Engine monitoring system by radio

申请号 JP2006521081 申请日 2004-06-28 公开(公告)号 JP2007516377A 公开(公告)日 2007-06-21
申请人 ハリス コーポレイションHarris Corporation; 发明人 ジャーノ,ジェイムズ,ジェイ;
摘要 航空機エンジンに直接取り付けられ、全飛行エンジンデータを記録し、保存し、暗号化し、送信する無線エンジン監視システム(WEMS)。 当該システムは好ましくは、完全統括デジタルエンジン制御器/エンジン制御ユニット(FADEC/ECU)へのインターフェースをもち、何百ものエンジンパラメータを、約1秒の好ましいサンプリング周 波数 で記録できる。 エンジン監視モジュールは好ましくは航空機エンジンのカウリング内に直接取り付けられる小型化されたモジュールとして形成され、コンフォーマルアンテナを有する。 監視モジュールは機上処理のためにデータをアップロードすることもできる。
权利要求
  • 航空機エンジンのパフォーマンスの記録を提供するためのシステムであって:
    前記航空機エンジンの動作に関係するエンジンデータを収集するために前記航空機エンジンに取り付けられ、さらに無線通信信号を介して前記エンジンデータを送信するための送信機を有するエンジン監視モジュールと、
    前記送信されたエンジンデータを受信するための受信機、
    とを有することを特徴とするシステム。
  • 前記送信機が前記エンジンデータを広帯域スペクトル拡散通信信号を介して送信するためのスペクトル拡散送信機を有していることを特徴とする、請求項1記載のシステム。
  • 請求項1記載のシステムであって、前記無線通信信号を送信する、当該エンジン監視モジュール上に取り付けられたコンフォーマルアンテナをさらに有することを特徴とするシステム。
  • 航空機エンジンと、
    前記航空機エンジンに取り付けられ、前記航空機エンジンのパフォーマンスに関係するエンジンデータを収集するよう動作し、さらに無線通信信号を介して前記エンジンデータを送信するための送信機を有するエンジン監視モジュール、
    とを有することを特徴とする、無線エンジン監視システム。
  • 請求項4記載の無線エンジン監視システムであって、前記航空機エンジンからエンジンデータを収集するために前記航空機エンジンとともに動作するFADEC/ECUをさらに有しており、前記エンジン監視モジュールがFADEC/ECUからエンジンデータを集めるために該FADEC/ECUとともに動作することを特徴とする、無線エンジン監視システム。
  • 請求項4記載の無線エンジン監視システムであって、前記無線通信信号を送信する、当該エンジン監視モジュール上に取り付けられたコンフォーマルアンテナをさらに有することを特徴とする、無線エンジン監視システム。
  • 前記エンジン監視モジュールが、当該航空機エンジンを追跡するための当該航空機エンジンのシリアル番号に結びつけられているデータアドレスを割り当てられていることを特徴とする、請求項4記載の無線エンジン監視システム。
  • 航空機エンジンのパフォーマンスの記録を提供する方法であって:
    前記航空機エンジンに取り付けられたエンジン監視モジュール内で航空機エンジンデータを収集し、
    前記エンジン監視モジュールで収集されたエンジンデータを無線通信信号を介して受信機にダウンロードする、
    ステップを有することを特徴とする方法。
  • 広帯域スペクトル拡散通信信号を介して前記エンジンデータをダウンロードするステップをさらに有することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  • 前記無線通信信号を前記エンジン監視モジュールに取り付けられたコンフォーマルアンテナを通じて送信するステップをさらに有することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  • 说明书全文

    米国連邦航空局(Federal Aviation Administration)およびその他の国際的な航空監督機関は民間航空会社に航空機のエンジンの健全性および状態を監視することを要求している。 航空機のエンジンの現在のパフォーマンスを決定したり、メンテナンスが必要かどうかを決定したりするには、いかなる健全性および状態の情報も用いられる。 従来技術はデータ遅延のため限界があり、収集データの量が限られていることが解析の制約となった。 典型的には、従来技術の監視システムを使っては、全体的な指標が測定された。 結果として生じるいかなるメンテナンス行動も、ことが起こってから反応するもの(reactive)であった。 たとえば、いくつかの従来技術のシステムは基本的なエンジンパラメータについて当該航空機が最初の離陸ののち1000フィートまで上昇したときに「スナップショット」を撮るだけだった。 このデータは飛行の間に一つの時間スロットと限られており、リアルタイムではなかった。 このデータは、解析者に飛行中のエンジンのパフォーマンスの完全な描像を与えるものでは決してなかった。 結果として、従来技術のエンジン解析システムでは高度な予防診断や診断技法は使われないできた。

