航空機用のシール構造および航空機

申请号 JP2016235818 申请日 2016-12-05 公开(公告)号 JP2018090112A 公开(公告)日 2018-06-14
申请人 三菱航空機株式会社; 发明人 竹内 啓;
摘要 【課題】弾性シールが 接触 する部材のシールあたり面を十分に確保できないとしても、相対的な変位が大きい部材同士の間を弾性シールにより確実に封止することができると共に、弾性シールの点検や交換等の整備の負担を軽減することも可能な航空機用のシール構造を提供すること。 【解決手段】シール構造30は、第1部材10と第2部材20とが相対的に動いていない静止時に、第1部材10と第2部材20との間で弾性変形していることで第1部材10と第2部材20との間を封止する板バネシール31と、静止時に、第1部材10と第2部材20との間を封止していない第2弾性シール32とを備えている。第1部材10と第2部材20が近付き、第1弾性シール31が弾性変形する向きに第1部材10と第2部材20とが相対的に動いた時に、第2弾性シール32は、第1部材10と第2部材20との間で弾性変形することで、第1部材10と第2部材20との間を封止する。 【選択図】図5
权利要求

航空機に備えられる第1部材と第2部材との間を封止するシール構造であって、 前記第1部材と前記第2部材とが相対的に動いていない静止時に、前記第1部材と前記第2部材との間で弾性変形していることで前記第1部材と前記第2部材との間を封止する板バネ状の第1弾性シールと、 前記静止時に、前記第1部材と前記第2部材との間を封止していない第2弾性シールと、を備え、 前記第1部材と前記第2部材が近付き、前記第1弾性シールが弾性変形する向きに前記第1部材と前記第2部材とが相対的に動いた時に、前記第2弾性シールは、前記第1部材と前記第2部材との間で弾性変形することで、前記第1部材と前記第2部材との間を封止する、 ことを特徴とする航空機用のシール構造。前記第2弾性シールは、 前記第1部材および前記第2部材のいずれか一方に設けられており、前記静止時に、前記第1部材および前記第2部材の他方に接触していない、 ことを特徴とする請求項1に記載の航空機用のシール構造。前記第1部材と前記第2部材が近付き、前記第1弾性シールが弾性変形する向きに前記第1部材と前記第2部材とが相対的に動いた時に、 前記第2弾性シールは、 前記第1弾性シールの先端部が前記第2部材のシールあたり面に押圧されている状態で、弾性変形して前記第1部材と前記第2部材との間を封止する、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の航空機用のシール構造。前記第1部材および前記第2部材の一方に対して他方は傾斜しており、 前記第1部材と前記第2部材との間の間隔が広い側には前記第1弾性シールが配置され、 前記第1部材と前記第2部材との間の間隔が狭い側には前記第2弾性シールが配置されている、 ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第1部材および前記第2部材は、前記航空機の防火区域を区画しており、 前記シール構造は、 前記第1部材と前記第2部材との間を封止することで、前記防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造であり、 前記第1弾性シールは、 前記第1部材と前記第2部材との間を通り前記防火区域の内側と外側とを結ぶ方向において内側にあり、 耐火材から構成されている、 ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第2弾性シールは、ゴム材料を用いて構成されている、 ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第2弾性シールは、中空状であるバルブシールである、 ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第2弾性シールは、板バネ状である板バネシールである、 ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第1弾性シールは、前記第1部材および前記第2部材のいずれか一方に締結され、 前記第2弾性シールは、前記第1弾性シールを締結する締結部材により、前記第1弾性シールと共に前記一方の部材に締結されている、 ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。前記第1部材は、航空機のエンジンパイロンの本体に支持される装置のダクトであり、 前記第2部材は、前記本体を覆っており、前記ダクトが通じる開口が形成されたフェアリングであり、 前記シール構造は、前記ダクトに備えられているフランジと、前記開口を囲むように前記フェアリングに備えられている壁との間を封止する、 ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の航空機用のシール構造。請求項1から10のいずれか一項に記載のシール構造を備える、 ことを特徴とする航空機。

说明书全文

本発明は、航空機用のシール構造および航空機に関する。 航空機用のシール構造は、一形態として、航空機の防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造を含む。

航空機のエンジン本体や補助動装置等、火炎が発生しうる発火源の周りには防火区域が定められており、防火区域の内側で発生した火炎が防火区域の外側へと出るのを防ぐことが要求される。 例えば、エンジンのナセルの内側には、エンジン本体(エンジンコア)から発せられた火炎を留める防火区域が定められている。

エンジン本体から発火した際に、エンジンナセルとパイロンとの間の隙間を火炎が突き抜けて外部へと吹き出すのを防ぐ必要がある。そのため、弾性シールを用いて、エンジンナセルとパイロンとの間の隙間を封止している(特許文献1)。

