航空車両のための経路に基づく発電制御

申请号 JP2016541119 申请日 2014-10-20 公开(公告)号 JP6185180B2 公开(公告)日 2017-08-23
申请人 エックス デベロップメント エルエルシー; 发明人 ジェンセン,ケネス; ヴァンダー リンド,デーモン;
摘要
权利要求

航空車両を、電を生成するように横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作させるステップであって、前記第1の飛行経路がテザーによって制約され、前記テザーが前記テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものであり、前記航空車両が前記テザーを介して地上局に連結され、前記第1の飛行経路が実質的に前記テザー球上にあり、かつ前記第1の飛行経路が前記航空車両が前記電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含む、ステップと、 前記航空車両が横風飛行配向にある間に、 前記航空車両によって生成されている電力を低減することを決定するステップと、 前記決定に応答して異なる第2の飛行経路を決定するステップであって、前記異なる第2の飛行経路が、前記第2の飛行経路上で動作するときに前記航空車両によって生成される前記電力を低減するものであり、前記異なる第2の飛行経路が実質的に前記テザー球上にある、ステップと、 前記航空車両を前記異なる第2の飛行経路に実質的に沿って動作させるステップと、 を含む、方法。前記航空車両によって生成されている前記電力を低減することを決定するステップが、前記航空車両の構成要素の温度に基づいて、生成されている前記電力を低減することを決定することを含む、請求項1に記載の方法。前記航空車両によって生成されている前記電力を低減することを決定するステップが、前記航空車両によって生成されている前記電力が前記航空車両の構成要素の定格電力より大きいと判定することを含み、前記構成要素の前記定格電力が前記航空車両の前記構成要素の最大電力を画定する、請求項1に記載の方法。前記異なる第2の飛行経路を決定するステップであって、前記異なる第2の飛行経路が、前記異なる第2の飛行経路上で動作するときに前記航空車両によって生成される前記電力を低減するものである、ステップが、 前記航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定するステップであって、前記航空車両に加えられている前記見かけの風流が安定した追い風の気流を含み、前記風速が風速しきい値を超えている、ステップと、 前記航空車両に加えられている前記見かけの風流の前記風速に基づいて、前記異なる第2の飛行経路を決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。第1の軸が前記飛行経路と交差し、第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第1の軸が前記地上局から延び、かつ前記第1の軸が前記地上局が固定されている地面と実質的に平行に配向され、前記第1の飛行経路が前記地上局の実質的に風下に配向され、 前記第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第2の軸が前記地上局から延び、かつ前記第2の軸が前記第1の軸に対してある度をなすように配向され、前記異なる第2の飛行経路が前記地上局の実質的に風下にある状態から異なっている、請求項1に記載の方法。第1の軸が前記飛行経路と交差し、第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第1の軸が前記地上局から延び、かつ前記第1の軸が前記地上局が固定されている地面と実質的に平行に配向され、前記第1の飛行経路が前記地上局の実質的に風下に配向され、 前記異なる第2の飛行経路を決定するステップが、 前記航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定するステップであって、前記航空車両に加えられている前記見かけの風流が安定した追い風の気流を含み、前記風速が風速しきい値を超えている、ステップと、 前記決定に基づいて変化角を決定するステップと、 前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして異なるように、前記第2の軸を異ならせるステップと、を含む、請求項1に記載の方法。前記第2の軸を異ならせるステップが、前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして前記第1の軸の左へ配向されるように前記第2の軸を異ならせることを含む、請求項6に記載の方法。前記第2の軸を異ならせるステップが、前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして前記第1の軸の右へ配向されるように前記第2の軸を異ならせることを含む、請求項6に記載の方法。前記第2の軸を異ならせるステップが、前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして前記第1の軸の下方へ配向されるように前記第2の軸を異ならせることを含む、請求項6に記載の方法。前記第2の軸を異ならせるステップが、前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして前記第1の軸の上方へ配向されるように前記第2の軸を異ならせることを含む、請求項6に記載の方法。地上局に連結されたテザーと、 前記テザーに連結された航空車両であって、前記航空車両が横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作して電力を生成するように構成され、前記第1の飛行経路がテザーによって制約され、前記テザーが前記テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものであり、前記第1の飛行経路が実質的に前記テザー球上にあり、かつ前記第1の飛行経路が前記航空車両が前記電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含む、航空車両と、 制御システムであって、 前記航空車両によって生成されている前記電力を低減することを決定し、 前記決定に応答して異なる第2の飛行経路を決定し、 前記航空車両を前記異なる第2の飛行経路に実質的に沿って動作させる ように構成され、前記異なる第2の飛行経路が、前記第2の飛行経路上で動作するときに前記航空車両によって生成される前記電力を低減するものであり、前記異なる第2の飛行経路が実質的に前記テザー球上にある、制御システムと、 を含む、システム。前記制御システムが、前記航空車両の構成要素の温度に基づいて、生成されている前記電力を低減することを決定するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。前記制御システムが、前記航空車両によって生成されている前記電力が前記航空車両の定格電力より大きいと判定するようにさらに構成され、前記航空車両の前記定格電力が前記航空車両の最大電力を画定する、請求項11に記載のシステム。前記制御システムが、 前記航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定し、 前記航空車両の前記見かけの風流の前記風速に基づいて前記異なる第2の飛行経路を決定する ようにさらに構成され、前記航空車両に加えられている前記見かけの風流が安定した追い風の気流を含み、前記風速が風速しきい値を超えている、請求項11に記載のシステム。第1の軸が前記飛行経路と交差し、第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第1の軸が前記地上局から延び、かつ前記第1の軸が前記地上局が固定されている地面と実質的に平行に配向され、前記第1の飛行経路が前記地上局の実質的に風下に配向され、 前記第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第2の軸が前記地上局から延び、かつ前記第2の軸が前記第1の軸に対してある角度をなすように配向され、前記異なる第2の飛行経路が前記地上局の実質的に風下にある状態から異なっている、請求項11に記載のシステム。第1の軸が前記飛行経路と交差し、第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第1の軸が前記地上局から延び、かつ前記第1の軸が前記地上局が固定されている地面と実質的に平行に配向され、前記第1の飛行経路が前記地上局の実質的に風下に配向され、 前記制御システムが、 前記航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定し、 前記決定に基づいて変化角を決定し、 前記第2の軸が前記第1の軸に対して前記変化角をなして異なるように、前記第2の軸を異ならせる ようにさらに構成され、前記航空車両に加えられている前記見かけの風流が安定した追い風の気流を含み、前記風速が風速しきい値を超えている、請求項15に記載のシステム。地上局に連結されたテザーと、 前記テザーに連結された航空車両であって、前記航空車両が横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作して電力を生成するように構成され、前記第1の飛行経路がテザーによって制約され、前記テザーが前記テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものであり、前記第1の飛行経路が実質的に前記テザー球上にあり、かつ前記第1の飛行経路が前記航空車両が前記電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含む、航空車両と、 制御システムであって、 前記航空車両によって生成されている前記電力が、前記航空車両の最大電力を画定する前記航空車両の定格電力より大きいと判定し、 前記判定に応答して異なる第2の飛行経路を決定する ように構成され、前記異なる第2の飛行経路が、前記異なる第2の飛行経路上で動作するときに前記航空車両によって生成される前記電力を低減するものであり、前記異なる第2の飛行経路が実質的に前記テザー球上にある、制御システムと、 を含む、システム。前記制御システムが、前記航空車両を前記異なる第2の飛行経路に実質的に沿って動作させるようにさらに構成される、請求項17に記載のシステム。第1の軸が前記飛行経路と交差し、第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第1の軸が前記地上局から延び、かつ前記第1の軸が前記地上局が固定されている地面と実質的に平行に配向され、前記第1の飛行経路が前記地上局の実質的に風下に配向され、 前記第2の軸が前記異なる第2の飛行経路と交差し、前記第2の軸が前記地上局から延び、かつ前記第2の軸が前記第1の軸に対してある角度をなすように配向され、前記異なる第2の飛行経路が前記地上局の実質的に風下にある状態から異なっている、請求項17に記載のシステム。前記制御システムが、 前記航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定し、 前記決定に基づいて前記角を決定する ようにさらに構成され、前記航空車両に加えられている前記見かけの風流が安定した追い風の気流を含み、前記風速が風速しきい値を超えている、請求項19に記載のシステム。

