鉄道車両用ディスクブレーキ装置

申请号 JP2014554385 申请日 2013-12-19 公开(公告)号 JP6092256B2 公开(公告)日 2017-03-08
申请人 ナブテスコ株式会社; 发明人 田口 晃; 吉村 忠史;
摘要
权利要求

パッドがディスクに近づく方向及び前記ディスクから遠ざかる方向へ変位可能なように、所定の支点軸回りを揺動可能に構成されたキャリパテコと、 前記キャリパテコを前記支点軸回りに駆動させるための駆動装置と、を備え、 前記キャリパテコは、 前記駆動装置が連結される点側アーム部と、 前記力点側アーム部から延び前記支点軸に連結される支点部と、 前記支点部から延びる一対の作用点側アーム部と、 一対の前記作用点側アーム部同士を連結し、且つ、所定の作用点軸を介して前記パッドを保持するための作用点部と、を備え、 一対の前記作用点側アーム部は、前記作用点部に近づくに従い互いの間隔が狭くなるように傾斜し、且つ、各前記作用点側アーム部は、前記作用点部が延びる方向と直交する基準面に対して傾斜し、 前記作用点部は、前記支点部側の部分において外側面から内方に窪み前記外側面から連続するように構成された窪み部を有し、前記窪み部は、側面視において、前記支点部から前記作用点部に向かう方向に湾曲するように円弧状に構成されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。請求項1に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、 前記キャリパテコは、一対の前記作用点側アーム部、及び前記作用点部で囲まれた開口部を有し、 前記作用点部の周囲において、前記開口部の縁部は、湾曲状に形成された部分を有していることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。請求項2に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、 一対の前記作用点側アーム部は、互いに向かい合う一対の内向き面を有し、 一対の前記内向き面は、前記作用点部に近づくに従い互いの間隔が狭くなるように配置された一対の円弧状部を有していることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。請求項3に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、 前記内向き面は、前記円弧状部から前記支点部へ向かう平坦部を更に有していることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。請求項1に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、 前記キャリパテコは、一対の前記作用点側アーム部、及び前記作用点部で囲まれた開口部を有し、 前記開口部は、前記作用点部に近づくに従い先細りとなる三形状に形成されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、 一対の前記作用点側アーム部の形状は、これら一対の前記作用点側アーム部が互いに向かい合う方向に対称であることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。

说明书全文

本発明は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に関する。

鉄道車両用ディスクブレーキ装置として、テコの原理を用いる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のディスクブレーキ装置は、一対のブレーキヘッドと、一対のキャリパレバーと、アクチュエータと、を有している。

一対のブレーキヘッドは、車輪を挟むように配置されており、一対のブレーキパッドを保持している。一対のブレーキヘッドは、一対のキャリパレバーに取り付けられている。各キャリパレバーは、略鉛直方向に延びる支点ピン回りに揺動可能である。各キャリパレバーは、アクチュエータに接続されている。アクチュエータは、各キャリパレバーが支点ピン回りを揺動するように、各キャリパレバーを駆動する。この構成により、各キャリパレバーが回転される。その結果、各キャリパレバーにブレーキヘッドを介して保持されているブレーキパッドは、ディスクに接触し、ディスクに制動を付与する。

特開2006−315422号公報([要約])

鉄道車両は、軽量であるほど、走行時に消費するエネルギーが少なくて済む。このため、鉄道車両用ディスクブレーキ装置においても、更なる軽量化が求められている。一方、キャリパレバーは、鉄道車両の制動時に、ディスクから大きな反力を受ける。このため、キャリパレバーは、十分な強度を有する肉厚の形状に形成される。その結果、キャリパレバーの重量は、重くなってしまう。例えば、特許文献1に記載のキャリパレバーは、支点ピンからブレーキヘッドに延びる部分を有しており、当該部分は、側面視において、略四形状に形成された大型の形状を有している。

本発明は、上記実情に鑑みることにより、ディスクからの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。

(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる鉄道車両用ディスクブレーキ装置は、パッドがディスクに近づく方向及び前記ディスクから遠ざかる方向へ変位可能なように、所定の支点軸回りを揺動可能に構成されたキャリパテコと、前記キャリパテコを前記支点軸回りに駆動させるための駆動装置と、を備えている。前記キャリパテコは、前記駆動装置が連結される力点側アーム部と、前記力点側アーム部から延び前記支点軸に連結される支点部と、前記支点部から延びる一対の作用点側アーム部と、一対の前記作用点側アーム部同士を連結し、且つ、所定の作用点軸を介して前記パッドを保持するための作用点部と、を備え、一対の前記作用点側アーム部は、前記作用点部に近づくに従い互いの間隔が狭くなるように傾斜し、且つ、各前記作用点側アーム部は、前記作用点部が延びる方向と直交する基準面に対して傾斜し、前記作用点部は、前記支点部側の部分において外側面から内方に窪み前記外側面から連続するように構成された窪み部を有し、前記窪み部は、側面視において、前記支点部から前記作用点部に向かう方向に湾曲するように円弧状に構成されている。

この構成によると、一対の作用点側アーム部は、作用点部に近づくに従い互いの間隔が狭くなるように傾斜し、且つ、何れの作用点側アーム部も、基準面に対して傾斜している。このような構成であれば、鉄道車両の制動時、ディスクの回転方向に沿ってディスクからパッドに作用する反力は、作用点軸及び作用点部を介して、一対の作用点側アーム部に偏り少なく作用する。これにより、一対の作用点側アーム部及び作用点部における応力集中を抑制できる。よって、一対の作用点側アーム部及び作用点部の応力のピーク値は、低い。これにより、一対の作用点側アーム部は、ディスクからの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、ひいては、キャリパテコは、十分な強度を確保できる。また、鉄道車両の制動時に一対の作用点側アーム部に生じる応力のピークが小さくされている結果、これら一対の作用点側アーム部を、より細い形状にできる。これにより、一対の作用点側アーム部の軽量化を通じて、キャリパテコの軽量化を達成できる。

以上より、ディスクからの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供することができる。

(2)好ましくは、前記キャリパテコは、一対の前記作用点側アーム部、及び前記作用点部で囲まれた開口部を有し、前記作用点部の周囲において、前記開口部の縁部は、湾曲状に形成された部分を有している。

この構成によると、一対の作用点側アーム部と作用点部との接続部分の形状を、応力集中し難い滑らかな形状にできる。これにより、各作用点側アーム部の負荷を、より低減できる。

(3)より好ましくは、一対の前記作用点側アーム部は、互いに向かい合う一対の内向き面を有し、一対の前記内向き面は、前記作用点部に近づくに従い互いの間隔が狭くなるように配置された一対の円弧状部を有している。

この構成によると、一対の作用点側アーム部と作用点部との接続部分の形状を、より応力集中し難い滑らかな形状にすることができる。

(4)更に好ましくは、前記内向き面は、前記円弧状部から前記支点部へ向かう平坦部を更に有している。

この構成によると、各作用点側アーム部の全長を、より大きくできる。これにより、各作用点側アーム部の可撓性を高くすることができるので、作用点側アーム部に過大な負荷が作用することを、より確実に抑制できる。

(5)好ましくは、前記キャリパテコは、一対の前記作用点側アーム部、及び前記作用点部で囲まれた開口部を有し、前記開口部は、前記作用点部に近づくに従い先細りとなる三角形状に形成されている。

この構成によると、支点軸と、一対の作用点側アームと、作用点部とで、三角形状のトラス構造を構成することとなる。これにより、一対の作用点側アーム部の剛性を、より高くできる。例えば、ディスクの回転方向に沿ってディスクからパッドに作用する反力が一対の作用点側アーム部に伝わった際、一対の作用点側アーム部の変形を抑制できる。その結果、一対の作用点側アーム部の変形に起因する応力集中を抑制できる。

