Pipe running car

申请号 JP19560492 申请日 1992-07-22 公开(公告)号 JP3158187B2 公开(公告)日 2001-04-23
申请人 大阪瓦斯株式会社; 发明人 エー. エドワーズ エリク; エス. ガルマン ローレンス; イー. ペルライン ロナルド;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、少なくとも1つの該車輪を駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の内径より小さい外径を有し前記各外輪の内周面上を転動し得る透磁性材料部分を備えた内輪と、
    該透磁性部分に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石とを備えており、前記駆動部は、前記内輪に接続されていることを特徴とする管内走行車。
  • 【請求項2】 前記内輪の透磁性材料部分が車体幅方向に並ぶ1対の円形部材を構成し、前記磁石はこれら円形部材の間に配置されて磁極を該円形部材に接していることを特徴とする請求項1に記載の管内走行車。
  • 【請求項3】 前記磁石の中間部には、該磁石の軸線に垂直な面に沿って前記磁石周面を囲むように環状の歯車が設けられ、前記駆動軸は、該歯車に噛合する歯車を備えており、前記外輪は、走行面に接する1対の円形状車輪本体を備え手いることを特徴とする請求項2に記載の管内走行車。
  • 【請求項4】 前記円形状車輪本体の各々が、カップ形状を有していることを特徴とする請求項3に記載の管内走行車。
  • 【請求項5】 前記外輪が、中央部に前記磁石を通す開口を有し前記円形カップ状車輪本体の開口面を覆うように設けられた円盤を備え、該円盤は、前記開口の位置を径方向に移動させ得るように可撓性を有していることを特徴とする請求項4に記載の管内走行車。
  • 【請求項6】 前記車体が、コンピュータと、走行車の管内での位置を検知し車体位置信号を出力する位置検出装置とを搭載していることを特徴とする請求項1に記載の管内走行車。
  • 【請求項7】 前記車体が表面検知装置を備え、該表面検知装置は、前記車体の前方に光を出射する投光器と、
    該投光器からの光の反射光により反射面の位置を検知し表面位置信号を出力する位置検出器と、前記車体の進行方向に平行な軸線回りに該投光器及び位置検出器による走査を行なうための走査装置とを備えており、前記コンピュータは、前記車体位置信号及び表面位置信号に基づき前方の表面形態を識別し、該表面形態に応じて車体の進行を制御する制御信号を前記駆動部に発する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の管内走行車。
  • 【請求項8】 前記制御手段が、車体の前方の表面形態に関するデータを収集することを特徴とする請求項7に記載の管内走行車。
  • 【請求項9】 前記コンピュータが、管内に存在し得る表面形態パターンを予め保存しており、前記表面位置信号に基づき得られる表面形態情報から、該当する前記表面形態パターンを選択し、表面形態の識別に利用することを特徴とする請求項6に記載の管内走行車。
  • 【請求項10】 車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、少なくとも1つの該車輪を駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の内径より小さい外径を有し前記各外輪の内周面上を転動し得る透磁性材料部分を備えた内輪と、
    該透磁性部分に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石とを備えており、前記駆動部は前記外輪に接続されていることを特徴とする管内走行車。
  • 【請求項11】 前記内輪の透磁性材料部分が車体幅方向に並ぶ1対の円形部材を構成し、前記磁石はこれら円形部材の間に配置されて磁極を該円形部材に接しており、前記外輪は、前記1対の円形部材が転動し得る円環状の周部壁と、該周部壁の両端面を閉じる側壁とを有し、前記内輪を囲んでいることを特徴とする請求項10
    記載の管内走行車。
  • 【請求項12】 前記車体が、コンピュータと、走行車の管内での位置を検知し車体位置信号を出力する位置検出器装置とを搭載していることを特徴とする請求項10
    に記載の管内走行車。
  • 【請求項13】 前記車体が表面検知装置を備え、該表面検知装置は、前記車体の前方に光を出射する投光器と、該投光器からの光の反射光により反射面の位置を検知し表面位置信号を出力する位置検出器と、前記車体の進行方向に平行な軸線回りに該投光器及び位置検出器による走査を行なうための走査装置とを備えており、前記コンピュータは、前記車体位置信号及び表面位置信号に基づき前方の表面形態を識別し、該表面形態に応じて車体の進行を制御する制御信号を前記駆動部に発する手段を備えていることを特徴とする請求項12に記載の管内走行車。
  • 【請求項14】 前記制御手段が、車体の前方の表面形態に関するデータを収集することを特徴とする請求項1
    3に記載の管内走行車。
  • 【請求項15】 前記コンピュータが、管内に存在し得る表面形態パターンを予め保存しており、前記表面位置信号に基づき得られる表面形態情報から、該当する前記表面形態パターンを選択し、表面形態の識別に利用することを特徴とする請求項12に記載の管内走行車。
  • 【請求項16】 車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、前記車体に装着され前記車輪の少なくとも1つを駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の中心部に回転自在に装着され径方向に該外輪の内周面付近まで延びる透磁性材料部分を備えたアームと、該アームに磁極を接するように装着された磁石と、該アームを所望の角度回転させ得るアーム回動部とを備えていることを特徴とする管内走行車。
  • 【請求項17】 前記アームの透磁性材料部分が、車体幅方向に並ぶように1対設けられ、前記磁石はこれら1
    対のアームの間に配置されて磁極を該透磁性材料部分に接していることを特徴とする請求項16に記載の管内走行車。
  • 【請求項18】 前記車体が、コンピュータと、走行車の管内での位置を検知し車体位置信号を出力する位置検出器装置とを搭載していることを特徴とする請求項16
    に記載の管内走行車。
  • 【請求項19】 前記車体が表面検知装置を備え、該表面検知装置は、前記車体の前方に光を出射する投光器と、該投光器からの光の反射光により反射面の位置を検知し表面位置信号を出力する位置検出器と、前記車体の進行方向に平行な軸線回りに該投光器及び位置検出器による走査を行なうための走査装置とを備えており、前記コンピュータは、前記車体位置信号及び表面位置信号に基づき前方の表面形態を識別し、該表面形態に応じて車体の進行を制御する制御信号を前記駆動部に発する手段を備えていることを特徴とする請求項17に記載の管内走行車。
  • 【請求項20】 前記制御手段が、車体の前方の表面形態に関するデータを収集することを特徴とする請求項1
    9に記載の管内走行車。
  • 【請求項21】 前記コンピュータが、管内に存在し得る表面形態パターンを予め保存しており、前記表面位置信号に基づき得られる表面形態情報から、該当する前記表面形態パターンを選択し、表面形態の識別に利用することを特徴とする請求項18に記載の管内走行車。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、磁を利用して管内を自由に走行する車に関する。

