無線航空機エンジン監視システム

本開示の分野は、一般に航空機エンジン監視に関し、より詳細には、ナセルを通してエンジンデータの送信を無線で容易にするアンテナ埋め込み複合パネルの使用を含む航空機エンジン診断に関する。

公知の航空機エンジンは、通常、飛行する破片および鳥を含む異物から複雑なエンジン部品を保護するナセル内に封入される。ナセルはまた、航空機エンジンのための空力的整流板を提供し、エンジン推力のための流路を提供する。さらに、重量を最小限に抑えることは、航空機およびナセルの構造において重要であり、多くの公知のナセルは、軽量で耐久性があって強く、エンジンの重量を保護して支持することを含む航空機推進システムの構造的および機能的要件を満たすことができるアルミニウムまたは炭素繊維強化ポリマー材料で製造される。しかしながら、アルミニウムや炭素繊維強化ポリマーなどの材料は、ラジオ信号および無線信号を非常に減衰させるので、これらのタイプの材料を通して無線で直接にエンジンデータをナセル外部との間で送受信することが困難である。その結果、航空機エンジンの保守作業員は、エンジン制御ユニットが取り込んだエンジンデータを取得するために、1つまたは複数のファンカウルを開くまたは取り外すか、あるいはサービスパネルまたはドアを使用する必要がある。このタイプの手動検査および手動エンジンデータ収集は、労力とエンジンを停止する必要性との両方のために、時間と費用がかかる。手作業によるデータ収集は、航空機がショップ保守訪問を行ったときにのみ実行され、その結果、適時のデータを入手することができない。さらに、手動エンジンデータ収集は、エンジンデータ収集プロセス中にエンジンおよびナセルに損傷を与える危険性が高くなる。

米国特許出願公開第2015/0303586号明細書

一態様では、航空機エンジン用のエンジン監視システムが提供される。航空機エンジン は、その周りに環状に延在するナセルを有し、ナセルから半径方向内側に配置された少な くとも1つのセンサを含む。システムは、少なくとも1つのセンサに通信可能に結合され たエンジン制御装置を含む。エンジン制御装置は、少なくとも1つのセンサからエンジン データを受信すること、およびナセルの半径方向外側表面から半径方向外側に配置された 送信装置から命令データを受信すること、の少なくとも一方を行うように構成される。シ ステムはまた、ナセルの少なくとも一部と、ナセルの半径方向外側表面から半径方向内側 に配置された接地平面と、エンジン制御装置に通信可能に結合されたアンテナと、を含む 複合パネルを含む。アンテナは、エンジン制御装置からエンジンデータを受信し、ナセル の半径方向外側表面から半径方向外側に配置された受信装置にエンジンデータを送信する こと、および、送信装置から命令データを受信し、命令データをエンジン制御装置に送信 すること、の少なくとも一方を行うように構成される。複合パネルは、接地平面から半径 方向外側に配置されたレードームをさらに含む。 別の態様では、航空機エンジンを監視するための複合パネルが提供される。航空機エンジンは、その周囲に環状に延在するナセルと、ナセルから半径方向内側に配置された少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに通信可能に結合されたエンジン制御装置と、を含む。エンジン制御装置は、少なくとも1つのセンサからエンジンデータを受信すること、およびナセルの半径方向外側表面から半径方向外側に配置された送信装置から命令データを受信すること、の少なくとも一方を行うように構成される。複合パネルは、ナセルの少なくとも一部と、ナセルの少なくとも一部の半径方向外側表面から半径方向内側に配置された接地平面と、を含む。複合パネルはまた、エンジン制御装置に通信可能に結合されたアンテナを含む。アンテナは、エンジン制御装置からエンジンデータを受信し、ナセルの半径方向外側表面から半径方向外側に配置された受信装置にエンジンデータを送信すること、および、送信装置から命令データを受信し、命令データをエンジン制御装置に送信すること、の少なくとも一方を行うように構成される。複合パネルは、接地平面から半径方向外側に配置されたレードームをさらに含む。

さらに別の態様では、航空機が提供される。航空機は、その周囲に環状に延在するナセルを有する航空機エンジンを含む。航空機エンジンはまた、ナセルから半径方向内側に配置された少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに通信可能に結合されたエンジン制御装置と、を含む。エンジン制御装置は、少なくとも1つのセンサからエンジンデータを受信すること、およびナセルの半径方向外側表面から半径方向外側に配置された送信装置から命令データを受信すること、の少なくとも一方を行うように構成される。航空機エンジンはまた、ナセルの少なくとも一部と、ナセルの半径方向外側表面から半径方向内側に配置された接地平面と、を含む複合パネルを含む。複合パネルはまた、エンジン制御装置に通信可能に結合されたアンテナを含む。アンテナは、エンジン制御装置からエンジンデータを受信し、ナセルの半径方向外側表面から半径方向外側に配置された受信装置にエンジンデータを送信すること、および、送信装置から命令データを受信し、命令データをエンジン制御装置に送信すること、の少なくとも一方を行うように構成される。複合パネルは、接地平面から半径方向外側に配置されたレードームをさらに含む。

本開示のこれらの、ならびに他の特徴、態様および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。添付の図面では、図面の全体にわたって、類似する符号は類似する部分を表す。

