飛行する乗り物の引き込み自在な翼のヒンジおよびトラス

申请号 JP2013523150 申请日 2011-08-02 公开(公告)号 JP5960139B2 公开(公告)日 2016-08-02
申请人 サムソン エーアイピー、インク.; 发明人 バウスフィールド、サミュエル、ホール; ロバーツ、ロバート、エヌ.; ブラウン、マシュー、エー.; アネマート、ウィレム、エー.ジェー.;
摘要
权利要求

引き込み自在な翼を有する飛行する乗り物であって、 乗り物本体部および飛行する乗り物の制御表面を支持する乗り物フレームと、 左翼と、 右翼と、 前記フレームに固定された剛性のトラスと の組み合わせを有し、 前記トラスは、右枢軸から離間された左枢軸を有し、これらの枢軸は、垂直方向に配置され且つ互いに離間されているものであり、 前記左翼は、前記トラスに枢動自在に枢着され、前記左枢軸を中心として前記トラスに対し枢動するようなっており、 前記右翼は、前記トラスに枢動自在に枢着され、前記右枢軸を中心として前記トラスに対し枢動するようなっており、 前記翼は、互いにより離間された展開位置から互いにより近い引き込み位置へと枢動するようなっており、 前記左翼および前記右翼用の前記引き込み位置は、前記展開位置の前方に位置するものであって、 前記トラスは、上部プレートと底部プレートとを含み、前記上部プレートは前記底部プレートと平行であり、前記上部プレートと前記底部プレートとの間には間隙があり、当該間隙は少なくとも前記左翼および前記右翼の厚さと同じ高さであり、それにより、前記翼が前記引き込み位置にある場合、前記左翼および前記右翼が前記間隙内に嵌合するものであり、 前記トラスの後縁部に対向する側にある前方部分は前記間隙に向かって開放されており、前記翼は、前記トラスの前記後縁部に対向する側にある当該トラスの部分を通じて少なくとも部分的に前記間隙内へ枢動可能であり、 前記上部プレートおよび前記底部プレートは、リブにより離間された開孔を含み、 後部プレートは、前記上部プレートおよび前記底部プレートを前記トラスの前記後縁部に隣接した位置で一体的に接合するものであり、 各翼は、前記フレームに枢着されたウイングブラケットに固定されており、 前記トラスと各前記ウイングブラケット間にはヒンジが介設され、前記ヒンジは、前記ウイングブラケットおよび当該ブラケットに固定された前記各翼の前記トラスに対する枢動を可能にするようになっており、 前記トラスの各側縁部に対して少なくとも1つのラッチが設けられ、各前記ラッチは各前記ヒンジから離間されているものであり、前記ラッチは、 前記ウイングブラケットの1つを前記トラスに解除自在に連結し、 前記トラスに対する前記ウイングブラケットの移動を防ぐラッチ状態の形態と、前記ウイングブラケットが前記ヒンジを中心に前記トラスに対し枢動自在であるラッチ解除状態の形態とを有するものである 飛行する乗り物。請求項1記載の飛行する乗り物において、前記トラスは、当該トラスの幅だけ離間された一対の側縁部と、当該側縁部の間に延長する前記後縁部とを含み、前記左枢軸は、前記トラスの最前方部分より当該トラスの前記後縁部の近くに位置し、且つ前記トラスの中心線より前記側縁部のうち左側の側縁部の近くに位置し、前記右枢軸は、前記トラスの最前方部分より当該トラスの前記後縁部の近くに位置し、且つ前記トラスの中心線より前記側縁部のうち右側の側縁部の近くに位置するものである飛行する乗り物。請求項2記載の飛行する乗り物において、前記左枢軸および前記右枢軸は、前記側縁部間の前記トラスの幅と同様な距離だけ離間されるものである飛行する乗り物。請求項1記載の飛行する乗り物において、 前記ヒンジは、左ヒンジと右ヒンジとを含み、前記左ヒンジは前記左枢軸に位置し、前記右ヒンジは前記右枢軸に位置するものであり、 前記ラッチは、前記左ウイングブラケットに搭載される少なくとも1つのラッチと、前記右ウイングブラケットに搭載される少なくとも1つのラッチとを含み、各前記ラッチは、各翼の展開位置に対応する前記トラスの少なくとも1つの位置で当該トラスに係合するようなっているものである飛行する乗り物。請求項4記載の飛行する乗り物において、 前記左ウイングブラケットおよび前記右ウイングブラケットの各々は、当該ウイングブラケット上で複数のラッチを支持し、 前記複数のラッチの各々は前記ヒンジから離間され、且つ垂直方向に配置されており、各ラッチ上には一対の支柱があり、当該支柱の一方は上方へ延出し、当該支柱の他方は下方へ延出するものであり、 前記トラスは、前記ラッチの前記一対の支柱と選択的に位置合わせ可能な穴を含み、当該穴は、前記トラスの側縁部に隣接して位置する複数の側部穴を含み、複数の前記支柱は、前記翼が前記展開位置にある場合、前記トラスの前記側部穴に係合するものである 飛行する乗り物。請求項5記載の飛行する乗り物において、前記ラッチの前記支柱は、手動で作動されて前記トラスの前記穴に係合および係合解除するものである飛行する乗り物。請求項5記載の飛行する乗り物において、前記ラッチの前記支柱は、自動的に作動されて前記トラスの前記穴に係合および係合解除するものである飛行する乗り物。

