飛行体

申请号 JP2017532367 申请日 2016-07-27 公开(公告)号 JPWO2017022209A1 公开(公告)日 2018-05-24
申请人 パナソニックIPマネジメント株式会社; 发明人 村松 史雄; 外山 昌之; 松本 宏之; 市村 重徳; 五百部 達也; 滝田 瑞樹;
摘要 プロペラ(32)と、プロペラ(32)を駆動するモータ(33)とをそれぞれが有する複数のロータユニット(30)と、複数のロータユニット(30)の上下方向の高さに亘って、複数のロータユニット(30)の側方を覆う緩衝体と、複数のロータユニット(30)のそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニット(30)が発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸(37)において回転する複数のフラップ(34)と、を備える。
权利要求

プロペラ、及び、前記プロペラを駆動するモータをそれぞれが有する複数のロータユニットと、 前記複数のロータユニットの上下方向の高さに亘って、前記複数のロータユニットの側方を覆う緩衝体と、 前記複数のロータユニットのそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニットが発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸において回転する複数のフラップと、を備える 飛行体。前記複数のフラップは、それぞれ、独立して回転する 請求項1に記載の飛行体。前記緩衝体には、当該緩衝体を上下方向に貫通する複数の通気孔が形成され、 前記複数のフラップは、当該フラップが対応するロータユニットと共に、それぞれ、前記複数の通気孔の中に配置される 請求項1または2に記載の飛行体。前記緩衝体は、ガスが封入されたバルーンである 請求項1から3のいずれか1項に記載の飛行体。前記複数のロータユニットは、前記飛行体を上面視したときの前記飛行体の所定の基準点を囲う位置に配置され、 前記複数のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記所定の基準点を中心とした仮想的な円の周方向に交差する姿勢で配置される 請求項1から4のいずれか1項に記載の飛行体。前記複数のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記所定の基準点と当該フラップが対応するロータユニットの中心とを結ぶ直線に沿う姿勢で配置される 請求項5に記載の飛行体。前記複数のフラップの少なくとも1つは、前記飛行体が平方向に移動する場合、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の移動方向の前側に位置する姿勢に傾く 請求項1から6のいずれか1項に記載の飛行体。前記複数のフラップのそれぞれは、前記飛行体が自転する場合、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の自転する方向側に位置する姿勢に傾く 請求項1から7のいずれか1項に記載の飛行体。前記複数のフラップは、前記飛行体が自転する場合、前記複数のフラップのそれぞれを前記飛行体の所定の基準点から見たときに、互いに同一の方向に傾く 請求項8に記載の飛行体。さらに、 操作者が操作している無線操作装置が発信した指示信号を受信する受信機と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記複数のロータユニットの回転数を制御する第1制御器と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記複数のフラップの傾きを制御する第2制御器と、を備える 請求項1から9のいずれか1項に記載の飛行体。前記複数のフラップは、前記複数の通気孔の下端部に配置される 請求項3または4に記載の飛行体。前記複数の通気孔の下端部は、下側に向かうに従い、断面積が拡大する形状を有する 請求項11に記載の飛行体。

飛行体であって、 プロペラ、及び、前記プロペラを駆動するモータをそれぞれが有するN個(Nは3以上の整数)のロータユニットと、 前記N個のロータユニットの側方を覆う緩衝体と、 前記N個のロータユニットのそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニットが発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸において回転するN個のフラップと、を備え、 前記N個のロータユニットは、前記飛行体を上面視したときの前記飛行体の所定の基準点を中心とした仮想的な円の上に、(360°/N)間隔で配置される 飛行体。前記N個は、4である 請求項1に記載の飛行体。前記緩衝体には、当該緩衝体を上下方向に貫通するN個の通気孔が形成され、 前記N個のフラップは、当該フラップが対応するロータユニットと共に、それぞれ、前記N個の通気孔の中に配置される 請求項1または2に記載の飛行体。前記緩衝体は、ガスが封入されたバルーンである 請求項1から3のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記仮想的な円の周方向に交差する姿勢で配置される 請求項1から4のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記所定の基準点と当該フラップが対応するロータユニットの中心とを結ぶ直線に沿う姿勢で配置される 請求項5に記載の飛行体。前記飛行体が水平方向に移動する場合、前記N個のフラップの前記回転軸が前記飛行体の移動方向と交差するフラップの少なくとも1つは、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の移動方向の前側に位置する姿勢に傾く 請求項1から6のいずれか1項に記載の飛行体。前記飛行体が自転する場合、前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の自転する方向側に位置する姿勢に傾く 請求項1から7のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップは、前記飛行体が自転する場合、前記N個のフラップのそれぞれを前記飛行体の所定の基準点から見たときに、互いに同一の方向に傾く 請求項8に記載の飛行体。さらに、 操作者が操作している無線操作装置が発信した指示信号を受信する受信機と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記N個のロータユニットの回転数を制御する第1制御器と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記N個のフラップの傾きを制御する第2制御器と、を備える 請求項1から9のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップは、前記N個の通気孔の下端部に配置される 請求項3または4に記載の飛行体。前記N個の通気孔の下端部は、下側に向かうに従い、断面積が拡大する形状を有する 請求項11に記載の飛行体。飛行体であって、 プロペラ、及び、前記プロペラを駆動するモータをそれぞれが有するN個(Nは3以上の整数)のロータユニットと、 前記N個のロータユニットの側方を覆う緩衝体と、 前記N個のロータユニットのそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニットが発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸において回転するN個のフラップと、を備え、 前記N個のロータユニットは、前記飛行体を上面視したときの前記飛行体の所定の基準点を中心とした仮想的な円の上に、(360°/N)間隔で配置される 飛行体。前記N個は、4である 請求項1に記載の飛行体。前記緩衝体には、当該緩衝体を上下方向に貫通するN個の通気孔が形成され、 前記N個のフラップは、当該フラップが対応するロータユニットと共に、それぞれ、前記N個の通気孔の中に配置される 請求項1または2に記載の飛行体。前記緩衝体は、ガスが封入されたバルーンである 請求項1から3のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記仮想的な円の周方向に交差する姿勢で配置される 請求項1から4のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップの前記回転軸が前記所定の基準点と当該フラップが対応するロータユニットの中心とを結ぶ直線に沿う姿勢で配置される 請求項5に記載の飛行体。前記飛行体が水平方向に移動する場合、前記N個のフラップの前記回転軸が前記飛行体の移動方向と交差するフラップの少なくとも1つは、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の移動方向の前側に位置する姿勢に傾く 請求項1から6のいずれか1項に記載の飛行体。前記飛行体が自転する場合、前記N個のフラップのそれぞれは、当該フラップが対応するロータユニットが発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、前記飛行体の自転する方向側に位置する姿勢に傾く 請求項1から7のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップは、前記飛行体が自転する場合、前記N個のフラップのそれぞれを前記飛行体の所定の基準点から見たときに、互いに同一の方向に傾く 請求項8に記載の飛行体。さらに、 操作者が操作している無線操作装置が発信した指示信号を受信する受信機と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記N個のロータユニットの回転数を制御する第1制御器と、 前記受信機が受信した前記指示信号に応じて前記N個のフラップの傾きを制御する第2制御器と、を備える 請求項1から9のいずれか1項に記載の飛行体。前記N個のフラップは、前記N個の通気孔の下端部に配置される 請求項3または4に記載の飛行体。前記N個の通気孔の下端部は、下側に向かうに従い、断面積が拡大する形状を有する 請求項11に記載の飛行体。

说明书全文

本開示は、複数のロータユニットを備えた飛行体に関するものである。

特許文献1には、それぞれがプロペラを有する複数のロータユニットを備えた飛行体が開示されている。この種の飛行体は、マルチコプターやドローンと呼ばれている。

特許文献2には、プロペラを有する1つのロータユニットと、ヘリウムガスが充填された浮体とを備えた飛行体が開示されている。この文献の飛行体では、ドーナツ状に形成された浮力体が、1つのロータユニットの周囲を囲うように配置されている。

特開2011−046355号公報

特開平04−022386号公報

特許文献1の飛行体は、複数のロータユニットが露出している。また、特許文献2の飛行体は、大型のプロペラを有する1つのロータユニットで飛行するため、着陸の際にロータユニットの重量を支える脚部や、飛行方向を制御するためのフィンが、浮力体の外部に突出している。このため、これらの飛行体が飛行中に物体に接触すると、飛行するために必要なロータユニットやフィンなどが損傷し、その結果、安定した飛行を継続できなくなるおそれがある。

本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、飛行中に飛行体が人や物と接触した場合であっても、飛行体の安定した飛行を継続させることにある。

本開示における飛行体は、プロペラ、及び、前記プロペラを駆動するモータをそれぞれが有する複数のロータユニットと、前記複数のロータユニットの上下方向の高さに亘って、前記複数のロータユニットの側方を覆う緩衝体と、前記複数のロータユニットのそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニットが発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸において回転する複数のフラップと、を備える。

本開示における飛行体によれば、飛行中に飛行体が物体と接触した場合であっても、飛行体の安定した飛行を継続させることができる。

図1は、実施の形態1の飛行体の斜め下方から見た斜視図である。

図2は、実施の形態1の飛行体の平面図である。

図3は、図2におけるIII−III断面を示す飛行体の断面図である。

図4は、図2におけるIV−IV断面を示す飛行体の断面図である。

図5は、実施の形態1のバルーンの平面図である。

図6は、図5におけるVI−VI断面を示すバルーンの断面図である。

図7は、実施の形態1の飛行体の通気孔の内部の構成を示す斜視図である。

図8Aは、実施の形態1の飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の一例を示す概略図である。

図8Bは、実施の形態1の飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の他の一例を示す概略図である。

図9は、実施の形態1の飛行体の構成を示すブロック図である。

図10Aは、実施の形態1の飛行体において平方向前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図10Bは、実施の形態1の飛行体において水平方向右側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図10Cは、実施の形態1の飛行体において水平方向右斜め前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図11Aは、実施の形態1の飛行体において水平方向に沿って左回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図11Bは、実施の形態1の飛行体において水平方向に沿って右回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図12は、実施の形態1の変形例1に係る飛行体において水平方向前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図13は、実施の形態1の変形例1に係る飛行体において水平方向に沿って左回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

図14は、実施の形態1の変形例2に係る飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の一例を示す概略図である。

図15は、実施の形態2の飛行体の図3に相当する断面図である。

図16は、実施の形態3の飛行体の図3に相当する断面図である。

図17は、実施の形態4の飛行体が備えるバルーンの図6に相当する断面図である。

図18は、実施の形態5の飛行体が備えるバルーンの平面図である。

図19は、実施の形態6の飛行体の平面図である。

図20は、図19におけるXX−XX断面を示す飛行体の断面図である。

図21は、他の実施の形態の飛行体の平面図である。

図22は、他の実施の形態の飛行体の平面図である。

図23は、バルーンのシートの構成を示す図である。

以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。

なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。

《実施の形態1》 [飛行体の概略構成] 実施の形態1の飛行体10について説明する。

図1は、実施の形態1の飛行体の斜め下方から見た斜視図である。図2は、実施の形態1の飛行体の平面図である。図3は、図2におけるIII−III断面を示す飛行体の断面図である。図4は、図2におけるIV−IV断面を示す飛行体の断面図である。

図1及び図2に示すように、本実施の形態の飛行体10は、緩衝体としての1つのバルーン20と、4つのロータユニット30とを備えている。また、図3及び図4に示すように、飛行体10には、制御器41、バッテリ42、プロジェクタ43、及びカメラ44が、搭載機器として設けられている。更に、飛行体10には、発光体46が設けられている。

[バルーン] 次にバルーン20について説明する。

図5は、実施の形態1のバルーンの平面図である。図6は、図5におけるVI−VI断面を示すバルーンの断面図である。

図3、図4及び図6に示すように、バルーン20は、柔軟なシート状の材料(例えば、塩化ビニル)によって構成され、このシート状材料によって囲まれた閉空間であるガス空間21を有する。図3、図4及び図6では、バルーン20を構成するシート状材料の断面を太線で示している。バルーン20の外側面を構成するシート状材料は、光を透過させる半透明の白色である。シート状の材料によって形成されたガス空間21には、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスが充填されている。このガス空間21に充填されるガスとしては、空気よりも密度の小さいガスを用いてもよい。