特開2014−141202

エンジンナセル、パイロン、そしてパイロンやエンジン本体に取り付けられている装備品等、エンジン本体の周りの部材は、着陸時の荷重や飛行中の空力荷重、振動等の外力が加えられることで、相対的に大きく動く。そういった相対的に大きく動く部材の取り合い箇所を弾性シールで封止し、火炎の突き抜けや可燃性流体の漏出を防ぐために、弾性シールが接触する部材のシールあたり面を十分に確保したい。しかし、他の部材との干渉を避ける必要上、必ずしもシールあたり面を十分に確保できない場合がある。

例えば、図10(a)に示すように、部材91に取り付けられた板バネシール9が突き当てられる部材92のフランジ921の径方向の長さをそれ以上に長く延ばすことができないとする。 そのため、部材91と部材92が近付き、板バネシール9が弾性変形する向きに部材91と部材92とが相対的に大きく動いた時に、板バネシール9の先端部9Aが移動してシールあたり面921Aからはみ出してしまうとすれば、先端部9Aがシールあたり面921Aに押し付けられていないので、封止できていない。

一方、図10(b)に示すように、弾性シールとしてゴム材料から構成された中空のバルブシール93を用いると、例えば、部材92が一点鎖線で示す位置から実線で示す位置にまで動いたことで、部材91と部材92とが近接すれば、バルブシール93が全体的に圧縮されてシールあたり面921Aに密着するので、フランジ921と部材91との間の封止は可能である。 しかし、バルブシール93がシールあたり面921Aからはみ出すことで、フランジ921の端縁921Bにバルブシール93が接触するので、バルブシール93の損傷や寿命低下のおそれがある。 なお、図10(b)には、無負荷の状態のバルブシール93を二点鎖線で示している。

以上より、本発明は、弾性シールが接触する部材のシールあたり面を十分に確保できないとしても、相対的な変位が大きい部材同士の間を弾性シールにより確実に封止することができるとともに、弾性シールの点検や交換等の整備の負担を軽減することも可能な航空機用のシール構造および航空機を提供することを目的とする。

本発明は、航空機に備えられる第1部材と第2部材との間を封止するシール構造であって、以下の構成を特徴とする。 第1部材と第2部材とが相対的に動いていない静止時に、第1部材と第2部材との間で弾性変形していることで第1部材と第2部材との間を封止する板バネ状の第1弾性シールと、静止時に、第1部材と第2部材との間を封止していない第2弾性シールと、を備える。 第1部材と第2部材が近付き、第1弾性シールが弾性変形する向きに第1部材と第2部材とが相対的に動いた時に、第2弾性シールは、第1部材と第2部材との間で弾性変形することで、第1部材と第2部材との間を封止する。

本発明の航空機用シール構造において、第2弾性シールは、第1部材および第2部材のいずれか一方に設けられており、静止時に、第1部材および第2部材の他方に接触していないことが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第1部材と第2部材が近付き、第1弾性シールが弾性変形する向きに第1部材と第2部材とが相対的に動いた時に、第2弾性シールは、第1弾性シールの先端部が第2部材のシールあたり面に押圧されている状態で、弾性変形して第1部材と第2部材との間を封止することが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第1部材および第2部材の一方に対して他方は傾斜しており、第1部材と第2部材との間の間隔が広い側には第1弾性シールが配置され、第1部材と第2部材との間の間隔が狭い側には第2弾性シールが配置されていることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第1部材および第2部材は、航空機の防火区域を区画しており、シール構造は、第1部材と第2部材との間を封止することで、防火区域の外側へと火炎が出るのを防ぐファイアシール構造であり、第1弾性シールは、第1部材と第2部材との間を通り防火区域の内側と外側とを結ぶ方向において内側にあり、耐火材から構成されていることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第2弾性シールは、ゴム材料を用いて構成されていることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第2弾性シールは、中空状であるバルブシールであることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第2弾性シールは、板バネ状である板バネシールであることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第1弾性シールは、第1部材および第2部材のいずれか一方に締結され、第2弾性シールは、第1弾性シールを締結する締結部材により、第1弾性シールと共に一方の部材に締結されていることが好ましい。

本発明の航空機用シール構造において、第1部材は、航空機のエンジンパイロンの本体に支持される装置のダクトであり、第2部材は、本体を覆っており、ダクトが通じる開口が形成されたフェアリングであり、シール構造は、ダクトに備えられているフランジと、開口を囲むようにフェアリングに備えられている壁との間を封止することが好ましい。

本発明の航空機は、上述したシール構造を備えることを特徴とする。

本発明のシール構造によれば、前記第1部材と前記第2部材が近付き、第1弾性シールが弾性変形する向きへの第1部材と第2部材との相対変位が大きい時に機能する第2弾性シールを備えていることで、シールあたり面を拡張することなく、第1弾性シールとして、ゴム材料のバルブシールより高耐久性の板バネを採用しつつ、相対変位が大きい時でも第1部材と第2部材との間を確実に封止することができる。一方、第2弾性シールは、直接、火炎に曝される位置にはないので、板バネに比べ、よりシール性の高いゴム材料を採用することができる。 第1弾性シールは、金属材料等の材料を用いて、板バネとして機能するように構成されているので、ゴム材料が用いられたバルブシールと違って摩耗し難い。 そして、第2弾性シールは、静止時、および、第1部材と第2部材とが相対変位したことでシールあたり面に押し付けられるまでの間は、たとえシールあたり面に接触していたとしても摩擦が小さい。そのため、第2弾性シールとしてバルブシールを採用したとしても、第2弾性シールは、シールあたり面に常時押し付けられている単一のバルブシールと比べて摩耗が少ない。 したがって、本発明のシール構造によれば、シールの点検や交換等の整備の負担を軽減することができる。

