輪郭形成されたマンドレル表面上での未硬化複合部材の圧密化

申请号 JP2016508947 申请日 2014-03-24 公开(公告)号 JP2016521221A 公开(公告)日 2016-07-21
申请人 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company; ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company; 发明人 サミュエル アール. スチュアート,; サミュエル アール. スチュアート,;
摘要 未硬化の複合部材は、フレキシブルなコンパクターを使用して、輪郭を有するマンドレル上で形成される。形成は、輪郭の頂点から外に向かって実行される。【選択図】図1
权利要求

未硬化の複合部材を、輪郭を有するマンドレル表面に対して圧密化する方法であって、 前記未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることと、 前記未硬化の複合部材を前記マンドレル表面の前記輪郭と整列させるために、前記コンパクターを使用することと、 前記未硬化の複合部材を、前記輪郭の頂点で、前記マンドレル表面と最初に接触させるために、前記コンパクターを使用することと、 前記マンドレル表面の前記輪郭上で前記頂点から外に向かって前記未硬化の複合部材を形成することと、 前記未硬化の複合部材を前記マンドレル表面に対して圧密化するために、前記コンパクターを使用することと を含む方法。前記未硬化の複合部材の材料が前記コンパクターの中で圧縮されて切溝になるようにすることによって、前記形成中に前記未硬化の複合材部材で生じる任意のしわを分散させることを更に含む、請求項1に記載の方法。前記未硬化の複合部材は、中立軸を有し、 前記未硬化の複合部材の前記中立軸の位置をずらすことによって、形成中に前記未硬化の複合部材のしわを低減するために、前記コンパクターを使用することを更に含む、請求項1に記載の方法。前記未硬化の複合部材を形成することは、前記未硬化の複合部材内にねじれを形成するために、前記コンパクターを使用することを含む、請求項1に記載の方法。前記未硬化の複合部材を形成することは、前記マンドレル表面上に前記未硬化の複合部材をドレープ形成することによって実行される、請求項1に記載の方法。前記ドレープ形成は、前記未硬化の複合部材が前記マンドレル表面上に形成されている際に、前記未硬化の複合部材の端部と前記マンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含む、請求項5に記載の方法。前記未硬化の複合部材を形成することは、ラッシュ形成によって実行される、請求項1に記載の方法。前記ラッシュ形成は、S字型の屈曲を前記未硬化の複合部材内に誘導することによって、前記マンドレル表面に隣接する前記未硬化の複合部材の中の局部的圧縮を低減することを含む、請求項7に記載の方法。前記未硬化の複合部材を前記輪郭上に形成することは、前記未硬化の複合部材が、前記頂点で前記マンドレル表面と最初に接触した後に実行される、請求項1に記載の方法。前記形成することは、前記頂点から前記未硬化の複合部材に沿って漸進的に外に向かって前記マンドレル表面上に前記未硬化の複合部材を形成することによって実行される、請求項1に記載の方法。前記未硬化の複合部材は、前記頂点で前記マンドレル表面と最初に接触するときには、事前に選択された位置姿勢を有し、 前記未硬化の複合部材の外側部分の前記位置姿勢は、前記未硬化の複合部材が前記マンドレル表面の前記輪郭上で形成されている際に、前記事前に選択された位置姿勢に実質的に平行に維持される、請求項10に記載の方法。前記未硬化の複合部材を形成することは、前記未硬化の複合部材を漸進的により小さな曲率半径に屈曲させることを含む、請求項10に記載の方法。請求項1の方法によって圧密化される複合部材。マンドレル表面の輪郭上で未硬化の複合ストリンガの形成中に、前記未硬化の複合ストリンガのしわ形成を制御する方法であって、 前記複合ストリンガを前記マンドレル表面の前記輪郭の頂点と整列させることと、 前記複合ストリンガを前記頂点で前記マンドレル表面と接触させることと、 前記複合ストリンガを前記頂点から下に向かって前記マンドレル表面上に形成することと を含む方法。前記複合ストリンガを前記頂点から形成することは、前記複合ストリンガを前記マンドレル表面に対して下に向かってかつ前記頂点から漸進的に外に向かって屈曲させることを含む、請求項14に記載の方法。前記複合ストリンガを前記頂点から形成することは、前記複合ストリンガの端部と前記マンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含む、請求項14に記載の方法。前記複合ストリンガを形成することは、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行される、請求項14に記載の方法。フレキシブルなコンパクターを前記複合ストリンガ内に搭載することと、 前記複合ストリンガを前記コンパクターに付着させることと、 前記複合ストリンガを前記頂点で前記マンドレル表面と接触させるために、及び前記頂点から下に向かって前記マンドレル表面上に前記複合ストリンガを形成するために、前記コンパクターを使用することと を更に含む、請求項14に記載の方法。前記複合ストリンガを前記コンパクターに付着させることは、吸引力を使用して実行される、請求項18に記載の方法。前記複合ストリンガを前記頂点から下に向かって前記マンドレル表面上に形成することは、コンパクターを使用して実行され、 前記複合ストリンガのしわを形成することは、前記複合ストリンガの材料が前記コンパクター内に圧縮されるようにすることによって制御される、請求項14に記載の方法。前記複合ストリンガを前記頂点から下に向かって前記マンドレル表面上に形成することは、コンパクターを使用して実行され、 前記コンパクターは、前記複合ストリンガ内でしわを実質的に均一に分散させることを促進するために使用される、請求項14に記載の方法。請求項14に記載の方法によって生成される制御されたしわを有する複合ストリンガ。未硬化の複合部材を硬化ツールの中の輪郭形成された溝に形成する方法であって、 未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることと、 前記未硬化の複合部材を、前記輪郭形成された溝に沿って輪郭の頂点で、前記硬化ツールと最初に接触させるために、前記コンパクターを使用することと、 前記未硬化の複合部材を下に向かって前記輪郭形成された溝の中に及び前記輪郭形成された溝に沿って、前記頂点から漸進的に外に向かって形成するために、前記コンパクターを使用することと、 前記未硬化の複合部材を下に向かって前記輪郭形成された溝の中に及び前記輪郭形成された溝に沿って形成する間、前記未硬化の複合部材の中に形成されたしわを分散させるために、前記コンパクターを使用することと を含む方法。前記未硬化の複合部材を形成するために前記コンパクターを使用することは、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行される、請求項23に記載の方法。

