位置決めシステムおよび位置決め方法

申请号 JP2015147644 申请日 2015-07-27 公开(公告)号 JP2017024140A 公开(公告)日 2017-02-02
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 清水 隆之; 梓澤 直人; 鶴田 健一; 東 宏城; 後藤 拓也;
摘要 【課題】把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく 位置 決め装置に確実に位置決めする。 【解決手段】板状構造部材を搬送する把持装置300,301と、板状構造部材を位置決めする組立用治具と、制御装置500とを備え、組立用治具は、板状構造部材を支持する支持部と、位置決めピンと、位置決めピンを移動させるスライド機構130,131とを有し、制御装置500は、板状構造部材が支持部に支持され、かつ位置決め孔が位置決めピンが延びる軸線上に配置された配置状態となるように把持装置300,301を制御する第1制御部501と、第1制御部501により配置状態とされた板状構造部材の位置決め孔に位置決めピンを挿入するようスライド機構130,131を制御する第2制御部502とを有する組立システム600を提供する。 【選択図】図9
权利要求

位置決め孔が形成された板状部材を把持した状態で搬送する把持装置と、 前記板状部材を位置決めする位置決め装置と、 前記把持装置および前記位置決め装置を制御する制御装置とを備え、 前記位置決め装置は、 前記板状部材の第1面を支持する支持部と、 前記板状部材の前記第1面から第2面へ向けて前記位置決め孔に挿入される位置決め突起部と、 該位置決め突起部が延びる軸線に沿って該位置決め突起部を移動させる移動機構とを有し、 前記制御装置は、 前記板状部材の前記第1面が前記支持部に支持され、かつ前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置された配置状態となるように前記把持装置を制御する第1制御部と、 該第1制御部により前記配置状態とされた前記板状部材の前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する第2制御部とを有する位置決めシステム。前記板状部材は、少なくとも所定方向に沿って曲率を有するとともに該所定方向の両端部に一対の前記位置決め孔が形成されており、 前記位置決め装置は、前記一対の位置決め孔に挿入される一対の前記位置決め突起部を有し、 前記配置状態とされた前記板状部材の前記所定方向の前記両端部のそれぞれにおいて前記位置決め突起部が延びる前記軸線と前記第1面とが直交する請求項1に記載の位置決めシステム。前記第1制御部は、前記移動機構により前記位置決め突起部が前記位置決め孔に挿入された後に、前記板状部材を把持した状態を解除するよう前記把持装置を制御する請求項1または請求項2に記載の位置決めシステム。前記第1制御部は、前記移動機構により前記位置決め突起部が前記位置決め孔から引き抜かれる前に、前記支持部に前記第1面が支持された前記板状部材を把持するよう前記把持装置を制御する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位置決めシステム。前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置されていることを検出する検出装置を備え、 前記第2制御部は、前記検出装置により前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置されていることが検出された場合に、前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位置決めシステム。前記移動機構が前記位置決め突起部を移動させるのに要する荷重を計測する荷重計測部を備え、 前記移動機構は、前記荷重計測部が計測する荷重が所定の制限荷重以上となる場合に前記位置決め突起部の移動を停止させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の位置決めシステム。位置決め孔が形成された板状部材を把持した状態で搬送する把持装置と、前記板状部材を位置決めする位置決め装置とを備える位置決めシステムにより実行される位置決め方法であって、 前記位置決め装置は、 前記板状部材の第1面を支持する支持部と、 前記板状部材の前記第1面から第2面へ向けて前記位置決め孔に挿入される位置決め突起部と、 該位置決め突起部が延びる軸線に沿って該位置決め突起部を移動させる移動機構とを有し、 前記板状部材の前記第1面が前記支持部に支持され、かつ前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置された配置状態となるように前記把持装置を制御する第1制御工程と、 該第1制御工程により前記配置状態とされた前記板状部材の前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する第2制御工程とを備える位置決め方法。

说明书全文

本発明は、板状部材を位置決め装置に位置決めする位置決めシステムおよび位置決め方法に関するものである。

従来、航空機胴体等の大型の構造部材を、多関節アームを有するロボットを用いて位置付けする自動位置付けシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。 特許文献1には、ロボットアームに取り付けられた支持体に胴体部品を配置し、支持体に配置した胴体部品をロボットアームによって他の胴体部品に位置付けすることが開示されている。また、特許文献1には、2つの胴体部品をリベット締め等によって結合する前に、胴体部品のアライメントを支持体で維持することにより、ロボットを他の動作を実行するために解放することが開示されている。

特開2011−136416号公報

しかしながら、特許文献1においては、ロボットにより位置決めされた胴体部品のアライメントを維持する支持体の具体的な構造についての開示はなく、リベット締め等により胴体部品を結合する際に構造部材を位置決めした状態をどのように維持するかについて何ら示唆するものではない。 ロボット等の構造部材を把持する把持装置を用いて構造部材を位置決め装置に位置決めする場合には、把持装置が構造部材を搬送する際に構造部材が位置決め装置に接触して損傷する可能性がある。しかしながら、特許文献1には、把持装置により搬送される構造部材の損傷を防止することについての何らの開示もされていない。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく位置決め装置に確実に位置決めすることを可能にした位置決めシステムおよび位置決め方法を提供することを目的とする。

