【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、走行中の車両に関する車両データを記録しておき、事故発生後に車両データの記録情報を再現することにより事故原因などを解析するためのドライブレコーダに関し、特にセキュリティ保証を確保した車両用ドライブレコーダに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、車両衝突時における各種車両データを記録保持する車両用ドライブレコーダ(以下、 単に「ドライブレコーダ」ともいう)は、よく知られている。 【0003】たとえば、特開平9−123876号公報には、走行中に車両データを一定時間にわたって記録する記録部と、車両の所有者(または運転者)に固有の第1の暗証コード、公的機関にのみ保管される第2の暗証コード、および、入力された暗証コードに応じて、データの書込み、読み出し、および消去を許可する暗証システムと、を備えた車両用ドライブレコーダが示されている。 【0004】上記公報に記載された従来の車両用ドライブレコーダにおいては、走行中に車両データを記録部に記録し、車両衝突時に記録を終了し、記録の複製を事故記録として保持する。 【0005】そして、事故後においては、ドライブレコーダに第2の暗証コードを入力し、ドライブレコーダ内の暗証システムにより第2の暗証コードの照合を行い、 入力された暗証コードとドライブレコーダに保持された暗証コードとが一致した場合に限り、記録保持された車両データの読み出しおよび消去が可能となる。 【0006】これにより、車両用ドライブレコーダに記録されたデータへの不正アクセスを防止し、セキュリティを保証している。 【0007】この場合、記録される車両データ自体にはセキュリティ対策の処理が施されていないので、第三者に対してデータを隠蔽してセキュリティを保証するためには、ドライブレコーダへの第2の暗証コードの入力およびその照合が必要となる。 【0008】また、データを記録した車両や運転者の身元を保証し、第三者による改ざんを防止してセキュリティを保証するためには、ドライブレコーダへの暗証コードの入力およびその照合が必要であり、ドライブレコーダ本体に入力および照合用の暗証システムを設ける必要がある。 【0009】したがって、ドライブレコーダ本体に、暗証コード入力機能および暗証コード照合機能を有する暗証システムを設ける必要があり、装置全体が高価になる。 また、ドライブレコーダ内の暗証システムが必要となるので、記録部を着脱可能とした場合には、セキュリティを補償することができない。 【0010】また、ドライブレコーダ本体に暗証システムが必要となるので、たとえば事故を起こした車両について、事故前の記録データから車両挙動の解析を行う場合、ドライブレコーダに解析装置を接続して、ドライブレコーダに暗証コードを入力して記録データを読み出す必要があり、取り扱いが不便である。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】従来の車両用ドライブレコーダは以上のように、記録される車両データ自体にセキュリティ対策の処理が施されていないので、セキュリティを保証するためには、車両用ドライブレコーダ本体に、暗証コードの入力機能および照合機能を有する暗証システムを設ける必要があり、装置が高価になってしまうという問題点があった。 【0012】また、暗証システムが必要になることから、記録部を着脱可能とした場合に、セキュリティが補償されないという問題点があった。 【0013】また、事故発生後に事故前の記録データから車両挙動を解析する場合、車両用ドライブレコーダのみならず、車両用ドライブレコーダに接続される解析装置が必要となり、取り扱いが不便であるという問題があった。 【0014】この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、暗証コードの入力および照合用の暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に設けることなく、第三者に対するセキュリティ機能を確保することのできる車両用ドライブレコーダを得ることを目的とする。 【0015】また、この発明は、暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に備えることなく、データを記録した車両や運転者の身元保証や第三者による改ざん検知などのセキュリティ機能を保証することのできる車両用ドライブレコーダを得ることを目的とする。 