キャリパブレーキ装置 |
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申请号 | JP2010290801 | 申请日 | 2010-12-27 | 公开(公告)号 | JP5622561B2 | 公开(公告)日 | 2014-11-12 |
申请人 | カヤバ工業株式会社; 公益財団法人鉄道総合技術研究所; 新日鐵住金株式会社; 株式会社ファインシンター; | 发明人 | 鈴木 努; 努 鈴木; 大河原 義之; 義之 大河原; 泰 狩野; 泰 狩野; 阿佐部 和孝; 和孝 阿佐部; 坂口 篤司; 篤司 坂口; 隆 前島; 隆 前島; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 車輪と共に回転するディスクを挟んで摩擦力を付与する車両用キャリパブレーキ装置であって、 車体に支持されるキャリパ本体と、 前記ディスクに摺接して摩擦力を付与する制輪子と、 前記制輪子を前記ディスクに流体圧力によって押付けるピストンと、を備え、 前記制輪子は、 前記ピストンによって押圧されるライニング背板と、 前記ディスクに摺接するライニングと、 前記ライニング背板と前記ライニングの間に介装されるバネと 、 前記ライニングが結合されるライニング取付板と、 前記ライニング取付板を前記ライニング背板に対して移動可能に支持する支持部材と、を備え、 前記ライニングが前記バネを介して前記ライニング背板から離される構成とし 、 前記ライニング取付板は、 前記ライニングが結合される円盤状のライニング結合部と、 前記ライニング背板に前記支持部材を介して結合される円盤状の中央取付部と、 前記ライニング背板に向けて突出する突起と、を有し、 前記中央取付部には前記支持部材に摺動可能に嵌合する貫通穴が形成され、 前記ライニング取付板が前記バネを介して前記ライニング背板から離されることによって前記中央取付部と前記ライニング背板との間に間隙が画成される構成とし、 前記ライニング取付板が前記ライニング背板に対して回動することを係止する回り止め機構を備え、 前記回り止め機構は、前記突起と、前記ライニング背板に形成され前記突起を係合させる係止溝と、を備えることを特徴とするキャリパブレーキ装置。 前記ライニング背板には、前記バネに係合する凹部と前記係止溝とが並んで形成されることを特徴とする請求項1に記載のキャリパブレーキ装置。 前記キャリパ本体に取付けられる弾性膜と、 前記弾性膜によって画成され制動時に流体圧力が供給される駆動圧力室と、 前記弾性膜と前記制輪子の間に介装されるピストンと、を備え、 制動時に前記駆動圧力室に導かれる流体圧力により前記弾性膜が膨らんで前記ピストンが前記制輪子を前記ディスクに押付ける構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のキャリパブレーキ装置。 前記キャリパ本体に設けられるシリンダ部と、 前記シリンダ部に摺動可能に収容されるピストンと、 前記シリンダ部と前記ピストンの間に画成される駆動圧力室と、を備え、 制動時に前記駆動圧力室に導かれる流体圧力により前記ピストンが前記制輪子を前記ディスクに押付ける構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のキャリパブレーキ装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、車輪と共に回転するディスクを挟んで摩擦力を付与するキャリパブレーキ装置に関するものである。 一般に、鉄道車両のブレーキ装置には、ピストンが制輪子(ライニング)を直接押圧するキャリパ式(直動型)のもの(キャリパブレーキ装置)と、ピストンがリンク機構を介して制輪子を押圧する梃子式のものがある。 キャリパブレーキ装置として、例えば特許文献1、2には、油圧によってピストンが制輪子を直接押圧する油圧式のものが開示されている。 この油圧式キャリパブレーキ装置は、空気圧源から供給される空気圧を油圧に変換する空油変換器を搭載し、この空油変換器から油圧配管を介して供給される油圧によりピストンを作動させるようになっている。 近年、鉄道車両に空気圧源から供給される空気圧によって作動する空気圧式キャリパブレーキ装置を搭載し、上記の空油変換器と油圧配管を廃止することが望まれている。 