说明书全文

本開示は、概して、複合材構造体を製造するためのプロセスに関し、より詳しくは、輪郭形成されたマンドレル表面上での複合積層板ストリンガの圧密化を扱うものである。

航空産業で使用されるストリンガなどの細長複合部材は、機体外板などの構造体の曲率に一致するように、それらの長さに沿った一又は複数の平面に輪郭形成され得る。ストリンガの輪郭形成は、硬化ツールなどのマンドレルの輪郭形成された表面に対して未硬化のストリンガレイアップを圧密化するためのコンパクターを使用して実現され得る。柔軟に曲がり又は屈曲し、コンパクターが圧密化プロセス中に輪郭形成されたツール表面に適合できるようにするフレキシブルなコンパクターが、開発されてきた。

ツールの輪郭の程度によって、未硬化のストリンガレイアップは、特にツールの曲率中心付近で又は最も大きな輪郭付近で、ツールに対して圧縮されている際に、しわを成長させることがある。このしわは、コンパクター内に配置された、輪郭形成されたツール表面に最も近い複合材料の層を屈曲させる結果として生じる。この方法で材料を圧縮すると、余った材料がしわの中に溜まり隆起してしまう。しわには、硬化したストリンガの性能に好ましくない影響があり得る。

したがって、材料のしわ形成を制御する、輪郭形成されたツール上でストリンガなどの未硬化の複合部材を圧密化する方法が必要とされる。また、しわの大きさを低減しつつ、しわを概して均一にストリンガの長さに沿って分散させるフレキシブルなコンパクターを使用して、硬化ルール上でストリンガを圧密化する方法も必要とされる。

ストリンガなどの未硬化の複合部材は、複合材料内での比較的大きなしわの形成を回避しつつ、輪郭形成された硬化ツールなどの成形マンドレルに一致するように屈曲され得る。複合材料の任意のしわは、概して均一にストリンガの輪郭形成されたエリアに沿って分散される比較的小さなしわに限定される。大きなしわを回避することによって、ストリンガは、改善された構造性能及び均一性を有するようになる。材料のしわを均一に分散させることは、頂点形成方法及びフレキシブルなコンパクターを使用して実現される。頂点形成中に、輪郭の頂点から始まり、頂点から外に向かって移動する、輪郭形成されたツール表面に対して、未硬化のストリンガを配置し屈曲させるために、フレキシブルなコンパクターが使用される。フレキシブルなコンパクターは、ストリンガ性能に物質的に影響を与えない比較的小さな材料しわの形成を制御できるように、余分な複合材料が圧密化プロセス中に受け取られ得る一連の横の切溝を含む。

1つの開示される実施形態によれば、輪郭を有するマンドレル表面に対して未硬化の複合部材を圧密化する方法が提供される。方法は、未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることを含む。コンパクターはまた、未硬化の複合部材をマンドレル表面の輪郭と整列させるために、及び未硬化の複合部材を輪郭の頂点でマンドレル表面と最初に接触させるために、使用される。方法は、マンドレル表面の輪郭上で未硬化の複合部材を形成することを含み、コンパクターは、マンドレル表面に対して未硬化の複合部材を圧密化するために使用される。未硬化の複合部材を形成することは、マンドレル表面上に未硬化の複合部材をドレープ形成(drape forming)することによって実行され得る。ドレープ形成は、未硬化の複合部材がマンドレル表面上に形成されている際には、未硬化の複合部材の端部とマンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含む。未硬化の複合部材を形成することは、ラッシュ形成(lash forming)によって実行され得る。形成することは、S字型の屈曲を未硬化の複合部材内に誘導することによって、マンドレル表面に隣接する未硬化の複合部材の中の局部的圧縮を低減することを含む。未硬化の複合部材を輪郭上に形成することは、未硬化の複合部材が、頂点でマンドレル表面と最初に接触した後に実行される。形成することは、頂点から未硬化の複合部材に沿って漸進的に外に向かってマンドレル表面上に未硬化の複合部材を形成することによって実行され得る。未硬化の複合部材は、頂点でマンドレル表面と最初に接触するときには、事前に選択された位置姿勢を有し、未硬化の複合部材の外側部分の位置姿勢は、未硬化の複合部材がマンドレル表面の輪郭上で形成されている際には、事前に選択された位置姿勢に実質的に平行に維持される。未硬化の複合部材を形成することは、未硬化の複合部材を漸進的により小さな曲率半径に屈曲させることを含む。方法は、未硬化の複合部材の材料がコンパクターの中で圧縮されて切溝になるようにすることによって、形成中に未硬化の複合材部材で生じる任意のしわを分散させることを更に含み得る。方法はまた、未硬化の複合部材の中立軸の位置をずらすことによって、形成中に未硬化の複合部材のしわを低減するために、コンパクターを使用することを更に含み得る。

