High-mobility aircraft and how flight

申请号 JP8196286 申请日 1986-04-09 公开(公告)号 JP2534666B2 公开(公告)日 1996-09-18
申请人 ダイナミツク・エンジニアリング・インコーポレイテツド; 发明人 TOOMASU EICHI SUTOROOMU;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】機首部、中間部、および少なくとも1個の垂直尾翼を有する胴体を備え、 この胴体内にはパイロットが搭乗し、またこの胴体内にはペイロード、燃料、操縦装置、航法装置、生命維持装置が搭載されており; またこの航空機の重心より後方の上記胴体の後部に取り付けられた固定翼の主翼を備え、この主翼は最大揚力を発生する迎え角を有し、またこの最大角度を発生する迎え角以上の迎え角ではデイープストールの状態になるものであり; また、上記の主翼に取り付けられた推進装置を備え; また、上記の推進装置の後部に設けられこの推進装置の推力およびその方向を制御することができる方向可変形の排気口を備え; また、回転自在に操舵される先尾翼手段を備え、この先尾翼手段は上記の胴体に上記の主翼の前方にこれと独立して設けられ、この先尾翼手段は上記の胴体に対して上記の主翼の最大揚力を発生させる迎え角以上の角度の範囲まで操舵可能なものであり、上記の主翼がデイープストールの状態においてもこの先尾翼は失速せずに上向きまたは下向きの揚力を発生してピッチ制御舵面として作用するものであることを特徴とする高運動性航空機。
  • 【請求項2】前記の推進装置の前部には方向可変形の空気取入れ口が設けられ、この方向可変形の空気取入れ口は空気の流れの方向に対応して方向を変更してこの航空機の迎え角の大きい場合でも前記の推進装置の作動を維持できるものであることを特徴とする前記特許請求の範囲第1項記載の高運動性航空機。
  • 【請求項3】所定の方向に向けて空中戦を開始する過程と; 推力を最大推力まで増加させる過程と; この航空機に装着されている一対の先尾翼を回動させ、
    この航空機の迎え角を最大揚力を発生する迎え角より大きな迎え角とする過程と; 可変形の空気取入れ口および可変形の排気口の角度を上記先尾翼の迎え角と等しい角度に回動させてこの推力の方向を制御する過程と; バンク角を約90゜にとり、この航空機の速度をマッハ数
    0.28M以下まで減速する過程と; この航空機を旋回させる過程と; この航空機を上記空中戦を開始した方向と反対の方向に向ける過程とを備え; これによってこの航空機をその主翼の失速角度以上の大きな迎え角で飛行させて高運動性を発揮させることを特徴とする高運動性航空機の飛行方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、通常の飛行態様とは異なる態様で飛行することができる高運動性航空機およびこの航空機を高い運動性で飛行させる方法に関する。

    [従来の技術] 1978年頃までは、航空機を失速させることはこの航空機がきりもみや好ましくないディープストールに陥ることになり、操縦不能な状態となるため、許容されない飛行状態であるとされていた。 このディープストール状態ては、航空機が安定を保っているが、高い迎えで失速しており、正常な飛行状態に回復するのは極めて困難または不可能な状態である。 つまり、このディープストール状態では、航空機が最大揚を与える迎え角以上の迎え角となっており、操縦不能の状態とはなっているが、
    この航空機は高い降下率で降下している以外には、特に特徴のある運動は生じない。 通常の航空機では、その迎え角が約18゜ないし20゜で失速する。

    しかし、米国特許No.4,261,533および4,099,687に開示されているように、尾翼が回転できるようにこの尾翼および航空機の尾部を構成するか、または主翼に装着したエンジンを傾動できるように構成し、このディープストールのような高い迎え角の状態で航空機を制御できるようにしたものがある。

    これらものによれば、高い降下率は制御できないが、
    その他の制御は推力を調整することによっておこなうことができ、このような失速角度以上の高い迎え角で飛行する場合、すなわち超通常飛行させる場合の安定性やその飛行特性の有用性等が研究されている。

    このような場合の航空機の縦方向の制御は、上記の米国特許No.4,261,533および4,099,687に開示されているように、尾翼全体、または弦長の大きなエレボンをこの航空機の迎え角と反対の方向にこの迎え角と略等しい角度だけ回動させ、これらの尾翼の迎え角を失速角度以下に維持し、この航空機の制御と安定性を維持するものである。