说明书全文

以下の発明は飛行する乗り物(flying vehicle)に関し、特に、飛行中翼が固定される飛行機(airplane)タイプの乗り物に関する。より具体的には、本発明は、飛行中、翼が固定状態になる飛行機であって、翼を使用していないときは展開位置(deployed position)から引き込み位置(retracted position)に翼を移動させる飛行機に関し、それにより、例えば、当該乗り物が道路車両として使用可能になる。

飛行自動車は何世代にもわたり想像をかきたててきたが、いまだ実施可能なものは実現されていない。現在、自動車は、構造と材料の改善により軽量化が進んでいるが、安全性および排出ガス規制のため、同様なサイズの飛行機より重くならざるを得ない。適切な飛行特性を兼ね備えた自動車の製造は、困難な作業のように思われる。モーターサイクル(motorcycle)の構造と重量は、飛行する乗り物または空陸両用の乗り物に比較的適しているため、本明細書では三輪アプローチで説明する。

陸上での運転中、翼は弊害をもたらす。翼は揚を生じるため、陸上車を不要に不安定化させる。翼は非常に損傷しやすい。また、陸上車の路上車線は有翼車には狭すぎる。そのため、翼は、展開された飛行用位置と引き込まれた陸上移動用位置との間で移行させることが望ましい。蝶着された翼には、特に飛行機格納用に多くの例が存在する。そのような初期設計の多くは、第二次世界大戦中に航空母艦運用のため考案されている。その一例が米海軍のコルセアである。

上記以降の別の例としては、F−111、トムキャット、Terrafugia社製品を含む軍用機および非軍用機に見られる。トムキャットおよびF−111の翼は枢動式であったが、コルセアおよびTerrafugiaの翼は折り畳み式であった。これら各々が有するヒンジ機構は、飛行中に翼から著しい荷重がかかるため、非常に頑健でなければならない。また、F−111とトムキャットの枢動翼には保守整備に関する問題もある。 この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。 (先行技術文献) (特許文献) (特許文献1) 米国特許第4,212,441号明細書 (特許文献2) 米国特許第4,703,905号明細書 (特許文献3) 米国特許出願公開第2004/0026564号明細書 (特許文献4) 米国特許第5,192,037号明細書

本発明は、翼が引き込み位置から展開位置へ枢動して張り出せるようにする翼ヒンジ機構を有し、且つ飛行中に、翼荷重を生じさせる主な力が前記ヒンジに対してかからないようにする特徴的構成を有する。これにより、飛行する乗り物にとり重要な点として前記ヒンジを相当小型軽量に保つことが可能になり、通常であれば使用中翼荷重がかかるヒンジに対して付加的な保守整備が不要になる。

本発明により、一対の翼を有する乗り物の構成が提供され、前記一対の翼は、当該乗り物のフレームに内設された中央トラスに対してヒンジを中心に枢動する。前記乗り物は、特定の状況で引き込み自在な翼を有することによって利点がある任意の形態の飛行する乗り物であってよいが、好適な実施形態は、三輪の乗り物(すなわち、モーターサイクル)として構成される場合、飛行モードと運転モード間で変換可能な乗り物の形態をとる。

前記蝶着された翼構造は、全般的に、中央トラスと、左ヒンジと、右ヒンジと、左翼および右翼に連結されたウイングブラケットとを含む。この実施形態において、前記トラスは、全体として実質的に平行な2枚のプレートの形態をしている。各プレートは、前記トラス全体に張力および圧縮荷重を伝達する構造部材としての別個のリブで形成される。前記トラスの主な目的は、翼荷重が前記翼から当該トラスに直接伝達されるようにし、著しい荷重が前記ヒンジを通じて伝達されないようにすることである。これにより、前記ヒンジおよび当該ヒンジに直接隣接する前記トラス構造のサイズおよび頑健性を最適化できる。