例示的な航空機エンジンおよびナセルの分解概略図である。

図1に示すナセルのファンカウルに取り付けられた例示的なアンテナ埋め込み複合パネルの概略斜視図である。

図2に示すアンテナ埋め込み複合パネルの概略透視上面図である。

図2に示すアンテナ埋め込み複合パネルの概略斜視底面図である。

図2に示す複合パネルの一部の断面図である。

図5に示す埋め込みアンテナ構造の一部の断面図である。

図1に示すナセルのファンカウルに取り付けられた代替的なアンテナ埋め込み複合パネルの概略斜視図である。

図1に示すナセルのファンカウルに取り付けられた別の代替的なアンテナ埋め込み複合パネルの概略斜視図である。

図1に示すナセルのファンカウルに埋め込まれたさらに別の代替的なアンテナ埋め込み複合パネルの概略斜視図である。

特に明記しない限り、本明細書において提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を例示するものである。これらの特徴は、本開示の1つまたは複数の実施形態を含む多種多様なシステムで適用できると考えられる。したがって、図面は、本明細書に開示される実施形態の実施のために必要とされる当業者に知られているすべての従来の特徴を含むものではない。

以下の明細書および特許請求の範囲において、いくつかの用語に言及するが、それらは以下の意味を有すると規定する。

単数形「1つの(a、an)」、および「この(the)」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数の言及を含む。

近似する文言は、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたってここで用いられるように、それが関連する基本的機能の変更をもたらすことなく許容範囲で変化することができる定量的表現を修飾するために適用される。したがって、「およそ(about)」、「約(approximately)」、および「実質的に(substantially)」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似する文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、範囲の限定は組み合わせられ、および置き換えられ、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。

本明細書で用いられる「プロセッサ」および「コンピュータ」という用語および関連する用語、例えば「処理装置」、「コンピューティング装置」、および「コントローラ」は、従来技術においてコンピュータと呼ばれているそれらの集積回路に限定されず、広く、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、およびその他のプログラム可能な回路を意味し、これらの用語は、本明細書において互換的に用いられる。本明細書で説明する実施形態では、メモリは、以下に限らないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ可読媒体、およびフラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体を含むことができる。あるいは、フロッピーディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、および/またはデジタル多用途ディスク(DVD)もまた、使用することができる。また、本明細書で説明する実施形態では、追加の入力チャネルは、以下に限定されないが、マウスおよびキーボードなどのオペレータインターフェースに関係するコンピュータ周辺機器であってもよい。あるいは、例えば、これに限定されないが、スキャナを含むことができる他のコンピュータ周辺装置も使用することができる。さらに、例示的な実施形態では、追加の出力チャネルは、これに限定されないが、オペレータインターフェースモニタを含むことができる。

さらに、本書で用いられる「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は交換可能であり、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クライアントおよびサーバによって実行するための、メモリ内の任意のコンピュータプログラム記憶を含む。

本明細書で用いられる「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびサブモジュール、あるいは任意の装置の他のデータなどの情報の短期的および長期的記憶のための任意の技術の方法で実施される、任意の有形のコンピュータに基づく装置を表すことを意図している。したがって、本明細書に記載する方法は、これらに限らないが、記憶装置および/またはメモリ装置を含む、有形の非一時的コンピュータ可読媒体で具現化された実行可能命令として符号化することができる。このような命令は、プロセッサによって実行された場合に、本明細書に記載する方法の少なくとも一部をプロセッサに実行させる。さらに、本明細書に用いられる「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、すべての有形のコンピュータ可読媒体を含み、これらは非一時的コンピュータ記憶装置を含むが、これに限定されるものではなく、揮発性および不揮発性媒体、ならびにファームウェア、物理および仮想記憶装置、CD−ROM、DVDなどの取り外し可能および取り外し不可能な媒体、ならびにネットワークもしくはインターネットなどの他の任意のデジタルソース、ならびにこれまでに開発されたデジタル手段を含むが、これらに限定されるものではなく、一時的な伝播する信号がその唯一の例外である。

本明細書で説明する監視システムは、運転中または非運転中にエンジンが経験する1つまたは複数の環境またはエンジン状態の測定をナセルを通して無線で容易にする。限定ではなく例として、航空機エンジンが経験する1つまたは複数の環境条件には、温度、塵埃、振動、化学的汚染、熱膨張、ならびに回転ブラケット、燃料ライン、およびエンジンの他の部品などの様々な部品の歪みが含まれる。さらに、監視システムは、推力、空気摂取量、ならびに燃料の使用量および効率などのエンジン性能の態様を測定し記録する。これらの測定値は、後で使用するためのエンジンデータとして、かつ、航空機エンジン(例えば、飛行中に異常な振動量が検出された航空機エンジンの部品)に対して実行する必要がある修理および他の保守作業を特定する際に、保守作業員および技術者を支援するために記憶される。本明細書で説明されるように、「エンジンデータ」は、環境条件の測定値だけでなく、限定ではないが例えば、エンジン製造業者、モデル、またはエンジンに関する他の任意の仕様も指すことができる。

