正圧浮揚型飛行機

申请号 JP2009532118 申请日 2008-08-12 公开(公告)号 JPWO2009034805A1 公开(公告)日 2010-12-24
申请人 株式会社グローバルエナジー; 发明人 鈴木 政彦; 政彦 鈴木;
摘要 正圧浮揚型飛行機10は、主として翼形状部12と、左及び右側胴部30A、30B、中央胴部40と、翼形状部12の後部に設けられた昇降 舵 50、方向舵52及び中央胴部40の後部に設けられた推進器54、右及び左側胴部30A、30Bの後端部に設けられた 水 平 尾翼 56とを備え、翼形状部12、右及び左側胴部30A、30B、中央胴部40のそれぞれの前端は縦断面において円弧形状とされ、且つ、翼形状部12の下側には、前端から後端に至る凹溝形状の空気捕捉部32が設けられていて、推進器54の推 力 により翼形状部12を介して空気捕捉部32を通る空気を押したときの空気からの反力により浮上し、推力の分力により前進する。
权利要求
  • 前後方向、且つ、高さ方向の断面が、前端において前方に凸の円弧形状、後端において後方に先細り形状とされ、下側面に、幅方向の少なくとも1/2の範囲で、前端から後端に連続する凹溝形状の空気捕捉部を有する翼形状部と、
    前記翼形状部の後方に設けられた昇降舵及び方向舵と、
    前記翼形状部の上面側に取り付けられた推進器と、
    を有してなる正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1において、
    前記空気捕捉部は、横断方向の断面の面積が、前端と後端との間の中間部で、該前端及び後端よりも小さくなるように凹溝の内方に突出する絞り部を有することを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項2において、
    前記絞り部は、前記空気捕捉部における凹溝の底面となる翼形状部の下側面が、前記前端から前記中間部に向けて徐々に下向きに突出され、該中間部から前記後端に向けて徐々に突出量が小さくなるように形成された上下絞り部を含むことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項2又は3において、
    前記絞り部は、前記空気捕捉部における凹溝の左右側面が、前記前端から前記中間部に、幅方向中央に向けて突出され、該中間部から前記後端に向けて徐々に突出量が小さくなるように形成された左右絞り部を含むことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記翼形状部の最大厚み部分の厚さが、該翼形状部の前後方向の長さである翼弦長の2/10〜3/10とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項5において、
    前記最大厚み部分は、前記翼形状部の前端から翼弦長の3/10〜4/10の位置に形成されていることを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記翼形状部における前記円弧形状前端の円弧の直径は、該翼形状部の最大厚みと同一以下で、且つ、最大厚みの1/2とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記翼形状部の幅方向両側には前後方向に長く、且つ、前記翼形状部よりも厚く、前記幅方向両側の端部よりも下側に突出する高さの右側胴部及び左側胴部と、が一体的に配置され、
    前記右側胴部及び左側胴部は、それぞれの前端が、前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、且つ、前記翼形状部の両側端部よりも下側に突出した部分の機体中央側面が前記空気捕捉部における凹溝の幅方向両側面を形成していることを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項8において、
    前記右側胴部及び左側胴部は、後端に向かって徐々に薄くなるように形成され、且つ、前記後端には、水平尾翼が一体的に取り付けられ、前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に配置されたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記翼形状部は、その幅方向中央に一体的に配置された中央胴部を含んだ構造とされ、前記翼形状部の幅方向両側には、これと一体的に、前後方向に長く、且つ、前記翼形状部よりも厚く、前記幅方向両側の端部よりも下側に突出する高さの右側胴部及び左側胴部とが配置され、
    前記中央胴部は、前端が前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、
    前記右側胴部及び左側胴部は、それぞれの前端が、前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、且つ、機体中央側面が前記空気捕捉部における凹溝の幅方向両側面を形成していることを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項10において、
    前記中央胴部、右側胴部及び左側胴部は、後端に向かって徐々に薄くなるように形成され、且つ、前記右側胴部及び左側胴部の後端には、水平尾翼が一体的に取り付けられ、前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に配置されたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項7乃至11のいずれかにおいて、
    前記右側胴部及び左側胴部は、機体全体を水上に浮上させる浮力が得られるフロートとされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記翼形状部は、機体前後方向に長く、且つ、横断面において上面の高さが機体幅方向に均一とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記翼形状部は、その幅方向中央に配置された中央胴部を含む構造とされ、
    前記中央胴部は、前端が前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項10乃至12、14のいずれかにおいて、
    前記中央胴部は、前記翼形状部よりも前側に、前記空気捕捉部における凹溝の底面に連続する下側面を有していることを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項8乃至12のいずれかにおいて、
    前記右側胴部及び左側胴部の最大厚さは、その前後方向の長さの2/10〜3/10とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至16のいずれかにおいて、
    前記昇降舵は、前記翼形状部の後方であって、前記空気捕捉部の後端に対して、機体幅方向の同一範囲内に設けられていることを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項17において、
    前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に揺動自在に取り付けられ、その前後方向の縦断面の形状が、上面が直線状、且つ、下面が下向きに凸の湾曲線状又は折曲げ線状とされたことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 請求項1乃至18のいずれかにおいて、
    前記翼形状部の下側に地上走行用の車輪を配置したことを特徴とする正圧浮揚型飛行機。
  • 说明书全文