特許文献3に開示された空気圧式キャリパブレーキ装置は、駆動圧力室を画成する弾性膜と、この弾性膜と制輪子の間に介装されるピストンとを備え、制動時に駆動圧力室に導かれる空気圧力により弾性膜が膨らんでピストンが制輪子をディスクに押付けるようになっている。 梃子式ブレーキ装置は、ピストンが制輪子から離れているため、制輪子に生じる摩擦熱が、ピストンに伝わりにくく、ピストン等の耐熱性を確保することが容易である。 これに対して、上記の油圧式、空気圧式のキャリパブレーキ装置にあっては、ピストンが制輪子の背面を押圧する構造のため、制輪子に生じる摩擦熱が、制輪子からピストンに伝わり、ピストン等の耐熱性を確保することが難しいという問題点があった。 本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ピストン等の耐熱性を確保できるキャリパブレーキ装置を提供することを目的とする。 本発明は、車輪と共に回転するディスクを挟んで摩擦力を付与する車両用キャリパブレーキ装置であって、車体に支持されるキャリパ本体と、ディスクに摺接して摩擦力を付与する制輪子と、この制輪子をディスクに流体圧力によって押付けるピストンと、を備え、制輪子は、ピストンによって押圧されるライニング背板と、ディスクに摺接するライニングと、ライニング背板とライニングの間に介装されるバネと、ライニングが結合されるライニング取付板と、このライニング取付板をライニング背板に対して移動可能に支持する支持部材と、を備え、ライニングがバネを介してライニング背板から離される構成とし、ライニング取付板は、ライニングが結合される円盤状のライニング結合部と、ライニング背板に支持部材を介して結合される円盤状の中央取付部と、ライニング背板に向けて突出する突起と、を有し、中央取付部には支持部材に摺動可能に嵌合する貫通穴が形成され、ライニング取付板がバネを介してライニング背板から離されることによって中央取付部とライニング背板との間に間隙が画成される構成とし、ライニング取付板がライニング背板に対して回動することを係止する回り止め機構を備え、回り止め機構は、突起と、ライニング背板に形成され突起を係合させる係止溝と、を備えるものとした。 本発明によると、制動時にライニングがバネを圧縮しながらディスクに押し付けられることにより、ライニングがバネを介してライニング背板から離されることより、ディスクとの摺接部に生じる摩擦熱がライニング背板を介してピストンに伝達されることを抑えられる。 これにより、ライニングやディスクの偏摩耗を防止できるとともに、ピストン等の耐熱性が十分に確保される。 以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。 図1〜3は、本発明の実施の形態を示すキャリパブレーキ装置1の三面図である 。 図3はキャリパブレーキ装置1を車両の右側から見た側面図である。 図1は図3の矢印B方向から見た平面図である。 図2は図3のA−A線に沿う縦断面図である。 ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定と、X軸が水平横方向、Y軸が鉛直方向、Z軸が水平前後方向に延びるものとし、キャリパブレーキ装置1の構成を説明する。 図1に示すように、鉄道車両に搭載されるキャリパブレーキ装置1は、左右の制輪子7の間に車輪5のディスク6を挟持し、車輪5の回転を制動する。 図2において、Oは車輪5の回転中心軸であり、Hは回転中心軸Oに直交する車輪5の中心線である。 図1、図3において、20は鉄道車両の図示しない台車(車体)上に固定される支持枠であり、10はこの支持枠20に支持されるキャリパ本体である。 図2に示すように、制輪子7は、ディスク6に摺接する摩擦材として複数枚に分割されたライニング9と、これらのライニング9が取付けられる金属製のライニング背板19と、このライニング背板19の背後に皿型リベット17を介して取り付けられる連結プレート18とを備える。 案内板8にはY軸方向に延びるアリ溝8c(図1参照)が形成され、このアリ溝8cに制輪子7の連結プレート18のエッジ部18a(図1参照)が差し込まれる。 これにより、キャリパアーム12に案内板8を介して制輪子7の連結プレート18が支持される。 