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エフェクタに影響を与える故障を受けるマルチコプタの制御された飛行

申请号 JP2016517612 申请日 2014-06-05 公开(公告)号 JP2016524567A 公开(公告)日 2016-08-18
申请人 アイトゲネシシェ・テヒニシェ・ホーホシューレ・チューリヒ; 发明人 ミュラー・マルク・ヴェー; ルパシン・ゼルガイ; ダンドレア・ラファエッロ; ヴァイベル・マルクス;
摘要 【課題】わずか1つの機能するエフェクタを有する飛翔体の飛翔体制御スキームを提供すること。【解決手段】飛行中の故障を受けるマルチコプタを動作させるための方法であって、該方法は、前記エフェクタ102によって発生されるトルク及び/又は推進 力 に影響を与える前記故障を識別するステップを含み、前記故障の前記識別に応じて、a)あらかじめ規定された基準系160に関する前記本体112のプライマリ軸130の 配向 の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸130が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、b)前記マルチコプタの 角 速度 の推定を計算するステップと、c)前記あらかじめ規定された基準系160に関する前記本体112のプライマリ軸130の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタ102のうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップとを含む。
权利要求

飛行中の故障を受けるマルチコプタを動作させるための方法であって、マルチコプタは、 ・本体と、 ・それぞれ、該本体に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進を発生するように動作可能である少なくとも4つのエフェクタと を備え、 前記方法は、 ・前記エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップ を含み、 前記故障の前記識別に応じて、 a)あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、 b)前記マルチコプタの速度の推定を計算するステップと、 c)前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを、 i)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルクと、前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、 A.前記プライマリ軸に沿ったトルクが前記プライマリ軸周りにマルチコプタを回転させ、 B.前記プライマリ軸に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸の配向が前記あらかじめ規定された基準系に関して目標配向へ収束するようにマルチコプタを動かし、 ii)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが前記プライマリ軸に沿った推進力を個々に発生するように 制御するステップと を含む方法。前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、故障のない前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれによって前記プライマリ軸に沿って発生される推進力が前記目標配向へ前記プライマリ軸の配向が収束されるときに故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生された推進力の少なくとも20%であるように、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタが前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の前記推定と、前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく制御を含んでいる、請求項1記載の方法。前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、故障のない前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれによって前記プライマリ軸に沿って発生される推進力が前記目標配向へ前記プライマリ軸の配向が収束されるときに故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生された推進力の少なくとも30%であるように、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタが前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の前記推定と、前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく制御を含んでいる、請求項1記載の方法。1つのエフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を20%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。1つのエフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を50%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。1つのエフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を80%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。1つのエフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力の完全なロスを生じさせる故障を識別するステップを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。前記プライマリ軸に沿ったトルクが、毎分0.5回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸周りに回転させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。前記プライマリ軸に沿ったトルクが、毎分1回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸周りに回転させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。a)前記マルチコプタのための目標加速度を定義するステップと、 b)前記マルチコプタのための、前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するために前記目標加速度を用いるステップと、 を更に含み、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御が、前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するステップが、 という方程式を用いて前記目標配向を計算するステップを含み、ここで、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、前記ベクトル が前記目標配向を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す、請求項10記載の方法。前記目標推進力の大きさを規定するステップを更に含み、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタによって個々に発生された前記推進力のそれぞれの成分の和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。目標推進力の大きさを定義するステップを更に備え、 前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタによって個々に発生された前記推進力のそれぞれのあらかじめ規定された期間にわたって平均化された和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。故障を有さない前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記プライマリ軸の配向が前記目標配向へ収束されたときにそれぞれが目標推進力の大きさに少なくとも20%寄与するように前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタをそれぞれ制御するステップを含む、請求項13記載の方法。前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記目標推進力を計算する前記ステップが、 ・前記目標加速度を定義するステップと、 ・前記目標推進力が fdes=m||a−g|| として計算されステップと を含み、ここで、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。a)前記マルチコプタの目標並進運動速度を定義するステップと、 b)前記マルチコプタの目標位置を定義するステップと、 c)前記マルチコプタの現在の並進運動速度を推定するステップと、 d)前記マルチコプタの現在の位置を推定するステップと、 e)前記目標加速度を計算するために、前記マルチコプタの前記目標並進運動速度、前記目標位置、前記現在の並進運動速度及び前記現在の位置のうち少なくとも1つを用いるステップと を更に含む、請求項13又は14記載の方法。前記マルチコプタがクアッドコプタである、請求項1記載の方法。前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが、個々に、前記プライマリ軸に沿ったゼロでない要素を有するトルクを発生することを特徴とする請求項1記載の方法。前記制御が前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数の制御を含み、前記複数の変数が、 ・回転速度と、 ・電圧と、 ・電流と、 ・燃料流量と、 ・モータトルクと、 ・質量流量と、 ・動力と のうち少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのうち多くとも3つを制御することを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタのうち多くとも2つを制御することを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。a)本体と、 b)該本体に取り付けられ、それぞれ、故障を受けていないときにマルチコプタを飛行させるトルク及び推進力を発生するために動作可能な少なくとも4つのエフェクタと、 c)請求項1に基づく方法を実行することができるよう構成された飛行モジュールと を備えたマルチコプタ。前記飛行モジュールが、 a)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、 b)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作を表すデータを測定するためのセンシングユニットと、 c)前記エフェクタのうち1つ又はこれより多くによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットと、 d)該推定ユニットに動作可能に接続されるように構成され、 i.あらかじめ規定された基準系に関して前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するように構成され、このとき、前記プライマリ軸が、制御ユニットの制御の下での飛行時にその周りに前記マルチコプタが回転する軸であり、 ii. A.前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルク及び前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、 ・前記プライマリ軸に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸周りに回転し、 ・前記プライマリ軸に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸の配向があらかじめ規定された基準系に関する目標配向へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、 B.前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが個々に前記プライマリ軸に沿った推進力を発生するように 前記1つ又はこれより多くのエフェクタに制御信号を送信するように 構成された制御ユニットと を備えた、請求項22記載のマルチコプタ。a)前記推定ユニットが、前記マルチコプタの運動を表すデータを提供するよう構成されているとともに、該データを供給するように前記制御ユニットへ動作可能に接続されており、 b)前記制御ユニットが、前記推定ユニットの前記データに基づいて前記1つ又はこれより多くのエフェクタの制御を実行するように設定されている、 請求項22記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸の配向が前記目標配向へ収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも20%寄与するように、前記制御ユニットが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成されている、請求項22記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸の配向が収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも30%寄与するように、前記制御ユニットが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成されている、請求項22記載のマルチコプタ。前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を20%、50%又は80%より大きく減少させる故障を識別するよう動作可能である、請求項22記載のマルチコプタ。前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を完全にロスさせる故障を識別するよう動作可能である、請求項22記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸の周りに前記マルチコプタを毎分0.5回転より大きな速度で回転させるために前記プライマリ軸に沿ったトルクを前記1つ又はこれより多くのエフェクタがまとめて発生させるよう、前記エフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタを制御可能に前記制御ユニットが構成されている、請求項22〜28のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記マルチコプタがクアッドコプタである、請求項22〜29のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数を制御するよう構成されており、前記複数の変数が、 a)回転速度と、 b)電圧と、 c)電流と、 d)燃料流量と、 e)モータトルクと、 f)質量流量と、 g)動力と のうち少なくとも1つを含んでいる、請求項22〜30のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、更に a)前記マルチコプタの目標加速度を定義し、 b)前記マルチコプタのための前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するために、前記目標加速度を利用し、 c)前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう更に前記少なくとも4つのエフェクタが制御されるように、前記制御信号を送信する ために構成されている、請求項22〜31のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、更に、方程式 を用いて前記目標配向を計算することで前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するよう構成されており、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、ベクトル が前記目標配向を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す、請求項32記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、更に、 ・前記目標推進力の大きさを規定し、 ・前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタによって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号を送信する ように構成された、請求項22〜33のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、更に、 ・前記目標推進力の大きさを規定し、 ・あらかじめ規定された期間にわたって平均化された、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタによって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号を送信する ように構成された、請求項22〜34のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、更に、 ・前記目標加速度を規定し、 ・ fdes=m||a−g|| としての前記目標推進力を計算する ことで、前記マルチコプタの前記目標加速度を用いて前記目標推進力の大きさを計算するよう構成され、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す、請求項34又は35記載のマルチコプタ。前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニットに動作可能に接続されたセンサを備え、 ・前記マルチコプタの運動を検出し、 ・検出された前記マルチコプタの運動を表すデータを前記センシングユニットへ供給する ように構成された、請求項22〜36のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニットに動作可能に接続されたセンサを備え、 ・前記少なくとも4つのエフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタの動作を検出し、 ・前記少なくとも4つのエフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタの検出された動作を表すデータを前記センシングユニットへ供給する ように構成された、請求項22〜37のいずれか1項に記載のマルチコプタ。前記制御ユニットが、前記本体及び前記少なくとも4つのエフェクタから機械的に独立しているとともに、ワイヤレス接続によって前記マルチコプタに動作可能に接続されている、請求項22〜38のいずれか1項に記載のマルチコプタ。機械的に独立した前記制御ユニットが、ユーザの手で保持することができるよう、及び前記ワイヤレス接続によって前記マルチコプタの前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御に使用可能なユーザインタフェースを介してユーザからの入力を受信するよう構成されたハウジング内に収容されている、請求項39記載のマルチコプタ。マルチコプタのための制御ユニットであって、前記マルチコプタは、 a)本体と、 b)それぞれ、該本体に取り付けられ、前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生する少なくとも4つのエフェクタと、 c)請求項1記載の方法を実行することが可能に構成された飛行モジュールと を備える、制御ユニット。前記飛行モジュールが、 a)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、 b)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作をセンシングするためのセンシングユニットと、 c)前記エフェクタのうち1つによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットと を備え、前記制御ユニットが、 a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルク及び前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、 i.前記プライマリ軸に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸周りに回転し、 ii.前記プライマリ軸に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸の配向があらかじめ規定された基準系に関する目標配向へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、 b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが個々に推進力を発生するように、 前記エフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するように構成されている、請求項41記載の制御ユニット。前記推定ユニットに動作可能に接続され、 a)前記推定ユニットが、前記マルチコプタの運動を表すデータを供給するように構成されているとともに、前記データを供給するよう前記制御ユニットに動作可能に接続されており、 b)前記制御ユニットが、前記推定ユニットの結果に基づいて前記1つ又はこれより多くのエフェクタの制御を実行するように構成されている、 請求項41記載の制御ユニット。更に前記本体のプライマリ軸を計算するように構成され、 a)前記プライマリ軸が、前記制御ユニットの制御の下で飛行する際に前記マルチコプタがその周りに回転する軸であり、 b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが前記プライマリ軸に沿った推進力を発生させ、 c)前記プライマリ軸の前記計算が、前記マルチコプタの運動を表すデータ及び前記マルチコプタの物理的な特性を表すデータに依存して行われる、 請求項41〜43のいずれか1項に記載の制御ユニット。マルチコプタの制御のための請求項41〜44のいずれかに記載の制御ユニットの使用であって、前記マルチコプタが、 a)本体と、 b)それぞれ、該本体に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生する少なくとも4つのエフェクタと、 c)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、 d)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作をセンシングするためのセンシングユニットと、 e)前記エフェクタのうち1つ又によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットとを備え、前記マルチコプタが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を20%以上低減させる故障を受ける、使用。