    多くのジェットエンジンのオリジナル装置製造業者(OEM)、エンジンの時間毎メンテナンスコスト(MCPH: maintenance cost per hour)協定のもとに契約上縛られているジェットエンジン・サービス提供業者、航空輸送会社ならびに軍用および民間の航空会社は、航空機エンジンのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、そのデータをアーカイブ保存するシステムおよび方法を所望してきた。 今に至るまで、従来技術のシステムは、その解析において、従来技術のデータ「スナップショット」に限られており、全体的な指標と事後反応メンテナンス(reactive maintenance)技術の域を超えるものではなかった。 いくつかの従来技術においては、航空会社は、いくつかの異なる監視システムを使って監督上の要求に従ってきた。 ある監視システムでは、限られたエンジンパラメータ(たとえばN1,N2,EGT,W )をパイロットが航空機の航空日誌にログ記録してきた。 前述したように、「スナップショット」としては離陸/1000フィート巡航においてエンジンデータが自動的に「機上で」記録されるかVHF通信データリンクを使ったACARS経由でダウンロードされるかして記録されていた。 このエンジンデータは限られたエンジン解析という結果となった。 使われたのがエンジンのパフォーマンスの一つの「スナップショット」だけであり、その「スナップショット」は航空機の飛行中のエンジンのパフォーマンスの真の指標を与えるものでは決してなかったからである。

    米国フロリダ州メルバーンのハリス(Harris)社は、DFDAU、航空機デジタル飛行データレコーダ(DFDR: digital flight data recorder)およびデータ多重化システムを含む航空機の数多くのコンポーネントとのインターフェースをもつ地上データリンクユニットを使って航空機エンジンのパフォーマンスを記録するシステムおよび方法を設計した。 一般に、大きめのジェットタービンエンジンについては完全統括デジタルエンジン制御(FADEC: Full Authority Digital Engine Control)と称されるが、ターボプロップもしくはその他の推が15,000ポンドより小さいエンジンを含む小さめの飛行機に使われる小さめのジェットタービンエンジンについては時にエンジン制御ユニット(ECU: Engine Control Unit)と称される。 以後、「FADEC/ECU」の用語は、業界で使われているように「FADEC」または「ECU」に対応して使われるものとする。

    ハリス社の地上データリンクユニットの例は、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,047,165号において開示されており、前記地上データリンクユニットを使ったエンジン監視システムは米国特許第6,148,179号および第6,353,734号において開示されている。 これらの開示はここに参照によってその全体において組み込まれる。

    前記の参照によって組み込まれた特許6,148,179号および6,353,734号において、開示されているようなシステムおよび方法は、航空機エンジンのパフォーマンスの記録を、地上データリンクユニットなどにおいてエンジン動作中にエンジンデータを収集し、該収集されたエンジンデータを広帯域スペクトル拡散通信信号を通じて地上にあるスペクトル拡散受信機にダウンロードすることによって提供できる。 前記信号は地上にあるスペクトル拡散受信機の内部で復調され、さらなる処理のためのエンジンデータが復元される。 また、アルゴリズム、飛行管理ファイル、ビデオおよび娯楽ファイルならびにその他のデータファイルといったデータを前記地上データリンクユニットにアップロードすることも可能である。 これら参照によって組み込まれた特許において開示されているような地上データリンクユニットは、エンジン監視のための従来技術の施策に対して著しい向上であるものの、前記開示された地上データリンクユニットは典型的には大きなユニットであり、前述したような多くの航空機搭載システムとのインターフェースをもつ。 エンジンのリアルタイムな監視を、多くのシステムとのインターフェースをもつ前記の大ぶりな地上データリンクユニットに頼ることなく、すなわち、前記開示された地上データリンクユニットが利用可能でないときにより小さなユニットによって、行うことが有益である。

