Multiple engine drive unit and the coupling gear box for a single output shaft

申请号 JP50338688 申请日 1988-02-17 公开(公告)号 JP2726292B2 公开(公告)日 1998-03-11
申请人 ソロイ コーポレイション; 发明人 SOROI JOO AI;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】単一最終駆動軸を駆動する多重エンジン駆動装置において、 それぞれ異なるエンジの出力軸に駆動連結する複数個の入力軸と、 共通の最終駆動軸と、 前記複数個の入力軸の各々を共通の最終駆動軸に駆動連結する個別のギヤトレイン手段と、 を具え、各ギヤトレイン手段は、前記入力軸に設けた入力ギヤと、前記共通の出力軸に設けた出力ギヤと、前記個々の出力ギヤを前記共通最終駆動軸に連結する個別の連結手段とを有するものとして構成し、前記連結手段は、前記個々の出力軸が対応の入力軸により少なくとも最終駆動軸の速度と等しい速度で駆動させられるとき、
    前記個々の出力ギヤを前記共通最終駆動軸に駆動連結する個別のクラッチ手段を有するものとして構成し、 前記入力軸、前記共通最終駆動軸、及びギヤトレイン手段を、複数個のギヤボックス部分により組合せた単一のギヤボックス内に収納し、 互いに隣接する前記ギヤボックス部分相互は前記共通最終駆動軸の軸線の周りの取付角度位置を調整可能に連結する構成とした ことを特徴とする多重エンジン駆動装置。
  • 【請求項2】飛行機の単一プロペラ軸を駆動するデュアルエンジン駆動装置において、 それぞれエンジン出力軸を有する1対のエンジンと、 単一のギヤボックスと、 それぞれ前記エンジン出力軸の各一個に連結した1対のギヤボックス入力駆動軸と、 前記ギヤボックス内に回転自在に取付けた単一プロペラ軸と、 前記ギヤボックス内に設け、それぞれの入力軸を前記プロペラ軸に駆動連結する1対のギヤトレイン手段と を具え、前記ギヤトレイン手段対の各々は、前記プロペラ軸に設けた個別の出力駆動ギヤと、この出力駆動ギヤが少なくとも前記プロペラ軸の速度に等しい速度で対応のエンジンにより駆動されるときのみ前記出力駆動ギヤを前記プロペラ軸に駆動連結する個別のクラッチ手段とを有するものとして構成し、 更に、 前記エンジンおよびギヤボックスをユニットとして前記飛行機に支持するトラス形支持フレームと を具え、この支持フレームは、 前記プロペラ軸の軸線にほぼ直交する平面上に存在するほぼ環状の剛性フレームリングと、 前記フレームリングとの固着部から前方に突出し、前記ギヤボックスを前記フレームリングに取付けるため前端に取付手段を有する多重ギヤボックス用トラス支柱手段と、 前記フレームリングとの固着部から後方に突出し、前記エンジンを前記フレームリングに取付けるため後端に取付手段を有する多重エンジン用トラス支柱手段と を有するものとして構成し、前記ギヤボックス用トラス支柱手段および前記エンジン用トラス支柱手段により前記プロペラ軸の軸線の両側で前記エンジン出力軸の軸線に対してほぼ並置関係となるようエンジンを取付ける構成とし、また前記支持フレームには、前記フレームリングに設けてこのフレームリングを飛行機の支持構体に弾性的に取付ける手段を設け、前記エンジンおよびギヤボックスをユニットとして前記支持構体に弾性的に取付けることができる構成としたことを特徴とする装置。
  • 【請求項3】単一プロペラ軸を駆動するデュアルエンジン駆動装置に使用するトルク結合ギヤボックスにおいて、 スラスト軸受手段を含めた軸受手段に単一プロペラ軸を回転自在に取付けた第1ギヤボックス部分と、 第1入力軸からの動力を受ける入力ギヤおよび第1オーバーランニングクラッチ手段により前記プロペラ軸に連結した出力ギヤを設けた第1プライマリギヤトレインを有する第2ギヤボックス部分と、 第2入力軸からの動力を受ける入力ギヤおよび第2オーバーランニングクラッチ手段により前記プロペラ軸に連結した出力ギヤを設けた第2プライマリギヤトレインを有する第3ギヤボックス部分と を具え、前記第1ギヤボックス部分は前記プロペラ軸により駆動される補助ギヤトレイン手段を有するものとして構成し、前記第1および第2のプライマリギヤトレイン手段並びに補助ギヤトレイン手段は、それぞれのギヤボックス部分を潤滑する個別のオイルポンプを駆動する構成としたことを特徴とするトルク結合ギヤボックス。
  • 【請求項4】単一プロペラ軸を駆動するデュアルエンジン駆動装置に使用するトルク結合ギヤボックスにおいて、 スラスト軸受手段を含めた軸受手段に単一プロペラ軸を回転自在に取付けた第1ギヤボックス部分と、 第1入力軸からの動力を受ける第1入力ギヤおよび第1
    オーバーランニングクラッチ手段により前記プロペラ軸に連結した第1出力ギヤを設けた第1プライマリギヤトレインを有する第2ギヤボックス部分と、 第2入力軸からの動力を受ける第2入力ギヤおよび第2
    オーバーランニングクラッチ手段により前記プロペラ軸に連結した第2出力ギヤを設けた第2プライマリギヤトレインを有する第3ギヤボックス部分と を具え、 前記隣接するギヤボックス部分相互は、前記単一プロペラ軸の軸線の周りの取付角度位置を調整可能に連結する構成とした ことを特徴とするトルク結合ギヤボックス。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明は、トルク結合ギヤボックスを使用する単一出軸駆動軸のための多重エンジン駆動装置に関するものである。 本発明は、特に固定翼飛行機の単一プロペラ軸のためのデュアルエンジン駆動装置およびこのような駆動装置のためのギヤボックスおよび取付装置に関するものである。

