電磁吸着レールブレーキ装置を備えたブレーキシステム

申请号 JP2014525406 申请日 2012-08-10 公开(公告)号 JP6067015B2 公开(公告)日 2017-01-25
申请人 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH; 发明人 マーク−グレゴリー エルストープフ;
摘要
权利要求

レール車両のブレーキシステム(10)用のブレーキ制御装置(24)であって、前記ブレーキシステム(10)が、少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を有し、該電磁吸着レールブレーキ装置(40)は、ブレーキを発生させるために、当該ブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能であるブレーキ制御装置において、 当該ブレーキ制御装置(24)は、前記少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、走行中にレールのクリーニングのためにクリーニング電流強さによって操作するように形成されており、 当該ブレーキ制御装置(24)は、少なくとも1つの車輪スリップ率に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されていることを特徴とする、レール車両のブレーキシステム用のブレーキ制御装置。当該ブレーキ制御装置(24)は、少なくとも1つの粘着係数に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されている、請求項1記載のブレーキ制御装置。当該ブレーキ制御装置(24)は、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されている、請求項1または2記載のブレーキ制御装置。レール車両のブレーキシステム(10)用のブレーキ制御装置(24)であって、前記ブレーキシステム(10)が、少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を有し、該電磁吸着レールブレーキ装置(40)は、ブレーキ力を発生させるために、当該ブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能であるブレーキ制御装置において、 当該ブレーキ制御装置(24)は、前記少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、走行中にレールのクリーニングのためにクリーニング電流強さによって操作するように形成されており、 当該ブレーキ制御装置(24)は、少なくとも1つの粘着係数に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されていることを特徴とする、レール車両のブレーキシステム用のブレーキ制御装置。当該ブレーキ制御装置(24)は、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されている、請求項4記載のブレーキ制御装置。レール車両のブレーキシステム(10)用のブレーキ制御装置(24)であって、前記ブレーキシステム(10)が、少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を有し、該電磁吸着レールブレーキ装置(40)は、ブレーキ力を発生させるために、当該ブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能であるブレーキ制御装置において、 当該ブレーキ制御装置(24)は、前記少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、走行中にレールのクリーニングのためにクリーニング電流強さによって操作するように形成されており、 当該ブレーキ制御装置(24)は、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連して前記クリーニング電流強さを変えるように形成されていることを特徴とする、レール車両のブレーキシステム用のブレーキ制御装置。前記クリーニング電流強さは、前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)に制動時に通電されるブレーキ電流強さよりも小さく形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のブレーキ制御装置。当該ブレーキ制御装置(24)は、車輪回転数センサ装置(30,32)に接続されているか、または接続可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載のブレーキ制御装置。当該ブレーキ制御装置(24)は、ブレーキ作用センサ装置(16,18)に接続されているか、または接続可能である、請求項1から8までのいずれか1項記載のブレーキ制御装置。電磁吸着レールブレーキ装置(40)と、請求項1から9までのいずれか1項記載のブレーキ制御装置(24)とを備えたブレーキシステム(10)。請求項10に記載のブレーキシステム(10)または請求項1から9までのいずれか1項記載のブレーキ制御装置(24)を備えたレール車両。レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置(40)によってレールをクリーニングする方法であって、前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)が、ブレーキ力を発生させるためにブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能である方法において、 前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、前記ブレーキ制御装置(24)によりクリーニング電流強さによって操作し、 当該ブレーキ制御装置(24)により、少なくとも1つの車輪スリップ率に関連して前記クリーニング電流強さを変えることを特徴とする、レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置によってレールをクリーニングする方法。レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置(40)によってレールをクリーニングする方法であって、前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)が、ブレーキ力を発生させるためにブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能である方法において、 前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、前記ブレーキ制御装置(24)によりクリーニング電流強さによって操作し、 当該ブレーキ制御装置(24)により、少なくとも1つの粘着係数に関連して前記クリーニング電流強さを変えることを特徴とする、レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置によってレールをクリーニングする方法。レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置(40)によってレールをクリーニングする方法であって、前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)が、ブレーキ力を発生させるためにブレーキ制御装置(24)に応じて、可変の電流強さによって通電可能である方法において、 前記電磁吸着レールブレーキ装置(40)を、前記ブレーキ制御装置(24)によりクリーニング電流強さによって操作し、 当該ブレーキ制御装置(24)により、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連して前記クリーニング電流強さを変えることを特徴とする、レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置によってレールをクリーニングする方法。

说明书全文

本発明は、電磁吸着レールブレーキ装置を備えたレール車両のブレーキシステムに用いられるブレーキ制御装置、このようなブレーキ制御装置を備えたブレーキシステム、レール車両ならびにレール車両のブレーキシステムの少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置を制御する方法に関する。

最近のレール車両は、しばしば種々異なる作用を有する複数のブレーキ装置を備えたブレーキシステムを有する。一般には、圧操作式のブレーキ装置のような常用ブレーキ装置、たとえばハイドロリック式のブレーキまたはニューマチック式のブレーキが設けられている。その他に、付加的にとりわけ渦電流ブレーキ、リターダ、あるいはまた電磁吸着レールブレーキが使用される。渦電流ブレーキとは異なり、電磁吸着レールブレーキ装置は、作動時にレールと摩擦接触させられる摩擦ブレーキ装置である。通電により、電磁吸着レールブレーキ装置は磁化されて、レールに強力に粘着する。このときに、電磁吸着レールブレーキ装置は著しい摩耗を受ける。特に急速制動または非常制動の実施時では、電磁吸着レールブレーキ装置が、標準の常用ブレーキ装置のブレーキ作用を補助するために使用される。電磁吸着レールブレーキ装置がレールと摩擦接触していると、この電磁吸着レールブレーキ装置は走行中に、レール上に存在する落ち葉、等の物質をも除去することができる。したがって、電磁吸着レールブレーキ装置の使用は、レールのクリーニングのためにも役立つ。これにより、特に車輪とレールとの間の摩擦接続もしくは粘着接続(Kraftschluss)が改善され得る。粘着接続は一般に、「粘着係数」としてパラメータ化される。

