無人飛行体

申请号 JP2016169191 申请日 2016-08-31 公开(公告)号 JP2018038167A 公开(公告)日 2018-03-08
申请人 グローブライド株式会社; 发明人 阿部 佑太郎; 安田 悠;
摘要 【課題】 水 滴や塵埃等の異物が特に動 力 部内に侵入することを防止して所望の性能を確保できる無人飛行体を提供する。 【解決手段】本発明の無人飛行体は、モータ50を収容するためのモータハウジング51を有する固定部と、軸受1を介してモータハウジング51に対して回転可能に支持されるプロペラシャフト53を有し、プロペラ30と一体で回転する回転部とを備える。固定部を構成する固定側構成要素51と回転部を構成する回転側構成要素53とが対向する対向部Aには、モータハウジング51の内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段10Aが設けられる。 【選択図】 図7
权利要求

プロペラを有する駆動部を筐体に備えて成り、モータの駆動により前記プロペラを回転させて飛行する無人飛行体であって、 前記モータ及び/又は減速機を収容するためのハウジングを有する固定部と、 軸受を介して前記ハウジングに対して回転可能に支持されるプロペラシャフトを有し、前記プロペラと一体で回転する回転部と、 を備え、 前記固定部を構成する固定側構成要素と前記回転部を構成する回転側構成要素とが対向する対向部には、前記ハウジングの内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段が設けられることを特徴とする無人飛行体。前記異物侵入防止手段は、前記対向部に介挿される磁気シール機構により形成されることを特徴とする請求項1に記載の無人飛行体。前記異物侵入防止手段は、前記軸受を磁気シール機構付き軸受として構成することにより形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無人飛行体。前記異物侵入防止手段は、前記対向部に介挿される弾性シール部材により形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記弾性シール部材に撥処理が施されることを特徴とする請求項4に記載の無人飛行体。前記異物侵入防止手段は、前記駆動部の径方向で対向する前記対向部と前記駆動部の軸方向で対向する前記対向部とを交互に連続して複数設けて成るラビリンス構造によって形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記異物侵入防止手段は、前記回転側構成要素に設けられるとともに、前記プロペラの回転に伴って異物の侵入方向と逆方向に方向付けられる気流を前記対向部内に発生させる気流発生手段によって形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記対向部は、互いに対向する前記ハウジングと前記プロペラとによって形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記対向部は、互いに対向する前記筐体と前記プロペラとによって形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記プロペラは、水平面内又は垂直面内で回転するブレード部と、このブレード部とは別体を成して前記固定側構成要素と対向するカバー部とを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記対向部を形成する前記固定側構成要素及び前記回転側構成要素に撥水処理が施されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の無人飛行体。前記筐体と前記ハウジングとの間にシール部材が介挿されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の無人飛行体。

说明书全文

本発明は、遠隔操縦される無人飛行体に関する。

従来から、玩具として、或いは、産業用として、遠隔操縦式の無人飛行体(ドローン)が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。

そのような無人飛行体は、近年、特に産業用途でその優れた機動性が注目されており、例えば、農薬を上空から散布するため、或いは、カメラを搭載して人が立ち入れないエリアを空撮して情報を取得するため、更には、物品の輸送のために使用され得る。

特開2006−334422号

ところで、このような無人飛行体は、一般に屋外で飛行するため、降雨やそれ自体が巻き上げる砂埃、しぶき等に晒されることが多いが、その構造の簡素化を図るため、一般に外部からの水滴や塵埃の侵入に対して無防備である。

特に、従来の無人飛行体は、プロペラを回転駆動するためのモータを収容するモータハウジングの防塵対策や防水対策が不十分であり、そのため、水滴や塵埃等の異物がモータハウジング内(特にモータ内やギアボックス内等の動部内)に侵入することで所望の性能を発揮できない虞がある。

本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、水滴や塵埃等の異物が特に動力部内に侵入することを防止して所望の性能を確保できる無人飛行体を提供することを目的とする。

上記した目的を達成するために、本発明は、プロペラを有する駆動部を筐体に備えて成り、モータの駆動により前記プロペラを回転させて飛行する無人飛行体であって、前記モータ及び/又は減速機を収容するためのハウジングを有する固定部と、軸受を介して前記ハウジングに対して回転可能に支持されるプロペラシャフトを有し、前記プロペラと一体で回転する回転部とを備え、前記固定部を構成する固定側構成要素と前記回転部を構成する回転側構成要素とが対向する対向部には、前記ハウジングの内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段が設けられることを特徴とする。