上記した課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。 本発明の一態様にかかる位置決めシステムは、位置決め孔が形成された板状部材を把持した状態で搬送する把持装置と、前記板状部材を位置決めする位置決め装置と、前記把持装置および前記位置決め装置を制御する制御装置とを備え、前記位置決め装置は、前記板状部材の第1面を支持する支持部と、前記板状部材の前記第1面から第2面へ向けて前記位置決め孔に挿入される位置決め突起部と、該位置決め突起部が延びる軸線に沿って該位置決め突起部を移動させる移動機構とを有し、前記制御装置は、前記板状部材の前記第1面が前記支持部に支持され、かつ前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置された配置状態となるように前記把持装置を制御する第1制御部と、該第1制御部により前記配置状態とされた前記板状部材の前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する第2制御部とを有する。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムによれば、板状部材の第1面が支持部に支持され、かつ位置決め孔が位置決め突起部が延びる軸線上に配置された配置状態となるように把持装置が制御される。板状部材が配置状態となるように把持装置により搬送される際には、位置決め突起部の移動機構による移動が行われていないため、把持装置による搬送により板状部材が位置決め突起部に接触して損傷することはない。位置決め突起部は、移動機構により、把持装置が板状部材を前述の配置状態に配置した後に板状部材の位置決め孔に挿入するように移動する。そのため、板状部材の第1面が支持部に支持された状態の板状部材が、位置決め装置に確実に位置決めされる。 このように、本発明の一態様にかかる位置決めシステムによれば、把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく位置決め装置に確実に位置決めすることが可能となる。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムにおいて、前記板状部材は、少なくとも所定方向に沿って曲率を有するとともに該所定方向の両端部に一対の前記位置決め孔が形成されており、前記位置決め装置は、前記一対の位置決め孔に挿入される一対の前記位置決め突起部を有し、前記配置状態とされた前記板状部材の前記所定方向の前記両端部のそれぞれにおいて前記位置決め突起部が延びる前記軸線と前記第1面とが直交する構成であってもよい。

板状部材が所定方向に曲率を有するとともに所定方向の両端部に一対の位置決め孔が形成されている場合、一対の位置決め突起部の先端部同士の間隔と一対の位置決め突起部の基端部同士の間隔とは異なったものとなる。これは、所定方向に曲率を有する板状部材の形状に沿って一対の位置決め突起部が挿入されるため、位置決め突起部が延びる軸線方向が位置決め装置が設置される設置面に対する鉛直方向から傾斜しているためである。そのため、一対の位置決め突起部を固定したままとする場合、一対の位置決め突起部の先端部同士の間隔と一対の位置決め突起部の基端部同士の間隔とが異なるため、一対の位置決め孔を一対の位置決め突起部の先端部に挿入することは困難である。

本構成にかかる位置決めシステムによれば、移動機構が配置状態とされた板状部材の所定方向の両端部のそれぞれにおいて位置決め突起部が延びる軸線と第1面とが直交する。そのため、板状部材を配置状態とするまでは一対の位置決め突起部の先端部が突出した状態としないことにより、把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく前述した配置状態とし、その後に位置決め装置に確実に位置決めすることが可能となる。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムにおいて、前記第1制御部は、前記移動機構により前記位置決め突起部が前記位置決め孔に挿入された後に、前記板状部材を把持した状態を解除するよう前記把持装置を制御してもよい。 このようにすることで、位置決め突起部が位置決め孔に挿入されて板状部材が位置決め装置に確実に位置決めされるまでの間に、板状部材の配置状態が変化してしまう不具合を抑制することができる。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムにおいて、前記第1制御部は、前記移動機構により前記位置決め突起部が前記位置決め孔から引き抜かれる前に、前記支持部に前記第1面が支持された前記板状部材を把持するよう前記把持装置を制御してもよい。 このようにすることで、位置決め突起部が位置決め孔から引き抜かれて位置決めが解除される際に、板状部材の配置状態が変化してしまう不具合を抑制することができる。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムにおいて、前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置されていることを検出する検出装置を備え、前記第2制御部は、前記検出装置により前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置されていることが検出された場合に、前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する構成であってもよい。

本構成にかかる位置決めシステムによれば、位置決め孔が位置決め突起部が延びる軸線上に配置されていることが検出装置により検出された場合に位置決め突起部が移動機構により移動する。そのため、位置決め孔が位置決め突起部が延びる軸線上に配置されていない場合(例えば、位置決め誤差や何らかの不具合が発生した場合)に、誤って位置決め突起部を移動させて板状部材を損傷させてしまう不具合を抑制することができる。

本発明の一態様にかかる位置決めシステムにおいて、前記移動機構が前記位置決め突起部を移動させるのに要する荷重を計測する荷重計測部を備え、前記移動機構は、前記荷重計測部が計測する荷重が所定の制限荷重以上となる場合に前記位置決め突起部の移動を停止させるようにしてもよい。 このようにすることで、例えば、位置決め孔が位置決め突起部が延びる軸線上に配置されていない場合(例えば、位置決め誤差や何らかの不具合が発生した場合)に、誤って位置決め突起部を移動させたとしても、板状部材を損傷させてしまう不具合を抑制することができる。

