Wrap-around strain gage assembly for brake rod

大型の民間航空機の着陸装置アセンブリは、航空機の機種及び翼の下に複数の車輪／ブレーキアセンブリを含んでいる。 各車輪／ブレーキアセンブリは、車輪と、車輪と共に回転するロータディスクと、制輪子頭又はハウジングに対して回転しないように固定されているステータディスクとを含む。 ブレーキロッドは、制輪子頭と脚支柱とに接続することができ、制動中に制輪子頭の回転を妨げる。

制動の間、ブレーキロッドにかかる荷重が測定される。 測定された荷重は制動力の決定に使用される。

各ブレーキロッドにかかる荷重は、歪みゲージにより測定することができる。 ホイートストンブリッジのような歪みゲージには複数の要素が含まれ、これらの要素は各ブレーキロッドに正確に取り付けられる。 要素が取り付けられた後、細いゲージ線が要素上に半田付けされる。

一つのブレーキロッド上にホイートストンブリッジを組み立てるには数時間を要する。 大型の民間航空機には、１６個ものブレーキロッドが存在する。

ブレーキロッド上にホイートストンブリッジを組み立てる時間を短縮することが望ましい。

本明細書の一実施形態によれば、装置は、ブレーキロッドと、ブレーキロッドに巻き付けられた可撓性の誘電ストリップとを含む。 このストリップは、正確な位置に歪みゲージ基板のための複数の基板用切り抜き部を有している。

本明細書の別の実施形態によれば、歪みゲージアセンブリは、複数の基板を含む歪みゲージと、基板のための複数の基板用切り抜き部を有する可撓性の誘電ストリップとを含む。 基板は切り抜き部内に取り付けられる。

本明細書の別の実施形態によれば、ブレーキロッドアセンブリは、航空機用ブレーキロッドと、少なくとも一つの歪みゲージアセンブリとを含む。 各歪みゲージアセンブリは、ブレーキロッドに巻き付けられた可撓性の誘電ストリップと、誘電ストリップの切り抜き部内に取り付けられた複数の歪みゲージ基板とを含む。

本明細書の別の実施形態によれば、航空機の着陸装置アセンブリは、複数の車輪及びブレーキディスクと、複数のブレーキディスクの複数のブレーキロッドと、複数の歪みゲージアセンブリとを含む。 各歪みゲージアセンブリは、対応するブレーキロッドに巻きつけられており、正確な位置に歪みゲージ基板のための複数の基板用切り抜き部を有する可撓性の誘電ストリップを含んでいる。

本明細書の別の実施形態によれば、方法は、歪みゲージアセンブリを航空機のブレーキアセンブリのブレーキロッドに巻き付けることを含む。 歪みゲージアセンブリは、複数の位置合わせマークを有する可撓性の誘電ストリップと、このマークを基準にしてストリップの正確な位置に取り付けられた複数の基板とを含む。 方法は、ストリップの端部を位置合わせしてブレーキロッド上においてストリップを正確に位置決めするために、ストリップ上のマークを位置合わせすることを含む。

上記の特徴及び機能は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができるか、または他の実施形態において組み合わせることができる。 実施形態のさらなる詳細は、後述の説明及び添付図面に見ることができる。

ブレーキロッドと、ブレーキロッドに巻き付けられた歪みゲージアセンブリとを示している。

Ａは歪みゲージアセンブリの一実施例を示しており、Ｂは歪みゲージアセンブリの誘電ストリップのための基板の切り抜き部を示している。

歪みゲージアセンブリの歪みゲージの一実施例の概略図である。

ブレーキロッドへの歪みゲージの取り付け方法を示している。

航空機の着陸装置アセンブリを示している。

航空機のための一方法を示している。

図１は、ブレーキロッド１１０と、ブレーキロッド１１０に巻き付けられた歪みゲージアセンブリ１２０とを含むブレーキロッドアセンブリ１００を示している。 歪みゲージアセンブリ１２０は、ブレーキロッド１１０にかかる荷重（例えば、軸方向、横方向、又は両方の）を測定する。 ブレーキロッド１１０は、いかなる特定の種類のビークルにも限定されない。 例えば、ブレーキロッド１１０は、自動車のブレーキ系統、航空機の着陸装置系統、又は鉄道の機関車系統の一部でありうる。 さらには、ブレーキロッド１１０は車両に限定されない。 他のプラットフォームとして、限定しないが、起重機、デリック、巻き上げ機、及び積込み用曳航機が挙げられる。