    【0002】

    【従来の技術とその問題点】このような走行車としては、車体の前部及び後部に各々1対の車輪が取り付けられ、各車輪は2枚又は3枚の透磁性材料からなる円板の間に永久磁石を挾んだ構造とされたものが種々提案されている。 この種の走行車は、鋼管のような磁性材料製管の上又は中を走行するように構成されている。 しかしながら、それらの管内行車においては、透磁性材料の円板が直接走行面に接するので、例えば平壁から垂直壁に移行する際には、円板が水平壁と垂直壁との双方に吸着した状態となり、水平壁から離反できず、走行が停止してしまうというように、走行可能な面が限定されていた。 また、透磁性材料の円板及び磁石が、共に露出状態で使用されるため、走行中に磁性体の塵埃が集積するのを防止することができなかった。

    【0003】

    【発明の概要】本願発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを目的とする。

    【0004】すなわち本発明の目的は、垂直壁から水平壁等のより多くの形態の障害箇所に妨げられることなく進行することができる管内走行車を提供することにある。

    【0005】本発明の他の目的は、走行中に磁性体の塵埃が集積するのを防止することができる管内走行車を提供することにある。

    【0006】本発明は、前記目的を達成するために、車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、少なくとも1つの該車輪を駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の内径より小さい外径を有し前記各外輪の内周面上を転動し得る透磁性材料部分を備えた内輪と、該透磁性部分に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石とを備えており、前記駆動部は、前記内輪に接続されていることを特徴とする管内走行車を提供する。

    【0007】本発明はまた、車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、少なくとも1つの該車輪を駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の内径より小さい外径を有し前記各外輪の内周面上を転動し得る透磁性材料部分を備えた内輪と、該透磁性部分に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石とを備えており、前記駆動部は前記外輪に接続されていることを特徴とする管内走行車を提供するものである。