飛行中の故障を受けるマルチコプタを動作させるための方法であって、マルチコプタは、 ・本体(112)と、 ・それぞれ、該本体(112)に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生するように動作可能である少なくとも4つのエフェクタ(102)と を備え、 前記方法は、 ・前記エフェクタ(102)によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップ を含み、 前記故障の前記識別に応じて、 (a)あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(112)のプライマリ軸(130)の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸(130)が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、 (b)前記マルチコプタの角速度の推定を計算するステップと、 (c)前記あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(112)のプライマリ軸(130)の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうちの1つ又はこれにより多くを、 i前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)が、前記プライマリ軸(130)に沿ったトルクと、前記プライマリ軸(130)に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、 A.前記プライマリ軸(130)に沿ったトルクが前記プライマリ軸(130)周りにマルチコプタを回転させ、 B.前記プライマリ軸(130)に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸(130)の配向が前記あらかじめ規定された基準系(160)に関して目標配向(150)へ収束するようにマルチコプタを動かし、 ii前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)が前記プライマリ軸(130)に沿った推進力を個々に発生するように 制御するステップと を含む方法。前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、故障のない前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれによって前記プライマリ軸(130)に沿って発生される推進力が前記目標配向(150)へ前記プライマリ軸の配向が収束されるときに故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生された推進力の少なくとも20%であるように、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタが前記あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(112)の前記プライマリ軸(130)の配向の前記推定と、前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく制御を含んでいる、請求項1記載の方法。前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、故障のない前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれによって前記プライマリ軸(130)に沿って発生される推進力が前記目標配向(150)へ前記プライマリ軸(130)の配向が収束されるときに故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生された推進力の少なくとも30%であるように、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタが前記あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(112)の前記プライマリ軸(130)の配向の前記推定と、前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく制御を含んでいる、請求項1記載の方法。1つのエフェクタ(102)によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を20%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1記載の方法。1つのエフェクタ(102)によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を50%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1記載の方法。1つのエフェクタ(102)によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を80%より多く減少させる故障を識別するステップを含む、請求項1記載の方法。1つのエフェクタ(102)によって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力の完全なロスを生じさせる故障を識別するステップを含む、請求項1記載の方法。前記プライマリ軸(130)に沿ったトルクが、毎秒0.5回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸(130)周りに回転させる、請求項1記載の方法。前記プライマリ軸(130)に沿ったトルクが、毎秒1回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸(130)周りに回転させる、請求項1記載の方法。(a)前記マルチコプタのための目標加速度を定義するステップと、 (b)前記マルチコプタのための、前記プライマリ軸(130)の前記目標配向(150)を計算するために前記目標加速度を用いるステップと、 を更に含み、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御が、前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)によってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)を制御するステップを更に含む、請求項1記載の方法。前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向(150)を計算するステップが、 という方程式を用いて前記目標配向(150)を計算するステップを含み、ここで、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、前記ベクトル が前記目標配向(150)を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す、請求項10記載の方法。前記目標推進力の大きさを規定するステップを更に含み、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(102)の前記プライマリ軸(130)の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸(130)に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタ(102)によって個々に発生された前記推進力のそれぞれの成分の和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)を制御するステップを含む、請求項1記載の方法。目標推進力の大きさを定義するステップを更に備え、 前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系(160)に関する前記本体(112)の前記プライマリ軸(130)の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸(130)に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタ(102)によって個々に発生された前記推進力のそれぞれのあらかじめ規定された期間にわたって平均化された和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)を制御するステップを含む、請求項1記載の方法。故障を有さない前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記プライマリ軸(130)の配向が前記目標配向(150)へ収束されたときにそれぞれが目標推進力の大きさに少なくとも20%寄与するように前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタをそれぞれ制御するステップを含む、請求項13記載の方法。前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記目標推進力を計算する前記ステップが、 ・前記目標加速度を定義するステップと、 ・前記目標推進力が fdes=m||a−g|| として計算されステップと を含み、ここで、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す、請求項12記載の方法。a)前記マルチコプタの目標並進運動速度を定義するステップと、 b)前記マルチコプタの目標位置を定義するステップと、 c)前記マルチコプタの現在の並進運動速度を推定するステップと、 d)前記マルチコプタの現在の位置を推定するステップと、 e)前記目標加速度を計算するために、前記マルチコプタの前記目標並進運動速度、前記目標位置、前記現在の並進運動速度及び前記現在の位置のうち少なくとも1つを用いるステップと を更に含む、請求項13記載の方法。前記マルチコプタがクアッドコプタ(140)である、請求項1記載の方法。前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)のそれぞれが、個々に、前記プライマリ軸(130)に沿ったゼロでない要素を有するトルクを発生することを特徴とする請求項1記載の方法。前記制御が前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数の制御を含み、前記複数の変数が、 ・回転速度と、 ・電圧と、 ・電流と、 ・燃料流量と、 ・モータトルクと、 ・質量流量と、 ・動力と のうち少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタのうち多くとも3つを制御することを含む、請求項1記載の方法。前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち多くとも2つを制御することを含む、請求項1記載の方法。(a)本体(112)と、 (b)該本体(112)に取り付けられ、それぞれ、故障を受けていないときにマルチコプタを飛行させるトルク及び推進力を発生するために動作可能な少なくとも4つのエフェクタ(102)と、 (c)請求項1に基づく方法を実行することができるよう構成された飛行モジュール(302)と を備えたマルチコプタ。前記飛行モジュール(302)が、 (a)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニット(304)と、 (b)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つの動作を表すデータを測定するためのセンシングユニット(310)と、 (c)前記エフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット(310)及び/又は前記入力ユニット(304)に動作可能に接続された推定ユニット(308)と、 (d)該推定ユニット(308)に動作可能に接続されるように構成され、 i.あらかじめ規定された基準系(160)に関して前記本体(112)のプライマリ軸(130)の配向の推定を計算するように構成され、このとき、前記プライマリ軸(130)が、制御ユニット(306)の制御の下での飛行時にその周りに前記マルチコプタが回転する軸であり、 ii. A.前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)が、前記プライマリ軸(130)に沿ったトルク及び前記プライマリ軸(130)に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、 ・前記プライマリ軸(130)に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸(130)周りに回転し、 ・前記プライマリ軸(130)に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸(130)の配向があらかじめ規定された基準系(160)に関する目標配向(150)へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、 B.前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)のそれぞれが個々に前記プライマリ軸(130)に沿った推進力を発生するように 前記1つ又はこれより多くのエフェクタに制御信号を送信するように 構成された制御ユニット(306)と を備えた、請求項14記載のマルチコプタ。(a)前記推定ユニット(308)が、前記マルチコプタの運動を表すデータを提供するよう構成されているとともに、該データを供給するように前記制御ユニット(306)へ動作可能に接続されており、 (b)前記制御ユニット(306)が、前記推定ユニット(308)の前記データに基づいて前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)の制御を実行するように設定されている、 請求項23記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸(130)の配向が前記目標配向(150)へ収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも20%寄与するように、前記制御ユニット(306)が、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成されている、請求項23記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸(130)の配向が収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも30%寄与するように、前記制御ユニット(306)が、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成されている、請求項23記載のマルチコプタ。前記推定ユニット(308)が、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を20%、50%又は80%より大きく減少させる故障を識別するよう動作可能である、請求項23記載のマルチコプタ。前記推定ユニット(308)が、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を完全にロスさせる故障を識別するよう動作可能である、請求項23記載のマルチコプタ。前記プライマリ軸(130)の周りに前記マルチコプタを毎秒0.5回転より大きな速度で回転させるために前記プライマリ軸に沿ったトルクを前記1つ又はこれより多くのエフェクタがまとめて発生させるよう、前記エフェクタ(102)のうち少なくとも1つのエフェクタを制御可能に前記制御ユニット(306)が構成されている、請求項23記載のマルチコプタ。前記マルチコプタがクアッドコプタ(140)である、請求項22記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数を制御するよう構成されており、前記複数の変数が、 (a)回転速度と、 (b)電圧と、 (c)電流と、 (d)燃料流量と、 (e)モータトルクと、 (f)質量流量と、 (g)動力と のうち少なくとも1つを含んでいる、請求項23記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、更に (a)前記マルチコプタの目標加速度を定義し、 (b)前記マルチコプタのための前記プライマリ軸(130)の前記目標配向(150)を計算するために、前記目標加速度を利用し、 (c)前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)によってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう更に前記少なくとも4つのエフェクタ(102)が制御されるように、前記制御信号(314)を送信する ために構成されている、請求項23記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、更に、方程式 を用いて前記目標配向(150)を計算することで前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向(150)を計算するよう構成されており、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、ベクトル が前記目標配向(150)を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す、請求項32記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、更に、 ・前記目標推進力の大きさを規定し、 ・前記プライマリ軸(130)に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)によって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号(314)を送信する ように構成された、請求項23記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、更に、 ・前記目標推進力の大きさを規定し、 ・あらかじめ規定された期間にわたって平均化された、前記プライマリ軸(130)に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタ(102)によって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号(314)を送信する ように構成された、請求項23記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、更に、 ・前記目標加速度を規定し、 ・ fdes=m||a−g|| としての前記目標推進力を計算する ことで、前記マルチコプタの前記目標加速度を用いて前記目標推進力の大きさを計算するよう構成され、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す、請求項34記載のマルチコプタ。前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニット(310)に動作可能に接続されたセンサを備え、 ・前記マルチコプタの運動を検出し、 ・検出された前記マルチコプタの運動を表すデータを前記センシングユニット(310)へ供給する ように構成された、請求項22記載のマルチコプタ。前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニット(310)に動作可能に接続されたセンサを備え、 ・前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち少なくとも1つのエフェクタの動作を検出し、 ・前記少なくとも4つのエフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタの検出された動作を表すデータを前記センシングユニット(310)へ供給する ように構成された、請求項22記載のマルチコプタ。前記制御ユニット(306)が、前記本体(112)及び前記少なくとも4つのエフェクタ(102)から機械的に独立しているとともに、ワイヤレス接続によって前記マルチコプタに動作可能に接続されている、請求項22記載のマルチコプタ。機械的に独立した前記制御ユニット(306)が、ユーザの手で保持することができるよう、及び前記ワイヤレス接続によって前記マルチコプタの前記少なくとも4つのエフェクタ(102)のうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御に使用可能なユーザインタフェースを介してユーザからの入力を受信するよう構成されたハウジング内に収容されている、請求項39記載のマルチコプタ。

说明书全文

本発明は、エフェクタに影響を与える故障を受けるマルチコプタの制御に関するものである。特に、本発明は、回転させることによるマルチコプタの並進運動制御を可能とする制御された飛行のための新たなスキームと、固定して取り付けられた複数の固定ピッチプロペラを備えた従来の浮揚可能な航空用の飛翔体(「マルチコプタ」)においてエフェクタの故障の場合に本発明をフェイルセーフ制御機構として用いることが可能な新たな制御方法とに関するものである。

本発明によれば、マルチコプタの制御のための以前の方法の制限が十分に低減されたか、又は除去された。特に、本発明は、わずか1つの機能するエフェクタを有する飛翔体の飛翔体制御スキームを提供するものである。加えて、本発明は、1つ又はこれより多くのエフェクタに影響を与える故障の場合の飛翔体の制御のための改善されたシステム及び方法を提供するものである。

本発明のある実施例の技術的な利点によれば、現存のマルチコプタのデザインを改善又は単純化することが可能である。例えば、マルチコプタは、より小さな質量を必要とするとともに、エフェクタの冗長性(例えばヘキサコプタ及びオクトコプタ)、エフェクタの収容(例えばシュラウド、ダクテッドファン)又は安全性の担保としてのパラシュートに依存する現在のシステムよりも少ないデザインの制約及び特有の制限を必要とする。

本発明のある実施例の技術的な利点によれば、現存するマルチコプタの安全性及び信頼性を向上させることが可能である。例えば、本発明によれば、衝突、機械的若しくは電気的な故障、電子的な不具合、操作者のエラー又は風若しくは乱気流のような不利な環境状況によって生じる飛翔体における特有なリスクを最小化又は除去することが可能である。本発明は、制御を完全に失う破滅的な故障よりもむしろグレースフルデグラデーションを可能とすることによる故障、不具合、操作者のエラー及びこれに類するものの影響を軽減することが可能である。

本発明のある実施例の他の技術的な利点により、マルチコプタの信頼性及び安全性を向上させること、より幅広いいろいろな動作状況及び環境における使用を可能にすること、又は人間を乗せているか、若しくは人間を乗せていない飛翔体についての熟練したパイロットによって一般に実行されるあるタスクの部分的な又は完全な自動化を可能とすることによって新たな用途のためのマルチコプタの使用を可能とすることができる。パイロットの必要性は、費用対効果、可能な操作状況及び多くの用途におけるマルチコプタの飛行耐久性を厳しく制限するものである。例えば、熟練したパイロットでさえ、風及び乱気流を含む状況を操作する多くの現実の世界における安全及び効果的な制御を保証することはできない。

さらに、本発明のある実施例の他の技術的な利点により、本発明を様々な状況における様々な用途の特有の必要性に適合させることが可能である。例示的な用途は社会インフラの検査及び監視を含むものであり、これらは、危険な若しくは繰り返しのタスク、工業上の若しくは公共のサービス用途(例えば産業用地における監督及び監視、写真測量、調査)、職業上の航空写真若しくは映画撮影、航空便による貨物の搬送若しくは配達、小さな飛翔体のようなおもちゃ、音楽及び光に合わせた振り付けを含むステージパフォーマンス、劇場俳優との相互作用を必要とするシアターパフォーマンス、DIYドローンのような公衆のための趣味に熱中する人のプラットフォーム、飛行プラットフォームをアクティブに調査し、若しくはカリキュラムの一部として用いるグループのための調査プラットフォーム、又はサバイバビリティ、動自立性、検出感度又は極端な状況(天候、照明条件、汚濁物)における動作のような要件を有する軍事用途を含むものである。特に、ある技術的な利点により、本発明はセンサの広い範囲を備えることが可能である。例えば、赤外線センサにより、果樹園における乾燥した地面の区画の検出又は作物の監視のための実施例が可能となる。