(6)好ましくは、一対の前記作用点側アーム部の形状は、これら一対の前記作用点側アーム部が互いに向かい合う方向に対称である。

この構成によると、ディスクの回転方向に沿ってディスクからパッドに作用する反力が一対の作用点側アーム部に伝わった際において、一対の作用点側アーム部における負荷の偏りを抑制できる。その結果、一対の作用点側アーム部の全体としての強度を、より高くできる。

本発明によると、ディスクからの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供することができる。

本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の側面図である。

鉄道車両用ディスクブレーキ装置の平面図である。

鉄道車両用ディスクブレーキ装置の底面図である。

鉄道車両用ディスクブレーキ装置を見下ろした斜視図である。

鉄道車両用ディスクブレーキ装置を見上げた斜視図である。

キャリパテコの斜視図であり、キャリパテコの内側面を見た状態を示している。

キャリパテコの側面図であり、キャリパテコの内側面を見た状態を示している。

図7のVIII−VIII線に沿う断面図であり、キャリパテコを見上げた状態を示している。

(A)は、図7のIXA−IXA線に沿う断面図であり、(B)は、図7のIXB−IXB線に沿う断面図である。

キャリパテコの斜視図であり、キャリパテコの外側面を見た状態を示している。

テコ支え部材の斜視図であり、テコ支え部材を見下ろした状態を示している。

ブレーキ装置の動作を説明するための、主要部の模式的な側面図である。

本発明の第2実施形態に係るブレーキ装置のキャリパテコの側面図であり、キャリパテコの内側面を見た状態を示している。

本発明の第3実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の主要部の側面図である。

本発明の第3実施形態における鉄道車両用ディスクブレーキ装置の動作を説明するための、主要部の模式的な側面図である。

[第1実施形態] 以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、鉄道車両用ディスクブレーキ装置として広く適用することができる。

図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の側面図である。図1は、車両用ディスクブレーキ装置1が車台100に設置された状態を示している。図2は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の平面図である。図3は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の底面図である。図1〜図3において、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1以外の部材は、想像線である二点鎖線で示されている。図4は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1を見下ろした斜視図である。図5は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1を見上げた斜視図である。

図1及び図2を参照して、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1(以下では、単にブレーキ装置1ともいう。)は、鉄道車両に備えられる。このブレーキ装置1は、鉄道車両(以下、単に車両ともいう。)の台車100の下部に設置されている。車両用ディスクブレーキ装置1は、台車100の下部に配置されたディスク101に隣接している。ディスク101は、円盤状の部材であり、車両の走行時に車輪とともに回転する。ブレーキ装置1は、このディスク101を挟むことでディスク101に摩擦力を付与し、これにより、ディスク101に制動力が付与され、その結果、車両が減速される。

ブレーキ装置1は、シリンダ装置(駆動装置)2と、一対のキャリパテコ3a,3bと、支点軸部材4a,4bと、一対のパッドホルダ5a,5bと、テコ支え部材6と、吊下げ軸部材7と、固定ブラケット8と、を有している。

尚、以下では、ブレーキ装置1が平面上に置かれた台車100に設置されている使用状態を基準として、上下、前後、及び左右の各方向をいう。左右方向は、キャリパテコ3a,3bが向かい合う方向である。前後方向は、キャリパテコ3a,3bが延びる方向である。以下では、特に説明なき場合、車両用ディスクブレーキ装置1が動作していない状態の構成を基準に説明する。

図1、図2、図3及び図5を参照して、シリンダ装置2は、キャリパテコ3a,3bを、上下に延びる支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9b回りに揺動させるために設けられている。本実施形態では、支点軸部材4a,4bは、ねじ部材である。支点軸9a,9bは、先端に雄ねじが形成された丸軸である。シリンダ装置2は、空気、油等の流体を作動流体として用いる。シリンダ装置2は、ディスク101と前後方向に対向するように配置されている。また、シリンダ装置2は、一対のキャリパテコ3a,3bに挟まれるように配置されている。

シリンダ装置2は、シリンダハウジング10と、ロッド部材11と、カップリング12と、コラム部材13と、ブーツ部材14と、を有している。

シリンダハウジング10は、中空状に形成されている。シリンダハウジング10の上端部及び下端部は、ねじ部材15b,15bを介して、キャリパテコ3bに回転可能に支持されている。シリンダハウジング10は、ロッド部材11を支持している。

ロッド部材11は、シリンダハウジング10内のシリンダ室(図示せず)での流体の移動に伴って、左右方向に移動する。ロッド部材11の先端は、カップリング12を介して、コラム部材13に結合されている。

コラム部材13は、上下に延びる部材である。コラム部材13は、カップリング12を介して、ロッド部材11と一体的に左右方向に移動するように構成されている。コラム部材13の上端部及び下端部は、ねじ部材15a,15aを介して、キャリパテコ3aに回転可能に支持されている。

コラム部材13とシリンダハウジング10との間には、ブーツ部材14が配置されている。ブーツ部材14は、ベローズ状に形成された伸縮可能な部材であり、ロッド部材11を取り囲んでいる。シリンダ装置2を挟むようにして、キャリパテコ3a,3bが配置されている。

一対のキャリパテコ3a,3bは、ディスク101を挟むように対向配置される一対のパッド102a,102bを支持するために設けられている。キャリパテコ3a,3bは、対応する支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9bを支点として揺動することで、パッド102a,102bを、ディスク101の対応する側面101a,101bに加圧可能である。本実施形態では、キャリパテコ3a,3bは、金属製であり、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成されている。本実施形態では、キャリパテコ3a,3bは、中実部材(solid member)であり、貫通孔以外の内部空洞は、形成されていない。

キャリパテコ3a,3bは、シリンダ装置2を挟むように配置されており、且つ、ディスク101を挟むように配置されている。また、キャリパテコ3a,3bは、前後方向において、シリンダ装置2に隣接する位置からディスク101に隣接する位置に亘って延びており、前後方向に細長い部材である。本実施形態では、側面視(図1)において、キャリパテコ3a,3bは、それぞれ、略A字状に形成されている。

図6は、キャリパテコ3aの斜視図であり、キャリパテコ3aの内側面21aを見た状態を示している。図7は、キャリパテコ3aの側面図であり、キャリパテコ3aの内側面21aを見た状態を示している。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図であり、キャリパテコ3aを見上げた状態を示している。図9(A)は、図7のIXA−IXA線に沿う断面図であり、図9(B)は、図7のIXB−IXB線に沿う断面図である。

図1、及び図6〜図9(B)を参照して、キャリパテコ3aは、傾斜状に配置されており、前後方向において、ディスク101から遠い位置ほど、路面に近くなるように延びている。但し、水平面(路面)に対するキャリパテコ3aの傾斜の度合いは、数度程度の僅かな量であり、以下では、この傾斜が実質的にゼロであるとして説明を行う。

キャリパテコ3aは、シリンダ装置2を向く内側面21aと、ブレーキ装置1の外側を向くように配置され内側面21aと対をなす外側面22aと、上方を向く上面23aと、下方を向く下面24aと、を有している。

また、キャリパテコ3aは、上下一対の力点側アーム部25a,26aと、上下一対の支点部27a,28aと、上下一対の作用点側アーム部29a,30aと、連結部31aと、作用点部32aと、を有している。

力点側アーム部25a,26aは、シリンダ装置2が連結される部分として設けられている。力点側アーム部25aは、力点側アーム部26aの上方に配置されている。前後方向における力点側アーム部25a,26aの一端部は、前後方向におけるキャリパテコ3aの一端部を構成している。力点側アーム部25a,26aの一端部は、扁平な矩形の板状に形成されており、上下方向に延びる貫通孔253a,263aが形成されている。これらの貫通孔253a,263aに、前述のねじ部材15a,15aが挿入されている。