    この発明は飛行機に係り、特に、機体に対する相対的な空気流(正圧)に押されて浮揚する正圧浮揚型飛行機に関する。

    一般的な飛行機は、主翼の上下面を流れる空気流の速度の差に基づいて、主翼上面に発生する負圧により機体を持ち上げるようにしている。 この場合、主翼の迎が大きくなるその先端縁に沿って、気流の剥離が生じ易く、これによって失速したり不安定な状態となり易く、時には墜落することもある。

    又、特開2004−106784号公報には、空気流(正圧)に押されて飛翔する滑空凧飛行機が提案されている。

    この飛行機は、滑空凧飛行機との名称であって、低速時あるいは着陸時に、機体の迎角が60°近くに大きくなり、この点において凧と似ているが、実際は、機体上面の翼部に沿って、斜め下方へガスを噴射する噴射部によって、通常の飛行機と同様に推進及び揚力を発生させるものであり、空気流に押されて揚力を発生させるものではない。

    更に、低速時及び離着陸時には、機体全体の仰角を非常に大きくしなければならず、このような大きな迎角のままで滑走することは困難であるし、不安定でもある。

    この発明は、機体に対する相対的空気流に押されて浮上すると共に、離着陸時あるいは低速飛行時にも、迎角が大きくなっても安定して飛行することができる正圧浮揚型飛行機を提供することを課題とする。

    本発明者は、鋭意研究の結果、推進器によって機体を押すことにより、空気から得られる反力の分力によって機体の荷重を支えると共に、推進器による推力の分力により上昇させ、姿勢を最適に保ち、且つ飛翔することが可能であることを見出した。

    即ち、以下の本発明により上記課題を解決するものである。

    (1)前後方向、且つ、高さ方向の断面が、前端において前方に凸の円弧形状、後端において後方に先細り形状とされ、下側面に、幅方向の少なくとも1/2の範囲で、前端から後端に連続する凹溝形状の空気捕捉部を有する翼形状部と、前記翼形状部の後方に設けられた昇降及び方向舵と、前記翼形状部の上面側に取り付けられた推進器と、を有してなる正圧浮揚型飛行機。