図5に示すように、バルーン20は、上下方向に延びる直線を対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。この対称軸が、バルーン20の中心軸Pとなる。図5に示すバルーン20の形状は、90°回転対称性を有している。つまり、バルーン20は、中心軸Pまわりに90°回転する毎に、回転する前と同じ形状となる。

図6に示すように、バルーン20は、上下に扁平な形状である。また、バルーン20は、側方から見て流線形状である。バルーン20の高さは、バルーン20の中心部から周縁部へ向かって次第に低くなる。具体的に、バルーン20は、図6に示すバルーン20の中心軸Pを通る断面の形状が、長軸が水平方向となって短軸が鉛直方向となる楕円形状である。つまり、このバルーン20の断面の形状は、実質的に上下対称である。なお、このバルーン20の断面形状は、厳密な焦点楕円である必要はなく、一見して楕円形と認識できる形状であればよい。

バルーン20には、ロータユニット30と同数(本実施の形態では4つ)の通気孔22が形成されている。図6に示すように、各通気孔22は、断面が概ね円形の通路であって、バルーン20を上下方向へ貫通している。各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pと実質的に平行である。

また、図6に示すように、各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pと周縁の中間位置よりも、バルーン20の周縁側に配置される。具体的には、バルーン20の中心軸Pから通気孔22の中心軸Qまでの距離Sが、バルーン20の中心軸Pからバルーン20の周縁までの距離Rの半分よりも長い(S>R/2)。このように、ロータユニット30は、バルーン20の周縁寄りの部分に配置される。このようにロータユニット30を配置するのは、ロータユニット30同士の間隔を十分に確保し、飛行体10の飛行を安定させるためである。

通気孔22は、上下方向の中央部において、その断面積(中心軸Qと直交する断面の面積)が最も小さい。また、通気孔22は、上下方向の中央部から上端部へ向かって次第に断面積が拡大し、且つ上下方向の中央部から下端部へ向かって次第に断面積が拡大する形状を有する。つまり、通気孔22の形状は、高さ方向の中央部が括れた柱状である。また、上述したように、バルーン20は、バルーン20の中心部から周縁部へ向かって高さが次第に低くなる形状を有する。このため、各通気孔22は、バルーン20の周縁部寄りの高さhが、バルーン20の中心部寄りの高さHよりも低い。

図5に示すように、4つの通気孔22は、バルーン20の中心軸Pまわりに90°間隔で配置されている。つまり、4つの通気孔22は、飛行体10を上面視したときの飛行体10の所定の基準点としての中心軸Pを囲う位置に配置されている。また、バルーン20の中心軸Pから各通気孔22の中心軸Qまでの距離は、一定である。つまり、各通気孔22の中心軸Qは、バルーン20の中心軸Pを中心とする1つのピッチ円PCと実質的に直交する。

図5に示すように、バルーン20の上面視における周縁は、通気孔22と同数ずつ(本実施の形態では4つずつ)の基準曲線部23と小曲率半径部24とによって構成されている。バルーン20の上面視における周縁では、基準曲線部23と小曲率半径部24とが交互に配置されている。小曲率半径部24は、各通気孔22の外側(即ち、バルーン20の中心軸Pとは反対側)に1つずつ配置されている。基準曲線部23は、隣り合う2つの小曲率半径部24の間に配置されている。

基準曲線部23と小曲率半径部24とは、共に湾曲した曲線状に形成されている。各小曲率半径部24の長さ方向(周方向)の中点は、その小曲率半径部24に最も近い通気孔22の中心軸Qとバルーン20の中心軸Pの両方と直交する直線Lの上に位置している。

小曲率半径部24の曲率半径は、基準曲線部23の曲率半径よりも小さい。ただし、基準曲線部23の曲率半径は、基準曲線部23の全長に亘って一定である必要は無い。また、小曲率半径部24の曲率半径は、小曲率半径部24の全長に亘って一定である必要は無い。基準曲線部23及び小曲率半径部24の曲率半径が一定でない場合は、小曲率半径部24の曲率半径の最大値が、基準曲線部23の曲率半径の最小値よりも小さければよい。

図6に示すように、バルーン20は、筒状の連結部材25を備えている。この連結部材25は、透明なシート状の材料で構成されており、上端部と下端部の直径が若干拡大した円筒状(あるいは円管状)に形成されている。連結部材25は、その中心軸がバルーン20の中心軸Pと実質的に一致する姿勢で配置されている。この連結部材25は、バルーン20の内部において、その上端がバルーン20の上部に接合され、その下端がバルーン20の下部に接合されている。

筒状の連結部材25は、その上端面が塞がれる一方、その下端面が開口している。このため、連結部材25の内部空間は、バルーン20の外部空間と連通している。連結部材25の内部空間には空気が存在し、この内部空間の圧力は大気圧と実質的に等しい。

上述したように、バルーン20は、上下方向に延びる中心軸Pを対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。また、バルーン20のガス空間21に充填されたヘリウム等のガスは、ガス空間21の全体に均一に存在する。このため、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点(浮力中心)は、実質的にバルーン20の中心軸P上に位置する。

バルーン20の内容積(即ち、ガス空間21の容積)は、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の大きさが、飛行体10の総重量よりも若干小さくなるように設定されている。このため、上空でロータユニット30が停止した場合、飛行体10は、ゆっくりと下降する。

[ロータユニット] 次に、ロータユニット30について説明する。

図2及び図3に示すように、ロータユニット30は、フレーム31と、プロペラ32と、モータ33とを1つずつ備えている。

フレーム31は、リング状に形成された部分と、中心からリング状の部分へ向かって延びるスポーク状の部分とによって構成されている。モータ33は、フレーム31の中心部に取付けられている。プロペラ32は、モータ33の出力軸に取付けられている。モータ33の出力軸の回転軸(即ち、プロペラ32の回転軸)は、フレーム31の中心軸と実質的に一致している。なお、プロペラ32は、1枚のプロペラにより構成されているが、同一の回転軸において互いに逆回転する2枚のプロペラ(二重反転プロペラ)により構成されていてもよい。

ロータユニット30は、各通気孔22に1つずつ配置されている。このため、複数のロータユニット30は、飛行体10を上面視したときの飛行体10の中心軸Pを囲う位置に配置されている。このロータユニット30は、プロペラ32の回転軸が実質的に鉛直方向となる姿勢で設置されている。プロペラ32の回転軸は、通気孔22の中心軸Qと実質的に一致している。ロータユニット30は、通気孔22の上下方向の中央部に配置されている。つまり、図3に示すように、ロータユニット30は、バルーン20の上下方向の中央面Mとオーバーラップするように配置される。この中央面Mは、バルーン20の上下方向の中央に位置して、バルーン20の中心軸Pと直交する平面である。ロータユニット30のフレーム31の外径は、通気孔22の上下方向の中央部の内径と概ね等しい。

ロータユニット30は、通気孔22の内部にロータユニット30の全高さが収まるように配置されている。つまり、複数のロータユニット30のそれぞれは、上下方向の高さに亘って、当該ロータユニット30の側方がバルーン20によって覆われている。なお、上下方向とは、飛行体10が傾いていない水平な姿勢における上下方向である。つまり、上下方向は、ロータユニット30の回転軸方向に略平行である。

通気孔22は、ロータユニット30の上下方向の中心の位置から、上下方向のそれぞれにおいて、ロータユニット30の直径以上の高さを有することがより好ましい。これにより、ロータユニット30に対して衝撃が加えられたり、ロータユニット30が故障したりすることで、ロータユニット30のプロペラ32の回転軸が飛行体10に対して90度回転した状態となったとしても、ロータユニット30が通気孔22の外に飛び出すことを低減できる。よって、バルーン20は、ロータユニット30の側方を、ロータユニット30が物体に接触し難い程度に覆うことができる。

[フラップ及び整流板] 次に、フラップ34及び整流板35について、図2、3、7および8を用いて説明する。

図7は、実施の形態1の飛行体の通気孔の内部の構成を示す斜視図である。なお、図7では、紙面の左手前側が飛行体10の内側(中心軸P側)を示し、紙面の右奥側が飛行体10の外側を示す。

図2、3及び7に示すように、飛行体10は、通気孔22の中にロータユニット30の他に、可動式のフラップ34と、整流板35とを備える。つまり、可動式のフラップ34及び整流板35は、複数(本実施の形態では4つ)のロータユニット30のそれぞれに対応して複数設けられている。複数のフラップ34それぞれの構成は互いに同じであり、複数の整流板35それぞれの構成は互いに同じであるため、以下では、1つの通気孔22に設けられるフラップ34及び整流板35について説明する。

フラップ34は、通気孔22の下端部に配置されており、1つのロータユニット30の下流側に設けられている。フラップ34は、回転していない基準姿勢の状態で、飛行体10の上面視において、飛行体10の中心軸Pと当該フラップ34が配置される通気孔22の中心軸Qとを結ぶ直線PQに略平行に配置される長尺板状の部材である。

フラップ34は、飛行体10の外側に配置される短辺が内側に配置される短辺よりも上に配置されるような姿勢で配置され、上流(ロータユニット30)側の上流側部位(上側の長辺)を回転軸37として、図7のように可動する。つまり、フラップ34の回転軸37は、飛行体10の外側における端部が、飛行体10の内側における端部よりも高い位置に配置されるように水平方向に傾いて配置されている。フラップ34は、対応するロータユニット30が発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸37において回転する。つまり、フラップ34は、当該フラップ34の回転軸37が飛行体10の中心軸Pと当該フラップ34が配置される通気孔22の中心軸Qとを結ぶ直線PQに沿う姿勢で配置されている。フラップ34は、回転軸37で回転して傾いた姿勢となることで、ロータユニット30が発生させる気流が流れる方向を変更する。ここで、上面視において直線PQに略平行とは、直線PQとの度が−30°〜30°の範囲にあることを言う。つまり、フラップ34の回転軸37が延びる方向と、ロータユニット30の回転軸が延びる方向とは、60°〜120°の範囲で交差する。

フラップ34は、回転軸37において回転する動力となるアクチュエータ36を有する。アクチュエータ36は、例えば、サーボモータである。アクチュエータ36は、図7の(b)に示す基準姿勢の状態から、所定の角度(例えば45度)だけ、左右のいずれかに回転することでフラップ34を傾ける。フラップ34は、アクチュエータ36によって回転されることで、例えば、基準姿勢の状態から、図7の(c)に示す左回転した状態、または、右回転した状態に遷移する。

複数のアクチュエータ36は、それぞれ、独立して回転する。よって、複数のフラップ34は、それぞれ、独立して回転する。つまり、複数のフラップ34のうち、一のフラップ34と他のフラップ34とが、互いに異なる回転方向で回転してもよいし、互いに同じ回転方向で回転してもよいし、一方が基準姿勢のままで他方がいずれかの回転方向に回転してもよい。

なお、アクチュエータ36は、フラップ34の、飛行体10の内側に配置される。後述するように、飛行体10の制御を行う制御器41及び電力を供給するバッテリ42は、飛行体10の水平方向の中心に配置される。このため、制御器41及びバッテリ42からアクチュエータ36までの信号線や電力線などの配線の長さを短くできる。

整流板35は、通気孔22の上下方向の中央付近に配置されたロータユニット30とフラップ34との間に配置される板状部材である。整流板35は、図2の飛行体10の上面視において、直線PQと略平行な線の上に配置され、通気孔22の平面方向の面積をほぼ2等分する。つまり、整流板35は、上面視において、通気孔22の中心軸Qを通る位置に配置される。

飛行体10は、4個の通気孔22のそれぞれに設けられるフラップ34の角度を各々調整することで、飛行体10の姿勢や飛行体10の水平方向に沿った、直線動作及び回転動作を制御することができる。フラップ34は、図2のように4つの通気孔22の全てに配置されてもよい。また、フラップ34は、飛行体10の姿勢のバランスをとりたい方向に並んで配置される2つの通気孔22に配置されてもよい。