本発明の課題は、レールクリーニング時における電磁吸着レールブレーキ装置の改善された作動を可能にすることである。この場合、電磁吸着レールブレーキ装置の摩耗が減じられることが望まれる。

この課題は、独立請求項の形の請求項に記載の特徴により解決される。

本発明の別の有利な構成および改良形は、従属請求項の形の請求項に記載されている。

本明細書の枠内において、「レール車両」とは、固有の駆動装置を備えているか、または備えていない1つまたは複数の車両および/または任意の組合せの形の牽引車両を意味し得る。特にレール車両は動力車を有していてよい。レール車両またはレール車両の車両はボギー台車を有していてよく、このボギー台車に車両の車輪軸が配置されている。ボギー台車は車両上部構造に取り付けられていてよい。ブレーキシステムは少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置と常用ブレーキ装置とを有していてよい。電磁吸着レールブレーキ装置はコンポーネントとして1つまたは複数の電磁石を有していてよい。この電磁石はレールと接触させられるようになっていて、通電可能であってよい。通電時に、電磁吸着レールブレーキ装置の前記電磁石は磁気的な効果によりレールに付着することができる。電磁吸着レールブレーキ装置がコンポーネントとして機械式および/またはニューマチック式および/またはハイドロリック式の少なくとも1つの操作装置を有することが考えられる。このような操作装置は、電磁吸着レールブレーキ装置の前記電磁石および/または摩擦コンポーネントを休止位置から制動位置へ、あるいは制動位置から休止位置へ運動させるために適していてよい。考えられ得る1構成では、このような操作装置が、たとえばブレーキ制御装置によってニューマチック式、電気式またはハイドロリック式に制御可能または操作可能である。電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントは、電磁吸着レールブレーキ装置を用いた制動時にレールと摩擦接触するために設けられていてよい。このような摩擦コンポーネントは電磁石であるか、または電磁石に取り付けられていてよい。常用ブレーキ装置は、摩擦接続もしくは粘着に関連した摩擦ブレーキ装置であってよい。この摩擦ブレーキ装置は車輪・レール接触を介してブレーキ力を伝達することができる。この意味では、電磁吸着レールブレーキ装置は摩擦接続もしくは粘着に関連した摩擦ブレーキ装置ではない。なぜならば、電磁吸着レールブレーキ装置は車輪・レール接触を介してブレーキ力を伝達するのではなく、レールに対する自己の摩擦接触を形成し得るからである。常用ブレーキ装置は、特に圧力操作式のブレーキ装置、たとえばニューマチック式またはハイドロリック式のブレーキ装置であってよい。このようなブレーキ装置では、車輪および車両を制動するために、摩擦ブレーキ装置の摩擦エレメントを互いに摩擦接触させることのできるブレーキ圧を発生させることができる。常用ブレーキ装置は、電気操作式の常用ブレーキ装置、たとえば電気機械式または電気式の常用ブレーキ装置であってもよい。このようなブレーキ装置では、車輪および車両を制動するために、摩擦ブレーキ装置の摩擦エレメントを互いに摩擦接触させることのできるブレーキ電流を発生させることができる。このような常用ブレーキの典型的な例は、ディスクブレーキ、シューブレーキまたは組み合わされたディスク・シューブレーキである。圧力操作式の常用ブレーキ装置では、ブレーキ力を摩擦エレメントに加えることによりブレーキ圧が熱に変換される。同様に、電気操作式の常用ブレーキ装置では、ブレーキ力を摩擦エレメントに加えることによりブレーキ電流が熱に変換される。常用ブレーキ装置による制動時では、加えられたブレーキモーメントまたはブレーキ力が車輪・レール接触を介して吸収される。この車輪・レール接触を介して吸収することのできるブレーキモーメントまたはブレーキ力の大きさは、一般に「粘着係数」と呼ばれるパラメータにより制限される。この値は、個々の車輪について、車輪にかかる重量による車輪の負荷、特に車輪とレールとの間の接触条件に関連している。特に車輪とレールとの間に、たとえば水層または落葉層のような中間層が形成されていると、粘着係数は極めて低くなり得る。さらに、粘着係数は、生ぜしめられた車輪スリップ率(すべり率)に著しく関連している。車輪スリップ率Sはこの場合、S=(vT−vR)/vTとして規定されている。vTはレール車両の並進速度を表し、vRは当該車輪の回転速度(円周速度)を表す。1つの車輪のスリップ率Sが正確にゼロであると、この車輪を介してブレーキ力または加速力を伝達することはできない。一般的にえることは、目下与えられている粘着係数において、この粘着係数において伝達可能である力よりも上にあるブレーキ力または加速力が車輪に加えられると、当該車輪は滑り、ロックまたは空転状態にもたらされる恐れがあることである。すなわち、特に制動の際には一般に、目下与えられている粘着係数により伝達可能となるブレーキ力が超過されないように注意しなければならない。常用ブレーキ装置には、滑り防止装置が対応配置されていてよい。この滑り防止装置は、車輪の滑りおよび/またはロックを検出し、かつ場合によってはこれを阻止するために形成されている。このためには、たとえばニューマチック式の常用ブレーキ装置においては、流出弁が設けられていてよい。流出弁は滑り防止装置が起動されると、適当な個所でブレーキ圧を減少させ、これにより、伝達されたブレーキ力を減少させることができる。ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置を制御するために形成されていてよい。この場合、ブレーキ制御装置は電磁吸着レールブレーキ装置のために別個に専用に設けられていてよい。ブレーキ制御装置はブレーキシステムの別のブレーキ装置、たとえば常用ブレーキ装置を制御するためにも形成されていてよい。ブレーキ制御装置はブレーキコンピュータのような電子式の制御装置であってよい。1つのブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置を制御するために、複数の別個の制御ユニットを有していて、これらの制御ユニットが、電磁吸着レールブレーキ装置の種々異なる電磁弁および/または操作装置に対応していてよいことが考えられる。電磁吸着レールブレーキ装置の制御は、特に電磁吸着レールブレーキ装置の操作装置の電気的および/またはハイドロリック的および/またはニューマチック的および/またはエレクトロハイドロリック的および/またはエレクトロニューマチック的な制御を含んでいてよい。この場合、操作装置の制御により、1つまたは複数の電磁石を休止位置とブレーキ位置との間で運動させることができる。電磁石が通電されると、電磁吸着レールブレーキ装置とレールとの間の摩擦接触を行うことができる。この場合、摩擦コンポーネントを電磁石によってブレーキ位置からレールとの接触にもたらすことができる。また、ブレーキ位置において既に電磁吸着レールブレーキ装置および/または摩擦コンポーネントとレールとの間に接触が存在していて、この接触を通電により増幅させることも考えられる。制御したい少なくとも1つの電磁弁がブレーキ位置に位置しているときに、通電が行われると有利である。幾つかの車両においては、電磁吸着レールブレーキ装置またはその電磁石が、既に休止位置において、レールの十分に近くに位置していて、通電時に電磁吸着レールブレーキ装置、特に摩擦コンポーネントと、レールとの間で摩擦接触が行われるようになっていてもよい。このような場合には、操作装置を不要にすることができ、休止位置とブレーキ位置とが同一となり得る。特に電磁吸着レールブレーキ装置の制御は、電磁吸着レールブレーキ装置の1つまたは複数の電磁石の通電および/または意図的な電流供給および/または電流供給の中断を含んでいてよい。一般に、電磁吸着レールブレーキ装置の作動および/または操作は、電磁吸着レールブレーキ装置をブレーキ位置へもたらすために、たとえば少なくとも1つの操作装置の制御によりレールと電磁吸着レールブレーキ装置との間の摩擦接触が行われるように電磁吸着レールブレーキ装置のコンポーネントを制御すること、および/または1つまたは複数の電磁石を通電するために制御することを含んでいてよい。電磁吸着レールブレーキ装置の作動停止および/または解除は、摩擦接触が中断されるように電磁吸着レールブレーキ装置のコンポーネントを制御することを含んでいてよい。この場合、1つまたは複数の電磁石への電流供給を中断することができ、かつ/または操作装置により、電磁吸着レールブレーキ装置の少なくとも1つのコンポーネントをブレーキ位置から休止位置へ運動させることができる。1つの電磁吸着レールブレーキ装置が、互いに別個に制御可能な複数の摩擦コンポーネントおよび/または操作装置および/または電磁石を有していることが考えられる。したがって、電磁吸着レールブレーキ装置は部分的に解除されていて、かつ部分的に操作されていてよい。制御は、たとえば中央の制御装置により提供され得る規定のブレーキパラメータに応じて行われ得る。ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置を特定のパラメータに基づいて、または特定のパラメータに関連して制御するために形成されていてよい。このためには、ブレーキ制御装置が、1つのパラメータに相当する状態データを受信するために形成されていてよい。このような状態データは、たとえば、ブレーキ制御装置が接続されているか、または接続可能となるセンサ装置により提供され得る。また、ブレーキ制御装置が、データ伝送のために少なくとも1つの別の制御装置に接続されていて、これによりこの別の制御装置によって、相応する状態データを受信することも考えられる。択一的または付加的に、ブレーキ制御装置は、センサ装置および/または制御装置により受信されたセンサデータに基づいて、問題のパラメータに相応する状態データを求めるか、または計算するために形成されていてよい。したがって、相応する状態データは、適当なセンサ装置により提供されるセンサデータに基づいているか、またはセンサデータであってよい。たとえば、ブレーキシステムが、センサ装置に接続されているか、または接続可能であってよく、かつ/またはセンサ装置がブレーキシステムに対応していてよい。この場合、センサ装置は、たとえば車輪回転数センサおよび/または速度センサおよび/またはブレーキ作用センサ、たとえばブレーキ力センサおよび/またはブレーキモーメントセンサ、および/または減速センサおよび/または加速センサを含んでいてよい。また、電磁吸着レールブレーキ装置を制御するための、ブレーキシステムの制御装置、特にブレーキ制御装置が、データ伝送のためにセンサ装置および/または別の制御装置に接続されていて、これによりたとえばセンサデータおよび/または状態データおよび/または運転パラメータを受信することも考えられる。