本発明の課題は、わずか1つの機能するエフェクタを有する飛翔体の飛翔体制御スキームを提供することである。加えて、本発明は、1つ又はこれより多くのエフェクタに影響を与える故障の場合の飛翔体の制御のための改善されたシステム及び方法を提供することにある。

飛行中の故障を受けるマルチコプタを動作させるための方法を提供する本発明の第1の態様によれば、マルチコプタは、本体と、それぞれ、該本体に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生する少なくとも4つのエフェクタとを備える。この方法は、前記エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップを含み、前記故障の前記識別に応じて、(1)あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、(2)前記マルチコプタの速度の推定を計算するステップと、(3)前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップとを含む。前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップは、(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルクと、前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクが前記プライマリ軸周りにマルチコプタを回転させ、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸の配向が前記あらかじめ規定された基準系に関して目標配向へ収束するようにマルチコプタを動かし、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが前記プライマリ軸に沿った推進力を個々に発生するように行われる。

トルクは、マルチコプタの重心周りのトルクである。

角速度は、好ましくはマルチコプタが慣性系に関して回転する速度である。

好ましくは、前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の前記推定と、前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、少なくとも4つのエフェクタのうち故障による影響を受けていない他のものを制御することを含んでいる。

トルク及び推進力は、好ましくはゼロでないトルク及びゼロでない推進力である。

好ましくは、各エフェクタによって発生されるトルク及び推進力は、必然的に、及び本質的にリンクされている。

好ましくは、トルクの成分は、マルチコプタの重心からの距離において作用するエフェクタの推力によるものであり得る。トルクの追加的な成分は、エフェクタ自体によって発生されるトルク対であることができ、例えば、回転するプロペラにおける流体力学的な効果によるものであり得る。

本発明では、プライマリ軸は、マルチコプタ本体の慣性の主軸と同一である必要はない。

好ましくは、プライマリ回転は、故障によって影響を受けていない残りのエフェクタによって少なくとも主に発生され得る。

好ましくは、あらかじめ規定された基準系に関する目標配向は自由に選択されるとともに、目標配向は、達成及び維持されることが可能である。

あらかじめ規定された基準系に関する目標配向は、より具体的には目標配向としての、プライマリ軸と重力の方向又は慣性系における垂直方向の間の角度の考えであり得る。

好ましくは、目標配向は、実行時間において自由に選択されることができ、好ましくは、目標配向の範囲又は特定されたリストから選択される。

原則的には制限はないものの、一般的な目標配向は、0〜75°であり、より具体的には重力とは反対方向から0〜45°である。

目標配向の方位方向は、0〜360°の範囲のいずれでもよい。

エフェクタの故障は、具体的には、推進力を発生するエフェクタの能力における相当な低減を意味し得る。

このような故障は、一般には、エフェクタがもともとの推進力を発生させる能力の0〜50%の間で発生させる能力を維持することを意味し得る。

より具体的には、推力を発生させるもともとの能力の0〜10%であり得る。

故障は、マルチコプタからのエフェクタの機械的なデカップリングを含む様々な要因によって引き起こされ得る。

故障の発生後いくつかのエフェクタがもはやいかなる推力も発生できない場合には、プライマリ軸に沿った推力を発生させるエフェクタは、故障によって影響されない全てのエフェクタであり得る(例えば、故障がモータの脱落である場合には、モータが脱落しなかったもののための全てのエフェクタがプライマリ軸に沿った推力を発生させる)。

前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップは、故障のない前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれによって前記プライマリ軸に沿って発生される推進力が前記目標配向へ前記プライマリ軸の配向が集束されるときに故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生された推進力の少なくとも20%又は30%であるように、(a)前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタが前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の前記推定と、(b)前記マルチコプタの角速度の前記推定とに基づく制御を更に含み得る。

1つのエフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別する前記ステップが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されたトルク及び/又は推進力を20%、50%若しくは80%より多く減少させるか、又は完全なロスを生じさせる故障を識別するステップを更に含み得る。

故障は、人間による監視、モデルに基づくマルチコプタのオンボード又はオフボードの観測器のような自動的な方法による測定データの監視、スライドモードを用いる観測器、投票を基礎とするアルゴリズム、パリティ空間アプローチ又はパラメータ識別のような間接的な検出、例えば、マルチコプタのモータの回転速度の監視による、又はマルチコプタのモータがどのくらいの電流を取り出すかの監視による、故障の直接的な検出などを含む非常に様々な方法を用いて検出されることができる。

本発明においては、更に、前記プライマリ軸に沿ったトルクが、毎秒0.5回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸周りに回転させるものであり得る。

本発明においては、更に、前記プライマリ軸に沿ったトルクが、毎秒1回転より大きな速度で前記マルチコプタを前記プライマリ軸周りに回転させる物であり得る。

好ましくは、前記プライマリ軸に沿った前記トルクは、プライマリ軸の回転が目標配向へ収束された場合にマルチコプタを連続的に回転させることができる。

好ましくは、前記毎秒0.5又は1回転は、あらかじめ規定された時間間隔における平均の回転速度である。

好ましくは、目標の力は、残りの、故障を有さないエフェクタの力の和である。

本方法は、更に、前記マルチコプタのための目標加速度を定義するステップを含むことが可能である。好ましくは、前記目標加速度は、前記マルチコプタのための、前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するために用いられる。好ましくは、本方法は、更に、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御が、前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを含む。

本方法は、更に、前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するステップが、

という方程式を用いて前記目標配向を計算するステップを含み、ここで、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、前記

が前記目標配向を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す。換言すれば、前記プライマリ軸の目標配向は、前記目標加速度を等しくするベクトルと重力加速度のベクトルの差をこの差のノルムで除したものとして計算され得る。

本方法は、前記目標推進力の大きさを規定するステップを更に含み得る。好ましくは、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタによって個々に発生された前記推進力のそれぞれの成分の和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを含む。

本発明においては、目標推進力の大きさを定義するステップを更に備え得る。好ましくは、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体の前記プライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれにより多くのエフェクタによって個々に発生された前記推進力のそれぞれの成分のあらかじめ規定された期間にわたって平均化された和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるように前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップを含む。

本発明においては、本方法は、故障を有さない前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するステップが、前記プライマリ軸の配向が前記目標配向へ収束されたときにそれぞれが目標推進力の大きさにそれぞれ少なくとも20%寄与するように前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタをそれぞれ制御するステップを更に含み得る。

本発明においては、前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記目標推進力を計算する前記ステップが、前記目標加速度を定義するステップと、前記目標推進力が fdes=m||a−g|| として計算されステップとを更に含むことができ、ここで、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す。換言すれば、目標推進力の大きさは、マルチコプタの質量に前記目標加速度を等しくするベクトルと重力加速度のベクトルの差のユークリッドノルムを乗じることで計算され得る。

前記加速度の制御により、例えば、マルチコプタの浮揚を維持するのに十分な推力をエフェクタがもはや発生しない重大な故障をもたらすマルチコプタの地面への衝突の方向が制御され得る。

本発明においては、前記マルチコプタの目標並進運動速度を定義するステップと、前記マルチコプタの目標位置を定義するステップと、前記マルチコプタの現在の並進運動速度を推定するステップと、前記マルチコプタの現在の位置を推定するステップと、前記目標加速度を計算するために、前記マルチコプタの前記目標並進運動速度、前記目標位置、前記現在の並進運動速度及び前記現在の位置のうち少なくとも1つを用いるステップとを更に含み得る。

好ましくは、本方法は、前記目標加速度を計算するために現在の並進運動速度を用いる。

好ましくは、本方法は、前記目標加速度を計算するために現在の位置を用いる。

好ましくは、前記方法は、前記目標速度、前記目標位置、前記マルチコプタの前記現在の位置の全てを前記目標加速度を計算するために用いる。

これらの推定をどのように用い得るかについての好ましい方法は、以下のとおりである。vdes及びpdesがそれぞれマルチコプタの目標速度及び位置を表すものとし、v及びpがそれぞれマルチコプタの現在の速度及び現在の位置の推定を表すものとし、目標加速度をadesとして定義する。マルチコプタがこの目標加速度に従えば、マルチコプタの位置及び速度は目標へ収束し、目標加速度が選択されれば、以下のとおりである:

ここで、パラメータζは減衰比を表し、ωnが固有振動数を表し、ζ及びωnの両者は設計パラメータである。典型的な選択は、ζ=0.7及びωn=2rad/sにいくらか類似したものである。上述の式は本発明の利点を与える、当業者にとって明白は多くの他のものとともに現在の位置及び目標位置並びに速度に関する目標加速度をパラメータ化するための単に1つの方法であることに留意されたい。

前記速度の制御により、例えば、マルチコプタの浮揚を維持するのに十分な推力をエフェクタがもはや発生しない重大な故障をもたらすマルチコプタの地面への衝突場合のマルチコプタのエネルギーを最小化され得る。

例えば、目標位置を一定とし、マルチコプタをこの位置へ(例えば加速度を制御することで)動かすことで、マルチコプタは、浮揚状態であることができ、ここで「浮揚」は空間における一点に実質的に維持されることを意味するために用いられる。

好ましくは、マルチコプタはクアッドコプタである。本発明における用途では、クアッドコプタは4つのエフェクタを有するマルチコプタであり、これらエフェクタのそれぞれが、 ・マルチコプタの本体に固定して取り付けられ、 ・ブレード回転として変動しないロータピッチを有する固定ピッチプロペラブレードを備え、 ・トルク及び推進力を発生するために動作可能であり、 ・マルチコプタを飛行させることが可能な推進力に貢献するために構成及び配置され ている。

本発明においては、更に、前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが、個々に、前記プライマリ軸に沿ったゼロでない要素を有するトルクを発生することができる。

本発明においては、更に、前記制御が前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数の制御を含み、前記複数の変数が、 ・回転速度と、 ・電圧と、 ・電流と、 ・燃料流量と、 ・モータトルクと、 ・質量流量と、 ・動力と のうち少なくとも1つを含み得る。

好ましくは、前記単一変数は例えば大きさであるスカラー量であり、ベクトルではない。さらに、前記単一変数は、エフェクタ制御信号のような信号として考慮されることも可能である。

好ましくは、単一変数は、同時に推進力及びトルクを設定するものである。

好ましくは、目標配向へ収束させるプライマリ軸の配向を発生させるために、及びマルチコプタがプライマリ軸周りの進行中の回転を有する間に、マルチコプタ本体は、旋回軸周りに(好ましくはプライマリ軸に関してゼロでない角度で)旋回され得る。剛体の角速度の展開を支配するオイラーの運動方程式による回転の2つの成分の影響は、好ましくは、旋回軸周りの回転と同様にプライマリ回転から線形に独立して角加速度(及びしたがって速度)を創造するために利用され得る。

それゆえ、たとえエフェクタがプライマリ軸に垂直な方向への十分なトルクを発生し得ないとしても、本発明によれば、姿勢ダイナミクスにおいて固有のこのカップリング効果を完全な姿勢制御を達成するために利用することが可能である。これは、とりわけ1つ又は2つのみの故障のないエフェクタを有するマルチコプタの場合については適切かつ有用である。

本発明においては、姿勢制御は、前記マルチコプタのプライマリ軸の配向を制御するための制御ユニットを用いることを意味する。

プロペラのために、プロペラブレードの運動に対抗する空気によりプロペラの回転に対抗するトルクを発生させるトルク対が存在する。これは、プライマリ軸の方向におけるトルク成分に寄与することが可能である。

本発明においては、更に、前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのうち多くとも3つを制御することを含むことができる。

本発明においては、更に、前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタのうち多くとも2つを制御することを含むことができる。

