Traveling device for crawler vehicle

申请号 JP2002273891 申请日 2002-09-19 公开(公告)号 JP2004106758A 公开(公告)日 2004-04-08
申请人 Komatsu Ltd; 株式会社小松製作所; 发明人 TAMARU MASAKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a traveling device for a crawler vehicle having truck frames, an idler, and sprockets, which compatibly both releases shock to a driving cab and maintains high tractive force when traveling backwards on uneven ground.
SOLUTION: Left and right truck frames 11, 11 are vertically swingably mounted on pivot shafts 31, 31 each mounted on left and right rear edges 30a, 30a on a main frame 30. Rear part frames 40 with a built-in horizontal shaft device 50 for supplying power is vertically swingably suspended (45) on the rear part of the main frame 30, final reduction gears 50 including sprockets 13 are provided on each of the left and right rear part frames 40, and the horizontal shaft device 50 and input shafts 51 of the final reduction gears 50 are joined. Swinging shaft parts 31a of the truck frames 11 and swinging shaft parts 31b of the rear part frames 40 are integrally structured on the pivot shafts 31, 31.
COPYRIGHT: (C)2004,JPO
权利要求
  • メインフレームの左右に、トラックフレームとアイドラとメインフレーム側から回転動力を伝達されるスプロケットとを略直線状に配設し、トラックフレームの下部に下転輪を回転自在に設け、アイドラ、下転輪及びスプロケットを取巻いて履帯を巻装した装軌車両の走行装置において、
    前記メインフレーム(30)の後端部左右(30a,30a) に、それぞれピボットシャフト(31,31)を取り付け、
    それぞれのピボットシャフト(31,31) に、前記左右のトラックフレーム(11,11)を上下揺動可能に取り付け、
    メインフレーム(30)の後部に、前記左右のスプロケット(13)に動力を供給する横軸装置(50)を内蔵した後部フレーム(40)を上下揺動自在に懸架(45)し、
    該後部フレーム(40)の左右にそれぞれ、スプロケット(13)を含む終減速機(50)を取着し、前記横軸装置(50)と終減速機(50)の入力軸(51)とを連結したことを特徴とする装軌車両の走行装置。
  • 請求項1記載の装軌車両の走行装置において、
    前記左右のピボットシャフト(31,31) にそれぞれ、トラックフレーム(11)の前記上下揺動の揺動軸部(31a) と後部フレーム(40)の前記上下揺動の揺動軸部(31b) とを一体に構成したことを特徴とする装軌車両の走行装置。
  • 請求項2記載の装軌車両の走行装置において、
    トラックフレーム(11)の前記揺動軸部(31a) と後部フレーム(40)の前記揺動軸部(31b) とを偏心させたことを特徴とする装軌車両の走行装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、装軌車両の走行装置に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    装軌車両の走行装置は、周知のとおり、大きな起伏と岩石等の凹凸のある地面の走行の時、大きな牽引を得ることと車両の振動及び衝撃を緩和することとの2つの機能を発揮することが求めらる。
    特にトラクタやブルドーザ等の如く牽引力によって作業を行う装軌車両においては、押土負荷又は牽引負荷によって走行装置の履帯がスリップ(以下、シュースリップと言う)する時の牽引力が同車両の限界牽引力となる。 そのため、同車両の走行装置は、所定の車両質量のもとで可能な限りシュースリップの発生を抑制し、それによって高い牽引力が得られるように構成することが求められる。
    【0003】
    上記の問題を解決するために、従来から各種の装軌車両の走行装置が考えられており、その第1例として特許文献1には、大きな起伏と岩石等の凹凸のある地面の走行時に走行装置の良好な接地性を確保し、牽引力の確保と車両の振動及び衝撃の緩和とを図った装軌車両の走行装置が記載されている。
    【0004】
    また、第2例として特許文献2には、押土負荷又は牽引負荷に対して、走行装置の前後端部の踏ん張りによって前後安定性を確保し、それによって、シュースリップの発生を抑制して高い牽引力の確保を図った装軌車両の走行装置が記載されている。
