流体流から電を抽出するための装置

申请号 JP2016567339 申请日 2015-01-26 公开(公告)号 JP2017504764A 公开(公告)日 2017-02-09
申请人 カイトファームズ リミテッド ライアビリティ カンパニー; カイトファームズ リミテッド ライアビリティ カンパニー; 发明人 ロバート ラムリー; ロバート ラムリー;
摘要 電 力 を抽出するための装置は、トラックと、トラックに結合されたエーロフォイルとを含む。トラックは第一および第二の伸長区間を含み、第一の伸長区間が第二の伸長区間の上方に配置されている。エーロフォイルは、負圧面とトラックとの間に 位置 する正圧面を含み、交互に第一の伸長区間に結合されているときと第二の伸長区間に結合されているときとで、反対方向に移動可能である。
权利要求

第一および第二の伸長区間を含むトラックであって、該第一の伸長区間が第二の伸長区間の上方に配置されている、トラック; 負圧面および正圧面を含むエーロフォイルであって、該正圧面が該負圧面と該トラックとの間に位置するように、該エーロフォイルが該トラックに結合され、該エーロフォイルが、交互に該第一の伸長区間に結合されているときと該第二の伸長区間に結合されているときとで、反対方向に移動可能である、エーロフォイル; 第一端で該第一の伸長区間に結合され、第二端でアンカーに結合されたブライドルであって、平線に対してγ°の度に向けられ、該エーロフォイルが、該第一の伸長区間に結合されているとき、水平線に対して約90−γ°ロールする、ブライドル;ならびに 該エーロフォイルの動きを通して大気風から電を回収するための発電機 を含む、電力を抽出するための装置。第一の伸長区間に結合された少なくとも三つのブライドルをさらに含む、請求項1記載の装置。エーロフォイルが第一の伸長区間に結合されているとき、該エーロフォイルが水平線に対して第一のロールを有し、該エーロフォイルが第二の伸長区間に結合されているとき、該エーロフォイルが水平線に対して第二のロールを有し、該第一のロールが該第二のロールとは異なる、請求項1記載の装置。トラックが、第一の伸長区間と第二の伸長区間とを接続するターミナル部をさらに含み、エーロフォイルが、該第一の伸長区間から該ターミナル部へと移動するとき減速し、該ターミナル部から該第二の伸長区間へと移動するとき加速する、請求項1記載の装置。トラックが、第一の伸長区間と第二の伸長区間とを接続するターミナル部をさらに含み、エーロフォイルが、該ターミナル部に沿って移動するときヨーイングする、請求項1記載の装置。第一の伸長区間と、該第一の伸長区間より下にある第二の伸長区間とを含むトラックを提供する工程; 負圧面および正圧面を含む機体を、該正圧面が該負圧面と該トラックとの間に位置するように該トラックに結合する工程; 該機体が大気風に対して横風方向に移動するように該トラックを配置する工程; ブライドルを該第一の伸長区間に取り付ける工程; 該ブライドルを、水平線に対してγ°の角度に向けるように固着する工程; 該機体が該第一の伸長区間に結合されているとき、該機体を水平線に対して約90−γ°ロールさせる工程;および 該機体の動きを通して該大気風から電力を回収する工程 を含む、電力を抽出する方法。少なくとも三つのブライドルを第一の伸長区間に取り付ける工程をさらに含む、請求項6記載の方法。機体が第一の伸長区間に結合されているとき、該機体を水平線に対して第一の角度にロールさせ、該機体が第二の伸長区間に結合されているとき、該機体を水平線に対して第二の角度にロールさせる工程をさらに含み、該第一の角度が該第二の角度とは異なる、請求項6記載の方法。第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程をさらに含み、機体が、該第一の伸長区間から該ターミナル部へと移動するとき減速し、該ターミナル部から該第二の伸長区間へと移動するとき加速する、請求項6記載の方法。第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程、および機体が該ターミナル部に沿って移動するとき該機体をヨーイングさせる工程をさらに含む、請求項6記載の方法。トラック; 水平線に対してγ°の角度に向けられ、かつ該トラックに結合されたブライドル;および 該トラックに結合され、かつ水平線に対して約90−γ°ロールする機体 を含む、電力抽出システム。トラックを提供する工程; 機体を該トラックに結合する工程; 該機体が大気風に対して横風方向に移動するように該トラックを配置する工程; ブライドルを該トラックに取り付け、該ブライドルを、水平線に対してγ°の角度に向けるように固着する工程; 該機体を水平線に対して約90−γ°ロールさせる工程;および 該機体の動きを通して該大気風から電力を回収する工程 を含む、電力を抽出する方法。

说明书全文

開示の分野 本開示は概して再生可能エネルギーに関する。より具体的には、本開示は、流体流から電を抽出するための装置および方法を記載する。

発明の背景 流体流からの電力抽出は優れた再生可能エネルギー源である。主要な例は風力および力を含む。

流体流から電力を抽出するための旧来のシステムは主にタービン式である。タービン中、一つまたは複数のブレードが中心点を中心に回転可能であり、その中心点はアンカー(一般には塔体)に固着されている。ブレードは流体流内に配置され、その流体流がブレードの回転を誘発し、その回転が電気に変換される。

タービンはいくつかの不都合を有するといえる。たとえば、タービンに加わる力はタービンブレードの長さの3乗に比例する。タービンブレードがサイズを増すとともに、破壊力(たとえば、塔体を中心とするモーメント)は3乗される。対照的に、使用可能電力は2乗されるだけである。

この「2乗3乗の法則」がタービンの規模に対して有意な制限を課す。必然的に、より大きなサイズから抽出されるさらなる電力の利得は、破壊力の増大に対処するための費用に見合わない。少なくともこの理由のため、タービンの規模は限られる。

他の公知の解決手段は塔体または他の固いアンカーをなくす。そのような電力抽出システムの例は飛行型風力発電システム(「AWE」)を含む。一般に、このシステムは、風力タービンの高さよりも上の高度で飛行する、地面につながれた空力体(たとえばカイト)である。