別の実施形態によれば、マンドレル表面の輪郭上で未硬化の複合ストリンガの形成中に、未硬化の複合ストリンガのしわ形成を制御する方法であって、複合ストリンガをマンドレル表面の輪郭の頂点と整列させることと、複合ストリンガを頂点でマンドレル表面と接触させることとを含む方法が提供される。複合ストリンガは、頂点から下に向かってマンドレル表面上に形成される。複合ストリンガを頂点から形成することは、複合ストリンガをマンドレル表面に対して下に向かってかつ頂点から漸進的に外に向かって屈曲させることを含む。ストリンガを形成することは、複合ストリンガの端部とマンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含み、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行され得る。方法は、フレキシブルなコンパクター(flexible compactor)を複合ストリンガ内に搭載することと、複合ストリンガをコンパクターに付着させることと、複合ストリンガを頂点でマンドレル表面と接触させるために、及び頂点から下に向かってマンドレル表面上に複合ストリンガを形成するために、コンパクターを使用することとを更に含み得る。複合ストリンガをコンパクターに付着させることは、吸引力を使用して実行される。ストリンガは、コンパクターを使用して、頂点から下に向かってマンドレル表面上に形成され得る。複合ストリンガのしわを形成することは、複合ストリンガの材料がコンパクター内に圧縮されるようにすることによって制御される。頂点から下に向かってマンドレル表面上に複合ストリンガを形成することは、コンパクターを使用して実行され、コンパクターは、複合ストリンガのしわの実質的に均一な分散を促進するために使用される。

更なる別の実施形態によれば、未硬化の複合部材を硬化ツールの輪郭形成された溝の中に形成する方法が提供される。方法は、未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることと、輪郭形成された溝に沿って輪郭の頂点で、未硬化の複合部材を硬化ツールと最初に接触させるために、コンパクターを使用することとを含む。コンパクターは、未硬化の複合部材を下に向かって輪郭形成された溝の中に及び輪郭形成された溝に沿って、頂点から漸進的に外に向かって形成するために使用される。コンパクターは、未硬化の複合部材を下に向かって輪郭形成された溝の中に及び輪郭形成された溝に沿って形成する間、未硬化の複合部材の中に形成されたしわを分散させるために使用される。未硬化の複合部材を形成するためにコンパクターを使用することは、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行される。

要するに、本発明の1つの態様によれば、未硬化の複合部材を、輪郭を有するマンドレル表面に対して圧密化する方法であって、未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることと、未硬化の複合部材をマンドレル表面の輪郭と整列させるために、コンパクターを使用することと、未硬化の複合部材を、輪郭の頂点で、マンドレル表面と最初に接触させるために、コンパクターを使用することと、マンドレル表面の輪郭上で頂点から外に向かって未硬化の複合部材を形成することと、未硬化の複合部材をマンドレル表面に対して圧密化するために、コンパクターを使用することとを含む方法が提供される。

有利には、方法は、未硬化の複合部材の材料がコンパクターの中で圧縮されて切溝になるようにすることによって、形成中に未硬化の複合材部材で生じる任意のしわを分散させることを更に含む。

有利には、未硬化の複合部材が中立軸を有する方法であって、方法は、未硬化の複合部材の中立軸の位置をずらすことによって、形成中に未硬化の複合部材のしわを低減するために、コンパクターを使用することを更に含む。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を形成することは、未硬化の複合部材内にねじれを形成するために、コンパクターを使用することを含む。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を形成することは、マンドレル表面上に未硬化の複合部材をドレープ形成することによって実行される。

有利には、方法において、ドレープ形成は、未硬化の複合部材がマンドレル表面上に形成されている際には、未硬化の複合部材の端部とマンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含む。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を形成することは、ラッシュ形成(lash forming)によって実行される。有利には、方法において、ラッシュ形成は、S字型の屈曲を未硬化の複合部材内に誘導することによって、マンドレル表面に隣接する未硬化の複合部材の中の局部的圧縮力を低減することを含む。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を輪郭上に形成することは、未硬化の複合部材が、頂点でマンドレル表面と最初に接触した後に実行される。

有利には、方法において、形成することは、頂点から未硬化の複合部材に沿って漸進的に外に向かってマンドレル表面上に未硬化の複合部材を形成することによって実行される。

有利には、方法において、未硬化の複合部材は、頂点でマンドレル表面と最初に接触するときには、事前に選択された位置姿勢を有し、未硬化の複合部材の外側部分の位置姿勢は、未硬化の複合部材がマンドレル表面の輪郭上で形成されている際には、事前に選択された位置姿勢に実質的に平行に維持される。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を形成することは、未硬化の複合部材を漸進的により小さな曲率半径に屈曲させることを含む。

本発明の別の態様によれば、方法により圧密化された複合部材が提供される。

本発明の別の態様によれば、マンドレル表面の輪郭上で未硬化の複合ストリンガの形成中に、未硬化の複合ストリンガのしわ形成を制御する方法であって、複合ストリンガをマンドレル表面の輪郭の頂点と整列させることと、複合ストリンガを頂点でマンドレル表面と接触させることと、頂点から下に向かってマンドレル表面上に複合ストリンガを形成することとを含む方法が提供される。

有利には、方法において、複合ストリンガを頂点から形成することは、複合ストリンガをマンドレル表面に対して下に向かってかつ頂点から漸進的に外に向かって屈曲させることを含む。

有利には、方法において、複合ストリンガを頂点から形成することは、複合ストリンガの端部とマンドレル表面の端部との間で実質的に一定の関係を維持することを含む。

有利には、方法において、複合ストリンガを形成することは、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行される。

有利には、方法は、フレキシブルなコンパクターを複合ストリンガ内に搭載することと、複合ストリンガをコンパクターに付着させることと、複合ストリンガを頂点でマンドレル表面と接触させるために、及び複合ストリンガを頂点から下に向かってマンドレル表面上に形成するために、コンパクターを使用することとを更に含む。