なお、整流板35は、必ずしも設けられなくてもよい。

次に、図8Aおよび図8Bを用いて、フラップ34の角度を調整した場合に、飛行体10にかかる推力について説明する。

図8Aは、実施の形態1の飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の一例を示す概略図である。図8Bは、実施の形態1の飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の他の一例を示す概略図である。なお、図8Bは、整流板35が設けられていない場合の、飛行体の通気孔を図示したものである。

図8Aおよび図8Bの(b)に示すように、フラップ34が基準姿勢の状態においては、ロータユニット30が発生させた気流は、通気孔22の内部を上から下に流れる。このため、飛行体10には、垂直方向への推力Fvが働き、水平方向への推力は働かない。

図8Aおよび図8Bの(a)に示すように、フラップ34が右回転されて回転軸37を中心に所定の角度θだけ紙面における左側に傾くと、ロータユニット30が発生させた気流は、フラップ34が傾いた方向に沿って流れる。つまり、気流は、フラップ34により流れる方向が変更されて、フラップ34が傾いている左側の方向に傾いて流れる。これにより、飛行体10には、垂直方向への推力Fvが働くと共に、フラップ34が傾いている左側とは反対側の水平方向右側への推力Fhが働く。

同様に、図8Aおよび図8Bの(c)に示すように、フラップ34が左回転されて回転軸37を中心に所定の角度θだけ紙面における右側に傾くと、ロータユニット30が発生させた気流は、フラップ34が傾いた方向に沿って流れる。つまり、気流は、フラップ34により流れる方向が変更されて、フラップ34が傾いている右側の方向に傾いて流れる。これにより、飛行体10には、垂直方向への推力Fvが働くと共に、フラップ34が傾いている右側とは反対側の水平方向左側への推力Fhが働く。

なお、フラップ34を傾ける所定の角度θは、例えば45度と固定の値としたが、水平方向へ働かせようとする推力の大きさに応じて、調整してもよい。

なお、フラップ34を左右のいずれかに傾けた場合には、フラップ34が基準姿勢の場合と比較して、垂直方向に働く推力が小さくなる。このため、フラップ34を左右のいずれかに傾けた場合のロータユニット30の回転速度を、フラップ34が基準姿勢の場合よりも速くすることで、フラップ34が基準姿勢の場合の垂直方向に働く推力を、フラップ34を左右のいずれかに傾けた場合においても維持してもよい。

[搭載機器、発光体など] 上述したように、飛行体10には、制御器41、バッテリ42、プロジェクタ43、及びカメラ44が、搭載機器として設けられている。また、飛行体10には、発光体46が設けられている。

図3に示すように、飛行体10には、円板部材40が設けられている。この円板部材40は、連結部材25の下端と直径が概ね等しい円板状の部材であって、連結部材25の下端面を塞ぐように設置されている。円板部材40は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はABS樹脂等の樹脂材料により構成されていてもよいし、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属により構成されていてもよい。

撮影用のカメラ44は、ジンバル45を介して円板部材40の下面に取付けられている。カメラ44は、上空からの映像を撮影するためのものであって、斜め下方を向く姿勢で設置されている。ジンバル45は、飛行体10の姿勢が変化してもカメラ44の向きを一定に保つための部材である。

制御器41、バッテリ42、及びプロジェクタ43は、円板部材40の上に設置されている。制御器41は、無線操作装置から発信された指示信号を受信し、受信した指示信号に基づいて、ロータユニット30、カメラ44、プロジェクタ43、及びLEDの制御を行う。また、制御器41は、カメラ44が撮影した映像の送信等も行う。バッテリ42は、ロータユニット30、制御器41、プロジェクタ43、及び発光体46へ電力を供給する。プロジェクタ43は、半透明の材料からなるバルーン20の内面に映像を投影する。

発光体46は、長尺状のフレキシブルプリント基板と、当該フレキシブルプリント基板に長手方向に並んで実装された多数の発光素子(例えばLED素子)とによって構成されているテープLEDである。この発光体46は、LED素子が外側に向くようにらせん状に巻回されることで筒形に形成された状態で、連結部材25の上下方向の中央部に配置されている。つまり、発光体46は、連結部材25の内面を覆うように設けられている。このため、発光体46は、連結部材25に対してかかるガス空間21内の圧力を受けており、連結部材25内部の空間が所定の筒状の形状を維持している。つまり、発光体46は、連結部材25が所定の筒状の空間よりも狭くならないように連結部材25の内方から連結部材25の連結部材25内方への移動を規制している。上述したように、連結部材25は、透明の材料で構成されている。このため、発光体46から発せられた光は、連結部材25透過し、半透明の材料からなるバルーン20の内面に当たる。

なお、発光体46は、テープLEDがらせん状に巻回されることで筒形に形成されているが、これに限らずに、筒形の形状を実現する部材と発光素子とが別々の部材であってもよい。つまり、筒形の形状を有する筒状部材と、LED素子が実装された基板との組み合わせにより、筒形の発光体を実現してもよい。

[飛行体の飛行姿勢] 上述したように、飛行体10では、制御器41やバッテリ42等の搭載機器が、連結部材25の内部空間の下端部に配置されている。つまり、比較的重量の大きな搭載機器が、飛行体10の下部に集中して設置されている。その結果、飛行体10全体の重心は、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点よりも下方に位置する。このため、ロータユニット30が停止した状態でも、飛行体10は、横転したり上下反転したりすることなく、カメラ44が下方を向いた姿勢に維持される。

また、比較的重量の大きな搭載機器は、ロータユニット30よりも下方に配置されている。その結果、飛行体10全体の重心は、ロータユニット30の動作によって得られる浮力の作用点よりも下方に位置する。このため、ロータユニット30の作動中においても、飛行体10は、カメラ44が下方を向いた姿勢に維持される。

飛行体10は、複数のロータユニット30を備えている。このため、飛行体10を概ね水平方向へ移動させる場合は、移動方向とは反対側に位置するロータユニット30の回転速度を、移動方向に位置するロータユニット30の回転速度よりも高くすることによって、水平方向への推進力を高めてもよい。

なお、「ロータユニット30の回転速度」とは、ロータユニット30が有するプロペラ32の回転速度(単位時間当たりのプロペラ32の回転数)のことを意味する。

[飛行体の動作制御例] 本実施の形態の飛行体10では、フラップ34を回転させることで、飛行体10を水平方向に沿って直線動作または回転動作させるための飛行制御を行う。

次に、飛行体10の飛行制御について、図9〜図11Bを用いて説明する。

図9は、実施の形態1の飛行体の構成を示すブロック図である。なお、図9では、バッテリ42及びカメラ44等の他の要素の図示は省略されている。

制御器41は、無線操作装置からの指示信号を受信して、受信した指示信号に応じて、複数のロータユニット30及び複数のアクチュエータ36a〜36dを制御する。制御器41は、受信機41aと、第1制御器41bと、第2制御器41cとを有する。

受信機41aは、操作者が操作している無線操作装置が発信した指示信号を受信する。受信機41aは、例えば、水平方向の各向きへの直進動作を示す指示信号、水平方向に沿った回転動作を示す指示信号、上昇または下降を示す指示信号などを受信する。受信機41aは、上記の指示信号とは異なる信号を受信してもよい。

第1制御器41bは、受信機41aが受信した指示信号に応じて複数のロータユニット30の回転数を制御する。第1制御器41bは、複数のロータユニット30の回転数を制御することで、飛行体10の上昇または下降、飛行体10の水平方向に対する傾きの制御、水平方向の各方向への飛行制御などを行う。

第2制御器41cは、受信機41aが受信した指示信号に応じて複数のフラップ34の傾きを制御する。本実施の形態では、第2制御器41cは、例えば、水平方向の各向きへの直進動作を示す指示信号、水平方向に沿った回転動作を示す指示信号に応じて、複数のフラップ34の傾きを制御する。第2制御器41cは、第1制御器41bとは独立して複数のフラップ34の傾きを制御してもよい。つまり、第2制御器41cは、複数のロータユニット30の回転数に関わらず複数のフラップ34の傾きを制御してもよい。

なお、第1制御器41bおよび第2制御器41cは、互いにハードウェアが異なるプロセッサにより実現される構成であってもよい。また、第1制御器41bおよび第2制御器41cは、ハードウェアが同一のプロセッサにおいて、ソフトウェアによって第1制御器41bおよび第2制御器41cの機能が実現される構成であってもよい。

ここで、制御器41が飛行体10に対して、水平方向への直線動作に係る飛行制御を行った時の、飛行体10の様子を具体的に説明する。

図10Aは、実施の形態1の飛行体において水平方向前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。図10Bは、実施の形態1の飛行体において水平方向右側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。図10Cは、実施の形態1の飛行体において水平方向右斜め前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。図11Aは、実施の形態1の飛行体において水平方向に沿って左回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。図11Bは、実施の形態1の飛行体において水平方向に沿って右回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

なお、図10A〜図11Bでは、飛行体10のロータユニット30を省略して図示している。また、フラップ34a及びアクチュエータ36aは、飛行体10の前側かつ右側の通気孔22に配置される。フラップ34b及びアクチュエータ36bは、飛行体10の前側かつ左側の通気孔22に配置される。フラップ34c及びアクチュエータ36cは、飛行体10の後ろ側かつ左側の通気孔22に配置される。フラップ34d及びアクチュエータ36dは、飛行体10の後ろ側かつ右側の通気孔22に配置される。

(直線動作) まず、飛行体10が水平方向前側に直線動作する場合の飛行制御について説明する。

直線動作では、上述したように、移動方向とは反対側に位置するロータユニット30の回転速度を、移動方向に位置するロータユニット30の回転速度よりも高くすることによって、水平方向への推進力を高める制御(第1制御器41bによる制御)を行う。そして、直線動作では、さらに、複数のフラップ34の姿勢の制御(第2制御器41cによる制御)を行う。

以下では、第2制御器41cによる複数のフラップ34の姿勢の制御について説明する。つまり、ロータユニット30の回転速度を制御することにより水平方向への推進力を高める、第1制御器41bによる制御は行われているものとする。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向前側への直線動作を示す指示信号を受信した場合、図10Aに示すように、飛行体10の右側に配置されているフラップ34a、34dのアクチュエータ36a、36dを左回転させることで、フラップ34a、34dを左回転させる。また、この場合、第2制御器41cは、飛行体10の左側に配置されているフラップ34b、34cのアクチュエータ36b、36cを右回転させることで、フラップ34b、34cを右回転させる。

これにより、フラップ34a〜34dは、フラップ34a〜34dにおける、ロータユニット30の下流側の下流側部位(下側の長辺)が、飛行体10の進行方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ34a〜34dのうち、飛行体10の中心軸Pを挟んで並ぶフラップ34a、34cは、それぞれ、上流側部位である回転軸37a、37cに対して、下流側部位が右斜め後ろ側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22A、22Cには、それぞれ、フラップ34a、34cが傾いて位置する側とは反対側の左斜め前向きの推力F11、F13が働く。

また、フラップ34a〜34dのうち、飛行体10の中心軸Pを挟んで並ぶフラップ34b、34dは、それぞれ、上流側部位である回転軸37b、37dに対して、下流側部位が左斜め後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22B、22Dには、それぞれ、フラップ34b、34dが傾いて位置する側とは反対側の右斜め前向きの推力F12、F14が働く。

推力F11〜F14は、いずれも前向きの成分を有しているため、飛行体10には、前向きの合力F10が働く。なお、推力F11、F13は、左方向の成分を有し、推力F12、F14は、右方向の成分を有する。つまり、推力F11、F13と、推力F12、F14とは、左右方向において互いに反対方向の成分を有している。このため、飛行体10にかかる左右方向の推力は、互いに打ち消される。よって、合力F10は、前向きの推力となる。

なお、飛行体10が水平方向後側に直線動作する場合、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ34a〜34dのアクチュエータ36a〜36dの回転方向を逆に制御すればよいため、説明を省略する。