本発明においては、更に、前記制御が、前記少なくとも4つのエフェクタのうち多くとも1つを制御することを含むことができる。

本発明の更なる態様によれば、(A)本体と、(B)該本体に取り付けられ、それぞれ、故障を受けていないときにマルチコプタを飛行させるトルク及び推進力を発生するために動作可能な少なくとも4つのエフェクタと、飛行中に故障を受ける前記マルチコプタを動作させるための方法を実行することができるよう構成された飛行モジュールとを備えたマルチコプタが提供される。この方法は、前記エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップを含み、前記故障の前記識別に応じて、(1)あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、(2)前記マルチコプタの角速度の推定を計算するステップと、(3)前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップとを含むことができる。前記少なくとも4つのエフェクタの1つ又は2つを制御するステップは、(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルクと、前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクが前記プライマリ軸周りにマルチコプタを回転させ、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸の配向が前記あらかじめ規定された基準系に関して目標配向へ収束するようにマルチコプタを動かし、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが前記プライマリ軸に沿った推進力を個々に発生するように制御することができる。

好ましくは、マルチコプタの飛行モジュールは、(1)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、(2)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作を表すデータを測定するためのセンシングユニットと、(3)前記エフェクタのうち1つ又はこれより多くによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットと、(4)制御ユニットとを備えている。好ましくは、この制御ユニットは、該推定ユニットに動作可能に接続されるように構成され、 ・あらかじめ規定された基準系に関して前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するように構成され、このとき、前記プライマリ軸が、制御ユニットの制御の下での飛行時にその周りに前記マルチコプタが回転する軸であり、 ・(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルク及び前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸周りに回転し、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸の配向があらかじめ規定された基準系に関する目標配向へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが個々に前記プライマリ軸に沿った推進力を発生するように構成されている。

前記推定ユニットが、前記マルチコプタの運動を表すデータを提供するよう構成されているとともに、該データを供給するよう前記制御ユニットへ動作可能に接続されており、前記制御ユニットが、前記推定ユニットの前記データに基づいて前記1つ又はこれより多くのエフェクタの制御を実行するように設定され得る。

プライマリ軸の前記計算は、前記マルチコプタの運動を表すデータ及び前記マルチコプタの物理的な特性を表すデータから独立して行われることができる。

好ましくは、マルチコプタの運動を表す前記データは、前記マルチコプタの少なくとも1つの配向、前記マルチコプタの角速度、前記マルチコプタの前記エフェクタの動作状態、前記マルチコプタの加速度、前記マルチコプタの並進運動速度又は前記マルチコプタの位置のうち少なくとも1つを含んでいる。好ましくは、前記マルチコプタの物理的な特性を表す前記データは、慣性モーメント、質量、次元、流体力学的特性又はエフェクタ特性のうち少なくとも1つを含んでいる。物理的な特性を表す前記データは、好ましくはメモリユニットに格納される。前記計算は、好ましくはマイクロコントローラにおいて実行される。

好ましくは、前記プライマリ軸の配向が前記目標配向へ収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも20%寄与するように、前記制御ユニットが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成され得る。好ましくは、これら1つ又はこれより多くのエフェクタは、前記故障により影響を受けないエフェクタである。

前記プライマリ軸の配向が前記目標配向へ収束されるときに、それぞれが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力の少なくとも30%寄与するように、前記制御ユニットが、故障を有さない前記1つ又はこれより多くのエフェクタを制御するよう構成されることが可能である。好ましくは、これら1つ又はこれより多くのエフェクタは、前記故障により影響を受けないエフェクタである。

好ましくは、前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を20%より大きく減少させる故障を識別するよう動作可能である。

好ましくは、前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を50%より大きく減少させる故障を識別するよう動作可能である。

好ましくは、前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を80%より大きく減少させる故障を識別するよう動作可能である。

好ましくは、前記推定ユニットが、前記エフェクタのうち少なくとも1つによって発生されるトルク及び/又は推進力を完全にロスさせる故障を識別するよう動作可能である。

好ましくは、推定ユニットは、マイクロプロセッサを用いるものである。

好ましくは、推定ユニットは、(a)エフェクタの複数の変数のうち1つ又はこれより多くの変数のうち少なくとも1つを表すデータに基づき、ここでは、エフェクタの複数の変数は回転速度、電圧、電流、燃料流量、モータトルク、質量流量、動力のうち少なくとも1つを含んでおり、又は(b)前記マルチコプタの配向、前記マルチコプタの角速度、前記マルチコプタの動作状態、前記マルチコプタの加速度、前記マルチコプタの並進運動速度又は前記マルチコプタの位置を含む前記マルチコプタの運動を表すデータに基づき、故障を識別する。

前記プライマリ軸の周りに前記マルチコプタを毎秒0.5回転より大きな速度で回転させるために前記プライマリ軸に沿ったトルクを前記1つ又はこれより多くのエフェクタがまとめて発生するよう、前記エフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタを制御可能に前記制御ユニットが更に構成され得る。

好ましくは、前記プライマリ軸の周りに前記マルチコプタを毎秒1回転より大きな速度で回転させるために前記プライマリ軸に沿ったトルクを前記1つ又はこれより多くのエフェクタがまとめて発生するよう、前記エフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタを制御可能に前記制御ユニットが構成されている。

好ましくは、プライマリ軸の配向が目標配向へ収束されるときに、前記プライマリ軸に沿った前記トルクにより前記マルチコプタが連続的に回転され得る。

好ましくは、前記毎秒0.5又は1回転はあらかじめ規定された時間間隔における平均回転速度である。

前記制御ユニットが、更に、前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれの複数の変数のうち単一変数を制御するよう構成されており、前記複数の変数が、 ・回転速度と、 ・電圧と、 ・電流と、 ・燃料流量と、 ・モータトルクと、 ・質量流量と、 ・動力と のうち少なくとも1つを含み得る。

好ましくは、エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を受けた後のマルチコプタは、もはや前記故障によって影響されない3つを超えないエフェクタを含んでいる。

好ましくは、エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を受けた後のマルチコプタは、もはや前記故障によって影響されない2つを超えないエフェクタを含んでいる。

好ましくは、エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を受けた後のマルチコプタは、もはや前記故障によって影響されない1つを超えないエフェクタを含んでいる。

前記制御ユニットが、更に(a)前記マルチコプタの目標加速度を定義し、(b)前記マルチコプタのための前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するために、前記目標加速度を使用し、(c)前記1つ又はこれより多くのエフェクタによってまとめて発生される推力が前記目標加速度で前記マルチコプタを加速するよう更に前記少なくとも4つのエフェクタが制御されるように、前記制御信号を送信するために構成されている。

好ましくは、前記目標加速度は、実行時に自由に選択されることができ、好ましくは目標加速度の範囲又は特定されたリストから選択される。

好ましくは、前記制御ユニットが、更に、方程式

を用いて前記目標配向を計算することで前記マルチコプタの前記目標加速度を用いる前記プライマリ軸の前記目標配向を計算するよう構成されており、ベクトルaが前記目標加速度を表し、ベクトルgが重力加速度を表し、ベクトル

が前記目標配向を表し、||−||がベクトルのユークリッドノルムを表す。換言すれば、前記プライマリ軸の目標配向は、前記目標加速度を等しくするベクトルと重力加速度のベクトルの差をこの差のユークリッドノルムで除したものとして計算され得る。

前記制御ユニットが、更に、(a)前記目標推進力の大きさを規定し、(b)前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタによって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号を送信するように構成されている。好ましくは、これら推進力は、前記故障によって影響を受けていないエフェクタによって発生される。

前記制御ユニットが、更に、(a)前記目標推進力の大きさを規定し、(b)あらかじめ規定された期間にわたって平均化された、前記プライマリ軸に沿った前記1つ又はこれより多くのエフェクタによって個々に発生された推進力のそれぞれの和の大きさが前記目標推進力の大きさと等しくなるよう前記制御信号を送信するように構成されている。好ましくは、これら推進力は、前記故障によって影響を受けていないエフェクタによって発生される。

好ましくは、目標推進力の大きさを、実行時間において自由に、好ましくは目標推進力の大きさの範囲又は所定のリストから選択することができる。

前記制御ユニットが、更に、(a)前記目標加速度を規定し、(b) fdes=m||a−g|| としての前記目標推進力を計算することで、前記マルチコプタの前記目標加速度を用いて前記目標推進力の大きさを計算するよう構成され、fdesは目標推進力の大きさを表し、||−||はベクトルのユークリッドノルムを表し、aは前記目標加速度を表し、gは重力による加速度を表し、mは前記マルチコプタの質量を表す。換言すれば、目標推進力の大きさは、マルチコプタの質量に前記目標加速度を等しくするベクトルと重力加速度のベクトルの差のユークリッドノルムを乗じることで計算され得る。

前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニットに操作可能に接続されたセンサを備え、(a)前記マルチコプタの運動を検出し、(b)検出された前記マルチコプタの運動を表すデータを前記センシングユニットへ供給するように構成されている。好ましくは、センサは、慣性センサ、距離センサ又はレートセンサのグループに属するものである。好ましくは、センサは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、カメラ、オプティカルフローセンサ、レーザ又はソナー測距計、レーダ、気圧計、温度計、湿度計、バンパー、化学センサ、電磁センサ、エアフローセンサ又は相対対気速度センサ、超音波センサ、マイクロホン、無線センサ又は他の高度、距離若しくは距離センサ又は赤外線センサに属する。

前記マルチコプタが、更に、前記センシングユニットに操作可能に接続されたセンサを備え、前記エフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタの動作を検出し、前記エフェクタのうち少なくとも1つのエフェクタの検出された動作を表すデータを前記センシングユニットへ供給するように構成され得る。

好ましくは、センサは、エフェクタの複数のうち少なくとも1つの単一変数を用いるものであり、エフェクタの複数の変数は、回転速度、電圧、電流、燃料流量、モータトルク、質量流量、動力のうち少なくとも1つを含む。

前記制御ユニットが、前記本体及び前記少なくとも4つのエフェクタから機械的に独立しているとともに、ワイヤレス接続によって前記マルチコプタに動作可能に接続され得る。このようなワイヤレス接続は、Wifi接続、Bluetooth、Zigbee又は無線接続の他のタイプで構成され得る。これに代えて、接続は、例えば赤外線伝送である光接続で構成されることも可能である。

好ましくは、機械的に独立した前記制御ユニットが、ユーザの手で保持することができるよう、及び前記ワイヤレス接続によって前記マルチコプタの前記少なくとも4つのエフェクタのうち1つ又はこれより多くのエフェクタの制御に使用可能なユーザインタフェースを介してユーザからの入力を受信するよう構成されたハウジング内に収容されている。このような手持ち式の装置は、スマートホン又はタブレットコンピュータ装置の形態であり得るか、又は伝統的な趣味に熱中する人のリモートコントローラに類似の形態であってもよい。

本発明の更なる態様によれば、マルチコプタが、(1)本体と、(2)故障を受けていない場合にそれぞれ、該本体に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生する少なくとも4つのエフェクタとを備え、前記制御ユニットが、飛行中に故障を受ける前記マルチコプタを動作させるための方法を実行可能に構成された飛行モジュールを備えた、マルチコプタのための制御ユニットが提供される。この方法は、前記エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップを含むことができ、前記故障の前記識別に応じて、(1)あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、(2)前記マルチコプタの角速度の推定を計算するステップと、(3)前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップを含む。前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれより多くを制御するステップは、(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルクと、前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクが前記プライマリ軸周りにマルチコプタを回転させ、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸の配向が前記あらかじめ規定された基準系に関して目標配向へ収束するようにマルチコプタを動かし、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが前記プライマリ軸に沿った推進力を個々に発生するように構成されている。

好ましくは、制御ユニットの飛行モジュールは、(1)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、(2)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作を表すデータを測定するためのセンシングユニットと、(3)前記エフェクタのうち1つ又はこれより多くによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットと、(4)制御ユニットとを備えている。好ましくは、この制御ユニットは、該推定ユニットに動作可能に接続されるように構成され、 ・あらかじめ規定された基準系に関して前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するように構成され、このとき、前記プライマリ軸が、制御ユニットの制御の下での飛行時にその周りに前記マルチコプタが回転する軸であり、 ・(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルク及び前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸周りに回転し、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸の配向があらかじめ規定された基準系に関する目標配向へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが個々に前記プライマリ軸に沿った推進力を発生するように構成されている。

制御ユニットは前記推定ユニットに動作可能に接続されることができ、前記推定ユニットは、前記マルチコプタの運動を表すデータを提供するとともに、このデータを前記制御ユニットへ提供し、前記制御ユニットは、前記推定ユニットの結果に基づいて前記1つ又はこれより多くのエフェクタの制御を実行する。

制御ユニットは、更に、前記本体のプライマリ軸を計算するよう構成されており、(a)前記プライマリ軸が、前記制御ユニットの制御の下で飛行するときにマルチコプタが回転する軸であり、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが前記プライマリ軸に沿った推進力を発生させ、前記プライマリ軸の計算が、前記マルチコプタの運動を表すデータと、前記マルチコプタの物理的な特性を表すデータとに依存して行われる。