    発明の背景 連邦の現行法は、単一エンジンプロペラ駆動固定翼飛行機の乗客輸送営業を禁止している。 従って、プロペラ駆動営業用乗客輸送飛行機は、それぞれプロペラを駆動する多重エンジンを有する。 このような飛行機は、特にこのような飛行機を所有している小規模の営業用およびチャーター用飛行機会社にとって、購入、操作および保守が困難である。 確かに、単一エンジンプロペラ駆動飛行機は、信頼性に欠ける点で営業用旅客輸送には認められていない。

    典型的には、2基のエンジンを搭載したプロペラ駆動飛行機は、各翼にそれぞれ1個のエンジンを取り付けている。 これは、エンジンの形状の点で他の妥当な代案がないためである。 しかし、翼に取付けたエンジンは空力学的効率が減少する。 このような取付状態は、構造を複雑にし、構成部材および装置の取付に費用が倍かかることになる。 更に、翼に取付けるエンジンは、重い重量を積載した飛行機において、1個のエンジンが故障したとき急激に非対称スラスト力を発生するため、危険な制御能力を生ずるという問題点がある。

    長年、ヘリコプターは、2基のエンジンを搭載して主ロータ軸を駆動する限りにおいて、乗客輸送営業を連邦法により許可されていた。 従って、単一プロペラ軸を駆動するのに利用される2基のエンジンを有する単一プロペラ駆動固定翼飛行機は、このような駆動装置が信頼性が高く、2基のエンジンのうちの一方が故障しても他方のエンジンが作動することができれば、連邦法の下で商業的乗客輸送を認めされるべきであると信ずる。 このような駆動装置が、既存の単一エンジン固定翼飛行機および既存のエンジン並びにこれにより駆動されるタービンおよびピストンに適用できるならば、小規模のチャーター用および商業用飛行機に特に有益である。

    上述したように、単一ヘリコプターロータ用の多重エンジン駆動装置は既知である。 例えば、米国特許第4177
    693号には、3個のタービンエンジンを使用して主ヘリコプターロータ用のプライマリ動力軸を駆動することについて記載している。 しかし、この場合、各エンジンからの駆動力は共通のギヤボックスではあるが、個別のギヤボックス部分に伝達される。 各入力部分への入力軸(62)は、スプライン(64)を有し、このスプラインがギヤ(66)を駆動し、このギヤがオーバーランニングクラッチ(68)を介してアイドラギヤ(70)を駆動する。
    アイドラギヤ(70)は主動力軸(18)にスプライン連結した軸(80)に設けた出力ギヤ(78)を駆動する。 クラッチは、入力軸(62)とアイドラギヤ(70)との間に配置するため、このクラッチの下流域の3個のパワートレインのうちの1個が故障すると、主動力軸を不能にする。

    ヘリコプターの主ロータ用のデュアルエンジンは既知であり、プラットアンドホイットニー(Pratt and Whit
    ney)社により製造した型番PW−209TおよびPT−6T並びにドーピン(Dauphin)社により製造した型番SA365がある。 しかし、このようなヘリコプター駆動装置は最終駆動軸の上流域のデュアル駆動トレインにオーバーランニングクラッチを使用することが認められている。 従って、このような駆動装置は上記米国特許の装置と同様な欠点がある。

    更に、多重エンジンヘリコプターロータ軸駆動装置は、固定翼飛行機には適用できず、特に、このような飛行機およびこのような飛行機に使用するに適したエンジンの重量、重心および形状に関する制約により既存の単一プロペラ駆動固定翼飛行機には適用できない。 例えば、典型的には、上述の多重エンジンヘリコプター駆動装置は、エンジンに直接連結したトルク結合ギヤボックス、即ち、複数個のエンジンからのトルクを単一のプロペラ軸に集合的に伝達するためのギヤボックスを必要とする。 従って、ロータのいかなる異常トルクまたは衝撃荷重もエンジンに伝達され、特にエンジンがタービンエンジンである場合エンジンを損傷する可能性がある。 更に、ヘリコプターの形状により、トルク結合ギヤボックスからの出力軸は直交ギヤボックスを介してロータ軸に連結しなければならず、駆動装置を一層複雑にする。 しかし、このようなヘリコプターの最も深刻な欠点は、このような駆動トレインにおいてクラッチの下流域で故障が生じた場合、多重駆動トレインのうちのいかなる部分の故障もロータの故障を引き起こす可能性がある点である。

    固定翼飛行機の共通プロペラ軸を駆動するため多重エンジンを使用することが、例えば、米国特許第2396745
    号および同第3340748号に記載されている。 米国特許第2
    396745号には、2個のエンジンにより単一プロペラ軸を共通ギヤトレインを介して駆動することが記載されている。 各エンジンからの出力軸と各エンジンからのギヤボックス入力ピニオン軸との間にクラッチを設ける。

    米国特許第3340748号には、デュアルエンジン(17)
    (19)により、エンジン出力軸を共通ギヤボックス(2
    4)にベルト−プーリ駆動による連結を介して単一のプロペラ軸(21)を駆動することが記載されている。 エンジンのうちの一方または双方により単一のプロペラ軸を駆動するが、一方のエンジンのみを使用するときは、駆動装置は異なるレシオで駆動する。 ギヤボックス(第5
    および6図)は、複雑なプラネタリ駆動装置を有し、プライマリ入力駆動スリーブ(40)とプライマリ入力駆動ギヤ(65)の間および第2駆動ギヤ(61)と主ギヤハウジングとの間にオーバーランニングクラッチ(74)(7
    1)を設ける。 プラネタリ駆動装置と単一プロペラ軸(2
    1)または駆動スピンドル(50)との間にはクラッチを設けない。

    これら双方の米国特許の駆動装置は上述のヘリコプター駆動装置と同様の欠点を有する。 このような駆動トレインにおけるクラッチの下流域のデュアル駆動トレインのうちの一方が故障すると、プロペラ軸を不能にする。