上記構成によれば、ハウジング内への異物の侵入経路を形成し得る固定側構成要素と回転側構成要素との対向部に、ハウジングの内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段が設けられるため、水滴や塵埃等の異物がハウジング内の特に動力部に侵入することを効果的に防止でき、したがって、無人飛行体の所望の性能を確保できる。

なお、上記構成において、異物侵入防止手段は、対向部に介挿される磁気シール機構により形成されてもよく、或いは、前記軸受を磁気シール機構付き軸受として構成することにより形成されてもよい。この構成によれば、対向部間の隙間を確実に磁気シールして、防水性及び防塵性を従来と比べて飛躍的に向上させることができ、また、磁気シールが対向部間(或いは軸受内)に位置して外部に露出しないため、磁気シール機構の寿命も延びる。

また、上記構成において、異物侵入防止手段は、対向部に介挿される弾性シール部材により形成されてもよい。このとき、弾性シール部材をゴム材によって形成することも想定し得るが、その場合でも、ゴム材は、対向部間に位置して外部に露出しないため、紫外線による劣化を抑制できる。また、この場合、弾性シール部材に撥水処理が施されることが好ましい。そのような撥水処理を施すと、それに伴う水玉形成作用により、たとえ対向部間に微細な隙間が存在したとしても水の浸入を効果的に抑制できるため、防水性を向上させることができる。また、撥水効果により、所望の防水性能を確保しつつ対向部間に僅かなクリアランスを許容できるため、そのようなクリアランスを設けてトルク損失を少なくすることも可能である。

また、上記構成において、異物侵入防止手段は、駆動部の径方向で対向する対向部と駆動部の軸方向で対向する対向部とを交互に連続して複数設けて成るラビリンス構造によって形成されてもよい。そのようなラビリンス構造によれば、シール機構等の別部材を新たに設けることなく防水・防塵性能を確保できるため、軽量化、構造の簡素化等を実現できる。

また、上記構成において、異物侵入防止手段は、回転側構成要素に設けられるとともに、プロペラの回転に伴って異物の侵入方向と逆方向に方向付けられる気流を対向部内に発生させる気流発生手段によって形成されてもよい。この気流発生手段によれば、プロペラの回転作用をそのまま利用して異物排除効果を得ることができるため、効率的に防水・防塵性能を確保でき、構造の簡素化も図れる一方、対向部に侵入する異物を気流によって積極的に排除するため、ハウジング内の動力部への異物の侵入を確実に防止できる。

また、上記構成において、プロペラは、水平面内又は垂直面内で回転するブレード部と、このブレード部とは別体を成して固定側構成要素と対向するカバー部とを有することが好ましい。これにより、ブレード部とカバー部とをそれぞれ異なる材料により形成することができ、そのため、軽量化、成形の容易化等を図ることが可能になる。

また、上記構成では、対向部を形成する固定側構成要素及び回転側構成要素に撥水処理が施されることが好ましい。そのような撥水処理を施すと、それに伴う水玉形成作用により、たとえ対向部間に微細な隙間が存在したとしても水の浸入を効果的に抑制できるため、防水性を向上させることができる。また、撥水効果により、所望の防水性能を確保しつつ対向部間に僅かなクリアランスを許容できるため、そのようなクリアランスを設けてトルク損失を少なくすることも可能である。

本発明によれば、水滴や塵埃等の異物が特に動力部内に侵入することを防止して所望の性能を確保できる無人飛行体が得られる。

本発明の一実施形態に係る無人飛行体の概略斜視図である。

図1の無人飛行体のプロペラを回転駆動させるための駆動モータの一構成例を示す概略斜視図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第1の実施例の概略半断面図である。

図3の駆動部に設けられる磁気シール機構付き軸受の断面図である。

(a)は図4の磁気シール機構付き軸受の斜視図、(b)は図4の磁気シール機構付き軸受の分解斜視図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第2の実施例の概略半断面図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第3の実施例の概略半断面図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第4の実施例の概略半断面図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第5の実施例の概略半断面図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第6の実施例の概略半断面図である。