好ましくは、前記マルチコプタの運動を表すデータは、前記マルチコプタの配向、前記マルチコプタの角速度、前記マルチコプタの前記エフェクタの動作状況、前記マルチコプタの加速度、前記マルチコプタの並進運動速度又は前記マルチコプタの位置のうち少なくとも1つを含む。

好ましくは、前記マルチコプタの物理的な特性を表すデータは、慣性モーメント、質量、次元、流体力学的な特性、エフェクタの特性のうち少なくとも1つを含んでいる。物理的な特性を表す前記データは、好ましくはメモリユニットに格納されている。前記計算は、好ましくはマイクロコントローラにおいて実行される。

本発明の更に他の態様によれば、マルチコプタのための前記制御ユニットの使用が提供され、このマルチコプタが、(1)本体と、(2)故障を受けていない場合にそれぞれ、該本体に取り付けられ、前記故障を受けない場合に前記マルチコプタを飛行させることが可能なトルク及び推進力を発生する少なくとも4つのエフェクタとを備え、前記制御ユニットが、飛行中に故障を受ける前記マルチコプタを動作させるための方法を実行可能に構成された飛行モジュールを備えた、マルチコプタのための制御ユニットが提供される。この方法は、前記エフェクタによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える前記故障を識別するステップを含むことができ、前記故障の前記識別に応じて、(1)あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するステップであって、前記プライマリ軸が、飛行時にマルチコプタがその周りに回転する軸であり、(2)前記マルチコプタの角速度の推定を計算するステップと、(3)前記あらかじめ規定された基準系に関する前記本体のプライマリ軸の配向の推定と、前記マルチコプタの角速度の推定とに基づいて前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれにより多くを制御するステップを含む。前記少なくとも4つのエフェクタのうちの1つ又はこれより多くを制御するステップは、(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルクと、前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生するように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクが前記プライマリ軸周りにマルチコプタを回転させ、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクが、前記プライマリ軸の配向が前記あらかじめ規定された基準系に関して目標配向へ収束するようにマルチコプタを動かし、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが前記プライマリ軸に沿った推進力を個々に発生するように構成されている。

好ましくは、制御ユニットの飛行モジュールは、(1)複数のセンサ及び/又はユーザからのデータを受信するための入力ユニットと、(2)前記マルチコプタの運動及び/又は前記エフェクタのうち少なくとも1つの動作を表すデータを測定するためのセンシングユニットと、(3)前記エフェクタのうち1つ又はこれより多くによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障を識別するための前記センシングユニット及び/又は前記入力ユニットに動作可能に接続された推定ユニットと、(4)制御ユニットとを備えている。好ましくは、この制御ユニットは、該推定ユニットに動作可能に接続されるように構成され、 ・あらかじめ規定された基準系に関して前記本体のプライマリ軸の配向の推定を計算するように構成され、このとき、前記プライマリ軸が、制御ユニットの制御の下での飛行時にその周りに前記マルチコプタが回転する軸であり、 ・(a)前記1つ又はこれより多くのエフェクタが、前記プライマリ軸に沿ったトルク及び前記プライマリ軸に対して垂直なトルクをまとめて発生させるように、このとき、(i)前記プライマリ軸に沿ったトルクにより前記マルチコプタが前記プライマリ軸周りに回転し、(ii)前記プライマリ軸に対して垂直なトルクにより、前記プライマリ軸の配向があらかじめ規定された基準系に関する目標配向へ収束するよう前記マルチコプタが移動し、(b)前記1つ又はこれより多くのエフェクタのそれぞれが個々に前記プライマリ軸に沿った推進力を発生するように構成されている。好ましくは、エフェクタのうちの1つによって発生されるトルク及び/又は推進力に影響を与える故障により、前記トルク及び/又は推進力が20%以上、50%以上、80%以上又は100%低減される。

本発明の他の技術的な利点は、以下の図面、説明及び請求項から当業者にとって容易に明白である。さらに、上記において特有の利点が列挙された一方、様々な実施例は、列挙された利点の全て、いくつかを含むか、又は含まないことが可能である。

本発明のより完全な理解のために、以下の説明及び添付の図面が参照される。

開示された方法を用いる制御された飛行が可能である、1つのエフェクタを浮揚とする故障を受けるクアッドコプタを示す本発明の第1の好ましい実施例を概略的に示す図である。

従来技術において知られた故障のないクアッドコプタを概略的に示す図である。

飛行モジュールとその部分のブロック図である。

2つのロータ故障を受けるクアッドコプタを概略的に示すとともに、制御方法の導出を説明するために用いられるトルク及び力を示す図である。

本発明の適用性を図示するための、クアッドコプタにとっての一般的なエフェクタ故障についての表である。

本発明と共に使用可能な模範的な制御構成を説明するためのブロック図である。

様々なエフェクタ故障を受ける3つの代替的なマルチコプタの概略を示す図であり、それぞれ結果として生じる構成が開示された制御方法を用いてコントロールされ得る。

エフェクタの故障時に適切な制御方法を決定するためのフローチャートである。

制御方法の導出を説明するために用いられる、1つの故障したエフェクタを有するクアッドコプタを概略的に示す図である。

制御方法の導出を説明するために用いられる、3つの故障したエフェクタを有するクアッドコプタを概略的に示す図である。

開示された発明は、1つ以上のエフェクタに影響を及ぼす故障を起こすマルチコプタの運動の制御に関するものである。マルチコプタは、一般的に、推進力と、マルチコプタに作用するトルクとの両方を発生させる複数のエフェクタを備えている。これらエフェクタは、一般に、マルチコプタの本体部に関して固定された特徴的な駆動軸(一般的には推進力の方向と同一)を有すること、及び推進力を制御する単一変数を有することによって特徴付けられている。例えば、マルチコプタのような浮揚可能な航空用の飛翔体において用いられる固定ピッチプロペラは、推進力及びこの飛翔体に作用するトルクを発生させるとともに、一般的にモータの固定駆動軸に直接固定されているとともに、単一変数を用いて指令される。マルチコプタのために、この単一変数は、一般にモータの所望の相対速度と、したがってエフェクタの推進力を指令するものである。一般に、マルチコプタはブラシレスモータを用い、このブラシレスモータは、一般に、所望のロータ速度を達成するのに必要な振幅、波形及び周波数にこの単一変数を変換するモータコントローラを用いるものである。このようなモータコントローラは、一般に双方向性の3つの出力(例えば周波数制御された三相の出力)を含んでおり、これら出力は、論理回路によって制御されるが、高い性能又は他の所望の特性を得るために、追加のセンサ及び電子機器を伴うより多くの複合的な実装を有することが可能である。浮揚可能な飛翔体は、空間における目標点にほぼ達すことができ、この目標点に維持され得る空気より重い飛翔体である。

本発明の定義付け特性は、マルチコプタの本体部に関して固定された座標系において定義され、重心を通るプライマリ軸130周りのマルチコプタの連続的な回転に帰着する開示された制御体系である。マルチコプタにおいては、駆動軸に沿って力を加えることに加えて、マルチコプタの重心に作用するトルクを発生しプライマリ軸130に対して垂直な成分を有するように、複数のエフェクタが配置されている。

プライマリ軸130周りのマルチコプタのこの回転を達成し、維持するために、エフェクタは、更にプライマリ軸130の方向における成分を有するトルクを発生させるように構成されることが可能である。固定ピッチプロペラのために、トルク成分は、プロペラの駆動軸をプライマリ軸130へ配置すること、並びにプロペラの回転に対抗する流体力学的な反応ドラグトルクを用いること(及びしたがってプライマリ軸130の方向に作用すること)によって達成され得る。

本発明においては、エフェクタに影響を及ぼす故障とは、エフェクタにより発生されるトルク及び/又は推進力の一部若しくは完全な損失を意味する。一般に、この損失は、名目上の推力の20〜100%の範囲にある。全体として、マルチコプタは、比較的単純であり、それゆえ比較的安全な飛翔体である(航空機における最良のシステムは、このシステムを有さないものである。なぜなら決して故障を起こさないためである)。しかしながら、マルチコプタの非常に大きな流行により、多数のマルチコプタの墜落が文献に記録されている。マルチコプタの全ての墜落の大部分は、障害物へのマルチコプタの衝突に帰着するパイロットのエラーのほかにエフェクタの故障によるものであり、マルチコプタは、一般的に制御された方法における推力の発生においてエフェクタが故障を起こさない限り空中に維持される。したがって、本発明は、障害物との衝突を伴ういくつかのものを含むマルチコプタの全ての墜落の大部分の結果を克服又は制限することが可能である。文献における最も一般的なマルチコプタの故障は、 1.パイロットのエラー、風又は乱気流による障害物への衝突による故障。例えば、検査動作中に突然の突風によりマルチコプタが橋へ押され、破壊されたプロペラによるエフェクタの故障につながり、つづいて、制御の破滅的なロス及び墜落へつながる。 2.マルチコプタの配線の故障。非常によくある故障は、 ・振動によるモータコネクタの脱落 ・はんだ線の剥離 ・弛み線のプロペラによる切断 ・部分的なモータの装着故障によるワイヤの剥離(締結ネジの振動による脱落又はアセンブリの材料疲労) ・不十分なワイヤサイズ及びその結果として生じるワイヤ又ははんだ付け点の過熱/溶融 を含む。 3.マルチコプタのプロペラ付属物、モータ付属物又はフレームの故障。最もよくある故障は、 ・ネジ及びボルトの弛み(振動による弛み、アセンブリエラー、磨滅、材料疲労) ・誤った配列において取り付けられたプロペラ(半時計回り(「引き」プロペラとも呼ばれることがある)及び時計回りのプロペラ(「押し」プロペラとも呼ばれることがある)) ・取付ネジの過剰な締付 ・取付ネジの締付不足 を含む。 4.全てのモータの適切なバランス、全てのプロペラの適切なバランスについての故障、及びモータのコレット及びシャフトによる故障。このカテゴリーは、振動及びこれつづく部品、特により大きなマルチコプタにおける部品の脱落の主な原因である。 5.マルチコプタのモータの故障。最もよくある故障は、モータの過負荷(例えば大きすぎるプロペラ)及びこれにつづく過熱又は塵埃若しくは砂における動作に起因するものである。 6.マルチコプタの電気部品又は電子部品の故障。このカテゴリーにおける最もよくある故障は、雨、霧又は高湿度のような湿った状況での飛行である。 7.マルチコプタの飛行ソフトウェアの故障。例えば、飛行制御コンピュータの不適切なプログラミング又は不適切なモータが航空機の重量に対して増大する。 8.不適切なリモート制御構成、特に不適切に構成されたトランスミッタチャネルに起因する故障又は基地局と受信機の間の十分強い信号を確認することについての故障。 9.干渉に起因する故障であり、最もよくある干渉は、電子式速度制御(「モータコントローラ」とも呼ばれる)とマルチコプタの受信機の間の干渉である。 10.間違った有効荷重による故障。 11.センサキャリブレーションの不足又は欠陥による故障。 12.材料疲労(例えば疲労亀裂又は疲労破壊)による故障。

上記の故障の全てがエフェクタの故障をもたらすとはいえ、多くは本発明を用いることで制御され得る飛行設定に帰着する。特に、上述の故障の1つにつづいて、本発明は、推力のロスにもかかわらず、マルチコプタがプライマリ軸130周りの実質的な連続した回転へ移行するように残りのエフェクタを制御すること、及びこのプライマリ軸130を制御された降下及び着陸を可能とする好ましい方向へ向けることを達成するか、又は維持するためのここに開示された方法を用いることでマルチコプタの墜落を阻止することを可能とするものである。

故障が生じたことを検出するために様々な方法を用いることができる。これら例は、マルチコプタを監視し、故障が認識されたときにマルチコプタへ信号を送信することが可能なパイロットを有することであり、この故障は、マルチコプタを制御するためにこのマルチコプタが本発明を用いる原因となる。この代わりに、検出は、例えばモデルに基づく、測定データを監視するマルチコプタにおける観測器を有すること、及びエラーが確率的に観測されたこと(例えばそれぞれ異なる故障モードを表すカルマンフィルタのバンクを使用すること)によって自動的であることが可能である。スライディングモード観測器、票決を基礎とするアルゴリズム、パリティ空間アプローチ及びパラメータ同定を用いることも可能である。例えばマルチコプタのモータの回転速度を監視すること、又はマルチコプタのモータがどのくらいの電流を引き出すかを監視することで、故障を直接検出することも可能である。

