポリエステルマトリックス、およびスルホン酸化ポリエステルマトリックス内に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子のエマルションを作成することと; コンポジット粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、これによって、コンポジット構造を作成することとを含む、方法。エマルションを作成することは、加熱した樹脂に、水中で銀(I)イオン溶液を加えた後に連続して加熱することを含む、請求項6に記載の方法。還元剤は、アスコルビン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される、請求項7に記載の方法。エマルションを作成することは、銀(I)イオン溶液を水中で加熱した樹脂に加えた後に還元剤を加えることを含む、請求項6に記載の方法。スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と; コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む複数のコンポジット構造を含む、物品。

说明书全文

本開示は、コンポジットに関する。さらに具体的には、本開示は、混合した有機−無機成分のコンポジットに関する。

コンポジット材料に対して与えるそれぞれの個々の構成要素の特性の利点に起因して、混合した無機/有機コンポジット系への興味が高まってきている。ある特定の興味がある分野は、銀ナノ粒子(AgNP)を保持するポリマーコンポジットである。このようなコンポジットは、抗菌用途、バイオセンサー材料、コンポジット繊維、低温超伝導材料、化粧品および電子機器の要素に有用であろう。大きさおよび形状に依存する光学特性、電気特性および磁気特性を含め、AgNPの固有の特性によって、消費者および医療製品への使用が増しつつある。

金属/ポリマーナノ構造の材料を製造するための多くの方法は、ポリマーマトリックスに組み込む前に、金属塩前駆体を還元することによる金属ナノ粒子の前加工を必要とする。例えば、銀/ポリマーナノ構造材料を製造するための従来の方法は、特に、一般的に、ポリマーマトリックス中での銀ナノ粒子(AgNP)の溶融混合または押出成型を必要とする。残念なことに、これらの方法は、多くは、銀ナノ粒子の凝集に悩まされる。

ある態様では、本明細書の実施形態は、スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と;コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む、コンポジット構造に関する。

ある態様では、本明細書の実施形態は、有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと;この加熱した樹脂に、中で銀(I)イオン溶液を加えて混合物を作成することと;スルホン酸化ポリエステルマトリックス、およびスルホン酸化ポリエステルマトリックス内に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子のエマルションを作成することと;コンポジット粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、これによって、コンポジット構造を作成することとを含む、方法に関する。

ある態様では、本明細書の実施形態は、スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と;コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む複数のコンポジット構造を含む、物品に関する。

種々の本開示の実施形態を、図面を参照して本明細書で以下に記載する。

図1は、本明細書の実施形態にかかる、水性媒体中のポリマーコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子(AgNP)コンポジット構造を製造するためのフロー図を示す。

図2は、スチレンコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−AgNPコンポジット構造を含む例示的なコンポジット構造(実施例4)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。暗色の領域は、AgNPである。

図3は、スチレンコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−AgNPコンポジット構造を含む例示的なコンポジット構造(実施例6)のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のクロマトグラムを示す。

図4は、例示的なスチレンコーティングされたスルホン酸化ポリエステルコンポジット構造のための銀ナノ粒子存在下または非存在下での示差走査熱量測定(DSC)の結果をまとめた棒グラフを示す。

図5は、ポリマーの柔軟性を高めることへの可塑剤の役割のあり得る機構を示す。

図6は、酸性条件または塩基性条件にさらされた種々のコンポジット構造およびコントロールサンプルの溶解度を示すグラフを示す。

図7は、コーティングのみ、およびスルホン酸化ポリスチレンマトリックスのみのコントロールとともに、コーティングされたコンポジット構造およびコーティングされていないコンポジット構造の熱重量測定分析のプロットを示す。

本明細書の実施形態は、保護ポリマーシェル、例えば、ポリスチレン(PS)でコーティングされたスルホン酸化ポリエステル−銀ナノ粒子コア粒子コンポジットの調製に関する。保護ポリマーシェルは、コアコンポジット粒子を種々の環境ストレスから保護する。コンポジット構造は、還元された銀(すなわち、Ag(0))ナノ粒子をスルホン酸化ポリエステルマトリックス中に含む両親媒性有機−無機コンポジットコアを含む。コア粒子は、さらに、コア粒子の上に直接作られ、シェルのためのテンプレートとして作用する有機ポリマーでコーティングされる。

本明細書のコンポジット構造は、無機銀ナノ粒子およびマトリックスおよびシェル有機ポリマー要素の特徴を有し、有利な下流での用途に対する機械的性能および熱安定性を高めることができる。いくつかの実施形態では、シェルポリマーが存在しない状態であっても有用なコア粒子は、ポリエステル中のエステル結合の不安定性に起因して、酸環境または塩基環境に影響を受けやすくなるだろう。このような加水分解プロセスは、酸または塩基によって触媒されてもよい。コア粒子の周囲にポリマーシェルを与えることによって、有機/無機ハイブリッドコンポジットの剛性および強度を向上させることができる。