前後方向における力点側アーム部25aの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部25aの一端部から遠ざかるに従い、下方に延びている。一方、前後方向における力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部26aの一端部から遠ざかるに従い、上方に延びている。力点側アーム部26aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度(傾斜角度)は、力点側アーム部25aの中間部及び他端部の傾斜角度よりも大きい。

尚、力点側アーム部25aの中間部及び他端部の傾斜角度と、力点側アーム部26aの中間部及び他端部の傾斜角度と、を設定することで、上下方向における力点側アーム部25a,26a間の間隔を設定することができる。この間隔は、シリンダ装置2のコラム部材13の大きさに応じて設定される。力点側アーム部25aの中間部及び他端部の傾斜角度と、力点側アーム部26aの中間部及び他端部の傾斜角度とは、同じ値に設定されていてもよいし、異なる値に設定されていてもよい。

力点側アーム部25aの中間部及び他端部は、第1部分251aと、第2部分252aと、を有している。

力点側アーム部25aが延びる方向と直交する断面P1(図9(A)に示す断面)において、第1部分251a及び第2部分252aは、全体として、L字状に形成されている。断面P1において、第1部分251a及び第2部分252aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交して延びている。上記の構成を有する第1部分251a及び第2部分252aの下方に、力点側アーム部26aの中間部及び他端部が配置されている。

力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、第1部分261aと、第2部分262aと、を有している。力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、力点側アーム部25aの中間部及び他端部と概ね同様の構成を有している。

具体的には、力点側アーム部26aが延びる方向と直交する断面(図示せず)において、力点側アーム部26aの第1部分261a及び第2部分262aは、全体として、L字状に形成されている。第1部分261a及び第2部分262aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交している。

また、力点側アーム部26aが延びる方向と直交する断面における、第1及び第2部分261a,262aの形状は、断面P1における第1及び第2部分251a,252aの形状と、概ね上下対称な形状である。

上記の構成を有する力点側アーム部25a,26aは、連結部31aによって連結されている。

連結部31aは、力点側アーム部25a,26aの第1部分251a,261a間を延びており、これら第1部分251a,261aの双方に連続している。連結部31aは、上下方向と略平行に延びており、側面視において、くびれた形状を有している。本実施形態では、連結部31aの肉厚(左右方向の長さ)は、略一定に設定されている。連結部31aは、各第1部分251a,261aと滑らかに連続している。これにより、連結部31aと対応する第1部分251a,261aとの接続部に応力集中が生じることは、抑制されている。

連結部31a、一対の力点側アーム部25a,26a、一対の支点部27a,28a、一対の作用点側アーム部29a,30a、及び作用点部32によって、開口部20aが形成されている。この開口部20aは、側面視において、前後方向に細長い形状を有している。

上下方向における開口部20aの幅W1は、連結部31aから作用点部32に向かうに従い、一旦広くなり、その後、段階的に狭くなる。より具体的には、幅W1は、連結部31aにおいては、作用点部32に近づくに従い連続的に広くなっている。また、幅W1は、一対の力点側アーム部25a,26aにおいては、作用点部32に近づくに従い連続的に狭くなっている。また、幅W1は、支点部27a,28aでは、略一定である。また、幅W1は、作用点側アーム部29a,30aにおいては、作用点部32に近づくに従い次第に狭くなっている。

支点部27a,28aは、力点側アーム部25a,26aから延び支点軸部材4aと連結される部分として設けられている。支点部27a,28aは、上下対称な形状に形成されている。支点部27a,28aは、それぞれ、ブロック状に形成されており、支点部27aは、支点部28aの上方に配置されている。支点部27aは、力点側アーム部25a及び作用点側アーム部29aと滑らかに連続する形状に形成されており、応力集中を生じ難くされている。同様に、支点部28aは、力点側アーム部26a及び作用点側アーム部30aと滑らかに連続する形状に形成されており、応力集中を生じ難くされている。

支点部27aは、上面271a及び内向き面272aを有している。上面271aは、キャリパテコ3aの上面23aの一部を構成している。上面271aの一端部は、下向きに窪んだ湾曲状に形成されており、力点側アーム部25aにおける上面23aに接続されている。上面271aの一部は、基準面P3と平行に延びている。基準面P3は、作用点部32aの貫通孔323a(作用点軸35a)と直交する仮想の平面であり、作用点部32aの延びる上下方向における作用点部32aの中心を通っている。基準面P3は、作用点部32aが延びる方向と直交して延びている。内向き面272aは、平坦面であり、側面視において、キャリパテコ3aの内側を向いている。即ち、内向き面272aは、基準面P3を向いている。

支点部28aは、下面281a及び内向き面282aを有している。下面281aは、キャリパテコ3aの下面24aの一部を構成している。下面281aの一端部は、上向きに窪んだ湾曲状に形成されており、力点側アーム部26aにおける下面24aに接続されている。下面281aの一部は、基準面P3と平行に延びている。内向き面282aは、平坦面であり、側面視において、キャリパテコ3aの内側を向いている。即ち、内向き面282aは、基準面P3を向いている。

支点部27a,28aには、上下に延びる貫通孔273a,283aが形成されている。貫通孔273a,283aには、円筒状のブッシュが嵌め込まれており、支点部27a,28aは、対応するブッシュを介して、支点軸部材4aに連結されている。支点部27a,28aは、上下一対の作用点側アーム部29a,30aと連続している。

図10は、キャリパテコ3aの斜視図であり、キャリパテコ3aの外側面22aを見た状態を示している。図1、及び図7〜図10を参照して、作用点側アーム部29a,30aは、支点軸部材4a側からパッド102a(パッドホルダ5a)側に向けて延びる部分として設けられている。作用点側アーム部29aは、作用点側アーム部30aの上方に配置されている。作用点側アーム部29a,30aの一端部は、対応する支点部27a,28aから延びている。

作用点側アーム部29aは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部29aの一端部から作用点部32aへ進むに従い、下方に延びている。同様に、作用点側アーム部30aは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部30aの一端部から作用点部32aへ進むに従い、上方に延びている。このように、作用点側アーム部29a,30aは、作用点部32aに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。

作用点側アーム部29aと、作用点側アーム部30aは、上下対称な形状に形成されている。即ち、作用点側アーム部29a,30aは、互いに向かい合う方向に対称な形状に形成されている。側面視(図7)において、作用点側アーム部29aが水平面に対して傾斜する角度θ29aは、力点側アーム部25aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度θ25aと略同じである。この角度θ29aは、力点側アーム部26aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度θ26aよりも小さい(θ29a<θ26a)。

尚、本実施形態では、角度θ29aは、作用点側アーム部29aの平坦部294aにおける上面23aと水平面とがなす角度である。また、角度θ25aは、力点側アーム部25aの中間部における上面23aと水平面とがなす角度である。また、角度θ26aは、力点側アーム部26aの中間部における下面24aと水平面とがなす角度である。

作用点側アーム部29aは、第1部分291aと、第2部分292aと、を有している。

作用点側アーム部29aが延びる方向と直交する断面P2(図9(B)に示す断面)において、第1部分291a及び第2部分292aは、全体として、L字状に形成されている。断面P2において、第1部分291a及び第2部分292aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交している。

作用点側アーム部29aの上面293aは、キャリパテコ3aの上面23aの一部を構成している。この上面293aは、支点部27aの上面271aから延びている。

上面293aは、平坦部294aと、湾曲状部295aと、を有している。

平坦部294aは、平坦な面として設けられており、基準面P3に対して傾斜している。平坦部294aは、湾曲状部295aと滑らかに連続している。

湾曲状部295aは、作用点側アーム部29aと作用点部32aとの接続部分を滑らかな形状とするために設けられている。湾曲状部295aは、下向きに窪んだ形状の曲面として設けられている。本実施形態では、前後方向において、湾曲状部295aの長さは、平坦部294aの長さよりも短い。湾曲状部295aの下端が、平坦部294aと連続している。