    【0005】
    先ず図9により、上記特許文献1に記載された構造を例にして従来技術による装軌車両の走行装置の第1例を説明する。 図9は、同特許文献1に記載された装軌車両の走行装置の第1例を適用したブルドーザの側面図である。
    【0006】
    図9において、ブルドーザ2は左右1対の走行装置70,70を備えており、各走行装置70は、トラックフレーム71が車体にピボットシャフト72を介して揺動可能に取着されている。 トラックフレーム71の前後両端部にはそれぞれ第1アーム73,83がピン73a,83aにより揺動自在に取着されており、第1アーム73,83の外方端部にはそれぞれアイドラ74,84が回転自在に取着されている。
    【0007】
    また、第1アーム73,83の内方下端部にはそれぞれ第2アーム75,85の略中央部が揺動自在に取着されており、この第2アーム75,85の両端部にはそれぞれ下転輪76,76及び下転輪86,86が回転自在に取着されている。
    【0008】
    また、トラックフレーム71の中央下部の2箇所には、前後方向に離間して第1アーム77,87の基端部がそれぞれピン77a,87aにより揺動自在に取着されている。 さらに、この第1アーム77,87の先端部にはそれぞれ第2アーム78,88の略中央部が揺動自在に取着され、第2アーム78,88の両端部にはそれぞれ下転輪79,79及び下転輪89,89が回転自在に取着されている。
    【0009】
    また、トラックフレーム71後端部の上方の車体にはスプロケット81が回転自在に取着されており、このスプロケット81、前記アイドラ74,84及び下転輪76,79,86,89を取巻いて履帯82が巻装されている。
    【0010】
    図5に示した構成によると、左右の走行装置70,70それぞれのトラックフレーム71がピボットシャフト72を中心に揺動することによって、大きな起伏のある地面の走行時でも左右の走行装置70,70の接地性を確保することが可能となり、アイドラ74,84及び下転輪76,79,86,89がそれぞれ揺動することによって、岩石等の凹凸のある地面においても走行装置70の良好な接地性を確保することができる。 この結果、牽引力の確保と車両の振動及び衝撃の緩和とを図ることができる。
    【0011】
    しかしながら、上記の走行装置70においては、大きな押土負荷又は牽引負荷に対してシュースリップが発生し易いと言う問題があり、図10を参照してそれを詳述する。 図10はブルドーザの牽引負荷の例を説明する図である。 なお、図9と同一の構成要素には同一の符号を付して以下での説明を省略する。
    【0012】
    図10において、ブルドーザ2の後部にリッパ装置5を装着し、リッパ装置5によって岩盤を掘削する際には、周知のとおり岩盤を圧縮破壊させるのは困難であるから、同岩盤に地表の自由空間に向かって図中矢印Dの方向に力を加えて、引張破壊によって掘削を行う。 その結果、反力R1がブルドーザ2の前方を浮き上がらせようとするが、ブルドーザ2は質量Wと支点反力R2によってそれに抗する。 ところが、その場合に、走行装置70の後部アイドラ84が上方へ揺動することによって、走行装置70の前部が浮き上がり易くなり、このためシュースリップが発生し易くなる。 その結果、牽引力Fの値を極限まで高めることが困難となる。
    【0013】
    上記の問題を解決する手段として、トラックフレームとアイドラとスプロケットとを略直線状に配設した装軌車両の走行装置が特許文献2に記載されている。 次に図11〜図12により、上記特許文献2に記載された構造を例にして、従来技術の第2例を説明する。 図11は、該特許文献2に記載のブルドーザの側面図、図12は特許文献2に記載の従来技術に係る走行装置の側面図である。 なお、図10と同一の構成要素には同一の符号を付して以下での説明を省略する。
    【0014】
    図11、図12において、ブルドーザ3の左右に走行装置60,60が配設されており、各走行装置60は、トラックフレーム61とアイドラ12とスプロケット63とを略直線上に配設している。 トラックフレーム61の下部には複数の下転輪23,24,25を回転自在に取り付け、これらのアイドラ12、スプロケット63及び下転輪23,24,25を取巻いて履帯14を巻装している。
    また、アイドラ12は上下方向には移動しないようにトラックフレーム61に取着され、スプロケット63は図示しない車体フレームに回転自在に取着されている。 下転輪25は、ピン26aによってトラックフレーム61に揺動自在に取着されたアーム26の先端部に回転自在に装着されており、下転輪23,24は、ピン21aによってトラックフレーム61に揺動自在に取着された第1アーム21の先端部に略中央部で揺動自在に取着された第2アーム22の両端部にそれぞれ回転自在に取着されている。
    【0015】
    図11〜図12における上記構成によると、アイドラ12及びスプロケット63が上下方向に移動しないから、大きな押土負荷又は牽引負荷がかかっても、走行装置60の前部又は後部が浮き上がり難くなる。 これにより、シュースリップの発生を抑制し、高い牽引力を得ることができるとしている。
    【0016】
    【特許文献1】
    特開昭57−107964号公報(第3頁、FIG.1)
    【特許文献2】
    特開2001−225770号公報(第4−5頁、第2図)
    【非特許文献1】
    薩摩林和美、外1名、「ブルドーザ」、産業図書、1969年、p.