本明細書のコンポジット構造の特性は、限定されないが、電子機器の要素、光学検出器、化学センサまたは生化学センサ、およびデバイスを含む種々の用途で有用である。これらの材料を小型化する能は、本明細書のナノスケールのコンポジット構造を用いるという大きな利点がある。本明細書のコンポジット構造を利用する目的の他の分野としては、限定されないが、抗菌用途、光学双安定性、繊維製品の光応答性、環境、生物学、医薬(膜および分離デバイス)、機能的な流行のコーティング、燃料および太陽電池、および触媒としての用途が挙げられる。

本明細書のコンポジット構造は、有機/無機ハイブリッド膜に組み込むこともでき、コーティング性能(堅牢性)および熱安定性に関連する無機特徴を与えるという能力を有する。コンポジット構造は、銀ナノ粒子の存在に起因して、抗菌性の特性を与え、ナノ粒子は、優れた耐久性と、高い熱安定性も与える。膜のための1つの例示的な用途としては、鋼鉄表面のための抗菌性コーティング、特に、有害な微生物を保有/拡散し得る病院用のツールおよび装置に関連するものが挙げられる。これらの材料を使用し得る別の分野は、塗料およびコーティングの技術である。本明細書のコンポジット構造を使用し、限定されないが、付着、耐衝撃性、引っ掻き硬度、光沢および抗菌性といった特性を含め、コーティングの特性を高めることができる。約100nm未満の銀ナノ粒子は、コーティングの透明性および他の特性を損なうことなく、スルホン酸化ポリエステルマトリックスを強化することができる。Tsavalas,J.G.ら、J.Appl.Polym.Sci.、87:1825−1836(2003)。

本明細書のコンポジット構造を調製するために使用される方法は、水系であり、従って、環境的に妥当であり、大スケールの材料/用途に修正することができる。コンポジット構造を合成するための本明細書の方法は、迅速でもあり、高収率を容易にする2工程での1ポット合成として実行することができる。これらの利点および他の利点は、当業者に明らかであろう。

本明細書のコンポジット構造を構成するコア粒子は、鎖に沿って接続した親水性スルホネート基を提示しつつ、疎水性の骨格を有するように選択されたスルホン酸化ポリエステル樹脂から作られる。理論によって束縛されないが、水中に入れられ、加熱されるとき、疎水性部分が互いに相互作用し、周囲の水に親水性スルホネート基が面するような疎水性コアを形成し、さらなる試薬を必要とすることなく、スルホン酸化ポリエステルが高次元に整列した球状ナノ粒子に自己整列する。従って、両親媒性ポリエステルを含む高次元の整列が存在し、疎水性骨格は、水に不溶性であり、水溶性親水性スルホネート基は、大きな界面活性剤として働く。これにより、水性媒体中で自己整列、自己集合、自己分散可能なナノ粒子が得られ、ミセル状の凝集物が得られる。ミセル内およびミセルの周囲にある銀ナノ粒子の生成は、硝酸銀および還元剤を加えると、2番目に起こる。

いくつかの実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と;コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含む、コンポジット構造が提供される。

いくつかの実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、分枝鎖ポリマーである。いくつかの実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、ポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−テレフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレンジエチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−ジエチレン−テレフタレートフタレート)、コポリ(エチレン−ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(エチレン−ネオペンチレン−テレフタレートフタレート)およびコポリ(プロポキシル化ビスフェノールA)−コポリ−(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホイソフタレート)からなる群から選択されるポリマーのリチウム塩、カリウム塩またはナトリウム塩である。

直鎖アモルファスおよび分枝鎖アモルファスのスルホン酸化ポリエステル樹脂の両方が、アルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂として得られてもよい。それぞれのスルホン酸化ポリエステル樹脂中のアルカリ金属は、独立して、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであってもよい。いくつかの実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、ポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)、ポリ(ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−terフタレート)、コポリ−(1,2−プロピレンジエチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(1,2−プロピレン−ジエチレン−テレフタレートフタレート)、コポリ(エチレン−ネオペンチレン−5−スルホイソフタレート)−コポリ−(エチレン−ネオペンチレン−テレフタレートフタレート)およびコポリ(プロポキシル化ビスフェノールA)−コポリ−(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホイソフタレート)からなる群から選択される。

