Aerodynamic coefficient estimation device and control surface failure/damage detection device using the same |
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申请号 | JP2010062708 | 申请日 | 2010-03-18 | 公开(公告)号 | JP2011194974A | 公开(公告)日 | 2011-10-06 |
申请人 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd; 三菱重工業株式会社; | 发明人 | YAMAZAKI KOICHI; | ||||
摘要 | PROBLEM TO BE SOLVED: To compute a high-reliability aerodynamic coefficient estimate, and to exactly detect a failure/damage to a control surface, while reducing a burden on passengers, by computing the aerodynamic coefficient estimate.SOLUTION: This aerodynamic coefficient estimation device includes a control-angle command signal generation means 5 for generating a control-angle command signal for estimating an aerodynamic coefficient showing an aerodynamic characteristic of an airframe, a kinetic state quantity acquisition means 6 acquiring kinetic state quantities of the airframe resulting from control surfaces provided on the airframe being driven based on the control-angle command signal, a candidate value computation means 7 using two or more different estimation methods to compute candidate values for estimating the aerodynamic coefficients from the kinetic state quantities, and an aerodynamic coefficient estimate determination means 8 determining aerodynamic coefficient estimates based on each candidate value. | ||||||
权利要求 | 機体の空力特性を示す空力係数を推定するための舵角指令信号を生成する舵角指令信号生成手段と、 前記舵角指令信号に基づいて前記機体に設けられた舵面が駆動したことに起因する前記機体の運動状態量を取得する運動状態量取得手段と、 前記運動状態量から、異なる2以上の推定手法を用いて夫々前記空力係数を推定するための候補値を算出する候補値算出手段と、 各前記候補値に基づいて、空力係数推定値を決定する空力係数推定値決定手段とを備えた空力係数推定装置。 前記空力係数推定値決定手段が、各前記候補値の平均値又は中間値を空力係数推定値として決定する請求項1記載の空力係数推定装置。 前記空力係数推定値決定手段が、各前記候補値に基づいて夫々演算された運動状態量の再現値のうち、前記運動状態量に最も一致する前記再現値に対応した前記候補値を空力係数推定値として決定する請求項1記載の空力係数推定装置。 舵面の故障・損傷の可能性を判定する故障・損傷可能性判定手段と、 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の空力係数推定装置と、 前記故障・損傷可能性判定手段により舵面に故障・損傷が生じている可能性があると判定された場合に、前記空力係数推定装置により推定された空力係数推定値に基づいて、何れの舵面が故障・損傷しているかを検出する舵面故障・損傷検出手段とを備えた舵面故障・損傷検出装置。 