有利には、方法において、複合ストリンガをコンパクターに付着させることは、吸引力を使用して実行される。

有利には、方法において、頂点から下に向かってマンドレル表面上に複合ストリンガを形成することは、コンパクターを使用して実行され、複合ストリンガのしわを形成することは、複合ストリンガの材料がコンパクター内に圧縮されるようにすることによって制御される。

有利には、方法において、頂点から下に向かってマンドレル表面上に複合ストリンガを形成することは、コンパクターを使用して実行され、コンパクターは、複合ストリンガのしわの実質的に均一な分散を促進するために使用される。

本発明の更に別の態様によれば、方法により生成される制御されたしわを有する複合ストリンガが提供される。

本発明の更なる態様によれば、未硬化の複合部材を硬化ツールの中の輪郭形成された溝に形成する方法であって、未硬化の複合部材をコンパクターに付着させることと、未硬化の複合部材を、輪郭形成された溝に沿って輪郭の頂点で、未硬化の複合部材を硬化ツールと最初に接触させるために、コンパクターを使用することと、未硬化の複合部材を下に向かって輪郭形成された溝の中に及び輪郭形成された溝に沿って、頂点から漸進的に外に向かって形成するために、コンパクターを使用することと、未硬化の複合部材を下に向かって輪郭形成された溝の中に及び輪郭形成された溝に沿って形成する間、未硬化の複合部材の中に形成されたしわを分散させるために、コンパクターを使用することとを含む方法が提供される。

有利には、方法において、未硬化の複合部材を形成するためにコンパクターを使用することは、ドレープ形成及びラッシュ形成のうちの1つによって実行される。

特徴、機能及び利点は、本開示の様々な実施形態において個々に達成することができ、又は下記の説明及び図面を参照することによってさらに詳細を理解することができる更に別の実施形態と組み合わせてもよい。

例示的な実施形態の特性と考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、例示的な実施形態と、好ましい使用モードと、更にはその目的及び利点とは、添付図面を参照して、本開示の例示的な実施形態の後述の詳細な説明を読むことにより最もよく理解されるであろう。

XZ平面の長さに沿って輪郭形成されたストリンガの斜視図である。

図1の線2−2に沿った断面図である。

XY平面の長さに沿って輪郭形成されたストリンガの平面図である。

硬化ツールに対して図1から図3に示されるストリンガを圧密化するために使用されるフレキシブルなコンパクターの斜視図である。

硬化ツール上での圧密化中のストリンガレイアップを伴う図4に示されるコンパクターの縦断面図である。

図5で図6として表されるエリアの図である。

形成ダイからストリンガを取り外すコンパクターを示す断面図である。

ストリンガを輪郭形成された硬化ツール空洞に形成する準備を整えて指標付け及び整列されたコンパクターを示す断面図である。

輪郭形成されたツール空洞内に形成されたストリンガと、ストリンガの硬化に備えて搭載された真空バッグとを示す断面図である。

硬化に続き、持ち上げられてストリンガから離れているコンパクターを示す断面図である。

硬化ツール内に形成されているときのストリンガ上の応力を説明する際に役立つ、ストリンガの一部の斜視図である。

ストリンガの重心及び中立軸を示す、図11に示されるストリンガの端面図である。

ストリンガが、ストリンガの頂点形成に備えた輪郭形成されたマンドレル表面の頂点と最初に接触した場合の、ストリンガの縦側面図である。

ラッシュ技術を使用した頂点形成方法を説明する際に役立つ略図である。

図14で図15として表されるエリアの図である。

ドレーピング技術を使用した頂点形成方法を説明する際に役立つ略図である。

ドレーピング技術を使用した頂点形成中のストリンガの漸進的成形を示す図である。

頂点形成方法の使用を示すストリンガ製造方法のフロー図である。

航空機の製造及び保守方法のフロー図である。

航空機のブロック図である。

開示された実施形態は、一又は複数の平面で輪郭形成され又は湾曲された細長複合部材製造の際に用いられ得る。例えば、図1及び図2を参照すると、複合機体ストリンガ30は、任意の適する手段によって外板32に取り付けられる。ストリンガ30は、キャップ34、傾斜した側壁又はウェブ36、及び外に向かって曲がった実質的に平らなフランジ38を備えるハット型の断面形状を有する。他の断面形状も可能である。この例では、ストリンガ30は、直交する座標システム40のXZ平面にある輪郭42を有する。ストリンガ30は、例えば、限定されないが、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などのマルチプライ複合積層板を備え得る。ストリンガ30が説明されてきたが、開示される実施形態は、一又は複数の平面に一又は複数の曲率を有する様々な細長複合部材のうちの任意のものを製造するために用いられ得る。

図3に示されるように、ストリンガ30は、例えば、XY平面など、他の平面に輪郭形成され得る42。更に別の例では、ストリンガ30は、複数の平面に輪郭形成され得る。以下でより詳しく述べられるだろうが、ストリンガ30は、プリプレグをレイアップし所望の断面形状に形成することによって製造される。コンパクター44(図4)は、未硬化のストリンガ30を輪郭形成された硬化ツール68(図8)内で形成し、次いで未硬化のストリンガ30を硬化サイクル中に圧密化するために使用される。