前記蝶着された翼機構のもう1つの重要な特徴は、展開位置にあるとき側方向に延長する当該翼を可能な限り長くしながら、格納位置にあるとき格納する必要がある当該翼の長さを最小限に抑えやすくして、当該翼が完全に前記乗り物の外殻の全体的外形内に嵌合できるようにし、当該乗り物を最低限のサイズに保つことである。このような長さ最適化に対応するため、前記ヒンジ点は、前記中央トラスの前記左および右側縁部の最も外側の後部に設けられることが好ましい。そのような構成では、前記翼の翼弦幅が前記ヒンジ点の内側に収容される。そのため、前記翼は側方へ延出し、翼端から翼端までの前記乗り物の全体的な幅は、前記左翼の全長に前記右翼の全長および前記中央トラスの全長を加えたものと実質的に同様である。格納時、前記左翼と前記右翼と前記中央トラスとを含むアセンブリ全体の長さは、前記左翼(または前記右翼)の先端からヒンジまでの長さのみと実質的に等しくなる。一例として、前記トラスが5フィート幅、各翼の翼弦幅が2.5フィートで長さが125フィート、前記一対の翼の翼端から翼端までの幅が30フィートの場合、当該翼は125フィートの格納パッケージに折り畳まれ、当該乗り物本体部の外形内に格納可能である。

このように、展開位置と折り畳み位置間で移行可能な翼を有する乗り物が提供され、当該乗り物は、その翼が折り畳み位置にあるとき標準的な駐車スペース内、例えば車両全長が約20フィート以下のものに収めることができる。ただし、前記翼が展開されたとき、それらの翼は、このサイズの乗り物および最大積載量、例えば2人乗り民間航空機で一般に見られるものと同様な典型的体重の乗員2人およびそれに伴う少量貨物に必要な揚力をもたらす上で十分な長さおよび他のサイズ特徴を有する。

前記翼に連結する各ヒンジ部分は、各翼の先端と反対側の端部に連結されたウイングブラケットと連動することが好ましい。これらのウイングブラケットおよびそれに隣接した前記翼の部分は、前記中央トラスの前記2枚の平行なプレート間に収納される。これらのウイングブラケットは前記トラスとは別個の要素で作製され、当該要素は、前記翼から前記中央トラスへ荷重を効果的に伝達するよう構成される。これらの荷重は、垂直方向に作用する揚力荷重と、その反対にやはり垂直方向に作用する重力荷重とを含む。

このヒンジ継手を経由する他の荷重としては、一般に前部および後部の方向に作用する抗力荷重および乗り物の推進系加速荷重などがある。他の荷重、例えば乱流または高等飛行操縦に誘導されるものは、他の方向へ作用して直線的荷重または種々の回転軸に関するねじり荷重となる可能性があり、それらはすべて前記翼から前記ウイングブラケットへ、そして前記中央トラスへと効果的に伝達され、実際のヒンジ継手自体にかかる荷重とそれに伴うひずみが最低限に抑えられる。前記ウイングブラケットは、それに伴う翼の空気力学的外面の内側へ必要に応じて側方向に延入して、前記翼から前記ウイングブラケットへ効果的に荷重を伝えることができる。

ラッチ機構も設けられ、翼の開位置と翼の閉位置または格納位置との間で本発明の一実施形態をロックするよう構成される。任意選択的にアクチュエータを設け、前記ウイングブラケットと前記トラス間の穴または他の構造に係合するようラッチを調整することもできる。本明細書で示す例示的な実施形態では、ラッチが4つ1セットとして設けられて前記ウイングブラケットに固定され、前記トラスに対して2つの別個の位置で調整可能に係合および係合解除して、展開または引き込み翼構成での確実な取り付けを実現する。それらのラッチは、前記ヒンジから離間されて前記ヒンジにかかる応力を最小限に抑え、1つのセットとして設けられて、応力集中を生じることなく荷重を前記トラスへ均等に分散させる。

図1は、枢動自在な態様で翼を飛行する乗り物に確実に取り付ける本発明のトラスの斜視図であり、前記翼は展開構成で示されている。

図2は、図1に示したものと同様な斜視図であるが、前記翼は引き込み位置で示されている。

図3は、図2に示したものと同様な斜視図であるが、飛行する乗り物の全体的外形も示しており、翼が当該乗り物の外形内にいかに完全に引き込まれるかを例示している。

図4は、図3に示したものと同様な斜視図であるが、前記翼が展開されている。

図5は、図1および2の前記トラスの左端部と、当該トラスに枢着された左翼の部分との上面図であり、前記翼は前記トラスに対して引き込まれた配向で示されており、前記トラスは破線で示されている。