空中のAWEの動きから電力を抽出するために、主に二つの機構:オンボード発電および地上発電がある。前者の例は、上述のタービンと同じやり方で発電する、カイト上のタービンを含む。後者の例は、ドラムに取り付けられた長いテザー(係留綱)を含み、カイトの動きがドラムからテザーを巻き出し、それがドラムおよび接続された発電機を回し、それによって風力を電気に変換する。

AWEもまた、いくつかの不都合を有するといえる。たとえば、システムは、浮体に対して斜めに延びるテザーを要するため、抽出される電力は、有能電力およびテザーのコサインの関数になる。したがって、抽出される電力は決して有能電力に等しくなり得ない。加えて、テザーは、空気中を移動するとき、抗力を発生させてカイトを減速させ、それによって回収電力を減らす。最後に、高空飛行型AWEは航空制限を受け、それが、その地理的範囲を制限し(たとえば飛行禁止区域のせいで)、実現に関して規制的障害を呈する。

概要 本開示の例は、上述で特定した不都合を解消する、流体流から電力を抽出するための装置および方法に関する。例示的な利点として、装置の規模は2乗3乗の法則によって制限され得ない。もう一つの例示的な利点として、装置および方法は、テザー抗力および/またはコサイン損失を受け得ない。もう一つの例示的な利点として、装置は、規制目的のための「飛行型装置」とは分類され得ない。

いくつかの例において、電力を抽出するための装置は、トラックと、トラックに結合されたエーロフォイルとを含む。トラックは第一および第二の伸長区間を含み、第一の伸長区間が第二の伸長区間の上方に配置されている。エーロフォイルは、負圧面とトラックとの間に配置された正圧面を含み、エーロフォイルは、交互に第一の伸長区間に結合されているときと第二の伸長区間に結合されているときとで、反対方向に移動可能である。

負圧面をトラックに向けることにより、トラックは、エーロフォイルが大気風速に対して横風方向に動くように配向され得る。この横風方向の動きは、好都合にも、エーロフォイルが大気風の速度よりも大きい速度で移動することを許し得る。さらに、第一の伸長区間を第二の伸長区間の上方に配置することにより、いずれかの区間の上を移動するエーロフォイルは直接的に大気風を受ける。すなわち、エーロフォイルに入射する風が他方の伸長区間上のエーロフォイルによってかく乱されることがない。これが電力抽出の増大を可能にし得る。

いくつかのさらなる例においては、ブライドル(係留索)がトラックに結合され、地面に固着される。ブライドル係留は有利にも、より少ない構造支持を可能にして、電力抽出装置のコストを減らす。

ブライドル係留はまた、有利にも、装置にかかる破壊力の減少を可能にし得る。たとえば、三つ以上のブライドルを伸長区間に沿って分散させて、伸長区間の長さにかかるモーメントを減らし得る。

いくつかのさらなる例において、エーロフォイルは、水平線に対してγ°のブライドル角からの力を相殺するために、水平線に対して約90−γ°ロールする。

いくつかの例において、エーロフォイルは、第一の伸長区間に結合されているとき、水平線に対して第一のロールを有し、エーロフォイルは、第二の伸長区間に結合されているとき、水平線に対して第二の異なるロールを有する。

いくつかの例において、トラックは、第一の伸長区間と第二の伸長区間とを接続するターミナル部を含み、エーロフォイルは、エーロフォイルが第一の伸長区間からターミナル部へと移動するとき減速し、エーロフォイルがターミナル部から第二の伸長区間へと移動するとき加速する。これは、方向の変化に伴う高い力を除き得る。エーロフォイルの減速はまた、電力として回収され得る。

いくつかの例において、トラックは、第一の伸長区間と第二の伸長区間とを接続するターミナル部を含み、エーロフォイルは、エーロフォイルがターミナル部に沿って移動するときヨーイングする。

本開示のいくつかの例において、電力を抽出する方法は、トラックを提供する工程、トラックを配置する工程、機体をトラックに結合する工程、および機体の動きを通して大気風から電力を回収する工程を含む。本明細書の中で使用される「機体」は、エーロフォイルを含み得、また、たとえば胴体および尾翼を含み得る。機体はまた、単にエーロフォイルであってもよい。トラックは、第一の伸長区間と、第一の伸長区間より下にある第二の伸長区間とを含み得る。トラックは、機体が大気風に対して横風方向に移動するように配置され得る。

いくつかのさらなる例は、ブライドルをトラックに取り付け、ブライドルを固着する工程を含む。なおさらなる例は、少なくとも三つのブライドルを第一の伸長区間に取り付ける工程を含む。いくつかの例において、ブライドルの一つは、水平線に対してγ°の角度に向けられ、方法は、第一の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して約90−γ°ロールさせる工程を含む。

いくつかの例において、方法は、機体が第一の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して第一の角度にロールさせ、機体が第二の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して第二の角度にロールさせる工程を含み、第一の角度は第二の角度とは異なる。

いくつかの例は、第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程を含み、機体は、機体が第一の伸長区間からターミナル部へと移動するとき減速し、機体がターミナル部から第二の伸長区間へと移動するとき加速する。

いくつかの例において、方法は、第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程および機体がターミナル部に沿って移動するとき機体をヨーイングさせる工程を含む。

本開示のいくつかの例において、電力抽出システムは、トラック、水平線に対してγ°の角度に向けられかつトラックに結合されたブライドル、およびトラックに結合されかつ水平線に対して約90−γ°ロールする機体を含む。

本開示のいくつかの例において、電力を抽出する方法は、トラックを提供する工程、機体をトラックに結合する工程、機体が大気風に対して横風方向に移動するようにトラックを配置する工程、ブライドルをトラックに取り付け、水平線に対してγ°の角度に向けるように固着する工程、機体を水平線に対して約90−γ°ロールさせる工程、および機体の動きを通して大気風から電力を回収する工程を含む。