本発明の一態様にかかる位置決め方法は、位置決め孔が形成された板状部材を把持した状態で搬送する把持装置と、前記板状部材を位置決めする位置決め装置とを備える位置決めシステムにより実行される位置決め方法であって、前記位置決め装置は、前記板状部材の第1面を支持する支持部と、前記板状部材の前記第1面から第2面へ向けて前記位置決め孔に挿入される位置決め突起部と、該位置決め突起部が延びる軸線に沿って該位置決め突起部を移動させる移動機構とを有し、前記板状部材の前記第1面が前記支持部に支持され、かつ前記位置決め孔が前記位置決め突起部が延びる前記軸線上に配置された配置状態となるように前記把持装置を制御する第1制御工程と、該第1制御工程により前記配置状態とされた前記板状部材の前記位置決め孔に前記位置決め突起部を挿入するよう前記移動機構を制御する第2制御工程とを備える。

本発明の一態様にかかる位置決め方法によれば、第1制御工程により、板状部材の第1面が支持部に支持され、かつ位置決め孔が位置決め突起部が延びる軸線上に配置された配置状態となるように把持装置が制御される。板状部材が配置状態となるように把持装置により搬送される際には、位置決め突起部の移動機構による移動が行われていないため、把持装置による搬送により板状部材が位置決め突起部に接触して損傷することはない。また、第2制御工程により、位置決め突起部は、把持装置が板状部材を前述の配置状態に配置した後に板状部材の位置決め孔に挿入するように移動機構により移動する。そのため、板状部材の第1面が支持部に支持された状態の板状部材が、位置決め装置に確実に位置決めされる。 このように、本発明の一態様にかかる位置決め方法によれば、把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく位置決め装置に確実に位置決めすることが可能となる。

本発明によれば、把持装置により把持した状態で搬送される板状部材を損傷させることなく位置決め装置に確実に位置決めすることを可能にした位置決めシステムおよび位置決め方法を提供することができる。

第1実施形態の組立用治具を示す斜視図である。

第1実施形態の板状構造部材を示す平面図である。

板状構造部材を位置決めした状態の組立用治具を示す斜視図である。

第1実施形態の組立システムを示す平面図である。

第1実施形態の組立システムを示す平面図である。

第1実施形態の組立システムを示す平面図である。

図6に示す組立用治具のA−A矢視縦断面図であり、位置決め孔に位置決めピンが挿入されない状態を示す図である。

図6に示す組立用治具のA−A矢視縦断面図であり、位置決め孔に位置決めピンが挿入された状態を示す図である。

第1実施形態の組立システムの制御構成を示すブロック図である。

第1実施形態の制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。

第2実施形態の位置決め部を示す縦断面図であり、位置決め孔に位置決めピンが挿入されない状態を示す図である。

第2実施形態の位置決め部を示す縦断面図であり、位置決め孔に位置決めピンが挿入された状態を示す図である。

第3実施形態の位置決め部を示す縦断面図である。

〔第1実施形態〕 以下に、本発明の第1実施形態の組立システム600について、図面を参照して説明する。 図4から図6に示すように、本実施形態の組立システム600は、把持装置300,301が長辺方向の両端部に一対の位置決め孔220,221が形成された複数の板状構造部材200(板状部材)を把持した状態で搬送して組立用治具100(位置決め装置)に位置決めし、複数の板状構造部材200を鋲打ち(リベッティング)等の加工により組み立てるシステムである。

図1に示す組立用治具100は、長辺方向の両端部に一対の位置決め孔220,221が形成された複数の板状構造部材200(図2参照)を位置決めする装置である。 図1に示すように、組立用治具100は、一対の第1支持部材110aと複数の第2支持部材110bからなる支持部110と、支持部110に取り付けられるとともに支持部110に板状構造部材200を位置決めする一対の位置決め部120,121とを備える。 一対の第1支持部材110aは、軸線Xに沿って平行に配置される長尺状の部材であり、支持部110が設置される設置面に締結ボルト(図示略)等により固定されている。

複数の第2支持部材110bは、一端が一対の第1支持部材110aの一方に固定され、他端が一対の第1支持部材110aの他方に固定される部材である。図1に示すように、複数の第2支持部材110bのそれぞれは、軸線Xに直交する軸線Yに沿った方向に延びるように互いに平行に配置されている。 図1に示すように、第2支持部材110bは、第1支持部材110aが設置される設置面に対して軸線Yに沿った中央部が両端部よりも突出したアーチ形状となっている。第2支持部材110bが曲率を持ったアーチ形状となっているのは、板状構造部材200の下面200a(第1面;図7参照)をその形状に沿って支持するためである。複数の第2支持部材110bは、板状構造部材200の下面200aを軸線Xに沿った複数箇所で支持する。

図1に示すように、一対の位置決め部120,121は、軸線Yに沿った同一位置に配置されている。軸線Xに沿った両端側の第2支持部材110bには、軸線Yに沿った異なる3箇所の位置に一対の位置決め部120,121が3組形成されている。これら3組の一対の位置決め部120,121により3枚の板状構造部材200を位置決めすることが可能となっている。

図2に示すように、板状構造部材200は、平面視が矩形状であるとともに長辺方向の両端部のそれぞれに一対の位置決め孔220,221が形成された板状部材である。板状構造部材200の長辺方向の両端部には、それぞれ外方へ突出するように形成された一対の突出部210,211が形成されている。一対の位置決め孔220,221は、一対の突出部210,211に形成されている。図2に示すように、一対の位置決め孔220,221を結ぶ方向(第1方向)が板状構造部材200の長辺方向と一致している。