    本発明によれば、本発明の無線エンジン監視システム(WEMS: wireless engine monitoring system)は上述した従来技術の不都合な点を克服するもので、航空機エンジンに直接装着されるエンジン装着型のエンジン監視モジュールである。 前記の参照によって組み込まれた特許6,148,179号および6,353,734号において開示されているような地上データリンクユニットは多くの航空機搭載ユニットに接続されるもので、好ましい位置は航空電子機器部門または同様の胴体位置であるが、それとは一線を画している。 WEMSモジュールは、エンジン上の完全統括デジタルエンジン制御器(FADEC)/エンジン制御ユニット(ECU)へのインターフェースをもつ。 WEMSは約2×2×4インチの小さなモジュールで、「全飛行」エンジンデータを記録し、保存し、暗号化し、送信することができる。 直接FADEC/ECUへのインターフェースをもち、何百ものエンジンパラメータを、限定的な意味のない一例として挙げると1秒のサンプリング周波数で記録する。 それは、RF/802.11/セルラー技術(他のいかなるスペクトル拡散技術をも含む)を使ってデータをダウンロード(そしてアップロード)するために好ましいコンフォーマルアンテナとRFトランシーバとをもつ小型化されたモジュールである。

    「全飛行」エンジンデータは、高度な予防診断および診断技術を許容し、エンジンの「翼上時間(time on wing)」を増加させてエンジンメンテナンスコストを低下させる。 WEMSデータは、処理のために空港のサーバーにRF/(802.11)スペクトル拡散/セルラーを通じてダウンロードされることもできるし、および/または他のワークステーションにリアルタイム解析のためにインターネット、PSTN、セルラーシステムもしくはその他の通信ネットワークを通じて転送されることもできる。 機上処理のためにアルゴリズムを含むデータを前記無線エンジン監視システムモジュールにアップロードすることもできる。

    本発明のシステムおよび方法は、直接エンジンに設置される自動化された無線ソリューションである。 大小のタービンエンジンのための全飛行エンジンデータを記録し、メガバイト数の大きなファイルを有するもので、引き出すためには高速データリンクを使う。 当該システムは、802.11規格に従った広帯域スペクトル拡散通信信号を使うことができる。 たとえば前記の参照によって組み込まれた特許6,047,165号および6,353,734号において開示されているような技術である。

    本発明によるシステムおよび方法は、航空機エンジンのパフォーマンスの記録を提供する。 エンジン監視モジュールが航空機エンジン上に取り付けられ、当該航空機エンジンの動作に関係するエンジンデータを収集する。 前記エンジン監視モジュールは無線通信信号を通じてエンジンデータを送信するための送信機を含んでいる。 受信機が前記送信されたエンジンデータを受信する。

    本発明のある側面によれば、前記送信機は好ましくは、広帯域スペクトル拡散通信信号を通じて前記エンジンデータを送信するためのスペクトル拡散送信機を有している。 パッチアンテナのようなコンフォーマルアンテナが好ましくは当該エンジン監視モジュール上に取り付けられており、前記無線通信信号はそこに送信される。 プロセッサが前記受信機から前記エンジンデータを受け取り、該エンジンデータをさらに処理するよう動作する。 前記エンジンデータは前記受信機から前記プロセッサに、インターネット、公衆電話交換網(public witched telephone network)、セルラーネットワークまたはその他の通信ネットワークを使って転送されうる。

    本発明のいま一つの側面では、エンジンデータを収集するためにFADEC/ECUが航空機エンジンとともに動作する。 当該エンジン監視モジュールはエンジンデータを集めるために電気的にFADEC/EDUに接続される。 好ましくは当該エンジン監視モジュールにデータアドレスが割り当てられ、該データアドレスは当該航空機エンジンを追跡するためのエンジンシリアル番号と結び付けられている。 このデータアドレスは好ましくはインターネットアドレスを含んでいる。 当該エンジン監視モジュールはまた、トランシーバの一部として、エンジン監視のために使われるさまざまなアルゴリズムを含むデータを機上処理のためにアップロードするための受信機をも含むことができる。

    本発明のその他の目的、特徴および利点は以下の本発明の詳細な記述を付属の図面に照らして検討することから明らかとなるであろう。

    本発明についてこれから、付属の図面を参照しつつより完全に記述する。 その際、本発明の好ましい諸実施形態が示されるが、本発明は多くの異なる形において実施することができるものであり、ここに記載される実施形態に限定されるものと解釈してはならない。 むしろ、これらの実施形態は、本開示が充実して漏れがなく、当業者に対して本発明の範囲を完全に伝達するようにするものである。 全体を通して同様の数字は同様の要素を指す。 代替的な実施形態における同様な要素を示す際にはダッシュ記号を使う。