図6は、図5に示したものと同様な上面図であるが、前記翼が展開された配向にある。

図7は、図5に示したものの斜視図であり、トラスおよび翼構造の双方は実線で示され(構造が隠された箇所は破線で示されている)、前記トラスの上部プレートが除外されて、ウイングブラケットおよびヒンジアセンブリの細部を見やすくし、また前記左翼を前記トラスの左側縁部に対して連結し、枢動を容易にし、固定するラッチアセンブリの細部も見やすくしている。

図8は、図7に示したものと同様な斜視図であるが、前記翼が展開された構成にある。

図9は、図1の前記トラスの左端部および前記左翼の部分の斜視分解図であり、前記左翼を前記トラス左側縁部に枢動自在に取り付けて固定する前記ウイングブラケットとヒンジアセンブリとラッチアセンブリを有する種々の部分を例示し、前記翼は展開された配向にある。

図10は、図9に示したものと同様な斜視分解図であるが、前記翼が引き込まれている。

図11は、本発明のウイングブラケット部分の斜視図であり、本発明のヒンジアセンブリは前記ウイングブラケットから分解された状態で示されている。

図12は、前記ウイングブラケットだけを図11と逆の度から示した斜視図である。

図13は、図1に示したトラスの代替実施形態の斜視図であり、当該トラスの上部プレートおよび底部プレートを一体的に接合する中央プレートを含む。

図14は、図1に示したトラスのさらに別の代替実施形態の斜視図であり、この代替実施形態は当該トラスの上部プレートおよび底部プレートを一体的に接合する後部プレートを備えている。

図15は、本明細書で図示された本発明の諸実施形態の前記トラスおよび翼を利用できる乗り物の斜視図である。

図面を参照すると、種々の図面全体にわたり同様な参照番号が同様な部分(部品)を表しており、参照番号10(図1〜4)は、飛行する乗り物1の左翼6および右翼8を枢動自在に支持するトラスを示している。このトラス10は、前記翼6、8が展開されている場合、当該翼からの荷重を前記乗り物1のフレームおよび本体部に伝達する。また、前記トラス10は、例えば、前記翼6、8が引き込まれて前記乗り物1が1つの動作実施形態において無翼の道路車両として動作する場合、当該トラス10および当該トラスに付随する前記乗り物1の本体部分に対する前記翼6、8の枢動を容易にする。

本質的に、また特に図1および2を参照して、前記トラス10の基本細部と、前記翼6、8を当該トラス10に連結する付随構造とは、例示的な一実施形態に基づいて説明されている。このトラス10は、少なくとも1枚のプレート、通常は一対のプレートを含み、当該プレートは間隔をおいて互いに離間された上部プレート12と、底部プレート14とを含む。各翼6、8は、当該トラス10に隣接する各翼6、8の部分に固定されたウイングブラケット20を有する。これらのウイングブラケット20は一対のヒンジアセンブリ30と連動しており、それにより、当該ウイングブラケット20と当該ウイングブラケットに連結した翼6、8が、前記トラス10に対して枢動できるようになっている。個別のラッチアセンブリ40も設けられ、前記ウイングブラケット20が前記トラス10に着脱自在に取り付けおよび固定されて、前記翼6、8と前記トラス10との間の荷重の大部分が前記ヒンジアセンブリ30にかかることなく、むしろ前記ラッチアセンブリ40を通じて直接前記ウイングブラケット20から前記トラス10、および当該乗り物の他の部分にかかるようになる。

より具体的には、特に図3、4、および15を参照して、本発明の前記トラス10と当該トラスに連結された翼6、8を併用する例示的な乗り物1の基本細部は、この例示的な実施形態に基づいて説明されている。当該乗り物1には、前部(fore)2およびその反対側の後部(aft)4が含まれる。前記トラス10は、その側方延長部を画成する側縁部18が、当該乗り物1の前記前部2の端部から当該乗り物1の前記後部4の端部へ向って延長する当該乗り物1の中心線CL(図5〜8)を横断する方向に配置される。