一般的に、スルホン酸化ポリエステルは、以下の一般的な構造を有していてもよく、または、nセグメントとpセグメントが分離した、そのランダムコポリマーであってもよく、

式中、Rは、例えば、2〜約25個の炭素原子のアルキレン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、オキシアルキレンジエチレンオキシドなどであり;R’は、例えば、約6〜約36個の炭素原子のアリーレン、例えば、ベンジレン、ビスフェニレン、ビス(アルキルオキシ)ビスフェノレンであり;pおよびnは、ランダムな繰り返しセグメントの数を表し、例えば、約10〜約100,000を表す。

さらなる例としては、米国特許第7,312,011号に開示されるものが挙げられる。アモルファスアルカリスルホン酸化ポリエステルに由来する樹脂の具体例としては、限定されないが、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ−(エチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−フマレート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)およびコポリ(エトキシル化ビスフェノールA−マレエート)−コポリ(エトキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)が挙げられ、アルカリ金属は、例えば、ナトリウムイオン、リチウムイオンまたはカリウムイオンである。結晶性アルカリスルホン酸化ポリエステルに由来する樹脂の例としては、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コ−ポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)およびアルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コ−ポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル−コポリ(ブチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−サクシネート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、アルカリ コポリ(5−スルホ−イソフタロイル)コポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)が挙げられ、アルカリは、ナトリウム、リチウムまたはカリウムのような金属である。いくつかの実施形態では、アルカリ金属は、リチウムである。

直鎖アモルファスポリエステル樹脂は、一般的に、有機ジオールと二酸またはジエステルの重縮合によって調製され、そのうち少なくとも1つは、スルホン酸化されているか、または、スルホン酸化二官能モノマーが、反応および重縮合触媒に含まれる。分枝鎖アモルファススルホン酸化ポリエステル樹脂について、同じ材料を使用してもよく、例えば、多価ポリ酸またはポリオールのような分岐剤をさらに含む。

アモルファスポリエステルを調製するために選択される二酸またはジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、無水フタル酸、フタル酸ジエチル、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるジカルボン酸またはジエステルが挙げられる。

有機二酸またはジエステルは、樹脂の約42〜約52モル%含まれていてもよい。アモルファスポリエステルを作成するために使用されるジオールの例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレン、およびこれらの混合物が挙げられる。選択される有機ジオールの量は、さまざまであってもよく、さらに具体的には、例えば、樹脂の約45〜約52モル%である。

アルカリがリチウム、ナトリウムまたはカリウムであるアルカリスルホン酸化二官能モノマーの例としては、ジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタレート−4−スルホ−1,8−無水ナフタル酸、4−スルホ−フタル酸、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホ−エタンジオール、2−スルホ−プロパンジオール、2−スルホ−ブタンジオール、3−スルホ−ペンタンジオール、2−スルホ−ヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチルペンタンジオール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネート、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、これらの混合物などが挙げられる。有効な二官能モノマーの量は、例えば、樹脂の約0.1〜約2重量%の量を選択することができる。

分枝鎖アモルファススルホン酸化ポリエステルを作成するときに使用するための分岐剤としては、例えば、多価ポリ酸、例えば、1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン−カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン−カルボキシル)メタンおよび1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、これらの酸無水物、および1〜約6個の炭素原子を有するこれらの低級アルキルエステル;多価ポリオール、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、これらの混合物などが挙げられる。選択される分岐剤の量は、例えば、樹脂の約0.1〜約5モル%である。

アモルファスポリエステルのための重縮合触媒の例としては、チタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド、例えば、ジブチルスズオキシド、テトラアルキルスズ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジアルキルスズオキシド水酸化物、例えば、ブチルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、またはこれらの混合物が挙げられ、触媒は、ポリエステル樹脂を作成するために使用される出発物質の二酸またはジエステルを基準として、例えば、0.01モル%〜5モル%の量で選択される。

具体的な実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、トリメチロールプロパン、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリオールモノマー単位を含む。

具体的な実施形態では、スルホン酸化ポリエステルマトリックスは、テレフタル酸、スルホン酸化イソフタル酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される二酸モノマー単位を含む。

いくつかの実施形態では、コア粒子は、粒径が約5nm〜約500nm、または約10〜約200nm、または約20〜約100nmの範囲であってもよい。コアの粒径が100nm未満であれば、透明性および他のコーティングの特性を妨害することなく、ポリマーマトリックスの強化に有用であろう。Tsavalas,J.G.ら、J.Appl.Polym.Sci.、87:1825−1836(2003)。

いくつかの実施形態では、銀の保持量は、コンポジット中、約100ppm〜約10,000ppmの範囲で存在する。この範囲内の保持濃度の銀は、抗菌用途に使用することができる。もっと低い濃度の銀は、触媒用途に十分な場合がある。1ppm程度の濃度のAgNPが使用されてきた。Ghosh,S.K.ら、Langmuir.18(23):8756−8760(2002)。いくつかの実施形態では、銀ナノ粒子保持量は、約200ppm(0.02%)〜約5000ppm(0.5%)または約500ppm(0.05%)〜約1000ppm(0.1%)であってもよい。当業者は、目標保持量が、材料のために選択される下流の予想される用途に依存して選択されることを理解するだろう。