上下のアンカピン43には環状段部43bがそれぞれ形成される。 案内板8の上端部には環状段部43bに係合する係合穴8aが形成される。 案内板8の下端部には環状段部43bに係合する係合凹部8bが形成される(図2参照)。 制輪子7は、案内板8の上下端部が各アンカピン43の環状段部43bに係合することにより、ディスク6に対して進退可能に支持され、ライニング背板19の上下端部が各アンカピン43に係合することにより、その制動反力が支持される。 アジャスタ41にはアンカピン43の露出部を覆うゴム製のブーツ46が介装され、このブーツ46によってダストから保護される。 制輪子7の交換時には、まず、下側のアジャスタ41がキャリパアーム12から取り外され、制輪子7のライニング背板19に対するアンカピン43の係合が解除される。 次に、案内板8のアリ溝8cに沿って制輪子7が下方に抜き取られる。 次に、新しい制輪子7が案内板8のアリ溝8cに差し込まれる。 次に、下側のアジャスタ41がキャリパアーム12に取付けられ、案内板8がアンカピン43に係合して支持されるとともに、ライニング背板19がアンカピン43に係合して制輪子7の抜け止めが行われる。 こうして、制輪子7を着脱する作業が案内板8を介して行われる。 アジャスタ41はアンカピン43を介して制輪子7をディスク6から離す方向に付勢する戻しバネ44と、制動解除時に制輪子7とディスク6の隙間を略一定に調整する隙間調整機構45を備える。 制動解除時に制輪子7は戻しバネ44の付勢力によってディスク6から離され、隙間調整機構45によってディスク6との隙間Wが略一定に調整される。 右のキャリパアーム12に案内板8を介して制輪子7をディスク6に押圧するアクチュエータ60が設けられる。 アクチュエータ60は、各アジャスタ41の間に配置される。 アクチュエータ60は、鉄道車両に搭載される空気圧源からこの駆動圧力室63に供給される空気圧力(流体圧力)によって弾性膜50がピストン65を介して制輪子7を押圧作動する。 アクチュエータ60は、キャリパアーム12に形成される収容壁12bと、この収容壁12bに取付けられる弾性膜50と、収容壁12bに締結されるカバー61と、収容壁12bとこの弾性膜50とこのカバー61の間に画成される駆動圧力室63と、弾性膜50と制輪子7の間に介装されるピストン65とを備える。 キャリパアーム12は、収容壁12bの開口縁部のまわりに延びる環状の取付座12aを有する。 取付座12aには複数のネジ穴が所定の間隔を持って形成され、各ネジ穴に螺合するボルト62を介してカバー61が締結される。 取付座12aとカバー61との間に弾性膜50の周縁部50aが挟持される。 カバー61は、駆動圧力室63を画成する部位が凹状に窪む皿状に形成される。 弾性膜50は、樹脂製弾性材によって形成される。 なお、弾性膜50は、樹脂製弾性材に限らず、例えばカーボン繊維、ケブラー繊維等の強化材を複合したものを用いてベローズを形成しても良い。 また、弾性膜を金属薄板からなるベローズやゴム製チューブやダイヤフラムを用いて形成しても良い。 弾性膜50は、取付座12aとカバー61との間に挟持される周縁部50aと、収容壁12bに沿って伸縮するベローズ部50bと、制輪子7に対峙する押圧膜部50cとを有する。 弾性膜50の押圧膜部50cと制輪子7の間にピストン65が介装される。 弾性膜50は、駆動圧力室63に導かれる空気圧力によりピストン65を介して制輪子7をX軸方向に押圧し、制輪子7をディスク6に押付ける。 ピストン65は、樹脂を射出成形することによって形成される。 図3に示すように、ピストン65及び駆動圧力室63の断面形状は、略長円形に形成される。 収容壁12bは、キャリパアーム12を貫通する長円筒面状に形成される。 図2に示す取付座12aは、同じく略長円形の内形及び外形を有する。 カバー61は、取付座12aと同じく略長円形の外形を有する。 弾性膜50は、略長円形のピストン65及び収容壁12bに沿って張設されることにより、屈曲部を持たないため、十分な耐久性が確保される。 なお、これに限らず、ピストン65及び収容壁12bの断面形状は、楕円または他の形状に形成される構成としてもよい。 ピストン65は、案内板8に連結され、上下のアンカピン43を介して案内される案内板8とともにX軸方向に変位し、弾性膜50の動きを制輪子7に伝達する。 