    【0008】本発明はさらに、車体と、該車体に少なくとも1つ設けられた車輪と、前記車体に装着され前記車輪の少なくとも1つを駆動する駆動部とを備え、前記車輪は、円環状の周部壁を有した外輪と、前記外輪の中心部に回転自在に装着され径方向に該外輪の内周面付近まで延びる透磁性材料部分を備えたアームと、該アームに磁極を接するように装着された磁石と、該アームを所望の度回転させ得るアーム回動部とを備えていることを特徴とする管内走行車を提供するものである。

    【0009】本発明の1実施態様によれば、車体に取り付けられる車輪が、円環状の周部壁を有した外輪と、透磁性材料部分を備えた内輪と、該内輪に装着された磁石とを備えているので、磁石の磁力が内輪を通り、外輪を越えて走行面に作用する。 したがって、垂直面、天井面、傾斜面などを、磁石の吸着力により滑りや落下を防止された状態で、確実に走行することができる。 特に内輪は、外輪の内周面上を転動し得るので、水平壁と垂直壁との間のような傾斜の異なる面の間での移行の際に、
    2つの面に接して停止した外輪の内周面上を移動することにより先ず内輪が2つの面の間を移動し、これにより外輪の移動を容易にする。 その結果、走行車は、種々の管形態による三次元空間を自由に走行することができる。

    【0010】また外輪が、円環状の周部壁と、該周部壁の両端面を閉じる2つの側壁とを有し、前記内輪を囲んでいるものとされた場合は、磁性を有したごみや粉体が、内輪に付着するのを防止することができる。

    【0011】本発明の他の実施態様によれば、車体に取り付けられる車輪は、外輪と、外輪の中心部に回転自在に装着され径方向に外輪の内周面付近まで延びる透磁性材料部分を備えたアームと、該アームに装着された磁石とを備えているので、該アームは磁力に基づいて自由に走行面に向き、走行面に対する吸着作用を生じる。 その結果、あらゆる角度の走行面を確実に走行することができる。 また、アームを所望の角度回転させ得るアーム回動部を備えているので、車体が段部に当接した場合は、
    アームを約90度回動させて段部に吸着させ、その状態で外輪を駆動することにより段部を登ることができる。

    【0012】

    【実施例】以下、本発明の実施例につき添付図面を参照しつつ説明する。 図1は、本発明に係る管内走行車1A
    に連結車1B、1Cが連結されて管A内を走行している状態を示している。 各管内走行車は、車体10と、該車体の前部及び後部に各々1対の車輪20を備えている。
    走行車1Aは、さらに駆動部11(図2参照)、ステアリング部12、バッテリ13、表面検知装置14、位置検出装置15、コンピュータ16を車体10内に備えている。 位置検出装置15は、ジャイロ装置又は傾斜検出装置を備えてものとすることができる。 連結車1Bは、
    走行車1Aに電力を供給するためのバッテリ13を備えている。 連結車1Cは、進行方向が前後逆になった場合に使用できる表面検知装置17を車体内に搭載しており、さらに管内の補修、撮影などのために必要な種々の作業装置の搭載が可能となっている。 また、走行車1A
    の駆動部11及びステアリング部12からは、駆動操用フレキシブルケーブル18が連結車1B及び1Cまで延び、これらの連結車の車輪20を操作するようにされている。

