垂直離着陸(VTOL)航空機

申请号 JP2016512112 申请日 2014-05-05 公开(公告)号 JP2016517821A 公开(公告)日 2016-06-20
申请人 エアロバイロメント,インコーポレイテッドAerovironment,Inc.; 发明人 ジェイ. テイラー,ダナ; ジェイ. テイラー,ダナ; ティー. トクマル,フィリップ; ティー. トクマル,フィリップ; ディーン ヒッブス,バート; ディーン ヒッブス,バート; マーティン パークス,ウィリアム; マーティン パークス,ウィリアム; ウェイン ガンザー,デイヴィッド; ウェイン ガンザー,デイヴィッド; ユージン フィッシャー,クリストファー; ユージン フィッシャー,クリストファー; シッダールタデヴ ムーカジ,ジェイソン; シッダールタデヴ ムーカジ,ジェイソン; フレデリック キング,ジョセフ; フレデリック キング,ジョセフ;
摘要 固定翼機の飛行制御装置が、第1の左翼(115)および第1の右翼(120)と、第1の左ロータ(155)と第1の左翼(115)に連結された第1の左電気モータ(135)との間に連結された第1の左スワッシュプレート(145)と、第1の右ロータ(130)と第1の右翼(120)に連結された第1の右電気モータ(140)との間に連結された第1の右スワッシュプレート(150)と、を有する。【選択図】図3A
权利要求

固定翼機の飛行制御装置であって: 第1の左翼および第1の右翼と; 第1の左ロータと第1の左電気モータの間に連結された第1の左スワッシュプレートであって、前記第1の左電気モータは前記第1の左翼に連結されている、第1の左スワッシュプレートと; 第1の右ロータと第1の右電気モータの間に連結された第1の右スワッシュプレートであって、前記第1の右電気モータは前記第1の右翼に連結されている、第1の右スワッシュプレートと; を具えていることを特徴とする装置。請求項1に記載の装置がさらに: 第2の左翼および第2の右翼と; 第2の左ロータと第2の左電気モータの間に連結された第2の左スワッシュプレートであって、前記第2の左電気モータは前記第2の左翼に連結されている、第2の左スワッシュプレートと; 第2の右ロータと第2の右電気モータの間に連結された第2の右スワッシュプレートであって、前記第2の右電気モータは前記第2の右翼に連結されている、第2の右スワッシュプレートと; を具えていることを特徴とする装置。請求項2に記載の装置がさらに: 胴体に連結された平安定板と、前記水平安定板に回転可能に連結された昇降とを具えており、前記胴体は前記第1の左翼と前記第2の右翼の間に連結されていることを特徴とする装置。請求項3に記載の装置がさらに: 前記第1の左翼の後縁に回転可能に配置された左補助翼と; 前記第1の右翼の後縁に回転可能に配置された右補助翼と; を具えていることを特徴とする装置。請求項1に記載の装置がさらに: 前記第1の左翼と前記第1の右翼にそれぞれ取り付けられた第1および第2のランディングギアを具えていることを特徴とする装置。請求項5に記載の装置がさらに: 前記水平安定板に取り付けられた第3のランディングギアを具えていることを特徴とする装置。固定翼機を飛行制御する方法であって: 第1の左スワッシュプレートの動作を受けて、第1の左翼に回転可能に連結された第1の左ロータに負の回転モーメントを生成すること;および 第1の右スワッシュプレートの動作を受けて、第1の右翼に回転可能に連結された第1の右ロータに正の回転モーメントを生成すること; に応じて、前記第1の左翼と前記第1の右翼の間に連結された胴体の左ロールを発生させるステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 前記第1の左ロータと前記第1の右ロータの間に非対称コレクティブ制御を生成することに応じて、前記胴体の周りにヨーモーメントを発生させるステップを含むことを特徴とする方法。請求項8に記載の方法において、非対称コレクティブ制御を生成すること、前記第1の左ロータに正の回転モーメントを生成すること、および前記第1の右ロータに負の回転モーメントを生成することが、集合的に前記左右の翼の釣合旋回を行うことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 前記第1の左スワッシュプレートの動作を受けて、前記第1の左ロータに正の回転モーメントを生成すること;および 前記第1の右スワッシュプレートの動作を受けて、前記第1の右ロータに負の回転モーメントを生成すること; に応じて、前記胴体の右ロールを発生させるステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 少なくとも前記第1の左ロータと、前記胴体に連結された第2の左翼に回転可能に連結された第2の左ロータとの間に非対称コレクティブ制御を提供することに応じて、前記胴体のピッチ制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 少なくとも前記第1の左ロータと、前記胴体に連結された第2の左翼に回転可能に連結された第2の左ロータとの間に差動モータRPM制御を提供することに応じて、前記胴体のピッチ制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項12に記載の方法がさらに: 前記第1の右ロータと、第2の右翼に回転可能に連結された第2の右ロータとの間に差動モータRPM制御を提供することに応じて、前記胴体のピッチ制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項13に記載の方法がさらに: 前記ピッチのモーメントを更なるピッチモーメントで補足すべく、前記ピッチ制御を提供するステップを補足する昇降舵制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 昇降舵の動作に応じて前記胴体のピッチ制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 第2の左スワッシュプレートの動作を受けて、第2の左翼に回転可能に連結され第2の左ロータに負の回転モーメントを生成すること; 第2の右スワッシュプレートの動作を受けて、第2の右翼に回転可能に連結された第2の右ロータに正の回転モーメントを生成すること; に応じて前記胴体の右ロールを発生させるステップを含んでおり; 前記第2の左ロータと前記第2の右ロータに生成されたの正負のモーメントが、前記第2の左翼と第2の右翼の右ロールを発生させることを特徴とする方法。請求項16に記載の方法がさらに: 前記第2の左翼と第2の右翼にそれぞれ回転可能に連結された左右の補助翼の動作に応じて、前記胴体の右ロールを補足するステップを含むことを特徴とする方法。請求項7に記載の方法がさらに: 第1の右スワッシュプレートの動作を受けて、前記第1の右ロータに正の回転モーメントを生成すること;および 前記第1の右スワッシュプレートの動作を受けて、前記第1の左ロータに正の回転モーメントを生成すること; に応じて前記胴体のピッチアップ制御を提供するステップを含むことを特徴とする方法。固定翼機の垂直離陸および水平飛行法であって: 第1の左翼と第1の右翼の間に連結された胴体を垂直離陸させるべく、前記第1の左翼の第1の左電気モータによって駆動される第1の左ロータと、前記第1の右翼の第1の右モータによって駆動される第1の右ロータに推力を生成するステップを含むことを特徴とする方法。請求項19に記載の方法がさらに: 垂直離陸から水平飛行へと前記第1の左翼と第1の右翼を移行させるべく、サイクリックロータブレード制御を用いて前記第1の左ロータと第1の右ロータに負の回転モーメントを生成するステップを含むことを特徴とする方法。請求項19に記載の方法がさらに: 第2の左翼の第2の左電気モータによって駆動される第2の左ロータと、第2の右翼の第2の右モータによって駆動される第2の右ロータに推力を生成するステップを含むことを特徴とする方法。請求項21に記載の方法がさらに: 一方は前記第1の左ロータおよび前記第1の右ロータと、他方は前記第2の左ロータおよび前記第2の右ロータとの関係における非対称コレクティブ制御に応じて、前記胴体を垂直離陸から水平飛行に移行するステップを含むことを特徴とする方法。請求項21に記載の方法がさらに: 一方は前記第1の左ロータおよび前記第1の右ロータと、他方は前記第2の左ロータおよび前記第2の右ロータとの関係における差動ロータ速度(RPM)制御に応じて、前記胴体を垂直離陸から水平飛行に移行するステップを含むことを特徴とする方法。請求項21に記載の方法がさらに: 前記第1の左ロータ、第1の右ロータ、第2の左ロータ、および第2の右ロータの対称サイクリック制御を生成することに応じて水平推力を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項21に記載の方法がさらに: i)一方は第1および第2の左ロータ、他方は第1および第2の右ロータと、ii)一方は第1の左ロータおよび第1の右ロータ、他方は第2の左ロータおよび第2の右ロータと、からなる群から選択された少なくとも1組のロータの非対称コレクティブ推力を生成することに応じて水平推力を提供するステップを含むことを特徴とする方法。請求項21に記載の方法がさらに: 水平推力を提供すべく、前記第1の左ロータ、第1の右ロータ、第2の左ロータ、および第2の右ロータの対称サイクリック制御を生成すること;および、 i)一方は第1および第2の左ロータ、他方は第1および第2の右ロータと、ii)一方は第1の左ロータおよび第1の右ロータ、他方は第2の左ロータおよび第2の右ロータと、からなる群から選択された少なくとも1組のロータの非対称コレクティブ制御を生成すること、 に応じて、前記胴体のピッチおよびロール位置保持制御を提供するステップを含んでおり、 前記対称サイクリック制御の生成と組み合わせた前記非対称コレクティブ制御の生成が、前記胴体を静止させ、水平方向に対してピッチまたはロールの角度を保つようにすることを特徴とする方法。固定翼機を制御する方法であって: 第1の左翼に連結された第1の左ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、前記第1の左ロータに対する前記ロータブレードピッチ制御は、ピッチ、ロール、およびヨーモーメントをそれぞれ発生させるために縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと; 第1の右翼に連結された第1の右ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、前記第1の右ロータに対する前記ロータブレードピッチ制御は、ピッチ、ロール、およびヨーモーメントをそれぞれ発生させるために縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと; を含んでおり、 固定翼機のピッチ、ヨー、およびロールモーメントは、主翼の制御面による手助けがなくとも得られることを特徴とする方法。請求項27に記載の方法がさらに: 第2の左翼に連結された第2の左ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、前記ロータブレードピッチ制御は、縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと; 第2の右翼に連結された第2の右ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、前記サイクリック制御は、縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと; を含むことを特徴とする方法。請求項27に記載の方法において: ロータブレードピッチ制御を提供するステップが、前記第1の左ロータ、第1の右ロータ、第2の左ロータ、および第2の右ロータの対称サイクリック制御に作用し、これにより、前記第1の左翼、第1の右翼、第2の左翼、および第2の右翼が水平移動するように誘導されることを特徴とする方法。固定翼機であって: 胴体と; 前記胴体の対向する両側から延在する第1の左翼および第1の右翼であって、飛行制御面がない第1の左翼および第1の右翼と; 前記第1の左翼に連結された第1の左ロータであって、第1の電気モータによって駆動され、第1のスワッシュプレートを有している、第1の左ロータと; 前記第1の右翼に連結された第1の右ロータであって、第2の電気モータによって駆動され、第2のスワッシュプレートを有している、第1の右ロータと、 を具えていることを特徴とする固定翼機。請求項30に記載の固定翼機において、前記第1および第2のスワッシュプレートが、それぞれ独立して縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択された第1の左ロータブレードピッチ制御と第1の右ロータブレードピッチ制御を可能にすることを特徴とする固定翼機。請求項30に記載の固定翼機がさらに: 前記胴体の対向する両側から延在する第2の左翼および第2の右翼と; 前記第2の左翼に連結された第2の左ロータであって、第3の電気モータによって駆動され、第3のスワッシュプレートを有している、第2の左ロータと; 前記第2の右翼に連結された第2の右ロータであって、第4の電気モータによって駆動され、第4のスワッシュプレートを有している、第2の右ロータと; を具えていることを特徴とする固定翼機。