    単一出力駆動軸のためのデュアルエンジン駆動装置としては他の用途用に提案されているものがある。 例えば、米国特許第3669230号には、船舶用単一プロペラ軸のためのデュアルエンジン駆動装置について記載している。 デュアルエンジン(1)(1′)は、プロペラ軸の共通出力ギヤ(3h)およびエンジンからギヤボックスへの各入力軸の個別のピニオン(3k)を含む減速歯車装置を介して共通の駆動装置またはプロペラ軸(3c)を駆動する。 シフト可能な摩擦クラッチ(2)により各エンジン出力軸をギヤボックスの入力軸に連結する。 しかし、
    この米国特許の駆動装置は、単一出力軸にとって典型的なデュアルエンジン駆動装置であり、クラッチがエンジン出力軸とギヤボックス入力軸との間に配置されている。 このようにして、クラッチの下流域における1個のエンジンからの駆動トレインにおけるいかなる部分の故障も最終出力駆動軸を不能にしてしまう。

    米国特許第4106603号には、単一プロペラ軸用のデュアルエンジン駆動装置について記載しており、デュアルエンジン(1)(1′)により可撓継手(2)(2′)
    を介して駆動軸(7)(7′)を駆動する。 入力軸(7)(7′)は中空軸(4d)(4′d)に貫通させ、
    クラッチ(3)(3′)を介して中空軸に連結する。 この中空軸にギヤ(4b)(4′b)を担持し、ギヤ(4b)
    (4′b)により共通のプロペラ軸(5)に設けた共通出力ギヤ(4a)を駆動する。 従って、この米国特許の駆動装置は、クラッチの下流域での1個のエンジンのギヤトレインのいかなる部分に、例えば、ギヤの歯またはギヤ軸の軸受に故障が生じた場合、プロペラ軸を含む駆動装置全体を不能にする可能性があるという欠点を有する。

    既知の単一出力軸用のデュアルエンジン駆動装置は、
    他の理由からも既存の単一プロペラ駆動固定翼飛行機には適当ではない。 大部分の既知の駆動装置はこのような飛行機に要求される信頼性を確保する他のフェールセーフ構成を欠いている。 例えば、既知の多重エンジン駆動装置の潤滑装置は固定翼単一プロペラ駆動飛行機には適用できず、または安全作動に必要な内蔵冗長構成を欠いている。 米国特許第4177693号は、個別のギヤボックス動力部分および主駆動装置用に個別のオイル装置を使用することが提案されているが、一方の部分のオイル装置が故障した場合、他方の部分のオイル装置はオイル装置が故障している部分への流用ができない。 更に、固定翼飛行機に多重エンジン単一プロペラ駆動装置を取付けるのに適した手段は存在していない。 米国特許第4531694
    号には、単一エンジンおよび個別のギヤボックスをユニットとして単一エンジン固定翼飛行機に取付ける取付装置について記載しているが、多重エンジン単一ギヤボックス単一プロペラ駆動装置用には適用できない。

    飛行機および飛行機エンジンは種々の寸法および形状がある。 従って、既知のこのような駆動装置では、異なる形状の飛行機および異なる形状の飛行機エンジン毎に異なるギヤボックスを設計する必要があり、作業が膨大になる。

    従って、固定翼飛行機使用に適した単一プロペラ軸のための多重エンジン駆動装置並びにこのような駆動装置のためのギヤボックスおよび取付装置に対する必要性がある。

    発明の要約 本発明は、単一プロペラ軸のための多重エンジン駆動装置、特に、固定翼飛行機での使用に適する駆動装置である。 この駆動装置は、種々の飛行機形状およびエンジン形状に適合できる独特なトルク結合ギヤボックスを有する。 更に、本発明は、エンジン、ギヤボックスおよびプロペラ軸を含めた駆動装置をユニットとして既存の飛行機に取付ける独特な取付装置を有する。

    駆動装置は、各エンジンから最終駆動またはプロペラ軸への個別の駆動トレインを有することに特徴がある。
    各個別の駆動トレインは、プロペラ軸に設けた個別の出力ギヤを有する。 各出力ギヤはオーバーランニングクラッチを介してプロペラ軸に駆動連結し、これにより一方のエンジンからの駆動トレインにおけるいかなる部分の故障も他方のエンジンからの駆動トレインまたはプロペラ軸自体を不能にすることがない。

    本発明の他の特徴は、各エンジンおよび各エンジンに関連のギヤトレイン用に個別の動力の入力−出力部分を有するトルク結合ギヤボックスにある。 入力−出力部分はプロペラ軸の軸線に対して互いに相対的に回転して異なる飛行機、異なるエンジンおよび異なる取付部の形状にも適合できる。

    ギヤボックスの好適例の他の特徴は、各入力軸のための個別のギヤトレインであり、各ギヤトレインは入力ピニオン軸に設けた入力軸と、アイドラギヤと、プロペラ軸に設け、オーバーランニングクラッチを介してこのプロペラ軸に連結した出力駆動ギヤとを有する。 ピニオン軸は中空にし、入力軸をこの中空ピニオン軸に貫通させ、この中空ピニオン軸に可撓的に連結する。

    ギヤボックスは、それぞれ独立的に作動するオイル装置を有するフェールセーフ機能のオイル装置を有し、各動力入力−出力部分およびギヤボックスのプロペラ軸補助ギヤボックス部分のための個別のオイルポンプを有する。 動力入力−出力部分のためのオイルポンプは、それぞれの駆動トレインにより駆動し、プロペラ軸補助ギヤボックス部分のためのオイルポンプはプロペラ軸からの補助駆動トレインにより駆動する。 各オイルポンプは、
    ある部分のオイルポンプに故障があった場合、適正な圧力でそれ自身のギヤボックスにオイルを供給するとともにオイルポンプが故障しているギヤボックス部分にも適正な圧力でオイルを供給する能力と手段とを設けるとよい。 プロペラ軸駆動ポンプに故障があった場合、他のポンプに自動的に切り換えるようにすると好適である。

    ギヤボックスは、補正ギヤボックス部分において冗長プロペラスピードガバナを設け、一方のガバナが故障した場合に他方のガバナが自動的に作動する構成にすることができる。 オーバースピードガバナを設け、プロペラガバナの故障時にプロペラの過回転を防止しうるようにする。