本明細書に記載のシステムは、有利には、ナセルに結合されまたは取り付けられるように構成された複合パネル内に埋め込まれたアンテナを含む。埋め込みアンテナ複合パネルは、エンジンに結合され、かつエンジンデータを取得するように構成されたエンジン制御装置に通信可能に結合される。さらに、複合パネルに埋め込まれたアンテナは、技術者がナセルを開かずに、またはサービスドアを通してエンジンに物理的にアクセスせずに、ナセル内のエンジン制御装置から受信機ホストへのエンジンデータの送信を容易にする。この構成は、ナセルに近接したモバイル装置を使用してエンジンデータを迅速かつ効率的にダウンロードできるので、航空機エンジンの保守に費やされる時間と資源を削減する。あるいは、エンジンデータは、セルラーネットワークまたはWiFiなどの他の地上ベースの無線通信システムを使用してダウンロードすることもできる。いくつかの実施形態では、複合パネルに埋め込まれたアンテナは、例えば限定はしないが、航空機エンジンのカウルラッチが完全に固定されているかどうかについてパイロットに送信されるステータス信号、ならびにパイロン、ナセルおよびリバーサの振動を含むが、これに限定されない、航空機エンジンの二次構造の動作パラメータなどの、環境条件データおよび監視されたエンジン動作条件の無線送信をさらに容易にする。さらに、いくつかの他の実施形態では、エンジンデータは、ファンなどの航空機エンジン回転部品、ならびにナセルとファンケースに取り付けられた様々な装置およびシステム(例えば、リバーサアクチュエータ)を含む他の非回転エンジン部品の健全性監視を容易にする、センサ取得データを含む情報を含む。したがって、ナセルに結合された複合パネル内に埋め込まれたアンテナのこのような統合は、より堅牢で、より安価で、より高速なエンジンデータ収集を可能にする。さらに、複合パネルに埋め込まれたアンテナは、保存されるエンジンパラメータについてのオペレータまたは関連システムからの命令(例えば、命令データ)の受信を容易にする。例えば、航空機エンジンの飛行の使用の前に、エンジン制御装置は、ナセル上の複合パネルに埋め込まれたアンテナを介して通信される予定された飛行のための命令データを受信する。エンジン制御装置は、飛行中および飛行終了時、すなわち航空機が地上にあるときに、これらのパラメータを保存し、これらのパラメータに関連するデータは複合パネルに埋め込まれたアンテナを介してユーザに送信される。同様に、複合パネルに埋め込まれたアンテナは、エンジン制御装置および関連するシステムのためのユーザにより開始されるソフトウェア更新の受信を可能にする。このように、本明細書に示され説明される例示的な実施形態では、埋め込みアンテナは、受信機および送信機のうちの一方に加えて、トランシーバとして機能することが可能である。

図1は、エンジン制御装置104に結合されたエンジン102、例えば限定はしないが、センサ監視ユニット、コントローラ、またはナセル110内に封入された他の任意の同様の装置を含むエンジン監視システム100の分解概略図である。例示的な実施形態では、エンジン102は、航空機101用の航空機エンジンに具現化される。エンジン102は、前方および後方軸方向Aを規定する中心線Cを含む。あるいは、エンジン102は、限定ではないが、蒸気タービンエンジン、航空機エンジン、風力タービン、および圧縮機を含む他の任意のターボ機械である。例示的な実施形態では、エンジン102は、ファン103と、ファン103の下流側(すなわち、後方)で結合され、ファン103と流体連通する圧縮機部(図示せず)と、を含む。さらに、ナセル110は、例えば限定はしないが、センサパネルドア、オイルドア、圧力解放ドア、またはナセル110内に一般的に位置する他のタイプのドアを含むことができる1つまたは複数のサービスドア108を有する少なくとも2つのファンカウル106を含む。本明細書で説明するように、これらのサービスドア108は、埋め込みアンテナ(後述する)を含む複合パネルで後付けされてもよく、あるいはファンカウル106(その表面の外部部分を含む)、ナセル110の他の外面、および製造時に(後述する)パイロン(図示せず)の外面のうちの少なくとも1つの構造内に埋め込まれてもよい。ナセル110は、エンジン102の円周方向および半径方向最外側の表面111(すなわち、境界)をさらに画定し、エンジン102およびエンジン監視システム100の実質的にすべての構成要素が、ナセル110から半径方向Rに中心線Cまで半径方向内側に配置され、ナセル110の前方部分および入口ハウジング112は、ファン103のための空気入口流路114を画定する。入口ハウジング112はまた、1つまたは複数の追加のサービスドア113と、1つまたは複数の追加のサービスドア113の下に配置された1つまたは複数の入口センサ116(例えば、温度センサおよび圧力センサの少なくとも一方)と、を含む。

動作時に、入口センサ116および他のタイプのセンサ(例えば、限定はしないが、図示していない振動センサ、加速度計、空気および流体流量センサを含む)がエンジン102内の様々な位置に配置され、それらは、限定しないが、エンジン102が動作している間を含むエンジン102の性能に関連するエンジンデータを検出、測定、記録、表示、報告、送信、および保存することのうちの少なくとも1つを行う。例示的な実施形態では、エンジン制御装置104、入口センサ116、および他のタイプのセンサのうちの少なくとも1つが、限定はしないが、バルブアクチュエータ、ファンブレードピッチアクチュエータ、ポンプ(例えば、燃料および冷却剤のための)などを含む少なくとも1つの制御関連エンジン部品(図示せず)に動作可能に結合され、それによって、エンジン102の動作パラメータの制御を容易にする。例示的な実施形態では、入口センサ116および他のタイプのセンサによって取得されたエンジンデータは、エンジン制御ユニット104に送信され、エンジン制御ユニット104は、エンジンデータを埋め込みアンテナにさらに送信する。図示していない他の実施形態では、入口センサ116および他のセンサタイプの少なくとも1つが、エンジンデータを埋め込みアンテナに直接送信する。図示していないさらに他の実施形態では、エンジン102の動作状態を表す第1のタイプのエンジンデータが、入口センサ116および他のセンサタイプの少なくとも1つから埋め込みアンテナに直接送信され、第2のタイプのエンジンデータが入口センサ116および他のセンサタイプのうちの少なくとも1つからエンジン制御ユニット104に最初に送信される。さらに、例示的な実施形態では、入口センサ116および他のタイプのセンサのうちの少なくとも1つが、エンジン制御ユニット104および埋め込みアンテナのうちの少なくとも一方からデータを受信するように構成される。例えば、限定はしないが、入口センサ116および他のセンサタイプのうちの少なくとも1つは、複数のエンジン102の動作パラメータを検出、測定、記録、表示、報告、送信および保存することの少なくとも1つを可能にするセンサを含む。そのような場合には、エンジン監視システム100のユーザは、埋め込みアンテナを介して、エンジン制御装置104、入口センサ116、および他のセンサタイプのうちの少なくとも1つに命令データを送信して、複数のエンジン102の動作パラメータのうちの、どの少なくとも1つのためにマルチパラメータセンサを使用するかを確立する。このように、例示的な実施形態では、埋め込みアンテナは、トランシーバ内に具現化される。図示していない別の実施形態では、埋め込みアンテナも追加のサービスドア113の下に配置され、入口センサ116および他のセンサタイプの少なくとも1つが埋め込みアンテナ内に組み込まれる。図示していないさらに他の実施形態では、サービスドア108および追加のサービスドア113の少なくとも一方は、その下にPNA1アクセスパネルおよびトランスカウル・アクチュエータ取り付け用アクセスパネルの少なくとも一方を収容する。また、例示的な実施形態では、エンジン制御装置104は、ナセル110内の埋め込みアンテナに結合された無線機(図示せず)を含み、エンジン監視システム100で使用される通信プロトコルに適した無線周波数波形を生成するように構成される。無線機は、無線周波数伝送媒体を介して埋め込みアンテナに結合され、その例としては、同軸ケーブル、ツイストペア、および伝送線路が挙げられるが、これらに限定されない。