说明书全文

[0001] 本明細書で特に指示しない限り、本項に記載する内容は、本願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、本項に含まれることによって従来技術として承認されるものではない。

[0002] 発電システムは、化学的および/または機械的エネルギー(例えば運動エネルギー)を、公益事業システムなど様々な適用業務のための電気エネルギーに変換することができる。一例として、風エネルギーシステムは、風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。

[0003] 本明細書では、横風飛行配向で動作する航空車両の発電を管理する方法およびシステムについて述べる。本明細書に記載する実施形態は、動作するときに航空車両によって生成される電力を迅速に低減することによって、航空車両の構成要素の過熱を軽減する助けとなり得るため、有利である。さらに、本明細書に記載する実施形態は、航空車両が横風飛行で動作するときに電力出力の変動を低減する助けとなり得る。

[0004] 1つの態様では、方法は、航空車両を、電力を生成するように横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作させることを含み得る。第1の飛行経路はテザーによって制約されてよく、このテザーは、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものである。航空車両は、テザーを介して地上局に連結され得る。第1の飛行経路は実質的にテザー球上にあってよく、かつ航空車両が電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含んでよい。この方法は、航空車両が横風飛行配向にある間に、航空車両によって生成されている電力を低減することを決定することと、この決定に応答して異なる第2の飛行経路を決定することと、を含んでよく、この異なる第2の飛行経路は、第2の飛行経路上で動作するときに航空車両によって生成される電力を低減するものである。第2の飛行経路は、実質的にテザー球上にあってよい。この方法は、航空車両を第2の飛行経路に実質的に沿って動作させることをさらに含んでよい。

[0005] 別の態様では、システムは、地上局に連結されたテザーと、航空車両と、制御局とを含み得る。航空車両は、テザーに連結されてよい。航空車両は、横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作して電力を生成するように構成され得る。第1の飛行経路はテザーによって制約されてよく、このテザーは、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものである。第1の飛行経路は実質的にテザー球上にあってよく、かつ航空車両が電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含んでよい。制御システムは、航空車両によって生成されている電力を低減することを決定し、この決定に応答して異なる第2の飛行経路を決定するように構成されてよく、この異なる第2の飛行経路は、第2の飛行経路上で動作するときに航空車両によって生成される電力を低減するものである。第2の飛行経路は、実質的にテザー球上にあってよい。制御システムは、航空車両を第2の飛行経路に実質的に沿って動作させるように、さらに構成され得る。

[0006] 別の態様では、システムは、地上局に連結されたテザーと、テザーに連結された航空車両と、制御システムとを含み得る。航空車両は、横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作して電力を生成するように構成され得る。第1の飛行経路はテザーによって制約されてよく、このテザーは、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものである。第1の飛行経路は実質的にテザー球上にあってよく、かつ航空車両が電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含んでよい。制御システムは、航空車両によって生成されている電力が航空車両の定格電力より大きいと判定するように構成され得る。航空車両の定格電力は、航空車両の最大電力を画定し得る。制御システムは、判定に応答して異なる第2の飛行経路を決定するように構成されてもよく、この異なる第2の飛行経路は、第2の飛行経路上で動作するときに航空車両によって生成される電力を低減するものである。第2の飛行経路は、実質的にテザー球上にあってよい。

[0007] さらに別の態様では、システムは、航空車両を、電力を生成するように横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作させる手段を含み得る。第1の飛行経路はテザーによって制約されてよく、このテザーは、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものである。航空車両は、テザーを介して地上局に連結され得る。第1の飛行経路は実質的にテザー球上にあってよく、かつ航空車両が電力を生成することを可能にする実質的に円形の経路を含んでよい。システムは、航空車両が横風飛行配向にある間に、航空車両によって生成されている電力を低減することを決定し、この決定に応答して異なる第2の飛行経路を決定する手段を含んでもよく、この異なる第2の飛行経路は、第2の飛行経路上で動作するときに航空車両によって生成される電力を低減するものである。第2の飛行経路は、実質的にテザー球上にあってよい。システムは、航空車両を第2の飛行経路に実質的に沿って動作させる手段をさらに含み得る。

[0008] 上記およびその他の態様、利点および代替物は、以下の詳細な説明を適宜添付の図面を参照しながら読めば、当業者には明らかになるであろう。

[0009] 実施形態例による空中風力タービン(AWT)を示す図である。

[0010] 実施形態例によるAWTの構成要素を示す簡略ブロック図である。

[0011] 実施形態例による、航空車両がホバー飛行から横風飛行に移行する一例を示す図である。

実施形態例による、航空車両がホバー飛行から横風飛行に移行する一例を示す図である。


[0012] 実施形態例による、航空車両がテザー球内でホバー飛行から横風飛行に移行する一例を示す図である。

[0013] 実施形態例による方法を示す流れ図である。

[0014] 実施形態例による、航空車両が第1の飛行経路から第2の飛行経路に移行する一例を示す図である。

実施形態例による、航空車両が第1の飛行経路から第2の飛行経路に移行する一例を示す図である。




[0015] 本明細書では、例示的な方法およびシステムについて述べる。本明細書では、「例示的な」という言葉は、「1つの例、1つの場合、または1つの例証の役割を果たす」という意味で使用されていることを理解されたい。本明細書において「例示的な」または「例証的な」として述べられる任意の実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であるものと解釈すべきではない。さらに一般的に言えば、本明細書に記載する実施形態は、限定を意味するものではない。開示する方法およびシステムの特定の態様は、幅広い様々な構成で配列および結合することができ、それらの様々な構成は全て本明細書で企図されていることは容易に理解されるであろう。


I.概要 [0016] 例証的な実施形態は、空中風力タービン(AWT)などの風力エネルギーシステムで使用することができる航空車両に関する。特に、例証的な実施形態は、航空車両を、運動エネルギーから電気エネルギーへの変換を容易にする特定の飛行モード間で移行させる方法およびシステムに関する、またはそれらの形態を取り得る。


[0017] 背景として、AWTは、実質的に円形の経路など、ある経路で飛行して風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する航空車両を含むことができる。例証的な実施態様では、航空車両は、テザーを介して地上局に接続することができる。テザーで係留されている間、航空車両は、(i)ある範囲の仰で実質的に上記の経路に沿って飛行して地上に戻ることができ、かつ(ii)電気エネルギーをテザーを介して地上局に伝送することができる。(いくつかの実施形態では、地上局が、離陸および/または着陸のために航空車両に電気を伝送することもできる。)


