Hybrid laminar flow nacelle

申请号 JP12017190 申请日 1990-05-11 公开(公告)号 JPH0737240B2 公开(公告)日 1995-04-26
申请人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ; 发明人 ダニエル・ジョン・ラッチ; デビット・イージン・ヤッテ; ノーベルト・オグデン・ストックマン; パーマナンド・マンガー;
摘要 A hybrid laminar flow nacelle for housing an engine of an aircraft includes an outer annular cowl having a leading lip and radially spaced and axially extending annular outer and inner forward surface portions which merge at the leading lip. The nacelle incorporates a suction bleed system between the surfaces and a tailored outer surface geometry shape for producing reduced friction drag laminar flow over the outer cowl at cruise operation of the aircraft and producing separation-free flow over the inner surface of the cowl at off-cruise operation of the aircraft.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】航空機のエンジンを収納する混成層流ナセルであって、 (a)前リップと、この前リップで交わり半径方向に相隔たりそして軸方向に延在する環状の外側および内側前方表面部とを有する外側環状カウルと、 (b)空気流の方向における前記前リップの軸方向下流において前記外側および内側前方表面部に形成された複数の空気吸引要素と、吸引発生手段と、前記空気吸引要素と前記吸引発生手段とを連通させる手段とを含む吸引抽気系とからなり、 (c)前記吸引発生手段は前記空気吸引要素に選択的に空気吸引をさせ、前記航空機の巡航時に前記カウルの前記外面における前記空気吸引要素による境界層空気流のある部分の抽気を引起こして前記カウルに沿う摩擦抵抗低減層流を増加しそして前記航空機の巡航外運航時に前記カウルの前記内面における前記空気吸引要素による境界層空気流のある部分の抽気を引起こして前記カウルの前記内面上の剥離を防止するように作用し得るようにした混成層流ナセル。
  • 【請求項2】前記外面の前記空気吸引要素は1列より多い列の外口の形態をなし、これらの列は軸方向に相隔たるように配設され、各列の前記外口は前記外面の全周に隔設されている、請求項1記載の混成ナセル。
  • 【請求項3】前記内面の前記空気吸引要素は1列の内口の形態をなし、この列の前記内口は前記内面の周の弧状底部だけに沿って相隔たるように形成されている、請求項1記載の混成ナセル
  • 【請求項4】前記空気吸引要素と前記吸引発生手段とを連通させる前記手段は、前記外側カウルの前記外側および内側表面部間において前記外側カウルの内部を貫通しかつ前記外側および内側空気吸引要素をそれぞれ前記吸引発生手段に連通させる複数のダクトの形態をなす、請求項1記載の混成ナセル。
  • 【請求項5】前記吸引発生手段は1個のポンプと、前記外側および内側吸引口ダクトをそれぞれ前記ポンプに連通させる1対の弁とからなる、請求項4記載の混成ナセル。
  • 【請求項6】前記弁は、前記ダクトを通じて前記空気吸引口の選択されたものに空気吸引をさせ一つ以上の前記空気吸引口の間の連通をもたらすことによりそれらを通る境界層空気流部分の前記抽気を引起こして前記外側カウルに沿う剥離を防止するように作用し得る、請求項5
    記載の混成ナセル。
  • 【請求項7】前記外側カウルの前記前リップは丸面形を有する、請求項1記載の混成ナセル。
  • 【請求項8】前記カウルの前記外側前方表面部は該面部に沿う前記境界層空気流にほぼ均等な圧力を生じるように定められた形状を有する、請求項1記載の混成ナセル。
  • 【請求項9】航空機のエンジンを収納する混成層流ナセルであって、 (a)前リップと、この前リップで交わり半径方向に相隔たりそして軸方向に延在する環状の外側および内側前方表面部とを有する外側環状カウルと、 (b)空気流の方向における前記前リップの軸方向下流において前記外側および内側前方表面部に形成された複数の空気吸引要素と、吸引発生手段と、前記空気吸引要素と前記吸引発生手段とを連通させる手段とを含む吸引抽気系とからなり、 (c)前記カウルの前記外側前方表面部は該面部に沿う境界層空気流にほぼ均等な圧力を生じるように定められた形状を有し、 (d)前記吸引発生手段は前記空気吸引要素に選択的に空気吸引をさせ、前記航空機の巡航時に前記カウルの前記外面における前記空気吸引要素による前記境界層空気流のある部分の抽気を引起こして前記カウルに沿う摩擦抵抗低減層流を増加しそして前記航空機の巡航外運航時に前記カウルの前記内面における前記空気吸引要素による前記境界層空気流のある部分の抽気を引起こして前記カウルの前記内面上の剥離を防止するように作用し得るようにした混成層流ナセル。
  • 【請求項10】前記外面の前記空気吸引要素は1列より多い列の外口の形態をなし、これらの列は軸方向に相隔たるように配設され、各列の前記外口は前記外面の全周に隔設されている、請求項9記載の混成ナセル。
  • 【請求項11】前記内面の前記空気吸引要素は1列の内口の形態をなし、この列の前記内口は前記内面の周の弧状底部だけに沿って相隔たるように形成されている、請求項9記載の混成ナセル。
  • 【請求項12】前記空気吸引要素と前記吸引発生手段とを連通させる前記手段は、前記外側カウルの前記外側および内側表面部間において前記外側カウルの内部を貫通しかつ前記外側および内側空気吸引要素をそれぞれ前記吸引発生手段に連通させる複数のダクトの形態をなす、
    請求項9記載の混成ナセル。
  • 【請求項13】前記吸引発生手段は1個のポンプと、前記外側および内側吸引口ダクトをそれぞれ前記ポンプに連通させる1対の弁とからなる、請求項12記載の混成ナセル。
  • 【請求項14】前記弁は、前記ダクトを通じて前記空気吸引口の選択されたものに空気吸引をさせ一つ以上の前記空気吸引口の間の連通をもたらすことによりそれらを通る境界層空気流部分の前記抽気を引起こして前記外側カウルに沿う摩擦抵抗低減層流を増加するように作用し得る、請求項13記載の混成ナセル。
  • 【請求項15】前記外側カウルの前記前リップは丸面形を有する、請求項9記載の混成ナセル。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 [発明の背景] (発明の分野) 本発明は航空機エンジンを収納するナセルに関し、特に、航空機の巡航時に摩擦抵抗の低い層流を生じそして航空機の巡航外(離陸または低速)運航時に剥離しない流れを生じるのに有効な混成層流ナセルに関する。