本開示の例の例示的な電力抽出装置を示す。図1Aは、大気風の流動方向に見た装置を示す。図1Bは装置の横断面図を示す。

本開示の例の例示的な機体を示す。

本開示の例の例示的なエーロフォイルの断面を示す。

横風方向に移動する物体の一例の例示的な相対風速を示す。

本開示の例の例示的なブライドル係留システムを示す。図3Aはブライドル係留システムの側面図を示す。

本開示の例の例示的なブライドル係留システムを示す。図3Bはブライドル係留システムの平面図を示す。

本開示の例にしたがって機体が水平に対して90°ロールしたとき電力抽出システムにかかる力を示す。

本開示の例にしたがって機体に導入される例示的なロールの側面図を示す。

本開示の例にしたがって電力を抽出する方法を示す。

詳細な説明 以下、態様の説明においては、本明細書の一部を形成し、かつ、実施することができる特定の態様が実例として示されている、添付図面を参照する。開示される態様の範囲を逸脱することなく、他の態様を使用することができ、構造的変更を加えることができることが理解されよう。

本開示の例は、トラックと、トラックに結合されたエーロフォイルとを含む装置である。トラックは第一および第二の伸長区間を含み、第一の伸長区間が第二の伸長区間の上方に配置されている。エーロフォイルは、負圧面とトラックとの間に位置する正圧面を含み、交互に第一の伸長区間に結合されているときと第二の伸長区間に結合されているときとで、反対方向に移動可能である。

いくつかの例において、電力を抽出する方法は、トラックを提供する工程、トラックを配置する工程、機体をトラックに結合する工程、および機体の動きを通して大気風から電力を回収する工程を含む。トラックは、第一の伸長区間と、第一の伸長区間より下にある第二の伸長区間とを含み得る。トラックは、機体が大気風に対して横風方向に移動するように配置され得る。

図1Aおよび1Bは、本開示の例にしたがって電力を抽出するための例示的な装置100を示す。図1Aは、大気風124の流動方向に見た装置を示す。図1Bは、図1Aの破線から端部108の方向に見た装置の横断面図を示す。

装置100は、上伸長区間104および下伸長区間106をそれぞれ移動する機体112および116を含む。伸長区間104および106はトラック102の構成部分であり、トラックはまた、ターミナル部108および110を含む。

機体112および116はキャリヤ114および118を介してトラック102に結合されている。トラックは、機体が大気風124に対して横風方向に移動するように配向される。本明細書の中で使用するとき、物体は、その移動方向が大気風の方向と整合しないとき、「横風方向」に移動していると理解され得る。大気風は卓越風であり得るが、それに限定される必要はない。

いくつかの例において、物体は、その移動方向が大気風の方向に対して垂直であるとき、横風方向に移動している。いくつかの例において、物体は、その移動方向が、大気風の方向に対して垂直である方向から+/−45°未満であるとき、横風方向に移動している。いくつかの例において、物体は、その移動方向が、大気風の方向に対して垂直な方向から+/−20°未満であるとき、横風方向に移動している。

いくつかの例において、垂直な移動方向(大気風に対する)からの最大角度オフセットは効率損失の限界によって計算され得る。いくつかのさらなる例においては、アルゴリズムを使用して角度オフセット(β)を効率損失(EL)の限界と関連させ得る。例示的なアルゴリズムは、EL=(1−cosβ)およびEL=(1−cos2β)を含み得る。効率損失における所与の限界に関して、最大オフセット角を決定することができる。

横風方向に移動することにより、本明細書に記載されるいくつかの例は、大気風速度の何倍もの速度で移動し得る。加えて、伸長区間に沿って移動することにより、いくつかの態様は、機体の翼幅の何倍もの面積から風力を捕捉し得る。いくつかの例において、電力抽出の面積は、伸長区間の合計長×機体の翼幅である。対照的に、風力タービンは、タービンブレードのスパンに一致する半径の円の面積からの風力の回収に限られる。

本明細書に記載されるいくつかの態様はまた、AWEに対しても利点を提供し得る。たとえば、いくつかの態様はテザーを使用しないため、風力の回収に伴うコサイン損失がなく、テザー抗力によるエネルギー損失もない。さらには、いくつかの例は、AWEとは対照的に、「飛行型装置」とは分類され得ず、したがって、航空規制および制限の不都合を回避し得る。

図1Aおよび1Bに戻ると、機体112および116は、それぞれ上区間104と下区間106とで反対方向120および122に移動する。機体は、ターミナル部108に沿って上区間から下区間へと移動し、ターミナル部110で下区間から上区間へと移動する。ターミナル部沿いの移動はまた、機体の方向転換を生じさせる。ターミナル部に一致する経路に沿って移動するとき、機体は、所望の横風向きを達成するために、ヨーイングし得る。装置100中、機体は、ターミナル部に一致する経路に沿って移動するとき、180°ヨーイングする(機体の基準座標系中)。

加えて、方向転換により、機体は、上伸長区間104上を移動するときには水平線に対して第一のロールで移動し、かつ下伸長区間106上を移動するときには水平線に対して第二のロールで移動する。より具体的には、図1Aおよび1Bの機体が方向120に移動するとき、機体は右側に対して90°ロールする(地球基準座標系中)。機体が方向122に移動するとき、機体は左側に対して90°ロールする。異なる方向に移動するとき異なる角度でロールすることにより、本開示のいくつかの例は、伸長区間に沿ったいずれの方向でも機体が横風方向に移動することを可能にし、機体を、相対風に対して空力的に効率的な迎え角に配向させる(以下さらに説明する)。