当該乗り物1は多種多様な構成を有することができるが、好適な一実施形態ではエンジンが当該乗り物の駆動力を提供し、このエンジンは当該乗り物1の前記後部4に隣接して位置する。当該乗り物1の前記前部2は複数の区画を含む機首を画成し、例えば当該乗り物1を路上運転する際、前記翼6、8をその引き込み位置にして前記区画内に格納できる。当該乗り物1は、通常、当該乗り物1の路上運転を可能にする適切な車輪を含み、これらの車輪には通常、前記後部4における一対の車輪と、前記前部2における単一の中央車輪とが含まれる。当該乗り物1の幅は、前記翼6、8を互いに隣接させて当該乗り物1の外形内に完全に収納できるように前記翼の翼弦長の2倍を超える。あるいは、本発明の最適な実施形態よりは劣るが、前記翼6、8を引き込み時わずかに重ね合わせ、または前記翼6、8を当該乗り物1の外形からわずかに突出させることもできる。

前記乗り物1には、通常、方向および垂直安定板を含む制御面も含まれ、これらは、当該乗り物1の前記後部4に隣接した尾翼に設置されることが好ましい。この尾翼は、本発明の一実施形態において、前記後部4から実質的に平方向に後方へ(および任意選択的に上方へも)入れ子式に展開できる。前記翼6、8が前記乗り物1の外形内に引き込まれているときは、ドアが当該翼6、8を覆うことが好ましい。これらのドアは、前記翼6、8の動きと相対的に自動的に枢動して開閉し、または手動で若しくは自動的に開閉する枢動ドアであってよい。また、この乗り物用の機室は、通常、当該乗り物の前記前部2と前記後部4との間の部分であって、通常、前記トラス10の上部前方に設けられる。

特に図1および2を参照すると、この例示的な実施形態に基づき、前記トラス10の基本細部が説明されている。前記トラス10は剛構造であり、前記翼6、8を前記乗り物1に枢動自在に取り付け、且つ前記翼6、8の荷重の大部分が前記ヒンジアセンブリ30以外の構造を通じて伝達される形で前記翼6、8の荷重を前記乗り物1に伝える一般的な機能を提供する。また、前記トラス10は前記ヒンジ30から離間されたウイングブラケット20およびラッチアセンブリ40の形態で提供されることが最も好ましい。この例示的な実施形態において、前記トラス10は、実質的に平面状の底部プレート14と実質的に平行且つ当該底部プレート14から離間された、実質的に平面状の上部プレート12を含む。各プレート12、14は、前記トラス10の後縁部全体を画成する後縁部16を有する。これらの後縁部16は、後部トラスプレート(図14参照)などで一体的に固定できる。各前記プレート12、14は、当該プレート12、14の左右側縁部18にある側縁部18も含む。これらの側縁部19は、前記トラス10の幅を画成する距離だけ離間される。この幅は、前記翼の翼弦の2倍に近いことが好ましい。

各前記プレート12、14は、その内部を貫通するヒンジ穴13を含み、当該ヒンジ穴13は、その内部に前記ヒンジアセンブリ30の部分を受容する。前記プレート12、14は、複数のリブ15および開孔を含むことが最も好ましい。前記リブ15は、前記プレート12、14に構造的強度をもたらす一方、前記開孔は、前記トラス10の重量全体を最小限に抑える。これらリブ15のパターンは種々可能であるが、図1および2に示すパターンと類似したものが最も好ましい。前記プレート12、14は、翼6、8の厚さと近似しているがその厚さを超える間隔の高さだけを離間されており、それにより、当該間隔内に前記翼6、8を少なくとも部分的に引き込むことが可能となる。

前記プレート12、14は、前記後縁部16に隣接した後部穴17と、前記側縁部18に隣接した側部穴19とを含むことが好ましい。前記後部穴17は、単一の穴として前記上部プレート12に、また単一の穴として前記底部プレート14に設けられ、前記プレート12、14の各側部で中心線CLの反対側に位置することが好ましい(図5〜8)。これに対し、側部穴19は、前記後部穴17より多く前記上部プレート12および底部プレート14の前記側縁部18に隣接して内設されることが好ましい。最も好適な一実施形態では、そのような4つの側部穴19が、プレート12、14で各々の側縁部18に隣接して内設される。

前記単一の後部穴17の一対は、前記ラッチアセンブリ40と相互作用して前記翼6、8を各々の引き込み位置に保つ。引き込み位置において前記翼6、8にかかる力は低いため、この実施形態で当該翼6、8を前記引き込み位置に保つには、後部穴17が一対のみ前記プレート12、14に必要とされる。これに対し、側部穴19は、前記後部穴17より多く、好ましくは4つ、前記トラス10の各前記上部プレート12、14の各側縁部に内設される。これら各側部穴19は、別個のラッチアセンブリ40およびウイングブラケット20のラッチ穴26と結合して、前記ラッチアセンブリ40の作動可能な支柱(post)48はこれらの穴26を貫通して前記側部穴19の中へ延長され、これにより、前記翼6、8は前記ヒンジアセンブリ30によってではなく前記ラッチアセンブリ40により前記トラス10に固定される。