[0018] AWTでは、航空車両は、発電に使える風がないときには、地上局内および/または地上局上に休止する(または止まる)ことができる。高度200メートル(m)における風速が毎秒3.5メートル(m/s)になり得るときなど、発電に使える風があるときには、地上局は、航空車両を展開する(または打ち上げる)ことができる。さらに、航空車両が展開されているが、発電に使える風がないときには、航空車両は地上局に戻ることができる。


[0019] さらに、AWTでは、航空車両は、ホバー飛行および横風飛行用に構成することができる。横風飛行は、実質的に円形の動きなど、ある動きで進行するために使用することができるので、電気エネルギーを生成するために使用される一次技術になり得る。ホバー飛行の方は、航空車両が横風飛行に備えて車両自体を準備および位置決めするために使用することができる。特に、航空車両は、少なくとも部分的にはホバー飛行に基づいて、横風飛行の位置まで上昇することもできる。さらに、航空車両は、ホバー飛行によって離陸および/または着陸することもできる。


[0020] ホバー飛行では、航空車両の主翼の翼幅は、実質的に地面と平行に配向することができ、航空車両の1つまたは複数のプロペラによって、航空車両を地面の上方でホバリングさせることができる。いくつかの実施形態では、航空車両は、ホバー飛行で垂直に上昇または下降することができる。


[0021] 横風飛行では、航空車両は、風によって実質的にある経路に沿って推進することができ、これにより、上述のように、風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。いくつかの実施形態では、航空車両の1つまたは複数のプロペラは、入射風を減速することによって電気エネルギーを生成することができる。


[0022] 航空車両は、(i)航空車両が付着風流(例えば定常流および/または無失速状態(これはエーロフォイルからの気流の分離がない状態を指すこともある))を有するとき、および(ii)テザーが引っ張られているときに、横風飛行に入ることができる。さらに、航空車両は、実質的に地上局の風下の位置で横風飛行に入ることができる。


[0023] いくつかの実施形態では、横風飛行中のテザーの張力は、ホバー飛行中のテザーの張力より大きくなり得る。例えば、横風飛行中のテザーの張力は、15キロニュートン(KN)になり得、ホバー飛行中のテザーの張力は1KNになり得る。


[0024] 上記の検討を踏まえて、航空車両は、横風飛行で電気エネルギーを生成することができ、それによりAWTが風から有用な電力を得ることを可能にし得る。航空車両は、高風速、大きな突風、乱気流、または変動する風況などの様々な環境条件の中で、電気エネルギーを生成することができる。一般的に、航空機の慣性速度、テザーの張力、およびAWTの電力出力は、風速の増大とともに増大する。しかし、時には、上述したような様々な環境条件の中では、AWTの発電のバランスを取ることが望ましい場合がある。加えて、別の時には、航空車両の構成要素の過熱を防止するために発電を低減することが望ましい場合がある。


[0025] このことを考慮し、開示される実施形態は、変動する風況(例えば、風速の増大中)において発電のバランスをとることができるか、または高風速の中で発電を低減することができる形で、AWTの航空車両を横風飛行で動作させることを可能にし得る。実施形態例では、方法は、航空車両を、電力を生成するように横風飛行配向で第1の飛行経路に実質的に沿って動作させることを含み得る。航空車両はテザーに接続されてよく、このテザーはテザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定するものであり、かつ航空車両はテザーを介して地上局に接続されてよい。航空車両が実質的にテザー球上にある第1の飛行経路に沿って横風飛行配向で動作するときに、航空車両は発電を低減する必要性を決定することができる。これに応答して、航空車両は、航空車両が横風飛行配向で動作を継続することを可能にし、かつ航空車両によって生成される電力が低減し得るように動作することを可能にする、異なる第2の飛行経路を決定することができる。したがって、上述したように、本明細書中に記載される実施形態は、動作するときに航空車両によって生成される電力を迅速に低減することによって、航空車両の構成要素の過熱を軽減する助けとなり得る。さらに、本明細書に記載される実施形態は、航空車両が横風飛行で動作するときに電力出力の変動を低減する助けとなり得る。


II.例証的なシステム A.空中風力タービン(AWT) [0026] 図1は、実施形態例によるAWT100を示す図である。具体的には、AWT100は、地上局110、テザー120、および航空車両130を含む。図1に示すように、航空車両130は、テザー120に接続することができ、テザー120は、地上局110に接続することができる。この例では、テザー120は、地上局110には地上局110上の1箇所で取り付けることができ、航空車両130には航空車両130上の2箇所で取り付けることができる。ただし、他の例では、テザー120は、地上局110および/または航空車両130の任意の部分に複数箇所で取り付けることができる。


[0027] 地上局110は、航空車両130が動作モードになるまで、航空車両130を保持および/または支持するために使用することができる。地上局110は、航空車両130を展開することが可能となるようにこのデバイスの再位置決めを可能にするように構成することもできる。さらに、地上局110は、着陸中に航空車両130を受けるように構成することもできる。地上局110は、ホバー飛行、前進飛行、横風飛行時に地上に取り付けられた状態および/またはアンカリングされた状態で航空車両130を適当に保つことができる任意の材料で形成することができる。


[0028] さらに、地上局110は、ウィンチなど、テザー120の長さを変化させることができる1つまたは複数の構成要素(図示せず)を含むことができる。例えば、航空車両130を展開するときに、この1つまたは複数の構成要素は、テザー120を繰り出す、かつ/または巻き出すように構成することができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数の構成要素は、所定の長さまでテザー120を繰り出す、かつ/または巻き出すように構成することができる。例えば、この所定の長さは、テザー120の最大長さ以下とすることができる。さらに、航空車両130が地上局110に着陸するときには、この1つまたは複数の構成要素は、テザー120を巻き取るように構成することができる。


[0029] テザー120は、航空車両130が生成した電気エネルギーを地上局110に伝送することができる。さらに、テザー120は、離陸、着陸、ホバー飛行および/または前進飛行のために航空車両130に給電するために航空車両130に電気を伝送することもできる。テザー120は、航空車両130が生成した電気エネルギーの伝送、送達および/もしくはハーネシングならびに/または航空車両130への電気の伝送を可能にし得る任意の材料を使用して、任意の形態で構築することができる。テザー120は、航空車両130が動作モードであるときに、航空車両130による1種類または複数種類の力に耐えるように構成することもできる。例えば、テザー120は、航空車両130がホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行しているときに航空車両130による1種類または複数種類の力に耐えるように構成されたコアを含むことができる。このコアは、任意の高強度ファイバで構築することができる。いくつかの例では、テザー120は、一定の長さおよび/または可変の長さを有することができる。例えば、このような例の少なくとも1つでは、テザー120は、140メートルの長さを有することがある。


[0030] 航空車両130は、実質的に経路150に沿って飛行して電気エネルギーを生成するように構成することができる。本開示で使用する「実質的に沿って」という表現は、厳密に沿っている状態、および/または厳密に沿っている状態から、本明細書で述べる電気エネルギーの生成および/または本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0031] 航空車両130は、特に、凧、ヘリコプタ、翼および/または飛行機など、様々なタイプのデバイスを含む、またはそれらの形態をとることができる。航空車両130は、金属、プラスチックおよび/またはその他のポリマーの固体構造で形成することができる。航空車両130は、高いスラスト重量比および公益事業分野で使用することができる電気エネルギーの生成を可能にする任意の材料で形成することができる。さらに、これらの材料は、風速および風向の大きな、および/または突然の変化に対応することができる可能性がある、耐雷強化された、冗長な、および/またはフォールトトレラントな設計が可能になるように選択することができる。その他の材料も、可能であり得る。