航空機のエンジンパイロンを側方から示す図である。

図1に示すエンジンパイロンのフェアリングに形成された排気口と、排気口に通じるプリクーラーの排気ダクトとを示す斜視図である。

プリクーラーの排気ダクトとフェアリングとの間のファイアシール構造を示す断面図である。

図3に示すファイアシール構造を構成する板バネシールの一例を示す斜視図である。

プリクーラーの排気ダクトとパイロンフェアリングとが、相対的に動いていない静止時(a)、近接する向きに動いた時(c)のそれぞれにおけるファイアシール構造の状態を示す図である。

ファイアシール構造に備えられている第1弾性シールと第2弾性シールとの双方がシールあたり面に押圧されている状態を示す図である。

(a)〜(c)は、それぞれ、本発明のシール構造の変形例を示す断面図である。

(a)〜(c)は、それぞれ、本発明のシール構造の変形例を示す断面図である。

(a)および(b)は、それぞれ、本発明のシール構造の変形例を示す断面図である。

(a)は、単一の板バネシールを示す図である。(b)は、単一のバルブシールを示す図である。

以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。 図1に示す航空機のエンジン1は、パイロン2により、図示しない主翼に支持される。 エンジン1は、ファン3と、エンジン1の本体であるエンジンコア(圧縮機や燃焼室)4と、ファン3およびエンジンコア(圧縮機や燃焼室)4を包囲する筒状のエンジンナセル5とを備えている。 パイロン2は、構造部材であるパイロン本体2Aと、パイロン本体2Aを覆うパイロンフェアリング20とを備えている。

エンジンコア(圧縮機や燃焼室)4の周りには、エンジンコア(圧縮機や燃焼室)4から発火した場合に備えて防火区域6が定められており、防火区域6の外側へと火炎が出るのを防ぐことが要求される。図1は、発動機周辺の防火区域6の大略の外形を二点鎖線で示している。

エンジンコア(圧縮機や燃焼室)4の周りやパイロン本体2Aの付近等、防火区域6の内側に配置される装置のうち、一部の装置は、防火区域6の外側へのアクセスを必要とする。 例えば、プリクーラーと呼ばれる熱交換器の排気ダクト10(図2)は、防火区域6の外側へと延び、パイロンフェアリング20の排気口21に通じている。プリクーラー(図示しない)は、ファン3により供給される空気流から取り込んだ空気によりエンジンコア(圧縮機や燃焼室)4からの抽気を冷却する。プリクーラーにより冷却された空気は、機内空調に利用される。プリクーラーからの排気は、図2に矢印で示すように、排気ダクト10により機外へと排出される。プリクーラーは、パイロン本体2Aの下端に支持されている。

図2に示すように、プリクーラーの排気ダクト10は、パイロンフェアリング20の内側に配置されている。パイロンフェアリング20には、排気ダクト10の開口と同等の大きさの排気口21が形成されている。プリクーラーの図示しない本体からの排気は、排気ダクト10の内部と、排気口21を通り、機外の大気へと流出する。排気口21には、後方に向けて排気を案内する複数の羽根部材21Aからなるルーバーが配置されている。

排気ダクト10の周りには、パイロン本体2Aの下部の防火壁、エンジンナセル5またはパイロンフェアリング20、及びエンジンコア(圧縮機や燃焼室)4により包囲されている発動機周辺の防火区域6が存在する。この防火区域6の内側に火炎が存在する場合に、パイロンフェアリング20を貫通している排気口21を通じて火炎が機外へと出るのを防ぐ必要がある。 そこで、共に防火区域6を区画している排気ダクト10とパイロンフェアリング20との取り合い箇所に、ファイアシール構造30が装備されている。 「ファイアシール」は、防火区域6内の火炎が防火区域6の外側へと出るのを防ぐことを意味するものとする。 なお、排気ダクト10およびパイロンフェアリング20以外の部材の取り合い箇所にも、火炎が突き抜けないように適宜な対策が施されている。

ファイアシール構造30は、図2に示すように、排気ダクト10の先端に形成されているフランジ11と、パイロンフェアリング20に排気口21を取り囲むように形成されている周壁22との間を封止することで、防火区域6の外側に火炎が出るのを防ぐ。 フランジ11(図2、図3)は、排気ダクト10の径方向外側に突出している。 排気口21を区画している周壁22(図2、図3)は、フランジ11に対して傾斜している。 フランジ11と周壁22とは、排気ダクト10および排気口21の全周に亘り、互いに対向している。 図3に示すようにフランジ11の外端11Bと周壁22との間の間隔は広く、フランジ11の内端11Cと周壁22との間の間隔は狭い。