本発明は、レール車両のブレーキシステム用のブレーキ制御装置であって、前記ブレーキシステムが、少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置を有し、該電磁吸着レールブレーキ装置は、ブレーキ力を発生させるために、当該ブレーキ制御装置に応じて、可変の電流強さによって通電可能であるブレーキ制御装置に関する。このブレーキ制御装置は、前記少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置を、走行中にレールのクリーニングのためにクリーニング電流強さによって操作するように形成されている。したがって、ブレーキ制御装置を介して、電磁吸着レールブレーキ装置によるレールのクリーニングを制御することができる。これにより、レールと、電磁吸着レールブレーキ装置もしくはその摩擦コンポーネントに後続する車輪との間の摩擦接続もしくは粘着が改善される。ブレーキ制御装置は、レール車両の走行方向または牽引方向で見て最も前側の電磁吸着レールブレーキ装置をレールのクリーニングのために操作するように形成されていてよい。電磁吸着レールブレーキ装置の通電は、特に電磁吸着レールブレーキ装置の1つまたは複数の電磁石への電流の供給または通電を含むか、または意味することができる。一般に、ブレーキ制御装置に応じた電磁吸着レールブレーキ装置の通電または制御は、ブレーキ制御装置による電磁吸着レールブレーキ装置の制御の一部であるとみなすことができる。電磁吸着レールブレーキ装置および/または電磁吸着レールブレーキ装置の少なくとも1つの電磁石が、電流の供給のために、電気的なエネルギの源に接続されているか、または接続可能であることが考えられる。規定の電流強さを有する電流を提供することによる電気的なエネルギの供給は、ブレーキ制御装置に応じて行われ得る。このためには、ブレーキ制御装置が、適当な形式で電磁吸着レールブレーキ装置および/または電気的なエネルギの源に接続されているか、または接続可能であってよい。常用ブレーキ装置はブレーキシステムの一部であってよい。一般に、ブレーキシステムは、電磁吸着レールブレーキ装置ではない少なくとも1つの別のブレーキ装置を有していてよい。ブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置を別個にかつ/または常用ブレーキ装置および/または別のブレーキ装置とは独立して制御するために形成されていることが考えられる。ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置の制御時に、特に別のブレーキ装置、たとえば常用ブレーキ装置に関する状態データを考慮するために形成されていてよい。一般に、電磁吸着レールブレーキ装置は走行方向または牽引方向で見て、別のブレーキ装置により制動したい少なくとも1つの車輪の手前に、特に常用ブレーキ装置により制動したい車輪の手前に配置されていてよい。電磁吸着レールブレーキ装置がレールの制動またはクリーニングのために制御される場合、電磁吸着レールブレーキ装置はレールとの摩擦接触にもたらされる。電磁吸着レールブレーキ装置と、レールの摩擦面との摩擦接触が行われ、その後にこの摩擦面が、車両の少なくとも1つの車輪面とも摩擦接触すると有利である。電磁吸着レールブレーキ装置のプロファイルおよび/または車輪のプロファイルは、相応に形成されていてよい。電磁吸着レールブレーキ装置とレールの摩擦面との接触により、このレールは中間層除去されて、クリーニングされる。ブレーキ制御装置は、制動過程中にレール状態を監視し、レール状態に相当するレール状態データの変化に基づいて電磁吸着レールブレーキ装置を制御するために形成されていてよい。ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置を速度データに基づいて制御するために形成されていてよい。速度データは、特に車両速度に関するものであってよい。速度データは、適当なセンサ装置、たとえば速度センサにより求められる状態データ、かつ/または車輪回転数センサのデータに基づいて求められる状態データであってよい。速度データは、データ伝送のためにブレーキ制御装置に接続された別の制御装置によって伝送可能であってよい。