図3の斜視図に示すように、3枚の板状構造部材200は、軸線Yに沿った異なる3箇所の位置に配置される3組の一対の位置決め部120,121により支持部110に位置決めされる。 なお、図2に示す板状構造部材200は、平面視が矩形状であるものとしたが他の態様であってもよい。例えば、板状構造部材200は台形状やその他の形状の部材の両端部に一対の突出部210,211を形成したものであってもよい。

本実施形態の板状構造部材200は、例えば、航空機の胴体や主翼に用いられる長尺状の構造部材である。長辺方向の長さとしては種々の長さが採用可能であるが、例えば長辺方向が8m〜10m、短辺方向が2m程度である。また、板状構造部材200の厚みは、例えば3mm〜5mmである。

また、板状構造部材200の材料としては種々のものが採用可能であるが、例えばアルミニウム合金である。 また、図2に示す板状構造部材200は、貫通穴が形成されていないものであるが、1箇所あるいは複数箇所に貫通穴(例えば、航空機の胴体に用いられる板状構造部材200の複数箇所に形成される窓取り付け用の貫通穴)を形成したものとしてもよい。

次に、図4から図6を参照して、組立システム600により、板状構造部材200を組立用治具100に位置決めする工程について説明する。 図4に示すように、組立システム600は、組立用治具100と、板状構造部材200と、板状構造部材200を把持した状態で移動させる一対の把持装置300,301と、板状構造部材200を供給するために一時的に保持する供給台400と、組立システム600を制御する制御装置500とを備える。

一対の把持装置300,301は垂直多関節ロボットであり、先端に取り付けられる吸着ハンド部300a,301aを三次元空間上の任意の位置に任意の姿勢で位置決めすることが可能な装置である。 吸着ハンド部300a,301aは、負圧の作用により板状構造部材200の上面200b(第2面;図7参照)を吸着するものである。 また、把持装置300,301の先端側には、撮像装置300b,301bが取り付けられている。

撮像装置300bは、板状構造部材200の突出部210を撮像して画像情報を取得し、制御装置500へ送信する。制御装置500は、撮像装置300bから受信した画像情報と把持装置300に取り付けられる撮像装置300bの位置および姿勢とに基づいて、突出部210に形成される位置決め孔220の位置を算出する。 同様に、撮像装置301bは、板状構造部材200の突出部211を撮像して画像情報を取得し、制御装置500へ送信する。制御装置500は、撮像装置301bから受信した画像情報と把持装置301に取り付けられる撮像装置301bの位置および姿勢とに基づいて、突出部211に形成される位置決め孔221の位置を算出する。

一対の把持装置300,301は、図4に実線で示す初期位置から、図4に破線で示す位置へ吸着ハンド部300a,301aを移動させ、負圧の作用により板状構造部材200の上面200bを吸着する。 一対の把持装置300,301は、図5に示すように、長尺状の板状構造部材200の長辺方向の両端側を吸着ハンド部300a,301aが吸着した状態で、互いに協調しながら供給台400に保持された板状構造部材200を組立用治具100へ向けて移動させる。

一対の把持装置300,301は、図6に示すように、組立用治具100の一対の位置決め部120,121の上方に一対の位置決め孔220,221が配置される配置状態となるように板状構造部材200を移動させる。その後、一対の把持装置300,301は、一対の位置決め部120,121に一対の位置決め孔220,221が位置決めされるように、板状構造部材200を下方に向けて移動させる。

次に、組立用治具100が備える位置決め部120,121およびスライド機構130,131(移動機構)について図7および図8を参照して説明する。図7は図6に示す組立用治具100のA−A矢視縦断面図であり、位置決め孔220,221に位置決めピン120a,121aが挿入されない状態を示す図である。図8は図6に示す組立用治具100のA−A矢視断面図であり、位置決め孔220,221に位置決めピン120a,121aが挿入された状態を示す図である。 図7に示すように、位置決め部120,121は、板状構造部材200の位置決め孔220,221に挿入される位置決めピン120a,121a(位置決め突起部)と、位置決めピン120a,121aを第2支持部材110bに取り付ける取付部材120b,121bとを備える。

以下では、図4から図6に示す3組の一対の位置決め部120,121のうちの1組についてのみ説明するが、他の2組の構造も同様であるものとし、説明を省略する。 また、図4から図6に示す例は、1枚の板状構造部材200を組立用治具100に設置する例であるが、本実施形態の組立システム600は、他の2枚の板状構造部材200を他の2組の位置決め部120,121に連続的に供給台400に供給可能であるものとし、説明を省略する。

図7に示すように、一対の位置決め部120,121は、一対のスライド機構130,131を介して第2支持部材110bに取り付けられている。 スライド機構130は、位置決めピン120aが延びる軸線Z1に沿って位置決めピン120aを移動させる機構である。同様に、スライド機構131は、位置決めピン121aが延びる軸線Z2に沿って位置決めピン121aを移動させる機構である。