ところで、排気ダクト10と、パイロンフェアリング20とは、着陸時の荷重や、飛行中の空力荷重、振動等の外力が加えられることで、相対的に大きく動く。 排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に大きく動いて、フランジ11と周壁22とが大きく相対変位した時でも、ファイアシール構造30を有効に機能させ、ファイアシール性能を維持する必要がある。

そのために、ファイアシール構造30は、図2および図3に示すように、板バネシール31(第1弾性シール)と、バルブシール32(第2弾性シール)とを備えている。 フランジ11と周壁22との間に、板バネシール31およびバルブシール32の両方が配置されていることにより、相対変位によらず、フランジ11と周壁22との間が封止されている状態を維持することができる。

板バネシール31およびバルブシール32のいずれも、排気口21を全周に亘り囲むように配置されている。 板バネシール31は、環状に一体に形成されることが好ましいが、複数の部材を周方向に連結して構成することができる。 バルブシール32は、環状に一体に形成されることが好ましいが、複数の部材を周方向に連結して構成することもできる。

まず、板バネシール31の構成を説明する。 板バネシール31は、図3に示すように、フランジ11と周壁22が近付き弾性変形することで、フランジ11と周壁22との間を封止する。 板バネシール31は、耐火材から構成されており、周壁22に設けられている。板バネシール31は、締結部31Aと、中間部31Bと、先端部31Cとを有している。 締結部31Aは、周壁22の外側の面に配置される平坦な部分であり、締結部材33により周壁22に締結されている。 なお、板バネシール31を周壁22に一体成形する(溶接を含む)と、締結部31Aおよび締結部材33が必要ないので、機体重量を低減することができる。

中間部31Bは、締結部31Aからフランジ11に対して傾斜した向きに延びている。 先端部31Cは、中間部31Bから連続し、フランジ11の表面に対向している。先端部31Cには、フランジ11に向けて、凸状に湾曲した面が形成されている。この湾曲した面は、フランジ11の平坦な表面に突き当てられる。フランジ11の表面のことをシールあたり面11Aと称する。

板バネシール31は、耐火材に相当し、かつ金属材料等の適宜な材料を用いて、板バネとして機能するように構成されている。板バネシール31に用いる材料として、弾性限および疲労限が十分に大きいバネ鋼が好適である。金属材料の他、実証試験に基づいて、ガラス繊維や炭素繊維を含む繊維強化樹脂を用いて板バネシール31を構成することもできる。

「耐火材」は、法規等に基づいて要求される所定の耐火時間に亘り継続して火炎に曝されたとしても、過度な変形や、焼失および滅失を免れるのに足りる十分な耐火性を有するものをいうものとする。 例えば、耐腐食鋼(ステンレス鋼、CRES)、チタン合金等を、十分な耐火性を有する耐火材として用いることができる。その他にも、例えば、アルミニウム合金、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維を含む繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics)、ハニカムサンドイッチパネル等、実証試験に基づいて十分な耐火性を有していることが確認できれば、強度確保に必要な剛性を備えた適宜な材料を耐火材として用いることができる。 板バネシール31は、そうした耐火材から、必要な耐火時間に亘り火炎に耐え、かつ、バネとして機能するように適切な形状や肉厚で形成することができる。

板バネシール31として、金属板を折り曲げて形成された典型的な板バネを用いることができる。板バネシール31は、大きく弾性変形した時に締結部31Aから先端部31Cまでの全体が略C字状の横断面を呈する形状に曲げられている(図5(b))。板バネシール31は、フランジ11の外周側に向けてCの字が開口する向きで周壁22に設置されている。

典型的な板バネの他、板バネシール31として、図4に示すように、スリットが形成されている複数の板バネ311,312の積層体31´を採用することができる。この板バネ積層体31´は、いずれも複数のスリットが形成されている櫛歯状の複数の(ここでは2枚の)板バネ311,312が重ね合わせられたものである。 なお、図4に示す積層体31´に、これと同様の積層体を連結することにより、フランジ11の周方向に沿った板バネシール31を構成することができる。

図4に示すように、板バネ311と板バネ312とは、板バネ311のスリットS1の位置と、板バネ312の隣り合うスリットS2,S2間の部位の位置とが対応するように重ねられている。 そのため、スリットS1が板バネ312により塞がれ、スリットS2が板バネ312により塞がれるので、積層体31´は、板バネシール31と同様、全体としてスリットのない板状のバネに構成される。 スリットS1,S2は、積層体31´の先端部31Cおよび中間部31Bの全体に亘り形成されているが、先端部31Cを接触相手に押し付ける接圧を大きくするため、スリットS1,S2を先端部31Cから中間部31Bの途中まで形成し、櫛歯の根元の部分を中間部31Bに残すようにしてもよい。

櫛歯状に形成されている板バネ311,312はそれぞれ、スリットの形成されていない板バネと比べて小さい力で、隣り合うスリット間に位置する細い部位310が個別に弾性変形可能である。そのため、各部位310は、フランジ11と周壁22との間の間隔寸法に応じた変形量で個別にスムーズに弾性変形する。