いくつかの故障検出方法は、故障が発生した後ある時間のみ故障を検出することができ、これは、故障が認識されたときにマルチコプタが意図した状態とは異なる状態にあり得ることを意味する。障害物への衝突のようなある事象は、所望の状態とは異なる状態へもたらす傾向がある。それにもかかわらず、開示された発明は、任意の初期状態からマルチコプタを回復させることが可能である。特定のマルチコプタの構成(例えば質量、故障による影響を受けない残りのエフェクタなど)に依存して、マルチコプタは、故障後に浮揚へ転じることが可能であるか、又は空間を自由に移動可能となる。これに代えて、位置の制御の代わりに、開示された発明は、(例えば)マルチコプタが好ましい方法で地面へ到達するように、故障の後にマルチコプタを単に再配向するように用いられることが可能である。

本発明は、パイロットのエラーの重大性を低減する可能性も提供することが可能である。例えば、クアッドコプタのパイロットが偶然にクアッドコプタを構造物に衝突させてしまい、これによってプロペラのうち1つが損傷すると、自動化されたシステムによって、故障が起きたことと、マルチコプタのエフェクタのいくつかが故障の影響を受けることが検出される。そして、このシステムは、自動的に、マルチコプタを浮揚させるため、又はマルチコプタを地上に軟着陸させるための使用可能なセンサを用いる内部のオートパイロットに関与することができる。

図1には、3つの残りの動作中のエフェクタ102と、故障により使用不能となった1つのエフェクタ100を有するクアッドコプタについての好ましい実施例の例示的な配置が示されており、各エフェクタは、モータ106によって駆動される固定ピッチプロペラ104の形態となっている。マルチコプタ140は、複数のエフェクタ102と、機械的な構造部114を有する本体部112とによって構成されている。機械的な構造部114及びマルチコプタ本体部112も、複数のセンサ、ケーブル配線、電子機器及びマルチコプタのその他の構成要素(いずれも不図示)を収容している。マルチコプタの重心120は、二色の円でマークされている。プロペラ104は、プライマリ軸130周りのマルチコプタ本体部112全体の連続的な回転118をもたらすプロペラ104の流体力学的な反応ドラグトルクによって、回転駆動軸110周りに回転する。動作中のプロペラのうち2つは一方向108bへ回転する一方、3番目のものは逆方向108aへ回転する。従来技術において知られるように標準的なマルチコプタ制御方法を用いて制御不能であっても、開示された発明は、プライマリ軸130周りに回転を生じさせ、このプライマリ軸の方向をあらかじめ設定された基準系160内で制御することによってマルチコプタをまだ制御するために応用されることができる。この図には、プライマリ軸の目標方向150と、あらかじめ設定された基準系160も示されている。エフェクタ102は、便宜上個々に1つめ102a、2つ目102b、3つ目102c、4つ目102dと番号が付されている。

プライマリ軸の方向は、一般に、プライマリ軸の方向150の推定の算出が可能なアルゴリズムを用いるように設定されている。類似のように、マルチコプタの角速度の推定が計算され得る。この推定の計算のためのアルゴリズムの例は、カルマンフィルタ及びルーエンバーガー観測器を含んでいる。空間中のマルチコプタの位置は、一般にあらかじめ設定された基準系160内で規定され、いくつかの固定点に言及される、位置及び並進運動速度によって記述される。あらかじめ設定された基準系160の例は、いくつかのランドマークに固定された原点を有する「北東上方の」系である。マルチコプタの位置の推定及び並進運動速度の推定は、方向及び角速度のアルゴリズムと類似のアルゴリズムによって計算され得る。

飛翔体の運動は、通常、慣性基準系を参照することによって記述される。地球のそれ自体の軸線周りの回転及び太陽周りの回転並びに銀河を通る態様の回転を無視することで、地球に固定された系を慣性基準系についての近似として用いることが可能である。したがって、地球に固定された系は、第1の軸点を西から東へ、第2の軸点を南から北へ、最後の軸点を地球の中心から外側へ設定することで構成され得る。このような系は、低速で短距離を移動する物体についての良好な類似であることが証明されている。より良好な正確性のために、系は、太陽の重心から黄道面(地球の重心が太陽の周りを回るように移動する面)に対して垂直な方向へ指向する1つの方向と、おひつじ座(又は春分点)の第1の点へ指向する第2の方向と、右手の法則からつづく第3の方向とによって構成され得る。

マルチコプタの操作者は、マルチコプタのための目標加速度、目標並進運動速度又は目標位置へ変換され得るよりハイレベルの目標をしばしば有する。さらに、いくつかの目標は、目標の推進力の大きさへ変換されることができ、ここで、これはマルチコプタのエフェクタによって発生される所望の力の総和である。

図2には強固に取り付けられた2組の固定ピッチプロペラを有する従来技術において知られた故障のないクアッドコプタが示されており、1つの組108aは時計回りに回転し、他方の組108bは反時計回りに回転する。一般的に、プロペラは、2つ、3つ又は4つのブレードを有するとともに、「回転翼」又は「ロータ」と呼ばれることもあり、これらを動かすために用いられるモータの全ての回転部分も含むように定義される。マルチコプタは、複数のプロペラを有する浮揚可能なマルチコプタである。典型的な配置は、4つ、6つ又は8つのプロペラを用いるものであり、これらプロペラは、それぞれクアッドコプタ、ヘキサコプタ及びオクトコプタと呼ばれ、従来技術においてよく知られているとともに幅広く使用されている。しかしながら、多くの設定(例えば、傾斜しているか、又は逆にされた軸と同様に配列され、個々に反転型に配置され、さらされるか、配管又は保護シュラウド内に入れられている)において16個又はこれより多くのプロペラを有する多くのバリエーションが用いられている。マルチコプタは一般に固定ピッチブレードを用いており、そのロータピッチは、機械的な簡易性のために、ブレードが回転するように変化しない。この機械的な簡易性と、位置(浮揚)を維持するための高い機敏性及び能力と組み合わされた、得られる構造上の簡易さは、マルチコプタを多くの空中での応用についての選択のプラットフォームとするものである。

マルチコプタの運動は、一般的には、推力及びトルクを変更するための各プロペラの相対速度を変化させるためのマルチコプタのエフェクタへ送信させる制御信号によって制御される。各プロペラの相対速度は、一般的には単一変数を用いるように設定されており、この単一変数は、モータコントローラによって制御信号へ変換される。4つのプロペラの推力(「総推力」又は「集合推力」とも呼ばれることがある)の方向における並進運動は、目標とする力の和を達成するためのプロペラのそれぞれの個々の垂直を変更することにより制御される。集合推力から独立して、総推力の方向周りの回転(通常「ヨー」と呼ばれる)は、他のプロペラのそれぞれの減速中にプロペラが時計回り又は反時計回りにスピンアップすることにより制御され、これにより、時計回りに回転するプロペラと反時計回りに回転するプロペラの間のドラグ効果によって生じるトルクを発生させる。上記の事項とは無関係に、他の軸周りの回転は、ヨー及び所望の総推力を制御するための上述の独立した関係を維持しつつ反対側のプロペラの間の推力差を用いて制御される。全体として、したがって、マルチコプタの4つの独立した運動特性(「自由度」)、すなわち1つの並進と3つの回転は、プロペラによって発生する推力を適切に変調することで独立して制御される。いくつかの比較的に重要でないバリエーションについては、この操作の原理は、一般に共通に用いられるマルチコプタ飛翔体へ応用される。そして、十分な並進運動制御は、力の和を所望の並進運動の方向に配向することで達成される。

図3には開示された制御スキームの一部として用いることが可能なマルチコプタ用の飛行モジュールの例が示されている。マルチコプタにとって、このような飛行モジュールは、一般にオンボードで実行されるか、又はオンボード及びオフボード(例えば、オンボードモータに直接結合された制御ユニット306を有し、また入力ユニット304を介してオフボードセンサからの入力をカメラトラッキングシステムのようなオフボードセンシングユニット310を介して受ける)の両方で実行される。飛行モジュールは、一般に飛翔体入力(例えばユーザコマンド、センサ信号)を処理するとともに、出力(例えばエフェクタ314のための制御信号)を演算するために用いられる。例えば、これらは、他のエフェクタ又はアクチュエータに対するのと同様に飛行エフェクタ(例えばプロペラ104)のための制御出力を発生させることによるアクティブな自己安定化を可能とするものである。マルチコプタにおいては、複数の飛行モジュールが、マルチコプタへの直接的な視線方向を有する操作者によるリモート制御を含む様々な動作モードにおいて用いられるか、パイロットへのセンサデータの中継及びマルチコプタへ戻る制御信号の中継によりリモート制御されるか(「テレプレゼンス」とも呼ばれることがある)、又は部分的に若しくは完全に自発的な操作モードにおいて用いられる。

飛行モジュールは、一般に、ユーザ、基地局、コマンドセンターからの目標若しくはコマンドの形態のハイレベルの入力を受信するか、又は入力ユニット304を介してハイレベルの制御アルゴリズムを受信し、制御ユニット306、推定ユニット308及びセンシングユニット310へ引き渡す。制御ユニット306は、一般に、マルチコプタのエフェクタに対する制御信号を発生させるものである。推定ユニット308は、一般に、入力ユニット304、センシングユニット310及びメモリユニット312からのデータを推定するために用いられる。このようなデータは、相対位置及び絶対位置、特にGPSセンサ、視覚による走行距離計測法/SLAM、回帰反射型測位システム、レーザ測距器、Wifi測位システム、気圧高度計及び昇降計又は超音波センサ(いずれも不図示)と同様のユーザコマンド又はハイレベルのコマンドの典型であり得る。センサデータは、センサユニット310を用いて収集及び前処理されるか、又はメモリユニット312に格納される。処理された情報の典型的な例は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、カメラ、オプティカルフローセンサ、レーザ又はソナー測距計、レーダ、気圧計、温度計、湿度計、バンパー、化学センサ、電磁センサ、エアフローセンサ又はマイクロホン(いずれも不図示)のようなセンサから受信されるものである。メモリユニット312は、一般にデータの格納のために用いられる。例えば、これらを、マルチコプタの特性と同様に過去のセンサ信号、動作状態又はユーザコマンドにおけるデータの格納に用いることが可能である。

上記全てのユニットは、単一回路基板、シングルボードコンピュータ又は単一マイクロコントローラにおいて実装されることが可能である。

用途に応じて、飛行モジュールは、図3に示された単純なブロック図よりもはるかに複雑であることができるとともに、特に、単一ブロック302又は多重ブロックに配置された複数の入力ユニット304、制御ユニット306、推定ユニット308、センシングユニット310及びメモリユニット312を備えることが可能である。

図4(A)には、故障100により機能しない対向する2つのエフェクタと、残りの、同様に回転108bする動作中の2つのエフェクタとを有するクアッドコプタが示されている。浮揚動作中及び本発明の使用中には、力及びトルクがプライマリ軸130周りのマルチコプタ本体の連続的な回転を発生させる。座標系は、マルチコプタの本体に関して固定され、方向x、y及びzで構成され、ここで、zは、このケースでは、プライマリ軸130と一致するように選択されており、xは、zに対して垂直に、かつ、重心120から第1のエフェクタへ向いている。yは、右手の法則に従う。マルチコプタについての3つの瞬間回転率p、q、rは、それぞれマルチコプタの本体に固定された軸線x、y、z周りに定義されている。

図示のように、マルチコプタ本体は、瞬間角速度ωBを有しており、この瞬間角速度は、名目上プライマリ軸130と一致しているものの、補正動作中又は指令による動作中には方向及び大きさにおいてそれることが可能である。

いくつかの慣性座標系に関するこの本体に固定された系の回転は、微分方程式によって支配されて、回転行列Rを用いて、

と記述される。ここで、ωB=(p,q,r)は、マルチコプタ本体に固定された座標系において表現された、図4(D)に示された構成要素を有して示されたマルチコプタの角速度であり、

は、外積の行列形式であり、

である。

慣性座標系におけるプライマリ軸130の配向又は方向zは、

として、配向の微分方程式が(1)と共に

のように得られる。このことから、角速度成分p及びqが制御され得る場合にはプライマリ軸130がコマンドを受けた配向を達成するために構成され得るとともに、成分p及びqがゼロであれば配向が維持される。

各エフェクタiは、単一のコマンド可能な自由度(ここでは単一変数とも呼ばれる)を有するとともに、推進力ベクトルfTi(図4(C))及びマルチコプタの重心120(図4(B))周りのトルクベクトルτiを発生し、この重心では、トルクベクトルが、推進力ベクトルのモーメントで構成され、プロペラの回転に対抗するように作用する流体力学的な反応ドラグトルクを含んでいる。加えて、マルチコプタの重さmgがマルチコプタへ作用し、ここではマルチコプタの角速度に対抗するよう作用する流体力学的なドラグトルクτdが存在する。