次に図２Ａを参照する。 図２Ａは、歪みゲージアセンブリ１２０の一実施例を示している。 図２Ａの歪みゲージアセンブリ１２０は、正確な位置に歪みゲージ基板のための複数の基板用切り抜き部を有する可撓性の誘電ストリップ１２２を含んでいる。 各歪みゲージ基板は、歪みゲージの一又は複数の要素を含む。 図２Ａの歪みゲージアセンブリは、様々な位置に、四つの基板１２４ａ、１２４ｂ、１２４ｃ、及び１２４ｄを含んでいる。

図２Ｂは、歪みゲージアセンブリ１２０の誘電ストリップ１２２に設けられた基板用切り抜き部１２３を示している。 切り抜き部１２３は、ストリップ１２２の厚みを貫通している。 基板１２４ａ〜１２４ｄの各々は、対応する切り抜き部１２３内に位置し、誘電ストリップ１２２に取り付けられている。 基板１２４ａ〜１２４ｄは、歪みゲージアセンブリ１２０がブレーキロッド１１０に巻き付けられたとき、ブレーキロッド１１０によって支持される深さに配置される。

図２Ａの歪みゲージアセンブリ１２０は、可撓性の誘電ストリップ１２２上の複数の端子１２６をさらに含む。 可撓性の誘電ストリップ１２２上のトレース及び／又はジャンパー線（図示しない）は、基板１２４ａ〜１２４ｄ上の要素を特定の構成で（例えば、ホイートストンブリッジとして）端子１２６に接続する。 端子１２６は、ワイヤを取り付けるために大きな設置面積を提供する。 端子１２６に半田付けされるか、又は他の方法で取り付けられるワイヤ（図示しない）は、別のデバイス（例えば、コントローラ、電圧計、ストリップチャート記録計、スコープ）にセンサシグナルを供給することができる。

基板１２４ａ〜１２４ｄの誘電特性は、導電性の基材から歪みゲージ要素を分離するように設計される。 基板１２４ａ〜１２４ｄは、歪みゲージ要素とブレーキロッド１１０との間に高い絶縁抵抗を提供する。 基板１２４ａ〜１２４ｄのうちの少なくとも二つは、異なる特性、大きさ及び／又は形状を有している。

誘電ストリップ１２２の厚みは、歪みゲージ要素の感受性と耐久性の両方を叶えるように設計される。 厚みを増加させると、歪みゲージアセンブリ１２０の耐久性と取り扱い性は向上するが、歪みゲージ要素の感受性は低下する。 いくつかの実施形態では、誘電ストリップ１２２は、基板１２４ａ〜１２４ｄを保持する部分で薄く、端子１２６を担持する部分で厚い。

図３は、ホイートストンブリッジ３１０として構成された基板１２４ａ〜１２４ｄ上の歪みゲージ要素を示している。 第１の基板１２４ａは第１のＴロゼットＴ１及び第３のＴロゼットＴ３を含み、第２の基板１２４ｂは第２のＴロゼットＴ２及び第４のＴロゼットＴ４を含み、第３の基板１２４ｃは第１のバランス抵抗器ＲＺ１及び第２のバランス抵抗器ＲＺ２を含み、第４の基板１２４ｄはスパン抵抗器ＲＳを含む。 ＴロゼットＴ１、Ｔ２、Ｔ３、及びＴ４は、ブレーキロッド上に、互いに９０度の角度で配置された二つの測定グリッドを提供する。 ＴロゼットＴ１、Ｔ２、Ｔ３、及びＴ４は、既知の主要な方向を有する二軸応力状態を決定する。 ＴロゼットＴ１、Ｔ２、Ｔ３、及びＴ４は、弾性係数及び横方向の収縮率（横方向の歪み率又は横方向インデックスとも呼ばれる）を決定するためにも使用される。