【0016】また、この発明は、車両データを記録した不揮発性メモリを着脱可能とした車両用ドライブレコーダを用いて、記録データから車両の挙動解析を行う段階において、容易に取り扱うことができる記録データ読出装置を得ることを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用ドライブレコーダは、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、転送手段は、暗号化手段を含み、暗号化手段は、車両データを暗号化し、不揮発性メモリは、暗号化された車両データを記録保持するものである。 【0018】また、この発明に係る車両用ドライブレコーダは、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、転送手段は、暗号化手段を含み、暗号化手段は、公開鍵方式の暗号化技術を用いて、車両データにディジタル署名を施し、不揮発性メモリは、ディジタル署名の施された車両データを記録保持するものである。 【0019】また、この発明に係る車両用ドライブレコーダは、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、暗号化手段をさらに備え、暗号化手段は、車両データを暗号化し、揮発性メモリは、暗号化された車両データを常時記録するものである。 【0020】また、この発明に係る車両用ドライブレコーダは、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、暗号化手段をさらに備え、暗号化手段は、公開鍵方式の暗号化技術を用いて、 車両データにディジタル署名を施し、揮発性メモリは、 ディジタル署名の施された車両データを常時記録するものである。 【0021】また、この発明に係る車両用ドライブレコーダは、不揮発性メモリを車両に着脱可能に接続する接続手段を備えたものである。 【0022】また、この発明に係る車両用ドライブレコーダのデータ読出装置は、接続手段から取り外された不揮発性メモリが着脱可能に挿入される接続口と、不揮発性メモリに記録された車両データを読み出す読出手段と、不揮発性メモリから読み出された車両データを復号化する復号化手段と、復号化された車両データを記録する記録媒体とを備えたものである。 【0023】 【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、この発明の実施の形態1について図面を参照しながら詳細に説明する。 図1はこの発明の実施の形態1による車両用ドライブレコーダを示すブロック図である。 【0024】図1において、CPU101は、各種センサ(後述する)からの検出情報に基づいて、車両用ドライブレコーダ全体の動作を制御する。 CPU101には、RAM102および暗号化LSI103が接続されており、暗号化LSI103には、メモリカード104 が接続されている。 【0025】RAM102は、各種センサの検出情報(検出値)を常時記録する揮発性メモリとして機能する。 暗号化LSI103は、入力されたデータを暗号化して出力するための暗号化手段として機能する。 メモリカード104は、車両用ドライブレコーダ本体から着脱可能な不揮発性メモリとして機能する。 【0026】CPU101に接続される各種センサとしては、ヨーレートセンサ110、横Gセンサ111、前後Gセンサ112、車輪速センサ113、GPS11 4、エアバッグ120などが含まれる。 【0027】車輪速センサ113は、車両の4つの車輪にそれぞれ設けられている。 エアバッグ120は、作動時に作動信号を出力し、衝突事故の発生を検出するための衝突検出手段として機能する。 【0028】図1内のCPU101は、暗号化LSI1 03と関連して、データ転送手段を構成しており、車両の衝突前、衝突時または衝突後にRAM102内の車両データをメモリカード104に転送する。 【0029】したがって、メモリカード104は、暗号化された車両データを記録保持するようになっている。 次に、図2のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による車両用ドライブレコーダの動作について説明する。 【0030】まず、車両が走行を開始すると、各種センサ110〜114からの検出情報は、CPU101を介して時系列的にRAM102に記録される(ステップS 201)。 【0031】続いて、エアバック120が作動した(C PU101にエアバッグ120の作動信号が入力された)か否かを判定し(ステップS202)、エアバッグ120が非作動(すなわち、no)と判定されれば、ステップS201に戻って記録を続ける。 【0032】つまり、通常走行を継続している間は、最新の数10秒の各種センサデータを残しながら、RAM 102内の車両データ内容が更新されていく。 