前記故障・損傷可能性判定手段が、 機体に運動が生じないように舵面を駆動するための舵角指令信号を生成する他の舵角指令生成信号と、 前記舵角指令信号に基づいて前記機体に設けられた舵面が駆動したことに起因する前記機体の運動状態量を取得する他の運動状態量取得手段とを備え、 前記運動状態量に基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定する請求項4記載の舵面故障・損傷検出装置。 前記故障・損傷可能性判定手段が、 所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号を生成する更に他の舵角指令信号生成手段と、 前記舵角指令信号に基づいて飛行中の機体の運動状態量を取得する更に他の運動状態量取得手段と、 前記機体が正常であると仮定した場合の運動状態量を予測した運動状態量予測値を演算する運動状態量予測手段とを備え、 前記運動状態量と前記運動状態量予測値とに基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定する請求項4記載の舵面故障・損傷検出装置。 機体に敷設された光ファイバ又は電線と、 前記光ファイバ又は電線の異常を検知する検知手段とを備えると共に、 前記故障・損傷可能性判定手段が、 前記機体を所望の姿勢に変更・維持するための舵角指令信号を生成する更に他の舵角指令信号生成手段と、 前記舵角指令信号に基づいて前記機体に設けられた舵面が駆動したことに起因する舵角を取得する舵角取得手段と、 前記機体が正常であると仮定した場合の前記舵角指令信号に基づく舵角を予測した舵角予測値を演算する舵角予測手段とを備え、 前記検知手段の検知結果に基づいて舵面の損傷の可能性を判定すると共に、前記舵角と前記舵角予測値とに基づいて舵面の故障の可能性を判定する請求項4記載の舵面故障・損傷検出装置。 前記舵面故障・損傷検出手段が、 前記空力係数推定値と、機体の正常時における空力係数推定値又は前回故障・損傷検出を行った際の空力係数推定値とを比較することにより舵面の故障・損傷を検出する請求項4乃至請求項7の何れか1項記載の舵面故障・損傷検出装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、空力係数推定装置及びこれを用いた舵面故障・損傷検出装置に係り、特に、航空機の空力特性を示す空力係数を推定する空力係数推定装置及び推定された空力係数を用いて航空機の舵面の故障や損傷を検出する舵面故障・損傷検出装置に関するものである。 航空機の空力特性を示す空力係数を推定する際には、航空機に設けられた各種センサから、迎角、横滑り角、対気速度、角速度、姿勢角、舵角等の情報を取得し、これらの情報に基づいて逐次最小二乗法やニューラルネットワーク法による演算を行う方法が知られている。 また、このように推定された空力係数と、航空機の正常時における空力係数とを比較することにより、舵面の故障や損傷を検出する方法が知られている。 しかしながら、上記した逐次最小二乗法を用いて空力係数を推定する場合は、空力係数を演算するために角加速度を必要とするため、航空機に角加速度を検出するためのセンサを搭載する必要があり、新たにセンサを設けると機体の重量を増加させるという問題がある。 また、逐次最小二乗法やニューラルネットワーク法などの一手法のみに依存して空力係数を推定することは、正確な空力係数推定値を得ることができない虞があるという問題がある。 このため、逐次最小二乗法やニューラルネットワーク法によって得られた空力係数を舵面の故障・損傷検出に適用した場合には、誤検出を招く虞があり、検出結果の飛行制御則への反映を不用意に行えないという問題がある。 さらに、機体に光ファイバ等を敷設する方法は、故障・損傷の内、故障の検出が行えないという問題がある。 本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、信頼性の高い空力係数推定値を演算することができる空力係数推定装置を提供すること、及び、搭乗者への負担を軽減しつつ信頼性の高い空力係数推定値を演算することにより正確に舵面の故障・損傷を検出可能な舵面故障・損傷検出装置を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。 本発明によれば、舵角指令信号生成手段により、空力係数を推定するために、機体にある程度の運動が生じるように舵面を駆動させるような舵角指令信号を生成し、舵面をこの舵角指令信号に従って駆動させる。 続いて、運動状態量取得手段により、舵面が駆動されたことにより運動が生じた機体の迎角、横滑り角、対気速度、角速度、姿勢角、舵角などの運動状態量を、機体に予め設けられたセンサ等から取得する。 候補値算出手段では、異なる2以上の推定手法、例えば、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ、フーリエ変換回帰法、ニューラルネットワーク法及びパーティクルフィルタなどから何れか異なる2つ以上の手法により、運動状態量に基づいて空力係数推定値を算出するための候補となる候補値を夫々算出する。 