再度図１及び図２Ａを参照すると、誘電ストリップ１２２は、ブレーキロッド１１０に巻き付ける時にストリップ１２２の端部を正確に位置合わせするための第１のマークＡ及び第２のマークＢを有する（図１では、第１のマークと第２のマークとは位置合わせされている）。 加えて、ストリップ１２２は、ブレーキロッド１１０の長さに沿って、及びブレーキロッド１１０の外周上でストリップを正確に位置決めするためのマークＣ及びＤを有している。

図４は、ブレーキロッド１１０への歪みゲージアセンブリ１２０の取り付け方法を示している。 ブロック４１０において、ブレーキロッド１１０上に位置合わせマークを設ける。 各位置合わせマークは、ブレーキロッド１１０上の基準点（例えば、ブッシング）から特定の距離にある。

ブロック４２０では、ブレーキロッド１１０に未硬化の接着剤を適用する。 Ｍ−ｂｏｎｄ歪みゲージ接着剤を使用することができる。

ブロック４３０では、ブレーキロッド１１０の周囲に誘電ストリップ１２２を巻き付ける。 この時、ストリップ端部を所定の位置に置き、マークＡとＢとを位置合わせする（図１参照）。 さらに、誘電ストリップ１２２上のマークＣ及びＤをブレーキロッド１１０上のマークと位置合わせすることにより、ブレーキロッドの周方向に関して誘電ストリップを位置決めする。 ブレーキロッド１１０上の基準点ＲＥＦ（図１参照）から一定の距離Ｄ _ＲＥＦにおいて誘電ストリップ１２２の一端を測定することにより、ブレーキロッド１１０の長さに沿って歪みゲージアセンブリ１２０を位置決めする。 この時点で、基板１２４ａ〜１２４ｄとそれらの歪みゲージ要素はブレーキロッド１１０に対して正確な位置にある。 基板とブレーキロッド１１０との間には接着剤の薄層が存在する。

ブロック４４０では、接着剤を硬化させる。 例えば、ブレーキロッド１１０との位置合わせを維持するために、テープを用いて歪みゲージアセンブリを巻き付け、次いでテープで貼ったアセンブリを接着剤が硬化するまでオーブン内で加熱することができる。

ブロック４５０では、端子Ｙ、Ｇ、Ｒ、及びＢにワイヤを取り付ける。 例えば、ワイヤは端子Ｙ、Ｇ、Ｒ、及びＢに半田付けすることができる。

ブロック４６０では、バランス抵抗器ＲＺ１及びＲＺ２を、歪みが存在しないときブリッジの出力がゼロとなるように調節する。 例えば、バランス抵抗器ＲＺ１及びＲＺ２は、金属箔の部分が除去されたときに抵抗が不可逆的に増加するはしご型補償抵抗器である。 図３のホイートストンブリッジ３１０の場合、端子Ｒ及びＢに電圧を掛け、端子Ｙ及びＧの出力電圧を測定する。 出力電圧が正である場合、バランス抵抗器ＲＺ２上のラング（ｒｕｎｇ）が切断され、出力電圧が負である場合、バランス抵抗器ＲＺ１上のラングが切断される。

ブロック４７０では、特定の歪みが入力された場合、ゼロバランス値に対して特定の出力を供給するように歪みゲージを較正するために、スパン抵抗器ＲＳを調節する。 ばらつき（例えば、ブレーキロッドの壁厚）は、スパン提供器ＲＳを用いて、相殺されるように調節される。 例えば、ブレーキロッド１１０をテスト治具に配置し、引張荷重を加える。 出力電圧が特定の値になるまでスパン抵抗器ＲＳを調節する（例えば、ラングを切断することにより）。

ブロック４８０では、歪みゲージアセンブリ１２０に保護コーティングを適用する。 例えば、歪みゲージアセンブリ１２０全体に電気的樹脂を適用し、樹脂の上にシーラントを適用する。