    【0013】車輪20は、図2に示すように、円環状の周部壁22及びその両側面を覆う側壁23を有した外輪21と、外輪21の内径より小さい外径を有し各外輪2
    1の内周面上を転動し得る透磁性材料からなる内輪25
    と、該内輪に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石27とを備えている。 外輪の周部壁22及び側壁2
    3は車体からの荷重及び磁力に抗し得る剛性を有した金属、ゴム、合成樹脂及びこれらの合成材などで構成することができる。 周部壁22は、内部に磁性粒体を含むのが望ましく、特に粒子が外輪径方向に多数のコラム状に並ぶようにするのが望ましい。 これにより、後述する磁石27からの磁力線をより有効に走行面に導くことができる。 或いは、外輪を金属シェルとすることもでき、これにより、外輪は極めて堅固で強度に富むものとなる。
    図3を参照して後述するように、堅固な外輪21は、水平壁から垂直壁のような変形した箇所での移行の間に外輪が歪むのを防止する。 金属シェルは、牽引力を高めると共に、外輪21が転動する面の損傷を防止するために、ゴム等の柔軟性材料で覆うことができる。 さらに、
    周面部22は、磁性を有する鋼、鉄その他の透磁性材料で形成し、内輪25から走行面への磁界の伝播を高めることができる。 この場合は、磁力線が不当に漏れるのを防止すべく、側壁23は、非磁性材料で形成するのが望ましい。 非磁性材料製の側壁23は、外輪21の金属シェルを形成するように、磁性材料製周部壁22に溶接その他により接合することができる。 内輪25は、この例では相互に間隔をおいた1対の椀状の軟鉄製円板を備えている。 或いは、内輪25は、1対の中実のディスクを備えたものとすることもできる。 ボウル状であろうと、
    中実であろうと、内輪25の外周面は、管の曲面に合う形状とすることができる。 内輪25には他の透磁性材料を使用することもできる。 磁石27は、細長い棒状をなし、内輪25の1対の軟鉄製円板の間に固定され、N極及びS極をこれらの円板に接している。 この例では軽量化のために永久磁石が使用されているが、重量及び磁力がさほど問題とされない場合には、電磁石を使用することもできる。 このことは、以下の他の例においても同じである。 磁石27の中央部の周囲には環状の傘歯車28
    が固着され、該傘歯車は駆動部11及びステアリング部12に接続されている。 図には駆動部11及びステアリング部12の一部が示されている。 駆動部11は、可撓性を有する駆動軸110と、車体に支持され該駆動軸により回転させられる歯車111と、該歯車に一端を接続された駆動用べローズ112と、該駆動用べローズの他端に接続され磁石27上の環状の傘歯車28に噛合する傘歯車113とを備えている。 ステアリング部12は、
    可撓性を有するステアリング軸120と、車体に支持され該ステアリング軸により回転させられる歯車121
    と、該歯車に一端を接続された操舵用べローズ122
    と、該操舵用べローズの他端に接続され磁石27を内部で回転可能に支持するベアリング123とを備えている。 ステアリング部の歯車121及び操舵用べローズ1
    22は、中央の空所に同軸状に駆動用べローズ112を通し、ベアリング123は傘歯車113及び28の両側に1対設けられている。 また、歯車121とベアリング123との間には操舵用べローズ122を囲むように、
    圧縮コイルばね125が装着され車体の荷重を支持している。 この車輪20においては、駆動軸110の回転が歯車28に伝えられて、磁石27及び内輪25が回転し、内輪25の回転により外輪21が回転して車体を進行させる。 外輪21の回転は、塵埃のような不要な磁石粉を掃除することとなる。 一旦強力な磁場から離反すると、磁石粉は剥落し、或いは容易に掃き取られ得る。 また、ステアリング軸の回転がベアリング123を介して磁石27に伝えられ、磁石27,内輪25及び外輪21
    が、走行面に垂直な軸線回りにステアリングのために回転させられる。 駆動用べローズ112及び操舵用べローズ122は、金属ベローとされ、軸線方向には自由に撓んで走行面の凹凸を吸収し、軸線回りの方向には剛性を有して回転力を伝達する。 これらのベローに代えて、同様の作用をなす構造のものを種々採用することができ、
    例えば駆動軸の途中にユニバーサルジョイントとテレスコーピック伸縮ジョイントとを設けた構造とすることができる。

    【0014】このように構成された管内走行車は、例えば水平壁から垂直壁に移る場合、次のように走行する。
    図3は、走行車の1つの車輪20についての走行状態を示している。 先ず図3(a)に示すように、車輪20は図の右から左へと水平壁上を転がりながら移動して来る。 車輪20は、内輪25が駆動され外輪21内を転がることにより、外輪21を進行させる。 図3(b)に示すように外輪21が垂直壁に当接すると、外輪21は水平方向に前進できなくなり、内輪25は外輪の内周面を登って行く(図3(c)参照)。 内輪(25)が図3
    (d)の位置まで外輪の内周面を登った後、さらに回転を続けると、外輪(23)は垂直壁上を上方へ前進し始める(図3(e)参照)。 図1に示されているような垂直壁から水平壁への移動や、曲面に沿った上昇や下降を伴う移動の場合は、内輪25がこれらの走行面に沿って移動して行けば、外輪21がそれに伴って移動する。 このように、車輪20は壁面に沿って三次元空間を自由に移動できる。