空力係数推定値決定手段では、これらの候補値から最も妥当な空力係数推定値を選択又は演算して、最終的に空力係数推定値を決定する。 このように、異なる2つ以上の手法により空力係数推定値の候補値を算出した上で、これらから最終的に空力係数推定値を決定するので、空力係数推定値を演算する際の冗長化を図ることができ、信頼性の高い空力係数を演算することができる。 上記した本発明において、前記空力係数推定値決定手段が、各前記候補値の平均値又は中間値を空力係数推定値として決定することが好ましい。 上記した本発明において、前記空力係数推定値決定手段が、各前記候補値に基づいて夫々演算された運動状態量の再現値のうち、前記運動状態量に最も一致する前記再現値に対応した前記候補値を空力係数推定値として決定することが好ましい。 本発明によれば、各候補値を用いて、運動状態量の再現値を演算することができる。 このため、各候補値から求められた運動状態量の再現値を運動状態量取得手段により取得された実際の運動状態量と比較して、実際の運動状態量に最も一致する再現値に対応する候補値を空力係数推定値として決定するので、空力係数推定値を演算する際の冗長化を図ることができ、信頼性の高い空力係数を演算することができる。 本発明は、舵面の故障・損傷の可能性を判定する故障・損傷可能性判定手段と、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の空力係数推定装置と、前記故障・損傷可能性判定手段により舵面に故障・損傷が生じている可能性があると判定された場合に、前記空力係数推定装置により推定された空力係数推定値に基づいて、何れの舵面が故障・損傷しているかを検出する舵面故障・損傷検出手段とを備えた舵面故障・損傷検出装置を提供する。 本発明によれば、舵面に故障・損傷の可能性があると判定された場合に、空力係数推定値を算出して、これに基づいて何れの舵面が故障・損傷しているかを検出するので、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 上記した本発明において、前記故障・損傷可能性判定手段が、機体に運動が生じないように舵面を駆動するための舵角指令信号を生成する他の舵角指令生成信号と、前記舵角指令信号に基づいて前記機体に設けられた舵面が駆動したことに起因する前記機体の運動状態量を取得する他の運動状態量取得手段とを備え、前記運動状態量に基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定することが好ましい。 本発明によれば、他の舵角指令生成信号では、舵面の故障・損傷の可能性を判定するために、機体に運動が生じないような舵角の組み合わせにて各舵面を駆動するための舵角指令信号を生成する。 他の運動状態量取得手段では、舵面の故障・損傷の可能性を判定するために生成された舵角指令信号に従って舵面が駆動されたことによる機体の運動状態量を取得する。 このとき、本来機体は運動しないが、得られた運動状態量から、機体に運動が生じたと判断できる場合に、故障・損傷可能性判定手段が、運動状態量に基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定する。 このように、舵面に故障・損傷の可能性がなければ、機体の運動が生じないことから、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時又は定期的に舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 上記した本発明において、前記故障・損傷可能性判定手段が、所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号を生成する更に他の舵角指令信号生成手段と、前記舵角指令信号に基づいて飛行中の機体の運動状態量を取得する更に他の運動状態量取得手段と、前記機体が正常であると仮定した場合の運動状態量を予測した運動状態量予測値を演算する運動状態量予測手段とを備え、前記運動状態量と前記運動状態量予測値とに基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定することが好ましい。 