したがって、目下の速度はレールのクリーニング時でも考慮され得る。択一的または付加的に、ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置を、常用ブレーキ装置により加えられたブレーキ力および/または相応するブレーキモーメントを表す状態データに基づいて制御するために形成されていてよい。このような状態データは、少なくとも1つのブレーキ作用センサ、たとえばブレーキ力センサおよび/またはブレーキモーメントセンサにより求められかつ提供されるセンサデータに基づいていてよい。相応するセンサは、常用ブレーキ装置を監視するためにブレーキシステムに対応配置されていてよい。ブレーキ制御装置は特に、レールのクリーニングのために電磁吸着レールブレーキ装置が操作または制御される際にレール状態データを考慮するために形成されていてよい。電磁吸着レールブレーキ装置をレールのクリーニングのために操作することは、相応する運転手指示または自動的な指示、たとえばレール状態センサにより行われ得る。レール状態データは、レール上での湿分または湿りの存在、レール上での液体および/または固形の物質、たとえば落葉、水、砂、ダスト、オイルおよび/またはまたは氷の存在に関するものであってよい。たとえば、ブレーキ制御装置が、湿分データまたは湿りデータまたは別のレール状態データを受信するために、相応するセンサ装置または制御装置に接続されているか、または接続可能であることが考えられる。この場合、ブレーキ制御装置が、湿り信号または別のレール状態信号に基づいて、電磁吸着レールブレーキ装置をレールのクリーニングのためにクリーニング電流強さによって操作するように形成されていると有利になり得る。相応する信号は、たとえばレール上での湿分または湿りの存在を表すか、または別のレール状態に関するものであってよい。相応するセンサは、たとえば光学式のセンサであってよく、この光学式のセンサはレール車両の前側の範囲に配置されていてよい。電磁吸着レールブレーキ装置の相応する電磁石が通電されなくとも、電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントを、レールまたはレール上に配置された中間層と物理的に接触させることのできる操作装置を電磁吸着レールブレーキ装置が有していることも考えられる。このような場合には、クリーニング電流強さはゼロであってもよいので、電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントは操作装置によってのみレールのクリーニングのために接触させられる。ブレーキ制御装置が、たとえば車輪スリップ率、粘着係数、ブレーキ力および/またはブレーキモーメントのようなブレーキ作用に関するものであってよい制御パラメータを監視するために設計されていることが考えられる。このためには、ブレーキ制御装置は、相応してたとえば車輪スリップ率、粘着係数、ブレーキ力および/またはブレーキモーメントのようなブレーキ作用に関する相応する状態データを受信するために形成されていてよい。特にブレーキ制御装置は、このような制御パラメータの時間的な経過を記憶し、かつ/または監視するために形成されていてよい。

クリーニング電流強さは、制動時に電磁吸着レールブレーキ装置に通電されるブレーキ電流強さよりも小さく形成されていてよい。したがって、レールクリーニングは、制動よりも小さなエネルギしか必要とせず、電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントを、制動時よりも僅かにしか負荷しない。制動は、この場合、たとえば車掌により提供され得るブレーキ要求が存在することにより規定されていてよい。制動は、ブレーキシステムの別のブレーキ装置が電磁吸着レールブレーキ装置として操作されていることによっても規定されていてよい。このような別のブレーキ装置が、特に電磁吸着レールブレーキ装置とは異なっていてよい。たとえば、ハイドロリック式またはニューマチック式または電気式のブレーキ装置のような常用ブレーキ装置が操作されると、かつ/または操作されている間、制動が行われていてよい。この場合、念のため付言しておくと、クリーニング電流強さを用いた電磁吸着レールブレーキ装置の操作は、車両を制動するために役立つものではない。それどころか、レールのクリーニングは、たとえば駆動されていてよい通常の走行中に実施され得る。したがって、走行を不必要にかつ望ましくなく妨害しないようにするために、小さなクリーニング電流強さを使用することが有利である。ブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置を用いたレールのクリーニング中に、ブレーキ制御装置が、相応するブレーキ信号を受信すると、電流強さをブレーキ電流強さにまで増大させるように形成されていることが考えられる。したがって、電流強さを単純に増大させることにより、クリーニング過程から、意図された制動過程へ移行することができる。制動過程は当然ながら、同じくレールのクリーニングのためにも寄与する。