ピストン65を案内板8に結合する結合手段として、ピストン65は、図示しない複数のボルトを介して案内板8に締結される。 なお、この結合手段は、これに限らず、ピストン65が例えばキー等の結合部材または他の手段を介して案内板8に結合される構成としてもよい。 キャリパ本体10は、支持枠20に上下スライドピン31、32によってX軸方向に摺動可能にフローティング支持される。 キャリパ本体10は、車輪5のディスク6に跨るようにして延びる左右のキャリパアーム12と、左右のキャリパアーム12を結ぶヨーク部13とを有する。 左のキャリパアーム12の上下端部にアンカブロック48がボルト42を介してそれぞれ締結される(図1参照)。 左のキャリパアーム12には、支持レール(図示せず)が一体形成される。 この支持レールにはアリ溝が形成され、このアリ溝に左の制輪子7のライニング背板(図示せず)が差し込まれる。 制輪子7は、支持レールに差し込まれるとともに、その上下端がアンカブロック48に設けられるアンカピン43に係合することによって抜け止めされ、左のキャリパアーム12に固定される(図1参照)。 右のキャリパアーム12の上下端部にアジャスタ41がボルト42を介してそれぞれ締結される。 上下のアジャスタ41はX軸方向に突出するアンカピン43を備える。 上下のアンカピン43を介して制輪子7及びその案内板8の両端部がそれぞれ支持される。 図4の(a)はピストン65をディスク6側から見た側面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 ピストン65は、樹脂を射出成形することによってその断面が略長円形をしたブロック状に形成される。 ピストン65は、案内板8に当接するピストン押圧面65aと、弾性膜50の押圧膜部50cに当接するピストン背面65bと、収容壁12bに対峙するピストン側面65cとを有する。 ピストン65は、そのピストン背面65bが略長円形に形成され、そのピストン側面65cが略長円筒面状に形成される。 図5は制輪子7をディスク6側から見た側面図である。 制輪子7は、摩擦材として14枚の円盤状のライニング9を備え、各ライニング9がディスク6の周方向に沿って2列に並んで配置される。 なお、ライニング9の枚数と配置は、これに限らず、要求される条件に応じて任意に設定される。 図6は図5のD−D線に沿う制輪子7の断面図である。 制輪子7は、ライニング9が結合されるライニング取付板22と、このライニング取付板22がリベット(支持部材)16を介して結合されるライニング背板19と、ライニング取付板22とライニング背板19の間に介装されるバネ23とを備える。 摩擦材料からなるライニング9は、その背面9aが金属製のライニング取付板22に結合される。 ライニング取付板22は、ライニング9が結合される円盤状のライニング結合部22cと、リベット16を介してライニング背板19に結合される円盤状の中央取付部22dとを有する。 中央取付部22dには貫通穴22eが形成され、この貫通穴22eにリベット16が摺動可能に挿入される。 リベット16は、中央取付部22dに着座する鍔状の頭部16aと、貫通穴22eに挿入される円柱状の支持柱部16bと、ライニング背板19の穴19aに挿入される円柱状の締結柱部16cと、穴19aの開口縁部に係合するカシメ部16dとを有する。 リベット16は、ライニング背板19にカシメ固定される。 ライニング取付板22は、リベット16の軸方向(X軸方向)について摺動可能に支持される。 リベット16の支持柱部16bは、ライニング取付板22の貫通穴22eに摺動可能に挿入される。 リベット16は、ライニング取付板22をライニング背板19に対して移動可能に支持する支持部材を構成する。 ライニング取付板22は、バネ23に係合する凹部22fが形成される。 この凹部22fは、ライニング取付板22の外周端部から突出するC字形の外周凸部22bと、円錐状のテーパ部22hとの間に画成される。 ライニング取付板22は、テーパ部22hがライニング結合部22cと中央取付部22dを曲折して結ぶ断面形状を持ち、中央取付部22dがライニング結合部22cよりライニング背板19から離れる形状を有する。 ライニング背板19には、バネ23に係合する環状の凹部19bが形成される。 この凹部19bはライニング取付板22の凹部22fに対峙する。 