说明书全文

本発明の分野は、航空機の飛行制御、より具体的にはロータリー式固定翼機の航空機飛行制御に関するものである。

滑走路の手助けなく離陸、ロイター、および着陸することができる遠隔または自立パイロット型無人航空機(UAV)に関する多くの出願がある。垂直離着陸(VTOL)機はこの制約に対処し、垂直に離着陸するように動作可能な主翼と垂直/尾翼制御面を有する手動発射航空機、あるいは3または4のロータコプタの形態に到達しうる。主翼と垂直/水平尾翼制御面を有する航空機は巡航時により効率的かつ速度が速い傾向にある一方、ロータコプタは前進飛行ではあまり効率的ではないが離着陸で有利な点を有する。

飛行時に効率がよく、かつ垂直に離着陸できる航空機を設計、製造する必要性が未だに存在している。

第1の左翼および第1の右翼と、第1の左ロータと第1の左翼に連結された第1の左電気モータとの間に連結された第1の左スワッシュプレートと、第1の右ロータと第1の右翼に連結された第1の右電気モータとの間に連結された第1の右スワッシュプレートと、を有する固定翼機用の飛行制御装置が開示されている。この装置はさらに、第2の左翼および第2の右翼と、第2の左ロータと第2の左翼に連結された第2の左電気モータとの間に連結された第2の左スワッシュプレートと、第2の右ロータと第2の右翼に連結された第2の右電気モータとの間に連結された第2の右スワッシュプレートと、を有しうる。一実施形態では、この装置は胴体に連結された水平安定板と、水平安定板に回転可能に連結された昇降とを有し、胴体は第1の左翼と第2の右翼の間に連結されており、第1の左翼の後縁に回転可能に位置する左補助翼と、第1の右翼の後縁に回転可能に位置する右補助翼とを有しうる。この装置は、第1の左翼および第1の右翼にそれぞれ取り付けられた第1および第2のランディングギアを有し、水平安定板に取り付けられた第3のランディングギアを有しうる。

固定翼機を飛行制御する方法がさらに開示されており、当該方法は、i)第1の左スワッシュプレートの動作を受けて、第1の左翼に回転可能に連結された第1の左ロータに正の回転モーメントを生成すること、およびii)第1の右スワッシュプレートの動作を受けて、第1の右翼に回転可能に連結された第1の右ロータに負の回転モーメントを生成することに応じて、第1の左翼と第1の右翼の間に連結された胴体の右ロールを発生させるステップを含む。幾つかの実施形態では、この方法は、胴体周囲にヨーモーメントを発生させるために、第1の左ロータと第1の右ロータの間に非対称コレクティブ制御を生成するステップを含みうる。共に利用すると、非対称コレクティブ制御、正の回転モーメントおよび負の回転モーメントは左右の翼の釣合旋回を可能にする。一実施形態では、この方法は更に、第1の左スワッシュプレートの動作を受けて第1の左ロータに負の回転モーメントを生成し、第1の右スワッシュプレートの動作を受けて右ロータに正の回転モーメントを生成することに応じて、胴体の左ロールを発生させるステップを含みうる。この方法は更に、少なくとも第1の左ロータと、胴体に連結された第2の左翼に回転可能に連結された第2の左ロータの間に提供される非対称コレクティブ制御に応じて、胴体のピッチ制御を提供するステップを含みうる。一実施形態では、この方法は、少なくとも第1の左ロータと、胴体に連結された第2の左翼に回転可能に連結された第2の左ロータとの間に差動速度(RPM)を提供することに応じて、胴体のピッチ制御を提供するステップを含んでもよく、第1の右ロータと、第2の右翼に回転可能に連結された第2の右ロータとの間に差動角速度(RPM)を提供することに応じて、胴体のピッチ制御を提供するステップを含んでもよい。更なる実施形態は、更なるピッチモーメントでピッチモーメントを補うように、ピッチ制御を提供するステップを補足する昇降舵制御を提供するステップを含みうる。一実施形態では、この方法は、昇降舵の動作に応じて胴体のピッチ制御を提供するステップを含みうる。胴体の右ロールは、第2の左スワッシュプレートの動作を受けて、第2の左翼に回転可能に連結された第2の左ロータに正の回転モーメントを生成すること、および、第2の右スワッシュプレートの動作を受けて、第2の右翼に回転可能に連結された第2の右ロータに負の回転モーメントを生成すること、に応じて発生させることができ、これにより、第2の左ロータと第2の右ロータに生じたの正負のモーメントが第2の左翼と第2の右翼の右ロールを生じさせる。この方法は更に、第2の左翼と第2の右翼にそれぞれ回転可能に連結された左右の補助翼の動作に応じて胴体の右ロールを補助するステップを含みうる。