    65
    【0017】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、上記の特許文献2に開示された走行装置60においては、次のような問題がある。 すなわち、アイドラ12及びスプロケット63が上下方向に移動しないから、岩石等の凹凸のある地面の走行で、例えば左右の走行装置60のいずれか一側が岩石に乗り上げる際に、前進時には乗り上げ側の走行装置60のトラックフレーム61の揺動(図示されていない)によって運転室4への衝撃が半減されるが、後進時にはスプロケット63の乗り上げの衝撃が運転室4へ直接的に伝達される。 その結果、岩石等の凹凸のある地面の後進走行時に運転室4への衝撃が大きいため、オペレータの疲労が大きくなり、また運転室4内での操作性が低下するという問題がある。
    【0018】
    本発明は、上記の問題点に着目してなされ、略直線状にトラックフレームとアイドラとスプロケットとを配設した走行装置で、凹凸のある地面の後進走行時の、運転室への衝撃の緩和と高い牽引力の維持との両立を実現できる装軌車両の走行装置を提供することを目的としている。
    【0019】
    【課題を解決するための手段、作用及び効果】
    上記の目的を達成するために、第1発明は、メインフレームの左右に、トラックフレームとアイドラとメインフレーム側から回転動力を伝達されるスプロケットとを略直線状に配設し、トラックフレームの下部に下転輪を回転自在に設け、アイドラ、下転輪及びスプロケットを取巻いて履帯を巻装した装軌車両の走行装置において、前記メインフレームの後端部左右に、それぞれピボットシャフトを取り付け、それぞれのピボットシャフトに、前記左右のトラックフレームを上下揺動可能に取り付け、メインフレームの後部に、前記左右のスプロケットに動力を供給する横軸装置を内蔵した後部フレームを上下揺動自在に懸架し、該後部フレームの左右にそれぞれ、スプロケットを含む終減速機を取着し、前記横軸装置と終減速機の入力軸とを連結した構成としている。
    【0020】
    第1発明によると、次の作用及び効果を得ることができる。
    (1)スプロケットを含む終減速機を、メインフレーム後部に上下揺動自在に懸架した後部フレームに取り付けるようにしたため、後進時にスプロケットが地面突起に乗り上げる際の衝撃は、この後部フレームの懸架部の緩衝部材を経てメインフレーム及び同メインフレーム上部に配設された運転室に伝達される。 これにより、運転室へ伝達される衝撃のピーク値を大幅に低減できる。
    【0021】
    (2)スプロケットを含む終減速機を取り付けた後部フレームに、リッパ装置等の後部作業機を取り付ければ、該後部作業機とスプロケットとの相互位置は固定的であり相対変位を生じないから、該後部作業機によって加えられる牽引負荷に対してスプロケットは反力支点として踏ん張ることができる。 従って、高い牽引力を維持することができる。
    【0022】
    第2発明は、第1発明において、前記左右のピボットシャフトにそれぞれ、トラックフレームの前記上下揺動の揺動軸部と後部フレームの前記上下揺動の揺動軸部とを一体に構成している。
    【0023】
    第2発明によると、次の作用及び効果が得られる。
    (1)トラックフレームの上下揺動軸と後部フレームの上下揺動軸とは、それぞれ大きな荷重に耐えるようにメインフレームに強固に取着する必要があり、通常それぞれを単独に取着すると大きな設置スペースを必要とするが、本発明では両者を一体で構成するので、大幅なスペースの節約と構造の単純化が図れる。
    (2)この結果、従来技術による装軌車両の走行装置のメインフレームにおいて、メインフレームのピボットシャフトよりも後部を分割し、この分割した後部フレームを前記ピボットシャフトに上下揺動自在に懸架する構成を容易にとることができ、これにより本発明の適用が極めて容易となる。
    【0024】
    第3発明は、第2発明において、トラックフレームの前記揺動軸部と後部フレームの前記揺動軸部とを偏心させた構成としている。
    【0025】
    第3発明によると、第2発明による効果を生かしたままで、トラックフレームの揺動中心と後部フレームの揺動中心とをそれぞれの適正位置に設定することが可能となり、従って種々の装軌車両への本発明の適用が更に容易となる。
    【0026】
    【発明の実施の形態】