[0032] 経路150は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形状にすることができる。例えば、経路150は、実質的に円形にすることができる。そのような例の少なくとも1つでは、経路150は、最大265メートルの半径を有することができる。本開示で使用する「実質的に円形」という表現は、厳密な円形、および/または厳密な円形から本明細書で述べる電気エネルギーの生成に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。経路150のその他の形状として、楕円形などの長円形、ジェリービーンズ形、8の字形などであってもよい。


[0033] 図1に示すように、航空車両130は、主翼131、前部132、ロータコネクタ133A〜133B、ロータ134A〜134D、テールブーム135、尾翼136および垂直安定板137を含むことができる。これらの構成要素はいずれも、重力に抵抗し、かつ/または航空車両130を前方に移動させるために揚力の成分を使用することを可能にする任意の形状に成形することができる。


[0034] 主翼131は、航空車両130の主揚力を提供することができる。主翼131は、1つまたは複数の剛性または可撓性のエーロフォイルとすることができ、ウィングレット、フラップ、方向、昇降舵など、様々な制御表面を含むことができる。制御表面を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に、航空車両130を安定させ、かつ/または航空車両130にかかる抗力を低減することができる。


[0035] 主翼131は、航空車両130がホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行を行うのに適した任意の材料とすることができる。例えば、主翼131は、炭素繊維および/またはEガラスを含むことができる。さらに、主翼131は、様々な寸法を有することができる。例えば、主翼131は、従来の風力タービンのブレードに対応する寸法を1つまたは複数有することができる。別の例では、主翼131は、8mの翼幅、4平方メートルの面積、および縦横比15を有することができる。前部132は、ノーズなど、飛行中に航空車両130にかかる抗力を低減する1つまたは複数の構成要素を含むことができる。


[0036] ロータコネクタ133A〜133Bは、ロータ134A〜134Dを主翼131に接続することができる。いくつかの例では、ロータコネクタ133A〜133Bは、1つもしくは複数のパイロンの形態をとる、または1つもしくは複数のパイロンに類似した形態とすることができる。この例では、ロータコネクタ133A〜133Bは、ロータ134A〜134Dが主翼131の間で離間するように配置される。いくつかの例では、対応するロータ同士(例えばロータ134Aとロータ134B、またはロータ134Cとロータ134D)の間の垂直方向の間隔は、0.9メートルとすることができる。


[0037] ロータ134A〜134Dは、電気エネルギーの生成のために1つまたは複数の発電機を駆動するように構成することができる。この例では、ロータ134A〜134Dは、それぞれ、3つのブレードなど、1つまたは複数のブレードを含むことができる。これらの1つまたは複数のロータブレードは、風との相互作用によって回転することができ、これを使用して、上記の1つまたは複数の発電機を駆動することができる。さらに、ロータ134A〜134Dは、飛行中に航空車両130にスラストを提供するように構成することもできる。この構成では、ロータ134A〜134Dは、プロペラなど、1つまたは複数の推進ユニットとして機能することができる。ロータ134A〜134Dは、この例では4つのロータとして示しているが、他の例では、航空車両130は、4つ未満のロータまたは4つ超のロータなど、任意数のロータを含むことができる。


[0038] テールブーム135は、主翼131を尾翼136に接続することができる。テールブーム135は、様々な寸法を有することができる。例えば、テールブーム135は、2メートルの長さを有することができる。さらに、いくつかの実施態様では、テールブーム135は、航空車両130の機体および/または胴体の形態をとることもできる。また、そのような実施態様では、テールブーム135は、ペイロードを担持することができる。


[0039] 尾翼136および/または垂直安定板137を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に航空車両を安定させ、かつ/または航空車両130にかかる抗力を低減することができる。例えば、尾翼136および/または垂直安定板137を使用して、ホバー飛行、前進飛行および/または横風飛行中に航空車両130のピッチを維持することができる。この例では、垂直安定板137は、テールブーム135に取り付けられ、尾翼136は、垂直安定板137の頂部に位置している。尾翼136は、様々な寸法を有することができる。例えば、尾翼136は、2メートルの長さを有することができる。さらに、いくつかの例では、尾翼136は、0.45平方メートルの表面積を有することができる。さらに、いくつかの例では、尾翼136は、航空車両130の質量中心の1メートル上方に位置づけることができる。


[0040] 上記では航空車両130について説明したが、本明細書に記載する方法およびシステムは、テザー120など任意のテザーに接続された任意の適当な航空車両を含むことができることを理解されたい。


B.AWTの例証的な構成要素 [0041] 図2は、AWT200の構成要素を示す簡略ブロック図である。AWT200は、AWT100の形態をとる、またはAWT100に類似した形態とすることができる。具体的には、AWT200は、地上局210、テザー220および航空車両230を含む。地上局210は、地上局110の形態をとる、または地上局110と類似した形態とすることができ、テザー220は、テザー120の形態をとる、またはテザー120と類似した形態とすることができ、航空車両230は、航空車両130の形態をとる、または航空車両130と類似した形態とすることができる。


[0042] 図2に示すように、地上局210は、1つまたは複数のプロセッサ212、データ記憶装置214およびプログラム命令216を含むことができる。プロセッサ212は、汎用プロセッサであっても、または特殊目的プロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)であってもよい。この1つまたは複数のプロセッサ212は、データ記憶装置214に記憶された、実行すると本明細書に記載する機能の少なくとも一部を実現することができるコンピュータ可読プログラム命令216を実行するように構成することができる。


[0043] データ記憶装置214は、少なくとも1つのプロセッサ212によって読み取る、またはアクセスすることができる1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含む、またはそのようなコンピュータ可読記憶媒体の形態をとることができる。この1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体は、光学的、磁気的、有機的またはその他のメモリまたはディスク記憶装置など、その全体または一部を上記の1つまたは複数のプロセッサ212のうちの少なくとも1つと一体化することができる、揮発性および/または不揮発性記憶構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、データ記憶装置214は、単一の物理的デバイス(例えば1つの光学的、磁気的、有機的またはその他のメモリまたはディスク記憶ユニット)を用いて実装することができるが、他の実施形態では、データ記憶装置214は、2つ以上の物理的デバイスを用いて実装することもできる。


[0044] 上記のように、データ記憶装置214は、コンピュータ可読プログラム命令216と、場合によっては地上局210の診断データなどの追加データとを含むことができる。したがって、データ記憶装置214は、本明細書に記載する機能の一部または全てを実行する、または容易にするプログラム命令を含むことができる。


[0045] 別の点では、地上局210は、通信システム218を含むことができる。通信システム218は、地上局210が1つまたは複数のネットワークを介して通信することを可能にする、1つもしくは複数のワイヤレスインタフェースおよび/または1つもしくは複数のワイヤラインインタフェースを含むことができる。このワイヤレスインタフェースは、Bluetooth、WiFi(例えばIEEE802.11プロトコル)、ロングタームエボリューション(LTE)、WiMAX(例えばIEEE802.16標準)、無線周波ID(RFID)プロトコル、近距離場通信(NFC)および/またはその他のワイヤレス通信プロトコルなど、1つまたは複数のワイヤレス通信プロトコルの下での通信を実現することができる。このワイヤラインインタフェースは、ワイヤ、撚り線対、同軸ケーブル、光リンク、光ファイバリンクまたはその他のワイヤラインネットワークとの物理的接続を介して通信する、イーサネットインタフェース、汎用シリアルバス(USB)インタフェースまたはそれに類するインタフェースを含むことができる。地上局210は、通信システム218を介して、航空車両230、他の地上局および/または他のエンティティ(例えば司令センター)と通信することができる。