本発明によれば、飛行中の実際の運動状態量と、機体が正常であると仮定した場合の運動状態量予測値とに基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定することにより、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 上記した本発明において、機体に敷設された光ファイバ又は電線と、前記光ファイバ又は電線の異常を検知する検知手段とを備えると共に、前記故障・損傷可能性判定手段が、前記機体を所望の姿勢に変更・維持するための舵角指令信号を生成する更に他の舵角指令信号生成手段と、前記舵角指令信号に基づいて前記機体に設けられた舵面が駆動したことに起因する舵角を取得する舵角取得手段と、前記機体が正常であると仮定した場合の前記舵角指令信号に基づく舵角を予測した舵角予測値を演算する舵角予測手段とを備え、前記検知手段の検知結果に基づいて舵面の損傷の可能性を判定すると共に、前記舵角と前記舵角予測値とに基づいて舵面の故障の可能性を判定することが好ましい。 本発明によれば、光ファイバ又は電線から得られる異常検知結果に基づいて舵面の損傷の可能性を判定すると共に、飛行中の実際の舵角と機体が正常であると仮定した場合の舵角予測値とに基づいて舵面の故障の可能性を判定することにより、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 上記した本発明において、前記舵面故障・損傷検出手段が、前記空力係数推定値と、機体の正常時における空力係数推定値又は前回故障・損傷検出を行った際の空力係数推定値とを比較することにより舵面の故障・損傷を検出することが好ましい。 このように、搭乗者への負担を軽減しつつ信頼性の高い空力係数推定値を演算することができ、この空力係数推定値を用いることにより正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 〔第1の実施形態〕 フライトコントロールシステム2は、航空機全体を制御するシステムであり、機体や飛行の状態に応じて飛行制御則を構成すると共に、空力係数推定装置1によって推定された空力係数推定値に基づいて、飛行制御則を再構成する。 そして、フライトコントロールシステム2は、飛行制御則に従って、航空機に設けられた各種機器(図示せず)に制御信号を出力する。 空力係数推定装置1は、舵角指令信号生成部(舵角指令信号生成手段)5、センサ情報取得部(運動状態量取得手段)6、候補値算出部(候補値算出手段)7及び空力係数推定値決定部(空力係数推定値決定手段)8を備えている。 舵角指令信号生成部5は、空力係数を推定するために機体にある程度の運動が生じるように舵面3を駆動するような舵角指令信号を生成するものであり、舵面3をこの舵角指令信号に従って駆動させるために、生成した舵角指令信号をフライトコントロールシステム2に出力する。 また、フライトコントロールシステム2は、航空機の飛行中において、所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号を生成し、これに対し舵角指令信号生成部5が生成した舵角指令信号を重畳して図示しないアクチュエータシステムに出力する。 候補値算出部7は、拡張カルマンフィルタによる演算則を記憶した演算器7A、アンセンテッドカルマンフィルタによる演算則を記憶した演算器7B、フーリエ変換回帰法による演算則を記憶した演算器7C及びニューラルネットワーク法による演算則を記憶した演算器7Dを備え、演算器7A〜7Dは、夫々が記憶する演算則に基づいてセンサ情報から空力係数を推定するための候補値を夫々算出するようになっている。 候補値算出部7では、演算器7A〜7Dによって算出された各候補値を空力係数推定値決定部8に出力する。 ここで、候補値算出部7では、演算器7A〜7Dの全てを用いて夫々候補値を演算する構成としてもよく、また演算器7A〜7Dの何れか2つ若しくは何れか3つを用いて各々の候補値を演算する構成としてもよい。 さらに、各演算器7A〜7Dにおける候補値の算出は、上記した4つの推定手法にかかる演算則に基づくものに限られず、例えば、パーティクルフィルタなど他の推定手法にかかる演算則を適用することもできる。 なお、演算器7A〜7Cにより候補値を算出するための各手法に基づく具体的な演算式等は、例えば、社団法人日本航空宇宙学会のシンポジウム等において、本発明の発明者によって既に発表されており(参考文献番号:JSASS−2009−5057)、公知であるのでここでの説明は省略する。 空力係数推定値決定部8は、候補値算出部7において算出された複数の候補値から空力係数推定値を決定する。 具体的には、各候補値の平均値又は中間値を演算し、得られた平均値または中間値を最終的に空力係数推定値と決定することができる。 この他、各候補値を用いて、各候補値に対応するセンサ情報の再現値をそれぞれ演算し、各再現値をセンサ情報と比較することにより、センサ情報と一致する若しくは最も近い値である再現値に対応する候補値を空力係数推定値と決定することができる。 決定された空力係数推定値はフライトコントロールシステム2に出力される。 以下、このように構成された空力係数推定装置1によって空力係数推定値を算出する過程について、図2のフローチャートを参照して説明する。 