複合部品及び製造方法

申请号 JP2015551175 申请日 2014-02-14 公开(公告)号 JP2016511704A 公开(公告)日 2016-04-21
申请人 ディール、エアキャビン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングDiehl Aircabin Gmbh; ディール、エアキャビン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングDiehl Aircabin Gmbh; 发明人 ローランド、ヘフル; ラルフ、ゲルナー; ディルク、プフィンダー;
摘要 本出願は、複合部品及びその製造方法に関する。提案される複合部品は、発泡プラスチック及び繊維複合プラスチックからの積層体(3)として形成されている少なくとも1つの部分を有する基本要素(2)を、含んでいる。
权利要求

発泡プラスチック及び繊維複合プラスチックからの積層体(3、6)として形成されている少なくとも1つの部分を有する基本要素(2)を備え、 前記基本要素(2)は、発泡プラスチックから形成されており、ラミネートフリーの設計である、少なくとも1つの表面部分を有している ことを特徴とする、乗り物、特には航空機、のための複合部品(1、8)。前記基本要素(2)は、前記少なくとも1つの部分(3、6)を除いて、実質的に前記発泡プラスチックから形成されている ことを特徴とする請求項1に記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチックは、プラストマから、特にはPVDF、PPSUから、形成されている ことを特徴とする請求項1または2に記載の複合部品(1、8)。前記繊維複合プラスチックは、プラスチック材料としての、デュロマー(duromer)、及び/または、繊維としての、ガラス繊維、炭素繊維及び/またはアラミド繊維、を含んでおり、 前記繊維は、好ましくは、織布、接着布、編物、格子布(lattice fabric)及び/または不織布の形態で、存在している ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチックの溶融温度は、前記デュロマーの硬化温度よりも高い ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチックは、流体密閉構成、特には気密の構成、である ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチックは、独立気泡(closed-cell)の発泡材料によって構成されている ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチックは、30kg/m3乃至75kg/m3の間、好ましくは30kg/m3乃至40kg/m3の間、の密度を有している ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記少なくとも1つの部分(3)は、前記繊維複合プラスチックが発泡プラスチックの2つの層の間に配置されている少なくとも1つのセグメントを、有している ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記少なくとも1つの部分(3)は、前記発泡プラスチックが繊維複合プラスチックの2層の間に配置されている少なくとも1つのセグメントを、有している ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記基本要素(2)は、少なくともいくつかの部分において、チューブ状の形状であり、 前記少なくとも1つの部分(3)において、相互に当接している及び/または一方が他方の上にある前記発泡プラスチックの接触表面が、前記繊維複合プラスチックによって互いに接合されている ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記基本要素(2)は、2つの半殻(half shells)(5)を有しており、 当該半殻(5)は、前記発泡プラスチックから製造されており、チューブ状の中空体を形成するように組立てられており、 前記半殻(5)は、前記繊維複合材料によって相互に接合されている ことを特徴とする請求項11に記載の複合部品(1、8)。前記繊維複合プラスチックは、少なくとも1つの寸法において前記基本要素(2)の大きさを完全に超過して、延在している ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の複合部品(1、8)。前記発泡プラスチック及び/または前記繊維複合プラスチックは、少なくとも第1の部分で、前記基本要素(2)の法線方向において厚さが変化しており、好ましくは前記発泡プラスチックが圧縮されている ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の複合部品(1、8)。積層体として構成されている少なくとも1つの部分(3、R)は、純粋に繊維複合プラスチックから形成されている積層領域(K、7)によって、隣接されている ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の複合部品(1、8)。請求項1乃至15のいずれかに記載の複合部品(1)として構成されている、好ましくは航空機の機室用の、特には空調の応用のための、複合パイプ(1)。請求項1乃至15のいずれかに記載の複合部品として構成されている、特には航空機の機室用の機室装備要素(cabin trim element)。発泡プラスチック要素と繊維複合プラスチック要素とが、積層処理において相互に接続される ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の複合部品(1、8)を製造するための方法。

说明书全文

本発明は、特には、複合部品及び対応する製造方法に関する。

乗員及び物資の輸送の他の分野と同様に、特には航空機産業において、対応する乗り物の構築のために使用される構成部品の重量は、重要な要素、または、些細ではない要素である。具体的には、エネルギー効率を向上させることに関し、可能な限り構成部品の重量を改善する、つまり減少させるための、不断の努がある。

航空機産業の分野では、特に、部分的にハニカムコアを有する繊維強化プラスチックが、機室装備要素、空調パイプ等のための、軽量の構成部品として使用されている。これらの構成部品は既にかなり軽量であるが、依然として更なる重量の削減が望まれている。