    本発明は無線エンジン監視システム(WEMS)であり、前記の参照によって組み込まれた特許6,047,165、6,148,179、6,353,734において開示されているような地上データリンクユニットの基本構成要素を使うことができる。 本発明のシステムは、WEMSモジュールについての機能とサイズにおいて縮小されており、ジェットエンジンに直接取り付けられ、好ましくはFADEC/ECUとインターフェースでつながっている。 本発明は、無線通信信号、好ましくは広帯域スペクトル拡散通信信号を使って、前記の参照によって組み込まれた特許6,047,165、6,148,179、6,353,734において開示されている無線地上リンクをベースとした航空機データ通信システムと同様の仕方で、データをダウンロードするために動作する。 また、いかなるRF接続を通じてダウンロードすることもできる。

    図1はジェットエンジン12に直接取り付けられており、やはりジェットエンジンに取り付けられているFADEC/ECU14に電気的に接続されているWEMSモジュール10を示している。 ジェットエンジン12はタービン16およびその他の構成要素の基本要素を示している。 ジェットエンジン・カウリング18は点線で示されており、該カウリング内のWEMSモジュールが見えるようにされている。 本発明のWEMSモジュールは、前記の参照によって組み込まれた特許6,047,165、6,148,179、6,353,734の地上データリンクユニットにおいて開示されているような、基本機能のRFおよびメモリ構成要素を含む。 WEMSモジュールは、好ましいコンフォーマルアンテナの種類およびジェットエンジンにおいて使われるカウリング18の性状に依存して当該エンジン上のさまざまな位置に取り付けることができる。

    図2は、ジェットエンジン12との間でやりとりする信号のための双方向多重化器として動作するFADEC/ECU14の基本的なブロック図を示している。 信号はアナログ信号とデジタル信号を含んでいる。 FADEC/ECU14はエンジンに航空機22のフライトデッキ20からのコマンドを与え、またエンジンの状態および健全性信号を送信もする。 多くの信号がFADEC/ECU14によって処理される。 FADEC/ECU14は次いで信号をARINC429バス24を通じて、限定的な意味のない例としては典型的には10キロビット毎秒でフライトデッキ20との間で送信する。

    本発明のWEMSモジュール10は別個のIPアドレス(各モジュールについて)をもち、そのIPアドレスはエンジンのシリアル番号と結びつけられている。 WEMSモジュールはエンジンに取り付けられており、FADEC/ECU上の別のポートを通じて、あるいはARINC429バスに直接につながることで、FADEC/ECUとのインターフェースをもつ。 無線周波トランシーバ機能がWEMSモジュールに組み込まれており、全飛行データファイルを記録し、圧縮し、暗号化するよう動作する。 それは典型的には、WEMSモジュール10のための保護筐体をなす外被31に取り付けられた切手サイズの小さなパッチアンテナとして形成されるコンフォーマルアンテナ30を使う。 コンフォーマルアンテナが好ましいとはいえ、WEMSモジュールが取り付けられるカウリングおよびエンジンの種類によっては別個のアンテナを使用することも可能である。 別個のアンテナは、通信を向上させるために胴体上の別個の位置またはその他の位置に取り付けることができる。

    WEMSモジュール10は、アーカイブデータ記憶を使って「全飛行」エンジンデータを記録し、保存し、暗号化して、それからのちに送信することができる。 本発明のWEMSモジュール10は、何百ものエンジンパラメータを、好ましい1秒のサンプリング周波数で記録することができる。 当該WEMSモジュールはこのように、高度な予防診断および診断技術によって「翼上時間」を増加させてエンジンメンテナンスコストを下げることを可能にする。 たとえば、WEMSモジュール10は、予防診断および健全性管理アプリケーションに関して使われるような、ジェットエンジンの診断セルとともに動作することもできる。 それには米国ニューヨーク州ロチェスターのインパクトテクノロジーズ社(Impact Technologies, LLC)によって設計されたものが含まれる。 WEMSモジュール10によるデータのダウンロードは、スペクトル拡散変調技術を含むほとんどいかなる種類の無線周波信号によってもよい。 WEMSモジュール10は、全飛行エンジンデータをダウンロードし、アルゴリズムその他のデータもしくはプログラムをアップロードするのに、セルラー、インターネットまたはPSTN通信インフラとともに動作しうる。 各WEMSモジュールは典型的には別個のIPアドレスを含んでおり、別個にアドレス指定して識別ならびにデータのアップロードおよびダウンロードをすることができる。