図1の無人飛行体のプロペラを有する駆動部の第7の実施例の概略半断面図である。

以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る無人飛行体の実施形態について具体的に説明する。 なお、本明細書中において、「無人飛行体」とは、人が飛行体に搭乗して操縦することなく遠隔的に操縦可能な飛行体のことであり、例えば、複数のプロペラを有するマルチコプター、具体的には、3つのプロペラを有するトライコプター、4つのプロペラを有するクアッドコプター、5つのプロペラを有するペンタコプター、6つのプロペラを有するヘキサコプター、8つのプロペラを有するオクトコプターなどを全て含む概念である。したがって、以下では説明の便宜上、クアッドコプターを一例として説明するが、本発明は、これに限定されず、任意の数のプロペラを有する任意の形態の無人飛行体に適用される。

図1には、本発明の一実施形態に係るクアッドコプターとしての無人飛行体500が示される。図示のように、本実施形態に係る無人飛行体500は、中央の本体部100から放射状に延びる4つのフレーム部(筐体)200を有しており、各フレーム部200の先端には駆動部300が装着される。この場合、本体部100は、例えばバッテリ、制御部、通信部(信号送受信部)、センサ、カメラ等(全て図示せず)を備える。また、駆動部300は、駆動モータ50(後述する図3参照)が収容されるモータハウジング51と、駆動モータ50により回転駆動されるプロペラ30とを有する。すなわち、本実施形態に係る無人飛行体500は、プロペラ30を有する駆動部300を備えており、駆動モータ50の駆動によりプロペラ30を回転させて飛行することができる。

また、図2は、駆動モータ50の一構成例を示す概略斜視図を示し、図3は、駆動部300の第1の実施例の概略半断面図を示す。これらの図に示されるように、駆動モータ50は、前述のようにモータハウジング51内に収容されるようになっており、その構成要素として、複数の棒状の磁石52と、プロペラシャフト(回転軸)53が一体回転可能に装着されるとともに磁石52との間の電磁作用により回転駆動されるロータ55と、プロペラシャフト53をモータハウジング51に対して回転可能に支持するための軸受1とを具備している。

磁石52はステータ52A(永久磁石型のステータ)としてモータハウジング51の内面に装着されており(図3参照)、その内側にワイヤ(コイル)が巻回された前記ロータ55が配設される。ロータ55の中心部には、プロペラシャフト53が装着されており、磁石52とロータ55との電磁作用によってロータ55と共にプロペラシャフト53が回転駆動されると、プロペラシャフト53に一体回転可能に取り付けられるプロペラ30が回転される。

また、無人飛行体500は、全体として、モータハウジング51からフレーム部200及び本体部100にまで至る回転不能な固定側部分(固定部)と、軸受1を介してモータハウジング51に対して回転可能に装着されるプロペラシャフト53、ロータ55、及び、プロペラ30を有する一体回転可能な回転側部分(回転部)とに分けられる。言い換えると、前記固定側部分は、それを構成する固定側構成要素として、モータハウジング51、フレーム部200、及び、本体部100を少なくとも有し、一方、前記回転側部分は、それを構成する回転側構成要素として、プロペラシャフト53、ロータ55、プロペラ30を少なくとも有する。そして、無人飛行体500は、前記固定側構成要素と前記回転側構成要素とが対向する対向部を有し、特にこの図3に示される駆動部300の第1の実施例では、モータハウジング51とプロペラシャフト53とが対向する対向部Aを有する。

また、この第1の実施例において、対向部Aには、モータハウジング51の内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段が設けられる。具体的に、この第1の実施例において、前記異物侵入防止手段は、軸受1を磁気シール機構付き軸受1Aとして構成することにより形成される。この磁気シール機構付き軸受1Aは、磁気シール機構を軸受本体に組み込んだ構成を成し、また、軸受本体に組み込まれる磁気シール機構は、軸受本体の内輪側の外周面または外輪側の内周面を固定側としてリング状の磁石を装着して磁気回路を形成し、反対側の隙間(外輪側の内周面の隙間または内輪側の外周面の隙間)に磁性流体を保持することで転動体に異物が侵入しないように構成される。

図4及び図5に示されるように、磁気シール機構付き軸受1Aは、円筒状の内輪3と、これを囲繞する円筒状の外輪5と、内輪3と外輪5との間に介装される複数の転動体(転がり部材)7とを備えている。転動体7は、環状に形成されたリテーナ(保持器)8に保持されており、内輪3と外輪5とを相対的に回転可能としている。

内輪3、外輪5、及び、転動体7は、磁性を有する材料、例えばクロム系ステンレス(SUS440C)によって形成されており、リテーナ8は、耐食性、耐熱性に優れた材料、例えばステンレス材(SUS304)によって形成されている。なお、転動体7については、必ずしも磁性体である必要はない。また、内輪3及び外輪5は、軸方向(軸受の軸芯方向)Xにおける長さが同一(略同一であっても良い)となるように構成されているが、外輪5を内輪3よりも軸方向に長く形成しても良いし、内輪3を外輪5よりも軸方向に長く形成しても良く、この長くなった部分を利用して以下の磁気シール機構を設けてもよい。