固定翼機の垂直離陸および水平飛行の更なる方法は、第1の左翼と第1の右翼の間に連結された胴体の垂直離陸を引き起こすために、第1の左翼の第1の左電気モータによって駆動される第1の左ロータと、第1の右翼の第1の右モータによって駆動される第1の右ロータに推力を生成することを開示している。開示されたこの方法では、当該方法は更に、垂直離陸から水平飛行へと第1の左翼と第1の右翼の移行を実現するために、サイクリックロータブレード制御を用いて第1の左ロータと第1の右ロータに負の回転モーメントを生成するステップを含んでもよく、第2の左翼の第2の左電気モータによって駆動される第2の左ロータと、第2の右翼の第2の右モータによって駆動される第2の右ロータに推力を生成するステップを含んでもよい。多くの開示された実施形態において、胴体は垂直離陸から水平飛行へと移行することができ、この実施形態は、i)一方は第1の左ロータおよび第1の右ロータと、他方は第2の左ロータおよび第2の右ロータとの関係における非対称コレクティブ制御に応じて、およびii)一方は第1の左ロータおよび第1の右ロータと、他方は第2の左ロータおよび第2の右ロータとの関係における差動ロータ角速度(RPM)制御に応じることを含む。水平推力は、第1の左ロータ、第1の右ロータ、第2の左ロータ、および第2の右ロータに対称サイクリック制御を生成することに応じて、またはi)一方は第1および第2の左ロータ、他方は第1および第2の右ロータと、およびii)一方は第1の左ロータと第1の右ロータ、他方は第2の左ロータと第2の右ロータとからなる群から選択された少なくとも一組のロータに差動推力を生成することに応じて提供することができる。一実施形態では、胴体のピッチおよびロール位置保持制御は、水平推力を提供するために第1の左ロータ、第1の右ロータ、第2の左ロータ、および第2の右ロータに対称サイクリック制御を生成し、i)一方は第1および第2の左ロータ、他方は第1および第2の右ロータと、ii)一方は第1の左ロータおよび第1の右ロータ、他方は第2の左ロータおよび第2の右ロータと、からなる群から選択された少なくとも1組のロータに差動推力を生成することに応じて提供することができ、これにより、対称サイクリック制御の生成と組み合わせた差動推力の生成は、胴体を静止させ、水平に対してピッチまたはロール角度を保つようにする。

固定翼機を制御する更なる方法は、第1の左翼に連結された第1の左ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、第1の左ロータに対するロータブレードピッチ制御は、ピッチ、ロール、およびヨーモーメントそれぞれを引き起こすために縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと;第1の右翼に連結された第1の右ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、第1の右ロータに対するロータブレードピッチ制御は、ピッチ、ロール、およびヨーモーメントそれぞれを引き起こすために縦サイクリック制御、横サイクリック制御およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと、を含む。このような方法によって、主翼の制御面による手助けがなくとも、固定翼機のピッチ、ヨー、およびロールモーメントを実現することができる。他の実施形態では、この方法はさらに、第2の左翼に連結された第2の左ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、ロータブレードピッチ制御は、縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される、ステップと;第2の右翼に連結された第2の右ロータにロータブレードピッチ制御を提供するステップであって、サイクリック制御は、縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択されるステップと、を含みうる。

固定翼機が更に開示されており、当該固定翼機は、胴体と、胴体の対向する両側から延在する第1の左翼および第1の右翼であって、飛行制御面がない第1の左翼および第1の右翼と;第1の左翼に連結された第1の左ロータであって、第1の電気モータによって駆動され、第1のスワッシュプレートを有する第1の左ロータと;第1の右翼に連結された第1の右ロータであって、第2の電気モータによって駆動され、第2のスワッシュプレートを有する第1の右ロータと、を有しうる。この航空機の一実施形態では、第1および第2のスワッシュプレートが、それぞれ独立して縦サイクリック制御、横サイクリック制御、およびコレクティブピッチ制御からなる群から選択される第1の左ロータのブレードピッチ制御および第1の右ロータのブレードピッチ制御を可能にする。この航空機は更に、胴体の対向する両側から延在する第2の左翼および第2の右翼と、第2の左翼に連結された第2の左ロータであって、第3の電気モータによって駆動され、第3のスワッシュプレートを有する第2の左ロータと、第2の右翼に連結された第2の右ロータであって、第4の電気モータによって駆動され、第4のスワッシュプレートを有する第2の右ロータと、を有しうる。

図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに本発明の原理を示すために強調がなされている。同一の符号は、異なる図面を通して対応する部分を指し示している。

図1は、垂直離陸から水平飛行に移行する2ロータ式固定翼機の一実施形態を示している。

図2A、2B、および2Cはそれぞれ、図1に最初に示した2ロータ式固定翼機の右側面図、上面図、および斜視図であり、ピッチアップ、右ヨー、およびロールの飛行制御入力それぞれを更に図示している。

図3Aは、ピッチ、ロール、ヨー、および推力のエフェクタ入力と、図1および2に示す2ロータ式固定翼機の関連図形を図示した表である。

図3Bは、図1、2A、2B、および2Cに示す2ロータ式固定翼機に対するエフェクタ制御の実施形態を記載した表である。

図3Cは、図1、2A、2B、および2Cに示す2ロータ式固定翼機に対するエフェクタ制御の実施形態を記載した別の表である。

図4A、4B、および4Cはそれぞれ、4つのロータを有し、垂直離着陸が可能な固定翼機の他の実施形態の正面図、上面図、および左側面図である。

図5は、図4A、4B、および4Cに示す4ロータ式固定翼機に対する垂直飛行向きモードと関連制御エフェクタの実施形態を記載した表である。

図6は、図4A、4B、および4Cに示す4ロータ式固定翼機に対する水平飛行向きモードと関連制御エフェクタの実施形態を記載した表である。

図7A、7B、および7Cは、穏やかな状態、水平方向の風況、およびデッキがロールした状態それぞれの際の4ロータ式固定翼機の機体方向制御の一実施形態を示している。

図8A、8B、および8Cはそれぞれ、4ロータ式固定翼機の他の実施形態の上面図、正面図、斜視図である。

図9は、衛星通信を利用して船からの打ち上げおよび陸地上空でのオンステーションロイターが可能な4ロータ式または2ロータ式(図示せず)の固定翼機に使用するシステムの一実施形態である。

図10は、4つの電気モータを有する4ロータ式固定翼機に使用する発電装置およびエネルギ貯蔵装置の一実施形態を示すブロック図である。

1以上の翼を有し、航空機を垂直上方に上昇させ、航空機を水平飛行に移行させ、次いで航空機を垂直飛行に戻して垂直下方に着陸するように移行させるよう動作可能な2つ以上のロータを用いて垂直に離着陸可能な垂直離着陸(VTOL)航空機が開示されている。垂直飛行中、(複数の)翼は垂直方向を向いて垂直揚力に寄与しないが、機体は上下に移動する(例えば、翼は上方を向いている)。浮遊時、航空機はその垂直向きを維持しながら、少なくとも実質的に(例えば、左右にスライドして)水平移動することができ、ロータを用いて少なくとも概ね垂直方向から少なくとも概ね水平方向に航空機を回転させて前進飛行へと移行し、次いで、着陸のために少なくとも概ね水平飛行から少なくとも概ね垂直飛行に戻るように移行することができる。前進飛行の時は、1以上の翼が揚力を発生させ、ロータは機体を概ね前方に推進させるように方向付けられる。このように、当該航空機は、前進飛行する間は航続時間を最大にするために翼により発生した揚力の効率を利用することができるが、離着陸するために長い水平方向の滑走路を必要とせず、垂直に離着陸する能力が与えられる。

幾つかの実施形態では、補助翼、昇降舵、または方向舵といった航空力学的な制御面の手助けがなくとも、推進力によって機体の姿勢制御全体が生じる。機体構造に制御面(通常、翼または安定板の後縁に配置される)がないと、機体はより軽量に、(航空力学的に)より効率的に、より信頼性が高くなり、複雑さが低減して通常よりも丈夫となる。より一層丈夫になることにより、航空機に、制御面を有する機体には一般的でないか、損傷あるいはその制御や動作への潜在的な悪影響なく受けさせられない物理的条件を受けさせたり、操作することが可能となる。例えば、構造上に制御面を有しない航空機は、飛行制御面の損傷による後の飛行制御への問題に関する可能性なく、茂みあるいは岩盤地に垂直に着陸することができる。さらに、制御面がないと、航空機はあまりメンテナンスを必要とせず、船上の周りを移動している場合などの操作中に損傷しにくい。航空機に制御面がないと、抵抗が減少する。他の実施形態では、推進力によって提供される姿勢制御を補助するために幾つかの制御面を設けてもよい。

幾つかの実施形態では、推進手段はそれぞれ電気モータを介して主翼に回転可能に取り付けられた少なくとも2つのロータであり、各々が、ブレード回転率(RPM)および/またはサイクリックまたはコレクティブピッチ制御の何れか一方などでブレードピッチを変化させることで航空機のピッチ、ヨー、およびロール制御を提供することができるスワッシュプレートを有している。垂直飛行(あるいは、少なくともほぼ垂直の飛行)では、揚力の大部分、姿勢制御、および推力は少なくとも2つのプロペラによって発生させることができる。水平飛行(あるいは、少なくともほぼ水平の飛行)では、揚力の大部分は翼面によって発生させることができ、機体姿勢制御と推力は少なくとも2つのロータによって発生させることができる。すなわち、水平飛行に関して、航空機のピッチ、ヨー、およびロー制御は、少なくとも2つのロータによって生成された差動推力と回転モーメントによってもたらされ、各ロータは、例えば、2または3の制御軸を有するスワッシュプレートを用いて制御可能な可変ピッチを有する少なくとも2または3つの回転可能なローターブレードから構成される。幾つかの実施形態では、垂直飛行および水平飛行の姿勢制御を補助するために昇降舵や補助翼のような航空力学的な制御面を設けてもよい。