次に、飛行体10が水平方向右側に直線動作する場合の飛行制御について説明する。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向右側への直線動作を示す指示信号を受信した場合、図10Bに示すように、飛行体10の前側に配置されているフラップ34a、34bのアクチュエータ36a、36bを右回転させることで、フラップ34a、34bを右回転させる。また、この場合、第2制御器41cは、飛行体10の後ろ側に配置されているフラップ34c、34dのアクチュエータ36c、36dを左回転させることで、フラップ34c、34dを左回転させる。

これにより、フラップ34a〜34dは、フラップ34a〜34dにおける下流側部位が飛行体10の進行方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ34a〜34dのうち、飛行体10の中心軸Pを挟んで並ぶフラップ34a、34cは、それぞれ、上流側部位である回転軸37a、37cに対して、下流側部位が左斜め前側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22A、22Cには、それぞれ、フラップ34a、34cが傾いて位置する側とは反対側の右斜め後ろ向きの推力F21、F23が働く。

また、フラップ34a〜34dのうち、飛行体10の中心軸Pを挟んで並ぶフラップ34b、34dは、それぞれ、上流側部位である回転軸37b、37dに対して、下流側部位が左斜め後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22B、22Dには、それぞれ、フラップ34b、34dが傾いて位置する側とは反対側の右斜め前向きの推力F22、F24が働く。

推力F21〜F24は、いずれも右向きの成分を有しているため、飛行体10には、右向きの合力F20が働く。なお、推力F21、F23は、後ろ方向の成分を有し、推力F22、F24は、前方向の成分を有する。つまり、推力F21、F23と、推力F22、F24とは、前後方向において互いに反対方向の成分を有している。このため、飛行体10にかかる前後方向の推力は、互いに打ち消される。よって、合力F20は、右向きの推力となる。

なお、飛行体10が水平方向左側に直線動作する場合、水平方向右側に直線動作する場合のフラップ34a〜34dのアクチュエータ36a〜36dの回転方向を逆に制御すればよいため、説明を省略する。

次に、飛行体10が水平方向右斜め前側に直線動作する場合の飛行制御について説明する。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向右斜め前側への直線動作を示す指示信号を受信した場合、図10Cに示すように、飛行体10の進行方向に並ぶフラップ34a、34cのアクチュエータ36a、36cを回転させずに、フラップ34a、34cを基準姿勢のままとする。また、この場合、第2制御器41cは、飛行体10の進行方向に垂直な方向に並ぶフラップ34b、34dのうち、フラップ34bのアクチュエータ36bを右回転させることでフラップ34bを右回転させる。また、第2制御器41cは、フラップ34b、34dのうち、フラップ34dのアクチュエータ36dを左回転させることでフラップ34dを左回転させる。

これにより、フラップ34b、34dは、下流側部位が飛行体10の進行方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ34a〜34dのうち、飛行体10の中心軸Pを挟んで並ぶフラップ34b、34dは、それぞれ、上流側部位である回転軸37b、37dに対して、下流側部位が左斜め後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22B、22Dには、それぞれ、フラップ34b、34dが傾いて位置する側とは反対側の右斜め前向きの推力F32、F34が働く。

フラップ34a、34cは、基準姿勢のままであるので、フラップ34a、34cに対して水平方向の推力は、働かない。つまり、飛行体10の水平方向には、右斜め前向きの推力F32、F34のみが働くため、飛行体10には、右斜め前向きの合力F30が働く。

なお、飛行体10が水平方向左斜め後側に直線動作する場合、水平方向右斜め前側に直線動作する場合のフラップ34a〜34dのアクチュエータ36a〜36dの回転方向を逆に制御すればよいため、説明を省略する。また、飛行体10が水平方向左斜め前側に直線動作する場合は、水平方向右斜め前側に直線動作する場合と比較して左右方向に並ぶフラップへの制御を逆に行えばよいため、説明を省略する。同様に、飛行体10が水平方向右斜め後側に直線動作する場合は、水平方向右斜め前側に直線動作する場合と比較して前後方向に並ぶフラップへの制御を逆に行えばよい。

上述のように、飛行体10が水平方向に直線動作する場合、複数のフラップ34a〜34dのそれぞれは、各フラップ34a〜34dが対応するロータユニット30が発生させる気流において、当該フラップの上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、飛行体10の移動方向の前側に位置する姿勢に傾く。なお、本実施の形態では、上流側の上流側部位が回転軸37と一致する位置にあるが、一致しなくてもよい。例えば、回転軸は、フラップの上流側の上流側部位と下流側の下流側部位との間に配置されていてもよいし、下流側部位の位置に配置されていてもよい。

(回転動作) 次に、飛行体10が水平方向に沿って回転動作する場合の飛行制御について説明する。ここでは、飛行体10が、回転動作として、飛行体10の中心軸Pを回転軸として自転する場合の飛行制御について説明する。

まず、飛行体10が水平方向に沿って左の回転方向に自転する場合の飛行制御について説明する。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向に沿って左の回転方向への自転を示す指示信号を受信した場合、図11Aに示すように、飛行体10のフラップ34a〜34dのアクチュエータ36a〜36dを左回転させることで、フラップ34a〜34dを左回転させる。

これにより、フラップ34a〜34dは、それぞれ、下流側部位が自転する方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ34aは、上流側部位である回転軸37aに対して、下流側部位が右斜め後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Aには、フラップ34aが傾いて位置する側とは反対側の左斜め前向きの推力F41が働く。

また、フラップ34bは、上流側部位である回転軸37bに対して、下流側部位が右斜め前側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Bには、フラップ34bが傾いて位置する側とは反対側の左斜め後向きの推力F42が働く。

また、フラップ34cは、上流側部位である回転軸37cに対して、下流側部位が左斜め前側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Cには、フラップ34cが傾いて位置する側とは反対側の右斜め後向きの推力F43が働く。

また、フラップ34dは、上流側部位である回転軸37dに対して、下流側部位が左斜め後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Dには、フラップ34dが傾いて位置する側とは反対側の右斜め前向きの推力F44が働く。

飛行体10には推力F41〜F44が作用するが、推力F41は左斜め前向き、推力F42は左斜め後ろ向き、推力F43は右斜め後ろ向き、推力F44は右斜め前向きであり、推力F41〜推力F44の総和は0になる。すなわち、飛行体10を直線動作させる力は作用しない。

一方、推力F41〜F44は、いずれも、飛行体10の中心軸Pを回転軸とした左の回転方向に沿っているため、飛行体10には、中心軸Pまわりの左の回転モーメントM40が働く。

なお、飛行体10が水平方向に沿って右の回転方向に自転する場合、水平方向に沿って左の回転方向に自転する場合のフラップ34a〜34dのアクチュエータ36a〜36dの回転方向を逆に制御することで、図11Bに示すように、推力F41〜F44とは反対向きの推力F51〜F54が飛行体10に作用する。これにより、回転モーメントM40とは反対向きの右の回転モーメントM50が働くため、飛行体10を右の回転方向に自転させることができる。

上述したように、飛行体10が自転する場合、フラップ34a〜34dは、対応するロータユニット30が発生させる気流において上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、飛行体10が自転する回転方向側に位置するように傾く。このように、フラップ34a〜34dは、所定の基準点としての飛行体10の中心軸Pから各フラップ34a〜34dを見た場合、互いに同一の方向に傾く。

[実施の形態1の効果] 本実施の形態に係る飛行体10は、プロペラ32、及び、プロペラ32を駆動するモータ33をそれぞれが有する複数のロータユニット30と、複数のロータユニット30の上下方向の高さに亘って、複数のロータユニットの側方を覆う緩衝体としてのバルーン20と、複数のロータユニット30のそれぞれの下流側に設けられ、対応するロータユニット30が発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸において回転する複数のフラップ34とを備える。

このように、飛行体10では、複数のロータユニットの上下方向の高さに亘って、複数のロータユニット30の側方がバルーン20により覆われているため、飛行体10が飛行中に物体と接触する場合は、ロータユニット30ではなくバルーン20が物体と接触する。つまり、飛行体10は、飛行中に物体と接触する場合であっても、ロータユニット30と物体との接触を回避できる。従って、本実施の形態によれば、飛行体10が飛行中に物体に接触した場合でも、それに起因するロータユニット30の損傷を未然に防ぐことができ、飛行体10の安定した飛行を継続させることができる。

また、飛行体10が墜落した場合は、ガスが充填されたバルーン20が地面などに当たることになり、バルーン20が変形することによって衝撃が緩和される。このため、本実施の形態によれば、墜落に起因するロータユニット30の損傷を未然に防ぐことができる。また、飛行体10が墜落した場合であっても、ロータユニット30や搭載機器ではなくバルーン20が物体に接触することになるため、飛行体10との接触によって、接触した物体を損傷させることを低減できる。

ところで、本実施の形態のように、複数のロータユニット30の側方がバルーン20により覆われている構成の飛行体10では、ロータユニット30の回転数を制御するのみでは、飛行体10を水平方向に効率よく動作させることが難しい。これは、ロータユニット30の側方がバルーン20により覆われることで、ロータユニット30のプロペラ32の回転が飛行体10の周囲の空気に作用しにくくなるためである。

この問題を解決するため、本実施の形態に係る飛行体10では、複数のフラップ34a〜34dが、複数のロータユニット30の下流側に設けられ、対応するロータユニットが発生させる気流の流れ方向に交差する方向に延びる回転軸37において、それぞれが独立して回転する。このため、複数のフラップ34a〜34dの姿勢を複数のロータユニット30が発生させる気流に対して傾けることで、当該気流の流れる方向を傾けることができる。これにより、複数のロータユニット30の側方がバルーン20により覆われている構造であっても、飛行体10の周囲の空気に垂直方向の推力だけでなく水平方向の推力も作用させることができる。よって、飛行体10を水平方向に効率よく動作させることが容易にできる。

例えば、飛行体10は、水平方向の直線動作させる場合、飛行体10の姿勢を傾けた上で、フラップ34の傾きの制御を行っている。このため、ロータユニット30が発生させる気流を、より水平方向に近い角度に傾けることができるため、飛行体10への水平方向にかかる推力を大きくすることができる。よって、飛行体10を、効率よく水平方向に直線動作させることができ、消費電力を低減できる。

また、本実施の形態において、緩衝体としてのバルーン20には、当該バルーン20を上下方向に貫通する複数の通気孔22が形成され、複数のロータユニット30は、それぞれ、複数の通気孔22の中に配置されており、複数のフラップ34は、それぞれ、複数の通気孔22の中に配置されている。

このように、ロータユニット30及びフラップ34の組が、複数の通気孔22のそれぞれに配置されるため、ロータユニット30が発生させた気流の流れ方向を、当該ロータユニット30に対応するフラップ34によって容易に調整することができる。

また、本実施の形態において、複数のフラップ34のそれぞれは、当該フラップ34の回転軸37が飛行体10の中心軸Pと当該フラップ34が対応するロータユニット30の中心(中心軸Q)とを結ぶ直線PQに沿う姿勢で配置されている。このため、フラップ34は、飛行体10の水平方向において、直線PQに対して垂直な方向に推力を発生させることが容易にできる。よって、複数のフラップ34を独立して回転させることで、飛行体10の水平方向に沿った直線動作または回転動作(自転)を容易にできる。

また、本実施の形態において、複数のフラップ34のそれぞれは、飛行体10が水平方向に移動する場合、当該フラップ34が対応するロータユニット30が発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、飛行体10の移動方向の前側に位置する姿勢に傾く。このため、飛行体10の水平方向に沿った直線動作を容易にできる。

また、本実施の形態において、複数のフラップ34のそれぞれは、飛行体10が自転する場合、当該フラップ34が対応するロータユニット30が発生させる気流において、上流側の上流側部位が、下流側の下流側部位よりも、飛行体10の自転する方向側に位置する姿勢に傾く。このため、飛行体10の水平方向に沿った回転動作(自転)を容易にできる。