前述の内容に基づいて、従来技術による欠点を除去することが、本発明の目的である。特には、既知の軽量の構成部品と比較して重量が削減されているにもかかわらず、十分な機械的安定性を有する乗り物用の構成部品が規定されるべく、意図されている。

この目的は、独立請求項及び従属請求項のおかげで、達成される。特には、従属請求項から複数の実施の形態が明らかになる。

請求項1によれば、乗り物、特には航空機用、の複合部品が提供されている。当該複合部品は、発泡プラスチックつまりプラスチックの発泡材料、及び、繊維複合プラスチックつまり繊維プラスチックの複合物からの積層体として形成されている少なくとも1つの部分を有する基本要素を、備えている。前記基本要素は、発泡プラスチックから形成されており、ラミネートフリーの設計である、少なくとも1つの表面部分を有している。

ラミネートフリーとは、特には、表面部分が積層体を有さずに構成されていると理解されるべきである。これは、特には、プラスチックの発泡材料の表面部分が繊維複合プラスチックと接続されておらず、特には露出されている、ということを意味する。表面部分は、好ましくは、外表面部分によって、つまり、特には複合部品の内部空洞のまたは内部閉鎖体積(inner closed volume)の部分によってではなく、構成されている。好ましくは、ラミネートフリーの表面部分は、積層体として構成されている部分に直接的に隣接している。故に、特には、かなり軽量の複合部品が得られる。

提案される複合材料は、この点で、発泡プラスチックから実質的に形成されている基本要素を有し得る。当該基本要素は、特には1以上の予め規定された部分であって当該基本要素を形成しない部分において、繊維複合材料に接続、特には接合されている。プラスチックの発泡材料は、ここで提案される複合部品の場合、基本要素全体のためのコア材料としては構成されていない、ということがここで言及されるべきである。これは、ラミネートフリーの領域、特には表面領域があることを、暗示している。

積層体の語は、特には、少なくとも1つの部分が互いに接合されている複数の層から構成される層構造を有している、と理解されるべきである。ここでは、個々の層は、いずれも発泡プラスチックから、特には、シート状のプラスチックの発泡材料から、または、繊維複合プラスチックから、形成されている。

複合部品にとって、繊維複合プラスチックを有する積層体は、基本要素のプラスチックの発泡材料の局所的な機械的な補剛材のための可能性を、提供する。特にはパイプ、特には空気の供給及び引出のパイプ、更に特には空調用のパイプ、のための繊維複合プラスチックの局所的な適用が、特には機械的安定性に関して、十分である、ということが分かっている。積層体による繊維複合プラスチックの局所的な適用のために、プラスチックの発泡材料に基づいて製造される基本要素内には、露出されている、つまり繊維複合材料によって被覆及び積層されていない、発泡プラスチックの領域、より具体的には表面領域、がある。この点で、発泡プラスチックから完全にまたはそれ単独で形成されている領域が、存在し得る。これは、特には、構成部品の重量が低い点に関し、有利である。好ましくは、発泡プラスチックは、少なくとも露出領域において独立気泡の構成である。

積層体を有する局所領域、つまり、繊維複合プラスチックを用いての部分的な被覆及び積層の結果として、それぞれ必要な機械的な特性及び要求、特には寸法安定性及び粘弾性特性、を達成または充足し得るように、強化領域が意図的に構成され得る。

積層体の個々の構成部分、特には層は、ここでは、特には材料接合(material bonding)によって、相互に接続、特には接合、されている。一体的な接続は、ここでは、特には繊維複合プラスチックのプラスチック材料によって、製造され得る。しかしながら、異なる適切な接着剤、特にはプラスチックの発泡材料の部分またはセグメントが相互に接着され得る接着剤、の使用も可能である。

発泡プラスチックの使用を通じて、特には、繊維複合材料が固形材料としてまたはハニカムコアの組合せにおいて使用されている既知の軽量の構築材料に対して減少された重量が、達成され得る。

更に、積層構造を形成するために、発泡プラスチックと繊維複合材料とを組み合わせることによって、特に有利な機械的強度、特には引張強度、及び、寸法安定性、が達成され得る。積層体として構成されている少なくとも1つの部分を除いて、プラスチックの発泡材料の粘弾性特性は実質的に保存されている一方、積層体の領域では、粘弾性特性は制限されている。