図1は、左右のロータ(125、130)を有する左右の翼(115、120)の間に連結された胴体110を有しうる2ロータ式固定翼機100の実施形態を示している。左右のロータ(125、130)は、左右のスワッシュプレート(145、150)各々を介して左右の電気モータ(135、140)各々に接続され且つ駆動され、左右のスワッシュプレートがローターブレード155のコレクティブ制御と、好適には一軸のサイクリックピッチ制御を提供する。他の実施形態では、スワッシュプレート(135、150)は、ローターブレード155のコレクティブ制御と、2軸のサイクリックピッチ制御を提供しうる。更なる実施形態では、航空機100のピッチおよび/またはロール姿勢制御を補助するために、左右の翼(115、120)は左右のロータ(125、130)後方のロータ後流に大体広がった左右のエレボン(160、165)をそれぞれ有している。例えば、垂直飛行と水平飛行の間の移行に使用するなど、補助的なピッチ制御が望ましい場合には、エレボン(160、165)は“フラップダウン”構造で作動して、航空機に前傾モーメントを誘発する。同様に、補助的なロール制御が望ましい場合には、エレボン(160、165)は従来の翼および垂直/水平安定板の航空機のエルロンとして作動しうる。垂直飛行中の航空機を前後に移動させるために、翼周りにプロペラ後流による気流を伴う翼によって発生した揚力を打ち消すモーメントを生成することで航空機の(少なくとも概ね)垂直の向きを維持するようにエレボン(160、165)を使用してもよい。

航空機が、最初に地上でランディングギア170上に位置し、着陸地点Aで垂直位置を向くように図示されている。航空機100の垂直離陸は、第1の左電気モータと第1の右モータ(135、140)によってそれぞれ駆動されるような第1の左ロータ125と第1の右ロータ130によって垂直推力が供給されると実現する。ロータ(125、130)は、ピッチ、ロール、ヨーおよび垂直/水平の加速を集合的に可能にするために、角速度制御あるいはコレクティブ制御入力を用いて対称あるいは異なる推力(X1、X2)を発生させ、かつ、サイクリック制御入力を用いて対称あるいは異なる回転モーメントを発生させるように動作する。この適用のために、図2Cには参考の慣性系が提供され、図1には垂直/水平方向が提供されている。

この航空機は、着陸地点(位置A)から垂直飛行に移行し、次いで、揚力の大部分が翼(115、120)によって与えられる水平飛行(位置B)へと移行することができる。ローターブレード155のそれぞれのピッチがスワッシュプレート(145、150)によってガイドされ、ロータ(125、130)が電気モータ(135、140)によって回転駆動されるため、垂直飛行および水平飛行の双方の間、ロータ(125、130)によって姿勢制御(ピッチ、ロール、ヨー)がもたらされる。水平飛行中の水平推力(Y1、Y2)は、巡航中、ロイター中、更には水平飛行型で上昇中の翼(115、120)と胴体110の有害抗力と誘導抗力を上回るのに十分である。

図2A、2B、および2Cはそれぞれ、2ロータ式航空機のピッチアップ、右ヨー、およびロールの飛行制御力をそれぞれ示した右平面図、上面図、および斜視図である。図2Aの側面図に示すように、前進飛行している航空機100では、スワッシュプレート(145、150)によるロータ(125、130)のサイクリック制御を用いて、ロータの中心かつ航空機100の質量中心Mの上側に生成される推力T2よりも大きな推力T1を、ロータの中心の下側、ひいては航空機100の質量中心Mの下側に発生させることができる。幾つかの実施形態では、スワッシュプレート(145、150)が移動すると、スワッシュプレートの変位に付随してロータ初期位置(あるいは航空機)に対するロータの角度が変位し、初期位置(例えば、真っ直ぐ前進)に対して傾いた推力ベクトルを生じさせ、この傾いた力ベクトル成分が航空機に力を付与して航空機を回転させる(例えば、ピッチ)ように、ハブおよび/またはロータブレードをヒンジ式とするかジンバルで支えることができる。発生した差動力と得られる回転モーメントは、サイクリック制御入力から負の回転モーメントが作り出されると航空機100をピッチアップさせ、サイクリック制御入力から正の回転モーメントが作り出されるとピッチダウンさせる。同様に、左ロータ125が左スワッシュプレート145の動作を受けて正の回転モーメントを生成し、右ロータ130が右スワッシュプレート150の動作を受けて負の回転モーメントを生成すると、胴体110の右ロールを発生させることができる。

図2Bには水平飛行向きで前進飛行している航空機が図示されており、左右のロータ(125、130)の推力(X左、X右)が異なることでヨー制御が影響を受けている。水平飛行の向きでは、左右のスワッシュプレート(145、150)によって与えられる非対称コレクティブ制御を通じて、および/または、好適でない実施形態では、左右の電気モータ(135、140)の制御を用いた左右のロータ(125、130)の差動モータ角速度制御(ロータRPM)によって、ロータ(125、130)の差動推力(X左、X右)を実現することができる。例えば、i)左ロータ125によって発生する推力を増加させる、ii)右ロータ130によって発生する推力を減少させる、あるいはiii)左ロータ125によって発生する推力を増加させると共に、右ロータ130によって発生する推力を減少させることで、右ヨーモーメント(右側へのヨー)を引き起こすことができる。特定のロータによって発生する推力の増加は、集合的な操作を通じて関連するローターブレード155のピッチ角を増加させることで、または、好適ではない実施形態では、関連する電気モータによって駆動される特定のロータの角回転(RPM)を増加させることで実現することができる。同様に、特定のロータによって発生する推力の減少は、集合的な操作を通じて関連するローターブレード155のピッチ角を減少させることで、または、関連する電気モータによって駆動される特定のロータの角回転(RPM)を減少させることで実現することができる。

代替的な実施形態では、左側と右側に非対称ブレード推力(破線で示す)を生成してヨーの正味右モーメントを生成するように、左ロータ125と右ロータ130による対称サイクリック制御を提供してもよい。より具体的には、左ロータ125の左側を通過するブレード(領域155a)が左ロータ125の右側を通過するブレード(領域155b)よりも大きな推力を生成するように、左スワッシュプレート145が左ロータ125のブレードピッチを非対称に動作させる。同様に、右ロータ130の左側を通過するブレード(領域155a)が右ロータ130の右側を通過するブレード(領域155b)よりも大きな推力を生成し、左右の翼(115、120)を通じて全てのブレードが集合的に胴体110の正味右ヨーを生成する。

図2Cは、胴体の左ロールを発生させるロータのサイクリック制御を示す斜視図である。一実施形態では、第1の左スワッシュプレート145の動作を受けて第1の左ロータ125に負の回転モーメントM左を生成すること、および第1の右スワッシュプレート150の動作を受けて第1の右ロータ130に正の回転モーメントM右を生成することに応じて、胴体の左ロールが引き起こされる。同様に、胴体に右ロールを作用させるためには、第1の左スワッシュプレートの動作を受けて第1の左ロータに正の回転モーメントを生成し、第1の右スワッシュプレートの動作を受けて右ロータに負の回転モーメントを生成してもよい。右翼のピッチ上昇および左翼のピッチ下降は、(後から見たときに)航空機100を左にロールさせる。同様に、これらのピッチ力を逆にすると、航空機100を右にロールさせる。図2Cには更に、水平の推力成分T3、T4、T5、およびT6が図示されており、関連する垂直推力のベクトル成分Z1(右翼)、Z2(左翼)と共に、図示のロータブレード位置での関連するブレード155の推力の大きさを示している。

図3Aは、図1および2に示す2ロータ式固定翼機に関連する力ベクトルおよび図形と共に、ピッチ、ロール、ヨーおよび推力のエフェクタ入力の一実施形態を記載している。図3Aのライン1には、左右の翼(115、120)により胴体110をノーズアップする正のピッチ制御の一実施形態を示す航空機100の正面図が提供されている。例えば、左右のスワッシュプレートの動作をそれぞれ受けて左右のロータ(125、130)それぞれに正の(かつ、等しい)回転モーメントを生成することにより、2つの垂直方向の力線に示すようなピッチアップ力を生じさせる対称サイクリックピッチ制御を利用して、ピッチアップを引き起こすことができる。ノーズアップの対称サイクリックピッチ制御によって発生する正味のノーズアップ力ベクトルを示す航空機100の左右平面図も提供されている。