また、本実施の形態において、複数のフラップ34は、飛行体10が自転する場合、複数のフラップ34を所定の基準点から見たときに、互いに同一の方向に傾く。つまり、複数のフラップ34は、直線PQに対して垂直な方向のうちの、同一の向きから推力を働かせることができるため、飛行体10の中心軸Pを回転軸として自転させることが容易にできる。

また、本実施の形態において、さらに、操作者が操作している無線操作装置が発信した指示信号を受信する受信機41aと、受信機41aが受信した指示信号に応じて複数のロータユニット30の回転数を制御する第1制御器41bと、受信機41aが受信した指示信号に応じて複数のフラップ34の傾きを制御する第2制御器41cと、を備える。このように、飛行体10は、複数のロータユニット30の回転数を制御する第1制御器41bと、複数のフラップ34の傾きを制御する第2制御器41cとを分けて備える。このため、例えば、特許文献1に記載の飛行体に利用されている既存の制御器を第1制御器41bとして利用できるため、制御器41にかかるコストを低減することができる。

また、本実施の形態において、複数のフラップ34は、複数の通気孔22の下端部に配置されている。このため、飛行体10を上昇させるために下方に向けた気流を発生させるロータユニット30の下流側に、複数のフラップ34を配置することになる。よって、ロータユニット30が発生させる気流の流れ方向を効果的に変更することができる。

また、本実施の形態において、複数の通気孔22の下端部は、下側に向かうに従い、断面積が拡大する形状を有する。このため、複数のフラップ34によって、気流の流れ方向が斜めに変更された後の下流側の気流であっても、当該気流が流れる流路の断面積を確保できる。よって、飛行体10の水平方向に沿った直線動作または回転動作を効果的に行うことができる。

また、バルーン20では、所定位置に配置された複数のロータユニット30全体を囲う領域だけでなく、複数のロータユニット30の間の領域にも、ヘリウム等のガスを充填する空間が形成される。従って、本実施の形態によれば、バルーン20の内容積を確保でき、バルーン20の大型化を抑えることができる。

また、複数のロータユニット30を備えた飛行体10では、飛行体10を安定して飛行させるために、複数のロータユニット30の間隔をある程度大きくすることが望ましい。一方、上述したように、本実施の形態のバルーン20では、複数のロータユニット30の間の領域にも、ヘリウム等のガスを充填するガス空間が存在する。従って、本実施の形態によれば、飛行体10の大型化を抑えつつガスの充填量を確保でき、かつ、複数のロータユニット30の間隔を確保できる。このため、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態では、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力と、ロータユニット30が発生させる気流によって得られる浮力との両方を利用して、飛行体10が飛行する。このため、ロータユニット30の動作によって得られる浮力だけを利用して飛行する場合に比べ、ロータユニット30の駆動に要する電力等のエネルギを低く抑えることができ、飛行体10の飛行時間を延ばすことができる。

また、本実施の形態において、バルーン20は、上下に扁平である。

このため、飛行中の飛行体10がバルーン20の対称軸(中心軸P)に対して傾きにくくなり、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、ロータユニット30と、ロータユニット30が設けられた通気孔22とは、バルーン20の周縁寄りの部分に配置されている。

このため、飛行体10では、複数のロータユニット30の間隔を確保することができる。従って、本実施の形態によれば、複数のロータユニット30の間隔を確保することによって、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、バルーン20は、中心部から周縁部へ向かうに従ってバルーン20の高さが次第に低くなっている。

このため、バルーン20は、側方から見た形状が流線形状となる。従って、本実施の形態によれば、飛行体10が飛行中に受ける空気抵抗を抑えることができる。更に、バルーン20の上下方向に延びる中心軸まわりに複数の通気孔22が互いに所定の角度間隔で配置されている場合は、バルーン20の比較的高さの低い位置に通気孔22が形成されるため、通気孔22の長さを比較的短く抑えることができる。通気孔22の長さが短くなるほど、通気孔22を通過する際の空気の圧力損失は小さくなる。従って、この場合には、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。

また、本実施の形態において、バルーン20の中心部には、一端がバルーン20の上部に接合され、他端がバルーン20の下部に接合される連結部材25が設けられる。

つまり、バルーン20の中心部において、バルーン20の上部と下部とが連結部材25を介して連結される。このため、バルーン20を所望の形状、例えば、扁平形状に維持しやすくなる。バルーン20の形状が安定すると、バルーン20に形成された通気孔22の形状も安定し、実際の通気孔22の形状を設計時に想定した形状に近づけることが容易にできる。このため、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。また、バルーン20に形成された通気孔22の形状を安定させることによって、各通気孔22の形状を実質的に一致させ易くなる。このため、各通気孔22を通過する空気の流量の均一化が図られ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、連結部材25は、筒状に形成されている。

このため、バルーン20の上部と下部とは、それぞれの中心部の領域(即ち、バルーン20の中心軸Pを囲う領域)が、当該中心部の領域の全周に亘って筒状の連結部材25を介して連結される。従って、本実施の形態によれば、バルーン20を、所望の形状に維持することが一層容易にできる。

また、本実施の形態において、連結部材25は、その内部空間がバルーン20の外部と連通している。

このため、連結部材25の内部空間には、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスではなく、空気が存在する。

また、本実施の形態において、通気孔22は、上下方向の中央部から上端部へ向かうに従い次第に断面積が拡大し、且つ上下方向の中央部から下端部へ向かうに従い次第に断面積が拡大する形状とである。

通気孔22をこのような形状に形成すると、空気が通気孔22へ流入する際の圧力損失と、空気が通気孔22から流出する際の圧力損失とを低く抑えることができる。このため、ロータユニット30による風量が小さくても、通気孔22を通過する空気の流量を充分に確保することができ、その結果、ロータユニット30によって得られる推進力を充分に確保することができる。よって、同じ推進力を得るためにロータユニット30により消費されるエネルギを低減することができる。

また、本実施の形態において、バルーン20は、中心部から周縁部へ向かうに従い高さが次第に低くなる形状であり、通気孔22は、バルーン20の周縁部寄りの高さhが、バルーン20の中心部寄りの高さHよりも低い。

このため、バルーン20の各通気孔22では、バルーン20の周縁部寄りの方向から通気孔22へ向かって空気が流入すると共に、通気孔22からバルーン20の周縁部寄りの方向へ空気が吹き出される。その結果、各通気孔22へ流入する空気の流れが互いに干渉しにくくすることができ、かつ、各通気孔22から流出した空気の流れが互いに干渉しにくくすることができる。従って、本実施の形態によれば、各通気孔22へ出入りする空気流が干渉することによる乱流の発生を抑えることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、ロータユニット30は、通気孔22の上下方向の中央部に配置される。即ち、ロータユニット30は、バルーン20の上下方向の中央面Mとオーバーラップするように配置される。

このため、通気孔22の上端からロータユニット30へ向かう気流と、ロータユニット30から通気孔22の下端へ向かう気流とのそれぞれを安定させることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、通気孔22は、バルーン20の上下方向に延びる中心軸Pまわりに互いに所定の角度間隔で配置されている。

このように、バルーン20の中心軸Pまわりに所定の角度間隔をおいて配置された複数のロータユニット30が下方へ空気を吹き出すため、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、バルーン20は、上下方向に延びる直線を対称軸とした回転対称性を有する形状に形成されている。

このため、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力の作用点を、バルーン20の対称軸(即ち、中心軸P)上に位置させることができる。このため、飛行中における飛行体10の傾き(バルーン20の中心軸Pの上下(鉛直)方向に対する傾き)を抑えることができ、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることが可能となる。

また、本実施の形態において、バルーン20の上面視における周縁は、通気孔22と同数ずつの基準曲線部23と基準曲線部23よりも曲率半径の小さい小曲率半径部24とが交互に配置された形状を有し、小曲率半径部24は、各通気孔22の外側に1つずつ配置されている。

ここで、バルーン20の上面視における周縁部では、通気孔22に近い領域に作用する張力が、通気孔22から離れた領域に作用する張力よりも小さくなる傾向がある。これは、バルーン20のうち通気孔22の壁面を構成する部分に張力が作用するからだと推測される。バルーン20に作用する張力が局部的に小さくなると、作用する張力の小さい部分に皺が形成され易くなる。

これに対し、本実施の形態では、バルーン20の上面視における周縁を、通気孔22に近い領域の曲率半径が通気孔22から離れた領域の曲率半径よりも小さくなる形状としている。このため、バルーン20の上面視における周縁部において、通気孔22に近い領域に作用する張力と通気孔22から離れた領域に作用する張力との差を縮小できる。従って、本実施の形態によれば、バルーン20の皺を未然に防ぐことができ、バルーン20の美観を保つことが可能となる。

また、本実施の形態において、連結部材25の内部空間には、ロータユニット30を制御する制御器41とロータユニット30へ電力を供給するバッテリ42とを少なくとも含む搭載機器が収容される。

連結部材25の内部空間は、バルーン20の外部空間と連通している。このため、ヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスをバルーン20から排出することなく、連結部材25の内部空間に配置されたバッテリ42の交換等の保守作業を行うことができる。

また、本実施の形態において、搭載機器は、連結部材25の内部空間の下端部に配置されている。

このため、飛行体10の重心の位置を低くすることが可能となり、その結果、飛行体10の飛行状態を安定させることができる。

また、本実施の形態において、連結部材25は、透明であり、連結部材25の内部空間に発光体46が収容される。

本実施の形態において、発光体46が発した光は、透明な連結部材25を透過して連結部材25の外部へ放出される。このため、バルーン20の表皮を例えば半透明にしておけば、発光体46が発する光がバルーン20の内側面に当たるため、バルーン20全体の色を発光体46が発する光の色に変化させることができる。従って、本実施の形態によれば、飛行中にバルーン20の色を変化させる等の演出効果を得ることが容易にできる。

なお、本実施の形態において、ガス空間21に充填されるガスをヘリウムガス等の浮力を生じさせるためのガスとしたが、ロータユニット30の浮力のみで飛行できる場合、空気などの、浮力を生じさないガスとしてもよい。この場合、飛行体10は、バルーン20による浮力がなくなるためロータユニット30の負荷が大きくなるが、飛行体10の上昇・下降の速度を制御しやすくなる。また、ガスのコストを抑制することができる。

[実施の形態1の変形例] [変形例1] 上記実施の形態に係る飛行体10では、複数のフラップ34のそれぞれは、当該フラップ34の回転軸37が飛行体10の中心軸Pと当該フラップ34が配置される通気孔22の中心軸Qとを結ぶ直線PQに沿う姿勢で配置されているとした。しかし、これに限らずに、図12及び図13に示すように、複数のフラップ134a〜134bのそれぞれが、当該フラップ134a〜134bの回転軸が飛行体10Aの中心軸Pを中心とした仮想的な円(ピッチ円PC)の周方向に交差する姿勢で配置される構成の飛行体であればよい。

図12は、実施の形態1の変形例1に係る飛行体において水平方向前側への直線動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。図13は、実施の形態1の変形例1に係る飛行体において水平方向に沿って左回転方向に自転する回転動作に係る飛行制御が行われた時の飛行体の様子を説明するための図である。

また、図12〜図13では、飛行体10Aのロータユニット30を省略して図示している。また、フラップ134a及びアクチュエータ136aは、飛行体10Aの前側かつ右側の通気孔22に配置される。フラップ134b及びアクチュエータ136bは、飛行体10Aの前側かつ左側の通気孔22に配置される。フラップ134c及びアクチュエータ136cは、飛行体10Aの後ろ側かつ左側の通気孔22に配置される。フラップ134d及びアクチュエータ136dは、飛行体10Aの後ろ側かつ右側の通気孔22に配置される。

具体的には、図12に示すように、フラップ134a、134cは、前後方向に沿って配置されており、フラップ134b、134dは、左右方向に沿って配置されている。アクチュエータ136a〜136dのそれぞれは、対応するフラップ134a〜134bの、飛行体10Aの中心軸P寄りの端部に配置されている。