粘弾性特性の限定または制限は、特には基本要素の増大された剛性をもたらす。これは、特には、気温、湿度及び/または圧力の変動下で、改善された寸法安定性をもたらす。

本提案の複合部品の更なる利点は、プラスチックの発泡材料が、固形材料またはハニカム構造の繊維強化プラスチックから製造される構成部品と比較して、非常に小さな熱伝達係数を有しており、従って、それ自体が有利な断熱特性を有している、という事実に見出される。必要に応じて、例えばプラスチック複合材料から製造される空調パイプにおいて通常必要である追加的な断熱材が、プラスチックの発泡材料の有利な断熱特性に起因して、適用されないことが可能である。特には、断熱材を有する構成部品において、製造の簡易化及び対応する製造コストの削減という要求は、構成部品のより高い一体性のおかげで、達成可能である。

いくつかの実施の形態では、複合部品の基本要素は、少なくとも1つの部分を除いて、つまり、例えばラミネートフリーの領域において、発泡プラスチック、つまりプラスチックの発泡材料、から実質的に形成されている。これは、特には基本要素が、純粋に発泡プラスチックから形成されているセグメント、及び、積層体から構成されているセグメント、を含み得るということを意味している。積層体として構成されているセグメント、すなわち、少なくとも1つの部分は、ここでは、機械的な補強及び安定化を提供する仕事を有利に引き受け得る。実質的に、完全にプラスチックの発泡材料から形成され得るラミネートフリーのセグメントは、実質的に当該プラスチックの発泡材料の粘弾性特性を有し、この点で、積層体に関してより高い柔軟性及び/または撓み性を示す。積層体として構成されている少なくとも1つの部分があれば、そうでなければ、温度、圧力及び/または湿度の影響の結果としてプラスチックの発泡材料で観察される、形状の変化、特には長さの変化、が避けられ得る、あるいは、少なくともかなり抑制され得る。換言すれば、積層部分においてかなり高い寸法安定性が達成され得る一方、ラミネートフリーの部分においてプラスチックの発泡材料の柔軟性が保存され得る。従って、積層体によって強化されている方向または寸法において増大された寸法安定性が達成され得る一方、強化されていない方向または寸法において増大された柔軟性が存在する。

いくつかの実施の形態では、発泡プラスチックは、実質的にプラストマまたは熱可塑性物質、つまり熱可塑性のプラスチック材料、から形成されて提供される。驚くべきことに、発泡性の熱可塑性プラスチック材料は、例えば、いわゆるプリプレグのような繊維複合プラスチックに積層されるのに好適である、ということが示されている。積層体において、プラスチックの発泡材料の発泡構造は、実質的に保存され得る、すなわち、換言すれば、積層処理は、プラスチックの発泡材料の関連するまたは著しい劣化をもたらさない。特にはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びPPSU(ポリフェニルスルホン)から製造される発泡材料が好適であると、示されている。

いくつかの実施の形態では、繊維複合プラスチックは、プラスチック材料として(硬化された)デュロマーまたはデュロプラスチック材料を含んでいる。特には、プラスチックの発泡材料を有する積層体において、デュロマーは硬化状態であり、このようにして複合部品の機械的強度を局所的に強化している。変形例では、繊維複合プラスチックは、繊維として、ガラス繊維、炭素繊維及び/またはアラミド繊維を含み得る。当該繊維を用いると、特に積層体の引張強度が著しく向上される。複合部品、特には繊維マトリックス(fiber-matrix)の半仕上げ製品(semifinished products)、の製造において、特には、繊維つまり強化繊維にプラスチックマトリックスが染み込んでいるプリプレグが、使用され得る。変形例では、繊維は、織布、接着布、編物、格子布(lattice fabric)及び/または不織布の形態で、存在している。

いくつかの実施の形態では、プラスチックの発泡材料及び繊維複合プラスチック材料は、発泡プラスチックの溶融温度がデュロマーの硬化温度よりも高く選択されている。この形態において、特にはデュロマーの硬化において、例えば、温度及び圧力の下で、発泡構造が、及び、従ってプラスチックの発泡材料の断熱効果も、効果的に維持され得る。

いくつかの実施の形態では、発泡プラスチック、つまりプラスチックの発泡材料は、流体密閉、特には気密、の構成である。気密とは、ここでは、空気、特には周囲の空気、がプラスチックの発泡材料それ自体を通過し得ない、ということを意味することが意図されている。特には、プラスチック材料は、乗り物、特には航空機、において存在するまたは使用される呼吸気に関して気密であることが、意図されている。適切なプラスチックの発泡材料は、特には、空気の供給及び/または引き出しのシステム、及び/または、空調システムのためのパイプラインまたはパイプを製造するために、好適である。