図2は、エンジンデータの無線送信を容易にするのに利用できるナセル110(図1に示す)のファンカウル106に取り付けられた例示的なアンテナ埋め込み複合パネル208の概略斜視図である。図2は、ファンカウル106の外面およびアンテナ埋め込み複合パネル208の放射側を示す。この例示的な実施形態では、アンテナ埋め込み複合パネル208は、無線信号を非常に減衰させる材料で構成されているので、アンテナ埋め込み複合パネル208は、エンジン制御装置104と共に無線信号の伝播を容易にする。さらに、アンテナ埋め込み複合パネル208は、複数のパネル固定具210、例えば限定はしないが、ねじ、ボルト、リベット、またはアンテナ埋め込み複合パネル208をファンカウル106に取り外し可能に取り付けるための任意の他の手段を用いて、ファンカウル106の支持フランジ209に結合される。支持フランジ209は、限定はしないが、リベット、ねじ、およびボルトなどの複数のフランジ固定具212によってファンカウル106に取り付けられており、エンジン102の外部からアンテナ埋め込み複合パネル208を容易に取り外すことができる。図示していない他の実施形態では、アンテナ埋め込み複合パネル208は、少なくとも1つのヒンジ(図示せず)を介してファンカウル106に取り付けられる。図示していないさらに他の実施形態では、アンテナ埋め込み複合パネル208は、ナセル110のファンカウル106に取り付けられておらず、むしろ、限定はしないが、入口外側バレル、サムネイル整流板、およびリバーサトランスカウルを含むエンジン102の他の部分に配置される。図示していないさらに他の実施形態では、入口外側バレル、サムネイル整流板、およびリバーサトランスコウルのうちの少なくとも1つは、アンテナ埋め込み複合パネル208を収容するために使用されるアクセスカバーまたはドアのうちの少なくとも一方を含む。

図3および図4は、無線信号を非常に減衰させる材料で構成されたファンカウル106(あるいはナセル110)に取り付けられていないアンテナ埋め込み複合パネル208の、それぞれ概略透視上面図および概略透視底面図である。アンテナ埋め込み複合パネル208は、アンテナ埋め込み複合パネル208のファンカウル106への結合を容易にする固定具穴302を含む。アンテナコネクタ402は、送信装置および受信装置(図示せず)の少なくとも一方がアンテナ埋め込み複合パネル208に電子的かつ通信可能に結合することを容易にする。アンテナコネクタ402は、装置がアンテナ埋め込み複合パネル208を受信、送信、または他の方法で制御することを可能にする任意のタイプのアンテナコネクタを含む。例えば限定はしないが、アンテナコネクタ402は、同軸ケーブルによりエンジン102またはエンジン制御装置104の無線機(図示せず)と接続するように構成することができる。

図5は、線「A−A」(図3に示す)に沿って示すアンテナ埋め込み複合パネル208の一部の断面図である。前述したように、アンテナ埋め込み複合パネル208は、アンテナコネクタ402と、アンテナ埋め込み複合パネル208をファンカウル106の支持フランジ(図示せず)に取り付けるための固定具穴302と、を含む。さらに、アンテナ埋め込み複合パネル208は、埋め込みアンテナ構造502を囲んで支持するパネル支持構造506を含む。例示的な実施形態では、パネル支持構造506の構成材料は、任意の数の複合材、アルミニウム、または炭素繊維を含む。他の実施形態では、パネル支持構造506の構成材料は、無線周波数に対して透明な構成材料を含む。さらに、アンテナ埋め込み複合パネル208は、埋め込みアンテナ構造502、例えば限定ではないが、無線信号の送受信を容易にし、後述するように複数の層を含むアンテナ回路基板およびプリント回路基板を含む。アンテナ埋め込み複合パネル208はまた、埋め込みアンテナ構造502を物理的損傷および劣化から保護するレードーム構造504を含む。例示的な実施形態では、レードーム構造504の半径方向外側表面505の構成材料は、パネル支持構造506およびエンジン102の半径方向外側表面111の構造材料と同じであり、他の実施形態では、レードーム構造504の半径方向外側表面505は、パネル支持構造506およびエンジン102の半径方向外側表面111の少なくとも一方に対して異なる構成材料を含む。飛散する破片および降水、日射被害、および氷などの環境条件は、埋め込みアンテナ構造502の部品に物理的損傷および劣化を引き起こす可能性がある。レードーム構造504の半径方向外側表面505の上面または表面領域もまた、有利には、周囲のファンカウル106の湾曲および表面にシームレスに適合するように成形またはモールドされる。このようにして、レードーム構造504の表面の成形された形態は、ナセル110の空力特性および空気プロファイルを維持する。動作時には、例示的な実施形態では、埋め込みアンテナ構造は、レードーム構造504を介して、レードーム構造504の半径方向外側表面505から半径方向外側に配置された受信装置510および送信装置512との間で少なくとも1つの電磁信号508の伝搬(すなわち、送信)および受信の少なくとも一方をそれぞれ行うように構成される。