電気は、いくつかの機構(図示せず)またはそれらの機構の組み合わせを使用して、機体の動きから捕捉され得る。いくつかの例においては、機体にかかる抗力を電気に変換し得る。これは、電気モータまたは発電機、たとえば機体のプロペラを使用して達成され得る。プロペラが回転するとき、電気が生成される。他の例は、トラックに沿って走るホイール(たとえば図1の要素126および128)を有するキャリッジを含み得る。ホイールが回転するとき、キャリッジ中の電気モータ中で電気が生成される。いくつかの他の例においては、ケーブルまたは他のコンベヤベルトが機体に接続され、電力は、機体上ではなくコンベヤハブにおいて生成される。いくつかの例は、ラック・ピニオン構造を含み得、ピニオンが機体に取り付けられ、ラックが伸長区間にある。さらなる例においては、必要ならば、異なる機体速度を独立して捕捉することができるよう、および/または、いくつかのコンベヤベルトを使用して機体を加速することができるよう、トラック上に数多くのケーブル、コンベヤベルト、レールなどがあってもよい。

いくつかの例において、電気は誘導を通して捕捉される。電気コイルが伸長区間に設置され、磁石が機体に設置され得る。機体が動くと、磁石がコイル中に電流を誘発し、それが電力として捕捉され得る。そのような構造は有利にも、ギヤおよび/またはケーブルのような機械部品の数を減らし得る。いくつかの例において、電気コイルはコアに巻き付けられる。異なる機体速度を独立して捕捉することができるよう、および/またはいくつかのコイルを使用して機体を加速し得るよう、複数のコイルが一つの伸長区間に使用されてもよい。

いくつかの例において、機体は互いに独立して動く。システムは、異なる伸長区間における機体の速度を変化させ得、および/または、任意の時点で各伸長区間にある機体の数を変化させ得る。特定の風の状況においては、たとえば風から抽出される電力を増すために、実質的に異なる速度を有することが有利であり得る。いくつかの例において、低い風速は、相対的に多数の機体が相対的に低速で移動することを必要とし得、対照的に、高い風速は、比較的少数の機体が相対的に高速で移動することを必要とし得る。いくつかの例において、機体の移動方向に対して垂直ではない風向は、異なる速度および/またはトラック上の異なる数の機体を必要とし得る。いくつかの例において、速度および/または数の変更は手動的に導入され、他の例において、変更は自動的に導入される。いくつかの他の例においては、手動制御と自動制御との組み合わせが変更を導入する。

異なる速度および/または異なる数の機体を容易にするために、機体は、伸長区間上を移動していないとき、ターミナル部に集まり得る。区間上の機体の数は風力タービンのソリディティに類似し得る。本明細書の中で使用される「ソリディティ」は、それぞれ機体またはタービンブレードによって占有される面積と比べて、機体またはタービンブレードが掃気する面積(受風面積)の尺度を含むものと理解することができる。風力タービンとは違って、本開示の例は、一つの風条件から別の風条件へと、また、一つの伸長区間から別の伸長区間へと、ソリディティを変化させることができる。

いくつかの例においては、異なる空力プロファイルを有する異なる機体が異なる風条件のために使用され得る。大気風と整合した方向に移動する機体の場合、より多くの電力が機体によって捕捉されるように表面積を最大化することが好都合であり得る。他方で、横風方向に移動する機体は、揚力を増す(そして、それによって横風速度を増す)ために相対的に高い揚抗プロファイルから恩恵を受け得る。機体は、所与の時点における風条件に応じて、囲い部に格納されてもよいし、交換されてもよい。

伸長区間の端部にあるそのような囲い部はまた、一つの方向に移動する機体の数の比を変更するためにも使用され得る。たとえば、三つ以上の伸長区間を有する装置は、一つの方向に移動する異なる数の機体を提供し得る。そのような構成は、風条件が、一つの方向に移動する機体にとって、別の方向に移動する機体よりも有利である場合に好都合であり得る。たとえば、機体が、大気風と整合した方向に移動するとき、機体を高速で戻す(すなわち、風上方向に)ことが好都合であり得る。低抗力プロファイルを利用することにより、風上移動に対する抵抗(ひいては供給される動力)を減らし得る。対照的に、風下速度は相対的に低くてもよい。したがって、三つ以上の伸長区間の場合、より多くの伸長区間を風下移動に割り当てることが有利であり得る。風上機体の速度は、機体が、風下移動を供給するために必要な速度で風上囲い部で補給されるように選択され得る。

囲い部は、ターミナル部の小区間であってもよいし、またはターミナル部に代わるものであってもよい。囲い部は、列車の側線に類似した補助レールを含んでもよい。機体は、必要に応じて、補助レールに載せられ、伸長区間に導入されてもよい。必要に応じて、転轍機(手動または自動)が機体を囲い部の中に案内してもよい。

トラックは、いずれかの端部を塔体によって支持され得る。本明細書の中で使用される「トラック」は、閉ループを構成する伸長区間およびターミナル部を含むものと理解することができる。塔体は、トラックを支持するのに十分な任意のサイズまたは形状をとることができる。塔体は、各ターミナル部の端部に配置されてもよいし、または伸長区間/トラックの内側の地点に配置されてもよい。一例においては、いくつかのトラックが並行に配置され、それぞれが二つの塔体に取り付けられる(電柱に取り付けられた電線と同様)。このようにして、複数のトラックを支持することができ、メンテナンスまたは他の問題の場合、他のトラックの電力抽出を妨げることなく、個々のトラックを使用中止にすることができる。いくつかの例においては、複数の塔体を使用して伸長区間を延長し、支持し得る。これらの例において、区間を延長することは(複数のトラックを提供するよりも)、ターミナル部の数が減る(ひいては、ターミナル部における全エネルギー損失が減る)ため、システムの効率を高め得る。

いくつかの例においては、複数のトラックが互いの上に重ねられる。これらの例においては、機体は、トラック対上で逆回転方向に移動して、各トラック上の機体の回転および/またはターミナル部における機体の加速によって生じ得るねじりモーメントを均衡させ得る。

いくつかの例においては、伸長区間および/またはトラック全体が逆並列に配置される。いくつかの例において、トラックは互いに対して90°に配置され、それによって機体が多様な入射大気風向の場合でも横風方向に移動することを許す。他の例において、トラックは、15°、30°、45°、60°および75°を含む0°〜90°の他の相対角で配置される。