    好適な実施例においては、デュアルエンジンおよび互いに独立的なギヤボックスを共通の取付フレームに個別に取付ける。 この取付フレームは、共通の支持フレームリングを有することを特徴としている。 このリングを飛行機のフレームに可撓的に取付け、駆動装置をユニットとして飛行機に取付ける。 デュアルエンジンのそれぞれの個別のギヤボックスにおけるギヤトレインへの可撓的取付けにより、ギヤボックスへの過剰なトルクまたは衝撃荷重がエンジンに伝達するのを確実に防止する。

    本発明は、以下のものを主として対象とする。 即ち、 1. 独特なフェールセーフ構成である多重エンジン−単一出力軸駆動装置、 2. 固定翼飛行機に使用するに特に適した単一プロペラ軸用のデュアルエンジン駆動装置、 3. エンジンのうちの一方または双方を選択的に使用してプロペラ軸を駆動することができる固定翼飛行機のためのデュアルエンジン−単一プロペラ駆動装置用トルク結合ギヤボックス、 4. 1個のエンジンまたはこのエンジンに関連した駆動トレインのいかなる部分での故障が生じた場合でも、プロペラ軸が不能とならない上述のデュアル駆動装置、 5. 内蔵動力装置、駆動トレイン、オイル装置およびフェールセーフ作動のためのプロペラスピード制御冗長構成を有する上述の多重エンジン駆動装置、 6. ユニットとしてプロペラ駆動飛行機に取付けることができるデュアルエンジン駆動装置のための取付手段、 7. 広範囲の飛行機、エンジンおよび取付部の形状に適用できる融通性のあるデュアルエンジン駆動装置のためのトルク結合ギヤボックス、 8. 異なる動力比を有する多重エンジンを使用することができる上述の多重エンジン駆動装置、 9. 既存の単一プロペラ駆動飛行機の鼻部取付部に適用できる上述の多重エンジン駆動装置および取付装置 である。

    本発明の上述のおよび他の目的、特徴および利点を添付図面につき詳細に説明する。

    図面の簡単な説明 第1図は、飛行機の鼻部における本発明の駆動装置および取付装置を示す典型的な単一エンジン固定翼飛行機の前方部分の一部切除した線図的部分頂面図、 第2図は、第1図の駆動装置の取付フレーム部分の斜視図、 第3図は、第1図の駆動装置のトルク結合ギヤボックス部分の斜視図、 第4図は、第3図のギヤボックス内の種々のギヤトレインの斜視図、 第5図は、第3図のギヤボックスの入力軸およびプロペラ軸の軸線に沿って切り取った縦断面図、 第6図は、図面を分かりやすくするため、取付フレームを取り除いた第1図の6−6線から見た駆動装置の正面図、 第7図は、異なるエンジン形状に適合するよう第6図に示すものとは向きが異なる組合せにしたトルク結合ギヤボックスの若干の部分を示す第6図と同様の正面図、 第8図は、取付フレームを取り外し、本発明の駆動装置およびギヤボックスハウジングを拡大して詳細に示す第1図の飛行機の鼻部の内部の線図的部分側面図、 第9図は、第8図に示す飛行機の同様の部分の線図的平面図、 第10図は、第3図のギヤボックスのオイル装置の線図的回路図である。

    好適例の詳細な記載 全体的構成 飛行機10はフレーム12を有し、このフレーム12は、固定翼16を支持する機体14を有し、この固定翼16は機体の鼻部18の後方に位置する(第1図参照)。 飛行機は、鼻部18の前端におけるプロペラ軸22に取付けたスピナ20に担持した単一のプロペラにより駆動する。 以上説明した飛行機は普通の構造である。

    機体の鼻部内で、1対の互いに並設したターボシャフトガスタービンエンジン24、26により単一プロペラ軸22
    を普通のギヤボックス28を介して駆動する。 エンジ24、
    26は出力軸30、31を有し、これら出力軸を可撓継手32、
    33によりギヤボックスの入力軸34、35に連結する。 入力軸は、ギヤボックス28のそれぞれの動力入出力部36、37
    に貫通させ、可撓継手38、39の位置でギヤボックスハウジング内のギヤトレイン(第4および5図参照)に連結する。 これらギヤトレインにより入力軸をプロペラ軸22
    におけるそれぞれのオーバーランニングクラッチを介して共通のプロペラ軸22に駆動連結する。

    トラス状の支持フレーム42に、2基のエンジン24、2
    6、独立トルク結合ギヤボックス28およびプロペラ軸22
    を有するユニットとしての上述の駆動装置を取付け、機体の鼻部18内にユニットとして取付ける。 特に、支持フレーム42は、取付ブラケット44、46およびこれらブラケットに関連する弾性パッドにより三形のトラス支柱4
    8、50に可撓的に取付ける。 これら支柱は、飛行機のキャビン部54から鼻部を分離する飛行機フレームの横方向防火隔壁52に支持フレームを連結する。 縦方向の防火隔壁56により2個のエンジンを隔離し、これらエンジンのうちの一方の火災またはコンプレッサブレードの故障の際にエンジンを互いに保護する。

    駆動装置取付フレーム 駆動装置支持フレーム42は、ほぼ環状であるが横方向に引き延ばされた管状フレームリング58を有する(第2
    図参照)。 このリングは、上述の頂部取付ブラケット4
    4、46、側方取付ブラケット60および底部取付ブラケット62並びにこれらブラケットに関連したパッド(図示せず)を介して、支持支柱48、50(第1図参照)および支柱48、50に類似の他の支柱により飛行機のフレームの横方向防火隔壁52に取付ける。 フレームリング58に固着したほぼ三角形の管状ギヤボックス取付支柱をリングから前方に突出させる。 これら支柱の前端に取付けプレート
    64、66を設け、ギヤボックス28をフレームリング58に堅固に緊締するようにする。 このようなギヤボックス取付支柱としては、頂部支柱68、底部支柱70および両側方の1対の側方支柱72がある。

    同様にして、フレームリングに堅固に固着したほぼ三角形の管状エンジン取付支柱をリングから後方に突出させ、2個のエンジン24、26をリングに取り付けるようにする。 このようなエンジン取付支柱としては、1対の頂部取付支柱74、76および1対の側方支柱78、80がある。
    各支柱対の一方の支柱を一方のエンジンに、他方の支柱を他方のエンジンに、取付プレート82により連結する。
    更に、1対の単一管状支柱83を、リング58の中心底部から後方に突出させ、エンジン24、26の内側に連結するようにする。