ブレーキ制御装置は、車輪回転数センサ装置に接続されているか、または接続可能であってよい。このような車輪回転数センサ装置を介して、車輪スリップデータを検出することができる。特に、車輪スリップデータが、電磁吸着レールブレーキ装置または相応する摩擦コンポーネントと当該車輪との間に別の車輪が位置することなしに、走行方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置の背後または相応する摩擦コンポーネントの背後に配置されている少なくとも1つの車輪または車輪軸の車輪スリップ率に関するものであることが考えられる。したがって、電磁吸着レールブレーキ装置または摩擦コンポーネントと、車輪とは、場所的に互いに近傍で隣接して位置しており、車輪スリップデータは、電磁吸着レールブレーキ装置または摩擦コンポーネントの近傍におけるレール状態を表すものとして役立つことができる。択一的または付加的に、車輪スリップデータは、走行方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置または相応する摩擦コンポーネントの手前に配置されている少なくとも1つの車輪に関するものであってもよい。

別の改良形では、ブレーキ制御装置が、クリーニング電流強さを、少なくとも1つの車輪スリップ率に関連して変えるように形成されていてよい。この場合、車輪スリップ率は、ブレーキ制御装置によって車輪回転数センサ装置および/または別の制御装置から受信され得る。車輪スリップ率は粘着係数と密接な関係にあり、したがって車両の制動のために、または車両の加速のためにも著しく重要となる。特に、ブレーキ制御装置は、クリーニング電流強さを変えることにより、車輪スリップ率を、レール車両の規定の運転のために望ましい範囲に調節するように形成されていてよい。車輪スリップ率は、走行方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントの手前または背後に配置されていてよい少なくとも1つの車輪に関連していてよい。電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントが、同じレール上を回転する2つの車輪の間に配置されていることが考えられる。この場合、特に両車輪と電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントとは1つの共通のボギー台車に配置されていてよい。ブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントを取り囲む両車輪の車輪スリップ率を監視し、かつ互いに比較するように形成されていることが考えられる。ブレーキ制御装置は、この車輪スリップ率の比較に基づいて、電磁吸着レールブレーキ装置を制御し、かつ/またはクリーニング電流強さを変えるように形成されていてよい。この場合、特にそれぞれ相応する車輪に加えられる力、たとえば駆動力または制動力または所属のブレーキ圧を考慮することができる。電磁吸着レールブレーキ装置がクリーニングのために操作された状態で、比較可能な同程度の力および/またはブレーキ圧が加えられても、ほぼ比較可能な類似の車輪スリップ率が提供された場合には、たとえば当該車輪の粘着係数またはスリップ率に差が生ぜしめられるように電磁吸着レールブレーキ装置がレールをクリーニングしていないことを知ることができる。その場合、ブレーキ制御装置により、たとえば電流強さを高めることができる。そして、クリーニングのために規定された最大電流強さが達成されると、電磁吸着レールブレーキ装置を不必要に負荷しないようにするために、ブレーキ制御装置によってクリーニングを中断させることができる。このためには、電磁吸着レールブレーキ装置をブレーキ制御装置によって動作停止させ、かつ/または休止位置へもたらすことができる。

ブレーキ制御装置はブレーキ作用センサ装置に接続されているか、または接続可能であってよい。ブレーキ作用センサ装置は特にブレーキ力センサおよび/またはブレーキモーメントセンサを有していてよい。このことは、ブレーキ制御装置のための相応するブレーキ作用データの提供を可能にする。

ブレーキ制御装置は、クリーニング電流強さを少なくとも1つの粘着係数に関連して変えるように形成されていてよい。したがって、クリーニング電流強さは、所望の粘着係数が得られるように制御され得る。ブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置を粘着係数に関連して制御するように形成されていることが考えられる。粘着係数は、車輪回転数センサのデータおよび/または車輪スリップデータおよび/またはブレーキ作用データ、たとえばブレーキ力データおよび/またはブレーキモーメントデータおよび/または車両速度データおよび/またはブレーキ圧データおよび/またはブレーキ電流データに基づいて決定され、かつ/または計算され得る。粘着係数は、1つまたは複数の車輪についてブレーキ制御装置により検出されるか、または測定され得る。1構成では、ブレーキ制御装置が、少なくとも1つの車輪のための粘着係数を、電磁吸着レールブレーキ装置の操作の間、監視するように形成されている。電磁吸着レールブレーキ装置の使用により、前記少なくとも1つの車輪とレールとの間の摩擦接触が改善されて、この場合に粘着係数が規定の閾値を上回ると、ブレーキ制御装置は電磁吸着レールブレーキ装置を作動停止させるか、またはその通電を減少させることができる。複数の閾値が設定されていて、これらの閾値が上回られると、それぞれ種々異なる通電が行われるように設定されていてもよい。粘着係数は、電磁吸着レールブレーキ装置の少なくとも1つの摩擦コンポーネントの手前および/または背後に配置されていてよい1つまたは複数の車輪について規定され得る。ブレーキ制御装置は、走行方向または牽引方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置の少なくとも1つの摩擦コンポーネントの手前と、この少なくとも1つの摩擦コンポーネントの背後とにおいて粘着係数を規定するように形成されていてよい。ブレーキ制御装置は、前記少なくとも1つの摩擦コンポーネントの前後の粘着係数の比較に基づいて、クリーニング電流強さを変えるように形成されていてよい。たとえば、ブレーキ制御装置は、前記比較が粘着係数の僅かな増大しか生ぜしめないか、または粘着係数の増大を生ぜしめない場合には、クリーニング電流強さを増大させ、これにより所望の粘着係数を達成するか、または粘着係数の増大を達成するように形成されていてよい。規定の最大クリーニング電流強さが達成された場合に、摩擦コンポーネントの背後における粘着係数の増大が達成されないか、または予め規定された十分な増大が達成されない場合、ブレーキ制御装置はクリーニングを中断することができる。このためには、電磁吸着レールブレーキ装置をブレーキ制御装置によって作動停止させることができ、かつ/または休止位置へもたらすことができる。このような変化形は、上で説明した制御と同様に車輪スリップデータの比較に基づいており、かつ上で説明した制御に対して択一的または付加的に規定されていてよい。

1改良形では、ブレーキ制御装置が、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連してクリーニング電流強さを変えるように形成されていてよい。したがって、特に長い区間にわたるレール状態の変化に反応することができる。なぜならば、このような変化は車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な経過に現れるからである。また、上で説明した制御の場合に車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化を考慮することもできる。