ここで図4を参照すると、コンパクター44は、未硬化ストリンガ30の移送、配置、形成及び圧密化を支援するために使用され得る。ストリンガ30は、以下で説明されるであろう真空又は吸引力を使用して、コンパクター44に取り外し可能に保持又は付着される。コンパクター44は、コンパクター44がストリンガ30の配置及び圧密化中に輪郭形成されたツール表面66に対して曲がり、適合できるようにする柔軟性を有した、一般的に半剛性である。コンパクター44は、例えば、限定されないが、CFRPとエラストマーゴムとの組み合わせなどの応用に適した材料で構成され得る。コンパクター44は、ストリンガ30を搭載及び形成するためのデバイス、及び硬化されているときに形成されたストリンガ30の断面形状を制御するためのデバイスの両方として機能する。ストリンガ30のコンパクター44に対する真空付着は、操作中にストリンガ30への損傷リスクを低減し得、硬化ツール68(図5を参照)などの輪郭形成されたマンドレル表面上への搭載中にストリンガ30を制御する。

コンパクター44は、概して、一般的に開放された内部空間58を画定するハット部分46、フランジ部分52及び端壁48を備える。ハット部分46は、コンパクター44に柔軟性を提供し、空気を開放された内部空間58内に引き込むことができるようにする、複数の縦に間隔を置き横に延びるスリット又は切溝54を含む。端壁48のどちらか一方又はそれら両方の真空継手50は、開放された内部空間58を空にするための真空源(図示されず)と連結されるように適合される。図4には示されないが、フランジ部分52は、その長さに沿って、フレキシブルで、コンパクター44をXY平面及びXZ平面のどちらか一方又はそれら両方で曲げることができるようにする一又は複数の部分又は接合部を含み得る。

開放された内部空間58内に形成された真空は、空気が切溝54を通して引き込まれるようにし、真空吸引力55が生成される。この真空吸引力は、未硬化のストリンガ30を把持し、移送、配置及び圧密化プロセス中に未硬化のストリンガ30をコンパクター44に付着させ貼り付ける。より具体的には、ストリンガ30のキャップ34及びウェブ36が、真空吸引力55によりコンパクター44のハット部分46に付着されるが、その一方で、ストリンガ30のフランジ38は、コンパクター44のフランジ部分52に向かい合って接触するが、フランジ部分52に付着されない。ストリンガ30のコンパクター44への真空付着はまた、以下でより詳しく説明されるように、ストリンガ圧密化中にプライのしわ形成及び収集のより対称的な分散を可能にし得る。更に、コンパクター44は、切溝54の位置で受け入れ可能なしわ60aを誘導する。本明細書中で使用される「許容範囲のしわ又はしわの形成(acceptable wrinkles or wrinkling)」は、負荷をかけられ配置されると、稼働中の硬化されたストリンガ30の性能に深刻な影響を与えないほど、サイズが十分に小さく、概して十分な長さに沿って分散されるしわを指す。

ここで図5及び図6を参照すると、コンパクター44は、未硬化のストリンガ30を硬化ツール68の輪郭形成された表面66又は類似の輪郭形成されたマンドレル表面上に形成及び圧密化するために使用され得る。図5において、ストリンガ30を下に向かって硬化ツール68の輪郭形成された表面66上に形成するための、XZ平面で曲げられたコンパクター44が示される。ストリンガ30のコンパクター44への真空付着は、この形成プロセス中に外側プライ(コンパクター44に最も近い)と内側プライ(硬化ツール表面66に最も近い)との間の所望の平面プライ滑性の促進を支援し得る。ストリンガ30を輪郭形成された表面66上に整列させ、最初に係合させ、次に形成するために使用される方法は、以後、「頂点(apex)」形成方法と呼ばれるだろう。

頂点形成方法によって、輪郭形成されたツール表面66に面するストリンガ30の長さに沿って、余ったストリンガ材料60が分散される。この分散された余ったストリンガ材料60は、コンパクター44によりストリンガ30に印加される圧密化力(compaction force)を受けて部分的に切溝54内に移動することが可能になり、移動が促進される。圧縮78(図6を参照)下にある余ったストリンガ材料60は、それぞれ切溝54内で、一連の分散された比較的小さな許容範囲の(acceptable)しわ60aを形成する。比較的小さなサイズのしわ60aと、それらのしわがストリンガ30の十分な長さに沿って概して均一に分散されることにより、材料のしわ形成によって引き起こされる負荷を受ける硬化したストリンガ30内の応力集中は、実質的に低減又は除去される。しわ60aの位置及び分散は、ある程度は、切溝54の間の距離「D」次第で決まる。切溝54の間の距離「D」は、しわ60aを実質的に等しく分散させるために、概して、コンパクター44の長さに沿って一定であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、しわ60aが均等に分散されないように、しわ60aの分散を調整することが望ましいこともある。コンパクター44に提供される切溝54の数が増加するにつれ、誘導されるしわの数も同様に増加するが、その一方で、誘導されるしわの各々のサイズは、縮小される。また、切溝54の数が増加するにつれ、ぴったりした半径を有するツール表面周囲で屈曲するコンパクター44の能力も増加する。概して、運航に供される際に、しわ60aがストリンガ30の性能に実質的にごくわずかな効果しか有していない点に対して、しわ60aのサイズを縮小しつつ、しわ60aの数を増加させることが望ましいだろう。

図7から図10は、コンパクター44を使用して、硬化ツール68の輪郭形成された表面66上にストリンガ30を形成、移送、配置、形成及び圧密化する一連のステップを示す。プリプレグレイアップは、例えば、雄型と雌型との間に(図7には、雌型64だけが示される)平らなレイアップ(図示されず)をスタンプ形成することによって、又は雄型(図示されず)上に平らなレイアップを真空バッグ形成することによってなど、様々な技術のうちの任意のものを使用して、所望のハット型断面に形成され得る。