【0033】一方、CPU101がエアバック120の作動信号を検出し、ステップS202において、エアバッグ120が作動(すなわち、yes)と判定されれば、CPU101は、RAM102の更新を停止する(ステップS203)。 【0034】続いて、CPU101は、RAM102内に記録された各種センサのデータを暗号化LSI103 に転送し、車両データに暗号化を施す(ステップS20 4)。 このとき、データ暗号化は、たとえば、公開鍵方式の暗号技術などを用いて行われる。 【0035】次に、暗号化LSI103は暗号化を施した車両データをメモリカード104に転送して、記録保持する(ステップS205)。 こうして、メモリカード104へのデータ書込みが終了した時点で、図2の処理ルーチンを終了して、車両用ドライブレコーダは動作を停止する。 【0036】このように、車両の各種センサデータ(車両データ)は、事故発生前の数10秒の期間にわたって、暗号化されてメモリカード104に記録される。 このとき、車両データ自体が暗号化されているので、メモリカード104を車両用ドライブレコーダ本体から取り外しても、適切な復号化手段を使用しない限り、メモリカード104内の記録データを読み出すことはできない。 【0037】したがって、車両データの第三者への漏洩を防止することができ、記録データのセキュリティを確実に保証することができる。 また、車両データに暗号化処理を施すことにより、車両用ドライブレコーダへの暗証コードの入力が不要となるので、入力機能および照合機能を有する暗証システムを設けることなくセキュリティ保証を確保でき、安価に装置を構成することができる。 【0038】さらに、メモリカード104を車両に着脱可能に接続する接続手段を設けたので、メモリカード1 04の取り扱いが容易となる。 【0039】実施の形態2. なお、上記実施の形態1では、CPU101とメモリカード104との間に暗号化LSI103を介在させたが、CPU101とRAM1 02との間に暗号化LSI103を介在させてもよい。 【0040】図3はCPU101とRAM102との間に暗号化LSI103を介在させたこの発明の実施の形態2による車両用ドライブレコーダを示すブロック図である。 図3において、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。 【0041】この場合、暗号化LSI103がCPU1 01とRAM102との間に介在され、メモリカード1 04がCPU101に直接接続されたことのみが、前述と異なる。 【0042】すなわち、暗号化LSI103は、入力された車両データを暗号化してRAM102に出力し、R AM102は、暗号化された車両データを常時記録する。 【0043】次に、図4のフローチャートを参照しながら、図3に示したこの発明の実施の形態2による車両用ドライブレコーダの動作について説明する。 図4において、各ステップS401、S403およびS404は、 前述(図2参照)の各ステップS204、S202およびS203にそれぞれ対応する。 【0044】まず、車両が走行を開始すると、前述(図2内のステップS204)と同様に、各種センサ110 〜114の検出情報は、CPU101を介して暗号化L SI103に転送され、暗号化される(ステップS40 1)。 【0045】続いて、RAM102は、暗号化LSI1 03によって暗号化された車両データを時系列的に記録する(ステップS402)。 次に、エアバック120が作動したか否かを判定し(ステップS403)、作動していない(すなわち、no)と判定されれば、ステップS403に戻って記録を続ける。 【0046】一方、ステップS403において、エアバッグ120が作動した(すなわち、yes)と判定されれば、CPU101は、RAM102の更新を停止し(ステップS404)、RAM102内に記録された暗号化された車両データをメモリカード104に転送する(ステップS405)。 【0047】こうして、メモリカード104へのデータ書込みが終了した時点で、図4の処理ルーチンを終了し、車両用ドライブレコーダは動作を停止する。 【0048】この場合も、事故発生前の数10秒の車両データは、暗号化されてメモリカード104に記録されており、データ自体が暗号化されているので、メモリカード104を車両用ドライブレコーダ本体から取り外しても、適切な復号化手段を使用しない限り、車両データを読み出すことはできない。 【0049】したがって、前述と同様に、各種車両データの第三者への漏洩を防止することができ、記録データのセキュリティを確実に保証することができる。 また、 暗証システムが不要となるので、安価に装置を構成することができる。 【0050】実施の形態3. なお、上記実施の形態1、 2では、ステップS202(図2)またはS402(図4)において公開鍵方式により暗号化したが、公開鍵方式の暗号化技術を用いて、ディジタル署名を車両データに施してもよい。 