本発明はさらに、少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置と、前で説明したブレーキ制御装置とを備えたレール車両用のブレーキシステムに関する。ブレーキ制御装置は、電磁吸着レールブレーキ装置の制御のために形成されていてよい。このブレーキシステムが、前で説明したブレーキシステムであることが考えられる。このブレーキシステムは、少なくとも1つの別のブレーキ装置を有していてよく、このブレーキ装置は特に常用ブレーキ装置であってよい。この常用ブレーキ装置は電気操作式または圧力操作式の常用ブレーキ装置、特にニューマチック式またはハイドロリック式の常用ブレーキ装置であってよい。常用ブレーキ装置ならびに場合によっては別のブレーキ装置、たとえば線形の渦電流ブレーキ装置は、電子式の制御装置により制御可能であってよい。この制御装置はブレーキ制御装置であってよい。このブレーキ制御装置が、別のブレーキ装置のための制御装置を含んでいることが考えられる。前記ブレーキシステムのブレーキ装置には、センサ装置の適当なセンサが対応していてよい。センサ装置は前記ブレーキシステムのコンポーネントであってよい。センサは、たとえば車輪回転数センサおよび/またはブレーキ作用センサ、たとえばブレーキ力センサおよび/またはブレーキモーメントセンサ、および/または速度センサおよび/またはブレーキ圧センサおよび/またはブレーキ電流センサであってよい。

さらに本発明は、前で説明したブレーキシステムおよび/または前で説明したブレーキ制御装置を備えたレール車両に関する。

本発明はさらに、レール車両の電磁吸着レールブレーキ装置によってレールをクリーニングする方法であって、前記電磁吸着レールブレーキ装置が、ブレーキ力を発生させるためにブレーキ制御装置に応じて、可変の電流強さによって通電可能である方法に関する。本発明による方法では、電磁吸着レールブレーキ装置が、前記ブレーキ制御装置によりクリーニング電流強さによって操作される。ブレーキ制御装置は、前で説明したブレーキ制御装置であってよい。電磁吸着レールブレーキ装置が、前で説明したブレーキシステムの一部であることが考えられる。クリーニング電流強さは、制動時に電磁吸着レールブレーキ装置に通電されるブレーキ電流強さよりも小さく形成されていてよい。ブレーキ制御装置は車輪回転数センサ装置に接続され得る。クリーニング電流強さがブレーキ制御装置によって、少なくとも1つの車輪スリップ率に関連して変えられることが考えられる。ブレーキ制御装置はブレーキ作用センサ装置に接続されているか、または接続可能であってよい。クリーニング電流強さがブレーキ制御装置によって、少なくとも1つの粘着係数に関連して変えられることが考えられる。択一的または付加的に、クリーニング電流強さはブレーキ制御装置によって、車輪スリップ率および/または粘着係数の時間的な変化に関連して変えられ得る。