図6は、図5に示す埋め込みアンテナ構造502の一部の断面図である。埋め込みアンテナ構造502は、任意の数の異なるタイプのアンテナ、例えば限定はしないが、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ、マイクロストリップパッチアンテナ、プレーナ逆Fアンテナ、または任意の他の適切なアンテナを実現するように構成することができる。さらに、埋め込みアンテナ構造502は、任意の数の無線通信プロトコルを使用してエンジン制御装置104からのエンジンデータの送信を容易にすることができ、無線通信プロトコルには、例えば限定はしないが、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、セルラープロトコル(例えば、Code Division Multiple Access(CDMA)、LTE、Global System for Mobile(GSM(登録商標)など)、WiMax(商標)、Bluetooth(登録商標)、または任意の他の適切な無線プロトコルが含まれる。さらに、埋め込みアンテナ構造502は、任意の数の無線プロトコルと組み合わせて、1つまたは複数の周波数信号でエンジンデータを送信するように構成される。例えば、限定はしないが、エンジン制御装置104(図示せず)および埋め込みアンテナ構造502のうちの少なくとも一方は、少なくとも1つのエンジンデータおよび命令データを、複数の周波数の所定の範囲にわたって送信および受信の少なくとも一方を行うように構成される。他の実施形態では、埋め込みアンテナ構造502はまた、エンジン監視システム100で使用されるエンジン制御装置104および関連装置のためのユーザ命令(例えば、命令データ)およびソフトウェア更新を含むが、これらに限定されない、1つまたは複数の周波数で信号を受信するように構成される。

例えば、図6は、埋め込みアンテナ構造502が接地平面602、基板層604、放射要素606、およびレードーム要素608を含む例示的なパッチアンテナの埋め込みアンテナ構造502を示す。図6には4つの層しか示されていないが、任意の数の層を利用することができ、本明細書に記載された埋め込みアンテナ構造502の動作を可能にする任意の順序で配置することができる。例示的な実施形態では、接地平面602の構成材料は、銅などの導電性金属(例えば、標準回路基板の接地平面)である。他の実施形態では、接地平面602の構成材料は、限定はしないが、銅などの金属と組み合わせたポリマーを含む炭素繊維強化ポリマー材料である。図示していないさらに他の実施形態では、埋め込みアンテナ構造502は、埋め込みアンテナ構造502の半径方向内側表面および半径方向外側表面の両方に無線周波数を透過する構成材料を含み、このような他の実施形態は接地平面602を含まない。

図5および図6を参照すると、接地平面602は、ナセル110から半径方向内側に(すなわち、エンジン102に近いところに)配置されたパネル支持構造506の側面に位置することができる。接地平面602は、放射要素606のための反射面を提供する。基板層604は、例えば限定はしないが、FR−4(ガラスエポキシ)、ベークライト、Rogers RO4003、Taconic TLC、RT Duroid、または任意の他の適切な誘電材料を含む、任意のタイプの誘電材料から構成される。接地平面602は、エンジン102に向かう方向に配置されてもよいし、エンジン102に最も近い位置に配置されてもよい。基板層604は、任意のタイプの無線波長用に設計することができ、厚さを変えることができる。放射要素606は、金属のパッチもしくはシート、パッチまで延在するマイクロストリップ、または任意の他の適切なタイプのアンテナを含むことができる。パッチの形状は、正方形、円形、または任意の適切な形状であってもよく、アンテナの厚さは変化してもよい。レードーム要素608は、限定はしないが、例えば、ガラス繊維、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、アクリル)、テフロン(登録商標)、ラミネート、または他の適切な無線周波数透明材料から構成することができ、限定はしないが、エンジンデータおよび命令データの少なくとも一方を運ぶ無線周波数信号を埋め込みアンテナ構造502との間で送受信することを容易にすることができる。さらに、レードーム要素608およびレードーム構造504を組み合わせて使用してもよいし、またはレードーム要素608が存在せず、レードーム構造504のみを使用してもよい。レードーム構造504は、エンジン102から遠ざかる方向に、またはエンジン102から最も離れた位置に配置されてもよい。

図7は、エンジンデータの無線送信を容易にするのに利用され得る、ナセル110のファンカウル106に取り付けられた代替的なアンテナ埋め込み複合パネル702の概略斜視図である。図7は、ファンカウル106の外面ならびに異なるサービスドア108の形状および異なる結合機構を含むアンテナ埋め込み複合パネル702の放射側を示す。例示的な実施形態では、ファンカウル106は、無線信号を非常に減衰させる材料で構成されているので、アンテナ埋め込み複合パネル702は、エンジン制御装置104と共に無線信号の伝播を容易にする。さらに、アンテナ埋め込み複合パネル702は、パネル固定具210、例えば限定はしないが、ねじ、ボルト、リベット、またはアンテナ埋め込み複合パネル702をファンカウル106に取り外し可能に取り付けるための任意の他の手段を用いて、ファンカウル106に結合される。アンテナ埋め込み複合パネル702は、パネル固定具210がアンテナ埋め込み複合パネル702をファンカウル106に取り付けるのを支援することを可能にするフランジ704を含む。また、代替的な実施形態では、アンテナ埋め込み複合パネル702のフランジ704が入れ子になっており、パネル固定具210によってファンカウル106の内面に取り付けられており、図2に示す実施形態に対して軽量化を容易にするが、アンテナ埋め込み複合パネル702の裏側(すなわち、エンジン102に面した半径方向内側)から取り外す必要がある。