    (2)前記空気捕捉部は、横断方向の断面の面積が、前端と後端との間の中間部で、該前端及び後端よりも小さくなるように凹溝の内方に突出する絞り部を有することを特徴とする(1)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (3)前記絞り部は、前記空気捕捉部における凹溝の底面となる翼形状部の下側面が、前記前端から前記中間部に向けて徐々に下向きに突出され、該中間部から前記後端に向けて徐々に突出量が小さくなるように形成された上下絞り部を含むことを特徴とする(2)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (4)前記絞り部は、前記空気捕捉部における凹溝の左右側面が、前記前端から前記中間部に、幅方向中央に向けて突出され、該中間部から前記後端に向けて徐々に突出量が小さくなるように形成された左右絞り部を含むことを特徴とする(2)又は(3)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (5)前記翼形状部の最大厚み部分の厚さが、該翼形状部の前後方向の長さである翼弦長の3/10〜4/10とされたことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (6)前記最大厚み部分は、前記翼形状部の前端から翼弦長の3/10〜4/10の位置に形成されていることを特徴とする(5)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (7)前記翼形状部における前記円弧形状前端の円弧の直径は、該翼形状部の最大厚みと同一以下で、且つ、最大厚みの1/2とされたことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (8)前記翼形状部の幅方向両側には、前後方向に長く、且つ、前記翼形状部よりも厚く、前記幅方向両側の端部よりも下側に突出する高さの右側胴部及び左側胴部とが一体的に配置され、前記右側胴部及び左側胴部は、それぞれの前端が、前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、且つ、前記翼形状部の両側端部よりも下側に突出した部分の機体中央側面が前記空気捕捉部における凹溝の幅方向両側面を形成していることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (9)前記右側胴部及び左側胴部は、後端に向かって徐々に薄くなるように形成され、且つ、前記後端には、尾翼が一体的に取り付けられ、前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に配置されたことを特徴とする(8)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (10)前記翼形状部は、その幅方向中央に一体的に配置された中央胴部を含んだ構造とされ、前記翼形状部の幅方向両側には、これと一体的に、前後方向に長く、且つ、前記翼形状部よりも厚く、前記幅方向両側の端部よりも下側に突出する高さの右側胴部及び左側胴部とが配置され、前記中央胴部は、前端が前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、前記右側胴部及び左側胴部は、それぞれの前端が、前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされ、且つ、機体中央側面が前記空気捕捉部における凹溝の幅方向両側面を形成していることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (11)前記中央胴部、右側胴部及び左側胴部は、後端に向かって徐々に薄くなるように形成され、且つ、前記右側胴部及び左側胴部の後端には、水平尾翼が一体的に取り付けられ、前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に配置されたことを特徴とする(9)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (12)前記右側胴部及び左側胴部は、機体全体を水上に浮上させる浮力が得られるフロートとされたことを特徴とする(7)乃至(11)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (13)前記翼形状部は、機体前後方向に長く、且つ、横断面において上面の高さが機体幅方向に均一とされたことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (14)前記翼形状部は、その幅方向中央に配置された中央胴部含む構造とされ、前記中央胴部は、前端が前方に凸となる半球の一部又は全部の形状とされたことを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (15)前記中央胴部の下側面は、機体前後方向における、少なくとも前記翼形状部と重なる範囲で、前記空気捕捉部における凹溝の底面の一部を形成していることを特徴とする(10)乃至(12)、(14)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (16) 前記右側胴部及び左側胴部の最大厚さは、その前後方向の長さの2/10〜3/10とされたことを特徴とする(8)乃至(12)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (17)前記翼形状部の後方であって、前記空気捕捉部の後端に対して、機体幅方向の同一範囲を含む幅で、水平尾翼を設けたことを特徴とする(1)乃至(16)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    (18)前記昇降舵は、前記水平尾翼の後端に揺動自在に取り付けられ、その前後方向の縦断面の形状が、上面が直線状、且つ、下面が下向きに凸の湾曲線状又は折曲げ線状とされたことを特徴とする(17)に記載の正圧浮揚型飛行機。

    (19)前記翼形状部の下側に地上走行用の車輪を配置したことを特徴とする(1)乃至(18)のいずれかに記載の正圧浮揚型飛行機。

    本発明の実施例1に係る正圧浮揚型飛行機を示す平面図

    同裏面図

    図1のIII−III線に沿う断面図

    翼形状部の先端の断面形状を模式的に示す断面図

    同他の翼形状部の先端の断面形状を模式的に示す断面図

    正面

    本発明の実施例2に係る正圧浮揚型飛行機を示す平面図

    同裏面図

    図5のIX−IX線に沿う断面図

    同正面図

    本願発明の実施例について図面を参照して説明する。

    図1、2に示されるように、実施例1に係る正圧浮揚型飛行機(以下飛行機)10は、主として翼形状部12と、右側胴部30A、左側胴部30B及び中央胴部40と、翼形状部12の後方に設けられた昇降舵50及び方向舵52と、中央胴部40の後端近傍に設けられたプロペラ型の推進器54と、右側胴部30A及び左側胴部30Bの後端部に、これらを機体幅方向に接続して設けられた水平尾翼56とを備えて構成されている。