    【0015】次に、車輪20における外輪21と内輪2
    5との径の比率について説明する。 図3(b)の状態から図3(c)の状態に移行するためには、内輪25は、
    水平壁に最も近い位置、すなわち外輪内周面の下端から、水平壁方向への磁力Fvに抗して離反し外輪内周面を登る必要がある。 この場合、外輪21と内輪25との径の差が大きい程、内輪25の1回転当たりに登る高さが小さい。 したがって、より小さい力で外輪内周面を登ることができる。 しかし、両輪の径の差があまりに大きいと、図3(c)のような中間状態で壁面への磁力が不足する場合がある。 特に垂直壁と天井面のような水平壁との間での移行の際にこの磁力の不足あると、車体の落下の虞れが生じる。 一方、内輪25の径が外輪の径に近いと、内輪が外輪内周面を登るのに要する力が大きくなる反面、中間状態での磁力は大きくなる。 したがって、
    外輪と内輪との径の比率は、磁力に抗して内輪が外輪内周面上を移動する際の容易さと、走行面への吸着力の大きさとの双方の要求を満たすべく選択される必要があり、吸着力が十分に得られる範囲内で内輪と外輪との差をできるだけ大きくするのが望ましい。 この径の比率の決定のためには、外輪及び内輪の接触面の摩擦係数、走行面間の移行の形態、内輪及び磁石の重量、車体の重量などが考慮される。

    【0016】図1に示した走行車1Aは、以下に説明する表面検知装置14、位置検出装置15及びコンピュータ16を備えている。

    【0017】表面検知装置14は、車体の前方に光を出射する投光器と、該投光器からの光の反射光により反射面の位置を検知し表面位置信号を出力する位置検出装置と、該投光器及び位置検出装置を前記車体の進行方向に平行な軸線回りに回転させる回転装置とを備えている。
    投光器としては、半導体レーザをビームとして投光し得るものを使用するのが望ましい。 位置検出装置は、半導体位置検出装置等、反射光から反射面の位置を検知し得る機能を備えた公知の装置を使用することができる。 回転装置は、投光器及び位置検出装置を前述の軸線回りに回転させることにより、管内面を投光器からの光で走査し、内周面全体の表面位置信号を得ることを可能にする。

    【0018】位置検出装置15において重要なのは、角度の解像度である。 走行車が、T字形ジョイントのような、管路における開口に接近するとき、位置検出装置1
    5は、これを管壁での細い隙間として認識することになる。 認識される隙間の大きさは、走行車が開口から離れている距離によって変化する。 図9は、必要とされる角度解像度について示している。 離反距離Lが200mm
    であり、この地点から測定されるべき最小領域Fが5m
    mだとすると、角度解像度Bは、約0.5度である必要がある。

    【0019】位置検出装置15は、走行車の前方を走査する。 レーザ光源151とフォトディテクタ152とを同時に移動することにより、位置検出装置は円を描くように走査を行なう。 好ましくは、その走査は、管の周部と同心状に行なわれる。 或いは、その走査は、焦点決めをなす光学装置を移動させ、レーザ光源及び位置検出装置は静止させた状態で行なうこともできる。 管内に何かが侵入していたら(図10におけるA)、位置検出装置には、特異な接近した箇所として現れることになる。 また、管に開口がある場合は(図10におけるB)、大きく又は無限に離反した箇所として認識される。 位置検出装置の処理におけるモジュールは、これらの距離対時間のデータ(時間は位置検出装置の検知角度位置を表わす)と対比され、管の清浄性、管内の障害物の有無、菅接合部の接近(接近した場合はその接合部の形態)を判別するための処理が行なわれる。

    【0020】管が清浄であれば、走行車の径よりやや大きい管(内径200mm)の距離対時間のデータから得られる結果は、図11(a)に示すように、ほぼ一定である。 管の径が走行車より大きくなる場合(内径400
    mm)は、図11(b)に示された曲線となる。 これによると、走行車に近い管部分では離反距離がほぼ一定であり、その後なめらかに上昇し、さらになめらかに下がって一定位置に戻っている。 菅内にあるレンチのような障害物は、図11(c)のように、通常の離反曲線に対して不連続な箇所を示し、短い一定値の部分を経て、不連続的に通常の離反曲線の位置に戻る。 管の接合部は、
    図11(d)のように、一定時間に亘って、データがない状態として現れる。 これは、照射ビームが枝管に入り込んで戻りが生じず、距離対時間の曲線に欠けを形成するからである。 T字形ジョイントでなく、L字形ジョイントの場合は、図11(e)に示すように、管の一方の側においては信号が消失した状態となり、他方の側では高い値の信号が得られる。