なお、飛行体10Aにおける複数のフラップ134a〜134d以外の構成要素は、飛行体10と同様のものとして説明する。

(直線動作) 飛行体10Aが水平方向前側に直線動作する場合の飛行制御について説明する。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向前側への直線動作を示す指示信号を受信した場合、図12に示すように、飛行体10Aの前後方向に沿って配置されている、フラップ134a、134cのアクチュエータ136a、136cを回転させずに、フラップ134a、134cを基準姿勢のままとする。また、この場合、第2制御器41cは、飛行体10Aの左右方向に沿って配置されているフラップ134b、134dのうち、フラップ134bのアクチュエータ136bを右回転させることでフラップ134bを右回転させる。また、第2制御器41cは、フラップ134b、134dのうち、フラップ134dのアクチュエータ136dを左回転させることでフラップ134dを左回転させる。

これにより、フラップ134b、134dでは、下流側部位が飛行体10Aの進行方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ134a〜134bのうち、飛行体10Aの中心軸を挟んで並ぶフラップ134b、134dは、それぞれ、上流側部位である回転軸137b、137dに対して、下流側部位が後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22B、22Dには、それぞれ、フラップ134b、134dが傾いて位置する側とは反対側の前向きの推力F62、F64が働く。

フラップ134a、134cは、基準姿勢のままであるので、フラップ134a、134cに対して水平方向の推力は、働かない。つまり、飛行体10Aには、前向きの推力F62、F64のみが働くため、飛行体10Aには、前向きの合力F60が働く。

なお、飛行体10Aが水平方向後側に直線動作する場合、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ134a〜134dのアクチュエータ136a〜136dの回転方向を逆に制御すればよいため、説明を省略する。

また、飛行体10Aが水平方向右側に直線動作する場合は、水平方向前側に直線動作する場合と比較して左右方向に並ぶフラップへの制御を逆に行えばよい。つまり、左右方向に並ぶフラップ134aおよびフラップ134bへの制御を逆に行い、かつ、左右方向に並ぶフラップ134cおよびフラップ134dへの制御を逆に行う。具体的には、飛行体10Aが水平方向右側に直線動作する場合、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ134aへの制御(基準姿勢)をフラップ134bへの制御に適用し、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ134bへの制御(右回転)をフラップ134aへの制御に適用する。また、同様に、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ134cへの制御(基準姿勢)をフラップ134dへの制御に適用し、水平方向前側に直線動作する場合のフラップ134dへの制御(左回転)をフラップ134cへの制御に適用する。これにより、飛行体10Aは、水平方向右側に直線動作することができる。同様に、飛行体10Aが水平方向左側に直線動作する場合は、水平方向右側に直線動作する場合と比較して前後方向に並ぶフラップへの制御を逆に行えばよい。

(回転動作) 次に、飛行体10Aが水平方向に沿って回転動作する場合の飛行制御について説明する。ここでは、飛行体10Aが、回転動作として、飛行体10Aの中心軸Pを回転軸として自転する場合の飛行制御について説明する。

飛行体10Aが水平方向に沿って左の回転方向に自転する場合の飛行制御について説明する。

第2制御器41cは、受信機41aが水平方向に沿って左の回転方向への自転を示す指示信号を受信した場合、図13に示すように、飛行体10Aのフラップ134a〜134bのアクチュエータ136a〜163dを左回転させることで、フラップ134a〜134dを左回転させる。

これにより、フラップ134a〜134dは、それぞれ、下流側部位が自転する方向に対して後ろ側に向く姿勢に傾く。具体的には、フラップ134aは、上流側部位である回転軸137aに対して、下流側部位が右側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Aには、フラップ134aが傾いて位置する側とは反対側の左向きの推力F71が働く。

また、フラップ134bは、上流側部位である回転軸137bに対して、下流側部位が前側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Bには、フラップ134bが傾いて位置する側とは反対側の後向きの推力F72が働く。

また、フラップ134cは、上流側部位である回転軸137cに対して、下流側部位が左側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Cには、フラップ134cが傾いて位置する側とは反対側の右向きの推力F73が働く。

また、フラップ134dは、上流側部位である回転軸137dに対して、下流側部位が後側に位置する姿勢に傾く。このため、通気孔22Dには、フラップ134dが傾いて位置する側とは反対側の前向きの推力F74が働く。

推力F71〜F74の総和は0であるため、飛行体10Aは直線動作しない。

一方、推力F71〜F74は、いずれも、飛行体10Aの中心軸Pを回転軸とした左の回転方向に沿っているため、飛行体10Aには、中心軸Pまわりの左の回転モーメントM70が働く。

なお、飛行体10Aが水平方向に沿って右の回転方向に自転する場合、水平方向に沿って左の回転方向に自転する場合のフラップ134a〜134dのアクチュエータ136a〜136dの回転方向を逆に制御することで、飛行体10Aを右の回転方向に自転させることができる。

[変形例2] 上記実施の形態では、複数のフラップ34は、上流(ロータユニット30)側の上流側部位(上側の長辺)を回転軸37として、回転するとしたが、これに限らない。図14に示すように、複数のフラップ334は、例えば、下流(ロータユニット30とは反対)側の下流側部位(下側の長辺)回転軸337として回転する構成としてもよい。

図14は、実施の形態1の変形例2に係る飛行体の通気孔を飛行体の中心軸から見た断面の一例を示す概略図である。

図14の(b)に示すように、フラップ334が基準姿勢の状態においては、ロータユニット30が発生させた気流は、通気孔22の内部を上から下に流れる。このため、飛行体には、垂直方向への推力Fvが働き、水平方向への推力は働かない。

図14の(a)に示すように、フラップ334が右回転されて回転軸337を中心に所定の角度θだけ紙面における右側に傾くと、ロータユニット30が発生させた気流は、フラップ334が傾いた方向に沿って流れる。つまり、気流は、フラップ334により流れる方向が変更されて、フラップ334が傾いている右側の方向とは反対側の左側の方向に傾いて流れる。これにより、飛行体には、垂直方向への推力Fvが働くと共に、フラップ334が傾いている右側と同じ側の水平方向右側への推力Fhが働く。

同様に、図14の(c)に示すように、フラップ334が左回転されて回転軸337を中心に所定の角度θだけ紙面における左側に傾くと、ロータユニット30が発生させた気流は、フラップ334が傾いた方向に沿って流れる。つまり、気流は、フラップ334により流れる方向が変更されて、フラップ334が傾いている左側の方向とは反対側の右側の方向に傾いて流れる。これにより、飛行体には、垂直方向への推力Fvが働くと共に、フラップ334が傾いている左側と同じ側の水平方向左側への推力Fhが働く。

このように、フラップ334の回転方向と飛行体の水平方向に作用する推力の方向とが、実施の形態1のフラップ34とは反対の関係となる。このため、実施の形態1で説明した飛行体の水平方向への動作をフラップ334に適用する場合、フラップ34を左回転させる動作ではフラップ334を右回転させ、フラップ34を右回転させる動作ではフラップ334を左回転させ、フラップ34を基準姿勢のままとする動作ではフラップ334を基準姿勢のままに制御するように読み替えればよい。

[変形例3] 上記実施の形態では、フラップ34の回転軸37は、飛行体10の外側における端部が、飛行体10の内側における端部よりも高い位置に配置されるように水平方向に傾いて配置されているとしたが、これに限らない。例えば、回転軸が水平方向に平行になるように、フラップを配置してもよい。またこの場合、フラップの形状は、飛行体の外側における短辺が飛行体の内側における短辺よりも短い形状であり、フラップの下側の長辺は、飛行体10の通気孔22の下端の形状に合わせた形状であってもよい。つまり、フラップの下側の長辺は、飛行体10の外側における端部が、飛行体10の内側における端部よりも高い位置に配置されるように水平方向に傾いている直線状の形状であってもよいし、通気孔22の形状に合わせた円弧状の形状であってもよい。

[変形例4] 上記実施の形態では、水平方向の各方向の飛行制御において、フラップ34の傾きを調整することで、水平方向の各方向への推力を得るとしたが、水平方向の高さを維持した移動に限らない。つまり、水平方向の各方向の飛行制御は、上昇しながら、または、下降しながら、水平方向の各方向へ移動する飛行制御であってもよい。

[変形例5] 上記実施の形態では、水平方向に直線動作する場合、飛行体10の姿勢を傾けた上で、フラップ34の傾きの制御を行うとしたが、これに限らない。例えば、飛行体10は、進行方向に並ぶロータユニット30の回転速度を異ならせずに、複数のフラップ34を傾けることで、飛行体10を水平方向に直線動作させてもよい。これにより、飛行体10の姿勢を水平に維持したまま、水平方向に直線動作させることができる。

以上のように、飛行体10は、直線動作および回転動作において、複数のロータユニット30の回転数の制御方法が複数あり、複数のフラップ34の傾きの制御方法が複数ある。このため、複数のロータユニット30の回転数の制御方法と、複数のフラップ34の傾きの制御方法とを組み合わせることで、例えば、以下の第1〜第3の制御を行うことができる。

第1の制御としては、直線動作および回転動作において、複数のロータユニット30の回転数を全て同一の回転数とし、複数のフラップ34の傾きの制御を行う制御である。つまり、第1の制御では、複数のフラップ34の傾きを制御することのみで直線動作および回転動作を行う。

第2の制御としては、直線動作の場合に、進行方向の前側のロータユニット30よりも後側のロータユニット30の回転数を多くする制御および複数のフラップ34の傾きの制御を行い、回転動作において、複数のフラップ34の傾きの制御を行う制御である。なお、第2の制御では、回転動作の場合に、複数のロータユニット30の回転数が互いに異なっていてもよい。

第3の制御としては、直線動作の場合にロータユニット30の回転数を進行方向の前側よりも後側の回転数を多くする制御のみを行い、回転動作において、複数のフラップ34の傾きの制御のみを行う制御である。第3の制御では、直線動作の場合に複数のフラップ34の傾きの制御を行わない。なお、回転動作の場合には、複数のロータユニット30の回転数を互いに異ならせてもよいし、全て同一の回転数に制御してもよい。

[変形例6] 上記実施の形態に係る飛行体10では、フラップ34は、通気孔22の下端部に配置されているとしたが、通気孔22の上端部に配置されていてもよい。この場合、例えば、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力が飛行体10の重量(つまり、ガスを除く飛行体10の構成の重量)に働く重力よりも大きい構成である。ロータユニット30は、逆回転することで上方に向けて気流を発生させることで、飛行体10の姿勢を制御する。このように、ロータユニット30が上方に向けて気流を発生させる構成の飛行体の場合には、ロータユニット30の下流側の位置である通気孔22の上端部にフラップ34が配置され、フラップ34の傾きが調整されることで水平方向の各方向への飛行制御が行われる。

なお、バルーン20に充填されたガスによって得られる浮力が飛行体10の重量に働く重力よりも大きくなくても、例えば、複数のロータユニット30のうちの一部が順回転し、他の一部が逆回転する制御が行われる場合も考えられる。この場合には、フラップ34は、通気孔の下端部および上端部の両方に配置されていてもよい。

[変形例7] 上記実施の形態では、フラップ34は、回転軸37が固定されているとしたが、これに限らない。例えば、フラップ34は、第1回転軸としての回転軸37が、通気孔22の中心軸Qを回転軸とする第2回転軸において回転可能に、通気孔22内に設けられていてもよい。これにより、フラップ34を第2回転軸でも回転させることができる。このため、飛行体10を水平動作させたい方向に応じて複数のフラップ34の第2回転軸周りの向きを変更することで、飛行体10の姿勢を維持したまま(つまり、飛行体10を旋回させずに)、水平動作させたい方向に移動させることができる。

なお、整流板35が配置されている場合、フラップ34と共に整流板35も第2回転軸において回転してもよい。

[変形例8] 上記実施の形態に係る飛行体10では、第1制御器41b及び第2制御器41cが、それぞれ、受信機41aが受信した指示信号に応じて、ロータユニット30の回転数の制御、及び、フラップ34の傾きを調整する制御を行うとしたが、これに限らない。例えば、飛行体10がGPS受信機などの位置情報取得装置を有しており、飛行体10の行き先を取得できる構成であれば、第1制御器41b及び第2制御器41cは、取得した行き先までの飛行経路に従って各制御を行ってもよい。なお、飛行経路は、行き先を示す情報に含まれてもよい。また、制御器41は、行き先と現在位置とに基づいて飛行経路を決定してもよい。