作用点側アーム部29aは、上面293aと対をなす内向き面296aを有している。内向き面296aは、開口部20aの内側を向いている。また、内向き面296aは、作用点側アーム部30aの内向き面306aと互いに向かい合っている。内向き面296a,306aは、本発明の「互いに向かい合う一対の内向き面」の一例である。

内向き面296aは、第1湾曲状部297aと、平坦部298aと、第2湾曲状部299aと、を有している。

第1湾曲状部297aは、支点部27aの内向き面272aと連続する部分として設けられている。第1湾曲状部297aは、側面視において円弧状に形成されている。第1湾曲状部297aは、上向きに窪んだ形状を有しており、内向き面272aから作用点部32側へ向かうに従い、下方へ向かう形状を有している。第1湾曲状部297aは、支点部27aの上面271aと作用点側アーム部29aの上面293aとの境界部の下方に位置している。即ち、第1湾曲状部297aは、支点部27aと作用点側アーム部29aとの境界部に配置されている。第1湾曲状部297aから、平坦部298aが延びている。

平坦部298aは、第2湾曲部299aから支点部27aへ向かって延びている。平坦部298aは、平坦部294aの下方に配置されている。平坦部298aは、平坦な面であって、基準面P3に対して傾斜しており、作用点部32に近づくに従い、基準面P3に近づいている。本実施形態では、基準面P3に対する平坦部298aの角度θ298aは、基準面P3に対する平坦部294aの傾斜角度θ29aよりも小さく設定されている(θ298a<θ29a)。このように、作用点側アーム部29において、内向きの平坦部298aの傾斜の度合いと、外向きの平坦部294aの傾斜の度合いとは、異なっている。本実施形態では、前後方向において、平坦部298aの長さは、第1湾曲状部297aの長さより大きいけれども、平坦部294aの長さより短い。平坦部298aは、第2湾曲状部299aと連続している。

第2湾曲状部299aは、作用点側アーム部29aと作用点部32aとの接続部分の周辺における応力集中を抑制するために設けられている。第2湾曲状部299aは、本発明の「作用点部の周囲における開口部の縁部」の一例である。第2湾曲状部299aは、側面視において円弧状に形成されており、作用点部32aに近づくに従い下方に延びている。本実施形態では、第2湾曲状部299aの曲率中心c299aは、基準面P3の上方に配置されている。この曲率中心c299aは、平坦部294a,298aの下方に位置している。本実施形態では、第2湾曲状部299aの一端2991aは、曲率中心c299aと前後方向に並んでいる。

また、図8によく示されているように、上下方向に見て、作用点側アーム部29aにおける内側面21aは、湾曲状に形成されており、支点部27aから遠ざかるに従い、一旦、キャリパテコ3bから遠ざかるように延び、その後、キャリパテコ3bに近づくように延びている。また、上下方向に見て、作用点側アーム部29aにおける外側面22aは、支点部27aから遠ざかるに従い、一旦キャリパテコ3bから遠ざかるように延び、その後、キャリパテコ3bに近づくように延びている。

上記の構成により、図7によく示されているように、作用点側アーム部29aを側面視した状態において、上下に並ぶ平坦部294a,298aを有する部分2911aが、作用点部32aに近づくに従い先細りとなっている。また、作用点側アーム部29aを側面視した状態において、第2湾曲状部299aの上方に位置している部分2912aが、作用点部32aと連続する部分となっている。

上記の構成を有する作用点側アーム部29aの下方に、作用点側アーム部30aが配置されている。

前述したように、作用点側アーム部30aは、作用点側アーム部29aと上下対称な形状に形成されている。即ち、作用点側アーム部29a,30aは、互いに向かい合う方向に対称な形状に形成されている。よって、作用点側アーム部30aについては、簡単な説明に留める。

具体的には、作用点側アーム部30aは、第1部分301aと、第2部分302aと、を有している。第1部分301a及び第2部分302aの形状は、第1部分291a及び第2部分292aの形状と上下対称である。

また、作用点側アーム部30aは、作用点側アーム部30aにおけるキャリパテコ3aの下面24aとしての下面303aと、内向き面306aと、を有している。下面303a及び内向き面306aの形状は、上面293a及び内向き面296aの形状と上下対称である。

下面303aは、平坦部304aと、湾曲状部305aと、を有している。平坦部304a及び湾曲状部305aの形状は、平坦部294a及び湾曲状部295aの形状と上下対称である。

内向き面306aは、第1湾曲状部307aと、平坦部308aと、第2湾曲状部309aと、を有している。第1湾曲状部307a、平坦部308a及び第2湾曲状部309aの形状は、第1湾曲状部297a、平坦部298a及び第2湾曲状部299aの形状と上下対称である。内向き面306aの第2湾曲状部309aは、作用点部32aに近づくに従い、第2湾曲状部299aとの間隔が狭くなるように配置されている。第2湾曲状部299a,309aは、本発明の「一対の円弧状部」の一例である。

一対の作用点側アーム部29a,30a(例えば、内向き面296a,306a)は、作用点部32aに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。更に、一対の作用点側アーム部29a,30a(例えば、内向き面296a,306a)は、何れも、基準面P3に対して傾斜している。

作用点側アーム部29a,30aの他端部は、作用点部32aによって互いに連結されている。

図1、図7及び図8を参照して、作用点部32aは、パッドホルダ5aを保持するように構成されている。作用点部32aは、前後方向におけるキャリパテコ3aの他端部として設けられている。作用点部32aは、上下に延びる円筒状に形成されている。作用点部32aの上部は、作用点側アーム部29aの他端部と連続している。作用点部32aの下部は、作用点側アーム部30aの他端部と連続している。作用点部32aにおける外側面22aには、窪み部321aが形成されている。この窪み部321aは、側面視において円弧状に形成されており、作用点側アーム部29a,30aのそれぞれにおける外側面22aと滑らかに連続しており、応力集中が生じ難くされている。また、作用点部32aの外周面には、窪み部322aが形成されている。窪み部322aは、滑らかな面を有しており、応力集中が生じ難くされている。本実施形態では、窪み部321aと窪み部322aとは、互いに離隔して配置されている。

前後方向において、作用点側アーム部29a,30aの全長は、力点側アーム部25a,26aの全長よりも小さく設定されている。本実施形態では、前後方向において、支点部27aの貫通孔273aの中心から、作用点部32aの貫通孔323aの中心までの長さL11は、上記貫通孔273aの中心から、力点側アーム部25aの貫通孔253aの中心までの長さL12よりも小さい(L11

作用点部32aは、開口部20aの内方を向く内向き面324aを有している。内向き面324aは、作用点側アーム部29a,30の第2湾曲状部299a,309a同士を接続する部分として設けられている。内向き面324aは、基準面P3を中心として対称な形状に形成されており、本実施形態では、基準面P3と直交している。内向き面324aの上端は、第2湾曲状部299aの一端2991aと連続している。内向き面324aの下端は、第2湾曲状部309aの一端3091aと連続している。

作用点部32aの上面325aは、基準面P3と平行に延びる平坦面であり、作用点側アーム部29aの上面293aの湾曲状部295aと連続している。また、作用点部32の下面326aは、基準面P3と平行に延びる平坦面であり、作用点側アーム部30aの下面303aの湾曲状部305aと連続している。

作用点部32aの貫通孔323aは、上下方向に延びており、この貫通孔323aの上端及び下端には、円筒状のブッシュが嵌め込まれている。作用点部32aは、これらのブッシュ及び作用点軸部材33aを介して、パッドホルダ5aを支持している。

図1、図2、図4及び図5を参照して、パッドホルダ5aは、パッド102aを保持する部分として設けられている。パッドホルダ5aは、ホルダ本体501aと、突出部502a,503aと、を有している。