以下に、図面につき本発明の有利な実施形態を詳しく説明する。

ブレーキ制御装置を備えたレール車両のブレーキシステムを示す概略図である。

少なくとも1つの電磁吸着レールブレーキ装置を制御する方法を示す概略的なフローチャートである。

図1には、ニューマチック式の常用ブレーキ装置を備えたレール車両のブレーキシステム10が概略的に図示されている。機械的およびニューマチック的な接続部および管路は実線により示されており、電気的な接続部または通信通路は破線により示されている。ブレーキシステム10は、レール車両の車輪12,13を制動するために設計されている。本実施形態では、車輪12,13が、互いに異なる車輪軸に設けられているが、しかし同一のボギー台車に位置している。第1の車輪12には、第1のブレーキシュー(制輪子)14が対応している。第2の車輪13には、第2のブレーキシュー15が対応している。両ブレーキシュー14,15はそれぞれブレーキライニングを有しており、このブレーキライニングは、ブレーキシューがこのブレーキライニングによって、対応する車輪12,13の踏面に押圧されると、この対応する車輪を制動する。第1のブレーキシュー14は、第1の力発生器16によって制動のために操作可能である。この第1の力発生器16は供給管路を介して主制御弁装置20に接続されている。この主制御弁装置20を介して、第1の力発生器16に圧縮空気を供給することができる。同じく、第2のブレーキシュー15には第2の力発生器17が対応しており、この第2の力発生器17には、やはり主制御弁装置20を介して、この第2の力発生器17を操作するための圧縮空気を供給することができ、これにより第2のブレーキシュー15を第2の車輪13の車輪踏面と接触させることができる。主制御弁装置20は、圧縮空気貯蔵装置22に接続されている。主制御弁装置20はこの圧縮空気貯蔵装置22から圧縮空気を取り出して、制動時にこの圧縮空気を第1および第2の力発生器16,17に提供することができる。さらに、ブレーキコンピュータとして形成された電子式のブレーキ制御装置24が設けられている。この電子式のブレーキ制御装置24は、主制御弁装置20を制御することができる。このためには、主制御弁装置20が特に、ブレーキ制御装置24により制御可能となる1つまたは複数の電磁弁を有していてよい。ブレーキ制御装置24は、たとえば列車コンピュータからブレーキデータを受信することができる。ブレーキデータは、たとえばブレーキ要求、車両速度および/または所望の減速に関するものであってよい。図面を見易くするという理由から、第2の車輪に対応するコンポーネントのための電気的な制御線路は描かれていない。しかし、第2の車輪に対応するコンポーネントのための電気的な制御線路も、第1の車輪およびそのコンポーネントに対応する制御線路と同様に形成されている。第1の車輪12には、さらに第1のブレーキ作用センサ18が対応配置されている。この第1のブレーキ作用センサ18は、制動時に第1のブレーキシュー14に加えられたブレーキ力および/またはブレーキモーメントを検出することができる。したがって、第1のブレーキ作用センサ18はブレーキ力センサであるとみなすことができる。このようなブレーキ作用センサは、たとえば1つまたは複数の抵抗線歪ゲージを有していてよい。第1のブレーキ作用センサ18はデータの伝送のために、電子式のブレーキ制御装置24に接続されている。さらに、第1の車輪12には、第1の車輪回転数センサ30が対応配置されている。この第1の車輪回転数センサ30は第1の車輪12の回転数を検出することができる。この第1の車輪回転数センサ30も、データの伝送のために電子式のブレーキ制御装置24に接続されている。同様に第2の車輪13にも、第2のブレーキ作用センサ19が対応配置されており、この第2のブレーキ作用センサ19は、第2のブレーキシュー15に加えられたブレーキ力および/またはブレーキモーメントを検出することができる。さらに、第2の車輪13には、第2の車輪回転数センサ32も対応配置されている。第1および第2のブレーキ作用センサ18,19は、それぞれブレーキ作用センサ装置の一部であるとみなすことができる。第1および第2の車輪回転数センサ30,32は、それぞれ車輪回転数センサ装置の一部であるとみなすことができる。第1および第2の力発生器16,17はそれぞれニューマチック式のシリンダを有していてよい。このニューマチック式のシリンダは、ブレーキ圧で負荷されると、対応するブレーキシュー14,15にブレーキ力を加える。さらに第1および第2の力発生器16,17は、それぞれ電子式のブレーキ制御装置24により制御可能な制御弁装置を有していてよい。この制御弁装置を介して、主制御弁装置20により提供された主ブレーキ圧を、第1および第2の力発生器16,17の各ニューマチック式のシリンダのために個別に調節することができる。したがって、特に第1および第2の力発生器16,17は電子式のブレーキ制御装置24に応じて、第1および第2のブレーキシュー14,15に種々異なるブレーキ圧を印加し、ひいては摩擦ブレーキ装置を非対称的にまたはそれぞれ別個に操作または制御することができる。主制御弁装置20には、主ブレーキ圧センサ21が対応配置されており、この主ブレーキ圧センサ21は、主制御弁装置20により提供された主ブレーキ圧を検出することができる。主ブレーキ圧センサ21はデータ伝送のために電子式のブレーキ制御装置24に接続されている。さらに、第1の力発生器16には、第1のブレーキ圧センサ31が対応配置されており、第2の力発生器17には、第2のブレーキ圧センサ33が対応配置されている。第1のブレーキ圧センサ31および第2のブレーキ圧センサ33は、それぞれ、対応する力発生器16,17によりブレーキ力を発生させるために個別に提供されたブレーキ圧を検出するために形成されている。第1および第2のブレーキ圧センサ31,33ならびに主ブレーキ圧センサ21は、ブレーキ圧センサ装置の一部であるとみなすことができる。第1および第2のブレーキ圧センサ31,33ならびに主ブレーキ圧センサ21は、やはりデータ伝送のために電子式のブレーキ制御装置24に接続されている。したがって、電子式のブレーキ制御装置24は一方では、主制御弁装置20の背後における、つまり主制御弁装置20の下流側における導入された主ブレーキ圧を検出することができる。他方において、電子式のブレーキ制御装置24はそれぞれ、個々の力発生器16,17においてブレーキ力を発生させるために個別に有効となるブレーキ圧を受信する。図1において、第1のブレーキシュー14を備えた第1の力発生器16は、第1の摩擦ブレーキ装置であるとみなすことができる。第2の力発生器17および第2のブレーキシュー15は、第2の摩擦ブレーキ装置であるとみなすことができる。もちろん、両摩擦ブレーキ装置は、図示されていない所属のブレーキリンク機構および懸架装置を有していてよい。第1および第2の車輪回転数センサ30,32と、第1および第2の力発生器16,17に対応する制御弁装置とは、滑り防止装置の機能を引き受けることができ、かつ/またはこのような滑り防止装置の一部であるとみなすことができる。