ステップS13では、先のステップS12により舵面3が駆動されたことにより、機体に揺れ等の舵角指令信号に従った運動が生じるため、センサ4で常時又は定期的に取得している機体の運動状態量に変化が生じる。 そこで、センサ4によりこの運動状態量をセンサ情報として検知し、センサ情報をセンサ情報取得部6に出力する。 ステップS14では、候補値算出部7の演算器7A〜7Dにより夫々候補値を演算し、演算結果を空力係数推定値決定部8へ出力する。 次のステップS15において、空力係数推定値決定部8は、候補値算出部7から入力された各候補値に基づいて最終的な空力係数推定値を決定し、決定された空力係数推定値をフライトコントロールシステム2へ出力し、本ルーチンを終了する。 なお、フライトコントロールシステム2では、空力係数推定値入力を受けて、飛行制御則を再構成することができる。 このように、演算器7A〜7Dを用いることにより異なる2つ以上の手法に基づいて空力係数推定値を推定するための候補値を算出した上で、これらから最終的に空力係数推定値を決定するので、空力係数推定値を演算する際の冗長化を図ることができ、信頼性の高い空力係数を演算することができる。 また、演算器7A〜7Dに適用されている拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ、フーリエ変換回帰法及びニューラルネットワーク法は、候補値を算出するに際してのセンサ情報として機体の角加速度を必要としないため、機体に角加速度を検出するためのセンサを設ける必要がなく、機体の重量増加を避けることができる。 〔第2の実施形態〕 舵面故障・損傷検出装置11に備えられた空力係数推定装置10は、上述した第1の実施形態における空力係数推定装置1と同様の構成であるが、舵面故障・損傷検出装置11に適用されるための構成を備えている点で相違する。 以下、空力推定装置1と同一の構成についてはその説明を省略し、相違する構成について説明する。 具体的には、舵角指令信号生成部5が、空力係数を推定するために、機体にある程度の運動が生じるように舵面3が駆動するような空力係数推定用の舵角指令信号を生成する他に、舵面の故障・損傷の可能性を判定するために、機体に運動が生じないような舵角の組み合わせにて各舵面を駆動するための故障・損傷確認用の舵角指令信号(Tkern)を予め記憶させている正常に飛行している場合の空力係数や、前回故障・損傷を検出した際の空力係数推定値に基づいて生成する。 このため、舵角指令信号生成部5は、空力係数推定用の舵角指令信号を生成する空力係数推定用操舵器5A及び故障・損傷確認用の舵角指令信号を生成する故障・損傷確認用操舵器5Bを備えている。 また、フライトコントロールシステム2は、航空機の飛行中において、所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号を生成し、これに対し舵角指令信号生成部5が生成した舵角指令信号を重畳した舵角指令信号をアクチュエータシステムに出力する。 空力係数推定装置10は、後述する故障・損傷可能性判定部12により故障・損傷の可能性が判定された場合に空力係数推定値の演算を行うため、候補値算出部7に、故障・損傷可能性判定部12により故障・損傷が判定された場合にのみセンサ情報が入力されるように切替スイッチ13が設けられている。 故障・損傷可能性判定部12は、センサ情報取得部6、舵角指令信号生成部5及びフライトコントロールシステム2と接続され、センサ情報取得部6、舵角指令信号生成部5及びフライトコントロールシステム2との間で各種情報の授受が可能となっている。 また故障・損傷可能性判定部12は、舵角指令信号生成部5との間に切替スイッチ14を備えており、舵面の故障・損傷の可能性判定を行う際には、故障・損傷確認用操舵器5Bから舵角指令信号が入力されるように切り替えられると共に、舵面に故障・損傷の可能性があると判定された場合には、空力係数推定用操舵器5Aから舵角指令信号が入力されるように切り替えられるようになっている。 故障・損傷の可能性の判定を行う際には、故障・損傷可能性判定部12は、故障・損傷確認用操舵器5Bから出力された故障・損傷確認用の舵角指令信号の入力を受付け、故障・損傷確認用の舵角指令信号をフライトコントロールシステム2に出力する。 故障・損傷可能性判定部12は、この故障・損傷確認用の舵角指令信号に従って舵面3が駆動した際のセンサ情報をセンサ情報取得部6から取得して、例えば、予め設定された閾値とセンサ情報とを比較することにより、舵面3の何れかに故障・損傷が生じている可能性があるか否かを判定する。 一方、舵面に故障・損傷の可能性があると判定された場合には、空力係数推定用操舵器5Aから空力係数推定用の舵角指令信号の入力を受付け、空力係数推定用の舵角指令信号をフライトコントロールシステム2に出力する。 