内輪3と外輪5の開口側には、複数の転動体7側への異物の侵入を阻止する磁気シール機構(磁性流体シール)10が設置されている。なお、本実施例では、内輪3と外輪5の両側の開口に、同じ構成の磁気シール機構10が配設されているが、このような磁気シール機構は、片方の開口のみに配設されていても良く、両開口側で異なる構成となっていてもよい。

磁気シール機構10は、リング状に構成された磁石(以下、磁石とも称する)12と、この磁石12を軸方向内側面に取着するリング状の極板(以下、極板とも称する)14と、記磁石12によって形成される磁気回路に保持される磁性流体16と、を有しており、本実施例では、磁石12及び極板14は、外輪5の内周面を固定側として、内輪3の外周面との間に所定の隙間を形成している。すなわち、内輪3の外周面と、磁石及び極板14との間に所定の隙間を形成し、この隙間部分に磁性流体16を充填することで、転動体7内に異物が侵入しないようにシールする機能を有している。

磁石12としては、磁束密度が高く、磁力が強い永久磁石、例えば、焼結製法によって作成されるネオジム磁石を用いることができ、予め軸方向(軸受の軸芯方向)Xに磁極(S極、N極)が向くように着磁されている(図4では、左側の磁気シール機構の磁石について着磁の態様を図示する)。また、磁石12の軸方向外側面には、極板14が接するように配設される。極板14は、磁石12と略同一のリング状の外観形状となっており、磁性を有する材料、例えばクロム系ステンレス(SUS440C)によって形成されている。これにより、内輪3側には、図示のような磁気回路M1が形成され、外輪5側には、図示のような磁気回路M2が形成される。

磁気回路によって保持される磁性流体16は、例えばFe3O4のような磁性微粒子を、界面活性剤によりベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。すなわち、内輪3との間の隙間部分に、そのような磁性流体16を保持することによって隙間をシールし、内部に異物が侵入することを防止する機能を備えている。この場合、磁石12による磁気回路は、上記したように外輪5側にも形成されていることから、磁性流体16は、外輪5の内周面と磁石12との間の微小な隙間内に充填しておいてもよい。

また、外輪5には、転動体7側の内周面に段差5aが形成されており、この段差5aにより、外輪5は、開口側が薄肉領域、転動体側が厚肉領域となって、軸方向の外側の内外輪間隔が内側よりも大きく形成されている。この段差5aは、開口側から挿入(嵌入)して所定位置に装着される磁石12(極板14が取着された磁石12;磁石とユニット化された極板)を当て付けて位置決め固定する機能を備えている。

極板14は、内輪3の外周面との間に全周に亘って均等な隙間が生じるように磁石12に対して取着されている。この場合、極板14は、磁石12の内輪側縁面よりも径方向内側に突出する大きさに形成されており、磁石12は、極板14に取着された状態で、内輪3の外周面との間で上記した隙間と略同程度の隙間が生じるように形成されている。磁性流体16は、スポイト等の注入器具によって隙間に充填すると、磁気回路の磁力によって全周に亘って保持される。磁石12と極板14については、磁気吸着によって固定してもよいし、磁気吸着に加え接着剤を介在して固定してもよい。

また、本実施例では、図3に示されるように、フレーム部200とモータハウジング51との間にOリング等のシール部材40も介挿されている。

以上説明したように、この第1の実施例によれば、モータハウジング51内への異物の侵入経路を形成し得るモータハウジング51(固定側構成要素)とプロペラシャフト53(回転側構成要素)との対向部Aに、モータハウジング51の内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段1Aが設けられるため、水滴や塵埃等の異物がモータハウジング51内の特に動力部(駆動モータ50)に侵入することを効果的に防止でき、したがって、無人飛行体500の所望の性能を確保できる。特に、本実施例では、軸受1を磁気シール機構付き軸受1Aとして構成することにより異物侵入防止手段が形成されているため、対向部A間の隙間を確実に磁気シールして、防水性及び防塵性を従来と比べて飛躍的に向上させることができる。また、磁気シール機構付き軸受1Aが対向部A間(軸受内)に位置して外部に露出しないため、磁気シール機構付き軸受1A(磁気シール機構)10の寿命も延びる。