いくつかの例において、伸長区間は格子状に配置される。たとえば、伸長区間の横行が東西に延び得、縦列が南北に延び得る。上から見ると、伸長区間はチェッカー盤パターンを示し得、地面がチェッカー盤の「マス目」を表す。この配置は、大気風の向きにかかわらず電力抽出を可能にする。いくつかの例において、伸長区間は、複数の重ねられた正三角形に配向されてもよい。これは、多様な大気風向において電力抽出の増大を可能にし得、また、伸長区間がタイロッドとして働くことを許しる。伸長区間は塔体を共有し得る。同様に、伸長区間は、大気風の向きに依存して伸長区間の間で移送される機体を共有し得る。異なる向きの伸長区間が交互の高さを有し得る。たとえば、南北および東西の各配置が四つの伸長区間を有するならば、南北配置は高さ3、9、15および21フィートに配置され得、東西配置は高さ6、12、18および24フィートに配置され得る。この間隔は、翼幅6フィート未満の機体が伸長区間のいずれか上で別の伸長区間にぶつかることなく移動することを許すであろう。

いくつかの例において、一つまたは複数のトラックは地面または他の基準点に対して移動可能である。たとえば、トラックに関連する一つの塔体が移動可能であり、他方の塔体が固定されて、その固定された塔体を中心にトラックが枢動するようにしてもよい。移動可能な塔体は、輸送のために、ホイール上にあり、モータに接続されてもよい。このようにして、いくつかの例は、入射する大気風向に対する機体移動の角オフセットを変化させ得る。また、移動可能なトラックを有するいくつかの例は、多様な大気風向の場合でも所望の角オフセットに再配向され得る。

図2Aは、本開示の例の例示的な機体200を示す。機体200は、翼202、胴体204および尾翼210を含む。尾翼210は垂直安定板212および水平安定板214を含む。

容易に理解されるように、機体200は例として提供されており、本開示の範囲を逸脱することなく数多くの変形を用いることができる。たとえば、いくつかの機体は、水平安定板のみまたは垂直安定板のみを含んでもよい。いくつかの態様において、機体は尾翼を含まない。

図2Bは、本開示の例の例示的なエーロフォイル230を示す。エーロフォイル230は、トラックに直結されてもよいし、またはより大きな機体の一部であってもよい。いくつかの例において、エーロフォイル230は、図2Aに関して上述した翼202の断面であってもよい。

エーロフォイル230は、有用な揚抗係数を提供する空力効率の高い形状を示す。エーロフォイル230は、前縁232、後縁234、負圧面236および正圧面238を含む。相対風240がエーロフォイル230を通過するとき、その形状がエーロフォイルに上向きの力(図2Bで見た場合)を誘発する。この力は、エーロフォイルに対し、正圧側から負圧側への方向に作用する。

本明細書の中で使用される「エーロフォイル」は、流体流中に動的力を提供する任意の物体、または物体の断面であると理解することができる。これらは、非限定的に、翼、帆およびタービンブレードを含む。エーロフォイルは、さらなる構成部分とともに、より大きなボディの一部であってもよい。たとえば、機体は、エーロフォイルを含み得るだけでなく、図2Aに関して上述したような胴体および尾翼をも含む。いくつかの例において、機体は単にエーロフォイルであってもよい。

正圧面および負圧面を有するエーロフォイルが設計されているとき、エーロフォイルは、トラックの区間上、正圧面がトラックと負圧面との間に配置されるように配向され得る。この配置は、エーロフォイルがより大きい速度で横風方向に移動することを可能にし得る。

翼弦242は、前縁232と後縁234とをつなぐ仮想の直線である。エーロフォイルは、翼弦238と相対風238の方向との間の角度であると理解することができる迎え角α(244)に配向される。

本明細書の中で使用される「相対風」は、発生(created)風速と大気風速とのベクトル和であると理解することができる。図2Cは、横風方向に移動する物体(図示せず)の一例の例示的な相対風速254を示す。ベクトル250は物体の地動速度を表し、ベクトル252は大気風速を表す。

相対風速254を説明するためには、まず「発生風」を理解しなければならない。発生風速は単に地動速度250の大きさであるが、方向が逆である。相対風速を計算するためには、発生風速と大気風速252とをベクトル和して、相対風速254を得る。

図2Bに戻ると、様々な迎え角を用い得る。いくつかの例において、迎え角は、所望の揚抗比の関数として計算される。たとえば、既定の揚抗が6°の迎え角を要するならば、航空機のピッチが大気風および地動速度に基づいて変更される。大気風速が8m/sであり、地動速度が50m/sであるならば、相対風速は、トラックに対して9.09°(tan-1(8/50))になる。相対風に対して6°の迎え角を達成するためには、エーロフォイルはトラックに対して−3°の角度に向けられる。

概して、トラックに対するピッチ角は、大気速度、地動速度および所望の迎え角を用いて決定することができる。まず、大気風速および地動速度から、トラックに対する相対風の角度を決定する。そして、相対風の角度を所望の迎え角から差し引いて、トラックに対する機体の所望のピッチ角を得る。

迎え角は、様々な風条件の場合に変更され得る。すなわち、効率的な電力抽出および限られた構造結着性のような考慮事項が所望の迎え角を決定し得る。迎え角は、尾翼を介して(すなわち、水平安定板上の昇降を介して)制御されてもよいし、トラックと機体との結合を移動/再配向することによって機械的に制御されてもよい。

いくつかの例において、迎え角は、伸長区間上を異なる方向に移動するとき、同じでなくてもよい。これは、伸長区間に対して垂直ではない大気風を考慮し得る。

尾翼を使用して突風安全率を受動的および/または自動的に実現し得る。突風は迎え角を増大させる。テールは、突風がテールの揚力を増すように設計されてもよい。テールが「揚がる」(風に対して)とき、機体の迎え角は減少し、機体の挙動は既定の範囲内に戻る。