図7に示すように、スライド機構130は、第2支持部材110bに固定された駆動モータ130aと、駆動モータ130aの駆動軸に連結される送りねじ130bと、送りねじ130bと係合する雌ねじが内周面に形成された移動部材130cと、移動部材130cを案内するガイド部材130dとを備える。移動部材130cは、位置決めピン120aが取り付けられる取付部材120bに取り付けられている。

また、図7に示すように、スライド機構131は、第2支持部材110bに固定された駆動モータ131aと、駆動モータ131aの駆動軸に連結される送りねじ131bと、送りねじ131bと係合する雌ねじが内周面に形成された移動部材131cと、移動部材131cを案内するガイド部材131dとを備える。移動部材131cは、位置決めピン121aが取り付けられる取付部材121bに取り付けられている。

スライド機構130は、駆動モータ130aを駆動して送りねじ130bを回転させることにより、移動部材130cおよびそれに連結される位置決め部120を位置決めピン120aが延びる軸線Z1に沿って移動させる機構である。スライド機構130は、位置決め部120を軸線Z1に沿って移動させることにより、支持部110に下面200aが支持された板状構造部材200の位置決め孔220に位置決めピン120aを挿入し、板状構造部材200が位置決め部120に位置決めされた状態とする。

また、スライド機構131は、駆動モータ131aを駆動して送りねじ131bを回転させることにより、移動部材131cおよびそれに連結される位置決め部121を位置決めピン121aが延びる軸線Z2に沿って移動させる機構である。スライド機構131は、位置決め部121を軸線Z2に沿って移動させることにより、支持部110に下面200aが支持された板状構造部材200の位置決め孔221に位置決めピン121aを挿入し、板状構造部材200が位置決め部121に位置決めされた状態とする。

図7に示すように、位置決めピン120aは、軸線Z1に沿って延びる軸状に形成される部材であり、板状構造部材200の下面200aから上面200bへ向けて位置決め孔220に挿入されるものである。同様に、位置決めピン121aは、軸線Z2に沿って延びる軸状に形成される部材であり、板状構造部材200の下面200aから上面200bへ向けて位置決め孔221に挿入されるものである。

図7に示すように、位置決めピン120a,121aは、下方に位置する基端部120c,121cから先端部120d,121dへ向けて外径がODから漸次小さくなるテーパ形状となっている。位置決めピン120a,121aの基端部120c,121cから先端部120d,121dに至る部分は、断面が円形の円錐台形状となっている。

図7に示すように、板状構造部材200は、下面200aが支持部110に支持され、かつ位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置された配置状態となっている。 組立システム600の制御装置500は、板状構造部材200が把持装置300,301により図7に示す配置状態となると、スライド機構130,131を制御し、位置決めピン120a,121aを軸線Z1,Z2に沿って上方へ移動させる。 なお、位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2は、組立用治具100が設置される設置面に対して直交する鉛直方向に延びる軸線である。

図7に示すように、基端部120c,121cの外径ODは、基端部120c,121cが挿入される位置決め孔220,221の内径IDよりも小さい。そのため、位置決めピン120a,121aが軸線Z1,Z2に沿って上方へ移動すると、基端部120c,121cが位置決め孔220,221に挿入された図8に示す状態となる。

内径IDと外径ODとの差分は、組立用治具100が板状構造部材200を位置決めする際に許容される位置決め誤差(例えば0.2mm)の2倍以下となっている。このようにすることで、基端部120c,121cの外周面と位置決め孔220,221の内周面との間に形成される隙間が位置決め誤差以下に維持される。

次に、本実施形態の制御装置500が実行する処理について説明する。 本実施形態の制御装置500は、組立システム600を構成する装置であり、把持装置300,301および組立用治具100のスライド機構130,131を制御する装置である。 図9のブロック図に示すように、制御装置500は、把持装置300,301を制御する第1制御部501と、スライド機構130,131を制御する第2制御部502とを有する。

図10は、制御装置500が実行する処理を示すフローチャートである。 図10に示す各処理は、制御装置500が記憶部(図示略)に記憶される制御プログラムを読み出して実行することにより行われる処理である。 以下、制御装置500により実行される処理について説明する。

ステップS1001で、制御装置500は、組立システム600の操作者から供給台400に保持される板状構造部材200を組立用治具100まで搬送する搬送指示が入されたかどうかを判断する。 制御装置500は、搬送指示が入力されたと判断した場合はステップS1002へ処理を進める。

ステップS1002(第1制御工程)で、制御装置500の第1制御部501は、供給台400に保持される板状構造部材200を組立用治具100まで搬送する搬送指令信号を把持装置300,301へ伝達する。 搬送指令信号とは、以下の各工程を実行するように把持装置300,301を制御するための信号である。

第1の工程は、把持装置300,301の吸着ハンド部300a,301aを図4に破線で示す位置に移動させ、供給台400に保持される板状構造部材200に吸着ハンド部300a,301aを接触させて板状構造部材200を吸着する工程である。 第2の工程は、図5に示すように、吸着ハンド部300a,301aが吸着した状態の板状構造部材200を、供給台400から組立用治具100へ向けて搬送する工程である。

第3の工程は、図6に示すように、吸着ハンド部300a,301aが吸着した状態の板状構造部材200を、板状構造部材200の下面200aが支持部110に支持され、かつ位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置された配置状態(図7に示す状態)となるように位置決めする工程である。