バネ23は、円錐状に形成されるいわゆる皿バネとする。 バネ23は、凹部19bと凹部22fの間に収容され、両者の間で圧縮される。 なお、バネ23は、これに限らず、他の形状を持つものを介装してもよい。 ライニング取付板22とライニング背板19とは、バネ23の弾性復元力によって互いに離され、リベット16のまわりにはライニング取付板22の中央取付部22dとライニング背板19との間に間隙28が画成される。 ライニング取付板22がライニング背板19に対して回動することを係止する回り止め機構24として、ライニング取付板22の突起22aが形成される一方、ライニング背板19にこの突起22aを係合させる係止溝19cが形成される。 図3に示すように、キャリパアーム12にはインレット部14が設けられ、このインレット部14には図示しない空気圧源に連通する空気圧配管が接続される。 空気圧源と駆動圧力室63の間には、図示しないコントローラによって作動する切換弁が設けられる。 切換弁は、制動解除時に大気圧を駆動圧力室63に導くポジションに保持される一方、制動時に空気圧源からの加圧空気を駆動圧力室63に導くポジションに保持される。 次に、キャリパブレーキ装置1の作動について説明する。 制動解除時にインレット部14から駆動圧力室63に導かれる圧力が下げられることにより、駆動圧力室63の空気がインレット部14から排出され、ベローズ部50bが収縮し、制輪子7が戻しバネ44の付勢力によってディスク6から離される。 このとき、ディスク6との隙間Wが隙間調整機構45によって略一定に調整される。 制動時に駆動圧力室63に導かれる空気圧力が高められることにより、弾性膜50が膨らみ、弾性膜50がピストン65を介して制輪子7をディスク6に押圧する。 これによって、制輪子7がディスク6に摩擦力を付与し、車輪の回転を制動する。 ピストン65は、案内板8を介してライニング背板19の広い範囲を押圧するため、ライニング背板19の弾性変形が抑えられ、弾性膜50の動きをライニング9に伝達する機械効率が損なわれない。 さらに、制輪子7のディスク6に対する面圧が均一化される。 制輪子7は、案内板8の上下端部が各アジャスタ41から突出するアンカピン43に係合することにより、ディスク6に対して進退可能に支持されるとともに、制輪子7の制動反力が支持される。 ピストン65は、複数のボルト(図示せず)によって案内板8に締結され、案内板8によってディスク6に対して進退可能に支持されるため、キャリパ本体10にピストン65のピストン側面65cを摺接させて支持するガイドを設ける必要がない。 これにより、ピストン65は、ガイド(キャリパ本体10)に対する摺動抵抗が生じることがなく、駆動圧力室63に導かれる空気圧力を効率良く案内板8に伝えられる。 ライニング9の磨耗が進むのに伴って、ピストン65がキャリパアーム12に押出される量が変わっても、十分な機械効率が得られる。 制動時、ライニング取付板22は、バネ23を圧縮しながらリベット16に対して摺動し、ピストン65の押圧力をライニング9に伝え、ライニング9がディスク6に摩擦力を付与する。 ディスク6の熱変形に対応し、ライニング9がバネ23を圧縮しながらディスク6の摺接部に追従し、制輪子7のディスク6に対する面圧が均一化される。 こうして制輪子7のディスク6に対する面圧が均一化されることにより、制輪子7の摩擦係数が高く保たれ、制輪子7が持つ本来の制動力が発揮されるとともに、制輪子7やディスク6の局部的な温度上昇が抑えられることによって制輪子7やディスク6の偏摩耗が生じることを防止できる。 制動時、ディスク6とライニング9の摺接部に生じる摩擦熱が、制輪子7から案内板8、ピストン65、弾性膜50に伝わるが、ライニング9がバネ23を介してライニング背板19から離されることより、制輪子7の熱がピストン65と弾性膜50に伝達されることが抑制される。 これについて詳述すると、制動時、ライニング取付板22は、バネ23を圧縮しながらリベット16に対して摺動し、中央取付部22dがライニング背板19に当接しており、ディスク6とライニング9の摺接部に生じる摩擦熱が、ライニング取付板22を介してライニング背板19に直接伝わるが、ライニング取付板22がライニング背板19に接触する面積が中央取付部22dとライニング背板19との当接部に限定されるため、制輪子7の熱がピストン65と弾性膜50に伝達されることが抑制される。 