上記の板バネ積層体31´によれば、細い部位310が個別に弾性変形可能であるため、排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に大きく動いた時に先端部31Cが接触するフランジ11の表面への良好な追従性を得ることができる。そのため、板バネ積層体31´により、フランジ11と周壁22との間を隙間なく封止することができるので、火炎の通過を阻止する効果が高い。

但し、先端部31Cとフランジ11の表面との間に、火炎が突き抜けることのできない、あるいは突き抜ける可能性が低い僅かな隙間は許容されるため、必ずしも、先端部31Cがフランジ11の表面に密着していてフランジ11と周壁22との間が緊密に封止されている必要はない。そのため、上述した通り、板バネシール31として、典型的な板バネを用いることが可能である。

以上で説明した板バネシール31は、排気ダクト10とパイロンフェアリング20との相対的な変位量に応じた変形量で弾性変形する。 ここで、排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが近接する向きに相対的に動いた時に、フランジ11と周壁22が近付き弾性変形した板バネシール31の先端部31Cがシールあたり面11Aの外端11Bにまで移動すると、板バネシール31が満足に機能しているとは言えない。これは、図10に示す板バネシール9の状態と同様であり、先端部31Cがシールあたり面11Aに押し付けられていないと、先端部31Cとシールあたり面11Aとの間に隙間があいてしまい、板バネシール31によりフランジ11と周壁22との間を封止できていない。 さらに、先端部31Cが外端11Bを通り越し、シールあたり面11Aの外側まで移動してしまうと、最早、板バネシール31によるシール機能(封止機能)は完全に失われる。

板バネシール31を完全に機能させるためには、フランジ11を径方向に長くしてシールあたり面11Aを十分に確保すればよい。しかし、排気ダクト10の周りには、種々の部材が排気ダクト10に近接して配置されているので、それらの部材との干渉を避ける必要性から、フランジ11をそれ以上に長くすることが難しい。周方向の一部だけでなく、全周に亘り部材との干渉を避ける必要があるため、フランジ11を長くしてシールあたり面11Aを十分に確保することが難しい。 周囲の部材との干渉の他、フランジ11の強度確保や、重量を抑える観点より、フランジ11をそれ以上に長くできない場合もある。

そこで、ファイアシール構造30は、板バネシール31が機能しない場合に備えて、第2弾性シールとしてのバルブシール32を有している。 バルブシール32は、図3に示すように、通常時は、シールあたり面11Aに押し付けられていないのでシール機能を発揮しておらず、板バネシール31が機能しない時にフランジ11と周壁22との間を封止する。 バルブシール32は、ゴム材料を用いて中空状に形成された弾性シールである。バルブシール32は、繊維や織物が用いられることによって、補強されていると好ましい。 バルブシール32は、周壁22の外側の面に配置され、図示しない締結部材により周壁22と締結されている。 なお、温度的条件によっては、バルブシール32に代えて、金属メッシュ材料からバルブ状の断面に形成されており内部に断熱材が配置されたシールを採用することもできる。

バルブシール32は、フランジ11および周壁22の内周側で、板バネシール31と、フランジ11と、周壁22とに囲まれた空間に位置している。フランジ11の内周側に位置するバルブシール32は、フランジ11と周壁22との間の間隔が広い外周側に位置する板バネシール31よりも背が低い。板バネシール31およびバルブシール32は、フランジ11と周壁22との間に納まり良く配置されている。 また、バルブシール32は、締結部31Aを含めて板バネシール31の全体から離れており、周壁22の内周側の端部の近くに設置されている。

バルブシール32は、フランジ11と周壁22との間を通り防火区域6の内側と外側とを結ぶ方向D1(フランジ11の径方向)において、板バネシール31よりも外側に位置しているので、板バネシール31により、防火区域6の内側の火炎に対して遮蔽される。 そのため、バルブシール32の材料としては、弾性力により封止する用途に適合する材料の中から、例えば、シリコーンゴム等、コストや入手性を考慮して適宜に選択することができる。つまり、材料選択の自由度が高い。

本実施形態のバルブシール32は、径方向の断面がΩの字の形状を呈するように形成されているが、例えば、断面P字状等、他の中空の断面形状に形成されていてもよい。

以下、図5(a)、(b)および図6を参照し、ファイアシール構造30の作用を説明する。 図5(a)は、排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に動いていない静止時であって、板バネシール31が機能している時のファイアシール構造30の状態を示している。静止時は、例えば、駐機時である。 板バネシール31は、フランジ11と周壁22が近付き弾性変形しており、板バネシール31がシールあたり面11Aに押し付けられる(押圧される)ことによってフランジ11と周壁22との間が封止されている。このとき、バルブシール32はシールあたり面11Aに接触していない。