    【0021】表面検知装置14としては、以上のように光を利用したものの他、超音波、マイクロ波など種々の手段を利用したものとすることができる。

    【0022】位置検出装置15としては、種々のジャイロ装置又は傾斜検知装置を使用することができる。 ジャイロ装置としては、リングレーザジャイロ(Ring Laser
    Gyro )、ターンドジャイロ(Turned Dry Gyro )、1
    自由度フローテッドレイトインテグレイティングジャイロ(Single-degree-of-freedom Floted Rate Integrati
    ng Gyro )等の公知の種々の装置を使用することができる。 傾斜検知装置としては、振り子式ポテンショメータ、磁力対抗型傾斜検知装置(magnetoresistivetilt s
    ensor)等の種々の公知の装置を使用することができる。 ジャイロ装置は走行車の管内での位置を検知し、車体位置信号を発する。 コンピュータ16は、車体位置信号と表面検知装置14からの表面位置信号とに基づき、
    車体の位置及び管内面の曲がりや障害物等、前方の表面形態を識別し、該表面形態に応じて走行方向、速度等、
    車体の進行を制御する制御信号を駆動部11に送る。 駆動部11は、その信号に基づき、駆動速度、操舵等の制御をする。 管内の表面形態の変化が一定のパターンに限られている場合は、管内に存在し得る表面形態のパターンを予め保存しておき、前記表面位置信号に基づき得られる表面形態情報から、該当する前記表面形態パターンを選択して表面形態の識別を行なうことができる。 この場合は、識別がより容易になり、識別に要する時間及び装置の軽減ができる。 さらに、コンピュータ16には、
    予め作製された配管地図を記憶させておくことができ、
    前述の車体位置信号及び表面位置信号との関連付けにより、走行車の進路を自ら選択するようにすることもできる。

    【0023】図4は、図1に示した管内走行車に使用する車輪の他の例を示している。 車輪40は、円環状の周部壁42及びその両側面を覆う側壁43を有した外輪4
    1と、外輪41の内径より小さい外径を有し各外輪41
    の内周面上を転動し得る透磁性材料からなる円盤状の内輪45と、該内輪に磁極を接するように前記内輪に装着された磁石47とを備えている。 外輪41の内側の側壁43には駆動部11の駆動軸110が接続されている。
    外輪の周部壁42及び側壁43は車体からの荷重に抗し得る剛性を有した金属(非磁性体が好ましい)、ゴム、
    合成樹脂及びこれらの合成材などで構成することができる。 内輪45は、この例では、相互に間隔をおいた一対の軟鉄製円板を備えている。 内輪45には、他の透磁性材料を使用することもできる。 磁石47は、内輪45の1対の軟鉄製円板の間に固定され、N極及びS極をこれらの円板に接している。

    【0024】図5は、このように構成された車輪40
    が、水平壁から垂直壁に移行する状態を示している。 図5(a)に示すように、車輪40は外輪41を駆動されて図の右から左へと水平壁上を転がりながら移動して来る。 内輪45は水平壁に近い位置にあり水平壁に向かう大きな力Fvを受けているが、垂直壁に接近すると垂直壁に向かう力Fhが生じる。 次に、外輪41が垂直壁に当接する。 内輪45は、図5(b)に示すように、その重量の分だけ水平壁に近い位置をとり、近い分だけ水平壁に強く引かれ、垂直壁に向かう力Fhは水平壁に向かう力Fvよりわずかに小さい。 この状態で走行車の駆動力を働かせることにより、車輪40は次のようにして水平壁から離反する。 すなわち、前輪及び後輪の双方に駆動機能を有している走行車の前輪(図の車輪40)が垂直壁に当接したとすると、後輪の駆動力が車体を前方に進めようとし前輪を垂直壁に対して強く押圧するという作用の下に、前輪が駆動力をもって回転することにより行なわれる。 或いは、図の車輪40が後輪である場合には、水平壁からの離反は、既に垂直壁を上昇した前輪の牽引により行なわれる。 いずれにしても、外輪が垂直壁に当接した状態においては、内輪45が垂直壁よりに少し移動して水平壁からの距離を当初より増大させている。 その結果、水平壁に向かう力Fvは、当初より小さくなっており、外輪を水平壁から離反させるのに必要な力は、その分小さくて済むのである。 水平壁からの離反の後、外輪の上昇量が増大するにつれて、水平壁に向かう力Fvは弱まる。 そして、図5(c)に示すように、
    水平壁に向かう力Fvと垂直壁に向かう力Fhとが等しくなった後、上昇量がさらに増すと、水平壁に向かう力Fvは垂直壁に向かう力Fhより弱まる。 これより内輪45は、図5(d)に示すように、垂直壁側へさらに少し移動し、これと共に垂直壁に向かう力Fhはさらに増大する。 このように上昇量が増すにつれて、垂直壁側への内輪の移動と力Fhの増大が進行し、ついに図5
    (e)に示すように力Fhに引かれて内輪45は垂直壁に最も近い位置に移行する。 その結果、垂直壁に対する強い吸着力Fhが作用し、走行車は確実に垂直壁を上昇することができる。 図1に示されているような垂直壁から水平壁への移動や、曲面に沿った上昇や下降を伴う移動の場合は、外輪43がこれらの走行面に沿って移動して行けば、内輪45がそれに伴って移動する。 このように、車輪20は、壁面に沿って三次元空間を自由に移動できる。