    昇降舵50は、水平尾翼56の後端に取付けられている。 図3に示されるように、翼形状部12の、機体前後方向、且つ、高さ方向の断面において、前方に凸の円弧形状の前端22と、後方に向けて先細り形状(略)(鋭角三角形状)の後端26を有している。 又、最大厚み部分21は翼形状部12の前端22から翼弦長の2/10〜3/10の位置に形成されている。

    翼形状部12における最大厚み部分21の厚さは、翼形状部12の前後方向の長さである翼弦長の3/10〜4/10、好ましくは35/100とされている。

    又、前端22の円弧の直径は、最大厚み部分21の厚さと同一以下、且つ、1/3以上の範囲で選択する。 具体的には、図4に示されるように最大厚さDと等しい直径の円弧形状前端22Aとしたり、図5に示されるD/3の前端22Bの範囲から選択する。 なお、図5では、直径Dの円と先端の直径D/3との円の間に、中間の直径の円を外接して仮定し、これらの包接線を、前端22Bの形状の外形線としている。

    上記の最大厚さが翼弦長の3/10未満であると翼形状部12の厚さが不足して、空気流の剥離が生じ易く、4/10を超えると空気抵抗が過大となる。 又、前端22の円弧の直径が翼形状部12の最大厚み部21の厚さより大きいと、翼形状部12に凹凸が生じ、1/3よりも小さいと後述の空気流の剥離が生じ易い。 最大厚み部分21の機体部分21の機体前後方向位置については、実験により、最も安定した飛行を保つ範囲を見出した。

    右側胴部30A及び左側胴部30Bは、薄肉翼形状部12の幅方向両端に接続して、飛行機前後方向に長く、且つ主たる部分の横断面がほぼ半円形に形成されている。 又、右側胴部30A及び左側胴部30Bの先端部は、前方に凸の半球から機体幅方向の各半分を切り取った球状先端部31A、31Bとされ、又機体前後方向中間部から後端に向かって、その横断面の面積が徐々に小さくなるように設けられている。

    翼形状部12は、その厚さが右及び左側胴部30A、30Bの高さの約1/4とされ、これらの高さ方向中間位置において接続されていて、右側胴部30A及び左側胴部30Bの下側部分が翼形状部12よりも下方に突出し、且つ、機体幅方向中央側の、翼形状部12よりも下側部分は、図6に示されるように、機体進行方向に沿って延在する右ガイド面32A及び左ガイド面32Bとされている。 更に、翼形状部12及び中央胴部40の下側面は、飛行機進行方向に沿って連続的な底面24を形成している。

    この底面24と、その左右の右及び左ガイド面32A、32Bとは、翼形状部12の前端から後端に至る凹溝形状の空気捕捉部32を構成している。

    図2に示されるように、右ガイド面32A及び左ガイド面32Bは、翼形状部12の前後方向略中央位置で、機体幅方向中央側に最も突出量が多くなる左右絞り部33Aを有し、又、図3、6に示されるように、凹溝形状の空気捕捉部32の底面となる、翼形状部12の底面24は、翼形状部12の前後方向中央位置で最も下方に突出量が多くなる上下絞り部33Bを有していて、これら左右絞り部33A及び上下絞り部33Bは、絞り部33を構成している。

    上記構成により、空気捕捉部32の前端から流入した空気は、右ガイド面32A、左ガイド面32B及び底面24の、最も突出量の多い部分により構成される絞り部33で絞られてから後方に流出される。

    中央胴部40の前端は前方に凸の球状先端部42とされ、且つ、主たる部分の横断面は、縦長の楕円形状とされ、又、機体前後方向中間部から後端に向かって徐々に断面積が小さくされている。

    中央胴部40の前端側は、翼形状部12、右側胴部30A及び左側胴部30Bの前端から前方に突出され、且つ、この前方に突出した部分の下側面41は、翼形状部12よりも下方に突出されているが、空気捕捉部32の底面24に、ほぼ面一に滑らかに連続するように形成されている。