図3Aのライン2には、胴体の右(正)ロールを示す航空機100の正面図が提供されている。例えば、左スワッシュプレートの適切な動作を受けて左ロータ125に正の回転モーメントを生成し、右スワッシュプレートの適切な動作を受けて右ロータに負の回転モーメントを生成することにより、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を利用して、右(正の)ロールを発生させることができる。図3Aには図示されていないが、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を利用して、胴体の左ロールを提供することもできる。例えば、左スワッシュプレートの適切な動作を受けて左ロータに負の回転モーメントを生成し、右スワッシュプレートの適切な動作を受けて右ロータに正の回転モーメントを生成し、胴体110の左ロールを発生させことができる。左エレボン160を上方に延在して左翼115の揚力を減少させ、右エレボン165を下方に延在して右翼165の揚力を増加させる等により、エレボンの非対称制御もまた胴体の左ロールを補うことができる(図2B参照)。

図3Aのライン3には、胴体の右(正)ヨーを示す航空機100の上面図が提供されている。このヨーは、左右のロータ(125、130)の差動推力を利用して発生させることができる。左右のロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御あるいは差動回転速度制御のいずれかによって、このような差動推力を与えることができる。図3Aのライン3に示すように、右ロータ130よりも大きな推力を提供する左ロータ125によって、胴体の周囲にノーズを右にする(正)ヨーを発生させることができる。同様に、右ロータ130よりも小さい推力を提供する左ロータ125によって、胴体の周囲にノーズを左にする(負)ヨーを発生させることができる。一実施形態では、左右のロータ(125、130)の差動回転速度を利用して差動推力を与えることができ、このような差動回転速度は左右の電気モータ(135、140)が左右のロータ(125、130)を異なる毎分回転(RPM)で駆動する等により提供される。図3Aに記載の他の実施形態では、左ロータ125に大きい相対コレクティブ制御、および右ロータ130に小さい相対コレクティブ制御を提供する等により、ロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御を利用して差動推力を提供する。

図3Aのライン4には、推力を適用する一実施形態を示す航空機100の上面図が更に提供されている。一実施形態では、ロータ(125、130)の対称コレクティブ(前方が正)制御を利用して、推力調整を行うことができる。ロータ(125、130)は左右の電気モータ(135、140)によって一定の角回転速度で駆動させることができ、ロータの推力は左右のスワッシュプレート(145、150)各々によってなされる集合的なブレードピッチ調整により変化する。前方への推力を増加させるために、左右のスワッシュプレート(145、150)は、各ブレード155のピッチを対称的に増加させるように各々のコレクティブ制御入力を増加させることができる。前方への推力を減少させるために、左右のスワッシュプレート(145、150)は、各ブレード155のピッチを対称的に減少させるように各々のコレクティブ制御入力を減少させてもよい。

図3Bおよび3Cは、関連する力を表す関連図形と共に、図1、2A、2B、および2Cに示す2ロータ式固定翼機に関する水平または垂直飛行、ロール、ヨー、および釣合旋回のピッチを実現可能な異なる飛行制御エフェクタの実施形態を示す表である。ピッチ制御、および垂直飛行への/からのピッチ制御は、少なくとも2つエフェクタの実施形態によって実現することができる。実施形態1(ライン1)には、左右のロータ(125、130)間に対称サイクリック制御入力が提供されうる。例えば、左右のスワッシュプレート(145、150)各々の適切な対称動作を受けて左右のロータ(125、130)それぞれに正の回転モーメント(すなわち、対称サイクリックロータ制御)を生成することに応じて、胴体110のピッチアップ制御を発生させることができる。同様に、左右のスワッシュプレート(145、150)各々の適切な対称動作を受けて左右のロータ(125、130)それぞれに負の回転モーメントを生成することに応じて、胴体110のピッチダウン制御を発生させることができる。図3Cに示すピッチ制御、および垂直飛行への/からのピッチ制御の実施形態2では、左右のエレボン(160、165)の対称動作を利用して、このようなピッチエフェクタ制御を補助することができる。例えば、左右のロータ(125、130)が胴体110のピッチアップを引き起こす場合、左右のエレボンが対称に動作して(すなわち、実質的に同様のエフェクタ制御入力)、更なる胴体のピッチアップ力を提供してもよい。

ロール制御は、少なくとも2つの異なるエフェクタ制御の実施形態にて実現することができる。図3B(ライン2)に示す実施形態1では、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御が、胴体のロールを発生させることができる。例えば、左右のスワッシュプレート(145、150)各々の動作を受けて左右のロータ(125、130)それぞれに負と正の回転モーメントを生成することで、胴体110の左ロールを発生させることができる。同様に、左右のスワッシュプレート(145、150)各々の動作を受けて左右のロータ(125、130)それぞれに正と負の回転モーメントを生成することで、胴体の右ロールを発生させることができる。図3Cに示す航空機のロールエフェクタ制御の実施形態2では、左右のエレボン(160、165)の相補的な非対称動作によって、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を補助することができる。例えば、左右のロータ(125、130)が左ロールを引き起こす場合、より一般的な補助翼と垂直安定板/昇降舵の制御面を有する航空機における補助翼制御の作用と同様に、左右のエレボン(160、165)が非対称に動作して更なる胴体の左ロール力を提供してもよい。

ヨー制御は、少なくとも3つの異なるエフェクタ制御の実施形態を用いて実現することができる。図3B(ライン3)に記載の実施形態1では、左右のロータ(125、130)間に非対称コレクティブ制御(代替的に“非対称コレクティブ”の制御と称する)を生成することに応じて、胴体110の周りにヨーモーメントを引き起こすことができる。例えば、直線的な定常状態の飛行姿勢であると仮定すると、左ロータ125の相対コレクティブ制御を増加させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を減少させることによって、右(正)ヨーを発生させることができる。同様に、左ロータ125の相対コレクティブ制御を減少させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を増加させることによって、胴体110の周囲に左(負)ヨーを引き起こすことができる。

図3Cに示す実施形態2(ライン3)では、左右のロータ(125、130)をそれぞれ駆動する左右の電気モータ(135、140)の差動モータRPM制御を利用して、ヨー制御を実現することができる。例えば、左電気モータ135のRPMの比例増加によって左ロータ125のRPMを増加させる、および/または右電気モータ140のRPMの比例減少によって右ロータ130のRPMを減少させることにより、胴体110の周囲に右(正)ヨーを発生させることができる。同様に、左電気モータ135のRPMの比例減少によって左ロータ125のRPMを比例減少させる、および/または右電気モータ140のRPMの比例増加によって右ロータ130のRPMを増加させることにより、胴体110の周囲に左(負)ヨーを発生させることができる。

図3Cに示す実施形態3(ライン3)では、左右の電気モータ(135、140)の差動モータRPM制御と共に左右のロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御を利用して、ヨー制御を実現することができる。例えば、左電気モータ135のモータRPM制御の増加、および/または右電気モータ140のモータRPM制御の減少と関連して左ロータ125のコレクティブ制御を増加させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を減少させることにより、胴体110に右(正)ヨーを発生させることができる。同様に、左電気モータ135のモータRPM制御の減少、および/または右電気モータ140のモータRPM制御の増加と関連して左ロータ125のコレクティブ制御を減少させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を増加させることにより、胴体110に左(負)ヨーを発生させることができる。

図3Bおよび3Cはさらに、本書に記載の発明システムを用いて釣合旋回を実現するように利用することができる少なくとも4つの異なるエフェクタ制御の実施形態を記載している。図3B(ライン4)に記載の実施形態1には、左右のロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御とほぼ同時に、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を用いることにより、左右の翼の釣合旋回を実現することができる。例えば、釣合右旋回を実現するために、左ロータ125のコレクティブ制御を増加させる、および/または右ロータ130のコレクティブ制御を減少させるのとそれぞれほぼ同時に、左ロータ125に正の回転モーメントを生成し、右ロータ130に負の回転モーメントを生成することで、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を実現してもよい。他の例では、釣合左旋回を実現するために、左ロータ125のコレクティブ制御を減少させる、および/または右ロータ130のコレクティブ制御を増加させるのとそれぞれほぼ同時に、左ロータ125に負の回転モーメントを生成し、右ロータ130に正の回転モーメントを生成することで、左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御を実現してもよい。