【0051】この場合、車両や運転者に固有の非公開鍵を用いて車両データを暗号化し、さらに、たとえば、事故発生後に記録データを参照して事故原因の解析を行うための公的機関の公開する公開鍵を用いて、二重に暗号化を行う。 【0052】すなわち、図1内の暗号化LSI103にて、公開鍵方式の暗号化技術を用いて車両データにディジタル署名を施し、ディジタル署名の施された車両データをメモリカード104に記録保持する。 【0053】または、図3内の暗号化LSI103にて、公開鍵方式の暗号化技術を用いて車両データにディジタル署名を施し、ディジタル署名の施された車両データをRAM102に常時記録する。 【0054】このようなディジタル署名を施すことにより、車両データは複雑に暗号化されるので、第三者への漏洩をさらに確実に防止することができる。 また、車両データを記録した車両や運転者の特定か可能となるうえ、第三者による改ざんの検知が可能となる。 【0055】また、車両データにディジタル署名を施すことによって、データが記録された車両や運転者の身元保証や第三者による改ざんの検知に対するセキュリティを保証するので、車両用ドライブレコーダへの暗証コードの入力が不要となり、暗証システムを設けることなくセキュリティ保証を確保でき、安価に装置を構成することができる。 【0056】実施の形態4. なお、上記実施の形態1では、事故発生後におけるメモリカード(不揮発性メモリ)内のデータ読出装置について特に言及しなかったが、以下のように構成してもよい。 【0057】以下、メモリカードのデータ読出装置を具体化したこの発明の実施の形態4について説明する。 図5はこの発明の実施の形態4による車両用ドライブレコーダのデータ読出装置を示すブロック図であり、データ読出装置が車両挙動解析機能を有する場合を示している。 【0058】図5において、メモリカード510は、前述(図1、図3参照)の車両用ドライブレコーダから取り外された状態を示しており、データ読出装置を構成する車両挙動解析装置501に接続される状態を示している。 【0059】車両挙動解析装置501は、接続手段から取り外されたメモリカード510が着脱可能に挿入される接続口502と、メモリカード510との間で車両データを授受するためのI/O部503と、暗号化された車両データを復号化する復号化処理S/W504と、車両データを記録および参照するための記録媒体505 と、車両データを利用して車両挙動解析を行う車両挙動解析S/W506とを備えている。 【0060】次に、図5に示したこの発明の実施の形態4による車両用ドライブレコーダのデータ読出装置による動作について説明する。 まず、メモリカード510が接続口502に挿入されると、車両挙動解析装置501 は、データ読出手段を構成するI/O部503を介して、メモリカード510から暗号化された車両データを読み込む。 【0061】続いて、車両挙動解析装置501内の復号化処理S/W504は、読み込まれた車両データの復号化を行う。 このとき、車両データの復号化は、たとえば車両用ドライブレコーダにて前述の公開鍵を用いて暗号化されたデータの場合、公開鍵に対応する非公開鍵を用いることで可能となる。 【0062】次に、復号化処理S/W504は、復号化された車両データを記録媒体505に記録保存する。 以下、車両挙動解析装置501内の車両挙動解析S/W5 06は、記録媒体505に記録された車両データを用いて、事故時の車両挙動の解析を行うことができる。 【0063】この場合、メモリーカード510を車両挙動解析装置501の接続口502にに接続することのみで、復号化された車両データが記録媒体505に記録されるので、極めて容易な取り扱いにより、記録媒体50 5に記録された車両データから車両の挙動解析を行うことができる。 【0064】また、暗号処理された車両データを記録したメモリカード510を車両挙動解析装置(データ読出装置)501に接続するのみでデータ読出が可能なので、車両データから車両の挙動解析を行う段階において、取り扱いの容易な車両用ドライブレコーダのデータ読出装置を構成することができる。 【0065】さらに、メモリカード104に記録された車両データ自身に暗号化処理が施されているので、適切な復号化手段(復号化処理S/W504)を用いない限りはデータ読取りが不可能であり、メモリカード510 を車両用ドライブレコーダ本体から着脱可能に構成しても、確実にセキュリティを保証することができる。 