    翼形状部12の後端26は、隙間58を介して水平尾翼56の前端と機体高さ方向にほぼ面一に対向して配置されている。

    又、推進器54は、中央胴部40の、後端であって、プロペラ55が、平面視で、水平尾翼56の前側の隙間58の位置となるように配置されていて、方向舵52は、水平尾翼56の機体幅方向中央位置に、且つ、中央胴部40の後方に垂直に配置されている。 昇降舵50は、水平尾翼56の後端に揺動自在に取り付けられ、その前後方向の縦断面の形状が、上面が直線状、且つ、下面が下向きに凸の湾曲線状又は折曲げ線状とされ、その機体幅方向の長さが、空気捕捉部32の後端部とほぼ一致するようにされている。 又、水平尾翼56は、右側胴部30A及び左側胴部30Bの後端よりも、機体幅方向両側に突出して形成されている。

    ここで、水平尾翼56の断面形状は、翼形状部12の断面形状を上下反転させた形状とするとよい。 この実施例では、翼形状部12の断面形状は上面が水平、下面が下方に凸とされているので、水平尾翼56の上面は上方に凸、下面は水平又は凹形状とされている。 翼形状部12の上面は図3の形状に限定されるものでなく、情報に凸あるいは凹であってもよい。 従って翼形状部12の上面が凸又は凹であれば水平尾翼の上面は凹又は凸となる。 又、翼形状部12の後端26に対して、図3のように水平尾翼56の上下方向の位置を高くするとき飛行が最も安定した。

    なお、推進器54は、ジェットエンジンあるいはロケットエンジンであってもよいし、飛行機10が小型機、例えば無人機あるいは模型飛行機の場合は、バッテリー等の電源により駆動されるモータとプロペラであってもよい。

    この正圧浮揚型飛行機10においては、必要であれば、地上滑走用の車輪60が設けられる。 この車輪60は、右側胴部30A及び左側胴部30Bの前部下側と、水平尾翼56の下側の中央に設けると良い。 又、正圧浮揚型飛行機10を飛行艇として用いる場合は、右側胴部30A及び左側胴部30Bをフロートとする。

    この実施例1に係る正圧浮揚型飛行機10は、地上や水上に静止した状態から、推進器54によって前方に加速すると、飛行機10に対して、空気には相対速度が発生し、翼形状部12の下側の空気捕捉部32内に入り込む。

    ここでは、右ガイド面32Aと左ガイド面32Bとによって、空気流が機体の幅方向外側に流出しないように捕捉されるので、空気捕捉部32の底面24が空気を押すことになる。 この空気を押すことによって、底面24を介して、翼形状部12は空気からの反力を受ける。

    ここで、飛行機10の浮揚について和凧と比較して説明する。

    和凧の場合、風受け面(前面)は風によって押され、この和凧を保持する凧糸に張力がかかる。 和凧は、凧糸によって保持されていて、風のある状態あるいは無風下では凧糸を引張ることにより、空気流が風受け面に衝突すると、その反力により浮上し、釣合いのとれる迎角となる位置まで上昇しようとする。 この上昇する力は、凧糸を繰り出さない限り上記反力の風受け面に沿う分力であり、凧糸を繰り出した時は、前記分力と風受け面と垂直な分力との合成力となる。

    この実施例では、凧糸の張力に代えて、推進器54によって、翼形状部12が空気を押す方向に加速し、その反力として上記2つの分力を得ていると考えられる。

    推進器54によって、翼形状部12が空気を押した状態で、昇降舵50を下向きにしておけば、翼形状部12に係る飛翔力が抑制されて飛行機10は僅かに浮上した状態のままで地上すれすれに滑空する。

    推進器54のパワーを増加すると共に、昇降舵50を上向きにすれば、機体の前側が持ち上がり、且つ推進器54のパワー増大に比例して、機体は大きな反力を得て、加速且つ上昇する。

    このとき、翼形状部12の迎角は、かなり大きくなるが、翼形状部12、右側胴部30A、左側胴部30B及び中央胴部40の前端は円弧形状前端あるいは球状前端部となっているので、翼形状部12の前端部における空気流の剥離が無く、従って失速あるいは墜落することがない。