ホルダ本体501aは、作用点部32aにおける内側面21aに隣接して配置されている。ホルダ本体501aは、上下方向に延びる板状に形成されており、側面視において、円弧形状(円環の一部に相当する形状)に形成されている。ホルダ本体501aと、ディスク101の一側面101aは、左右方向に対向している。ホルダ本体501aの内側面には、上下方向に延びる保持溝504aが形成されている。ホルダ本体501aの外側面から、突出部502a,503aが突出している。

突出部502a,503aは、小片状の部分であり、ホルダ本体501aと一体に形成されている。突出部502aは、作用点部32aの上方に配置されており、突出部503aは、作用点部32aの下方に配置されている。このように、突出部502a,503aは、作用点部32aを挟むように配置されている。

突出部502a,503aには、上下方向に延びる貫通孔(図示せず)が形成されている。作用点軸部材33aは、ねじ部材であり、作用点軸35aを有している。作用点軸35aは、突出部502aの貫通孔、作用点部32aの貫通孔及び突出部503aの貫通孔を貫通している。作用点軸部材33aは、ナット34aにねじ結合されている。これにより、パッドホルダ5aは、作用点部32aに、回転可能に支持されている。上記の構成を有するパッドホルダ5aによって、パッド102aが保持されている。

パッド102aは、地金103aと、摩擦材104aと、を有している。地金103aの一部は、パッドホルダ5aの保持溝504aに嵌め込まれている。これにより、地金103aは、パッドホルダ5aに保持されている。摩擦材104aは、地金103aに固定されており、ディスク101の一側面101aと対向している。上記の構成により、パッド102aは、パッドホルダ5a、及び作用点軸部材33aを介して、キャリパテコ3aに支持されている。

以上が、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aの構成である。キャリパテコ3b、パッドホルダ5b及びパッド102bは、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aと左右対称な構成を有しているので、詳細な説明を省略する。

より具体的には、キャリパテコ3b、パッドホルダ5b及びパッド102bの各構成要素を表す符号は、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aの対応する構成要素を表す符号と数字が同じで且つアルファベットの”a”を”b”に置き換えた表示とする。例えば、キャリパテコ3aの力点側アーム部25a,26aに対応するキャリパテコ3bの力点側アーム部の符号は、「力点側アーム部25b,26b」となる。キャリパテコ3bの力点側アーム部25b,26bの一端部に、前述のねじ部材15b,15bが取り付けられている。

図3及び図5を参照して、パッドホルダ5a,5bの向きを揃えるための同期機構36が、キャリパテコ3a,3bの下方に配置されている。同期機構36は、例えば、リンク機構であり、一対の第1部材37a,37bと、第2部材38,38とを有している。

各第1部材37a,37bは、金属板を曲げ加工することによって形成されており、可撓性を有している。第1部材37a,37bの一端部は、対応するホルダ本体501a,501bに固定されている。第1部材37a,37bは、前後方向に延びており、当該第1部材37a,37bの他端部は、第2部材38,38によって互いに連結されている。第2部材38,38は、例えば、丸棒状の部材であり、左右方向に延びている。

次に、キャリパテコ3a,3bを、支点軸部材4a,4bを介して支持するテコ支え部材6の構成を説明する。図11は、テコ支え部材6の斜視図であり、テコ支え部材6を見下ろした状態を示している。

図1、図2、図4、及び図11を参照して、テコ支え部材6は、一対のキャリパテコ3a,3bの間に配置されている。また、テコ支え部材6は、シリンダ装置2と、ディスク101との間に配置されている。

テコ支え部材6は、金属材料等を材料として形成されており、本実施形態では、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成された一体成形品である。テコ支え部材6は、中実部材である。テコ支え部材6は、平面視において、Y字状に形成されている。

テコ支え部材6は、第1部分41と、第2部分42と、を有している。

第1部分41は、キャリパテコ3a,3bと連結される部分として設けられている。第1部分41は、平面視においてU字状に形成されている。左右方向における第1部分41の一端部は、キャリパテコ3aの支点部27a,28a間に配置されている。

第1部分41の一端部は、上下に延びる筒状に形成されており、上下に延びる貫通孔43aが形成されている。貫通孔43aの上部及び下部には、それぞれ、ブッシュが嵌め込まれている。支点軸部材4aの支点軸9aは、支点部27aの貫通孔、貫通孔43a、及び支点部28aの貫通孔を貫通し、更に、ナット50aにねじ結合している。

上記の構成により、支点軸部材4aの支点軸9a及びテコ支え部材6は、キャリパテコ3aの支点部27a,28aを、揺動可能に支持している。即ち、支点軸9aは、パッド102aをディスク101に近づく方向及びディスク101から遠ざかる方向へ変位可能なように、キャリパテコ3aを揺動可能に支持している。

第1部分41の一端部と同様の構成が、第1部分41の他端部に設けられている。この他端部は、キャリパテコ3bの支点部27b,28b間に配置されており、上下に延びる貫通孔43bが形成されている。貫通孔43bの上部及び下部には、それぞれ、ブッシュが嵌め込まれている。支点軸部材4bの支点軸9bは、支点部27bの貫通孔、貫通孔43b、及び支点部28bの貫通孔を貫通し、更に、ナット50bにねじ結合している。

上記の構成により、支点軸部材4bの支点軸9b及びテコ支え部材6は、キャリパテコ3bの支点部27b,28bを、揺動可能に支持している。即ち、支点軸9bは、パッド102bをディスク101に近づく方向及びディスク101から遠ざかる方向へ変位可能なように、キャリパテコ3bを揺動可能に支持している。上記の構成を有する第1部分41の上方に、第2部分42が配置されている。

第2部分42は、吊下げ軸部材7を介して固定ブラケット8に連結される部分として設けられている。第2部分42は、側面視においてU字状に形成されており、前後方向に並ぶ一対の結合部52,53を有している。各結合部52,53は、筒状に形成されている。

一対の結合部52,53には、円筒状のブッシュ54,55が嵌め込まれている。一対の結合部52,53は、ブッシュ54,55、及び吊下げ軸部材7を介して、固定ブラケット8に支持されている。

上記の構成により、テコ支え部材6は、吊下げ用軸部材7介して、固定ブラケット8に吊下げられており、且つ、前後方向に延びる吊下げ軸部材7の軸回りを、揺動可能である。固定ブラケット8は、図示しないねじ部材を用いて、台車100の下部に固定されている。

図1及び図2を参照して、以上の構成を有するブレーキ装置1は、鉄道車両の制動時に動作する。具体的には、シリンダ装置2の駆動により、シリンダ装置2のロッド部材11が、シリンダハウジング10から押し出される。これにより、一対のキャリパテコ3a,3bの力点側アーム部25a,25b間の間隔、及び力点側アーム部26a,26b間の間隔が拡げられ、キャリパテコ3a,3bは、対応する支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9b回りを揺動する。この揺動により、キャリパテコ3a,3bの作用点部32a,32b間の間隔が狭くなり、その結果、一対のパッド102a,102bは、ディスク101の対応する側面101a,101bに加圧される。

図12は、ブレーキ装置1の動作を説明するための、主要部の模式的な側面図である。図12を参照して、キャリパテコ3aは、パッド102aを介して、ディスク101から反力F1を受ける。この反力F1は、ディスク101の回転に起因して生じる力であり、本実施形態では、キャリパテコ3aの作用点部32aを下方へ変位させるように作用する。

この反力F1が作用する結果、キャリパテコ3aの作用点部32aは、下方へ変位し、その結果、作用点側アーム部29a,30aは、作用点部32aと支点部27a,28aとの間で、しなやかに撓む。図12では、反力F1の作用していない場合のキャリパテコ3aが、想像線である2点鎖線で示されている。また、反力F1の作用している場合のキャリパテコ3aが、実線で示されている。