図５は、民間又は軍用の大型航空機の着陸装置アセンブリ５１０を示している。 着陸装置アセンブリ５１０は、複数の車輪／ブレーキアセンブリ５２０と、制輪子頭５３０とを含んでいる。 車輪／ブレーキアセンブリ５２０の各々は、車輪と、車輪と共に回転するロータディスクと、制輪子頭５３０に対して回転しないように固定されているステータディスクとを含む。

各着陸装置アセンブリ５１０は、複数のブレーキロッド５４０と脚支柱５５０とをさらに含む。 各ブレーキロッド５４０は制輪子頭５３０と脚支柱５５０とに接続されている。 ブレーキロッド５４０は、制動中に制輪子頭５４０の回転を妨げる。

各着陸装置アセンブリ５１０は、本明細書に記載される複数の歪みゲージアセンブリ５６０をさらに含む。 少なくとも一つの歪みゲージアセンブリ５６０が各ブレーキロッド５４０に取り付けられている。

図６は、航空機のための一方法を示している。 航空機の製造段階において、着陸装置を組立て（ブロック６１０）、複数の着陸装置アセンブリを航空機の胴体及び翼の下で航空機に取り付ける（ブロック６２０）。 いくつかの実施形態では、業者が各着陸装置を組立ててシステムインテグレータに配送し、システムインテグレータが航空機に着陸装置アセンブリを取り付ける。 着陸装置の組立ての間に、着陸装置業者は別の業者から本明細書に記載される歪みゲージアセンブリを購入し、各ブレーキロッドに少なくとも一つの歪みゲージアセンブリを取付けることができる。

着陸装置アセンブリは、歪みゲージが所定の位置に取り付けられた状態でシステムインテグレータに配送される。 着陸装置アセンブリの取り付けの一部として、システムインテグレータは、歪みゲージアセンブリをブレーキ系統の制御ユニットに接続することができる。 制御ユニットは、歪みゲージアセンブリを励起する正確な電圧源を含むことができる。 制御ユニットは、航空機の制動中に歪みゲージアセンブリからの信号を処理して制動力を決定する。

航空機が顧客（例えば航空会社）に納品されて使用に供された後、保守検査によりブレーキロッドの表面の摩耗が明らかになった場合、又はテストにより歪みゲージアセンブリを修理する必要が示された場合、航空会社の整備工が歪みゲージアセンブリを整備し、対応するブレーキロッドを取り外して交換する（ブロック６３０）。 次いで取り外されたブレーキロッドをオーバーホールに出す。

本明細書の歪みゲージアセンブリの取り付けは、ブレーキロッドに直接基板を取付けるより有意に短時間で行われる。 誘電ストリップ上のマークを組み合わせることと、ストリップ上において基板を正確に配置することにより、測定回数を減らすことができる。 さらに、アセンブリ又は整備の際に取付けられる部品の数が低減する。 基板の正確な配置は、着陸装置アセンブリの業者又は第三者による保守サービスではなく、歪みゲージアセンブリの業者によって取り扱われる。

本明細書の歪みゲージアセンブリは、ブレーキロッド上に個々の基板を手作業により取付けるプロセス及び技能に対する依存度が極めて小さいので、車輪間の均一性も増大させる。

四つの基板を有する抵抗性フルブリッジであるホイートストンブリッジについて記載したが、本明細書の歪みゲージアセンブリはそれに限定されない。 様々な数の基板を有するホイートストンブリッジを使用することができる。 容量性又は誘導性のホイートストンブリッジが使用可能である。

本明細書の歪みゲージは、ホイートストンブリッジに限定されることもない。 様々な数の基板を有する他の種類の歪みゲージが使用可能である。

本明細書の歪みゲージアセンブリは、ブレーキロッド以外のロッド上で使用可能である。 例えば、本明細書の歪みゲージアセンブリを有するロードセルを作製することができる。

１００ ブレーキロッドアセンブリ １１０ ブレーキロッド １２０ 歪みゲージアセンブリ １２２ 可撓性の誘電ストリップ １２３ 切り抜き部 １２４ａ〜ｃ 基板 １２６ 端子 ３１０ ホイートストンブリッジ