いくつかの例において、機体は、力をほとんど発生させない、または発生させないように選択的に配向させることができる。これは、強すぎる風または方向が悪い風に対処する場合およびメンテナンス作業のようなダウンタイムの場合に有利であり得る。ロール角をゼロ(水平線に対して)に設定し、ピッチ角をゼロに設定し(または無揚力迎え角)、機体を自由にヨーイングさせることにより、機体はトラックに対して力をほとんど加えなくなる。

いくつかの例において、電気抽出装置は、一つまたは複数のブライドルを使用して固着される。図3Aおよび3Bは本開示の例の例示的なブライドル係留システムを示す。図3Aはブライドル係留システム300の側面図を示し、図3Bは平面図を示す。

ブライドル係留システム300は、上伸長区間302および下伸長区間304にそれぞれ結合されたブライドル308および310を含む。いくつかの例において、伸長区間302および304は、図1Aおよび1Bに関して上述した上下の伸長区間であってもよい。

ブライドル308および310はアンカー点306でいっしょに固着される。いくつかの例において、二つのブライドルは異なるアンカー点で固着されてもよい。ブライドル308および310は、アンカー点306を含む基準線に対して角度γ1およびγ2を画定する。いくつかの例において、基準線は、地面のレベル、水平線または他の物理的基準であり得る。

図3Bは、ブライドル係留システムを上から示し、各伸長区間に取り付けられた複数のブライドルを示す。この例においては伸長区間が垂直に整合するせいで、伸長区間302が、図3Bに見える唯一の伸長区間である。

図3Bに見てとれるように、ブライドル係留システム300は、伸長区間にかけて分散したブライドル308、314および318を含む。各ブライドルは、それぞれアンカー点306、312および316で伸長区間302に取り付けられている。複数のブライドルが伸長区間302の長さ324を部分長さ320および322に分割する。

上記のように、図3Bの視点のせいで、伸長区間302は伸長区間304を隠している。同じ理由のため、図3Bには、上ブライドル308、314および318だけが見える。システム300はまた、少なくとも、上ブライドル308によって隠された下ブライドル310を含み、かつ上ブライドル314および318によって隠されたさらなるブライドルを含み得る。

本開示のブライドル係留システムは有利にもダウンウインド力を分散させて、電力抽出装置に対するそれらの破壊効果を減らし得る。風力タービン中では、すべての力がハブ(または中心点)に集中し、それが、塔体に対して大きなモーメントを生じさせる。少なくともこの理由のせいで、風力タービン中の塔体は非常に大きくなり得る。本明細書に記載される装置において、ダウンウインド力は複数の機体に分散される。さらに、ブライドル係留が、ダウンウインド力を部分長さ上に分散させて、任意の一つの部分長さが実質的に減少したモーメントしか受けないようにする。

図3Bにおいて部分長さ320および322は概ね等しいが、他の例は異なる部分長さを含み得る。また、図3Bには三つのブライドルが示されているが、他の例は任意の数のブライドルを含み得る。

各部分長さは、多様な事柄を考慮するように選択され得る。たとえば、機体の翼面積、機体の速度、レールの強さなど。いくつかの例において、部分長さは、流体の密度、機体の面積、トラック上のキャリヤの速度、機体揚力係数およびトラックの弾性率の一つまたは複数の関数として決定される。いくつかの例において、部分長さはそれぞれ約2.5メートルである。いくつかの例において、ブライドルの数は、一度に伸長区間上を移動する機体の数によって決まり、一度に移動する機体の数よりも多くの部分長さがあるように選択され得る。

いくつかの例において、係留システムは、周囲の景観および特定の具現因子に合うように選択される。いくつかの例において、各ブライドルは、個々に固着され、地面からトラックまでまっすぐに延びる。他の例において、ブライドルは斜張橋と同様に構成される。ブライドルが一つ(または複数の)アンカー点に取り付き、次いでレール取り付け点へと散開する。もう一つの例において、ブライドルは吊り橋と同様に構成される。サスペンションケーブルが二つの取り付け点の間に円弧を形成し、個々のブライドルがこの円弧に取り付けられる。さらに別の例において、ブライドルシステムはフライングアンカー点を含む。この例においては、支え線/テザーが地面から中央の「フライングアンカー」まで延びる。ブライドルはこの「フライングアンカー」に取り付き、トラックへと散開する。もう一つの例において、主アンカー点とトラックとの間に補助パイロンが設置される。そして、支え線が地面から補助パイロンまで大きな角度で延び、そこからトラックへと向きを変える(個々のブライドルまたはアンカー群を介して)。ブライドルの向きを変えることにより、補助パイロンは、下向きの力のいくらかを吸収して、ブライドル全長をより短くし(または、有効角をより小さくし)、それによって高度によるコサイン損失を減らす。

いくつかの例において、ブライドルは、上区間と下区間とで異なる長さを有し得る。これが、トラックを所望のロール角でロールさせ得、するとそれが、機体を所望のロール角に押しやり得る(以下、ロール角の説明を参照)。

いくつかの態様において、上伸長区間はブライドル取り付け点で下伸長区間に固着される。ここでもまた、異なるブライドル長さが使用され得る。この配置はまた、伸長区間を正しい角度に押しやり得る。先の段落の例と比較して、この配置は、線長さをわずかに強調して(分離を増すことにより)、より現実的な制御を可能にする。

いくつかの例は、様々な大気風方向が回収されるとき、二方向飛梁を含み得る。これらの例においては、反転Vが「風上」区間と「風下」区間との間に配置され得る。両区間はこの飛梁に固着され、キャリヤ/機体は、スライドすることだけができるように区間に取り付けられる。二つの風上ブライドルおよび二つの風下ブライドルが、機体のすべての潜在的向きを回避し得るようなやり方で飛梁に取り付けられる。このようにして、同じくレールを正しいロール角に維持する二方向装置を構成することが可能である。

ブライドル係留はさらなる力をトラックに導入し得る。たとえば、図3Cは、本開示の例にしたがって機体360が水平に対して90°ロールしたとき電力抽出システム350にかかる力を示す。機体360は横風方向に力を発生させ(図示せず)、それが電力として回収される。機体360は、キャリヤ358を介して伸長区間352に結合され、伸長区間352においてダウンウインド力(FD)を発生させる。