    図3は、WEMSモジュール10を含む航空機22の高レベルのブロック図を示している。 このWEMSモジュール10は、空港サーバー32におよび/または該空港サーバーから、エンジンデータをダウンロードしたり機上処理のためのデータをアップロードしたりすることができる。 それは公衆電話交換網(PSTN)、インターネットまたはセルラーインフラのような通信ネットワーク34とともに動作しうる。 空港サーバー32は受信機および送信機を含んでおり、通信ネットワーク34を通じてリアルタイム解析ワークステーションまたはその他の同様のプロセッサ38に通信する。 そこでエンジンデータが解析がされ、エンジンにとって最良のメンテナンス計画が決定され、よってエンジンを取り外すことなくエンジンが機上に留まる時間を延ばすことができる。 本発明によれば、リアルタイム解析ワークステーション38は前記空港サーバーに直接接続されていることもできるし、あるいはWEMSモジュール10からデータを直接受信することもできる。

    前述したように、WEMSモジュール10は、データを保存し、該データを好ましいスペクトル拡散またはその他の無線通信信号を使って送信するという点で前記地上データリンクユニットに類似して動作できる。 しかし、WEMSモジュール10はずっと小さく、航空機エンジンに直接取り付けられる。 その機能も、DFDAU、DFDRおよびエンジンセンサーを含む多くの航空機コンポーネントとともに動作する大規模な地上データリンクユニットによって必要とされる機能よりも少ない。

    ここで図4を参照すると、本発明のWEMSモジュール10を用いて使うことのできる無線スペクトル拡散データ通信システムのための全体的な通信システムアーキテクチャーの代表的な例が示されている。 この例でのアーキテクチャーには3つの相互にリンクしたサブシステムがある:(1)エンジンWEMSサブシステム100;(2)地上サブシステム200(典型的には空港にあるが、必ずしも空港でなくてもよい);(3)何らかのダウンロードされたエンジンデータを解析するために使われるリモートエンジンデータ制御センター300。 ある航空機22についてのWEMSシステム100は、それぞれエンジン100a〜100dに設置されている複数のWEMSモジュール10を含みうる。 2機の航空機22および22′が図示されており、それぞれWEMSモジュール10および10′を有している。 各WEMSモジュール10、10′は航空機搭載ユニット(AU: airborne unit)102、102′を含んでおり、このそれぞれがプロセッサ、トランシーバ、メモリおよびその他の必要な構成要素を含んでいる。 各WEMSモジュール10、10′は、無線通信リンク120を通じて地上サブシステム200の無線ルーター(WR: wireless router)セグメント201と通信するよう動作する。 以下の記述は説明のため、1機の航空機22および1つのWEMSモジュール10を用いて進める。

    無線ルーターセグメント201はWEMSモジュール10から受信するエンジンデータファイルを、空港基地局202に有線イーサネット(登録商標)LAN207を通じて直接、あるいはこの非限定的な例ではLAN(local area network[構内ネットワーク])207および空港にある無線ブリッジセグメント203を通じて間接的に経路制御する。 無線通信リンク120は、電磁スペクトルのうちライセンスされていない部分にある搬送波周波数をもつ、スペクトル拡散無線周波(RF: radio frequency)リンクであることができる。 非限定的な例としては2.4〜2.5GHzのSバンド内などである。 無線通信リンク120はまた、RF、インターネット、セルラーまたはその他のリンクであってもよい。

    この例における地上サブシステム200は、地上および/または空港にある複数の無線ルーターセグメント201を含んでおり、その一つまたは複数は当該システムのサービスを受けるさまざまな空港の環境内に分散されている。 それぞれの地上および/または空港の無線ルーター201は、WEMSモジュール10から無線でダウンリンクされるエンジンデータを受信するよう動作する。 各地上サブシステム無線ルーター201はエンジンデータを、基地局202のサーバー/アーカイブコンピュータ端末204に転送する。 基地局は空港またはその他の位置にある地上サブシステム200のLAN207上に存在することができる。