ストリンガ30が、例えば、雌型64など、所望の断面形状に形成された状態で、コンパクター44のハット部分46が、ストリンガ30のウェブ36及びキャップ34と係合し、コンパクター44のフランジ部分38が、ストリンガ30のフランジ38の上に横たわり係合するように、コンパクター44が、ストリンガ30に配置される。コンパクター44が形成される材料及び表面仕上げ次第で、例えば、剥離プライなどの離型剤をコンパクター44とストリンガ30との間に導入する必要があり得る。例えば、限定されないが、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)フィルムの層(図示されず)がコンパクター44のハット部分46を覆うように、コンパクター44にテープで固定されてもよい。空気がフィルムを通ってコンパクター44の切溝54内に流れることができるように、鉛直なスリット(図示されず)が、コンパクター44の長さに沿ってFEPフィルムで形成されてもよい。

ストリンガ30及びコンパクター44は、ストリンガ30が配置のために取り外され移送される準備ができるまで、ストリンガ30の形状を維持するための保持固定具として使用され得る雌型64の中に留まり得る。オプションで、ストリンガ30は、硬化ツール68への移送準備ができるまで、保持固定具(図示されず)に移送され得る。ストリンガ30を雌型64(又はオプションの保持固定具)から取り外すために、切溝54(図4から図6)内に空気を引くコンパクター44内は真空に引かれ、ストリンガ30をコンパクター44に付着させ、コンパクター44で把持させる吸引力が生成される。

ストリンガ30がコンパクター44にその長さに沿って付着された状態で、ストリンガ30及びコンパクター44は、硬化ツール68上での形成を含む後続の処理中に単一のユニットとして動く。後続の処理中にストリンガ30のしわ形成を制御するために、ストリンガ30をコンパクター44に付着させる真空は、ストリンガ30が硬化ツール68上に形成されるまで維持される。ストリンガ30が形成プロセス中にコンパクター44から確実に剥がれないようにするために、ストリンガ30に印加される真空力の量に対する形成速度を調節し、ストリンガ30がコンパクター44の屈曲に伴ってゆっくりと屈曲できるようにすることが必要であり得る。ストリンガ30をコンパクター44に付着させる真空が発生した付着力は、ストリンガ30に沿ってしわ60aを分散させるために、ストリンガ30に誘導される局部的屈曲力よりも強くなければならない。

図7に示されるように、ストリンガ30がコンパクター44に付着された状態で、コンパクター44は、雌型64から離れストリンガ30に伴って持ち上げられ、図8に示される硬化ツール68などの形成マンドレルにストリンガ30を移送するために使用される。硬化ツール68は、輪郭形成されたツール空洞又は溝70を形成する輪郭形成されたツール表面66を有する。輪郭形成されたツール表面66は、少なくとも1つの平面で湾曲し又は輪郭形成され、ストリンガ30の外側モールド線(OML)表面(図示されず)に一致する。

コンパクター44は、図8に示されるように、ツール空洞70の長さに沿って、輪郭形成されたツール表面66上にストリンガ30を配置及び形成するために使用される。後に記載されるように、コンパクター44は、ツール空洞70の輪郭形成された表面66に適合するように曲がり、またストリンガ30をツール空洞70の輪郭形成された形状に形成させる。開示される頂点形成方法によれば、下に向かって輪郭形成されたツール空洞70内に形成されている際のストリンガ30の任意のしわ形成は、ストリンガ30の長さに沿って概して均等に分散される比較的小規模の「許容範囲の(acceptable)」しわに限定されるだろう。

コンパクター44及びストリンガ30がツール空洞70内に形成された状態で、真空バッグ62(図9)は、コンパクター44及びストリンガ30上に搭載され、コンパクター44と共に、輪郭形成されたツール表面66に対してレイアップ30を圧密化するバッグ62は、真空に引かれる。図10に示されるように、ストリンガ30の圧密化に続き、コンパクター44は、ストリンガ30から引き出される。いくつかの適用では、硬化に続き、硬化したストリンガ30からのコンパクター44の分離を支援するために、ストリンガ30及び硬化ツール68の取付け前に、粘着剤を輪郭形成されたツール表面66に塗布することが望ましいこともある。次いで、ストリンガ30は、更に処理されてもよい。例えば、充填剤(図示されず)が、ストリンガ30に導入され得、一又は複数のブラダー(図示されず)が、ストリンガ30に対して搭載され、ストリンガ30は、外板32(図1)又は他の構造に取り付けられ得、オートクレーブ(図示されず)で硬化され得る。

ここで図11及び図12に注目するが、図11及び図12は、ストリンガ30が、先ほど説明された硬化ツール68などのマンドレルの輪郭形成されたツール表面66上に形成されているときに、ストリンガ30に作用する応力を示す。ストリンガ30は、XY又はXZ平面のどちらかで曲率(図11では示されず)に沿って形成され得る。ストリンガ30の幾何学形状は、これら2つの平面のどちらが搭載に最も影響するかを決定するだろう。ストリンガ30の特定の断面幾何学形状に関わらず、ストリンガ30は、中立軸80、及び重心又は幾何学形状の中心82を有する。図11では、ストリンガ30をXY平面で形成するときの中立軸80の位置が示され、その一方で図12では、ストリンガ30をXZ平面で形成するときの中立軸80の位置が示される。