図8は、エンジンデータの無線送信を容易にするのに利用され得る、ナセル110のファンカウル106に取り付けられた代替的なアンテナ埋め込み複合パネル802の概略斜視図である。図8は、ファンカウル106の外面ならびに異なるサービスドア108の形状および異なる結合機構を含むアンテナ埋め込み複合パネル802の放射側を示す。例示的な実施形態では、ファンカウル106は、無線信号を非常に減衰させる材料で構成されているので、アンテナ埋め込み複合パネル802は、エンジン制御装置104と共に無線信号の伝播を容易にする。さらに、アンテナ埋め込み複合パネル802は、パネル固定具210、例えば限定はしないが、ねじ、ボルト、リベット、またはアンテナ埋め込み複合パネル802をファンカウル106に取り外し可能に取り付けるための任意の他の手段を用いて、ファンカウル106の支持フランジ804に結合される。図示していない他の実施形態では、アンテナ埋め込み複合パネル802は、少なくとも1つのヒンジ(図示せず)を介してファンカウル106に取り付けられ、アンテナ埋め込み複合パネル802は、限定はしないが、オイルタンクアクセスドアを含むエンジン102の他の部品のためのアクセスドアとして役立つ。

図9は、エンジンデータの無線送信を容易にするために、ナセル110のファンカウル106に埋め込まれた、または内蔵されたさらに別の代替的なアンテナ埋め込み複合パネル902の概略斜視図である。図9は、ファンカウル106の外面と、製造工程中にファンカウル106に埋め込まれたアンテナ埋め込み複合パネル902の放射側を示す。例示的な実施形態では、ファンカウル106は、無線信号を非常に減衰させる材料で構成されているので、アンテナ埋め込み複合パネル902は、エンジン制御装置104と共に無線信号の伝播を容易にする。アンテナ埋め込み複合パネル902は、製造時にファンカウル106に埋め込まれるので、アンテナ埋め込み複合パネル902は、パネル支持構造506をファンカウル106によりシームレスに埋め込むことを可能にする固定具を必要としない。

本明細書で説明する監視システムは、運転中または非運転中にエンジンが経験する1つまたは複数の環境またはエンジン状態の測定をナセルを通して無線で容易にする。限定ではなく例として、航空機エンジンが経験する1つまたは複数の環境条件には、温度、振動、塵埃、化学的汚染、熱膨張、ならびに回転ブラケット、燃料ライン、およびエンジンの他の部品などの様々な部品の歪みが含まれる。さらに、監視システムは、推力、空気摂取量、および燃料効率などのエンジン性能の態様を測定し記録する。これらの測定値は、後で使用するためのエンジンデータとして、かつ、航空機エンジン(例えば、飛行中に異常な振動量が検出された航空機エンジンの部品)に対して実行する必要がある修理および他の保守作業を特定する際に、保守作業員および技術者を支援する。環境条件およびエンジン条件のこれらの測定値は、後で使用するためのエンジンデータとして保存される。本明細書で説明されるように、「エンジンデータ」は、環境条件の測定値だけでなく、限定ではないが例えば、エンジン製造業者、モデル、またはエンジンに関する他の任意の仕様も指すことができる。

本明細書に記載のシステムは、有利には、ナセルに結合されまたは取り付けられるように構成された複合パネル内に埋め込まれたアンテナを含む。埋め込みアンテナ複合パネルは、エンジンに結合され、かつエンジンデータを取得するように構成されたエンジン制御装置に通信可能に結合される。さらに、複合パネルに埋め込まれたアンテナは、技術者がナセルを開かずに、またはサービスドアを通してエンジンに物理的にアクセスせずに、ナセル内のエンジン制御装置から受信機ホストへのエンジンデータの送信を容易にする。この構成は、ナセルに近接したモバイル装置を使用してエンジンデータを迅速かつ効率的にダウンロードできるので、航空機エンジンの保守に費やされる時間と資源を削減する。あるいは、エンジンデータは、セルラーネットワークまたはWiFiなどの他の地上ベースの無線通信システムを使用してダウンロードすることもできる。したがって、ナセルに結合された複合パネル内に埋め込まれたアンテナのこのような統合は、より堅牢で、より安価で、タイムリーで、より高速なエンジンデータ収集を可能にする。

本明細書に記載した方法、システム、および装置の例示的な技術的効果は、(a)環境条件データ、監視されたエンジン動作条件、ならびに、ナセルエンクロージャを物理的に検査することなく、例えば限定はしないが、航空機エンジンの温度、振動、熱膨張、歪み、化学的汚染、推力、空気摂取、および燃料効率などのエンジンデータの無線送信を容易にすること、(b)ナセルが構成されている材料に関係なく、環境条件およびエンジン条件の測定を可能にすること、ならびに、(c)航空機エンジンのより頻繁で安価な点検を可能にし、保守の頻度および予定外修理の頻度を潜在的に減少させ、航空機エンジンの耐用年数を向上させること、のうちの少なくとも1つである。