図3Cに示す実施形態2(ライン4)では、非対称の左右のエレボン(160、165)と、ほぼ同時の左右のロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御を利用して、釣合旋回を実現することができる。例えば、釣合右旋回を実現するために、左ロータ125のコレクティブ制御を増加させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を減少させるのとそれぞれほぼ同時に、左エレボン160が左翼115の揚力を増加させるように動作し、右エレボン165が右翼120の揚力を減少させるように動作してもよい。同様に、釣合左旋回を実現するために、左ロータ125のコレクティブ制御を減少させる、および/または右ロータ130の相対コレクティブ制御を増加させるのとそれぞれほぼ同時に、左エレボン160が左翼115の揚力を減少させるように動作し、右エレボン165が右翼120の揚力を増加させるように動作してもよい。

図3Cに示す実施形態3(ライン4)では、ほぼ同時のi)左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御、ii)左右のロータ(125、130)の非対称コレクティブ制御、およびiii)左右のエレボン(160、165)の非対称制御を利用して、釣合旋回を実現することができる。例えば、実施形態2について上述した右旋回と、左右のスワッシュプレート(145、150)それぞれの動作を受けて左右のロータ(125、130)に正と負の回転モーメントをそれぞれ生成する等による左右のロータ(125、130)の付加的な非対称サイクリック制御に応じて、釣合右旋回を実現することができる。同様に、実施形態2について上述した左旋回と、左右のスワッシュプレート(145、150)それぞれの動作を受けて左右のロータ(125、130)に負と正の回転モーメントを生成する等による左右のロータ(125、130)の付加的な非対称サイクリック制御に応じて、釣合左旋回を実現することができる。

図3Cの実施形態4(ライン4)では、ほぼ同時のi)左右のロータ(125、130)の非対称サイクリック制御、ii)左右のエレボン(160、165)の非対称動作、およびiii)左右の電気モータ(135、140)の差動モータRPM制御を利用することにより、釣合制御を実現することができる。

図3Bおよび3Cはさらに、本書に記載の発明システムを用いて低速の水平移動を実現するように利用することができる少なくとも3つの異なるエフェクタ制御の実施形態を記載している。実施形態1(ライン5)では、左右のロータの対称サイクリック(非ゼロ)ロータ制御を利用して、低速の水平移動を実現することができる。図3Cに示す実施形態2(ライン5)では、i)全てのロータの対称サイクリック(非ゼロ)ロータ制御、およびii)航空機のより垂直方向の向きに維持するエレボン制御を利用して、低速の水平移動を実現することができる。図3Cに示す実施形態3(ライン5)では、右ロータに対する左ロータの非対称コレクティブ制御を利用して、水平移動を実現することができる。

2ロータ式固定翼機100に関して図3Aおよび3Bが主に記載されているが、好適でない実施形態では、このようなエフェクタ制御の入力を利用して、図4A、4B、および4Cに示すような、2つの翼と水平安定板/昇降舵構造を有する4ロータ式固定翼機の姿勢制御および推力制御を提供することもできる。このような適用では、エフェクタ制御が4ロータ式固定翼機の2つの主翼のうち1つにあることが好ましい。

図4A、4B、および4Cはそれぞれ、4つのロータを有し、垂直離着陸が可能な固定翼機の他の実施形態の正面図、上面図、および左側面図である。後方主翼401は、胴体406に連結された後方左翼と後方右翼(402、404)を有している。前方主翼408は、胴体406にさらに連結された前方左翼と前方右翼(410、412)を有している。後方左スワッシュプレート414が後方左ロータ416と後方左電気モータ418の間に連結され、後方左電気モータ418は後方左翼402に連結されている。後方右スワッシュプレート420が後方右ロータ422と後方右電気モータ424の間に連結され、後方右電気モータ420は後方右翼404に連結されている。前方左スワッシュプレート426は前方左ロータ428と前方左電気モータ430の間に連結することができ、前方左電気モータ430は前方左翼410に連結されている。前方右スワッシュプレート432は前方右ロータ434と前方右電気モータ436の間に連結することができ、前方右電気モータ436は前方右翼412に連結されている。一実施形態では、胴体406が前方左翼410と前方右翼412の間に連結された状態で、水平安定板438が胴体406に連結され、昇降舵440が水平安定板438に回転可能に連結されうる。左補助翼442が後方左翼402の後縁444に回転可能に配置され、右補助翼446が後方右翼404の後縁448に回転可能に配置されうる。後方左翼402および後方右翼404それぞれに、後方および前方のランディングギア(450、452)を取り付けることができる。水平安定板438に、例えば水平安定板438の対向する長手方向両側に第3のランディングギア454を取り付けてもよい。

既出の議論、さらに以下の表の記載のために、「対称」および「差動」サイクリックロータ制御、コレクティブロータ制御、およびモータRPMから得られる記載したピッチ、ヨー、およびロール運動は、航空機の質量中心周りに対称または近対称のロータ配置であると仮定し、同一またはほぼ同一の電気モータ出力であると仮定し、水平飛行および垂直飛行モードにおいて質量中心周りの航空機構造の対称または近対称の有害抗力であると仮定する。現実世界の適用では、以下のエフェクタ制御の効果を維持するために、重量バランスのずれ、および航空機構造の非対称の有害抗力を相殺するようにバイアスまたはトリムエフェクタの入力が提供されうる。

対称コレクティブエフェクタ制御−それぞれのスワッシュプレートによって、2組のロータ(組は1ロータ式であってもよい)の関係において同一または類似のコレクティブ制御入力を適用することであり、このような組の関係において同一または類似のロータの力ベクトルを生じさせる。

非対称コレクティブエフェクタ制御−それぞれのスワッシュプレートによって、2組のロータ(組は1ロータ式であってもよい)の関係において非類似のコレクティブ制御入力を適用することであり、このような組の関係において、非類似の大きさのロータ力であるが、同一または類似のベクトル力方向を生じさせる。

非対称サイクリックエフェクタ制御−それぞれのスワッシュプレートによって、2組のロータ(組は1ロータ式であってもよい)の関係において非類似のサイクリック制御入力を適用することであり、このような組の関係において、反対の回転モーメント方向に、非類似の大きさのロータ回転モーメントを生じさせる。

対称サイクリックエフェクタ制御−それぞれのスワッシュプレートによって、2組のロータ(組は1ロータ式であってもよい)の関係において同一または類似のサイクリック制御入力を適用することであり、このような組の関係において、同一又は類似の大きさかつ方向のロータ回転モーメントを生じさせる。全てのロータが同一の大きさの回転モーメントを同一又は類似の回転モーメント方向に有するロータを意味するように対称サイクリックエフェクタ制御を利用してもよい。

差動モータRPM−2組のモータ(組は1ロータ式であってもよい)の関係において非類似の回転速度を適用することであり、このような組のモータは、このように非類似の回転速度を、組の関係において比例的に非類似の大きさのロータ力であるが、同一または類似のベクトル力方向へと変換するように構成されている。

図5は3つの飛行制御構成の実施形態を記載しており、離陸やホバリング時などの機体の垂直飛行向きの際に、図4A、4B、および4Cに最初に図示した4ロータ式固定翼機のピッチ、ヨー、及びロール制御に影響を与えるように利用することができる。垂直向きから水平飛行へのピッチは、少なくとも2つのエフェクタの実施形態によって実現することができる。飛行制御構成の実施形態1(ライン1)では、一方は後方左ロータ416および/または後方右ロータ422と、他方は前方左ロータ428および/または前方右ロータ434との間に差動モータRPM制御を提供することに応じて、胴体406のピッチ制御を提供することができる。実施形態2(ライン1)では、一方は後方左ロータ416および後方右ロータ422と、他方は前方左ロータ428および前方右ロータ434との間に非対称コレクティブ制御を提供することに応じて、胴体のピッチ制御を提供することができる。

図5はさらに、航空機400が垂直向きモードにある場合に、低速の水平移動を実現するために利用できる2つの異なるエフェクタ制御の実施形態を記載している。実施形態1(ライン2)では、全てのロータ(416、428、422、および434)に対称サイクリック制御を提供することにより、前後の左翼(402、410)と前後の右翼(404、412)の低速の水平移動が生じる。実施形態2(ライン2)では、一方は後方左右のロータ(416、422)と、他方は前方左右のロータ(428、434)との間に異なるコレクティブを生成することにより、垂直向きモードにおける低速の水平移動を提供することができる。代替的な実施形態では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)との間に異なるコレクティブを生成することにより、水平移動を提供することができる。