緩制動時または制動解除時に、ピストン65が案内板8を押圧する力が小さくなると、図6に示すように、バネ23の付勢力によって中央取付部22dがライニング背板19から離れて間隙28が生じる。 この間隙28によって、ディスク6の熱がライニング取付板22からライニング背板19に直接伝わらず、制輪子7の熱がピストン65と弾性膜50に伝達されることが抑制される。 こうして、樹脂製の弾性膜50及びピストン65は、耐熱性が十分に確保される。 図7は、実験によって制輪子7の温度分布を測定した結果を示し、(a)は、本発明のキャリパブレーキ装置1のものであり、(b)はライニングの背後のバネを持たない現行形状のライニングを用いたキャリパブレーキ装置(従来装置)のものである。 このグラフは、所定の条件で車両の制動を始める初速度を変えてライニング9と案内板8のピーク温度をそれぞれ測定した結果を示している。 このグラフから、本発明のキャリパブレーキ装置1は、ライニング9のピーク温度が案内板8のピーク温度に比べて1/3以下に低下する。 これに対して、従来装置では、ライニング9のピーク温度が案内板8のピーク温度に比べて1/2以上にある。 すなわち、本発明のキャリパブレーキ装置1は従来装置に比べて、案内板8のピーク温度が、大幅に低下することがわかる。 アクチュエータ60が空気圧力によって作動するため、鉄道車両に搭載される空油変換器(油圧源)や油圧配管が不要になり、鉄道車両の軽量化がはかれる。 なお、これに限らず、弾性膜型キャリパブレーキ装置のアクチュエータとして、駆動圧力室に油圧力(流体圧力)が導かれる油圧ピストンを設けてもよい。 この場合、従来の油圧ピストン型キャリパブレーキ装置に比べてアクチュエータの受圧面積が拡大するため、低い油圧力で必要な押圧力を確保でき、空油変換器による増圧が不要になり、空油変換器の小型化がはかれる。 以上のように、本実施形態では、車輪5と共に回転するディスク6を挟んで摩擦力を付与する車両用キャリパブレーキ装置であって、車体(台車)に支持されるキャリパ本体10と、ディスク6に摺接して摩擦力を付与する制輪子7と、この制輪子7をディスク6に流体圧力によって押付けるピストン65と、を備え、制輪子7は、ピストン65によって押圧されるライニング背板19と、ディスク6に摺接するライニング9と、ライニング背板19とライニング9の間に介装されるバネ23と、を備え、ライニング9がバネ23を介してライニング背板19から離される構成とした。 上記構成に基づき、制動時にライニング9がバネ23を圧縮しながらディスク6に押し付けられることにより、ディスク6の熱変形に対応してディスク6に対するライニング9の面圧を均一化するとともに、ライニング9がバネ23を介してライニング背板19から離されることより、ディスク6との摺接部に生じる摩擦熱がライニング背板19を介してピストン65に伝達されることを抑えられる。 これにより、ライニング9やディスク6の偏摩耗を防止できるとともに、樹脂製の弾性膜50及びピストン65の耐熱性が十分に確保される。 本実施形態では、制輪子7は、ライニング9が結合されるライニング取付板22と、このライニング取付板22をライニング背板19に対して移動可能に支持する支持部材(リベット16)と、を備え、ライニング取付板22は、ライニング9が結合される円盤状のライニング結合部22cと、支持部材(リベット16)を介してライニング背板19に結合される円盤状の中央取付部22dとを有し、この中央取付部22dには支持部材(リベット16)に摺動可能に嵌合する貫通穴22eが形成され、ライニング取付板22がバネ23を介してライニング背板19から離されることによって中央取付部22dとライニング背板19との間に間隙28が画成される構成とした。 上記構成に基づき、バネ23の付勢力によってライニング取付板22がライニング背板19から離れる方向に移動して中央取付部22dとライニング背板19との間に間隙28が生じ、ディスク6の熱がライニング取付板22からライニング背板19に直接伝わらず、制輪子7の熱がピストン65と弾性膜50に伝達されることを抑えられ、ピストン65に対するライニング9の断熱性が十分に確保される。 