    また、米国特許No.4,281,810、米国特許No.4,010,920
    および西ドイツ公開特許公報2421524には、回動可能な先尾翼を備えたものが開示されている。 しかし、これらのものは、失速角度以下の低い迎え角で飛行する場合の安定性および操縦性を改善するものであり、高い迎え角で飛行する場合すなわち超通常飛行の場合の安定性および操縦性を改善するものではない。

    多くの場合、通常の飛行ではその迎え角は最大揚力を与える迎え角以下の角度に規制されており、この最大揚力の迎え角を越えると完全に失速する。 また、ある種の航空機、たとえば前縁の後退角がきわめて大きい航空機やストレークすなわち胴体に帯状の板が突設された航空機では、この翼面や面から気流の部分剥離が発生し、
    最大揚力を与える迎え角以下の迎え角において安定性の問題が発生し、このため通常飛行の際の迎え角が低く制限されている。

    [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、以上の事情に基づいてなされたもので、上記の問題を解決し、従来規制されていた以上の迎え角で飛行することができる航空機およびその飛行方法を提供するものである。 このような従来の制限を越えた飛行は超通常飛行である。

    [問題点を解決するための手段とその作用] 本発明は、超通常飛行が出来る航空機およびその飛行方法を提供するものである。 この超通常飛行は、きわめて大きい迎え角で飛行するもので、これによってピッチおよび飛行経路の角度を変更し、通常の飛行では達成できなかった飛行経路および鉛直方向の速度を達成することができるものである。

    本発明の航空機、たとえば高運動性戦術戦闘機が超通常飛行を有する場合には、この航空機の主翼は部分的または全面的に失速する。 そして、この場合には縦方向の操縦舵面、たとえば先尾翼はこの航空機の迎え角と反対の方向にこれと略等しい角度だけ回動し、これによってこの航空機が大きい範囲で迎え角、ピッチおよび飛行経路をとれるように制御する。 このような飛行状態は、ディープストールによって−45゜の降下、または+90゜の鉛直上昇まで可能である。

    また、この航空機は、推進装置の後端部の排気口が上記と同様に回動することができるように構成され、上記のようにこの航空機が大きな迎え角で失速した状態で飛行しても、そのエンジンの作動を維持し、またその推力を任意の方向に向けることができる。

    また、本発明の好ましい実施例によれば、この航空機の胴体の前部、推進装置の排気口の近傍および垂直尾翼には横方向にジェットを噴射するスラスタジェットが設けられており、これらのスラスタジェットも上記と同様にその噴射方向を制御できるように構成されている。

    このように超通常飛行によれば、きりもみを防止して安全性を向上し、また好ましくない失速およびきりもみから迅速に回復でき、急な降下や着陸の際のアプローチをおこなうことができ、運動性を高めることができる。

    [実施例] 以下図を参照して本発明の実施例を説明する。 第1A図ないし第1C図には、高運動性戦術戦闘機を示し、この戦闘機は超通常飛行をおこなうことができるように構成されている。 この戦闘機には、胴体11が備えられ、この胴体内にパイロットが搭乗し、また燃料、ペイロード、操縦装置、航法装置、生命維持装置等が搭載されている。
    この胴体11は、機首部、中央部および尾部を備えている。 また、ジエットエンジン推進装置12には、その前部に方向可変形の空気取入れ口13が設けられ、迎え角が大きい場合でもこのジエットエンジンの作動を維持できるように構成され、またその後部には方向可変形の排気口
    14が設けられ、この推進装置12の推力およびその方向を制御できるように構成されている。 なお、この実施例では2基のジエットエンジン推進装置12を示しているが、
    1基または3基以上の推進装置を備えたものでもよい。
    また、この胴体11の尾部には後退翼あるいは変形三角翼からなる固定翼の主翼15が装着されており、この主翼にはフラッパロン16、エレボン17およびスポイラ18が設けられている。 また、この主翼15の下面には上記の推進装置12が装着されている。 この主翼は、この航空機の空力特性に対応して空力的な操縦力を発生する一次の操縦舵面として構成されている。