少なくとも2つのエフェクタの実施形態によって、ホバリング/垂直向きモード中に、胴体の静的な非ゼロのロール位置保持制御を実現することができる。実施形態1(ライン3)では、ロータ(422、434、416、428)の対称サイクリック制御とそれぞれがほぼ同時に、一方は前後の右ロータ(422、434)と、他方は前後の左ロータ(416、428)の間に非対称コレクティブ制御を生成することができる。実施形態2(ライン3)では、全てのロータ(422、434、416、428)の非ゼロの対称サイクリック制御とそれぞれがほぼ同時に、一方は前後右ロータ(422、412)と、他方は前後左ロータ(416、428)との間に差動モータRPM制御を提供してもよい。

少なくとも2つのエフェクタの実施形態によって、ホバリング/垂直向きモード中に、胴体の静的な非ゼロのピッチ角位置保持制御を実現することができる。図5に示す実施形態1(ライン4)では、一方は前後左ロータ(416、428)と、他方は前後右ロータ(422、434)の対称サイクリック制御とほぼ同時に、一方は後方左右のロータ(416、422)と、他方は前方左右のロータ(416、434)との間に非対称コレクティブ制御を生成することができる。実施形態2(ライン4)では、後方左ロータ416、前方左ロータ428、後方右ロータ422および前方右ロータ434の対称サイクリック制御とほぼ同時に、一方は後方左ロータ416および後方右ロータ422と、他方は前方左ロータ428および前方右ロータ434との間に差動モータRPM制御を生成することで、ピッチ角位置保持を提供してもよい。

少なくとも2つのエフェクタの実施形態によって、ホバリング/垂直向きモード中に、胴体周囲にヨーモーメントを発生させることができる。図5の実施形態1(ライン5)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)の非対称サイクリック制御に応じて、ヨーモーメントを発生させることができる。実施形態2(ライン5)では、一方は後方左ロータ416および前方右ロータ434と、他方は前方左ロータ428および後方右ロータ422との間の差動モータRPM制御に応じて、ヨーモーメントを発生させることができる。

少なくとも2つのエフェクタの実施形態によって、垂直離陸を提供することができる。実施形態1(ライン6)では、全てのロータ(422、434、416、428)の対称モータRPM制御に応じて、離陸を発生させることができる。図5の実施形態2(ライン6)では、全てのロータ(422、434、416、428)の対称コレクティブ制御に応じて、胴体の離陸を発生させることができる。

図5は様々な航空機の姿勢および平行移動の制御に影響を与える2つの航空機構成の実施形態を記載しているが、1つの航空機構成の実施形態におけるエフェクタ制御に他の実施形態を利用してもよい。例えば、任意の特定の航空機構成の実施形態において、図5、ライン2に記載されているような、対称サイクリック(非ゼロ)のロータ制御または非対称コレクティブロータ制御の何れかを用いて低速での水平移行を実現してもよい。

図6は、巡航またはロイター時に後方および前方の主翼(401、408)が全てまたは実質的に全ての垂直揚力を提供している場合といった機体の水平向きの際に、図4A、4B、および4Cに図示した4ロータ式固定翼機のピッチ、ヨー、およびロール制御に影響を与えるために集合的に利用されうる3つの飛行制御の実施形態を記載している。図6に記載の少なくとも3つの異なる航空機制御構成の実施形態によって、水平飛行向きにある飛行中の胴体周囲に、水平飛行向きから着陸またはホバリングの準備などの垂直飛行向きに移行するための胴体のピッチ制御を生じさせることができる。飛行制御の実施形態1では、一方は後方左および後方右のロータ(416、422)と、他方は前方左および前方右ロータ(428、434)との間に非対称コレクティブ制御を提供し、ほぼ同時に相補的な昇降舵動作を提供することにより、垂直飛行へのピッチを生じさせることができる。飛行制御の実施形態2(ライン1)では、一方は後方左および後方右のロータ(416、422)と、他方は前方左および前方右のロータ(428、434)との間に非対称コレクティブ制御を提供することに応じて、昇降舵動作を使用することなく航空機のピッチ制御を実現することができる。飛行制御の実施形態3(ライン1)では、一方は後方左および後方右のモータ(418、424)と、他方は前方左および前方右ロータ(428、434)との間に差動モータRPM制御を提供することにより、胴体に対してピッチ制御を発生させることができる。

図6に記載の少なくとも3つの異なる航空機制御構成の実施形態を用いて、航空機が水平向きにある間の飛行時に胴体のピッチ制御を提供することができる。飛行制御の実施形態1(ライン2)では、非対称コレクティブロータ制御を使用することなく、昇降舵制御を提供することによってピッチを発生させることができる。実施形態2(ライン2)では、好ましくは昇降舵を使用することなく、一方は後方左および後方右のロータ(416、422)と、他方は前方左および前方右のロータ(428、434)との間に非対称コレクティブ制御を提供することによってピッチ制御を発生させることができる。実施形態3(ライン2)では、好ましくは昇降舵動作あるいは非対称コレクティブロータ制御の手助けがなくとも、一方は後方左および後方右のモータ(418、424)と、他方は前方左および前方右のロータ(428、434)との間に差動モータRPM制御を提供することにより、胴体に対してピッチ制御を発生させることができる。

図6に記載された少なくとも3つの航空機制御構成の実施形態によって、水平飛行向きで飛行中の胴体周囲にロールモーメントを発生させることができる。飛行制御の実施形態1(ライン3)では、後方左翼402と後方右翼404にそれぞれ回転可能に連結された左右の補助翼(442、446)の動作を提供することにより、ロールを発生させることができる。代替的な実施形態では、前方左右の翼(410、412)、あるいは前方両翼と主翼(401、408)の双方に左右の補助翼を更に設けてもよい。実施形態2(ライン3)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)に非対称サイクリックロータ制御を提供することにより、ロール制御を発生させることができる。実施形態3(ライン3)では、一方は前後の左モータ(430、418)と、他方は前後の右モータ(436、424)の差動モータRPM制御によって、ロール制御を提供することができる。

図6に記載された少なくとも3つの異なる航空機制御構成の実施形態によって、水平飛行向きにある飛行中に胴体周囲にヨーモーメントを生じさせることができる。飛行制御の実施形態1および2(ライン4)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)との間の非対称コレクティブ制御に応じて、胴体周囲にヨーモーメントを発生させることができる。実施形態3(ライン4)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)との間の差動モータRPM制御に応じて、ヨーモーメントを発生させることができる。

図6に記載された少なくとも3つの異なる航空機制御構成の実施形態によって、水平飛行向きの飛行時に前方および後方の主翼の釣合旋回もまた実現することができる。飛行制御の実施形態1(ライン5)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)との間の非対称コレクティブロータ制御と同時に、左補助翼424と右補助翼446の間に非対称の補助翼制御を提供することにより、航空機400の釣合旋回を実現することができる。航空機構造の実施形態2(ライン5)では、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)の間に非対称コレクティブ制御を提供するのとほぼ同時に、一方は前後の左ロータ(416、428)と、他方は前後の右ロータ(422、434)の間に非対称サイクリック制御を提供することにより、航空機400の釣合旋回を実現することができる。

図7A、7B、および7Cは、動いている船のデッキ面に着陸しようと試みている場合に直面しうる、異なる天候条件に使用される図5に記載の幾つかのエフェクタ制御モードの影響を示している。より具体的には、図7Aは、穏やかな風況で船のデッキ700上空をホバリングしている、垂直向きの航空機400を示している。前後の左ロータ(416、428)および前後の右ロータ(422、434)が、各ロータ(416、422、428、434)の対称コレクティブ制御および/またはモータRPM制御、および垂直軸に対して0°での各ロータ(416、422、428、434)の対称サイクリック制御を使用するなどにより、航空機400を安定したホバリング位置、およびレベル飛行(すなわち、水平面に対してピッチおよびロール角が0°)を維持することができる。図7Bには、航空機400の左翼(402、410)からの風が図示されており、ホバリング/垂直向きにある間の胴体の低速の水平移行制御を記載した図5のライン2の実施形態1および2に記載されているような能動的な飛行制御を必要とする。風が前方位置/向きから水平に来ているような場合の代替的な実施形態では、図5のライン2における実施形態1および2を利用して、対称サイクリックを調整して前方(x軸)方向の推力を提供することにより、航空機に当たる風の力を相殺して船のデッキの静止横方向位置を維持することもできる。図7Cには、風が図示されていないが、水平からの瞬間的なピッチとロール角度における船のデッキが図示されており、例えば、図5のライン3および4に記載の実施形態から選択された制御入力の組み合わせを用いて着陸を実現するために、航空機400の動的なピッチおよびロールエフェクタ制御を使用することを提案している。例えば、航空機400が降下する際に胴体446に能動的なピッチとロールの角度操作を生じさせることができ、下降中の望ましくない横方向の移動を低減させるが、船のデッキが回転している場合であっても、船のデッキ700と接する時のランディングギア(450、452および454)を適切な向きにすることができる。