監視システムの例示的な実施形態は、上で詳細に説明されている。監視システム、ならびにこのようなシステムおよび装置を製造または動作させる方法は、本明細書に記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、システムの構成要素および/または方法のステップは、本明細書に記載した他の構成要素および/またはステップから独立してかつ別個に利用することができる。例えば、システム、装置、および方法は、無線信号を非常に減衰させる材料で囲まれた他のタイプの機械と組み合わせて使用することもでき、本明細書で説明する監視システムのみで実施することに限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、アンテナ埋め込み複合パネルを用いることにより利益を得ることができる他の多くの用途、機器、およびシステムに関連して実施および利用することができる。

本開示の様々な実施形態の具体的な特徴をいくつかの図面には示してあって、他の図面には示していないが、これは単に便宜上のためである。本開示の原理によれば、図面の任意の特徴は、他の任意の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および請求することができる。

いくつかの実施形態は、1つまたは複数の電子装置またはコンピューティングデバイスの使用を含む。このような装置は、典型的には、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)装置などのプロセッサ、処理装置、もしくはコントローラ、および/または本明細書に記載した機能を実行することができる他の任意の回路もしくは処理装置を含む。本明細書に記載した方法は、これらに限らないが、記憶装置および/またはメモリ装置を含むコンピュータ可読媒体で具現化された実行可能命令として符号化することができる。このような命令は、処理装置によって実行された場合に、本明細書に記載する方法の少なくとも一部を処理装置に実行させる。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、プロセッサおよび処理装置という用語の定義および/または意味を決して限定するものではない。