いくつかの実施形態では、銀ナノ粒子は、粒径が約2〜約50nm、または約10〜約50nm、または約20〜約50nmの範囲である。銀ナノ粒子の直径が100nm未満であると、主に、500nm未満の光を吸収する。この特性は、ほとんどのフルオロフォアが、500nmを超える波長で光を発するので、シグナルの消光が最低限になるため、AgNPを蛍光発光検出と組み合わせて使用することができるため、有用である。

いくつかの実施形態では、コア粒子は、さらなるナノ構造材料、例えば、限定されないが、カーボンナノチューブ(CNT、単層、二重層および多層を含む)、グラフェンシート、ナノリボン、ナノオニオン、中空ナノシェル金属、ナノワイヤなどを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、CNTを、導電性および熱伝導性を高める量で加えてもよい。

いくつかの実施形態では、コア粒子の周囲に配置されるシェルポリマーは、スチレンモノマーを含み、置換または非置換のスチレンを含む。いくつかの実施形態では、シェルポリマーは、さらに、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸 n−オクチル、アクリル酸 2−エチルヘキシル、アクリル酸 2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸 β−カルボキシエチル、メチル α−クロロ アクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ブタジエン、イソプレン、メタアクリロニトリル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブタン酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンおよびメチルイソプロペニルケトン、塩化ビニリデン、ビニリデンクロロフルオリド、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル N−メチルピリジニウムクロリド、ビニルナフタレン、p−クロロスチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1つのビニルモノマーを含む。

いくつかの実施形態では、シェルポリマーは、厚みが約0.5nm〜約100nm、または約1.0nm〜約50nm、または約1.5nm〜約20nmである。

いくつかの実施形態では、シェルポリマーは、(a)耐メタノール性、(b)耐熱分解性および(c)耐酸/塩基性からなる群から選択される1つ以上の特性をコア粒子に与える。耐メタノール性に関し、ポリマーシェルが、コアスルホン酸化ポリエステル/AgNPコンポジットがゲル化するのを保護すると考えられる。いくつかの実施形態では、例えば、スチレンシェルを使用するときに、約10%以下の材料が溶解する。

耐熱分解性に関し、ポリマーシェルで保護されたコンポジットは、400℃で約50%のみの分解を示し、一方、コーティングされていないSPE−AgNPコンポジットは、400℃で約80%の分解を示す。特に、スチレンコーティングされたコンポジットの熱安定性は、ポリスチレン単独の熱安定性よりももっと複雑なようである。スチレンコーティングされたコンポジットの第1の大きな質量損失は、約300℃で始まる(30.65%)が、もっと安定になり、コーティングされていないサンプルおよびポリスチレンコントロールよりもかなりゆっくりと分解する。

耐酸/塩基性に関し、コアコンポジットに対するポリマーシェル(例えば、スチレン)の付加は、塩基性条件で20〜30%の向上を与えるだろう。最後に、SPE/AgNpコアの周囲のポリマーシェル(例えば、ポリスチレン)は、実質的に、有機/無機ハイブリッドコンポジットコア材料の剛性および強度を高める。

いくつかの実施形態では、本明細書のコンポジット構造を整列させる方法が提供され、この方法は、有機物を含まない溶媒中、スルホン酸化ポリエステル樹脂を加熱することと;この加熱した樹脂に、水中で銀(I)イオン溶液を加えて混合物を作成することと;スルホン酸化ポリエステルマトリックス、およびスルホン酸化ポリエステルマトリックス内に分散した複数の銀ナノ粒子を含むコア粒子のエマルションを作成することと;コンポジット粒子のエマルションにスチレンモノマーおよび開始剤を加え、コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーを作成し、これによって、コンポジット構造を作成することとを含む。

いくつかの実施形態では、エマルションを作成することは、加熱した樹脂に、水中で銀(I)イオン溶液を加えた後に、連続して加熱することを含む。このようないくつかの実施形態では、還元剤は、アスコルビン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される。他の実施形態では、エマルションを作成することは、この加熱した樹脂に、水中で銀(I)イオン溶液を加えた後に、還元剤を加えることを含む。いくつかの実施形態では、加熱は、約65℃〜約90℃の温度で行われる。この範囲の温度は、銀イオン存在下、ポリマー樹脂の初期の溶解およびその後の還元の両方に適している。

いくつかの実施形態では、銀(I)イオン源は、硝酸銀、スルホン酸銀、フッ化銀、過塩素酸銀、乳酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、酸化銀および酢酸銀から選択される。