    (先行技術の説明) 外装エンジン、例えば、パイロンによって翼の下方に装備されたガスタービンエンジンを備えた亜音速航空機では、エンジンのナセルに沿う自由空気流による空気学的抗力が通例エンジン全推力の約4%に相当する。 この空力抗力を減らせれば燃料消費量をかなり節約し得る。
    従って、エンジンナセルの所望機能の一つは、比較的低い空力抗力を生じる航空機エンジン用の軽量ハウジングとして機能することである。

    ナセルによる空力抗力は、航空機の飛行中に自由流空気が流れるナセルの外面上の圧力分布と同面上の無次元摩擦係数Cfとによって定まる。 空力抗力の減少は、表面圧力分布が境界層の剥離なしにナセル外面上の層流境界層の形成を促進する場合に生じる。 摩擦係数Cf、従って、
    空力抗力は層流境界層が存在する時低い値になる。 ナセル外面に沿う境界層が層流から乱流に遷移する所で、摩擦係数Cf、従って、空力抗力の値は増大する。 従って、
    層流境界層の流れの範囲を増し、乱流の範囲を減らしそして境界層の剥離を防止するのに有利な表面圧力分布を促進するナセルを設けることが望ましい。

    従来の経験によれば、ナセルの外面の形状を適当に設計すると、ナセルの広い区域にわたって好適な圧力勾配が得られ、従って、層流から乱流への遷移を遅らせることができる。 その結果、摩擦抵抗または空力抗力が比較的低く、巡航中の燃料燃焼が1.0〜1.5%減少するようなナセルが設計される。 このようなナセル設計の一例は、ラーティ(DJLahti)等に付与されかつ本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4799633号に開示されている自然層流ナセル(NLFN)である。 NLFNは、航空機の巡航時に空力抗力を先行技術のナセルと比べて約50%減らし得る。