より多数の側部穴19を提供し、これらの側部穴19を前記ヒンジ穴13から離間することにより、前記翼6、8は展開時の飛行荷重を前記トラス10の種々の別個の点に伝達できる。互いに分離されたこれら別個の点は、応力集中を防ぐだけでなく、前記ヒンジアセンブリ30からも離間されている。このような複数の側部穴19とそれに伴う複数のラッチアセンブリ40を設けると荷重が分散されるため、各ラッチアセンブリ40をさほど頑健にする必要がなくなる一方、ラッチの信頼性に冗長性に提供することができる。前記ヒンジ穴13から距離を置くことにより、前記ヒンジアセンブリ30から離間された位置に力が伝達されるため、前記翼6、8から前記ヒンジアセンブリ30経由で前記トラス10に伝達される力を最低限に抑えることが可能になる。

特に図9〜12を参照すると、最も好適な一実施形態に基づき、前記ウイングブラケット20およびヒンジアセンブリ30の基本細部が説明されている。前記ウイングブラケット20は、前記翼6、8に強固に固定されて前記トラス10に枢動自在に取り付け可能な部分を各翼6、8に形成する。これにより、これらのブラケット20は、前記翼6、8を前記トラス10および前記乗り物1のフレームに枢動自在に連結する手段の少なくとも一部を提供する。図面では、一対のウイングブラケット20のうち前記左翼6に使用する左側のものを詳しく示している。前記右翼に対応するウイングブラケットも提供され、そちらは図のウイングブラケット20の鏡像となる。

前記ウイングブラケット20は、前記左翼6に強固に固定されるよう構成された剛構造である。このウイングブラケット20は、前記翼6に組み込むことができ、または前記翼6に取り付け可能な別個の構造とすることができる。この実施形態の前記ウイングブラケット20は前記左翼6とは別個のものであるが、当該左翼6に強固に固定される。前記ウイングブラケット20はエンドプレート23に実質的に垂直方向に配置されたベースプレート22を含み、前記ベースプレート22およびエンドプレート23の幅だけ離間された上側プレート24と下側プレート25とを有し、これら上側プレート24および下側プレート25は互いに略平行である。

これらの上側および下側プレート24、25の外形は、図面に示したものと同様に、前記翼6、8の厚さと同様な高さを有することが好ましく、それにより、前記ウイングブラケット20が前記トラス10の前記プレート12、14間の間隙に嵌合することが可能となる。前記ウイングブラケット20は、多数のラッチ穴26を設けやすくする特定の幾何学的構造を有する前記上側プレート24および前記下側プレート25とともに構成されるが、その場合、前記ラッチ穴26はすべて一直線上にあるわけではなく、前記ラッチ穴26のうち前記ヒンジアセンブリ30から最も遠い一端にある少なくとも1つは、その他3つのラッチ穴26が設けられた平面の外側にある。

インターフェースプレート27は前記ベースプレート22に隣接して設けられることが好ましく、前記ウイングブラケット20と、前記翼6の部分とに取り付け可能な別個の構造を提供することにより、荷重を分散させて前記左翼6を前記ウイングブラケット20に固定する。前記上側および下側プレート24、25の各々の一端部には、穴29が設けられた枢動ローブ(丸い突出部)28が含まれる。各プレート12、14における当該穴29は、前記ヒンジアセンブリ30の軸棒32が配置される円柱形の逃げ(recess)を画成する。前記軸棒32は、端部33とそれに隣接した溝34を含むことが好ましい。前記軸棒32の外面にかぶせるスリーブ35は、前記トラス10の前記プレート12、14が互いに近づきすぎないように距離を保ち、また前記翼6、8が前記プレート12、14間の間隙内外へ移動するのを遮るスタンドオフ機能を提供する。

前記ヒンジ30アセンブリには、各枢動ローブ28内に形成された前記穴29が含まれる。この穴29は、これに実質的に垂直方向に挿通される前記軸棒32を受容する。前記軸棒32の端部33は、ロックリング38を受容できる水平方向の溝34を含むことが好ましい。また、前記ロックリング38と前記枢動ローブ28との間にはワッシャ36が設置され、これにより各ヒンジアセンブリ30の構造が完成する。前記スリーブ35は、前記トラス10の前記プレート12、14間で前記軸棒32を覆う。この単純なヒンジアセンブリ30は、当該ヒンジアセンブリ30経由ではなくラッチアセンブリ40経由で前記翼6、8と前記トラス10間の翼荷重を伝達させて、単純に保つことが好ましい。