なお、切替スイッチ13と切替スイッチ14の動作は連動しており、切替スイッチ14により故障・損傷可能性判定部12が故障・損傷確認用操舵器5Bと接続されている場合には、切替スイッチ13がOFFとなっており、センサ情報は演算器7A〜7Dに入力されないようになっている。 また、切替スイッチ14により故障・損傷可能性判定部12が空力係数推定用操舵器5Aと接続されている場合には、スイッチ13がONとなりセンサ情報が演算器7A〜7Dに入力されるようになっている。 舵面故障・損傷検出部15は、舵面3に故障・損傷の可能性があると判定された場合に、空力係数推定装置10により演算された空力係数推定値の入力を受けて、これに基づいて何れの舵面が故障・損傷しているかを検出する。 故障・損傷の検出には、例えば、舵面故障・損傷検出部15に航空機が正常に飛行している場合の空力係数を予め記憶させておき、この空力係数と空力係数推定装置10から出力された空力係数とを比較し、比較結果に基づいて何れの舵面が故障・損傷しているかを検出することができる。 また、舵面の故障・損傷が進展する場合などには、前回故障・損傷を検出した際の空力係数推定値と比較し、比較結果に基づいて舵面の故障・損傷を検出することができる。 舵面故障・損傷検出結果は、フライトコントロールシステム2、舵角指令信号生成部5、及び表示装置16に出力される。 舵面故障・損傷検出結果及び空力係数推定値が入力された場合、舵角指令信号生成部5では、故障・損傷箇所等を反映させた上で次回以降の舵角指令信号生成に利用し、フライトコントロールシステム2では、舵面故障・損傷検出結果及び空力係数推定値に基づいて、舵面の故障・損傷の程度に応じて、故障・損傷した舵面を用いるか否かの決定や飛行制御則の再構成を行う。 また表示装置16では、舵面故障・損傷検出結果が入力されるので操縦者等に何れの舵面が故障・損傷したかを報知する。 以下、このように構成された舵面故障・損傷検出装置11によって舵面の故障・損傷を判定する過程について、図4のフローチャートを参照して説明する。 ステップS23において、センサ4で常時又は定期的に機体の運動状態量をセンサ情報として取得し、センサ4がセンサ情報をセンサ情報取得部6に出力する。 センサ情報は、センサ情報取得部6から故障・損傷可能性判定部12に出力され、ステップS24において故障・損傷の可能性があるか否かを判定する。 即ち、故障・損傷可能性判定部12では、故障・損傷確認用の舵角指令信号に従って舵面3が駆動されても、本来は機体に運動が生じないはずである。 センサ4から得られたセンサ情報から、機体に揺れ等の運動が生じたと判断できる場合に、故障・損傷可能性判定部12により舵面に故障・損傷の可能性があると判定し次のステップS25に進む。 一方、センサ情報から機体にゆれ等の運動が生じていないと判断できる場合には、故障・損傷の可能性がないと判定する。 ステップS24の判定は定期的に繰り返される。 ステップS25では、故障・損傷可能性判定部12により、舵面に故障・損傷の可能性があると判定されたことを受けて、空力係数推定装置10により空力係数を推定するために、切替スイッチ13及び切替スイッチ14を切り替える。 これにより、故障・損傷可能性判定部12と空力係数推定用操舵器5Aとが接続され、センサ情報取得部6と演算器7A〜7Bが夫々接続される。 次のステップS26では、空力係数推定用操舵器5Aにより、空力係数推定用の舵角指令信号を生成し、フライトコントロールシステム2に出力し、次のステップS27に進む。 ステップS27において、フライトコントロールシステム2では、所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号を生成し、これに対し舵角指令信号生成部5が生成した舵角指令信号を重畳した舵角指令信号を図示しないアクチュエータシステムに出力し、アクチュエータシステムにより舵面3を空力係数推定用の舵角指令信号に従って駆動する。 ステップS28では、先のステップS27により舵面3が駆動されたことにより、機体に揺れ等の舵角指令信号に従った運動が生じるため、センサ4で常時又は定期的に取得している機体の運動状態量に変化が生じる。 そこで、センサ4によりこの運動状態量をセンサ情報として検知し、センサ情報をセンサ情報取得部6に出力する。 ステップS29では、候補値算出部7の演算器7A〜7Dにより夫々候補値を演算し、演算結果を空力係数推定値決定部8へ出力する。 次のステップS30において、空力係数推定値決定部8は、候補値算出部7から入力された各候補値に基づいて最終的な空力係数推定値を決定し、決定された空力係数推定値を舵面故障・損傷検出部15、舵角指令信号生成部5及びフライトコントロールシステム2へ出力する。 さらにステップS31では、舵面故障・損傷検出部15により空力係数推定値に基づいて何れの舵面が故障・損傷しているかを検出する。 