[0046] 実施形態例では、地上局210は、短距離通信および長距離通信の両方を可能にする通信システム218を含むことができる。例えば、地上局210は、Bluetoothを用いた短距離通信用、およびCDMAプロトコルによる長距離通信用に構成することができる。このような実施形態では、地上局210は、「ホットスポット」として機能するように、あるいは、換言すれば、遠隔のサポートデバイス(例えばテザー220、航空車両230および他の地上局)と、セルラネットワークおよび/またはインターネットなど1つまたは複数のデータネットワークとの間のゲートウェイまたはプロキシとして機能するように構成することができる。このように構成されているので、地上局210は、遠隔のサポートデバイスが普通なら実行することができないようなデータ通信を容易にすることができる。


[0047] 例えば、地上局210は、遠隔デバイスへのWiFi接続を提供し、地上局210が例えばLTEまたは3Gプロトコルの下で接続する可能性があるセルラサービスプロバイダのデータネットワークへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することができる。地上局210は、また、遠隔デバイスが普通ならアクセスすることができない可能性がある他の地上局またはコマンドステーションへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することもできる。


[0048] さらに、図2に示すように、テザー220は、伝送構成要素222および通信リンク224を含むことができる。伝送構成要素222は、航空車両230から地上局210に電気エネルギーを伝送し、かつ/または地上局210から航空車両230に電気エネルギーを伝送するように構成することができる。伝送構成要素222は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、伝送構成要素222は、電気を伝送するように構成された1つまたは複数の導体を含むことができる。このような例の少なくとも1つでは、この1つまたは複数の導体は、電流の伝導を可能にするアルミニウムおよび/またはその他の任意の材料を含むことができる。さらに、いくつかの実施態様では、伝送構成要素222は、テザー220のコア(図示せず)を取り囲むことができる。


[0049] 地上局210は、通信リンク224を介して航空車両230と通信することができる。通信リンク224は、双方向とすることができ、1つまたは複数の有線および/またはワイヤレスインタフェースを含むことができる。また、通信リンク224の少なくとも一部を構成する1つまたは複数のルータ、スイッチおよび/または他のデバイスもしくはネットワークがあることもある。


[0050] さらに、図2に示すように、航空車両230は、1つまたは複数のセンサ232と、電力システム234と、発電/変換構成要素236と、通信システム238と、1つまたは複数のプロセッサ242と、データ記憶装置244およびプログラム命令246と、制御システム248とを含むことができる。


[0051] センサ232は、様々な異なる実施形態で様々な異なるセンサを含むことができる。例えば、センサ232は、全地球測位システム(GPS)受信機を含むことができる。GPS受信機は、航空車両230のGPS座標など、周知のGPSシステム(全地球航法衛星システム(GNNS)と呼ばれることもある)に特有のデータを提供するように構成することができる。このようなGPSデータをAWT200が利用して、本明細書に記載する様々な機能を実現することができる。


[0052] 別の例として、センサ232は、1つまたは複数のピトー管など、1つまたは複数の風センサを含むことができる。この1つまたは複数の風センサは、見かけの、および/または相対的な風を検出するように構成することができる。見かけの/相対的な風は、例えば、航空車両230に加えられている風であり得る。このような風データをAWT200が利用して、本明細書に記載する様々な機能を実現することができる。


[0053] さらに別の例として、センサ232は、慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。IMUは、併せて使用して航空車両230の配向を決定することができる加速度計およびジャイロスコープの両方を含むことができる。具体的には、加速度計は地表に対する航空車両230の配向を測定することができ、ジャイロスコープは、航空車両230の中心線などの軸の周りの回転速度を測定する。IMUは、低コストな低電力パッケージで市販されている。例えば、IMUは、小型の微小電気機械システム(MEMS)もしくはナノ電気機械システム(NEMS)の形態をとる、またはこれらを含むことができる。その他のタイプのIMUを利用することもできる。IMUは、加速度計およびジャイロスコープに加えて、より良好に位置を決定する助けとなり得る他のセンサを含むこともできる。このようなセンサの2つの例は、磁力計および圧力センサである。その他のセンサの例も、可能である。


[0054] 加速度計およびジャイロスコープは、航空車両230の配向を決定するのに有効であり得るが、わずかな測定誤差が、時間とともに積み重なり、さらに重大な誤差をもたらす恐れがある。しかし、航空車両230の一例は、磁力計を使用して方向を測定することによって、このような誤差を軽減または低減することができる可能性がある。磁力計の1つの例は、正確な機首方位情報を得るための配向に依存しない電子コンパスを実現するために使用することができる、低電力のデジタル3軸磁力計である。ただし、他のタイプの磁力計を利用することもできる。


[0055] 航空車両230は、航空車両230の高度を決定するために使用することができる圧力センサまたは気圧計を含むこともできる。あるいは、音響高度計またはレーダー高度計など他のセンサを使用して、IMUの精度を向上させ、かつ/またはIMUのドリフトを防止する助けとなり得る、高度の指示を提供することもできる。


[0056] 上記のように、航空車両230は、電力システム234を含むことができる。電力システム234は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、電力システム234は、航空車両230に電力を供給する1つまたは複数のバッテリを含むことができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数のバッテリは、充電式とすることもでき、各バッテリを、そのバッテリと電源との間の有線接続を介して、および/または内部バッテリに外部時間変動磁場を印加するインダクティブ充電システムおよび/または1つまたは複数のソーラーパネルから集めたエネルギーを使用する充電システムなどのワイヤレス充電システムを介して、充電することができる。


[0057] 別の例としては、電力システム234は、航空車両230に電力を供給する1つまたは複数のモータまたはエンジンを含むことができる。いくつかの実施態様では、この1つまたは複数のモータまたはエンジンは、炭化素系燃料などの燃料によって給電することができる。そのような実施態様では、燃料は、航空車両230に蓄積しておき、配管など1つまたは複数の流体導管を介して1つまたは複数のモータまたはエンジンに送達することができる。いくつかの実施態様では、電力システム234は、その全体または一部を、地上局210上に実装することもできる。


[0058] 上記のように、航空車両230は、発電/変換構成要素236を含むことができる。発電/変換構成要素236は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、発電/変換構成要素236は、高速の直動発電機など、1つまたは複数の発電機を含むことができる。この構成では、この1つまたは複数の発電機は、ロータ134A〜134Dなど、1つまたは複数のロータによって駆動することができる。このような例の少なくとも1つでは、この1つまたは複数の発電機は、60パーセントを超えることもある利用率で、毎秒11.5メートルの最大定格出力風速で動作することができ、この1つまたは複数の発電機は、40キロワット〜600メガワットの電力を生成することができる。


[0059] さらに、上記のように、航空車両230は、通信システム238を含むことができる。通信システム238は、通信システム218の形態をとる、または通信システム218と類似した形態とすることができる。航空車両230は、通信システム238を介して、地上局210、他の航空車両および/またはその他のエンティティ(例えば司令センター)と通信することができる。