いくつかの実施形態では、方法は、スチレンモノマーの添加中に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸 n−オクチル、アクリル酸 2−エチルヘキシル、アクリル酸 2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸 β−カルボキシエチル、メチル α−クロロ アクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ブタジエン、イソプレン、メタアクリロニトリル、アクリロニトリル、メチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブタン酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンおよびメチルイソプロペニルケトン、塩化ビニリデン、ビニリデンクロロフルオリド、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル N−メチルピリジニウムクロリド、ビニルナフタレン、p−クロロスチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびイソブチレンからなる群から選択される少なくとも1つのビニルモノマーを加えることも含んでいてもよい。

いくつかの実施形態では、本明細書に記載する複数のコンポジット構造を含む物品が提供され、このコンポジット構造は、スルホン酸化ポリエステルマトリックス;およびマトリックス全体に分散した複数の銀ナノ粒子を含む、コア粒子と;コア粒子の周囲に配置されたシェルポリマーとを含んでいてもよい。物品は、コンポジット構造の凝集、他の物体への薄膜の組み込みなどを含んでいてもよい。

以下の実施例は、本開示の実施形態を示すために提示される。これらの実施例は、説明することのみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。また、部およびパーセントは、特に指示のない限り、重量基準である。本明細書で使用される場合、「室温」は、約20℃〜約25℃の温度を指す。

一般的なプロセス:スルホン酸化ポリエステルポリマーは、約65℃〜約90℃の水中で自己整列し、それによって、疎水性骨格が球のコアを形成し、一方、親水性スルホネート官能基は、周囲の水に面するように並ぶと考えられる。次いで,銀を加え、スルホネートとAg+イオンとの静電引力は、銀とポリマーマトリックスとの会合を与える。還元剤を加え、スルホン酸ポリエステル表面でのAg+からAg(0)への還元を容易にすることができるが、連続的な熱によって、外部からの還元剤が存在しない状態であっても還元が可能になることが示されている。さらに、分枝鎖スルホン酸化ポリエステルが使用される場合、ポリマーは、中に材料が拡散し得る多孔性構造を生成するのに特に適している。疎水性モノマー(例えば、スチレン)を加える場合、多孔性コアの中にある程度拡散して疎水性コア粒子の周囲で重合することができる。スルホン酸化ポリエステルは、系中で合成されるAgNPのための安定剤として、また、ナノテンプレートとして働き、界面活性剤を使用することなく、水中でのスチレンの重合に望ましい環境を与えるだろう。

実施例1 この実施例は、本明細書のコンポジット構造のコア粒子のためのマトリックスとして使用可能な分枝鎖ソジオスルホン酸化アモルファスポリエステル(BSPE−1))の調製を記載する。

分枝鎖アモルファススルホン酸化ポリエステル樹脂は、0.425モル当量のテレフタレート、0.080モル当量のナトリウム 5−スルホイソフタル酸、0.4501モル当量の1,2−プロパンジオールおよび0.050モル当量のジエチレングリコールで構成され、以下のように調製された。1リットルのParr反応器に、加熱した底部ドレインバルブ、高粘度ダブルタービンアジテーター、冷水凝縮器を備える蒸留受け器を取り付け、これに388グラムのテレフタル酸ジメチル、104.6グラムのナトリウム 5−スルホイソフタル酸、322.6グラムの1,2−プロパンジオール(1モル過剰のグリコール)、48.98グラムのジエチレングリコール(1モル過剰のグリコール)、トリメチロールプロパン(5グラム)、および触媒として0.8グラムのブチルスズオキシド水酸化物を加えた。攪拌しつつ、反応器を3時間かけて165℃まで加熱し、次いで、再び1時間かけて190℃まで加熱し、その後、1時間かけて大気圧から約260Torrまで圧力をゆっくりと下げ、2時間かけて5Torrまで下げた。次いで、30分かけて圧力をさらに約1Torrまで下げ、ポリマーを底部ドレインから、ドライアイスで冷却した容器に取り出し、460グラムのスルホン酸化−ポリエステル樹脂を得た。分枝鎖スルホン酸化−ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が54.5℃であり(開始)、軟化点が154℃であると測定された。

実施例2 この実施例は、銀またはスチレンシェルを含まないBSPEコア粒子の調製を記載する。

反応を、オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素注入口を取り付けた(凝縮器は、窒素の出口として作用する)3ッ口の500mL丸底フラスコ中で行った。125mLの脱イオン水を室温(22℃)でこのフラスコに入れた。窒素を溶液に流しつつ(RPM=330)、水を攪拌しながら90℃まで加熱した。次いで、50.0gの微細に粉砕した固体BSPE−1をDIW(RPM=400)に加えた。この溶液を90℃で2時間攪拌した(RPM=400)。次いで、BSPEエマルションを攪拌しながら室温まで冷却した(RPM=400)。最終的な外観は、白色の不透明溶液であった。