本明細書は、実施形態を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も実施形態を実施することができるように実施例を用いており、任意の装置またはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本開示の特許され得る範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が請求項の字義通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。 [実施態様1] 航空機エンジン(102)用のエンジン監視システム(100)であって、前記航空機 エンジン(102)は、その周囲に環状に延在するナセル(110)を有し、前記ナセル (110)から半径方向内側に配置された少なくとも1つのセンサ(116)を含み、前 記システムは、 前記少なくとも1つのセンサ(116)に通信可能に結合されたエンジン制御装置(1 04)であって、前記少なくとも1つのセンサ(116)からエンジンデータを受信する こと、および前記ナセル(110)の半径方向外側表面(111)から半径方向外側に配 置された送信装置(512)から命令データを受信すること、の少なくとも一方を行うよ うに構成されたエンジン制御装置(104)と、 複合パネル(208,702,802,902)と、を含み、前記複合パネル(208 ,702,802,902)は、 前記ナセル(110)の少なくとも一部と、 前記ナセル(110)の前記半径方向外側表面(111)から半径方向内側に配置され た接地平面(602)と、 前記エンジン制御装置(104)に通信可能に結合されたアンテナであって、 前記エンジン制御装置(104)から前記エンジンデータを受信し、前記ナセル(11 0)の前記半径方向外側表面(111)から半径方向外側に配置された受信装置(510 )に前記エンジンデータを送信すること、および、 前記送信装置(512)から前記命令データを受信し、前記命令データを前記エンジン 制御装置(104)に送信すること、の少なくとも一方を行うように構成されるアンテナ と、 前記接地平面(602)から半径方向外側に配置されたレードーム(405,504, 608)と、を含む、エンジン監視システム(100)。 [実施態様2] 前記ナセル(110)は、複数のドア(108,113)を含み、前記複合パネル(2 08,702,802,902)は、前記複数のドア(108,113)のうちの少なく とも1つのドアをさらに含む、実施態様1に記載のエンジン監視システム(100)。 [実施態様3] 前記複合パネル(208,702,802,902)は、前記ナセル(110)内に少 なくとも部分的に埋め込まれている、実施態様1に記載のエンジン監視システム(100 )。 [実施態様4] 前記レードーム(405,504,608)は、電磁信号に対して実質的に透明なレー ドーム材料を含む、実施態様1に記載のエンジン監視システム(100)。 [実施態様5] 前記レードーム材料はファイバーグラスである、実施態様4に記載のエンジン監視シス テム(100)。 [実施態様6] 前記エンジンデータは、飛行サービス中および地上サービス中の少なくとも一方を含む 前記航空機エンジン(102)の動作に関する情報を含む、実施態様1に記載のエンジン 監視システム(100)。 [実施態様7] 前記エンジンデータは、修理および保守に関する診断データを含む、実施態様6に記載 のエンジン監視システム(100)。 [実施態様8] 前記アンテナは、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ、マイクロストリップ パッチアンテナ、およびプレーナ逆Fアンテナのうちの少なくとも1つを含む、実施態様 1に記載のエンジン監視システム(100)。 [実施態様9] 前記アンテナは、WiFi、セルラー、WiMax(商標)、Bluetooth(登録商標)、および無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のうちの少なくとも1つを含 む無線通信プロトコルを使用して、前記エンジンデータおよび前記命令データのうちの少 なくとも一方を送信することおよび受信することの少なくとも一方を行うようにさらに構 成される、実施態様1に記載のエンジン監視システム(100)。 [実施態様10] 前記アンテナは、複数の周波数の所定の範囲にわたって前記エンジンデータおよび前記 命令データの少なくとも一方を送信することおよび受信することの少なくとも一方を行う ようにさらに構成される、実施態様1に記載のエンジン監視システム(100)。 [実施態様11] 航空機エンジン(102)を監視するための複合パネル(208,702,802,9 02)であって、前記航空機エンジン(102)は、その周囲に環状に延在するナセル( 110)と、前記ナセル(110)から半径方向内側に配置された少なくとも1つのセン サ(116)と、前記少なくとも1つのセンサ(116)に通信可能に結合されたエンジ ン制御装置(104)であって、前記少なくとも1つのセンサ(116)からエンジンデ ータを受信すること、および前記ナセル(110)の半径方向外側表面(111)から半 径方向外側に配置された送信装置(512)から命令データを受信すること、の少なくと も一方を行うように構成されたエンジン制御装置(104)と、を含み、前記複合パネル (208,702,802,902)は、 前記ナセル(110)の少なくとも一部と、 前記ナセル(110)の前記少なくとも一部の前記半径方向外側表面(111)から半 径方向内側に配置された接地平面(602)と、 前記エンジン制御装置(104)に通信可能に結合されたアンテナであって、 前記エンジン制御装置(104)から前記エンジンデータを受信し、前記ナセル(11 0)の前記半径方向外側表面(111)から半径方向外側に配置された受信装置(510 )に前記エンジンデータを送信すること、および、 前記送信装置(512)から前記命令データを受信し、前記命令データを前記エンジン 制御装置(104)に送信すること、の少なくとも一方を行うように構成されるアンテナ と、 前記接地平面(602)から半径方向外側に配置されたレードーム(405,504, 608)と、を含む複合パネル(208,702,802,902)。 [実施態様12] 前記ナセル(110)は、複数のドア(108,113)を含み、前記複合パネル(2 08,702,802,902)は、前記複数のドア(108,113)のうちの少なく とも1つのドアをさらに含む、実施態様11に記載の複合パネル(208,702,80 2,902)。 [実施態様13] 前記複合パネル(208,702,802,902)は、前記ナセル(110)に結合 されている、および、前記ナセル(110)内に少なくとも部分的に埋め込まれている、 の少なくとも一方である、実施態様12に記載の複合パネル(208,702,802, 902)。 [実施態様14] 前記レードーム(405,504,608)は、電磁信号に対して実質的に透明なレー ドーム材料を含む、実施態様12に記載の複合パネル(208,702,802,902 )。 [実施態様15] 前記レードーム材料はファイバーグラスである、実施態様14に記載の複合パネル(2 08,702,802,902)。 [実施態様16] 前記エンジンデータは、飛行サービス中および地上サービス中の少なくとも一方を含む 前記航空機エンジン(102)の動作に関する情報を含む、実施態様12に記載の複合パ ネル(208,702,802,902)。 [実施態様17] 前記エンジンデータは、修復および保守に関する診断データを含む、実施態様16に記 載の複合パネル(208,702,802,902)。 [実施態様18] 前記アンテナは、パッチアンテナ、マイクロストリップアンテナ、マイクロストリップ パッチアンテナ、およびプレーナ逆Fアンテナのうちの少なくとも1つを含む、実施態様 12に記載の複合パネル(208,702,802,902)。 [実施態様19] 前記アンテナは、WiFi、セルラー、WiMax(商標)、Bluetooth(登録商標)、および無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のうちの少なくとも1つを含 む無線通信プロトコルを使用して、前記エンジンデータおよび前記命令データのうちの少 なくとも一方を送信することおよび受信することの少なくとも一方を行うようにさらに構 成される、実施態様12に記載の複合パネル(208,702,802,902)。 [実施態様20] 航空機(101)であって、 航空機エンジン(102)を含み、前記航空機エンジン(102)は、 前記航空機エンジン(102)の周囲に環状に延在するナセル(110)と、 前記ナセル(110)から半径方向内側に配置された少なくとも1つのセンサ(116 )と、 前記少なくとも1つのセンサ(116)に通信可能に結合されたエンジン制御装置(1 04)であって、前記少なくとも1つのセンサ(116)からエンジンデータを受信する こと、および前記ナセル(110)の半径方向外側表面(111)から半径方向外側に配 置された送信装置(512)から命令データを受信すること、の少なくとも一方を行うよ うに構成されたエンジン制御装置(104)と、 複合パネル(208,702,802,902)と、を含み、前記複合パネル(208 ,702,802,902)は、 前記ナセル(110)の少なくとも一部と、 前記ナセル(110)の前記半径方向外側表面(111)から半径方向内側に配置され た接地平面(602)と、 前記エンジン制御装置(104)に通信可能に結合されたアンテナであって、 前記エンジン制御装置(104)から前記エンジンデータを受信し、前記ナセル(11 0)の前記半径方向外側表面(111)から半径方向外側に配置された受信装置(510 )に前記エンジンデータを送信すること、および、 前記送信装置(512)から前記命令データを受信し、前記命令データを前記エンジン 制御装置(104)に送信すること、の少なくとも一方を行うように構成されるアンテナ と、 前記接地平面(602)から半径方向外側に配置されたレードーム(405,504, 608)と、を含む、航空機(101)。

100 エンジン監視システム 101 航空機 102 エンジン 103 ファン 104 エンジン制御装置、エンジン制御ユニット 106 ファンカウル 108 サービスドア 110 ナセル 111 半径方向外側表面 112 入口ハウジング 113 追加のサービスドア 114 空気入口流路 116 入口センサ 208 アンテナ埋め込み複合パネル 209 支持フランジ 210 パネル固定具 212 フランジ固定具 302 固定具穴 402 アンテナコネクタ 405 レードーム構造 502 埋め込みアンテナ構造 504 レードーム構造 505 半径方向外側表面 506 パネル支持構造 508 電磁信号 510 受信装置 512 送信装置 602 接地平面 604 基板層 606 放射要素 608 レードーム要素 702 アンテナ埋め込み複合パネル 704 フランジ 802 アンテナ埋め込み複合パネル 804 支持フランジ 902 アンテナ埋め込み複合パネル