    上記過程において、空気捕捉部32の前端から後端に向かって空気流が形成されるが、前後方向中間位置の、底面24、右ガイド面32A、左ガイド面32Bの突出量が最大となる絞り部33によって空気流が絞られ、且つ、後方に向かって通路断面積が大きくなるので、いわゆるコアンダ効果によって、底面24、右ガイド面32A、左ガイド面32Bに沿う粘性の高い遅い流れが生じ、従って離れた位置では高速流が生じ、この高速流によって翼形状部12は大きな推進力を得ることができる。

    飛行機10の、推進器54の出力が小さい低速飛行時には、空気捕捉部32によって空気を押圧する力が弱いので、飛行機10全体の迎角が大きくなり、推進器54による推進力の機体前進方向の分力が小さい。

    又、推進器54のパワーが増大すると、翼形状部12は空気を押さえ込む力が強くなり、その迎角が小さくなるので、推進器54による推進力の分力が前進方向に大きくなり、飛行機10は高速走行ができる。

    このように、推進器54のパワーによって飛行機10の迎角が変化するので、安定した飛行をすることができる。 又、大気の速度即ち風速と、飛行機10の前進方向の分力とが一致した場合は、飛行機10をホバリングさせることができる。

    ここで、水平尾翼56の断面形状が、翼形状部12の断面形状を反転した構成となっているので、水平尾翼56の上面に負圧による揚力が発生し、この揚力が、翼形状部12全体が前方に持ち上がるモーメントに対抗することになり、飛行姿勢を安定させることができる。

    なお、機体重量、空気捕捉部32の受風面積、推進器54の出力の相互の関係は、試行錯誤によって決定しているが、理論が確定すれば、コンピュータによる設計が可能となる。

    空気捕捉部32は、実施例では1本であるが、これは機体幅方向に複数本に分けて構成してもよい。 但し、空気捕捉部32の翼形状部12に対する幅方向のサイズの割合は、少なくとも1/2が望ましい。 1/2よりも小さいと機体の浮揚力が不充分であり、推進器54のパワーを不必要に大きくせざるを得ない。 上限は全幅から右及び左ガイド面32A、32Bの幅を除いた値となる。 なお空気捕捉部32の深さは、機体が横滑りしない程度であればよいが、これも試行錯誤によって決定することになる。

    次に、図7乃至図10を参照して、本発明の実施例2に係る正圧浮揚型飛行機70について説明する。

    この正圧浮揚型飛行機70は、いわゆる全翼型飛行機であって、機体の全幅に亘って実施例1における右側及び左側胴部と同一高さの翼形状部74とされている。 空気補足部72は、左右のガイド面を73A、73Bを形成する左右側壁73の、幅方向の和が翼形状部74の幅と等しくなるようにされている。 空気補足部72は左右のガイド面73A、73B及び底面72Aによって形成されている。

    翼形状部74の中央位置には、実施例1におけると同様の中央胴部40が一体的に設けられている。 この中央胴部40の前端を翼形状部74の前端よりも前方に位置させ、且つ図7及び図8に符号76で示される凹欠部を設けている。 この凹欠部76の幅方向外側に連続して、実施例1における右及び左側胴部30A、30Bと同一の縦断面形状の球状先端部31A、31Bが形成されている。

    他の構成は、前記実施例1における構成要素と同一部分に同一符号を付することにより説明を省略する。

    この全翼型の正圧浮揚型飛行機70は、空気補足部72の面積が、機体平面の面積に比較して大きくなるので、大きい浮揚力を得ることができる。 又、凹欠部76よりも突出された先端部31A、31B及び球状42により空気流の剥離を抑制できるので、飛行が安定する。

    なお、全翼型飛行機に本発明を適用した場合、中央胴部は必ずしも設ける必要は無いが、設けた場合は飛行が安定する。

    上記実施例1及び2において、翼形状部の後端と水平尾翼との間に隙間58が設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、推進器と干渉しなければ、隙間58は必ずしも設ける必要は無い。

    又、絞り部33は、左右絞り部33A、上下絞り部33Bとから構成されているが、どちらか一方のみによって構成してもよい。 更に、中央胴部の前端は、必ずしも左右胴部よりも突出させなくてもよく、突出量が左右胴部よりも小さくてもよいが、これらの間に凹欠部76を設けると飛行状態が安定する。

    産業上の利用の可能性

    機体の姿勢及び速度に関わらず、安定した飛翔をする飛行機を提供できる。

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