【発明の詳細な説明】 【0001】 本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、航空機から貨物を的確に卸すか、または貨物を的確に受け取るための方法に関する。 【0002】 航空機から貨物または人間をローディングするか、またはアンローディングすることは知られている。 この場合、この目的のために航空機が着陸しなければならないという問題が生じる。 【0003】 さらに、着陸していない航空機からケーブルウインチを用いて人間または貨物を引き下ろすか、または受け取ることも知られている。 この場合には、特に困難な天候条件のもとでの正確な卸しが不可能となるか、または極めて困難となるという問題が生じる。 したがって、この方法は多数の使用事例において排除されている。 【0004】 フランス国特許出願公開第2364851号明細書(1978年4月)には、 三次元的もしくは立体的に張設されたケーブル骨組を介してロードもしくは積載された貨物を卸すことを可能にする装置が記載されている。 この場合に問題となるのは、航空機によってケーブル骨組に永続的に予荷重もしくはプレロードをかけることが必要となることである。 航空機の許容運動半径はケーブル骨組のジオメトリと、全てのケーブルがプレロードをかけられた状態に維持されなければならないという要求とによって制約されている。 航空機によって鉛直方向でのプレロードを形成することは、エネルギ的にも構造的にもかなりの手間を必要とする。 【0005】 ドイツ連邦共和国特許出願第P19625297.0号明細書(1996年6 月)に記載されている方法では、上で述べたフランス国特許出願公開明細書では言及されなかった重要な観点が解明されているが、しかし基本的に、航空機によって三次元的なケーブル骨組にプレロードをかけることに関する問題は残されたままである。 【0006】 米国特許第3393769号明細書(1968年6月)には、やはりプレロードをかけられたケーブルシステムに依る装置が開示されている。 この場合、開示されたジオメトリに基づき、卸したい貨物を三次元的に位置決めすることは不可能である。 【0007】 ドイツ連邦共和国実用新案第29509940号明細書(1995年11月) には、同じく貨物または人間を引き下ろすための装置が開示されており、この装置は人間を良好に固定するために、グラウンドに対する安全ケーブルを張設する。 この場合、きれいな三次元的固定や、このために必要となるジオメトリ的(幾何学的)な条件については何も言及されていない。 【0008】 英国特許第2055728号明細書(1981年3月)には、飛行船から貨物を引き下ろすことを可能にする方法が開示されているが、しかし上記英国特許明細書の方法では、卸し地点への点正確な貨物卸しを実現するための手段が開示されていない。 すなわち、この方法では、航空機や卸し作業に影響を与える妨害因子もしくは外乱の作用が構造的に回避されない。 【0009】 さらに、卸し地点の上方に中間プラットホームを配置し、この中間プラットホームから貨物を引き下ろすことも公知先行技術として知られている。 しかし、この中間プラットホームはやはりプレロードをかけられた立体骨組を介して所定の位置に保持される。 したがって、飛行船によってシステムにプレロードをかけることが常に必要となる。 この場合、ケーブル骨組のジオメトリが航空機の運動空間を規定する。 【0010】 したがって、本発明の課題は、周辺条件により航空機の安定した停止が不可能とされ、かつグラウンドにまでの鉛直方向でのプレロード付与が任意の理由から不可能であるか、または望ましくないか、もしくは方法の継続中では確保され得ない場合でも、ロードもしくは貨物の的確な卸しまたは受取りないし点正確な卸しまたは受取りが可能となるような装置および方法を提供することである。 【0011】 この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴を有する装置により解決される。 【0012】 圧力負荷可能な支えを備えた立体骨組に基づき、中間プラットホームの位置は、航空機が静止していることが要求されることなしに、既に十分に三次元的に位置固定されている。 中間プラットホームの位置の不正確性は中間プラットホームを引き下ろす間と、押圧力を吸収する支えによる位置固定を行う前とに生じ得る。 このとき、航空機自体はロードもしくは貨物の上方に、好都合に設定された間隔を置いて位置している。 航空機と中間プラットホームとの間のプレロードは、 卸し過程の間に十分に一定に保持され得る航空機の浮力から得られる。 【0013】 本発明の有利な構成では、積載された貨物が中間プラットホームからケーブルシステムを介して引き下ろされる。 このケーブルシステムは位置精度の一層の向上を可能にする。 このことは、たとえば、運動させたい質量が大きい場合でも貨物を手で運動させることを可能にする、鉛直方向に走行するケーブルであるか、 または卸し点への貨物の誘導を可能にする、グラウンドに接続されたシステム( たとえばガイドレール、ドッキング装置等)であってよい。 【0014】 中間プラットホームの支承装置の、押圧力を吸収するエレメントには、中間プラットホームの支承装置の構築時に、要件に応じて減衰された運動を可能にする構成部分が組み込まれていると有利である。 このような減衰作用を有するエレメントは、たとえばばねエレメント、ハイドロリックダンパ等であってよい。 択一的には、それぞれ個々の支え自体が、減衰エレメントをも成している。 【0015】 本発明のさらに別の有利な構成では、押圧力を吸収するエレメントが、グラウンドとの接続および中間プラットホームの粗い位置調整の後に、はじめて徐々に押圧力を吸収できるようになっていく。 これによりシステム全体への衝撃負荷が小さく保持される。 このことは、たとえば好都合に設定され得る複数のジョイントにおいてステップバイステップに自由度が制限されていき、こうして立体支持構造を徐々に剛性化していくような運動鎖または機構によって達成され得る。 【0016】 別の変化形としては、内圧により安定化され得る支えの使用を挙げることができる。 