前述したように、キャリパテコ3aの作用点側アーム部29a,30aのそれぞれの内向き面296a,306aは、第2円弧状部299a,309aを有している。これにより、作用点側アーム部29a,30aが撓んだ場合でも、作用点側アーム部29a,30aと作用点部32aとの接続部分に応力集中が生じることを抑制できる。尚、キャリパテコ3aの撓み量は、図12において誇張して示されている。この場合、キャリパテコ3bは、図12は図示されていないけれども、キャリパテコ3aと左右対称な形状に撓む。

以上説明したように、本実施形態のブレーキ装置1によると、キャリパテコ3aの一対の作用点側アーム部29a,30aは、作用点部32aに近づくに従い互いの間隔が狭くなるように傾斜している。更に、何れの作用点側アーム部29a,30aも、基準面P3に対して傾斜している。このような構成であれば、鉄道車両の制動時、ディスク101の回転方向に沿ってディスク101からパッド102aに作用する反力は、作用点軸35a及び作用点部32aを介して、一対の作用点側アーム部29a,30aに偏り少なく作用する。これにより、一対の作用点側アーム部29a,30a及び作用点部32aにおける応力集中を抑制できる。よって、一対の作用点側アーム部29a,30a及び作用点部32aの応力のピーク値は、低い。これにより、一対の作用点側アーム部29a,30aは、ディスク101からの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、ひいては、キャリパテコ3aは、十分な強度を確保できる。また、鉄道車両の制動時に一対の作用点側アーム部29a,30aに生じる応力のピークが小さくされている結果、これら一対の作用点側アーム部29a,30aを、より細い形状にできる。これにより、一対の作用点側アーム部29a,30aの軽量化を通じて、キャリパテコ3aの軽量化を達成できる。

以上より、ディスク101からの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、キャリパテコ3aおよびブレーキ装置1を提供することができる。

尚、キャリパテコ3bによって発揮される作用及び効果は、キャリパテコ3aによって発揮される作用及び効果と同様であるので、詳細な説明は省略する。

また、ブレーキ装置1によると、キャリパテコ3aの作用点部32aの周囲において、開口部20aの縁部は、湾曲状に形成されている。この構成によると、一対の作用点側アーム部29a,30aと作用点部32aとの接続部分の形状を、応力集中し難い滑らかな形状にできる。これにより、各作用点側アーム部29a,30aの負荷を、より低減できる。

より具体的には、作用点側アーム部29a,30aの内向き面296a,306は、作用点部32aに近づくに従い互いの間隔が狭くなるように配置された一対の第2湾曲状部299a,309aを有している。この構成によると、一対の作用点側アーム部29a,30aと作用点部32aとの接続部分の形状を、より応力集中し難い滑らかな形状にすることができる。

また、ブレーキ装置1によると、キャリパテコ3aの内向き面296a,306aは、対応する第2湾曲状部299a,309aから対応する支点部27a,28aへ向かう平坦部298a,308aを更に有している。この構成によると、各作用点側アーム部29a,30aの全長を、より大きくできる。これにより、各作用点側アーム部29a,30aの可撓性を高くすることができるので、作用点側アーム部29a,30aに過大な負荷が作用することを、より確実に抑制できる。

また、ブレーキ装置1によると、一対の作用点側アーム部29a,30aの形状は、これら一対の作用点側アーム部29a,30aが互いに向かい合う方向に対称な形状である。この構成によると、ディスク101の回転方向に沿ってディスク101からパッド102aに作用する反力F1が一対の作用点側アーム部29a,30aに伝わった際において、一対の作用点側アーム部29a,30aにおける負荷の偏りを抑制できる。その結果、一対の作用点側アーム部29a,30aの全体としての強度を、より高くできる。

[第2実施形態] 次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下では、主に、第1実施形態と異なる構成を説明し、第1実施形態と同様の構成には、図に同様の符号を付してその説明を省略する。

図13は、本発明の第2実施形態に係るブレーキ装置のキャリパテコ3aAの側面図であり、キャリパテコ3aAの内側面21aAを見た状態を示している。

このキャリパテコ3aAがキャリパテコ3aと異なっているのは、主に、支点部27aA,28aAの構成と、作用点側アーム部29aA,30aAの構成と、作用点部32aAの構成である。

支点部27aAの内向き面272aAは、当該内向き面272aの平坦な部分から作用点部32へ向けて延びる湾曲状部274aAを有している。湾曲状部274aAは、側面視において円弧状に形成されており、作用点部32aA側へ向かうに従い、下方へ向かう形状を有している。湾曲状部274aAは、支点部27aの上面271aの下方に位置している。湾曲状部274aAの曲率中心は、内向き面272aの下方に配置されている。

支点部28aAの内向き面282aAは、湾曲状部284aAを有している。この湾曲状部284aAは、湾曲状部274aAと上下対称に配置されている。

作用点側アーム部29aA,30aAの一端部は、対応する支点部27aA,28aAと連続している。

作用点側アーム部29aAは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部29aAの一端部から作用点部32aAへ進むに従い、下方に延びている。同様に、作用点側アーム部30aAは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部30aAの一端部から作用点部32aAへ進むに従い、上方に延びている。このように、作用点側アーム部29aA,30aAは、作用点部32aAに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。

作用点側アーム部29aAと、作用点側アーム部30aAは、上下対称な形状に形成されている。即ち、作用点側アーム部29aA,30aAは、互いに向かい合う方向に対称な形状に形成されている。

作用点側アーム部29aAの上面293aAは、キャリパテコ3aAの上面21aAの一部を構成している。この上面293aAは、支点部27aAの上面271aAから延びている。

上面293aAは、平坦部294aによって形成されており、基準面P3に対して傾斜している。

作用点側アーム部29aAは、上面293aAと対をなす内向き面296aAを有している。内向き面296aAは、開口部20aAの内側を向いている。また、内向き面296aAは、作用点側アーム部30aAの内向き面306aAと互いに向かい合っている。内向き面296aA,306aAは、本発明の「互いに向かい合う一対の内向き面」の一例である。

内向き面296aAは、平坦部298aAと、湾曲状部299aAと、を有している。

平坦部298aAは、支点部27aAの湾曲状部274aAの一端から、作用点部32aAへ向けて延びている。

平坦部298aAは、湾曲状部299aAから支点部27aAへ向けて延びている。平坦部298aAは、上面293aAの平坦部294aAの下方に配置されている。平坦部298aAは、平坦な面であって、基準面P3と平行に延びている。本実施形態では、前後方向において、平坦部298aAの長さは、平坦部294aAの長さより短い。平坦部298aAは、湾曲状部299aAと連続している。

湾曲状部299aAは、作用点側アーム部29aAと作用点部32aAとの接続部分の周辺における応力集中を抑制するために設けられている。第2湾曲状部299aAは、本発明の「作用点部の周囲における開口部の縁部」の一例である。第2湾曲状部299aAは、側面視において円弧状に形成されており、作用点部32aAに近づくに従い下方に延びている。本実施形態では、湾曲状部299aAの曲率中心c299aAは、基準面P3の上方に配置されている。この曲率中心c299aAは、平坦部298aAの下方に位置している。本実施形態では、第2湾曲状部299aAの一端2991aAは、曲率中心c299aAと前後方向に並んでいる。

上記の構成により、作用点側アーム部29aAを側面視した状態において、上下に並ぶ平坦部294aA,298aAを有する部分2911aAが、作用点部32aAに近づくに従い先細りとなっている。また、作用点側アーム部29aAを側面視した状態において、湾曲状部299aAの上方に位置している部分2912aAが、作用点部32aAと連続する部分となっている。