いくつかの実施の形態では、発泡プラスチックが独立気泡の発泡材料によって構成され得て、提供される。独立気泡の発泡材料を用いることにより、特に有利な断熱特性が達成され得る。更に、そのような材料は、それらが空気の供給及び/または引き出し、及び/または、空調の目的のためのパイプまたはパイプ部分の製造のために特に好適であるように、一般に、十分に流体、特には及び/または空気、に関して密閉性がある。更に、独立気泡の発泡材の表面は、例えば、塗料仕上げ等のためにラッカー及び/またはプライマ材料(priming materials)を用いて、かなり良好かつ効果的に覆われている。

いくつかの実施の形態では、発泡プラスチックは、20kg/m3または30kg/m3乃至75kg/m3の間、好ましくは、20kg/m3または30kg/m3乃至40kg/m3の間、更に好ましくは、20kg/m3または30kg/m3乃至35kg/m3の間の密度を、有している。この種の発泡プラスチックは、一方では、積層体として構成されている1または複数の部分と結合して、自己支持型の構成部品または構造を形成するために十分な機械的強度を示す。他方では、それらは、特に航空技術及び航空機の内装取付の分野において、かなりの利点である非常に低い部品重量を可能とする。

いくつかの実施の形態では、少なくとも1つの部分は、繊維複合プラスチックが発泡プラスチックの2つの層の間に配置されているセグメントを、含んでいる。この点で、この変形例または実施の形態は、構成部品の法線方向で、発泡プラスチック—繊維複合プラスチック—発泡プラスチックという材料のシーケンスによって、特徴付けられている。つまり、換言すれば、発泡プラスチックの2つの層の間に繊維複合プラスチックの1つの層が、存在している、または、積層されている。対応する実施の形態では、特に積層体の製造の間を含めて、特に有利な寸法安定性を有する、特には対称的な、層構造を達成することが可能である。

いくつかの実施の形態では、少なくとも1つの部分は、発泡プラスチックが繊維複合プラスチックの2つの層の間に配置されている少なくとも1つのセグメントを、含んでいる。ここで、複合部品の法線方向において、繊維複合プラスチック—発泡プラスチック—繊維複合プラスチックという材料のシーケンスが、得られる。特に、この構造のために、有利な剛性、つまり引張強度及び寸法安定性、が達成され得る。この他に、ここでは、対称的な構造も達成され得る。当該構造は、寸法安定性の点から有利である。

更なる実施の形態では、正面に(squarely)位置付けられている、及び/または、一方が他方の反対にもしくは一方が他方の上に重なり合って位置付けられている、プラスチックの発泡材料の2つのセグメントが、当該セグメントの接触領域において及び当該接触領域を超えて、一側または両側のいずれかで、繊維複合プラスチックのコーティングまたは層で覆われている、ということが提供され得る。このようにして、特に2つの前述の設計の変形についても、複数の発泡プラスチックの部分がより大きな構成部品を形成するように接続され得て、個々の発泡プラスチックの部分間の当該接続は、積層体の領域において、及び、当該積層体によって、実現され得る。複数の発泡プラスチックの部分の組合せは、曲線及び/または3次元の外形を有する構成部品の製造において、有利に使用され得る。これにより、特には対応する3次元的に成形された構成部品を得るために、ブランク(blank)または予備成形物として提供される発泡プラスチックの部分を、積層体内の繊維複合プラスチック材料を通じて縁部及び/または部分(sections)に沿って繋ぎ合わせる、ということも考えられる。

いくつかの実施の形態では、少なくともいくつかの部分において、基本要素がチューブ状の形状であり、少なくとも1つの部分において、相互に当接している、特には正面から当接している、及び/または、一方が他方の上に位置付けられている、発泡プラスチックの接触表面が、繊維複合プラスチックによって相互に接合されて提供されている。この構成では、特にはパイプ及びラインの部分が製造され得て、当該パイプの幾何形状、特にはその大きさ、直径及び/または軸線方向に沿った幾何形状または曲線特性、が広い境界内で変化され得る。特に有利な点は、ほとんどの選択された任意の曲線を有する適切なパイプが製造され得る、ということである。

一変形例では、基本要素は、2つの半殻(half shells)を含んでおり、当該半殻は、発泡プラスチックから製造されており、チューブ状の中空体を形成するように組立てられている。当該半殻は、繊維複合材料によって相互に接合され、または、相互に接続されている。特には、この変形例においては、積層体が延在し得るように形成された部分は、半殻の接触領域において、それぞれ基本要素の全体の軸線方向の長さを超えている。このようにして、特には、温度変動、引張荷重等の事象において、パイプの長手方向における特に有利な安定性が達成され得る。周方向においては、パイプに形成された基本要素は、積層体として構成される円周部分を有し得る。適切な、特には局所的な、円周の補強材を通じて、パイプの断面において有利な寸法安定性が、達成され得る。同様にして、少なくとも局所的な円周の積層部分のおかげで、断面形状は、パイプの押付け(printing)の間、つまり、例えば、空気供給ラインまたは空調ラインによくあるようなパイプ内部の加圧の間、保存され得る。