回転するエフェクタを有する本体の角速度の発生を支配する微分方程式は、

で与えられ、ここで、ωRiはエフェクタiの回転速度ベクトルであり、IBは本体に固定された座標系において表現されるマルチコプタの本体の慣性行列であり、IRiはエフェクタiの慣性行列であり、τjはマルチコプタの重心120を通して作用する各ロータiのトルクベクトルと、(マルチコプタにおける流体力学的なドラグトルクのような)マルチコプタに作用するその他のトルクとを含んでいる。本体の慣性が、マルチコプタ構造部、制御ユニット、センサのような本体にしっかりと取り付けられた構成要素を含むようにされていることに留意されたい。

式(5)の左辺は、各加速度

を含んでおり、これら成分の制御により、式(4)によるプライマリ軸の配向の制御が可能である。式(5)の右辺の最初の項は、マルチコプタに作用する全てのトルクの総和である。式(5)の残りの項は、非慣性系における微分係数を取ることで系における角運動量の相互結合を表している。

図4(B)には、マルチコプタの重心120における2つの残りのロータのそれぞれによって発生されるトルクベクトルτiと、プライマリ軸130に垂直なその成分とが示されている。

図4(C)には、マルチコプタの重心120における2つの残りのロータのそれぞれによって発生される推進力ベクトルfTiと、プライマリ軸130の方向に作用するその成分とが示されている。この図には、マルチコプタの重さmgも示されている。マルチコプタのプライマリ軸130を配向することによって、及びプロペラの推進力ベクトルの総和によって力の和が得られる。この力の和は、上述のとおり、プライマリ軸を配向する機構によって目標方向へ向けられ得る。

並進運動の加速度は、ニュートンの運動の第2法則によって力の和に関連している。したがって、マルチコプタの並進運動の加速度は、力の和によって影響を受ける。その一方、同様にこの加速度により並進運動の速度に影響を与えることができ、この並進運動の速度により、同様にマルチコプタの位置について変化に影響を与えることができる。説明の明確さのために、系についての以下の仮定が導出のためになされている。この仮定は、役立つマルチコプタの構成のための制御スキームの誘導について合理的であるとともに、役立ち、応用可能な制御スキームへ導くものであることに留意されたい。 ・マルチコプタの質量分布は、慣性行列IRが成分

を有して対角となるよう慣性の主軸がx、y及びzと一致するようになっている。 ・エフェクタは、それぞれマルチコプタの重心120からlの距離離れた本体のx軸に沿って設けられたプロペラである。 ・エフェクタは、同一のプロペラであり、クアッドコプタの質量に比べれば無視できる質量を有しているとともに、マルチコプタ本体の対角慣性行列の大きさに比べれば無視できる対角慣性行列IRの大きさを有しており、プライマリ軸130に対して平行に軸周りに回転する。

・マルチコプタ本体の角速度の大きさは、いずれかのプロペラの角速度の大きさに比べれば無視できるものである。 ・プロペラによって発生される力ベクトルfTiは、平行であり、本体に固定された座標系において

として記述されるよう、図4(C)に図示されているようにマルチコプタのプライマリ軸130に対して平行となっている(ベクトルfTiとスカラーfTiの間の区別に留意されたい)。マルチコプタに作用すると仮定される他の力はその重さmgである。 ・プロペラによって発生される、マルチコプタの重心120を通りプライマリ軸130に対して垂直なトルクベクトルの成分は、図4(B)に示されているようにyと同一直線上かつ平行である。プライマリ軸130に対して垂直に作用する成分がプロペラの推進力ベクトルfTiのモーメントによってのみ重心120からの距離lにおいて作用すること、及びxの方向におけるトルク成分がないことが仮定されている。プライマリ軸130に対して平行なトルクの成分は、τ1||であり、プロペラの回転に対抗するための流体力学的な反応ドラグトルクによって生じる。それゆえ、プロペラのトルクベクトルは、本体に固定された系において

と記述される。 ・マルチコプタの回転に対抗するよう作用する流体力学的なドラグトルクτdの成分は、τd=(0,0、−τd)となるようzに対して平行にのみ作用すると仮定される(ベクトルτdとスカラーτdの区別に留意されたい)。

あらかじめ規定されたいくつかの慣性基準系160に関する本体に固定された系の回転を再びRで表し、本体の角速度をωBで表せば、Rの微分方程式は式(1)のようになる。マルチコプタの配向は、ここでも、式(4)によって与えられる微分方程式に関連する式(3)によって記述されている。

式(5)を参照すれば、マルチコプタの本体に関する、本体に固定された系において表現されるロータの角速度iは、ωRi=(0,0,ωRi)である(ベクトルのωRiとスカラーのωRiの区別に留意されたい)。

式(5)の左辺は角速度を含んでおり、

と単純化される。マルチコプタの配向は、角速度の成分p及びqによって制御され得る。

全てのトルクの総和、すなわち右辺の最初の項は、プロペラのトルクベクトルと、マルチコプタの回転に対抗する流体力学的なドラグトルクとを含むとともに、

が導かれる。

式(5)の最終項は、非慣性系における微分係数を取ることで系における角運動量の相互結合を表している。この項を展開し、成分を加えると、以前の仮定の下で

が導かれる。

上述のことから、式(5)をその成分において書き出すと、

の3つの微分方程式となる。このことから、プロペラへ送信される制御信号により、x周りの角加速度

に直接影響を与えることが可能である。これはプライマリ軸130に対して垂直な成分であるため、直接発生されたこの角加速度は、プライマリ軸130に線形に依存する。さらに、上述の角加速度

によって、角速度qを得ることが可能である。

それゆえ、yに沿うセカンダリ軸を通って本体が回転することで、プライマリ軸130周りのマルチコプタの角速度成分(r)及びセカンダリ軸周りのマルチコプタの角速度成分(q)は、ここではxである回転軸周りの角加速度(したがって回転)を発生させるために相互作用する。重要なことは、セカンダリ軸がプライマリ軸130に関してゼロでない角度で位置していること(例えばセカンダリ軸がプライマリ軸130から線形に独立している)、及び回転軸がプライマリ軸とセカンダリ軸の両方に対してゼロでない角度で位置していることである(例えば回転軸は両者から線形に独立している)。具体的には、このマルチコプタにとって、これは、ロータがx軸周りのトルクを発生させることができないもののxに沿った角速度の成分pが影響され得るとともに、慣性系に関するプライマリ軸130の配向が制御され得ることを意味している。類似のように、他のマルチコプタにとって、これは、上述の影響がこれらの制御のために反対に作用するか又はそうでなければ相殺されるよりもむしろアクティブに他の制御が活用されることを意味する。

さらに、この配向は、角速度成分p及びqをゼロとすること、及びそれぞれ式(13)と式(14)によって

及び

となるようfT1=fT3となるようにプロペラへ指令することによって維持される。そして、マルチコプタの角速度は、プライマリ軸130に沿って指向されるとともに、この配向は一定である。

プライマリ軸130に沿ったマルチコプタの角速度の成分rは、トルクτ1||及びドラグトルクτdによって支配される。ドラグトルクが一般にrと共に増大するため、マルチコプタが角速度のこの成分を増大させ、したがってマルチコプタがプライマリ軸130周りに回転する自然な傾向を有するように、低速においてτ1||3||−τdにおけるアンバランスが存在する。固定ピッチプロペラにとって、一般には、推進力の大きさfTiと流体力学的な反応ドラグトルクτi||の間の強い線形の関係が存在する。

いまや、マルチコプタの並進運動加速度は、プライマリ軸の配向の達成及び維持のための2つの力fT1とfT3の間の差異を用いることと、本体に作用する合力を達成するための2つのプロペラの推進力の和を用いることで影響を受け得る。特に、目標推進力の大きさは、fT1及びfT2によって達成される。

上述の導出が特有の仮定の下でなされる一方、これら仮定は、実用的なマルチコプタ構成のための制御スキームの導出のために合理的であるとともに、実用的で応用可能な制御スキームに導くものである。したがって、上述の結果は、環境の広い範囲のために維持するものであるとともに、そのようなものとして解釈されるべきである。

上述の導出は、慣性行列における非対角の項を有する飛翔体のために繰り返されることができる。この場合、代数はより複雑であるが、得られる方程式は類似する。同様に、プロペラの慣性は、本体の慣性と比較可能であるか、又はプロペラの速度は本体の速度と比較可能である。

さらに、本発明の利益が与えられれば、用いられる特有の制御規則が、変化可能であるとともに、極配置を用いた線形二次レギュレータ(LQR)のような線形の方法、様々なロバスト制御方法又は非線形制御方法を用いて導かれ得ることは当業者にとって非常に明白である。

図5には、平行な回転軸を有する全てのプロペラと、互いに同様の回転を有する対向するプロペラと、逆の回転を有する隣接するプロペラを有する標準的なクアッドコプタについて、故障100により不能となったエフェクタの例が示されている。故障により不能となったエフェクタは、当該エフェクタの上において大きな「X」によって示されている。標準的なマルチコプタ制御方法は、故障したプロペラを有するマルチコプタを制御することができない。なぜなら、これらの方法は全ての軸においてもはや独立して角加速度を発生させることができないためである。 図5(a)には、故障により完全に不能となった1つのプロペラを有するクアッドコプタが示されている。マルチコプタの制御は、開示された方法を適用することで復帰するが、マルチコプタは、標準的なマルチコプタ制御を用いては制御可能ではない。 図5(b)には、故障により不能となった対向する2つのプロペラを有するクアッドコプタが示されている。マルチコプタ制御は、開示された方法によって復帰されることができるが、標準的なマルチコプタ制御を用いては制御可能ではない。 図5(c)には、故障により不能となった2つの隣り合うプロペラを有するクアッドコプタが示されている。マルチコプタ制御は、開示された方法によって復帰されることができるが、標準的なマルチコプタ制御を用いては制御可能ではない。 図5(d)には、故障により不能となった3つのプロペラを有するクアッドコプタが示されている。マルチコプタ制御は、開示された方法によって復帰されることができるが、標準的なマルチコプタ制御を用いては制御可能ではない。 図5(e)には、故障により不能となった4つのプロペラを有するクアッドコプタが示されている。このクアッドコプタは制御不能である。

(例示的な制御構造) 図6には飛行するマルチコプタにおける開示された方法の例示的な実施が示されており、ここで、この方法は、外側の制御ループ602と内側の制御604に分けられている。開示された方法の他の実施は、当業者にとって明白である。ハイレベルの目標610は、ユーザによって与えられるとともに、並進運動制御装置612へ送信される。GPSセンサのようなハイレベルセンサ614及びオンボード視覚システムは、測定結果を並進運動状態推定器616へ送信し、この並進運動状態推定器は、マルチコプタの並進運動状態を推定するとともに、この推定を並進運動制御装置へ送信する。並進運動制御装置は、ハイレベルの目標を達成するために、本体の目標並進運動加速度を発生させる。

姿勢制御装置642は、この目標並進運動加速度を受信し、プロペラ660のそれぞれに制御信号を送信する。この姿勢制御装置642は、マルチコプタのプライマリ軸の目標配向150と、目標加速度をもたらす指令された合計の力とを計算し、そして、各プロペラのための制御信号を発生させるために開示された方法を用いる。センサの測定結果は、マルチコプタの回転を推定しこの推定を姿勢制御装置へ送信する状態推定器646へ受け渡される。センサの測定結果は慣性センサ644から得られ、この慣性センサは、加速度計及びレートジャイロスコープを含み得る。オンボードセンサの更なる例は、カメラのような視覚センサ、距離センサ、高度センサ及び対気速度センサを含み得る。

図7には故障により不能となった様々なエフェクタを有するマルチコプタの代替的なレイアウトが示されており、これらの全ては、開示された本発明を用いることでまだ制御可能である。特に、図7(A)には2つ1組で配置された8つのエフェクタを有するマルチコプタが示されていて、2つの対向する組が完全に故障しており、開示された本発明を用いることで、もたらされた構成がまだ制御可能である。図7(B)には交互に回転する、重心周りに対称に配置された8つのエフェクタを有するマルチコプタが示されており、隣り合う5つのエフェクタが完全に故障しているとともに、開示された本発明を用いることでもたらされた構成がまだ制御可能である。図7(C)には、それぞれの側に4つのエフェクタを有するH状の構成に配置された8つのエフェクタを有するマルチコプタが示されていて、一方側の4つ全てのエフェクタが完全に故障しており、開示された本発明を用いることでもたらされた構成がまだ制御可能である。