ダウンウインド力(FD)はブライドル354によって均衡される。しかし、ブライドル354は角度γに向けられており、そのため、ブライドル力(FB)は水平から90−γの角度で作用する。その結果、ブライドル力(FB)は、水平成分(機体のダウンウインド力を均衡させるための)および垂直成分の両方を有する。図3Cの例においてカウンタバランスを有しないこの垂直成分は、トラックを下向きに引く傾向を示し、それがトラックに応力を加え得る。

いくつかの態様においては、水平から90°未満であるロールが機体に導入される。ロールは、機体に作用する力が概ねブライドルの方向になるように機体をレールおよびブライドルに対して配向させ得る。

図3Dは、本開示の例にしたがって機体360に導入される例示的なロールの側面図を示す。上記のように、ブライドル354は、アンカー点356で地表面に結合され、水平に対してγの角度に向けられる。ブライドル力を均衡させるために、機体360は水平に対して角度φでロールしている(ここでは水平が参照されているが、任意の基準線を使用することができる)。

図3Dの例において、機体360は角度φ=90−γでロールしている。いくつかの態様において、γは90−γに等しくなくてもよく、90−γから数°の角度にロールしている。いくつかの例において、90−γからの最大角度オフセットは効率損失の限界によって計算され得る。いくつかのさらなる例においては、アルゴリズムを使用して角度オフセット(γ)を効率損失(EL)の限界と関連させ得る。例示的なアルゴリズムはEL=(1−cosγ)を含み得る。効率損失における所与の限界に関して、最大オフセット角を決定することができる。最大角度オフセットはまた、トラックの構造によって制限され得る。機体ロールとブライドル高度との間の角度が増すとともに、トラックにかかる応力は増大する。所与の材料に関して、最大オフセットは、トラックにかかる応力を既定の範囲内に維持するように計算され得る。

機体360はキャリヤ358を介して伸長区間352に結合されている。キャリヤ358は、機体360が伸長区間352に対するその角度を変化させることができるよう、伸長区間352に対して回転可能であり得る。いくつかのキャリヤは、以下さらに詳細に説明するように、機体を所望のロール角に配向させるためのサーボを含み得る。

いくつかの例において、上伸長区間と下伸長区間とは異なるブライドル角を有し得(図3Aを参照)、ひいては機体における異なるロールを有し得る。機体がターミナル部に沿って移動するとき、機体が伸長区間にとって正しいロール角を呈することができるよう、ロールの変更が導入されなければならない。これは、機体が、ターミナル部に一致する経路に沿って移動するとき、機体を、180°ヨーイングさせながらも所望の量だけロールさせることによって達成され得る。いくつかの変形において、このロールの大きさはブライドル角の合計になる。

いくつかの態様においては、機体のロールを計測し、相応に調節し得る。いくつかの例において、ロールは、機体に取り付けられたセンサを使用して、またはカルマンフィルタのようなセンサ融合アルゴリズを介して統合された慣性航法システム(たとえばジャイロスコープ、加速度計およびGPS)を介して計測され得る。機体の位置はまた、RFIDまたは他の近距離場通信によって感知され得、それらの出力がセンサ融合アルゴリズムに利用される。いくつかの態様において、機体のロールは、キャリッジに取り付けられた機械的センサを使用して計測される。

機体のロールを制御することができるいくつかの機構がある。いくつかの例において、機体はその翼に補助翼を備えている。補助翼を操作することにより、機体のロールを制御することができる。いくつかの態様において、伸長区間が自然なロールを機体に導入し得る。たとえば、伸長区間は、機体をロールさせ、ブライドル力を均衡させるように自然に撓む可撓性材料で構成され得る。いくつかの態様においては、トラックが支持塔体に回転可能に取り付けられる。このようにして、トラックは、機体中の適切なロールに対応する、水平に対する角度へと自然に再配向し得る。いくつかの例においては、ロールを誘発するために、キャリヤへの機体取り付けが圧力の中心から横方向にオフセットされ得る。所望のロールが達成されたとき、取り付けを圧力の中心にリセットし得る。いくつかの態様は、翼端を差分的にキャリヤにつなぐことによってロールを制御する。たとえば、右側のテザーを長くし、左側のテザーを短くして、左側へのロールを生じさせ得る。

上記説明は主に、ロール角を決定するとき、ブライドル力を機体にかかる動的空気力と均衡させることに着目するが、他の力を考慮に入れてもよい。これらの力は、機体およびキャリヤにかかる重力、伸長区間にかかる重力、支持塔体および飛梁にかかる重力、伸長区間にかかる抗力ならびに接続された物体の任意の浮力(たとえば水中態様または飛行型態様におけるような)を含み得る。いくつかの態様において、伸長区間は、抗力を減らすように空力的に成形される。

いくつかの飛行型の例において、装置の重量によって誘発される重力は、機体によって誘発される揚力によって均衡され得る。そのような装置は、まず、たとえばクレーン、航空機または浮力装置によって所望の高度まで持ち上げられ得る。ひとたび適切な高さに達すると、風を利用して高度を変更または維持し得る。これは有利にも、飛行型態様が高い高度で高速風ベクトルを捕捉することを可能にし得る。

いくつかの例においては、複数のブライドルをトラック上の一点に取り付け、「散開」させて、各ブライドルがトラックに対して異なる角度を形成する(上から見たとき)ようにし得る。この配置は有利にも、多様な相対風向の場合でも動的空気力を相殺し得る。

いくつかの例においては、トラックと最外ブライドルとの間の角度とブライドル対の間の角度とが等しくてもよい。さらなる例において、等しい角度はそれぞれ、180°÷ブライドルの数+1(たとえば180÷(n+1)、ただしnはブライドルの数である)であり得る。たとえば、同じ点に取り付けられた二つのブライドルの場合、ブライドル間の角度は60°であり得、各ブライドルとトラックとの間の角度は60°であり得る。他の例において、トラックと最外ブライドルとの間の角度とブライドル対の間の角度とは等しくなくてもよい。