    【0025】次に外輪42と内輪45との径の比率について説明する。 図6は、外輪42と内輪45と径の差が大きい場合(図6(a))と、その径の差が小さい場合(図6(b))とを示している。 図6(a)、(b)
    共、外輪が水平壁上を進行して垂直壁に当接した状態を示しており、内輪45は、図5での説明で述べた通り、
    水平壁及び垂直壁から等距離の位置より内輪の重量分だけ水平壁に近い位置にあり、2つの壁に等距離にある場合よりも、近い分だけ水平壁に向かって強く引かれる。
    外輪42と内輪45との径の差があまりに大きくなると、一方の壁から他方の壁に移行する際における図6
    (a)のような中間状態で内輪45が、水平壁及び垂直壁双方から遠い位置をとるようになる。 したがって、その際の水平壁及び垂直壁に向かう力が共に弱くなり、その状態での走行面への吸着が不十分となる。 特に天井面のような水平壁と垂直壁との間での移行の場合は、走行面への吸着力の不足は、走行車の落下を招く虞がある。
    これらの作用は、垂直壁から水平壁に移行する場合、及び異なる傾斜を有した壁間での移行の場合にも、重力の働き方は異なるが、基本的には同様である。 逆に、大きな径の外輪は、磁石粉を内輪からより遠くに移動させることができるので、磁石粉の除去に有利である。 図6
    (b)は、内輪と外輪との径の差が小さいときに、内輪が走行面に対して、より近い位置を採ることを示している。 したがって、外輪と内輪との径の比率は、磁石粉を除去する際の有利さと走行面への吸着力の大きさとの双方の要求を満たすべく選択される必要があり、吸着力が十分に得られる範囲内で内輪と外輪との差をできるだけ大きくするのが望ましい。 この径の比率の決定のためには、走行面の摩擦係数、走行面間の移行の形態、内輪及び磁石の重量、車体の重量などが考慮される。

    【0026】図7は、管内走行車の他の例とその走行状態とを示している。 その走行車1Dは、車体60と該車体の前部及び後部に1対ずつ設けられた車輪70とを備えている。 車体60は、図1の車体1Aと同様の構成を有する上に、後述するアーム駆動部を備えている。 車体60は、図1の車体1B、1Cのように種々の形態とし、相互に連結することもできる。 車輪70は、図8に示すように、円環状の周部壁72及びその両側面を覆う側壁73を有した外輪71と、透磁性材料で構成され前記外輪71の中心部に回転自在に装着され径方向に該外輪の内周面付近まで延びる透磁性材料からなるアーム7
    5と、該アームに装着された磁石77とを備えている。
    外輪の周部壁72及び側壁73は車体からの荷重に抗し得る剛性を有した金属(非磁性体が好ましい)、ゴム、
    合成樹脂及びこれらの合成材などで構成することができる。 外輪71の内側の側壁73には駆動部11の駆動軸110が接続されている。 駆動軸110は、筒状をなし、その内部には、アーム75を所望の角度回転させ得るアーム回動軸76が通されている。 アーム回動軸76
    は、車体60のアーム駆動部に接続されている。 アーム75は、この例では相互に間隔をおいた一対の軟鉄製ロッドを備えている。 アーム75には他の透磁性材料を使用することもできる。 磁石77は、アーム75の1対の軟鉄製ロッドの間に固定され、N極及びS極をこれらのロッドに接している。