この場合、この支えは内圧を加えることによってはじめて剛性化され、こうして立体支持構造を構築する。 【0017】 これに対して補足的に、立体支持構造体を、押圧力を吸収する複数の支えから成る複合体から形成し、そしてこれらの支えを三次元的に位置固定するために働く張設装置を抗張エレメント(たとえばケーブル)から形成することも好都合になり得る。 このような支持複合体の構造は、適切でありかつ好都合であると思われる場合には、方法全体の個々のステップからの特別な要求を考慮するものであることが望ましい。 このことは、たとえばグラウンドに対する接続後にはじめて抗張エレメント張設装置を介して、押圧力を吸収する能力を付与される、支えの可動支承装置であってよい。 【0018】 鉛直方向軸線を中心とした航空機の可能となる運動と中間プラットホームの可能となる運動との分離は、航空機と中間プラットホームとの間のシステムに組み込まれていてもよいし、航空機に組み込まれていてもよいし、中間プラットホームに組み込まれていてもよい適当な装置によって達成される。 このことは、たとえばケーブルの十分な捩り可能性またはターンテーブル(Drehkranz) であってよい。 【0019】 本発明の別の特徴ならびに有利な変化形は請求項2以下、実施例の説明および図面から明らかである。 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。 【0020】 図1〜図4には、飛行船からの卸しを例にとって積載された貨物を卸すための方法全体が示されている。 また、貨物の受取りは、卸し方法ステップの逆の順序で同様に実施される。 個々のステップは有利には時間的に連続して行われてよく、図面では、単に図面を見易くするという理由でのみ個々のステップがそれぞれ断続的に図示されている。 さらに、図面では、方法全体ができるだけ包括的に描かれている。 すなわち、構成上の変更に基づき可能となる場合には、個々のステップのいずれかを不要にすることができる。 【0021】 図1には、ステップ1〜ステップ4が描かれている。 【0022】 ステップ1では、航空機がまだ目的地への巡航飛行の状態にある。 【0023】 ステップ2では、航空機が、場所的に与えられた条件および要件に応じて設定されるホーミング飛行高度にまで降下する。 【0024】 ステップ3では、必要に応じて貨物室が開かれて、ロードもしくは貨物が引き下ろされる。 択一的には、貨物が原則的に航空機の下方に位置しており、すなわち、貨物をわざわざ引き下ろさなくても済む。 その場合、このステップは不要となる。 【0025】 ステップ4では、航空機がホーミング飛行高度に配置され、この場合、航空機は風や浮力変化による妨害因子もしくは外乱を補償するだけでよい。 ただし、航空機は静止している必要はなく、絶え間ない運動にさらされていてよい。 【0026】 図2には、ステップ5〜ステップ8が描かれている。 【0027】 ステップ5では、必要に応じて、押圧力を吸収するための立体支持構造体が準備される。 択一的には、立体支持構造体は常に引き出された状態にある。 【0028】 ステップ6では、グラウンドへの接続が形成される。 このことは、ばね減衰エレメントが場合によっては十分に役に立つ複数の方法ステップのうちの1つである。 【0029】 ステップ7では、必要に応じてフレームが張設される。 フレームは遅くともこの時点から、押圧力を吸収することができるようになる。 【0030】 ステップ8では、中間プラットホームから貨物を引き下ろすためのあらゆる準備が完了している。 【0031】 図3には、ステップ9〜ステップ10が描かれている。 【0032】 ステップ9では、貨物が引き下ろされる。 このとき、適当な装置が据え付けられている場合には、さらに精密位置調整を行うことが可能である。 【0033】 ステップ10では、必要に応じて、引き下ろされた貨物の重量が補償バラストによってバランスされる。 この補償バラストは種々の形で収容され得る。 【0034】 図4には、ステップ11〜ステップ16が描かれている。 【0035】 ステップ11では、押圧力吸収用の格子フレーム状の立体支持構造体の、場合によっては必要とされる張設解除が行われた後に、グラウンドに対する接続が解離される。 【0036】 ステップ12では、航空機が再びグラウンドから持ち上げられる。 【0037】 ステップ13では、構成上の設定に応じて、中間プラットホームを支承するための支持構造体が再び引き込まれる。 【0038】 ステップ14では、構成上の設定に応じて、フレームと補償バラストとが引き込まれる。 【0039】 ステップ15では、巡航飛行への移行が開始される。 【0040】 ステップ16では、航空機が再び巡航飛行の状態にある。 【0041】 図示の飛行船に対して択一的に、航空機は気球またはヘリコプタあるいはまた浮力を発生させるために水平運動を必要としないあらゆる別の航空機であってもよい。 【0042】 相応して、問題設定から好都合であると判った場合には、貨物を懸吊するための図示のフレームを不要にすることもできる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 航空機から貨物を卸すための方法の最初のステップを示す概略図である。 【図2】 航空機から貨物を卸すための方法の別のステップを示す概略図である。 【図3】 航空機から貨物を卸すための方法のさらに別のステップを示す概略図である。 【図4】 航空機から貨物を卸すための方法のさらに別のステップを示す概略図である。 【符号の説明】 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15 ,16 ステップ 【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書 【提出日】平成12年4月3日(2000.4.3) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】特許請求の範囲 【補正方法】変更 【補正内容】 【特許請求の範囲】 |