[0060] いくつかの実施態様では、航空車両230は、「ホットスポット」として機能するように、あるいは、換言すれば、遠隔のサポートデバイス(例えば地上局210、テザー220、他の航空車両)と、セルラネットワークおよび/またはインターネットなど1つまたは複数のデータネットワークとの間のゲートウェイまたはプロキシとして機能するように構成することができる。このように構成されているので、航空車両230は、遠隔のサポートデバイスが普通ならそれ自体では実行することができないようなデータ通信を容易にすることができる。


[0061] 例えば、航空車両230は、遠隔デバイスへのWiFi接続を提供し、航空車両230が例えばLTEまたは3Gプロトコルの下で接続する可能性があるセルラサービスプロバイダのデータネットワークへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することができる。航空車両230は、また、遠隔デバイスが普通ならアクセスすることができない可能性がある他の航空車両またはコマンドステーションへのプロキシまたはゲートウェイとして機能することもできる。


[0062] 上記のように、航空車両230は、1つまたは複数のプロセッサ242、プログラム命令244およびデータ記憶装置246を含むことができる。この1つまたは複数のプロセッサ242は、データ記憶装置244に記憶された、実行すると本明細書に記載する機能の少なくとも一部を実現することができるコンピュータ可読プログラム命令246を実行するように構成することができる。1つまたは複数のプロセッサ242は、上記の1つまたは複数のプロセッサ212の形態をとる、またはそれらに類似した形態とすることができ、データ記憶装置244は、上記のデータ記憶装置214の形態をとる、またはそれに類似した形態とすることができ、プログラム命令246は、上記のプログラム命令216の形態をとる、またはそれに類似した形態とすることができる。


[0063] さらに、上記のように、航空車両230は、制御システム248を含むことができる。いくつかの実施態様では、制御システム248は、本明細書に記載する1つまたは複数の機能を実行するように構成することができる。制御システム248は、機械的システム、ならびに/またはハードウェア、ファームウェアおよび/もしくはソフトウェアによって実装することができる。1つの例として、制御システム248は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令、およびそれらの命令を実行するプロセッサの形態をとることができる。制御システム248は、その全体またはその一部を、航空車両230、および/または地上局210など航空車両230から遠隔に位置した少なくとも1つのエンティティ上に実装することができる。一般に、制御システム248を実装する方法は、個々の適用分野に応じて様々な方法とすることができる。


[0064] 上記では航空車両230について説明したが、本明細書に記載する方法およびシステムは、テザー230および/またはテザー110などのテザーに接続された任意の適当な航空車両を含むことができることを理解されたい。


C.電力を生成するための航空車両のホバー飛行から横風飛行への移行 [0065] 図3Aおよび図3Bは、実施形態例による、電力が生成され得るように、航空車両をホバー飛行から横風飛行に移行させる一例300を示す図である。例300は、全体として、例示的に、図1に関連して上述した航空車両130によって実行されるものとして説明する。例証のために、例300について図3Aおよび図3Bに示すように一連のアクションで説明するが、例300は、任意数のアクションおよび/またはアクションの組合せで実行することができる。


[0066] 図3Aに示すように、航空車両130は、テザー120に接続されてよく、テザー120は、地上局110に接続されている。地上局110は、地面302上に位置している。さらに、図3Aに示すように、テザー120は、テザー120が延ばされたときのテザー120の長さなど、テザー120の長さに基づく半径を有するテザー球304を画定する。例300は、テザー球304の一部分304Aの内部、および/または実質的にその上で、実行することができる。本開示で使用する「実質的にその上」という表現は、厳密にその上にある状態、および/または厳密にその上にある状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所または複数箇所のずれがある状態を指す。


[0067] 例300は、点306において、航空車両130を地上局110からホバー飛行配向で展開することから開始する。この構成では、テザー120を、繰り出す、かつ/または巻き出すことができる。いくつかの実施態様では、航空車両130は、しきい値高度(例えば地面302の上方200メートル超)で、風速がしきい値速度(例えば3.5m/s)を上回ったときに展開することができる。


[0068] さらに、点306では、航空車両130をホバー飛行配向で動作させることができる。航空車両130がホバー飛行配向であるときには、航空車両130は、ホバー飛行を行うことができる。例えば、航空車両がホバー飛行をしているときには、航空車両130は、上昇、下降および/または地面302の上空でホバリングを行うことができる。航空車両130がホバー飛行配向にあるときには、航空車両130の主翼131の翼幅は、地面302に対して実質的に直交するように配向することができる。本開示で使用する「実質的に直交する」という表現は、厳密に直交している状態、および/または厳密に直交している状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0069] 例300では、次いで点308において、航空車両130がホバー飛行配向にある状態で、航空車両130を、実質的にテザー球304上にある第1の位置310に位置決めする。図3Aに示すように、第1の位置310は、空中の、地上局110より実質的に風下にあることがある。


[0070] 本開示で使用する「実質的に風下」という表現は、厳密な風下、および/または厳密な風下から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0071] 例えば、第1の位置310は、地面302と実質的に平行な地上局110から延びる軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第1の角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、第1の角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[0072] 別の例として、第1の位置310は、軸に対して第2の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第2の角度は、軸に対して10度とすることができる。状況によっては、第2の角度は、仰角と呼ばれることもあり、第2の角度は、軸から上方に10度の角度と軸から下方に10度の角度との間とすることができる。本開示で使用する「実質的に平行」という表現は、厳密に平行な状態、および/または厳密に平行な状態から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0073] 点308において、航空車両130は、ホバー飛行配向で加速することができる。例えば、点308で、航空車両130は、最大で毎秒数メートルまで加速することができる。さらに、点308において、テザー120は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、図3Aに示すように、点308で、テザー120を延ばすこともできる。この構成では、テザー120は、懸垂線の構成にすることができる。さらに、点306および点308で、テザー120の底部は、地面302の上方の所定の高度312とすることができる。この構成では、点306および点308で、テザー120は、地面302と接触しないこともある。


[0074] 例300では、次いで点314において、航空車両130をホバー飛行配向から前進飛行配向に移行させて、航空車両130がテザー球304から移動するようにする。図3Bに示すように、航空車両130は、テザー球304から、地上局110寄りの位置(テザー球304の内部と呼ぶこともある)に移動することができる。


[0075] 航空車両130が前進飛行配向にあるときには、航空車両130は、前進飛行(飛行機のような飛行と呼ぶこともある)を行うことができる。例えば、航空車両130が前進飛行を行っているときに、航空車両130は、上昇することができる。航空車両130の前進飛行配向は、水平飛行している固定翼航空機(例えば飛行機)の配向の形態をとることができる。いくつかの例では、ホバー飛行配向から前進飛行配向に航空車両130を移行させることが、前方へのピッチングなどの飛行操作を含むことがある。そのような例では、この飛行操作は、1秒未満など、ある時間期間内に実行することができる。


[0076] 点314で、航空車両130は、付着流を実現することができる。さらに、点314では、テザー120の張力を低下させることができる。この構成では、点314におけるテザー120の曲率は、点308におけるテザー120の曲率より大きくすることができる。1つの例として、点314において、テザー120の張力は、500ニュートン(N)など、1KN未満とすることができる。