主制御弁装置20ならびに前記摩擦ブレーキ装置は、ニューマチック式のブレーキ装置、特に常用ブレーキ装置であるとみなすことができる。したがって、第1および第2の車輪回転数センサ30,32、第1および第2のブレーキ作用センサ18,19ならびにブレーキ圧センサ21,31,33は、それぞれ常用ブレーキ装置の相応するコンポーネントに対応するセンサであるとみなすことができる。摩擦ブレーキ装置は、シューブレーキとしてではなく、ディスクブレーキとして形成されていてもよい。この場合にも、それぞれ1つのブレーキ作用センサが設けられていてよく、このブレーキ作用センサは、制動時に加えられるブレーキ力および/またはブレーキモーメントを検出して、相応するブレーキデータを電子式のブレーキ制御装置24へ伝送することができる。電子式のブレーキ制御装置24は、第1および第2のブレーキ作用センサ18,19からブレーキ作用データを受け取り、ブレーキ圧センサ21,31,33からブレーキ圧データを受け取るために形成されている。さらに、電子式のブレーキ制御装置24は、このブレーキ圧データを、相応するブレーキ作用データに対応させて、互いに対応したデータを監視する。ブレーキシステム10はさらに、操作装置42と摩擦コンポーネント44とを備えた電磁吸着レールブレーキ装置40を有する。電磁吸着レールブレーキ装置40は、同じボギー台車に位置する第1の車輪12と第2の車輪13との間に配置されている。操作装置42は、相応する制御の際に摩擦コンポーネント44を休止位置からブレーキ位置へ、あるいはブレーキ位置から休止位置へ運動させるために設けられている。この実施形態において、操作装置42はニューマチック的な圧力またはその消失を摩擦コンポーネント44の運動に変換することができる。摩擦コンポーネント44は電磁石を有している。この電磁石が通電されると、この電磁石は摩擦コンポーネント44をブレーキ位置からレールとの摩擦接触にもたらすことができる。電子式のブレーキ制御装置24は、制御のために電磁吸着レールブレーキ装置40に接続されていて、特に操作装置42を制御することができる。さらに、電子式のブレーキ制御装置24は、摩擦コンポーネント44の電磁石への通電を制御するために形成されている。電子式のブレーキ制御装置24は、可変の電流強さでの通電を制御することができるので、制御された電流強さに応じて、レールと電磁吸着レールブレーキ装置40との間での種々異なる強さの摩擦接触が生ぜしめられる。電流の供給のためには、摩擦コンポーネント44がレール車両の搭載電源および/または搭載電源とは別個の独立した電流源に接続されていてよいか、または接続可能であってよい。電子式のブレーキ制御装置24は、電磁吸着レールブレーキ装置40をレール状態データに基づいて制御するために形成されている。レール状態データは、センサから得られ、かつ/またはブレーキシステム10のニューマチック式のブレーキ装置の摩擦ブレーキ装置、すなわち常用ブレーキ装置に対応する状態データに基づいている。これらの状態データは、特に前記センサ18,19,21,30,31,32,33のデータに基づいている。電子式のブレーキ制御装置24は、これらのセンサにより測定されたデータに基づいて、特に車輪12,13とレールとの間の摩擦接続もしくは粘着に関するレール状態データを決定するようになっている。すなわち、電子式のブレーキ制御装置24は、車輪回転数センサ30,32のデータから、かつ/またはこれらのデータに基づいて決定された車輪スリップ率から、各車輪12,13の滑りまたはロックが生じていないかどうかを決定することができる。択一的または付加的に、それぞれ車輪12,13のために生ぜしめられた粘着係数を決定することができる。このようなレール状態データに基づいて、電子式のブレーキ制御装置24は電磁吸着レールブレーキ装置40を粘着係数に関連して制御する。電子式のブレーキ制御装置24は、クリーニング信号を受信しかつその後に電磁吸着レールブレーキ装置40を、摩擦コンポーネント44がレールまたは該レール上に位置する中間層に接触するように操作するために形成されている。この場合、予め規定されたクリーニング電流強さが電子式のブレーキ制御装置24によって調節される。クリーニング電流強さは、電磁吸着レールブレーキ装置40を一般に制動のために操作または通電するためのブレーキ電流強さよりも小さく形成されている。レールのクリーニングの間、好ましくはブレーキシステムの別のブレーキ装置は操作されないので、車両の僅かな制動しか生ぜしめられない。このような僅かな制動は、たとえば高められた駆動出力によって容易に補償され得る。このためには、たとえばレール車両の駆動装置コンピュータまたは中央コンピュータが、クリーニング信号が提供された場合および/またはクリーニング電流強さを表す信号が提供された場合および/または電磁吸着レールブレーキ装置40により加えられたブレーキ力を表す信号が提供された場合、レール車両の駆動出力の相応する増大を制御するために形成されている。クリーニング信号および/またはクリーニング電流強さを表す信号および/または電磁吸着レールブレーキ装置40により加えられたブレーキ力を表す信号は、たとえば電子式のブレーキ制御装置24によって提供され得る。したがって、電磁吸着レールブレーキ装置40がクリーニング目的で使用される場合でも、所望の速度を維持することができる。電子式のブレーキ制御装置24は、レール状態データ、たとえば粘着係数データおよび/または車輪スリップ率データに基づいて電流強さを変化させるように形成されている。たとえば電磁吸着レールブレーキ装置40がレールのクリーニングのために操作されている間、所望の粘着係数が達成されない場合、または所望の車輪スリップ率からの実際の車輪スリップ率の偏差が生ぜしめられた場合、電子式のブレーキ制御装置24は、粘着係数および/または車輪スリップの所望の値を調節するために電流強さを変えることができる。電子式のブレーキ制御装置24は一般に、走行方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置40の摩擦コンポーネント44の手前に位置する第1の車輪12に関するレール状態データ、特に粘着係数または車輪スリップを、走行方向で見て電磁吸着レールブレーキ装置40の摩擦コンポーネント44の背後に位置する第2の車輪13に関する相応するレール状態データと比較するために形成されていてよい。このような比較に基づいて、たとえば、電磁吸着レールブレーキ装置40の使用が粘着条件を変えていないかどうかを監視することができる。電磁吸着レールブレーキ装置40の使用が所望の変化をもたらしていない場合には、電子式のブレーキ制御装置24はクリーニング電流強さを高めることができるか、または既に最大電流強さが達成されている場合には、電磁吸着レールブレーキ装置40を作動停止させることができる。なぜならば、粘着条件の変化が電磁吸着レールブレーキ装置40の使用によって達成され得ないからである。

図2には、電磁吸着レールブレーキ装置を用いてレールをクリーニングするための方法のフローチャートが図示されている。ステップS10において、ブレーキ制御装置がクリーニング信号を受け取る。クリーニング信号は、たとえば列車コンピュータまたは車掌によって提供され得る。ブレーキ制御装置は、図1につき説明したブレーキ制御装置であってよい。ブレーキシステムおよび電磁吸着レールブレーキ装置は、たとえばやはり図1につき説明した装置であってよい。ステップS12において、ブレーキ制御装置は、摩擦コンポーネントが制動位置へもたらされるように電磁吸着レールブレーキ装置を制御する。この場合、制動位置では、既に電磁吸着レールブレーキ装置の摩擦コンポーネントとレールまたはレール上に載着した中間層との間の接触が行われるようになっていてよい。選択的なステップS14においては、レールに対する改善された接触を形成するために、ブレーキ制御装置が、電磁吸着レールブレーキ装置の電磁石にクリーニング電流強さを通電するようになっている。このクリーニング電流強さは、標準のブレーキ電流強さよりも特に小さく形成されていてよい。次のステップS16において、ブレーキ制御装置は1つまたは複数の車輪のための規定の運転パラメータ、たとえば車輪スリップ率および/または粘着係数を決定することができる。このためには、ブレーキ制御装置が、相応するデータを受け取るようになっていてよい。これらのパラメータに基づいて、ブレーキ制御装置はステップS18において電流強さを変えることができる。この場合、たとえば電磁吸着レールブレーキ装置もしくは電磁吸着レールブレーキ装置の電磁石が通電される電流強さを、所望の車輪スリップ率および/または所望の粘着係数が生じるように調節することができる。

前記説明、図面ならびに特許請求の範囲に開示されている本発明の特徴は、単独の形でも、任意に組み合わされた形でも、本発明を実現するために重要となり得る。

10 ブレーキシステム 12 第1の車輪 13 第2の車輪 14 第1のブレーキシュー 15 第2のブレーキシュー 16 第1の力発生器 17 第2の力発生器 18 第1のブレーキ力センサ 19 第2のブレーキ力センサ 20 主制御弁装置 21 主ブレーキ圧センサ 22 圧縮空気貯蔵装置 24 ブレーキ制御装置 30 第1の車輪回転数センサ 31 第1のブレーキ圧センサ 32 第2の車輪回転数センサ 33 第2のブレーキ圧センサ 40 電磁吸着レールブレーキ装置 42 操作装置 44 摩擦コンポーネント

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