    以下にブルドーザを例にして、本発明に係る装軌車両の走行装置の実施形態について、図1〜図7を参照して詳述する。
    【0027】
    先ず図1〜図6により、第1実施形態の説明をする。
    図1は本発明に係る装軌車両の走行装置を適用したブルドーザの側面図で、図2は本発明に係る装軌車両の走行装置の要部側面図で、図3は同走行装置の要部上面図である。 また、図4は第1実施形態に係る走行装置の要部部分断面後面図で、図2のP視図に相当し、図5は同走行装置の要部部分断面正面図で、図2のQ視図に相当し、図6は同走行装置の要部断面後面図で、図1のM−M断面図に相当している。 なお、前出の図9〜図12と同一の構成要素には同一の符号を付して以下での説明を省略する。
    【0028】
    図1において、ブルドーザ1の左右に1対の走行装置10,10が配設されており、それぞれの走行装置10は、トラックフレーム11とアイドラ12とスプロケット13とを略直線上に配設し、トラックフレーム11の下部に下転輪23,24,25を回転自在に取り付け、これらのアイドラ12、スプロケット13及び下転輪23,24,25を取巻いて履帯14を巻装して構成されている。
    【0029】
    メインフレーム30の後端部の左右下部には、それぞれピボットシャフト31が左右方向外方に突設されており、該左右のピボットシャフト31,31にはそれぞれ左右のトラックフレーム11,11が上下揺動可能に取り付けられている。 また、メインフレーム30の後部には、後部フレーム40を上下揺動自在に懸架(詳細は後述する)し、同後部フレーム40の左右に、スプロケット13を含む終減速機50を取着している。 また、該後部フレーム40には、リッパ装置5等の後部作業機を取着している。
    【0030】
    図2〜5において、メインフレーム30の後端部左右下部30a,30aの外側面にはそれぞれピボットシャフト31,31のフランジ部31cをボルト31dで着脱可能に取着してあり、このピボットシャフト31の内方側端部の揺動軸部31bを前記メインフレーム30の後端部左右下部30a,30aを貫通させて、内方に突出させている。 また、該メインフレーム30の後端部左右上部には、後部フレーム40を懸架するためのボス部30b,30bを配設している。
    【0031】
    後部フレーム40は、左右1対の側板41,41間に、側面視で略U字型断面を有するクロスメンバ42を固着して構成されており、クロスメンバ42の前面下部の左右にはボス43,43がそれぞれ前方へ突設されていて、左右ボス43,43は、それぞれ前記左右ピボットシャフト31,31の内側の揺動軸部31b,31bに軸受ブッシュ43a,43aを介して回動自在に挿通されている。 さらに、後部フレーム40の左右側板41,41の前端上部は、それぞれ左右1対のピン44,44と、該1対のピン44,44それぞれの外周に挿入された1対の緩衝用ゴムブッシュ45,45とによって、メインフレーム30の後端部左右上部の前記ボス部30b,30bに回動自在に連結されている。 これらにより、後部フレーム40はメインフレーム30の後部に上下揺動自在に懸架されている。
    【0032】
    また、後部フレーム40の内部には、ブルドーザで周知の、前記左右の終減速機50へ動力を供給する横軸装置46を配設している。 この横軸装置46のケーシングの左右円筒部46a,46aを、後部フレーム40の左右側板41,41の内面に取着され、かつ該左右側板41,41の穴40a,40aと共に加工された半割ボス41a、41aで支承し、この半割ボス41a、41aの上から半割キャップ41b、41bを当てがい、両者をボルト41cで締結している。 さらに、横軸装置46の後端部上部46bを前記クロスメンバ42にボルト46cで締結して、同横軸装置46がトルク反力によって回転するのを防止している。
    【0033】
    また、図3に示すように、横軸装置46の入力軸46dを、メインフレーム30にトラニオン32a,32aとキャップ32b,32bとで取着されたトランスミッション32の出力軸32cに、偏心及び伸縮を許容する継手(偏心伸縮許容継手と呼ぶ)49によって係合している。 これによって、後部フレーム40が揺動した際にも、トランスミッション32から前記横軸装置46への動力伝達を可能にしている。