図11を参照すると、ストリンガ30がXY平面で曲率に沿って形成されると、ストリンガ30の1つの側面を引っ張った状態76(in tension 76)に置き、ストリンガ30の他の側面を圧縮状態78(in compression 78)に置く曲げモーメントMが、Z軸(モーメント誘導軸)周囲に生成される。XZ及びXY平面が互いに垂直であり、同様に、運動量の軸(Y軸及びZ軸)が互いに垂直であるので、図12に示される中立軸80は、図11に示される中立軸80に実質的に垂直である。ストリンガ30の中立軸80は、ストリンガ30がXY及びXZ平面のどちらか一方又は両方で湾曲したツール空洞70(図8)に形成されているときに起こるように、屈曲されると、ストリンガ30の延び又は圧縮が起こらないストリンガ30の断面内では線又は平面である。図12を参照すると、ストリンガ30がXZ平面で曲率に沿って形成されると、中立軸80(Y軸)上方のエリア81を引っ張った状態に置き、中立軸80下方のエリア83を圧縮状態に置く曲げモーメントMが、中立軸80(Y軸)周囲で生成される。

中立軸80下方のストリンガ30のエリア83は、ストリンガ30がXY又はXZ平面のどちらか一方で形成されている際に搭載され圧縮状態78になるので、最もしわ形成が起こりやすいエリアである。それに対して、形成中に引っ張り状態76にあるエリア81では、引っ張りが比較的小さいので、通常、しわが形成されない。同量のストリンガ材料が、中立軸80下方のエリア83内でより小さな半径に適合されているので、ストリンガ30が、形成処理中に漸進的により小さな曲率半径に屈曲されている際に、中立軸80下方の圧縮78によって、しわ60a(図6を参照)がストリンガ30に形成される。実際に、フレキシブルなコンパクター44は、中立軸80を下に向かって、ストリンガ30のキャップ34の方にずらす85(図12)ように機能する。中立軸80が下に向かってずらされる85結果として、ストリンガ30内での中立軸80下方のエリア83の圧縮量は低減され、この低減された圧縮力のため、このエリアでは、しわ形成はほとんど起こらない。

先ほど説明されたように、頂点形成は、形成プロセス中にストリンガ30のしわ形成を制御するために、輪郭形成されたツール空洞70(図8)内に及びツール空洞70に沿ってストリンガ30を形成するために使用される。図13は、一般的に、頂点形成方法を図式的に示す。硬化ツール68は、実質的に真っすぐなストリンガ30が、輪郭形成されたツール表面66の曲率に適合するまで、ストリンガ30を漸進的に小さな曲率半径に対して屈曲させることによって形成される、輪郭形成されたツール表面66を有する。真っすぐなストリンガ30は、プリプレグなどの未硬化の複合材料の実質的に平らなプライのスタックを備える。輪郭形成されたツール表面66の曲率は、ツール表面66上の最大曲率の地点に対応する頂点84を有する。ストリンガ30がコンパクター44(図8に示される)に付着された状態で、コンパクター44は、硬化ツール68に対してストリンガ30を整列させ指標付けするために使用される。次いで、コンパクター44は、最初にストリンガ30を頂点84でツール表面66と接触させる。頂点84でのこの最初の接触の後に、ストリンガ30は、下に向かって72輪郭形成されたツール表面66上に及びツール空洞70(図8)内に形成される。頂点84での圧密化後にストリンガ30を下に向かって輪郭形成されたツール表面66上に形成するために使用される特定の技術は、以下で説明されるように、ストリンガ30が形成されているのがXY平面かXZ平面かによって決まるだろう。ツール表面66が複合輪郭を有し、XY及びXZ平面の両方でストリンガを形成する必要がある場合の応用では、コンパクター44は、XY及びXZ平面の両方で同時に曲がることがある。コンパクター44はまた、XY及びXZ平面のどちらか一方の曲がりとは無関係に、又はその曲りに加えて、形成プロセス中に、ストリンガ30内にねじれ(torsional twist)を形成し得る。

図14及び図15は、ラッシュ形成技術を使用した、XZ平面で輪郭形成された硬化ツール68など、輪郭形成されたマンドレル表面66上へのストリンガ30の頂点形成を示す。ストリンガ30の連続位置及び屈曲形状が、図14の文字「A〜D」によってそれぞれ指定され、ストリンガ30の個々の積層板プライ90が図15に示される。このラッシュ形成中に、ツール表面66とまだ接触していない外側部分74は、頂点84と最初に接触するようになると、ストリンガ30の最初の位置姿勢(文字「A」によって指定される)に実質的に平行に保持される。この方法におけるストリンガ30のラッシュ形成は、ストリンガ30への「S」字型屈曲87(図15を参照)を誘導する。「S」字型屈曲87の形成は、引張力76及び圧縮力80がそれぞれ作用している場合のストリンガ30内の位置をずらす。「S」字型屈曲87をストリンガ30のプライ90に誘導することは、しわ形成が起こることが予期され得る場合に、輪郭形成されたツール表面66に隣接するエリアの局部的圧縮力を低下させることによって、プライのしわ形成の広がりを促進する。

図16及び図17は、ドレープ形成技術を実行するためにコンパクター44を使用して、XY平面に輪郭形成されたストリンガ30の頂点形成を示す。コンパクターは、ストリンガ30を、輪郭形成されたツール表面66の頂点84に対応する第1の地点「A」と最初に接触させるように、整列及び指標付けされる。次にストリンガ30は、ストリンガ30を頂点84周囲で屈曲させることによって、輪郭形成されたツール空洞70(図8)内で硬化ツール68上に均等にドレープされる。図16の文字「B」「C」「D」及び「E」はそれぞれ、屈曲プロセスが進む際の、ストリンガ30とツール表面66との接触の同時地点を表す。ストリンガ30の対応する屈曲位置は、同様に、文字「B」「C」「D」及び「E」によって、図17で指定される。屈曲プロセス中に、ストリンガ30の端部とツール表面66の端部との間の距離92と94(図16)との関係は、頂点84周囲で実質的に均等な屈曲をもたらすストリンガ30の姿勢を維持するために、実質的に一定に維持される。先ほど明記されたように、この形成プロセス中に、ストリンガ30のコンパクター44への真空付着は、ストリンガ30の平面プライ間での所望の滑性促進を支援し得る。