    しかし、NLFNは巡航性能に重点を置き、 (従来のナセルの鈍いリップ形の前縁に比べ)比較的鋭いリップ形の前縁を有し、これは航空機の巡航外(離陸または低速、高迎え)運航には不適当である。 さらに、航空機の巡航中、NLFNは初期の溢れ抗力と造波抗力を従来のナセルより早く(すなわち、それぞれ比較的高い質量流量比と比較的低い自由流マッハ数で)引起こし得る。

    層流を維持し拡大することによってNLFNの低速時の働きを高めるために提案された従来の一解決策は、可変形状機構または可変前縁機構、例えば、フラップまたは並進スラットであり、これらは前述の引用特許(第8列第49
    〜55行参照)に示されている。 これらは実現可能な解決策のように見えるが、このような機構の主さと機械的複雑さは、NLFN設計によって生じた層流に起因する巡航時抗力低下の有利さを打消す可能性がある。 加えて、これらの解決策では、前記機構を高速運航のために後退させた時、NLFNの外部輪郭に段および(または)間隙が生じないように注意深い製造が必要である。 このような段や間隙が生じると、圧力勾配または圧力分布に関係なく乱流への過早遷移を引起こすおそれがある。

    機翼またはナセルの面上に層流を維持しかつ拡大するために提案された従来の他の解決策は能動的制御装置を使用するものであり、このような装置も前述の引用特許(第2列第9−25行参照)に示されている。 能動制御装置は、境界層の付勢または除去により層流を維持しかつ境界層の剥離を防ぐように表面と協働するための補助エネルギー源を必要とする。 例えば、制御すべき表面に形成した境界層吸引用または吹出し用のスロットまたは穴が当該技術において公知である。 スロットは内部管路によってポンプと連通しそして乱流の低減または防止に有効であり、これにより層流境界層を維持する。 更に、翼面上の層流の維持に好適な境界層抽気がすでに開示されている(「混成層流制御研究・最終報告(Hybrid Lamin
    ar Flow Control Study−Final Report)」と題した198
    2年10月の米国航空宇宙局契約者報告(NASA Contractor
    Report)165930参照)。 また、低速高迎え角状態で入口リップ(唇部)に付着した流れの維持に好適な境界層抽気も理論的に開示されている。 「(亜音速垂直離着・
    短距離離着用入口のための吸引境界層制御の解析的研究(Analytical Study of Sunction Boundary Layer Cont
    rol for Subsonic V/Stol Inlets)」と題した1984年6
    月のAIAA−84−1399参照)。 しかし、能動制御装置の付勢に要する追加的な重量とエネルギーは、通例、空力抗力の減少から得られる利益を相殺する。

    高速運航のために、NLFNは特定の作用点すなわち特定質量流量比(MFR)に対して設計され、乱流への遷移の遅延に要する良好な圧力勾配をもたらす。 MFRを設計値以下に下げると、最初乱流への過早遷移が生じ、従って、
    層流抗力の利点が失われ、最終的に従来のナセルより早期の溢れ抗力か生じる。 また、ナセル最大直径近くに置ける比較的高いマッハ数が境界層層流の維持に必要であるから、造波抗力が、従来のナセルの場合より低い自由流マッハ数で問題となる。

    NLFNに起因する重要な利点と達成度にもかかわらず、NL
    FNはまだ、航空機の巡航時に摩擦抵抗の低い層流を生じかつ巡航外運航時に剥離の無い流れを生じるのに最適な設計に達していない。 しかし、上述の従来解決策は、当業者がより最適な設計に達するのにどのように進むべきかを明らかに示唆しているわけではない。 その結果、最適性能にさらに近づく代替ナセル設計の必要がまだ残っている。

    [発明の要約] 本発明は前述の必要を満たすように設計された混成層流ナセル(HLFN)を提供する。 本発明のHLFNは航空機の巡航時に摩擦抵抗の低い層流を生じ、そして航空機の巡航外(離陸または低速)運航時に剥離しない流れを生じるのに有効である。 本発明のHLFN設計は前述の低速問題と高速問題を両方とも解決する折衷的ナセルをもたらす。
    このHLFNは前述のNLFNほど巡航時に自然層流を外面に生ずるものではなく、また受動的には、従来の鈍いリップ形のナセルほど低速要件を満たすものではない。