図6は、駆動部300の第2の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第2の実施例では、モータハウジング51の内部に対する異物の侵入を防止する異物侵入防止手段が、モータハウジング51(固定側構成要素)とプロペラシャフト53(回転側構成要素)との対向部Aに介挿される磁気シール機構10Aにより形成される。したがって、本実施例において、軸受1は、前述した第1の実施例とは異なり、磁気シール機構10を有さない単なるボールベアリングである(無論、磁気シール機構付き軸受1Aであっても構わない)。

異物侵入防止手段を形成する磁気シール機構10Aは、モータハウジング51の内側に配置される軸受1を外側からシールするように位置される。具体的に、磁気シール機構10Aは、プロペラシャフト53と一体又は別体の金属体53a(例えば鉄片など)との間に磁気回路を形成し、この磁気回路によって磁性流体16を保持して軸受1側への異物の侵入を防止するように構成されている。

より具体的には、 磁気シール機構10Aは、金属体53a(又はプロペラシャフト53)に対して環状の隙間を存して配置される磁石111と、この磁石111を挟持して保持するリング状の保持部材(磁性体で構成される磁極板)112,113を有しており、これにより、金属体53aと保持部材112,113との間で磁気回路を形成する。

なお、それ以外の構成は図3に示される第1の実施例と同一である。したがって、この第2の実施例の異物侵入防止手段(磁気シール機構10A)も第1の実施例と同一の作用効果(異物侵入防止)を有する。

図7は、駆動部300の第3の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第3の実施例は、第2の実施例の構成に加え、更なる異物侵入防止手段としてのラビリンス構造を有する。具体的には、このラビリンス構造は、駆動部300の径方向で対向する対向部と駆動部300の軸方向で対向する対向部とを交互に連続して複数設けることにより構成される。

すなわち、図7に示されるように、フレーム部200は、モータハウジング51との結合ポイントで駆動部300の軸方向に延びる軸方向延在部200aを有し、また、プロペラ30は、プロペラシャフト53との結合ポイント付近からモータハウジング51に沿って駆動部300の径方向に延びる径方向延在部30aと、この径方向延在部30aの末端から更にフレーム部200の軸方向延在部200aとモータハウジング51との間に入り込むように駆動部300の軸方向に延びる軸方向延在部30bとを有する。したがって、駆動部300には、前述した(第1の)対向部Aに加え、フレーム部200の軸方向延在部200aとプロペラ30の軸方向延在部30bとが径方向で対向する第2の対向部B、プロペラ30の軸方向延在部30bとモータハウジング51とが軸方向で対向する第3の対向部C、プロペラ30の軸方向延在部30bとモータハウジング51とが径方向で対向する第4の対向部D、及び、プロペラ30の径方向延在部30aとモータハウジング51とが軸方向で対向する第5の対向部Eが存在し、これらの対向部B,C,D,Eが異物侵入防止手段としてのラビリンス構造を形成する。

このようにモータハウジング51内への異物の侵入経路となり得る部分をラビリンス構造に形成すれば、異物の侵入を効果的に防止できる。また、このようなラビリンス構造によれば、シール機構等の別部材を新たに設けることなく防水・防塵性能を確保できるため、軽量化、構造の簡素化等を実現できる。

図8は、駆動部300の第4の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第4の実施例は、第2の実施例の構成に加え、第3の実施例におけるプロペラ30の径方向延在部30a及び軸方向延在部30bを有する(したがって、対向部Aに加えて対向部C,D,Eを有する)とともに、更なる異物侵入防止手段としての気流発生手段60を有する。

図示のように、気流発生手段60は、任意の回転側構成要素、本実施例では一例としてモータハウジング51と対向するプロペラ30の径方向延在部30aの内面(したがって、第5の対向部E)に設けられ、プロペラ30の回転に伴って異物の侵入方向と逆方向に方向付けられる気流(図8に矢印で示す)を対向部C,D,E内に発生させるようになっている。

そのような気流発生手段60の形態としては、径方向延在部30aの内面にエアフォイル型の異形状部を形成したり、プロペラ30の回転に伴って回転する従動回転体(ファンなど)を設けることなどが考えられる。

このようなこの気流発生手段60によれば、プロペラ30の回転作用をそのまま利用して異物排除効果を得ることができるため、効率的に防水・防塵性能を確保でき、構造の簡素化も図れる一方、対向部C,D,Eに侵入する異物を気流によって積極的に排除するため、モータハウジング51内の動力部への異物の侵入を確実に防止できる。