    ローカル通信路207にはリモートゲートウェイ(RG: remote gateway)セグメント206がインターフェースでつながっているが、基地局202はこのローカル通信路207を介して通信路230を通じてリモートエンジンデータ制御センター300の中央ゲートウェイ(CG: central gateway)セグメント306に結合されることができる。 この制御センター300でさまざまな航空機からのエンジンデータファイルが解析される。 非限定的な例として、通信路230はISDN電話会社(テルコ)の地上線を含むことができ、ゲートウェイセグメントは標準的なLANインターフェースを含むことができる。 セルラー、インターネットまたはその他の無線通信といったその他の通信ネットワークを使うこともできる。 地上サブシステムから制御センターへの通信のためにたとえば衛星リンクまたはセルラーといった他の通信媒体を用いてもよく、それによって本発明の範囲から外れるものではないことを注意しておく。

    リモートエンジンデータ制御センター300はシステムコントローラ(SC: system controller)セグメント301および複数のワークステーション(WS: workstation)303を含むことができ、これらはLAN305を介してシステムコントローラ301に連結されている。 エンジン安全性、メンテナンスおよび監視解析者はこのリモートエンジンデータ制御センター300にいて、地上サブシステム200の空港基地局セグメント202からこのリモートエンジンデータ制御センター300に伝達されたエンジンデータファイルを評価する。 それぞれのワークステーション303は異なる目的のために割り当てられてもよい。

    システムコントローラ301は、サーバー/アーカイブ端末ユニット304を有していることができる。 これは好ましくは、地上サブシステムからダウンロードされたファイルを取得したときにエンジンデータファイルの効率的な転送および解析ができるようにするためのデータベース管理ソフトウェアを含んでいる。 非限定的な例として、そのようなデータベース管理ソフトウェアは、前記ファイルがひとたび取得されたら基地局セグメントのメモリから既存のファイルを消去してもよい。

    上で簡単に述べ、図5に図式的に示されているように、各WEMSモジュール10は、マイクロプロセッサ132のような処理ユニットならびにパケット通信を含む通信のためのアーカイブ用データ記憶134aおよびバッファ134bの両方としてはたらく付随するメモリまたはデータ記憶134を含む、双方向的な無線(無線周波搬送波ベースの)サブシステムを含むことができる。 メモリ134はFADEC/ECUに結合されている。 処理ユニット132はエンジンデータを受け取って圧縮し、圧縮されたデータを付随するメモリ134に保存することができる。 処理ユニット132はエンジンデータの多くの項目を含むレポートを生成することもできる。

    エンジンデータおよびレポートはRFトランシーバ136およびその好ましいコンフォーマルアンテナ30を介してダウンロードできる。 双方向的なRF通信機能を実現するため、トランシーバ136はデータのアップロードおよびダウンロードのために無線ルーター201とともに動作する。

    RF通信リンクがスペクトル拡散であり、好ましい802.11リンクであれば、この非限定的な例で関心のあるライセンスされていない2.4〜2.5GHzのSバンドの複数のサブバンドチャネルのそれぞれが利用可能であり好適に使用されうる。 ライセンスされていないもの、されているものを含め、その他のバンドを使うこともできる。 無線ルーター201は、空港の送信電力レベル制限を表す情報を含む問い合わせビーコンを常時放送していることができる。 トランシーバ内の適応的な電力ユニットを使って、WEMSモジュール10は、自分の送信電力を当該空港を管理する管轄区によって課される通信制限を超えないレベルに調整することによってこのビーコン信号に反応することができる。 無線(RF)トランシーバ136は次いでメモリ134に保存されているエンジンデータファイルにアクセスし、該エンジンデータを暗号化し、該エンジンデータファイルを、無線ルーター201への無線地上通信リンクの選択されたサブチャネルを通じて送信する。

    受信側の無線ルーター201は前記データファイルを基地局セグメントに転送する。 ここに留まるのは一時的で、該ファイルが自動的に、解析のためにリモートエンジンデータ制御センター300に通信路230を通じて送信できるようになるまでのことである。 付随する構成要素のさらなる詳細は上で特定され参照によって組み込まれた特許において述べられている。