    しかし、HLFNでは、航空機の巡航外運航時の剥離しない流れと巡航時の空力抗力の低い層流とが、ナセル外面の整形と、多孔壁、穴またはスロット等の空気吸引要素により境界層抽気をもたらす能動制御系の使用との複合効果によって達成される。 HLFNの前リップの形状はNLFNより鈍いが従来のナセルよりは鋭い。 航空機の巡航時に乱流を生じる従来の鈍いリップ形のナセルに比べ、かつまた航空機の巡航外運航時に乱流と剥離を生じる鋭いリップ形のNLFNに比べ、丸いリップ形のHLFNとこのナセルの外面を経る境界層抽気は航空機の巡航時に層流を生じ、
    そして丸いリップ形のHLFNとこのナセルのリップ内面を経る境界層抽気は航空機の巡航外(低速、高迎え角)運航時に剥離の無い流れを生じる。

    従って、本発明は航空機のエンジンを収納する混成層流ナセルに関するもので、そのHLFNは、(a)前リップと、この前リップで交わり半径方向に相隔たりそして軸方向に延在する環状の外側および内側前方表面部とを有する外側環状カウルと、(b)空気流の方向における前リップの軸方向下流において前記外側および内側前方表面部に形成された複数の空気吸引要素と、吸引発生手段と、前記空気吸引要素と前記吸引発生手段とを連通させる複数のダクトを含む吸引抽気系とからなる。 さらに、
    前記外側カウルの外側前方表面部は該面部に沿う境界層空気流にほぼ均等な圧力を生じるように定められた形状を有する。 また、前記吸引発生手段は、前記空気吸引要素に選択的に空気吸引をさせ、航空機の巡航時にカウル外面における空気吸引要素による境界層空気流の抽気を引起こしてカウルに沿う摩擦抵抗低減層流を増加しそして航空機の巡航外運航時にカウル内面における空気吸引要素による境界層空気流の抽気を引起こしてカウル内面上の剥離を防止するように作用し得る。

    本発明の上記およびその他の特徴と利点と性能は、本発明の実施例を示す添付図面と関連する以下の詳細な説明を読めば当業者には明らかであろう。

    [発明の詳細な説明] 以下の詳細な説明において、各図を通じて同符号は同部分または対応部分を表す。 また、以下の説明において、
    「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上方」、「下方」等の用語は、便宜上の用語であり、限定的なものではない。

    (概説) 添付図面特に第1図に従来のガスターボファンエンジン
    10が示され、このエンジンは空気力学的に形成されたパイロン12によって航空機(図示せず)の翼14の下方かつ前方に装着されている。 第1図に示した構成のエンジンと翼を備えた航空機は亜音速航行用に設計されている。

    ターボファンエンジン10には、推力を発して航空機を維持するコアエンジン16と、追加的な推力を発するためにコアエンジン16に駆動されるファン組立体18とが含まれる。 エンジン10を環状ナセル20、例えば、前記引用特許のNLFNが囲んでおり、このナセルは、コアエンジン16を囲む内側カウルすなわちコアカウル22と、ファン組立体
    18を囲む外側カウルすなわちファンカウル24とを含んでいる。 NLFN20の外側カウル24はまたその内側カウル22の前部を囲みかつそれから離間されて環状ファン排気ノズル26を画定する。 外側カウル24は自由空気流32のエンジン空気流部30を受入れる入口のど部28を有する。

    航空機運航中、エンジン空気流30はファン組立体18によって加速されそしてファンノズル26からNLFN20の内側カウル22に沿って流出し推力を発する。 自由空気流32はNL
    FN20の外側カウル24に沿って下流に流れそして外側カウル24と干渉またはそれを擦過し空気力学的抗力を生じる。 この空気抗力のかなりの部分が、航行中の航空機の方向と逆向きに作用する摩擦抗力である。

    本発明の主要目的は、NLFN20の外側カウル24の次のような改変、すなわち、航空機の巡航中外側カウル面上の自由空気流32による空力抗力を減らしかつ巡航外運航中剥離を防ぐのに有効な改変をもたらすことである。 しかしファンノズル26から出るエンジン空気流30は主に内側カウル22に沿って流れるので、従来の基準によって定められたNLFN20の内側カウル22の輪郭は不変である。