上記の構成を有する作用点側アーム部29aAの下方に、作用点側アーム部30aAが配置されている。

前述したように、作用点側アーム部30aAは、作用点側アーム部29aAと上下対称な形状に形成されている。即ち、作用点側アーム部29aA,30Aは、互いに向かい合う方向に対称な形状に形成されている。よって、作用点側アーム部30aAについては、簡単な説明に留める。

具体的には、作用点側アーム部30aAは、下面303aAと、内向き面306aAと、を有している。下面303aA及び内向き面306aAの形状は、上面293aA及び内向き面296aAの形状と上下対称である。

下面303aAは、平坦部304aAによって形成されている。平坦部304aAの形状は、平坦部294aAの形状と上下対称である。

内向き面306aAは、平坦部308aAと、湾曲状部309aAと、を有している。平坦部308aA及び湾曲状部309aAの形状は、平坦部298aA及び湾曲状部299aAの形状と上下対称である。内向き面306aAの湾曲状部309aAは、作用点部32aAに近づくに従い、湾曲状部299aAとの間隔が狭くなるように配置されている。湾曲状部299aA,309aAは、本発明の「一対の円弧状部」の一例である。

一対の作用点側アーム部29aA,30aA(例えば、平坦部294aA,304aA)は、作用点部32aAに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。更に、一対の作用点側アーム部29aA,30aA(例えば、平坦部294aA,304aA)は、何れも、基準面P3に対して傾斜している。

作用点側アーム部29aA,30aAの他端部は、作用点部32aAによって互いに連結されている。

作用点部32aAは、開口部20aAの内方を向く内向き面324aAを有している。内向き面324aAは、作用点側アーム部29aA,30Aの湾曲状部299aA,309aA同士を接続する部分として設けられている。内向き面324aAは、基準面P3を中心として対称な形状に形成されており、本実施形態では、基準面P3と直交している。内向き面324aの上端は、湾曲状部299aAの一端2991aAと連続している。内向き面324aAの下端は、湾曲状部309aAの一端3091aAと連続している。

作用点部32aAの上面325aは、当該作用点部32aAに形成された湾曲状部327aと連続している。湾曲状部327aは、作用点側アーム部29aAと作用点部32aAとの接続部分を滑らかな形状とするために設けられている。湾曲状部327aAは、下向きに窪んだ形状の曲面として設けられている。また、作用点部32aAの下面326aAは、基準面P3と平行に延びる平坦面であり、当該作用点部32aAに形成された湾曲状部328aAと連続している。

上記の構成により、開口部20aAは、作用点側アーム部29aA,30aAの平坦状部298aA,308aA間におけるW1Aが、一定である。

尚、キャリパテコ3aAが用いられる場合、当該キャリパテコ3aAと左右対称なキャリパテコ(図示せず)が、キャリパテコ3bに代えて用いられる。

第2実施形態についても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。

[第3実施形態] 次に、本発明の第3実施形態を説明する。図14は、本発明の第3実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の主要部の側面図である。より具体的には、図14は、キャリパテコ3aBの側面図であり、キャリパテコ3aBの外側面22aBを見た状態を示している。

図14を参照して、第3実施形態では、キャリパテコ3aに代えて、キャリパテコ3aBが用いられる。

キャリパテコ3aBは、支点軸部材4aの支点軸9a回りを揺動する。本実施形態では、キャリパテコ3aBは、金属製であり、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成されている。本実施形態では、キャリパテコ3aBは、中実部材(solid member)であり、貫通孔以外の内部空洞は、形成されていない。

本実施形態では、側面視において、キャリパテコ3aBは、略A字状に形成されており、上下対称な形状を有している。

キャリパテコ3aBは、上下一対の力点側アーム部25aB,26aBと、上下一対の支点部27aB,28aBと、上下一対の作用点側アーム部29aB,30aBと、連結部31aBと、作用点部32aBと、を有している。

キャリパテコ3aBの各部において、当該部分の延びる方向と直交する断面形状は、例えば、楕円形状に形成されている。

力点側アーム部25aB,26aBは、シリンダ装置2が連結される部分として設けられている。力点側アーム部25aBは、力点側アーム部26aBの上方に配置されている。前後方向における力点側アーム部25aB,26aBの一端部は、前後方向におけるキャリパテコ3aBの一端部を構成している。力点側アーム部25aB,26aBの一端部には、上下方向に延びる貫通孔253aB,263aBが形成されている。これらの貫通孔253aB,263aBに、前述のねじ部材15a,15aが挿入されている。

前後方向における力点側アーム部25aBの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部25aBの一端部から遠ざかるに従い、下方に延びている。一方、長手方向における力点側アーム部26aBの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部26aBの一端部から遠ざかるに従い、上方に延びている。本実施形態では、力点側アーム部26aBの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度(傾斜角度)は、力点側アーム部25aBの中間部及び他端部の傾斜角度と同じに設定されている。

上記の構成を有する力点側アーム部25aB,26aBのそれぞれの中間部は、上下に延びる連結部31aBによって連結されている。

連結部31B、一対の力点側アーム部25aB,26aB、一対の支点部27aB,28aB、一対の作用点側アーム部29aB,30aB、及び作用点部32aBによって、開口部20aBが形成されている。この開口部20aBは、側面視において、前後方向に細長い形状を有している。

上下方向における開口部20aBの幅W1Bは、連結部31aBから作用点部32aBに向かうに従い、段階的に狭くなる。より具体的には、幅W1Bは、一対の力点側アーム部25aB,26aBにおいては、作用点部32aBに近づくに従い連続的に狭くなっている。また、幅W1Bは、支点部27aB,28aBでは、略一定である。また、幅W1Bは、作用点側アーム部29aB,30aBにおいては、作用点部32aBに近づくに従い連続的に狭くなっている。作用点側アーム部29aB,30aB及び作用点部32aBの周辺において、開口部20aBは、作用点部32aBに向かって収束する(先細りとなる)三角形状に形成されている。

支点部27aB,28aBは、力点側アーム部25aB,26aBから延び支点軸部材4aと連結される部分として設けられている。支点部27aB,28aBは、それぞれ、ブロック状に形成されており、支点部27aBは、支点部28aBの上方に配置されている。支点部27aBは、力点側アーム部25aB及び作用点側アーム部29aBと連続している。同様に、支点部28aBは、力点側アーム部26aB及び作用点側アーム部30aBと連続している。

支点部27aB,28aBには、上下に延びる貫通孔273aB,283aBが形成されている。これらの貫通孔273aB,283aBには、支点軸部材4aが挿入されている。支点部27aB,28aBは、上下一対の作用点側アーム部29aB,30aBと連続している。

側面視において、作用点側アーム部29aB,30aBは、全体として、V字形状に形成されており、作用点部32aBから分岐した形状に形成されている。

作用点側アーム部29aBは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部29aBの一端部から作用点部32aBへ進むに従い、下方に延びている。同様に、作用点側アーム部30aBは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部30aBの一端部から作用点部32aBへ進むに従い、上方に延びている。このように、作用点側アーム部29aB,30aBは、作用点部32aBに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。

本実施形態では、側面視において、作用点側アーム部29aBが水平面に対して傾斜する角度θ29aBは、力点側アーム部25aBの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度θ25aBよりも大きい(θ29aB>θ25aB)。このように、作用点側アーム29aB,30aBの傾斜角度が比較的大きくされている。その結果、作用点側アーム部29aB,30aBと、支点軸部材4aと、作用点部32aBとで、三角形状のトラス構造が形成されている。本実施形態では、略正三角形状のトラス構造が形成されている。

尚、本実施形態では、角度θ29aBは、作用点側アーム部29aBの内向き面296aBと水平面とがなす角度である。また、角度θ25aBは、力点側アーム部25aの中間部の内向き面と水平面とがなす角度である。