    このたび請求される発明においては、無線エンジン監視システム(WEMS)は前記の参照によって組み込まれた特許6,047,165、6,148,179、6,353,734において記載されているGDLユニットにおけるような同様の構成要素を使いはするが、FADEC/ECUとのインターフェースおよびエンジンへの取り付けのためにサイズおよび機能が縮小されている。 WEMSモジュールがエンジンに取り付けられるのは、典型的にはカウリングの下で、アンテナおよびトランシーバ機能が最良になる位置であるが、好ましくはFADEC/ECUに隣接するまたは近接する位置である。 WEMSモジュールは「全飛行」エンジンデータを記録し、保存し、暗号化し、送信して、FADEC/ECUと直接インターフェースでつながる。 それは何百ものエンジンパラメータを例として1秒のサンプリング周波数で記録でき、コンフォーマルアンテナをもつ小型化されたモジュールである。 それは「全飛行」エンジンデータを取得し、高度な予防診断および診断技術によって機上で、あるいは好ましくはリモートワークステーションにて「翼上時間」を増加させてエンジンメンテナンスコストを下げることを可能にする。 それはエンジンに直接取り付けられた自動化された無線ソリューションであり、大きなタービンエンジンについての全飛行エンジンデータを記録し、高速データリンクを使うメガバイト数の大きなファイルを生じる。 前述したとおりである。 若干のエンジンデータの「スナップショット」だけを記録し、結果的にデータも解析も限られるシステムに対して改善である。

    参照のため、本発明の無線エンジン監視システム(WEMS)モジュール10を取り付けることのできるジェットエンジンについて図6および図7を参照しつつ説明する。 各エンジンはエンジン取り付け型のWEMSモジュールを一つ有していることができ、各WEMSモジュールはインターネットアドレスまたはその他のIPアドレスといった特定のデータアドレスを有していて、サービス提供者がWEMSモジュールおよびそのデータにほぼリアルタイムでアクセスして「賢い」メンテナンスを実行することができるようになっていることができる。 このアドレスはエンジンシリアル番号と結びつけられており、平常および危険時のエンジン情報を保存するのに使われることになる。 本発明は、このようにエンジンの時間毎メンテナンスコスト(MCPH)を低下させることができる。

    図6は全体的に400で示されているジェットエンジンのある断面図を図示しており、基本的な構成要素と、エンジンイベントのリアルタイム監視のために使うことのできるジェットエンジンに出入りするエンジン気流FADEC/ECU制御402を示している。 これらのイベントは、最初の離陸の最初の1分かそこらのうちにダウンロードされることができるし、あるいはWEMSモジュール内のメモリに保存してのちにダウンロードして目的地で「翼上」のままでのメンテナンスが認められるかどうかを決定してもよい。

    明確のため、このジェットエンジンを記述するための参照番号は400番台から始まる。 図6に示されるように、エンジン気流FADEC/ECU制御402が含みうるものとして、コア区画ブリーディング(core compartment bleeding)、油溜め加圧(sump pressurization)、油溜め排気(sump venting)、アクティブ・クリアランス・コントロール(active clearance control)、低圧および高圧回復(low pressure and high pressure recoup)および排気(venting)および排液(draining)機能がある。 これらの機能は当業者には知られているように基本的なFADEC/ECU制御システム402を通じて監視できる。 図6のエンジン例はゼネラルエレクトリック(General Electric)CF6−80C2の、N1推力管理および共通ターボ機関を有するFADEC/ECUまたはPMC制御をもつ高度設計に対応している。 このジェットエンジンを図示しているものの、当然異なるジェットエンジンのためのその他の制御システムを使うこともできることは当業者に知られているとおりである。

    図示したエンジンは、6つの可変段および低排出燃焼機と頑健段1ブレード、30の加圧ノズルおよび改善された排出を有する。 それは封入容器(containment)の重量を低くするためのケブラー(Kevlar)(登録商標)製の封入容器および複合ファンOGVを有する。 それは一ブレード材料およびTBCのDS段をもつ向上したHPTを有し、高度な冷却およびアクティブ・クリアランス・コントロールもある。

    ファン・モジュールはアルミニウム/ケブラー封入容器404および93インチの改良航空ブレード(aero/blade)406を含んでいる。 それは複合OGV408を有しているが、これには損失減少のためのアルミニウム/複合材の後部ファン・ケース(aft fan case)410およびチタンのファン・フレーム(fan frame)412がある。 それはさらに(12箇所の)ファン・ストラット(fan struts)416の間に4段の直交ブースター(orthogonal booster)414および可変バイパスバルブ(VBV: variable bypass valve)を有している。 このエンジンは圧縮機入口温度(CIT: compressor inlet temperature)プローブ418を含んでいる。