以上の第1から第3の工程により、把持装置300,301は、供給台400に保持された板状構造部材200を搬送し、組立用治具100に支持された状態とする。なお、把持装置300,301は、第1制御部501により、第3の工程を終了した後も吸着ハンド部300a,301aが板状構造部材200を吸着した状態を維持するように制御される。 これは、位置決め孔220,221に位置決めピン120a,121aが挿入されない状態で板状構造部材200を吸着した状態を解除することにより、板状構造部材200の位置がずれることを防止するためである。

ステップS1003で、制御装置500は、板状構造部材200が、下面200aが支持部110に支持され、かつ位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置された配置状態であるかどうかを判断する。制御装置500は、板状構造部材200が前述した配置状態であると判断した場合は、ステップS1004に処理を進める。

制御装置500は、例えば、ステップS1002で把持装置300,301へ伝達した搬送指令信号に対して、把持装置300,301から搬送指令信号に対する動作の実行が完了した旨の完了信号を受信することにより、板状構造部材200が前述した配置状態であると判断する。 これは、把持装置300,301に伝達する搬送指令信号が、板状構造部材200が前述した配置状態となるように把持装置300,301を制御する信号だからである。

ステップS1004(第2制御工程)で、制御装置500の第2制御部502は、位置決めピン120a,121aを位置決め孔220,221へ挿入するための挿入指令信号をスライド機構130,131へ伝達する。 第2制御部502から挿入指令信号が伝達されたスライド機構130,131は、板状構造部材200の位置決め孔220,221に位置決めピン120a,121aを挿入し、図8に示す位置決め状態とする。

ステップS1005で、制御装置500は、板状構造部材200の位置決め孔220,221に位置決めピン120a,121aが挿入された挿入状態であるかどうかを判断し、挿入状態であると判断した場合はステップS1006に処理を進める。

制御装置500は、例えば、ステップS1004でスライド機構130,131へ伝達した挿入指令信号に対して、スライド機構130,131から挿入指令信号に対する動作の実行が完了した旨の完了信号を受信することにより、前述した挿入状態であると判断する。 これは、スライド機構130,131に伝達する挿入指令信号が、板状構造部材200が前述した挿入状態となるようにスライド機構130,131を制御する信号だからである。

ステップS1006で、制御装置500の第1制御部501は、吸着ハンド部300a,301aが板状構造部材200を吸着した状態を解除するための把持解除信号を把持装置300,301へ伝達する。把持解除信号が伝達された把持装置300,301は、吸着ハンド部300a,301aが板状構造部材200を吸着した状態を解除し、吸着ハンド部300a,301aを図4に実線で示す初期位置に移動させる。 このように、第1制御部501は、スライド機構130,131により位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221に挿入された後に、吸着ハンド部300a,301aが板状構造部材200を把持した状態を解除するよう把持装置300,301を制御する。

以上の処理により、制御装置500は、供給台400に保持される板状構造部材200を組立用治具100まで搬送する搬送指示の実行を終了する。図10に示す処理は、1枚の板状構造部材200を搬送する搬送指示を示すものであるが、例えば、3枚の板状構造部材200を組立用治具100に位置決めする場合には、図10に示す各処理が3回に渡って実行される。

3枚の板状構造部材200が3組の一対の位置決めピン120a,121aによりそれぞれ位置決めされた後、これら3枚の板状構造部材200は、鋲打ち(リベッティング)等の加工により組み立てられる。 3枚の板状構造部材200が組み立てられた後、3枚の板状構造部材200が有する突出部210,211は、切断装置(図示略)により切断される。突出部210,211を切断するのは、これらが最終製品として不要な部分であるからである。

このように、位置決め孔220,221は、最終製品として不要な部分であるために切断される突出部210,211に形成されている。そのため、最終製品として利用されない突出部210,211を活用して、組立を精度良く行うための位置決めに用いることができる。

なお、本実施形態では、位置決めピン120a、121aの移動のために駆動モータ130a、131a及び送りねじ130b、131bを用いたが、直動型のアクチュエータにより位置決めピン120a、121aを移動させてもよい。直動型のアクチュエータは、例えば、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、ソレノイド(電磁アクチュエータ)である。

以上説明した本実施形態の組立システム600が奏する作用および効果について説明する。 本実施形態の組立システム600によれば、板状構造部材200の下面200aが支持部110に支持され、かつ位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置された配置状態となるように把持装置300,301が制御される。板状構造部材200が配置状態となるように把持装置300,301により搬送される際には、位置決めピン120a,121aのスライド機構130,131による移動が行われていないため、把持装置300,301による搬送により板状構造部材200が位置決めピン120a,121aに接触して損傷することはない。

位置決めピン120a,121aは、スライド機構130,131により、把持装置300,301が板状構造部材200を前述の配置状態に配置した後に板状構造部材200の位置決め孔220,221に挿入するように移動する。そのため、板状構造部材200の下面200aが支持部110に支持された状態の板状構造部材200が、組立用治具100に確実に位置決めされる。 このように、本実施形態の組立システム600によれば、把持装置300,301により把持した状態で搬送される板状構造部材200を損傷させることなく組立用治具100に確実に位置決めすることが可能となる。

また、本実施形態の組立システム600は、第1制御部501が、スライド機構130,131により位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221に挿入された後に、板状構造部材200を把持した状態を解除するよう把持装置300,301を制御する。 このようにすることで、位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221に挿入されて板状構造部材200が組立用治具100に確実に位置決めされるまでの間に、板状構造部材200の配置状態が変化してしまう不具合を抑制することができる。