[変形例9] 上記実施の形態に係る飛行体10では、水平方向における飛行制御として、直線動作及び回転動作(自転)について説明したが、直線動作及び回転動作を組み合わせることにより、直線動作しながら飛行体10の水平方向の姿勢を変更する飛行制御に適用してもよいし、曲線上の飛行経路を移動する旋回する飛行制御に適用してもよい。

《実施の形態2》 実施の形態2の飛行体10Bについて説明する。本実施の形態の飛行体10Bは、実施の形態1の飛行体10において、ロータユニット30の配置を変更した構成である。

図15は、実施の形態2の飛行体の図3に相当する断面図である。

図15に示すように、本実施の形態の飛行体10Bに設けられた各ロータユニット30は、バルーン20の上下方向の中央面Mよりも下方に配置されている。つまり、ロータユニット30は、その全体がバルーン20の中央面Mの下方に位置している。このように、飛行体10Bの各通気孔22では、バルーン20の中央面Mから通気孔22の下端までの領域にロータユニット30が配置されていてもよい。

このため、飛行体10Bの重心をより低い位置に位置させることができ、飛行体10Bが横転したり上下反転したりすることを抑制でき、飛行体10Bの姿勢を効果的に安定させることができる。

《実施の形態3》 実施の形態3の飛行体10Cについて説明する。本実施の形態の飛行体10Cは、実施の形態1の飛行体10において、バルーン20の構成を変更したバルーン20Aを採用した構成である。

図16は、実施の形態3の飛行体の図3に相当する断面図である。

図16に示すように、本実施の形態のバルーン20Aには、通気孔22を形成する部分に、ロータユニット30を設置するための凹溝部27が形成されている。凹溝部27は、バルーン20Aのうち通気孔22を形成する部分に形成された凹溝状の部分である。凹溝部27は、各通気孔22に1つずつ形成されている。また、凹溝部27は、ロータユニット30の取付け位置に対応した部分(本実施の形態では通気孔22の高さ方向の中央部)の全周に亘って配置されている。

バルーン20Aの凹溝部27には、ロータユニット30のフレーム31の外周部が嵌まり込む。このため、バルーン20Aにロータユニット30を取付ける際のロータユニット30の位置決めが容易となる。つまり、凹溝部27は、バルーン20Aにロータユニット30を取付ける際のガイドを構成している。また、凹溝部27は、フレーム31の厚みと同等の凹み量で、通気孔22とロータユニット30のフレーム31との間の段差をなくすことができるため、通気孔22内の空気の流れをスムーズにすることができる。

《実施の形態4》 実施の形態4の飛行体について説明する。本実施の形態の飛行体は、実施の形態1の飛行体10において、バルーン20の通気孔22の形状を変更したバルーン20Bを採用した構成である。

図17は、実施の形態4の飛行体が備えるバルーンの図6に相当する断面図である。

図17に示すように、本実施の形態のバルーン20Bでは、各通気孔22の上下方向の中央部が、所定長さに亘って直径が一定となった中央筒部22aを構成している。この中央筒部22aは、長さがJ、かつ、直径がφdの形状である。本実施の形態の通気孔22は、中央筒部22aの上端から通気孔22上端部へ向かって次第に断面積が拡大し、中央筒部22aの下端から通気孔22下端部へ向かって次第に断面積が拡大している。本実施の形態の飛行体では、バルーン20Bの各中央筒部22aの上下方向の中央部に、ロータユニット30が配置される。

《実施の形態5》 実施の形態5の飛行体について説明する。本実施の形態の飛行体は、実施の形態1の飛行体10において、バルーン20の構成を変更したバルーン20Cを採用した構成である。

図18は、実施の形態5の飛行体が備えるバルーンの平面図である。

図18に示すように、本実施の形態のバルーン20Cには、実施の形態1のバルーン20にさらに、ガス空間21を複数の領域に区分する隔壁26が設けられている。本実施の形態の隔壁26は、ガス空間21を上下に横断するように配置され、ガス空間21を4つの領域21a,21b,21c,21dに区分している。

隔壁26によって仕切られたガス空間21の各領域21a〜21dは、互いに非連通となっており、独立した空間を形成している。このため、バルーン20Cが破れて例えば1つの領域21aからガスが漏れた場合でも、残りの領域21b〜21dにはガスが保持される。従って、バルーン20Cが破れた場合でも、バルーン20Cに残存するガスによって浮力が得られるため、飛行体の急激な落下を未然に防ぐことができる。

なお、図18に示した領域21a〜21dの数は、単なる一例である。また、図18に示した隔壁26の形状も、単なる一例である。例えば、隔壁26は、ガス空間21を上下に仕切る平面状に形成されていてもよいし、円筒状の連結部材25の周囲を囲んでガス空間21を周方向に区分する曲面状に形成されていてもよい。また、隔壁26は、ガス空間21に収容された小型のバルーンを構成していてもよい。また、領域21a〜21d内のガスを異なるガスとしてもよい。例えば、領域21a、21c内のガスをヘリウム、領域21b、21d内のガスを空気としてもよい。これにより、高価なヘリウムの使用量を低減することができる。

《実施の形態6》 実施の形態6の飛行体10Dについて説明する。本実施の形態の飛行体10Dは、実施の形態1の飛行体10と比較して、固定部材50をさらに備える点と、実施の形態1のバルーン20とは異なる構成のバルーン20Dを採用している点とが、主に、異なる。以下、実施の形態1の飛行体10と異なる構成について説明する。

図19は、実施の形態6の飛行体の平面図である。図20は、実施の形態6の飛行体の図3に相当する断面図である。

図19及び図20に示すように、本実施の形態に係る飛行体10Dは、固定部材50を備える。

固定部材50は、複数のロータユニット30Aを、上面視における所定の位置、かつ、複数のロータユニット30Aの回転軸が上下方向に略平行になる姿勢で固定する部材である。固定部材50は、具体的には、本体部51と、4本のアーム部52と、2本の支持部材54とを有する。

本体部51は、連結部材25の内方の空間に設けられ、上部に底が形成された有底円筒形状の部材である。つまり本体部51は、内方に空間を有する。

4本のアーム部52は、本体部51の側面に固定されており、本体部51の側面から互いに異なる4つの方向に向かって延びる筒状部材である。ここで、異なる4つの方向とは、連結部材25の内方の空間から複数の通気孔22に向かう方向と同じ方向である。

4本のアーム部52は、それぞれ4つのロータユニット30Aの回転軸が上下方向に略平行な姿勢で、4つのロータユニット30Aを固定する先端部52aを有する。具体的には、先端部52aには、ロータユニット30Aのモータ33の下部が固定されている。

2本の支持部材54は、本体部51の下部に固定されており、本体部51の下方に垂れ下がるように延びており、2本の支持部材54の下端において搭載機器が支持されている円板部材40を支持している。2本の支持部材54は、円板部材40に固定されているカメラ44が連結部材25内の空間に収まる位置で円板部材40を支持している。

なお、本体部51には、4本のアーム部52が固定されている部分に内方の空間と連通する貫通孔が設けられており、本体部51の内方の空間と、4本のアーム部52の内方の空間とは、互いに連通している。4本のアーム部52の内方の空間には、バッテリ42からの電力を複数のロータユニット30Aに供給するための電気配線(図示せず)が収納されている。つまり、4本のアーム部52は、電気配線を収納するための配管としても機能する。

また、円板部材40は、搭載機器の他に、重りを収容する収容部55を支持している。つまり、飛行体10Dは、収容部55を備える。収容部55は、箱状の形状を有しており、金属製(例えば鉛、銅、合金など)の重りを収容することができる空間を有している。なお、重りは金属製に限らずに、非金属製の重り(砂など)であってもよい。重りは、所定の重量単位(例えば、1〜10gなど)で飛行体10Dの総重量を調整ができるようなものである。

バルーン20Dは、伸縮性がある素材で構成されるため、ガス空間21Aに充填されるガスの量(つまりガス空間21Aの容積)の設定が難しい。このため、バルーン20Dのガス空間21Aにガスを充填するまで、ガスによって得られる浮力の大きさを誤差なく推測することは困難である。

よって、収容部55を設けることにより、バルーン20Dのガス空間21Aにガスを充填した後に、収容部55に重りを追加したり、収容部55から重りを取り除いたりすることで飛行体10Dの総重量を調整することができる。これにより、実施の形態1で述べたように、バルーン20Dに充填されたガスによって得られる浮力の大きさが飛行体10Dの総重量よりも若干小さくなるように、飛行体10Dの総重量を調整することが容易にできる。なお、バルーン20Dは、充填されたガスによって得られる浮力の大きさが、バルーン20Dのガス空間21Aの容積のばらつきがあったとしても、飛行体10Dの重りが収容部55に収容されていない状態の総重量よりも常に大きくなるように設定されている。

なお、実施の形態1〜5では特に説明していないが、実施の形態1〜5における飛行体10、10A〜10Cにおいても、収容部55が設けられていてもよい。

また、4本のアーム部52には、それぞれ、複数の電圧調整部53が設けられている。複数の電圧調整部53のそれぞれは、対応するアーム部52に配置されたロータユニット30Aが有するモータ33を駆動させる電力の電圧を調整するアンプである。複数の電圧調整部53は、それぞれ、複数の通気孔22の中に配置されている。

バルーン20Dは、複数の通気孔22を連通する複数の連通部28を有する。複数の連通部28は、具体的には、バルーン20Dの上面視における中央に配置される連結部材25の内方の空間と複数の通気孔22のそれぞれとを連通する。複数の連通部28の内方には、それぞれ固定部材50の複数のアーム部52が配置されている。つまり、複数の連通部28は、複数のアーム部52が配置されるための空間である。固定部材50は、複数の連通部28において複数のアーム部52がガス空間21Aからの圧力を受けることにより、バルーン20Dに支持される構成であってもよいし、本体部51が連結部材25の所定の位置で固定されている構成であってもよい。

また、バルーン20Dは、連結部材25の下端に窓部29を有する。窓部29は、カメラ44がバルーン20Dの下方の撮影ができるように、アクリルなどの透明な樹脂で構成されている。また、窓部29は、単なる開口であってもよい。

バルーン20Dの複数の通気孔22のそれぞれには、当該通気孔22内部の気体の流路が狭まることを防ぐために設けられ、当該通気孔22の内面を支持する筒状部材61が配置されている。筒状部材61は、例えば、網状に編まれた針金などにより構成されている。筒状部材61は、通気孔22の気体の流れを阻害せずに内面を外方に向けて支持できれば、針金などの金属で構成されていなくてもよく樹脂で構成されていてもよいし、網状に編まれた構成でなくても板が円筒形状に成形された部材であってもよい。なお、筒状部材61には、複数のアーム部52によって貫通されている。

また、バルーン20Dの複数の通気孔22のそれぞれの上端部及び下端部には、通気孔22の上部及び下部に物体が接触しても当該通気孔22内に設けられたロータユニット30Aへの接触を抑制するための保護ネット62、63がそれぞれ設けられている。

複数のロータユニット30Aは、実施の形態1のロータユニット30と異なり、固定部材50や筒状部材61によって支持されているため、フレーム31が省略された構成であってもよい。

[実施の形態6の効果] 本実施の形態に係る飛行体10Dは、固定部材50が複数のロータユニット30Aを、上面視における所定の位置、かつ、複数のロータユニット30Aの回転軸が上下方向に略平行になる姿勢で固定している。そして、バルーン20Dは、複数の通気孔22を連通する連通部28を有し、固定部材50の複数のアーム部52は、複数の連通部28の内方に配置されている。このため、複数のロータユニット30Aは、互いに所定の位置関係、かつ、回転軸が上下方向に略平行な姿勢で固定部材50により固定されているため、バルーン20Dが物体と接触してバルーン20Dが破損した場合であっても、複数のロータユニット30Aの位置関係及び姿勢をバルーン20Dが破損する前の状態のままで維持することができる。このため、バルーン20Dが物体と接触してバルーン20Dが破損した場合であっても、飛行体10Dを安定して飛行させることができる。