舵面故障・損傷検出結果は、フライトコントロールシステム2、舵角指令信号生成部5及び表示装置16に出力され、本ルーチンを終了する。 このように、舵面の故障・損傷検出に際して、予め故障・損傷の可能性を判定し、舵面に故障・損傷の可能性があると判定された場合に、空力係数推定値を算出して、これに基づいて何れの舵面が故障・損傷しているかを検出するので、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 故障・損傷検出のために空力係数を推定する際には、演算器7A〜7Dを用いることにより異なる2つ以上の手法に基づいて空力係数推定値を推定するための候補値を算出した上で、これらから最終的に空力係数推定値を決定するので、空力係数推定値を演算する際の冗長化を図ることができ、信頼性の高い空力係数を演算することができる。 〔第2の実施形態の変形例〕 故障・損傷可能性判定部12は、センサ情報取得部6、舵角指令信号生成部5、空力係数推定値決定部8、フライトコントロールシステム2及び舵面故障・損傷検出部15と接続され、これらとの間で各種情報の授受が可能となっている。 故障・損傷可能性判定部12には、予め機体運動モデルが記憶されている。 ここで、機体運動モデルとは、舵面故障・損傷検出装置が適用される航空機の設計時において得られる航空機の運動を表現する数式モデルであり、機体が正常である場合には、機体の運動状態量を機体運動モデルから演算して得ることが可能である。 このため、故障・損傷可能性判定部12では、航空機の飛行中に常時又は定期的に、この機体運動モデルとフライトコントロールシステム2にて生成される航空機の飛行時に所望の機体姿勢への変更或いは維持を実現するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号とから、機体が正常であると仮定した場合の運動状態量を予測した運動状態量予測値を演算する。 故障・損傷可能性判定部12は、併せて、フライトコントロールシステム2にて生成される航空機の飛行中における機体姿勢の変更或いは維持するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号に基づいた飛行中の機体の実際の運動状態量をセンサ情報としてセンサ情報取得部6から取得する。 故障・損傷の可能性の判定を行う際には、故障・損傷可能性判定部12は、フライトコントロールシステム2から出力された機体姿勢を変更・維持するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号に従って舵面3が駆動した際のセンサ情報をセンサ情報取得部6から取得する。 そして、演算した運動状態量予測値とセンサ情報とを比較し、両者の差に基づいて、舵面3の何れかに故障・損傷が生じている可能性があるか否かを判定する。 即ち、両者の差が、予め定めた閾値を超えている場合には、舵面3の何れかに故障・損傷が生じている可能性があると判定し、閾値を超えない場合には、舵面3の何れかに故障・損傷が生じている可能性がないと判定する。 舵面に故障・損傷の可能性があると判定された場合には、空力係数推定用操舵器5Aから空力係数推定用の舵角指令信号の入力を受付け、空力係数推定用の舵角指令信号をフライトコントロールシステム2に出力し、空力係数推定装置10により空力係数が推定され、舵面故障・損傷検出部15により舵面3の故障・損傷が検出される。 舵面3に故障・損傷があると検出された場合には、検出結果が、フライトコントロールシステム2、表示装置16、舵角指令信号生成部5及び故障・損傷可能性判定部12に出力される。 舵角指令信号生成部5及び故障・損傷可能性判定部12では、舵面3の故障・損傷が進展する場合に備えて、故障・損傷の検出結果及び空力係数推定値を蓄積し、次回の故障・損傷可能性判定に反映させる。 即ち、機体運動モデルに基づく運動状態量予測値の演算の際に、既に得られた故障・損傷検出結果及び空力係数推定値を反映させて、実際の運動状態量と比較することにより、舵面3の故障・損傷が進展した場合にも、故障・損傷の進展を検出することができる。 このように、飛行中の実際の運動状態量と、機体が正常であると仮定した場合の運動状態量予測値とに基づいて舵面の故障・損傷の可能性を判定することにより、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 〔第2の実施形態の他の変形例〕 本実施形態における舵面故障・損傷検出装置が適用される航空機の機体には、機体の歪や損傷を検出するための光ファイバ又は電線が機体表層面又は表層中に敷設されている(図示せず)。 この光ファイバ又は電線は、機体に歪が生じると透過光量又は抵抗値が変化し、機体に損傷が生じると光又は電気の導通がなくなるため、透過光量又は抵抗値に基づいて異常を検知する検知センサと接続されている。 