    寸法および強度の必要条件のためフレームリング58
    を、管状のガセット部材84、86により補強し、これらガセット部材をフレームリングの底部の中間部分からフレームリングの側部の中間部分に延在させる。 これらガセットは開口を形成し、この開口にエンジンの吸気ダクトを貫通させる。

    上述の取付装置は、デュアルエンジン駆動装置に対して、本願人による米国特許第4531694号に記載のシングルエンジンに関して記載したと同様の多くの利点がある。 基本的に、フレームリングは駆動装置全体をユニットとして飛行機に取付け、既存のシングルエンジン固定翼飛行機をデュアルエンジン駆動装置に容易に変換することができる。 フレームリングは弾性的に駆動装置を飛行機のフレームに取付け、フレームが振動するのを防止する。 デュアルエンジンおよび個別のギヤボックスはそれぞれ独立的にフレームリングから懸垂する。 ギヤボックスは、可撓継手によりエンジンからも隔絶する。 従って、ギヤボックスのいかなる衝撃荷重もフレームリングに直接伝達され、このフレームリングの取付部を介してエンジンではなく飛行機のフレームに伝達され、これによりプロペラが打撃を受けたり、他の過剰なトルク荷重を受けたりしてもエンジンの損傷を少なくすることができる。 このことは、タービンエンジン駆動装置の場合このようなエンジンを修理することの費用を考えると、特に重要なことである。

    ギヤボックス構造 ギヤボックス28は、ほぼ3個の主機能部分、即ち、左舷側駆動トレインギヤボックス部分88、右舷側駆動トレインギヤボックス部分90およびプロペラ軸ギヤボックス部分92に分割する(第3、5、9および10図参照)。

    更に、ギヤボックスの後部には、補助駆動トレイン11
    0を収容する補助ギヤボックス部分93を設ける。 補助ギヤボックス部分は、機能的には、プロペラ軸部分のサブセクションであり、共通のオイル装置を共有する。 プロペラ軸部分および駆動トレイン部分はそれぞれ互いに分離したオイル装置を有し、駆動トレイン部分が故障した場合にそれぞれのオイル供給源は故障した駆動トレイン部分のオイル供給源からのオイルによって汚染されることがない。

    ギヤボックスハウジングは、互いにボルトにより連結する5個のフランジ付部分に分割する。 前方から後方に向かって、前面カバー部分94を第1中間部分96にボルト連結する。 これら部分には、プロペラ軸22の前方部分と、右舷側駆動トレイン部分90をなす第1ギヤトレインとを収容する。 第1中間ハウジング部分96を第2中間ハウジング部分98にボルト連結し、この第2中間ハウジング部分98を第3中間ハウジング部分100に連結する。 ハウジング部分98、100は、プロペラ軸22の後方部分と左舷側駆動トレイン部分88をなす第2ギヤトレインとを収容する。 後方カバー部分102をハウジング部分100にボルト連結する。 部分102、100間にはプロペラ軸の最後尾部分を収容し、プロペラ軸から駆動される補助駆動トレイン110を収容する補助ギヤボックス部分93をなす。 種々のハウジング部分をフランジ104で互いボルト連結する。

    第1中間ハウジング部分と第2中間ハウジング部分とを連結するフランジ104a、104bは円形にし、互いにボルト連結する前に左舷側駆動トレイン部分および右舷側駆動トレイン部分が互いにプロペラ軸22の軸線の周りに回転することができるようにする。 従って、組合せ中ギヤボックス部分と関連の入力ギヤトレインをプロペラ軸の周りに回転させることにより、入力軸34、35間の間隔の調整およびこれら入力軸のプロペラ軸に対する位置決めを調整し、異なる機体、エンジンおよびエンジン取付形状に対して、第6および7図につき詳細に説明するように適合させることができる。

    第4および5図につきギヤボックスの内部を説明すると、ほぼ3個の異なるギヤトレインを有する。 これらギヤトレインとして、ギヤボックスの右舷側駆動トレイン部分90の第1プライマリギヤトレイン106、ギヤボックスの左舷側駆動トレイン部分の第2プライマリギヤトレイン108、およびプロペラ軸22から駆動される補助ギヤボックス部分93の補助駆動トレイン110がある。

    右舷側プライマリギヤトレインを説明すると、プライマリギヤトレインとして、中空ピニオン軸114に担持した入力ピニオンギヤ112、アイドラ軸118に担持した中間アイドラギヤ116およびファイナルドライブまたはプロペラ軸22に担持した大径の出力駆動ギヤ(以下「出力ギヤ」と略称する)120がある。 他方の入力ギヤトレイン1
    08と同一であり、プロペラ軸22に担持した第2の出力駆動ギヤ(以下「出力ギヤ」と略称する)122がある。 好適には、双方のプライマリギヤトレインの個々のギヤはそれぞれ同一寸法にするとよい。

    出力ギヤ120、122はオーバーランニングクラッチ124
    によりプロペラ軸に取付ける。 これらクラッチはフォームスプラグバンドクラッチのようなスプラグ型のものとすることができる。 オーバーランニングクラッチによれば、出力ギヤ120、122は、少なくともプロペラ軸の回転速度と等しい速度で対応のプライマリギヤトレインにより駆動されない限り、プロペラ軸上で「フリーホイール」として動作する。 このようにして、ギヤトレイン10
    6を駆動するエンジン24が休止し、ギヤトレイン108を駆動するエンジン26が動作し続ける場合、ギヤトレイン10
    8は出力ギヤ122を介してプロペラ軸22を駆動し続け、プロペラ軸上で自由に回転する。

    補助ギヤトレイン110は、プロペラ軸22に固着した補助駆動ギヤ126を有する。 軸132、133にそれぞれ取付けた種々の補助平歯車128、130により、プロペラ軸を潤滑するオイルポンプ134およびオーバースピードガバナ136
    を含む種々のギヤボックス付属装置を駆動する。 プライマリおよびバックアッププロペラスピードガバナ(第5
    図参照)を含む他の適当な平歯車装置(図示せず)を介して補助駆動ギヤから種々の他の付属装置を駆動することもできる。