    【0027】この走行車1Dは、次のように作動する。
    平らな又は連続した曲面を走行するときは、アーム75
    を軸回りに自由に回動し得るように支持する。 これにより、走行面との間に作用する磁力で、アーム先端が走行面に向き、走行面とアーム75との間に磁力による吸着作用が生じる。 したがって、走行面が垂直壁、天井面のような水平壁、或いは傾斜した壁面となっても、その吸着作用により、車体の滑りや落下が防止される。 走行面に段部がある場合は、図7(a)に示すように、外輪7
    1が段部に当接することにより車体が停止する。 この場合には、アーム駆動部19によりアーム回動軸76を前方へ約90度回転する(図7(b)参照)。 これにより、アーム75先端は段部の方を向き、段部との間に磁力による吸着作用を生じる。 この状態で車輪71を前進方向へ駆動すると、段部との接触状態を保って外輪が回転し、車体70は図7(c)に示すように、段部を登る。 図は前輪が段部に当接した状態を示しているが、後輪の場合も同様の過程が踏まれる。 段部に当接しない方の車輪に前進方向への駆動力が作用し続けることにより、段部の登りはより容易となる。 このような場合は、
    外輪がある程度回転したところで(例えば15〜20
    度)、アーム回動軸によるアームの保持を解いて自由に回転し得る状態とするのが望ましい。

    【0028】なお、図7の例では、アーム先端は、外輪との間に隙間を置いているが、アーム先端にローラーを装着し、ローラーが回転を伴って外輪に接するようにしてもよい。

    【0029】図12は、本発明に係る走行車の他の例を示している。 走行車1A´、1B´、1C´は、連結されており、これらは図1の走行車1A、1B、1Cと各々基本的に同じである。 図12における図1と同様の部分には、図1と同じ番号を付す。 表面検知装置14´
    は、遠視カメラ及び周囲前方の目的物及び障害物を照射するための光源を備えている。 像はケーブル30を経てモニタ31に送られる。 或いは、像及び制御信号は、マイクロ波、音響波等を利用して送信することもできる。
    走行車1A´の操舵装置12´は、走行車1A´の駆動及び操舵を行ない、駆動及び操舵用フレキシブルケーブルを介して走行車1B´、1C´の駆動及び操舵を行なう。 操舵装置12´は、ケーブル32によりリモートコントロール装置33に接続されている。 オペレータは、
    目的物の形状、位置及び距離を含んだ詳細情報を受信するテレビ装置により、目的物及び障害物を見ることができる。 リモートコントロール装置33を使用することにより、オペレータは、図12に示すような管接合部で所望の方向に進行しプラグPのような障害物を回避するように、走行車を操縦することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明に係る管内走行車を連結し管内を進行させている状態を示す縦断側面図である。

    【図2】 図1の管内走行車に使用され得る車輪の1例を概略的に示す断面図である。

    【図3】 図2の車輪の走行状態を説明するための図である。

    【図4】 図1の管内走行車に使用され得る車輪の他の例を概略的に示す断面図である。

    【図5】図4の車輪の走行状態を説明するための図である。

    【図6】 図4の車輪の走行状態を説明するための図である。

    【図7】 本発明に係る管内走行車の他の例の進行状態を順を追って示す概略図である。

    【図8】 図7の例の車輪を示す断面図である。

    【図9】 本発明に係る管内走行車に使用される表面状態検知装置による検知原理の説明図である。

    【図10】 本発明に係る管内走行車に使用される表面状態検知装置による検知原理の説明図である。

    【図11】 本発明に係る管内走行車に使用される表面状態検知装置による検知原理の説明図である。

    【図12】 本発明の他の実施例に係る連結された管内走行車が、遠隔制御装置に接続され管内を走行している状態を示す縦断面図である。

    【符号の説明】

    1A,1B,1C 三次元自由走行車 10 車体 11 駆動部 12 ステアリング部 14 表面状態検知装置 15 位置検出器装置 16 コンピュータ 20 車輪 21 外輪 25 内輪 27 磁石 28 傘歯車 40 車輪 41 外輪 45 内輪 47 磁石 60 車体 70 車輪 71 外輪 75 アーム 77 磁石 110 駆動軸 111 歯車 112 駆動用べローズ 113 傘歯車 120 ステアリング軸 122 操舵用べローズ

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローレンス エス. ガルマン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94020 ラ ホンダ ボックス 30 ル ート 3 (56)参考文献 特開 昭64−78772(JP,A) 特開 昭63−46964(JP,A) 特開 昭62−73160(JP,A) 実開 昭59−38137(JP,U) 実開 昭63−156884(JP,U) 実開 平1−73076(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) B61B 13/10

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