複数のブライドルをトラック上の同じ点に取り付け、ブライドルをトラックに対して様々な角度に配置することにより、いくつかの例は、様々な大気風速および機体風速の場合でも動的空気力オフセットを改善し得る。たとえば、機体がトラック上を相対的に高速で移動しているならば、相対風は、伸長区間の向きに対して概ね平行であり得る(その結果、伸長区間に対して垂直な力を生じさせる)。そのような状況で、伸長区間上の一点に異なる角度で接続された複数のブライドルは、力をブライドル間で分散させることを可能にするであろう。

対照的に、機体速度が低めであるならば、相対風は、伸長区間に対して平行になり得ない(したがって、力は伸長区間に対して垂直になり得ない)。そのような状況において、動的空気力は、ブライドルの一つとより整合し得、そのブライドルが動的力を相殺することができる。これを、非垂直な力(伸長区間への)がブライドルによって部分的にしか均衡されないシングルブライドル態様と比較すること。

異なる角度の複数のブライドルが様々な風条件の場合で最適化を許し得る。たとえば、相対的に遅い大気風は、「風上」方向において高い機体速度および低い迎え角を必要とし得るが、「風下」方向においては低い機体速度および高い迎え角を必要とし得る。

ブライドル係留およびロール誘発の上記説明は主に、二つの伸長区間を有するシステムに着目するが、当業者は、この概念を、一つの伸長区間しか有しないシステムまたは複数の伸長区間を有するシステムにも適用することができることを容易に理解するであろう。当業者はまた、上記ブライドル係留およびロール誘発の概念を非伸長区間にも適用することができることを容易に理解するであろう。上記説明は、機体をロールさせてブライドル中の力を相殺することができる、ブライドルおよび機体を含むシステムの任意の構成に当てはまる。

次に、伸長区間を接続するターミナル部に目を向けると、機体が、方向転換するとき、遠心力をトラックに加えることが理解されよう。この遠心力が、ターミナル部におけるトラックの補強を要求し得る。

ターミナル部における遠心力に加えて、動的空気力が同じく誘発される。具体的には、機体はターミナル部でヨーイングし得る。この結果、外側の翼端が内側の翼端よりも高い地動速度を有することになる。したがって、外側の翼端は異なる迎え角を有する。したがって、見かけ迎え角および見かけ風速は内側と外側とで異なる。これが、内側の翼よりも外側の翼でより多くの揚力を生じさせ得る。

いくつかの態様において、ターミナル部における力および配置の必要性は、ターミナル部における機体の絶対速度を下げることによって対処される。この減速を電力として回収することができる。

いくつかの態様において、機体はターミナル部でロールして、ヨーによって発生する力に対抗する。たとえば、外側補助翼が上げられ、内側補助翼が下げられるならば、外側揚力が減少し、内側揚力が増大する。これは、揚力分散を均等化し、構造によって吸収されなければならないローリングモーメントを減らすように働き得る。

上記態様の説明は主に、地面に固着されたトラックに関して提供されたが、本開示はそのように限定されない。いくつかの例において、トラックは飛行型であってもよいし、または洋上型であってもよい。

加えて、上記では主に単葉機体が説明されたが、いくつかの態様は、多葉航空機、たとえば複葉機または他の多葉機体を含み得る。翼は、重ねられてもよいし、前後に配置されてもよいし、または両方の組み合わせであってもよい。

図4は、本開示の例にしたがって電力を抽出する方法400を示す。方法400は、トラック402を提供する工程を含む。トラックは、第一の伸長区間と、第一の伸長区間より下にある第二の伸長区間とを含み得る。方法400は、機体が大気風に対して横風方向に移動するように機体をトラック404に結合する工程を含む。

いくつかの例において、電力を抽出する方法はまた、ブライドルを第一の伸長区間に取り付ける工程を含み得る。ブライドルは、固着され、水平線に対してγ°に向けられ得る。方法はまた、第一の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して約90−γ°ロールさせる工程を含み得る。いくつかの例は一つより多いブライドルを含み得る。

いくつかの例において、方法はまた、機体が第一の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して第一の角度にロールさせ、機体が第二の伸長区間に結合されているとき、機体を水平線に対して第二の角度にロールさせる工程を含み、第一の角度は第二の角度とは異なる。

いくつかの例は、第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程を含み、機体は、機体が第一の伸長区間からターミナル部へと移動するとき減速し、機体がターミナル部から第二の伸長区間へと移動するとき加速する。いくつかの例において、方法は、第一の伸長区間と第二の伸長区間との間にターミナル部を結合する工程および機体がターミナル部に沿って移動するとき機体をヨーイングさせる工程を含む。

上記のように、本開示は風力に限定されない。いくつかの例は他の気体または流体を含み得る。例示的な水力態様は河川施設または潮力発電施設を含み得る。いくつかの他の例において、電気抽出装置は、揚力を発生させ得る浮揚装置に取り付けられてもよい。たとえばエネルギー捕捉量を増すために、ロール角の操作(構造または能動制御による)により、装置を所望の深さまたは高さに維持することができる。本明細書の中で使用されるとき、特定の適用例を暗示し得る語(たとえば横風および大気風)は、他の流体流においても類似した語を有するものと理解されるべきである。

さらに、本明細書の中で使用される「伸長区間」は、機体が結合され、機体の大きさの何倍もの距離にわたり横風方向に移動することができる任意の構造であると理解され得る。伸長区間は必ずしも直線でなくてもよく、曲線または他の非直線の局面を含み得る。いくつかの態様において、電力を抽出するための装置または方法は、一つの伸長区間を含んでもよいし、または本明細書に記載される垂直方向ではなく水平方向に配置された複数の伸長区間を含んでもよい。

開示された態様は添付図面を参照しながら十分に説明されたが、様々な変更および改変が当業者には明らかになることが留意されるべきである。そのような変更および改変は、特許請求の範囲によって画定される開示された態様の範囲に含まれるものと理解されなければならない。

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