前記翼6、8は、それに対して実質的に垂直方向の軸であって、各ヒンジアセンブリ30の前記軸棒32を貫通する軸を中心に枢動する。この枢軸は実質的に垂直であるが、実際には内方および前方へわずかに傾斜させることにより、前記翼6、8が展開時に上反角(または下反角)を呈し、引き込み時には水平になるようにすることが好ましい。一実施形態において、この実質的に垂直からわずかに傾斜した配向は垂直方向から内側へ(互いに向かって)6〜8度、垂直方向から前方へ6〜8度で、6〜8度の上反角を前記翼6、8にもたらす。

特に図9〜11を参照すると、この例示的な実施形態に基づき、前記ラッチアセンブリ40の具体的な細部が説明されている。前記ラッチアセンブリ40は一体化できるが、この実施形態では別個に単離された構造で、前記ウイングブラケット20とそれに伴う翼6、8を前記トラス10の部分に選択的にラッチさせるように配置されている。各ラッチアセンブリ40に含まれる取り付け用プレート42は、この実施形態において、固定部材44により当該ラッチアセンブリ40が前記ウイングブラケット20に取り付けられるように構成され、最も具体的には、前記ウイングブラケット20の前記ベースプレート22に取り付けられるように構成される。

各ラッチアセンブリ40に含まれる円柱形本体部46は、実質的に垂直方向に延長し、前記ウイングブラケット20の前記上側プレート24と下側プレート25間の距離と同様な高さを有する。これらのラッチアセンブリ40は、前記ウイングブラケット20の前記ラッチ穴26に直接位置合わせされ配置される。

作動状態の支柱48は前記円柱形本体部46の上端から下端へ、そして前記ウイングブラケット20の前記ラッチ穴26を通じて延長する。前記支柱48は、(図7および8の矢印CおよびDに沿って)上下に動く。このような動きは、手動または自動で可能である。自動の場合、一実施形態では、前記円柱形本体部46がソレノイドとして構成される。適切な電気信号が前記アセンブリに送られると、前記支柱は前記ラッチアセンブリの係合されるべき状態、あるいは係合解除されるべき状態に応じて上下に動く。代替態様として、前記ラッチアセンブリは手動で作動でき、そのような手動作動は、前記支柱48に伴うレバーまたは他の機構をスライドさせることにより起こる。

必要に応じて、前記支柱48を動かす力を加えるバネまたは他の要素により、前記支柱48を動かす補助的な力を提供できる。これらの支柱48は、側部穴19または前記後部穴17を含む前記トラス10の穴の中へ移動する。前記翼6、8が各々の展開構成に固定されると、前記側部穴19に前記支柱48が係合する。前記ウイングブラケット20の部分を前記プレート12、14の前記側部穴19を通じて前記トラス10の前記側縁部18に係合させる上で、4本の支柱48すべてが使用されることが好ましい。前記翼が各々の引き込み位置にある場合は、前記支柱48の1つだけが使用され動かされ、前記トラス10の前記後部穴17に係合し、前記翼6、8を各々の引き込み位置に固定する。引き込まれた前記翼6、8には大きな荷重がかからないため、任意選択的に前記後部穴17を省いて、前記翼6、8の先端または他の部分に係合する前記前部2付近の構造により、当該翼6、8を各々の引き込み位置に固定することもできる。

望ましい場合は、センサーを前記支柱48およびラッチアセンブリ40全体に関連付けて、そのセンサーにより、前記支柱48をすべて確実に前記トラス10の穴に係合させ、前記翼6、8が各々の展開位置で前記トラス10に十分にロックされるようにできる。このシステムは、コックピット内ディスプレイ(表示装置)の表示灯で統合でき、それらの表示灯により前記ラッチアセンブリ40のステータスが示される。

これらの支柱は、必要に応じて完全に円柱形であってよい。前記後部穴17および側部穴19を含む前記トラス10の前記穴に前記支柱48が嵌合できるように公差を提供してもよい。別の代替態様としては、前記支柱48にある程度のテーパーをかけることにより、前記側部穴19または後部穴17の表面との干渉が生じるまで、前記支柱48が延出できるようにできる。そのようなテーパーを設けると公差が不要になり、確実な嵌合が常に実現される。前記支柱48の公差決定および幾何学的構成の組み合わせをいくつか適切に選択すると、当該支柱48の確実な取り付けおよび利便性の高い動きを最適化でき、当該支柱48の確実な取り付けの利点および利便性の高い動きの利点を実現できる。