ここで図18に注目するが、図18は、頂点形成方法及び先ほど説明されたコンパクター44を使用した、輪郭形成された複合ストリンガ30の製造方法のステップを広範に示している。96から開始して、ストリンガチャージ(stringer charge)がレイアップされ、必要に応じてトリミングされる。次いでストリンガレイアップが、ステップ98で、所望のストリンガ断面形状に形成される。オプションで、ステップ100において、FEPなどの適する穴の開いた(perforated)離型フィルムが、フレキシブルなコンパクター44の圧密化表面に配置及び付着され得る。目打ち線(perforation)は、フィルムを通して真空気流を可能とし、例えば、限定されないが、フィルムに一連のスリットを成形することによって形成され得る。ステップ102では、コンパクター44が、形成されたストリンガ30の空洞内に搭載される。

ステップ104では、ストリンガ30をコンパクター44に付着させる真空が、コンパクター44内で発生し、コンパクター44にストリンガ30を有効に把持させる。ステップ106では、コンパクター44は、ストリンガ30を取り外し、硬化ツール68を備え得る輪郭形成された形成マンドレルに移送するために使用され得る。ストリンガ30が取り外され移送されている際に、コンパクター44とストリンガ30との間の付着を維持するために、真空がコンパクター44内で保持される。ステップ108では、輪郭形成されたマンドレル又は硬化ツール68の頂点84が位置付けられ、後続の形成プロセスに役立つように参照開始地点としてマークが付与され得る。ステップ110では、輪郭形成されたツール表面66の頂点84で、ストリンガ30を輪郭形成されたマンドレル表面又は硬化ツール68と整列させ、ストリンガ30を輪郭形成されたマンドレル表面又は硬化ツール68と最初に接触させるために、コンパクター44が使用される。

ステップ112では、先ほど説明されたドレープ形成技術又はラッシュ形成技術のどちらか一方を使用して、ストリンガ30を下に向かってマンドレル又は硬化ツール表面66上に、頂点から外に向かって実質的に均等に屈曲させるために、コンパクター44が使用される。屈曲プロセス中に、ストリンガ30と共にコンパクター44は、マンドレル又はツール68の輪郭と適合するように曲がり、ストリンガ材料に、ストリンガの輪郭の長さに沿って実質的に均等に分散するしわを形成させる。ステップ114では、形成されたストリンガ30は、真空バギングされ、次いで、コンパクター44内の真空が維持されている間に、コンパクター44を使用して室温で圧密化され得る。ステップ116では、ストリンガ30がバギング解除され(debagged)、コンパクター44内の真空が開放され、コンパクター44及びストリンガ30の硬化ツール68からの取り外しが可能になる。

本開示の実施形態は、様々な実施可能な応用において、特に、ストリンガなどの輪郭形成された細長複合部材が使用され得る、例えば、航空宇宙産業、海洋産業、自動車産業での応用、及び他の応用を含む運輸産業において、用途を見出し得る。したがって、ここで図19及び図20を参照すると、本開示の実施形態は、図19に示す航空機の製造及び保守方法118、及び図20に示す航空機120に関して使用され得る。開示された実施形態の航空機の応用は、例えば、限定されないが、航空機120の機体136で使用されるストリンガなどの細長補強部材を含み得る。製造前の段階では、例示的な方法118は、航空機120の仕様及び設計122と、材料の調達124とを含み得る。製造段階では、航空機120の、コンポーネント及びサブアセンブリの製造128と、システムインテグレーションとが行われる。その後、航空機120は、認可及び納品130を経て運航132に供される。顧客により運航される間に、航空機120は、定期的な整備及び保守134(改造、再構成、改修なども含み得る)が予定される。

方法118の工程の各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実行され、又は実施され得る。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。

図20に示されるように、例示的方法118によって製造された航空機120は、複数のシステム138および内装140を有する機体136を含むことができる。高レベルのシステム138の例には、推進システム142、電気システム144、油圧システム146、及び環境システム148のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれ得る。航空宇宙産業の例を示したが、本開示の原理は、海運及び自動車産業などの他の産業にも適用され得る。

本明細書で具現化されたシステム及び方法は、製造及び保守方法118の一又は複数の任意の段階において用いられ得る。例えば、製造プロセス126に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機120の運航中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリに類似の方法で作製又は製造される。また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、或いはそれらの組み合わせは、例えば、航空機120の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機120のコストを削減することにより、製造段階126及び128で利用することができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、或いはそれらの組み合わせのうちの一又は複数を、航空機120の運航中に、例えば限定しないが、整備及び保守134に利用することができる。

本書で使用する際、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数の種々の組み合わせが使用可能であり、かつ、列挙された各アイテムのうちの1つだけがあればよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、限定されないが、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、又は「アイテムB」を含み得る。この例はまた、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」を含み得る。アイテムは、特定の物体、もの、又はカテゴリーであり得る。換言すると、「〜のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせ、及び任意の数のアイテムが、列挙された中から使用されうることを意味するが、列挙されたアイテムのすべてが必要な訳ではない。

上述の種々の実施形態の説明は、例示及び説明を目的とするものであり、網羅的な説明であること、又はこれらの実施形態を開示された形態に限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して、異なる利点を提供しうる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の応用を最もよく説明するため、及び、想起される特定の用途に適する様々な修正例を伴う様々な実施形態の開示内容の理解を、他の当業者に対して促すために、選ばれ、記述されている。

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