    (混成層流ナセル) 第2図には本発明による混成層流ナセル(HLFN)36の外側環状カウル34の前部を示す。 外側環状カウル34は前リップ38と、半径方向に相隔たりかつ軸方向に延在する環状の外側および内側前方表面部40、42とを有し、両表面部は前リップ38で交わっている。 航空機の巡航時に空力抗力を減らしそして巡航外運航時に剥離を防ぐのに有効な、HLFN36に取入れられた前述の改変は、吸引抽気系44
    と、前リップ38と外側カウル34の環状外側前方表面部40
    の形状とである。

    第2図に示すように、吸引抽気系44には、好ましくは開口の形態をなす複数の空気吸引要素46、48が含まれ、それぞれHLFN36の外側カウル34の外側および内側前方表面部40、42に形成され、空気流の方向において前リップ38
    の軸方向下流に配設されている。 吸気口46、48は多孔壁部、穴またはスロットのような任意の適当な形態を取り得る。 第2図と第3図に見られるように、1列より多い列の外口46が存在することが好ましく、これらの外口は外側カウル34の全周にわたって相隔たるように形成されている。 他方、第2図と第4図に見られるように、ただ1列の内口48が存在することが好ましく、これらの内口は外側カウル34の周の弧状底部だけに沿って相隔たるように形成されている。

    吸引抽気系44はまた吸引発手段50と複数のダクト52、54
    を含み、ダクト52、54は外側カウル34の外側および内側表面部40、42間においてカウル内部を貫通し、それぞれ外側および内側吸気口46、48を吸引発生手段50に連通させる。 例えば、第2図に示すように、吸引発生手段50はポンプ56と1対の弁58、60とで構成され得、弁58、60はそれぞれ外側および内側吸気口ダクト52、54をポンプ56
    に連通させる。

    吸引発生手段50の弁58、60はダクト52、54を通じて吸気口46、48の選択されたものに空気吸引をさせる。 例えば、航空機の巡航中、弁60は閉ざされそして弁58は開かれて、1組以上の外側吸気口46の間の連通をもたらすことにより外側カウル34の外面40において吸気口46を通る外側境界層空気流の一部分の抽気を引起こして外側カウルに沿う摩擦抵抗の少ない層流を増加する。 他方、航空機の巡航外運航時には、弁58は閉ざされそして弁60は開かれて、内側吸気口48の間の連通をもたらすことにより外側カウル34の内面42において吸気口48を通る内側境界層空気流の一部分の抽気を引起こして外側カウル34の内面42に沿う剥離を防止する。 境界層空気流の一部分のこのような抽気は、空気流が二分してHLFN36の外側カウル
    34の前リップ38を通過する際、外側および内側表面部4
    0、42への空気流の境界層付着を引起こしかつ維持する助けとなる。

    第5A図〜第5C図からわかるように、本発明のHLFN36の設計は第5A図の鈍いリップ形の従来のナセル62の前部と、
    第5B図の鋭いリップ形のNLFN20の前部との妥協である。
    第6A図〜第6C図を参照し、かつ、第6C図が第5C図のHLFN
    36に適用される吸引が無い場合であることに注意すれば、ナセルのハイライト(すなわちナセルの最前点)からナセルに沿って下流方向に進む空気流もマッハ数と圧力分布のグラフから理解し得るように、HLFN36は受動的に巡航時にその外面40にNLFN20ほど自然層流を生じないが、従来のナセル62によって生じる乱流より実質的に良好な流れを生じる。 さらに、HLFN36は受動的に鈍いリップ形の従来のナセル62ほど巡航外または低速要件を満たさないが、NLFN20より実質的に良好である。