作用点側アーム部29aBを側面視した状態において、作用点側アーム部29aBの厚みT3は、略一定である。

上記の構成を有する作用点側アーム部29aBの下方に、作用点側アーム部30aBが配置されている。

前述したように、作用点側アーム部30aBは、作用点側アーム部29aBと上下対称な形状に形成されている。即ち、作用点側アーム部29aB,30aBは、互いに向かい合う方向に対称な形状に形成されている。よって、作用点側アーム部30aBの詳細な説明は省略する。

一対の作用点側アーム部29aB,30aBは、作用点部32aBに近づくに従い、互いの間隔が狭くなるように傾斜している。更に、一対の作用点側アーム部29aB,30aBは、何れも、基準面P3に対して傾斜している。

作用点側アーム部29aB,30aBの他端部は、作用点部32aBによって互いに連結されている。

作用点部32aBは、パッドホルダ5a(図14では図示せず)を保持するように構成されている。作用点部32aBは、前後方向におけるキャリパテコ3aBの他端部として設けられている。作用点部32aBは、上下に延びる円筒状に形成されている。作用点部32aBの上部は、作用点側アーム部29aBの他端部と連続しており、貫通孔323aBを有している。基準面P3は、貫通孔323aB(作用点軸35a)の中心軸線と直交するように延びている。基準面P3は、上下方向におけるキャリパテコ3aBの中心を通っている。

前後方向において、作用点側アーム部29aB,30aBの全長は、力点側アーム部25aB,26aBの全長よりも小さく設定されている。本実施形態では、前後方向において、支点部27aBの貫通孔273aBの中心から、作用点部32aBの貫通孔323aBの中心までの長さL11Bは、上記貫通孔273aBの中心から、力点側アーム部25aBの貫通孔253aBの中心までの長さL12Bよりも小さい(L11B

作用点部32aBは、開口部20aBの内方を向く内向き面324aBを有している。内向き面324aBは、作用点側アーム部29aB,30Bの内向き面296aB,306aB同士を接続する部分として設けられている。内向き面324aBは、基準面P3を中心として対称な形状に形成されており、本実施形態では、側面視において、円弧状である。内向き面324aBの上端は、内向き面296aBと連続している。一方、内向き面324aBの下端は、内向き面306aBと連続している。

作用点部32aの貫通孔323aには、作用点軸部材33aが挿入されている。第2連結32aBは、作用点軸部材33aを介して、パッドホルダ5a(図14では図示せず)を支持している。

以上が、キャリパテコ3aBの構成である。尚、本実施形態では、キャリパテコ3bに代えて、キャリパテコ3aBと同様のキャリパテコ(図示せず)が用いられる。このキャリパテコは、キャリパテコ3aBと左右対称な形状であるので、当該キャリパテコの詳細な説明は省略する。図示していないけれども、このキャリパテコは、キャリパテコ3bと同様の構成によって、シリンダ装置2、支点軸部材4b、及び作用点軸部材33bに連結される。

図15は、本発明の第3実施形態における鉄道車両用ディスクブレーキ装置の動作を説明するための、主要部の模式的な側面図である。図15を参照して、キャリパテコ3aBは、パッド102a等を介して、ディスク101から反力F1Bを受ける。この反力F1Bは、ディスク101の回転に起因して生じる力であり、キャリパテコ3aBの作用点部32aBを下方へ変位させるように作用する。この反力F1Bが作用する結果、キャリパテコ3aBの作用点部32aBは、下方へ変位する。しかしながら、支点軸4a、作用点側アーム部29aB,30aB及び作用点部32aBによって形成されたトラス構造により、作用点側アーム部29aB,30aBは、反力F1Bの向く方向への変形量を抑制されている。

これにより、作用点側アーム部29aB,30aBに応力集中が生じることを抑制できる。図15では、反力F1Bの作用していない場合のキャリパテコ3aBが、想像線である2点鎖線で示されている。また、反力F1の作用している場合のキャリパテコ3aBが、実線で示されている。尚、キャリパテコ3aBの撓み量は、図15において誇張して示されている。この場合、キャリパテコ3aBと左右対称に配置されたキャリパテコは、図示されていないけれども、キャリパテコ3aBと左右対称な形状に変形する。

以上の次第で、一対の作用点側アーム部29aB,30aBは、作用点部32aBに近づくに従い互いの間隔が狭くなるように傾斜している。また、何れの作用点側アーム部29aB,30aBも、基準面P3に対して傾斜している。このような構成であれば、鉄道車両の制動時、ディスク101の回転方向に沿ってディスク101からパッド102aに作用する反力は、作用点軸35a及び作用点部32aBを介して、一対の作用点側アーム部29aB,30aBに偏り少なく作用する。これにより、一対の作用点側アーム部29aB,30aB及び作用点部32aBにおける応力集中を抑制できる。よって、一対の作用点側アーム部29aB,30aB及び作用点部32aBの応力のピーク値は、低い。これにより、一対の作用点側アーム部29aB,30aBは、ディスク101からの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、ひいては、キャリパテコ3aBは、十分な強度を確保できる。また、鉄道車両の制動時に一対の作用点側アーム部29aB,30aBに生じる応力のピークが小さくされている結果、これら一対の作用点側アーム部29aB,30aBを、より細い形状にできる。これにより、一対の作用点側アーム部29aB,30aBの軽量化を通じて、キャリパテコ3aBの軽量化を達成できる。

以上より、ディスク101からの反力に耐えることのできる十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、ブレーキ装置を提供することができる。

また、キャリパテコ3aBの開口部20aBは、側面視において、作用点部32aBに近づくに従い先細りとなる三角形状に形成されている。この構成によると、支点軸9aと、一対の作用点側アーム29aB,30aBと、作用点部32aBとで、三角形状のトラス構造を構成することとなる。これにより、一対の作用点側アーム部29aB,30aBの剛性を、より高くできる。例えば、ディスク101の回転方向に沿ってディスク101からパッド102aに作用する反力F1Bが一対の作用点側アーム部29aB,30aBに伝わった際、一対の作用点側アーム部29aB,30aBの変形を抑制できる。その結果、一対の作用点側アーム部29aB,30aBの変形に起因する応力集中を抑制できる。

以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は、上述した実施形態に限られず、請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。

(1)前述の各実施形態における各作用点側アーム部の傾斜の角度は、前述の実施形態で図示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。

(2)前述の第1及び第2実施形態では、各キャリパテコの各アーム部において、当該アーム部の延びる方向と直交する断面がL字状である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、各アーム部は、当該アーム部の延びる方向と直交する断面での形状を特に限定されず、例えば、断面楕円形状等であってもよい。

(3)また、前述の各実施形態において、一対の作用点側アーム部が、互いに向かい合う方向に対称な形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、一対の作用点側アーム部の形状は、互いに向かい合う方向に非対称であってもよい。

(4)また、上述の各実施形態では、キャリパテコが中実部材である形態を例に説明した。しかしながら、キャリパテコの一部または全部が中空部材であってもよい。この場合、キャリパテコについて、強度を保ちつつ、更なる軽量化が期待できる。また、テコ支え部材についても、同様に中空部材であってもよい。

(5)また、上述の各実施形態では、反力F1は下方向に示したが、車両の進行方向によっては、逆に上方向となる。この場合であってもアーム部の内向き面は上下対称の形状であるため、本発明は適用可能である。

本発明は、鉄道車両に用いられる鉄道車両用ディスクブレーキ装置として、広く適用できる。

1 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 2 シリンダ装置(駆動装置) 3a,3b,3aA,3aB キャリパテコ 9a,9b 支点軸 25a,25b,26a,26b,25aA,26aA,25aB,26aB, 力点側アーム部 27a,28a,27b,28b27aA,28aA,27aB,28aB 支点部 29a,30a,29b,30b,29aA,30aA,29aB,30aB 作用点側アーム部 32a,32b,32aA,32aB 作用点部 35a 作用点軸 101 ディスク 102a,102b パッド P3 基準面

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