[0077] 例300では、次いで、1つまたは複数の点318で、航空車両130を、前進飛行配向で、実質的にテザー球304の上の第2の位置320まである上昇角で上昇するように動作させる。図3Bに示すように、航空車両130は、1つまたは複数の点318におけるこの上昇中に、経路316に実質的に沿って飛行することができる。この例では、1つまたは複数の点318を、3つの点、すなわち点318A、点318Bおよび点318Cとして示している。ただし、他の例では、1つまたは複数の点318は、3つ未満または3つ超の点を含むこともできる。


[0078] いくつかの例では、上昇角は、経路316と地面302との間のある角度とすることができる。さらに、経路316は、様々な異なる実施形態で様々な異なる形態をとることができる。例えば、経路316は、テザー球304の弦などの線分とすることができる。


[0079] 図3Bに示すように、第2の位置320は、空中の、地上局110の実質的に風下とすることができる。第2の位置320は、第1の位置310を地上局110に対して配向することができるのと同様に、地上局110に対して配向することができる。


[0080] 例えば、第2の位置320は、地面302と実質的に平行な地上局110から延びる軸に対して、第1の角度をなすことができる。いくつかの実施態様では、第1の角度は、軸に対して30度とすることができる。状況によっては、第1の角度は、方位角と呼ばれることもあり、この角度は、軸に対して時計回り方向に15度または軸に対して時計回り方向に345度など、軸に対して時計回り方向に30度の角度と軸に対して時計回り方向に330度の角度との間とすることができる。


[0081] さらに、図3Bに示すように、第2の位置320は、第1の位置310の実質的に風上にすることもできる。本開示で使用する「実質的に風上」という表現は、厳密な風上、および/または厳密な風上から、本明細書で述べる特定の飛行モード間での航空車両の移行に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。


[0082] 1つまたは複数の点318では、テザー120の張力は、上昇中に増大する可能性がある。例えば、点318Cにおけるテザー120の張力は、点318Bにおけるテザー120の張力より大きい可能性があり、点318Bにおけるテザー120の張力は、点318Aにおけるテザー120の張力より大きい可能性がある。さらに、点318Aにおけるテザー120の張力は、点314におけるテザー120の張力より大きい可能性がある。


[0083] この構成では、テザー120の曲率は、上昇中に減少する可能性がある。例えば、点318Cにおけるテザー120の曲率は、点318Bにおけるテザーの曲率より小さい可能性があり、点318Bにおけるテザー120の曲率は、点318Aにおけるテザーの曲率より小さい可能性がある。さらに、いくつかの例では、点318Aにおけるテザー120の曲率が、点314におけるテザー120の曲率より小さい可能性がある。


[0084] 例300では、次いで点322において、航空車両130を前進飛行配向から横風飛行配向に移行させる。いくつかの例では、航空車両130の前進飛行配向から横風飛行配向への移行は、飛行操作を含むことがある。航空車両130が横風飛行配向にあるときには、航空車両130は、横風飛行を行うことができる。例えば、航空車両130が横風飛行をしているときには、航空車両130は、経路150などの経路に実質的に沿って飛行して、電気エネルギーを生成することができる。いくつかの実施態様では、横風飛行中に、航空車両130の自然の横揺れおよび/または偏揺れが起こることもある。


[0085] 図3Cは、例300を3次元の観点から示す図である。したがって、同様の番号は同様のエンティティを示し得る。上述のように、テザー球304は、テザー120を延ばしたときのテザー120の長さなど、テザー120の長さに基づく半径を有する。また、上述のように、図3Cでは、テザー120は地上局310に接続されており、地上局310は、地面302上に位置している。さらに、相対風303は、テザー球304と接触する。図3Cでは、テザー球304のうち地面302より上方の部分のみが示されていることに留意されたい。この部分は、テザー球304の半分として説明することができる。


[0086] 図3Cに示すように、テザー球304の第1の部分304Aは、地上局310の実質的に風下にある。図3Cでは、第1の部分304Aはテザー球304の4分の1として説明することができる。


[0087] 図3Bのように、図3Cは、航空車両130(図を単純化するため、図3Cには示さず)のホバー飛行と横風飛行との間での移行を示す図である。図3Cに示すように、航空車両130がホバー飛行配向から前進飛行配向に移行するときに、航空車両は、テザー球304の第1の部分304Aの内側の点314に位置決めすることもできる。さらに、図3Cに示すように、航空車両130が前進飛行配向で実質的にテザー球304の第1の部分304A上の位置320まで上昇するときに、航空車両は経路316を辿ることができる。さらに、図3Cに示すように、航空車両130はその後、例えば、前進飛行配向で位置320から、位置322で横風飛行配向へと、移行することができる。


III.例証的な方法 [0088] 図4は、実施形態例による方法400を示す流れ図である。方法400を用いて、横風飛行配向にある航空車両の発電を制御することができる。方法400などの例証的な方法は、その全体または一部を、図1に示す航空車両130、図2に示す航空車両230、図1に示す地上局110および図2に示す地上局210の1つまたは複数の構成要素など、航空車両の1つまたは複数の構成要素によって実行することができる。例えば、方法400は、制御システム248によって実行することができる。簡略にするために、方法400は、概略的に航空車両130および/または航空車両230などの航空車両によって実行されるものとして説明することができる。ただし、方法400などの方法例は、本開示の範囲を逸脱することなく、その他のエンティティまたはエンティティの組合せによって実行することもできることを理解されたい。


[0089] ブロック402で示すように、方法400は、横風飛行配向で、航空車両が電力を生成できるようにし得る第1の飛行経路に実質的に沿って、航空車両を動作させることを含む。第1の飛行経路は、テザー120などのテザーによって制約され得、上述のように、テザーは、テザーの長さに基づく半径を有するテザー球を画定し得る。例えば、テザー球は、図3A〜3Cのテザー球304と同一または同様のものとすることができる。第1の飛行経路は、実質的にテザー球上にあってよく、かつ航空車両が電力を生成できるようにする実質的に円形の経路(例えば、経路150)を含んでもよい。例えば、第1の飛行経路は、図3Aおよび図3Cにおけるテザー球の位置322と同一または同様の位置に位置づけることができる。


[0090] 本開示内では、「実質的に円形」という表現は、厳密な円形、および/または厳密な円形から、航空車両による電力生成に有意な影響を与えない程度の1箇所もしくは複数箇所のずれがある状態を指す。実質的に円形の経路は、例えば、いくつか挙げるとすれば、楕円形の経路、バルーン形の経路、およびボウル形の経路を含んでよい。その他の実質的に円形の経路も可能である。


[0091] 第1の飛行経路に沿って動作を開始するために、航空車両は、展開され、ホバー飛行を行い、前進飛行を行い、そしてテザー球上の第1の飛行経路に移行することができる。例えば、ブロック402では、図3A〜図3Cの例300を参照して説明したようにホバー飛行配向から横風飛行配向へと移行するときに航空車両130を動作させ得るのと同じ、またはそれと類似した方法で、航空車両を動作させることができる。したがって、横風飛行配向で第1の飛行経路に沿って動作するときは、航空車両を、図3Bおよび図3Cの点322における航空車両130と同一の、または同様の配向とすることができる。


[0092] 他の例では、上述した飛行操作の一部を省略し得ることに留意されたい。例えば、いくつかの例では、航空車両は展開され、テザー球上のある位置へと前進飛行を行い、その後直ちに第1の飛行経路に移行することができる。こうして、このような例では、航空車両はホバー飛行操作を省略することができる。