    以下の説明のため、この航空機の互いに直交する3軸を、その縦すなわち水平軸をX′−X′軸、横方向の軸をY′−Y′軸、鉛直方向の軸をZ′−Z′軸とし、またこれらの角軸を含む互いに直交する3個の面を基準平面とする。

    そして、上記の第1A図ないし第1C図に示すように、胴体11の中央部には一対の先尾翼19が設けられ、これら先尾翼は上記の主翼15の前方にこれと独立して設けられ、
    この主翼に対して第2の操縦舵面を構成している。 これらの先尾翼19は、上記の縦方向の軸X′−X′軸に対して対称に配置され、また第1B図に示す如く横方向の軸Y′c−Y′c軸を中心として回動するように構成されている。 この先尾翼の回動角度δcの回動範囲は、第1C
    図に示すように縦方向の軸X′−X′に対して約+45゜(後縁を下方に回動させた状態;図示せず)から−90゜(後縁を上方に回動させた状態:第1C図に示す)の範囲である。 このように、この先尾翼が上記のように+45゜≧δc≧−90゜の範囲で回動するので、この先尾翼が空気の流れ方向に略整列され、この先尾翼が空気の流れ方向に略整列され、この先尾翼19が失速することがない。

    また、垂直尾翼20方向の安定と減衰をなす。 この垂直尾翼20の方向舵21はヨー方向の制御をなし、またロール方向の制御は上記の主翼15のフラッパロン16、エレボン
    17およびスポイラ18によって制御される。

    また、第1B図に示すように、胴体11の機首部、推進装置12の排気口14近傍、および垂直尾翼20には制御用スラスタジエット22が配置されている。 これらの制御用スラスタジエット22は、補助動力装置(図示せず)または推進装置12のブリードエアを利用する。 これらの制御用スラスタジエット22はこの航空機の速度が零に近くなった場合にこの航空機を制御するものである。

    また、図示はされていないが、この航空機の胴体11内には、プログラムされ、パイロットによって操作される自動航法検出器、コンピュータ、アクチュエータ等が搭載されており、第1Aないし第1C図に示すこの航空機のX′−X′軸、Y′−Y′軸、Z′−Z′軸まわりの迅速な操縦と安定性を与える。

    そして、これら推進装置12、主翼15、先尾翼19、垂直尾翼20、方向舵21の作動を組合わせ、また各種の安定・
    操縦装置によって、この航空機は最大揚力を与える迎え角より大きい迎え角で飛行することができる。 そして、
    上記の舵面や装置等によってこの航空機は失速角度以上の迎え角で飛行する超通常飛行が可能となる。

    この高運動性戦術戦闘器が超通常飛行をおこなう場合の運動の名称、記号、数式等を以下に記す。

    1) =VcosγcosΨ 2) =VcosγsinΨ 3) =Vsinγ

    7) θ=α+γ ここで、 D:抵抗=C

    D qS g:重力加速度 L:推力 S:翼面積 T:推力 t:時間 V:飛行経路速度 :飛行経路加速度(dv/dt) X,Y,Z:平坦な地面の軸 ,,:平坦な地面の軸の方向の速度成分 W:重量 q=1/2ρV

    2 :動圧 ρ:空気の密度 α:迎え角 γ:飛行経路の角度 :飛行経路の角速度 θ:ピッチ姿勢角度 φ:バンク角 Ψ:飛行方向の角度 :飛行方向の角速度(旋回率) である。

    なお、これらの計算の際には、この高運動性戦闘機を点質量とみなし、またこの戦闘機が横すべりをせず、さらに平坦で回転しない地面の上を飛行すると仮定した。

    また、第2C図には、超通常飛行の際の航空機の推力T、揚力L、抵抗D、速度V、および各種の姿勢が示されている。 この超通常飛行では、この航空機は最大揚力を与える迎え角より大きな迎え角で飛行し、この主翼15
    の全面が完全に、または部分的に失速しており、また上記の先尾翼19は負方向に回動角度−δcだけ回動している。 また、この先尾翼19の回動角度の絶対値はこの航空機全体の迎え角αに略等しく、この先尾翼19は空気の流れと略平行となり、失速することはない。 よって、この先尾翼19は効果的な揚力発生翼として作用し、またこの航空機全体を制御するに必要な力およびモーメントを発生する。