いくつかの変形例では、1つの変形例に関連して先に言及されたように、繊維複合プラスチック、及び、これにより特には積層体として構成されている部分は、基本要素の大きさを完全に超える少なくとも1つの寸法で、延在し得る。既に述べたように、有利な寸法安定性がこのようにして達成され得る。繊維複合プラスチックは、例えば、縁部に沿って、周縁、特には外周、に沿って、つまり局所的に包囲する態様で、接続接合箇所または突合せ接合箇所等に沿って、特には突合せ接合箇所の軸方向に沿って、延在し得る。繊維複合プラスチック、及び、従って積層体として構成されている部分は、基本要素が機械的に硬化されるべく意図される、及び/または、2以上のプラスチックの発泡材料が互いに接続されるべく意図される、任意の場所またはセグメントで、特に提供され得る。

いくつかの実施の形態では、発泡プラスチック及び/または繊維複合材料が、少なくとも第1の部分において、基本要素の法線方向において厚みが変化するように、提供され得る。従って、基本要素の機械的特性及び/または粘弾性特性が、調整または変化され得る。いくつかの変形例では、厚みの変化が、発泡プラスチックの圧縮された状態または圧縮のおかげで、与えられ得る。「圧縮」の語句または語群(word family)は、ここでは、特に基本要素の法線方向において測定された厚みが、積層体として構成されている部分以外に置かれる非圧縮領域に対して減少される、と理解されるべきである。特には、発泡プラスチックの厚みの変化は、特定の構成部分の形及び幾何形状を形成するために、及び/または、構成し実現するために、使用され得る。特には、純粋な発泡材料のセグメントと純粋な繊維複合プラスチックのセグメントとの間の厚みの差異は、適切に圧縮された発泡材料を有する遷移領域で埋められている。そのような遷移領域及び/または純粋な繊維複合材料のセグメントまたはエリアは、例えば、構成部品の縁部上に提供され得る、及び/または、フランジ、特には装着フランジ(mounting flange)、及び、空気導入表面等、として構成され得る。

いくつかの実施の形態では、積層体として構成されている少なくとも1つの部分、つまり、積層体として構成されている少なくとも1つの部分の少なくとも1つは、特には、純粋に繊維複合プラスチックから形成される積層領域によって隣接されている。繊維複合プラスチックの積層領域は、例えば、フランジ、突出部、スリーブ等として、構成され得る。特に、パイプとして構成されている複合部品は、当該パイプの端部において、対応する繊維複合プラスチックの積層領域を、有し得る。当該積層領域は、2以上のパイプをパイプラインに繋ぎ合わせるために、使用され得る。

請求項16によれば、特には空調の応用のために、複合パイプが提供されている。当該複合パイプは、前述の説明に従う、特には前述の実施の形態及び変形例の1つに従う、複合部品として構成されている。特には、複合パイプは、特には航空機内の空調システムにおける適用のための、空調パイプの構成要素とされ得る。

請求項17によれば、特には航空機の機室のための機室装備要素が提供されている。当該機室装備要素は、前述の説明に従う、特には前述された実施の形態及び変形例の1つに従う、複合部品として構成されている。

複合パイプ及び機室装備要素に関する利点及び有利な効果に関しては、複合部品に関する説明が参照なされる。

請求項18によれば、複合部品の製造方法が提案されており、発泡プラスチック要素及び繊維複合プラスチック要素が、積層処理において相互に結合されている。従って、一体化された構成部品が、かなり安価で簡易な態様で製造され得る。特には、断熱効果を有するプラスチックの発泡材料の使用により、断熱構成部品、特にはパイプ、が単一の製造段階で製造され得る。

要求に応じて、特には発泡材料の特性を変更するために、当該発泡材料に添加剤が添加され得る、ということが言及されるべきである。例えば、発泡材料は、複合部品の導電性を変更するために、導電粒子を含み得る。これは、例えば、過剰な静電荷から保護する、または、過剰な静電荷を避けることができる。

製造方法の実施の形態では、発泡プラスチック要素及び繊維複合プラスチック要素は、積層処理の間、特にデュロマーを含有する繊維複合プラスチック要素が硬化されるように、温度及び/または圧力の影響を受ける。