〔第2実施形態〕 次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。 第1実施形態の組立システム600は、組立用治具100のスライド機構130,131が鉛直方向に延びる軸線Z1,Z2に沿って位置決めピン120a,121aを移動させるものであった。

それに対して本実施形態の組立システムは、組立用治具のスライド機構130’,131’が鉛直方向から傾斜した方向に延びる軸線Z1’,Z2’に沿って位置決めピン120a,121aを移動させるものである。なお、本実施形態の位置決め部120,121は、組立用治具100の設置面に対する配置が異なるものの、各部の機能は第1実施形態の位置決め部120,121と同様である。本実施形態の位置決め部120,121が備える各部の機能は、第1実施形態の位置決め部120,121が備える各部の機能と同様であるため、同一の符号を付して以下での説明を省略する。

本実施形態の組立システムは、組立用治具100に配置される板状構造部材200’が短辺方向(図3のY方向)に曲率を有するとともに長辺方向(図3のX方向;所定方向)に沿って曲率を有する場合に特に有利である。 図12に示すように、長辺方向(X方向)に沿って曲率を有する板状構造部材200’は、先端部120dと先端部121dとの間の長辺方向の距離D1が、位置決め孔220’の下面200a’における中心の位置と位置決め孔221’の下面200a’における中心の位置との間の長辺方向の距離D2よりも長い。

位置決めピン120aおよび位置決めピン121aを図12に示す位置に固定したままでは、把持装置により板状構造部材200’の位置決め孔220’,221’を位置決めピン120a,121aに向けて下降させた場合に、板状構造部材200’が位置決めピン120a,121aに接触してしまう。 本実施形態では、板状構造部材200’が支持部110に支持される状態となってから位置決めピン120a,121aを位置決め孔220’,221’へ挿入することにより、板状構造部材200’が位置決めピン120a,121aに接触する不具合を抑制することができる。

本実施形態の組立システムは、スライド機構130’,131’が第1実施形態のスライド機構130,131とは異なっている。 なお、スライド機構130’が備える駆動モータ130a’,送りねじ130b’,移動部材130c’,ガイド部材130d’の機能自体は第1実施形態のスライド機構130が備える駆動モータ130a,送りねじ130b,移動部材130c,ガイド部材130dと同様である。また、スライド機構131’が備える駆動モータ131a’,送りねじ131b’,移動部材131c’,ガイド部材131d’の機能自体は第1実施形態のスライド機構131が備える駆動モータ131a,送りねじ131b,移動部材131c,ガイド部材131dと同様である。

本実施形態のスライド機構130’は、第2支持部材110bが延びる鉛直方向から傾斜した方向に送りねじ130b’が延びるように、第2支持部材110bに取り付けられている点が第1実施形態のスライド機構130と異なっている。同様に、本実施形態のスライド機構131’は、第2支持部材110bが延びる鉛直方向から傾斜した方向に送りねじ131b’が延びるように、第2支持部材110bに取り付けられている点が第1実施形態のスライド機構131と異なっている。

スライド機構130’,131’は、図11に示す配置状態とされた板状構造部材200’の長辺方向(X方向)の両端部のそれぞれにおいて、下面200a’および上面200b’と直交する軸線Z1’,Z2’方向に位置決めピン120a,121aを移動させるものである。図11に示す配置状態とされた板状構造部材200’の位置決め孔220’,221’に位置決めピン120a,121aを挿入することにより、図12に示す挿入状態となる。

以上説明した本実施形態の組立システムが奏する作用および効果について説明する。 板状構造部材200が長辺方向に曲率を有するとともに長辺方向の両端部に一対の位置決め孔220’,221’が形成されている場合、一対の位置決めピン120a,121aの先端部120d,121dの中心同士の間隔D1と一対の位置決めピン120a,121aの基端部120c,121cの中心同士の間隔D2とは異なったものとなる。これは、長辺方向に曲率を有する板状構造部材200の形状に沿って一対の位置決めピン120a,121aが挿入されるため、位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1’,Z2’方向が、鉛直方向から異なった方向に傾斜しているためである。

そのため、一対の位置決めピン120a,121aを固定したままとする場合、一対の位置決めピン120a,121aの先端部120d,121d同士の間隔D1と一対の位置決めピン120a,121aの基端部120c,121c同士の間隔D2とが異なるため、一対の位置決め孔220’,221’を一対の位置決めピン120a,121aの先端部120d,121dに挿入することは困難である。

本実施形態の組立システムによれば、スライド機構130’,131’が配置状態とされた板状構造部材200’の長辺方向の両端部のそれぞれにおいて下面200a’と直交する方向に一対の位置決めピン120a,121aを移動させるため、板状構造部材200’を配置状態とするまでは一対の位置決めピン120a,121aの先端部120d,121dが突出した状態とならない。よって、把持装置300,301により把持した状態で搬送される板状構造部材200’を損傷させることなく前述した配置状態とし、その後に組立用治具に確実に位置決めすることが可能となる。