実施例3 この実施例は、銀がコア粒子内に分散していないBSPEコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を記載する。

反応を、オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素注入口を取り付けた(凝縮器は、窒素の出口として作用する)3ッ口の500mL丸底フラスコ中で行った。240mLの蒸留水を室温(22℃)でこのフラスコに入れた。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素を系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定したら、50.0gの微細に粉砕したBSPE−1をこのフラスコに加えた(RPM=300)。溶液は、半透明であり、青色がかっていた。混合物を2時間攪拌したままにした。次いで、設定点を75℃まで下げた。温度が安定したら、3.6gのスチレン(モノマー全体の9%)を加えた。この後、0.08gの過硫酸アンモニウム(開始剤)を10mLの蒸留水に溶解したものを滴下した。過硫酸アンモニウムによって、温度がわずかに上昇した(発熱)。温度が75℃で安定した後、36.40gのスチレンモノマーを15分間で滴下した。モノマー添加が終了した後、溶液は、白色不透明であった。次いで、反応を75℃で2時間行った。次いで、溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、白色不透明溶液であった。

実施例4 この実施例は、還元剤が存在しない状態で調製されたBSPE/AgNPコアコンポジットの周囲のスチレンシェルの作成を記載する。

反応を、オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素注入口を取り付けた(凝縮器は、窒素の出口として作用する)3ッ口の500mL丸底フラスコ中で行った。235mLの蒸留水を室温(22℃)でこのフラスコに入れた。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素を系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定したら、50.0gの微細に粉砕したBSPE−1をこのフラスコに加えた(RPM=330)。溶液は、半透明であり、青色がかっていた。混合物を2時間攪拌したままにした。0.12gのAgNO3を10mLの蒸留水に溶解し、上の溶液に滴下した(1滴/秒)。薄黄色から暗褐色への色変化が観察された。AgNO3添加が終了した後、設定点を75℃まで下げた。温度が安定したら、3.6gのスチレン(モノマー全体の9%)を加えた。この後、0.08gの過硫酸アンモニウム(開始剤)を5mLの蒸留水に溶解したものを滴下した。過硫酸アンモニウムによって、温度がわずかに上昇した(発熱)。温度が75℃で安定した後、36.40gのスチレンモノマーを40分で滴下した。モノマー添加が終了した後、溶液は、淡桃色不透明であった。次いで、反応を75℃で2時間行った。次いで、溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、淡桃色不透明溶液であった。

実施例5 この実施例は、還元剤オレイン酸存在下で調製されたBSPE/AgNPコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を記載する。 反応を、オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素注入口を取り付けた(凝縮器は、窒素の出口として作用する)3ッ口の500mL丸底フラスコ中で行った。118mLの蒸留水および0.2500gのオレイン酸を室温(22℃)でこのフラスコに入れた。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素を系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定したら、25.0gの微細に粉砕したBSPE−1をこのフラスコに加えた(RPM=250)。溶液は、半透明の紫色/褐色であった。混合物を2時間攪拌したままにした。0.12gのAgNO3を5mLの蒸留水に溶解し、上の溶液に滴下した(1滴/秒)。暗褐色への色変化が観察された。AgNO3の添加を終了した後、設定点を75℃まで下げた(RPM=330)。温度が安定したら、20.0gのスチレンを加えた。この後、0.05gの過硫酸アンモニウム(開始剤)を2mLの蒸留水に溶解したものを滴下した。反応を75℃で4時間行い、次いで、60℃で16.5時間行った(RPM=330)。次いで、溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、褐色不透明溶液であった。

実施例6 この実施例は、還元剤グルタチオン存在下で調製されたBSPE/AgNPコア粒子の周囲のスチレンシェルの作成を記載する。

反応を、オーバーヘッドスターラー、環流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素注入口を取り付けた(凝縮器は、窒素の出口として作用する)3ッ口の500mL丸底フラスコ中で行った。240mLの蒸留水を室温(22℃)でこのフラスコに入れた。加熱を開始し、90℃に設定し、窒素を系に30分間流した(RPM=300)。温度が安定したら、35.0gの微細に粉砕したBSPE−1をこのフラスコに加えた。溶液は、不透明白色であり、青みがかっていた。BSPEを1時間混合して分散させた。0.12gのAgNO3を5mLの蒸留水に溶解し、上の溶液に滴下した(1滴/秒)。褐色への色変化が観察された。AgNO3の添加が終了した後、設定点を75℃まで下げた。温度が安定したら、0.0353gのグルタチオン(還元剤/安定化剤)を加えた。溶液は、暗褐色になった。この後、3.27gのスチレン(モノマー全体の8%)を加えた(RPM=390)。次いで、0.1gの過硫酸カリウム(開始剤)を5mLの蒸留水に溶解したものを滴下した。紫色への色変化が観察された。5分後、36.73gのスチレンモノマーを40分かけて滴下した。モノマー添加が終了した後、溶液は、淡紫色であった。反応を75℃で4時間行った(RPM=390)。次いで、溶液を室温まで冷却した。最終的な外観は、灰色不透明溶液であった。