    また、この航空機の上記各X,Y,Z軸まわりの速度成分は、前記の1,2および3式によって、この航空機の飛行速度V、飛行経路の角度γ、飛行方向の角度Ψに対応して決定される。

    また、この航空機の飛行経路に沿った加速度は、上記の4式によって、推力T、抵抗D、重量W、迎え角α、および飛行経路の角度γに対応して決定される。

    また、飛行経路の角速度は上記5式によって、推力T、揚力L、走行経路に沿った速度V、重量W、迎え角α、バンク角φ、および飛行経路の角度γによって決定される。

    また、飛行方向の角速度、すなわちこの航空機の回転率は、上記の6式にしたがって、推力T、揚力L、飛行経路に沿った速度V、重量W、迎え角α、バンク角φ、および飛行経路の角度γに対応して決定される。

    さらに、上記の7式に示すように、この航空機のピッチ角θは、迎え角αと飛行経路の角度γとの和に等しい。

    また、高運動性戦術戦闘機としての性能の要目としては、速度V、加速度、飛行経路の角速度、飛行方向の角速度、であり、特に、これらを迅速に変化させる能力である。 この図示する高運動性戦術戦闘機は、第3
    図に示すような水平−横方向のX−Y平面における旋回特性を向上したものである。 この飛行方向の角速度、
    すなわち航空機の旋回率は、高度6,000m(20,000フィート)、翼面荷重W/Sが332Kg/m 2 (68ポンド/平方フィート)の場合において、この航空機のマッハ数Mに関連させたものである。 また、この航空機の重量対推力比T/W
    は、M=0において0.5、M=0.9において0.9であり、
    これらの関係の表を第3図の右上に示す。

    通常の飛行領域は、最大揚力係数C Lmaxおよびその航空機の構造的な荷重ファクターηによって決定される。
    また、マッハ数Mに対する旋回率の曲線は、「コーナー」状態と称される部分で交差する。 本発明のような装置を備えていない通常の戦闘機では、この旋回率は上記のコーナ状態において瞬間的な最大値となる。 たとえば、第3図においては、通常の航空機による通常飛行では、その許容される旋回率の瞬間的な最大値はマッハ数Mが約0.7において毎秒約23゜である。 また、このコーナ状態では、通常の航空機の旋回半径Rは約580m(1,90
    0フィート)である。

    第3図において、超通常飛行の領域は、最大構造的荷重ファクターηを上限とし、上記旋回率のコーナ状態を下限とする領域にある。 また、時間に対する飛行方向の角度の変化は上記の6式によって求められ、これは飛行方向角速度すなわち旋回率である。 たとえば、迎え角αが70゜で、バンク角Ψが90゜の場合における旋回率の変化を破線で示す。

    本発明の高運動性戦術戦闘機では、迎え角70゜で飛行し、マッハ数Mが0.18以下で通常の旋回率Ψの最大値を超える旋回率で旋回し、またその飛行経路角度γは約65
    ゜に達する。 また、飛行経路の角度が78゜、旋回率が毎秒50゜、旋回半径が38m(125フィート)に達する。 また、参考のため、推力から抵抗を差引いた値が零の場合、すなわちT−D=0、つまり余剰推力が零すなわち
    P S =0の場合に、航空機が旋回する際の特性を示す。

    また、この超通常飛行をより明確にするため、高運動性戦術戦闘機の特性を第4図に示し、この第4図のデータは上記第3図のデータと同様であるが、推力Tおよび揚力Lに対応する旋回率のデータを追加してある。 前記の6式に示すように、この飛行方向の角速度すなわち旋回率は、推力Tの揚力Lに関連している。 この第4
    図に示す特別な飛行状態では、マッハ数Mが0.28以下の領域では上記6式の推力に関連した項が優越し、またマッハ数Mが0.28以上では揚力を含む項が優越する。

    また、第3,4図に示すような特性の高運動性戦術戦闘機が、超通常飛行特性を有しない通常のジエット戦闘機と1対1で空中戦をおこなう場合の飛行方法を第5図に示す。 状況を明確にするため、敵機が長または中射程ミサイルを装備しており、このミサイルの最大射程内で戦闘が開始され、このミサイルを発射するとともに飛来してくるミサイルを回避する行動をとり、接近戦闘に入るべく行動すると仮定する。 この通常ジエット戦闘機では、超通常飛行する能力がないので、最大揚力係数を与える迎え角以上の迎え角で飛行することはできず、その飛行は上記のコーナ状態のマッハ数すなわち速度に制限される。 一方、本発明の高運動性戦術戦闘機は、これに対して推力を好ましくは全出力まで増加させる。 次に、
    パイロットは迎え角を非常に大きい角度たとえば70゜まで上げ、機を上昇させ、その飛行経路の角度γおよびバンク角φを約90゜に近付ける。