製造方法の更なる実施の形態では、少なくとも1つの発泡プラスチック要素は、シート状の形態で提供され、寸法決めするために切断され、及び/または、特には型の内部で予備成形される、というように提供され得て、及び、少なくとも1つの発泡プラスチック要素の2つの領域、特には2つの未結合の端部(loose ends)、が積層処理において、当該積層処理の中で強化される繊維複合プラスチック要素によって、相互に接合される、というように提供され得る。そのような方法は、特には、パイプを製造するために使用され得て、パイプの製造の中で2つのパイプの半殻の一方が他方に対して当接され得て、相互に接続され得る。

本発明の例示的な実施の形態は、以下に図面を参照してより詳細に説明される。

複合パイプの斜視図を示している。

複合パイプの断面図を示している。

複合パイプの一変形例の断面図を示している。

複合パイプの継目部分を示している。

複合パイプの更なる変形例の継目部分を示している。

複合パイプの更なる変形例の一部の側面図を示している。

複合パイプの一層更なる変形例の一部の側面図を示している。

複合部品の斜視図を示している。

図8の複合部品の断面図である。

これらの図面において、同一または機能的に同一の要素は、可能な限り同一の参照符号を用いて表示されている。

図1は、複合パイプ1の斜視図を示している。複合パイプ1は、基本要素2を有しており、当該基本要素2は、プラスチックの発泡材料及び繊維複合プラスチックからの積層体3として形成されている少なくとも1つの部分を、有している。

複合物1は、今後、簡潔にパイプ1または基本要素2としても呼ばれるが、円筒状の中空体に湾曲されて複合パイプ1の壁4を形成する、発泡プラスチックのシート、つまり、平らなプラスチック発泡体から、実質的に形成されている。

壁4上を軸線方向に延びており、湾曲されたプラスチック発泡体の端部または側縁部が、一方が他方の反対にまたは一方が他方の上に当接している、当接縁部に沿って、積層体3つまり積層体として構成された部分が形成されている。当該部分において、湾曲されたプラスチック発泡体の側縁部は、繊維複合プラスチックによって共に接合されている。繊維複合プラスチックが使用され得るので、例えば、圧力及び温度を受けた状態で硬化され得るいわゆるプリプレグは、積層体3の構成のおかげで、プラスチック発泡体の端部を共に接合する。

積層体3の構成は、一方で、プラスチック発泡体の端部の固定接続(fixed connection)が達成されることを許容し、他方で、機械的強度、寸法安定性のような、特には基本要素の長手方向における寸法安定性のような、粘弾性特性、が改善されることを許容する。

図示されている複合パイプ1は、特には空調システム、及び、航空機つまり航空機の空調パイプ設備、における応用のために好適である。これは、特にはプラスチックの発泡材料の使用を通じて、複合パイプは、従来のパイプと比較して著しく減少された重量を有しているためである。この後者(複合パイプ1)は、特には、基本要素は積層体3として構成された領域を除いてラミネートフリーの態様で構成され得る、すなわち、ラミネートフリーの表面部分Oを有し得る、という事実にも、基づいている。それぞれ、全てのラミネートフリーの表面領域の全てが図面において表示されている訳ではないが、ラミネートフリーの表面領域Oは、図面において一貫して参照符号Oを用いて表示されている。

更に、プラスチックの発泡材料から製造されている壁4は、複合パイプの断熱のための追加的な手段が撤回され得るように、断熱性を示している。

図2は、複合パイプ1の断面図を示している。断面図から、積層体3として形成されている部分の構造及び形状が、より明瞭に視認できる。本実施の形態では、チューブ状に湾曲されたプラスチック発泡体の端部または縁部は、一方が他方に正面から当接されており、繊維複合プラスチック材料は、当該端部または縁部の間に配置されている。視認され得るように、繊維複合材料、及び、従って形成するまたは形成される積層体3は、プラスチック発泡体の端部間にのみ見出される。積層体つまり積層体3として構成されている部分を除いては、基本要素2が、プラスチック材料から形成されている。

積層体3のおかげで、端部または縁部は、接合状態にある、つまり、互いに接合されている。適切な接合は、空調及び/または換気の用途に関して絶対的に十分に安定している。しかしながら、必要な場合、接合はより一層安定的で堅固にされ得る。このことは、図3乃至図5に関連して以下に詳述される。

図3は、複合パイプ1の一変形例の断面図を示しており、図4は、継目部分、つまり、複合パイプ1の継目Nまたは接合部の拡大図を示している。この変形例では、基本要素2または壁4が2つの半殻5によって形成されている。本実施の形態では、半殻5の側縁部は、一方が他方に正面から当接されて、チューブ体になるように相互に接続されている。この場合、半殻の側縁部の接続は、積層体3として構成されている複数の部分を含んでいる。しかしながら、当該部分は、構成に応じて連続的な積層部分としても見なされ得る。