    しかし、HLFN36では、航空機の巡航外運航時の許容し得る無剥離内流と巡航時に空力抗力の低い外側層流とが、
    ナセル外面40の整形と、吸引抽気系44を、前述のように、選択された外側および内側境界層抽気をもたらすように使用することとの複合効果によって達成される。 第
    6C図に示すように、HLFN36の外側カウル34の外側前方表面部はカウル外面40に沿う境界層空気流にほぼ均等な圧力を生じるように定められた形状を有する。 第5A図〜第
    5C図に見られるように、HLFN36の前リップ38の形状はNL
    FN20のそれより鈍いが従来のナセル62のそれよりは鋭い。 航空機の巡航時に乱流を生じる従来の鈍いリップ形のナセル62に比べ、かつまた航空機の巡航外運航時に剥離した内流を生じる鋭いリップ形のNLFN20に比べ、丸いリップ形のHLFN36とHLFN36の外面40を経る境界層抽気は航空機の巡航時に層流を生じ、そして丸いリップ形のHL
    FN36とこのナセルのリップ38付近の内面42を経る境界層抽気は、航空機の巡航外(低速、高迎え角)運航時に剥離の無い内流を生じる。

    HLFN36の利点は、形状と、前述のNLFN20の難点を克服する境界層抽気の適用との組合せにある。 HLFN36は設計MF
    R(質量流量比)以下で初期の溢れ抗力を生じることが比較的少ない。 なぜなら、そのリップの形状はNLFN20の鋭いリップよりも従来のナセル62の丸みのあるリップによく似ているからである。 加えて、丸いリップ38は、
    (リップ内面抽気無しの)HLFN36に低速時に幾らかの迎え角能力を付与するのに対し、(可変形状無しの)NLFN
    20はその能力をもたない。 HLFN36の外面における境界層抽気は設計点で層流をもたらすだけでなく、設計点より低いMFRでの過早遷移を防ぐ。 HLFN36抽気系は設計MFRで存在するわずか不利な圧力勾配を克服するように設計されるが、もし圧力勾配がもっと苛酷になれば、追加的な抽気を適用し得る。 最後に、HLFN36は最大直径でNLFN20
    の場合ほど高いマッハ数を要しないので、造波抵抗が問題となる度合いはNLFN20の場合より少ない。

    HLFN36の不利な点は、抽気ポンプ56を駆動するために補助動力源が必要なことで、これはエンジンの寄生的需要と抽気装置(ポンプ、ダクト等)の付加重量を増す。 動力需要は、不利な圧力勾配の程度を最少にするように外側カウル輪郭を整えることと、ファンカウル面上の吸引域の位置と範囲の思慮深い決定とによって最少に保たれ得る。 付加重量はHLFN36とNLFN20の両方の特徴であり、
    最適化を要するものである。

    本発明とそれに伴う利点の多くは以上の説明から理解されよう。 本発明の範囲内で本発明の各部分の形態、構造、構成に様々な改変をなしうることはもちろんである。

    【図面の簡単な説明】

    第1図は航空機の翼にパイロンによって取付けられそして先行技術のナセルを備えたターボファンエンジンの部分破断部分断面側面図、 第2図は本発明によるHLFNの前部の断片的な軸方向縦断面図である。 第3図は外側吸気口の最前周方向列の位置におけるHLFN
    の外周を表す円を示す図で、HLFNの外側吸気口の周方向離間を示す。 第4図は内側吸気口の位置におけるHLFNの内周を表す円を示す図で、HLFNの内側吸気口の周方向離間を示す。 第5A図〜第5C図はそれぞれ従来のナセルとNLFNとHLFNの上側前方部の断片的な軸方向縦断面図、 第6A図〜第6C図は第5A図〜第5C図のナセルの上側前方部に沿うマッハ数と圧力勾配または圧力分布のグラフである。 主な符号の説明 34……外側環状カウル、36……混成層流ナセル(HLF
    N)、38……前リップ、44……吸引抽気系、40……外側前方表面部、42……内側前方表面部、46,48……吸気口(空気吸引要素)、50……吸引発生手段、52,54……ダクト、56……ポンプ、58,60……弁。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パーマナンド・マンガー アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエスト・ チェスター、セキュオイア・コート、9060 番 (72)発明者 ノーベルト・オグデン・ストックマン アメリカ合衆国、オハイオ州、バタビア、 クリークウッド、1243番 (56)参考文献 米国特許4799633(US,A) 米国特許3024624(US,A) 米国特許846358(US,A)

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