〔第3実施形態〕 次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。

第1実施形態の制御装置500は、把持装置300,301から搬送指令信号に対する動作の実行が完了した旨の完了信号を受信した場合に、板状構造部材200が所望の配置状態にあると判断するものであった。ここで、所望の配置状態とは、板状構造部材200が、下面200aが支持部110に支持され、かつ位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置された配置状態をいう。 それに対して、本実施形態の制御装置500は、レーザセンサ120e(検出装置)または撮像装置700(検出装置)の検出結果が所望の検出結果である場合に、板状構造部材200が所望の配置状態にあると判断するものである。

本実施形態の制御装置500は、レーザセンサ120eまたは撮像装置700から位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていることを検出する検出信号を受信した場合に、板状構造部材200が所望の配置状態にあると判断する。

第1実施形態では、把持装置300,301が板状構造部材200を誤差なく正確に搬送することを前提としたものである。しかしながら、位置決め誤差や外部からの要因(例えば、板状構造部材200の障害物への接触)により、板状構造部材200を誤差なく正確に搬送できない場合もある。 本実施形態では、板状構造部材200を誤差なく正確に搬送できない場合に、位置決めピン120a,121aが板状構造部材200に接触等する不具合を抑制することができる。

図13に示すように、本実施形態のレーザセンサ120eは、位置決めピン120aの先端部120dに取り付けられるものである。レーザセンサ120eは、軸線Z1に沿って上方に向けてレーザ光を照射する発光部と、光源により照射されたレーザ光の反射光を検出するための受光部を有する。レーザセンサ120eは、板状構造部材200が支持部110に支持された状態で受光部が受光する光量が所定量以下となる場合に、位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていることを検出する。

図13に示すように、本実施形態の撮像装置700は、支持部110に配置された板状構造部材200の位置決め孔220を含む撮像領域を撮像するように配置される。撮像装置700は、位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていることを示す教示画像を予め記憶しておき、実際に撮像した画像と教示画像とが一致する場合に、位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていることを検出する。

なお、本実施形態では、レーザセンサ120eおよび撮像装置700の双方を備える組立システムを示したが、レーザセンサ120eのみを備える組立システムや、撮像装置700のみを備える組立システムとしてもよい。

本実施形態の組立システムによれば、位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていることがレーザセンサ120eまたは撮像装置700により検出された場合に位置決めピン120aがスライド機構130により移動する。そのため、位置決め孔220が位置決めピン120aが延びる軸線Z1上に配置されていない場合(例えば、位置決め誤差や何らかの不具合が発生した場合)に、誤って位置決めピン120aを移動させて板状構造部材200を損傷させてしまう不具合を抑制することができる。

〔他の実施形態〕 以上の説明において、スライド機構130,131は位置決めピン120a,121aを移動させるのに要する荷重を計測する荷重計測センサ(荷重計測部)を備えるものであってもよい。この場合、スライド機構130,131は、荷重計測センサが計測する荷重が所定の制限荷重となる場合に位置決めピン120aの移動を停止させる。 なお、位置決めピン120aの移動を停止させる場合、制御装置500の第1制御部501は、板状構造部材200の位置決めに誤差が生じていることから、板状構造部材200の位置決めを再度行うように把持装置300,301を制御するようにしてもよい。

このようにすることで、例えば、位置決め孔220,221が位置決めピン120a,121aが延びる軸線Z1,Z2上に配置されていない場合(例えば、位置決め誤差や何らかの不具合が発生した場合)に、誤って位置決めピン120a,121aを板状構造部材200へ接触する方向に移動させたとしても、板状構造部材200を損傷させてしまう不具合を抑制することができる。

また、以上の説明において、第1制御部501は、スライド機構130,131により位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221に挿入された後に、吸着ハンド部300a,301aが板状構造部材200を把持した状態を解除するよう把持装置300,301を制御するものとしたが、更に以下のようにしてもよい。

例えば、組み立てられた板状構造部材200を組立用治具100から搬送する場合、第1制御部501は、スライド機構130,131により位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221から引き抜かれる前に、支持部110に下面200aが支持された板状構造部材200を把持するよう把持装置300,301を制御してもよい。 このようにすることで、位置決めピン120a,121aが位置決め孔220,221から引き抜かれて位置決めが解除される際に、板状構造部材200の配置状態が変化してしまう不具合を抑制することができる。

100 組立用治具(位置決め装置) 110 支持部 110a 第1支持部材 110b 第2支持部材 120,121 位置決め部 120a,121a 位置決めピン(位置決め突起部) 120b,121b 取付部材 120c,121c 基端部 120d,121d 先端部 120e レーザセンサ(検出装置) 130,130’,131,131’ スライド機構(移動機構) 130a,130a’,131a,131a’ 駆動モータ 130b,130b’,131b,131b’ 送りねじ 130c,130c’,131c,131c’ 移動部材 130d,130d’,131d,131d’ ガイド部材 200,200’ 板状構造部材(板状部材) 200a,200a’ 下面(第1面) 200b,200b’ 上面(第2面) 210,211 突出部 220,220’,221,221’ 位置決め孔 300,301 把持装置 300a,301a 吸着ハンド部 300b,301b 撮像装置 400 供給台 500 制御装置 501 第1制御部 502 第2制御部 600 組立システム(位置決めシステム) 700 撮像装置(検出装置) OD 外径 ID 内径 X,Y,Z1,Z1’,Z2,Z2’ 軸線

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