    よって、この第5図に示し、第3,4図に示すこの高運動性戦術戦闘機は超通常飛行となり、通常のジエット戦闘機がそのコーナ状態のマッハ数Mすなわち速度Vにおける旋回率の2倍を超える旋回率で減速しかつ急激に上昇する。 このような旋回をおこなうことにより、本発明の高運動性戦術戦闘機は敵のジエット戦闘機の内側にまわり込み、敵機が旋回を完了してミサイルを発射する前にこの敵機に向けて短射程のミサイルを発射するいわゆる「スーパーシヨット」をおこない、敵機に勝利することができる。

    また、図示はされていないが、本発明の高運動性戦術戦闘機用のこの戦術によって複数の航空機の空中戦に大きな効果を上げることもできる。

    また、上記の実施例の方法は、上記のように大きな角度で回動できる先尾翼19を有し、また機首部、推進装置
    12の排気口14の近傍、および垂直尾翼の両側に制御用のスラスタジェット22を有する航空機を飛行および制御するものであって、この方法によれば、この航空機を超通常飛行させ、この本発明のような特性を有しない従来のジエット戦闘機に比較して、従来の常識を超えた高い運動性すなわち「高運動性」が得られる。 従来のジエット機では、その飛行はコーナ状態のマッハ数Mすなわち速度V、つまり最大揚力係数を与える迎え角の範囲内に制限されていた。

    たとえば、この方法は、いくつかの段階で本発明の高運動性戦術戦闘機を超通常飛行させるものである。 まず、この高運動性戦闘機が、これと同様の能力を有し、
    かつ本発明のような超通常飛行制御システムを備えておらず、最大揚力を与える迎え角以下の迎え角の範囲でしか飛行できない通常の敵ジエット戦闘機と交戦を開始したとする。 この敵ジエット機は、その最大旋回率がコーナ状態におけるマッハ数Mすなわち速度Vに制限され、またこの旋回率は最大揚力によって制限され、さらにこの旋回率はこのジエット機の構造的な荷重ファクターによって制限される。

    第4図によれば、通常の航空機が6,000m(20,000フィート)の高度で飛行している場合には、その最大旋回率は毎秒22゜ないし25゜であり、この状態でのコーナ状態のマッハ数Mは約0.7すなわち毎秒220m(毎秒725フィート)である。

    本発明の飛行方法の第2の段階は、目視または電子機器で敵機を確認したら、本発明の高運動性戦闘機の推力を最大出力とし、また先尾翼19の回動、制御用スラスタジエット22の使用、可変空気取入れ口13および排気口14
    の偏向等を組合わせて制御し、この戦闘機の迎え角αを約35゜とし、その飛行経路角度γおよび上昇率を大きくとって上昇する。

    そして、この高運動性戦闘機は大きな迎え角αのため抵抗が大きく、減速する。 そして、さらに迎え角αが60
    ゜から70゜の範囲まで増大し、またこの高運動性戦闘機は90゜の大きな角度でバンクする。 このように大きなバンク角をとることによって、この戦闘機は一層減速して極めて低い速度となり、迅速に旋回および方向変換をおこなう。 この高運動性戦闘機の飛行方向角速度すなわち旋回率は、この場合のマッハ数がM=0.28と低速であり、前記6式の推力の項T/WV sinαには速度Vも含まれているので、この高運動性戦闘機は迅速に旋回および方向変換し、敵機に対する最適な発射位置に位置する。

    また、本発明の飛行方法の特徴は、第5図に示すように飛行経路が急に上昇する部分においてパイロットが減速の加速度に耐えられることである。 すなわち、推力の偏向やこのように大きな迎え角による抵抗によって生じる減速慣性力は、最大揚力を与える迎え角で飛行する場合の減速慣性力より大きい。 しかし、この場合の減速慣性力は、パイロットに経験的に「眼球低下」と称されるストレスを与えるが、このストレスは、最大揚力を与える迎え角以下の迎え角で飛行する通常のジエット機が減速する際にパイロットが受けるストレス、すなわち「ベルト吊下げ状態」または「眼球飛出し」と称されるストレスよりパイロットに与える苦痛が少ない。