故障・損傷可能性判定部12は、センサ情報取得部6、舵角指令信号生成部5、空力係数推定値決定部8、フライトコントロールシステム2及び舵面故障・損傷検出部15と接続され、これらとの間で各種情報の授受が可能となっている。 故障・損傷可能性判定部12には、予め舵面駆動モデルが記憶されている。 ここで、舵面駆動モデルとは、舵面故障・損傷検出装置が適用される航空機の設計時において得られるアクチュエータシステム等を含めた舵面駆動システムの数式モデルであり、舵面が正常である場合には、舵角指令信号に基づいて舵面が駆動したことによる舵角を舵面駆動モデルから演算して得ることが可能である。 このため、故障・損傷可能性判定部12では、航空機の飛行中に常時、この舵面駆動モデルと航空機の飛行時に所望の機体姿勢へ変更或いは維持するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号とから、機体が正常であると仮定した場合の舵角を予測した舵角予測値を演算する。 故障・損傷可能性判定部12は、併せて、航空機の飛行中における機体姿勢を変更・維持するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号に基づいて飛行中の機体の実際の舵角をセンサ情報としてセンサ情報取得部6から取得する。 故障・損傷の可能性の判定を行う際には、故障・損傷可能性判定部12は、検知センサからの検出結果を受付け、舵面の損傷の可能性を判定する。 即ち、検知センサから得られた検知結果が異常である場合は、舵面に損傷の可能性があると判定され、正常である場合には、舵面に損傷の可能性がないと判定される。 また、故障・損傷可能性判定部12は、フライトコントロールシステム2から出力された機体姿勢を変更・維持するための舵角指令信号又はこれに故障・損傷確認用の舵角指令信号を重畳した舵角指令信号の入力を受付け、この舵角指令信号に従って舵面3が駆動した際の舵角をセンサ情報取得部6から取得する。 そして、演算した舵角予測値と舵角とを比較し、両者の差に基づいて、舵面3の何れかに故障が生じている可能性があるか否かを判定する。 舵面3に故障・損傷の可能性があると判定された場合には、故障・損傷可能性判定部12は、空力係数推定用操舵器5Aから空力係数推定用の舵角指令信号の入力を受付け、空力係数推定用の舵角指令信号をフライトコントロールシステム2に出力し、空力係数推定装置10により空力係数が推定され、舵面故障・損傷検出部15により舵面3の故障・損傷が検出される。 舵面3に故障・損傷があると検出された場合には、検出結果が、フライトコントロールシステム2、表示装置16、舵角指令信号生成部5及び故障・損傷可能性判定部12に出力される。 舵角指令信号生成部5及び故障・損傷可能性判定部12では、舵面3の故障・損傷が進展する場合に備えて、故障・損傷の検出結果及び空力微係数推定値を蓄積し、次回の故障・損傷可能性判定に反映させる。 このように、光ファイバ又は電線から得られる異常検知結果に基づいて舵面の損傷の可能性を判定すると共に、飛行中の実際の舵角と機体が正常であると仮定した場合の舵角予測値とに基づいて舵面の故障の可能性を判定することにより、機体の不要な揺れ等の不要な運動を最小限に抑制して搭乗者への負担を軽減しつつ、常時舵面の故障・損傷を監視して正確に舵面の故障・損傷を検出することができる。 なお、故障・損傷の可能性判定に際しては、機体運動モデルに基づく運動状態量予測値と実際の運動状態量の比較結果に基づく可能性判定や、光ファイバ又は電線から得られる異常検出結果及び舵面駆動モデルに基づく舵角予測値と実際の舵角との比較結果に基づく可能性判定に加えて、上述した故障・損傷確認用操舵器5Bから出力される故障・損傷確認用の舵角指令信号に従った運動状態量に基づく可能性判定を行ってもよい。 この場合には、舵面故障・損傷検出装置を、例えば、図6に示すような構成とすることで、実現することもできる。 具体的には、故障・損傷可能性判定ロジック部17に機体運動モデルに基づく運動状態量予測値と実際の運動状態量の比較結果に基づく可能性判定に係る情報を格納した演算器17A、光ファイバ又は電線から得られる異常検出結果及び舵面駆動モデルに基づく舵角予測値と実際の舵角との比較結果に基づく可能性判定に係る情報を格納した演算器17B、及び故障・損傷確認用の舵角指令信号に従った運動状態量に基づく可能性判定にかかる情報を格納した演算器17Cを備えておく。 そして、何れかの手法に基づく可能性判定を行うように故障・損傷可能性判定ロジック部17と切替スイッチ14との接続が切替えられて、所望の可能性判定が実行される。 その後、適宜他の手法による可能性判定を行うなど、2つ又は3つの手法を組み合わせた可能性判定を行うように順次切替えることも可能である。 1 空力係数推定装置2 フライトコントロールシステム3 舵面4 センサ5 舵角指令信号生成部(舵角指令信号生成手段) |