図3の例では、繊維複合プラスチック材料は、プラスチックの発泡材料の相互に当接している側縁部の間に見出される。更に、図2とは異なり、当該繊維複合プラスチック材料は、半殻5の当接縁部に沿って壁4の内側及び外側に見出され、当該繊維複合プラスチック材料は、所定の幅で当接縁部を覆っている。この点で、積層体3として構成されている部分及び一体に接合されているプラスチック発泡体は、当接縁部の間に位置付けられており、当接縁部の内側及び外側に沿って、それぞれ、予め規定された及び実質的に自由に選択可能な幅を有している。本実施の形態では、積層体3として構成されている部分は、実質的に対称的な配置が得られるように、選択されている。これは、特には積層体3の製造に関して、当該積層体3の領域において異方的な張力または応力の発生が回避され得るため、寸法安定性にとって特に有利である。

ここで、一変形例では、半殻の当接縁部の間に存在する積層体3は、他のタイプの接続、特には、接合つまり接着剤を用いた接合継目(bond seam)、及び/または、溶接つまり溶接継目(weld seam)によって、置換または補足され得る、ということが言及されるべきである。

図3に示されている接続のタイプは、複合パイプが、継目Nの他に連続的なプラスチック発泡体のみを含んでいる場合、または、複合パイプ1が、それぞれ部分的な殻(shell)を形成する複数のプラスチック発泡体を含んでいる場合、にも使用され得るということが、留意されるべきである。更に、対応する接続、特には当接接合箇所(butt joints)及び/または当接継目(箇所)と重なる接続、はパイプとは異なる複合部品において使用され得るということも、留意されるべきである。

図5は、複合パイプ1の更なる変形例の継目部分つまり継目Nを示している。図3及び図4とは異なり、基本要素の一側上に、継目Nの領域において、図3及び図4の実施の形態に従って既に存在している繊維プラスチック材料の層に重なる繊維プラスチック材料の更なる層Lが、提供されている。繊維プラスチック材料の更なる層Lのおかげで、継目Nの領域における接続は、更に安定化され強化され得る。更なる層Lは、基本要素2の内側または基本要素2の外側のいずれかに、提供され得る。選択的に、それぞれ、更なる層Lが、内側及び外側にも存在する、または、提供されることが、可能である。

図6は、複合パイプ1の更なる変形例の一部の側面図を示している。本実施の形態の複合パイプ1では、積層体3として構成されている部分は、図3乃至図5に示されている複合パイプ1に従って、継目Nの領域において構成されている。図2による変形例に従った実施の形態もまた、可能である。先に示された積層領域3とは反対に、または、それに加えて、図6の複合パイプ1は、積層体として構成されている更なる部分、つまり、更なる積層体6を、有している。本実施の形態では、更なる積層体6は、それらが基本要素2を放射状に包囲して周方向において基本要素の機械的な強化材または補剛材として実質的に機能するように、構成されている。積層体3及び更なる積層体6の領域において、基本要素の柔軟性は、機械的な安定性及び強度の利益となるように、制限されている。一方、積層体3及び更なる積層体6を除いて、発泡プラスチック材料の柔軟性は、それほど制限されていないか、全く制限されていない。これらの理由のため、特には、十分に機械的に安定であり寸法的に安定な構成部品が、提供され得る。当該構成部品は、端部の形及び端部の幾何形状に関しては、完全に硬直しておらず一定の境界内において依然として柔軟性がある。

図7は、複合パイプ1の更なる変形例の一部の側面図を示している。ここでは、図7による更なる変形例において、図2乃至図6に関連して説明されているが図7に表示及び図示されていないそれらの詳細及び特徴は、要求に従って単体でまたは組み合わせて実行され得る、ということが指摘される。

図7の複合パイプ1は、基本要素2の2つの端部において、軸線方向のフランジ7がそれぞれ存在している点で、先に示された複合パイプ1とは異なっている。軸線方向のフランジ7は、硬化された形態の繊維複合プラスチック材料から形成されている。軸線方向のフランジ7は、基本要素2の軸線方向の端部を超えて突出しており、突き出ているフランジ部分は、更なるパイプまたはパイプライン要素に、接続され得る。更なるパイプまたはパイプライン要素の接続の選択肢を提供することの他に、軸線方向のフランジ7はまた、プラスチックの発泡材料の軸線方向の端部の機械的な強化または補強も、提供している。