    各プライマリギヤトレインは、以下のようにそれぞれに対応のエンジン24、26により駆動する。 即ち、入力軸
    34、35はそれぞれの中空ピニオン軸114に貫通し、前方遊端でペンシルバニア州ウォーレンのレックスノード社(Rexnord,Inc.)により製造されたいわゆる「トーマス」型のフランジ付可撓継手38、39によりそれぞれのピニオン軸に連結する。 各継手38は、入力軸に連結した第1フランジ38aと、ピニオン軸に連結した第2フランジ3
    8bと、これら2個の相互連結するフランジ間に介在させて入力軸を0.75°まで褶曲させることができるステンレス鋼薄片38cとを有する。

    勿論、ピニオン軸114は適当な軸受138に取付ける。 ピニオンギヤ112をアイドラ軸118のアイドラギヤ116に噛合させる。 アイドラ軸118は適当な軸受140に取付ける。
    各ギヤトレインのアイドラ軸118はそれぞれのオイルポンプ142、144を駆動し、それぞれのギヤボックス部分を潤滑する。 しかし、以下に詳細に説明するように、双方のエンジンの作動中にどちらかのオイルポンプ142、またはオイルポンプ144が故障した場合、作動しているポンプを手動で切り換えて双方のギヤボックス駆動部分が潤滑することができるようにする。 各ポンプはこのことができる充分な能力を有するものとして構成する。 同様に、どちらかのエンジンの作動中にプロペラ軸ギヤボックス134が故障した場合、作動しているアイドラ駆動オイルポンプ142、144により自動的にオイルを適当な圧力でプロペラ軸の軸受および補助ギヤトレインに供給する。

    上述したように、各プライマリギヤトレインのアイドラギヤ116を、プロペラ軸22の出力ギヤ120、122に噛合させる。 しかし、それぞれのオーバーランニングクラッチ124により、プロペラ軸の速度に整合する速度で対応のエンジンにより出力ギヤ120、122が駆動されない限り、出力ギヤ120、112がプロペラ軸に駆動掛合するのを防止する。

    プロペラ軸22を、3個のスラストアンギュラー軸受14
    6およびボールおよびローラ軸受148、150に取付ける。
    更に、ハウジングの後尾部分に設けたブロンズリング15
    2を補助駆動ギヤ110に掛合させて連係動作させ、プライマリスラスト軸受146が故障した場合にプロペラ軸のスラスト荷重を支持するようにする。

    調整自在ギヤボックス形状 本発明のギヤボックスの重要な特徴は、異なる機体、
    エンジンおよびエンジン取付形状に適合できる調整自在の形状にある。 このため、ギヤボックスの2個のパワートレイン部分88、90は円形フランジ104a、104bでボルト連結したハウジング部分96、98を有する。 双方のフランジのボルト孔間の間隔は同一にし、従って、異なる相対位置でも適合でき、2個のパワートレイン部分88、90のプロペラ軸22の軸線の周りの相対回転を可能にする。 勿論、このことにはプライマリギヤトレイン106、108のプロペラ軸22の周りの回転も含まれる。

    先ず、第6図につき説明すると、機体鼻部形状18および防火隔壁形状52はセスナキャラバン飛行機に典型的なものであるとする。 エンジン24、26は、アリソン(Alli
    son)250−C30型ターボシャフトガスタービンエンジンの輪郭を有する。 これらのエンジン出力軸およびこれらに整列するギヤボックスの入力軸34、35はプロペラ軸22
    の軸線154の両側でエンジン輪郭の比較的高い位置に位置する。 実際、入力軸34、35の軸線はプロペラ軸22の軸線154の上方に位置する。 既存の鼻部着陸装置156はセスナキャラバンのカウル輪郭158のように示し、またエンジンエアコンプレッサ吸気口160およびエンジン排気ガス排気口162を示す。

    第7図には、異なるエンジンを取付けるセスナキャラバン飛行機を示し、この場合1対のプラットアンドホイットニー(Pratt & Whitney)PW205B型ターボシャフトエンジン24a、26aを有するが、第6図と同様のギヤボックス28を有する。 プラットアンドホイットニーエンジンの出力軸は第6図のアリソンエンジンの出力軸におけるよりもエンジン輪郭の下方に位置し、ギヤボックス28の2個のパワートレイン88、90の調整は入力軸34、35をこのような出力軸に整列させることが必要である。 更に、
    パワートレイン部分88、90は、ギヤボックスの入力軸3
    4、35がエンジンの出力軸に整列するまで整合円形フランジ104a、104b(第5、8および9図参照)に沿ってプロペラ軸の軸線154の周りに回転させねばならない。 このことを行ったとき、2個のギヤボックスパワートレイン部分88、90は、第7図に示すように下向きに角度を開く形状となり、ギヤボックスの入力軸の軸線はプロペラ軸の軸線154よりも相当低い位置をとり、第6図のギヤボックスの入力軸よりも互いに近接する。

    実際上、上述の設計のギヤボックスは特定の飛行機、
    エンジンおよびエンジン取付形状に適合するよう工場で調整し、現場での調整を不要にするのが普通である。 異なるエンジンの組合せに関しては、2個のエンジンを製作、形式およびパワー出力に対して対称的にする必要はない。 異なるパワー出力のエンジンを使用すると、高パワーエンジンまたは双方のエンジンを例えば、離陸のようなハイパワーが要求される場合に使用し、ローパワーエンジンは巡航またはバックアップのときに使用する。

    潤滑装置 第10図は、ギヤボックスの潤滑装置の線図的説明図であり、特に飛行機用の内蔵冗長構成を強調してある。 オイル供給回路は共通供給ライン166を有し、このライン1
    66にアイドラギヤ駆動右舷および左舷オイルポンプ14
    2、144が共通のリザーバ168の別個の隔室168a、168bからオイルを供給する。 プロペラ軸駆動オイルポンプ134
    は、共通のリザーバ168の他の別個の隔室168cから回路にオイルを供給する。 各オイルポンプは、オイルポンプ
    134につき示すように、チェック弁170およびオイルフィルタ172を有する。