図13は代替トラス110を示しており、この代替トラス110は、図1〜4の前記トラス10と同様であるが、前記上部プレート12および底部プレート14を一体的に接合する中央プレート150を独自に含む点で異なる。このような中央プレート150は前記トラス110に剛性を加えるもので、必要に応じて当該トラス10に追加できる。このプレート150は、前記トラスに間隙を開いた状態で保ってその内部に翼6、8を配置できるように中心線に沿って配置される。

図14は代替トラス210を示したもので、この代替トラス210は、後縁部を一体的に接合する後部プレート250を独自に含む。この後部プレート250は、この実施形態において、この後部プレート250に強度をもたらすとともに重量を最小限に抑えるリブ255を備えている。

前記代替トラス110の前記中央プレート150(図15)を、前記代替トラス210とそれに伴う後部プレート250と組み合わせ、これらの構造を本発明の一形態で図1〜4の前記トラス10に統合すると、前記トラス10の前記プレート12、14を一体として強固に保持でき、当該プレート12、14が、前記翼6、8と、前記トラス10の取り付け先である前記乗り物1のフレームとの間で荷重を伝達中、変形しないようにできる。そのような前記トラス10と前記乗り物1間のフレーム取り付けは、当該トラス10の多種多様な部分で可能であるが、前記翼6、8の動きと干渉しないようにすることが前提である。一実施形態において、前記トラス10は、前記乗り物と別個の構造としてではなく、当該乗り物のフレーム全体に一体化される。

幾何学的観点から、前記トラス10は、前記翼6、8の翼弦長より略2倍幅広の平面形状寸法を有する。これにより、前記翼6、8は引き込み時、前記間隙内に嵌合可能となる。前記トラス10は、前記翼6、8が前記間隙に嵌合できるように、当該翼の厚さと同様な高さを有する。前記乗り物1は、当該乗り物1の重心に近い前記トラス10の位置から、前記前部2aへ向かって前方へ各前記翼6、8の長さと同様な距離だけ延長する。前記トラスの後方側部角において前記翼6、8の後端部を当該トラス10に蝶着することにより、前記翼6、8の前方への延長が最低限に保たれるため、当該翼6、8の長さを最大限に伸ばしながら、前記トラス10からの寄与による乗り物長を最小限に抑えることができる。

本開示は、本発明を実施するための好適な実施形態および最良の形態を示す目的で提供するものである。以上、本発明について説明したが、前記好適な実施形態には、本発明の開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の異なる変更(修正)形態が可能であることを明確に理解すべきである。機能を実施する手段として何らかの構造を特定した場合、その特定内容は、指定された機能を実行できるすべての構造を含むよう意図されている。一体的に連結されたものとして本発明の構造を特定する場合、そのような表現は、直接一体的に連結され若しくは介設された構造により一体的に連結された構造を含むものとして広義に解釈されるべきである。そのような連結は、別段の制約がない限り、永続的なものであっても一時的なものであってもよく、また固定された態様であっても、あるいは何らかの取り付け形態を保ちながら枢動、スライド、またはその他の相対運動を可能にする態様であってもよい。

本発明は、翼を部分的または全体的に本体部から離れる方向へ枢動させる翼のヒンジおよびトラスを提供することにより、前記乗り物の本体部に対して前記翼を展開し若しくは引き込む点で、産業上の利用可能性を提供する。

本発明の別の目的は、本体部から離れる方向へ翼を枢動させ、且つ前記翼荷重の大部分を前記ヒンジから遠ざけるように当該乗り物に伝達する形で前記翼を前記本体部にロックすることである。

本発明の別の目的は、既存の技術水準における枢動翼より翼幅を長くした引き込み自在な翼を提供することである。

本発明の別の目的は、乗り物の翼から中央トラスへ荷重を伝達する方法および装置を提供することである。

本発明の別の目的は、ヒンジで蝶着された翼であって、前記ヒンジにかかる翼荷重が最低限に抑えられる翼を提供することである。

本発明の別の目的は、展開された構成から引き込まれた構成にすばやく移行する翼を有する乗り物を提供することである。

産業上の利用可能性を実証する本発明のその他の目的は、本明細書に含まれた詳細な説明を注意深く読み、添付の図面を参照し、また添付の特許請求の範囲を検討することにより明確に理解されるであろう。

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