本実施の形態では、軸線方向のフランジ7は、正確に言えば、積層によって軸線方向のフランジ7の繊維複合材料がプラスチックの発泡材料と相互接続されている、という事実のおかげで、壁4の内側に接続されている。この点で、本実施の形態では、積層体として構成されている部分は、軸線方向のフランジ7の繊維複合プラスチック材料と重なっている領域におけるプラスチック発泡体の端部に、存在している。軸線方向のフランジ7の位置において、径方向のフランジ(不図示)も存在し得るということが、留意されるべきである。

図8は、複合部品8の斜視図を示している。当該複合部品8は、航空機の機室の空調システムの空気出口の製品のための半殻として、構成されている。複合部品は、パイプの半殻を形成している第1セグメント9と、当該第1セグメント9の長手方向の側面に隣接し、概略的にプレート状である第2セグメントと、を有している。第2セグメント10の外側の縁部上には、装着フランジ11が存在している一方、当該第2セグメント10の長手方向の側面上には、気流縁部(airflow edge)12が構成されている。

特に図8の複合部品8の断面図が示されている図9から視認されるように、第1セグメント9及び第2セグメント10は、繊維複合材料を有する積層体3によって相互に接続されている。この接続に関し、ここに類似的に適用する前述の事項が参照される。複合パイプ1に関連して図示及び説明されている接続の変化は、同様にここでの応用に見出される。

第2セグメント10は、2層の外側の発泡プラスチック層と、介在している繊維複合プラスチック材料の中間層12と、を有している。発泡プラスチック層及び中間層は、積層処理の使用を通じて相互接続されている。すなわち、層構造の領域において、積層体として構成されており、平らなプレート状の第2セグメント10の機械的な補強を提供している領域が、存在している。

プレート状の構造である第2セグメント10の構造に基づいて、本発明の範囲内において、層状の複合部品が、対応する積層された補強領域を伴って製造される、ということも考えられる。この種の層状の複合部品は、例えば、内部の装備要素、特には航空機の機室の天井の装備要素、の構成要素とされる得る。他の内装取付要素もまた、同様に、つまり、積層された補強層及び/または繊維複合プラスチックの接続層を有する発泡プラスチック層を伴って、製造され得る。

プラスチックの発泡材料を使用することの利点はまた、既にプラスチックの発泡材料によって断熱されている、実質的に任意に湾曲され任意に形成された領域または構成部品を製造する可能性を有していることにある。

図9から、第1セグメント9とは逆方向を向いている第2セグメント10の長手方向の側面は、複合部品8の残りと比較して圧縮されている周辺領域Rを有しており、それにより第2セグメント10の厚みは、当該周辺領域Rにおいて局所的に減少されている、ということが更に視認され得る。厚みの削減は、プラスチックの発泡材料が積層処理の間に圧縮されるという当該プラスチックの発泡材料の圧縮と、次いで、削減された厚みを維持する繊維複合材料の硬化と、によって実質的に達成される。

積層体として構成されている圧縮された周辺領域Rは、繊維複合プラスチックのみから形成されている縁部領域Kにより隣接されている。これは、発泡プラスチックと繊維複合プラスチックとの複合構造が依然として存在している圧縮領域が、第2セグメント10の縁の方向において、純粋に繊維複合プラスチックから形成されている縁部領域Kに併合することを、意味する。当該縁部領域は、複合構造とは対照的に、一枚構造(monolithic)とも呼ばれ得る。本実施の形態では、縁部領域Kは、空気排出縁部として機能する。

説明された複合部品1、8のために使用される発泡プラスチックは、熱可塑性の発泡体によって構成され得る。これは、1以上のブランク(blank)において、型、特には低圧ホースの型、の内部に挿入され得て、繊維複合プラスチック、特にはプリプレグ、と共に、複合部品の端部の輪郭に従って成形され得て、型の次の封鎖物が、適切な圧力ホースを用いて当該型に対して押圧され得る。この配置を温度に従属することによって、繊維複合プラスチックは硬化され得て、一方、同時に発泡プラスチックは、型によって与えられている端部の輪郭に成形される。

プラスチックの発泡材料の接続は、好ましくは温度への従属の間に行われ、繊維複合プラスチックによって、接着剤及び/または接着片によって、活性化され得る。プラスチックの発泡材料のブランク(blank)が、溶接または接合によって事前に接続されることも可能であり、これにより形成されたプラスチック発泡体が、後続の処理において端部形状にもたらされ、及び、繊維複合プラスチックから構成される補強材と共に提供される、ということも可能である。

1 複合パイプ 2 基本要素 3 積層体 4 壁 5 半殻 6 更なる積層体 7 軸線方向のフランジ 8 複合部品 9 第1セグメント 10 第2セグメント 11 フランジ 12 中間層 N 継目 L 更なる層 R 周縁領域 K 端部領域 O ラミネートフリーの表面領域

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