【0066】 【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、転送手段は、暗号化手段を含み、暗号化手段は、車両データを暗号化し、不揮発性メモリは、暗号化された車両データを記録保持するようにしたので、 暗証コードの入力および照合用の暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に設けることなく、第三者に対するセキュリティ機能を確保することのできる車両用ドライブレコーダが得られる効果がある。 【0067】また、この発明によれば、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、転送手段は、暗号化手段を含み、暗号化手段は、公開鍵方式の暗号化技術を用いて、車両データにディジタル署名を施し、不揮発性メモリは、ディジタル署名の施された車両データを記録保持するようにしたので、暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に備えることなく、データを記録した車両や運転者の身元保証や第三者による改ざん検知などのセキュリティ機能を保証することのできる車両用ドライブレコーダが得られる効果がある。 【0068】また、この発明によれば、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、暗号化手段をさらに備え、暗号化手段は、車両データを暗号化し、揮発性メモリは、暗号化された車両データを常時記録するようにしたので、暗証コードの入力および照合用の暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に設けることなく、第三者に対するセキュリティ機能を確保することのできる車両用ドライブレコーダが得られる効果がある。 【0069】また、この発明によれば、車両に関する各種の車両データを常時記録する揮発性メモリと、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、車両の衝突前、衝突時または衝突後に、揮発性メモリ内の車両データを転送する転送手段と、転送された車両データを記録保持する不揮発性メモリとを備えた車両用ドライブレコーダにおいて、暗号化手段をさらに備え、暗号化手段は、公開鍵方式の暗号化技術を用いて、車両データにディジタル署名を施し、揮発性メモリは、ディジタル署名の施された車両データを常時記録するようにしたので、暗証システムを車両用ドライブレコーダ側に備えることなく、データを記録した車両や運転者の身元保証や第三者による改ざん検知などのセキュリティ機能を保証することのできる車両用ドライブレコーダが得られる効果がある。 【0070】また、この発明によれば、不揮発性メモリを車両に着脱可能に接続する接続手段を備えたので、不揮発性メモリの取り扱いが容易な車両用ドライブレコーダが得られる効果がある。 【0071】また、この発明によれば、接続手段から取り外された不揮発性メモリが着脱可能に挿入される接続口と、不揮発性メモリに記録された車両データを読み出す読出手段と、不揮発性メモリから読み出された車両データを復号化する復号化手段と、復号化された車両データを記録する記録媒体とを備えたので、不揮発性メモリを着脱可能とした車両用ドライブレコーダを用いて、車両の挙動解析を行う段階において容易に取り扱うことのできる車両用ドライブレコーダのデータ読出装置が得られる効果がある。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の実施の形態1による車両用ドライブレコーダを示すブロック図である。 【図2】 この発明の実施の形態1による車両用ドライブレコーダの動作を示すフローチャートである。 【図3】 この発明の実施の形態2による車両用ドライブレコーダを示すブロック図である。 【図4】 この発明の実施の形態2による車両用ドライブレコーダの動作を示すフローチャートである。 【図5】 この発明の実施の形態4による車両用ドライブレコーダのデータ読出装置を示すブロック図である。 【符号の説明】 101 CPU、102 RAM(揮発性メモリ)、1 03 暗号化LSI(暗号化手段)、104、510 メモリカード(不揮発性メモリ)、120 エアバッグ(衝突検出手段)、501 車両挙動解析装置(データ読出装置)、502 接続口、503 I/O部(読出手段)、504 復号化処理S/W(復号化手段)、5 05 記録媒体、506 車両挙動解析S/W。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 隆徳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松井 俊憲 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5B058 CA02 KA12 KA35 YA20 |