    高圧圧縮機は、段3〜14の溝付きケーシング424とともに、IGVシュラウド・シール(IGV shroud seal)420およびブレード・ダブテール・シーリング(blade dovetail sealing)422を含んでいる。 圧縮機は静翼プラットフォーム・シーリング(vane platform sealing)426および短コード(cord)段8低損失ブリード・システム428および改善されたラブコート(rubcoat)低下クリアランス430を含んでいる。

    圧縮機のリア・フレーム(rear frame)は燃焼機430および点火プラグ432とともに燃料ノズル434およびOGV436を含んでいる。 それは通気シール(vent seal)438および4R/A/Oシール(4R/A/O seal)440および4Rベアリング(4R bearing)442および4Bベアリング(4B bearing)444を含んでいる。 それはまた、5Rベアリング(5R bearing)446および5R/A/Oシール(5R/A/O seal)448、ディフューザー(diffuser)450および圧力バランスシール(pressure balance seal)452を含んでいる。 この圧縮機リア・フレームはまた、段1ノズル454をも含んでいる。

    高圧タービン(high pressure turbine)領域はコントロール段1および2のためのアクティブ・クリアランスならびに被膜シュラウドを456にて含んでいる。 それはまた、方向凝固された(directionally solidified)段1ブレードおよびダンプト・ブレード(damped blade)458ならびに冷却空気配送系をも含んでいる。 この高圧タービンは熱的にマッチングしたサポート構造ならびにアクティブ・クリアランス・コントロールならびにクレードルのある静翼サポート(cradled vane support)および線形のシーリング(linear ceiling)をもつ単純化したインピンジメントを含んでいる。 改良された内部構造の荷重経路は、丸み制御、個体シュラウドおよび改良されたシーリングの改良をもたらした。 これらの構成要素は当該高圧タービン領域の全体的に460における領域に位置している。

    低圧タービン技術領域はクリアランス・コントロール462、360°ケース464、排気ガスから渦流を除去する空力ストラット(aerodynamic strut)466および一体鋳造として形成されたタービン・リア・フレーム(turbine rear frame)468を含んでいる。

    これらの構成要素の多くは、最初の離陸の間に信号を生成する諸センサーおよび構造力センサーをもつことができ、該信号はWEMSモジュールを通じて地上のメンテナンス・クルーおよび/または独自のプロセッサをもつ別個のリモートエンジンデータ制御センターに中継される。

    図7はある例においてエンジン始動の間に監視されたコンポーネントを示している。 対象のコンポーネントには、エンジン油圧システム(engine hydraulic system)、油圧(oil pressure)(psi)、エンジン・カットオフ・スイッチ(engine cut−off switch)、油温(oil temperature)(°C)、燃料流(fuel flow)(lb/hr)、N2LおよびN1L(いずれも百分率)、油温およびEGT(いずれも摂氏度)ならびにW が含まれる。 値域のいくつかはグラフの縦軸上に示されており、一方、時間はグラフの横軸上に示されている。

    この情報は本発明のWEMSモジュールを介して地上にあるプロセッサにダウンロードすることができ、リモートエンジンデータ制御センターが目的地のステーションで翼上メンテナンスが認められるかどうかを決定することができる。

    ジェットエンジンの一部破断等図であり、エンジン上に取り付けられたFADEC/ECUおよびWEMSモジュール(本発明に基づきエンジン監視データをダウンロードするために前記FADEC/ECUとインターフェースでつながっている)を示している。

    航空機エンジンおよび航空機ならびに、全飛行エンジンデータファイルをダウンロードし、アルゴリズムその他のデータをアップロードするためにFADEC/ECUとインターフェースでつながっている本発明のWEMSモジュールを示すブロック図である。

    空港サーバーにダウンロードされ、PSTN、インターネットまたはセルラーインフラによってリアルタイム解析ワークステーションまたはその他のプロセッサに転送されることのできる、WEMSエンジンデータを示す断片的なブロック図である。

    本発明において使用できる基本要素を示すブロック図である。

    本発明において使用されうるWEMSモジュールの基本構成要素を示すブロック図である。

    収集され、本発明のWEMSモジュールから送信されるべきエンジンイベントを生成するジェットエンジンの例の断面図である。

    本発明のWEMSモジュールによって監視されうる、エンジン始動におけるさまざまなジェットエンジンイベント報告を示す図である。

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