本実施形態では、ライニング取付板22がライニング背板19に対して回動することを係止する回り止め機構24を備える構成とした。 上記構成に基づき、ライニング取付板22の回動が止められため、ライニング取付板22等の磨耗が抑えられるとともに、制動時におけるライニング取付板22の姿勢が一定に保たれ、ピストン65に対するライニング9の断熱性が維持される。 本実施形態では、キャリパ本体10に取付けられる弾性膜50と、この弾性膜50によって画成され制動時に流体圧力(気体圧力)が供給される駆動圧力室63と、弾性膜50と制輪子7の間に介装されるピストン65と、を備え、制動時に駆動圧力室63に導かれる流体圧力(気体圧力)により弾性膜50が膨らんでピストン65が制輪子7をディスク6に押付ける構成とした。 上記構成に基づき、制動時に駆動圧力室63に導かれる流体圧力が高められることにより、弾性膜50が膨らみ、弾性膜50がピストン65を介して制輪子7をディスク6に押圧する。 これによって、ピストン65は、ライニング背板19の広い範囲を押圧するため、制輪子7のディスク6に対する面圧が均一化され、制動力が高められる。 次に図8に示す他の実施の形態を説明する。 これはアクチュエータ60が油圧力によって作動するピストン35を備えるものであり、基本的には図1〜6の実施の形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。 なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。 右のキャリパアーム12には、その中央部に2つのアジャスタ41が設けられ、このアジャスタ41を挟むようにして2つのピストン35が設けられ、その両端部に上下のアンカピン43が設けられる。 制輪子7は、案内板8の上下端部が各アンカピン43に係合することにより、ディスク6に対して進退可能に支持されるとともに、制輪子7の制動反力が支持される。 キャリパ本体10にシリンダ部34が形成され、このシリンダ部34にピストン35が摺動可能に収容され、シリンダ部34とピストン35の間に駆動圧力室33が画成される。 シリンダ部34にはシールリング36が介装され、このシールリング36がピストン35に摺接することによって駆動圧力室33が密封される。 アクチュエータ60は、鉄道車両に搭載される油圧源からこの駆動圧力室33に供給される油圧力(流体圧力)によってピストン35が制輪子7を押圧作動する。 制動時、ライニング取付板22は、バネ23を圧縮しながらリベット16に対して摺動し、ピストン65の押圧力をライニング9に伝え、ライニング9がディスク6に摩擦力を付与する。 制動時、ディスク6とライニング9の摺接部に生じる摩擦熱が、制輪子7から案内板8、ピストン35に伝わるが、ライニング9がバネ23を介してライニング背板19から離されることより、制輪子7の熱がピストン35に伝達されることが抑制され、ピストン35に摺接するシールリング36等の耐熱性が確保される。 本実施形態では、キャリパ本体10に設けられるシリンダ部34と、このシリンダ部34に摺動可能に収容されるピストン35と、シリンダ部34とピストン35の間に画成される駆動圧力室33と、を備え、制動時に駆動圧力室33に導かれる流体圧力(油圧力)によりピストン35が制輪子7をディスク6に押付ける構成とした。 上記構成に基づき、制動時に駆動圧力室33に導かれる流体圧力が高められることにより、ピストン35が移動して制輪子7をディスク6に押付ける。 この場合にも、制動時にライニング9がバネ23を圧縮しながらディスク6に押し付けられることにより、ディスク6の熱変形に対応してディスク6に対するライニング9の面圧を均一化するとともに、ライニング9がバネ23を介してライニング背板19から離されることより、ディスク6との摺接部に生じる摩擦熱がライニング背板19を介してピストン35に伝達されることを抑えられる。 これにより、ライニング9やディスク6の偏摩耗を防止できるとともに、ピストン35の耐熱性が十分に確保される。 本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。 1 キャリパブレーキ装置 5 車輪 6 ディスク 7 制輪子 8 案内板 9 ライニング 10 キャリパ本体 12 キャリパアーム 19 ライニング背板 16 リベット(支持部材) |