図8には、マルチコプタにおける故障の場合における制御方法を決定するための例示的なフローチャートが示されている。故障802の後、システムは、まだトルクを発生させることができるかどうかをチェックする804。もし不可能であれば、マルチコプタは制御不能である812。しかしながら、もしマルチコプタがトルクを発生可能であり、本体に作用する全てのトルクが合計でゼロとなり、さらにトルクが独立した3つの方向において発生させることができれば806、従来技術において知られた標準的なマルチコプタの制御方法を用いて制御可能である。標準的なマルチコプタの制御方法が使用可能でない場合には、開示された本発明によってマルチコプタがまだ制御可能である816。

図9には、1つのロータが故障し、本発明をマルチコプタの制御に用いるマルチコプタが示されている。一般性を失うことなく、エフェクタ1〜3がまだ操作されており、エフェクタ4が故障100によって不能となっていることが仮定されている。エフェクタ1,3は、同方向108bへ回転する一方、エフェクタ2は逆方向108aへ回転する。推進力fT1,fT2及びfT3は、図9(C)に示されているように本体に沿ってz軸へ同方向へ向いており、各トルクベクトルが図9(B)に示されている。プロペラによって発生されたトルクのアンバランスは、本体へ作用するドラグトルクτdがプロペラのトルクをバランスさせるために作用するように、角速度ωBによるマルチコプタの回転を生じさせる。本発明は、プライマリ軸130に沿うようにマルチコプタの角速度を制御するために用いられる。一方、プライマリ軸の目標配向150は、慣性系に関して達成されている。

一般的に、プライマリ軸130は、もはやzに沿わず、プライマリ軸130の方向の決定のための1つの方法は、図4を参照し、図4のために導入された表記を参照すれば以下のとおりである。マルチコプタの慣性行列をIBとして、本体の系において、

のように記述され、単純化のために、慣性行列が対角状であること、及びx周りの慣性がy周りの慣性と等しくなるようにマルチコプタが対称であることが仮定されている。ここでは、ロータ周りの角運動量が無視されている。ここでも、ωB=(p,q,r)は、図9(D)に示されているように、本体の系において表現されたマルチコプタ本体の角速度を表している。

各ロータiは、本体の系においてはfTi=(0,0,fTi)として記述される推進力ベクトルfTiを発生させる。さらに、各ロータiは、重心120を通るトルクベクトルを発生し、このトルクベクトルは、本体の系において、

単純化のために、成分τZiは、τZi=κfTiのように推進力に比例すると仮定される。流体力学的なトルクτDも本体に作用し、ここでは単純化のためにzの方向にのみ作用し、τD=(0,0,−CDr)となるようrに比例すると仮定されている。本体の変化量の発生を支配する微分方程式は、

として記述することができ、以下の3つの微分方程式を導くために展開及び書き直されることができる:

n=(nx,ny,nz)を慣性系に固定された単位ベクトルであるとする。このベクトルは、微分方程式

に基づいて展開される。いまや、目標は、一定の回転速度ωと、nが本体の系において表現されたプライマリ軸130を表現するように一定のnとをもたらす一連の指令された力fTiを見出せるものである。これは、

及び

を暗に示している。式(22)から、これはn=εωを暗に意味しており、nが単位ベクトルであるように、

となっている。

これは、(p,q,r,nx,ny,nz,fT1,fT2,fT3,ε)について解くために10個のスカラーの未知数を有する一連の7つの代数方程式を導くものである。これは、3つの追加的な限定を加えることで解決され、例えば、第1のエフェクタと第3のエフェクタが等しい力を定常状態で発生させるとし、すなわち

とし、第2のプロペラが、

となるように第3のプロペラの推力の半分とし、推進力の和が、プライマリ軸130が重力に対抗するように向く場合にマルチコプタの重さ(mg)をバランスさせるこれら推進力が目標推進力の大きさとなるようにする。

これは、10個の未知数における10個の一連の代数方程式を残すものであり、これらから、定常状態の回転速度ωBと、本体の系nにおけるプライマリ軸130の方向と、定常状態の推進力fTiを計算することができる。推進力fTiは、比較的大きく、例えばゼロとは大きく異なることが望ましい。制御された飛行の本方法によれば、当業者は、プロペラ及びモータが好ましい特性を有する定常状態の推力値を選択することが可能である。

いまや、安定化コントローラは、マルチコプタをいくつかの瞬間角速度及び配向から上述の定常状態の解決へ導くように構成されている。さらに、慣性系におけるプライマリ軸の配向は、空間におけるマルチコプタを並進移動させるために用いられ得る。

第2のエフェクタが定常状態の重大な推力fT2>0を発生させるためにマルチコプタの重心が静止しないもののその代わり軌道を連続的に回転することに留意されたい。重力の方向における成分が重さを相殺するようにプライマリ軸130がエフェクタの推力の方向と一致していないが、重力に対して垂直な成分はマルチコプタの軌道の中心に対するマルチコプタの加速を常に生じさせる。それゆえ、上述の解法を用いる場合には、マルチコプタの重心は、空間の一点において静止することができないものの、その代わり空間における目標点周りの連続的な運動を有する。

3つの残ったプロペラを有するクアッドコプタの場合については、代替的なストラテジが異なる方向に回転する1つの残りのプロペラを不能にさせ、制御に応用するために図4のために導入されるストラテジを可能とする。しかしながら、これは、マルチコプタの高度を維持するために各プロペラがマルチコプタの重さの半分を発生させる必要があり、一方、3つのプロペラによって、残りの各プロペラが受け持つ重さの割合が、より魅力的なオプションとする第3のものへ近づけられる。本発明によれば、これら2つのオプションのいずれかを当業者が選択することが可能である。

図10には、3つのロータの故障を受け、1つの残りのプロペラを用いるマルチコプタを制御するための本発明を利用するクアッドコプタが示されている。一般性を失うことなく、エフェクタ1はまだ動作していること、エフェクタ2,3,4が故障100によって不能となったと仮定されている。推進力fT1は、図10(C)に示すように本体に沿ってz軸へ向けられているとともに、図10(B)に示すように対応するトルクベクトルへ向けられている。プロペラによって発生されたトルクのアンバランスは、本体に作用するドラグトルクτdがプロペラトルクに作用するように、角速度ωBによってマルチコプタを回転させる。本発明は、プライマリ軸130に沿うようにマルチコプタの角速度を制御するために用いられる一方、プライマリ軸の目標配向150は慣性系に関して達成される。

一般に、プライマリ軸130はz軸に沿わない。プライマリ軸130の方向を決定する1つの方法は、図4について以前に導入した表記及び図4を参照しつつ以下のとおりである。IBを本体の系において記述されたマルチコプタの慣性行列とし、

となる。ここで、単純化のために、慣性行列は対角状であること、及びx周りの慣性がy周りの慣性と等しいようにマルチコプタが対称であることが仮定されている。ロータの各運動量は、ここでは無視されている。ここでも、ωB=(p,q,r)は、図10(D)に示されているように、本体の系において記述されたマルチコプタの本体の角速度を表している。

ロータは、fT1=(0,0,fT1)として本体の系において記述された推進力ベクトルfT1を発生させる。さらに、ロータは、重心120を通るトルクベクトルを発生し、このトルクベクトルは、本体の系において、

として記述される。単純化のために、成分τZ1がτZ1=κfT1のように推進力に比例することが仮定されている。流体力学的なトルクτDも、本体に作用し、単純化のために、ここではzの方向にのみ作用し、τD=(0,0,−CDr)となるようrに比例することが仮定されている。いまや、本体の変化量の発生を支配する微分方程式は、

と記述されることができ、以下の3つの微分方程式を導くために展開及び書き直されることが可能である:

n=(nx,ny,nz)があらかじめ規定された慣性と理解されるべき基準系160に固定された固定ベクトルとする。このベクトルは、微分方程式

に基づき展開される。いまや、目標は、一定の回転速度ωとnが本体の系において記述されたプライマリ軸130を記述するよう一定のnに至る指令された力fT1を見出すことにある。これは、

であること、及び

であることが暗に示すものである。式(32)からはn=εωであることが暗に示され、ここで、nが単位ベクトルであるように

となっている。

これは、(p,q,r,nx,ny,nz,fT,ε)について解くためのスカラーの未知数を有する一連の代数方程式を導くものである。これは、1つの追加的な限定を加えることで解決され、具体的には、推進力がマルチコプタの重さmg:

をバランスされることが可能であることによって解決される。これは、8つの未知数における8つの一連の代数方程式を残すものであり、これら代数方程式から定常状態の回転速度ωB、本体の系におけるプライマリ軸130の方向n及び定常状態の推進力fT1を計算することが可能である。

いまや、安定化コントローラは、マルチコプタをいくつかの瞬間角速度及び配向から上述の定常状態の解決へ導くように構成されている。さらに、慣性系におけるプライマリ軸の配向は、空間におけるマルチコプタを並進移動させるために用いられ得る。このようなコントローラを創造するための1つの方法は、釣り合いについての運動方程式の増加させることと、線形二次制御の合成を行うことである。

fTiの低周波数成分は、あらかじめ規定された期間にわたって平均化される場合に目標推力の達成に使用され得る。一方、高周波数成分は、プライマリ軸の配向の制御に用いられ得る。

エフェクタの推力が重力ベクトルと一致しないため、マルチコプタの重心は静止しないもののその代わり軌道を連続的に回転することに留意されたい。重力の方向における成分が重さを相殺するようにプライマリ軸130がエフェクタの推力の方向と一致していないが、重力に対して垂直な成分はマルチコプタの軌道の中心に対するマルチコプタの加速を常に生じさせる。それゆえ、上述の解法を用いる場合には、マルチコプタの重心は、空間の一点において静止することができないものの、その代わり空間における目標点周りの連続的な運動を有する。

上述のプライマリ回転は、慣性の主軸周りに必要でないことに留意されたい。

それゆえ、上記説明から明らかにされたものの中で上記において明らかにされた対象は、効率的に達成されることと、上記方法の実施に際して、及び本発明の精神と範囲を逸脱することなく明らかな構成においてある程度変更可能であることが認められ、上述の明細書に含まれ、添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものと理解されるべきであり、これに限定されると理解されるべきではないということが意図されている。

100 故障により不能となったエフェクタ 102 エフェクタ 102a エフェクタ1 102b エフェクタ2 102c エフェクタ3 102d エフェクタ4 104 プロペラ 106 モータ 108 プロペラの回転方向 108a プロペラの回転の時計方向 108b プロペラの回転の半時計方向 110 プロペラの回転の駆動軸 112 マルチコプタの本体 114 機械的な構造部 118 プライマリ軸周りの連続的なマルチコプタの回転の方向 120 マルチコプタの重心 130 プライマリ軸 140 クアッドコプタ 150 プライマリ軸の目標配向 160 あらかじめ規定された基準系 302 飛行モジュール 304 入力ユニット 306 制御ユニット 308 推定ユニット 310 センシングユニット 312 メモリユニット 314 エフェクタに対する制御信号 602 外側の制御ループ 604 内側の制御ループ 610 ハイレベルな目標 612 並進運動制御装置 614 ハイレベルセンサ(例えば視覚、GPS) 616 並進運動状態推定器 642 姿勢制御装置 644 慣性センサ 646 状態推定器 660 プロペラ 802 故障 804 マルチコプタはトルク発生可能? 806 トルクは合計でゼロとされ、3つ全ての次元において独立したトルクを発生可能? 810 標準のマルチコプタ制御方法を使用 812 マルチコプタ制御不能 816 界磁された制御方法を使用 a 目標加速度 fdes 目標推進力の大きさ fDi ロータiのロータドラグトルク力ベクトル fTi 各プロペラiのための推進力 g 重力加速度 m マルチコプタの質量 mg マルチコプタの重さ IB 慣性行列 fTi 推進力ベクトル IB マルチコプタの本体の慣性行列 IRi プロペラiの慣性行列 n プライマリ軸の配向 R 回転行列 x,y,z 座標系の軸 τi トルクベクトル τi|| プライマリ軸に対して平行なトルクベクトル成分 τi⊥ プライマリ軸に対して垂直なトルクベクトル成分 τd 流体力学的なトルク(スカラー) τd 流体力学的なトルク(ベクトル) τi ロータiのトルクベクトル ωB 本体の角速度 ωV 慣性系におけるマルチコプタの角速度 ωRi マルチコプタ本体に関するロータiの角速度(スカラー) ωRi マルチコプタ本体に関するロータiの角速度(ベクトル)

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