図8A、8B、8Cは、ロータを駆動させる電気モータに動力を供給する電池を充電するためのタービンと内燃エンジン(ICE)を有する4ロータ式固定翼機の別の実施形態を図示している。航空機800は、胴体815内部に配置された内燃エンジン805とタービン810とを有しうる。内燃エンジンは、例えば、ディーゼルまたはジェット燃料エンジンであってもよく、タービンとICE(810、805)に利用可能なディーゼルおよびジェット燃料を保管するために設けられた1以上の燃料タンク820を有しうる。ICEおよびタービンは、電池825に電気的に接続された1以上の発電機を駆動させることができる。例えば、センサを有するペイロード830、および航空機を遠隔通信制御するためのエビオニクス機器835を胴体815に配置してもよい。各ロータ840はそれぞれのスワッシュプレート850によりガイドされるとそれぞれの電気モータ845によって駆動され、各電気モータ845は電池825による直接的に動力を得るか、ICE805またはタービン810によって、あるいは電池、ICE、またはタービン(825、805、810)の幾つかを組み合わせて生成された電力を得る。例えば、巡航またはロイター中、各電気モータ845はICE805から動力を得ることができる。垂直離陸の間、各電気モータ845は、ICE805とタービン810の双方から、あるいはICE、タービン、および電池(805、810、825)から集合的に動力を得ることができる。

X型翼構造に4つの翼860が設けられ、胴体815が中央にある航空機800が提供されうる。ロータは胴体815の周囲に対称に配置することができ、各翼860には、好適にはそれぞれの翼860に沿って胴体815から等距離に配置された1つのロータがある。一実施形態では、胴体815の姿勢制御を高めるために、各ロータ840はそれぞれの翼端865に配置される。各ロータ840には2つのブレード870が設けられているが、各ロータは3または4つのブレードのロータ840であってもよい。航空機800の垂直離着陸を可能にするために、4つのランディングギア875がエンジンナセルあるいは他の支持部880から延在してもよい。ランディングギア875は、胴体815から、2つ以上の翼860から、あるいは胴体815、翼860、または支持部880の幾つかの組み合わせから延在していてもよい。

図9は、衛星通信を用いて船上での打ち上げにより垂直離着陸し、陸地上空のオンステーションロイターをするように構成された、マルチロータのサイクリック制御およびコレクティブ制御を有する固定翼機に使用されるシステムの一実施形態である。航空機900は、補足電力用の内燃エンジン発電機、タービン発電機、および既に蓄電されたバッテリ電源の組み合わせを用いて電気モータに与えられた離陸電力によりモータRPM制御またはコレクティブロータ制御、あるいはその両方によって制御された推力を利用して、船のデッキ905から垂直飛行方向に垂直離陸することができる。航空機900は、i)差動モータRPM制御、またはii)非対称コレクティブ制御(図5、ライン1参照)を含みうる飛行制御構成の実施形態を利用して、水平飛行方向910を確立するために前方に傾くことができる。

水平飛行向きが確立されると、航空機は、好適には、ロータを駆動させるために内燃エンジンの発電機(図8A、8B、8C参照)の1つみからの電力を利用して、(垂直向きの巡航に対して)燃料効率がよい水平向きの巡航モード915に入り、主揚力はロイター位置910へと飛行するために航空機の翼によって与えられる。代替的な実施形態では、内燃エンジンの発電機が不十分であるか利用不可能な場合、または追加の電力が必要とされる場合に、タービン発電機あるいは電池の何れか、まはその両方を巡航に使用してもよい。航空機制御の実施形態では、図6のライン2に記載されているように、i)昇降舵の動作、ii)非対称コレクティブ制御、またはiii)差動モータRPM制御を利用して、胴体周囲のピッチ制御を実現することができる。図6のライン3に記載されているように、a)補助翼、b)非対称サイクリックロータ制御、またはc)差動モータRPM制御を利用して、胴体周囲のロール制御を実現することができる。図6のライン4に記載されているように、非対称コレクティブ制御または差動モータRPM制御を利用して、胴体周囲のヨー制御を実現することができる。x)補助翼および非対称コレクティブロータ制御、y)非対称サイクリックロータ制御および非対称コレクティブロータ制御、またはz)差動モータRPM制御を利用して、水平向きで巡航中に釣合旋回させることができる。

船920などのコマンド制御ステーションとの通信は、衛星925を介してすることができる。

オンステーションロイター910が終了すると、航空機は、例えば、船のデッキ905といった着陸目的地へと戻る930ことができる。着陸目的地に到達すると、航空機は、図5のライン1に記載されているエフェクタ実施形態のように、飛行向きを変化させるべく、例えば、差動モータRPM制御または非対称コレクティブ制御を利用して、水平飛行向き935へと傾くことができる。航空機の低速の平行移動は、図5のライン2に記載されているような対称サイクリック(非ゼロ)ロータ制御または非対称コレクティブロータ制御を利用した最終的な着陸位置制御に用いることができる。着陸目的地が水平でない場合、あるいは船のデッキがうねっている場合、図5のライン3及び4に記載のエフェクタ制御の実施形態を利用して、航空機が下降するにつれて、航空機は船のデッキ905のピッチおよびロール角に合わせることができる。

代替的な実施形態では、航空機900は、図1および2A、2B、2Cに図示され、図3Aおよび3Bの構成のようなエフェクタを伴う2ロータ式航空機である。図9のように、固定翼機は、モータRPM制御、コレクティブロータ制御、またはその双方によって制御される推力を利用して、船のデッキ905から垂直向きで垂直離陸することができる。この航空機は、i)対称サイクリック制御、またはii)対称エレボン動作を伴う対称サイクリック制御(図3B、ライン1参照)を含みうる飛行制御構成の実施形態を用いて、水平飛行向き910を確立するように前方に傾くことができる。水平飛行向きが確立されると、航空機はロイター位置910へと飛行するために、翼(115、120)(図1参照)から主に作り出される垂直揚力を使用する、(垂直向き巡航に対して)燃料効率がよい水平向き巡航モード915に入ることができる。航空機制御の実施形態では、i)対称サイクリック制御、またはii)対称ロータ制御および対称エレボン動作を利用して、胴体周囲のピッチ制御を実現することができる。胴体周囲のロール制御は、a)非対称サイクリックロータ制御、またはb)非対称サイクリック制御を利用して実現することができる。胴体周囲のヨー制御は、x)非対称サイクリックロータ制御、またはy)非対称サイクリックロータ制御および非対称エレボン動作を利用して実現することができる。釣合旋回は、I)非対称サイクリックロータ制御と共に非対称コレクティブロータ制御、II)非対称エレボン動作と共に非対称コレクティブロータ制御、またはIII)非対称サイクリックロータ制御と共に非対称コレクティブおよび非対称エレボン動作、またはIV)非対称サイクリックロータ制御と共に非対称エレボン動作および差動RPM制御を利用してすることができる。

2ロータ式航空機によるオンステーションロイター910が終了すると、例えば、船のデッキ905等の着陸地点に戻る930ことができる。着陸地点に到達すると、対称サイクリックロータ制御、または対称サイクリックロータ制御と共に対称エレボン動作の何れかを利用して、航空機は水平向きへと傾くことができる。

図10は、4つの電気モータを有する4ロータ式固定翼機に使用する、発電装置とエネルギ貯蔵装置を有するハイブリッドパワーシステムの一実施形態を示すブロック図である。ホバーバッテリ1015と、内燃エンジン発電機1020と、タービン発電機1025とから構成されうるハイブリッドパワーシステム1010と電気接続している4つの電気モータ1005を有する航空機1000が図示されている。ディーゼル燃料タンクとジェット燃料タンク(1035、1040)が内燃エンジン発電機およびタービン発電機(1020、1025)それぞれと液通していてもよい。画像センサまたは熱センサ、送受信機または大気センサといったペイロード1045が、ハイブリッドパワーシステム1005と電気通信してもよい。

本願の様々な実施形態が記載されているが、本発明の範囲内でより多くの実施形態や実装例が可能なことは当業者には明らかである。

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