図9は、駆動部300の第5の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第5の実施例は、第3の実施例の構成に加え、更なる異物侵入防止手段としての弾性シール部材70を有する。この弾性シール部材70は、例えばゴム材から形成され、任意の対向部に設けられ得るが、本実施例では第5の対向部E付近で磁気シール機構10Aに隣接して配設され、その先端のリップ部がプロペラ30の径方向延在部30aの内面に接触するようになっている。

このような弾性シール部材70によっても前述した実施例と同様にモータハウジング51内への異物の侵入を効果的に防止できる。また、本実施例において、弾性シール部材70は、対向部間に位置して外部に露出しないため、それがゴム材により形成された場合でも紫外線による劣化を抑制できる。なお、本実施例では、弾性シール部材70に撥水処理が施されてもよい。そのような撥水処理を施すと、それに伴う水玉形成作用により、たとえ対向部間に微細な隙間が存在したとしても水の浸入を効果的に抑制できるため、防水性を向上させることができる。また、撥水効果により、所望の防水性能を確保しつつ対向部間に僅かなクリアランスを許容できるため、そのようなクリアランスを設けてトルク損失を少なくすることも可能である。

図10は、駆動部300の第6の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第6の実施例は、第3の実施例の構成に加え、プロペラ30が、水平面内で回転する(別の実施形態では垂直面内で回転してもよい)ブレード部30Aと、このブレード部30Aとは別体を成して固定側構成要素(本実施例では、モータハウジング51及びフレーム部200)と対向するカバー部30B(径方向延在部30a及び軸方向延在部30bを含む)とを有する。

したがって、本実施例によれば、第3の実施例と同様の作用効果(異物侵入防止効果)を有するとともに、プロペラ30がブレード部30Aとカバー部30Bとにより形成されるため、ブレード部30Aとカバー部30Bとをそれぞれ異なる材料により形成して、軽量化、成形の容易化等を図ることが可能になる。

図11は、駆動部300の第7の実施例の概略半断面図である。図示のように、この第7の実施例は、第3の実施例の構成に加え、対向部を形成する固定側構成要素及び回転側構成要素に撥水処理が施されている。具体的には、対向部B,Cを形成する(ラビリンス構造の一部を形成する)プロペラ30の軸方向延在部30bの表面に、撥水性を有する例えばフッ素樹脂又はシリコン樹脂を含む材料を塗布した撥水処理86(太い破線で示す)が施されるとともに、対向部B,Cを形成する(ラビリンス構造の一部を形成する)フレーム部200の部位(軸方向延在部200a)及びモータハウジング51の部位の表面にも撥水処理82(太い破線で示す)が施される。また、プロペラ30の適所(例えばプロペラシャフト53に連結する部位及び径方向延在部30a)の表面にも撥水処理86(太い破線で示す)が施され、更に、軸方向延在部200aを含むフレーム部200の外表面に撥水処理84(太い破線で示す)が施されるとともに、モータハウジング51の外表面にも撥水処理85(太い破線で示す)が施される。或いは、必要な部位を撥水性を有する材料で形成してもよい。

このような撥水処理80,82を施すと、それに伴う水玉形成作用により、たとえ対向部間に微細な隙間が存在したとしても水の浸入を効果的に抑制できるため、防水性を向上させることができる。また、撥水効果により、所望の防水性能を確保しつつ対向部間に僅かなクリアランスを許容できるため、そのようなクリアランスを設けてトルク損失を少なくすることも可能である。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、上記したような駆動部及び駆動モータの構造(ステータ、ロータ、ハウジングなどの構造)については、各種、変形することが可能であり、また、それに応じて、異物侵入防止手段の構成及び配置についても適宜変形することが可能である。また、本発明では、図3、図6−図11の構成を任意に組み合わせて実施することができる。また、前述した実施形態では、駆動モータ50を収容するモータハウジング51を例にとって説明したが、モータハウジング51をモータ及び/又は減速機を収容するハウジングに取って代えることもできる。

1 軸受 1A 磁気シール機構付き軸受(異物侵入防止手段) 10A 磁気シール機構(異物侵入防止手段) 30 プロペラ 30A ブレード部 30B カバー部 40 シール部材 50 駆動モータ 51 モータハウジング 60 気流発生手段(異物侵入防止手段) 70 弾性シール部材(異物侵入防止手段) 80,82 撥水処理 200 フレーム部(筐体) 300 駆動部 500 無人飛行体 A,B,C,D,E 対向部

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