    ライン166における常閉ソレノイド弁174、175、176およびバイパスライン179、180における常閉低圧一方向弁
    177、178により共通のオイル供給ラインを平素分断した3個のサブ回路に分割し、このサブ回路には右舷オイルポンプ142からの供給ライン182を経てギヤボックス部分
    90にオイルを供給する第1サブ回路166aが含まれる。 第2サブ回路166bは左舷オイルポンプ144から供給ライン1
    84を経て左舷ギヤボックス入力部分88にオイルを供給する。

    プライマリ回路166の第3サブ回路166cはプロペラ軸駆動オイルポンプ134から供給ライン186、188を経てギヤボックスの補助ギヤボックスおよびプロペラ軸部分92
    にオイルを供給する。 特に、ポンプ134により、ライン1
    86を経て補助ギヤボックス部分93にオイルを供給し、補助ギヤトレイン110(第5図参照)およびその軸受を潤滑する。 ポンプは、更に、分岐供給ライン189、190のうちの一方および2個の選択的に動作するプロペラスピードガバナ192、194のうちの作動しているもの、並びにシャトル弁196を経てプロペラ軸供給ライン188にオイルを供給してプロペラ軸の軸受を潤滑する。 オーバースピードガバナ136は、分岐供給ライン191を経て供給ライン18
    8からオイルを供給される。 シャトル弁196は、三方2位置弁とし、供給ライン188のオイル圧作動スイッチ193によりソレノイド作動する。 通常のオイル圧の下では、スイッチ193は開き、ポンプ134からのオイルをプライマリガバナ192を経て供給ライン188に供給する。 プライマリガバナ192の開放位置またはバイパス位置に詰まりを生じたときのように、オイル圧が異常に高くなる場合、圧力スイッチ193が閉じ、ソレノイド弁196を動作させ、ガバナ192を不作動にしかつバックアップガバナ194を動作させる位置にこの弁をシフトする。

    種々の起こりうる故障モードで、上述の潤滑装置は以下のように動作する。

    デュアルエンジンの動作中ギヤトレイン駆動オイルボンプ142、144のいずれかが故障した場合、故障した側のエンジンを停止させることにより故障した側のギヤトレインは不作動になる。 その代わり、ポンプが故障した側のギヤトレインは、手動で他方の作動しているギヤトレイン駆動ポンプに切り換えるか、または手動でプロペラ軸駆動ポンプに切り換えることによって潤滑する。 例えば、右舷側ポンプ142が故障した場合、パイロットは、
    ソレノイド弁174を開放することによってポンプ144を使用してギヤボックス90を潤滑することができる。 この目的のために、ポンプ144は作動圧力のオイルを双方のギヤボックスパワートレイン部分88、90に供給するに充分な能力を有するものとする。 代案として、ソレノイド弁
    175を開放することによりプロペラ軸駆動ポンプ134を使用して必要圧力のオイルをギヤボックス部分90に供給するとともに、プロペラ軸および補助ギヤトレインを潤滑することができる。

    2個のギヤボックス入力部分88、90のうちの一方にクラックを生じた場合、クラックを生じた側のオイルポンプは仕切ったオイルリザーバ168からほぼ四分の一のオイルを汲み出そうとする。 このような状況では、パイロットは、クラックを生じた側のギヤボックスのエンジンを停止する。

    内部プロペラ軸シールの故障は起こりそうもない。 これは、このようなシールの両側の差圧が、プロペラ軸用に設けたマルチパスオイル装置においてほぼゼロであるためである。 しかし、プロペラ軸シールに過剰の洩れを生じた場合でも、オイルは簡単に共通のリザーバ168に流入し、集油作用は必要でない。

    プロペラ軸駆動オイルポンプ134が故障した場合、ポンプ142、144のうちの一方または双方が動作しているかどうかに基づいて、供給ライン188のオイル圧低下により自動的にバイパスライン179、180の弁177、178の一方または双方を開く。 作動しているポンプ142、144が作動圧力のオイルを開放しているバイパスライン179、180を経てプロペラ軸の軸受および補助ギヤトレインに供給する。

    プライマリプロペラガバナ192が、開放またはバイパスモードで詰まることにより故障した場合、プロペラはフェザリングしようとする。 このことを防止するため、
    圧力動作スイッチ193がシャトル弁196のソレノイドを動作させ、バックアップガバナ194を作動させる位置にシャトル弁196をシフトする。

    2個のプロペラガバナ192、194のうちの一方が高圧側で故障した場合、プロペラはオーバースピードで回転しようとする。 この状況でプロペラガバナ136はプロペラの急回転を防止する。 更に、パイロットは、シャトル弁
    196を手動により遠隔操作してプライマリガバナ192からバックアップガバナ194に切り換える。

    離陸中に一方のエンジンが停止した場合、他方の動作しているエンジンはスローダウンし、プライマリガバナ
    192を動作させてプロペラオイル圧力を上昇させ、これによりプロペラピッチを減少する。 このときパイロットは何も操作はする必要がない。

    作用 デュアルエンジン−単一最終駆動装置の作用を、図示の単一プロペラ駆動固定翼飛行機の用途に関して説明する。 しかし、駆動装置は、多重プロペラ駆動飛行機にも、また船舶のプロペラ軸または他の装置の最終駆動装置を駆動するといった飛行機以外の用途にも適用することができる。 しかし、冗長構成および他の安全装置を上述の駆動装置に内蔵するため、固定翼飛行機の用途が特に好適である。

    双方のエンジンの動作中、エンジン出力軸30、31は可撓継手32、33を介してギヤボックス入力軸34、35をそれぞれ駆動する。 入力軸34、35はそれぞれの可撓継手38、
    39を介してトルクをギヤボックスのパワートレイン90、
    88の中空ピニオン軸114に伝達する。