    また、本発明の方法は、回転可能な一対の先尾翼19を偏向し、これを最大揚力を発生する迎え角以下の迎え角に維持し、超非加速状態または非加速状態の調整された飛行状態を達成するものである。

    また、本発明の飛行方向は、さらに推力の方向、調整をなし、この高運動性の航空機をそのピッチングの姿勢を0゜から90゜の範囲で変化させ、第5図に示すようにこの航空機を急激に上昇または下降させ、かつこの間に安定と制御を維持するものである。 また、最終的には、
    パイロットはこの航空機を通常の非加速飛行状態に復帰させることができる。

    また、本発明の飛行方法は、空力的な舵面16,18、19
    および21を操作し、またスラスタジエット22の方向を不所望な方向の動きと反対の方向に移動させ、この航空機のロール、ヨー、ピッチの制御をなすものである。 たとえば、第1C図に示すように、胴体11の機首部の下面にあるスラスタジエット22を作動させるとともに推進装置の空気取入れ口13および排気口14を偏向させ、機首を上げるとともに、推進装置12の後部の上面にあるスラスタジエット22を作動させて尾部を下げ、この航空機に生じる望ましくない機首下げのモーメントを抑えることができる。 また、これらのスラスタジエット22は、ロール、ヨー、ピッチの方向の望ましくない動きを制御する。 なお、これらの作動の詳細は、この分野の通常の技術を有する者であれば容易に理解できるので、ここでは詳述しない。 また、これらスラスタジエット22および推進装置の空気取入れ口13や排気口14を偏向させることによって、ロール、ヨー、ピッチの制御をおこない、主翼15の失速を防止することもできる。 また不注意により失速した場合には、パイロットが先尾翼19、空気取入れ口13および排気口14、スラスタジエット22等を迅速に操作してこの航空機の迎え角αを最大揚力を与える迎え角よりはるかに大きな迎え角に維持することもできる。

    また、この高運動性航空機が地面等に接触するような場合には、失速しない範囲で航空機のピッチ角度θを維持することができ、バイロットの射出脱出に好ましい姿勢を維持することができ、パイロットの生存の確率が大きくなる。 この好ましい射出姿勢とは、航空機から地面と離れる方向に射出されるような姿勢である。

    また、本発明の方法は、上記の回動自在の先尾翼19およびスラスタジエット22を使用してロール、ヨー、およびピッチを制御し、きりもみに入るような飛行状態となることを防止できるものである。 また、不注意によってきりもみに入った場合には、この先尾翼19およびスラスタジエット22を使用してこのきりもみを持続させる原因である空力的力と遠心力との釣合いを破るような作動を行なうことができる。

    また、この先尾翼19とスラスタジエット22とを使用して、この高運動性航空機を超通常飛行状態である大きな迎え角の状態から通常の飛行状態である最大揚力を与える迎え角以下の迎え角で飛行する状態に復帰させることもできる。

    なお、本発明は上記の実施例には限定されず、本発明の分野における通常の技術を有する者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更等をおこなうことができる。

    【図面の簡単な説明】

    図は本発明の実施例を示し、第1A図は本発明の高運動性戦術戦闘機の正面図、第1B図は同平面図、第1C図は同側面図である。 また第2A図はこの航空機をX,Y軸とともに示す平面図、第2B図はこの航空機をY,Z軸とともに示す正面図、第2C図はこの航空機をX,Z軸とともに示す側面図である。 また第3図はこの航空機のX−Y平面内における運動性特性を示す線図、第4図はこの航空機のX−
    Y平面内における他の運動特性を示す線図、第5図はこの航空機の空中戦の飛行方法を示す概略図である。 11……胴体、12……推進装置、13……空気取入れ口、14
    ……排気口、15……主翼、22……スラスタジエット。

    フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−73395(JP,A) 特開 昭51−127915(JP,A) 特開 昭51−130715(JP,A) 特公 昭49−18397(JP,B1)

    QQ群二维码
    意见反馈