    さらに、図2に示すように、後部フレーム40の左右各側面には、スプロケット13を含む終減速50を取り付けるための座面40c、及び終減速機50の取着位置を定めるための穴40a,40bを配設している。
    【0034】
    次に図6において、出力軸としてのスプロケット13と、入力軸51とを有する終減速機50は、該終減速機50のケーシング内側面の2つの円筒形状突起部50a,50bを、後部フレーム40の左右側板41,41それぞれに形成した前記2つの穴40a,40bに嵌合させて位置決めをし、ボルト50cによって後部フレーム40に締結されている。 また、前記入力軸51の先端スプライン部51aは横軸装置46の出力軸46eのスプライン穴に係合されている。 尚、図示では、終減速機50内に、入力軸51から入力された動力をスプロケット13へ伝達する遊星歯車型減速機が設けられている例で示しているが、本発明はこれに限定されず、他の減速機を用いることも可能である。
    更に、終減速機50の側面突出部50cが履帯14と干渉しないように、入力軸心Yと出力軸心Zとの距離Lが設定されている。
    【0035】
    ピボットシャフト31において、トラックフレーム11の揺動軸部31aと後部フレーム40の揺動軸部31bとを一体に構成しており、これにより構造の単純化と配設スペースの大幅な節減を実現し、本発明の実施を容易にしている。 なお、例として後部フレーム40の揺動軸部31bを、トラックフレーム11の揺動軸部31aと同心で且つ一体に構成しているが、同揺動軸部31bを揺動軸部31aと別個の部材として配設してもよく、その場合に非同心としてもよい。
    また、偏心及び伸縮を許容する継手49に、例として図形上で、スプライン穴付きスリーブにスプライン軸を挿通しそれぞれの外端部にクロススパイダを配した一般的な所謂プロペラシャフトをあてはめて現しているが、これに限ることなく他の偏心及び伸縮許容継手を用いてもよい。
    【0036】
    なお更に、横軸装置46は、その左右の出力軸46e,46eをクラッチとブレーキによって駆動又は停止させる制御を行う形式のもの以外に、油圧式、又は油圧式と機械式を併用して左右の出力軸を正転、停止及び逆転可能とした所謂ステアリングギアボックスとしてもよい。
    【0037】
    次に図7により、第2実施形態の説明をする。 図7は第2実施形態に係る装軌車両の走行装置の要部部分断面後面図で、図2のP視図に相当する。 なお、図1〜図6及び図9〜図12と同一の構成要素には同一の符号を付して以下での説明を省略する。
    【0038】
    図7において、ピボットシャフト31に配設した揺動軸部31bの軸心X2を、同じくピボットシャフト31に配設した揺動軸部31aの軸心X1より下方に所定距離Eだけ偏心させている。 これによって、前記揺動軸部31bの上方の空間を広くして、メインフレーム30のクロスメンバ30cの配設を容易にし、これによって、本発明の実施を更に容易にしている。
    【0039】
    図1〜図7による上記第1実施形態及び第2実施形態の構成により、後進時にスプロケット13が地面の突起に乗り上げる際の運転室4へ伝達される衝撃が緩和されるが、それを、図8を参照して詳述する。
    図8は本発明に係る装軌車両の走行装置の作用及び効果の説明図であり、図8(A)は同走行装置を適用したブルドーザが後進で突起に乗り上げる時の状態図、図8(B)は同ブルドーザがリッパ装置によって掘削作業を開始する時の状態図、図4(C)は同ブルドーザがリッパ装置によって掘削作業を実施中の状態図である。 なお、前出の図と同一の構成要素には同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
    【0040】
    先ず図8(A)において、ブルドーザ1が後進で突起Hに乗り上げる時に、スプロケット13が上方へ突き上げられる衝撃は緩衝用ゴムブッシュ45を介してメインフレーム30及び同メインフレーム30上部に配設された運転室4に伝達される。 このとき、スプロケット13が取り付けられた後部フレーム40が揺動軸部31Bを中心に揺動するため、メインフレーム30の揺動の振幅はスプロケット13の振幅よりも減少する。 これにより、運転室4へ伝達される衝撃のピーク値が大幅に低減され、衝撃を抑制できる。
    【0041】