表1は、銀ナノ粒子を含む場合と、含まない場合で、スルホン酸化ポリエステル銀ナノ粒子を含むコーティングされたコア粒子およびコーティングされていないコア粒子の粒子特性決定を示す。

表1は、一対の異常値を除き、すべてのサンプルの粒径およびゼータ電位が同等であることを示す。実施例5は、他のサンプルと比較して高いゼータ電位を有し、これは、ナノ粒子の負の表面電荷をわずかに増加させるオレイン酸由来のカルボキシル基の寄与に起因するだろう。実施例6は、他のサンプルと比較して、スチレンおよびグルタチオンの保持量が両方とも多く、これは、大きな粒径に寄与するだろう。

表2は、全スペクトルとして、およびスチレン部分およびBSPEの部分についてつなぎ合わせた、スチレン化BSPE AgNPのゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を示す。

軟化点(SP)は、乾燥したポリマーのペレット化された形態が、所定の試験条件で特定の距離流れたときの温度である。表2は、純粋なBSPEポリマーを除いたすべてのサンプルが、200℃より大きな軟化点を有することを示し、これは、おそらくポリスチレンのわずかな架橋に起因してうまく溶解しなかったと思われる。これらのサンプルにもっと高い温度を適用すると、炭化および分解が始まった。AgNPを含むスチレン化BSPEの熱特性は、BSPE/AgNP単独よりもかなり丈夫であった。

表2のGPC結果は、銀存在下で合成されたそれぞれのハイブリッド樹脂は、約5000〜6000g/molおよび200,000〜250,000g/molの2つの重量平均(Mw)ピークを有することを示し、これらは、別個の部分としてのBSPEおよびポリスチレン樹脂に対応する(図3も参照)。

ハイブリッド/AgNPコンポジットの全GPCデータは、ポリスチレンの高分子量の特徴と、BSPEの低分子量の特徴に起因して、非常に大きいか、幅広い多分散指数(PDI)を示す。GPCスペクトルを、それぞれの種類のポリマーについてつなぎ合わせると、ポリマーを、それぞれのホモポリマー組成物の代表例である別個の部分として処理するため、PDIは、顕著に小さい。ハイブリッドコンポジット内にAgNPを含まない実施例3を、実施例4、実施例5および実施例6と比較すると、コンポジットのポリスチレン部分の分子量のかなりの増加が観察される。銀ナノ粒子存在下でのアクリレートおよびビニル型モノマーの重合率が小さくなる場合があることが示されているが、このような小さくなる機構は、まだ解明されていない。Yeum,J.H.ら、Macromol.Mater.Eng.、290:78−84(2005)。

表3および図4は、スチレン化BSPE/AgNPが、2つの別個のガラス転移温度を有し、BSPEがスチレン相よりも低いことを示す。このことは、これらの化学特性(極性、疎水性)が非常に異なっているため、ナノ粒子が相分離しているか、またはマイクロ相の分離が起こっていることを意味するだろう。同様に、ガラス転移は、狭く、互いに非常に離れており、このことは、大きく相分離した形態を示している。この実施例において、コアとシェルの界面張力が高くなるように、BSPEコアの親水性は、ポリスチレンシェルと非常に匹敵する。

表3は、ナノコンポジットの示差走査熱量測定(DSC)を示し、BSPEサンプル(実施例2)以外のすべてが、スキャンあたり2つの転移を有する。

図4は、Tgに対する銀ナノ粒子の効果を示すための棒グラフの形態で示されたDSC結果を示す。垂直方向(BSPE部分)および水平方向(スチレン部分)の棒グラフは、銀を含まないサンプルである。明灰色および暗灰色の棒グラフは、銀を含むサンプルである。ナノコンポジット中のAgNPの保持量がこのように低くても、Tgのわずかな上昇が観察される。

還元剤を用いたサンプル(実施例5および6)は、1つめの転移と2つめの転移の両方で、抑制されたTgを有する傾向がある。このことは、ポリマーと還元剤の相互作用に起因し、関与する化学反応を起こさずに膨潤し、それによって、自由体積が増加する。ポリマーは、互いに簡単に滑ることができ、可塑剤を含まないものよりも低い温度で移動する(実施例5対実施例4を参照)。