ここで、複数の電圧調整部53は、バッテリ42からの電力をモータ33にとって適切な大きさの電圧に変更する電気部品であるため、発熱しやすい。一方で、バルーン20Dは、熱に弱い素材で構成されているため、発熱している部品によって溶けてしまうおそれがある。

本実施の形態における飛行体10Dでは、発熱しやすい複数の電圧調整部53のそれぞれを、対応するロータユニット30Aからの気流が通過する通気孔22に配置しているため、気流により複数の電圧調整部53を効率よく冷却できる。このため、バルーン20Dが複数の電圧調整部53の発熱により溶けて損傷し、ガス空間21A内部に充填されているガスがガス空間21Aの外部に流出することを低減することができる。

なお、実施の形態1〜5では特に説明していないが、実施の形態1〜5における飛行体10、10A〜10C(つまり、固定部材50を備えていない飛行体10、10A〜10C)においても、複数のロータユニット30のそれぞれに対応して複数の電圧調整部が設けられている。このため、上記の課題は本実施の形態における飛行体10Dと同様に有している。よって、実施の形態1〜5における飛行体10、10A〜10Cにおいても、本実施の形態の飛行体10Dと同様に通気孔22の中に電圧調整部を配置することは、上記と同様の効果があると言える。

本実施の形態における飛行体10Dによれば、複数の通気孔22のそれぞれに、当該通気孔が狭まらないように当該通気孔の内面を支持する筒状部材61を備えているため、複数の通気孔22の形状を所望の形状に維持することが容易にできる。このため、複数のロータユニット30Aによる気流を所望の気流とすることができ、飛行体10Dを安定して飛行させることができる。

本実施の形態における飛行体10Dによれば、連結部材25の上端及び下端が閉塞されており、複数の通気孔22の上端及び下端に保護ネット62、63が設けられている。つまり、複数のロータユニット30A、固定部材50及び搭載機器は、バルーン20D及び保護ネット62、63により覆われるため、物体に衝突したとしても、バルーン20D及び保護ネット62、63により衝撃を低減できる。このため、複数のロータユニット30A、固定部材50及び搭載機器が損傷することや、物体が損傷することを効果的に抑制できる。

《他の実施の形態》 以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記の実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。

そこで、以下、他の実施の形態を例示する。

上述した実施の形態1〜6では、飛行体10、10A〜10Dは、中空のバルーン20、20A〜20Dにより構成された緩衝体を備える構成であるが、この構成に限らない。例えば、緩衝体は、スポンジ、ゴムなどの中実の材料から構成されていてもよい。つまり、緩衝体は、物体に衝突したときに衝撃を吸収できる材料で構成されていれば、どのような材料を用いてもよい。

上述した実施の形態1〜6では、飛行体10、10A〜10Dのバルーン20、20A〜20Dには、4つの通気孔22が設けられており、4つの通気孔22のそれぞれに1つずつロータユニット30、30Aが設けられている構成であるが、この構成に限らない。例えば、図21に示すように、1つの通気孔22Eが設けられたバルーン20Eと、当該1つの通気孔22Eの内部に4つのロータユニット30Aが設けられた固定部材50とを備えた飛行体10Eとしてもよい。なお、図21は、他の実施の形態の飛行体の平面図である。

また、図示しないが、2つの通気孔が設けられたバルーンと、2つの通気孔のそれぞれに2つずつロータユニットが設けられた飛行体としてもよい。つまり、1つの通気孔に複数のロータユニットが設けられた飛行体としてもよい。

上述した実施の形態1〜6及び図21で示す他の実施の形態では、飛行体10、10A〜10Dは、1つのバルーン20、20A〜20Eを備える構成であるが、この構成に限らない。例えば、図22に示すように、それぞれが別体の複数(4つ)の副バルーン20Fa(つまり、副緩衝体)を有するバルーン20Fを採用した飛行体10Fとしてもよい。なお、図22は、他の実施の形態の飛行体の平面図である。複数の副バルーン20Faのそれぞれは、1つのロータユニット30Aが配置される通気孔22を有する。複数の副バルーン20Faの通気孔22に配置されたロータユニット30Aは、固定部材50によって互いに固定されている。

上述した実施の形態1〜6では、飛行体10、10A〜10Dのバルーン20、20A〜20Dは、図23に示すように構成されていてもよい。図23は、バルーンのシートの構成を示す図である。具体的には、図23の(a)は、バルーン20、20A〜20Dの平面図であり、図23の(b)は、バルーン20、20A〜20Dを側方から見たときの正面図である。

図23の(b)に示すように、バルーン20、20A〜20Dは、上面シート210、下面シート240及び側面シート230を有する。

上面シート210は、バルーン20、20A〜20Dの上面を構成するシートである。下面シート240は、バルーン20、20A〜20Dの下面を構成するシートである。上面シート210は、図23の(a)に示すように、略扇形の複数の副シート211〜222の半径部分が互いに接着されることにより構成される、外径が略円形状のシートである。上面シート210は、実施の形態1で説明した基準曲線部23及び小曲率半径部24が組み合わされた略円形状のシートである。また、上面シート210の中心には、円形の副シート223が配置され、複数の副シート211〜222の頂点部分と接着されている。なお、上面シート210は、複数の副シート211〜222の頂角の合計は、360°よりも小さいことが好ましく、これにより、略円錐形状となる。

下面シート240は、詳細は図示しないが、上面シート210と同様の構成であるため説明を省略する。

なお、上面シート210及び下面シート240のそれぞれには、4つの通気孔22を形成するための開口が形成されており、上面シート210及び下面シート240の開口が互いに連結されることにより通気孔22が形成されている。

側面シート230は、バルーン20、20A〜20Dの側面を構成するシートである。側面シート230は、矩形のシートにより構成され、矩形のシートは複数の副シート231〜234の短辺部分が互いに接着されることにより構成されている。なお、側面シートは、1枚の矩形のシートにより構成されていてもよい。

そして、側面シート230の対向する2つの長辺部分の一方が上面シート210の外周部と接着され、他方が下面シート240の外周部と接着されている。

このように、バルーン20、20A〜20Dを上面シート210、下面シート240及び側面シート230により構成することで、バルーン20、20A〜20Dの側面部分を比較的広い範囲で接着部分がない状態とすることができる。つまり、側面部分の広い範囲を副シート231〜234で構成しているため、例えば、広告などの表示を接着による段差や色ずれなどがほとんど発生しない状態で印刷することができる。これにより、美観を保った状態で広告をバルーン20、20A〜20Dの側面に表示できる。

上述した実施の形態1〜5では、飛行体10、10A〜10Cの連結部材25の上端は、閉じられている構成であるが、上端が外部に開放されていてもよい。これにより、連結部材25の内方の空間の上端及び下端が外部に開放されているため、連結部材25の内方の空間の気体を流れやすくできる。このため、連結部材25の内方の空間に配置される搭載機器を効率よく冷却することができる。なお、この場合、円板部材40に複数の貫通孔や切り欠きを設けることでさらに気体が流れやすくする構成を取れば、連結部材25の内方の空間の気体をさらに流れやすくできるためより効果的に搭載機器を冷却できる。

上述した実施の形態1〜6と、図21及び図22で示す他の実施の形態とでは、飛行体10、10A〜10Fに4つのロータユニット30が設けられているが、飛行体10、10A〜10Fに設けられるロータユニット30の数は、2つ以上であればよく、4つには限定されない。ただし、飛行体10の飛行の安定性を考慮すると、3つ以上のロータユニット30を飛行体10に設けるのが望ましい。

上述したように、飛行体10のバルーン20には、ロータユニット30と同数の通気孔22が形成される。従って、N個(Nは2以上の整数)のロータユニット30を備える飛行体10では、バルーン20にN個の通気孔22が形成される。その際、バルーン20の形状は、上下方向に延びる直線を対称軸とした(360°/N)回転対称性を有する形状であるのが望ましい。つまり、この場合、バルーン20は、対称軸周りに(360°/N)だけ回転する毎に、回転する前と同じ形状となる。例えば、飛行体10が3つのロータユニット30を備える場合、その飛行体10のバルーン20は、120°回転対称性を有する形状であるのが望ましい。また、飛行体10が6つのロータユニット30を備える場合、その飛行体10のバルーン20は、60°回転対称性を有する形状であるのが望ましい。

上述した実施の形態1〜6と、図21及び図22で示す他の実施の形態との飛行体10、10A〜10Fは、ロータユニット30をバルーン20に対して着脱可能となるように構成されていてもよい。ロータユニット30がバルーンに対して着脱可能であれば、飛行体10を搬送する際に、バルーン20からロータユニット30を取り外し、バルーン20を小さく折り畳むことが可能となる。その結果、搬送中の飛行体10の荷姿を小型化できる。

上述した実施の形態1〜6と、図21及び図22で示す他の実施の形態とでは、バルーン20、20A〜20D、20Fにロータユニット30、30Aと同数(実施の形態1〜6では4つ)の通気孔22を形成し、各通気孔22にロータユニット30、30Aを1つずつ配置している。しかし、バルーン20には、ロータユニット30よりも多数の通気孔22が形成されていてもよい。この場合は、ロータユニット30が設けられない通気孔22が存在することになる。このようなロータユニット30が配置されない通気孔22をバルーン20に設けると、飛行体10の上昇時と下降時に飛行体10に作用する空気抵抗を低減することが可能となる。

上述した実施の形態1〜5では、バルーン20の通気孔22に、通気孔22を横断する保護ネットが設けられていてもよい。この場合、各通気孔22では、ロータユニット30の上方と下方のそれぞれに保護ネットが配置される。この保護ネットは、通気孔22へ進入した異物がロータユニット30のプロペラ32と接触するのを防ぐために、通気孔22に設けられる。

なお、保護ネットが設けられた飛行体では、当該飛行体に設けられた通気孔は、物体の接触によりバルーン及び保護ネットが変形しても保護ネットがロータユニットに接しない程度の高さを有する構成としてもよい。これにより、物体が保護ネットに接触した場合であっても、物体がロータユニットに接触することを低減することができる。

上述した実施の形態1〜6と、図21及び図22で示す他の実施の形態との飛行体10、10A〜10Fにおいて、カメラ44とプロジェクタ43と発光体46とは、任意の構成機器であって、省略することができる。これらの構成機器は、飛行体10自体の機能とは無関係だからである。

上述した実施の形態1〜6と、図21及び図22で示す他の実施の形態との飛行体10、10A〜10Fには、制御器41等と共にスピーカが設置されていてもよい。飛行体10にスピーカを設けた場合、スピーカから音声を発することが可能となると共に、シート状の材料からなるバルーン20を音波で振動させることによって一種の演出効果を得ることも可能となる。

以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。

したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。

また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。

以上説明したように、本開示は、複数のロータユニットとバルーンとを備えた飛行体について有用である。

10、10A〜10E 飛行体 20、20A〜20F バルーン 20Fa 副バルーン 21、21A ガス空間 21a、21b、21c、21d 領域 22、22A〜22D、22E 通気孔 22a 中央筒部 23 基準曲線部 24 小曲率半径部 25 連結部材 26 隔壁 27 凹溝部 28 連通部 29 窓部 30、30A ロータユニット 31 フレーム 32 プロペラ 33 モータ 34、34a〜34d、134、134a〜134d、334 フラップ 35 整流板 36、36a〜36d、136a〜136d アクチュエータ 37、37a〜37d、137、137a〜137d、337 回転軸 40 円板部材 41 制御器 41a 受信機 41b 第1制御器 41c 第2制御器 42 バッテリ 43 プロジェクタ 44 カメラ 45 ジンバル 46 発光体 50 固定部材 51 本体部 52 アーム部 52a 先端部 53 電圧調整部 54 支持部材 55 収容部 61 筒状部材 62、63 保護ネット 210 上面シート 211〜222 副シート 230 側面シート 231〜234 副シート 240 下面シート

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