    ピニオン軸114は、駆動トルクをそれぞれのピニオンギヤ112およびアイドラギヤ116からプロペラ軸22のそれぞれの出力ギヤ120、122に伝達する。 出力ギヤ120、122
    は、それぞれに対応のエンジンにより、少なくともプロペラ軸22の回転速度に整合する速度で駆動すると、出力ギヤはそれぞれのオーバーランニングクラッチ124を介してプロペラ軸に駆動掛合してこのプロペラ軸を回転させる。 しかし、プロペラ軸が出力ギヤのうちのどちらか一方または双方が駆動されるスピードよりも大きいスピードで回転する場合、遅い方のギヤはプロペラ軸上で自由に回転する。 この特徴により、プロペラ軸は、片方のエンジンが停止しても、また片方のエンジンのパワートレインのいずれかの部分が例えば、ギヤ、軸受またはオイルポンプの故障等で不能になっても、もう一方のエンジンのパワーで作動する。 この特徴によれば、プロペラ軸を一方または双方のエンジンにより選択的に駆動することができ、例えば、巡航時に単独のエンジンでの作動を可能にする。

    双方のエンジンの動作中、ギヤボックスの潤滑は3個のすべてのポンプにより行う。 パワートレイン入力部分
    90のアイドラ軸118により駆動するオイルポンプ142は、
    ギヤ軸の軸受を含めてギヤボックス部分90を潤滑する。
    ギヤボックスの他のパワートレイン部分88のアイドラ軸により駆動するオイルポンプ144は、種々のギヤ軸の軸受を含めてギヤボックス部分88を潤滑する。 これと同時にプロペラ軸22により駆動する補助駆動トレイン110
    は、第3オイルポンプ134を駆動し、プロペラ軸の軸受および作動しているプロペラガバナを潤滑する。 オイルは種々のオイルポンプに、共通のオイルリザーバの対応の隔室部分から供給し、3個のギヤボックス部分間でオイルが混ざり合って汚濁するのを防止する。

    デュアルエンジンの通常の動作中、アイドラ軸駆動オイルポンプ142、144のうちの一方が故障した場合、パイロットが手動で他方の作動しているアイドラ駆動オイルポンプに切り換えて所要の圧力でギヤボックスの双方のパワートレイン部分にオイルを供給することができる。
    代案として、パイロットは、影響を受けるエンジンを停止することができる。 一方、通常作動中にプロペラ軸駆動オイルポンプ134が故障した場合、オイル回路中の圧力作動弁が自動的に開き、アイドラ駆動ポンプ142、144
    が適当な圧力のオイルをプロペラ軸の軸受および補助駆動トレインに供給し、飛行機の不能化を防止する。

    上述のデュアルエンジン駆動装置は、多くの異なる形状の固定翼飛行機の認可および取付に必要なまた広範囲の飛行機用途に必要な冗長性、信頼性、および多様性をもたせるよう設計する。 即ち、 1.デュアルエンジン単一プロペラ駆動飛行機 2.ウイング取付多重プロペラ駆動飛行機 3.多くの異なる製作、モデルおよび形状並びに広範囲のパワー条件を有する飛行機およびエンジン 4.デュアルエンジンが異なるパワートレインを有するまたは必要とする用途 5.トラクター型またはプッシャー型のいずれかのプロペラを使用する飛行機 上述したように、上述の装置は、単一プロペラ駆動固定翼飛行機で営業的乗客輸送に使用するものとして公認されている。

    典型的な既存の固定翼単一プロペラ飛行機用に上述の装置は設計され、例えば、公称連続出力トルクが2520m/
    kg(3750ft./1bs.)となるように設計する。 典型的には、ギヤボックスへのエンジン入力は約6000RPMであり、ギヤボックスからのプロペラ軸の公称出力速度は約
    2000RPMである。 しかし、ギヤボックスは、アイドラギヤの寸法を変化させることにより出力速度を約1700RPM
    と約2400RPMとの間で簡単に変更することができる。 上述の装置はフェザリング可逆型のプロペラでも作動することができる。

    中空ピニオン軸に貫通する入力駆動軸を設けることにより、継手部分に故障が生じても駆動軸を拘束することができ、ギヤボックス入力部とエンジン出力部との間の必要距離を減少し、駆動ラインの軸不整列にも良好に対応することができる。

    エンジン−ギヤボックスのトラス形取付フレームに関して、フレームはエンジン吸気口を通過させることができる設計にしてある。 2個の互いに独立しているオイルクーラーおよび共通のオイルタンクを支持するブラケット(図示せず)は、支持フレームの前方支持支柱から懸垂することができる。 このようにして、上述の駆動装置は、飛行機から潤滑装置および空気誘導装置をも含めたユニットとして単に6個の弾性取付部並びに燃料および電気供給源との迅速接続部を釈放するだけで簡単に取外すことができる。

    特に、飛行機の用途のための装置の好ましい特徴を要約すると、2個の互いに独立したプロペラ−パワータービンガバナを設け、双方のガバナをプロペラ軸から駆動し、更に、プロペラ−パワータービンガバナが誤動作した場合にプロペラの過回転を防止するようプロペラ軸から駆動するオーバースピードガバナを設ける。 装置には、少なくとも2個のオイル圧源を設け、少なくとも一方のオイル圧源をプロペラ軸自体から駆動する。 プロペラ軸−パワータービンガバナおよび少なくとも1個のオイルポンプをギヤボックスの後面に取付ける。 これらはピロペラ軸から駆動し、双方のガハナが互いに独立的に冗長オイル源にアクセスすることができる。

    タービンエンジンの用途に関して、双方のエンジン用のコンプレッサの流入口を前方に指向させ、排気装置として各エンジン用の排気ダクトスタップを下方および後方に指向させる。

    上述の本発明の原理は好適例につき説明したに過ぎず、当業者であればこの原理から逸脱することなく、構成および細部を変更することができる。 本発明として好適な実施例およびすべてのこのような変更例および等価のものも以下に挙げる特許請求の範囲および本発明の要旨に含まれるものであることを主張する。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−117886(JP,U) 米国特許2860713(US,A) 米国特許2893525(US,A) 米国特許3246538(US,A) 米国特許4531694(US,A) 米国特許4829850(US,A) 欧州特許307451(EP,B1)

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