板バネシール31は、排気ダクト10のフランジ11とパイロンフェアリング20の周壁22との相対変位量に応じた変形量で弾性変形する。 例えば、フランジ11と周壁22とが離れる向きに、想定される最大の変位量、例えば、着陸時の変位量で排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に動いたとする。この時は、フランジ11と周壁22との間の距離が増えた分、板バネシール31は、図5(a)に示す状態よりも小さい変形量で弾性変形する。この時も板バネシール31の弾性力により、先端部31Cがシールあたり面11Aに押し付けられているので、フランジ11と周壁22との間が封止されている。

あるいは、フランジ11と周壁22とが近接し、板バネシール31が弾性変形する向きに排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に動いた時も、先端部31Cがシールあたり面11A上に位置している限り、先端部31Cがシールあたり面11Aに押し付けられているので、フランジ11と周壁22との間が封止されている。

フランジ11と周壁22とが近接し、板バネシール31が弾性変形する向きに外力が作用したとしても、その外力が、エンジン1の正常な動作に伴う振動や巡行時の気流による振動等、さほど大きくない場合は、先端部31Cがシールあたり面11A上に留まるので板バネシール31は機能している。

板バネシール31は十分な耐火性を有しているため、シールあたり面11A上に先端部31Cが留まっていて板バネシール31が機能している時(通常時)は、防火区域6の内側の火炎Fが板バネシール31に放射されたとしても、板バネシール31により、必要な耐火時間に亘り、火炎Fが防火区域6の外側に出るのを防ぐことができる。 また、板バネシール31により、可燃性ガスが防火区域6の外に出るのも防ぐことができる。

図5(b)は、フランジ11と周壁22とが近接する向きに、排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に大きく動いた時のファイアシール構造30の状態を示している。 この状態では、静止時(図5(a))におけるバルブシール32とフランジ11との間の距離を超える変位量でフランジ11と周壁22とが近接しており、フランジ11と周壁22がさらに近付き、板バネシール31もさらに弾性変形することに伴って先端部31Cがシールあたり面11Aの外側にまで移動しているので、板バネシール31は機能していない。 この板バネシール31の代わりに、バルブシール32がフランジ11と周壁22との間を封止している。フランジ11と周壁22とが近接したことでバルブシール32がシールあたり面11Aに接触し、フランジ11と周壁22との間で圧縮されて弾性変形している。バルブシール32は、内部に空間が存在するためスムーズに圧縮され、バルブシール32とシールあたり面11Aとが十分な接触面積で密着する。このバルブシール32により、フランジ11と周壁22との間が封止される。 つまり、図5(b)に示す状態では、板バネシール31によるシール機能の喪失時に、バルブシール32により、ファイアシール構造30に必要なシール機能が補完されている。

ここで、バルブシール32は、耐火材から構成されている板バネシール31によって火炎Fから遮蔽されており、直接的に火炎Fに曝されない。仮に、板バネシール31の先端部31Cとフランジ11との間に狭い隙間があったとしても、火炎Fは、その隙間を通り抜け難い。 そのため、バルブシール32は、必要な耐火時間に亘り焼失および滅失を免れ、シール機能に必要な弾性力を維持するので、要求される耐火時間に亘り、火炎Fが防火区域6の外側へと出るのを防ぐことができ、可燃性ガスが防火区域6の外側に出るのも防ぐことができる。 本実施形態ではバルブシール32と板バネシール31とが離れており、板バネシール31からバルブシール32への熱伝導が抑えられていることも、耐火時間に亘りバルブシール32がシール機能を維持することに寄与する。

板バネシール31によるシール機能が完全に失われる(図5(b))よりも前に、バルブシール32が機能するようにすると、フランジ11と周壁22との間が封止されている状態を間断なく維持することができるので好ましい。 つまり、フランジ11と周壁22とが近接し、板バネシール31が弾性変形する向きに排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが動いた時に、図6に示すように、板バネシール31の先端部31Cがシールあたり面11Aにまだ押圧されている状態で、バルブシール32がシールあたり面11Aに接触して弾性変形するとよい。 フランジ11と周壁22が近付き、板バネシール31が弾性変形する向きにフランジ11と周壁22とが相対的に大きく動いた時に、図6に示す状態を経て、図5(b)に示す状態へと変化してもよいし、最大の変位量での相対変位時にも板バネシール31が機能を維持していて、板バネシール31およびバルブシール32の双方によりフランジ11と周壁22との間が封止されていてもよい。

図5(b)、図6に示すように、フランジ11と周壁22が近付き、板バネシール31が弾性変形する向きに排気ダクト10とパイロンフェアリング20とが相対的に大きく動いた時に、バルブシール32も圧縮されて弾性変形すると、板バネシール31とバルブシール32との弾性変形により、板バネシール31のみが弾性変形するのと比べてより大きな相対変位を吸収することができる。 したがって、板バネシール31を単体で用いる場合と比べて、同一の相対変位量に対して、フランジ11の径方向の長さを短くしても、シールあたり面11Aに先端部31Cを留めて板バネシール31を機能させ、シールあたり面11Aから先端部31Cがはみ出したとしても、バルブシール32により封止状態を維持することができる。フランジ11を短くすることで、排気ダクト10およびその周辺の部材の配置の自由度が増し、また、機体重量を抑えることもできる。