    次に図8(B)において、ブルドーザ1がリッパ装置5によって岩盤の掘削作業を開始する時には、リッパポイント5aが岩盤の裂け目に食い込むまでの間に同リッパポイント5aが凹凸の有る岩盤表面を滑ることによって、その時の振動が後部フレーム40に伝達されるが、同振動は緩衝用ゴムブッシュ45を介してメインフレーム30及び同メインフレーム30上部に配設された運転室4に伝達される。 これにより、運転室4へ伝達される振動は大幅に緩和される。
    【0042】
    次に図8(C)において、ブルドーザ1がリッパ装置5によって岩盤の掘削作業を実施中には、掘削反力R2が後部フレーム40に加わるが、スプロケット13を含む終減速機50が後部フレーム40に取着されているので、スプロケット13が上方へ移動することは無く、掘削反力R2に対して踏ん張ることができ、大きな牽引力が得られる。 なお、リッパ装置5に限ることなく、後部フレーム40に取着する他の後部作業機によって加えられる牽引負荷に対して、スプロケット13は上記と同様に踏ん張ることができ、従って高い牽引力を維持することができる。
    【0043】
    さらに、本発明によると、メインフレーム後部に上下揺動自在に懸架した後部フレームの左右に終減速機を取着しているが、同後部フレーム内部に、ブルドーザで周知の左右の終減速機へ動力を供給する横軸装置を配設して、メインフレーム上に配設されたトランスミッションとの間を偏心及び伸縮許容継手で連結することによって、従来技術におけるトランスミッション及び横軸装置を大幅に変更することなく、本願発明を容易に適用することができる。 この結果、従来技術による装軌車両の走行装置のメインフレームにおいて、同メインフレームを前部フレームと後部フレームとに2分割し、この後部フレームを前部フレームに揺動自在に懸架するように構成することによって、本発明を容易に適用することができる。
    【0044】
    なお、以上の実施形態では、緩衝装置に、例として緩衝用ゴムブッシュ45を用いたが、緩衝用ゴムブッシュ45に限ることなく、ゴムパッド及び/又はバネ等を用いた他の緩衝装置を用いてもよく、同様の作用及び効果を得ることができる。
    【0045】
    以上の結果によって、トラックフレームとアイドラとスプロケットとを略直線状に配設し、トラックフレームの下部に下転輪を回転自在に設け、アイドラ、下転輪及びスプロケットを取巻いて履帯を巻装した装軌車両の走行装置において、凹凸を有する地面の後進走行時の運転室への衝撃の緩和と高い牽引力の維持との両立を実現する装軌車両の走行装置を提供することができる。
    【0046】
    なお、以上はブルドーザを例にして、装軌車両の走行装置の実施形態について説明したが、ブルドーザに限ることなく、他の装軌車両の走行装置においても普遍的に、上記と同様に実施することが可能であり、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明に係る走行装置を適用したブルドーザの側面図である。
    【図2】本発明に係る走行装置の要部側面図である。
    【図3】本発明に係る走行装置の要部上面図である。
    【図4】第1実施形態に係る走行装置の要部部分断面後面図で、図2のP視図である。
    【図5】第1実施形態に係る走行装置の要部部分断面正面図で、図2のQ視図である。
    【図6】第1実施形態に係る走行装置の要部断面後面図で、図1のM−M断面図である。
    【図7】第2実施形態に係る走行装置の要部部分断面後面図で、図2のP視図である。
    【図8】本発明の走行装置の作用及び効果の説明図である。
    【図9】第1の従来技術に係る走行装置を適用したブルドーザの側面図である。
    【図10】ブルドーザの牽引負荷例の説明図である。
    【図11】第2の従来技術に係る走行装置を適用したブルドーザの側面図である。
    【図12】第2の従来技術に係る走行装置の側面図である。
    【符号の説明】
    4…運転室、10…走行装置、11…トラックフレーム、12…アイドラ、13…スプロケット、14…履帯、30…メインフレーム、30a…後端部左右下部、30b…ボス部、31…ピボットシャフト、31a…揺動軸部、31b…揺動軸部、40…後部フレーム、41…側板、42…クロスメンバ、43…ボス、43a…軸受ブッシュ、44…ピン、45…緩衝用ゴムブッシュ、46…横軸装置、49…偏心伸縮許容継手、50…終減速機、51…入力軸。

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