図5は可塑剤がどのようにポリマーの可撓性を高めるかを示し、ポリマー鎖の間を得て、これらの鎖をさらに離し、それによって、鎖間の引力を低下させ、多くの用途で望ましいように材料をもっと可撓性にすることによる。www.gcsescience.com/o59.htmのワールドワイドウェブを参照。

(耐溶媒性試験) 耐溶媒性試験は、ポリマーが、本来ならポリマーを分解させ得るような化学物質または溶媒に耐える能力を試験する。

ハンドプレスを用い、約0.50gのサンプルを圧力5トンで5分間圧縮することによってペレットを製造した。ペレットの初期重量を測定した。10mLの溶媒をこのバイアルに加えた。24時間後、溶液を5回反転させた。48時間後、ペレットを秤量皿に置いた。ペレットを風乾させた。一定重量に達したら(±0.0001g)、ペレットの最終的な質量を測定し、記録した。

BSPEのみだと、高い誘電定数/高い極性を有する溶媒(すなわち、メタノール)を用いた処理に十分に良好に耐えることができない。48時間後に完全には溶解していなかったが、物理特性は、一定のゼラチン状の小さな塊へと顕著に変化した。

純粋なポリ(スチレン)サンプルのペレットは、ペレットとしてその形態を維持し、ほとんどまったく溶解しなかった。実施例4は、他のハイブリッドナノコンポジットと比較して、メタノールに対する良好な耐性を有していた。このサンプルは、図2からわかるように、有機マトリックスに良好に分散したAgNPを含んでいた。

全体的に、スルホン酸化ポリエステルAgNPをスチレン化すると、メタノールへの耐性が向上する。すべてのBSPE/スチレンAgNPハイブリッドは、メタノール中で別個のペレットとして保持され、48時間後にペレットの85〜90%が溶解しないままであった。極性の低い(誘電定数の低い)溶媒を、溶解したほとんどのサンプルの耐性試験に使用した。

表4は、100%のBSPEまたはポリスチレンと比較して、BSPE/スチレン化AgNPの耐溶媒性の結果を示す。

耐酸/塩基性 耐酸/塩基性試験は、ポリマーの酸および塩基が本来ならポリマーを分解する能力を試験する。

ハンドプレスを用い、約0.50gのサンプルを圧力5トンで5分間圧縮することによってペレットを製造した。ペレットの初期重量を測定した。10mLの酸/塩基(10%硝酸、10%NaOHまたは30%硫酸)をバイアルに加えた。96時間後、ペレットを秤量皿に置いた。ペレットを3日間風乾させた。ペレットの最終的な質量を測定し、記録した。この手順は、Industrial and Engineering Chemistry.Church,J.Mら、Ind.Eng.Chem.、47(12):2456−2462(1955)に公開された文献から応用した。

表5は、100%のBSPEまたはポリスチレンと比較した、BSPE/スチレン化AgNPの耐酸/塩基性の結果を示す。実施例3からのサンプルの溶解率%の値を、測定中に5%のサンプルの損失になるように修正した。

図6は、酸/塩基中に96時間浸した後に溶解したペレットの合計質量%を示す。浸漬試験の結果は、ポリエステルが、主に塩基触媒による分解を受けやすいことを示す。BSPEのみのサンプルは、10%NaOH中で溶解量の最大値を示した。これと比較して、スチレンのみだと溶解しなかった。BSPE−スチレン(実施例3)およびBSPE−スチレン−銀サンプル(実施例5および6)は、スチレン化されなかったサンプルよりもアルカリ性環境で分解が起こりにくかった。サンプルは、酸性環境では感知できるほど溶解しなかった。実施例6について、酸中でかなり多くの量の材料が溶解したのは、酸中のグルタチオンの加水分解の結果であると思われる。Olson,C.K.ら、J.Biol.Chem.、186:731−735(1950)。

図7は、ポリ(スチレン)コントロールサンプルが、1工程分解を示し、ほとんど完全な崩壊が観察される(プロセス終了時(すなわち、600℃)の重量損失が約99.85〜100%である)。BSPEコントロール(実施例2)も、1工程分解を示し、無機スルホネート基の結果として、残留物の重量%が2.206%であった。これと比較して、BSPE−スチレン−Agハイブリッドは、2工程分解を有する。BSPEが分解する温度が、スチレンが分解する温度とある程度重なるため、この2工程は、はっきりと明確ではない。

スチレン化されたBSPE−Agナノコンポジット(実施例4)を、スチレン化していないBSPE−Agナノコンポジットと比較すると、熱分解は、ほぼ同じ温度で始まる。しかし、300〜400℃の温度で、スチレン化されたBSPE−Agハイブリッドの熱分解率は、スチレン単独、BSPE単独、またはBSPE−Agナノコンポジットよりも顕著に低い。

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