以上で説明したファイアシール構造30によれば、フランジ11と周壁22とが近接し、板バネシール31が弾性変形する向きへの相対変位が大きい時に機能するバルブシール32を備えていることで、相対変位が大きい時でもフランジ11と周壁22との間を確実に封止することができる。 板バネシール31は耐火材から構成されており、その板バネシール31によりバルブシール32が火炎から遮蔽されるため、所定の耐火時間に亘り十分なファイアシール性能を確保することができる。

板バネシール31は、先端部31Cがシールあたり面11Aに接触する位置が弾性変形量に応じて径方向に移動するため、相対変位が大きい部材同士の取り合い箇所を封止するに際して、シールあたり面11Aを径方向に広くできない場合には、一般に、設置された位置で押しつぶされるバルブシールが好適である。 しかし、ファイアシール構造30によれば、第1弾性シールとして板バネを採用しつつ、相対変位が大きい時に機能する第2弾性シール(バルブシール32)を備えていることで、シールあたり面11Aを拡張することなく、相対変位が大きい時でも確実に封止することができる。

ここで、静止時を含む通常時にシールあたり面11Aに押し付けられることで機能する第1弾性シールとして、板バネシール31を採用できることに意義がある。第2弾性シールがバルブシール32であるのか、それとも板バネシールであるのかは本質ではない。 板バネシール31は、金属材料等の材料を用いて板バネとして機能するように構成されているため、板バネシール31の弾性変形量に応じて先端部31Cがシールあたり面11Aを摺動しても、ゴム材料が用いられたバルブシール32と比べて摩耗し難い。板バネシール31は、シールあたり面11Aの外端11Bに接触したとしても、バルブシールと違って損傷し難い。 したがって、板バネシール31は、バルブシールのように点検や交換等の整備を頻繁に行う必要がない。

さらに、第2弾性シールとしてバルブシール32を用いているとしても、このバルブシール32は、静止時を含む通常時にはフランジ11と周壁22との間を封止しておらず、機能していない。バルブシール32が封止していない、すなわちシールあたり面11Aに押圧されていなければ、もしシールあたり面11Aに接触していたとしても、バルブシール32とシールあたり面11Aとの間の摩擦は小さい。本実施形態において、バルブシール32は、通常時にはシールあたり面11Aには接触しておらず、摩耗しない。 ファイアシール構造30によれば、フランジ11と周壁22とが近接する向きへの相対変位が大きい時(図5(b)、図6)を除いては、バルブシール32はシールあたり面11Aに非接触であるため、常時押圧されている単一のバルブシールと比べ、バルブシール32も、摩耗が少ない。 以上より、ファイアシール構造30は寿命が長いので、ファイアシール性能の維持に必要な点検や交換等の整備負担を軽減することができる。

本発明のシール構造は、上述した実施形態(図3)に限らず、種々の形態に改変することが可能である。 例えば、図7(a)に示す例では、板バネシール31が周壁22に締結され、バルブシール34は、板バネシール31を締結する締結部材35により、板バネシール31と共に周壁22に締結されている。つまり、板バネシール31とバルブシール34とが共締めされている。 バルブシール34は、ここではP字の断面形状に形成されており、バルブシール32の平坦な部分34Aが板バネシール31の締結部31Aと周壁22との間に挟まれた状態で共締めされている。 いずれも周壁22に締結される板バネシール31とバルブシール34とに同一の締結部材35を用いると、締結部材の数が減る分、小型化および軽量化を図ることができる。

図7(b)に示すファイアシール構造40は、第1弾性シールとしての第1板バネシール31と、第2弾性シールとしての第2板バネシール42とを備えている。 第2板バネシール42は、上記実施形態のバルブシール32(図3)と同様に、静止時を含む通常時はシールあたり面11Aに接触しておらず、フランジ11と周壁22とが近接する向きにフランジ11と周壁22とが相対的に変位した時に先端部42Cがシールあたり面11Aに押し付けられる。 第2板バネシール42は、第1板バネシール31と同様に、金属材料等の材料を用いて、板バネとして機能するように構成されているので、シールあたり面11Aに接触している時の摩耗がバルブシール32と比べて少ないし、バルブシール32よりも耐火性に優れる。 図7(c)に示す構成は、2つの板バネシール31,42を締結部材35により共締めしたものである。

第1弾性シールおよび第2弾性シールの形状や配置は、適宜に変更することができる。 図8(a)に示すファイアシール構造50に第1弾性シールとして備えられた板バネシール51は、耐火材からS字状あるいはZ字状の断面形状に形成されている。板バネシール51の基端部51Aは周壁22の内端側に締結され、板バネシール51の先端部51Cはフランジ11の外端側でシールあたり面11Aに押し付けられる。 また、ファイアシール構造50に第2弾性シールとして備えられた板バネシール52も、S字状あるいはZ字状の断面形状に形成され、板バネシール51と共締めされている。 板バネシール52は、板バネシール51よりも背が低く、フランジ11と周壁22との間の間隔が狭い内周側に位置している。そのため、フランジ11と周壁22との間に、2つのシール51,52が納まり良く配置されている。