[0093] 一例では、図5Aおよび図5Bに示すように、航空車両530は、横風飛行配向で、実質的にテザー球504上の飛行経路502に沿って動作していてよい。図5Aは、地上局510の上方および後方の視点からの、横風飛行配向で飛行経路502に沿って動作する航空車両530の等角投影図を示す。図5Aでは、例えば、飛行経路502は飛行経路150と同一または同様のものとすることができ、テザー球504はテザー球304と同一または同様のものとすることができる。


[0094] 図5Aでは、軸503は、地上局510から飛行経路502へと延びてよく、かつ飛行経路502と交差してよい。軸503は、地面(図5Aには示さず)と実質的に平行に配向することができ、飛行経路502は、地上局510より(相対風503に従って)実質的に風下とすることができる。航空車両530は、電力を生成するように、飛行経路502に沿って動作することができる。いくつかの例では、飛行経路502は、航空車両530が最大の電力を生成することを可能にし得る。


[0095] ブロック404で示すように、方法400は、航空車両が横風飛行配向にある間に、航空車両によって生成されている電力を低減することを決定することを含む。航空車両は、電力生成の効率を低下させたいという全般的な要望に基づいて、生成されている電力を低減することを決定することができる。例えば、本開示を通して述べているように、航空車両は、電力の生産を少なくして航空車両の様々な構成要素の過熱を防ぐこと、または、例えば風が強まる状況にもかかわらず、特定の電力レベルを維持することを望む場合がある。


[0096] 一例では、航空車両によって生成されている電力を低減する決定は、例えば、航空車両の構成要素の温度に基づいて行うことができる。例えば、センサ232の温度計またはその他の熱測定機構を使用して、航空車両は、構成要素(例えばモータ)の温度または熱しきい値が高すぎると決定することができる。この決定に基づいて、航空車両は、過度に電力が生成されてその構成要素に供給されていると決定することができる。これに応答して、航空車両は、発電を低減することを決定することができる。


[0097] 別の例では、ブロック404は、航空車両によって生成されている電力が航空車両の定格電力より大きいと判定することを含むことができる。航空車両の定格電力は、航空車両によって生成され得る最大電力を画定し得る。航空車両が定格電力を生成していると判定すると、航空車両は、例えば、モータ等の構成要素の過熱を防止または軽減するために、発電を低減することを決定することができる。


[0098] いくつかの例では、航空車両が定格電力を生成しているという判定は、航空車両に加えられている風速を(例えば、センサ232のピトー管を使用して)測定することにより実施することができる。測定され得る風速は、例えば毎秒3.5メートルの風速など、発電に使える速度の(すなわち、風速しきい値を超えている)風であり得る。発電は風速に左右されることから、風速が定格電力の風速(例えば、毎秒11.5メートルの速度)と等しい例では、航空車両は、例えば、航空車両が最大の電力を生成している可能性があると判定することができ、それに応答して、過熱が生じる前に発電を低減することを決定することができる。


[0099] 図5Aの例に戻ると、航空車両530は、飛行経路502を周回中に、航空車両530によって生成されている電力を低減することを決定することができる。航空車両は、例えば、制御システム248と同一または同様の制御システムを使用して、上述したいずれの方法も採用することができる。他の例では、電力を低減する決定は、地上局510によって行われ、航空車両530へと通信されてもよい。別の例では、この決定は、航空車両530および地上局510の双方の動作を用いて行われてもよい。


[00100] ブロック406で示すように、方法400は、ブロック404においてなされた判定に応答して異なる第2の飛行経路を決定することを含み、この異なる第2の飛行経路は、第2の飛行経路上で動作するときに航空車両によって生成される電力を低減するものである。ブロック404と同様に、ブロック406は、航空車両が横風飛行配向にある間に実施され得る。第2の飛行経路は、実質的に第1の飛行経路と同じテザー球上にあってよく、かつ形状においても実質的に円形であってよい。


[00101] いくつかの例では、第2の飛行経路を決定することは、航空車両に加えられている見かけの風流の風速を決定することを含んでよい。航空車両に加えられている見かけの風流の風速に基づいて、第2の飛行経路を決定することができる。航空車両により生成される電力は風速に左右されることから、風速に基づいて発電は低減され得る。より具体的には、例えば、航空車両は、航空車両に加えられている見かけの風流の相対的な風速を決定することができる。この決定に基づいて、航空車両は変化角を決定することができ、この変化角を用いて、第2の飛行経路が第1の飛行経路に対してこの変化角をなして異なるように、第2の飛行経路を異ならせることができる。こうして、決定された第2の飛行経路を、地上局の実質的に風下にある状態から異ならせることができる。


[00102] 図5Aおよび図5Bの例について続けると、生成されている電力の量を低減すると決定した後、航空車両530は、図5Bに示すように、航空車両がその上で動作して発電を低減することができる、第2の飛行経路506を決定することができる。飛行経路502と同様に、飛行経路506は、地上局510から飛行経路506へと延びてよく、かつ飛行経路506と交差してよい、第2の軸507を含み得る。軸507は、地面(図5Bには示さず)と実質的に平行に配向されてよい。


[00103] 飛行経路506を決定するために、航空車両530は相対風505の風速を測定することができ、その測定値に基づいて、飛行経路506の軸507を異ならせるべき変化角509を決定することができる。一旦決定されると、図5Bに示すように、軸507を軸503に対してこの変化角をなすように異ならせることができる。この結果、第2の飛行経路507を、地上局510の実質的に風下にある状態から異ならせることができる。図5Bでは、第2の軸507は、第1の軸503に対して角509をなして、時計回りの方向または右に異なっている。しかし、この変化は単なる例として意図されており、他の例では、変化は第1の軸503の上方、下方、または左への変化とすることができる。


[00104] 電力を低減する決定と同様に、航空車両530は、例えば、制御システム248と同一または同様の制御システムを使用して、第2の飛行経路を決定することができる。他の例では、第2の飛行経路は、地上局510によって決定され、航空車両530へと通信されてもよい。別の例では、この決定は、航空車両530および地上局510の双方の動作を用いて行われてもよい。


[00105] ブロック408で示すように、方法400は、航空車両を第2の飛行経路に実質的に沿って動作させることを含む。ブロック404および406と同様に、ブロック408は、航空車両530が横風飛行配向にある間に実施され得る。ブロック408では、図3Bおよび図3Cを参照して説明したように航空車両130を位置320から位置322に移行させ得るのと同じ、またはそれと類似した方法で、航空車両を第1の飛行経路502から第2の飛行経路506に移行させることができる。


VI.結論 [00106] 図面に示す具体的な構成は、限定的なものと見なすべきではない。他の実施形態では、所与の図面に示す各要素を、図示の数より多く、または少なく含むことができることを理解されたい。さらに、図示の要素のいくつかは、結合または省略することができる。さらに、例示的な実施形態は、図面に示していない要素を含むこともできる。


[00107] さらに、様々な態様および実施形態を本明細書に開示したが、その他の態様および実施形態も、当業者には明らかになるであろう。本明細書に開示した様々な態様および実施形態は、例証を目的としたものであり、限定のためのものではなく、厳密な範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書に提示する主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することもでき、また他の変更を加えることもできる。概略的に本明細書に記載し、図面に示した本開示の態様は、幅広い様々な構成で配列し、代用し、組み合わせ、分離し、かつ設計することができ、これらの様々な構成は全て、本明細書で企図されているものであることは容易に理解されるであろう。



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