フランジ11と周壁22とが相対的に動いていない静止時には、板バネシール51のみが機能しており、シールあたり面11Aに接触していない板バネシール52は機能していないが、図8(a)に示す状態から更に弾性変形が進んだ板バネシール51が、基端部51Aと先端部51Cとが径方向に引き離される向きに弾性変形すると、板バネシール52がシールあたり面11Aに押し付けられ、シール機能を発揮する。

板バネシール52は、図3のバルブシール32と同様、フランジ11および周壁22の内周側に位置しており、板バネシール51により火炎から遮蔽される。そのため、板バネシール52については、火炎の放射に耐えるために肉厚を増したり耐火材を用いる必要はない。

本発明のシール構造に備えられる第1弾性シールおよび第2弾性シールは、封止される間隙を形成する周壁22およびフランジ11のうちいずれか一方に設けることができる。 例えば、図8(b)に示す例では、第1弾性シールである板バネシール31が周壁22に設けられており、第2弾性シールであるバルブシール32がフランジ11に設けられている。つまり、第1弾性シールが接触するシールあたり面11Aと、第2弾性シールが接触するシールあたり面22Aとが異なる面であってもよい。

図8(b)のバルブシール32に代えて、図8(c)に示すように、板バネシール42をフランジ11に設けることもできる。 図8(b)、(c)にそれぞれ示す構成によっても、フランジ11と周壁22とが近接する向きへの相対変位が大きい時に、通常時は非接触のバルブシール32や板バネシール42によってフランジ11と周壁22との間を封止することができる。

図8(c)に示す構成では、周壁22に設けられた板バネシール31がフランジ11に向けて突出し、フランジ11に設けられた板バネシール42が周壁22に向けて突出している。これらの板バネシール31,42は、フランジ11と周壁22との間を通り防火区域6の内側と外側とを結ぶ方向D1と交わる向きに、互い違いに突出するように並んでおり、板バネシール31の先端側と板バネシール42の先端側とが互いにオーバーラップしている。 そうすると、板バネシール31の先端部31Cとフランジ11との間の隙間から万一、火炎が入ったとしても、火炎の直進する性質から、板バネシール42に火炎が突き当たるので、ラビリンス効果により、防火区域6の外側に火炎が出るのを防ぐこともできる。

本発明のシール構造は、上記の実施形態や変形例の如く、フランジ11と、フランジ11に対して傾斜した周壁22との間を封止するものには限られない。 図9(a)に示すファイアシール構造60のように、互いに平行に配置された第1部材61と第2部材62との間を封止するものであってもよい。ファイアシール構造60は、第1弾性シールとしての板バネシール51と、第2弾性シールとしてのバルブシール602とを備えている。バルブシール602を板バネシールに置き換えることもできる。 また、図9(b)に示す例のように、第1部材61と、第1部材61に対して直交する向きに配置された第2部材63との間が、第1弾性シールである板バネシール64と、第2弾性シール65とのうちの少なくとも板バネシール64によって封止されるように構成することもできる。第2部材63の一方の面に配置された板バネシール64と、第2部材63の他方の面に配置された第2弾性シール65とを共締めすることができる。

上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。 本発明のシール構造は、ファイアシールとして用いられなくてもよい。例えば、部材同士の間から可燃性ガスが流出するのを防ぐために本発明のシール構造が用いられていてもよい。その場合、第1弾性シールに耐火材を使用する必要はない。

本発明のシール構造が適用される対象として、上述した排気ダクト10とパイロンフェアリング20との取り合い箇所は一例に過ぎず、航空機の他の部材同士の取り合い箇所に本発明のシール構造を適用することができる。

1 エンジン 2 パイロン(エンジンパイロン) 2A パイロン本体(本体) 3 ファン 4 エンジンコア 5 エンジンナセル 6 防火区域 9 板バネシール 9A 先端部 10 排気ダクト(第1部材) 11 フランジ 11A シールあたり面 11B 外端 11C 内端 20 パイロンフェアリング(第2部材) 21 排気口(開口) 21A 羽根部材 22 周壁(壁) 22A シールあたり面 30 ファイアシール構造 31 板バネシール(第1弾性シール) 31´ 板バネ積層体 31A 締結部 31B 中間部 31C 先端部 32 バルブシール(第2弾性シール) 33 締結部材 34 バルブシール(第2弾性シール) 34A 部分 35 締結部材 40 ファイアシール構造 42 板バネシール(第2弾性シール) 50 ファイアシール構造 51 板バネシール(第1弾性シール) 51A 基端部 51C 先端部 52 板バネシール(第2弾性シール) 60 ファイアシール構造 61 第1部材 62 第2部材 310 部位 311,312 板バネ 602 バルブシール(第2弾性シール) 91 部材 92 部材 93 バルブシール 921 フランジ 921A シールあたり面 921B 端縁 D1 方向 F 火炎 S1,S2 スリット

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